JP2002516561A - 遺伝子血清混濁因子 - Google Patents

遺伝子血清混濁因子

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Abstract

(57)【要約】 ストレプトコッカスパイオゲネス遺伝子の血清混濁因子のクローニングおよび発現のための方法並びに組成物を提供する。ここに記載される組み換えDNA技術によって作成される部分は、高密度リポタンパク質の定性的および定量的テストにおいて、フィブロネクチン結合因子として、および啼乳類中の高密度リポタンパク質の調節の目的で使用することができる。該遺伝子は、更にストレプトコッカスパイオゲネスの種々の菌株由来の混濁因子の、高精度の同定用の分子プローブとしても利用できる。

Description

【発明の詳細な説明】 遺伝子血清混濁因子発明の分野 本発明は、体液中の高密度リポタンパク質(HDL)を定性的および定量的にテス トするための診断法で使用する組成物および方法に関する。本発明は、またアポ リポプロテイナーゼ活性(ALA)を有することから、このような目的にとって有用 なポリペプチドを製造するためのDNA配列にも関連する。 アポリポタンパク質は、冠状心疾患と密接に関連する血液中の粒子である。こ れらはタンパク質、コレステロールおよび脂質のアマルガムであって、ヒト血液 中のコレステロールの輸送並びに堆積に関与する主な因子であると考えられる。 最も豊富に存在する該アポリポタンパク質は、低密度リポタンパク質(LDL)およ びHDLであり、LDLは動脈パルケ(palque)中のコレステロールの堆積の主な原因で あると思われる。これとは対照的に、HDLは、主として代謝並びに排除のための コレステロールの肝臓への輸送を司るものと考えられる。これらの対照的なメカ ニズムは、高い冠動脈疾患と、高いLDL濃度および低いHDL濃度との相関性を説明 している。 リポタンパク質濃度が食事療法および運動によって改善されて、ヒト血液中の HDLの相対的割合を増大することが観測されている。従って、ヒト血液中のHDL濃 度の、定性的かつ定量的を測定を可能とする診断法を提供することが重要である 。 混濁因子(opacity factor:OF)はストレプトコッカスパイオゲネス(Streptococ cus pyogenes )の生成物であり、血清のタンパク石濁発生と関連している。この 啼乳類血清における混濁の促進は、S. パイオゲネス菌株の表面タンパク質の該AL Aと関連しており、該菌株によってアポタンパク質A1の実質的部分がHDLから開裂 され、残りの部分の凝集を招き、タンパク石濁を生ずる。この観測により、OFが 、哺乳類血清中のHDL濃度を定性的に測定するための有用な手段であろうことを 明らかにする。しかしながら、不幸なことにALAを司るタンパク質は、このよ うなテストの開発および利用を可能とするに十分な量および純度で入手すること ができない。 本発明は、DNA配列を製造するのに組み換えDNA技術を利用する。該DNA配列を クローニングビークル、例えばファージまたはプラスミド(これは後にE. コリ(E .coli) 等の宿主細胞の形質転換のために使用される)に導入することにより、AL A活性を有するOFまたはOFのセグメントを発現することを可能とする。かくして 製造されたこれらのポリペプチドを、次に単離し、精製し、必要ならば例えば標 識することにより変性して、哺乳類血清中のHDLの定性的および/または定量的 な測定において使用する。 組み換えDNA技術はDNAクローニング技術を包含し、その結果特定のDNAフラグ メントがベクターと呼ばれる遺伝子要素に挿入される。該ベクターは、宿主細胞 中で複製しかつ転写することができる。このベクターはプラスミドまたはウイル スであり得る。プラスミドは2本鎖DNAの小さな環状分子であり、バクテリアお よび酵母両者において天然に存在し、宿主細胞の増殖に伴って独立した単位とし て複製する。これらのプラスミドは、一般に全宿主細胞DNAの小部分を占めるに 過ぎず、しばしば抗生物質耐性を与える遺伝子を有している。これらの遺伝子お よび比較的小さなサイズのプラスミドDNAは、組み換えDNA技術において利用され る。 組み換えDNA分子の挿入されたDNAフラグメントは、宿主生物との情報交換を全 くしない生物由来のものであり得、また完全にもしくは部分的に合成することも 可能である。組み換えプラスミドを製造するための制限酵素および連結法を利用 する、組み換えDNA分子の構築は、コーエン&ボイヤー(Cohen and Boyer)に与え られた米国特許第4,237,224号に記載されている。このようにして作成された組 み換えプラスミドは、形質転換によって、単細胞生物中に導入され、かつ複製さ れる。この特許に記載された技術の一般的な利用性のために、該米国特許第4,23 7,224号を本明細書における参考文献とする。 組み換えDNA分子を単細胞生物中に導入するための別の方法が、コリンズ&ホ ーン(Collins and Hohn)による米国特許第4,304,863号に記載されており、この 特許も本発明の参考文献とする。この方法では、バクテリオファージベクターを 含むパッケージング/形質導入系を利用している。 スーパーコイル状であるために、プラスミドDNAは容易に宿主細胞のDNAから分 離され、かつ精製できる。クローニングベクターとして使用するためには、この ような精製されたプラスミドDNA分子を、制限ヌクレアーゼで切断し、クローニ ングすべきDNAフラグメントにアニールする。この生成されるハイブリッドプラ スミドDNA分子を、次いで一時的に巨大分子(コンピーテント)に対して透過性 とされているバクテリア中に再度導入する。該処理された細胞の幾つかのみがプ ラスミドを取り込み、これら細胞は、該プラスミドによって該細胞に付与された 該抗生物質耐性について選別できる。というのは、該細胞のみが抗生物質の存在 下で成長するであろうからである。これらのバクテリアが分裂するにつれて、該 プラスミドも複製して、該元のDNAフラグメントの多数のコピーを生成する。増 殖期の終了時点において、該ハイブリッドプラスミドDNA分子は精製され、かつ 該元のDNAフラグメントのコピーは、同一のエンドヌクレアーゼによる第二の処 理によって切除される。 構築に使用した方法とは無関係に、該組み換えDNA分子は該宿主細胞に対して 相容性でなければならない。即ち、該宿主細胞中で自律複製可能である必要があ る。この組み換えDNA分子は、また該組み換えDNA分子によって形質転換された宿 主細胞の選別を可能とするマーカー機能をももつべきである。更に、適当な複製 、転写および翻訳シグナルの全てが該プラスミド上に正確に配置されている場合 には、該外来遺伝子は該形質転換された細胞およびその子孫中で適当に発現され るであろう。発明の概要 ALAをもつ該OFおよびそのセグメントをコードする遺伝子を含むDNA配列を、単 細胞生物中でクローニングし、かつ発現する方法並びに組成物を提供する。また 、これらの新規な単細胞生物を培養して、ALAをもつOFおよびポリペプチドを製 造する方法並びにかかる遺伝子生成物を同定する方法をも開示する。更に、また 本発明は、このような遺伝子により発現される生成物の、定性的および/または 定量的にHDLを検出するための使用をも包含する。これらの本発明の方法並び に組成物はまた、HDLの調節のために、タンパク石濁を生ずるストレプトコッカ ス菌株によるストレプトコッカス感染、およびフィブロネクチン結合活性を検出 するのに有用である。図面の簡単な説明 本発明は、以下の発明の詳細な説明および添付図面を参照することにより、更 に一層十分に理解することができる。 ここで、第1図は本発明のDNA配列によって発現されたOFを含むポリペプチド の一般的構造を示すスケッチである。 第2図は、菌株22ストレプトコッカスD734および組み換えファージライゼート 由来のSOF22タンパクのSOR(オーバーレイ(overlay))アッセイを示す。D734−ス トレプトコッカス菌株d734由来のタンパクSOF22(PROTEIN FROM STREPTOCOCCAL S TRAIN d734)から放出される。組み換えファージライゼート(RECOMBINANT PHAGE LYSATES):1sof22.3-sAU3aクローン(CLONE)、2456BPインサート(INSERT);1sof22 .4-EcoRIクローン、全sof22読み取り枠を含む9kbフラグメント;EMBL4-ベクター ライゼート。組み換えファージ粗製ライゼートは該ゲル上に直接担持させた。分 子量標準(kDで表した)が示されている。 第3図はD734の染色体上のsof22座およびその周辺領域の制限マップである。 A.バーは該sof22読み取り枠(ORF)を示す。5'、3'−sof22 OFRの末端。BはBam HI、EはEcoRI、HはHindIII、PはPstI、SはSacIおよびXはXhoIを表す。B. SOF活性に必要なN-末端共通部の決定を示す。バーは、A.における制限マップと 整合する2つの欠失クローンにおけるsof22 OFRフラグメントを表す。2643およ び2383は、それぞれ対応するクローン中のsof22 OFRの3'-末端欠失クローンの長 さを表す。 第4図は、菌株D734由来のsof22遺伝子のヌクレオチド配列およびフランキン グ領域を示す。下線部は推定プロモータボックス(-35,-10)およびリボソーム結 合サイト(r.b.s.)を表す。また、制限サイト:XhoI、SacI、PstI、Sau3A2543(Sa u3Aクローンの末端)、プロリンに富む領域、およびLPASGD配列にも下線が施され ている。DNA配列(3193-3208)上の矢印は、推定上の転写終止シグナルを表 し、星印は停止コドンを表し、縦方向の矢印は推定上のシグナル配列開裂サイト を示し、R1、R2、R3およびR4は反復配列を意味する。 第5図は、SOF22タンパクのブロック図であり、ここで記号S.S.はシグナル配 列を、Pはプロリンに富む領域を、I、II、IIIおよびIVは反復配列を、LPASGDは SPXTGXモチーフを表し、ボックスのうち、黒いボックスは疎水性配列を、斜線を 施したボックスは反復配列を、白いボックスは固有配列を示す。b.二次的な構 造の予想。ここで、Tは屈曲点、Cはコイル、Hはヘリックス、Eは伸張を表す 。該プロットにおける線の4つのレベルは、示された二次構造中の各残基につい て可能な4つのレベルの最大のものに対応する。c.SOF22の相対的なヒドロパ シー。疎水性のドメインは中心線の上方に位置し、かつ親水性ドメインはその下 方に位置する。x軸は該SOF22配列のアミノ酸数を表す。 第6図は、SOF22反復配列を示す。SOF22の反復配列が配置されており、2以上 の反復配列において同一である残基は、ボールド体で描写されている。ダッシュ は整合の目的で導入されたギャップである。B.SOF22反復配列単位と、グラム 陽性フィブロネクチン−結合反復部由来の反復配列との整合。下付番号は各アミ ノ酸配列の反復配列の位置であり、百分位%数は該SOF22反復配列との同一性の 百分率である。 第7図は、該SOF22タンパクの推定アミノ酸配列のC-末端と、グラム陽性バク テリア由来の表面タンパクのC-末端領域との比較である。M6はストレプトコッカ スパイオゲネス由来のM6タンパクを、Prot.Hはタンパク質Hを、M49はストレプ トコッカスパイオゲネス由来のM49タンパクを、m2.2はストレプトコッカスパイ オゲネス由来のm2.2タンパクを、SCPはストレプトコッカスパイオゲネス由来の カルボキシペプチダーゼを、およびProt.GはグループGストレプトコッカス由来 のタンパク質Gを表す。同様に図示されているWapAはストレプトコッカスミュー タンス由来の壁−結合タンパクAを、Prot.AはタンパクAを、およびFnBPはスタ フィロコッカスオーレウス由来のフィブロネクチン−結合タンパクを表す。該LP XTGXモチーフを、該配列の残りから空白によって分離してある。ボールド体はSO F22中に保存されている残基および少なくとも一つの配置されたタンパク質を示 す。SOF22の該LPXTGXモチーフ中の、SによるTの保存性の置換には下線を施し てある。 第8図は、scpAおよびsof22のプロモータ領域の配置を示す。scpAおよびsof22 の5'非コード配列を相互に比較し、共通のモチーフの重なりを高めるためにギャ ップを導入した。ダッシュがギャップを表す。推定-35および-10ボックスおよび VirR要素には下線を施した。 第9A図は、代表的なストレプトコッカス菌株のSau3Aハイブリダイゼーション パターンのオートラジオグラムである。洗浄を、20%の不適合を許容する条件下 で実施した。プローブmpSOF69.2はM22菌株D734からクローニングされた。このプ ローブは、第3図に示された配列のヌクレオチド890から2543に及ぶsof22遺伝子 内Sau3Aフラグメントと相同である。オートラジオグラムの露光は10時間である が、但しD734についてはシグナルの強度を低くするために30分間露光した。B. 菌株D734由来のsof22遺伝子座のプローブおよび該Sau3Aマップを示す。SはSau3 A制限サイトを、また5'および3'はsof22の限界を表す。発明の詳細な説明 一定の率で縮尺されていない第1図は、本発明に従ってまず単離し、有用な高 純度状態で利用可能としたOFタンパクの一般的な構造を示したスケッチである。 当業者は、ストレプトコッカスパイオゲネスの抗食作用Mタンパクと表面タンパ クとの間の構造上の類似性を認識するであろう。 図示し、かつ以下により詳細に説明される如く、これは3107個の塩基対をもつ 遺伝子により発現され、分子量約112,000をもつ1025個の残基をもつタンパクで ある。このタンパク質は、該タンパク質がストレプトコッカス表面と結合する際 に放出されるアミノ末端にリーダー配列を有する。以下に示すように、このアミ ノ末端は該分子の酵素活性セグメントである。異なる菌株由来のSOFには、血清 学的な変動があるが、異なる菌株由来の酵素活性セグメントの十分な相同性が存 在し、従ってある菌株の酵素活性セグメントを発現する遺伝子または遺伝子セグ メントを、他の菌株の酵素活性セグメントを発現する遺伝子を配置するためのプ ローブとして使用することが可能となる。従って、各OFは、分子のアミノ末端に 位置する少なくとも1つのアポリポプロテイナーゼセグメントを有する。 このOFは、またグラム陽性バクテリアのヘキサマーLPXTGXモチーフ特性並びに そのC-末端ドメイン内でプロリンに富む伸張部(stretches)がフランキング状態 にある4個の反復配列をも含む。以下に示すように、欠失部位の解析が、該C-末 端ドメインが該タンパク質の該アポリポプロテイナーゼ活性に関与していないこ とを立証するために使用されている。該反復配列は該フィブロネクチン結合活性 をもつ部位である。 第1図に示されたタンパク質は、各々アポリポプロテイナーゼ活性を有する一 群のOFタンパクの代表であり、かつ種々のストレプトコッカス種から単離するこ とができる。その種々の菌株由来のタンパク質には大きな相同性がみられるが、 かなりの変動もある。 以下に、該ストレプトコッカス菌株D734のOFを発現するDNA配列の製造並びに 単離を説明する。この代表的な例において発現されるOFタンパクは、SOF22と認 定される。このタンパク質を発現するのに使用する遺伝子は、sof22である。こ れは当分野で使用されている標準的な命名法に従ったものである。関連するテス ト、クローニング、サブクローニング、発現およびプローブ手順も説明する。物質および方法 バクテリア菌株、プラスミドおよびバクテリオファージ グループAのストレプトコッカス菌株D734(Mタイプ22)が、本研究で説明する 遺伝子sof22の元の親株であった。本研究で使用するこの菌株および全ての他の グループAのストレプトコッカス菌株は、ロックフェラーユニバーシティーコレ クション(Rockefeller University collection)から入手したものであり、第1 表に記載されている。E. コリ菌株P2392を、λファージEMBL1用の宿主として使用 した。XLI-BLUE(ストラタジーンクローニングシステムズ(Stratagene Cloning S ystems)、ラジョラ(La Jolla)、Ca.)が、M13 mp18/19およびプラスミドpUC9.2並 びにpBluescript SK+の宿主菌株であった。これら2種のE. コリ菌株は、加熱に より不活性化したウマ血清と共にインキュベートした場合に、混濁反応を生じな かった。これらの菌株および該λファージは公知であり、容易に入手できる。第1表:msSOF89.2プローブを使用したDNAハイブリダイゼーション 化学試薬および酵素 制限酵素およびT4 DNAリガーゼはニューイングランドバイオラブズ社(New Eng land BioLabs,In.ビバリー、Ma.)から購入した。(ウシ消化管由来の)アルカ リンホスファターゼ、ヒトフィブロネクチンおよびランダム開始(Randomprimed) DNA標識キットはベーリンガーマンハイム社(Boehringer Mannheim Corp.;インジ アナポリス、In.)から入手した。DNA配列はシーケナーゼバージョン(Sequenase version)2.0キット(ユナイテッドステーツバイオケミカル社(United States Bio chemical Corp.)クリーブランド、Oh.)を使用して決定した。M13mp18/19クロー ンの一方向欠失は、サイクロン1バイオシステム(Cyclone 1 Biosystem)(インタ ーナショナルバイオテクノロジーズ社(International Biotechnologies,Inc.); ニューヘブン、Ct.)を使用して発生させた。Na125Iおよび放射性標識ヌクレオチ ド[-32P]dATPおよび[-35S]dATPはニューイングランドヌクレアー(New England N uclear;ボストン、Ma.)から入手した。DNAオリゴマーはオペロンテクノロジーズ (Operon Technologies;アラメダ、Ca.)またはユナイテッドステーツバイオケミ カル社から購入した。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、Gene Amp PCR反応キット (ザパーキンエルマー社(The Perkin-Elmer Corp.);ノルウォーク、Ct.)を使用 して達成した。加熱により不活性化したウマ血清はライフテクノロジーズ社(Lif e Technologies,Inc.;ガイザースバーグ、Md.)から購入した。全ての他の化学 試薬は、特に述べない限りシグマケミカル社(Sigma Chemical Co.;セントルイス 、Mo.)から購入した。血清混濁反応アッセイ 菌株D734のコロニーによって発現されたOFを、0.9%オキソイドイオン(Oxoid I on)寒天No.2(コラブラボラトリーズ(Colab Laboratories)、シカゴハイツ、 Il.)中に、加熱により不活性化したウマ血清50%およびトッドヒューイット(Todd Hewitt)ブロス(ディフコラボラトリーズ(Difco Laboratories),デトロイト、 Mi.)を含有する血清混濁反応(SOR)アッセイ培地上で、バクテリアを育成するこ とにより検出した。OF活性を発現する組み換えファージプラークを、トッドヒュ ーイットブロスの代わりにルリア(Luria)ブロスを含有するプレート上でスクリ ーニングした。ファージ叢をニトロセルロースフィルタに移した後、OF-正のプ ラークを、SORアッセイ培地上で、該フィルタを37℃にて10-12時間に渡り、レプ リカ平板法に付すことによって検出した。ファージまたはバクテリア培養物の上 澄を含む溶液中の血清混濁活性は、以前に記載()されたようにして測定した。 簡単にいえば、該テストすべき溶液を、0.02%のマーチオレート(merthiolate)を 含有する加熱により不活性化したウマ血清と1:5で混合し、37℃にて2時間イン キュベートした。混濁は475nmにおける分光光度測定により定量した。 変性SDS-PAGE電気泳動後のOFタンパクバンドを可視化するために、該ゲル(10 %)を、0.02%のマーチオレートを含有する固体SORアッセイ培地上でインキュベ ートした。OFタンパクは、該SORアッセイ培地中の不透明なバンドとして検出さ れ、かつ間接照明の下で写真撮影した。ストレプトコッカスからのOFの抽出 後期対数増殖期の菌株D734の培養物を、4℃にてpH7.5の200mMリン酸ナトリウ ムバッファーで洗浄し、同一のバッファーの、該元の培養物体積の1/100中に再 懸濁した。OFの抽出は、該バクテリア懸濁液を37℃にて2時間インキュベートす ることにより進行させ、遠心処理し、かつ0.45μmのニトロセルロースフィルタ (シュライヒャー&シュエル社(Schleicher and Schuell,Inc.)、キーネ、N.H. )を通して得られた上澄を濾過した。OFは60%飽和硫酸アンモニウム中で該上澄 から析出し、次いで遠心処理(31,500g×10分)により捕集した。この沈殿をpH7.5 の100mMトリス−HCl(Tris-HCl)中に再懸濁し、4lの同一のバッファー中で4℃ にて48時間透析した。クローニング手順 全ての研究のためのストレプトコッカス染色体DNAは、公知のファージリジン 抽出手順によって調製した。 組み換えライブラリーを作成する際に使用する菌株D734由来の染色体DNAを、S au3AIによって部分的に消化もしくはEcoRIで完全に消化した。Sau3AI消化物はウ シ消化管ホスファターゼによって脱ホスホリル化し、かつBamHIまたはSalIによ って消化したλファージEMBL4アームに連結した。該EcoRI消化物を、BamHIおよ びEcoRI開裂により調製した脱ホスホリル化EMBL4アームに連結した。連結混合物 を、ギガパック(Gigapack)IIゴールドパッケージング抽出物(ストラタジーン(S tratagene))を使用して、インビトロでパッケージンク化た。 増殖されていないライブラリーを菌株P2392上に塗布し、OF表現型を発現する 組み換えファージプラークにつきスクリーニンク化た。4種の正のファージ(そ れぞれSau3AおよびEcoRIライブラリー由来のLSOF22.1〜LSOF22.3およびLSOF22.4 )を単離し、そのプラークを精製した。サブクローニング手順 sof22の5'部分のOF発現およびDNA配列決定のために、ファージLSOF22.3の全25 43bpインサートを含む、2560bpのEcoRI-SalIフラグメントを電気泳動によって精 製し、EcoRIおよびSalI両者によって消化したM13 mp18およびmp19両者に連結し て、それぞれmpSOF22.2およびmpSOF22.1を作成した。XL1-Blueを形質転換するた めに使用した連結混合物は、SORアッセイ寒天上に塗布することにより検出され るように、多数の組み換えプラークを生成した。次に、DNA配列決定のために、 各組の繰り込まれた(nested)欠失クローンを、サイクロンIキット(IBI)を使用 して、M13クローン両者から調製した。sof22の3'部分の配列決定のために、3100 bpのSacI-EcoR-I(第3図)フラグメントを、LSOF22.4からM13 mpl8およびmp19 両者にサブクローニングして、それぞれmpSOF22.4およびmpSOF22.3を作成した。 ファージLSOF22.3の2543bpをもつインサートをも、pBluescript KS+(pSOF22.1) 中でクローニングした。DNA 配列および配列解析 M13およびmp18/19クローンの一本鎖鋳型を、公知の方法によって連鎖終止配列 決定のために調製した。欠失クローン由来のmpSOF22.1およびmpSOF22.2のDNA配 列を、M13-20前進汎用プライマー(forward universal primer)、シークエナーゼ 2.0および[-35P]dATpを使用して決定した。mpSOF22.3およびmpSOF22.4中にクロ ーニングされたsof22の3'部分は、プライマーウォーキング法によって配列決定 した。 DNA配列データをスタデン(STADEN)プログラムパッケージ(ロジャースタデン( Roger Staden),MRCラボラトリーオブモレキュラーバイオロジー(MRC Laborator y of Molecular Biology),ケンブリッジ、U.K.)を使用して配置した。このソ フトウエアーパッケージを、この推定されたOFタンパクの構造上の特徴を予想す るためにも使用した。このゲンバンク(Genbank)データベースを、SOF22と他の公 知のタンパク質との間の相同領域を設定するのに利用した。フィブロネクチン結合ドメインのサブクローニング(FNBD22) mpSOF22.3のRF型は、sof22のFNBDの増幅用の鋳型として機能した。上流lacZ遺 伝子フラグメントをもつフレーム中にFNBDコード配列を配置するように設計され た、5'プライマー、即ちCCC AAGCTTCAGGAAAATAAAGATは塩基2641〜2658(第4図 )およびHindIIIサイト(下線部)に相当し、一方で3'プライマー、即ちCGGGATC C GCTCGTTATCAAAGTGGはヌクレオチド3002〜2986(第4図)およびBamHIサイトか らなっていた。該PCR反応は、3段階の反応(即ち、94℃にて1分間、55℃にて 3分間および72℃にて3分間)の20サイクルからなっており、GeneAmp PCR反応 キット、未変性のTaqDNAポリメラーゼ、およびDNAサーマルサイクラー(Thermal Cycler)(ザパーキン−エルマー社(The Perkin-Elmer Corp.))を使用した。3 回の独立のPCRからの予想されたサイズの生成物をプールし、フェノール/クロ ロホルム抽出によって精製し、HindIIIおよびBamHIで消化し、低融点アガロース ゲルから単離した。精製したDNAを次にpUC9.2の該HindIIIおよびBamHIサイトに 連結して、FNBD発現クローンpFNBD22.1を生成した。フィブロネクチン結合研究 該組み換えフィブロネクチン結合ドメインを、変性SDS-PAGEによって分離され かつニトロセルロースにエレクトロブロッティングされたクローンpFNBD22.1の 全細胞ライゼートから調製した。次いで、このブロットを、150mMのNaCl、1010m MのMgCl2、2mMのCaCl2、50mMのKCl、0.5%のツイーン(Tween)-20、0.04%のNaN3 および0.5%のBSAを含有する、pH7.4の10mMヘペス(HEPES)バッファー中で室温に て2〜3時間インキュベートすることによって遮断した。引き続き、ブロットを 、3×105cpm/mlに調節した125Iフィブロネクチンを含有する同一のバッファー 中で、室温にて3〜4時間精査した。次いで、ブロットを遮断バッファーで3回 洗浄し、乾燥し、強調スクリーンの存在下で、コダックブルーブランド(Kodak B lue Brand)フィルムに-70℃にて24-36時間暴露した。 フィブロネクチンの放射性沃素化はヨードビーズ(Iodobeads;ピアースケミカ ル社(Pierce Chemical CI.),ロックフォード、II.)を使用して達成した。この 標識タンパクはセファデックス(Sephadex)G-25(PD-10;ファルマシアLKBバイオテ クノロジー社(Pharmacia LKB Biotechnology Inc.))を通して濾過することによ り、遊離の沃素から分離し、pH6.5の100mMリン酸緩衝塩水中に集めた。この沃素 化したフィブロネクチンの比活性は×106cpm/μgであった。ApoAI 開裂アッセイ クローンLSOF22.3またはEMBL4の粗製ライゼートを、マイクロタイタープレー トのウエル中で、精製したヒトHDLと混合し、0.02% NaN3-HDLの存在下で、37℃ にて16時間インキュベートし、最終アポタンパク濃度を30μg/100ライゼートに 調節した。この反応で使用するに際して、HDLの添加前に、アスパラギン酸プロ テアーゼ阻害剤ペプスタイン(pepstain)A(5μg/ml)を、λライゼートと共に30分 間インキュベートした。混濁反応を、間接照明の下で観察することによりアッセ イした。ApoAIの開裂を、間接照明の下での変性SDS-PAGE観察により分析した。A poAIの開裂は、各反応液10μlの変性SDS-PAGE(15)によって解析した。エレクト ロブロッティング処理したフィルタを、アルカリホスファターゼ−複合羊抗−Ap oAI抗体(バイオデザインインターナショナル(Biodesign International),ケ ネバンクポート、ME)によって精査し、かつ現像した。DNA ハイブリダイゼーション ストレプトコッカスから調製した染色体DNAを制限酵素で完全に消化し、0.6%ま たは1.05%アガロースゲル中で電気泳動し、その後ハイボンドメンブラン(Hybond membranes;ニューイングランドヌクレアー(New England Nuclear))に移した。 制限フラグメントまたはPCR生成物の何れかからなるDNAプローブを、分離用の低 融点アガロースゲルから単離し、次いでランダム開始DNA標識キット(ベーリンガ ーマンハイム社(Boehringer Mannheim Corp.))を使用して、[32P]dATPによって 放射性標識した。 ブロットを30℃にて一夜、予備ハイブリダイゼーション溶液(6XSSC,0.5% SDS ,100μg/m1の変性鮭精液DNA,5Xデンハーツ(Denhardt's)溶液および50%ホルム アミド)中でインキュベートし、次いでハイブリダイゼーション溶液(6XSSC,0. 5% SDS,100μg/mlの変性鮭精液DNAおよび50%ホルムアミド)中で、42℃にて公 知の手順に従って、放射性標識されたプローブとハイブリッド化した。物理的に 該sof22およびemm2座を位置設定したブロットを、5%bp未満の不適合のみを許容 する極めて厳密な条件下(65℃にて30分の0.1% SSCおよび0.1% SDS中での洗浄を 2回)で洗浄した。sof22の制限地図作成のために使用したプローブは、M13欠失 クローンmpSOF22.81およびmpSOF22.792由来のインサートであった。これらはそ れぞれヌクレオチド1〜781およびヌクレオチド1160〜2543に対応する(第4図 )。他のグループAのストレプトコッカス菌株中のsof22同族体を検出するブロ ットを、引き続き厳密性の高いおよび低い条件両者の下で洗浄した。厳密性の高 い条件下での洗浄は5%未満の不適合のみを許容するが、緩和された条件(37℃に て30分間の、0.2% SSCおよび0.5% SDS中での2回に渡る洗浄)下での洗浄は、20 %までの不適合を許容した。これらの実験におけるプローブは、血清混濁ドメイ ン(SOD)をコードする、内部Sau3Aフラグメント(bp 976〜2543)に相当する、M13 クローンmpSOF22.692由来のインサートであった。結果 ストレプトコッカスパイオゲネスからの血清混濁活性分の抽出 グループAストレプトコッカスの血清混濁因子は、バクテリア細胞培養物から 単離される細胞外および膜結合画分両者において検出できる。この血清混濁反応 の基礎を特定の分子に割当て、かつ該血清混濁因子を分子的にクローニングする 可能性を判定するために、該因子の放出型を抽出する最大収率法を上記のように 確立した。SOF-産生菌株D734のタンパク抽出物を、変性条件下でSDS-PAGEによっ て分析し、血清混濁反応アッセイにおいて使用した。第2図から理解されるよう に、これらの方法は少なくとも2種の、独立して血清混濁反応を発生し得る、分 子量100kDの、近接して移動する種を単離し、かつ検出した。かくして、血清混 濁反応に応答し得る分子を検出できる、簡単なかつ信頼できるアッセイを確立し た。sof22 のクローニング 菌株D734染色体DNAのSau3AIまたはEcoRI制限フラグメントを含む、2種のスト レプトコッカスゲノムライブラリーを、EMBL4ベクター中で構築し、血清混濁表 現型を示す組み換えファージクローンについてスクリーニングした。ファージプ ラークにおけるSOFタンパク質の発現を検出するために、上記の方法を使用した 。この方法で正のプラークにつきアッセイすることにより、4種のファージ、即 ち該Sau3AIライブラリーからのSOF22.1〜SOF22.3およびEcoRIライブラリーから のファージSOF22.4が同定され、単離され、かつ血清混濁発生ファージとして確 認された。クローンSOF22.1〜SOF22.3の粗製ファージライゼートは、全て該スト レプトコッカス血清混濁因子と共に、サイズが100kDaに相当する血清混濁活性を もつタンパク質を含むことが分かった(第2図)。これとは対照的に、ファージ SOF22.4は、血清混濁活性をもつ、サイズが100kDa〜175kDaの範囲の、少なくと も4種の異なる分子種を発現した(第2図)。 組み換えクローンSOF22.1〜SOF22.3およびSOF22.4によって発現されるSOFの主 な反応性種の数および移動度両者における差異は、これらクローンのインサート サイズを等しくすることが分かった。該Sau3AIライブラリー由来のこれらの 3種のクローンは全て、EMBL4リンカーおよびSaIIスタッファー(stuffer)フラグ メントがフランキング状態にある、同等の2.5kbインサートをもっていた。ファ ージSOF22.4はEcoRIフラグメントを内包し、LSOF22.1〜LSOF22.3にクローニング されたSau3AIを含んでいた(第3図)。かくして、100kDのタンパク質(典型的 には3kb)の発現に関するコドン要件を念頭におけば、ファージSOF22.1〜SOF22 .3は切頭sof22遺伝子をコードし、かつファージSOF22.4は最小限度で該完全なso f22座をコードするものと結論付けられた。単一のSOF種と同時に移動する、スト レプトコッカスから放出されるSOFの1種が、SOF22.3によって発現されることか ら、我々はストレプトコッカスから放出されるSOFの1つの形は、本来の細胞に 結合した形よりも小さいものと結論付けた。これらのことは、これらファージの サブクローンを配列決定することにより明らかにされた(以下に説明する)。sof22 のサブクローニングおよび配列決定 DNA配列決定用のDNA鋳型を調製するために、該SOF22.3ファージインサートをM 13mp18およびmp19中にサブクローニングして、それぞれmpSOF22.2およびmpSOF22 .1を生成した。従って、このインサートはlacZプロモータに対して両配向状態に あった。SOFは両組み換えファージから発現された。高いレベルのIPTGはペリプ ラズムSOF活性のレベルを高めることはなかった。かくして、sof22は、これらの 組み換えファージ中のストレプトコッカスプロモータから発現されることが示さ れた。mpSOF22.2およびmpSOF22.1由来の一連の繰り込まれた欠失クローンから得 た、該2543bpフラグメントの配列解析は、長さ2470ヌクレオチドで、ヌクレオチ ド83から開始し、かつ停止コドンをもたないORFを検出した。検出された他の全 てのORFは、1500bpよりも小さかった。この2470bpの長いORF(SOF22)は、LSOF22. 3によって生成されるSOF22のサイズに対応する唯一のものであった。ORFのsof22 の3'部分は、固有のSacI941サイトから下流部の配列に相同のプローブを使用し たハイブリダイゼーションによって、3100bpSacI-EcoRIフラグメント上に位置し ていた(第3、4図)。ファージSOF22.4のEcoRIインサート中に含まれる、この 3100bpSacI-EcoRI制限フラグメントを、M13mp18およびmp19両者 中でサブクローニングし、プライマーウォーキング法によって配列決定した。so f22 ORFの3'末端は、2543Sau3Aフラグメントの端部の3,178,644bp下流部のヌク レオチドに位置していた。該sof22遺伝子配列の解析 sof22のヌクレオチド配列は、その推定されたアミノ酸配列と共に第4図に示 されている。このヌクレオチド配列は該Sau3Aサイト(位置1)で開始し、かつ 位置3240で終端している。制限サイトXhoI、SacI、PstIおよび一つのSau3A(Sau3 A LSOF22.3インサートの3'末端)が、該図に示されている。sof22 ORFは位置83で 開始し、かつ位置3187で終端している。このORFによってコードし得る最長のタ ンパク質は、位置113における交互開始コドンUUGで開始し、1025アミノ酸をもつ タンパク質をコードし、該タンパク質は、D734から放出される最大の主なSOFバ ンドよりも約10%大きなサイズ112,735.1をもつ。 提案されたUUGコドンの下流部に、幾つかの標準的な(AUG)開始コドンが存在す るが、該推定されたタンパク質配列の何れも、細胞質からのSOFの輸送を可能と する疎水性シグナル配列を含んでいなかった(第5C図)。フォンハイン(Von Hei jne)の方法によって予想された、該シグナル配列開裂サイトの位置は、G29とQ30 との間であった。 OF22タンパク質のアミノ酸粗製の解析は、最も豊富に含まれるアミノ酸がリジ ン(10.54%)、セリン(9.27%)、スレオニン(8.29%)およびグルタミン(8.00%)であ ることを明らかにした。二次構造の解析は、39.3%のヘリックス、28.2%のランダ ムコイル、18.15%のベータシートおよび14.3%の屈曲部を含むタンパク質を予想 する(第5B図)。該分子に関するこの低いヘリックス形成能と一致して、「マッ チャー(Matcher)」アルゴリズムを利用した該配列の分析は、何等有意な7残基周 期性を示さず、従って螺旋型コイル構造の可能性は排除される。カイト&ドゥー リトル(Kyte and Doolittle)のアルゴリズムによるヒドロパシー分析は、該シグ ナル配列の位置における、最初のN-末端の30アミノ酸および可能な膜アンカーセ グメントの位置のC-末端両者に、強い疎水性領域を示す(第5C図)。(該タンパ ク質の該C-末端における)該疎水性セグメントに対するC-末端は、8個の 帯電したおよび2個の極性のアミノ酸である。該疎水性ドメインからN-末端の3 残基は、TからSへの保存性の置換をもつ、グラム陽性バクテリア由来の表面タ ンパク質中に見出される、ヘキサマーLPXTGXモチーフである。 ダイアゴン(Diagon)比例アルゴリズムによる内部相同性の分析は、4個の反復 配列を示した(第7図)。これらの反復配列はプロリンに富む伸張部とフランキ ング状態にある(第5a、6a図)。これらモチーフの全てが、ストレプトコッカス 表面タンパク質の大部分に存在している。 反復配列および下流のプロリンに富む領域を含む、214 C-末端アミノ酸は、切 頭SOF22のSOF活性から結論付けられるように、血清混濁活性を与える可能性があ る。60個のC-末端アミノ酸(180 3’塩基対)の欠失によって、クローンmpSOF22. 1中の2543bpのSau3Aフラグメントを更に短くすることは、SOF活性を無効にする( 第2図)。従って、SOF活性に必要な配列は、アミノ酸752とアミノ酸811との間に ある。ストレプトコッカス表面タンパク質の該膜アンカー領域との配列相同性 該SOF22タンパク質の推定アミノ酸配列と、タンパク質配列データベースとの 比較は、該LPXTGXモチーフを含む該C-末端領域、疎水性ドメインおよびDNA配列 から推定されたストレプトコッカスタンパクの帯電したテイルに主として制限さ れた、約30〜35%の相同性を示した。これらは、Mタイプ49由来のennXおよびemm 49遺伝子、Mタイプ6由来のemm6遺伝子、Mタイプ12由来のemm12遺伝子、Mタ イプ5由来のemm5遺伝子、タンパク質G、タンパク質Hおよびタンパク質Arp4を 含む。グラム陽性バクテリア由来の幾つかの表面タンパク質の該アンカー領域の 比較は、第7図に示されている。sof22 上流側配列の特徴 推定上のプロモータ領域は、scpAプロモータに対して有意の相同を示す。第9 図に示されたこれら2つの配列の比較は、-10ボックス周辺および-35ボックスの 上流側の2個の推定VirR結合調和要素を含む-35ボックスの上流側において、最 大の相同性を与える。sof22 と他のストレプトコッカスsof遺伝子との相同性 1.5kbの長い内部Sau3Aフラグメント(ヌクレオチド890〜2465)に対して相同 のプローブmpSOF69.2を、異なるMタイプに属する150F+および15OF+菌株の染色 体DNAの、Sau3A消化物のサザンブロット解析のために使用した(第9図、第1表 )。このプローブは、OFの機能性ドメインをコードする配列を検出する。光度に 厳密な洗浄条件の下で、該sof22遺伝子をクローニングした菌株D734のDNAのみを 、該プローブとハイブリッド化した。(20%の不適合を許容する)緩和された厳 密条件下では、M22 SOF産生をもたない菌株からのDNAについて得たハイブリダイ ゼーションパターンは、D734のものとは異なっていた。予想外のことに、同一の Mタイプの菌株から得たシグナルは相互に異なっていた。該シグナルの強度およ び該制限フラグメントパターン(長さおよび数)両者はMタイプ13の2種の菌株 について異なっていた。2つの異なるパターンはMタイプ22菌株内で得られた。 分析された4個のM22菌株は2つの群に分けられた。即ち、その1群にはB243、B 401およびF312が、また他の群にはD734が入る。分析された15個のOF-菌株のうち 、2個のM6菌株および1個のM12菌株の一つは正のシグナルを与えた。正のSOF反 応を与える唯一の群Iの菌株はD421(M41)であった。これはサザンハイブリダイ ゼーション(緩和された条件)の際に正のシグナルを与えた。テストした他のM4 1菌株はOF-であり、かつ該サザンブロット解析において何等シグナルを与えなか った。sof22 遺伝子近傍の物理的地図およびMタンパク質との関連 該XhoIおよびSacIサイトの上流(mpSOF2279.2)および下流(mpSOF228.1)の配列 に相同な2個のプローブを、サザンブロットにおいて使用して、sof22遺伝子近 傍の物理的地図作成した(第3図)。非オーバーラップ制限地図は、emm22プロ ーブのハイブリダイゼーション後に得たオートラジオグラフから作成した。sof2 2が配置されている最大の制限フラグメントのサイズから算出すると、そのemm22 遺伝子からの距離は、該上流側に少なくとも30kbおよびその下流方向に15kbであ る。 第4図において、該OFセグメントはアミノ酸残基1〜1025である。酵素的に活 性なセグメントはアミノ酸残基1〜811である。セグメント1〜29はリーダー配 列であり、上で同定したLS0F22.4およびPSOF22.1は、承認番号 および の下でアメリカンタイプカルチャーコレクション(American Type Culture Colle ction)に寄託されている。 以上、クローニングおよびサブクローニング手順を説明してきたが、ここでは D734由来のOFを含むDNA配列を単離し、サブクローニングして、酵素活性セグメ ントを同定した。D734由来のOFおよび該酵素活性セグメントは、HDLを含有する ものと推定される哺乳類体液と接触させ、反応が存在するか否かを決定すること により、定性的並びに定量的にHDLを同定するのに有用である。一つの手順は、 定性的に混濁の発生を観察することである。この測定は、該タンパク質を、例え ば放射性または酵素標識により標識し、既知のまたは予め確立した検量線とこの 結果とを比較することにより、定量的に実施することができる。混濁の程度は、 また既知のHDLの検量線を使用して、定量化のために利用することも可能である 。 本明細書には、選択されたDNA配列をファージまたはプラスミドに挿入して、 選択されたOFまたは酵素活性セグメントの発現を可能とすることも記載されてい る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:46) C12R 1:19) (C12N 1/21 C12N 15/00 ZNAA C12R 1:19) (72)発明者 ロビンス ジョン アメリカ合衆国 ニューヨーク州 10021 ニューヨーク イースト セヴンティー ス ストリート 220 アパートメント 11イー

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. アポリポプロテイナーゼ活性をもつポリペプチドをコードし、原核単細胞生 物内で複製、転写および翻訳可能なDNA配列を含む、組み換えプラスミドを含 有する該原核単細胞生物を培養し、該ポリペプチドを該培養物から単離する工 程を含む、該アポリポプロテイナーゼ活性をもつポリペプチドの製造法。 2. 該DNA配列がsof22であって、SOF22をコードする請求の範囲第1項に記載の 方法。 3. 該DNA配列がsof22.1であって、高密度リポタンパク質由来のAPO-1を酵素的 に加水分解する、SOF22のフラグメントをコードする、請求の範囲第1項に記 載の方法。 4. アポリポプロテイナーゼ活性をもつポリペプチドをコードするDNA配列を有 する原核単細胞生物を調製する方法であって、該ポリペプチドをコードし、該 原核単細胞生物内で複製、転写および翻訳可能なDNA配列を含有する組み換え プラスミドを導入する工程を含む、上記原核単細胞生物を調製する方法。 5. 該DNA配列がsof22であって、SOF22をコードする請求の範囲第4項に記載の 方法。 6. 該DNA配列がsof22.1であって、高密度リポタンパク質由来のAPO-1を酵素的 に加水分解する、SOF22のフラグメントをコードする、請求の範囲第4項に記 載の方法。 7. アポリポプロテイナーゼ活性をもつポリペプチドをコードする精製されたDN A配列。 8. SOF22をコードする、請求の範囲第7項に記載の精製DNA配列。 9. 高密度リポタンパク質由来のAPO-1を酵素的に加水分解する、SOF22のフラグ メントをコードする、請求の範囲第7項に記載の精製DNA配列。 10.請求の範囲第7項に記載のDNA配列を含むクローニングベクター。 11.LSOF22.4であり、SOF22の生産をコードする請求の範囲第7項に記載のクロ ーニングベクター。 12.pSOF22.1であり、高密度リポタンパク質由来のAPO-1を酵素的に加水分解す る、SOF22のフラグメントの生産をコードする、請求の範囲第7項に記載のク ローニングベクター。 13.請求の範囲第10項に記載のベクターを含む単細胞生物。 14.請求の範囲第11項に記載のλファージを含む単細胞生物。 15.請求の範囲第12項に記載のプラスミドを含む単細胞生物。 16.請求の範囲第12項に記載の組み換えプラスミドを含む、細菌エシェリヒアコ 。 17.アポリポプロテイナーゼ活性をもつポリペプチドをコードするDNA配列また はこのような活性を有する該配列の任意の部分と結合することのできる、精製 されたDNAプローブ。 18.体液中の高密度リポタンパク質の診断テストであって、該体液とアポリポプ ロテイナーゼ活性をもつポリペプチドとを接触させ、反応が起こるか否かを決 定する工程を含む、上記診断テスト。 19.該ポリペプチドがSOF22である、請求の範囲第18項に記載のテスト。 20.該ポリペプチドが、高密度リポタンパク質由来のAPO-1を酵素的に加水分解 する、SOF22の酵素フラグメントである、請求の範囲第18項に記載のテスト。
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