JP2002514512A - 摩擦回転溶接工具 - Google Patents

摩擦回転溶接工具

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JP2002514512A JP2000548118A JP2000548118A JP2002514512A JP 2002514512 A JP2002514512 A JP 2002514512A JP 2000548118 A JP2000548118 A JP 2000548118A JP 2000548118 A JP2000548118 A JP 2000548118A JP 2002514512 A JP2002514512 A JP 2002514512A
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ジェイムズ ハイデマン、ロバート
ウイントン トーマス スコット、ジェイソン
ブライアン スミス、クリストファー
マイケル セシン、トーマス
ナラシムハマーシー ランガナサン、ブランマンパリ
フレデリッヒ ビショフバーガー、ドナルド
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アール．ジェイ．タワー コーポレイション
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    • Y10T29/4932—Turbomachine making
    • Y10T29/49321—Assembling individual fluid flow interacting members, e.g., blades, vanes, buckets, on rotary support member

Abstract

(57)【要約】 本発明の回転溶接工具10は、可塑金属を加熱、可塑化、混合、そして鍛造することで２つの金属部を溶接して均一な溶接部を形成するために使用する。この回転溶接は、表面上に少なくとも１つのボス20を有するピン14と共に回転溶接工具10を回転させて、高速回転するピン14と接触する金属内に機械的摩擦を生ずることにより成し遂げられる。回転するピン14が溶接接合部に沿って進行するに従い、ワークピースの可塑金属はピン14の背面に向って押し出されるが、この間ピン14表面上の少なくとも１つのボス20による伝達動作により機械回転及び鍛造が進行し、かつこの間回転溶接工具10上の肩部18から金属に作用する圧力により該可塑金属は上方から拘束される。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】 （発明の属する技術分野） 本発明は一般的に摩擦回転溶接工具に関するものである。より特徴的には、本
発明は摩擦回転溶接工具の先端用に改良したピンの形状に関するものである。
【０００２】 （従来の技術） 摩擦回転溶接（Friction Stir Welding; "FSW"）はごく最近に開発された溶接
技術である。この技術は主に、以前ではより伝統的な融合技術の使用による溶接
が困難であった金属及び合金を溶接するために開発された。特に、アルミニウム
とアルミニウム合金は溶接するのが困難であり、溶融池シールドガスと特殊な加
熱を必要とし、そして溶接工程に先立ちまたはこの間に酸化層の除去を必要とす
る。さらに、アルミニウム及びこの合金は液体から冷却される時、空げき及び凝
固き裂欠損をこうむる。当然ではあるが、アルミニウム及びこの合金の大きなパ
ネルを製造するためには製造上押し出し成形が選択される。しかしながら、押し
出し成形技術ですら大きさの限界がある。機械回転技術としてのＦＳＷは固相接
合技術であり、アルミニウムとこの合金を使用する時に十分な溶接を達成する、
簡単かつ効率的な技術である。
【０００３】 摩擦回転溶接技術は、突出する端末ピンと共に回転する肩付円筒状工具を使用
することで、高速回転する円筒状のピン工具と接触する金属内に機械的摩擦を発
生させる。この機械的摩擦は金属を可塑化する。ＦＳＷ用に、被溶接部は隣接す
る接合面と共に裏あてプレートに対してクランプにより締め付けられる。高速回
転する円筒状工具のピンは金属と接触するように導かれて、そして突合せ接合（
butt joint）溶接の場合には、該ピンは接合部の中心線と共に中心に置かれる。
この接触は急速に摩擦熱を生成し、金属を可塑化し、そしてピンは円筒状工具の
肩部が金属表面と接触するまでゆるやかに接合線に突入する。この段階ではシリ
ンダの肩部の下に、回転するピンに対する円筒内に十分な量の可塑金属がある。
ピンの回転速度、ピンの外径に対する肩部の大きさ、押付け力及びピンの移動速
度のような技術上のパラメータを選択することで、このことにより十分な量の金
属は回転されかつ金属温度は金属の融点以下に保たれる。
【０００４】 次に、ピンは接合線に沿ってワークピースに対して移動する。回転するピンが
移動するに従い、可塑金属はピンの背面に対して押し出されるが、この間ピンの
表面形状により伝達されかつ円筒状工具の肩部から部材上に作用する圧力により
上方から制限される機械回転及び鍛造動作が進行する。ピンが接合線の下に進行
するに従い、ピンの先端面と接触する金属はただ背面に対して押し出されるため
に破砕され、加熱され、そして可塑化される。従って、ＦＳＷは接合線に沿って
金属を破砕し、酸化フィルムを破り、円筒状工具の肩部の下のピンの進行側部上
で可塑金属を回転するが、この場所で金属は冷却を開始して溶接を形成する。こ
の金属は融点以下で加熱されるため、これは固相接合である。
【０００５】 摩擦回転溶接は、例えばガス金属アーク溶接のような、融接の幾つかの短所を
回避している。融接は被液化金属が溶融池を形成することを必要とするが、この
溶融池はこの後溶接ビードを冷却することで空げきやき裂を形成する危険を冒す
。さらに金属煙を発生し、そして合金の場合には、溶接金属部は天然合金と比較
すると変形する傾向がはなはだ大きいが、これは合金成分要素の特異な蒸発損失
のためである。また、融接技術は合金成分要素の分離を促進する可能性もある。
アルミニウムのような難解な金属の場合では、さらに保護溶接ガスシールドを必
要とする。幾つかの融接技術とは異なり、摩擦回転溶接は追加の溶加材や他の溶
極等を必要としない。さらに、またＦＳＷはガス金属アーク溶接と比較すると、
優れた溶接強さと疲労寿命を示している。
【０００６】 １９９５年１０月２４日にトーマス及びその他の者に発行された、摩擦溶接と
いう題名の米国特許第５,４６０,３１７号は、溶接用ピンと共に高速回転する円
筒状工具または溶接用振動平板ブレードを使用する摩擦回転溶接方法について開
示している。上述したピンは１実施形態を除き一般的になめらかであるが、該１
実施形態では、個別の場所に局所可塑範囲を形成するための複雑な表面形態を有
するピンを開示しており、この目的は“スポット”溶接を完遂するためにプラグ
を配置したまま残すためである。
【０００７】 一般的に、摩擦回転溶接の性能はより慣習的な融接技術に伝統的に見受けられ
る性能を凌駕する。第６回国際アルミニウム技術セミナとエキスポでの発表とし
て、ミッドリング、オレ ティー．とジョハンセン、ヘルゲ ジー．による、“
固相摩擦回転溶接による幅の広いアルミニウム形状の製造”という題名の論文、
１〜１０ページ（１９９６年５月、米国イリノイ州シカゴ）において、著者はよ
り伝統的な溶接方法と比較した摩擦回転溶接について説明している。溶接の機械
的特徴を幾つかの異なるアルミニウム合金と比較しており、曲げ及び引張りの両
方に対して溶接強さの優れた性能を披露している。また著者は混合度合及び溶接
の強度を制御するためには、ピン表面の形状は重要であると指摘している。著者
はピン中心から突出する２つの円周状フィンを含むピン形状について説明してい
る。
【０００８】 シー．ジェイ．ダウェズとダブリュ．エム．トーマスによる、“アルミニウム
合金を溶接する摩擦回転工程” という題名の記事において、ウェルディングジ
ャーナル（Welding Journal）第７５巻３番目４１〜４５ページ（１９９６年３
月）、著者は様々なアルミニウム合金に対して実施した摩擦回転溶接試験につい
て論じているが、これらアルミニウム合金として、アルミニウムと銅、アルミニ
ウムとマグネシウム、及びアルミニウムとマグネシウムとシリコン合金が含まれ
ている。著者は、融接技術を用いては、さもなければ溶接できない金属を、摩擦
回転溶接は溶接できることを証明できた。これら溶接は高い接合強さを有し、隙
間という欠点を有していない。さらに固相接合は合金の治金学特性の維持を可能
にしているが、これは融接では発生するであろう成分要素の蒸発が皆無だからで
ある。さらに、著者は非類似部材の溶接のさらなる長所と、製造上、押し出し成
形、鋳造、または融接技術の使用では通常非実用的あるいは高価になりすぎるで
あろう多くの異なる部品形状に対する可能性についても説明している。
【０００９】 摩擦回転溶接は、幾つかの接合部形態と共に使用するのに適しており、これら
接合部形態として：Ｉ形突合せ（butt）、突合せと重ね（lap）の組合せ、単一
の重ね、複数の重ね、３部材Ｔ形突合せ、２部材Ｔ形突合せ、及び端末突合せを
含んでいる。これら接合部の、Ｉ形突合せ、突合せと重ねの組合せの突合せ部、
そして３部材Ｔ形突合せは回転ピンの軸に対して平行な接合面を有している。溶
接用パラメータが一定に保たれ、かつ突合せ接合の場合、もしもピンが接合部の
中心線上に置かれるのであれば、混合動作は側部から側部、かつ頂部から底部に
向かい、そしてかなり均一でかつ対称的なまま行われる。
【００１０】 重ね接合（lap joint）の場合には、接合部の接合面は回転ピンの軸に対して
横切り、かつ混合は上下方向において行われなければならない。今日のＦＳＷの
実施では、ボルトのねじ山に一致する表面形状を有するピンを使用しているが、
これは機械ボルト端末部に大変類似している。これらピンは重ね接合を溶接しよ
うと試みる時に困難である。この遭遇する困難さは界面変形（interface deform
ation）であり、符号“Ｄ”として図１に概略的に描かれてある。この変形は両
側部に対して非対称的であることに注意されたい。界面変形と共に、被溶接部の
接合面は、この領域で金属部間に融合を生じることなく１つの方向に変形される
。またこの領域は関連技術上、薄結合（thinning joint）として公知である。こ
の変形は結果として被影響部を効率的に薄め、図解中符号“Ｔ”として示される
通りである。この薄部は実質的に該当部分を弱め、響くような剪断力が作業部に
作用する時には特にその傾向がある。回転ピンの回転方向を逆転することは上述
の問題を解決せず、それどころか、反対方向に変形を生じることになる。
【００１１】 従って本発明の目的は、全接合形態用に適切な摩擦回転溶接を達成できる、肩
付円筒状回転ピン工具を提供することである。
【００１２】 さらなる本発明の目的は、全接合形態用に適切な摩擦回転溶接を得るのに最適
な複雑な回転ピンの形状を提供することである。
【００１３】 （発明の開示） 本発明は、少なくとも２つの金属製ワークピースを接合部で接合させる機械接
合、摩擦加熱及び固相接合に適する回転溶接工具について開示する。該回転溶接
工具はシリンダ及び複雑な表面形状を有する端末に突出するピンからなる。シリ
ンダはモータ駆動器の直前に取付け可能であり、端末の肩部と同方向の長手軸を
有し、該肩部は一般的に長手軸に直交する形状面を含む。
【００１４】 好ましくは、ピンは端末の肩部の表面から突出するほぼ円筒状のピンであり、
シリンダの長手軸と同方向の長手軸を有する。本発明のピン用に他の一般的な形
状が想定されているが、これらに代わる形状はフラスト円錐（frusto-conical）
形状、逆フラスト円錐形状、球及び西洋ナシ形状である。
【００１５】 この複雑な表面形状は、ピン表面から放射状に突出する少なくとも１つのほぼ
偏菱形形状ボスからなる。本開示の目的上、菱形は偏菱形形状の大きなセットの
部分集合である幾何形状として考慮されることを理解する必要がある。好ましく
は、複数のボスはピン表面に対して均等に配置される。ボスの形状は好ましくは
菱形形状であるが、しかしまた非平行四辺形の偏菱形形状を含む、偏菱形形状も
本発明上想定される。
【００１６】 本発明上想定される回転溶接工具は、シリンダの長手軸と同方向の長手軸を有
する端末の肩部の表面から突出するほぼ円筒状のピンを含み、かつ好ましくはピ
ン表面上に少なくとも１つの螺旋状第１ねじ溝及び少なくとも１つの反対方向の
螺旋状第２ねじ溝を含む。本発明はまた、同方向に螺旋する１つ以上のねじ溝の
使用を想定する。平行なねじ溝はピン表面のまわりを互いに角度を付けて配置さ
れ、菱形及び偏菱形のボス形状を形成してもよい。
【００１７】 本発明の他の目的及び本発明の多くの付随的長所はすぐに認識されるであろう
。これは、添付図面と共に合せて考慮される時、以下の詳細な説明を参照するこ
とでより明瞭に理解されるのと同様である。
【００１８】 （好適な実施形態の説明） 図２及び図３を参照しながら、本発明の実施形態に従う回転溶接工具１０を開
示する。該回転溶接工具１０はシリンダ１２及び端末突出ピン１４を含み、シリ
ンダ１２は基部１６及び端末の肩部１８を含む。該基部１６は、所定の数の適切
なロータリーモータ駆動器にシリンダ１２を取付ける、取付機構（図示略）の使
用を想定している。好ましくは、該駆動器は一般的にシリンダ１２の軸方向に圧
縮力を及ぼすことのできる統合されたアームに取付けられ、また同様にして接合
線に沿った直進シリンダに取付けられる。理想的には、シリンダ１２は、十分に
自動化されかつ十分に統合されたロボットアームのモータ駆動部に隣接して取付
けられる。モータ駆動器は回転溶接工具１０を回転することができ、この間ロボ
ットアームは回転溶接具１０を被溶接接合部に沿って直進させる。
【００１９】 端末の肩部１８におけるシリンダ１２の幅は、摩擦回転溶接工程において重要
な役割を担う。上述されかつ一般的に技術上公知であるように、回転溶接工具の
肩部は複数の方法で工程上関係する。該肩部の工程に対するより重要な役割は、
可塑部材に限定圧力を加えかつ可塑部材中の熱の最適レベルを維持することで十
分な混合の発生を提供することにある。さらに、この肩部は被配置部材を溶接範
囲に拘束しかつ溶接面をなめらかにすることで好ましい表面様相に寄与する。図
示されるように、肩部の表面は浅い空洞を形成するように形状付けられるが、破
線として描かれる通りである。一般的にシリンダの肩部の外径は、シリンダ１２
のように、ピンの外径の１．５〜４倍である。
【００２０】 ピン２０の円筒状の形状は、複数の菱形形状のボスを含む複雑な形状を有する
。各々のボスは、交互に、螺旋状第１ねじ溝２２及び反対方向の螺旋状第２ねじ
溝２４により定められてもよい。新しい溝を切り込むことでねじを形成するのに
類似して、第１及び第２ねじ溝２２、２４はピン１４の表面上に打抜きされても
よい。代わりに、ダイキャスティング（die casting）工程の一環として、ピン
１４表面にエンボス加工を施すことでピン表面上に偏菱形形状のボスを配置して
もよい。代わりに、偏菱形形状のボスは製造上鍛造方法によって得られてもよい
。
【００２１】 ねじ線のような、第１方向に少なくとも１つのねじ溝及び逆方向に少なくとも
１つの反対方向のねじ溝からなる螺旋状ねじ溝を形成することで、複数のボス２
０を形成してもよい。図２及び図３に示されるように、ピン１４の長手軸に対し
て垂直に置かれる横断平面上でのピンの周囲上の角度計測によると、それぞれの
第１及び第２ねじ溝２２、２４は互いにほぼ１８０度相違している。本形式で切
込まれるねじ溝、またはねじ線はこれらのボス２０として描かれるように、ほぼ
均一な菱形形状のボスを形つくる。第１及び第２ねじ溝２２、２４用に選択され
るピッチは、ボス２０のように、偏菱形形状のボスの全体的対称性を定める。図
２及び図３に示されるように、第１及び第２ねじ溝２２、２４用のピッチはかな
り平らであるため、実質的に窪んだダイヤ形状をボス２０のために形つくる。
【００２２】 互いに反対方向のしかし互いに１８０度より狭い角度で向かい合う第１及び第
２ねじ溝を使用することで、本発明に従い、代わりの偏菱形形状が想定される。
このような配列は、ピン１４のように、ピンの円筒面に配置される大小の偏菱形
形状を形つくる。さらに、本発明は第１方向に１つ以上のねじ溝と、さらに逆の
第２方向に１つまたはこれ以上の反対方向のねじ溝の使用を想定する。このよう
な配列は、ピンの表面上に３つまたはこれ以上のねじ溝を用いることで、ピン表
面上に幾つかの異なるボスの偏菱形形状を備える。これら代わりの実施形態は図
面には描写されていないが、図２及び図３に示される好適な実施形態を参照して
簡単に理解されるため、複製できるものと考える。
【００２３】 本発明の摩擦回転溶接工具は、幾つかの異なる部材により形成されてもよい。
回転溶接具工部材の選択は、被溶接金属部材の種類、特に部材の融点に依存する
。さらに考慮すべき点は、好適な進行速度である。工具部材の総体強さにより拘
束される工具の最小の大きさと合せて、他の要点は工具寸法及び要求される溶接
深さから統制される。回転溶接工具に使用される部材の例として、硬化されかつ
熱処理されるＨ１３工具鋼を挙げられる。
【００２４】 作動中、回転溶接工具１０は金属の２つの部分を合せて溶接するのに使用され
る。該溶接は可塑金属に摩擦加熱、可塑化、混合、及び鍛造を施すことにより、
回転溶接工具１０をピン１４と共に回転させて均一な溶接物を形成して、高速回
転するピン１４と接合する金属内に機械的摩擦を生じさせることより形成される
。該溶接を開始するために、被溶接ワークピースは隣接する溶接接合部の接合面
と共に背面に対してクランプにより締め付けられる。この接合部は、突合せ接合
、重ね接合、または突合せ接合と重ね接合の組合せでもよい。もしも突合せ接合
であるならば、溶接接合線はワークピースの接合面での実際の接合点である。も
しも重ね接合であるならば、溶接接合線は工程に沿ってオペレータにより選択さ
れる線である。またピンの適切な長さが選択されなければならない。突合せ接合
用の場合、ピン１４の長さはワークピースの全幅にほぼ等しい十分な長さでなけ
ればならない。重ね接合用の場合、ピン１４の長さは重ね接合表面にまで届きか
つ横切って延びる程十分長くなければならない。
【００２５】 高速回転する回転溶接工具１０のピン１４は、溶接接合線と共に中央に配置さ
れるワークピースの金属と接合するように導かれる。この接合は急速に摩擦熱を
発生し、ワークピースの金属部を可塑化する。回転溶接工具１０の肩部１８がワ
ークピースの表面と接触するまで、ピン１４は緩やかに接合線に突入する。この
段階で回転溶接工具１０の肩部１８の下に、回転するピン１４の円筒内に十分な
量の可塑金属がある。ピンの回転速度、ピンの外径に対する肩部の大きさ、押込
み深さ及びピンの移動または運動速度のような技術上のパラメータを選択するこ
とで、このことによりワークピースの温度を金属の融点以下に保ちながら十分な
量の金属を可塑化して、回転しかつ鍛造する。
【００２６】 次にピン１４は溶接接合線に沿ってワークピースにまで導かれて移動するが、
この間ワークピースの表面と接触する肩部１８により回転溶接工具１０上に下向
きの力を保持する。回転するピン１４が溶接接合に沿って移動するに従い、ワー
クピースの可塑金属はピン１４の背面にまで押し出されるが、この間ピン１４表
面上にボス２０による伝達動作によって機械回転及び鍛造を受け、そして肩部１
８により金属上に作用する圧力によって上方から拘束される。ピン１４の先行面
と接触する金属は、ピン１４が溶接接合線に下向きに進行するに従い、単に背面
に対して押し出されるために破砕され、加熱され、そして可塑化される。ボス２
０は回転溶接工具１０の破砕、加熱、回転及び鍛造動作に寄与し、上下混合同様
に両側部混合の双方のための適切な回転及び混合を提供する。図４に本発明の結
果から生じる利点を概略的に描いてあるが、ここで重ね接合は、１つまたは他の
ワークピースの最小の薄部と共に、両側部及び上下に対してかなり均一である。
【００２７】 以上の説明は本発明の原理の単なる例証として考慮されたい。そして当業者は
多くの修正及び変更を直ちに行えるであろうが、本発明は上に示されかつ説明さ
れたものの厳密な構成及び操作に限定されるものではない。さらに、全ての最適
な実施形態及び同等物は本発明の範囲内にあるものとする。
【図面の簡単な説明】
【図１】 図１は、先行技術の回転溶接工具を用いて形成された重ね接合用
の摩擦回転溶接を示す概略的断面図であり、ここで点描箇所は混合金属部材の範
囲を示す図である。
【図２】 図２は、本発明の実施形態の突出するピンと共に肩付円筒状回転
溶接工具の一部の側面図である。
【図３】 図３は、約９０度回転した時の図２に示された肩付円筒状回転溶
接工具の一部の側面図である。
【図４】 図４は、本発明の回転溶接工具を用いて形成された重ね接合用の
摩擦回転溶接を示す概略的断面図であり、ここで点描箇所は混合金属部材の範囲
を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 スコット、ジェイソン ウイントン トー マス アメリカ合衆国 ウィスコンシン53121 エルクホーン、イースト マーシャル ス トリート 219 (72)発明者 スミス、クリストファー ブライアン アメリカ合衆国 ウィスコンシン53222 ワウワトーサ、ウエスト センター スト リート 11700 (72)発明者 セシン、トーマス マイケル アメリカ合衆国 ウィスコンシン53051 メノモネー フォールズ、アーバー バイ タエ コート ウエスト156 ノース5088 (72)発明者 ランガナサン、ブランマンパリ ナラシム ハマーシー アメリカ合衆国 ウィスコンシン53022 ジャーマンタウン、ジュニパー ドライブ ノース106 ウエスト17159 (72)発明者 ビショフバーガー、ドナルド フレデリッ ヒ アメリカ合衆国 ウィスコンシン53186 ワウケシャ、ビッグ ベント ロード ウ エスト237 サウス4626 Ｆターム(参考） 4E067 BG00 CA04

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 少なくとも２つの金属製ワークピースを接合部で接合させる機械接合、摩擦加
    熱、及び固相接合に適する回転溶接工具であり、 モータ駆動器に隣接して取付可能で、長手軸と端末の肩部と肩部の表面とを
    有するシリンダと； 端末の肩部の表面から突出する、シリンダの長手軸と同方向の長手軸を有す
    るほぼ円筒状のピンと； ピンの表面から放射状に突出する少なくとも１つのほぼ偏菱形形状のボスと
    からなることを特徴とする回転溶接工具。
  2. 【請求項２】 少なくとも１つのボスは、ピン上に均一に配置される少なくとも４つの菱形形
    状のボスからなることを特徴とする請求項１に記載の回転溶接工具。
  3. 【請求項３】 少なくとも２つの金属製ワークピースを接合部で接合させる機械接合、摩擦加
    熱、及び溶接に適する回転溶接工具であり、 モータ駆動器に隣接して取付可能でありかつ長手軸と端末の肩部と肩部の表
    面とを有するシリンダと； 端末の肩部の表面から突出する、シリンダの長手軸と同方向の長手軸を有す
    るほぼ円筒状のピンと； ピン表面上の螺旋状第１ねじ溝と； ピン表面上の反対方向の螺旋状第２ねじ溝とからなることを特徴とする回転
    溶接工具。
  4. 【請求項４】 第１ねじ溝と第２ねじ溝は互いに関して円周上に１８０度の角度で配置される
    ことを特徴とする請求項３に記載の回転溶接工具。
  5. 【請求項５】 第１ねじ溝と第２ねじ溝は互いに関して円周上に１８０度より狭い角度で配置
    されることを特徴とする請求項３に記載の回転溶接工具。
  6. 【請求項６】 第１ねじ溝と第２ねじ溝は同一のピッチを有することを特徴とする請求項３に
    記載の回転溶接工具。
  7. 【請求項７】 第１ねじ溝と第２ねじ溝は異なるピッチを有することを特徴とする請求項３に
    記載の回転溶接工具。
  8. 【請求項８】 少なくとも２つの金属製ワークピースを接合部で接合させる機械接合、摩擦加
    熱、及び溶接に適する回転溶接工具であり、 モータ駆動器に隣接して取付可能でありかつ長手軸と端末の肩部と肩部の表
    面とを有するシリンダと； 端末の肩部の表面から突出する、シリンダの長手軸と同方向の長手軸を有す
    るほぼ円筒状のピンと； ピン表面上の少なくとも１つの螺旋状ねじ溝と； ピン表面上の少なくとも１つの反対方向の螺旋状ねじ溝とを含むことを特徴
    とする回転溶接工具。
  9. 【請求項９】 少なくとも１つの螺旋状ねじ溝と少なくとも１つの反対方向の螺旋状ねじ溝と
    が同一のピッチを有することを特徴とする請求項８に記載の回転溶接工具。
  10. 【請求項１０】 少なくとも１つの螺旋状ねじ溝と少なくとも１つの反対方向の螺旋状ねじ溝と
    が異なるのピッチを有することを特徴とする請求項８に記載の回転溶接工具。
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