JP2002518372A - カプロラクタムの異性体からの分離 - Google Patents

カプロラクタムの異性体からの分離

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ε−カプロラクタムと、4−エチル−2−ピロリジノン、5−メチル−2−ピペリジノン、3−エチル−2−ピロリジノン及び3−メチル−2−ピペリジノンよりなる群から選択される1種以上のε−カプロラクタム異性体又はオクタヒドロフェナジンとを含む供給混合物からε−カプロラクタムを分離するに当たり、該混合物を吸着剤と吸着条件下に接触させ、該ε−カプロラクタムを実質的に締め出して該ε−カプロラクタム異性体又はオクタヒドロフェナジンを選択的に吸着させ、供給混合物の吸着されなかった部分を吸着剤との接触から取り外し、しかる後高純度のε−カプロラクタムを回収することを含む、ε−カプロラクタムの分離方法に関する。ε−カプロラクタム異性体又はオクタヒドロフェナジンは脱着条件下での脱着により回収することができる。この方法は、バッチ式で又は半バッチ式で或いは移動床又は移動床を模した技術を使用して連続式で実施することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】技術分野 本発明は、ε−カプロラクタムと、4−エチル−2−ピロリジノン、5−メチ
ル−2−ピペリジノン、3−エチル−2−ピロリジノン及び3−メチル−2−ピ
ペリジノンよりなる群から選択される少なくとも1種の追加の炭化水素とを含む
供給混合物からε−カプロラクタムを分離するための方法に関する。
【0002】発明の背景 ε−カプロラクタムは、例えば、ナイロン6の製造に有用である価値のある中
間体である。ε−カプロラクタムを製造するのに使用されるある種の方法は、異
性体副生物、例えば4−エチル−2−ピロリジノン、5−メチル−2−ピペリジ
ノン、3−エチル−2−ピロリジノン及び3−メチル−2−ピペリジノンを発生
させるが、これらのいくつかはカプロラクタムと比べて10mmHg(絶対)の
蒸気圧で1℃未満の差を示す。しかして、蒸留のような慣用の分離技術はこのよ
うな混合物を分離するには有効ではない。従って、ε−カプロラクタムをその異
性体副生物から分離して高純度のε−カプロラクタムを与えることが望ましいで
あろう。
【0003】発明の開示 本発明は、一部は、ε−カプロラクタムと、4−エチル−2−ピロリジノン、
5−メチル−2−ピペリジノン、3−エチル−2−ピロリジノン及び3−メチル
−2−ピペリジノンよりなる群から選択される1種以上のε−カプロラクタム異
性体又はオクタヒドロフェナジンとを含む供給混合物からε−カプロラクタムを
分離するにあたり、該混合物を吸着剤と吸着条件下に接触させ、該ε−カプロラ
クタムを実質的に締め出して該ε−カプロラクタム異性体又はオクタヒドロフェ
ナジンを選択的に吸着させ、供給混合物の吸着されなかった部分を吸着剤との接
触から取り外し、しかる後高純度のε−カプロラクタムを回収することを含む、
ε−カプロラクタムの分離方法に関する。ε−カプロラクタム異性体又はオクタ
ヒドロフェナジンは脱着条件下での脱着により回収することができる。この方法
は、バッチ式で又は半バッチ式で或いは移動床又は移動床を模した(以下、模擬
移動床という)技術を使用して連続式で実施することができる。
【0004】 また、本発明は、一部は、ε−カプロラクタムと、4−エチル−2−ピロリジ
ノン、5−メチル−2−ピペリジノン、3−エチル−2−ピロリジノン及び3−
メチル−2−ピペリジノンよりなる群から選択される1種以上のε−カプロラク
タム異性体又はオクタヒドロフェナジンとを含む混合物からε−カプロラクタム
を分離するにあたり、ε−カプロラクタムと、4−エチル−2−ピロリジノン、
5−メチル−2−ピペリジノン、3−エチル−2−ピロリジノン及び3−メチル
−2−ピペリジノンよりなる群から選択される1種以上のε−カプロラクタム異
性体又はオクタヒドロフェナジンとの非共融混合物であって、ε−カプロラクタ
ムのみがその溶液中の溶解度限界が超えたるきに結晶化するような組成範囲に入
る組成を有するものを含有する初期溶液を準備し、該溶液を該混合物の共融温度
よりも高い温度に且つ初期溶液に存在していたよりも比較的少なくε−カプロラ
クタム異性体又はオクタヒドロフェナジンを含有する結晶質ε−カプロラクタム
を形成するようにε−カプロラクタムの溶解度限界を超えるような条件下に維持
することを含むε−カプロラクタムの分離方法に関する。
【0005】 図1は、溶媒としてメタノールを80℃で使用するシリカライトカラムからの
カプロラクタムとその異性体、即ち4−エチル−2−ピロリジノン及び5−メチ
ル−2−ピペリジノンの溶離を図示する。カプロラクタムは異性体から明らかに
分離されるが、異性体は尾引き(テーリング)を示す。 図2は、溶媒としてメタノール及び1%のトリエチルアミンを80℃で使用す
るシリカライトカラムからのカプロラクタムとその異性体の溶離を図示する。カ
プロラクタムは異性体から明らかに分離される。塩基処理は尾引きを減少させる
。ピークは0に移動する。塩基処理はシリカライト上の酸性部位と結合して少な
い化学吸着を与え、尾引きを減少させる。 図3は、溶媒としてメタノール及び1%のトリエチルアミンを110℃で使用
するシリカライトカラムからのカプロラクタムとその異性体の溶離を図示する。
カプロラクタムは異性体から明らかに分離される。温度の上昇は尾引きを減少さ
せる。 図4は、溶媒としてアセトニトリルを120℃で使用するシリカライトカラム
からのカプロラクタムとその異性体の溶離を図示する。カプロラクタムは異性体
から明らかに分離される。 図5は、溶媒としてアセトニトリル及び1%のトリエチルアミンを120℃で
使用するシリカライトカラムからのカプロラクタムとその異性体の溶離を図示す
る。カプロラクタムは異性体から明らかに分離される。 図6は、溶媒としてアセトニトリルを150℃で使用するシリカライトカラム
からのカプロラクタムとその異性体の溶離を図示する。カプロラクタムは異性体
から明らかに分離される。 図7は、溶媒として酢酸メチルを100℃で使用するシリカライトカラムから
のカプロラクタムとその異性体の溶離を図示する。カプロラクタムは異性体から
明らかに分離される。 図8は、溶媒として酢酸メチル及び1%のトリエチルアミンを100℃で使用
するシリカライトカラムからのカプロラクタムとその異性体の溶離を図示する。
カプロラクタムは異性体から明らかに分離される。 図9は、溶媒としてメタノールを80℃で使用する炭素400カラムからのカ
プロラクタムとその異性体の溶離を図示する。カプロラクタムは異性体よりも容
易に溶離する。 図10は、集合体を伴うときの本発明の実施で起る現象を例示する状態図であ
る。 図11は、所望の種が非保持性であり且つ溶融結晶化が使用される反応の流れ
図である。 図12は、所望の種が非保持性であり且つ溶液結晶化が使用される反応の流れ
図である。 図13は、抽出物が所望の種を含有し且つ溶液結晶化が使用される反応の流れ
図である。図12と比較して、ラフィネート流れと抽出物流れが切り替えられる
。 図14は、抽出物が所望の種を含有し且つ溶融結晶化が使用される反応の流れ
図である。 図15は、溶媒としてアセトンを使用する溶液結晶化からの結果を示し、種々
の温度でのカプロラクタムの画分の回収及び純度を図示する。 図16は、メタノール中のカプロラクタムの溶解度を図示する。 図17は、カプロラクタムの出発溶液を溶媒としてメタノールを使用して集め
られた結晶中のカプロラクタムの純度と比較する結果を図示する。 図18は、アセトニトリル中のカプロラクタムの溶解度を図示する。 図19は、カプロラクタムの出発溶液を溶媒としてアセトニトリルを使用して
集められた結晶中のカプロラクタムの純度と比較する結果を図示する。
【0006】具体的な説明 一具体例において、本発明は、ε−カプロラクタムと、4−エチル−2−ピロ
リジノン、5−メチル−2−ピペリジノン、3−エチル−2−ピロリジノン及び
3−メチル−2−ピペリジノンよりなる群から選択される少なくとも1種の他の
炭化水素又はオクタヒドロフェナジンとを含む供給混合物からε−カプロラクタ
ムを分離するための方法に関する。この方法は、該供給物を、ε−カプロラクタ
ム異性体又はオクタヒドロフェナジンを選択的に吸着する活性炭、モレキュラー
シーブ炭素、モレキュラーシーブ又はゼオライトよりなる吸着剤と液相で吸着条
件下に接触させることを含む。次いで、供給物が吸着剤から取り出され、ε−カ
プロラクタムが高純度で回収される。ε−カプロラクタム異性体又はオクタヒド
ロフェナジンは、炭化水素又は水よりなる脱着剤物質による脱着条件下での脱着
によって回収することができる。供給混合物の個々の成分及び脱着剤物質は、少
なくとも5℃の差がある沸点を有する。
【0007】 別の具体例では、本発明は、ε−カプロラクタムと、4−エチル−2−ピロリ
ジノン、5−メチル−2−ピペリジノン、3−エチル−2−ピロリジノン及び3
−メチル−2−ピペリジノンよりなる群から選択される1種以上のε−カプロラ
クタム異性体又はオクタヒドロフェナジンとを含む供給混合物からε−カプロラ
クタムを分離するにあたり、該混合物を吸着剤と吸着条件下に接触させ、該ε−
カプロラクタム異性体又はオクタヒドロフェナジンを実質的に締め出して該ε−
カプロラクタムを選択的に吸着させ、供給混合物の吸着されなかった部分を吸着
剤との接触から取り外し、しかる後高純度のε−カプロラクタムを脱着条件下で
の脱着によって回収することを含む、ε−カプロラクタムの分離方法に関する。
この方法は、バッチ又は半バッチ式で或いは移動床又は模擬移動床技術を使用す
る連続式で実施することもできる。
【0008】 吸着分離法が完了したならば、更なる追加の工程として、以下に説明するよう
に、所望のε−カプロラクタムを更に純粋な形で単離するようにε−カプロラク
タムをその溶液から結晶化させることを伴う。以下に説明するように、結晶化を
単独で使用することができる。本発明の他の具体例は、供給混合物、脱着剤、流
れ方式及び操作条件についての詳細を包含するが、これらの全てを本発明の側面
のそれぞれの以下の検討で開示する。
【0009】 まず最初に、本明細書を通じて使用する種々の用語の定義が本発明の操作、目
的及び利点を明確にさせるのに有用であろう。
【0010】 “供給混合物”は、方法の吸着剤に供給されるすべき1種以上の抽出物成分と
1種以上のラフィネート成分とを含有する混合物、即ち、ε−カプロラクタム異
性体とε−カプロラクタムを含有する混合物である。用語“供給流れ”は、方法
の吸着剤を通過する供給混合物の流れを意味する。
【0011】 “抽出物成分”は吸着剤によって一層選択的に吸着される化合物又はタイプの
化合物であるが、“ラフィネート成分”はそれほど選択的に吸着されない化合物
又はタイプの化合物である。この方法の好ましい実施では、ε−カプロラクタム
異性体が抽出物成分であり、ε−カプロラクタムがラフィネート成分である。用
語“ラフィネート流れ”又は“ラフィネート生成流れ”は、ラフィネート成分が
吸着剤から取り出される流れを意味する。ラフィネート流れの組成は、本質的に
100%の脱着剤物質(以下に定義する)から本質的に100%のラフィネート
成分までであることができる。用語“抽出物流れ”又は“抽出物生成流れ”は、
脱着剤物質により脱着された抽出物物質が吸着剤から取り出される流れを意味す
る。同様に、抽出物流れの組成は、本質的に100%の脱着剤物質から本質的に
100%の抽出物成分までであることができる。本発明の方法によれば高純度抽
出生成物(以下に定義する)又はラフィネート生成物(以下に定義する)を高い
回収率で生成させることが可能であるが、抽出物成分は吸着剤によって完全に吸
着されないし、またラフィネート成分も吸着剤により完全に吸着されないことは
ないことを認識されたい。従って、ラフィネート成分の少量が抽出物流れに現わ
れ、同様に抽出物成分の少量がラフィネート流れに現われることがある。
【0012】 次いで、抽出物流れ及びラフィネート流れは、共に特定の流れに現われる抽出
物成分及び特定のラフィネート成分の濃度の比によって互いに且つ供給混合物か
ら更に識別される。例えば、一層選択的に吸着されたε−カプロラクタム異性体
の濃度対それほど選択的に吸着されないε−カプロラクタムの濃度の比は、抽出
物流れにおいて最高であり、供給混合物において次に最高であり、ラフィネート
流れにおいて最低である。同様に、それほど選択的に吸着されないε−カプロラ
クタム対一層選択的に吸着されるε−カプロラクタム異性体の比は、ラフィネー
ト流れにおいて最高であり、供給混合物において次に最高であり、抽出物流れに
おいて最低である。
【0013】 用語“脱着剤物質”又は“脱着剤溶媒”は、一般的には抽出物成分を脱着でき
る物質を意味する。用語“脱着剤流れ”又は“脱着剤投入流れ”は、脱着剤物質
が吸着剤に進む流れを意味する。抽出物流れ及びラフィネート流れが脱着剤物質
を含有するときは、吸着剤からの抽出物流れの少なくとも一部分及び好ましくは
ラフィネート流れの少なくとも一部分は分離手段、典型的には分別装置の方に進
み、そこで脱着剤物質の少なくとも一部分が分離条件下で分離されて抽出物生成
物及びラフィネート生成物を生じる。用語“抽出物生成物”又は“ラフィネート
生成物”は、抽出物成分及びラフィネート成分をそれぞれその抽出物流れ及びラ
フィネート流れにおけるものよりも高濃度で含有する本法により生じる生成物を
意味する。
【0014】 ここで説明するε−カプロラクタムは、種々の用途、例えば、合成繊維(特に
ナイロン6)、プラスチック、剛毛、フィルム、被覆、合成皮革、可塑剤の製造
、塗料用ビヒクル、ポリウレタン用架橋剤、アミノ酸リジンの合成などに有用で
ある。
【0015】 好ましい製造法には、1997年4月15日出願の継続中の米国特許出願第0
8/839,576号に記載されたようなε−カプロラクタムへのペンテン酸塩
経路、1997年4月15日出願の継続中の米国特許出願第08/843.34
0号に記載されたようなε−カプロラクタムへのペンテノール経路、1998年
6月15日出願の継続中の米国特許出願第09/094,651号に記載された
ようなε−カプロラクタムへの他の経路がある(これらの開示を参照することに
よってここに含めるものとする)。他の方法として、米国特許第3,914,2
17号、同2,221,369号、同4,717,770号、同5,264,5
71号、同4,804,754号、同4,257,950号及び同4,789,
741号に開示されたようなε−カプロラクタムへのシクロヘキサノンオキシム
のベックマン転位が含まれる(これらの開示を参照することによってここに含め
るものとする)。ε−カプロラクタム組成物は、それほど安定でない中間体、例
えば、ホルミル吉草酸の異性体若しくはその塩又はヒドロキシヘキサナールを分
離する必要なく、またそれほど安定でない分子についての念入りな分離方法の必
要もなしに製造することができる。このことは、ε−カプロラクタムの製造方法
においてより望ましい時点での分離を可能にし、しかして向上した効率を可能に
させる。
【0016】 ε−カプロラクタムのある種の転化方法は、他の沸点が近いε−カプロラクタ
ム異性体、例えば4−エチル−2−ピロリジノン、5−メチル−2−ピペリジノ
ン、3−エチル−2−ピロリジノン及び3−メチル−2−ピペリジノンをも含有
する生成物を生じさせる。ε−カプロラクタムの他の転化方法は、他の沸点の近
い副生物又は未反応物質、例えばオクタヒドロフェナジン、シクロヘキサノン、
シクロヘキサノンオキシム、N−シクロへキシリデンブチルアミン、アニリン、
イソバレルアルデヒド、バレルアミド、イソカプロアミド、γ−メチル−γ−バ
レロラクタム、カプロアミド、アジピミド、N−ブチルアセトアミド及びメチル
カプロラクタムをも含有する生成物を生じさせる。従って、転化方法は、究極的
には、高純度のε−カプロラクタム生成物を生じさせるためにこのような異性体
、副生物又は汚染物の除去を要求する。ε−カプロラクタムを重合等級の品質ま
で単離し精製することは、重合操作によるナイロン6の製造に主として使用する
ために重要である。しかして、不純物の存在はこのような操作が汚染に対して敏
感であるために大きな問題を提起させる。
【0017】 本発明は、ε−カプロラクタムをある種のε−カプロラクタム異性体、例えば
4−エチル−2−ピロリジノン、5−メチル−2−ピペリジノン、3−エチル−
2−ピロリジノン及び3−メチル−2−ピペリジノンから取り出す簡単で有効な
方法を提供することによって精製操作を簡略化させる。しかして、ある種の吸着
剤がε−カプロラクタム異性体、即ち4−エチル−2−ピロリジノン、5−メチ
ル−2−ピペリジノン、3−エチル−2−ピロリジノン及び3−メチル−2−ピ
ペリジノンを吸着してε−カプロラクタムを実質的に締め出することを発見した
。従って、本発明を実施するのに適当な供給混合物は、ε−カプロラクタム、4
−エチル−2−ピロリジノン、5−メチル−2−ピペリジノン、3−エチル−2
−ピロリジノン及び3−メチル−2−ピペリジノンを単独で又は混合物として含
有する。しかし、副生物を完全に含まない供給混合物を得ることは実際的でなく
、しかして好適な供給混合物は抽出物又はラフィネートのいずれかからも除去で
きる少割合の他の類似の沸点の炭化水素も含有することができる。本発明の供給
混合物のための典型的な起源は上で同定した方法である。本発明において有用な
好ましい供給混合物は、1997年10月23日出願の継続中の米国特許出願第
08/956,745号に記載されたものを包含する(この開示を参照すること
によってここに含めるものとする)。
【0018】 本発明に従ってε−カプロラクタムを供給混合物から分離するためには、混合
物が吸着剤と接触され、ε−カプロラクタム異性体が吸着剤に更に選択的に吸着
され且つ保持されるが、供給混合物の他の成分は比較的吸着されず且つ吸着剤粒
子の間の空隙及び吸着剤の表面から除去される。一層選択的に吸着されたε−カ
プロラクタム異性体を含有する吸着剤は、“富んだ”吸着剤と称する。次いで、
ε−カプロラクタム異性体が富んだ吸着剤を脱着剤物質と接触させることによっ
てそれから回収される。
【0019】 用語“脱着剤物質”又は“脱着剤溶媒”は、ここで使用するときは、選択的に
吸着された供給物成分を吸着剤から除去できる任意の流体物質を意味する。一般
的に、選択的に吸着された供給物成分がパージ流れにより吸着剤から除去される
変動床装置系においては、脱着剤物質の選定はそれほど臨界的ではなく、メタン
、エタンなどのようなガス状炭化水素、又は窒素若しくは水素のような他のタイ
プのガスからなる脱着剤物質を吸着された供給物成分を吸着剤から有効にパージ
させるために昇温下に又は減圧下に又は両方で使用することができる。しかし、
一般的に、液相を確保するために実質的に一定の圧力及び温度で連続的に操作さ
れる吸着分離方法においては、頼れる脱着剤物質はいくつかの基準を満たすよう
に賢明に選択されなければならない。
【0020】 第一に、脱着剤物質は、次の吸着サイクルにおいて抽出物成分が脱着剤物質を
排除するのを過度に妨げるほどに強く吸着されることなく適度の質量流量で抽出
物成分を吸着剤から排除しなければならない。選択性(以下に詳細に定義する)
の語で表わせば、吸着剤は、ラフィネート成分に関して脱着剤物質についてより
も、ラフィネート成分に関して抽出物成分について一層選択性であることが好ま
しい。第二に、脱着剤物質は、特定の吸着剤及び特定の供給混合物と相溶性でな
ければならない。更に詳しくは、それらは、ラフィネート成分に関して抽出物成
分に対する吸着剤の臨界的な選択性を減少又は破壊させてはならない。更に、本
発明の方法で使用されるべき脱着剤物質は、その方法に通される供給混合物から
容易に分離できる物質であるべきである。
【0021】 供給物の抽出物成分を脱着させた後、脱着剤物質と抽出物成分は典型的に吸着
剤から混合物状で除去される。同様に、1種以上のラフィネート成分が典型的に
吸着剤から脱着剤物質との混合物状で且つ蒸留のような脱着剤物質の少なくとも
一部分を分離する方法なしで引き出される。抽出生成物の純度もラフィネート生
成物の純度も非常に高くないからである。従って、この方法で使用されるどの脱
着剤物質も供給混合物の個々のどの成分の沸点よりも実質的に異なった沸点を有
していて簡単な分留によって抽出物流れ及びラフィネート流れ中の供給成分から
脱着剤物質の分離を可能にし、これにより脱着剤物質を本法に再使用させること
が意図される。用語“実質的に異なった”とは、ここで使用するときは、脱着剤
物質の沸点と供給混合物の個々の成分の沸点との間の差が少なくとも約5℃であ
ることを意味する。脱着剤物質の沸点範囲は、供給混合物の沸点よりも高く又は
低くて良く、好ましくは供給混合物の沸点よりも低い。本発明の方法の好ましい
等温等圧液相操作では、有効な脱着剤物質は炭化水素、特に8個以下の炭素原子
を有する脂肪族及び芳香族炭化水素又は水よりなることが見出された。
【0022】 本発明で有用な脱着剤の例は、例えば、メタノール、エチルエーテル、シクロ
ペンタン、アセトン、酢酸メチル、イソプロピルエーテル、ヘキサン、メチルシ
クロペンタン、酢酸エチル、エタノール、ベンゼン、シクロヘキサン、アセトニ
トリル、プロパノール、プロピオニトリル、水、トルエン、シクロヘプタン、エ
チルベンゼン、p−キシレン及びシクロオクタンを包含する。
【0023】 吸着剤のいくつかの特性が、選択的吸着方法の上首尾の操作にとって、絶対的
に必要ではないが、非常に望ましい。このような特性の中には、吸着剤の単位容
積あたりのある容積の抽出物成分についての吸着容量、ラフィネート成分及び脱
着剤物質に関しての抽出物成分の選択的吸着並びに抽出物成分の吸着剤への吸着
及びそれからの脱着の十分に速い速度がある。
【0024】 吸着剤が特定の容積の1種以上の抽出物成分を吸着するための容量は勿論当然
のことである。このような容量なしでは、吸着剤は吸着分離にとって無用である
。更に、抽出物成分についての吸着剤の容量が高いほど、吸着剤は良好である。
特定の吸着剤の容量の増大は、特定の装入量の供給混合物に含有される抽出物成
分を分離するのに必要な吸着剤の量を削減するのを可能にさせる。特定の吸着分
離に要求される吸着剤の量の削減は、分離方法のコストを削減させる。吸着剤の
良好な初期容量が分離法の実用中にかなりの経済的に望ましい寿命にわたって維
持されることが重要である。
【0025】 吸着剤に必要な第二の特性は、吸着剤が供給物の成分を分離する能力である。
即ち、換言すれば、吸着剤が、他の成分と比べたときに、ある成分についての吸
着選択性(B)を有することである。相対的選択性は、他の成分と比べたときの
ある供給成分について表わすことできるのみならず、任意の供給混合物成分と脱
着剤物質との間で表わすことができる。選択率(B)とは、本明細書を通じて使
用するときは、平衡条件下での吸着された相の二成分の比対吸着されていない相
の同じ二成分の比として定義される。 相対的選択性は次の方程式1により示される。
【数1】 (ここで、C及びDは、容量%で表わされる供給物の二成分であり、下文字A及
びUはそれぞれ吸着された相及び吸着されていない相を表わす)。平衡条件は、
吸着剤の床を通る供給物が吸着剤の床と接触した後に組成を変えないときに決定
される。換言すれば、吸着されていない相と吸着された相との間には正味の物質
の移動が起らない。
【0026】 二成分の選択性が1.0に近づく場合には、一方の成分について他方の成分に
関して吸着剤による優先的な吸着はない。それらはお互いに関してほぼ同じ程度
まで共に吸着される(又は)吸着されない。(B)が1.0よりも小さいか又は
大きいときに、一方の成分について他方の成分に関して吸着剤による優先的な吸
着がある。
【0027】 成分C対成分Dの吸着剤による選択性を比較すると、1.0よりも大きい(B
)は吸着剤内に成分Cの優先的な吸着を示す。1.0よりも小さい(B)は、成
分Dが優先的に吸着されたことを示し、成分Cに富む吸着されていない相及び成
分Dに富む吸着された相を残す。ラフィネート成分からの抽出物成分の分離は、
ラフィネート成分に関して抽出物成分についての吸着剤の選択性が1.0の値を
正に超えるときに理論的に可能であるが、そのような選択率が2に近づくか又は
それを超える値を有することが好ましい。相対的な揮発性と同様に、選択性が高
いほど、分離を達成することは容易である。高い選択性は、少量の吸着剤を本法
に使用するのを可能にさせる。理想的には吸着剤物質は、抽出物成分の全てが一
つの部類として抽出でき且つラフィネート成分の全てが明らかに拒否されてラフ
ィネート流れになるように、抽出物成分の全てに関して約1に等しく又は1より
も小さい選択性を有すべきである。
【0028】 第三の重要な特徴は、供給混合物の抽出物成分の交換速度、又は換言すれば、
抽出物成分の相対的脱着速度である。この特徴は、抽出物成分を吸着剤から回収
するのに本法に使用されなければならない脱着剤物質の量に直接関係する。早い
交換速度は抽出物成分を除去するのに要する脱着剤物質の量を削減させ、従って
本法の操作コストの削減を可能にさせる。高い交換速度では、それほど多くの脱
着剤物質を本法にポンプ輸送し、本法に再使用するために抽出物流れから分離す
る必要はない。図面に例示するように、脱着剤による抽出物成分の交換速度は、
半強度で通常測定されるピーク包絡線の幅に関係している。
【0029】 吸着剤の第四の重要な性質は、供給物及び脱着剤成分に望ましくない化学的変
化を生じさせるであろう反応性又は触媒機能が存在しないことである。ゼオライ
ト物質は、炭化水素、特にオレフィンと反応することが知られている。このよう
な化学的に活性な吸着剤と対照をなして、本発明の炭素吸着剤は、プロセス流れ
の成分に化学的に不活性である。
【0030】 吸着剤の吸着容量及び選択性並びに交換速度の吸着特性を測定するために特定
の供給混合物により種々の吸着剤及び脱着剤物質を試験するためには、動的な試
験装置が使用される。この装置は、ほぼ70cm3の容積の吸着剤室であって、
その両端に入口及び出口部分を有するものからなる。室は温度制御手段内に収容
され、更にその室を一定の所定の圧力で操作するために圧力制御手段が使用され
る。クロマトグラフィー分析装置を室の出口ラインに据え付け、吸着剤室を去る
流出物流れを“オンストリームで”分析するのに使用することができ、或いは試
料をクロマトグラフィー分析のために装置から取り出すことができる。
【0031】 この装置及び以下の一般的操作を使用して達成されるパルス試験が種々の吸着
剤系についての選択性及び他のデータを決定するために使用される。吸着剤は、
吸着剤室に特定の脱着剤物質を通じることによって脱着剤物質との平衡まで充填
される。都合の良い時点で、脱着剤で全て希釈した既知濃度の特定のε−カプロ
ラクタム異性体を含有するパルス供給物を注入する。液体−固体クロマトグラフ
ィー操作におけるように脱着剤流れを再開し、供給物異性体を溶離させる。流出
物は、オンストリームでのクロマトグラフィー装置及び展開された相当する成分
ピークの包絡線の図形により分析することができる。別法として、流出物試料は
、周期的に集め、後にガスクロマトグラフィーにより別に分析することができる
【0032】 クロマトグラフィーの図形より得られる情報から、吸着剤の性能は、抽出物成
分についての容量指数、他方の異性体に関して一方の異性体についての選択性並
びに脱着剤による抽出物成分の脱着速度の点で評価することができる。容量指数
は、選択的に吸着された成分のピーク包絡線の中心と他の既知の参照点との間の
距離により特徴づけられる。それは、この時間的間隔の間にポンプ輸送された脱
着剤の容積(cm3)によって表わされる。ラフィネート成分に関しての抽出物
成分の選択性(B)は、抽出物成分のピーク包絡線の中心とトレーサーのピーク
包絡線(又は他の参照点)との間の距離対これに相当するラフィネート成分のピ
ーク包絡線の中心とトレーサーのピーク包絡線との間の距離の比により特徴づけ
ることができる。脱着剤による抽出物成分の交換速度は、一般的に、半強度での
ピーク包絡線の幅により特徴づけられる。ピークの幅が狭いほど、脱着速度は速
い。また、脱着速度は、トレーサーのピーク包絡線の中心と正に脱着された抽出
物成分の消滅との間の距離により特徴づけることができる。この距離は、またこ
の時間的間隔の間にポンプ輸送された脱着剤の容積でもある。
【0033】 本発明の方法で使用される吸着剤は、ε−カプロラクタムを実質的に締め出し
てε−カプロラクタム異性体を選択的に吸着するか又はオクタヒドロフェナジン
を実質的に締め出してε−カプロラクタムを選択的に吸着する任意の物質よりな
る。好適な吸着剤には、例えば、活性炭、モレキュラーシーブ炭素、ゼオライト
種のモレキュラーシーブ、即ちゼオライト類、及び非ゼオライト種、即ちモレキ
ュラーシーブが包含される。好適な吸着剤の例は、カーク・オスマーの「Enc
yclopedia of Chemical Technology」第4版
(1996)に記載された許容される吸着剤を含む(この引用部分を参照するこ
とによりここに含める)。
【0034】 活性炭は、普通の商業的に入手できる物質、例えば、カルゴン社製の“タイプ
F400”顆粒状炭素、1978年8月付けのカタログNo.23−108a(
参照することによりここに含める)に記載されたようなタイプPCBの“PUR
ASIV”であり、直径が15〜20Å単位の範囲のの大きいミクロ細孔容積を
有し、直径が1000Å以上のマクロ細孔の系が散在している活性炭である。P
URASIVは、溶融石油ピッチを球状粒子に賦形し、次いで炭化し、活性化し
て製造されたビーズ状の活性炭である。
【0035】 用語“モレキュラーシーブ炭素”は、ここで使用するときは、“活性炭”と称
される物質から必ず識別しようとするものではなく、本発明で使用するのに有効
である物質が除外されないことを確実にするつもりである。問題とする二つの用
語の間にはかなりの重複があり、大抵の場合に、本発明のためにはそれらの用語
は互いに交換して使用できよう。本発明で有用である特定のモレキュラーシーブ
炭素は、約5Å単位以上及び約10Å単位以下、好ましくは約5.2〜約8Å単
位、更に好ましくは約5.5〜約6.5Å単位の平均細孔寸法を有するものであ
る。
【0036】 本発明の方法で使用されるべき吸着剤は、ゼオライト種のモレキュラーシーブ
、即ちゼオライト類、及び非ゼオライト種もモレキュラーシーブ、即ちモレキュ
ラーシーブからも構成できる。本発明で有用なゼオライトの例は例えば、LZ−
10、LZ−20、4A、5A、13X、10X、Y、SK40、SK41、キ
ャバザイト、ホウジャサイト、レビナイト、ジスモジン、エリオナイト、ソーダ
ライト、アナルサイム、グメリナイト、ハルモトーム、モルデナイト、エピスチ
ラバイト、ホイランダイト、スチラバイト、エジングトナイト、メソライト、ナ
トロナイト、スコレサイト、ソムソナイト、ブリューステライト、ローモンナイ
ト、フィリップサイト、ZSM(ZSM−5、ZSM−20、ZSM−12及び
ZSM−34)などを包含する。本発明で有用なゼオライトの例は、米国特許第
3,702,886号、同3,972,983号、同3,832,449号、同
4,086,186号及び同3,308,069号に開示されている(これらの
開示を参照することによりここに含めるものとする)。
【0037】 本発明で有用なモレキュラーシーブの例は、例えば、シリカモレキュラーシー
ブ、例えば、米国特許第4,061,724号及び同4,073,865号(こ
れらの開示を参照することによりここに含めるものとする)に記載されたような
シリカライト(S115)を包含する。本発明で有用な他のモレキュラーシーブ
の例は、結晶構造の骨格にアルミノホスフェートが存在する結晶質の微孔質モレ
キュラーシーブ酸化物、例えば、アクロナイム類であるSAPO、MeAPO、
FAPO、MAPO、MnAPO、CoAPO、ZAPO、MeAPSO、FA
PSO、MAPSO、MnAPSO、CoAPSO、ZAPSO、ElAPO、
ElAPSOなどにより通常知られているものを包含する。このようなモレキュ
ラーシーブは、例えば、米国特許第4,567,029号、同4,440,87
1号、同4,500,651号、同4,554,143号及び同4,310,4
40号に記載されている(これらの開示を参照することによりここに含めるもの
とする)。
【0038】 ゼオライト及びモレキュラーシーブ吸着剤は、好ましくは、約5Å単位以上及
び約10Å単位以下、好ましくは約5.2〜約8Å単位、更に好ましくは約5.
5〜約6.5Å単位の細孔寸法を有する。勿論、吸着剤は好ましい細孔寸法と共
にメソ細孔及びマクロ細孔を有することができる。本発明により、ある種の吸着
剤がε−カプロラクタムを実質的に締め出してε−カプロラクタム異性体を吸着
することが発見された。
【0039】 吸着剤は、粒子の形態、例えば、所望の粒子範囲、好ましくは約4〜約60メ
ッシュ(標準USメッシュ)を有する押出物、凝結体、錠剤、マクロスフェア又
は顆粒であることができる。吸着剤中の水分が少ないことは、水が脱着剤でない
限り、生成物の水による汚染を少なくするという観点から有益である。
【0040】 吸着剤は、供給混合物及び脱着剤物質と交互に接触される密な固定床の形態で
使用することができるが、この場合には本法は半連続式のみとなる。別の具体例
では、吸着剤の二つ以上の静的な床のセットを、適当な弁を使用して、供給混合
物をセットの一つ以上の吸着剤床に通すが脱着剤物質をセットの他の床の一つ以
上に通すことができるように使用することができる。供給混合物及び脱着剤物質
の流れは、このような床中の吸着剤に上向きに又は下向きに流すことができる。
静的な床での流体−固体接触に使用される慣用の装置のどれも使用することがで
きる。
【0041】 しかし、移動床及び模擬移動床での流れ装置系は、固定床装置系よりももっと
大きい分離効率を有し、従って好ましい。移動床又は模擬移動床法においては、
保持操作及び置換操作は連続式に行なわれ、抽出物流れ及びラフィネート流れの
連続的生産と供給物流れ及び置換流体流れの連続的使用の両者を可能にさせる。
この方法の好ましい一具体例は、模擬移動床向流流れ装置系として斯界で知られ
ているものを利用する。このような装置系では、室に収容された吸着剤の上向き
運動を模擬するのは吸着剤室への多数の液体接近点の下方への漸進運動である。
模擬移動床向流法流れ方式の更なる説明のためには、このような流れ装置系の操
作原理及び順序を記載する米国特許第2,985,589号並びにD.B.ブル
ートンにより1969年4月2日東京で開催された化学工学会の第34年回で提
出された論文“連続吸着処理、新しい分離技術”も参照されたい(これらの参考
文献を参照することによりここに含めるものとする)。
【0042】 本発明の方法に使用するのに好適な模擬移動床流れ装置系の別の具体例は、米
国特許第4,402,832号に開示されている向流高効率模擬移動床法である
(この開示を参照することによりここに含めるものとする)。
【0043】 抽出物生成流れの少なくとも一部分を、脱着剤物質の少なくとも一部分を分離
条件下で分離して減少した濃度の脱着剤物質を含有する抽出物生成物を生成させ
ることができる分離手段に通すことが意図される。好ましくは、本法の操作に必
要ではないが、ラフィネート生産流れの少なくとも一部分も分離条件下で分離し
て本法に再使用できる脱着剤流れ及び減少した濃度の脱着剤物質を含有するラフ
ィネート生成物を生じることができる分離手段に通すこともできる。抽出物生成
物及びラフィネート生成物において、脱着剤物質の濃度は約5容量%以下、更に
好ましくは約1容量%以下である。分離手段は典型的には分留カラムであり、そ
の設計及び操作は当業者には周知である。
【0044】 液相及び気相の両操作を多くの吸着分離法に使用できるが、本法のためには、
液相操作が、低温、低エネルギー要件、小さい装置規模のために並びに気相操作
により得られるよりも液相操作により得ることができる抽出物生成物の高い収率
のために好ましい。吸着条件は、約20℃〜約250℃(約50℃〜約200℃
が更に好ましい)の温度範囲並びに液相を維持するのに十分な圧力を包含する。
脱着条件は、吸着条件について使用したものと同じ温度及び圧力範囲を包含する
【0045】 本発明の方法を利用できるユニットの大きさは、パイロット規模のもの(例え
ば、米国特許第3,706,812号を参照されたい)から商業的な規模のもの
までどこでも変えることができ、また数cm3/時ほどに少量から数千ガロン/
時までの流量の範囲にあることができる。
【0046】 別の具体例において、本発明は、一部では、ε−カプロラクタムと、4−エチ
ル−2−ピロリジノン、5−メチル−2−ピペリジノン、3−エチル−2−ピロ
リジノン及び3−メチル−2−ピペリジノンよりなる群から選択される1種以上
のε−カプロラクタム異性体又はオクタヒドロフェナジンとを含む混合物からε
−カプロラクタムを分離するにあたり、ε−カプロラクタムと、4−エチル−2
−ピロリジノン、5−メチル−2−ピペリジノン、3−エチル−2−ピロリジノ
ン及び3−メチル−2−ピペリジノンよりなる群から選択される1種以上のε−
カプロラクタム異性体又はオクタヒドロフェナジンとの非共融混合物であって、
ε−カプロラクタムのみがその溶液中の溶解度限界が超えるときに結晶化するよ
うな組成範囲に入る組成を有するものを含有する初期溶液を準備し、該溶液を該
混合物の共融温度よりも高い温度に且つ初期溶液に存在していたよりも比較的少
なくε−カプロラクタム異性体又はオクタヒドロフェナジンを含有する結晶質ε
−カプロラクタムを形成するようにε−カプロラクタムの溶解度限界が超えるよ
うな条件下に維持することを含む、ε−カプロラクタムの分離方法に関する。結
晶化分離方法が完了したならば、更に随意の工程は、所望のε−カプロラクタム
を上記のように更に純粋な形で単離するようにε−カプロラクタムをその溶液か
ら吸着分離することを伴う。吸着は、上記のように単独で使用することができる
【0047】 好適な溶液は、液状のε−カプロラクタムを使用することによって又は固体状
のε−カプロラクタム(溶融結晶化法を使用するとき)を溶融することによって
提供することができる。しかし、好適な溶液は、通常は適当な溶媒に(例えば、
吸着分離を実施した溶媒に)溶解したε−カプロラクタムからなる。ε−カプロ
ラクタムを溶解させるどんな溶媒も使用することができる。好適な溶媒の例は、
メタノール、エチルエーテル、シクロペンタン、アセトン、酢酸メチル、イソプ
ロピルエーテル、ヘキサン、メチルシクロペンタン、酢酸エチル、エタノール、
ベンゼン、シクロヘキサン、アセトニトリル、プロパノール、プロピオニトリル
、水、トルエン、シクロヘプタン、エチルベンゼン、p−キシレン、シクロオク
タン、ケトン(例えば、アセトン)、エステル(例えば、酢酸エチル)、炭化水
素(例えば、トルエン、)、ニトロ炭化水素(例えば、ニトロベンゼン)及びエ
ーテル(例えば、テトラヒドロフラン(THF)及びグリム)である。2種以上
の溶媒の混合物も所望のε−カプロラクタムの純度及び収率を最高にするために
使用することができる。使用する溶媒は、ε−カプロラクタム形成反応の粗反応
生成物中に存在する他の物質(例えば、触媒及び副生物)を含有してもよい。溶
媒溶液中のε−カプロラクタムの濃度は、溶媒中のε−カプロラクタムの溶解度
により制限される。本発明で有用な結晶化技術の例は、米国特許第5,430,
194号及び同5,675,022号(この開示を参照することによりここに含
めるものとする)に記載された溶液及び溶融結晶化を包含する。
【0048】 本発明の方法では、ε−カプロラクタムを含有する溶液が、所望のε−カプロ
ラクタムの溶解度限界が超えるような条件下に保持される。このような条件には
、溶液への非溶媒の添加、溶液からの任意の溶媒の除去並びに好ましくは溶液の
冷却(溶液の真空冷却も含む)が包含される。これらの条件の組合せも所望の結
晶化を実施するのに使用することができる。
【0049】 溶媒の除去を使用することによる結晶化に関しては、溶液上の圧力が一定であ
るならば、熱を加えることが溶液が沸騰するまで溶液の温度を高めることに注目
されたい。熱を連続的に加えると、溶媒は蒸発し、溶液は飽和になる。この時点
で、溶液の濃度は一定のままであり(ギブスの相律)、加熱の継続は溶質(即ち
、所望のε−カプロラクタム)を沈殿(結晶化)させる。逆に、温度上昇と共に
溶解度の増大を示す飽和溶液上の圧力がゆっくりと低下するならば、溶液の温度
は低下し、冷却が溶質(即ち、所望のε−カプロラクタム)の沈殿(結晶化)を
起こさせる。
【0050】 非溶媒(例えば、ヘキサン)の添加による結晶化に関しては、溶媒と混和する
が溶質が限られた溶解度を有する液体を飽和溶液に添加することは溶質(即ち、
所望のε−カプロラクタム)を沈殿(結晶化)させることに注目されたい。
【0051】 以下に示す本発明の説明は主として冷却による結晶化に関するが、本発明は、
所望の結晶化を実施するためのどんな条件も包含するものである。
【0052】 本発明は、ε−カプロラクタムと相当するε−カプロラクタム異性体を含有す
る混合物からε−カプロラクタムを分離するのに、該混合物がこの混合物の溶液
を冷却するとε−カプロラクタムのみが結晶化する組成領域の範囲にあることを
条件として、適用できる。好適な混合物には、集合ε−カプロラクタム化合物(
以下に検討する図10により例示される)の混合物が包含される。
【0053】 分離されるε−カプロラクタムが集合体であるときは、本発明の実施で起る結
晶化現象は、一般的に、二つの物質X(即ち、ε−カプロラクタム異性体)及び
Y(即ち、ε−カプロラクタム)の状態図である図10に例示される因子により
支配される。図10において、領域(即ち、組成領域)IはX及びYを含有する
不飽和溶液を表わし、領域(即ち、組成領域)IIは部室Yの結晶とX及びYを含
有する飽和溶液との共存に相当し、領域(即ち、組成領域)IIIは物質Xの結晶
とX及びYを含有する飽和溶液との共存に相当し、領域(即ち、組成領域)IVは
物質Xの結晶とYの結晶の混合物に相当する。領域(即ち、組成領域)IとIIと
を分離する曲線は物質Yの溶解度曲線であるが、領域(即ち、組成領域)IとII
Iとを分離する曲線は固体XとX及びYを含有する相当する溶液との間の相平衡
の曲線である。これらの曲線は、点Eで交差し、ここでは固体X、固体Y及びX
とYの双方により飽和された組成Eを持つ溶液が平衡にある。点tx及びtyは、
それぞれ純成分X及びYの融点である。
【0054】 X及びYを含有する不飽和溶液(図10において点Aにより表わされる)が冷
却されるならば、その溶液の組成は変化せず、従って冷却している溶液を表わす
点は状態図上で垂直に下方に移動する(図10)。冷却を続けると、この垂直線
は、物質Yの結晶の分離に相当する領域の境界線上にある点Bで溶解度曲線と交
差する。更に冷却していくと、物質Yのみの結晶が分離し、溶液は成分Bが減少
し、それから溶液の組成は溶解度曲線に沿って右から左に移動する。例えば、溶
液を点Cに相当する温度に冷却すると、組成Fの結晶と点Dに相当する組成を持
つ母液(溶融体又は溶液)とが重量比CD:CFで平衡にある。更に温度を低下
させると、液相(溶液)を表わす点は溶解度曲線に沿って点Eに向かって移動す
る。最後に、点Gに相当する温度では、Hの結晶が組成Eの溶液と平衡にある。
溶液Eは両成分により飽和されるので、両成分の結晶が熱を更に除去すると一定
の温度teで一定の組成の液相(溶液)から分離する。従って、温度teは、単一
成分の結晶を溶液からまだ得ることができる最低の温度である。初期溶液Aにつ
いては、最高の取得できる量のYの結晶対母液Eの重量比は部分EG:GHの比
により示される。点Eは共融点と称され、teは共融温度であり、点Eに相当す
る組成を持つ物質XとYの混合物が共融混合物である。
【0055】 結晶化は、所望のε−カプロラクタムのみが結晶化によって得られる組成領域
に入る非共融ε−カプロラクタム混合物を含有する溶液を使用して実施される。
冷却による結晶化中は、ε−カプロラクタムの相対的濃度、溶液の温度の均一性
、冷却速度及び冷却温度は、所望のε−カプロラクタムのみが結晶化するような
領域にε−カプロラクタムの濃度が留まるように制御される。従って、図10を
参照して、成分Yのみを結晶化させるためには、ε−カプロラクタムの相対的濃
度は共融濃度(E)の右にあるように制御されなければならない。結晶化中は(
溶液中のYの濃度が溶解度曲線上を共融濃度(E)に向かって左に移動するとき
は)、共融濃度及び(又は)温度になる前に結晶化を停止させることにより適当
な濃度が維持される。
【0056】 本発明の方法で有用なε−カプロラクタム混合物は、この混合物が共融である
組成以外の任意の組成(即ち、混合物が非共融である)を、その組成を冷却する
と所望のε−カプロラクタムのみが結晶化する領域にあることを条件として、有
することができる。非共融混合物を使用するという要件についての理由は、容認
できないほどに多量の望まない異性体が共融混合物から通常結晶化するからであ
る。
【0057】 本発明の一具体例において、ε−カプロラクタムを含有する溶液は、所望のε
−カプロラクタムの結晶化を行なうように冷却される。溶液の温度は、結晶が最
初に生成した後に、初期の結晶化温度よりも正に低い温度に僅かに上昇させ、次
いで温度を再度低下させることができる。この技術は、小さい結晶を再溶解させ
、大きい結晶を更に大きくさせ、その結果として溶液からの結晶のより良い発生
が達成される。結晶化温度は、低温が高い収率を生じさせるという点で生成物の
純度及び収率の双方に影響する。本発明の実施に真空冷却を使用することができ
る。
【0058】 本発明の他の具体例では、結晶化は、所望ならば、段階的に冷却することによ
って実施することができる。即ち、ε−カプロラクタムの初期溶液を所望のε−
カプロラクタムが結晶化する温度に冷却し、その温度を結晶化が完了するまで保
持することができる。次いで、結晶を残留溶液からろ過してろ液を生成させ、ろ
液を再度冷却して追加量の所望のε−カプロラクタムを結晶化させることができ
る。冷却−結晶化−ろ過−冷却の順序は所望によりしばしば反復することができ
る。段階的な操作の利点は、所望のε−カプロラクタムの収率の増大である。そ
れぞれの冷却段階の間に若干の溶媒を取り出すのが望ましい。
【0059】 本発明の実施にあたっては、所望のε−カプロラクタムの結晶化は、任意の簡
便な装置を使用して達成することができる。好ましい装置は、落下膜型結晶化装
置、例えば米国特許第3,621,664号に開示されているようなものであり
、この装置は反対の壁表面から冷却される垂直の(通常金属製の)壁表面を含む
。液相(即ち、ε−カプロラクタムの溶液)が壁の面積上に拡散されるずっと小
さい流れ状の膜として流れるときに、一方の場合についての湿った環境及び流れ
の量が他方の場合について同等であるとして、分離は、液相が流れ下るパイプの
ような手段の総横断面を満たすときに得られる分離よりも優れている。この理由
は、膜の場合に流れは乱流であるが、他の場合には所定の例について流れは層流
を示す1600のレイノルズ数を有するからである。落下膜における乱流は分子
拡散により質量移動が起る数十分の1ミリの厚みの層状の境界層を有するが、完
全に層状の流れについてのこの境界層はほぼ数ミリの厚みである。米国特許第3
,621,664号で再現された実効分配係数の式は、最も可能な値に近づく分
配係数は、結晶化速度が大規模の操作で要求されるように1cm/時の程度にあ
るときに且つ液相での分子拡散係数が10-5cm2/秒程度にあるときに、膜流
れで得ることができるが、他の場合では分子拡散は実質的に分離を示さない1に
近いことを示す。良好な分離を他の場合に欲するならば、レイノルズ数を上昇さ
せなければならないが、これは大きな流れ及び高い動力の消費を必要とし、操作
を不経済にさせる。
【0060】 結晶化中の所望のε−カプロラクタムの良好な分離は、膜表面上に現われる波
が混合作用を生じさせることを条件として、層状領域においてさえも米国特許第
3,621,664号の装置で起こさせることができる。ここでも、層の厚みは
数十分の1ミリであり、分離はそれに応じて良好である。循環ポンプにより処理
される液体の量及び消費される動力は比較的少ない。結晶化装置の冷却された垂
直壁は、好ましい具体例では、任意の所望の数の垂直平行チューブを有するチュ
ーブの束の形態にあり、液体が分配器によりチューブの頂部で導入されてチュー
ブの内部表面を膜として流れ下り、冷却媒体がチューブを包囲するジャケットを
満たしている。結晶化装置の下端は液相を集めるためのタンクに組み入れている
【0061】 所望のε−カプロラクタム結晶は落下膜型結晶化装置の内部表面上に通常生成
する。結晶は、所望の結晶の実質的な分解を避けるために所望の結晶の融点より
も低い温度で結晶を溶媒(例えば、アセトン)に溶解させることによって取り出
される。
【0062】 米国特許第3,621,664号の装置の二つの他の配置を大規模での本発明
に従う結晶化のために使用することができる。一方の配置では、結晶化は、液相
の強い直交流れを起こさせる反らせ板を備えた、細い平行チューブからなる熱交
換器の外部表面上に起る。他方の具体例では、結晶は水平パイプ格子の外部表面
上に生成し、液相は格子上を流れ下る。両配置において、パイプの周囲の直交流
れは一般的な混合作用を生じさせる乱流を起こさせ、それぞれのパイプでの層状
の境界層は非常に薄い。類似の結果が、はっきりした直交流れを与えるように流
れ内に配置した冷却された又はある用途のために加熱された短いファン又は反ら
せ板を使用して得られる。
【0063】 好ましい結晶化装置における分離は、結晶化中に、液相を結晶化装置に流入さ
せる前に、液相を周期的に簡単に加熱(ある用途では加熱)することによって改
善させることができる。この手段は、平滑な結晶表面を生じさせ、結晶層内に母
液の望ましくない捕捉を伴った樹枝状又は不均一な結晶の成長を回避させる。
【0064】 上記の好ましい結晶化装置での結晶化は、単一の装置において、単一の結晶化
が最高濃度の不純物の段階から始まって、その最も純粋な形の所望の成分の段階
まで進めてサイクルで反復させるような態様で具合良く実施される。結晶化装置
の表面上に保持された少量の母液(即ち、ε−カプロラクタムの溶液)は後続の
結晶化をごく僅かに汚染させるに過ぎず、“最も純粋な”工程から“最も純粋で
ない”工程までの進行は、一つのサイクルを終わって他方のサイクルを開始する
ときに、分離に影響しない。
【0065】 結晶化法は、好ましい結晶化装置において不活性雰囲気下に実施することがで
きる。最終工程の結晶は、蒸留又は部分溶融によって更に精製し、それほど純粋
でない分離された物質は最終工程に戻すことができる。結晶化が起る表面は、熱
交換媒体を結晶化装置の反対側の表面上に膜状で流すことによって冷却すること
ができる。この表面は、垂直であり、平行であり又はそれらの間で任意の角度に
あることができる。
【0066】 本発明の方法により生成した所望のε−カプロラクタムの結晶は、出発時の液
状ε−カプロラクタムが含有するよりも相当に少なく他の不純物を含有する。し
かし、他の不純物の若干が結晶が形成される溶液の吸蔵、不完全な排液又は連行
のために結晶内に存在し得る。従って、本発明の方法は、非常に高い純度を有す
るε−カプロラクタムを提供する。好ましくは98%以上、更に好ましくは99
%以上の純度を本発明の方法により得ることができる。
【0067】 吸着分離を結晶化と結合する具体例に関しては、この技術の主たる利益は、供
給流れの純度が約10%〜約95%のε−カプロラクタムであり且つ約95〜9
9.5%の純度を達成したいと望むときに吸着が最良に働くことである。結晶化
は、供給物ができるだけ純粋であり且つ約99.5%以上の純度を達成したいと
望むときに最良に働く。結合技術の他の利益は、それが、ε−カプロラクタムの
濃度が共融組成物の濃度以下である溶液からε−カプロラクタムを精製するのを
可能にさせることである。従って、結合技術によれば、吸着と結晶化の双方をそ
の最適な範囲で使用して一層経済的な方法を可能にさせることができる。更に、
標準的な結晶化法においては、母液は廃棄されるか又は収率を向上させるために
再作業される。結合技術によれば、母液は、再使用のために吸着法に循環させて
戻すことができる。また、結合技術は、使用する溶媒を少なくし、吸着カラムを
小さくし、上で示したように純度を高くさせる。更に、吸着分離と結晶化の結合
は、ラフィネート又は抽出物についても実施することもできる。ラフィネートを
精製することについては、その利益は、抽出物を精製する場合よりもある。何故
ならば、ラフィネートにおける溶媒の量は抽出物よりも典型的に少ないからであ
る。従って、溶媒の回収コストが削減され、結晶化こすとも削減できる。
【0068】 非保持性の方法、即ち、所望の種が所望しない種と比べてそれほど強く吸着さ
れない方法のため、結合の技術は、溶液結晶化又は溶融結晶化と共に実施するこ
とができる。溶融結晶化の利点は、一つの小さい蒸留カラムが使用されることで
ある。勿論、いくつかの化学種は溶融よりももっと容易に溶液から結晶化する。
【0069】 上で示したように、図11は、所望の種が非保持性であり且つ溶融結晶化が使
用される例を図示する。供給物が、脱着性溶媒も供給される模擬移動床法に供給
される。望まない種を含有する抽出物が、蒸留カラム(又は好ましくは、溶媒が
十分に揮発性であるならば、フラッシュタンク)に送られて溶媒を回収する。こ
の溶媒は、溶媒供給流れに再循環される。所望の種を含有するラフィネートが、
蒸留カラムに送られそこで溶媒が回収され、溶媒供給装置系に再循環される。カ
ラムからの残液(物質を流体状に維持するために加熱した様態で)が結晶化装置
に送られ、そこで所望の生成物が溶融体からされに精製される。結晶が生成物と
して取り出され、母液は模擬移動床への供給物に再循環され戻される。
【0070】 上で示したように、図12は、溶融結晶化が使用できず且つ溶液結晶化が使用
できるときの例を図示する。流れ図は多少変更があり、別の溶媒再生カラムが付
加される。この方法は、やはり所望の種を含有するラフィネートがまず結晶化装
置に送られてしそこで生成物が結晶化されること除いて、図11に図示したもの
と基本的には同じである。勿論、結晶化装置に供給する流れ中の溶媒の量を調節
するために追加のカラムを入れることができる。生成物は次いで蒸留カラム(又
は他の乾燥機)で乾燥されるが、母液は蒸留カラムに送られ、そこで溶媒は回収
され、溶媒回収カラムからの残液は模擬移動床への供給物に送られ戻される。
【0071】 本発明をさらに例示するために下記の実施例を挙げる。
【0072】吸着の実施例 以下の表Aにおいて同定される溶媒に1%のカプロラクタム及び1%の4−エ
チル−2−ピロリジノン(4−EP)を含有する溶液を作ることによって第一組
の実施例を達成した。生じた溶液を出発溶液として分析した。次いで、この溶液
の5gを1gの固体吸着剤に添加し、一定の温度で終夜振盪させ、次いで分析し
た。次いで、吸着剤の表面に吸着されたカプロラクタムの量対溶液中の量の比並
びに吸着剤の表面に吸着された4−エチル−2−ピロリジノンの量対溶液中の量
の比を計算した。これらの比は分配係数として知られる。0.0の分配係数は、
カプロラクタム又は4−エチル−2−ピロリジノンのどれも吸着剤の表面に吸着
されなかったことを意味する。温度、溶媒、吸着剤、カプロラクタム及び4−エ
チル−2−ピロリジノンの分配係数を表Aに示す。吸着剤13X、LZ−20、
LZ−10、FS−115、S115(シリカライト)、4A及び5Aは、イリ
ノイ州デプレインのUOP社から入手できる。吸着剤F400は、ペンシルバニ
ア州ピッツバーグのカルゴン社から入手できる。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】 表Aに示すように、小さい細孔の吸着剤、特に4A及び5Aは4−エチル−2
−ピロリジノンの吸着を殆ど示さず又は全く示さない。従って、5Å単位以下の
細孔寸法を持つ吸着剤は4−エチル−2−ピロリジノンを選択的に吸着させるの
には望まれない。 大きい細孔の吸着剤、特に13X、LZ−10及びLZ−20を使用し、アセ
トンを溶媒として使用すると、カプロラクタム及び4−エチル−2−ピロリジノ
ンの分配係数は0.0よりも大きかった。メタノールを溶媒として使用すると、
4−エチル−2−ピロリジノンは強く吸着されなかったが、カプロラクタムの分
配係数と4−エチル−2−ピロリジノンの分配係数との間の差は小さかった。シ
クロヘキサンを溶媒として使用すると、4−エチル−2−ピロリジノンは非常に
強く吸着され、カプロラクタムはそれほど強く吸着されなかった。従って、4−
エチル−2−ピロリジノンとカプロラクタムとは、約10Å単位よりも大きい細
孔寸法が使用されるときは、区別されないか又はあまりにも強く吸着される。 約6Å単位の細孔寸法を持つモレキュラーシーブ、特にシリカライト(S11
5)及びFS115を使用すると、カプロラクタムは4−エチル−2−ピロリジ
ノンほどには強く吸着されなかった。また、非モレキュラーシーブ、特に炭素F
400を使用すると、カプロラクタムと4−エチル−2−ピロリジノンとの間の
分配係数に大きな差が認められ、カプロラクタムはそれほど強く吸着されなかっ
た。これらの差は、カプロラクタムの精製のための分離手段として吸着を利用す
ることを可能にさせる。
【0076】 以下の表Bにおいて同定される溶媒に1%のカプロラクタム、1%の4−エチ
ル−2−ピロリジノン(4−EP)及び1%の5−メチル−2−ピペリジノン(
5−MP)を含有する溶液を作ることによって第二組の実施例を達成した。生じ
た溶液を出発溶液として分析した。次いで、この溶液の5gを1gの固体吸着剤
に添加し、一定の温度で終夜振盪させ、次いで分析した。次いで、吸着剤の表面
に吸着されたカプロラクタムの量対溶液中の量の比、吸着剤の表面に吸着された
4−エチル−2−ピロリジノンの量対溶液中の量の比並びに吸着剤の表面に吸着
された5−エチル−2−ピペリジノンの量対溶液中の量の比を上記のように計算
した。温度、溶媒、吸着剤、カプロラクタム、4−エチル−2−ピロリジノン及
び5−メチル−2−ピペリジノンの分配係数を表Bに示す。吸着剤S115(シ
リカライト)は、イリノイ州デプレインのUOP社から入手できる。吸着剤F4
00は、ペンシルバニア州ピッツバーグのカルゴン社から入手できる。
【0077】
【表3】
【0078】 表Bに示すように、高分子量のアルコールは、カプロラクタム異性体の分配係
数とカプロラクタム自体の分配係数との間で、低分子量のアルコール、例えばメ
タノールよりも小さい差を示した。ペンタン及びエチルエーテルはカプロラクタ
ムについて低い分配係数を示したが、カプロラクタム異性体は高い分配係数を示
した。水を溶媒として使用すると、カプロラクタムとその異性体との間の分配係
数の差は一層著しくなった。類似の結果が吸着剤としての活性炭により観察され
た。
【0079】 下記の実施例は、本法の吸着部のために溶媒が要求されないことを示す。90
%のカプロラクタムと10%の4−エチル−2−ピロリジノンとの溶液の5gを
1gのS115(シリカライト)吸着剤と接触させ、振盪させ、80℃に終夜保
持した。翌日、溶液を分析し、S115吸着剤がカプロラクタムよりも4−エチ
ル−2−ピロリジノンを優先的に吸着したことがわかった。結果を以下の表Cに
示す。
【0080】
【表4】
【0081】 第三組の実施例をクロマトグラフィー型のカラムで達成した。長さが4ftの
ステンレス鋼製のチューブ状のカラムを使用した。このカラムは、温度制御のた
めに恒温浴から流した水−プロピレングリコール(又はシリコーンオイル)を中
に通した1inのチューブで包囲した。ポンプ(FMI社製)が脱着剤溶媒をこ
のカラムに、流し、このカラムかより背圧調節器に約1g/L/時の空間速度で
流した。圧力は、溶媒がカラム内で常に液状であるように保持した。試験を開始
したときに、カラムの弁を開き、以下のそれぞれの組の試験において同定される
溶媒中に1%のカプロラクタム、1%の4−エチル−2−ピロリジノン及び1%
の5−メチル−2−ピペリジノンを含む溶液の約2gを注入した。カラムの出口
からほぼ10mLの試料を分析のためにガスクロマトグラに採取した。
【0082】 約90gのS115吸着剤を入れた1/2in直径のカラムにおいて最初の組
の試験を実施した。メタノールを脱着剤溶媒として使用した。80℃での実験か
らのクロマトグラフィー応答を図1に示す。脱着剤溶媒としてのメタノールの代
わりに、メタノール中1%のトリエチルアミンを脱着剤溶媒として使用したこと
を除いて、類似の組の試験を達成した。クロマトグラフィー応答を図2に示す。
【0083】 約60gのS115吸着剤を入れた3/8in直径のカラムにおいてやはり8
0℃で別の組の試験を達成した。脱着剤溶媒としてメタノール中1%のトリエチ
ルアミンを使用した。正に説明したのと同じ試験を110℃で繰り返した。クロ
マトグラフィー応答を図3に示す。図3に図示されるように、温度の上昇は良好
な分離を導くことができる。
【0084】 約60gのS115吸着剤を入れた3/8in直径のカラムにおいて120℃
で別の組の試験を達成した。脱着剤溶媒としてアセトニトリルを使用した。クロ
マトグラフィー応答を図4に示す。脱着剤溶媒としてのアセトニトリルの代わり
に、アセトニトリル中1%のトリエチルアミンを脱着剤溶媒として使用したこと
を除いて、類似の組の試験を達成した。クロマトグラフィー応答を図5に示す。
【0085】 約60gのS115吸着剤を入れた3/8in直径のカラムにおいて150℃
で別の組の試験を達成した。脱着剤溶媒としてアセトニトリルを使用した。クロ
マトグラフィー応答を図6に示す。
【0086】 約60gのS115吸着剤を入れた3/8in直径のカラムにおいて100℃
で別の組の試験を達成した。脱着剤溶媒として酢酸メチルを使用した。クロマト
グラフィー応答を図7に示す。脱着剤溶媒としての酢酸メチルの代わりに、酢酸
メチル中1%のトリエチルアミンを脱着剤溶媒として使用したことを除いて、類
似の組の試験を達成した。クロマトグラフィー応答を図8に示す。
【0087】 約80gの炭素F400吸着剤を入れた1/2in直径のカラムにおいて80
℃で別の組の試験を達成した。脱着剤溶媒としてメタノールを使用した。クロマ
トグラフィー応答を図9に示す。図9に示すように、活性炭は好適な吸着剤とし
て使用することができる。
【0088】結晶化の実施例 下記の実施例はバッチ作業と半バッチ作業との結合である。バッチ作業のため
に既知の量のカプロラクタム及びその異性体の試料を4gの瓶に入れ、瓶の内容
物を加熱して試料を溶融させるようにし、次いで瓶を一定の温度に放置し、結晶
を形成させた。次いで、結晶及び母液の試料を取得した。 半バッチ作業は落下膜型結晶化装置により実施した。使用した結晶化装置は、
米国特許第5,430,194号の図6に示されており、釜(A)、ジャケット
付きカラム(B){カラムは、直径1inの内部開口を有する長さ1mのジャケ
ット付き垂直チューブであった}及び液体を釜から落下膜型結晶化装置の頂部に
ある膜装置(C)にポンプ輸送(即ち、循環)させるための手段(D)からなっ
ていた。結晶化装置のジャケットを、落下膜と並流で流れる冷却剤(E)の供給
装置に付けた。即ち、落下膜とジャケット内の冷却剤の双方が並流で流れた。米
国特許第5,430,194号の図6に示された結晶化装置は、米国特許第3,
621,664号に記載されたものと操作原理が類似している。
【0089】 以下の記載するように生成された1000mLの濃厚液を落下膜型結晶化装置
の釜(A)に装入した。釜内の濃厚液を設定温度でカラム(B)を循環させた。
冷却中は、わずかな量の加熱を加熱用マントル(F)により釜に加えて釜での結
晶化を防止させた。この加熱を埋め合わせるために、冷却剤を浴(G)から冷却
機(H)に循環させることにより再循環液を僅かに冷却した。結晶化が完了した
後、釜内の残液を空にし、結晶化装置の壁の内側の固体をカラム(B)をゆっく
りと加熱することによって少量取り出した。 約0.5gの結晶を取り出し、これを1gの水と混合することによって結晶の
純度を測定した。次いで、この溶液を次の分析のためにHP6890gc/fi
dに採取した。ガスクロマトグラフィーを、長さ30mmのDB−1カラムで5
μの膜で、キャリアーガスとしてヘリウムを使用して、達成した。温度プログラ
ムを60℃で始動させ、275℃まで20℃/分で上昇させ、20分間保持した
。カラムの圧力は20psiで一定であった。
【0090】 結晶化方法は、二つのタイプ:溶液結晶化及び溶融結晶化に分けることができ
る。溶液結晶化は、溶液状の溶質の溶液から結晶を生成させることを伴う。この
場合には、駆動力は溶媒中の溶質の溶解度である。溶融結晶化は、溶媒が使用さ
れないときに起る。駆動力は溶質の融点及び主要な溶質中の一つの溶質の溶解度
である。
【0091】溶液結晶化 溶液結晶化においては、溶媒の選定をしなければならない。溶質、即ちカプロ
ラクタムが溶媒にあまりにも可溶性であるならば、結晶を沈殿させるためには非
常に低い温度を使用しなければならない(それが全く可能ならば)。溶質が溶媒
にそれほど可溶性でないならば、多量の溶媒を使用し、次いで再循環させなけれ
ばならない。カプロラクタムの結晶化のためには、溶媒は全く揮発性であるべき
である。これは、生成物のカプロラクタムを更に加熱することなく、溶媒の除去
を可能にさせる。カプロラクタムが蒸留カラムにおいてオーバーヘッドで得られ
るならば、それはオリゴマー化する可能性があり、純度及び生成物の回収率は低
下しよう。以下の実施例は、4種の溶媒:アセトン、メタノール、アセトニトリ
ル及びシクロヘキサンを使用する。4種は全て安定であり、生成物のカプロラク
タムを分解させず又はそれと反応せず、揮発性である。
【0092】 9gのカプロラクタムと1gの4−エチル−2−ピロリジノンを10gのアセ
トンに室温で混合した。この混合物を10℃に冷却し、約0.1gの結晶を混合
物から取り出し、分析した。この冷却及びその後のサンプリングを0℃、−10
℃及び−20℃で繰り返した。データを図15にプロットする。結晶化の一段階
で、純度は90%(アセトンを含まない基準で)から98%以上までに、さらに
回収される量に依存して99.3%のカプロラクタムまでにも増大した。
【0093】 4.5gのカプロラクタムを、4−エチル−2−ピロリジノン(4EP)と5
−メチル−2−ピペリジノン(5MP)の混合物の0.5gと共に5gのアセト
ンに添加することによって90%カプロラクタム溶液を作った(アセトンを含ま
ない基準)。この混合物を可溶化させ、次いで所望の温度に放置し、結晶を生成
させた。上記のように結晶の試料を採取し、分析した。データを下記の表Dに示
す。表Dにおける%は、ガスクロマトグラフィーからの面積カウント数である。
【0094】
【表5】 純度のレベルは、一段階で93%(アセトンを含まない基準)から98%以上
に上昇した。更に、結晶化させ、結晶を洗浄するための努力はしなかった。これ
らの工程は、段階ごとに高い純度をもたらすことができる。
【0095】 9gのカプロラクタム、1gの4−エチル−2−ピロリジノン及び10gのア
セトンを溶液となるまで混合し、次いでジャケット付き容器に入れた。ジャケッ
トの温度は、0℃のプロピレングリコール浴により制御し、浴を超音波洗浄浴に
入れた。出発物質及び受けた結晶のガスクロマトグラフィー分析を表Eに示す。
【0096】
【表6】 結晶混合物は、瓶に付着する1個の巨大結晶とは対照をなして、超音波により
多くの小さい結晶が混合されたように思われた。従って、この結晶化は超音波の
存在下に起り得る。
【0097】 5gのカプロラクタムとメタノール(種々の割合の)を添加し、平衡後に存在
する結晶及び母液の量を測定した。結果を図16に示す。図16は、混合物の温
度が低下すると、溶解度が低下することを示す。また、図16は、約75〜80
%以下のカプロラクタムの試料が結晶化させるには非常に低い温度を必要とする
ことを示す。
【0098】 1種の集合異性体としてほぼ等割合の3種の異性体:4−エチル−2−ピロリ
ジノン、5−メチル−2−ピペリジノン及び4−メチル−2−ピペリジノンから
、カプロラクタムの溶液を50〜99%の純度(メタノールを含まない基準)の
間で作った。これらの溶液は全て20%のメタノール中に80%の溶質であるよ
うに作った。次いで、溶液を冷却し、結晶を集め、分析した。88%以上のカプ
ロラクタムの試料は0℃で集め、91%のカプロラクタムの試料は−20℃で集
めた。50%のカプロラクタムの試料は−60℃(ドライアイス−アセトン浴)
に冷却したが、この溶液は固体−液体溶液を決して与えなかった。出発溶液を集
めた結晶の純度と比較する結果を図17に示す。全ての場合に、結晶は出発溶液
よりも純粋であった。
【0099】 172gのメタノール及び、687gのほぼ99.3%のカプロラクタムと残
り0.7%の3種の異性体:即ち4−エチル−2−ピロリジノン、5−メチル−
2−ピペリジノン及び4−メチル−2−ピペリジノンの混合物よりなる溶液を上
記のような落下膜型結晶化装置に入れた。この混合物を釜及びポンプ熱交換器で
28℃に加熱した。落下膜の温度を0℃にゆっくりと冷却し、この時点で結晶が
結晶化装置の壁の内部表面に成長し始めた。結晶がチューブ内の流れを隔て始め
るような程度まで結晶を成長させた後、釜を取り出し、結晶化装置の壁を約75
℃にゆっくりと加熱することにより結晶を集めた。結晶が溶融してからカラムを
流れ下ったので、それらを分析のため瓶に集めた。表Fは、出発溶液中のカプロ
ラクタムの濃度(メタノールを含まない基準)及び結晶中のカプロラクタムの濃
度を示す。
【0100】
【表7】 カプロラクタムの純度は、99.3%から約99.9%(重量平均)まで増大
した。 上記のメタノールによるように、この第一工程は、アセトニトリルによりカプ
ロラクタムの溶解度曲線を生じさせることであった。これを図18に示す。図1
8は、アセトニトリルがメタノールほどにはカプロラクタムを全く容易に可溶化
させないことを示す。
【0101】 1種の集合異性体としてほぼ等割合の3種の異性体:4−エチル−2−ピロリ
ジノン、5−メチル−2−ピペリジノン及び4−メチル−2−ピペリジノンから
、カプロラクタムの溶液を50〜99%の純度(メタノールを含まない基準)の
間で作った。これらの溶液は全て30%のアセトニトリル中に70%の溶質であ
るように作った。次いで、溶液を冷却し、結晶を集め、分析した。88%以上の
カプロラクタムの試料は0℃で集め、91%のカプロラクタムの試料は−20℃
で集めた。50%のカプロラクタムの試料は−60℃(ドライアイス浴)に冷却
した。出発溶液を集めた結晶の純度と比較する結果を図19に示す。全ての場合
に、結晶は出発溶液よりも純粋であった。
【0102】 300gのアセトニトリル及び、700gのほぼ99.3%のカプロラクタム
と残り0.7%の3種の異性体:即ち4−エチル−2−ピロリジノン、5−メチ
ル−2−ピペリジノン及び4−メチル−2−ピペリジノンの混合物よりなる溶液
を上記のような落下膜型結晶化装置に入れた。この混合物を釜及びポンプ熱交換
器で45℃に加熱した。落下膜の温度を0℃にゆっくりと冷却し、この時点で結
晶が結晶化装置の壁の内部表面に成長し始めた。結晶がチューブ内の流れを隔て
始めるような程度まで結晶を成長させた後、釜を取り出し、結晶化装置の壁を約
75℃にゆっくりと加熱することにより結晶を集めた。結晶が溶融してからカラ
ムを流れ下ったので、それらを分析のため瓶に集めた。表Gは、出発溶液中のカ
プロラクタムの濃度(アセトニトリルを含まない基準)及び結晶中のカプロラク
タムの濃度を示す。
【0103】
【表8】 カプロラクタムの純度は、99.3%から約99.9%(重量平均)まで増大
した。
【0104】 504.2gのシクロヘキサン及び、504.2gのほぼ99.3%のカプロ
ラクタムと残り0.7%の3種の異性体:即ち4−エチル−2−ピロリジノン、
5−メチル−2−ピペリジノン及び4−メチル−2−ピペリジノンの混合物より
なる溶液を上記のような落下膜型結晶化装置に入れた。この混合物を釜及びポン
プ熱交換器で80℃に加熱した。落下膜の温度を20℃にゆっくりと冷却し、こ
の時点で結晶が結晶化装置の壁の内部表面に成長し始めた。結晶がチューブ内の
流れを隔て始めるような程度まで結晶を成長させた後、釜を取り出し、結晶化装
置の壁を約75℃にゆっくりと加熱することにより結晶を集めた。結晶が溶融し
てからカラムを流れ下ったので、それらを分析のため瓶に集めた。表Hは、出発
溶液中のカプロラクタムの濃度(シクロヘキサンを含まない基準)及び結晶中の
カプロラクタムの濃度を示す。
【0105】
【表9】 カプロラクタムの純度は、99.3%から約99.7%(重量平均)まで増大
した。
【0106】溶融結晶化 10gのカプロラクタムと1gの4−エチル−2−ピロリジノンを4gの瓶に
おいて75℃で混合した。それらは液状混合物になった。液状混合物をそれが完
全に固体になるまで、約50℃までゆっくりと冷却し、次いで固体が固体結晶と
液体(母液)となるまで66℃にゆっくりと加熱した。結晶を取り出し、分析し
た。データを下記の表Hに示す。
【0107】
【表10】 溶融結晶化から生じた結晶は、相当な純度の増大を示した。従って、カプロラ
クタムは溶融により精製することができる。
【0108】 845gのほぼ99.4%のカプロラクタムと残り0.6%の3種の異性体:
即ち4−エチル−2−ピロリジノン、5−メチル−2−ピペリジノン及び4−メ
チル−2−ピペリジノンの混合物よりなる溶液を上記のような落下膜型結晶化装
置に入れた。この実験のためには溶媒は使用しなかった。この混合物を釜及びポ
ンプ熱交換器で90℃に加熱した。落下膜の温度を25℃にゆっくりと冷却し、
この時点で結晶が結晶化装置の壁の内部表面に成長し始めた。結晶がチューブ内
の流れを隔て始めるような程度まで結晶を成長させた後、釜を取り出し、結晶化
装置の壁を約75℃にゆっくりと加熱することにより結晶を集めた。結晶が溶融
してからカラムを流れ下ったので、それらを分析のため瓶に集めた。表Iは、出
発溶液中のカプロラクタムの濃度(シクロヘキサンを含まない基準)及び結晶中
のカプロラクタムの濃度を示す。
【0109】
【表11】 カプロラクタムの純度は、99.4%から約99.8%(重量平均)まで増大
した。
【0110】 本発明を上記の実施例のいくつかにより例示したが、本発明はそれらによって
制約されるものではない。むしろ、本発明は、上に開示した通りの一般的な範囲
を包含するものである。種々の変形及び具体例をその精神及び範囲から離れるこ
となく実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 溶媒としてメタノールを80℃で使用するシリカライトカラムからのカプロラ
クタムとその異性体、即ち4−エチル−2−ピロリジノン及び5−メチル−2−
ピペリジノンの溶離を図示する。
【図2】 溶媒としてメタノール及び1%のトリエチルアミンを80℃で使用するシリカ
ライトカラムからのカプロラクタムとその異性体の溶離を図示する。
【図3】 溶媒としてメタノール及び1%のトリエチルアミンを110℃で使用するシリ
カライトカラムからのカプロラクタムとその異性体の溶離を図示する。
【図4】 溶媒としてアセトニトリル及び1%のトリエチルアミンを120℃で使用する
シリカライトカラムからのカプロラクタムとその異性体の溶離を図示する。
【図5】 溶媒としてアセトニトリル及び1%のトリエチルアミンを120℃で使用する
シリカライトカラムからのカプロラクタムとその異性体の溶離を図示する。
【図6】 溶媒としてアセトニトリルを150℃で使用するシリカライトカラムからのカ
プロラクタムとその異性体の溶離を図示する。
【図7】 溶媒として酢酸メチルを100℃で使用するシリカライトカラムからのカプロ
ラクタムとその異性体の溶離を図示する。
【図8】 溶媒として酢酸メチル及び1%のトリエチルアミンを100℃で使用するシリ
カライトカラムからのカプロラクタムとその異性体の溶離を図示する。
【図9】 溶媒としてメタノールを80℃で使用する炭素400カラムからのカプロラク
タムとその異性体の溶離を図示する。
【図10】 集合体を伴うときの本発明の実施で起る現象を例示する状態図である。
【図11】 所望の種が非保持性であり且つ溶融結晶化が使用される反応の流れ図である。
【図12】 所望の種が非保持性であり且つ溶液結晶化が使用される反応の流れ図である。
【図13】 抽出物が所望の種を含有し且つ溶液結晶化が使用される反応の流れ図である。
【図14】 抽出物が所望の種を含有し且つ溶融結晶化が使用される反応の流れ図である。
【図15】 溶媒としてアセトンを使用する溶液結晶化からの結果を示し、種々の温度での
画分の回収及び純度を図示する。
【図16】 メタノール中のカプロラクタムの溶解度を図示する。
【図17】 カプロラクタムの出発溶液を溶媒としてメタノールを使用して集められた結晶
中のカプロラクタムの純度と比較する結果を図示する。
【図18】 アセトニトリル中のカプロラクタムの溶解度を図示する。
【図19】 カプロラクタムの出発溶液を溶媒としてアセトニトリルを使用して集められた
結晶中のカプロラクタムの純度と比較する結果を図示する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AL,AU,BA,BB,BG,BR,CA ,CN,CU,CZ,EE,GE,HU,ID,IL, IS,JP,KR,KZ,LC,LK,LR,LT,L V,MG,MK,MN,MX,NO,NZ,PL,RO ,RU,SG,SI,SK,SL,TR,TT,UA, UZ,VN,YU (72)発明者 ジョージ アーネスト ケラー ザ セカ ンド アメリカ合衆国 25303 ウエストバージ ニア、サウス チャールストン、エレン ドライブ 1207

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ε−カプロラクタムと、4−エチル−2−ピロリジノン、5
    −メチル−2−ピペリジノン、3−エチル−2−ピロリジノン及び3−メチル−
    2−ピペリジノンよりなる群から選択される1種以上のε−カプロラクタム異性
    体又はオクタヒドロフェナジンとを含む供給混合物からε−カプロラクタムを分
    離するにあたり、該混合物を吸着剤と吸着条件下に接触させ、該ε−カプロラク
    タムを実質的に締め出して該ε−カプロラクタム異性体又はオクタヒドロフェナ
    ジンを選択的に吸着させ、供給混合物の吸着されなかった部分を吸着剤との接触
    から取り外し、しかる後高純度のε−カプロラクタムを回収することを含む、ε
    −カプロラクタムの分離方法。
  2. 【請求項2】 吸着剤が活性炭、モレキュラーシーブ炭素、モレキュラーシ
    ーブ及びゼオライトから選択される請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 ε−カプロラクタム異性体又はオクタヒドロフェナジンを脱
    着条件下での脱着により回収することを更に含む請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 分離が模擬移動床流れ方式によって実施される請求項1に記
    載の方法。
  5. 【請求項5】 該模擬移動床方式が向流又は並流を使用する請求項4に記載
    の方法。
  6. 【請求項6】 該高純度のε−カプロラクタムを結晶化(溶液又は溶融のい
    ずれかの結晶化)に付すことを更に含む請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 ε−カプロラクタムと、4−エチル−2−ピロリジノン、5
    −メチル−2−ピペリジノン、3−エチル−2−ピロリジノン及び3−メチル−
    2−ピペリジノンよりなる群から選択される1種以上のε−カプロラクタム異性
    体又はオクタヒドロフェナジンとを含む供給混合物からε−カプロラクタムを分
    離するにあたり、該混合物を吸着剤と吸着条件下に接触させ、該ε−カプロラク
    タム異性体又はオクタヒドロフェナジンを実質的に締め出して該ε−カプロラク
    タムを選択的に吸着させ、供給混合物の吸着されなかった部分を吸着剤との接触
    から取り外し、しかる後高純度のε−カプロラクタムを脱着条件下での脱着によ
    って回収することを含む、ε−カプロラクタムの分離方法。
  8. 【請求項8】 該高純度のε−カプロラクタムを結晶化(溶液又は溶融のい
    ずれかの結晶化)に付すことを更に含む請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 ε−カプロラクタムと、4−エチル−2−ピロリジノン、5
    −メチル−2−ピペリジノン、3−エチル−2−ピロリジノン及び3−メチル−
    2−ピペリジノンよりなる群から選択される1種以上のε−カプロラクタム異性
    体又はオクタヒドロフェナジンとを含む混合物からε−カプロラクタムを分離す
    るにあたり、ε−カプロラクタムと、4−エチル−2−ピロリジノン、5−メチ
    ル−2−ピペリジノン、3−エチル−2−ピロリジノン及び3−メチル−2−ピ
    ペリジノンよりなる群から選択される1種以上のε−カプロラクタム異性体又は
    オクタヒドロフェナジンとの非共融混合物であって、ε−カプロラクタムのみが
    その溶液中の溶解度限界が超えるときに結晶化するような組成範囲に入る組成を
    有するものを含有する初期溶液を準備し、該溶液を該混合物の共融温度よりも高
    い温度に且つ初期溶液に存在していたよりも比較的少なくε−カプロラクタム異
    性体又はオクタヒドロフェナジンを含有する結晶質ε−カプロラクタムを形成す
    るようにε−カプロラクタムの溶解度限界を超えるような条件下に維持すること
    を含むε−カプロラクタムの分離方法。
  10. 【請求項10】 溶液を吸着分離に付することを更に含む請求項9に記載の
    方法。
JP2000554700A 1998-06-15 1999-06-14 カプロラクタムの異性体からの分離 Withdrawn JP2002518372A (ja)

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