JP2002519129A - 移動式表面仕上げ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本明細書は、衛星ヘッド（３）及びいくつかの衛星ヘッド（６）を有する移動式表面仕上げ装置を開示する。衛星ヘッドは表面を研磨するのに適しており、遊星ヘッドは表面の周囲を楕円形の進路において表面処理装置を移動させるのに適している。遊星ヘッドはモータ（９）により駆動され、衛星ヘッドを駆動するために用いられるモータ（４）からは独立している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 概して本発明は、床板の表面を仕上げる際に使用するのに適した移動式表面仕
上げ装置に関する。特に、本発明はコンクリート、石および木製の床に適した遊
星型表面仕上げ装置に関する。

【０００２】 本発明の表面仕上げ装置は、表面仕上げが必要である様々な家庭用、商用およ
び工業用の用途に用いられ得る。本発明の表面仕上げ装置は、床、特にコンクリ
ート、石、または木材より建造された床の表面仕上げに使用するために特によく
適している。本発明は、特に床の表面仕上げに関して記載されるが、この用途に
限定されるものではなく、屋内及び屋外における様々な表面に使用され得る。

【０００３】 表面仕上げ装置は、通常、床板に付着した物質を削り取り、さらに必要により
、床板の一部を削り取ることにより、床板を剥がすか、または滑らかにするため
に用いられる。表面仕上げ装置は、新たな被覆材またはコーティングが施され得
る、清浄、かつ滑らかで本質的に平坦な平面を提供する。例えば、建築業者及び
修繕業者は、リノリウム、タイル、または他の被覆材を床に接着するために用い
られていた接着剤を除去するためや、ワニス、塗料、またはポリマ（エポキシの
ベースのコーティングなど）のコーティングを除去するために、しばしば表面仕
上げ装置を使用する。

【０００４】 表面仕上げ装置は、通常、粗面の床板表面を滑らかにするためや、滑らかさを
有する床、すなわち水準面を形成するための表面水準化化合物を除去するために
も用いられる。また、いくつかの種類のコンクリートを含むある特定の表面は、
表面仕上げ装置を用いて磨くことに適している。

【０００５】 床の表面仕上げ装置の最もよく知られている型式の１つは、遊星型装置である
。これらの装置は、遊星ヘッド内に３つの表面仕上げ衛星ヘッドを備えている。
遊星ヘッドと衛星ヘッドは反対方向に回転する。通常、これらの装置における衛
星ヘッドが駆動され、遊星ヘッドは衛星ヘッドと表面仕上げされる床との間に発
生する摩擦の量によって主として決定される速度で回転する。従って、衛星ヘッ
ドが急速に表面を研摩するために高速にて駆動されると、遊星ヘッドも急速に回
転する傾向がある。しかし、これは粗面の床において使用する場合に装置を弾ま
せ、制御するのが困難となる。しかしながら、装置の安定性を向上するために、
衛星ヘッドを遅くすると、表面仕上げ装置の処理能力及び経済性は減少する。さ
らに、表面仕上げ装置の処理能力を向上するために、衛星ヘッドが高速で駆動さ
れると、機械部品及び表面仕上げヘッドにおける摩耗が激しくなる。

【０００６】 米国特許第５，６３７，０３２号は、ほぼ上記の型式であるが、遊星ヘッドの
回転を制御するために、表面仕上げ装置のフレームに取り付けられたベルトプー
リと、表面仕上げ円盤のシャフトの上に配置された複数のベルトプーリと、これ
らの複数のベルトプーリとフレームに取り付けられたプーリとの周囲を走行する
ベルトとをさらに備える表面仕上げ装置を記載している。しかしながら、前記特
許に記載された配置は遊星ヘッドの回転速度を制限することのみに適している。
衛星ヘッドと表面仕上げされる床との間にかなりの摩擦力がある動作条件下にお
いては、遊星ヘッドの回転速度はこれらの摩擦力によって既に制限されているの
で、これらの構造はほとんど目的を果たさない。衛星ヘッドと表面仕上げされる
床との間に比較的低い摩擦力が存在する条件下においては、ベルトは遊星ヘッド
の回転速度を制限し得るが、有効である場合は、遊星ヘッドの動作を制御するベ
ルトは、衛星ヘッドの回転速度に正比例して遊星ヘッドの回転速度を制限する。
これは装置の運転モードに対し、柔軟性をほとんど与えない。本発明は、より安
定して稼動することが可能であり、処理能力及び操作の柔軟性が著しく向上され
得る装置を提供する。

【０００７】 本発明によると、移動式表面仕上げ装置は、遊星ヘッドが回転可能に取り付け
られるフレームと、遊星ヘッド内に回転可能に取り付けられる少なくとも１つの
衛星ヘッドとを備え、少なくとも１つの衛星ヘッドは表面を研摩するのに適して
いる。また、前記装置は、遊星ヘッドを駆動するための第１駆動手段及び衛星ヘ
ッドを駆動するための第２駆動手段を備え、第１駆動手段及び第２駆動手段は独
立して駆動される。

【０００８】 通常、移動式表面仕上げ装置は複数の衛星ヘッド、好ましくは３つのヘッドを
含む。しかし、また、４つの衛星ヘッドを有する装置も考えられる。 通常、前記衛星ヘッドの各々は、遊星のヘッド内に回転可能に取り付けられた
対応するシャフト上に配置される表面仕上げ円盤を備える。この構造において、
前記シャフトの各々は第２駆動装置手段により駆動され、第２駆動装置手段は前
記シャフトに取り付けられるベルトプーリと、各ベルトプーリの周囲を走行し、
フレームに取り付けられたモータにより駆動される駆動ベルトとからなる。

【０００９】 本発明の特に好ましい実施例において、第２駆動手段はベルト張引要素を含む
。通常、ベルト張引要素はベルトテンションプーリを備え、衛星シャフトに取り
付けられるベルトプーリの周囲を通過する駆動ベルトに張力をかけるために使用
される。分解された装置が組み立て直された後にベルトに張力をかけることがで
きるので、張引要素は表面仕上げ装置の組み立て及び保守を簡略化する。

【００１０】 好ましくは、前記第１駆動手段は一連の連動しているプーリ及びベルトを介し
て遊星ヘッドを駆動するモータを備える。 第１駆動手段及び第２駆動手段は別個のモータにより駆動される独立したシス
テムであり、完全に独立して稼動することが認識されるであろう。その結果、衛
星ヘッド及び遊星ヘッドは独立して駆動され、互いに対向する回転方向または同
一の回転方向にて駆動される。また、衛星ヘッド及び遊星ヘッドは互いに独立し
て異なる速度で駆動され得る。これは、例えば、稼動式表面仕上げ装置が粗面部
分に達した場合には同装置が弾まないように、オペレータが粗面の床上において
は遊星ヘッドを比較的低速度で駆動することを可能にするが、装置の処理能力を
維持するために衛星ヘッドは依然比較的高速で駆動させることが可能である。表
面が軽く仕上げられるだけの場合、表面仕上げ装置は速い速度で床表面を覆い、
衛星ヘッドは床の任意の部分と比較的短時間にわたってのみ接触した状態を維持
するように、遊星ヘッドは迅速に駆動され得る。一方、表面の比較的大きな部分
を除去したい場合には、衛星ヘッドが比較的長期間にわたって床の任意の部分と
接触した状態を維持するように、遊星ヘッドは減速され得る。これにより、本発
明の表面仕上げ装置は用途において、かなりの柔軟性を有する。

【００１１】 本発明の好ましい実施例が、例としてのみ、添付図面を参照して記載される。 図に示される表面仕上げ装置は、モータ取り付け板２と制御シャシー（示され
ていない）とからなるフレームを有する。前記シャシーは尖端１に取り付けられ
、かつ、それによりオペレータが装置を表面仕上げされる床上を移動させること
ができる手段を備える。これは通常、装置の操作を制御するための制御盤を備え
るためになされる必要な接続のために設けられた適切な設備を有するハンドル構
造である。前記制御盤はハンドル構造上に設けられる。

【００１２】 装置はさらに、天板３ａ及び底板３ｃにより両端を閉塞された円筒壁３ｂから
なる遊星ヘッド３を備える。モータ取り付け板２は、モータ取り付け板の固定延
長部である主軸受マウント２ａ、遊星ヘッド３に固定される主軸受ハウジング３
ｄ、及び主軸受３ｅからなる主軸受アセンブリにより遊星ヘッド３に取り付けら
れる。遊星ヘッド３は、天板３ａに固定されるプーリ１３を有し、プーリ１３の
周囲に巻付いて第１駆動手段により駆動されるベルト１３ａによりどちらの方向
にも回転するよう駆動され得る。

【００１３】 第１駆動装置手段は、モータ取り付け板２に固定されるモータ９を備える。プ
ーリ１０は小モータ９のシャフトに固定される。このプーリは、ベルト１０ａを
介して、シャフト１２を駆動するために第２プーリ１１ａと相互に作用する。第
３プーリ１１ｂがこのシャフトの下端に取り付けられる。このプーリ（１１ｂ）
は、図１及び図３に結論として示されるように、ベルト１３ａを介してプーリ１
３と相互に作用する。ベルトとプーリの連なりを介した頂部駆動モータ９と頂部
駆動プーリとの相互作用は「頂部駆動系統」と呼ばれる。

【００１４】 第２駆動手段は、モータ取り付け板２に取り付けられるモータ４を備え、かつ
駆動プーリ４ｂが取り付けられているシャフト４ａを有する。駆動プーリは、駆
動シャフト軸受アセンブリ４ｃ及び付随する軸受４ｄにより安定させられる。

【００１５】 駆動プーリ４ｂは、ベルトプーリ６ａの周囲を走行する一次駆動ベルト７によ
り、衛星ヘッドに作用可能に接続される。ベルトプーリ６ａは次に衛星ヘッドシ
ャフト６ｂに取り付けられる。この配列は図２において最もよく認識され得る。
稼動中に最適なベルト張力を保証するために、可変ベルト張引要素８が設けられ
る。また、この張引要素は、駆動ベルトがベルトプーリ上に引張されなければな
らない従来開示されている装置とは異なり、ベルト張力が後続するアセンブリま
たは部品にかけられ得るので、装置の修理を容易にする。以前に開示された装置
における構造は、その点から装置を組み立てるのに大きな困難を伴うことが認識
されるであろう。駆動プーリ４ｂ、一次駆動ベルト７、ベルトプーリ６ａ及びベ
ルト引張器８の相互作用は、「底部駆動系統」の機構を形成する。

【００１６】 ３本の衛星ヘッドシャフト６ｂが遊星ヘッド３に回転可能に取り付けられてお
り、前記シャフトは、遊星ヘッドの天板３ａ及び底板３ｃの双方を貫通して出る
。頂部軸受ハウジング６ｄ及び頂部軸受６ｅからなる頂部軸受アセンブリと、底
部軸受ハウンジング６ｃ及びの底部軸受６ｆからなる底部軸受アセンブリとが、
回転を行う。表面仕上げ円盤６ｇは、衛星シャフト６ｂの下端に取り付けられる
。表面仕上げ円盤６ｇは、床の表面仕上げにおいて能動的に関わり合う。

【００１７】 稼働中に、制御シャシー（示されていない）を含む装置は、表面仕上げされる
床の上をオペレータによって移動させられる。モータ４によって遊星ヘッドに与
えられる駆動量を選択することにより、オペレータは遊星ヘッドの回転速度を制
御することができる。遊星ヘッドの回転方向は、正逆いずれかの方向に駆動する
ことにより制御され得る。同様に、モータ９により与えられる駆動量を制御する
ことにより、オペレータは衛星ヘッド６の回転について速度及び方向を制御する
ことができ、モータ４及びモータ９は独立して制御され得る。従って、オペレー
タは遊星ヘッド３及び二次ヘッド６における回転について方向及び速度を別々に
制御することができる。

【００１８】 遊星ヘッド３の回転速度は、衛星ヘッド６が床の任意の部分と接触している時
間を本質的に制御し、衛星ヘッド６の回転速度は床に施される研摩の量を決定す
ることが認識されるであろう。従って、床が粗面であるために遊星ヘッド３の回
転速度が減速されるとしても、二次ヘッド６の回転速度は維持されることが可能
である。そのため、生産速度は維持されるが、遊星ヘッドが粗面である表面で弾
んでしまい、表面仕上げされる床に損害を与えるといった危険性がない。同様に
、少量の物質のみが除去されるべき場合、衛星ヘッド６と床の任意の部分との接
触時間を減少させるために、遊星ヘッド３は高速で駆動されることが可能であり
、さらに／または、衛星ヘッド６の回転速度が減少され得る。遊星ヘッドの回転
の方向及び速度が衛星ヘッドに与えられる駆動量により決定される従来技術の構
造においては、遊星ヘッド速度を衛星ヘッドから独立して制御することは不可能
である。

【００１９】 当業者は、ここに記載される本発明は、具体的に記載されたものの他に、変更
及び改良が可能であることを認識するであろう。本発明は、本発明の精神及び範
囲内であるこのようなすべての変更及び改良を含むことが理解されるべきである
。

【図面の簡単な説明】

【図１】 １本発明による装置の一実施例を示す横断面図。

【図２】 衛星ヘッド及びそれらの付随シャフトを駆動する作用連結部を表
している第２駆動手段を示す平面図。

【図３】 第１駆動手段のための一代替配列を示す平面図。

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Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 遊星ヘッドが回転可能に取り付けられるフレームと、遊星ヘ
   ッド内に回転可能に取り付けられる少なくとも１つの衛星ヘッドとを備え、少な
   くとも１つの衛星ヘッドは表面を研摩するのに適しており、遊星ヘッドを駆動す
   るための第１駆動手段及び衛星ヘッドを駆動するための第２駆動手段を備え、第
   １駆動手段及び第２駆動手段は独立して稼動可能である移動式表面仕上げ装置。
2. 【請求項２】 ３つまたは４つの衛星ヘッドを有する請求項１に記載の移動
   式表面仕上げ装置。
3. 【請求項３】 衛星ヘッドが、遊星ヘッド内に回転可能に取り付けられる対
   応するシャフト上に配置される表面仕上げ円盤を含む請求項１または２に記載の
   移動式表面仕上げ装置。
4. 【請求項４】 第２駆動手段が、それぞれのシャフトに取り付けられるベル
   トプーリと、フレームに取り付けられた第１モータに１つ以上の駆動プーリを連
   結するための駆動ベルトとを含む請求項１乃至３のいずれか１項に記載の移動式
   表面仕上げ装置。
5. 【請求項５】 第２駆動手段が駆動ベルト張引要素をさらに含む請求項４に
   記載の移動式表面仕上げ装置。
6. 【請求項６】 駆動ベルト張引要素が、その周囲をまた駆動ベルトが通過す
   るテンションプーリを含む請求項４に記載の移動式表面仕上げ装置。
7. 【請求項７】 第１駆動手段が、一連の連動しているプーリ及びシャフトを
   介して遊星ヘッドを駆動する第２モータを含む請求項１乃至６のいずれか１項に
   記載の移動式表面仕上げ装置。