【発明の詳細な説明】
胆汁酸吸着作用を有する架橋結合性ビニルポリマー
本発明は4価アンモニウム塩によって架橋結合し、胆汁酸吸着作用を有するビ
ニルポリマー、そのモノマー、それらの製造方法及び血液中の血清コレステロー
ルレベルを低下させる目的(高脂血症の治療)で腸における胆汁酸の吸収を低下
させる薬剤としてのこのポリマーの使用に関する。
胆汁酸及びその塩は天然の界面活性剤であり、脂肪消化及び脂肪吸収に重要な
生理機能を果たしている。コレステロール代謝の最終産物として、それらは肝臓
で合成され、胆嚢に貯蔵され、胆汁の構成成分としてそこから腸へ放出され、そ
こでその生理作用を示す。分泌される胆汁酸(約16g/日)の大部分(約85
〜90%)は腸肝循環を介して腸壁から、主に末端回腸において再び吸収され、
肝臓に逆輸送される、即ち、再利用される。胆汁酸の10〜15%だけが糞とと
もに排泄される。肝臓では、胆汁酸量の減少は、コレステロールから胆汁酸の新
生(デノボ)合成による制御ループ系を介してあるレベルまでは補償され得る。
肝臓のコレステロールレベルが減少すると、血清からのコレステロール吸収が増
加し、それによって血清のコレステロールレベルを低下させる。結局、胆汁酸の
再吸収を好適な阻害剤又は胆汁酸吸着剤によって抑制することによって、腸肝循
環が腸において妨害され、この結果、血液の血清コレステロールレベルが低下さ
れ得る。血清コレステロールレベルが高すぎることは医学では問題と認識されて
いる、なぜならそのことが動脈硬化症を導き、心筋梗塞のリスクを高めるからで
ある。それ故、高脂血症治療のために多くの治療アプローチがある。このアプロ
ーチの1つが腸肝循環の妨害である。このアプローチを用いれば、小腸における
胆汁酸吸収の阻害が望まれると思われるすべての疾患を治療することもまた可能
になる。
非吸収性の胆汁酸吸着剤は、胆汁酸の結合のために長い間治療的に使用されて
いる。特に、4価になった窒素中心を含み陰イオン交換体として作用する、不溶
性の、通常架橋結合したポリマーがこの目的に利用されている。このようなポリ
マーは米国特許第5,607,699号に記載されている。これらポリマーは、
主にイオン相互作用によって腸に存在する胆汁酸アニオンのいくつかと結合し、
それらを腸から運搬除去する。このタイプの市販品は、例えば活性化合物のコレ
スチラミン及びコレスチポールを含む。それらは、例えば高脂血症の治療に利用
される。
ポリマー性の胆汁酸吸着剤に加えて、活性胆汁酸の吸収阻害アプローチ(受容
体遮断薬)もまた研究されてきた。胆汁酸受容体は末端回腸に存在し、胆汁酸と
同様に受容体と相互作用し得るが胆汁酸と違って吸収されない分子によって遮断
される。この受容体遮断の結果として、胆汁酸はもはや吸収され得ず、糞中に排
泄されるようになる。ポリマー性胆汁酸受容体遮断薬の例は、EP−A−054
9967に見出せる。そこには胆汁酸分子がポリマー骨格の側鎖に結合した胆汁
酸ポリマー及びオリゴマーが記載されている。
既知の化合物には以下の欠点がある。
今日市販されているすべてのポリマー性胆汁酸吸着剤の欠点はその高用量(1
0〜30g/日;例えばコレスチアミンの場合、推奨量は12g/日)である。
今日知られているポリマーの場合、その高用量は結合率が低い又は等張の腸媒質
において吸着された胆汁酸が部分的に再遊離するためである。
魚臭及び不快な砂のような味及び吸着剤の粉末の砂のような粘稠性(例えばコ
レスチラミン)により、患者の服薬履行性(コンプライアンス)は低い。今日の
投与形態が問題なのは、吸着剤粉末が水に溶けず、懸濁させることしかできない
ことである。服薬履行性を高めるために、ある場合は50%以上もの味及び臭い
の改善用添加物が加えられなければならない。それで結果として吸着剤の1日用
量がさらに増加される。
さらに、今日知られている吸着剤は十分選択的に作用せず、またビタミン(例
えばビタミンK)及び他の生理学的に重要な物質とも結合し、それで欠乏症の症
状(例えばビタミン欠乏症)が発現し得る。
さらに、腸内細菌のコレステロール代謝に対する減退(damping)作用
に乏しい。
今日知られているすべての低分子量の吸収阻害剤については、腸における吸収
による細胞毒性的な副作用の危険がある。従って、これら低分子量阻害剤の吸収
に対してはピノサイトーシス及び他の輸送メカニズムを排除し得ない。非全身性
の作用については確実なことは言えない。
今日知られている胆汁酸吸収阻害剤に関して起こり得る不快な副作用は、受容
体遮断によって引き起こされる腸での胆汁酸濃度の増加が原因となる、下痢であ
る。
イオン交換体又はフッ素イオン供与体としての使用に適していて、4価のアン
モニウムイオンを含むポリマーが、例えば米国特許第5,118,717号及び
WO96/22761から知られる。
上記の欠点をもはや有することなく腸肝循環を妨害する非全身的に作用するポ
リマー活性化合物を製造することが本発明の目的であった。
この目的は、胆汁酸分子又は低分子量の胆汁酸吸収阻害剤分子を共有結合的又
はスペーサー基を介してポリマー分子と堅く結合させ、もはやそれ自身は吸収さ
れないがその吸収阻害作用は依然として保たれているようにすることによって、
達成される。このようにして、ある症例に発生し、その吸収によって引き起こさ
れ得る低分子量吸収阻害剤の全身性の細胞毒的な副作用が回避される。ポリマー
は、それとしては、大きすぎるので吸収されない。さらにポリマーは胆汁酸吸着
中心、例えば4価になった窒素中心を、分子に含む。これらは、胆汁酸アニオン
を結合及び吸着することによって、受容体遮断によって増加するはずの腸内胆汁
酸濃度を減少させる。
従って、このタイプのポリマーは二重の作用を有する。一方でそれらは共有的
に堅く結合した受容体遮断剤ユニットによるポリマー性胆汁酸吸収阻害剤として
作用し、他方では胆汁酸吸着剤として作用するのである。
この目的は、化学式IIの化合物から構築されるポリマーによって本発明に準
拠して達成される(ここで数値はそれぞれのモノマーを指し、そして、モノマー
の混合物が使用されるならば、得られるポリマーの平均値は整数でなくてもよい
)。ここで
Aは水素又はC1-9アルキルであり、
G及びEはお互い独立にO又はNHであり、好ましくはいずれもNHであり、
d及びaはお互い独立に2〜10の整数であり、好ましくはいずれも同じ数で
あり、
R1及びR2はお互い独立にC1-9アルキルであり、好ましくは同じ種類のもの
であり、
TはC2-200アルキレンであって、フェニレン、又は
又は1〜10の、直接的には隣接していない酸素原子又は−N+R3R4基によっ
て中断されてよく、ここでR3及びR4はお互い独立にC1-9アルキルであり、好
ましくは同じ種類のものであり、分子内にある化学式IIのそれぞれのポリマー
化モノマーの構造単位において、Tは一定でなくてもよいが、ある一定の範囲内
で変化しうる。従って、このポリマーは化学式IIの1つ又はそれ以上の様々な
モノマーから構築され得て、
X-は酸アニオンであるか、又は
化学式IIIの化合物であり、
ここでA、G、d、e、R1、Tは上記の定義通りである。
好ましいのは以下の特徴の1つ又はそれ以上、好ましくはすべてを有する化合
物である:
このポリマーは1つ又はそれ以上の様々なタイプのモノマーから構築され得る
ので、例えばポリマーにおけるd及びaは平均値であり、T基内の−N+R3R4
基の数も平均値である場合がある。例えば、それぞれのモノマーにおいてT基に
は0〜10の中断部分があり得るので、ポリマーでは平均値になる。以下の好ま
しい数値はモノマーについてのものである。モノマー混合物及びポリマーに対し
て得られる数値は一般に整数にならない。
−Aは水素又はC1-4アルキルであり、好ましくは水素又はC1-3アルキルであ
り、特に好ましくは水素又はメチルであり、
−d及びaは2〜5の整数、好ましくは2〜3であり、
−R1及びR2はC1-4アルキルであり、好ましくはC1-3アルキルであり、特に
好ましくはメチル又はエチルであり、
Xはハライドであり、好ましくはクロリド又はブロミドである。
Tは好ましくは以下より選択される:
−線状又は分枝鎖のC4-50アルキレン、好ましくはC6-30アルキレン、
−フェニレン、又は
によって中断される線状又は分枝鎖のC2-22アルキレン(ここでフェニレン基は
好ましくは1,4−フェニレン基であり、この中断は好ましくはアルキレン基の
ほぼ中央にある)、
−1〜7の直接的には隣接しない酸素原子によって中断され、好ましくは−C
H2−CH2−O−の単位を有する線状又は分枝鎖のC4-16アルキレン、
−2〜8の直接的には隣接しない−N+R3R4基によって中断される線状又は
分枝鎖のC20-140アルキレン(ここでR3及びR4はC1-4アルキル、好ましくはC1-3
アルキル、特に、メチル又はエチルである)。
特にTは、以下より選択される:
−線状又は分枝鎖のC6-30アルキレン、 (ここでn1及びn2はお互い独立に4〜10の整数、特に6〜8である)
(ここでn1及びn2はお互い独立に4〜10の整数、特に6〜8である)
(ここでn1及びn2はお互い独立に4〜10の整数、特に6〜8である)
(ここでn1及びn2はお互い独立に6〜12の整数、特に7〜9である)
(ここでR3及びR4はC1-3アルキル、特に、メチル又はエチルであり、Xはハ
ライド、特にクロリド又はブロミドであり、n1及びn2はお互い独立に6〜1
6の整数、特に8〜12であり、n3は2〜6の整数、特に3〜5である)(ここでR3及びR4はC1-3アルキル、特にメチル又はエチルであり、X-はハ
ライド、特にクロリド又はブロミドであり、n1は8〜16の整数、好ましくは
12〜16、特に12〜14であり、n4は1〜10、好ましくは2〜7、特に
好ましくは2〜5、特に3〜4の平均値を有する)
(ここでn4は1〜6、好ましくは2〜5、特に3〜4の平均値を有する)。
化学式IIの化合物及び/又はIIIは好ましくは化学式IV又はVIの化合物を
化学式Vの化合物と反応させることによって製造される。
ここでA、G、d、R1、R2、Tは定義された通りであり、Xはハロゲンである
。
本発明による架橋結合性ポリマーは、モノマーの基本構造単位であるA1、A
2及びA3から構成され、その総量は重量にして100%である。
a1:構成成分A1として、上記に記載されたように、化学式II及び/又は
III又はその混合物の0.5〜100重量%の二官能性基本構造単位、
a2:構成成分A2として、以下の化学式の化合物から選択されるモノマー0
〜99.5重量%、
(ここでA’はAに与えた意味の1つを有し、G’はGに与えた意味の1つを有
し、d’はdに与えた意味の1つを有し、R1'はR1に与えた意味の1つを有し
、R2'はR2に与えた意味の1つを有し、R3'はR3に与えた意味の1つを有し、
R5はハロゲン、C1-9アルキル、好ましくはC1-3アルキル、特にメチル及びエ
チル及び、
又はその混合物、例えば(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド又はポリ
ビニルアミンである)
a3:構成成分A3として、例えばオレフィンのようなビニルモノマーのよう
な他の共重合可能な基本構造単位0〜99.5重量%。
本発明はまた化学式Iの架橋結合性ビニルポリマーに関する。ここで
A、B及びDはお互い独立にH、CH3(CH2)fであり;
fは0〜8であり;
E及びGはお互い独立にO又はNHであり;
Fは(CH2)gのようなg個の炭素原子、フェニレンを有する線状又は分枝鎖
のアルキレン単位であり; gは0〜36であり;
rは0〜36であり;
KはNH、CH2NH又はCH2CH2NH;
Qは1つの結合又は
であり;
LはH、CH3であり;
R1及びR2はお互い独立にC1〜C8アルキルであり;
R3及びR4はお互い独立にNH2、NHR5、NR5R6、+NH3Cl-、+NH2
R5Cl-、+NHR5R6Cl-、+NR5R6R7Cl-、(CH2)wNH2、(CH2
)wNHR5、(CH2)wNR5R6、(CH2)w +NH3Cl-、(CH2)w +NH2
R5Cl-、(CH2)w +NHR5R6Cl-、(CH2)w +NR5R6R7Cl-、−C
OOR8、−CONHR8、
wは1〜18であり;
R5、R6、R7、R9及びR10はお互い独立に(C1〜C14)アルキルであり;
R8はNH2、NHR5、NR5R6、+NH2Cl-、+NH2R5Cl-、+NHR5R6
Cl-、+NR5R6R7Cl-、(CH2)wNH2、(CH2)wNHR5、(CH2)w
NR5R6、(CH2)w +NH3Cl-、(CH2)w +NH2R5Cl-、(CH2)w +
NHR5R6Cl-、(CH2)w +NR5R6R7Cl-であり;
a及びdはお互い独立に2〜10であり;
bは0〜3であり;
xは2〜22であり;
Hal-はCl-、Br-、I-であり;
k及びqはお互い独立に0.005〜1であり;
m及びnはお互い独立に0〜0.995である。
好ましいのはA、B及びDがお互い独立にH、CH3(CH2)fであり、ここ
でfは0〜8の数字であり、特に好ましいのはH、CH3である化学式Iの化合
物である。
好ましいのはE及びGがNHである化学式Iの化合物である。
好ましいのはFが(CH2)g、フェニレン、
であり、gは8〜24の数字であり、rは0〜18の数字であり、特に好ましい
のはgが8〜22である(CH2)gである化学式Iの化合物である。
好ましいのはQが1つの結合
であり、特に好ましいのは1つの結合である化学式Iの化合物である。
好ましいのはR1及びR2がCH3又はCH2−CH3であり、特に好ましくはC
H3である化学式Iの化合物である。
好ましいのはR3及びR4がお互い独立にNH2、+NH3Cl-、CH2−NH2、
CH2−+NH3Cl-、−CONHR8、
であり、ここでR8は(CH2)w +N(CH3)3Cl-であり、wは1〜8の数字
であり、特に好ましくは
である化学式Iの化合物である。
好ましくはa及びdがそれぞれ3である化学式Iの化合物である。
好ましくはbが1である化学式Iの化合物である。
好ましくはkが0.1〜1である化学式Iの化合物である。
好ましくはqが0.1〜1である化学式Iの化合物である。
好ましくはmが0〜0.8である化学式Iの化合物である。
好ましくはnが0〜0.8であり、特に好ましくは0である化学式Iの化合物
である。
k+q+m+nの合計は1でなければならない。
好ましくは以下の組み合わせを含む化合物である:
A、B及びDはお互い独立にH、CH3(CH2)fであり;
fは0〜8であり;
E及びGはNHであり;
Fは(CH2)g、フェニレン;CH2−O−[(CH2)2−O]r−CH2、
であり;
gは8〜34であり;
rは0〜18であり;
Qは1つの結合又は
であり;
R1及びR2はCH3、−CH2−CH3であり:
R3及びR4はお互い独立にNH2、+NH3Cl-、CH2−NH2、CH2−+NH3
Cl-、−CONHR8、
であり;
R8は(CH2)w +N(CH3)3Cl-であり;
wは1〜8であり;
a及びdはそれぞれ3であり;
bは1であり;
Hal-はCl-、Br-、I-であり;
kは0.1〜1であり;
qは0.1〜1であり;
mは0〜0.8であり;
nは0〜0.8であり;
ここで、k+q+m+nの合計は1である。
特に好ましいのは以下の組み合わせを含む化合物である:
A、B及びDはお互い独立にH、CH3であり;
Qは1つの結合であり;
E及びGはNHであり;
Fは(CH2)gであり;
gは8〜22であり;
R1及びR2はCH3であり;
R3及びR4は
であり;
a及びdはそれぞれ3であり;
bは1であり;
Hal-はCl-、Br-であり;
kは0.1〜1であり;
qは0.1〜1であり;
mは0〜0.8であり;
nは0であり;
ここで、k+q+m+nの合計は1である。
本発明はさらに、水溶性ラジカル開始剤の存在下、フリーラジカルの形式で、
水系溶媒において少なくとも1つの4価アンモニウム塩を含む好適なビス(メタ)
アクリル酸モノマー又はビス(メタ)アクリルアミドモノマーを単独重合させる
こと又は、塩酸アリルアミンのような他のビニルモノマー又は他の既定のモノマ
ーと共重合させることを含む、本発明によるポリマーの製造方法に関する。
本発明はまた、少なくとも1つの4価アンモニウム塩のマイケル付加中心を含
む好適なビス(メタ)アクリル酸モノマー又はビス(メタ)アクリルアミドモノ
マーをポリビニルアミンのようなアミノ基含有ビニルポリマーと塩基性溶媒にお
いてポリマー類似の形式で反応させることを含む、本発明によるポリマーの製造
方法に関する。
モノマーはさらに好ましくは以下のように製造され得る:
モノマーの製造:
1. 末端にジアルキルアミノ基を有するモノマー、例えばジメチルアミノア
ルキルエステル又はアクリル酸のジメチルアミノアルキルアミドを、4価のアン
モニウム中心が形成された1,ω−ジハライドと反応させる。
2. 1,ω−ジハロゲン化合物を、DMFのような好適な溶媒において塩化
ナトリウムの存在下、第二アミン又はその塩と反応させる。使用成分の比率を好
適に選択し、鎖の中に追加的なジアルキルアンモニウム中心を有する標的とした
1,ω−ジハロゲン化合物の製造が可能になる。生産されるものは種々の鎖長を
有する混合物であり、これは所望ならば、分離され得る。しかしながら、有利な
ことに、この混合物はそのままさらに製造工程を続ければ化学式IIのビスアク
リル酸塩を与える。
3. ステロイド基を有するモノマーはHoe96/F223又はEP−A−
0549967と同様にして製造され得る。
4. テトラメチルプロピレンジアミンを1,ω−ジハライドと反応させるこ
とにより、2.と同様に、鎖中でプロピレン基が結合した4価のアンモニウム中
心を担う1,ω−ジハライドを製造することが可能になる。
5. 1,3−ジケトンで1,ω−ジハロゲン化合物を二重アルキル化するこ
とにより、鎖中の同一の炭素原子に2つの追加的なアシル基を担う1,ω−ジハ
ロゲン化合物を得ることが可能になる。
ポリマーの製造:
重合は、例えばHouben−Weylに記載されたような通常の方法によっ
て実行される。それは、加熱によって、フリーラジカル開始剤によって、陽イオ
ン的に又は陰イオン的に、又はマイケル付加によって開始され得る。重合は好ま
しくはフリーラジカル形式で実行される。好適な溶媒は重合に通常使われている
溶媒である。出発物質が水溶性であるならば、水を溶媒として使用することも可
能である。重合自体は室温又はやや高温で実行される。得られたポリマーの検査
は濾過又は、水膨張性又は水溶性ポリマーの場合は限外濾過によって、実行され
得る。乾燥は凍結乾燥のような好適な方法によって実行される。
一般に、鎖中に1つ又はそれ以上の4価アンモニウム中心を担う1,ω−ビス
(メタ)アクリル酸及び/又は−アミドモノマーは、水性又はアルコール溶媒に
おいて低温度で(例えば45℃)好適な水又はアルコールに可溶なフリーラジカ
ル開始剤(例えばWako製のVA−944)を用いて、単独重合又はコモノマ
ーと共重合され得て、得られたゲルは通常の方法で検査され得る。好適な塩溶液
とともに撹拌することによって、アニオンは所望のように交換され得る。
本発明はさらに本発明による少なくとも1つのポリマー、適切ならば、1つ又
はそれ以上の他の脂質低下活性化合物、通常の賦形剤、助剤及び/又は添加剤を
含む薬剤に関する。
本発明はさらに構成成分を混合することによってこのような薬剤を製造するた
めの方法に関する。
本発明はさらに本発明によるポリマーの薬剤としての使用、特に抗高脂血症薬
としての使用に関する。
本発明はさらに、動脈硬化症状の予防のために、脂質代謝障害及び高脂血症を
治療すること、胃腸管における胆汁酸吸収を濃度依存的に減少させること、上昇
した血清コレステロール及び血中脂質を非全身的に低下させることのために薬剤
又は医薬品を製造するための本発明によるポリマーの使用に関する。
本発明はさらに上記ポリマーと他のポリマー及び/又は生物活性物質との混合
物に関する。
以下の実施例は本発明をより詳細に明示するものであり、実施例に記載される
生成物及び実施形態はそれを限定するものではない。
実施例1a:
48.8g(30.5ml;0.20モル)の1,6-ジブロロヘキサン、76.
0g(80.0ml;0.45モル)のN-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]メタク
リルアミドおよび1.0gのヒドロキノンを50mlのDFMおよび50mlの
メタノールの混合物に溶解した。溶液を、室温で96時間攪拌した。次いで、混
合物を<7℃に冷却し次いで5℃の温度を有するアセトンに滴下した。得られた
結晶性沈殿物を減圧下で濾別し、氷浴中で500mlの冷アセトンと撹拌し次い
でもう一度濾別した。実施例1aの収量:110.6g。
実施例1b 窒素雰囲気下、45mgのアンモニウムペルオクソジスルフェートおよび微量
の塩化鉄(II)を、12mlの水に溶解した3.0gの実施例1aの溶液に添加
し、次いで混合物を2時間攪拌した。次いで、もう45mgのアンモニウムペル
オクソジスルフェートを添加し、次いで混合物を65℃で2時間加熱した。これ
により無色のゲルを得た。このゲルを吸引濾過し次いで加圧して200μmのメ
ッシュサイズの篩を通した。次いで、150mlの水と30分間撹拌した。ポリ
マーを減圧下で濾別し次いで最初に飽和食塩水で洗浄し次いで水で洗浄した。ポ
リマーを乾燥室中40℃で18時間乾燥した。実施例2bの収量:2.1g。
元素分析:
計算値:C58.1% H9.8% N11.3% Cl14.3%
実測値:C58.3% H9.7% N11.4% Cl14.0%
実施例2a: 30.0g(0.10モル)の1,10-ジブロモデカン(Acros Chimicaより)、3
4.0g(0.20モル)のN-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド
および0.60g(5.4ミリモル)のヒドロキノンを37.5mlのDMFと
37.5mlのメタノールの混合物に溶解した。溶液を室温で撹拌し次いで暗所
で14日間撹拌した。次いで、混合物を<5℃に冷却し次いで氷冷アセトンに滴
下した。得られた結晶性沈殿物を減圧下で濾別し次いで500mlの冷アセトン
で洗浄した。実施例2aの収量:58.2g。
実施例2b: 490mg(1.0重量%)のフリーラジカル開始剤VA−044(2,2'-アゾ
ビス[2-(2'-イミダゾリン2-イル)プロパン]二塩酸塩、Wakoより)を、200ml
の水に溶解した49.4g(77.27ミリモル)の実施例2aの溶液に添加し
た。混合物を超音波浴中で1時間脱ガスし次いで窒素雰囲気下45℃で5時間攪
拌し次いで60℃で1時間攪拌した。少量の脱ガスした水に溶解したもう167
mgのVA−044を添加し、次いで混合物を60℃で9時間攪拌した。TLC
により未だモノマーを検出することが可能であったので、少量の脱ガスした水に
溶解したもう350mgのVA−044を添加し、次いで混合物を60℃で合計
もう35時間攪拌した。これにより無色のゲルを得た。このゲルを減圧下で濾別
し次いで少量の水で洗浄した。イオンを交換するために(ブロミドからクロリド
に)、飽和食塩水で3回撹拌し次いで減圧下で濾別した。次いで、ポリマーを水
で洗浄し次いでポリマの重量が一定になるまで真空乾燥室中で50℃で乾燥した
。実施
例2bの収量:45.1g。
元素分析:
計算値:C60.0% H10.2% N10.2% Cl12.9%
実測値:C61.1% H10.0% N10.3% Cl12.5%
実施例3a:
25.0g(75ミリモル)の1,12-ジブロモドデカン、28.1g(165
ミリモル)のN-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミドおよび500m
gのヒドロキノンを20mlのDFMおよび20mlのメタノールに溶解した。
その溶液を室温で撹拌し次いで暗所で14日間撹拌した。次いで、混合物を<5
℃に冷却し次いで1.51の氷冷のアセトンに滴下した。混合物を更に2時間氷
浴中で撹拌し、次いで得られた結晶性沈殿物を減圧下で濾別し次いで冷アセトン
で洗浄した。実施例3aの収量46.6g。
実施例3b: 396mg(1.0重量%)のフリーラジカル開始剤VA−044(Wakoより
)を、160mlの水に溶解した39.6g(60.23ミリモル)の実施例3
aの溶液を添加した。混合物を超音波浴中で1時間脱ガスし、次いで窒素をその
溶液に1時間導入した。次いで混合物を窒素雰囲気下で45℃で5時間攪拌した
。次いで少量の脱ガスした水に溶解したもう396mgのVA−044を、添加
し次いで混合物を50℃で撹拌した。30分後においても、溶液の粘度は200
mlの脱ガスした水を希釈のために添加しなければならない程度に増加した。次
いで、反応混合物を50でもう9時間攪拌した。TLCによりモノマーの検出が
未だ可能であったので、少量の脱ガスした水に溶解したもう100mgのVA−
044を添加し、次いで混合物を50℃で合計もう28時間撹拌した。これによ
り、無色のゲルを得た。このゲルを、均質化し、減圧下で濾別し次いで少量の水
で洗浄した。ポリマーの重量が、一定になるまで50℃の真空乾燥室でポリマー
を乾燥した。粗収量:36.2g。イオン交換のために(ブロミドからクロリ
ドに)、ポリマーを、飽和食塩水と共に3回撹拌し次いで減圧下で濾別した。次
いで、水で洗浄した。ポリマーの重量が、一定になるまで50℃の真空乾燥室で
ポリマーを乾燥した。実施例3bの収量:33.1g。
元素分析:
計算値:C62.2% H10.4% N9.7% Cl12.2%
実測値:C62.3% H10.5% N9.7% Cl12.0%
実施例4a:
680mgの1,16-ジブロモヘキサデカン、605mgのN-[3-(ジメチルアミノ
)プロピル]メタクリルアミドおよび10mgのヒドロキノンを5mlのDFMお
よび5mlのメタノールの混合物に溶解した。溶液を室温で撹拌し次いで暗所で
7日間撹拌した。次いで混合物を室温で<5℃に冷却し次いで750mlの氷冷
アセトンに滴下した。得られた結晶性沈殿物を減圧下で濾別し次いで冷アセトン
で洗浄した。実施例4aの収量:1.06g。
実施例4b: 窒素雰囲気下で、25mgのフリーラジカル開始剤VA−044(Wakoより)
を、窒素で飽和された5.0mlの水に溶解した300mgの実施例4aの溶液
に60℃で添加した。混合物を60℃で2.5時間攪拌した。得られた白色ゲル
をUltraturrax(IKA)を用いて均質化し次いで限外濾過セル(膜5kダルトン)に
移した。イオン交換のために(ブロミドからクロリドに)、ポリマーを飽和食塩水
と水で2回限外濾過した。ポリマーの重量が一定になるまでポリマーを凍結乾燥
した。実施例4bの収量:282mg。
元素分析:
計算値:C64.2% H10.8% N8.8% Cl12.2%
実測値:C64% H11.0% N8.6% Cl11.0%
実施例5a: 10.9g(41.4ミリモル)のα,α'-ジブロモ-p-キシレン(Aldrich)、
14.1g(82.7ミリモル)のN-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリル
アミドおよび280mgのヒドロキノンを250mlのDFMに溶解した。溶液
を室温で撹拌し次いで暗所で14日間撹拌した。引き続きTLCで出発物質が、
未だ検出できたので、混合物をもう4週間撹拌した。混合物を<5℃に冷却し次
いで1.5lの氷冷アセトンに滴下した。混合物氷浴中でもう1時間攪拌し、次
いで得られた結晶性沈殿物を減圧下で濾別し次いで冷アセトンで洗浄した。実施
例5aの収量:22.0g。
実施例5b: 0.86g(15ミリモル)のアリルアミン(Riedel-de Haenより)を、1.
42mlの濃塩酸および20mlの水の混合物に添加した。次いで、9.13g
(15ミリモル)の実施例5aおよび160mgのフリーラジカル開始剤VA−
044(Wakoより)を添加した。混合物を脱ガスし次いで窒素雰囲気下60
℃で7時間攪拌した。これによりゲルを得た。このゲルを均質化し、減圧下で濾
別し次いで先ず飽和水性塩化ナトリウムで洗浄し次いで水で洗浄した。ポリマー
の重量が一定になるまでそのポリマーを真空乾燥室中で50℃で乾燥した。実施
例5bの収量:6.7g。
元素分析:
計算値: C60.6% H8.6% N10.9% Cl13.8%
実測値: C60.5% H8.8% N10.7% Cl13.4%
実施例6a: 1.72gのα,α'-ジブロモ-テトラエチレングリコール(トリフェニルホス
フィンの存在下、テトラエチレングリコールをテトラブロモメタンで臭素化して
調製した)、1.71gのN-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミドお
よび290mgのヒドロキノンを7.5mlのDFMおよび7.5mlのメタノ
ールの混合物に溶解した。混合物を35℃で撹拌し次いで暗所で7日間撹拌した
。次いで混合物を<5℃に冷却し次いでアセトン/エーテル(1:1)の氷冷混
合物に滴下した。得られた結晶性沈殿物を減圧下で濾別し次いで冷アセトンで洗
浄しそして乾燥した。実施例6aの収量:2.60g。
実施例6b:
窒素雰囲気下、20mgのフリーラジカル開始剤VA−044(Wakoより
)を、窒素で飽和した5.0mlの水に溶解した250mgの実施例6aの溶液
に60℃で添加した。混合物を60℃で3時間攪拌した。得られたゲルを限外濾
過セル(膜5000Å)に移した。イオン交換のために(ブロミドからクロリド
に)、ポリマーを飽和食塩水で2回そして水で1回洗浄した。保持物(retentate
)を凍結乾燥した。実施例6bの収量:226mg。
元素分析:
計算値:C56.5% H8.8% N9.4% Cl11.9%
実測値:C56.2% H9.1% N9.1% Cl11.6%
実施例7a:
1.56gのα,ω-ジブロモ-ペンタエチレングリコール(トリフェニルホスフ
ィンの存在下、テトラエチレングリコールをテトラブロモメタンで臭素化して調
製した)、1.37gのN-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミドおよ
び100mgのヒドロキノンを7.5mlのDFMおよび7.5mlのメタノー
ルの混合物に溶解した。溶液を35℃で撹拌し次いで暗所で7日間撹拌した。次
いで混合物を<5℃に冷却し次いでアセトン/エーテル(1:1)の氷冷混合物
に滴下した。得られた結晶性沈殿物を減圧下で濾別し次いで冷アセトンで洗浄し
そして乾燥した。実施例7aの収量:1.82g。
実施例7b: 窒素雰囲気下、25mgのフリーラジカル開始剤VA−044(Wakoより
)を、窒素で飽和した5.0mlの水に溶解した300mgの実施例7aの溶液
に60℃で添加した。混合物を60℃で2.5時間攪拌した。得られたゲルを限
外濾過セル(膜5000Å)に移した。イオン交換のために(ブロミドからクロ
リドに)、ポリマーを飽和食塩水で2回そして水で1回洗浄した。保持物を凍結
乾燥した。実施例7bの収量:282mg。
元素分析:
計算値:C56.3% H8.8% N8.8% Cl11.1%
実測値:C56.2% H8.9% N8.6% Cl10.8%
実施例8: 50mlのメタノールに溶解した6.2g(11ミリモル)の実施例1aの溶
液を、15mlのメタノールに溶解した1.0g(23ミリモル)のポリビニル
アミンの溶液に添加した。混合物を30℃で18時間攪拌した。混合物を、50
mlの水で希釈し次いで30分間撹拌した。得られたポリマーを、減圧下で濾別
し、水で洗浄しそして凍結乾燥した。実施例8の収量:4.3g。
元素分析:
計算値:C56.5% H11.0% N25.4%
実測値:C56.5% H11.1% N25.9%
元素分析は、45%の架橋度に対応する。
実施例9 20mlのメタノールに溶解した3.84g(5.8ミリモル)の実施例3a
の溶液を、7.5mlのメタノールに溶解した0.50g(11.5ミリモル)
のポリビニルアミンの溶液に添加した。混合物を18時間攪拌した。メタノール
を、回転蒸発器を用いて留去した。次いで、200mlの水を添加した。ポリマ
ーを、飽和食塩水と水で2回限外濾過(膜5000Å)を用いて精製し次いで凍
結乾燥した。実施例9の収量:2.76g。
元素分析:
計算値:C57.8% H11.2% N24.9%
実測値:C56.6% H11.3% N16.0%
元素分析は、40%の架橋度を示す。
実施例10: 10mlのメタノールに溶解した1.54g(2.3ミリモル)の実施例3a
の溶液を、15mlのメタノールに溶解した1.00g(23.0ミリモル)の
ポリビニルアミン溶液に添加した。混合物を、室温で18時間攪拌した。メタノ
ールを回転蒸発器を用いて留去した。残渣を、200mlの水で撹拌し次いで限
外濾過セルに移した。ポリマーを飽和食塩水と水で2回の限外濾過(膜5000
Å)により精製した。実施例10の収量:2.21g。
元素分析:(ビニルアミン:実施例3a:=94:6の比率に対して計算)
計算値:C56.4% H11.6% N30.2% Cl1.2%
実測値:C56.2% H11.6% N31.2% Cl0.8%
実施例11: 342mg(469μmol)の実施例7aおよび107mg(1870μm
ol)のアリルアミンを、7.5mlの1N塩酸に溶解した。溶液を、窒素で飽
和した。窒素雰囲気下、混合物を60℃に加熱した。次いで、22mgのフリー
ラジカル開始剤VA−044を添加した。混合物を60℃18時間攪拌した。得
られた混合物を、均質化した。ポリマーを、飽和食塩水と水で2回限外濾過(膜
5000Å)を用いて精製し次いで凍結乾燥した。実施例11の収量:319g
。
元素分析:(実施例7a:アリルアミン=1:4の比率に対して計算)
計算値:C61.7% H9.9% N21.3%
実測値:C61.6% H9.8% N21.2%
実施例12a:
12.3g(30ミリモル)のコール酸(Aldorich)を、200mlのTHF
に溶解した。次いで、73.2g(300ミリモル)の1,6-ジブロモヘキサンを
添加し、次いで混合物を加熱還流した。6時間に亘って、10.2g(180ミ
リモル)の水酸化カリウム粉末を一回につき少しずつ添加した。次いで混合物を
もう1時間攪拌した。冷却後、得られた沈殿物を吸引濾過し次いでTHFで洗浄
した。濾液を濃縮した。過剰のジブロモヘキサンを減圧下で留去した。粘性の残
渣をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチルから酢酸エチル:メタノール=9:
1に)により精製した。実施例12aの収量:6g。
MS:Cl(アンモニア):m/z[%]=590(81Br同位体のM+NH4、9
5);588(79Br同位体のM+NH4、100)
実施例12b;
251g(0.44ミリモル)の3-(6-ブロモヘキシルオキシ)コレート(実施
例12a)を、2mlのメタノールに溶解し、次いで75mg(0.44ミリモ
ル)の3-(N,N-ジメチルアミノプルピル)メタクリルアミドを添加した。混合物を
6時間加熱還流し次いで一夜放置した。溶剤を取り除き、次いでシリカゲルでク
ロマトグラフィー処理した(メタノールからメタノール/水/酢酸=99:0.
5:0.5に)。これにより、160mgの粗生成物を得、これを更に弱酸性イ
オン交換体で精製した。実施例12bの収量:80mg。
実施例12c: 100mg(150ミリモル)の実施例12bおよび903mg(1350ミ
リモル)の実施例3aを、7.5mlの水および7.5mlのメタノールの混合
物に溶解した。溶液を窒素で飽和し次いで60℃に加熱した。次いで、窒素雰囲
気下で、40mgのフリーラジカル開始剤VA−044を添加し、次いで混合物
をこの温度で1時間攪拌した。得られたゲルを限外濾過セル(膜5000Å)に
移した。イオン交換のために(ブロミドからクロリドに)、ポリマーを飽和食塩水
で2回そして水で1回洗浄した。保持物を凍結乾燥した。実施例12cの収量:
912mg。
元素分析:
計算値:C62.6% H10.4% N10.4% Cl1.5%
実測値:C62.4% H10.6% N10.0% Cl1.1%
実施例13:
100mg(150ミリモル)の実施例12bおよび816mg(1350ミ
リモル)の実施例5aを、メタノールと水の混合物(1:1の比率)15mlに
溶解した。次いで、40mgのフリーラジカル開始剤VA−044(Wakoより)
を添加した。次いで、混合物を脱ガスし次いで窒素雰囲気下、60℃で2時間撹
拌した。得られたゲルを、限外濾過セル(膜5000Å)に移した。イオン交換
のために(ブロミドからクロリドに)、ポリマーを飽和食塩水で2回そして水で1
回洗浄した。保持物を凍結乾燥した。実施例13の収量:849g。
元素分析:
計算値:C61.5% H8.8% N11.2% Cl2.9%
実測値:C61.0% H8.7% N11.1% Cl3.1%
実施例14:
60℃で、4.9g(8ミリモル)の実施例1aを、70mlのイソプロパノ
ールの溶液に溶解した。70mlの酢酸エチルに溶解した[3-(メタクリロイルア
ミノ)プロピル]トリメチルアンモニウムクロリド(Aldrichより)の50%濃度
の水性溶液の7.0g(32ミリモル;16.7ml)の混合物を、この溶液に
添加した。溶液を脱ガスした。次いで、窒素雰囲気下、35mgのアゾビスイソ
ブチロニトリル(AIBN)を添加した。溶液を65℃で3時間攪拌した。得ら
れたゲルを500mlの水と混合し、次いで混合物を膨潤のため室温で2時間放
置
した。次いで、1500mlのイソプロパノールを添加し、次いで混合物を4時
間攪拌し、ポリマーの沈殿を得た。混合物を一夜放置し、次いで上澄みをデカン
トした。沈殿したポリマーを先ず飽和食塩水で次いで100mlの水および80
0mlのイソプロパノールで2時間攪拌した。次いで、上澄みをデカントした。
1500mlのイソプロパノールをポリマーに添加し、次いで混合物をもう2時
間攪拌した。次いで、ポリマーを減圧下で濾別し、そして乾燥した。実施例14
の収量:11.2g。
実施例15:
57mg(1ミリモル)のアリルアミン(Riedel-de Haenより)を、1N塩酸
3mlに添加した。次いで、668mg(1ミリモル)の実施例3aおよび2.
4mgのフリーラジカル開始剤VA−044(Wakoより)を添加した。混合物を
脱ガスし、次いで窒素雰囲気下60℃で24時間撹拌した。これによりゲルを得
た。得られたゲルを限外濾過セル(膜5000Å)に移した。イオン交換のため
に(ブロミドからクロリドに)、ポリマーを飽和食塩水で2回そして水で1回洗
浄した。保持物を凍結乾燥した。実施例15の収量:636mg。
元素分析:
計算値:C62.2% H10.5% N11.0%
実測値:C62.1% H11.1% N14.9%
実施例16:
490mg(732ミリモル)の実施例3aおよび100g(183ミリモル
)のコレート含有コモノマー(ヨーロッパ特許第548793号に記載のように
合成)を、2mlのエタノールの溶解した。次いで、4.4mgのフリーラジカ
ル開始剤VA−044(Wakoより)を添加した。混合物を脱ガスし次いで窒素雰
囲気下、50℃で36時間攪拌した。これによりゲルを得、そしてそのゲルをUl
taturraxを用いて均質化した。もう1.1mgのVA−044を添加し、次いで
混合物をもう一度脱ガスし次いで窒素雰囲気下50℃で更に10時間撹拌した。
次いで、ゲルを限外濾過セル(膜5000Å)に移した。イオン交換のために(
ブロミドからクロリドに)、ポリマーを飽和食塩水で2回次いで水で1回洗浄し
た。保持物を凍結乾燥した。実施例16の収率:530mg。
元素分析:
計算値:C63.8% H10.4% N8.2%
実測値:C62.4% H10.4% N8.2%
実施例17:
1,18-ジブロモオタタデカン
0℃〜5℃で、100mlの無水ジエチルエーテル中の2.4g(100ミリ
モル)のマグネシウムを、窒素雰囲気下107g(440ミリモル)のジブロモ
ヘキサンと共に撹拌した。2−3時間後、マグネシウムは溶解し、次いでTHF
に溶解した0.1Nのジリチウムテトラクロロクパレートの4ml(0.04ミ
リモル)の溶液を混合物に添加し、次いで発熱反応中の温度が冷却により10〜
15℃に保持されるように引き続きTHFを混合物に滴下する。次いで混合物を
5−10℃で1時間攪拌し、次いで室温で23時間攪拌する。次いで、沈殿物を
吸引濾過し次いで濾液を濃縮する。残渣を熱ヘプタン中で撹拌し次いで吸引濾過
する。濃縮した濾液を蒸留する。
沸点:15ミリバール以上で200℃、未修正融点:62℃
収量:7.0g=34.0%(マグネシウムに対して)
実施例18:
1,24-ジブロモテトラエイコサン
1,18-ジブロモオクタンを用い実施例17におけると同様に反応を行う。処理
に対して、反応混合物を濾過し次いで1,8-ジブロモオクタンを最初に留去し、次
いで混合物を250mlのヘプタンと共に煮沸しそして熱濾過する。生成物は、
ヘプタンから晶出する。ヘプタンからの晶出を繰り返し、11.5g=46.4
%(マグネシウムに対して)の生成物を得る。融点:72−75℃のろう状物質
。
実施例19:
1,30-ジブロモトリアコンタン
実施例18と同様に反応を行う。融点:78℃。
収量:12.5g=56.8%(マグネシウムに対して)
実施例20:
1,18-ジ[N,N-ジメチル,N-3(メタクリルアミドプロピル)アンモニウム]オクタデ
カ
ンジブロミド 120mlのDMFに溶解した7.0g(17ミリモル)の1,18-ジブロモオ
クタデカンおよび5.8g(34ミリモル)のジメチルアミノプロピルメタクリ
ルアミドを、80−90℃で2.5時間攪拌する。次いで、DMFを留去し次い
で残渣を50mlの塩化メチレンに溶解する。溶液を、1リットル(ltr.)のヘ
キサンに注入撹拌し次いで澄明な上澄みを1時間後にデカントする。残渣を前記
のようにもう一度沈殿させる。
収量:11.7g=91%
実施例21:
1,14-ジ[N,N-ジメチル,N-(3-メタクリルアミドプロピル)アンモニウム]テトラデ
カンジブロミド
50mlのDMFおよび30mlのメタノールに溶解した0.5gのヒドロキ
ノンと共に22.6g(63.5ミリモル)の1,14-ジブロモテトラデカンおよ
び25.4g(140ミリモル)のジメチルアミノプロピルメタクリルアミドを
、暗所に2週間放置する。次いで、生成物を、ジエチルエーテルとイソヘキサン
を添加して沈殿させる。上澄みをデカントし、次いで残渣をアセトンと撹拌し、
結晶化させる。結晶を吸引して濾別し、次いでアセトンで洗浄し、39.8g=
90.1%(1,14-ジブロテトラデカンに対して)を得る。
実施例22:
1,16-ジ[N,N-ジメチル,N-(3-メタクリルアミドプロピル)アンモニウム]ヘキサデ
カンジブロミド
80mlのDMFに溶解した2.9g(7.5ミリモル)のジブロヘキサデカ
ンおよび2.6g(15ミリモル)のジメチルアミノプロピルメタクリルアミド
を、40−50℃で27時間攪拌する。実施例21に記載のように処理する。
収量:4.8g=87.3%
実施例23:
1,20-ジ[N,N-ジメチル,N-(3-メタクリルアミドプロピル)アンモニウム]エイコサ
ンジブロミド 1,20-ジブロモエイコサンを用い実施例21におけると同様に反応を行う;反
応時間:30時間、70−80℃。
収量:2.0g=95.2%。
実施例24:
1,24-ジ[N,N-ジメチル,N-(3-メタクリルアミドプロピル)アンモニウム]テトラエ
イコサンジブロミド
1,2,4-ジブロテトラエイコサンを用いて実施例21におけるように反応を行う
;反応時間:50−60℃で18時間。収量:12.1g=91.7%。
実施例25:
1,30-ジ[N,N-ジメチル,N-(3-メタクリルアミドプロピル)アンモニウム]トリアコ
ンタンジブロミド
1,30-ジブロモトリアコンタンを用いて実施例21におけるように反応を行う
;反応時間:80℃で30時間。
次いで、溶液を0℃に冷却し、生成物が晶出する。吸引濾過し次いで少量のD
MFで洗浄する。乾燥を行う。15.2g=77%。
実施例26:
窒素下、10g(14.4ミリモル)の1,14-ジ[N,N-ジメチル,N-(3-メタクリ
ルアミドプロピル)アンモニウム]テトラデカンジブロミドを、40mlの水に溶
解する。0.15gの2,2'-アゾビス[2(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン二塩酸
塩を添加し、次いで混合物を50−60℃で加熱撹拌する。1−2時間後、もう
0.05gの開始剤を反応混合物に添加し次いで出発物質が重合するまで撹拌を
継続する。次いで100mlの飽和食塩水を反応混合物に添加し、次いで生成物
を吸引濾過する。生成物を限外濾過(膜5000Å)によりクロリドがなくなる
まで洗浄する。凍結乾燥し8gの純粋なポリマーを得る。生成物は、水に不溶で
ある。
実施例27:
1,16-ジ[N,N-ジメチル,N-(3-メタクリルアミドプロピル)-アンモニウム]ヘキ
サデカンジブロミドを用いて実施例26におけると同様に反応を行う。
収量:8.4g=95.2%。生成物は、水に不溶である。
実施例28:
1,18-ジ[N,N-ジメチル,N-(3-メタクリルアミドプロピル)-アンモニウム]オク
タデカンジブロミドを用いて実施例26におけると同様に反応を行う。
収量:5.0g=96.1%。生成物は、水に不溶である。
実施例29:
1,20-ジ[N,N-ジメチル,N-(3-メタクリルアミドプロピル)-アンモニウム]エイ
コサンジブロミドを用いで実施例26におけると同様に反応を行う。
収量:1.8g=95.3%。生成物は、水に不溶である。
実施例30 1,24-ジ[N,N-ジメチル,N-(3-メタクリルアミドプロピル)-アンモニウム]テト
ラエイコサンジブロミドを用いて実施例26におけると同様に反応を行う。
収量:5.9g=81%。生成物は、水に不溶である。
実施例31:
1,30-ジ[N,N-ジメチル,N-(3-メタクリルアミドプロピル)-アンモニウム]トリ
アコンタンジブロミドを用いて実施例26におけると同様に反応を行う。
収量:12.5g=83.4%。生成物は、水に不溶である。
実施例32:
窒素下、N-(3−トリメチルアンモニウムプロピル)メタクリルアミドクロリド
の50%濃度の溶液3.4g(10ミリモル)および0.25gの2,2'-アゾ-ビス[2
(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]二塩酸塩を、50mlの水に溶解した8.4
g(10ミリモル)の1,24-ジ[N,N-ジメチル,N-(3-メタクリルアミドプロピル)-ア
ンモニウム]テトラエイコサンジブロミドに添加する。撹拌しながら、両方の出
発物質が完全に反応するまで、混合物を60℃で重合させる。2時間後、200
mlの飽和食塩水を混合物に添加し、次いで生成物を吸引濾過する。次いで限外
濾過(膜:5000Å)によりクロリドがなくなるまでポリマーを洗浄する。
収量:10.2g=100%。生成物は、水に不溶である。
実施例33:
窒素下、25mlの水と10mlのメタノールに溶解した3.6g(4.4ミ
リモル)の1,24-[N,N-ジメチル,N-(3-メタクリルアミドプロピル)-アンモニウム
]テトラエイコサンジブロミドを、3.6g(36.4ミリモル)のメチルメタ
クリレートと混合する。60℃で、0.15gの2,2'-アゾビス[2(2-イミダゾリ
ン-2-イル)プロパン]二塩酸塩を撹拌しながら添加し、次いで混合物を出発物質
が反応してしまうまで60℃で撹拌する。実施例32と同様に後処理する。
収量:5.9g=80.5%。生成物は、水に不溶である。
実施例34:
1,7,8,16-テトラヒドロキシヘキサデカン7,8-エチレンケタール
1/2滴の濃硫酸を添加した200mlの2,2'-ジメトキシプロパンに溶解した
35g(105.3ミリモル)のエチル9,10,16-トリヒドロキシヘキサデカノエ
ートを、出発物質が完全に反応してしまうまで撹拌する(TLC:酢酸エチル/
イソヘキサン3/7)。次いで、混合物を炭酸水素ナトリウムの溶液に注ぎ、次
いで分離後、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥する。濃縮して44.5gのアセタ
ールを得、そしてこれを窒素下、250mlの無水THFに溶解する。トルエン
に溶解したナトリウムビスメトキシエチルアルミニウムヒドリドの41g(13
2ミリモル)の溶液(Aldride,“Red-Al”)を、25℃でわずかに冷却しながら
添加し、次いで混合物を2時間攪拌する。次いで、混合物を氷上に注ぎそしてT
HFを減圧下で留去する。次いで、混合物を、氷酢酸を用いて酸性にし次いで酢
酸エチルで繰り返し抽出する。濃縮した有機層を50mlの塩化メチレンに溶解
し次いで5mlの氷酢酸と共に5mlの水を澄明な溶液が得られるまでメタノー
ルと混合する。引き続き混合物を、薄層クロマトグラフィー(酢酸エチル/イソ
ヘキサン3/7)が均一な生成物を示すまで撹拌する。次いで、混合物を0.5
Nの水酸化ナトリウム水溶液中に注ぎそして酢酸エチルで抽出する。抽出物を硫
酸ナトリウムで乾燥しそして濃縮する。
収量:34g=98.0% 薄い黄色オイル。実施例35
1,16-ジブロモ-7,8-ジヒドロキシヘキサデカン-7,8-エチレンケタール
33g(100ミリモル)の1,7,8,16-テトラヒドロキシヘキサデカン7,8-エ
チレンケタール(実施例34)を、83g(250ミリモル)のテトラブロモメ
タンと共に350mlのアセトニトリルに溶解する。0−5℃で、79g(30
0ミリモル)のトリフェニルホスフィンを、引き続き一回につき少しずつ2−3
時間に亘って添加し、次いで0℃でもう1時間攪拌を継続する。反応の過程を薄
層クロマトグラフィー(シリカゲル;イソヘキサン/酢酸エチル9/1)により
監視する。一度生成物が消失したら、混合物を濾過し次いで残渣を酢酸エチルで
洗浄する。濾液を減圧下で濃縮し、酢酸エチルに溶解し次いで溶液がもはや酸性
反応しなくなるまで炭酸水素ナトリウムで洗浄する。一緒にした有機層を硫酸ナ
トリウムで乾燥し次いで濃縮する。残留するシロップをシリカゲル(イソヘキサ
ン/酢酸エチル9/1)で精製する。収量:43.4g=94.9%。
実施例36: 100mlのDMFに溶解した43g(94.2ミリモル)の1,16-ジブロモ-
7,8-ジヒドロヘキサデカン 7,8-エチレンケタール(実施例35)を、暗所で3
4g(200ミリモル)のジメチルアミノプロピルメタクリルアミドおよび1g
のヒドロキノンと共に撹拌する。反応を薄層クロマトグラフィー(シリカゲル;
イソヘキサン/酢酸エチル9/1およびn-ブタノール/氷酢酸/水10/4/1
)により監視する。全ての出発物質が反応した時、目的生成物は実質的に均一で
あり、混合物を2リットル(ltr.)の酢酸エチル中に撹拌しながら注ぐ。引き続
き混合物をデカントする。シロップ様残渣をエタノールと撹拌し次いで3回デカ
ントする。
収量:75g。
実施例37: 25g(31ミリモル)のモノマー(実施例36)を、180mlのメタノー
ルに溶解し、次いで窒素下、50℃で加熱する。30分後、0.75gの2,2'-
アゾビス[2(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]二塩酸塩を添加する。一度、混合
物が固化したら、50mlの水と共に混合しついでUltraturraxを用いて均質化
する。次いで、混合物を60℃で2時間加熱する。次いで混合物を100mlの
飽和食塩水と共に撹拌しそして濾過する。残渣を飽和食塩水で2回洗浄する。引
き続きクロリドがなくなるまで水で洗浄し次いで乾燥する。
収量:22.0g=88%。生成物は、水に不溶である。
実施例38:
25g(31ミリモル)のモノマー(実施例36)を、500mlの2N塩酸
に溶解する。24時間後、溶液を減圧下で濃縮する(反応を検査するために、D2
O中のNMRが記録される。アセタールプロトンは、もはや認められてはならな
い)。残留する残渣を、100mlの水に溶解しそして2N水酸化ナトリウムを
用いてpH7に調節する。次いで、混合物を窒素下で、60℃で加熱する。30
分後、混合物を重合しそして実施例21に記載のように精製する。
収量:16.4g=78.3%。生成物は、水に不溶である。
実施例39:
2,2-ジ(4-ブロモメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン
26.5g(80ミリモル)の2,2-ジ(4-ブロモメチルフェニル)ヘキサフルオ
ロプロパンを、300mlの四塩化炭素に溶解し次いで沸点まで加熱しそしてU
Vランプを用いて照射する。1.5時間に亘って、100mlの四塩化炭素に溶
解した27.2g(170ミリモル)の臭素を滴下する。次いで、混合物を30
分間加熱還流する。冷却後、有機層を炭酸水素ナトリウムを用いて脱酸性し、硫
酸ナトリウムで乾燥しそして濃縮する。残渣を400mlの熱ヘプタンに溶解す
る。冷却後、純粋な2(4-ブロモメチルフェニル)-2(ジブロモメチルフェニル)ヘ
キサフルオロプロパンを吸引濾過し、次いで濾液をその量の半分に濃縮する。冷
却後、多くの2(4-ブロモメチルフェニル)-2(4-ジブロモメチルフェニル)ヘキサ
フルオロプロパンを吸引濾過する。濃縮した濾液は、不純な2,2'-ジ(4-ブロモメ
チルフェニル)ヘキサフルオロプロパンを与え、そしてこれは更に処理するのに
十分に純粋である。収量:16.4g。
実施例40
2,2-ジ[4(N,N-ジメチル,N-(2-アクリルオキシエチル)アンモニウム)メチル]フ
ェニルヘキサフルオロプロパンジブロミド 7.2g(50ミリモル)のジメチルアミノエチルアクリレートと共に12.
3g(25ミリモル)の2,2-ジ(4-ブロモメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン(粗製生成物、実施例39)を、100mlのDMF中30時間攪拌する。次
いで、DMFを減圧下で留去し次いで残渣を少量の塩化メチレンに溶解する。溶
液を1.5リットル(ltr.)の塩化メチレンに注入撹拌し、そしてオイルが沈殿
しそしてこれは徐々に固化する。固体残渣を砕き、塩化メチレンと撹拌し、吸引
濾過しそして乾燥する。収量:11.4g=92。
実施例41:
2,2-ジ[4(N,N-ジメチル,N-(3-メタクリルアミドプロピル)アンモニウム)メチ
ル]-フェニルヘキサフルオロプロパンジブロミド
6.8g(40ミリモル)の3-ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドと共
に9.8g(20ミリモル)の2,2-ジ(4-ブロモメチルフェニル)ヘキサフルオロ
プロパン(粗製生成物、実施例39)を、100mlのDMF中室温で70時間
放置する。次いで、DMFを減圧下で留去し、そして残渣を少量のメタノールに
溶解し、そして1リットル(ltr.)の塩化メチレンに注入撹拌する。エマルショ
ン
を減圧下で約300mlに濃縮する。次いで、沈降させ、上澄みをシロップ様残
渣からデカントする。精製プロセスを数回繰り返し、9.6g=91%の純粋な
生成物を得る。
実施例42:
50mlの水に溶解した7g(9ミリモル)の2,2-ジ[4(N,N─ジメチル,N-(2-
アクリルオキシエチル)アンモニウム)メチル]フェニルヘキサフルオロプロパン
ジブロミド(実施例40)を、窒素下60℃に加熱する。0.14gの2,2'-ア
ゾビス[2(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]二塩酸塩を添加して重合を開始する
。短時間内に、混合物はもはや撹拌できなくなり、次いでもう20mlの水と0
.07gの重合開始剤を添加しそして全混合物をUltraturraxを用いて均質化す
る。60℃で更に2時間後、混合物を200mlの飽和食塩水と撹拌しそして吸
引濾
過し、次いで残渣をもう一度飽和食塩水で洗浄し、引き続きクロリドがなくなる
まで水で洗浄する。
収量:6.7g=95.7%。生成物は、水に不溶である。
実施例43:
2,2-ジ[4(N,N-ジメチル,N-(3-メタクリルアミドプロピル)アンモニウム)メチ
ル]フェニルヘキサフルオロプロパンジブロミドを用い、実施例42におけると
同様に反応を行う。
収量:95.7%。生成物は、水に不溶である。
実施例44a
50g(152.3ミリモル)の1,2-ジブロモドデカンおよび2.9g(35
ミリモル)のジメチルアミン塩酸塩を、最初に15mlの無水DMFそして15
mlの無水THFに装入する。2.1g(70ミリモル)の水素化ナトリウム(
80%、オイル中)を一回につき少しずつ添加する。24時間後、更に0.9g
(11ミリモル)のジメチルアミン塩酸塩そして一回につき少しずつ、0.7g
(23ミリモル)の水素化ナトリウム(80%、オイル中)を添加する。混合物
を室温で20時間攪拌し、次いで50−60℃で5時間攪拌する。反応混合物を
、氷/濃HBr上に注ぎ次いでヘキサンで繰り返し抽出する。濃縮後、ヘキサン相
は、23g=46%の1,2−ジブロドデカンを含有する。水相をジブロメタン
で4回抽出する。乾燥しそして濃縮して30gの粗製生成物を得る。これをオイ
ルポンプを用いて濃縮する。残量のDMFを除去するため、生成物をエーテルで
3回振とうし、引き続き−50℃に冷却する。エーテル相を棄てる。オイルポン
プを用いて50℃で乾燥後、24gの生成物を得る。更に精製するため、生成物
をシリカゲルを用いカラムクロマトグラフィー処理に委ねる。
移動相:酢酸エチル;後:アセトン/ジクロロメタン/メタノール/アセトン
/水/氷酢酸9:6:2:2:2:1
フラクション1:n=1;4.5g
フラクション2:n=2;2.7g
フラクション3:n=3;1.8g
実施例44b
実施例44aからのフラクション1の10.5g(約17ミリモル)、8.5g
(50ミリモル)のN-(3-N,N-ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミドおよび
0.5gのヒドロキノンを、最初に40mlのDMFに装入する。次いで混合物
を室温で4日間撹拌し次いで50℃で35時間攪拌する。減圧下でDMFを留去
する。引き続き残渣を各回に250mlのアセトンを用い5回撹拌する。次いで
、粘性の褐色残渣を減圧下で乾燥する。
重量12g。
窒素下、水中の生成物を50℃に加熱すると、その生成物は溶解する。2,2'-
アゾビス[2(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]二塩酸塩を添加して重合を開始し
そして常法により行う。次いで、生成物を飽和食塩水に注入撹拌する。沈殿物を
吸引濾過し、塩化ナトリウムがなくなるまで洗浄しそして限外濾過に委ねる。引
き続き残渣を凍結乾燥する。
収量:10.6g。
C44H90N5O2Cl3+2H2Oに対する元素分析
計算値:C61.2% H11.0% N8.1%
実測値:C61.1% H10.4% N8.0%
実施例44c
実施例44aからのフラクション2の6.3g(6.9ミリモル)、3.4g(
20ミリモル)のN-(3-N,N-ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミドおよび0
.3gのヒドロキノンを、最初に25mlのDMFに装入する。次いで混合物を
室温で4日間撹拌し次いで50℃で35時間攪拌する。引き続き減圧下でDMF
を留去する。残渣を繰り返しアセトンで砕き、メタノールに溶解しそしてアセト
ンおよびイソヘキサンで沈殿させる。沈殿物を減圧下で乾燥する。
重量4.1g。
窒素下、生成物を50℃の水に溶解する。2,2'-アゾビス[2(2-イミダゾリン-2
-イル)プロパン]二塩酸塩を添加して重合を開始しそして常法により行う。ゲル
様物質が最後に形成する。次いで、この物質を飽和食塩水に注入撹拌する。ゲル
様物質を塩化ナトリウムがなくなるまで限外濾過により洗浄する。残渣を凍結乾
燥する。
収量:3.0g。
C58H120N6O2Cl4+3H2Oに対する元素分析
計算値:C61.9% H11.3% N7.7%
実測値:C62.1% H11.1% N7.7%
実施例44d
実施例44aからのフラクション3の4.9g(4ミリモル)、2g(12ミリ
モル)のN-(3-N,N-ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミドおよび0.3gの
ヒドロキノンを、最初に20mlのDMFに装入する。次いで混合物を室温で4
日間撹拌し次いで50℃で40時間攪拌する。減圧下でDMFを留去する。残渣
を繰り返しアセトンで砕き減圧下で乾燥する。
重量4.3g。
窒素下、水中の生成物を50℃の加熱すると、その生成物は、溶解する。2,2'
-アゾビス[2(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]二塩酸塩を添加して重合を開始
しそして常法により行う。粒状生成物が形成する。次いで、この粒状生成物を飽
和食塩水に注入撹拌する。生成物を塩化ナトリウムがなくなるまで限外濾過によ
り
洗浄する。残渣を凍結乾燥する。
収量:2.84g。
C72H150N7O2Cl15+2H2Oに対する元素分析
計算値:C63.6% H11.4% N7.2%
実測値:C63.5% H11.1% N6.8%
実施例45a
29g(88ミリモル)のジブロモドデカンおよび3.6g(44ミリモル)
のジメチルアミン塩酸塩を、60mlの無水DMFに室温で最初に装入する。1
.4gの水素化ナトリウム(80%、オイル中)を、35℃で一回につき少しず
つ添加する。次いで、混合物を30℃で3日間撹拌する。減圧下でDMFを留去す
る。残渣をヘキサンで抽出する。ヘキサンを濃縮し、未反応の1,12-ジブロモド
デカンを回収する。引き続き残渣をジクロロメタンで抽出する。ジクロロメタン
を濃縮し、23.5gの残渣を得る。
13.5gのジクロロメタン残渣を、シリカゲルを用いクロマトグラフィー処
理する。移動相:アセトン/ジクロロメタン/メタノール/酢酸エチル/水/水
酢酸9:6:2:2:2:1
N−CH3プロトンに対するCH2−Brプロトンの比率を評価し、nに対し平
均値2を得る。
実施例45b 実施例45aからの混合物10g、N−(3−N,N−ジメチルアミノプロピ
ル)メタクリルアミド4.3g(25mmol)及びヒドロキノン0.5gを初
めに40mLのDMFに加える。この混合物を25℃で4日間及び45℃で4日
間撹拌する。DMFは減圧下で蒸留する。残渣は繰り返しアセトンで摩砕される
。窒素下、粘稠性の褐色残渣(8g)を水に溶かし50℃まで加熱すると、そこ
で溶解する。重合は2,2’−アゾビス[2(2−イミダゾリン−2−イル)プ
ロパン]二塩酸塩の添加によって開始され、通常の方法によって実行される。次
いで飽和NaCl溶液が添加される。撹拌後形成される沈殿物を吸引濾過し、N
aClを洗浄除去した後、ゲル状の物質を限外濾過にかける。残渣を凍結乾燥す
る。
収量:4.9g
C58H120N6O2Cl4+5H2Oの分析値
計算値 C61.9% H11.3% N7.4%
実測値 C59.9% H10.8% N7.2%
実施例46a 1,14−ジブロモテトラデカン25.65g(72mmol)及び塩酸ジメ
チルアミン1.96g(24mmol)を初めに40℃で無水DMF60mLに
加える。1.5g(50mmol)の水素化ナトリウム(80%油溶液)を30
℃にて少しずつ添加する。次にこの混合物を45℃で6時間撹拌する。DMFは
減圧下で蒸留する。残渣を2nHBr200mLに注ぎ、ヘキサンで繰り返し抽
出する。未反応のジブロモテトラデカンはヘキサンを濃縮することによって回収
され得る。引き続き、残渣はジクロロメタンで繰り返し抽出される。ジクロロメ
タンを濃縮する。残渣を乾燥すると14.9gの生成物が得られる。
このプロトンの別のプロトンに対する比からnの平均値は2となる。
実施例46b
実施例46aからの生成物14.9g(17.8mmol)、N−(3−N,N
−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド8.5g(50mmol)及びヒ
ドロキノン0.6gを初めに80mLのDMFに加える。この混合物を55℃で
7時間撹拌する。DMFは減圧下で蒸留する。粘稠性の褐色残渣は繰り返しアセ
トンで摩砕される。アセトンは除去する。油ポンプを用いて残渣を乾燥する。
収量:14.5g
このプロトンの比からnの平均値は2となる。
実施例46c
窒素下、実施例46bからの生成物14.5gを60mLの水に溶かし50℃
まで加熱する。重合は2,2’−アゾビス[2(2−イミダゾリン−2−イル)
プロパン]二塩酸塩200mgの添加によって開始される。20分後、さらに2
00mgの重合開始剤が添加される。20分後、反応混合物は硬化する。さらに
200mgの重合開始剤が添加され、次いでこの反応混合物を水で希釈し、Ul
traturraxを用いて均質化する。60℃でさらに2時間撹拌した後、飽
和NaCl溶液100mLを加える。残渣を吸引濾過し、NaClを洗浄除去し
、乾燥する。
収量:10.7g
C64H132N6O2Cl4+4H2Oのn=2に対する分析値
計算値 C62.4% H11.5% N6.8%
実測値 C62.1% H11.2% N6.9%
実施例47a ジブロモオクタン54g(200mmol)をDMF50mLに溶かす。50
℃において、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン5
.2g(40mmol)を30分間にわたって添加すると、白色の沈殿物が形成
される。TLCにより、50℃で4時間撹拌した後、反応を終了させる。沈殿物
は吸引濾過して除去する。DMFは油ポンプを用いて蒸留する。蒸留残渣を水に
溶かし、ヘキサン抽出を2回行う。ヘキサン相を濃縮することでジブロモオクタ
ン33gが回収され得る。水相を凍結乾燥する。粘稠性の残渣をジクロロメタン
とともに撹拌する。このジクロロメタン溶液を不溶性の残渣から分離し、濃縮す
ると、粗生成物20gが得られる。これを少量のジクロロメタンに溶かし、酢酸
エチル100mLの中で撹拌する。油ポンプを用いて沈殿物を乾燥する。収量:
15g(56%)。
実施例47b
実施例47aからの生成物15g(22mmol)をDMF100mLに溶か
す。N−(3−N,N−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド7.5g(
44mmol)を添加した後、この混合物を50℃へ加熱する。TLCにより、
50℃で10時間撹拌した後、反応を終了させる。DMFは油ポンプを用いて蒸
留する。蒸留残渣をジクロロメタン500mLで4回撹拌する。各15分間の撹
拌の後に透明な上澄液を移した後、油ポンプを用いて残渣を乾燥する。
収量:21g
実施例47c
窒素下、実施例47bからのアクリルアミド21g(21mmol)を150
mLの水に溶かし70℃まで加熱する。重合は2,2’−アゾビス[2(2−イ
ミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩160mgの添加によって開始され
る。5分後、ポリマーが析出され始め、混合物はゲル状になり、撹拌が難しくな
る。30分後、さらに水150mL及び重合開始剤160mgを添加した後、こ
の反応混合物をUltraturraxを用いて均質化する。この混合物を70
℃でさらに4時間撹拌した後、飽和NaCl溶液100mLを加える。30分後
、アセトン500mLをこのゲル状溶液に撹拌しつつ加える。濁った上澄液を粘
稠性の沈殿から移す。沈殿物を水100mLでゲル化し、再度アセトンを用いて
沈殿させる。4回の再沈殿の後、このゲル状残渣を凍結乾燥する。
収量:5.8g
実施例48a
1,12−ジブロモドデカン65.6g(200mmol)をDMF80mL
に溶かす。N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン5.
2g(40mmol)を添加し、この混合物を60〜70℃へ加熱する。混合物
を50℃で5時間撹拌し、一晩放置した後、TLCにより、反応を終了させる。
濾液中のDMFは油ポンプを用いて蒸留する。蒸留残渣を水及びヘキサンととも
に撹拌する。水相を3回のジクロロメタンで抽出する(3相)。油ポンプを用いて
中相を乾燥する。
収量:27.3g。
実施例48b
実施例48aからの生成物13.7g(17.5mmol)をDMF50mL
に溶かす。N−(3−N,N−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド11
.9g(70mmol)を添加した後、この混合物を60℃へ加熱する。70℃
で4日間撹拌した後、TLCにより反応を終了させる。DMFは油ポンプを用い
て
蒸留する。蒸留残渣をジクロロメタン50mLに溶かし、ゆっくり撹拌しながら
アセトン約300mLに混入する。混合物を15分間撹拌し、ヘキサン200m
Lを加えさらに10分間撹拌を続ける。透明な上澄液を移し(除去し)、油ポンプ
を用いて残渣を乾燥する。
収量:14.0g実施例48c
実施例48bからの生成物12.2g(10.8mmol)を水180mLに
溶かし、窒素下で70℃まで加熱する。重合は2,2’−アゾビス[2(2−イ
ミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩150mgの添加によって開始され
る。6分後、混合物はゲル化した。水200mL及び重合開始剤150mgを添
加し、この反応混合物をUltraturraxを用いて均質化する。70℃で
さらに4時間撹拌した後、飽和NaCl溶液100mLを加える。この混合物を
一晩放置した後、透過液にNaClがなくなるまで限外濾過にかける。濃縮液を
凍結乾燥する。
収量:6.3g
実施例49a
実施例48aからの生成物13.7g(17.5mmol)をDMF50mL
に溶かす。アクリル酸N,N’−ジメチルアミノエチル10.0g(70mmo
l)を添加した後、この混合物を60℃へ加熱する。60℃で4日間撹拌した後
、TLCにより反応を終了させる。DMFは油ポンプを用いて蒸留する。蒸留残
渣をプロパノール30mL及びジクロロメタン30mLに溶かし、ゆっくり撹拌
しながらアセトン約400mLに混入する。混合物を15分間撹拌し、ヘキサン
300mLを加えさらに10分間撹拌を続ける。透明な上澄液を移し、油ポンプ
を用いて残渣を乾燥する。
収量:14.0g
実施例49b
窒素下、実施例49aからの化合物13.7gを水300mLに溶かし、70
℃まで加熱する。重合は2,2’−アゾビス[2(2−イミダゾリン−2−イル
)プロパン]二塩酸塩180mgの添加によって開始される。30分後さらに重
合
開始剤180mgを添加する。60分後さらに重合開始剤180mgを添加する
。90分後さらに重合開始剤250mgを添加する。4時間後、飽和NaCl溶
液100mLを加えると、溶液が濁ってくる。さらに水を加え、この反応混合物
を限外濾過にかけ、NaClを除去する。この透過液を凍結乾燥する。
収量:8.5g
C41H92N4O4Cl4+3H2Oの分析値
計算値 C54.7% H11.0% N6.2%
実測値 C55.1% H11.0% N6.1%
実施例50a 窒素性物質を流しながら、1,12−ジブロモドデカン32.8g(100m
mol)を30℃へ加熱しつつ無水DMF50mLに溶かす。撹拌しながら、ジ
エチルアミン2.4g(33mmol)を添加し、混合物を室温で1時間撹拌す
る。水素化ナトリウム(80%油溶液)1.0g(33mmol)を1時間にわ
たって少しずつ添加する。この混合物を一晩放置した後、DMFを油ポンプで除
去する。残渣を水に溶かし、臭化水素酸を用いて強酸性にする。この濁った溶液
を3回のヘキサンで抽出する(3相:ヘキサン−油−水)。ヘキサン相は除去する
。中相及び下相を3回のジクロロメタンで抽出する。塩化メチレン相を合わせて
乾燥し、濃縮する。nの平均値は1である。
収量:19.3g
実施例50b
実施例50aからの生成物9.5g(9.8mmol)をDMF50mLに溶
かす。アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル2.8g(19.6mmol)
を添加した後、この混合物を60℃へ加熱する。60℃で3日間撹拌した後、T
LCにより反応を終了させる。DMFは油ポンプを用いて蒸留する。蒸留残渣を
ジクロロメタン50mLに溶かし、ゆっくり撹拌しながらアセトン約300mL
に混入する。15分間撹拌した後、ヘキサン200mLを加えさらに10分間撹
拌を続ける。透明な上澄液を移し(除去し)、油ポンプを用いて残渣を乾燥する。
収量:8.1g
残渣を水50mLに溶かし、窒素下、70℃まで加熱する。重合は2,2’−
アゾビス[2(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩100mgの
添加によって開始される。10分後、反応混合物はゲル化した。水150mL及
び重合開始剤100mgを添加する。次いでこの反応混合物をUltratur
raxを用いて均質化する。70℃でさらに4時間撹拌した後、飽和NaCl溶
液100mLを加える。この混合物を一晩放置した後、透過液にNaClがなく
なるまで限外濾過にかける。濃縮液を凍結乾燥する。
収量:5.7g
実施例51a
初めに1,8−ジブロモオクタン81.6g(300mmol)をトルエン1
50mLに加える。塩化テトラブチルアンモニウム(真空乾燥)2.4gを添加
し、混合物を70℃へ加熱する。30分間置いて、アセチルアセトン7.5g(
75mmol)及び(乾燥)炭酸カリウム60gを3分割して添加する。70℃
で5時間撹拌した後、TLCにより反応を停止する。冷却した反応混合物に水を
加え、トルエンで2回抽出する。乾燥させた有機相を回転式エバポレータを用い
て濃縮し、過剰なジブロモオクタンは油ポンプを用いて蒸留する。蒸留残渣29
gをシリカゲルのカラムでクロマトグラフ処理する。移動相:ヘキサン、後にヘ
キサン/ジクロロメタン1:1。
収量:9.2g(25%)
実施例51b
実施例51aからの生成物7.5g(15.5mmol)をDMF50mLに
溶かす。N−(3−N,N−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド5.3
g(31mmol)を添加した後、この混合物を70℃へ加熱する。70℃で8
時間及び室温で60時間撹拌した後、TLCにより反応を終了させる。DMFは
油ポンプを用いて蒸留する。蒸留残渣をジクロロメタン50mLに溶かし、ゆっ
くり撹拌しながらヘキサン約1Lに混入する。混合物を1.5時間撹拌した後、
透明な上澄液を移し、残渣を水に溶かして凍結乾燥する。
収量:12.8g
実施例51c 実施例51bからの生成物12.8g(15.6mmol)を100mLの水
に溶かし、窒素下で70℃まで加熱する。重合は2,2’−アゾビス[2(2−
イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩120mgの添加によって開始さ
れる。3分後、ポリマーが沈殿として析出し始める。30分後、さらに重合開始
剤120mgを添加し、この反応混合物をUltraturraxを用いて均質
化する。70℃でさらに4時間撹拌した後、飽和NaCl溶液100mLを加え
る。この混合物を一晩放置した後、透過液にNaClがなくなるまで限外濾過に
かける。濃縮液を凍結乾燥する。
収量:10.3g
C37H74N4O4Cl2+4H2Oの分析値
計算値 C56.8% H10.6% N7.9%
実測値 C57.6% H9.6% N6.8%
実施例52a
実施例51aからの生成物7.5g(15.5mmol)をDMF50mLに
溶かす。N−(3−N,N−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド5.3
g(31mmol)を添加した後、この混合物を70℃へ加熱する。70℃で8
時間及び室温で60時間撹拌した後、TLCにより反応を終了させる。DMFは
油ポンプを用いて蒸留する。蒸留残渣をジクロロメタン50mLに溶かし、ゆっ
くり撹拌しながらヘキサン約1Lに混入する。混合物を1.5時間撹拌した後、
透明な上澄液を移し、残渣を水に溶かして凍結乾燥する。
収量:11.8g
実施例52b
実施例52aからの生成物11.8g(15.4mmol)を水100mL及
びメタノール20mLに溶かし、窒素下で70℃まで加熱する。重合は2,2’
−アゾビス[2(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩110mg
の添加によって開始される。3分後、ポリマーが沈殿として析出し始める。30
分後、さらに重合開始剤110mgを添加し、この反応混合物をUltratu
rraxを用いて均質化する。70℃でさらに4時間撹拌した後、飽和NaCl
溶液100mLを加える。この混合物を一晩放置した後、透過液にNaClがな
くなるまで限外濾過にかける。濃縮液を凍結乾燥する。
収量:8.4g
C33H64N2O6Cl2+2H2Oの分析値
計算値 C57.3% H9.9% N4.1%
実測値 C57.6% H9.9% N3.8%
実施例53a 1,6−ジブロモヘキサン73.2g(300mmol)を初めにトルエン1
50mLに加える。塩化テトラブチルアンモニウム(真空乾燥)2.4gを添加
し、混合物を70℃へ加熱する。1時間かけてアセチルアセトン7.5g(75
mmol)を滴下して加え、(乾燥)炭酸カリウム60gを少量づつ添加する。
70〜80℃で4時間撹拌した後、TLCにより反応を停止する。冷却した反応
混合物に水を加え、トルエンで2回抽出する。有機相を乾燥し、回転式エバポレ
ータを用いて濃縮し、過剰なジブロモオクタンは油ポンプを用いて蒸留する。蒸
留残渣25gをシリカゲルのカラムでクロマトグラフ処理する。移動相:ヘキサ
ン、後にヘキサン/ジクロロメタン1:1。
収量:8.7g(27%)
実施例53b
実施例53aからの生成物8.7g(20.4mmol)をDMF80mLに
溶かす。N−(3−N,N−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド6.9
g(40.8mmol)を添加した後、この混合物を70℃へ加熱する。70℃
で2日間撹拌した後、TLCにより反応を終了させる。DMFは油ポンプを用い
て蒸留する。蒸留残渣をジクロロメタン100mLに溶かし、ゆっくり撹拌しな
がらヘキサン約1Lに混入する。1時間撹拌した後、透明な上澄液を移し、残渣
を水に溶かして凍結乾燥する。収量:1g
重合は実施例52bのように実行し、ポリマー13gを得る。
実施例54a
ジブロモテトラデカン6.6g(18.5mL)、N−[3−(4−メチルピペ
ラジノ)プロピル]メタアクリルアミド10.1g(45mL)及びヒドロキノ
ン0.5gをDMF20mLに溶かし、窒素下40℃で撹拌する。さらに3日間
55℃で撹拌した後、この溶液を減圧下で濃縮する。残渣をアセトン約30mL
とともに撹拌し、同時に−70℃へ冷却する。アセトン上澄液を移す。この方法
を5回繰り返した後、残渣を乾燥する。重量7g。実施例54b
実施例54aからの生成物7gを水40mLに溶かし、実施例53bのように
開始剤150mgを加えて重合させる。重合が停止した後、ヌッチェフィルダー
を用いて塩化物を洗浄除去し、デシケーターで乾燥させる。粉砕して褐色の粉末
3.9gを得る。
実施例55a
9−ブロモノナノールトリメチルシリルエーテル27 5g(93mmol)
を四塩化炭素250mLに溶かし、還流温度まで加熱する。N−ブロモコハク酸
イミド19.9g(106mmol)及びアゾイソブチロニトリル1.5g(9
.3mmol)を少量づつ5分間隔で1時間にわたって添加する。出発物質がT
LCで見られる限り、さらにN−ブロモコハク酸イミド及びアゾイソブチロニト
リルを10分間隔で添加する。混合物を還流下1時間撹拌する。冷却後、沈殿物
を濾過除去し、濾液を濃縮する。ヘキサン約500mLを撹拌しつつ残渣に加え
る。形成された沈殿物を吸引濾過し、濾液を濃縮する。これによって油状の液体
29gが得られる。カラムクロマトグラフィー(移動相:ヘキサン/ジクロロメ
タン8:2、後に1:1、吸着物質:シリカゲル)によって、生成物7.2gを
得る。
実施例55b
実施例55aからの生成物7.6g(17.2mmol)をDMF100mL
に溶かす。N−(3−N,N−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド5.
8g(34.4mmol)を添加した後、この混合物を50℃へ加熱する。50
℃で3日間撹拌した後、反応を終了させる。DMFは油ポンプを用いて蒸留する
。
蒸留残渣をジクロロメタンに溶かし、ゆっくり撹拌しながらヘキサンに混入する
。混合物をしばらくの間撹拌した後、透明な上澄液を移す(除去する)。残渣を記
載されたようにもう一度再沈殿させた後、水に溶かして凍結乾燥する。
収量:12.2g
実施例55c 実施例55bからの生成物12.2gを水80mLに溶かし、窒素下で70℃
まで加熱する。重合は2,2’−アゾビス[2(2−イミダゾリン−2−イル)
プロパン]二塩酸塩120mgの添加によって開始される。重合は20分後に始
まる。30分後、水20mL及び重合開始剤120mgを添加し、この反応混合
物をUltraturraxを用いて均質化する。70℃でさらに4時間撹拌し
た後、飽和NaCl溶液100mLを加える。この混合物を一晩放置した後、G
4フリットを通して吸引濾過し、さらに飽和NaCl溶液100mLとともに撹
拌する。これに続き、透過液にNaClがなくなるまで限外濾過にかける。濃縮
液を凍結乾燥する。
収量:9.6g
実施例56
アクリル酸2−ジメチルアミノエチルを使用する他は、実施例45bの方法を
利用する。n=2。
実施例57a
初めにジブロモドデカン35g及び塩酸ジメチルアミン3.3gを無水DMF
70mLに室温で加える。水素化ナトリウム(80%油溶液)3.3gを25〜
35℃にて一度に少しずつ添加する。次にこの混合物を室温で5時間及び60℃
で6時間撹拌する。冷却後、この混合物を撹拌しながら水性HBrに注ぎ、イソ
ヘキサンで抽出する。混合物を引き続きジクロロメタンで抽出する。ジクロロメ
タンを濃縮する。残渣をジエチルエーテルで繰り返し摩砕し減圧下乾燥すると、
残渣41.7gが得られる。
CH2BrプロトンのN−CH3プロトンに対する比の評価よりnの平均値は3
〜4となる。
実施例57b
実施例57aからの混合物31g、アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル
18.6g、ヒドロキノン0.5gを初めにDMF50mLに加える。次いでこ
の混合物を75℃で20時間撹拌する。DMFは減圧下で蒸留する。残渣を繰り
返しアセトンで摩砕する。窒素下、粘稠性の褐色残渣(37g)を水に溶かし5
0℃まで加熱すると、そこで溶解する。重合は2,2’−アゾビス[2(2−イ
ミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩の添加によって開始され、通常の方
法によって実行される。次いで飽和NaCl溶液が添加される。撹拌後形成され
る沈殿物を吸引濾過し、NaClを洗浄除去した後、ゲル状の物質を限外濾過に
かける。残渣を凍結乾燥する。
収量:21g
本発明によるポリマーの、コレスチラミンに対する優越性のインビボ試験による
実証
本発明によるポリマーのコレスチラミンに対する優越性は「ゴールデンシリア
ンハムスター」のインビボモデルを用いて示された。このために、実施例2b及
び実施例3bからの本発明によるポリマーがコレスチラミンとの比較の代表例と
して試験された。この目的のために、以下に示す実験が実行された。
9群のシリアンゴールデンハムスターを様々な食餌で21日間飼育した。コレ
ステロール、実施例2bの化合物、実施例3bの化合物及びコレスチラミンを食
餌に混入し、動物に任意量与えた。処置群のいずれも食餌消費量に不規則性を示
さなかった。体重の推移は全群で同等であった。 群 食餌 動物数
1群: 対照Teklad8604 n=6
2群: T8604+0.1%コレステロール n=5
3群: T8604+0.1%コレステロール n=5
+0.50%コレスチラミン
4群: T8604+0.1%コレステロール n=6
+1.00%コレスチラミン
5群: T8604+0.1%コレステロール+0.25%実施例3b n=5
6群: T8604+0.1%コレステロール+0.50%実施例3b n=5
7群: T8604+0.1%コレステロール+1.00%実施例3b n=6
8群: T8604+0.1%コレステロール+0.25%実施例2b n=5
9群: T8604+0.1%コレステロール+0.50%実施例2b n=5
21日が経過した後、血漿コレステロールレベル及び7−α−ヒドロキシラー
ゼ活性を定量した。
A)血漿コレステロールレベルの定量
血漿コレステロールレベルは、シグマの血漿コレステロールアッセイ(注文番
号352−100,1996年度のカタログ)及びコレステロールキャリブレー
タ(注文番号C7921,1996年度のカタログ)を用いて定量した。
表1はこの定量の結果を示す。
0.5%コレスチラミン(3群)が血漿コレステロール減少効果を10%しか
示さなかったのに対し、同量の実施例3bの化合物(6群)及び同量の実施例2
bの化合物(9群)はそれぞれ41%及び27%の減少効果を示すことができた
。
B)7−α−ヒドロキシラーゼ活性の定量
7−α−ヒドロキシラーゼ・ミクロソームの製法
新製法:(Journal of Biol.Chem.205巻,1990
年,4541〜4546頁:ヒト及びラットの肝臓からの7−α−ヒドロキシラ
ーゼの精製...)
緩衝液A:
100mMリン酸水素二カリウムpH7.4(17.4g/L)
1.5%塩化カリウム(15g/L)
50mMフッ化ナトリウム(2.1g/L)
緩衝液B:
100mMリン酸水素二カリウムpH5.4(4.35g/250mL)
5mMDTT(ジチオトレイトール)(0.1925g/250mL)
1mMEDTA(エチレンジアミンテトラアセテート,Na塩 0.0925g
/250mL)
50mMフッ化ナトリウム(0.525g/250mL)
4℃での製造方法。
肝臓を除去し、冷えた0.9%の強水性塩化ナトリウム溶液で洗浄する。
要求される肝臓の小片を氷冷したUC管に移す(コントロン[Kontron
]ポリカーボネート38.5mL)。
この肝臓1gにつき5mLの緩衝液Aを加え、Ultraturraxを用い
て細かく砕く。Small Turrax rodの設定:赤色=13,500
回/分。
均質液を4℃、20分間、10,000xgで遠心分離する。
UC:TFT55.38=10,000rpm。
Sorvall:SA34=10,000rpm。
上澄液をきれいなUZ管に移し、ペレットは除去する。この管を緩衝液Aで満
たし、その重量を調整する(±0.05g)。
10,000xgで遠心分離、1.5時間、4℃。
TFT55.38=32,000rpm。
上澄液を除去する。
ペレットを肝臓1gにつき1mLの緩衝液Bに溶解させる。
Small Turrax rodの設定:黄色=8,000回/分。
(Ultraturraxを用いて泡を形成させずにペレットを均質化すること
ができないならば、22Gカニューレを使用すべきであり、懸濁液は2〜3回吸
引放出されるべきである。)
500μLを分取し液体窒素で急冷凍し、−80℃で保管する。別に100μ
Lをタンパク定量用に分取する。
肝臓ミクロソーム中の7−α−ヒドロキシラーゼ活性のHPLCを用いた定量
ミクロソームサンプルは18番カニューレ(26G)の付いた1mLシリンジ
を用いて慎重に2度吸引放出をし、ハムスターの場合は200μLの、ラットの
場合は75μLのミクロソーム溶液を使用する。残りのミクロソーム溶液はタン
パク定量用に保存する(BCAによる、1:20に希釈)。
振動を一定(ポジション12)とし、サーモミキサ−37℃でバッチ処理。
ミクロソーム溶液200μLをエッペンドルフチューブに移し、このチューブ
を緩衝液1で満たして1mLとする(2回定量)。コレステロール−シクロデキス
トリン溶液(CD)20μLを添加:10分間保温(CDのないラットの場合)。
新たに調製した再生緩衝液200μLを添加:20分間保温。
ストック溶液60μLを添加し、軽く振とう。
0.1%コレステロールオキシダーゼ溶液100μLをピペットを用いて添加
、15分間保温。
エタノール2mLで満たした擦りガラス管へこの溶液を移す。
この管を渦状に撹拌する。
石油エーテル6mLで3回抽出。
各抽出において、管を1分間浸透/渦状撹拌した後、約5分間4℃、1000
rpmで遠心分離し、上清を別の管に合わせ、過剰な空気を含む40℃の加熱ブ
ロックにていずれも蒸発させる。
乾燥した抽出物を1mLの石油エーテルに溶かし、エッペンドルフチューブへ
移す。
この混合物をもう一度蒸発させる。
60%アセトニトリル/30%メタノール/10%クロロホルムの溶液120μ
Lにこの抽出物を溶かし、10分間40℃のサーモミキサーで振とうし、渦状に
撹拌し、軽く遠心分離する。
抽出物をHPLC用のプラスチックバイアルへ移し、アルミニウムの蓋を用い
て閉じる。
標準:7−ヒドロキシコレステロール溶液30μL+7−α−ヒドロキシコレ
ステロール(酸化型)溶液30μLを溶媒60μLと混合したもの。
HPLCの移動相:アセトニトリル70%/メタノール30%(アセトニトリ
ル80%/メタノール20%も可能)。
運転時間:40分、240nm、0.01AUFS
ピークの計算法:
内部標準の7−α−ヒドロキシコレステロール=使用量1μg
実施例に対する面積標準=496543=1μg
実施例に対する面積サンプル=68807=X
X=7−α−ヒドロキシコレステロール0.139μg
使用タンパク量の計算:
例えば、10mg/mL(タンパク定量による)x200μL(使用タンパク
溶液):1000=タンパク質2mg
タンパク質1mg、1時間あたりの酵素活性nmolへ変換(7アルファMW
403g/mol)。
0.139μgx3(20分間だけの保温のため):使用タンパク量、例えば、
2mg=0.208μgx100=208ng/mg/h
403ng=1nmol
208ng=0.516nmol
0.516nmol/mg/h
緩衝液1(4℃に保存)
100mMリン酸水素二カリウムpH7.2(8.7g/500mL)
50mMNaF(1.05g/500mL)
5mMDTT(0.385g/500mL)
1mMEDTA(0.186g/500mL)
20%グリセロール(100g/500mL)
0.015%CHAPS(3−[(コールアミド)ジメチルアンモニオ]−1−
プロパンスルホネート(0.076g/500mL)
緩衝液2(4℃に保存)
10mMリン酸水素二カリウムpH7.4(0.174g/100mL)
1mMDTT(0.015g/100mL)
20%グリセロール(20g/100mL)
コレステロール−シクロデキストリン溶液(4℃に保存)
45%ヒドロキシプロピルシクロデキストリンのコレステロール1mg/mL
溶液(10mLの測定フラスコの中でシクロデキストリン4.5gを二度蒸留し
た水約3mLとともに撹拌し、溶解させる。この溶液にコレステロール10mg
を加えて保冷室にて一晩中撹拌した(溶解性がきわめて悪い)後、このフラスコ
を10mLに満たす)。
再生緩衝液(常に新鮮!)
10mMイソタエン酸Na(25.8mg/2mL)
10mM塩化マグネシウム(20.3mg/2mL)
1mMNADPH(8.3mg/2mL)(β−ニコチンアミドアデニンジヌ
クレオチドリン酸、還元Na4塩)
0.15Uイソクエン酸デヒドロゲナーゼ(50μL/2mL)
イソクエン酸デヒドロゲナーゼ(−20℃)
1ボトル(50U)を緩衝液1+グリセロール600μLに溶かす。
停止溶液(−20℃に保存)
60μLにつき7−OH−CH(内部標準)1μgを含む20%コール酸Na
塩溶液。
1mg7−OH−CH(7−ヒドロキシコレステロール)/mLエタノール溶
液を調製する。コール酸1000mgを蒸留水3mLに溶かし、1mg/mL7
−OH−CH溶液83.33μLを加え、この溶液にエタノールを加えて5mL
とする。(83.33μL=停止溶液5mL中83.33μg=停止溶液60μ
L中1μg)。
0.1%コレステロールオキシダーゼ(−20℃に保存)
緩衝液2の1mg/mL溶液
表2は、7−α−ヒドロキシラーゼ活性の定量結果を示す。
0.5%コレスチラミン(3群)が7−α−ヒドロキシラーゼ活性を19%し
か上昇させなかったのに対し、同量の実施例3bからの化合物(6群)及び実施
例2bからの化合物(9群)を使用すると、それぞれ207%及び280%の活
性上昇が発揮された。
本発明によるポリマーの胆汁酸に関する吸着活性の定量は、インビトロモデル
で実行され得る。この目的のために、小腸内の条件を模倣する水性塩溶液におい
てこの物質をグリコー及びタウロコール酸とともにある時間撹拌又は振とうさせ
、溶液に残る胆汁酸の量を濾過又は遠心分離後にHPLCを用いて決定する。吸
着の強さは残渣を水性塩溶液とともに撹拌すること及び塩溶液の遊離胆汁酸をH
PLCを用いて定量することによって決定される。
胆汁酸吸着試験の条件
1.使用する溶液
a.標準溶液:吸着の定量と同じ
b.塩溶液:胆汁酸を含まない標準溶液
NaCl 8.00g/L 137.00mmol/L
KCl 0.20g/L 2.70mmol/L
Na2HPO4・2H2O 1.40g/L 8.00mmol/L
KH2PO4 0.20g/L 1.45mmol/L
2.実施手順
ポリマーサンプルの重量を測定し、標準溶液を加えて5mgサンプル/mL標
準溶液の濃度(50mg/10mL)にする。この溶液を室温で2時間撹拌する
。
次にそれを膜濾過(0.45μm)を用いて濾過する。
A:濾液:吸着の定量
B:濾過ケーク
濾過ケークのついたフィルターをガラス管に移す。標準溶液と同量の塩溶液
を加える。この混合物を室温で2時間撹拌する。次いで膜濾過を用いて濾過する
。
a:濾液:脱着の定量
b:濾過ケーク:方法Bを繰り返す。
幾つかのポリマー標本は濾過又は壁へ付着することが困難である。この場合、
溶液は濾過する代わりに4500rpmで遠心分離する。
3.HPLC
カラム:RP18 Licrospher 5μm(250x4mm)
移動相:アセトニトリル900mL
1100mL H2O
テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩6.8g
流速:1mL/分
検出:210nm
注入量:5μL
保持時間: GCA 4分
TCA 5分
標準及びサンプルをそれぞれ3回注入。
4.計算1.塩溶液の調製
a)ストック溶液:NaCl 160g
KCl 4g
Na2HPO4・2H2O 28g
KH2PO4 4g/1LH2O
b)使用溶液−標準
ストック溶液を水で20倍希釈し、胆汁酸塩を加える。
胆汁酸塩:8mmol/L
グリココール酸Na/タウロコール酸Na=2/L
グリココール酸Na(GCA) 2.60g/L 5.33mmol/L
タウロコール酸Na(TCA) 1.43g/L 2.67mmol/L
NaCl 8.00g/L 137mmol/L
KCl 0.20g/L 2.7mmol/L
Na2HPO4・2H2O 1.40g/L 8.0mmol/L
KH2PO4 0.20g/L 1.45mmol/L
2.吸着
ポリマーサンプルの重量を測定し、標準溶液を加えて5mgサンプル/mL標
準溶液の濃度(10mg/2mL)にする。この溶液を室温で2時間撹拌する。
次にそれを膜濾過(0.2μm)を用いて濾過する。
対照比較:コレスチラミン
濾液のpHをチェックする。
3.胆汁酸の定量
HPLCによるGCA及びTCAの定量(吸着の定量を参照)
4.吸着4.脱着
上記の測定は以下の結果を与えた:
GCA:グリココール酸
TCA:タウロコール酸
最良の結果が達成されたnの平均値は3〜4の範囲である。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
C07C 233/38 C07C 233/38
C07D 295/12 C07D 295/12 A
317/28 317/28
C08F 20/60 C08F 20/60
20/68 20/68
20/70 20/70
(72)発明者 ファルク,オイゲーン
ドイツ連邦共和国デー―60529 フランク
フルト・アム・マイン,フェルクリンガー
ヴェーク 15
(72)発明者 ヘーアシュ,ブリギッテ
ドイツ連邦共和国デー―65719 ホフハイ
ム,アウグステンヴェーク 3
(72)発明者 リンキース,アドルフ・ハインツ
ドイツ連邦共和国デー―60596 フランク
フルト・アム・マイン,テックストーアシ
ュトラーセ 103
(72)発明者 グロムビク,ハイナー
ドイツ連邦共和国デー―65719,ホフハイ
ム,アム・ロッツェンヴァルト 42
【要約の続き】
(式中、Aは水素又はC1-9アルキルを表し;G及びE
は独立にOまたはNHを表し;d及びaは独立に整数2
〜10を表し;R1及びR2は独立にC1-9アルキルを表
し;TはC2-100アルキレンであって、場合によりフェ
ニレン、(a)、(b)、(c)、(d)又は(e)のうちの1つ
の基、1〜10の互いに隣接しない酸素原子又は−N+
R3R4−[式中、R3及びR4は独立にC1-9アルキルを
表す]で中断されており;X-は酸性アニオンである)
で表される、前記化合物。かかる化合物から製造される
ポリマー及びそれらの脂質低下剤としての使用も開示す
る。