JP2002514408A - 新規アポトーシス小体、それを含有する単球由来細胞、それらの調製方法、及びワクチンとしてのそれらの使用 - Google Patents

新規アポトーシス小体、それを含有する単球由来細胞、それらの調製方法、及びワクチンとしてのそれらの使用

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JP2002514408A
JP2002514408A JP2000548437A JP2000548437A JP2002514408A JP 2002514408 A JP2002514408 A JP 2002514408A JP 2000548437 A JP2000548437 A JP 2000548437A JP 2000548437 A JP2000548437 A JP 2000548437A JP 2002514408 A JP2002514408 A JP 2002514408A
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バルトラン,ジャック
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I.D.M.IMMUNO−DESIGNED MOLECULES
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、患者の腫瘍バイオプシーから回収されたヒト腫瘍細胞又は細胞系に由来しそしてアポトーシスを誘導するアポトーシス小体に関し、該アポトーシス小体は下記特徴、すなわち、それらは細胞膜完全性を維持し、それらは約0.1μmを超える小胞であり、それらは腫瘍細胞に起源する無傷のミトコンドリア及び切断された核のDNAを含有し、それらはそれらの膜上にマスクされていない腫瘍抗原を提示し、それらは患者の特異的腫瘍及びMHC抗原を提示することを有する。本発明は、アポトーシス小体の組み込み後の抗腫瘍ワクチンとして用いるいことができる、新規単球由来細胞を提供もする。アポトーシス小体は、単球由来抗原提示細胞によってファゴサイトーシスされそして処理され、そして免疫系に対する有効な腫瘍抗原提示を可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、新規なアポトーシス小体、それを含有する単球由来細胞、それらの
調製法及びワクチンとしての使用に関する。
【0002】 進行したがんにおいて、腫瘍細胞がインビボでは不十分な免疫原であることは
有名である。インビトロでは、免疫系は、腫瘍細胞を認識し死滅させることがで
きる。腫瘍細胞は、黒色腫に関して報告されているように1、T細胞に対する抗
原を有するが、インビボでは免疫原性を欠く。おそらく、腫瘍抗原は、マスクさ
れているか、特別な細胞により提示されていないか、又は腫瘍環境により抑制さ
れている。専門の抗原提示細胞(APC)4により提示されるペプチド2又は単一
形質移入3抗原からなるワクチンの使用は、特異性の狭さ、及び免疫回避のため
に、抗腫瘍療法において限定された利益をもたらした5,6。別の戦法は、免疫原
性腫瘍に限定されている、未分画の又は分画された腫瘍細胞7,8,9を使用するこ
とである。
【0003】 プログラム細胞死(PCD)は、最も多く見られる真核細胞の死の形態である
。PCDと同義に使用されることが多い、アポトーシスという用語は、死滅細胞
により示される形態学的変化をいう。壊死とは対照的に、アポトーシスは能動的
な過程である。アポトーシスは、正常な生理学的条件下及び病理学的な生理学的
条件下で起こり、細胞はそれ自身の「細胞自殺」に能動的に参与し、アポトーシ
スを受けている細胞は特徴的な形態学的特性及び生化学的特性を示す。
【0004】 アポトーシス小体は、それらを特異的かつ迅速にマクロファージによってファ
ゴサイトーシスされるようにする表面マーカー14を発現している。従って、この
過程の重要な結果は、細胞質含有物が細胞間空間に放出されることのないアポト
ーシス小体の消失である。これは、細胞内細胞構成成分による炎症及び自己免疫
の両方を回避する15
【0005】 マクロファージは、抗腫瘍応答において主要な役割を果たし、がん細胞に対す
る免疫学的活性化因子により活性化されうる(Adams D.and Hamilton T.:「腫瘍
細胞殺傷のためのマクロファージの活性化:エフェクター・メカニズム及び制御
(Activation of macrophages for tumor cell kill:effector mechanism and r
egulation)」; Heppner & Fulton(eds.),Macrophages and cancer.CRC Press,1
988,p.27; Fidler M.マクロファージ及び転移 がん療法のための生物学的アプ
ローチ(Macrophages and metastasis.A biological approach to cancer thera
py.)Cancer Res.45:4714,1985)。
【0006】 さらに、エンドサイトーシス、消化及び表面抗原提示の強力な能力を有する、
マクロファージ、又は単球もしくはそれらの前駆細胞に由来するその他の細胞は
、特異的な免疫応答を誘導することができる。このように、それらは、ワクチン
、より具体的には細胞自己ワクチンの調製のための適切な候補となる。
【0007】 単球由来細胞(MDC)は、37℃、O2/CO2雰囲気で5から10日間の、
非吸着性気体透過性プラスチック・バッグ又はテフロン・バッグにおける血液単
核細胞の培養により得られるような免疫細胞である。それらの培地(RPMI、
IMDM、AIMV(ギブコ(Gibco))又はX−VIVO(Biowhittaker))
は、最終的には、特許第PCT/EP93/01232号、第WO94/268
75号又はEP97/02703、又は下記の文献において定義されるサイトカ
イン又はリガンドを含有する。「自己リンパ球は、培養中の単球の死滅を防止し
、GM−CSF、IL−3及びM−CSFと同様に、それらのマクロファージへ
の分化を促進する(Autologous lymphocytes prevent the death of monocytes
in culture and promote,as do GM-CSF,IL-3 and M-CSF,their differentiation
into macrophages)」(Lopez M.,Martinache Ch.,Canepa S.,Chokri M.,Scott
o F.,Bartholeyns J.; J.of Immunological Methods,159:29-38,1993);「マク
ロファージを用いた免疫療法:現状及び実施のための重要な要件(Immune thera
py with macrophages:Present status and critical requirements for impleme
ntation)」(Bartholeyns J.,Romet-Lemonne J-L.,Chokri M.,Lopez M.;Immuno
biol.,195:550-562,1996);「能動的な腫瘍免疫療法のためのCD83+ヒト血
液樹状細胞のインビトロ作製(In vitro generation of CD83+ human blood den
dritic cells for active tumor immunotherapy)」(Thurnher M.,Papesh C.,R
amoner R.,Gastlt G.and al.;Experimental Hematology,25:235-237,1997);「
免疫により媒介される腫瘍に対する対抗のためのアジュバントとしての樹状細胞
(Dendritic cells as adjuvants for immune-mediated resistance to tumors
)」(Schuler G.and Steinman R.M.; J.Exp.Med.,186:1183-1187,1997)。これ
らの特許出願及び文献は全て参照のため本明細書に含まれる。
【0008】 それらは、特に細胞障害性マクロファージを得るため、培養の最後にINF−
γにより活性化されうる。それらは、等張溶液中に再懸濁される前に、濃縮され
精製されうる。
【0009】 単球由来細胞(MDC)は、分化の条件に応じて、キラー・マクロファージ、
ファゴサイトーシス細胞、増殖因子及びサイトカインを放出する細胞、又は樹状
細胞のいずれかでありうる。樹状細胞は、例えば、「能動的な腫瘍免疫療法のた
めのCD83+ヒト血液樹状細胞のインビトロ作製(In vitro generation of CD
83+ human blood dendritic cells for active tumor immunotherapy)」(Thur
nher M.,Papesh C.,Ramoner R.,Gastlt G.and al.;Experimental Hematology,25
:235-237,1997)及び「免疫により媒介される腫瘍に対する対抗のためのアジュ
バントとしての樹状細胞(Dendritic cells as adjuvants for immune-mediated
resistance to tumors)」(Schuler G.and Steinman R.M.; J.Exp.Med.,186:1
183-1187,1997)及びEP第97/02703号に記載のようにして得られうる
【0010】 成熟樹状細胞は、免疫応答を始動する極めて強力な抗原提示細胞である。樹状
細胞は、T細胞増殖の誘導及びそれらの表現型(膜上のCD80、CD86、C
D83、MHC−I、MHC−IIの存在)によっても特徴づけられうる。
【0011】 本発明の目的の一つは、抗腫瘍ワクチンとして使用されうる新規なアポトーシ
ス小体を提供することである。
【0012】 本発明のもう一つの目的は、アポトーシス小体の取り込み後に抗腫瘍ワクチン
として使用されうる新規な単球由来細胞を提供することである。
【0013】 本発明の目的の一つは、改良された免疫原性を有することができる抗腫瘍ワク
チンを提供することである。
【0014】 本発明のもう一つの目的は、特定の患者にとって特異的であり、従ってより効
率的である潜在的な抗腫瘍ワクチンを提供することである。
【0015】 本発明は、下記の特徴、すなわち、 −それらが、原形質膜完全性を維持し、 −それらが、約0.1μm超、特に約0.5μm超の小胞であり、 −それらが、無傷のミトコンドリア及び腫瘍細胞に起源する切断された核のDN
Aを含有し、 −それらが、マスクされていない腫瘍抗原を提示し、 −それらが、患者の特異的な腫瘍抗原及びMHC抗原を提示すること を有する、患者の腫瘍バイオプシーから回収され、アポトーシスを誘導されたヒ
ト腫瘍細胞から単離されたアポトーシス小体に関する。
【0016】 本発明は、以下の特徴、すなわち、 −それらが、細胞膜完全性を維持し、 −それらが、約0.5μmから約5μmの小胞であり、 −それらが、無傷のミトコンドリア及び腫瘍細胞に起源する切断された核のDN
Aを含有し、 −それらが、マスクされていない腫瘍抗原を膜上に提示し、 −それらが、患者の特異的な腫瘍抗原及びMHC抗原を提示すること を有する、患者の腫瘍バイオプシーから回収され、アポトーシスを誘導されたヒ
ト腫瘍細胞から単離されたアポトーシス小体に関する。
【0017】 アポトーシス腫瘍細胞は、免疫系により認識される有効な抗原を提供する。本
発明において、アポトーシス細胞は、壊死腫瘍抽出物よりも免疫原性が高いこと
が示されている。アポトーシス小体由来細胞は、単球由来抗原提示細胞によりフ
ァゴサイトーシスされ、免疫系への有効な腫瘍抗原提示を可能にする(図1)。
【0018】 がん細胞に起源するアポトーシス小体におけるマスクされていない抗原性物質
のプロセシング及び提示は、腫瘍に対する特異的な細胞性免疫応答及び体液性免
疫応答を増強するための抗がん免疫療法における新規な機会を提供する。
【0019】 「アポトーシス小体」という表現は、アポトーシスを誘導された腫瘍に起源す
るミトコンドリア及びフラグメント化された核のDNAを、無傷の膜内に含有す
る細胞フラグメント化小体をいう。
【0020】 アポトーシス細胞は、特徴的な形態学的特性及び生化学的特性に従い、壊死細
胞(その他の死滅細胞)と区別されうる。アポトーシスは、細胞の萎縮、細胞核
、細胞膜及び細胞代謝の劇的な再組織化、活発な膜小胞化、並びに膜で囲まれた
小胞(アポトーシス小体)への最終的な細胞フラグメント化により特徴付けられ
13。アポトーシスの核イベントは、核周縁部に対する、核内の一個又は数個の
凝集塊へのクロマチンの崩壊から始まる。核の特徴は、クロマチン凝集、それに
続くエンドヌクレアーゼ活性化後のDNAフラグメント化(アポトーシス過程の
特異的マーカー)、それにより生じる約180bpの複数のDNAサブユニットを
含む。細胞イベントは、細胞質凝縮、並びに無傷の細胞膜により包囲されたリボ
ソーム、無傷のミトコンドリア及び核材料を含有する膜結合小胞(アポトーシス
小体)への細胞質及び核の分割(壊死、その他の非生理学的細胞死過程と比較し
た場合のアポトーシス過程の特異的マーカー)を含む。
【0021】 「アポトーシス小体」は、以下の方法に従い同定される。
【0022】 1)エクソビボで処理された腫瘍フラグメントにおけるアポトーシスの検出 エクソビボ処理後のアポトーシス過程の適切な誘導を確実にするため、腫瘍及
び/又は腫瘍細胞懸濁液のフラグメントを、調製し、特異的に染色することがで
きる。これらのフラグメントは、ホルムアルデヒド4%で固定され、パラフィン
包埋される。アポトーシス過程の細胞毎の観察を有することが望ましいため、D
NA分解のその場所での分析のための方法が、製造業者により開発され、市販さ
れている。DNA分解過程の初期段階の検出のための通常の方法は、分解過程と
関連したエンドヌクレアーゼ活性により生じた3′−OH末端にデオキシヌクレ
オチドを取り込ませるための末端デオキシヌクレオチドトランスフェラーゼを使
用する。
【0023】 ヒト腫瘍フラグメント又は腫瘍細胞懸濁液フラグメントに対する酪酸ナトリウ
ム(分化誘導剤)処理後のアポトーシス細胞の染色は、図2Aに観察されうる。
腫瘍細胞の細胞小集合体はアポトーシスを受けているが、結合組織の繊維芽細胞
を含む周辺は受けていないことに注目されたい。
【0024】 2)クロマチン可視化: 上記の記載のようにして処理された培養物からプールされた浮遊細胞を、37
℃で30分間、5μg/mlのHoechst 33258で染色し、洗浄し、次にオリンパスB
H2蛍光顕微鏡を用いて観察する。この技術は、迅速かつ容易に用いられ、いか
なる場所においても達成されうる。ヘキストDNA染色は、アポトーシス細胞を
検出するために極めて特異的である(図2B参照)。
【0025】 3)超微細構造分析: 上記のようにして得られた浮遊細胞を、カコジル酸緩衝液で洗浄し、4℃で1
時間1.6%グルタルアルデヒドで固定し、室温で1時間四酸化オスミウムで後
固定する。次に細胞をカコジル酸緩衝液で洗浄し、一連の段階的なエタノール濃
度で脱水し、ペレットをエポン(Epon)812に包埋する。極薄の切片を酢酸ウ
ラニル及びクエン酸鉛により染色し、次にジェオル(Jeol)100B電子顕微鏡
により検査する(図3参照)。この技術は、アポトーシス細胞を検出するために
極めて特異的かつ有効であるが、高価な設備及び資格のある使用者を必要とする
ため、いかなる場所でも可能というわけではない。
【0026】 4)DNAラダーアッセイ(図4): ヌクレオソーム間DNAフラグメント化は、アガロースゲル電気泳動により決
定される。106個の処理された浮遊細胞のDNA抽出物を50℃で2時間プロ
テイナーゼK(20μg/ml)と共にインキュベートし、次にフェノール−クロ
ロホルム抽出の後、−70℃で一晩エタノール沈殿させる。DNAをペレット化
し、トリス−EDTAに溶解させ、次に10μg/mlのRNaseAで処理する
。DNA試料を試料緩衝液で希釈し、70℃で5分間インキュベートし、次に1
.8%アガロースゲル上を泳動させる。移動は、試料緩衝液の先端が4〜5cm
移動するまで40Vで行われた。DNAを臭化エチジウム染色後、UV光下で可
視化する。DNA分子量(1kb)は、ファルマシア(St Quentin en Yvelines
, France)のマーカーを使用した。この技術は、いかなる場所においても達成で
き、アポトーシスの最終段階を検出するために極めて特異的である。
【0027】 5)その他の技術もアポトーシスを検出するために用いられ得る。 a)Ca++及びMg++酵素活性の活性化は、実験室にて容易に分析されうる。
カスパーゼ3(CPP32):アポトーシス中の酵素活性が測定されうる。カス
パーゼ3はアポトーシス過程に関与しているため、この技術は、アポトーシス過
程に進入する細胞を検出するために通常使用される。しかし、この技術は、極め
て高感度ではあるが、処理の予備工程である。 b)エンドヌクレアーゼ(市販のキットを使用)。 c)細胞表面のマーカー:ホスファチジルセリン及びシアロアドヘシンは、正
常細胞又は壊死細胞と比較した場合の、アポトーシス小体の新たな構造的細胞表
面の潜在的な特異的マーカーである。これらのアポトーシス細胞は、特異的な抗
体又はマーカーで染色されうる。多数の製造業者より供給されているアネキシン
Vは、ホスファチジルセリンの特異的マーカーであり、FACS(細胞蛍光分析
)分析によるアポトーシス小体の精製の方法(後に詳述)のためにも使用されう
る。 シアロアドヘシンに対する抗体は、ED3(SEROTECH, France)として市
販されている。
【0028】 トリパンブルー又はヨウ化プロピジウムのような生体染色試薬の排除により示
されるように、膜の完全性は維持されているが、ホスファチジルセリン基により
示されるように、細胞膜の内部は、アポトーシス小体の外部を表すことに注意す
べきである。
【0029】 腫瘍のアポトーシス小体は、膜上又は細胞内に自己の腫瘍抗原を提示している
という事実により、腫瘍細胞株のアポトーシス小体とは区別される。
【0030】 「マスクされていない腫瘍抗原」という表現は、該抗原が元の腫瘍から自然に
は発現されないことをいう。
【0031】 「患者の特異的な腫瘍抗原及びMHC抗原」という表現は、患者の腫瘍の抗原
が、患者の特異的MHC分子上に提示されていることをいう。
【0032】 本発明のアポトーシス小体は、有利には、切断された核のDNAが複数の18
0〜200塩基対へと切断されているようなものである。
【0033】 これは、前記のDNAラダーアッセイに従い検出されうる。
【0034】 本発明の有利な実施態様によれば、アポトーシス小体は実質的に精製された形
態である。
【0035】 「実質的に精製された形態のアポトーシス小体」という表現は、それらが、例
えば遠心分離により、無傷の腫瘍細胞から、壊死腫瘍細胞から、及び腫瘍フラグ
メントから隔離されており、約10%未満の壊死腫瘍細胞及び腫瘍フラグメント
を含有することをいう。
【0036】 本発明の有利な実施態様によれば、アポトーシス小体は、特定のアポトーシス
マーカーを膜上に提示する。
【0037】 特定のアポトーシスマーカーとは、正常細胞又は壊死細胞の原形質膜の外側に
は有意な量で発現していない、アネキシンの結合により検出されるホスファチジ
ルセリン分子、及び抗体ED3により検出されるシアロアドヘシンに相当する。
【0038】 本発明の有利な実施態様によれば、アポトーシス小体において、マーカーは以
下の群、すなわち、 −アネキシンにより認識される外側膜上のホスファチジルセリン基、 −膜上のシアロアドヘシン、 −複数の180〜200塩基対のDNA含有物 から選択される。
【0039】 これらのマーカーは、フローサイトメトリー分析(FACS)により検出され
うる。
【0040】 アポトーシス小体は、 1)クロマチン可視化、又は 2)超微細構造分析、又は 3)DNAラダーアッセイ(図4)、 4)又はFACS分析10 により同定されうる。
【0041】 これらの技術は全て既述されている。
【0042】 本発明は、凍結又は凍結乾燥されたアポトーシス小体のセットにより構成され
、異なる患者に起源する、アポトーシス小体バンクにも関する。
【0043】 本発明の有利な実施態様によれば、アポトーシス小体バンクにおいて、アポト
ーシス小体は、異なる腫瘍タイプ、及び異なるヒト腫瘍細胞株、及び異なる患者
に起源する。
【0044】 異なる患者又はヒト細胞株に由来するアポトーシス小体からなるアポトーシス
小体バンクの重要性は、それらが、容易に用いられ、自己腫瘍が利用可能でない
患者の単球由来細胞の調製物に添加され得るという点である。
【0045】 異なる腫瘍タイプ及び患者に由来するアポトーシス小体からなるアポトーシス
小体バンクの重要性は、それらが、自己腫瘍バイオプシーを利用できない患者の
ための腫瘍関連ワクチンを調製するために用いるために、選択され組み合わせら
れ得るという点である。
【0046】 本発明は、下記の工程、すなわち、 −バイオプシーからの腫瘍フラグメント又は腫瘍細胞の懸濁液の調製、 −アポトーシス小体を得るための、アポトーシス誘導手段による、該腫瘍細胞又
はフラグメントの懸濁液の処理 を含む、患者の腫瘍バイオプシーからのアポトーシス小体の調製のための方法に
も関する。
【0047】 バイオプシーの腫瘍細胞又はフラグメントの懸濁液は、例えば下記、すなわち
、 a)腫瘍バイオプシーを、抗生物質を含む新しい培地又は緩衝液中で維持し、 b)組織を、新しい無菌の培地又は緩衝液に移し、洗浄し、 c)ペトリ皿に移し、脂肪、壊死材料及び周辺結合組織のような不要な組織を切
除し、 d)第二の皿に移し、交差させたメス(crossed scalpels)で約1mm3に切り刻
み、 e)大きなピペットで15又は50ml無菌遠心分離チューブに移す。切片を少な
くとも5分間沈降させる。切片を、培地又は緩衝液に再懸濁させ、切片を沈降さ
せ、上清を除去することにより、2〜3回洗浄し、 f)切片を培養フラスコ(F25又はF75)に移し、アポトーシス過程を誘導する
ために処理し(*下記の実施例を参照)、組織学的分析の後に結合組織が示され
る場合には、腫瘍フラグメントの処理の前に、コラゲナーゼ含有培地を使用する
ことができ、 g)毎日上清を収集し、15ml遠心分離チューブ内で激しく分散させ、 h)フラスコ内の培地を交換し、アポトーシスを誘導するための処理(工程f)
を反復し、この工程を、少なくとも5日間反復し、最大5日間まで4℃で(工程
gの)上清を保存し、プールし、 i)実験の最後に、腫瘍の静止している切片の機械的な脱凝集を行うことができ
、腫瘍切片を中程度(70μm)のナイロン中の滅菌ふるい上に置き、使い捨て
プラスチックシリンジのピストンを用いて軽い圧力を加えることにより、メッシ
ュを通して組織を培地中に押し出し、細胞を洗浄するため、さらなる培地をふる
いに取り、工程を反復し、濾液を保存し、先の上清(工程g)と共にプールし、
j)培地を1300〜1500×gで15分間遠心分離し、上清を捨て、ペレッ
トを培地に懸濁させ、細胞を4から6時間培養フラスコに移し、(プラスチック
への吸着によって)静止している生存細胞を除去し、37℃における培養の後、
上清を除去し、プラスチックを軽く洗浄し、 k)洗浄しながら上清をプールし、そして4℃で15分間、300×gで遠心分
離し、1部を保存し、上記のように壊死に対するアポトーシスを検出し定量する
の条件の下で調製することができる。
【0048】 有利な実施態様によれば、本発明の方法において、アポトーシス誘導手段は、
化学的作用因、すなわちリガンド又は増殖因子である。
【0049】 化学的作用因としては、酪酸塩誘導体16、スタウロポリン17、スリンダク誘導
体、炎症性サイトカイン18、糖質コルチコイド19、抗新生物ヌクレオシドアナロ
20のような分化誘導剤を挙げることもできる。
【0050】 代表的な処理のための条件は、以下のとおりである。連続した3から5日、完
全培地中で、5から10mM NaBut又は0.1から0.5mMのスリンダクで
腫瘍フラグメントを処理する。分化誘導剤を含む培地を毎日交換する。アポトー
シス細胞及び/又は残骸を除去し、既に詳述されたようにして4℃で保存する。
【0051】 大部分の型の腫瘍が、有利にも化学的作用因によって処理されアポトーシスを
開始することができる。結腸直腸がん、乳がん及び膵臓がんのような上皮由来の
腫瘍が、分化誘導剤に対して特に感受性が高い。
【0052】 有利な実施態様によれば、本発明の方法において、アポトーシス誘導手段は物
理的作用因である。
【0053】 全ての型の腫瘍が、有利には、物理的作用因によって処理される。
【0054】 有利な実施態様によれば、本発明の方法において、物理的作用因は下記の手段
、すなわち、γ線照射のようなイオン化、UV照射、熱ショック、もしくは血清
飢餓のようなストレス、又は該手段の組み合わせの中から選択される。
【0055】 イオン化は、例えば、Yamada T.,Ohyama H.Int.J.Radiat.Biol.53:65-75,1988
に記載されている。
【0056】 UV照射は、例えば下記、すなわち、培養中の腫瘍フラグメント及び/又は腫
瘍細胞を、腫瘍細胞の性質に応じて、1から5分間、U.V.ランプ(220v
、50Hz、180W)で処理する のように行われる。
【0057】 γ線照射は、例えば下記、すなわち、ガンマ線照射処理は、単独で、又はU.
V.もしくは熱ショックと相補的に行われうる。腫瘍フラグメントに、腫瘍細胞
の性質及び起源に応じて、30分間30グレイから150グレイを照射する ように行われる。
【0058】 熱ショックは、例えば下記、すなわち、完全培地における培養中の腫瘍フラグ
メントを、腫瘍細胞の性質及び起源に応じて、30から60分間、約40℃から
約45℃で処理する。がん細胞又は腫瘍フラグメントは、懸濁液中、培地中で処
理されうる ように行われる。
【0059】 固形腫瘍のための、有利な手段の組み合わせは、下記の組み合わせ、すなわち
、2分間のU.V.曝露(220v、50Hz、180W)及びそれに続く30分
間の50グレイのγ線照射である。
【0060】 血清飢餓とは増殖因子の不在に相当する。
【0061】 有利な実施態様によれば、本発明の方法において、アポトーシス誘導手段は、
物理的作用因と化学的作用因との組み合わせである。
【0062】 大部分のヒト腫瘍が、有利には、物理的作用因と化学的作用因との組み合わせ
を用いて処理され、アポトーシスに入ることができる。
【0063】 白血病細胞のための、物理的作用因と化学的作用因との組み合わせの例として
は、UVランプによる処理と5Mm酪酸ナトリウムの添加との組み合わせを挙げる
ことができる。
【0064】 有利な実施態様によれば、本発明の方法は、 −アポトーシスを受けた腫瘍細胞の懸濁液からのアポトーシス腫瘍細胞上清の回
収、 −特に水簸によって遠心分離し、アポトーシス小体の濃縮物を得ること による、アポトーシス小体の精製の工程をさらに含む。
【0065】 アポトーシス腫瘍細胞上清の回収の有利な条件は下記のとおりである。アポト
ーシス小体を、上記で定義されたアポトーシス腫瘍細胞上清から得る。まず、わ
ずかな生存細胞、壊死細胞及びアポトーシス細胞を含有する上清を、プラスチッ
クに付着する生存細胞を除去するために、37℃で2〜6時間培養フラスコ中で
沈積させる。次に、今や壊死細胞及びアポトーシス細胞を含有する得られた上清
を、遠心分離する。
【0066】 アポトーシス小体の濃縮物を得るための遠心分離は、有利には、小体の純粋な
集団の回収を可能にする水簸により実施される。
【0067】 本発明の有利な実施態様によれば、患者の腫瘍バイオプシーからのアポトーシ
ス小体の調製のための方法は、以下の工程、すなわち、 −予め不要な組織を除去され、切り刻まれる腫瘍バイオプシーの、腫瘍フラグメ
ント又は腫瘍細胞の懸濁液の調製 −目的の抗原又はタンパク質をコードするDNAを取り込むことができること、 −該腫瘍細胞又は腫瘍フラグメントの懸濁液のアポトーシス誘導手段による処理
、及び毎日の上清の回収(該処理は少なくとも5日間繰り返され、上清は回収さ
れプールされる) −該上清を含有する培地の遠心分離、及び遠心分離から得られたペレットの適切
な培地への懸濁 −先の培地からの上清の回収、及びアポトーシス小体の懸濁液を得るための該上
清の遠心分離 −約0.5から約5μmの無傷の小胞によって構成されるアポトーシス小体の集
団を選択するための、特に水簸による、アポトーシス小体の懸濁液の遠心分離 を含む。
【0068】 有利な実施態様によれば、本発明の方法において、アポトーシス小体の濃縮物
は、適切な培地に再懸濁され、約4℃から約10℃で保存されるか、又は約−8
0℃で凍結されるか、又は凍結乾燥される。
【0069】 本発明の有利な実施態様によれば、アポトーシス小体の調製のための方法にお
いて、アポトーシスの誘導は酪酸ナトリウム又はスリンダクスルフィドを用いて
実施される。
【0070】 酪酸ナトリウム又はスリンダクスルフィドで有利に処理される腫瘍タイプは、
がん及び白血病である。
【0071】 本発明の有利な実施態様によれば、アポトーシス小体の調製のための方法にお
いて、アポトーシスの誘導はU.V.を用いて実施される。
【0072】 U.V.で有利に処理される腫瘍タイプは、黒色腫及び白血病である。
【0073】 本発明の有利な実施態様によれば、アポトーシス小体の調製のための方法にお
いて、アポトーシスの誘導は熱ショックを用いて実施される。
【0074】 U.V.照射と組み合わされた熱ショックにより有利に処理される腫瘍タイプ
は、中心部分の感受性が低い固形腫瘍フラグメントである。
【0075】 本発明の有利な実施態様によれば、アポトーシス小体の調製のための方法にお
いて、アポトーシスの誘導はγ線照射を用いて実施される。
【0076】 イオン化、特にγ線照射で有利に処理される腫瘍タイプは、白血病細胞である
【0077】 本発明は、前記の方法により得られるようなアポトーシス小体にも関する。
【0078】 本発明は、薬学的に適切な媒体と共に、前記のアポトーシス小体又は本発明に
従いバンクから引き出されたアポトーシス小体を活性物質として含有する薬学的
組成物にも関する。
【0079】 有利な実施態様によれば、本発明の薬学的組成物は、無菌の注入可能な溶液の
形態である。
【0080】 本発明は、前記のアポトーシス小体又は前記のバンクから引き出されたアポト
ーシス小体を活性物質として含有するワクチンにも関する。
【0081】 本発明の有利な実施態様において、用いられるアポトーシス小体の用量は、タ
ンパク質含量の当量で表され、注射による約10μgから約10mg/kg、好まし
くは約100μgから約1mg/kgである。注射は、1年以内に最大10回反復す
ることができる。
【0082】 本発明は、がんの治療のための薬物を調製するための、前記のアポトーシス小
体又は本発明に従いバンクから引き出されたアポトーシス小体の使用にも関する
【0083】 本発明は、前記のアポトーシス小体又は本発明に従いバンクから引き出された
アポトーシス小体を含有し、細胞性免疫応答の誘導を可能にするコンホメーショ
ンで、MHC及び共刺激分子と共に(アポトーシス小体の取り込み前のヒト単球
由来細胞の膜上には存在しない)腫瘍アポトーシス抗原を膜上に提示することを
特徴とするヒト単球由来細胞にも関する。
【0084】 「アポトーシス小体の取り込み前のヒト単球由来細胞の膜上には存在しない腫
瘍抗原及びアポトーシス抗原を膜上に提示する」という表現は、抗原のマスク解
除を可能にするアポトーシス中の膜の再組織化をさす。
【0085】 「細胞性免疫応答の誘導を可能にするコンホメーション」という表現は、T細
胞受容体との相互作用のための領域における特異的なリガンド及び受容体の刺激
性の発現をさす。
【0086】 本発明は、以下の工程を含む、アポトーシス小体を含有するヒト単球由来細胞
の調製のための方法にも関する。 −ファゴサイトーシスされたアポトーシス小体を有する単球由来細胞を得るため
の、単球由来細胞によるアポトーシス小体のファゴサイトーシスを可能にする適
切な条件での、ヒト単球由来細胞と上記のアポトーシス小体又はバンクから引き
出されたアポトーシス小体との共培養(アポトーシス小体と樹状細胞との比率は
少なくとも1) −アポトーシス小体を含有し、細胞性免疫応答の誘導を可能にするコンホメーシ
ョンで、腫瘍抗原及びアポトーシス抗原を膜上に提示する単球由来細胞を得るた
めの、アポトーシス小体の細胞内消化、並びに単球由来細胞膜上の腫瘍抗原及び
アポトーシス小体抗原の提示を可能にする適切な条件下での、先行工程で得られ
た該単球由来細胞のインキュベーション。
【0087】 共培養の有利な条件は、下記、すなわち、106〜109細胞/ml、好ましくは
108細胞/mlの単球由来細胞の存在下での、1ml当たり10μg/ml〜100μ
g/ml、又は105〜108個/ml、好ましくは107個/mlのアポトーシス小体を
含む培地、37℃で1〜24時間である。
【0088】 ファゴサイトーシスを可能にする有利な条件は下記、すなわち、RPMI中3
7℃で少なくとも4時間の共培養である。
【0089】 細胞内消化を可能にする有利な条件は、下記、すなわち、ファゴサイトーシス
のための、RPMI中37℃で4から16時間の共培養、及び抗原の消化及び提
示のための、ファゴサイトーシス後の16時間、最大96時間(最適には48か
ら72時間)である。
【0090】 有利な実施態様によれば、本発明の方法は、 −細胞保存を可能にする温度、例えば4℃でのアポトーシス小体含有単球由来細
胞の遠心分離、及び例えば自己血清を含有する等張培地への懸濁 の工程をさらに含む。
【0091】 有利な実施態様によれば、本発明の方法は、 −細胞保存を可能にする温度、例えば4℃でのアポトーシス小体含有単球由来細
胞の遠心分離、及び例えば自己血清を含有する等張培地への懸濁、及び −先行工程で得られたアポトーシス小体含有単球由来細胞の、約10℃未満の温
度での保存 の工程をさらに含む。
【0092】 有利な実施態様によれば、本発明の方法は、 −細胞保存を可能にする温度、例えば4℃でのアポトーシス小体含有単球由来細
胞の遠心分離、及び例えば自己血清を含有する等張培地への懸濁、及び −ポリエチレングリコール、グリセロール又はDMSOのような凍結保護剤の添
加を用いた、先行工程で得られた刺激されたアポトーシス小体含有単球由来細胞
の一部の、少なくとも約−80℃の温度での凍結 の工程をさらに含む。
【0093】 有利な実施態様によれば、本発明の方法において、該単球由来細胞を下記の工程
、すなわち、 −以下の方法による単球由来細胞の調製 1)血液アフェレーシス又は血液バッグ収集からの直接的な血液由来単核細胞の
回収、必要であれば、それに続く実質的部分の赤血球、顆粒球及び血小板を排除
するための遠心分離、並びに末梢血白血球の収集、 2)例えば遠心分離により、先行工程で得られた末梢血白血球を洗浄し、(血小
板、赤血球及び残骸の90%を除去し)単核細胞を得、 3)先行工程で得られた細胞を、サイトカイン及び/又は自家血清を補完するこ
とができる培地(RPMI又はIMDMタイプ)中に106〜2×107細胞/mL
で再懸濁させ、そして疎水性通気袋中で、O2/CO2雰囲気下、37℃で5〜1
0日間培養し、免疫刺激性単球由来細胞及び混入するリンパ球を得、 4)場合により目的のタンパク質をコードするDNAを組み込むことができるこ
と によって調製する。
【0094】 本発明の有利な実施態様によれば、用いられた単球由来細胞は、刺激され、そ
して下記の特性、すなわち、 1)− 下記のポリペプチド、タンパク質又は化合物、すなわち、 ・IL12、IFNγ、IL−2、MIP、GM−CSF、 ・熱ショック又はストレスタンパク質、 ・補体成分、 ・生物活性脂質、 ・ホルモン ケモカイン及びモノカインの少なくとも1つの正常単球由来細胞に比べ増加した
放出、及び −下記活性化マーカー、すなわち、 CD1a、CD11a、CD80、CD83,CD86,MHCクラスI及びM
HCクラスII分子、P55,ケモカインレセプター、ICAMのようなアドヘシ
ン若しくは免疫刺激のためのアクセサリー分子、又はCD40 の少なくとも1つの、それらの膜上での、正常単球由来細胞に比べ増加した存在
、 及び/又は、 2)単球由来細胞分裂の不在下で組み込まれている外来性核酸の少なくとも1つ
の、それらの核内での存在 を示す。このcDNAは目的のタンパク質をコードする。
【0095】 特異的にストレスを受け、それゆえ免疫刺激タンパク質又は化合物を増加した
レベルで放出せず、そして同時にその膜上にMHC及びアクセサリー分子を顕著
に増加したレベルで発現しない、発現正常単球由来細胞は、規定の培地で培養し
た単球に相当する。 グルタチオンレベルも改変する。
【0096】 単球由来細胞を例えばGM−CSF及びIL−4又はIL−13のような別の
サイトカインの存在下で精製しそして培養した血液由来単球から得ることができ
る。
【0097】 有利な実施態様によれば、活性化マーカーは、少なくとも約1000分子/細
胞の量で存在する。
【0098】 これをフローサイトメトリーによって測定することができる。
【0099】 本発明の特定の実施態様では、上記のような単球由来細胞は、それらの細胞質
中に、目的の、薬剤、タンパク質、成長因子のような所定の外来性化合物を含有
する。
【0100】 別の実施態様では、上記のような単球由来細胞は、その細胞質中に、目的のタ
ンパク質、例えばINFγ、IL−2、IL−12又は抗原をコードする外来性
DNAを含有する。
【0101】 有利な実施態様によれば、本発明に用いる刺激された単球由来細胞は、下記の
特徴、すなわち、 1)下記のポリペプチド又はタンパク質、すなわち、 ・HSP70、HSP90、GP96のような、熱ショックタンパク質又はスト
レスタンパク質、 ・IL12、IFNγ、IL−2、GM−CSF、MIPのようなケモカイン及
びモノカイン、 の少なくとも1つの、正常単球由来細胞に比べ増加した放出 及び −下記の活性化マーカー、すなわち、 CD1α、CD11a、CD80、CD83,CD86,MHCクラスI及びM
HCクラスII分子、アドヘシンすなわちICAMのような若しくは免疫刺激のた
めのアクセサリー分子、又はCD40、P55、及びケモカインレセプターの少
なくとも1つのそれらの膜上での、正常単球由来細胞に比べ増加した存在 及び/又は 2)単球由来細胞分裂の不在下で組み込まれている外来性核酸の少なくとも1つ
がそれらの核内に存在すること を示す。
【0102】 本発明の有利な実施態様によれば、該活性化マーカーは少なくとも約1000
分子/細胞の量で存在する。 これをフローサイトメトリーによって測定することができる。
【0103】 有利な実施態様によれば、上記ポリペプチド、タンパク質又は化合物は、約1
pg/細胞/時間より高率の量で存在し、そして上記活性化マーカーは、約103
〜約105分子/細胞の範囲内で存在する。 これをフローサイトメトリーによって測定することができる。
【0104】 有利な実施態様によれば、上記ポリペプチド、タンパク質又は化合物は、約1
pg/細胞/時間より高率の量で存在し、そして上記活性化マーカーは、約103
より高率の範囲内で、そして特に約103〜約105分子/細胞の範囲内で存在す
る。 これをフローサイトメトリーによって測定することができる。
【0105】 本発明で用いることができる該刺激された単球由来細胞は、単球由来細胞分裂
の不在下でそれらの核内に外来性核酸の少なくとも1つを組み込まれて有する特
徴を有することもできる。
【0106】 非ウイルス技術による細胞核内への外来性核酸の導入は、急速に分裂している
細胞内で効率的に達成することができることを注意すべきである。単球に由来す
る細胞のような非分裂細胞では、外来性核酸は小胞内又は細胞質内に内在化され
るが、極めて少量の、外来性核酸の組み込み及びコードされるペプチドの発現が
生じる(<5%)。本発明の物理的刺激は、細胞質から核へと内在化された外来
性核酸の移入を可能にし、そしてそれゆえ導入遺伝子の増加した発現を可能にす
る。
【0107】 有利な実施態様によれば、上記ポリペプチド、タンパク質又は化合物は、約1
pg/細胞/時間より高率の量で存在し、そして上記活性化マーカーは約103
約105分子/細胞の範囲内で存在する。 これをフローサイトメトリーによって測定することができる。
【0108】 有利な実施態様によれば、上記ポリペプチド、タンパク質又は化合物は、約1
pg/細胞/時間より高率の量で存在し、そして上記活性化マーカーは、約103
より高率の範囲内で、そして特に約103〜約105分子/細胞の範囲内で存在す
る。
【0109】 ポリペプチド、タンパク質又は化合物の量をELISA法によって測定するこ
とができ、そして膜活性化マーカーの数をフローサイトメトリーによって測定す
ることができる。
【0110】 上記刺激された単球由来細胞を調製するために、熱ストレス(少なくとも30
分間40℃〜50℃で加熱すること)、圧力変化(約1bar(105Pa)から0
.05barへ、又は約1barから10barへ)、マイクロ波、電気ショック(約2
50mVで約1〜約10秒)、又はエレクトロパルセーションのような物理的手段
による該単球由来細胞の刺激工程を含む方法を使うことができる。
【0111】 温度ストレス又は熱ストレスを、“ストレスタンパク質の分化誘導及びヒト食
細胞における熱ショックの機能的効果”(Polla B.S., Stubbe H., Kantengwa S
., Maridonneau-Parini I., Jacquire-Sarlin M.R. -Inflammation, 19:363-378
, 1995)にか、又は“ストレス誘導性細胞性応答”(Feige U., Morimoto R.I.,
Yahara I., Polla B.S. -BirkhaeuserVerlag (Basel, Boston, Berlin), 492p.
, 1996)に記載されているように用いる。
【0112】 マイクロ波を下記条件、すなわち、500〜750ワット(5秒〜5分)、1
〜5回反復下で用いる。
【0113】 エレクトロパルセーション(例えば、0.3〜0.8kV/cmで5ミリ秒の5〜
10方形電気波)は、核孔を通じて細胞質からの、イオンの流動、及び核酸及び
/又はタンパク質輸送の流動を可能にする。この正の流動は、パルセーション後
に停止し、そして外来性核酸が核のDNA内に組み込まれる(“血液サンプル中
の白血球の特異的電気透過化処理及び大量細胞への適用”;S. Sixou and J. Te
issie; Elsevier, Biochimica et Biophysica Acta. 1028: 154-160, 1990)。
【0114】 電気ショックを“哺乳動物細胞内の電気的フィールド介在遺伝子導入のパルス
パラメーターによる制御”(Hendrick W. et al., Biophysical Journal, Vol.
66:524-531, February 1994)に記載されているように用いる。
【0115】 下記の工程、すなわち、 −1)血液アフェレーシスからか、又は血液バッグコレクションから直接的に血
液由来単球細胞を回収し、続いて、必要ならば遠心分離によって、赤血球、顆粒
球及び血小板の実質的部分を除去し、末梢血白血球をコレクションし、 2)例えば遠心分離によって先行工程で得られた末梢血白血球を洗浄し(血小板
、赤血球及び細片の90%を除去し)、単球細胞を得、 3)先行工程で得られた細胞を、サイトカイン及び/又は自家血清を補完するこ
とができる培地(RPMI又はIMDMタイプ)中に106〜2×107細胞/mL
で再懸濁させ、そして疎水性通気袋中で、O2/CO2下、37℃で5〜10日間
培養し、免疫刺激性単球由来細胞及び混入するリンパ球を得ること による単球由来細胞の調製 4)目的のタンパク質をコードするDNAを組み込むことができる による単球由来細胞の調製 −熱ストレス(少なくとも30分間40℃〜50℃で加熱すること)、圧力変化
(約1bar(105Pa)から0.05barへ、又は約1barから10barへ)、マ
イクロ波、電気ショック(約250mVで約1〜約10秒)、又は上記特徴を誘導
するために十分な時間のエレクトロパルセーションのような物理的手段による該
単球由来細胞の刺激 を含む本発明で用いることができる、刺激された単球由来細胞の調製のための方
法。
【0116】 単球の培養及び分化の期間内の単球由来細胞と共になった混入しているリンパ
球の存在は、よりよい刺激の制御及びパラクリン細胞性相互作用による細胞回収
を可能にする。
【0117】 リンパ球は、該方法の最後に刺激された単球由来細胞から分離される。
【0118】 該単球由来細胞を、例えば、特許番号PCT/EP93/01232, WO94/26875若しくはEP
97/02703に記載されているか、又は下記、すなわち、 ・"Autologous lymphocytes prevent the death of monocytes in culture and
promote, as do GM-CSF, IL-3 and M-CSF, their differentiation into macrop
hages". (Lopez M., Martinache Ch., Canepa S., Chokri M., Scotto F., Bart
holeyns J.; J. of Immunological Methods, 159:29-38, 1993); ・"Immune therapy with macrophages: Present status and critical requirem
ents for implementation" (Bartholeyns J., Romet-Lemonne J-L., Chokri M.,
Lopez M.; Immunobiol., 195: 550-562, 1996); ・"In vitro generation of CD83+ human blood dendritic cells for active t
umor immunotherapy" (Thurnher M., Papesh C., Ramoner R., Gastlt G. et al
., Experimental Hematology, 25:232-237, 1997); ・"Dendritic cells as adjuvants for immune-mediated resistance to tumors
" (Schuler G. and Steinman R.M.; J. Exp. Med., 186: 1183-1187, 1997) に示した論文に記載されているような方法によって調製することができる。
【0119】 単球由来細胞及び混入しているリンパ球を、薬剤、タンパク質又は抗原の存在
下で、2〜24時間、該単球由来細胞及び混入している白血球を培養することに
よって、薬剤、タンパク質又は抗原を内在化するために処置することができ、こ
れらの化合物を該単球由来細胞に内在化することができる。
【0120】 特定の実施態様では、上記方法は、刺激の工程の前に、目的の、薬剤、タンパ
ク質、成長因子(例えば、飲作用、特定の凝集物の食作用、拡散によって)のよ
うな外来性化合物をか、又は目的のタンパク質をコードするDNAを(すなわち
、グリコシル化ポリリシン−DNAの取り込みを介在する糖レセプターによって
か又は脂質DNA取り込みによってDNAプラスミドを)単球由来細胞に担荷さ
せる工程を含む。次に、担荷させた単球由来細胞を上記のような物理的手段によ
って、より具体的には細胞質から核(例えばそれらをDNA内に挿入することが
できるところ)に担荷された外来性化合物の輸送を生じるエレクトロパルセーシ
ョンによって刺激する。
【0121】 有利な実施態様において、上記“刺激”方法は、刺激の工程の後に、細胞保存
が可能な温度、例えば4℃で刺激された単球由来細胞の遠心分離、及び例えば自
家血清を含む等張培地中での再懸濁の付加的工程を含む。
【0122】 別の有利な実施態様による上記“刺激”方法は、 −細胞保存を可能にする温度で刺激された単球由来細胞の遠心分離、及び例えば
自家血清を含む等張培地中での再懸濁、及び −ポリエチレングリコール、グリセロール、又はDMSO(ジメチルスルホキシ
ド)のような凍結保存剤を添加しながら、先行工程で得られた刺激された単球由
来細胞のアリコートを少なくとも−80℃の温度で凍結すること の付加的工程を刺激の工程の後に含む。
【0123】 有利な実施態様によれば、刺激された単球由来細胞の調製のための方法は、下
記の工程、すなわち、 − それらのマンノース及び/又はFcレセプターを標的とするエンドサイトー
シスによってか、又は高分子核酸凝集物の飲作用によって外来性核酸を、このよ
うに得られた単球由来細胞に担荷させること、及び − 先行工程で得られた単球由来細胞を、例えば約0.3〜約1kV/cmでの約5
ミリ秒の約1〜約10パルスのエレクトロパルセーションのような物理的ストレ
スに付すこと を含む。
【0124】 別の有利な実施態様によれば、刺激された単球由来細胞の調製のための刺激方
法は、下記工程、すなわち、 − 下記方法、すなわち、 1)血液アフェレーシスからか、又は血液バッグコレクションから直接的に血液
由来単球細胞を回収し、続いて、必要ならば遠心分離によって、赤血球、顆粒球
及び血小板の実質的部分を除去し、末梢血白血球をコレクションし、 2)例えば遠心分離によって先行工程で得られた末梢血白血球を洗浄し(血小板
、赤血球及び細片の90%を除去し)、単球細胞を得、 3)先行工程で得られた細胞を、サイトカイン及び/又は自家血清を補完するこ
とができる培地(RPMI又はIMDMタイプ)中に106〜2×107細胞/mL
で再懸濁させ、そして疎水性通気袋中で、O2/CO2雰囲気下、37℃で5〜1
0日間培養し、免疫刺激性単球由来細胞及び混入するリンパ球を得ること による単球由来細胞の調製、 − それらのマンノース及び/又はFcレセプターを標的とするエンドサイトー
シスによってか、又は高分子核酸凝集物のピノサイトーシスを、外来性核酸でこ
のように得られた単球由来細胞に担荷させること、及び − 先行工程で得られた単球由来細胞をエレクトロパルセーションのような物理
的ストレスに付し、外来性核酸の核内への移動、そして核のDNA内への組み込
みを可能にすること を含む。
【0125】 有利な実施態様によれば、上記刺激方法は、エレクトロパスセーションの後に
、細胞保存を可能にする温度、例えば4℃における刺激された単球由来細胞の遠
心分離、そして例えば自家血清を含む等張培地中での懸濁の付加的工程を含む。
【0126】 別の有利な実施態様によれば、該刺激された方法は、エレクトロパルセーショ
ンの後に、付加的工程、すなわち、 − 細胞保存を可能にする温度、例えば4℃において刺激された単球由来細胞の
遠心分離、そして例えば自家血清を含む等張培地中での懸濁、及び − ポリエチレングリコール、グリセロール又はDMSOのような凍結保護剤を
添加しながら、少なくとも−80℃の温度における先行工程で得られた刺激され
た単球由来細胞を凍結すること を含む。
【0127】 本発明は、上記のような方法によって得られたようなアポトーシス小体を含む
ヒト単球由来細胞にも関する。
【0128】 本発明は、薬学的媒体と組み合わせて、上記アポトーシス小体を含むヒト単球
由来細胞を活性物質として含有する、薬学的組成物にも関する。
【0129】 有利な実施態様によれば、本発明の薬学的組成物は、無菌注入可能な溶液の形
態である。
【0130】 本発明は、薬学的媒体と組み合わせて、上記アポトーシス小体を含むヒト単球
由来細胞を活性物質として含有する、ワクチン組成物にも関する。
【0131】 有利な実施態様では、用いられる単球由来細胞の用量は、注入による約106
〜約1010細胞(全用量)、好ましくは約107〜約108細胞である。注入を1
年の期間内に10回まで反復することができる。
【0132】 本発明は、がんの処置のための薬剤の調製のための、上記アポトーシス小体を
含有するヒト単球由来細胞の使用にも関する。
【0133】 アポトーシスの細胞は、腫瘍細胞に起源するそれらの対応抽出物に比べてより
免疫原性であり得ること、及びそれらの特異的ファゴサイトーシスが免疫システ
ムに対する抗原提示性を増強することが本発明中に示されている(下記実施例も
参照せよ)。
【0134】 抗がん処置を、患者の腫瘍バイオプシーからエクソビボで得られた自家アポト
ーシス小体を用いるワクチン接種で実現する。これらのアポトーシス小体は、ド
ナー患者から及びドナー患者のための抗がんワクチン接種で用いる自家単球由来
抗原提示細胞(MDCs)によってエクソビボでファゴサイトーシスされる。そ
れらの膜上に存在する種々の腫瘍抗原を有する種々の腫瘍タイプに特異的なアポ
トーシス小体のバンクを、特定の複数の腫瘍抗原のための情報源として構築する
こともできる。本発明の特定の実施態様では、腫瘍罹患患者の腫瘍細胞又は細胞
系のいずれかを、ワクチンすなわち目的の腫瘍抗原をコードするcDNAで形質
移入させる原料として用いる。得られたアポトーシス小体の細胞表面においてマ
スクされていない抗原に加えて、形質移入された抗原をアポトーシスの細胞によ
ってそして由来するアポトーシス小体によって今発現させる。これらのバンクの
種々のアポトーシス小体の凍結サンプルを調製し、ウイルス及び細菌の無菌性は
保証されている。マスター治療的アポトーシス小体バンクを主要ヒト腫瘍に特定
して構築する。新しい又は解凍アポトーシス小体を、等張無菌溶液に懸濁し、そ
して関連する腫瘍に対する治療的ワクチン接種目的のためインビボで直接的に注
入するか、又は単球由来細胞(MDCs)の培地に、及び特にMAK(マクロフ
ァージ活性化キラー)若しくはMAC−DC(未成熟樹状)細胞にエクソビボで
優先的に添加するのいずれかである。
【0135】 ファゴサイト認識及びアポトーシス中の無傷細胞の摂取は細胞死のプログラム
において、鍵となる事象である。マクロファージは「専門ファゴサイト(profes
sional phatocytes)」であり、アポトーシス細胞及び小体を取り除くが、他の
型の細胞もまた加わることができる。それらのファゴサイト性の機能とは別に、
マクロファージは、よく特徴づけられた抗原提示細胞(APC)である。腫瘍ア
ポトーシス小体は単球由来抗原提示細胞に特異的にファゴサイトーシスされ、そ
して処理される(図5を参照せよ)。これらの細胞は、それらの活性化に応じて
、外来抗原をT細胞に提示することができる。MDCによるアポトーシス小体の
インビボ又は好ましくはエクソビボ処理は、MDCのMHCI及びMHCII分子
上での腫瘍抗原の提示を可能にしている。アポトーシス小体はマスクされていな
い腫瘍抗原(前もって腫瘍細胞表面においてマスクされる)であり、腫瘍源に結
合することができる。アポトーシスの処理は、細胞膜の完全な状態を維持する一
方で、その相対的位置を変えることにより、この膜の有意な変更を誘導し、MD
Cはさらに非常に効果的な抗原提示細胞(APC)になるために活性化される。
これはMLRにおけるリンパ球の特異的増殖によって証明される。エクソビボで
調製され、処理されたアポトーシス小体を有するMDCは、インビボにおいて特
異的な抗腫瘍反応を誘導するために、適切な処置において凍結し、又は直接注入
することができる。
【0136】 それと共に、これらのデータは、アポトーシス性の細胞及びAPC(MDC、
MAC−DC)は、腫瘍細胞抽出物又はペプチド−APCワクチンと同等かまた
はより効果的であり得る。
【0137】 本発明の概念のスキームを以下に示す(図1)
【0138】 本発明は、アポトーシス小体が、その後効果的な抗原提示細胞に活性化される
「単球由来細胞」によってファゴサイトーシスされることの証明を利用するもの
である。この提示は、腫瘍細胞の溶解物のファゴサイトーシス後よりもアポトー
シス小体のファゴサイトーシス後の方が、より効果的である。
【0139】 後述する実施例において、ファゴサイトーシスされたアポトーシス小体を有す
る、及びラットに再注入されたラットマクロファージが、問題の腫瘍に対してそ
れらのラットを防御することが証明されている。この防御(予防ワクチン)は、
アポトーシス小体の注入後、壊死又はフラグメント化された腫瘍細胞が効力を有
しなくなったときに達成される。
【0140】 実施例: 本研究では、腫瘍ワクチンの有効性を専門の抗原提示細胞によって提示される
アポトーシスの腫瘍材料を用いて調べた。不十分な免疫性ラット結腸直腸腫瘍モ
デルを用いて、NaBut処置腫瘍細胞系のアポトーシス小体(PROb - DHD K12
/Trb)がインビトロ及びインビボで免疫応答を誘導することを示した。これらの
効果は、もとの腫瘍細胞に由来するアポトーシス小体を用いる細胞性ワクチン接
種の後(図7及び8)か、ファゴサイトーシス性マクロファージに基づく養子ワ
クチン接種によるそれらの間接的な提示の後(図9)のいずれかに生ずる。ファ
ゴサイトーシス性マクロファージを上記のように回収し、そして脾細胞と共に播
種した。共培養4日後のT細胞増殖を図6に示した。アポトーシス小体ファゴサ
イトーシス性マクロファージは、分画された腫瘍細胞をファゴサイトーシスする
マクロファージに比べてT細胞増殖をより効果的に誘導することを本発明が示し
た(図9)。
【0141】 アポトーシス小体は、ファゴサイトーシス性細胞の抗原提示能力を増大させる
。MHCクラスI及びII、及びICAM1,B7.1及びB7.2そしてシアノ
−アドヘシンのような種々の共刺激性分子の発現を調べた。
【0142】 各抗体に対する染色細胞数及び蛍光の平均は、クラスIMHC及びB7.1を
除き、アポトーシス小体のファゴサイトーシス後により高かった(下記表を参照
せよ)。
【0143】
【表1】
【0144】 表:アポトーシス小体ファゴサイトーシス性細胞の表現型。チオグリコラート
で誘導されたマクロファージを回収する2時間前に、アポトーシス小体のタンパ
ク質500μgを腹腔内に注入した。数回洗浄後、細胞を再懸濁しそしてFAC
Sによるそれらの分析24時間後まで懸濁で培養した。細胞を固定しそして染色
した。表1は染色細胞の百分率及び蛍光強度の平均を示す。
【0145】 これらの結果は、効率的APC内のマクロファージの分化が、抗原の提示に少
し前に結合した、それらの表面上のシアロ−アドヘシンの増加によって実証され
ることを示唆する27
【0146】 アポトーシス小体又は分画された細胞のそれらのファゴサイトーシスの後に、
アポトーシス小体又は抗原提示細胞のいずれかのワクチンの可能性を評価するた
めに、我々は予防接種の研究として腫瘍細胞25万細胞を皮下に注入した。アポ
トーシス小体だけが、有意な腫瘍成長を減少させた(図7)。49日後、アポト
ーシス小体ワクチン接種ラットの腫瘍サイズは、コントロール、又は腫瘍細胞溶
菌液で処置したラットに比べて2倍縮小した。このアポトーシス小体のワクチン
有効性を多面的サイトカインであるIL−2(図8)を用いてか又はマクロファ
ージによるファゴサイトーシス後に増強することができる(図9)。腫瘍罹患ラ
ットの治療的ワクチン接種は、腫瘍成長の有意な遅延を促進する部分的抗腫瘍応
答を誘導する。
【0147】 材料及び方法 1)腫瘍細胞培養物及びアポトーシスの誘導 我々の実験では、不十分な免疫原性であるラット大腸がん細胞系をEuropean C
ollection of Animal Cell Culture(DHD/K12/TRb(PEOb), Salisbury, UK)から
入手した。該細胞を、補体不活化ウシ胎児血清10%、Lグルタミン2mM、ペニ
シリン100単位/ml及びストレプトマイシン100μgを添加したRPMI1
640培地(Gibco BRL, Cergy Pontoise, France)で培養した。細胞をヘキス
ト33258ラベリングによってマイコプラズマ汚染を日常的にチェックした。
プログラム細胞死を誘導するために、細胞を10mMNaButで処理し、そして
Boisteau et alにしたがって精製した10。一時的に細胞を連続3日間処理した。
毎日、NaButを有する培地を交換し、そして浮遊細胞を除去し、次いで4℃
で保存した。 2)インビトロでのファゴサイトーシス(図5を参照せよ) マクロファージ5000000個を24ウェルプレートのRPMI培地中に播
種した。
【0148】 ファゴサイトーシスを可視化するために、マクロファージをガラススライド上
で培養しそしてアポトーシス小体をヘキスト33258で染色した。簡単には、
NaBut処理の終わりに、プールした浮遊細胞をヘキスト33258 5μg
/mlで30分間染色した。数回洗浄後、アポトーシス小体懸濁液をRPMI培地
中で100μgタンパク質/mlに調整した。マクロファージを蛍光アポトーシス
小体懸濁液中で1晩培養した。次の日、数回洗浄後、スライドをオリンパスBH
2蛍光顕微鏡を用いて観察した。
【0149】 ファゴサイトーシスを定量するため、集密腫瘍PROb細胞を上記のように、
3H〕チミジンで6時間染色し、次にNaButで3日間処理した。マクロフ
ァージを放射性アポトーシス小体で2、4、8、24、又は48時間インキュベ
ートした。数回洗浄後、マクロファージを溶解し、そしてファゴサイトーシスを
γ線シンチレーションカウンター(Beckman LS 6000 SC)でカウントするdpm
によって計測した。
【0150】 3)単球/マクロファージ活性化 予め無菌Brewer's チオグリコラート(Difco)5mlを腹腔内投与したBDIX
ラットの腹腔内をマクロファージを冷却PBSで洗浄することによって回収した
。簡単には、上記のように、腹腔滲出細胞を遠心分離し、冷却PBSで洗浄し、
RPMI培地に懸濁した。
【0151】 4)インビボでのファゴサイトーシス 腹腔内のアポトーシス小体のマクロファージファゴサイトーシスを可視化する
ために、我々は製造者が記載しているように細胞リンカーPKH26−GLを用
いてアポトーシス小体を染色した。
【0152】 5)フローサイトメトリー分析(表1のデータ) アポトーシス小体ファゴサイトーシス後のマクロファージの提示能力を分析す
るために、製造者が記載しているように、マクロファージをPolyMA10mg/mlで
コートした6ウェルプレートに播種した。細胞をRPMI培地のみでか又はアポ
トーシス小体(100μgタンパク質相当量)を含有する培地で1晩培養した。
次の日、マクロファージを洗浄し染色した。
【0153】 フロサイトメトリー分析のためのラットmAbはOX17(anti-CMHII、Sero
tec, France)、OX18(anti-CMHI, Serotec, France)、ED3(anti-sial
oadhesin, Serotec, France)、OX−41(anti-macrophage, Serotec, Franc
e)、3H5及び24F(H. Yagita博士(順天堂大学、東京)より供与された、
それぞれanti-CD80 and CD86)。
【0154】 細胞外染色のため、マクロファージをホルムアルデヒドを用いて室温で15分
間固定し、次にBSA0.1%を含有するPBSで2度洗浄した。細胞をPBS
/BSAで2:100に希釈したラット血清を用いて室温で30分間浸させた。
細胞を洗浄し、そして96ウェルV底プレートに1ウェル当たり250000細
胞で播種した。細胞をPBS/BSAで希釈したmAbとともに37℃で30分
間インキュベートした。数回洗浄後、固定したmAbをFITC(Serotec, Fra
nce)を結合した抗マウスIgG抗体を用いて検出した。染色の終わりに、細胞
を0.1%PBS/BSAに懸濁しそしてFACSan(Becton Dickinson)で
分析した。
【0155】 細胞内分析のため、上記のように、マクロファージを固定し、浸漬した。次に
、これらをサポニン0.1%を含有する0.1%PBS/BSAで洗浄した。細
胞をサポニン0.1%を含有する溶液中で上記で行ったように染色した。分析前
に、マクロファー所を0.1%PBS/BSAに懸濁した。
【0156】 6)リンパ球活性化(図6を参照せよ) − T細胞増殖 BDIXラット脾細胞を吸引除去し、そして脾細胞をRPMI培地(Gibco, C
ergy Pontoise, France)を用いる灌流によって抽出した。続いて、脾リンパ球
を20℃で30分間500×gでの遠心分離によるFicoll Hypaque勾配(Serome
d)で単離した。この細胞を培地で2回洗浄し、そして培地中に1×106/mlで
懸濁した。上記のように単離した2000細胞のマクロファージをアポトーシス
小体又は腫瘍細胞100μgで、96ウェル平底プレート内で1晩処理した。数
回洗浄後、T脾細胞10000細胞を加えた。3日間の共培養後、増殖活性を液
体シンチレーション計数によって測定しながら、DNA内への〔3H〕チミジン
(0.5μCi/ウェル)の取り込みを18時間にわたって測定した。各実験に
包含されたコントロールはマクロファージ単独又はT細胞単独である。
【0157】 7)免疫療法 BDIXラットは我々の研究室の近交系である。 − アポトーシス小体を用いるワクチン療法 2月齢ラット(群当たり6匹)を、放射腫瘍細胞(160グレイ)若しくは分
画腫瘍細胞のタンパク質100μgを含有するRPMI250μlを用いてか、又
はNa−But処理したPROb細胞のアポトーシス小体100μgを用いて合
計4回のワクチン接種のための、毎週のワクチン接種によって皮下に免疫化した
(図7を参照せよ)。サイトカインを併用した処理のために、ワクチン接種にI
L−2の1000IU(Chiron, France)の皮下投与を加えた(図8を参照せよ)
。処理終了1週間後に、上記のようにラットに腫瘍細胞2.5×105細胞を皮
下投与し、
【0158】 − 活性化マクロファージを用いる養子免疫療法 マクロファージを、上記のように、予め無菌Brewer's チオグリコラート(Dif
co)5mlを腹腔内投与したBDIXラット腹腔内を、冷却PBSを用いて洗浄す
ることによって回収した。マクロファージ抽出2時間前に、分画された腫瘍細胞
のタンパク質又はNaBut処理された腫瘍細胞のアポトーシス小体500μg
を含む等張バッファー1mlを腹腔内に注入した。マクロファージを上記のように
回収し、そして最終濃度50万細胞/mlでRPMI培地に懸濁した。マクロファ
ージを、製造者の記載しているように、ポリ(2−ヒトロキシ−エチルメタクリ
ラート)(Sigma, France)でコートしたP6p内で培養した。INFγ(15
0IU/ml)を培養物に1晩加えた。次の日、マクロファージを4℃で1時間にわ
たってPBS/EDTA10mMと共にインキュベートし、そして4℃で10分間
、500×gで遠心分離した。マクロファージを冷却PBSに懸濁し、そして5
00万細胞/mlに調整した。懸濁液100μlをラットの足の裏に注入した。
【0159】 ラット6匹の5群が、放射アポトーシス小体、PBS単独、マクロファージ単
独、又はファゴサイトースされたアポトーシス小体若しくは腫瘍細胞を有するマ
クロファージの足裏注入を3週間受けた。処置ラットは、もとの生存腫瘍細胞2
.5×105細胞の単回皮下注入を、最後の免疫化1週間後に受けた(図9を参
照せよ)。ファゴサイトーシスされたアポトーシス小体を有するマクロファージ
が最も効果的なワクチンであった。
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【図面の簡単な説明】
【図1】 組み込まれたアポトーシス小体を有する単球由来細胞の図式的な調製工程及び
働きを表したものである。 1)ヒト腫瘍又は腫瘍細胞(CCで示した)をアポトーシスになるように処理
する;アポトーシス小体(ABで示した)を単離する、 2)それらをヒト血液単球由来細胞(MDCで示した)(単球由来細胞、マク
ロファージ又は未成熟樹状細胞)の存在下で培養する、 3)単球由来細胞は、アポトーシス小体をファゴサイトーシスし、プロセスし
て、刺激される、 4)それらは、それらの表面に腫瘍抗原を提示する、 5)それらは、ヒトTリンパ球(TLで示した)の活性化及び増殖を誘導する
、 6)得られた細胞傷害性リンパ球は、元のヒト腫瘍細胞を破壊する潜在的能力
を有する。
【図2A】 図2Aは、NaBut中で3日間処理された腫瘍分子の経過を示し、特異的染
色によりアポトーシス性腫瘍細胞を表している。 腫瘍細胞の小塊は、アポトーシス性であるが、周辺は、連結する組織からの繊
維芽細胞を含んでいないことに気付くであろう。 (1)は、腫瘍のがん細胞の小塊に相当し、 (2)は、連結する組織に相当し、 (3)及び(4)は、腫瘍フラグメント中の小塊に相当する。
【図2B】 図2Bは、NaBut3日後のヒト結腸の培地中に自然的に放出された浮遊細
胞の構造的観測に相当する。 5mMで3日間のNaBut処理された培地をHoechst 33258で染色し
、記載したU.V蛍光顕微鏡で評価した。完全な細胞膜を維持している、クロマ
チン凝集(→)は、アポトーシスプロセスにおけるDNAの構造的マーカーであ
る〔×250〕。
【図2C】 図2Cは、NaBut3日後のラット腫瘍細胞株の培地中に自然的に放出され
た浮遊細胞の構造的観測に相当する。 5mMで3日間のNaBut処理された培地をHoechst 33258で染色し、
記載したU.V蛍光顕微鏡で評価した。完全な細胞膜を維持している、クロマチ
ン凝集(→)は、アポトーシスプロセスにおけるDNAの構造的マーカーである
〔×250〕。
【図3A】 分化剤(NaBut)で処理した後の、及び培地中に3日後に放出された細胞
中で起きているアポトーシスを示す電子顕微鏡可視化像を表す。印をつけた、細
胞質の濃縮は、アポトーシス小体を形成する細胞上でのオルガネラ及び小胞の完
全性の維持と共に気付かれる。 図3Aにおいては、上部左側に壊死細胞がみられ、一方下部右側にアポトーシ
ス細胞がみられる。 (1)は、壊死細胞に相当し、(2)は、アポトーシス細胞に相当する。
【図3B】 図3Bは、アポトーシス細胞を高倍率(×3000)にしたものに相当する。
【図4A】 NaBut処理又は血清欠乏状態の3日後の、培養した細胞から単離したDN
A(図4A)又は培養した腫瘍フラグメント(図4B)の電気泳動パターンに相
当する。これは、アポトーシスの存在の指標であるDNA分解のヌクレオソーム
間パターンを説明する。 図4Aにおいて、(1)はアポトーシス細胞のDNAに、(2)は壊死細胞の
DNAに相当する。
【図4B】 NaBut処理又は血清欠乏状態の3日後の、培養した細胞から単離したDN
A(図4A)又は培養した腫瘍フラグメント(図4B)の電気泳動パターンに相
当する。これは、アポトーシスの存在の指標であるDNA分解のヌクレオソーム
間パターンを説明する。
【図5】 粘着性単球由来細胞によるエキソビボファゴサイトーシスされたアポトーシス
小体の運動論を表す。培養細胞のアポトーシスプロセスの誘導前は、それらは3
H−チミジンの存在下に24時間維持された。アポトーシスはNaBut処理に
よって誘導した。浮遊アポトーシス細胞は、異なる回数に渡って、プールされ、
単球由来細胞上に播種した。数回洗浄した後、単球由来細胞を溶解し、放射能を
測定した。
【図6】 実験の初めだけに培地に混合される、増加する用量のIL−2での96時間の
刺激後のT細胞の増殖を表す。脾臓細胞は、アポトーシス小体又はフラグメント
化した細胞をファゴサイトーシスしているマクロファージの存在下においてイン
キュベートした。この実験のために、コントロールは、単独で又はファゴサイト
ーシスしているマクロファージなしで培養したリンパ球である(固定化細胞)。
T細胞の増殖は、培養の最後の18時間の3H−チミジン体内化(縦軸はdpmに
よる放射能を示す)によって解析した。 横軸は、IL−2の濃度を単位/mlで示す: 丸印の曲線は、マクロファージ+アポトーシス小体を示し、 太字十字印の曲線は、マクロファージ単独を示し、 十字印の曲線は、コントロールを示し、 三角印の曲線は、マクロファージ+細胞抽出物を示す。
【図7】 死亡腫瘍細胞又はNaButで処理した腫瘍細胞からのアポトーシス小体を用
いたワクチン治療の結果を示す。 4つの曲線はそれぞれ以下に相当する:(+)コントロール;(中抜き四角)
アポトーシス小体;(中抜きひし形)放射線照射コントロール細胞;(塗りつぶ
しひし形)溶解した細胞。 縦軸は、mm3で示した自然腫瘍成長に相当する。 横軸は、腫瘍細胞注入後日数に相当する。
【図8】 抗腫瘍ワクチン処理においてアポトーシス小体とIL−2の組み合わせで得ら
れた結果を示す。(+)コントロール;(中抜き四角)アポトーシス小体でのワ
クチン処理又は(塗りつぶし四角)アポトーシス小体/IL−2組み合わせ、後
の腫瘍成長。 縦軸は、mmで示した、皮下腫瘍成長に相当する。 横軸は、腫瘍細胞注入後日数に相当する。
【図9】 応用免疫治療で得られた結果を示す:(中抜き丸)マクロファージ、(中抜き
四角)アポトーシス小体、又は(塗りつぶし丸)マクロファージによってファゴ
サイトーシスされたアポトーシス小体、でのワクチン処理の効果。(+)コント
ロール。ワクチンは、ラットのフットパッド内に注射し、リンパ球系に直接流し
た。 縦軸は、mm3で示した、腫瘍成長に相当する。 横軸は、腫瘍細胞注入後日数に相当する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW (71)出願人 イ・デ・エム・イミュノ−デジネ・モレキ ュル I.D.M.IMMUNO−DESIGN ED MOLECULES フランス国、エフ−75011 パリ、リュ・ ドゥ・シャロン、172 (72)発明者 グレゴワル,マール フランス国、エフ−44300 ナント、リ ュ・ゴーディニエル 40 (72)発明者 バルトラン,ジャック フランス国、エフ−91440 ビュレ−シュ ール−イベット、リュ・デュ・ロイヨーム 10 Fターム(参考) 4B065 AA94X CA45 4C085 AA03 BB01 DD22 DD23 GG01 4C087 AA01 DA18 MA02 NA05 ZB26

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 患者の腫瘍バイオプシーから回収され、そしてアポトーシス
    へ誘導されるヒト腫瘍細胞に由来するアポトーシス小体(ここで、該アポトーシ
    ス小体は、下記特徴、すなわち、 − それらが、細胞膜完全性を維持しており、 − それらが、約0.1μmを超える、特に約0.5μmを超える小胞であり、 − それらが、腫瘍細胞を起源とする、無傷のミトコンドリア及び切断された核
    のDNAを含有し、 − それらが、マスクされていない腫瘍抗原を提示し、 − それらが、患者の特定の腫瘍及びMHC抗原を提示する を有する)。
  2. 【請求項2】 切断された核のDNAが、複数の180〜200塩基対に切
    断されている、請求項1記載のアポトーシス小体。
  3. 【請求項3】 実質的に純粋な形態の、請求項1記載のアポトーシス小体。
  4. 【請求項4】 それらの膜上に特定のアポトーシスマーカーを提示している
    、請求項1〜3のアポトーシス小体。
  5. 【請求項5】 該マーカーが、下記の群、すなわち、 − アネキシンによって認識される外側膜上のホスファチジルセリン基、 − 膜上のシアロアドヘシン、 − 複数の180〜200塩基対のDNA含有物 から選択される、請求項4記載のアポトーシス小体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項記載の凍結又は凍結乾燥アポト
    ーシス小体のセットからなり、そして種々の患者を起源とするアポトーシス小体
    バンク。
  7. 【請求項7】 アポトーシス小体が、種々の腫瘍タイプ及び/又は種々のヒ
    ト腫瘍細胞系及び/又は種々の患者を起源とする、請求項6記載のアポトーシス
    小体バンク。
  8. 【請求項8】 下記工程、すなわち、 − バイオプシーからの腫瘍フラグメント又は腫瘍細胞の懸濁液の調製、 − アポトーシス小体を得るためのアポトーシスを誘導する手段を用いる腫瘍フ
    ラグメント又は腫瘍細胞の該懸濁液の処置 を含む、患者の腫瘍バイオプシーからのアポトーシス小体の調製方法。
  9. 【請求項9】 該アポトーシスを誘導する手段が、化学的作用因又はリガン
    ド又はTGFβもしくはTNFαのような成長因子である、請求項8記載の方法
  10. 【請求項10】 化学的作用因が、ブチラート誘導体、スタウロスポリン、
    スリンダク誘導体、炎症性サイトカイン、グルココルチコイド又は抗新生物性ヌ
    クレオシドアナログのような分化剤である、請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 アポトーシスを誘導する手段が、物理的作用因である、請
    求項8記載の方法。
  12. 【請求項12】 物理的作用因が、下記手段、すなわち、イオン化、例えば
    γ線照射、UV照射、熱ショック、又は血清飢餓のようなストレス、あるいは該
    手段の組合わせの中から選択される、請求項8記載の方法。
  13. 【請求項13】 アポトーシスを誘導する手段が、物理的及び化学的作用因
    である、請求項8記載の方法。
  14. 【請求項14】 − 腫瘍フラグメントからか、又はアポトーシスを受けた
    腫瘍細胞からのアポトーシス小体の回収、 − 特に水簸によって遠心分離し、アポトーシス小体の濃縮物を得ること によるアポトーシス小体の精製の付加的工程を含む、請求項8〜13いずれか1
    項記載の方法。
  15. 【請求項15】 下記工程、すなわち、 − 予め不要な組織を除去し、そして切り刻まれる、目的の抗原又はタンパク質
    をコードするDNAを組み込むことができる、腫瘍バイオプシーの腫瘍フラグメ
    ント又は腫瘍細胞懸濁液の調製、 − アポトーシスを誘導する手段を用いる腫瘍フラグメント又は腫瘍細胞の該懸
    濁液の処置(ここで、該処置を少なくとも5日間反復する)及び日毎の上清の収
    集、回収及び上清をプールすること、 − 該上清、及び適切な培地中の、遠心分離から得たペレットの懸濁液を含有す
    る培地の遠心分離、 − 上記の培地からの上清の回収、及び該上清を遠心分離しアポトーシス小体を
    得ること、 − アポトーシス小体の懸濁液の遠心分離、特に、約0.1μmを超える、特に
    約0.5μmを超える無傷の小胞からなるアポトーシス小体の集団の水簸 を含む、患者の腫瘍バイオプシーからのアポトーシス小体の調製のための、請求
    項8〜14いずれか1項記載の方法。
  16. 【請求項16】 アポトーシス小体の濃縮物が、適切な培地に再懸濁され、
    そして約4℃〜約10℃に保たれるか、又は約−80℃若しくは約−80℃未満
    で凍結されるか、又は凍結乾燥される、請求項15記載の方法。
  17. 【請求項17】 アポトーシスの誘導が、酪酸ナトリウム又は硫化スリンダ
    クで行われる、請求項8〜15いずれか1項記載のアポトーシス小体の調製方法
  18. 【請求項18】 アポトーシスの誘導が、UVで行われる、請求項8〜15
    いずれか1項記載のアポトーシス小体の調製方法。
  19. 【請求項19】 アポトーシスの誘導が、熱ショックで行われる、請求項8
    〜15いずれか1項記載のアポトーシス小体の調製方法。
  20. 【請求項20】 アポトーシスの誘導が、γ線照射で行われる、請求項8〜
    15いずれか1項記載のアポトーシス小体の調製方法。
  21. 【請求項21】 請求項8〜20いずれか1項記載の方法によって得られる
    ようなアポトーシス小体。
  22. 【請求項22】 薬学的に適切な媒体と組み合わせて、請求項1〜5いずれ
    か1項記載のアポトーシス小体、又は請求項6又は7記載のバンクから引き出さ
    れたアポトーシス小体を活性物質として含有する薬学的組成物。
  23. 【請求項23】 無菌の注入可能な溶液の形態である、請求項22記載の薬
    学的組成物。
  24. 【請求項24】 請求項1〜5いずれか1項記載のアポトーシス小体、又は
    請求項6又は7記載のバンクから引き出されたアポトーシス小体を活性物質とし
    て含有するワクチン。
  25. 【請求項25】 請求項1〜5いずれか1項記載のアポトーシス小体、又は
    請求項6又は7記載のバンクから引き出されたアポトーシス小体の、がんの処置
    のための薬剤の調製のための使用。
  26. 【請求項26】 請求項1〜4いずれか1項記載の組み込まれたアポトーシ
    ス小体、又は請求項6又は7記載のバンクから引き出されたアポトーシス小体を
    有し、そしてそれらが刺激され、そしてそれらが細胞性免疫応答の誘導を可能に
    するコンホメーションで、MHC及び共刺激分子と共に、腫瘍特異的抗原及びマ
    スクされていない抗原(ここで、これらは、アポトーシス小体の組み込み前には
    ヒト単球由来細胞に存在しない)をそれらの膜上に提示するヒト単球由来細胞。
  27. 【請求項27】 工程、すなわち、 − 単球由来細胞によるアポトーシス小体のファゴサイトーシスを可能にする適
    切な条件で、ヒト単球由来細胞と、請求項1〜5いずれか1項記載のアポトーシ
    ス小体、又は請求項6若しくは7記載のバンクから引き出されたアポトーシス小
    体とを共培養し(ここで、アポトーシス小体と樹状細胞の比率は少なくとも1で
    ある)、ファゴサイトーシスされたアポトーシス小体を有する細胞由来の単球を
    得ること、 − アポトーシス小体の細胞内消化、及び単球に由来する細胞膜上の、腫瘍及び
    マスクされていない抗原の提示を可能にする適切な条件下で、先行工程で得られ
    た該単球由来細胞をインキュベーションし、アポトーシス小体を含みそして細胞
    性免疫応答の誘導を可能にするコンホメーションでその膜上に腫瘍及びマスクさ
    れていない抗原を提示する刺激された単球由来細胞を得ること を含むアポトーシス小体を含有するヒト単球由来細胞の調製方法。
  28. 【請求項28】 付加的工程、すなわち、 − 細胞保存を可能にする温度、例えば4℃で、アポトーシス小体を含有する単
    球由来細胞の遠心分離、そして例えば自家血清を含有する等張培地中での再懸濁
    を含む、請求項27記載の方法。
  29. 【請求項29】 付加的工程、すなわち、 − 細胞保存を可能にする温度、例えば4℃で、アポトーシス小体を含有する単
    球由来細胞の遠心分離、そして例えば自家血清を含有する等張培地中での再懸濁
    、及び − 約10℃未満の温度での先行工程で得られたアポトーシス小体を含有する単
    球由来細胞の保存 を含む、請求項27記載の方法。
  30. 【請求項30】 付加的工程、すなわち、 − 細胞保存を可能にする温度、例えば4℃で、アポトーシス小体を含有する単
    球由来細胞の遠心分離、そして例えば自家血清を含有する等張培地中での再懸濁
    、及び − ポリエチレングリコール、グリセロールもしくはDMSOのような凍結保存
    剤を加えて、約−80℃又は−80℃未満の温度で、先行工程で得られたアポト
    ーシス小体を含有する刺激された単球由来細胞のアリコートを凍結すること を含む、請求項27記載の方法。
  31. 【請求項31】 該単球由来細胞が、下記工程、すなわち、 − 下記方法、すなわち、 1)血液アフェレーシスからか、又は血液バッグコレクションから直接的に血液
    由来単球細胞を回収し、続いて、必要ならば遠心分離によって、赤血球、顆粒球
    及び血小板の実質的部分を除去し、末梢血白血球をコレクションし、 2)例えば遠心分離によって、先行工程で得られた末梢血白血球を洗浄し(血小
    板、赤血球及び細片の90%を除去し)、単球細胞を得、 3)先行工程で得られた細胞を、サイトカイン及び/又は自家血清を補完するこ
    とができる培地(RPMI又はIMDMタイプ)中に106〜2×107細胞/mL
    で再懸濁させ、そして疎水性通気袋中で、O2/CO2雰囲気下、37℃で5〜1
    0日間培養し、免疫刺激性単球由来細胞及び混入するリンパ球を得、 4)場合により目的のタンパク質をコードするDNAを組み込むことができる による単球由来細胞の調製 によって調製された、請求項27〜30いずれか1項記載の方法。
  32. 【請求項32】 請求項27〜31いずれか1項記載の方法によって得られ
    るようなアポトーシス小体を含有するヒト単球由来細胞。
  33. 【請求項33】 薬学的担体と組み合わせて、請求項26記載のアポトーシ
    ス小体を含有するヒト単球由来細胞を活性物質として含有する、薬学的組成物。
  34. 【請求項34】 無菌の注入可能な溶液の形態の、請求項33記載の薬学的
    組成物。
  35. 【請求項35】 薬学的担体と組み合わせて、請求項26記載のアポトーシ
    ス小体を含有するヒト単球由来細胞を活性物質として含有する、ワクチン組成物
  36. 【請求項36】 がんの処置のための薬剤の調製のための、請求項26記載
    のアポトーシス小体を含有するヒト単球由来細胞の使用。
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