JP2002517649A - シリンダ錠 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 シリンダ錠は、１シリーズのロックタンブラー（１６）を有するシリンダ（１０）からなり、これらのロックタンブラーはそれぞれの軸の回りに回転可能に装着されている。キーの挿入により、各ロックタンブラー（１６）は動作位置に回転する。この動作位置では、タンブラーは、錠のステータ（８）に形成されたシートから、シリンダ（１０）によって支持されたロック部材（１７）を非係合とする（図３）。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 （発明の背景） 本発明は、錠本体またはステータと、該錠本体内に回転可能に装着され、キー
の挿入のための通路を有するシリンダまたはロータと、前記シリンダ内に装着さ
れ、半径方向に配置された軸を有し、所定の形状を有するキーと係合して前記錠
本体内でシリンダを自由回転させる状態に整列する複数のロックタンブラーとか
らなるタイプのシリンダ錠に関する。

【０００２】 本発明の目的は、高度の安全性を保証し、極めて多数の異なるキー形状を与え
るように適合された前記タイプの錠を提供することである。本発明の他の目的は
、比較的簡単で、低コストであり、動作信頼性がある錠を提供することである。

【０００３】 （発明の説明） 前述の目的を達成するために、本発明による錠では、 前記ロックタンブラーは、その軸に沿って固定された状態で前記シリンダ内に
装着され、前記軸の回りに回転するようになっており、 前記錠は、さらに、 前記キーおよび前記タンブラーに設けられ、前記キーを前記シリンダに挿入す
ると、互いに協働して、各タンブラーを所定の動作位置に向かってその軸の回り
に回転させる手段と、 前記シリンダによって支持されるとともに、スプリング手段により引抜き位置
に向かって付勢され、該引抜き位置で本体内の協働シートと係合する一方、キー
が挿入されて前記タンブラーが前記動作位置に回転すると、前記シートからの非
係合位置に自由に引き込まれるロック部材と、 からなることを特徴としている。

【０００４】 第１の解決手段によると、前記タンブラーを回転させる手段は、 各ロックタンブラーから突出するとともに該タンブラーの軸に対してオフセッ
トしている少なくとも１つの前指部と、 前記キーの少なくとも１つの面に形成され、前記タンブラーのオフセットした
指部を受け入れることができる少なくとも１つの成形スロットと、 からなる。

【０００５】 他の解決手段によると、前記タンブラーを回転させる手段は、前記キーおよび
前記タンブラーにそれぞれ設けられた永久磁石からなり、 前記永久磁石は、前記ロックタンブラーが前記キーによって支持された磁石に
隣接すると、前記ロックタンブラーと関係する永久磁石が回転するように、設け
られている。

【０００６】 一つの実施例では、前記ロックタンブラーは、キーを挿入する通路の２つの対
向する側に、整列した２シリーズに設けられている。

【０００７】 他の実施例では、前記錠は、さらなるシリーズのロックタンブラーを有し、 該ロックタンブラーは、シリンダ内に半径方向にスライド可能に装着され、キ
ーに係合して、ある位置で整列され、当該位置で本体内でシリンダの自由回転を
可能にし、 前記回転可能なタンブラーと前記スライド可能なタンブラーは、キーを挿入す
る通路の２つの対向する側に、整列した２シリーズに設けられ、 前記キーは、前記面の一方に前記スライド可能なロックタンブラーを駆動させ
る複数の穴部を有し、反対側の面に前記成形スロットを有する。

【０００８】 好ましくは、前記キーは、 前記穴部のある側に、該穴と並んで配置される位置に、前記回転可能なロック
タンブラーを駆動させる手段をさらに有する一方、 他方の側に、前記回転可能なロックタンブラーを駆動させる手段と並んで配置
され、前記スライド可能なロックタンブラーを駆動させる１シリーズの穴部が設
けられ、 これにより、前記キーは、互いに１８０°だけ回転される２つの位置のいずれ
でも使用できるようにした。

【０００９】 本発明のさらなる好ましい特徴によると、前記キーは、一端に軸方向スロット
を備え、 該スロット内にリングが設けられ、 該リングは、横ピンに隙間を持って装着され、シリンダ内に固定された隣接ピ
ンと協働するように適合され、キーの通路に突出し、シリンダによって支持され
たさらなるロックピンをシリンダ自由位置に向かって付勢するようになっている
。

【００１０】 さらに、本発明による錠では、前記各回転可能なタンブラーは、 回転方向に互いに係合する面を有する対向する端部を有し、異なる相対的角度
位置に位置決めされる軸方向に重ね合され２つの部分と、 該２つの部分の間に介装され、それらを互いに軸方向に離れるように付勢する
スプリング手段とからなり、 前記錠は、さらに、第１の補助スペシャルキーを備え、 該補助スペシャルキーは、前記シリンダの通路に挿入されるとともに、前記シ
リンダの所定の回転位置で引き抜かれ、 錠の開位置と閉位置の中間で、回転可能なタンブラーの半径方向の外側部分が
ステータの穴部と自由に係合し、前記スプリング手段の作用により前記回転可能
なタンブラーの半径方向の内側部分から離れ、 前記錠は、さらに、少なくとも１つの補助チェンジキーを備え、 該補助チェンジキーは、前記シリンダが前記中間位置にあるときに、前記シリ
ンダの通路に挿入され、前記シリンダを回転させて前記開始位置に戻して、前記
回転可能なタンブラーを構成する前記２つの部分の相互の係合を再度生じさせ、 前記チェンジキーは、前記回転可能なタンブラーを回転させる手段を備え、 該手段は、前記錠の元のキーに設けられたものとは異なり、 これにより、各回転可能なタンブラーを構成する２つの部分は、異なる相対角
度位置で互いに係合し、 これにより、錠は前記元のキーとは異なるキーに対してプログラムされるよう
にしたことを特徴としている。

【００１１】 （発明の実施の形態の説明） 図１において、符号１はシリンダ錠を全体的に示す。シリンダ錠１は、住宅ド
ア２（部分的に示す）内に装着され、キー３と関連するものである。キー３は、
ハンドル部４とブレード本体５を有し、ブレード本体５は、２つの対向面６と２
つの長手縁７を備えている。

【００１２】 図２、３を参照すると、錠１は、円筒形空間９が貫通して形成された本体すな
わちステータ８を有し、その中にシリンダすなわちロータ１０が回転可能に装着
されている。図２は、実際には本体８の半分のみを示し、他の半分は、符号８ａ
で示す対称面に対して対称かつ同一であるため、示されていない。この対称面に
おいて、本体８は、公知の方法で錠をドアに固定するためのねじが螺合するねじ
孔（部分的にのみ、符号８ｂで示す。）を有している。図示しない本体８の半分
は、図示するシリンダ１０が設けられたドア側と反対のドア側からキーを係合さ
せるために、図示するシリンダ１０と同一かつ対称なシリンダを備えている。当
然ながら、図示しない部分は、図示する部分と同一かつ対称であるので、その説
明は省略する。

【００１３】 さらに、本発明は、錠が一方のドア側からのみアクセスできる単一の回転可能
なシリンダを含む場合にも適用可能である。さらに、図面は従来の回動可能なか
んぬき（ｂｏｌｔ）を示していないが、それはシリンダ１０に回動可能に接続さ
れ、ステータ８の本体によって占有されない隙間８ｃの中に配置され、ドアの開
閉を制御している。これらの構成は、いかなる公知の方法でも作ることができ、
本発明の範囲内にないため、その詳細は図示されていない。さらに、これらの詳
細を図面から削除することは、図面を単純にし、理解を容易にする。

【００１４】 従来技術によれば、図１−１７の実施形態において、シリンダ１０内に第１シ
リーズのロックタンブラー１１が配置されている。これらのロックタンブラーは
、シリンダ１０内に形成されたそれぞれの半径方向の空間の中で、半径方向にス
ライド可能に装着されている。半径方向の空間は、キー３の挿入のために軸方向
に貫通して形成された通路１２に開口している。また、従来技術によれば、ロッ
クタンブラー１１は、本体８内に半径方向にスライド可能に装着されて該ロック
タンブラー１１に対してスプリング１４により付勢されたカウンタータンブラー
１３と協働するようになっている。さらに、従来技術によれば、ロックタンブラ
ー１１は、図示する実施形態では、キー３の一面または両面６に形成された複数
の穴１５によって規定された形状と協働するように適合された先端（エンドチッ
プ）を有している。この方法では、錠を解放する権限のあるキーが一旦通路１２
に挿入されると、ロックタンブラー１１は図２に示す動作位置へ移動する。ここ
で、ロックタンブラー１１は、シリンダ１０の外面を突出することはなく、これ
により本体８に対するシリンダ１０の回転を妨げない。

【００１５】 本発明によれば、第２シリーズのロックタンブラー１６が設けられ、これらの
ロックタンブラー１６は、前記スライド可能なロックタンブラー１１と対向する
通路１２の一方の側に配置されている。ロックタンブラー１６の各々は、その軸
方向に沿って固定位置に装着されているが、この軸の回りには回転可能である。
符号１７（図４、５および６をさらに参照）は、第２のロック部材を示す。この
ロック部材１７は、シリンダ１０の軸を含む面に直交する方向にシリンダ１０内
でスライド可能に装着され、円筒形空間９を規定する本体８の壁に形成されたシ
ート１９の係合位置に向かってスプリング１８により付勢されている。回転可能
なロック部材１６の各々は、動作位置（図４、５参照）に移動できるようになっ
ている。その動作位置では、そこに形成された軸方向スロット２０が、第２ロッ
ク部材１７の動作ノーズ部２１に面している。したがって、この動作位置では、
キーによってシリンダ１０に回転が伝達される結果、ロック部材１７のカム状の
面取り形状により、第２ロック部材１７は、シート１９の非係合位置に後退でき
るようになっている。

【００１６】 図４に示す動作位置に向かうロックタンブラー１６の回転は、権限のあるキー
の挿入によって得られる。なぜなら、キーは、長手方向に形成されたスロット２
２（図１、８−１０を参照）を有しており、該スロットの中に、通路１２内でタ
ンブラー１６から突出する前指部２３が係合するからである。前指部２３は、各
タンブラー軸に対して偏心（オフセット）している。

【００１７】 図１０は、オフセットした前指部２３のスロット２２への係合が如何にタンブ
ラー１６の異なる角度位置を引き起こすかを概略的に示している。当然ながら、
スロット２２を異なる形状にすることにより、各ロックタンブラー１６の異なる
回転を得ることができ、これにより異なる開放の組み合わせを設けることが可能
となる。これらの組み合わせに、ロックタンブラー１１により設けることができ
る組み合わせを乗じることにより、同一数の異なるキーに対応する極めて多数の
異なる開放の組み合わせを生じる。

【００１８】 図示する実施形態では、キー３は、その２つの対向する面６の各々に、ロック
タンブラー１１を起動することができる１シリーズの穴１５と、ロックタンブラ
ー１６を起動するように適合された成形スロット２２とを有している。この方法
により、キー３は、与えられた方位（図１に示す）と、反対の方位との両方で使
用することができる。この両方のケースにおいて、キーは図３に示す通路１２を
占有し、これによりその面の一方がスライド可能なロックタンブラー１１を起動
することができる一方、他方の面が回転可能なロックタンブラー１６を起動する
ことができる。

【００１９】 さらなる特徴によると、キー３の長手縁７の各々は、ストップピン２４（図７
）と協働するように適合された複数のノッチ７ａを有している。このストップピ
ン２４は、シリンダ１０内にスライド可能に装着され、円錐端（コニカルチップ
）２５を有している。この円錐端は、シリンダが錠の開位置または閉位置にある
ときに、円筒空間９を規定する本体８の壁に形成された円錐シート２６と係合す
るように適合されている。これらの要素は、キーの動作位置のさらなる基準とし
て役立ち、シリンダが錠の開位置と閉位置の間の中間位置にあるときにキーの引
き抜きを防止する。なぜなら、この場合、ピン２４はそれぞれのノッチ７ａから
脱出できないからである。

【００２０】 図１１−１３は、ロックタンブラー１６の回転が得られる方法のみが前述のも
のと異なる変形例を示す。これらの図において、図１−３のものと共通する部分
は、同一符号によって示されている。この場合、キー３とタンブラー１６は、成
形スロット２２とオフセット指部２３の代わりに、それぞれ、永久磁石２７，２
８を備えている。これらの磁石は、キーの挿入により、各タンブラー１６がその
動作位置に移動するのに必要とされる角度だけ、磁石２８の方位が位置決めされ
るように、配置されている。

【００２１】 最後に、図１４−１７は、キーを権限なく複製することを困難にするために、
本発明による錠に設けるのが好ましいさらなる追加の特徴に関する。この実施形
態では、キー３は、その端に長手スロット２９を有し、その中にリング３０が配
置されている。このリングは、キーに横方向に固定された円柱形ピン３１に装着
されている。リング３０は、円柱形ピン３１よりも大きな径を有し、これにより
、図１５に示すように、偏心状態でそこに落ち着くようになっている。キーが挿
入されると、リング３０は、シリンダ１０に固定され通路１２内で中央に突出す
る隣接ピン３２の端部と係合する。これにより、リング３０はキーから突出し、
さらなるロックピン３３に対して押圧される。このロックピン３３は、シリンダ
１０内でスライド可能で、カウンターピン３４と協働する（図１７）。これによ
り、カウンターピン３４は、シリンダ１０を自由にする位置まで、スプリング３
５の付勢力に抗して押圧される。したがって、リング３０は、さらなる安全性を
与える機能を果たす。なぜなら、リング３０の無いキーは、ピン３３をアンロッ
ク位置に向かって押圧することができないからである。

【００２２】 当然ながら、本発明によれば、１シリーズの回転可能なタンブラー１６のみを
設けて、スライド可能なタンブラー１１を排除することができる。また、図１８
に示すように、対向する２シリーズの回転可能なタンブラー１６を設けることが
可能である。この図と残りの図１９−２２に示す変形例は、タンブラー１６の他
の特徴とはさらに異なっているが、本発明のすべての実施形態に適用可能である
。この特徴は、各々の回転可能なタンブラー１６が２つの部分１６ａ，１６ｂに
よって構成されている（図２３，２４参照）。これらの部分は、軸方向に互いに
重ね合され、対向する端部を有している。この対向する端部は、回転方向に互い
に係合する歯１６ｃを備えた面を有し、２つの部分１６ａ，１６ｂがそれらの共
通軸に対して異なる相対角度位置に配置されるのを可能にしている。タンブラー
１６を形成する部分１６ａ，１６ｂの組の間には、２つの部分１６ａ，１６ｂを
互いに離れて移動するように付勢する螺旋スプリング３６が介装されている。図
１８に示す錠は、図２５に示すタイプのキー３を備えるようになっている。この
キー３は、ブレード５の各面に一対のスロット２２を有する。これらのスロット
２２は、前述したように、２シリーズの回転可能なタンブラー１６の前指部２３
と協働するように適合されている。さらに、前述したように、キーは２つの長手
縁に多数のノッチ７ａを有する。これらのノッチは、ステータ８によって支持さ
れたロックピン２４と協働するためのものである。また、前述したように、錠の
開位置と閉位置では、キーのブレード５が水平方向に配置される（例えば図１９
参照）が、前述したようにステータ８の空間２６に受け入れられるので、ロック
ピン２４はキーの挿入と引抜きを妨げない。キーのブレード５の如何なる中間傾
斜位置でも、ピン２４は、キーの２つの縁にあるノッチ７ａから脱出する代わり
に、自由ではない。これにより、キーは錠から引き抜くことはできない。

【００２３】 本発明によれば、図１８−２３に示す錠は、図２５に示す通常のオリジナルキ
ー３に加えて、補助のスペシャルキーを備えている。このスペシャルキーは、サ
イドノッチ７ａが各サイドにおいて連続スロットに置き換えられている以外は、
図２５に示すものと同一である。連続スロットはロックピン２４との如何なる干
渉をも回避する。この補助のスペシャルキーは、図１９，２０に断面で示されて
いる。ここで、このキーのブレードは５´で示され、ブレード５´の２つのサイ
ドの長手連続スロットは３７で示されている。図示するように、前述の補助スペ
シャルキーは、図１９に示す状態の錠に一旦挿入すると、錠を動かすことができ
るし、図２０に示すように例え中間位置でも錠から引き抜くことができる、とい
う特徴を有している。なぜなら、スロット３７（キーが錠に挿入されたとき、キ
ーの方位の関数として、スロットの１つのみが動作している。）は、キーが引き
抜かれるときにキーとロックピン２４の間の干渉を回避するからである。さらに
、ステータ８は、２つの径方向に対向する空間３８が形成されている。ここで、
２つの回転可能なタンブラー１６の部分１６ａは、シリンダ１０が所定位置にく
ると拡張する。この所定位置は、図２０に特に示し、考えられる例では、図１９
に示す開始位置から１２０°離れている。図示するように、この位置では、２つ
のタンブラー１６は、それぞれのスプリング３６の作用のもとで自由に拡張し、
これにより、各タンブラー１６の対向する歯１６ａは互いに離れて移動する。図
２０に示す状態では、各タンブラー１６の部分１６ａは、依然として、ロック部
材１７のそれぞれの指部２１が係合するスロット２０を有し、これに対し、部分
１６ｂ（スロットがない。）は、キーのそれぞれのスロット２２内に係合する前
指部２３を有している。

【００２４】 前述した補助スペシャルキーを使用することにより、錠は図１９に示す状態か
ら図２０に示す状態になり、キーを引き抜くことによりこの状態で残る。このキ
ーの引抜きは、ロックピン２４によって妨げられない。なぜなら、既に示したよ
うに、スペシャルキーはその２つの長手縁に２つの連続スロット３７を有してい
る。仮に、ユーザが、異なる形状のスロット２２を有するキーに対応する新たな
組み合わせで、錠を作り直すことを望む場合、第２の補助スペシャルキーを挿入
する。これは、「チェンジキー」と呼ばれ、第１の補助スペシャルキーのような
２つの長手側連続スロットを有することを特徴としている。これにより、シリン
ダ１０が図２０に示す位置に位置にあるときに、錠に挿入することができる。チ
ェンジキーは、もともと錠に設けられていたキーとは異なる形状のスロット２２
を有する。チェンジキーのシリンダ１０への挿入により、前指部２３がキーの新
たな形状のスロット２２に係合する。これにより、タンブラー１６の部分１６ｂ
は、協働部分１６ａに対してそれらの軸の回りに回転する。この代わり、固定さ
れたままでもよい。このとき、ロータ１０は、チェンジキーにより図１９に示す
開始位置に戻ることができ、引き抜くことができる。シリンダ１０が図２０に示
す位置から離れるや否や、各タンブラー１６の部分１６ａ，１６ｂは、相対角度
位置で再び互いに係合する。しかしながら、その位置は最初に設けられた位置か
ら変化している（図２２と図２１を比較すると明きらかである。）。したがって
、今後は、錠は図２５に示すタイプの新たなキーによって操作することができる
。しかしながら、新たなキーは、使用されてきたチェンジキーと同一のスロット
２２の形状を有している。したがって、ユーザは、安全性によりそれを必要とす
るとき（例えば、オリジナルキーが権限のない人に長い間渡されていたような場
合）はいつでも、錠を新たなキーに適合させる可能性を有している。

【００２５】 当然ながら、２つの部分からなるタンブラー１６と前述した構造は、図１８に
示す錠だけでなく、残りの他の図に示す錠、本発明の回転可能なタンブラーを備
えたさらなる実施例の錠にも、適用することができる。

【００２６】 以上の説明から明らかなように、本発明のロックは、高度の安全性を有し、特
に、同一数の異なるキーに対応して、極めて多数の異なる開口の組み合わせを提
供することができる。また、本錠は、可能な組み合わせの数の観点から、何ら実
際的な制限なく、製造することができ、市場に出すことができる。

【００２７】 同時に、本錠は、有効で信頼性のある動作を行い、比較的単純で低コストの構
造を有する。

【００２８】 当然ながら、本発明の原理と同一である以上、構造の詳細や実施例は、本発明
の範囲から逸脱することなく、純粋に一例として図示され説明したものに対して
広範囲に変更してもよい。

【００２９】 例えば、各タンブラー１６は１以上の指部２３を設けることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明による錠の斜視図。

【図２】 図１のＩＩ−ＩＩ線断面図。

【図３】 図２のＩＩＩ−ＩＩＩ線断面図。

【図４】 図３のＩＶ−ＩＶ線拡大断面図。

【図５】 図４の拡大詳細図。

【図６】 図３の拡大詳細図。

【図７】 図３のさらなる拡大詳細図。

【図８】 図１に示すキーの正面図。

【図９】 図８のキーの側面図。

【図１０】 本発明による錠の動作の原理を示す概略図。

【図１１】 図１の変形例を示す図。

【図１２】 図２の変形例を示す図。

【図１３】 図３の変形例を示す図。

【図１４】 図８のさらなる変形例を示す図。

【図１５】 図１４の断面図

【図１６】 図１４のキーを使用する錠に関する図２の変形例を示す図。

【図１７】 図１５のキーを使用する錠に関する図３の変形例を示す図。

【図１８】 本発明による錠のさらなる実施例の断面図。

【図１９】 錠のある動作状態を示す図１８のＸＩＸ−ＸＩＸ線断面図。

【図２０】 錠の他の動作状態を示す図１８のＸＩＸ−ＸＩＸ線断面図。

【図２１】 図１９のＸＸＩ−ＸＸＩ線概略断面図。

【図２２】 図２０のＸＸＩ−ＸＸＩ線概略断面図。

【図２３】 図１８の錠のタンブラーの正面図。

【図２４】 図２３のタンブラーの断面図。

【図２５】 図１８の錠のキーの正面図。

【手続補正書】

【提出日】平成１２年２月８日（２０００．２．８）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】特許請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【特許請求の範囲】

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００１

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００１】 （発明の背景） 本発明は、錠本体またはステータと、該錠本体内に回転可能に装着され、キー
の挿入のための通路を有するシリンダまたはロータと、前記シリンダ内に装着さ
れ、半径方向に配置された軸を有し、所定の形状を有するキーと係合して前記錠
本体内でシリンダを自由回転させる状態に整列する複数のロックタンブラーとか
らなり、 前記ロックタンブラーの各々は、前記シリンダ内に装着され、前記軸の回りに
回転するようになっており、 前記錠は、さらに、 前記キーおよび前記タンブラーに設けられ、前記キーを前記シリンダに挿入す
ると、互いに協働して、各タンブラーを所定の動作位置に向かってその軸の回り
に回転させる手段と、 前記シリンダによって支持されるとともに、スプリング手段により引抜き位置
に向かって付勢され、該引抜き位置で本体内の協働シートと係合する一方、キー
が挿入されて前記タンブラーが前記動作位置に回転すると、前記シートからの非
係合位置に自由に引き込まれるロック部材とからなるタイプのシリンダ錠に関す
る。 前述のタイプのシリンダ錠は、例えば、国際公開ＷＯ−Ａ−９６２７７２４お
よびフランス特許出願公開ＦＲ−Ａ−２７３６０８４に開示されている。これら
の公知の錠では、前述の回転可能なタンブラーの各々は、シリンダ内のそれぞれ
の穴内で軸方向にスライド可能であり、該穴内に配設されたそれぞれのスプリン
グによってキー通路に向かって付勢されている。係合キーは、多数の間隔を置い
て離れた凹部を備えた平面を有し、キーがキー通路に完全に挿入されると、スプ
リングの付勢力により、タンブラーの先端が前記凹部に係合するようになってい
る。この装置は、比較的複雑で、コストがかかる。さらに、スプリング手段は、
大気温度の変化により弱くなったり損傷するので、装置の信頼性を損なう。

【手続補正３】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００３

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００３】 （発明の説明） 前述の目的を達成するために、本発明による錠では、 前記ロックロックタンブラーの各々は、その軸に沿って固定された状態で前記
シリンダ内に装着され、 前記タンブラーを回転させる手段は、 各ロックタンブラーから突出するとともに該タンブラーの軸に対してオフセッ
トしている少なくとも１つの前指部と、 前記キーの少なくとも１つの面に形成され、前記タンブラーのオフセットした
指部を受け入れることができる少なくとも１つの連続した成形スロットと、 からなることを特徴としている。

【手続補正４】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００４

【補正方法】削除

【手続補正５】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００５

【補正方法】削除

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＡＵ，ＢＧ，Ｂ Ｒ，ＣＡ，ＣＮ，ＣＺ，ＨＵ，ＩＬ，ＩＮ，ＪＰ，ＫＲ ，ＭＸ，ＮＯ，ＰＬ，ＲＯ，ＲＵ，ＴＲ，ＵＡ，ＵＳ， ＺＡ

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 錠本体またはステータ（８）と、該錠本体（８）内に回転可
   能に装着され、キー（３）の挿入のための通路を有するシリンダまたはロータ（
   １０）と、前記シリンダ（１０）内に装着され、半径方向に配置された軸を有し
   、所定の形状を有するキーと係合して前記錠本体（８）内でシリンダ（１０）を
   自由回転させる状態に整列する複数のロックタンブラー（１１）とからなるシリ
   ンダ錠において、 前記ロックタンブラー（１６）は、その軸に沿って固定された状態で前記シリ
   ンダ（１０）内に装着され、前記軸の回りに回転するようになっており、 前記錠は、さらに、 前記キー（３）および前記タンブラー（１６）に設けられ、前記キー（３）を
   前記シリンダ（１０）に挿入すると、互いに協働して、各タンブラー（１６）を
   所定の動作位置に向かってその軸の回りに回転させる手段と、 前記シリンダ（１０）によって支持されるとともに、スプリング手段（１８）
   により引抜き位置に向かって付勢され、該引抜き位置で本体（８）内の協働シー
   ト（１９）と係合する一方、キーが挿入されて前記タンブラー（１６）が前記動
   作位置に回転すると、前記シート（１９）からの非係合位置に自由に引き込まれ
   るロック部材（１７）と、 からなることを特徴とするシリンダ錠。
2. 【請求項２】 前記タンブラー（１６）を回転させる手段は、 各ロックタンブラー（１６）から突出するとともに該タンブラーの軸に対して
   オフセットしている少なくとも１つの前指部（２３）と、 前記キー（３）の少なくとも１つの面（６）に形成され、前記タンブラー（１
   ６）のオフセットした指部（２３）を受け入れることができる少なくとも１つの
   成形スロット（２３）と、 からなることを特徴とする請求項１に記載のシリンダ錠。
3. 【請求項３】 前記タンブラー（１６）を回転させる手段は、前記キー（３
   ）および前記タンブラー（１６）にそれぞれ設けられた永久磁石（２７，２８）
   からなり、 前記永久磁石は、前記ロックタンブラー（１６）が前記キー（３）によって支
   持された磁石（２７）に隣接すると、前記ロックタンブラー（１６）と関係する
   永久磁石（２８）が回転するように、設けられていることを特徴とする請求項１
   に記載のシリンダ錠。
4. 【請求項４】 前記ロックタンブラー（１６）は、キーを挿入する通路（１
   ２）の２つの対向する側に、整列した２シリーズに設けられていることを特徴と
   する請求項１から３のいずれかに記載のシリンダ錠。
5. 【請求項５】 さらなるシリーズのロックタンブラー（１１）を有し、 該ロックタンブラー（１１）は、シリンダ（１０）内に半径方向にスライド可
   能に装着され、キーに係合して、ある位置で整列され、当該位置で本体（８）内
   でシリンダ（１０）の自由回転を可能にし、 前記回転可能なタンブラー（１６）と前記スライド可能なタンブラー（１１）
   は、キーを挿入する通路（１２）の２つの対向する側に、整列した２シリーズに
   設けられ、 前記キー（３）は、前記面（６）の一方に前記スライド可能なロックタンブラ
   ー（１１）を駆動させる複数の穴部（１５）を有し、反対側の面に前記成形スロ
   ット（２２）を有することを特徴とする請求項２に記載のシリンダ錠。
6. 【請求項６】 前記キー（３）は、 前記穴部（１５）のある側に、該穴部（１５）と並んで配置される位置に、前
   記回転可能なロックタンブラー（１６）を駆動させる手段（２２；２７）をさら
   に有する一方、 他方の側に、前記回転可能なロックタンブラー（１６）を駆動させる手段（２
   ２；２７）と並んで配置され、前記スライド可能なロックタンブラー（１１）を
   駆動させる１シリーズの穴部（１５）が設けられ、 これにより、前記キー（３）は、互いに１８０°だけ回転される２つの位置の
   いずれでも使用できるようにしたことを特徴とする請求項４に記載のシリンダ錠
   。
7. 【請求項７】 前記キー（３）は、一端に軸方向スロット（２９）を備え、 該スロット内にリング（３０）が設けられ、 該リングは、横ピン（３１）に隙間を持って装着され、シリンダ（１０）内に
   固定された隣接ピン（３２）と協働するように適合され、キーの通路（１０）に
   突出し、シリンダによって支持されたさらなるロックピン（３３）をシリンダ自
   由位置に向かって付勢するようになっていることを特徴とする請求項１から６の
   いずれかに記載のシリンダ錠。
8. 【請求項８】 前記各回転可能なタンブラー（１６）は、 回転方向に互いに係合する面（１６ｃ）を有する対向する端部を有し、異なる
   相対的角度位置に位置決めされる軸方向に重ね合され２つの部分（１６ａ，１６
   ｂ）と、 該２つの部分（１６ａ，１６ｂ）の間に介装され、それらを互いに軸方向に離
   れるように付勢するスプリング手段（３６）とからなり、 前記錠は、さらに、第１の補助スペシャルキー（５´）を備え、 該補助スペシャルキーは、前記シリンダ（１０）の通路（１２）に挿入される
   とともに、前記シリンダ（１０）の所定の回転位置で引き抜かれ、 錠の開位置と閉位置の中間で、回転可能なタンブラー（１６）の半径方向の外
   側部分（１６ａ）がステータ（８）の穴部（３８）と自由に係合し、前記スプリ
   ング手段（３６）の作用により前記回転可能なタンブラー（１６）の半径方向の
   内側部分（１６ｂ）から離れ、 前記錠は、さらに、少なくとも１つの補助チェンジキーを備え、 該補助チェンジキーは、前記シリンダが前記中間位置にあるときに、前記シリ
   ンダ（１０）の通路に挿入され、前記シリンダを回転させて前記開始位置に戻し
   て、前記回転可能なタンブラー（１６）を構成する前記２つの部分（１６ａ，１
   ６ｂ）の相互の係合を再度生じさせ、 前記チェンジキーは、前記回転可能なタンブラー（１６）を回転させる手段を
   備え、 該手段は、前記錠の元のキー（３）に設けられたものとは異なり、 これにより、各回転可能なタンブラー（１６）を構成する２つの部分（１６ａ
   ，１６ｂ）は、異なる相対角度位置で互いに係合し、 これにより、錠は前記元のキーとは異なるキーに対してプログラムされるよう
   にした請求項１から７のいずれかに記載のシリンダ錠。