JP2002514426A - ビタミンb12輸送のための遺伝子を含む組替え生物による1,3−プロパンジオールの製造方法 - Google Patents

ビタミンb12輸送のための遺伝子を含む組替え生物による1,3−プロパンジオールの製造方法

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JP2002514426A JP2000548477A JP2000548477A JP2002514426A JP 2002514426 A JP2002514426 A JP 2002514426A JP 2000548477 A JP2000548477 A JP 2000548477A JP 2000548477 A JP2000548477 A JP 2000548477A JP 2002514426 A JP2002514426 A JP 2002514426A
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Abstract

(57)【要約】 グリセロール脱水酵素をコードする遺伝子、1,3−プロパンジオール酸化還元酵素、ビタミンB12受容体前駆体(BtuB)をコードする遺伝子、ビタミンB12輸送系透過酵素タンパク質(BtuC)をコードする遺伝子およびビタミンB12輸送ATP−結合タンパク質(BtuD)をコードする遺伝子を含んでいる組替え生物体を提供する。この組替え生物体を炭素基質と接触させ、1,3−プロパンジオールを増殖培地から単離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は分子生物学の分野および1,3−プロパンジオールの製造のための組
替え生物体の使用に関する。より具体的には、本発明は、炭素基質を1,3−プ
ロパンジオールに効率的に転換する遺伝子と関連してビタミンB12の細胞内輸送
に影響を及ぼすクローン化遺伝子の発現を記載する。
【0002】 背景 1,3−プロパンジオールは、ポリエステル繊維の製造およびポリウレタンお
よび環状化合物の製造に使用されているモノマーである。
【0003】 1,3−プロパンジオールへの種々の化学的経路は公知である。例えば、1,
3−プロパンジオールは、1)ホスフィン、水、一酸化炭素、水素および酸の存
在下、触媒上でのエチレンオキシドから、2)アクロレインの接触液相水和およ
び引き続いての還元により、または3)周期表のVIII族からの原子を有する
触媒上、一酸化炭素および水素の存在下で反応させる炭化水素、例えばグリセロ
ール(グリセリン)から製造される。1,3−プロパンジオールはこれらの方法
で生成できるけれども、これらはコストがかかり、環境汚染物を含む廃棄物を発
生する。
【0004】 一世紀も前から、1,3−プロパンジオールはグリセロールの発酵から製造で
きることが公知である。1,3−プロパンジオールを産生できる細菌株は、例え
ばシトロバクター(Citrobacter)、クロストリジウム(Clostridium)、エンテロバ
クター(Enterobacter)、イリオバクター(Ilyobacter)、クレブシエラ(Klebsiell
a)、ラクトバチルス(Lactobacillus)、およびペロバクター(Pelobacter)の群の
中で発見されている。研究されたそれぞれの場合に、グリセロールは1,3−プ
ロパンジオールに2段階の酵素触媒反応連鎖で転換される。第一段階では、脱水
酵素がグリセロールの3−ヒドロキシプロピオンアルデヒド(3−HP)および
水への転換に触媒作用をする(式1)。第二段階で3−HPは、1,3−プロパ
ンジオールにNAD+−リンク−酸化還元酵素により還元される(式2)。
【0005】 グリセロール→3−HP+H2O (式1) 3−HP+NADH+H+→1,3−プロパンジオール+NAD+ (式2) 1,3−プロパンジオールは、これ以上は代謝されず、その結果、培地内に高
い濃度で蓄積する。反応全体で、補因子である還元型β−ニコチンアミドアデニ
ンジヌクレチオド(NADH)の形で1還元当量を消費し、これはニコチンアミ
ドアデニンジヌクレチオド(NAD+)に酸化される。
【0006】 グリセロールから1,3−プロパンジオールの産生は、一般にグリセロールを
唯一の炭素源として使用する嫌気性条件下およびその他の外因性の還元性当量受
容体(reducing equivalent acceptors)の非存在で行われる。これらの条件下、
シトロバクター(Citrobacter)、クロストリジウム(Clostridium)、およびクレブ
シエラ(Klebsiella)の株内で、例えばグリセロールの平行経路が機能し、これは
最初にNAD+−(またはNADP+−)リンクしたグリセロール脱水素酵素によ
るグリセロールのジヒドロキシアセトン(DHA)への酸化を含む(式3)。D
HAは、DHAキナーゼによるリン酸ジヒドロキシアセトン(DHAP)へのリ
ン酸化(式4)に続いて、例えば生合成のためおよび解糖を介するATP生成の
支援のために利用できるようになる。
【0007】 グリセロール+NAD+→DHA+NADH+H+ (式3) DHA+ATP→DHAP+ADP (式4) 1,3−プロパンジオールへの経路とは対照的に、この経路は、炭素およびエ
ネルギーを細胞に供給し、NADHを消費ではなく生成する。
【0008】 クレブシエラ ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae) およびシトロバクター
フレウンディイ(Citrobacter freundii)内で、グリセロール脱水酵素(dha
B)、1,3−プロパンジオール酸化還元酵素(dhaT)、グリセロール脱水
素酵素(dhaD)、およびジヒドロキシアセトン キナーゼ(dhaK)の機
能的にリンクした活性をコードする遺伝子は、dhaレギュロンに含まれる。シ
トロバクター(Citrobacter) およびクレブシエラ(Klebsiella)からのdhaレギ
ュロンは、大腸菌(Escherchia coli) 内に発現されており、グリセロールを1,
3−プロパンジオールに転換することが証明されている。
【0009】 1,3−プロパンジオールの生物学的製造は、2段階連続反応のための基質と
してグリセロールを必要とし、この反応内で、脱水酵素(代表的には補酵素B12 依存性脱水酵素)がグリセロールを中間体である3−ヒドロキシプロピオンアル
デヒドに転換し、これは次いで1,3−プロパンジオールにNADH−(または
NADPH)依存性酸化還元酵素により還元される。これらの補因子の要求は複
雑であり、1,3−プロパンジオールの製造のためのこの反応系列を組み込んだ
工業的方法のためには、全細胞触媒(whole cell catalyst) の使用が要求される
。補酵素B12依存性ジオール脱水酵素を含む生物体を用いるグリセロールからの
1,3−プロパンジオールの製造方法は、米国特許(US)第5,633,36
2号(ナガラジャンら(Nagarajan et al.))に記載されている。しかしこの方法
は、原料としてグリセロール使用に限定はしていない。グルコースおよび他の炭
水化物が適する基質であり、また最近、これらの基質は1,3−プロパンジオー
ル産生のための基質として証明されている。炭水化物は、1,3−プロパンジオ
ールに混合微生物培養物を用いて転換され、この場合、炭水化物は最初に一種の
微生物種により発酵されてグリセロールとなり、次いで1,3−プロパンジオー
ルに第二の微生物種により転換される〔米国特許(US)第5,599,689
号(ヘイニーら(Haynie et al.))〕。簡単化および経済的な理由から、炭水化
物を1,3−プロパンジオールに転換できる単一の生物体が好ましい。このよう
な生物体は、米国特許(US)第5,686,279号(ラッフェンドら(Laffe
nd et al.))により記載されている。
【0010】 一部の細菌、例えばサルモネラ(Salmonella)およびクレブシエラ(Klebsiella)
は、補酵素B12を合成することができて、ジオールまたはグリセロール脱水酵素
を操作できるが、しかし、他の種はB12を細胞の外部から輸送しなければならな
い。用語「B12」は、補酵素B12、上方軸5’−デオキシアデノシル配位子が他
の配位子(例えばアクオ−、シアノ−またはメチル基)で置換されている補酵素
12の誘導体、およびラジカル種のコブ(cob)(II)アラミンを集合的に表
すために用いる。
【0011】 細菌内へのB12輸送は、2つの主要な問題を提起する。第一は、B12分子が、
外膜ポーリンを通過するためには大きすぎて、そのために特殊な外膜輸送系を必
要とすること。第二には、環境中のB12の希少性のために、外膜輸送系はB12
対して高い親和性を有していなければならず、また内膜を通過する他の系による
引き続いての輸送のためにこれをペリプラズム内に移動させなければならないこ
と。B12のコリン環を合成できない大腸菌(E. coli) に対しては、一定の条件下
での増殖のために、B12の外部からの供給が必要である。これらの要求は適度で
あり、機能的MetHが存在する場合には約25個のB12分子(メチルコバラミ
ン)が必要であり、またエタノールアミン アンモニア−リアーゼ依存性増殖に
対しては、約500個の補酵素B12分子が必要である。
【0012】 輸送プロセスに対しては、数種のタンパク質が必要である。66kDa外膜タ
ンパク質BtuBは、アデノシル−、アクオ−、シアノ−およびメチル コバラ
ミンおよび相当するコビンアミドに対して高い親和性(Affinity)(Kd=0.3
nM)の受容体として働く。B12の非存在または低レベル(<1nM)での増殖
の場合には、約200コピーのBtuBが細胞あたりに存在する。しかし、高レ
ベルのB12(>0.1μM)を含む培地中の細胞の増殖は、BtuBの合成を抑
制し、5nMのレベルであっても、取り込み活性(uptake activity)は80〜9
0%が抑制される。サルモネラ(Salmonella)とは異なり、大腸菌(E. coli) Bt
uBは、好気性生分解により抑制されない。ペリプラズム内への輸送は、カルシ
ウムの同時輸送も必要とするエネルギー依存性プロセスによるBtuBと26k
Da内膜タンパク質TonBとの間の相互作用を必要とする。実際、B12のBt
uBへの高親和性結合はカルシウム依存性であり、またB12の飽和レベルでpH
6.6におけるカルシウムに対する約30nMのKdを有する相互B12依存性カ
ルシウム結合部位の証拠がある。カルシウムに対するこの親和性は、pH低下と
共に減少する。TonBは、輸送のために必要な構造交替を動かすためにプロト
ン駆動力を使用する。TonBが存在しないと、B12は外膜に非常に低い効率で
浸透する。またTonBは、FepAおよびFhuA系を含め、鉄に対する外膜
輸送系にエネルギーを与える。このように、BtuBは、TonB活性に対する
これらの系と競合する。タンパク質合成が存在しないと、B12輸送の速度は、約
20分の半減期で低下し、これはTonB活性の損失に帰することができる。B
tuBからペリプラズム結合タンパク質へのB12輸送は、ほとんど特性が明らか
ではなく、btuFでコードされるタンパク質を、少なくともサルモネラ(Salmo
nella)内では含んでいるであろう。
【0013】 内膜を通過する輸送は、btuCEDオペロンによりコードされるBtuCお
よびBtuDタンパク質により仲介される。BtuCおよびBtuDは、ペリプ
ラズム結合タンパク質を必要とする輸送タンパク質に似ており、またBtuDは
ATP結合部位を有している。これら2種の遺伝子の突然変異表現型は、外部B 12 の適度な増加により修正され、またBtuB/TonB系は、B12をペリプラ
ズム内に集中し、このようにして細胞質内へのB12の幸運な輸送が促進されると
考えられる。BtuEは輸送には関与せず、またその機能は分かっていない。b
tuCEDオペロンは、構成性に発現されるとみなされ、また増殖培地中のB12 の存在によっては調節されない。
【0014】 輸送経路は、外膜タンパク質BtuBへのB12の最初の結合、次いで内膜タン
パク質TonBとの相互作用およびエネルギー依存性トランスロケーションおよ
びペリプラズムBtuFとの結合、そして最後に内膜タンパク質BtuCDへの
運搬および細胞質へのトランスロケーションとして要約できる。
【0015】 B12輸送のための重要な制御機構は、外膜タンパク質BtuBのレベルに対す
る補酵素B12の影響である。細胞性補酵素B12の形成は、btuR遺伝子により
コードされるATP:コリノイドアデノシル転換酵素の活性からの結果である。
上記のように、培地内のB12の存在は、BtuB機能の低下となるが、しかしこ
の直接抑制は、補酵素B12に関する場合のみ観察され、btuR−欠損株への種
々のB12分子の付加の場合に見られるような補酵素B12前駆体に関しては観察さ
れないことを強調することは重要である。培地内で供給される補酵素B12前駆体
は、補酵素B12へのその転換からの結果として抑制を起こすのであろう。制御は
、メッセージ合成の開始ではなく継続の変更と考えられ、すなわちbtuB発現
に対する外来プロモーターの使用は、補酵素B12による調節からの保護を必ずし
も与えない。btuB調節の異常な特徴は、単独コピーの場合のように、btu
B遺伝子が多コピープラスミド上に持ち込まれた場合に抑制が有効と考えられる
ことにある。標的配列の過剰コピーによる滴定(力価)の見かけの不足は、細胞
内の抑制因子(補酵素B12)の大過剰を示唆する。
【0016】 遺伝子融合研究において、転写および翻訳制御の両者共、btuB発現に適合
するように認められ、一緒に考えると、これらの種々の特徴は、直接相互作用が
補酵素B12とmRNAリーダーの間に起きる機構を示唆する。この相互作用は、
mRNA折り畳みを誘発してヘアピンを安定化させ、これによりリボソームの翻
訳起点への接近を遮断する。自体の発現および調節の制御においてbtuB転写
のかなりの割合が必要なことは、リーダーおよびbtuBコード領域を含む転写
後イベントが、転写読み取りおよび翻訳開始の両者に影響することを示唆する。
調節における転写した領域の関与は、アミノ酸生合成経路における転写減衰制御
に対して論文が書かれているが、しかしbtuB調節の異常な特徴は、重要な調
節部位がbtuBコード配列内に位置し、またこの調節が転写と翻訳の両者に影
響することである。
【0017】 本発明により解決すべき課題は、B12輸送に責任がある活性をコードする外来
遺伝子の存在により酵素への補酵素B12の利用可能性を上昇させて、補酵素B12 依存性脱水酵素を含む単一の組替え生物体を用いて、1,3−プロパンジオール
を生物学的に製造する方法である。
【0018】 発明の要約 出願人は、酵素への補酵素B12の利用可能性をB12輸送遺伝子の存在により上
昇させることにより、直接1,3−プロパンジオールへの発酵可能な炭素源の脱
水酵素−媒介生物変換が可能な単一の組替え生物体を提供することにより、上記
の問題を解決した。好ましい基質は、発酵可能な炭水化物、単一炭素基質(singl
e carbon substrate) およびこれらの混合物を含む、より大きい基質の集合から
のグルコースおよびグリセロールである。
【0019】 本発明は、(i)形質転換された宿主細胞を少なくとも1種の発酵可能な炭素
源およびビタミンB12の有効量と接触させ、これにより1,3−プロパンジオー
ルが産生され、形質転換された宿主細胞は、(a)脱水酵素活性を有するタンパ
ク質をコードする遺伝子の少なくとも1種のコピー、(b)酸化還元酵素活性を
有するタンパク質をコードする遺伝子の少なくとも1種のコピー、(c)ビタミ
ンB12受容体前駆体タンパク質をコードする遺伝子の少なくとも1種のコピー、
(d)ビタミンB12輸送系透過酵素タンパク質をコードする遺伝子の少なくとも
1種のコピー、および(e)ビタミンB12輸送ATP−またはGTP−結合タン
パク質をコードする遺伝子の少なくとも1種のコピー、を含んでおり、ここで、
(c)、(d)および(e)の遺伝子の少なくとも1種のコピーが宿主細胞中に
導入され、そして、(ii)段階(i)から産生された1,3−プロパンジオー
ルを回収することを含んでいる、1,3−プロパンジオールの生物体製造のため
の方法を提供する。B12の有効量は、存在する脱水酵素の量に対して0.1から
10.0倍のモル比である。
【0020】 本発明はさらに、(a)脱水酵素活性を有するタンパク質をコードする遺伝子
の少なくとも1種のコピー、(b)酸化還元酵素活性を有する遺伝子の少なくと
も1種のコピー、(c)ビタミンB12受容体前駆体(BtuB)をコードする遺
伝子の少なくとも1種のコピー、(d)ビタミンB12輸送系透過酵素タンパク質
(BtuC)をコードする遺伝子の少なくとも1種のコピー、および(e)ビタ
ミンB12輸送ATP−またはGTP−結合タンパク質(BtuD)をコードする
遺伝子の少なくとも1種のコピー、を含んでおり、ここで、(c)、(d)およ
び(e)の遺伝子の少なくとも1種のコピーが宿主細胞中に導入される形質転換
され、脱水酵素を発現する宿主細胞を提供する。
【0021】 配列表の簡単な説明 出願人は、特許出願におけるヌクレオチドおよびアミノ酸配列の標準表示に関
する規則(Anexes I and II to the Decision of the President of the EPO, pu
blished in Supplement No.2 to OJ EPO, 12/1992)、37C.F.R.1.82
1〜1.825および補遺AおよびB(ヌクレオチドおよび/またはアミノ酸配
列を含む出願公開のための要件)、および世界知的所有権機構(WIPO)標準ST.
25(1998)およびEPOおよびPCTの配列表示の要件(Rules 5.2 and 49.5(a-
bis), and Section 208 and Annex C of Administrative Instructions) に準拠
して、配列25個を提出する。配列の記載は、Nucleic Acid Research 13:3021-
3030(1985)およびBiochemical Journal 219(No.2):345-373(1984) に記載され、
ここに引用して組み込むIUPAC−IYUB基準に準拠して定義されるヌクレ
オチオド配列単位に対して1文字記号、およびアミノ酸に対する3文字記号を含
んでいる。
【0022】 配列番号1は、ビタミンB12受容体前駆体タンパク質をコードする大腸菌(E.
coli)btuBのヌクレオチオド配列である。
【0023】 配列番号2は、ビタミンB12受容体前駆体タンパク質をコードするサルモネラ
(Salmonella)btuBのヌクレオチオド配列である。
【0024】 配列番号3は、ビタミンB12輸送系透過酵素タンパク質をコードする大腸菌(E
. coli)btuCのヌクレオチオド配列である。
【0025】 配列番号4は、ビタミンB12輸送ATP−結合タンパク質をコードする大腸菌
(E. coli)btuDのヌクレオチオド配列である。
【0026】 配列番号5は、ビタミンB12輸送ペリプラズムタンパク質をコードする大腸菌
(E. coli)btuEのヌクレオチオド配列である。
【0027】 配列番号6は、グリセロール脱水酵素のα−サブユニットをコードするdha
B1のヌクレオチオド配列である。
【0028】 配列番号7は、グリセロール脱水酵素のβ−サブユニットをコードするdha
B2のヌクレオチオド配列である。
【0029】 配列番号8は、グリセロール脱水酵素のγ−サブユニットをコードするdha
B3のヌクレオチオド配列である。
【0030】 配列番号9は、クレブシエラ(Klebsiella)酸化還元酵素をコードするdhaT
のヌクレオチオド配列である。
【0031】 配列番号10は、PHK28−26、すなわちdhaオペロンを含む12.1
kb EcoRI−SalI断片のヌクレオチオド配列である。
【0032】 配列番号11は、発現ベクターpTacIQの構築に使用される多クローニン
グ部位およびターミネーター配列のヌクレオチオド配列である。
【0033】 配列番号12〜23は、本発明の発現ベクターの構築に使用されるプライマー
である。
【0034】 配列番号24は、dhaTおよびdhaB(1,2,3)の発現カセットの構
築に使用されるpCL1920内のインサートのヌクレオチオド配列である。
【0035】 配列番号25は、ストレプトミセス(Streptomyces)からのグルコース異性化酵
素プロモーター配列のヌクレオチオド配列である。
【0036】 発明の詳細な説明 本発明は、単一の組替え生物体内で発酵可能な炭素源から1,3−プロパンジ
オールを生物学的に製造する方法を提供する。この方法は、グリセロール脱水酵
素をコードする遺伝子、1,3−プロパンジオール酸化還元酵素、ビタミンB12 受容体前駆体(BtuB)をコードする遺伝子、ビタミンB12輸送系透過酵素タ
ンパク質(BtuC)をコードする遺伝子、およびビタミンB12輸送ATP−結
合タンパク質遺伝子(BtuD)をコードする遺伝子を含む微生物を包含する。
組替え微生物を炭素基質と接触させ、1,3−プロパンジオールを増殖培地から
単離する。
【0037】 本方法は、ポリエステルおよびその他のポリマーの製造に使用できる1,3−
プロパンジオールモノマーの迅速、安価で環境的に責任が持てる供給源を提供す
る。
【0038】 下記の定義は、特許請求の範囲および明細書を解釈するために使用されるもの
である。
【0039】 用語「ビタミンB12受容体前駆体」、「BtuB」または「外膜ビタミンB12 受容体タンパク質」は、細菌の外膜上に位置し、補酵素B12、シアノコバラミン
、アクアコバラミン、メチコバラミンおよびコビンアミドを、カルチャー培地か
らペリプラズム領域へ輸送する責任があるポリペプチドを指す。本発明の範囲内
で、BtuBは、例えば大腸菌(Escherichia coli)のbtuB遺伝子(ジーンバ
ンク(GenBank) M10112)(配列番号1)およびサルモネラ チフィムリウ
ム(Salmonella typhimurium)のbtuB遺伝子(ジーンバンク(GenBank) M89
481)(配列番号2)によりコードされるタンパク質を含む。
【0040】 用語「BtuC」または「ビタミンB12輸送系透過酵素タンパク質」は、細菌
の内膜上に位置し、BtuDと一緒にビタミンB12および補酵素B12をペリプラ
ズム領域から細胞質に輸送するポリペプチドを指す。BtuCは、例えば大腸菌
(E. coli) のbtuC遺伝子(ジーンバンク(GenBank) M14031)(配列番
号3)によりコードされるポリペプチドを含む。
【0041】 用語「BtuD」または「ビタミンB12輸送ATP−結合タンパク質」は、細
菌の内膜上に位置し、BtuCと一緒にB12または補酵素B12をペリプラズム領
域から細胞質に輸送するポリペプチドを指す。BtuDは、例えば大腸菌(E. co
li) のbtuD遺伝子(ジーンバンク(GenBank) M14031)(配列番号4)
によりコードされるポリペプチドを含む。
【0042】 用語「BtuE」は、大腸菌(E. coli) のbtuE遺伝子(ジーンバンク(Gen
Bank) M14031)(配列番号5)によりコードされるポリペプチドを指し、
また輸送系の補助成分である。
【0043】 用語「グリセロール脱水酵素」または「脱水酵素」は、グリセロールを産生物
である3−ヒドロキシプロピオンアルデヒドに異性化または転換することができ
る補酵素B12依存性酵素活性に責任があるポリペプチドを指す。本発明の範囲内
で、脱水酵素は、グリセロール脱水酵素(ジーンバンク(GenBank) U09771
、U30903)およびジオール脱水酵素(ジーンバンク(GenBank) D4507
1)を含み、それぞれグリセロールおよび1,2−プロパンジオールの好ましい
基質を有する。クレブシエラ ニューモニエ(K. pneumoniae) ATCC2595
5のグリセロール脱水酵素は、それぞれ配列番号6、7および8で定義される遺
伝子dhaB1、dhaB2およびdhaB3によりコードされる。dhaB1
、dhaB2およびdhaB3遺伝子は、それぞれグリセロール脱水酵素のα、
β、およびγサブユニットをコードする。グリセロール脱水酵素およびジオール
脱水酵素は、補酵素B12を1:1の化学量論比で結合する錯体(α2β2γ2サ
ブユニット組成をもって)である。
【0044】 補酵素B12前駆体(またはビタミンB12)の「有効量」は、補酵素B12前駆体
(またはビタミンB12)が、系内に、脱水酵素に対して0.1〜10のモル比で
存在することを意味する。
【0045】 用語「酸化脱水酵素」または「1,3−プロパンジオール酸化脱水酵素」は、
3−ヒドロキシプロピオンアルデヒドの1,3−プロパンジオールへの還元を触
媒できる酵素活性に責任があるポリペプチドを指す。1,3−プロパンジオール
酸化脱水酵素は、例えばdhaT遺伝子(ジーンバンク(GenBank) U09771
、U30903)でコードされるポリペプチドを含み、配列番号9で定義される
【0046】 用語「補酵素B12」および「アデノシルコバラミン」は、5’−デオキシアデ
ノシルコバラミンを意味して、互換可能に使用される。ヒドロキソコバラミンは
、上方軸5’−デオキシアデノシル配位子がヒドロキシで置換されている補酵素
12の誘導体である。アクアコバラミンは、ヒドロキソコバラミンのプロトン化
した形である。メチルコバラミンは、上方軸5’−デオキシアデノシル配位子が
メチルで置換されている補酵素B12の誘導体である。用語「シアノコバラミン」
は、上方軸5’−デオキシ’5’−アデノシル配位子がシアノで置換されている
補酵素B12を指して使用される。用語「ビタミンB12」および「B12」は、補酵
素B12、上方軸5’−デオキシアデノシル配位子が他の配位子、例えばアクオ−
、シアノ−またはメチル基で置換されている補酵素B12の誘導体、およびラジカ
ル種のコブ(II)アラミンを集合的に指し、互換可能に使用される。用語「補
酵素B12前駆体」は、上方軸5’−デオキシアデノシル配位子が置換されている
補酵素B12の誘導を指す。補酵素B12前駆体の「有効量」は、補酵素B12前駆体
が、存在する脱水酵素の量に対して約0.1〜10.0倍のモル比で系内に存在
することを意味する。
【0047】 用語「ポリペプチド」および「タンパク質」は、互換可能に使用される。
【0048】 用語「発酵可能な炭素基質」および「発酵可能な炭素源」は、本発明の宿主生
物体により代謝されることができる炭素源を指し、また特には、単糖類、オリゴ
糖類、多糖類、グリセロール、ジヒドロキシアセトンおよび単炭素基質またはこ
れらの混合物から成る群から選択される炭素源である。
【0049】 用語「宿主細胞」または「宿主生物体」は、外来または異種遺伝子または外因
性遺伝子の多重コピーを受容し、また活性遺伝子生成物を生成するためにこれら
の遺伝子を発現できる微生物を指す。
【0050】 「遺伝子」は、コーディング配列に先立つ(5’−非コーディング配列)およ
び後に続く(3’−非コーディング配列)調節配列を含む特定のタンパク質を発
現する核酸断片を指す。「本来の遺伝子」は、それ自体の調節配列と共に天然に
見いだされるような遺伝子を指す。「キメラ遺伝子」は、天然には一緒に見いだ
されない調節およびコーディング配列を含んでいる、本来の遺伝子でないあらゆ
る遺伝子を指す。従って、キメラ遺伝子は、異なる起源から由来する調節配列お
よびコーディング配列、または同じ起源から由来するが、しかし天然に見いださ
れるものとは異なる様式で配列される調節配列およびコーディング配列を含んで
いてもよい。「内因性遺伝子」は、生物体のゲノム内のその本来の位置にある天
然の遺伝子を指す。「外来」または「異種」遺伝子は、宿主生物体内に通常は見
いだされない遺伝子を指すが、しかしこれは遺伝子移送により宿主生物体内に導
入される。外来遺伝子は、非本来の生物体内に挿入された本体の遺伝子、または
キメラ遺伝子を含むことができる。「導入遺伝子」は、形質転換操作によりゲノ
ム中に導入された遺伝子である。
【0051】 用語「コードする」および「コード化」は、転写または翻訳の機構を通じて、
遺伝子がアミノ酸配列を生成するプロセスを指す。特定のアミノ酸配列をコード
するプロセスは、コードされたアミノ酸内に変化を起こさない塩基変化を含んで
もよいDNA配列、または一個またはそれ以上のアミノ酸を交替させてもよいが
、しかしDNA配列によりコードされるタンパク質の機能的性質に影響を及ぼさ
ないDNA配列を含む。従って、本発明は、特定の例示した配列より多くのもの
を含むと考える。生成した単分子の機能的性質に実施的な影響を及ぼさないサイ
レント変化を起こす配列の変更、例えば配列内の欠失、挿入、または置換も考慮
に入れている。例えば、遺伝暗号の縮退を反映するか、または与えられた部位に
おいて化学的に同等のアミノ酸の生成となる遺伝子配列の交替を考慮に入れてい
る。このように、疎水性アミノ酸のアミノ酸アラニンに対するコドンは、他のよ
り疎水性が低い残基(例えばグリシン)、または疎水性がさらに高い残基(例え
ばバリン、ロイシン、またはイソロイシン)をコードするコドンで置換されても
よい。同様に、負に荷電した残基を他の残基へ置換(例えばアスパラギン酸をグ
ルタミン酸に代える)、または正に荷電した残基を他の残基への置換(例えばリ
シンをアルギニンに代える)となる変化も、生物学的に等価の生成物を生成する
と想定できる。タンパク質分子のN−末端またはC−末端部分の交替となるヌク
レオチド変化も、タンパク質の活性を交替させるとは想定されない。ある場合に
は、タンパク質の生物学的活性に対する交替の影響を研究するために、配列の突
然変異体を作製することは実際望ましいことがある。提案されたそれぞれの変更
は当該技術分野での日常的な技術の範囲内であり、これはコードされた生成物内
の生物学的活性の保持の決定であるからである。さらに、熟練者は、本発明に包
含される配列は、また厳しい条件下(0.1X SSC、0.1%SDS、65
℃)において本明細書中に例示した配列を用いてハイブリッド化するその能力に
よっても定義されることを認識している。
【0052】 用語「発現」は、遺伝子生成物の配列をコードする遺伝子からの遺伝子生成物
への転写および翻訳を指す。
【0053】 用語「プラスミド」、「ベクター」、おおび「カセット」は、細胞の中心代謝
の一部ではない遺伝子を持つことが多い余分の染色体要素を指し、通常は環状二
重鎖DNA分子である。このような要素は、いかなる起源から誘導された、線状
または環状の一本鎖または二本鎖DNAまたはRNAの配列、ゲノム一体化配列
、ファージまたはヌクレオチド配列で自動的に複製してもよく、これらの中には
多数のヌクレオチド配列が結合または再結合して、適当な3’非翻訳配列を同時
に有する選択された遺伝子生成物のためのプロモーター断片およびDNA配列を
細胞内に導入できる独特の構造となる。「形質転換カセット」は、外来遺伝子を
含み、外来遺伝子の他に特定の宿主細胞の形質転換を容易にする要素を有する特
定のベクターを指す。「発現カセット」は、外来遺伝子を含み、外来遺伝子の他
にその宿主内のその遺伝子の発現を促進させる要素を有する特定のベクターを指
す。
【0054】 用語「形質転換」および「移入」は、核酸の組み込みの後における細胞内の新
しい遺伝子の取得を呼ぶ。取得された遺伝子は、染色体DNA内に合体されるか
、または染色体外複製配列として導入される。用語「形質転換体」は、形質転換
の生成物を呼ぶ。
【0055】 用語「遺伝子的な交替」は、形質転換または突然変異により遺伝的物質を変化
させるプロセスを指す。
【0056】 本発明は、ビタミンB12の細胞内輸送のために必要な酵素をコードする遺伝子
と関連して、発酵可能な炭素基質を1,3−プロパンジオールに転換するために
必要な遺伝的機械を組み込んだ生産生物体の構築を含む。1,3−プロパンジオ
ール産生に関係する遺伝子は、脱水酵素遺伝子(代表的にはグリセロールまたは
ジオール脱水酵素)および酸化還元酵素ならびに脱水酵素の組み立てまたは安定
性維持に支援となることが期待されるその他のタンパク質を含む。これらの遺伝
子は、導入遺伝子であり宿主細胞内に導入されるか、または内因性であってもよ
い。ビタミンB12の細胞内輸送に責任がある遺伝子は、ビタミンB12受容体前駆
体タンパク質(BtuB)をコードする少なくとも1個の遺伝子、ビタミンB12 輸送系透過酵素タンパク質(BtuC)をコードする少なくとも1個の遺伝子お
よびビタミンB12輸送ATP−結合タンパク質(BtuD)をコードする少なく
とも1個の遺伝子を含む。これらの遺伝子の少なくとも1個は、導入遺伝子であ
り、産生細胞内に導入される。次いで、形質転換した産生細胞を、1,3−プロ
パンジオールの産生に適当な条件下で増殖する。
【0057】 炭素基質を1,3−プロパンジオールに転換する酵素経路をコードする必要な
遺伝子を含む組替え生物体は、この技術分野で良く知られている技術を用いて構
築してもよい。本発明において、グリセロール脱水酵素をコードする遺伝子(d
haB)および1,3−プロパンジオール脱水酵素をコードする遺伝子(dha
T)は、本来の宿主、例えばクレブシエラ(Klebsiella)から単離され、本来の宿
主、例えば大腸菌(E. coli) およびS.チフィムリウム(S. typhimurium)から単
離されたBtuBをコードする遺伝子(btuB)、BtuCをコードする遺伝
子(btuC)、BtuDをコードする遺伝子(btuD)、およびBtuEを
コードする遺伝子(btuE)と一緒にして宿主株、例えば大腸菌(E. coli) 株
DH5αまたはFM5;K.ニューモニアエ(K. pneumoniae) 株ATCC259
55;K.オキシトカ(K. oxytoca)株ATCC8724またはM5al;S.セ
レヴィシアエ(S. cerevisiae) 株YPH499、P.パストリス(P. pastoris)
株GTS115、またはA.ニジエル(A. niger)株FS1を形質転換するために
使用される。
【0058】 dhaB、dhaTの原理的説明 グルコースからのの1,3−プロパンジオールの産生は、下記の一連の段階に
より完成できる。この連鎖は、この分野の専門家には既知の多数の経路の代表で
ある。グルコースは、解糖経路の酵素による一連の段階により、リン酸ジヒドロ
キシアセトン(DHAP)および3−ホスホグリセルアルデヒド(3−PG)に
転換される。次いで、グリセロールは、DHAPの加水分解によりジヒドロキシ
アセトン(DHA)、引き続く還元によるか、あるいはDHAPのグリセロール
−3−リン酸(G3P)への還元、引き続く加水分解によるかのいずれかで形成
される。加水分解段階は、これらの基質に対して非特異性であることが既知のい
かなる数の細胞ホスファターゼにより触媒作用を受けるか、または組替えにより
宿主内に活性を導入することができる。還元段階は、NAD+(またはNADP+ )リンク宿主酵素により触媒作用を受けるることができるか、または組替えによ
り宿主内に活性を導入することができる。dhaレギュロンが、式3の可逆反応
に触媒作用があるグリセロール脱水素酵素(E.C.1.1.1.6)を含むこ
とは注目に値する。
【0059】 グリセロール→3−HP+H2O (式1) 3−HP+NADH+H+→1,3−プロパンジオール+NAD+ (式2) グリセロール+NAD+→DHA+NADH+H+ (式3) グリセロールは、以上に詳細に記載したように、中間体の3−ヒドロキシプロ
ピオンアルデヒド(3−HP)を経由して1,3−プロパンジオールに転換され
る。中間体の3−HPは、宿主によりコードできるかまたは組替えにより宿主内
に導入できる脱水酵素によりグリセロールから産生される(式1)。この脱水酵
素は、グリセロール脱水酵素(E.C.4.2.1.30)、ジオール脱水酵素
(E.C.4.2.1.28)またはこの形質転換に触媒作用ができるその他の
いかなる酵素であってもよい。グリセロール脱水酵素はdhaレギュロンでコー
ド化されるが、ジオール脱水酵素はされない。1,3−プロパンジオールは、N
AD+−(またはNADP+)リンク宿主酵素により3−HPから産生される(式
2)か、または活性は組替えにより宿主内に導入できる。1,3−プロパンジオ
ール産生におけるこの最終の反応は、1,3−プロパンジオール脱水素酵素(E
.C.1.1.1.202)またはその他のアルコール脱水素酵素により触媒作
用を受けることができる。
【0060】 dhaレギュロンは、ジヒドロキシアセトンキナーゼをコードするdhaK、
グリセロール脱水素酵素をコードするdhaD、調節タンパク質をコードするd
haR、1,3−プロパンジオール酸化還元酵素をコードするdhaTならびに
酵素のα、βおよびγサブユニットをそれぞれコードするdhaB1、dhaB
2、およびdhaB3をそれぞれ含む数種の機能要素を含んでいる。さらに、タ
ンパク質X、タンパク質1、タンパク質2、およびタンパク質3と呼ばれる遺伝
子産生物(それぞれdhaBX、orfY、orfX、およびorfWに相当す
る)は、dhaレギュロン内でコードされる。これらの遺伝子産生物の正確な機
能は、完全には特性化されていないけれども、遺伝子は、グリセロール脱水酵素
(dhaB)または1,3−プロパンジオール酸化還元酵素(dhaT)にリン
クされ、1,3−プロパンジオールの製造に使えることが知られている。グリセ
ロール脱水酵素に結合している補酵素B12は、場合により不可逆的な開裂を受け
、脱水酵素に緊密に結合される不活性な変性補酵素を形成する。酵素の再活性化
は、結合した変性補酵素と、遊離して変化していない補酵素B12との交換により
起きる。タンパク質Xおよび少なくとも1種のタンパク質1、タンパク質2、お
よびタンパク質3は、この交換プロセスに関与する(USSN08/969,6
8三参照)。別の脱水酵素系内で、それぞれタンパク質Xおよびタンパク質2を
コードする遺伝子に相当するddrAおよびddrBと呼ばれる遺伝子は、交換
プロセスに関与すると記載されている(モリら(Mori et al., J. Biol. Chem. 2
72, 32034-32041 (1997))。
【0061】 グリセロール−3−リン酸脱水素酵素およびグリセロール−3−ホスファター
ゼは、1,3−プロパンジオールの産生に必須なグルコースからグリセロールへ
の転換に特に有効なことが想定される。用語「グリセロール−3−リン酸脱水素
酵素」は、リン酸ジヒドロキシアセトン(DHAP)のグリセロール−3−リン
酸(G3P)への転換に触媒となる酵素活性に責任があるポリペプチドを指す。
生物体内で、G3PDHは、NADH、NADPH、またはFAD依存性であろ
う。NADH依存性酵素(EC1.1.1.8)は、例えばGPD1(ジーンバ
ンク(GenBank) Z74071x2)、またはGPD2(ジーンバンク(GenBank)
Z35169x1)、またはGPD3(ジーンバンク(GenBank) G984182
)、またはDAR1(ジーンバンク(GenBank) Z74071x2)を含む数種の
遺伝子によりコードされている。NADHP依存性酵素(EC1.1.1.94
)は、gpsA(ジーンバンク(GenBank) U321643(cds197911
−196892)G466746およびL45246)によりコードされている
。FAD依存性酵素(EC1.1.99.5)は、GUT2(ジーンバンク(Gen
Bank) Z47047x23)、またはglpD(ジーンバンク(GenBank) G14
7838)、またはglpABC(ジーンバンク(GenBank) M20938)によ
りコードされている。用語「グリセロール−3−ホスファターゼ」は、グリセロ
ール−3−リン酸および水のグリセロールおよび無機リン酸塩への転換を触媒す
る酵素活性に責任があるポリペプチドを指す。グリセロール−3−ホスファター
ゼは、例えばGPP1(ジーンバンク(GenBank) Z47047x125)、また
はGPP2(ジーンバンク(GenBank) U18813x11) によりコードされて
いる。
【0062】 遺伝子の単離 細菌のゲノムから希望する遺伝子を得る方法は共通しており、分子生物学の分
野で良く知られている。例えば、遺伝子の配列が既知であれば、適するゲノムラ
イブラリーは、制限エンドヌクレアーゼ消化により創成してもよく、また希望す
る遺伝子配列に相補性のプローブを用いてスクリーニングしてもよい。配列が単
離されると、適当なベクターを用いる形質転換に適する量のDNAを得るために
、DNAを標準的なプライマー先導増幅法(primer directed amplification met
hod)、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(米国特許(US)第4,683
,202号)を用いて増幅してもよい。
【0063】 あるいは、大量のゲノムDNA(35〜45kb)の大きい断片をベクター内
にパッケージングし、適当な宿主を形質転換するために使用してコスミドライブ
ラリーを創成してもよい。コスミドベクターは、大量のDNAを受容できる唯一
のものである。一般に、コスミドベクターは、引き続いての外来DNAのパッケ
ージングおよび引き続いての環化に必要なcosDNA配列の少なくとも1個の
コピーを有する。cos配列に加えて、これらのベクターは、また複製起点、例
えばColE1を有し、また薬剤耐性マーカー、例えばアンピシリンまたはネオ
マイシンに対して耐性の遺伝子を含む。適切な細菌宿主の形質転換のためにコス
ミドベクターを用いる方法は、サンブルックら「分子クローニング:実験室用マ
ニュアル」(Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 第二
版(1989) Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY (19
89))に詳しく記載されている。
【0064】 コスミドをクローニングするために代表的には、適当な制限エンドヌクレアー
ゼを用いて外来DNAを単離し、コスミドベクターのcos領域に隣接して結合
させる。次いで、直線化した外来DNAを含むコスミドベクターをDNAパッケ
ージングベヒクル、例えばベクテリオファージλと反応させる。パッケージング
プロセスの間に、cos部位は開裂し、外来DNAは細菌ウイルス粒子の頭部内
にパッケージングされる。次いで、これらの粒子は、適当な宿主細胞、例えば大
腸菌(E. coli) に移入するために使用される。細胞内に注入されると、外来DN
Aはcosの付着末端の影響によって環化する。このようにして外来DNAの大
きな断片を組替え宿主細胞内に導入し、また発現できる。
【0065】 グリセロール脱水酵素(dhaB)および1,3−プロパンジオール酸化還元 酵素(dhaT)をコードする遺伝子の単離およびクローニング dhaBおよびdhaTの同定および単離のための方法は、本質的に米国特許
(US)第5,686,276号に記載のようにして行い、ここに引用して編入
する。コスミドベクターおよびコスミド形質転換法を、本発明の範囲内で、グリ
セロールを1,3−プロパンジオールに変換できる遺伝子を有することが既知の
細菌属からのゲノムDNAの大きい断片をクローニングするために使用した。2
種類の1,3−プロパンジオール陽性形質転換体を分析して、DNA配列はC.
フレウンディ(C. Freundii) からのグリセロール脱水酵素遺伝子(dhaB)へ
の広範な相同性を表し、これらの形質転換体がグリセロール脱水酵素遺伝子をコ
ードするDNAを含んでいることが証明された。dhaBおよびdhaTを単離
し、B12輸送機能をコードする遺伝子を有する組替え宿主内での同時発現のため
の適切な発現カセット内にクローニングした。
【0066】 本発明は、クレブシエラ(Klebsiella)コスミド内からの単離遺伝子を使用して
いるが、しかし脱水酵素の別の供給源には、シトロバクター(Citrobacter)、ク
ロトストリディア(Clostridia)、およびサルモネラ(Salmonella)も含まれ、また
これらには限定されない。
【0067】 12輸送遺伝子 12輸送遺伝子の原理的説明 アデノシル−コバラミン(補酵素B12)は、グリセロール脱水酵素活性のため
の重要な補因子である。この補酵素は、既知の最も複雑な非ポリマー性天然生成
物であり、その生体内合成は約30個の遺伝子の産物を用いて導かれる。補酵素
12の合成は、原核生物内で見いだされ、その一部は化合物を最初から(de novo
) 合成でき、一方他の物は一部の反応を行うことができる。例えば大腸菌(E. co
li) は、コリン環構造を作ることはできないが、コビンアミドのコリノイドへの
転換に触媒作用をすることができ、また5’−デオキシアデノシル基を導入でき
る。
【0068】 大腸菌(E. coli) 内へのB12輸送は、機能性DhaB酵素の産生のための限定
要因であり、この場合に補酵素B12の高い細胞内利用可能性がグリセロール脱水
酵素活性(および最終的には1,3−プロパンジオール産生)を最適化するため
に必要であろう。これは、B12の細胞内への輸送速度を上昇させて達成できるで
あろう。補酵素B12の役割がbtuB発現、および発酵に必要な補酵素B12のレ
ベルの抑制因子であるとすると、B12輸送は、細胞分裂からのBtuBの代謝回
転または希釈により、時間と共に低下する傾向となる。細胞内の遊離補酵素B12 の利用できるプールは、取り込み速度、補酵素B12に対するBtuB、mRNA
およびDhaBの比親和性、およびmRNAおよびDhaBの濃度により影響を
受ける。B12濃縮培地を用いた場合には取り込みが低下するので、取り込み機構
が回復するか否かを決定する重要な因子は、btuB発現に対する調節の役割と
DhaB酵素の間の補酵素B12の分配であろう。これは、希望する補因子(補酵
素B12)がそれ自体の限界に対して責任があるという異常な問題を提起する。補
酵素B12の代わりに補酵素B12前駆体を含む培地を使用すると、この問題を避け
ることはできるが、しかしこれは、輸送された前駆体がbtuRをコードするア
デノシルトランスフェラーゼにより補酵素B12に転換されるから、一時的な利益
に過ぎないであろう。遺伝子調節の問題を避ける一つの方法は、BtuB合成を
補酵素B12調節から脱結合することである。多コピープラスミド上へのクローニ
ングによるbtuB発現の増幅は、膜へのB12結合の増加および取り込み速度の
上昇に導き、またbtuB天然プロモーターが置換された場合には、これもBt
uB合成を補酵素B12調節から脱結合するであろう。
【0069】 細菌内へのB12輸送は、特異的な輸送系を必要とする。この輸送プロセスのた
めには、数種のタンパク質を必要とする。66kDa外膜タンパク質BtuBは
、アデノシル−、アクオ−、シアノ−およびメチル−コバラミンおよび相当する
コビンアミドに対する受容体として働く。ペリプラズム内への輸送は、BtuB
と26kDa内膜タンパク質TonBとのエネルギー依存性プロセスによる相互
作用を必要とする。内膜を通過する輸送は、btuCEDオペロンによりコード
されるBtuCおよびBtuDタンパク質により媒介される。BtuCおよびB
tuDは、ペリプラズム結合タンパク質を必要とする輸送タンパク質に似ており
、またBtuDはATP結合部位を有する。輸送経路は、最初にB12の外膜タン
パク質BtuBへの結合、次いで内膜タンパク質TonBとの相互作用およびエ
ネルギー依存性トランスロケーションおよびペリプラズムBtuF(S.チフィ
ムリウム(S. typhimurium)内)への結合、および最後に内膜タンパク質BtuC
Dへの運搬および細胞質へのトランスロケーションとして要約できる。多コピー
プラスミド上のクローニングによるbtuBCED発現の増幅は、B12の膜への
結合の増加および細胞内への取り込み速度上昇に導く。
【0070】 12輸送遺伝子の単離および発現 大腸菌(E. coli) 内の複製要素として存在できる発現プラスミドを、4種のB 12 輸送遺伝子、btuB、btuC、btuDおよびbtuEに対して構築した
。4種の遺伝子は、遺伝子特異性プライマーおよび大腸菌(E. coli) 染色体DN
Aを用いるPCRにより単離した。この4種の遺伝子は、発現プラスミド上に一
緒に集めた。すべての発現プラスミドは、転写のためにtrcプロモーター、翻
訳のために天然btuリボソーム結合部位を使用する。それぞれのプラスミドは
、また1)アンピシリンを含む培地上の大腸菌(E. coli) 内の選択のためのβ−
ラクタマーゼのための遺伝子または2)クロラムフェニコールを含む培地上の選
択のためのクロラムフェニコール アセチルトランスフェラーゼをコードする遺
伝子のいずれかも含んでいた。複製のプラスミド起点は、ColE1またはp1
5Aのいずれかである。
【0071】 宿主細胞 脱水酵素をコードする遺伝子と細胞内B12輸送に責任がある遺伝子との同時発
現による組替え産生1,3−プロパンジオールのために適する宿主細胞は、原核
生物性または真核生物性のいずれでもよく、また活性酵素を発現するそれらの能
力によってのみ限定される。好ましい宿主は、1,3−プロパンジオールまたは
グリセロールの産生のために標準的に使用されるもの、例えばシトロバクター(C
itrobacter)、エンテロバクター(Enterobacter)、クロトストリジウム(Clostrid
ium)、クレブシエラ(Klebsiella)、アエロバクター(Aerobacter)、ラクトバチル
ス(Lactobacillus)、アスペルギルス(Aspergillus)、サッカロミセス(Saccharom
yces)、シゾサッカロミセス(Schizosaccharomyces)、ジゴサッカロミセス(Zygos
accharomyces)、ピヒア(Pichia)、クルイベロミセス(Kluyveromyces)、カンジダ
(Candida)、ハンセヌラ(Hansenula)、デバリオミセス(Debaryomyces)、ムコール
(Mucor)、トルロプシス(Torulopsis)、メチロバクター(Methylobacter) 、エシ
ェルキア(Escherchia)、サルモネラ(Salmonella)、バチルス(Bacillus)、ストレ
プトミセス(Streptomyces)およびシュードモナス(Pseudomonas) である。本発明
で最も好ましくは、大腸菌(E. coli)、クレブシエラ(Klebsiella)種、およびサ
ッカロミセス(Saccharomyces)種である。
【0072】 大腸菌(E. coli) 、サッカロミセス(Saccharomyces)種、およびクレブシエラ(
Klebsiella)種が、特に好ましい宿主である。クレブシエラ プネウモニアエ(Kl
ebsiella pneumoniae)の株は、単独の炭素としてのグリセロール上で増殖する場
合に、1,3−プロパンジオールを産生するとして知られている。クレブシエラ
(Klebsiella)が、単糖類、オリゴ糖類、多糖類、または単炭素基質から1,3−
プロパンジオールを産生するために遺伝子的に変換できることも想定されている
【0073】 ベクターおよび発現カセット 本発明は、適切な脱水酵素をコードする遺伝子および適当な宿主細胞内へのB 12 の細胞内輸送に影響を及ぼす遺伝子のクローニング、形質転換および発現のた
めに適する各種のベクターおよび形質転換および発現カセットを提供する。適切
なベクターは、使用する細胞と相容性のものである。適切なベクターは、例えば
細菌、ウイルス(例えばバクテリオファージT7またはM−13誘導ファージ)
、コスミド、酵母、または植物から誘導できる。このようなベクターの取得およ
び使用のプロトコールは、当業者には公知である(サンブルックら「分子クロー
ニング:実験室用マニュアル」(Sambrook et al., Molecular Cloning: A Labor
atory Manual, 第1、2、3巻, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Sprin
g Harbor, NY (1989)))。
【0074】 代表的には、ベクターまたはカセットは、関連する遺伝子の転写および翻訳を
指令する配列、選択可能なマーカー、および自律的複製または染色体組込を可能
とする配列を含む。適切なベクターは、転写開始制御を収容している遺伝子の5
’領域および転写停止を制御するDNA断片の3’領域を含んでいる。両方の制
御領域が形質転換された宿主細胞に相同な遺伝子から誘導されていると最も好ま
しく、これは、このような制御領域が産生宿主として選択された特定の種に本来
的な遺伝子から誘導されている必要は必ずしもないと理解されているにもかかわ
らず成立する。
【0075】 希望する宿主細胞内で本発明の関連遺伝子の発現を推進するために使用される
開始制御領域、またはプロモーターは多数あり、当業者にはよく知られている。
実際に、これらの遺伝子を駆動することができるいかなるプロモーターも本発明
に適し、これらはCYC1、HIS3、GAL1、GAL10、ADH1、PG
K、PHO5、GAPDH、ADC1、TRP1、URA3、LEU2、ENO
、TPI(サッカロミセス(Saccharomyces) 内での発現に使用できる)、AOX
1(ピキア(Pichia)内での発現に使用できる)、およびlac、trp,λPL
、λPR T7、tac、およびtrc(大腸菌(E. coli) 内の発現に使用できる
)を含んでいるが、これらには限定されない。
【0076】 停止制御領域も、好ましい宿主に本来的な種々の遺伝子から誘導されてもよい
。場合により停止部位が不要ではあろうが、しかし、含まれていると最も好まし
い。
【0077】 本酵素の効率的な発現のために、酵素をコードするDNAは、発現が適切なメ
ッセンジャーRNAの形成となるように選択された発現制御領域への開始コドン
を通して操作的にリンクされている。
【0078】 適切な宿主の形質転換および1,3−プロパンジオールの産生のための遺伝子 の発現 適切なカセットが構築されると、これらは適切な宿主細胞の形質転換に使用さ
れる。細胞内B12輸送に責任がある遺伝子を含むカセットならびにグリセロール
脱水酵素(dhaB)、および1,3−プロパンジオール酸化還元酵素(dha
T)の宿主細胞内への別々または一緒での導入は、公知の方法、例えば形質転換
(例えばカルシウム浸透化細胞(calciumu-permeabilized cell) 、電気泳動)ま
たは組替えファージウイルスを用いる移入によりなし遂げられる(サムブルック
ら、上記参照)。
【0079】 本発明においてグリセロール脱水酵素をコードする遺伝子(dhaB)、1,
3−プロパンジオール酸化還元酵素をコードする遺伝子(dhaT)、BtuB
をコードする遺伝子(btuB)、BtuCをコードする遺伝子(btuC)、
BtuDをコードする遺伝子(btuD)、およびBtuEをコードする遺伝子
(btuE)を含む大腸菌(E. coli) FM5は、ビタミンB12または補酵素B12 を培地から細胞質内への輸送に使用され、グリセロール脱水酵素を機能させるこ
とができる。
【0080】 培地および炭素源 本発明における発酵培地は、適当な炭素基質を含まなければならない。適当な
基質は、グリセロール、ジヒドロキシアセトン、単糖類、例えばグルコースおよ
びフルクトース、オリゴ糖類、例えばラクトースまたはスクロース、多糖類、例
えばデンプンまたはセルロース、またはこれらの混合物、および再生可能な原料
からの未精製混合物、例えばチーズ乳漿浸透液(cheese whey permeate)、コーン
ステープリカー(cornsteep liquor)、テンサイモラス、およびオオムギモルトを
含んでいるが、これらに限定はされない。さらに、炭素基質は、主要生化学中間
体への代謝転換が証明されている単炭素基質(例えば二酸化炭素またはメタノー
ル)であってもよい。
【0081】 単炭素源(例えばメタノール、ホルムアルデヒド、またはフォーメート)から
のグリセロール産生は、メチロトローフ酵母内(ヤマダら(Yamada et al., Agri
c. Biol. Chem. 53(2) 541-543.(1989))および細菌内(ハンターら(Hunter et
al., Biochemistry, 24, 4148-4155,(1985))について報告されている。これら
の生物体は、メタンからフォーメートまでの酸化状態にある単炭素化合物を同化
でき、グリセロールを産生する。炭素同化の経路は、一リン酸リブロース経由、
セリン経由、または一リン酸キシルロース経由(ゴッチャルク「細菌代謝」(Got
tschalk, Bacterial Metabolism,第2版, Springer-Verlag, New York (1986))
が可能である。一リン酸リブロース経路は、フォーメートとリブロース−5−リ
ン酸との縮合で六炭素糖を形成し、これがフルクトースとなり、また場合により
三炭素産生物であるグリセルアルデヒド−3−リン酸となることを含む。同様に
、セリン経路も、単炭素化合物を解糖経路内に入れ、メチレンテトラヒドロ葉酸
を経由して同化する。
【0082】 炭素1個および2個の基質の利用に加えて、メチロトローフ性生物体は、多数
の他の炭素含有化合物、例えばメチルアミン、グルコサミンおよび種々のアミノ
酸を代謝活性のために使用されることも知られている。例えば、メチロトローフ
酵母は、メチルアミンからの炭素をトレハロースまたはグリセロールの形成のた
めに使用することが知られている(ベリヨンら(Bellion et al., Microb. Growt
h C1 Compd., [Int. Symp], 7th(1993)、415-32. Editor(s): Murrell, J. Coll
in; Kelly, Don P. Publisher: Intercept. Andover, UK))。同様に、カンジダ
(Candida)の種々の種類は、アラニンまたはオレイン酸を代謝する(スルターら(
Sulter et al., Arch. Microbiol. 153(5), 485-9, 1990))。従って、本発明で
利用される炭素の供給源は、多種類の炭素含有基質を包含し、宿主生物体の要求
によってのみ制限される。
【0083】 上記の炭素基質およびこれらの混合物のすべては、本発明に適することが想定
されるが、好ましい炭素基質は、グリセロール、ジヒドロキシアセトン、単糖類
、オリゴ糖類、多糖類、および単一炭素基質である。さらに好ましくは、糖類、
例えばグルコース、フルクトース、スクロースおよび単一炭素基質、例えばメタ
ノールおよび二酸化炭素である。最も好ましいのはグルコースである。
【0084】 適当な炭素源に加えて、発酵培地は、本技術の熟練者には既知であり、グリセ
ロール産生に必要な酵素経路の培養物の増殖および促進に適する、適切な無機物
、塩、補因子、緩衝液およびその他の成分を含まなければならない。特別の注目
は、Co(II)塩および補酵素B12前駆体に集まる。例えば大腸菌(E. coli)
および真核生物は、補酵素B12を最初からは合成はできず、補酵素B12前駆体を
利用できるだけである。好ましい補酵素B12前駆体は、シアノコバラミンおよび
ヒドロキソコバラミンである。宿主細胞内の補酵素B12の量は、脱水酵素の量に
対して、ほぼ同じモル濃度であることが望ましい。
【0085】 カルチャー条件 代表的には、細胞は適当な培地内、30℃で増殖させる。本発明における適当
な増殖培地は、通常の商業的に調製された培地、例えばルリア ベルタニ(Luria
Bertani)(LB)ブロス(broth)、サブロー デキストロース(Sabouraud Dextr
ose)(SD)ブロスまたは酵母・麦芽抽出液(YM)ブロスである。その他の定
義されるかまたは合成された増殖培地も使用してよく、また特定の微生物の増殖
のために適当な培地は、微生物学または発酵科学の分野の専門家には既知である
。カタボライト抑制を直接的または間接的に調節することが既知の薬剤、例えば
環状アデノシン3’:5’−モノホスフェートの使用を反応培地内に組み込んで
もよい。同様に、グリセロール産生の促進に導く酵素活性を調節することが既知
の薬剤(例えばサルファイト、バイサルファイトおよびアルカリ類)の使用は、
遺伝子操作と関連してまたはその代替として使用してもよい。
【0086】 発酵のために適当なpH範囲は、pH5.0〜pH9.0であり、ここでpH
6.0〜pH8.0が初期条件の範囲として好ましい。
【0087】 反応は好気性でも嫌気性でも行ってよいが、こで、嫌気性または微好気性(mic
roaerobic)条件が好ましい。
【0088】 発酵 本発明は、バッチ法、流加培養法(Fed-Batch)、または連続法を用いて実施し
てもよく、また発酵のいかなる方法も適する。さらに、細胞は全細胞触媒として
基質上に不動体化し、1,3−プロパンジオール産生のための発酵条件下に置く
ことも想定に入っている。
【0089】 本方法は、ここでは発酵のバッチ法として例示する。古典的なバッチ発酵は、
培地の組成を発酵の開始時に設定し、発酵の間に人手による変更を加えない閉鎖
系である。このように、発酵の初期において、培地は希望する生物体または複数
の生物体により接種され、発酵は系になにも加えないで起きることが可能となる
。しかし、代表的には、バッチ発酵とは、炭素源の添加に関して「バッチ」であ
り、制御因子、例えばpHおよび酸素濃度に対しては、しばしば変更が試みられ
る。バッチ系の代謝生成物およびバイオマス組成は、発酵が停止するまで常に変
化する。バッチカルチャー内で、細胞は、静的な誘導期(lag phase) を経過して
高い増殖の対数増殖期に変化し、最後には増殖速度が低下または停止する定常期
に達するまで変化する。非処理の場合には、定常期にある細胞は場合により死ん
でしまう。対数期の細胞は、一般に最終生成物または中間体の産生の全体に対し
て責任がある。
【0090】 標準バッチ系の変形法は、流加培養発酵系であり、これも本発明に適している
。代表的なバッチ系のこの変形において、基質は発酵の進行に伴って追加分とし
て加えられる。流加培養法は、カタボライト抑制が細胞の代謝を阻害しやすい場
合および培地内に限定された量の基質を含むことが望ましい場合に使用される。
流加培養系内の実際の基質濃度の測定は困難であり、従って、測定可能な因子、
例えばpH、溶存酸素、および排出気体、例えばCO2分圧の変化に基づいて推
定する。バッチおよび流加培養発酵は一般的であり、当該技術分野では良く知ら
れており、その例は、ブロック(Brock、下記)に見いだすことができる。
【0091】 この方法は、また連続発酵法にも適用できる。連続発酵は、一定の発酵培地を
連続的に生反応槽に加え、同量の条件調整した培地を同時に処理のために取り出
す開放系である。連続発酵は、一般に細胞が主として対数増殖期にある一定の高
密度にカルチャーを維持する。
【0092】 連続発酵は、細胞増殖または最終産物濃度に影響する1個の因子またはいかな
る数の因子の調節でも可能とする。例えば、ある方法では、限界養分、例えば炭
素源または窒素レベルを一定の割合に維持し、他のパラメーターを加減して維持
する。他の系では、増殖に影響する多数の因子を連続的に変更し、一方では培地
の濁度で測定する細胞濃度は一定に保つことができる。連続系は、定常状態の増
殖条件の維持に努め、これにより培地取り出しによる細胞の損失を、発酵内の細
胞増殖速度に対してバランスさせなければならない。連続発酵法のための養分お
よび成長因子の調節の方法、ならびに産物形成の速度を最大化するための技術は
、工業的な微生物学の分野で良く知られている。種々の方法は、ブロック(Brock
、下記)に詳細に記載されている。
【0093】 1,3−プロパンジオールの同定および精製 発酵培地からの1,3−プロパンジオールの精製方法は、当該分野では既知で
ある。例えば、プロパンジオールは、反応混合物を有機溶剤を用いる抽出、蒸留
およびカラムクロマトグラフィーで処理して細胞培地から得ることができる(米
国特許(US)第5,356,812号)。この方法に対して特に良い有機溶剤
は、シクロヘキサンである(米国特許(US)第5,008,473号)。
【0094】 1,3−プロパンジオールは、培地を高速液体クロマトグラフィー(HPLC
)分析で試験すると直ちに同定できる。本発明で好ましくは、一定組成状態で移
動相として0.01N硫酸を用いる分析用イオン交換カラムで、発酵培地を分析
する方法である。
【0095】 本発明は、さらに以下の実施例で定義する。これらの実施例は、本発明の好ま
しい態様を示してはいるが、説明のためのみであることは理解されなければなら
ない。上記の考察およびこれらの実施例から、当該分野の熟練者は、本発明の本
質的な特性を確認でき、またその思想および範囲から離れることなく、各種の使
用および条件に適合させるように本発明の各種の変更および改変を行うことがで
きる。
【0096】 実施例 一般方法 ホスホリル化、連結反応、および形質転換の方法は、当該分野では良く知られ
ている。下記の実施例に使用するために適合する技術は、サンブルック、J.ら
「分子クローニング:実験室用マニュアル」(Sambrook, J., et al., Molecular
Cloning: A Laboratory Manual, 第2版, Cold Spring Harbor Laboratory Pr
ess, Cold Spring Harbor, NY(1989) )に見いだすことができる。
【0097】 細胞カルチャーの維持および増殖のために適合する材料および方法は、当該分
野では良く知られている。下記の実施例に使用するために適合する技術は、「一
般細菌学のための方法のマニュアル」(Manual of Methods for General Bacteri
ology (Phillipp Gerhardt, R.G.E. Murry, Ralph N. Costilow, Eugene W. Nes
ter, Willis A. Wood, Noel R. Krieg and G. Briggs Phillips, eds, American
Society for Microbiology, Washington, DC(1994))またはトーマス D.ブロ
ック「バイオ技術:工業微生物学教科書」(Thomas D. Brook: Biotechnology: A
Textbook of Industrial Microbiology, 第2版, Sinauer Associates, Inc.,
Sunderland, MA(1989))に見いだすことができる。細菌細胞の増殖および維持の
ために使用するすべての試薬および材料は、特に別途断らない限り、アルドリッ
チ・ケミカルズ(Aldrich Chemicals, Milwalkee, WI)、DIFCOラボラトリー
ズ(DIFCO Laboratories, Detroit, MI)、GIBCO/BRL(GIBCO/BRL, Gaith
ersburg, MD) 、またはシグマ・ケミカル社(Sigma Chemical Company, St. Loui
s, MO) から入手した。
【0098】 略語の意味は以下のようである:「h」は時間(単数および複数)を意味し、
「min」は分(単数および複数)を意味し、「sec」は秒(単数および複数
)を意味し、「d」は日(単数および複数)を意味し、「mL」はミリリットル
を意味し、「L」はリットルを意味する。1,3−プロパンジオールの単離および同定 グリセロールから1,3−プロパンジオールへの転換は、HPLCで監視した
。分析は、クロマトグラフィーの技術の熟練者に利用できる標準的な方法および
材料を用いて行った。一つの適合する方法では、UV(210nm)およびRI
検出を用いるウオーターズ・マキシマ(Waters Maxima) 820HPLC系を使用
した。試料は、ショデックス(Shodex)SH−1011Pプレカラム(6mm x
50mm)を備え、温度を50℃に制御し、移動相として0.01N H2
4を流量0.5mL/分で流すショデックスSH−1011カラム(8mm
x 300mm、ウオーターズ(Waters, Milford, MA) から購入)上に注入した
。定量分析を望む場合には、試料は、外標準として既知量のトリメチル酢酸を用
いて調製した。代表的には、グリセロール(RI検出)、1,3−プロパンジオ
ール(RI検出)、おおびトリメチル酢酸(UVおよびRI検出)の滞留時間は
、それぞれ20.6 7分、26.08分、および35.03分であった。
【0099】 1,3−プロパンジオールの産生は、GC/MSで確認した。分析は、GC/
MSの技術に熟練者が利用できる標準方法および材料を用いて行った。一つの適
合する方法では、ヒューレット・パッカード(Hewlett Packard) 5971シリー
ズ質量選択検出器(EI)およびHP−INNOワックスカラム(長さ30m、
内径0.25mm、膜厚さ0.25μm)と結合したヒューレット・パッカード
5890シリーズIIガスクロマトグラフを用いた。得られた1,3−プロパン
ジオールの滞留時間および質量スペクトルは、真正の1,3−プロパンジオール
のものと比較した(m/e:57.58)。
【0100】 GC/MSの別の方法では、試料の誘導化が含まれていた。試料(例えばカル
チャー上清)1.0mLに濃(70%v/v)過塩素酸30μL(nL)を加え
た。混合の後、試料を冷凍して凍結乾燥した。ビス(トリメチルシリル)トリフ
ルオロアセトアミド:ピリジンの1:1混合物(300μL)を凍結乾燥した物
質に加え、強く攪拌し、65℃で1時間放置した。試料を遠心分離して不溶性物
質を除いた。得られた液体を2相に分液し、上の相を分析に使用した。試料をD
B−5カラム(48m、内径0.25mm、膜厚さ0.25μm、J&W サイ
エンティフィック(Scientific)より入手)でクロマトグラフ処理し、カルチャー
上清から得られた1,3−プロパンジオール誘導体の滞留時間および質量スペク
トルを真正標準から得られたものと比較した。TMS誘導体化1,3−プロパン
ジオールの質量スペクトルは、205、177、130および115AMUの特
性イオンを含んでいた。
【0101】 ビタミンまたは補酵素B12の同定 細胞を含まない試料を補酵素B12およびシアノコバラミン(シアノコバラミン
)定量のためにHPLC分析した。コバラミン定量は、最初に278nmおよび
361nmにあるピーク面積比を標準と比較し、次いでコバラミンの標準曲線に
ピーク面積を適用して得られた。
【0102】 HPLCの方法 カラム: スペルコシル(Supelcosil)LC−18−DB、25cm x 4.6cm(スペルコ社(Supelco Inc., Bellefonte, PA)) スペルコシルLC−18−DBプレカラムキット カラム温度: 周辺温度 サンプル室: 暗所、5℃ 検出 254nm、および360nm 注入体積: 25μl 移動相A: 8.95g 酢酸ナトリウム・3H2O 5.88mL 1.0M水酸化テトラブチルアンモニウム (TBAH) 4L MQH2O 氷酢酸を用いてpH4.6とする。
【0103】 移動相B(下記)210mLを添加移動相B: 4L MeOH 5.88ml TBAH 0.89mL氷酢酸勾配: 時間(分) 流量mL/分 A% B% 0 1.0 100 0 3 1.0 75 25 9 1.0 60 40 11 1.0 0 100 13 1.0 0 100 15 1.0 100 0 15.5 0.1 100 0グリセロール脱水酵素および1,3−プロパンジオール酸化還元酵素をコードす る遺伝子(dhaBおよびdhaT)の単離およびクローニング dhaBおよびdhaTの同定および単離の方法は、本質的に米国特許(US
)第5,686,276号(ここに参考文献として編入)に記載と同様にして行
った。コスミドベクターおよびコスミド形質転換法を本発明の範囲内で、グリセ
ロールを1,3−プロパンジオールに処理できる遺伝子を有することが既知の細
菌属からのゲノムDNAの大型断片をクローニングするために使用した。具体的
には、K.プネウモニアエ(K. pneumoniae) ATCC25955からのゲノムD
NAを、当該分野では既知の方法により単離し、またコスミドベクターSupe
rcos1内に挿入するために制限酵素Sau3Aを用いて消化し、Gigap
ackIIパッケージング抽出液を用いてパッケージングした。ベクターの構築
に次いで、大腸菌(E. coli) XL−1−BlueMR細胞をコスミドDNAを用
いて形質転換した。細胞をグリセロールの存在下で増殖し、1,3−プロパンジ
オール形成に関して培地を分析して、グリセロールから1,3−プロパンジオー
ルへの転換の能力に関して形質転換体をスクリーニングした。
【0104】 1,3−プロパンジオール陽性形質転換体の2種類を分析し、コスミドをpK
P1およびpKP2と名付けた。DNAの配列決定から、C.フレウンディ(C.
Freundii) からのグリセロール脱水酵素遺伝子(dhaB)との広範な相同性が
明らかとなり、これらの形質転換体がグリセロール脱水酵素遺伝子をコードする
DNAを含んでいることが証明された。
【0105】 pIBI31(IBIバイオシステムズ(IBI Biosystems, New Haven, CN) )
内にサブクローニングしたpKP1からの12.1kb EcoRI−SalI
断片を配列決定し、pHK28−26と名付けた(配列番号10)。配列決定か
ら、dhaオペロンの関連するオープンリーディングフレームの座が、調節に必
要なグリセロール脱水酵素および遺伝子をコードしていることが明らかになった
。配列番号10に関して、dhaK(ジヒドロキシアセトン キナーゼをコード
する)のオープンリーディングフレーム断片が、塩基1〜399で見いだされ、
オープンリーディングフレームdhaD(グリセロール脱水素酵素をコードする
)は、塩基983〜2107に見いだされ、オープンリーディングフレームdh
aR(抑制因子をコードする)は、塩基2209〜4134に見いだされ、オー
プンリーディングフレームdhaT(1,3−プロパンジオール酸化還元酵素を
コードする)は、塩基5017〜6180に見いだされ、オープンリーディング
フレームdhaB1(αサブユニットグリセロール脱水酵素をコードする)は、
塩基7044〜8711に見いだされ、オープンリーディングフレームdhaB
2(βサブユニットグリセロール脱水酵素をコードする)は、塩基8724〜9
308に見いだされ、オープンリーディングフレームdhaB3(γサブユニッ
トグリセロール脱水酵素をコードする)は、塩基9311〜9736に見いださ
れ、またオープンリーディングフレームdhaBX(未知機能のタンパク質をコ
ードする)は、塩基9749〜11574に見いだされた。さらに、オープンリ
ーディングフレームorfY(未知機能のタンパク質をコードする)は、塩基6
202〜6630に見いだされ、オープンリーディングフレームorfX(未知
機能のタンパク質をコードする)は、塩基4643〜4996に見いだされ、ま
たオープンリーディングフレームorfW(未知機能のタンパク質をコードする
)は、塩基4112〜4642に見いだされた。
【0106】 大腸菌の形質転換に使用するための汎用発現プラスミドの構築 発現ベクターpTacIQの構築 大腸菌(E. coli) 発現ベクターpTacIQは、lacIq遺伝子(ファラボ
ー(Farabaugh, (1978), Nature 274 (5673) 765-769))およびtacプロモータ
ー(アマンら(Amann et al., (1983), Gene 25, 167-178))をpBR322(サ
トクリフ(Sutcliffe, (1979), Cold Spring Harb. Symp. Quart. Biol. 43, 77-
90) )の制限エンドヌクレアーゼ部位RcoRI内に挿入して調製した。多重ク
ローニング部位およびターミネーター配列(配列番号11)は、pBR322配
列をEcoRIからSphIに置換する。
【0107】 グリセロール脱水酵素遺伝子(dhaB1,2,3,X)サブクローニング dhaB3遺伝子に対するオープンリーディングフレームを、pHK28−2
6から、プライマー(配列番号12および配列番号13)を用いるPCRにより
、5’末端にEcoRI部位および3’末端にXbaI部位に組み込んで増幅し
た。生成物をpLitmus29(ニューイングランドバイオラブ社(New Engla
nd Biolab, Inc., Beverly, MA) )内にサブクローニングして、dhaB3を含
むプラスミドpDHAB3を生成させた。
【0108】 pHK28−26からのdhaBオペロンのdhaB1、dhaB2、dha
B3およびdhaBXに対する全コーディング領域を含む領域を、制限酵素Kp
nIおよびEcoRIを用いてpBluescriptIIKS+(ストラタジ
ーン(Stratagene, La Jolla, CA))内にクローニングして、プラスミドpM7を
創成した。
【0109】 dhaBX遺伝子を、プラスミドpM7とApaIおよびXbaIとを一緒に
消化して取り去り、5.9kb断片を精製し、これをプラスミドpDHAB3か
らの325bp ApaI−XbaI断片と結合させて、dhaB1、dhaB
2およびdhaB3を含むpM11を創成した。
【0110】 dhaB1遺伝子に対するオープンリーディングフレームを、pHK28−2
6から、プライマー(配列番号14および配列番号15)を用いるPCRにより
、HindIII部位および5’末端に共通リボソーム結合部位および3’末端
にXbaI部位を組み込んで増幅した。生成物をpLitmus28(ニューイ
ングランドバイオラブ社)内にサブクローニングしてdhaB1を含むプラスミ
ドpDT1を生成させた。
【0111】 dhaB1遺伝子、dhaB2遺伝子およびdhaB3遺伝子の部分を含むp
M11からのNotI−XbaI断片をpDT1内に挿入して、dhaB発現プ
ラスミドpDT2を創成した。pDT2からのdhaB(1,2,3)遺伝子を
含むHindIII−XbaI断片をpTacIQ内に挿入してpDT3を創成
した。
【0112】 1,3−プロパンジオール脱水素酵素遺伝子(dhaT)サブクローニング 1,3−プロパンジオール脱水素酵素遺伝子(dhaT)を含むpHK28−
26のKpnI−SacI断片をpBluescriptIIKS+内にサブク
ローニングしてプラスミドpAH1を創成した。dhaT遺伝子は、PCRによ
りテンプレートDNAとしてのpAH1および合成プライマー(配列番号16お
よび配列番号17)から、5’末端にXbaIおよび3’末端にBamHIを組
み込んで増幅した。生成物をpCR−Script(ストラタジーン)内にSr
fI部位にサブクローニングし、dhaTを含むプラスミドpAH4およびpA
H5を生成させた。プラスミドpAH4は、pCR−Script内のlacプ
ロモーターからの発現のための右配向のdhaT遺伝子を含み、またpAH5は
逆の配向のdhaT遺伝子を含む。dhaT遺伝子を含むpAH4からのXba
I−BamHI断片をpTacIQ内に挿入して、プラスミドpAH8を生成さ
せた。RBSおよびdhaT遺伝子を含むpAH8からのHindII−Bam
HI断片をpBluescriptIIKS+内に挿入してプラスミドpAH1
1を創成した。
【0113】 dhaTおよびdhaB(1,2,3)のための発現カセットの構築 dhaTおよびdhaB(1,2,3)のための発現カセットは、標準分子生
物学法を用いて以上に記載したようにして個別のdhaB(1,2,3)および
dhaTサブクローンから構築した。pDT3からのdhaB(1,2,3)遺
伝子を含むSpeI−SacI断片をpAH11内にSpeI−SacI部位内
において挿入してpAH24を創成した。SalI−XbaIリンカー(配列番
号22および配列番老23)を、制限酵素SalI−XbaIを用いて消化した
pAH5内に挿入してpDT16を創成した。リンカーはXbaI部位を破壊す
る。次いで、pDT16からの1kb SalI−MluI断片をpAH24内
に挿入して存在するSalI−MluI断片を置換してpDT18を創成した。
pDT21は、pDT18からのSalI−NotI断片およびpM7からのN
otI−XbaI断片をpCL1920内に挿入(配列番号24)して構築した
。ストレプトミセス(Streptomyces)からのグルコースイソメラーゼプロモーター
配列(配列番号25)をPCRによりクローニングし、pLitmus28のE
coRI−HindIII部位内に挿入してpDT5を構築した。pCL192
5は、pDT5のEcoRI−PvuII断片をpCL1920のEcoRI−
PvuI部位内に挿入して構築した。pDT24は、pDT21のHinDII
I−MluII断片およびpDT21のMluI−XbaI断片をpCL192
5のHinDIII−XbaI部位内にクローニングして構築した。
【0114】 実施例1 12輸送遺伝子のための発現カセットの構築 複製要素として存在できる発現プラスミドを、4種のB12輸送遺伝子、btu
B、btuC、btuD、およびbtuEに対して構築した。すべての発現プラ
スミドは、転写のためのtrcプロモーターを用いる。それぞれのプラスミドも
またアンピシリンを含む培地上の大腸菌(E. coli) 内の選択のためのβ−ラクタ
マーゼのための遺伝子、またはクロラムフェニコールを含む培地上の選択のため
のクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼをコードする遺伝子のいず
れかを含んでいた。複製のプラスミド起点は、ColE1またはp15Aのいず
れかである。
【0115】 btuB遺伝子は、5’末端にNcoI部位および3’末端にBamHI部位
を付加するプライマー(配列番号18、配列番号19)を用いるPCRにより大
腸菌(E. coli) 染色体DNAから増幅した。反応混合物は、10mMトリスpH
8.3、50mM KCl、1.5mM MgCl2 、0.0001%ゼラチン
、200μM dATP、200μM dCTP、200μM dGTP、20
0μM dTTP、1μMの各プライマー、1〜10ng標的DNA、25単位
/mLのアンプリタク(Amplitaq)TMDNAポリメラーゼ(パーキン−エルマー
シータス(Parkin-Elmer Cetus, Norwalk CT))を含んでいた。PCRパラメータ
ーは、94℃で1分間、52℃で1分間、72℃で2分間、25サイクルであっ
た。1905bp PCR生成物を、プラスミドpTrc99A(ファルマシア
(Pharmacia, Piscataway, NJ) )のNcoIとBamHI部位との間にクローニ
ングしてプラスミドpBtuB1を生成させた。プラスミドpBtuB1は、複
製のColE1起点、アンピシリン耐性、lacIq遺伝子を有し、またbtu
BはPtrcから発現される。
【0116】 プラスミドpBtuB2を構築するために、lacIq、Ptrc,およびb
tuBをコードするSphI/BamHI断片をpBtuB1から取り去り、プ
ラスミドpACYC184のSphI/BamHI部位内にクローニングした。
プラスミドpBtuB2は、複製のp15A起点、クロラムフェニコール耐性、
lacIq遺伝子を有し、またbtuBはPtrcから発現される。
【0117】 btuCED遺伝子は、5’末端にBamHI部位および3’末端にHind
III部位を付加するプライマー(配列番号20、配列番号21)を用いるPC
Rにより大腸菌(E. coli) 染色体DNAから増幅した。2557bpPCR生成
物を、pACYC184のBamHIとHindIII部位との間にクローニン
グしてプラスミドpCEDを生成させた。プラスミドpCEDは、複製のp15
A起点およびクロラムフェニコール耐性を有する。
【0118】 プラスミドpBCEDを構築するために、lacIq、Ptrcおよびbtu
BをコードするSph/BamHI断片をpBtuB1から取り去り、pCED
のSphI/BamHI部位内にクローニングした。プラスミドpBCEDは、
複製のp15A起点、クロラムフェニコール耐性、lacIq遺伝子、およびt
rcプロモーターから下流側の序列btuBCED内にbtuB遺伝子を有する
【0119】 実施例2 12輸送およびDhaB活性のための遺伝子を含む形質転換体 大腸菌(E. coli) 株FM5を、dhaプラスミドpDT24(specR)、
btuBプラスミドpBtuB1(ampR)またはpBtuB2(chlR)
、またはbtuBCEDプラスミドpBCED(chlR)を用いて形質転換し
た。選択は、50mg/Lスペクチノマイシン、50mg/Lアンピシリンまた
は100mg/Lクロラムフェニコールを含むLBプレート上である。適切な抗
生物質に対して耐性のコロニーを1,3−プロパンジオール産生およびビタミン
または補酵素B12取り込みに使用した。
【0120】 実施例3 pBCEDを用いて形質転換したFM5内での補酵素B12の取り込み増加 適切な株を一晩、37℃で増殖させ、ブロス25mLを入れたバッフル付き2
50mLフラスコ内で250rpmで振とうした〔ブロスは、NH4OHを用い
てpH6.8に滴定し、0.2M KH2PO4、2.0g/Lクエン酸、2.0
g/L MgSO4・7H2O、1.2mL98%H2 SO4、0.30g/Lク
エン酸アンモニウム鉄(III)、0.20g/L CaCl2・2H2O、5m
Lの微量金属混合物、5g/L酵母抽出液、10g/L D−グルコース、およ
び適切な抗生物質を含んでいた。微量金属混合物は、下記を含んでいた(g/L
):Na2SO4(4.0)、MnSO4・H2O(0.80)、ZnSO4・7H2 O(1.6)、CoSO4(0.52)、CuSO4・5H2O(0.12)、お
よびFeSO4・7H2O(4.0)〕。一晩経過した培養物の希釈(1/100
)は、25mL M9ブロスフラスコ内で行い、増殖はOD660が約1.0に達
するまで続けた。IPTGを加える場合に、これはこの点で0.2mMまで加え
、培養を1時間続けた。
【0121】 シアノコバラミン(シアノコバラミン、CNCb1)または補酵素B12をこの
濃度のM9培養物に加えた。補酵素B12を含むすべての操作は、暗所(赤色光)
内で行った。コバラミンを加えると、直ちに試料1mLを取り出し、細胞をペレ
ット化した。次いで培養物をさらに250rpmで振とうしながら培養し、下記
の表1おおび表2に記載のように終点試料採取まで続けた。
【0122】 個別の1mL試料からの細胞を含まない上清をコバラミン定量のためにHPL
C分析した。コバラミン定量は、最初に278nmおよび361nmにおけるピ
ーク面積比を標準と比較し、次いでコバラミンの標準曲線にピーク面積を適用し
て行った。
【0123】 終点分析には、培地からの細胞分離、引き続いて細胞質からのペリプラズムの
分離を含んでいた。この方法は、本質的にカバックの方法(Kaback, Methods of
Enzymology, vol.22, p99, 1971)に従った。
【0124】 回収した細胞ペッレットを秤量し、10mMトリス、pH8.0を用いて2回
洗浄した。ペレットを1g/80mLの30mMトリス、pH8.0/20%ス
クロースとして再懸濁した。マグネチックスターラー板上で攪拌している間に、
EDTAを10mMまで、またリゾチームを0.5mg/mLまで加えた。これ
らの懸濁液を室温で30分間攪拌した。このリゾチーム/EDTAインキュベー
ションに続いて、細胞を凝集させると、予想のように沈殿した。それぞれの沈殿
を15,000rpmで20分間、4℃でペレット化した。今では希釈されたペ
リプラズムから成る上清を集め、体積を記録し、HPLCのための試料を採取し
た。
【0125】 回収したスフェロプラストペレットを組織ホモジナイザーを用いて3mLの5
0mMリン酸カリウム緩衝液、pH7.0中でホモジナイズした。ホモジナイズ
の後、DnaseおよびRnaseを5mg/mLとなるように加え、懸濁液を
37℃の水浴中でインキュベーションした。EDTAを10mMとなるように加
え、インキュベーションをさらに15分間続けた。MgSO4を15mMとなる
ように加え、インキュベーションをさらに15分間続けた。
【0126】 得られた懸濁液を39,000rpmで1時間、4℃で超遠心分離した。今で
は希釈された細胞質から成る上清を集め、体積を記録し、HPLCのための試料
を採取した。
【0127】 コバラミンのペリプラズムおよび細胞質濃度は、下記を仮定して算出した:細
胞1μg(湿潤重量)は、細胞1,000,000個に相当し、細胞の体積は9
x10-13mLであり、またペリプラズムの体積は全細胞体積の30%に等しい
【0128】 表1 FM5株内の5μMシアノコバラミンの取り込みに対するpBtuB1Aの影響 時間(時間) ペリプラズム 細胞質 FM5 16 6μM 6.5μM FM5/pBtuB1 16 196μM 45.0μM表2 FM5株内の10μM補酵素B12の取り込みに対するpBCEDの影響 時間(時間) ブロス ペリプラズム 細胞質 FM5/pBtuB2 0 9.7μM +IPTG 16 検出限界以下 840μM 82μM FM5/pBCED 0 10μM +IPTG 16 検出限界以下 280μM 170μM 実施例4 pBCEDを用いて形質転換したFM5/pDT24からの1,3−プロパンジ オールの産生増加 大腸菌(E. coli) 株FM5/pDT24およびFM5/pDT24/pBCE
Dを、培地25mLを含む250mLフラスコ内、30℃、遮光し250rpm
で振とうして培養した。培地は、NH4 OHを用いてpH6.8に滴定し、0.
2M KH2PO4、2.0g/Lクエン酸、2.0g/L MgSO4・7H2
、1.2mL98%H2SO4、0.30g/Lクエン酸アンモニウム鉄(III
)、0.20g/L CaCl2・2H2O、5mLの微量金属混合物、5g/L
酵母抽出液、10g/L D−グルコース、および30g/Lグリセロールを含
んでいた。微量金属混合物は、下記を含んでいた(g/L):Na2SO4(4.
0)、MnSO4・H2O(0.80)、ZnSO4・7H2O(1.6)、CoS
4(0.52)、CuSO4・5H2O(0.12)、およびFeSO4・7H2
O(4.0)。さらに、pDT24およびpBCEDは、50μg/mLスペク
チノマイシンおよび20μg/mLクロラムフェニコールをそれぞれ必要とした
【0129】 FM5/pDT24およびFM5/pDT24/pBCEDは、上記のように
して、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン(ヒドロキシB12)、または補
酵素B12を最終濃度が0.40μMまたは4.0μMのいずれかになるように加
えて増殖させた。フラスコに、最初の濃度OD600が約0.01AUとなるよう
に接種し、pHはpH値6.2以上となるように0.5N KOHを加えて維持
し、またグルコース濃度は50%(w/w)溶液を加えて2g/L以上に維持し
た。pHは、カラーファスト ストリップ(ColorpHast strip, EM Science, Gib
bstown, NJ) を用いて監視した。グルコース濃度はトリンダー酵素アッセー(Tri
nder enzymatic assay, Sigma, St. Louis, MO) を用いて監視した。種々の時点
で、3G濃度(hplc分析)および細胞密度(OD600)を測定するために、
試料を取り出した。結果を下記の表3および4に示す。
【0130】
【表1】
【0131】
【表2】
【0132】
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C12N 1/21 C12N 15/00 ZNAA C12R 1:19) 5/00 A (72)発明者 ホワイテド,グレゴリー・エム アメリカ合衆国カリフオルニア州94002ベ ルモント・サウスロード304 (72)発明者 ブルトフイス,ベン オランダ・エヌエル−2300エイジー ライ デン・ポストブス251・アインシユタイン ベーク101 (72)発明者 トリムバー,ドナルド・イー アメリカ合衆国カリフオルニア州94601レ ツドウツドシテイ・オーチヤードアベニユ ー349 (72)発明者 ガテンビイ,アンソニー・エイ アメリカ合衆国デラウエア州19802ウイル ミントン・ベイナードブールバード2309 Fターム(参考) 4B024 BA07 BA08 BA63 BA80 DA06 DA11 DA12 GA11 GA19 HA03 4B064 AC05 CA02 CA05 CA06 CA19 CC03 CC24 CD12 DA16 4B065 AA01X AA01Y AA23X AA23Y AA26X AA29X AA29Y AA30X AA41X AA46X AA46Y AA50X AA60X AA66X AA72X AA74X AA76X AA77X AA79X AA82X AB01 AC14 BA02 BB06 BB07 BB12 BB13 BB15 BB17 BB18 CA05 CA27 CA28 CA60

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i)形質転換された宿主細胞を、少なくとも1種の発酵可
    能な炭素源およびビタミンB12の有効量と接触させ、これにより1,3−プロパ
    ンジオールが産生され、形質転換された宿主細胞が、 (a)脱水酵素活性を有するタンパク質をコードする遺伝子の少なくとも1種の
    コピー、 (b)酸化還元酵素活性を有するタンパク質をコードする遺伝子の少なくとも1
    種のコピー、 (c)ビタミンB12受容体前駆体タンパク質をコードする遺伝子の少なくとも1
    種のコピー、 (d)ビタミンB12輸送系透過酵素タンパク質をコードする遺伝子の少なくとも
    1種のコピー、および (e)ビタミンB12輸送ATP−またはGTP−結合タンパク質をコードする遺
    伝子の少なくとも1種のコピー、 を含んでおり、 ここで、(c)、(d)および(e)の遺伝子のいずれかの少なくとも1種のコ
    ピーが宿主細胞中に導入され、そして (ii)段階(i)から産生された1,3−プロパンジオールを回収すること を含んでなる、1,3−プロパンジオールの生物による製造方法。
  2. 【請求項2】 段階1(a)の脱水酵素活性を有するタンパク質をコードす
    る遺伝子が、グリセロール脱水酵素およびジオール脱水酵素から成る群から選択
    される酵素をコードする、請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 1(a)および1(b)の遺伝子が、クレブシエラ種(Klebs
    iella sp.)、シトロバクター種(Citrobacter sp.)、サルモネラ種(Salmonella s
    p.)またはクロストリジウム種(Clostridium sp.)から独立して単離される、請求
    項1の方法。
  4. 【請求項4】 1(c)、1(d)および1(e)の遺伝子が、エシェルキ
    ア種(Escherchia sp.)、サルモネラ種(Salmonella sp.)、クレブシエラ種(Klebs
    iella sp.)、シュードモナス種(Pseudomonas sp.)、またはシトロバクター種(Ci
    trobacter sp.)から独立して単離される、請求項1の方法。
  5. 【請求項5】 (i) (i)(c)の遺伝子が,配列番号1および配列番
    号2から成る群から選択されるbtuB遺伝子であり、 (ii) (i)(d)の遺伝子が、配列番号3のbtuC遺伝子である、そし
    て (iii) (i)(e)の遺伝子が、配列番号4のbtuD遺伝子である 請求項1の方法。
  6. 【請求項6】 発酵可能な炭素源が、発酵可能な炭水化物、単一炭素基質、
    およびこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1の方法。
  7. 【請求項7】 発酵可能な炭素源が、単糖類、オリゴ糖類、多糖類、単一炭
    素基質、グリセロール、ジヒドロキシアセトンおよび炭素含有アミンから成る群
    から選択される、請求項1の方法。
  8. 【請求項8】 形質転換された宿主細胞が、さらにグリセロール−3−リン
    酸−脱水素酵素をコードする少なくとも1種のコピーおよびグリセロール−3−
    ホスファターゼ酵素をコードする少なくとも1種のコピーを含んでいる、請求項
    1の方法。
  9. 【請求項9】 宿主細胞が、細菌、酵母、および糸状菌から成る群から選択
    される、請求項1の方法。
  10. 【請求項10】 宿主細胞が、シトロバクター(Citrobacter)、エンテロバ
    クター(Enterobacter)、クロストリジウム(Clostridium)、クレブシエラ(Klebsi
    ella)、アエロバクター(Aerobacter)、ラクトバチルス(Lactobacillus)、アスペ
    ルギルス(Aspergillus)、サッカロミセス(Saccharomyces)、シゾサッカロミセス
    (Schizosaccharomyces)、ジゴサッカロミセス(Zygosaccharomyces)、ピヒア(Pic
    hia)、クルイベロミセス(Kluyveromyces)、カンジダ(Candida)、ハンセヌラ(Han
    senula)、デバリオミセス(Debaryomyces)、ムコール(Mucor)、トルロプシス(Tor
    ulopsis)、メチロバクター(Methylobacter)、エシェルキア(Escherchia)、サル
    モネラ(Salmonella)、バチルス(Bacillus)、ストレプトミセス(Streptomyces)お
    よびプシュードモナス(Pseudomonas)から成る属の群から選択される、請求項9
    の方法。
  11. 【請求項11】 ビタミンB12の有効量が、存在する脱水酵素の量に対して
    0.1から10.0倍のモル比である、請求項1の方法。
  12. 【請求項12】 (a)脱水酵素活性を有するタンパク質をコードする遺伝
    子の少なくとも1種のコピー、 (b)酸化還元酵素活性を有するタンパク質をコードする遺伝子の少なくとも1
    種のコピー、 (c)ビタミンB12受容体前駆体タンパク質をコードする遺伝子の少なくとも1
    種のコピー、 (d)ビタミンB12輸送系透過酵素タンパク質をコードする遺伝子の少なくとも
    1種のコピー、および (e)ビタミンB12輸送ATP−またはGTP−結合タンパク質をコードする遺
    伝子の少なくとも1種のコピー、 を含んでおり、 ここで、(i)(c)、(i)(d)および(i)(e)の遺伝子の少なくとも
    1種のコピーが宿主細胞中に導入される、形質転換された宿主細胞。
  13. 【請求項13】 (i)形質転換された宿主細胞を、(a)単糖類、オリゴ
    糖類、多糖類、単一炭素基質、グリセロール、ジヒドロキシアセトンおよび炭素
    含有アミンから成る群から選択される、少なくとも1種の発酵可能な炭素源およ
    び(b)ビタミンB12の有効量と接触させ、これにより1,3−プロパンジオー
    ルが産生され、形質転換された宿主細胞が、 (a)脱水酵素活性を有するタンパク質をコードする遺伝子の少なくとも1種の
    コピー、 (b)酸化還元酵素活性を有するタンパク質をコードする遺伝子の少なくとも1
    種のコピー、 (c)ビタミンB12受容体前駆体タンパク質をコードする遺伝子の少なくとも1
    種のコピー、 (d)ビタミンB12輸送系透過酵素タンパク質をコードする遺伝子の少なくとも
    1種のコピー、および (e)ビタミンB12輸送ATP−またはGTP−結合タンパク質をコードする遺
    伝子の少なくとも1種のコピー、 (f)グリセロール−3−リン酸−脱水素酵素活性を有するタンパク質をコード
    する遺伝子の少なくとも1種のコピー、および (g)グリセロール−3−ホスファターゼ活性を有するタンパク質をコードする
    遺伝子の少なくとも1種のコピー を含んでおり、 ここで、(i)(c)、(i)(d)および(i)(e)の遺伝子のいずれかの
    少なくとも1種のコピーが宿主細胞中に導入され、そして (ii)段階(i)から産生された1,3−プロパンジオールを回収すること を含んでなる、1,3−プロパンジオールの生物による製造方法。
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