JP2002513747A - ヘモグロビン−ハプトグロビン複合体 - Google Patents

ヘモグロビン−ハプトグロビン複合体

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Abstract

(57)【要約】 ヘモグロビンの構築物複合体、ヘモグロビンに結合した肝細胞修飾物質、およびヘモグロビンに結合したヘパトグロビンが、哺乳類患者への投与のために提供される。構築物複合体をエクスビボで形成することもでき、またはヘモグロビン−肝細胞修飾物質の組み合わせを患者に投与し、哺乳類体内のヘパトグロビンがそれに結合して、インビボで構築物複合体を形成することもできる。本明細書に記載の構築物複合体を用いて、肝疾患を診断および治療することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、蛋白質複合体および医学的応用におけるその使用に関する。より具
体的には、本発明は、体の特定の部分および/または臓器に対する治療作用を有
する、薬物、遺伝子、その他などの治療用物質とのヘモグロビン化合物の複合体
、ならびにそのような複合体を体の特定の部分および臓器を標的として送る手段
に関する。同様に、撮像剤などの診断用物質とのヘモグロビンの複合体も本発明
の範囲内である。
【0002】 発明の背景および従来技術 ヘモグロビンおよび修飾ヘモグロビンの薬物送達手段としての使用が以前に提
唱されている。赤血球の本来の成分としてのヘモグロビンは、体全体に比較的大
量に存在して循環しており、はっきりと確認された生体容認性と、薬物を体全体
に送達する可能性とを有している。
【0003】 したがって、Klugerらは米国特許第5399671号において、ヘモグ
ロビン化合物の4量体構造の分子内安定性を得るために架橋されているが、送達
するための薬物が共有結合できる官能性残基をクロスリンカー残基上に含むヘモ
グロビン化合物を記載している。
【0004】 Andersonらは米国特許第5679777号において、ヘモグロビン化
合物とポリペプチド薬物との複合体を記載しており、この複合体においてポリペ
プチド薬物は、グロビン鎖に固有の、または遺伝子工学的に導入されたシステイ
ンユニットへのジスルフィド結合を介して、グロビン鎖に結合されている。
【0005】 ハプトグロビン(Hp)は、血清糖蛋白質の α2−グロビンファミリーの一部
を構成している。ハプトグロビンは哺乳類の血漿中に存在し、ヒト血漿の α2
グロブリン画分の約4分の1を占める。個人はそれぞれ、緊密な構造的・化学的
同一性を持つ、ハプトグロビンの3つの表現型の1つを有している。ハプトグロ
ビンは複数のαβ2量体からなり、表現型は通常Hp1−1、Hp2−1、およ
びHp2−2と表される。β鎖はすべてのハプトグロビン表現型で等しいが、α
鎖は異なる(α1 およびα2 )。すべての鎖のアミノ酸配列が知られている。H
p1−1は2つの α1β2量体からなり、分子量約98kDaである。Hp2−
1およびHp2−2の構造は次のとおりに書くことができる:それぞれ、(α1β
)22β)n、ただしn=0、1、2、・・・および(α2β)m、ただしm=3、4
、5、・・・。
【0006】 主に身体の1つの部分または1つの臓器に影響をおよぼす疾患または障害を患
う患者への薬物送達は、治療を必要とする部分または臓器を高特異的に標的とす
る送達法を選択することによって、最もうまく達成される。そのような送達シス
テムは、活性薬物を最も効果的に利用して、必要な用量レベルを低下させ、薬物
の副作用を低下させる。
【0007】 ハプトグロビンの1つの機能は、赤血球の溶解から生じる細胞外ヘモグロビン
を結合し、肝臓の肝細胞上の特異的受容体によって認識される、本質的に不可逆
的なハプトグロビン−ヘモグロビン複合体を形成することである。このようにし
て、ヘモグロビンは肝臓を標的として送られ、代謝を受ける。
【0008】 遺伝子および遺伝子産物の調節および操作は、様々な疾患および遺伝的障害の
治療のための強力な手段となる可能性がある。細胞に特別に導入されているとき
、遺伝子はそれがコードする治療用生体分子を発現するために宿主細胞の生合成
装置を利用することができる。遺伝子治療を成功させるためには、インビボでの
遺伝子送達の有効な方法を考案しなければならない。最近開発されたそのような
技法の一つに、受容体仲介送達がある。これは、標的受容体を発現する細胞に、
高特異的に送達されるという利点を有している。
【0009】 低分子量の治療薬および診断薬の組織への特異的ターゲティング(targeting)
は、受容体仲介送達の利用によりおおいに強化される。蛍光または放射性同位体
標識された物質などの診断薬を標的受容体のリガンドとの複合体として投与する
と、それら標的受容体を有する細胞の位置と量が示される。これらの複合体は、
培養中の細胞における受容体の結合および輸送特性を特徴付ける際にも有用であ
る。このような情報は、インビトロまたはインビボのいずれにおいても、認識さ
れる細胞を含む組織の検出および/またはその治療設計において有用である。
【0010】 発明の概要 本発明の目的は、治療上活性な物質または診断薬とのヘモグロビン−ハプトグ
ロビン複合体の受容体を有する肝細胞または他の細胞の特異的ターゲティングの
ための手段および組成物を提供することである。
【0011】 本発明のさらに別の目的は、インビボで、哺乳類患者の肝臓に対して有益な効
果を発揮するように選択された物質と、肝細胞を特異的に標的とする物質との新
規な複合体を提供することである。
【0012】 本発明は、肝細胞修飾剤が結合しているハプトグロビン−ヘモグロビン構築物
複合体について記載する。このようなハプトグロビン−ヘモグロビン構築物複合
体は、特定の肝細胞修飾剤(薬物、診断薬、撮像化合物、その他)を肝臓、およ
び適当なヘモグロビン−ハプトグロビン受容体を有する他の細胞に送達するため
に、結合した薬剤のための有効な肝細胞ターゲティング媒体としてはたらく。
【0013】 「構築物複合体」という表現は、本明細書では生物活性のある治療薬または診
断薬が結合しているヘモグロビンとハプトグロビンとの組み合わせを指すために
用いられる。本発明は、ヘモグロビン化合物、ハプトグロビン、および薬物、診
断薬または遺伝子などの興味対象となる肝細胞修飾物質からなる構築物複合体を
提供する。本発明の1つの態様において、構築物複合体を生体外で調製し、次い
で患者に投与する。別の態様において、ヘモグロビン−肝細胞修飾物の複合体を
体外で調製し、患者に投与し、患者の血清中に本来存在するハプトグロビンとハ
プトグロビン−ヘモグロビン−肝細胞修飾物質の構築物複合体を形成する。さら
に別の態様において、ヘモグロビン−肝細胞修飾物質−構築物複合体の投与前、
投与中、または投与後のいずれかに、知られている手法のハプトグロビン投与に
よって患者のハプトグロビンレベルを補足することができる。いずれの場合にも
、構築物複合体は、そのハプトグロビンおよびヘモグロビン部分の存在によって
、リガンドとして肝細胞受容体に特異的に標的を定め、結合する。
【0014】 エクスビボまたはインビボのいずれかで形成された本発明の構築物複合体は、
Hb−Hp複合体の受容体を有するいかなる細胞も標的とし、これは原発性肝細
胞癌から生じた転移も含む。このような癌は全身に分布し、サイズが小さいため
、転移を特定して治療することは、通常困難である。このような受容体を有する
二次肝転移、すなわち肝臓外の肝細胞癌細胞も、肝臓の細胞と同様に、本発明の
構築物複合体によって標的とされ、本明細書において用いられる用語の「肝細胞
」とみなされるべきである。
【0015】 さらに、本発明の構築物複合体は、肝細胞修飾物質が、例えば、隣接する細胞
に対し、それらが肝細胞ではなくても活性を有する薬物である場合、隣接する細
胞にも有益な効果を発揮することができる。また、構築物複合体は、肝細胞修飾
のために他の方法で送達された、プロドラッグ、酵素、もしくは酵素をコードし
、効果を引き出すために活性化を必要とする遺伝子などの、他の治療薬または診
断薬の活性を調節または開始させることができる。肝細胞の修飾または他の薬剤
もしくは細胞に対する効果を引き起こすこのような作用をもたらす薬剤は、本発
明の肝細胞修飾剤である。
【0016】 本発明の構築物複合体は、一般には下記の式によって表すことができる: (Hp)a − (Hb)b − (Lc−Ad)e 式中、a=1〜約10であり; b=0.5〜約10であり; c=0〜約10であり; d=1〜約20であり; e=1〜約20であり; Hpは本明細書に記載のハプトグロビンであり; Hbは本明細書に記載のヘモグロビンであり; Lは本明細書に記載のリンカーであり;かつ Aは本明細書に記載の肝細胞修飾剤であり、 複合体中のHpのHbに対する化学量論は、2つの蛋白質上にある結合部位の利
用可能な数によって規定されるが、一般にはおよそ1:05〜1:2程度である
【0017】 好ましい実施形態の説明 広範囲の肝細胞修飾物質を、本発明の複合体において用いることができる。こ
れらは、肝細胞と相互作用可能で、その結果、肝臓においてインビボで作用可能
な、治療薬、診断薬、マーカーまたはこれらに類するものでありうる。これらは
、正常な肝臓の細胞または転移を経たそのような細胞の治療のために設計するこ
とができる。したがって、肝細胞修飾物質は、抗新生物物質(例えば、ドキソル
ビシン、ダウノルビシン、リシン、ジフテリア毒素、ジフテリア毒素A)、抗ウ
イルス物質(例えば、アラ−AMP、トリフルオロチミジン、インターフェロン
、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リバビリン、シタラビン、アシクロビル、
ジドノシン、ビダラビン、アデフォビル、ザルシタビン、ラミブジン、フィアル
ブリジン、および他のヌクレオシド類縁体)、抗炎症物質、抗寄生虫物質、抗菌
物質、抗酸化物質、肝防護薬、撮像および診断薬、遺伝子療法を達成するための
核酸およびその化合物、脂質を代謝させる薬剤、抗毒物、蛋白質、酵素、酵素お
よびプロドラッグの組み合わせ、ならびにこれらに類するものでありうる。
【0018】 本発明の構築物複合体において有用な診断薬の例には、放射性同位元素で標識
したリジンおよびプトレッシン、ならびに蛍光化合物のモノダンシルカダベリン
およびフルオレセインが含まれる。低分子量の治療薬を選択的に細胞に向け、非
標的組織での副作用および血管クリアランスを最小にすることもできる。本明細
書における治療薬の例には、細胞成長および活性のモジュレーターであるプトレ
ッシンと、抗マラリア物質であるプリマキンとが含まれる。
【0019】 より具体的には、本明細書の構築物複合体において用いることができる肝細胞
修飾物質には、慢性肝損傷から肝硬変への動的プロセスである肝線維症を治療ま
たは予防するための薬剤、ならびにウイルス性肝炎やアルコール性および潜源性
肝疾患を含む他の慢性肝障害を治療または予防するための薬剤が含まれる。これ
らの肝細胞修飾物質には、S−アデノシル−L−メチオニン、プロスタグランジ
ンE1、E2、I2およびその類縁体、コルヒチン、ならびにシリマリンなどの
細胞防護薬が含まれ、これらはすべて肝臓の損傷からの防護において効果的で、
抗線維形成特性を有することが示されている。本発明の範囲内の肝細胞修飾物質
である、他の肝臓防護物質には、グルタチオン、SA 3443(環状二硫化物
)、S−アデノシルメチオニン、スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、
α−トコフェロール、ビタミンC、デフェロキサミン、(+)シアニダノール−
3、マンニトール、トリプトファン、パンテテイン、パントテン酸、シスタミン
、システイン、アセチルシステイン、フォリン酸、ウリジンモノリン酸、硫酸亜
鉛、シザンドリンBおよびコプシニンなどのフリーラジカル捕捉剤/抗過酸化剤
;前述のプロスタグランジンおよびその類縁体ジメチルPGE、ミソプロストー
ルおよびエニソプロスト、ならびにプロスタサイクリンPGI2およびその類縁
体イロプロストなどのリポキシゲナーゼ阻害剤;トリフルオロペラジン、ベラパ
ミル、ニフェジピンおよび関連のジヒドロピリジン化合物、ならびにジルチアゼ
ムなどのカルシウムチャネル遮断薬;プロテイナーゼ阻害剤;心房性ナトリウム
排泄増加ペプチ; α2−マクロフェトプロテイン;合成直鎖テルペノイド;プト
レッシン;コレスチラミン;ε−アミノカプロン酸;フェニルメチルスルホニル
フッ化物;ペプスタチン;グリチルリチン;果糖1,6−2リン酸;およびウル
ソデオキシコール酸が含まれる。
【0020】 本発明の複合体の成分として有用なヘモグロビン化合物は、患者または動物へ
の投与のために必要な程度の生体適合性、興味対象となる肝細胞修飾物質の結合
に必要な部位を提供し、ハプトグロビンに対して十分な結合親和性を有する、実
質的にいかなるヘモグロビン化合物であってもよい。これらの制限の中で、これ
はヒトまたは動物由来の天然ヘモグロビンであってもよい。これは修飾された天
然ヘモグロビン、例えばその2量体への解離を最小にするための分子内架橋型ヘ
モグロビン、オリゴマー型または重合体型であってもよい。これは天然のグロビ
ン鎖または簡単な方法で変異されたグロビン鎖を有する、組換源および技法から
誘導されたヘモグロビンであってもよい。これは、ハプトグロビンに親和性を有
する、Hbのサブユニットもしくはフラグメント、またはその誘導体からなって
いてもよい。これはグロビン鎖の個々のアミノ酸が部位特異的突然変異生成また
は他の手段によって除去または置換されているヘモグロビンであってもよい。ハ
プトグロビンへの結合に対するヘモグロビンの親和性を低下させることが知られ
ている特定の修飾は、本発明において用いられるヘモグロビン化合物では避ける
ことが好ましい。
【0021】 好ましいヘモグロビン化合物の1つの型は、2量体への解離を防ぐために分子
内架橋されているヘモグロビン4量体を含み、官能基を、肝細胞修飾物質との化
学反応に直接または化学リンカー分子を介してのいずれかで利用できる状態にし
ているものである。このようなヘモグロビン化合物は、興味対象となる治療用物
質に特異的な、既知の調節された数の反応部位を提供するため、正確に調節され
た量の治療用物質を所定量のヘモグロビン化合物に結合することができるという
利点を有する。また、これらは治療用活性物質に連結するためにグロビン鎖上の
部位を利用することを避けて、グロビン鎖の立体配座崩壊を最小にし、ヘモグロ
ビン−ハプトグロビンの結合、および構築物複合体の肝細胞上の受容体蛋白質へ
の結合の妨害を最小にするという追加の利点も有する。
【0022】 ヒトヘモグロビン、例えば、期限を過ぎた赤血球から得、Pliuraらの米
国特許第5439591号に記載の置換クロマトグラフィ法によって精製したヒ
トヘモグロビンは、本発明の複合体において用いるヘモグロビン生成物調製のた
めの好ましい原料の1つである。この物質は、前述のKlugerらの米国特許
第5399671号に記載の3官能性架橋剤、すなわち、その官能基の2つをヘ
モグロビン4量体のサブユニット間の分子内架橋に用い、3つ目の官能基は続く
求核分子との反応に利用できる状態にしておく試薬によって架橋されていてもよ
い。そのような架橋試薬の具体的な例は、トリメソイルトリス(3,5−ジブロ
モサリチレート)、TTDS、で、その化学式を添付の図1に示しており、その
調製は前述のKlugerらの米国特許第5399671号に記載されている。
【0023】 架橋ヘモグロビン、すなわち安定型4量体ヘモグロビンを複合体の成分として
用いるとき、肝細胞修飾物質を直接または化学リンカーもしくはスペーサーを介
してのいずれかでヘモグロビンに結合し、次いでこの複合体を患者に投与してイ
ンビボでハプトグロビン−ヘモグロビンの結合が起こるようにすることもできる
。完全な構築物複合体(ハプトグロビン−ヘモグロビン−肝細胞修飾物質)を、
望まれる場合には、生体外で形成し、次いで患者に投与することもでき、これは
状況によっては肝細胞に最終的に送達される活性物質の量をよりうまく調節でき
ることもある。しかし、そのような方法は、ハプトグロビンのレベルがゼロまた
は低い例外的患者、例えば急性溶血の状態にある患者を除き、通常は必要ではな
い。このような患者には、本発明の構築物複合体の投与前、投与中、および/ま
たは投与後に、ハプトグロビンを投与することができる。しかし、通常は、患者
血漿中にはインシトゥで構築物複合体を形成し、肝細胞にそれを送達するのに十
分なハプトグロビンがある。2部分複合体を調製して患者に投与し、インシトゥ
で3部分複合体を形成することは、一般的により安価で複雑性も低い。
【0024】 分子内架橋されているヘモグロビンを使用すると、ヘモグロビンおよびハプト
グロビンにはそれぞれ2つの結合部位があるため、複数のヘモグロビンおよび/
またはハプトグロビンを含む高分子量重合体を生じることになろう。非架橋ヘモ
グロビンを本発明の構築物複合体の成分として用いることには利点があると考え
られる。このようなヘモグロビンに肝細胞修飾物質が結合したものは、分子量約
32kDaの2量体ヘモグロビンに解離し、この解離した2つの2量体ヘモグロ
ビン生成物がハプトグロビンの1個の分子に結合して、本発明の複合体を形成す
ることになる。したがって、高分子量ハプトグロビン−ヘモグロビン複合体の形
成が避けられる。αβ−2量体へのハプトグロビンの結合は一般に、架橋ヘモグ
ロビンへのハプトグロビンの結合に比べて、非常に速やかに起こる反応である。
非架橋ヘモグロビンの使用によって得られる、より低分子量の複合体は、改善さ
れた肝細胞受容体への結合と取り込みを示しうる。
【0025】 2量体に解離する形のヘモグロビンを本発明の成分として用いる場合、または
ヘモグロビン2量体自体を用いる場合、例えば、2量体が64kDaのヘモグロ
ビンを再形成できないように修飾されている場合、本発明の構築物複合体を生体
外で形成し、次いで完成された構築物複合体を患者に投与して、分子量が非常に
小さい分子種を体内に投与すること、すなわち薬物を排泄を通じて非常に早く排
出することに伴うリスクを回避することが好ましい。修飾された2量体の排出前
に複合体がインビボで十分に形成される場合には、ハプトグロビンに事前に結合
することなく、治療薬または診断薬を有するHb2量体を投与することが可能で
あろう。
【0026】 本発明の構築物複合体において有用なヘモグロビン化合物の他の例は、199
7年11月3日に出願されたKlugerおよびLiの「化学的に導入されたジ
スルフィド架橋を有するヘモグロビンとその調製」という表題の米国仮特許出願
に記載の型の、チオール、好ましくは末端側鎖チオールを含む修飾基を有する2
量体ヘモグロビンである。肝細胞修飾物質をこのような2量体ヘモグロビンに、
露出したチオールとの直接反応、またはチオールの活性化型との直接反応、また
は混合ジスルフィド形成、またはリンカー分子を介してのいずれかによって、連
結することができる。この型の構築物複合体は体外で作製し、この形で患者に投
与する。ヘモグロビン−肝細胞修飾物質結合体も、インビボHp結合のために投
与することができる。解離可能なヘモグロビン(分子量32kDa)は、ハプト
グロビンの結合を容易にする露出した2量体−2量体界面を提供するため、これ
らの使用は架橋ヘモグロビン4量体の使用に比べて有益である。
【0027】 本発明の構築物複合体は、酸化窒素結合を障害するような様式で修飾されたヘ
モグロビンも用いることができる。このような修飾ヘモグロビンは、当技術分野
において知られている。NO結合が低下すると、一部のヘモグロビンで認められ
ている作用である、たとえ少量でも投与したときにヘモグロビンが患者の血圧を
改変する傾向を低下することができる。
【0028】 構築物複合体形成において、選択したヘモグロビン上の反応部位と肝細胞修飾
物質との間に、化学リンカーまたはスペーサー基を挿入しなければならないこと
がある。これは、ヘモグロビン上で連結に利用できる化学基の性質、および肝細
胞修飾化合物上でこの目的のために利用できる化学基に応じて異なる。例えば、
ポリリジンなどのポリカチオン部分は、TTDS修飾されたヘモグロビンの親電
子部位に適当に結合して、DNAが静電的相互作用によって結合する部位を提供
する。リジンの直鎖重合体は、この目的のために適当なカチオン部分を提供する
【0029】 本発明の好ましい実施形態の構築物複合体はハプトグロビン分子を含み、この
ハプトグロビンはハプトグロビン1−1またはいかなる他の表現型でもよく、ヘ
モグロビン化合物の1つまたは複数の分子に強い非共有相互作用によって結合さ
れていてもよい。ヘモグロビンは、前述のとおり、架橋されているか、オリゴマ
ー化されていてもよく、または修飾されていなくてもよい。
【0030】 図1は、架橋ヘモグロビンの調製に関与する化学的段階であって、本発明の様
々な実施形態に従って構築物複合体を形成するためのリンカーおよび/または薬
剤、ならびにハプトグロビンとの反応のための段階を図示している。TTDSを
ヘモグロビンと反応させ、その結果、3つの3,5−ジブロモサリチル酸基のう
ちの2つが残存する。ヘモグロビン上のLys−82およびβ−Lys−82の
1級アミンをアミド結合によってクロスリンカーに結合し、完全なままで、さら
なる反応に利用可能な第3のジブロモサリチル酸基を有する、分子内架橋した安
定型4量体ヘモグロビンを形成する。第2の段階において、架橋ヘモグロビンを
、薬剤または薬剤を後に結合するために必要なリンカー(実施例1の場合はポリ
リジン)と反応させる。別の場合には、肝細胞修飾物質または活性薬剤が、図1
のスキームのポリリジンに代わり、構築物を形成する。これで、複合体はいつで
も患者に投与して構築物複合体をインシトゥで形成することができ、または代わ
りにハプトグロビンを生体外で形成された複合体と反応させ、複合体のヘモグロ
ビン部分に結合させて、いつでも患者に投与可能な3部分複合体を形成すること
もできる。あるいは、最終段階として、リンカーが結合したTTDS修飾ヘモグ
ロビンを、ハプトグロビンおよび結合した薬剤と反応させることもできる。投与
後、構築物複合体は肝細胞に結合し、そこでハプトグロビン−ヘモグロビンがそ
の選択的受容体への結合を仲介し、ハプトグロビン−ヘモグロビン複合体に選択
的な肝細胞受容体を用いて肝細胞修飾物質を肝細胞に送達し、これに進入できる
ようにする。
【0031】 具体的実施例 実施例1−TTDS架橋ヘモグロビン(THb)のポリ(L−リジン)への結合 TTDS架橋ヘモグロビンのポリ(L−リジン)結合体(THb−Kn )を、
THb−DBS(1つの加水分解されていない3,5−ジブロモサリチル酸官能
基を有するTTDS架橋ヘモグロビン)にポリ(L−リジン)を1:1のモル比
で加え、1つのポリ(L−リジン)鎖にヘモグロビン1分子だけが結合した結合
体の形成を促進することによって合成した。この実験で用いたポリ(L−リジン
)は、リジンのカルボキシル基とα−アミノ基との間にアミド結合を有する直鎖
重合体である。平均分子量4kDa(K4kDa)、7.5kDa(K7.5kDa) 、26k
Da(K26kDa) および37kDa(K37kDa) の重合体がTHbに結合した。
【0032】 TTDS(13.9mg)/エタノール(100μL)をデオキシヘモグロビ
ン(5mL、8.5g/dL)/50mMホウ酸塩pH9.0に加えた。反応混
合物を30℃、窒素雰囲気下で45分間撹拌した。次いで、ヘモグロビンをCO
で充満させ(溶液は氷上に維持した)、ヘモグロビン溶液を50mMホウ酸塩p
H9.0で平衡化したセファデックスG−25カラム(長さ200mm×直径2
5mm)を通過させることにより、過剰の架橋試薬を除去した。得られたヘモグ
ロビン溶液(3.6g/dL)を再度COで充満させた。ポリ(L−リジン)溶
液を50mMホウ酸塩pH8.0中で調製し、下記の表1に示すとおりにヘモグ
ロビン(3.6g/dL、1.9mL)に加えた。ポリ(L−リジン)のヘモグ
ロビンに対するモル比は、4つの重合体すべてで1:1であった。THb−ポリ
(L−リジン)結合体(THb−Kn) を血清びん中に密封し、再度COで充満さ
せ、室温で2日間放置した。これらの試料のヘモグロビン濃度を、ドラブキン試
薬を用いて定量した。
【0033】
【表1】 アニオン交換クロマトグラフィ:未精製のTHb−Kn 複合体を、SynCh
ropak AX−300カラム(長さ250mm×直径4.6mm、SynChrom
, Inc. )でのアニオン交換クロマトグラフィを用いて分析した。塩化ナトリウ
ム勾配を用いて様々な修飾ヘモグロビンを溶出した。溶出液を280nmでモニ
ターした。
【0034】 分析時までに、未反応のTHb−DBSはすべて加水分解されてTHbを生じ
た。反応の結果、生成物の混合物を生じ、これらはすべて、予期されたとおり、
アニオン交換クロマトグラフィ媒質上でTHbよりも前に移動した。収率は、早
く溶出されたピークのピーク面積を加算し、全ピーク面積と比較することによっ
て算出した。このようにして計算したポリ(L−リジン)修飾ヘモグロビンの収
率は、K4kDa、K7.5kDa、K26kDaおよびK37kDaについて、それぞれ37、37
、81、および84%であった。
【0035】 THb−Kn結合体の精製:THb−Kn結合体を結合していないTHbから、
25mMトリス−HCl緩衝液pH8.4で平衡化したPOROS HQ/50
カラム(長さ52mm、直径14mm)でのアニオン交換クロマトグラフィによ
って分離した。修飾Hbを塩化ナトリウム勾配によって溶出した。溶出液を28
0nmでモニターし、集めたTHb−Kn結合体を含む分画を登録商標Amic
on透析ろ過装置および30kDa分離膜を用いて濃縮した。
【0036】 サイズ排除クロマトグラフィ:精製したTHb−Kn結合体 およびそのハプト
グロビン複合体の分子量分布を、25mMトリス−HClpH7.2を含む0.
5M塩化マグネシウム、流速0.4mL/分で平衡化および溶出する、登録商標
Superdex−200カラム(長さ300mm、直径10mm、Pharm
acia)でのサイズ排除クロマトグラフィ(SEC)を用いて調べた。溶出液
を280nmおよび414nmでモニターした。ヘモグロビン対ポリ(L−リジ
ン)の化学量論は、分子量標準に対応する溶出時間にしたがって、4kDaのポ
リ(L−リジン)を用いての1:1から、分子量がより高いポリ(L−リジン)
リンカーを用いての4:1までの化学量論による異質物からなる構築物までの範
囲であった。未修飾THbは存在しなかった。これらの構築物はクロマトグラフ
ィの塩濃度が高い状態で安定であった。
【0037】実施例2−THb−Knとハプトグロビン1−1との間の複合体形成 複合体の調製には下記の原液を用いた:1.74mg/mLのハプトグロビン
1−1(Hp)/水および1.0mg/mLの THb−Kn/50mMホウ酸ナト
リウムpH9.0溶液(THb−Kn濃度はすべてヘモグロビンの濃度を表す)。
ハプトグロビン(14μL)を THb−Knのリン酸カリウムpH7.0溶液に
加えて、最終濃度を下記のとおりとした:25mMリン酸カリウムpH7.0中
、0.12mg/mL(1.22μM)のハプトグロビンおよび0.19mg/
mL(2.9μM)の THb−Kn(最終容積200μL)。室温で180分間
インキュベートした後、試料をSECを用いて分析した。
【0038】 THb−Kn のハプトグロビン1−1との複合体:THb−Kn のハプトグロ
ビンとの複合体形成を、サイズ排除クロマトグラフィ(SEC)を用いて追跡す
ることができる。図2Aは、室温で180分間インキュベートした後のTHb−
4kDaのHpとの混合物組成を示している。新しい高分子量のピークが25.5
分に現れる。溶出期間全体の280nmおよび414nmにおける吸光度の比(
280/A414)のプロットにより、構築物複合体および他のピークにおけるハプ
トグロビンとヘモグロビンとの相対比が示される。新しいピーク全体の吸光度の
比(A280/A414)は0.9で、ハプトグロビンおよびヘモグロビン成分の両方
がこの複合体に存在することが示される。ハプトグロビン1−1は29.7分で
移動し、A280/A414比が高いことで容易に同定される。図2Bは、室温で18
0分間インキュベートした後のHpとのTHb−K7.5kDa混合物のSECを示し
ている。ここでも、A280/A414比0.73の新しいピークが25.1分に現れ
、続いてハプトグロビンが29.7分に現れ、A280/A414比0.3のTHb−
7.5kDaが35.8分に現れる。THb−K26kDaおよびTHb−K37kDaのハプ
トグロビンとの複合体のSECの分析は、それらの分子量分布が広範であるため
、より複雑である。結果をそれぞれ図2Cおよび2Dに示している。THb−K 26kDa およびTHb−K37kDaがいずれもハプトグロビンと複合体を形成すること
は、図2Cおよび2Dから明白である。A280/A414比は、THb−K26kDa
Hpでは0.64で、THb−K37kDa−Hpでは0.69である。
【0039】 THb−K26kDa−Hp複合体形成の程度:THb−Knの構造的に異なるすべ
ての成分がハプトグロビンに結合するかどうかを調べるために、THb−K26kD a を15%過剰のハプトグロビンと共に、様々な長さの時間インキュベートし、
次いでSECを用いて分析した。複合体の調製には下記の原液を用いた:1.7
4mg/mLのハプトグロビン1−1/水および7.4mg/mLのTHb−K 26kDa /リン酸カリウムpH7.0溶液で、最終濃度を下記のとおりとした:2
5mMリン酸カリウムpH7.0中、0.74mg/mL(7.5mM)のハプ
トグロビンおよび0.41mg/mL(6.4mM)のTHb−K26kDa(Hp
対Hbのモル比1.2:1)。室温で様々な長さの時間インキュベートした後、
混合物をSECを用いて分析した。反応の進行を、SEC図のハプトグロビンピ
ークの消失をモニターすることによって追跡した。24時間後、THb−K26kD a の85%がハプトグロビンと結合した。得られたTHb−K26kDa−Hp複合体
は、370kDa〜約1000kDaの範囲の広い分子量分布を有している(図
3)。
【0040】実施例3−THb−KnおよびTHb−Kn−HpへのDNA結合。ゲル易動度シ フトアッセイ: ゲル易動度シフトアッセイを実施して、プラスミドDNA(pCMVbeta
)のTHb−Kn結合体に対する結合の化学量論を評価した。このゲル電気泳動
法は、DNAの移動特性が蛋白質を結合することによって変化するという知見に
基づいている。蛋白質と、蛋白質が質量の大部分を構成するDNA−蛋白質複合
体のいずれも、1%アガロースゲルに進入しない。THb−Kn 対DNAの比を
漸増させて混合物を分析する場合、複合体の化学量論に対応する比およびそれ以
上でDNAバンドの消失が認められる。4つの結合体それぞれについて、および
THb−K26kDa−Hp複合体について、150mM NaClを含む32μL
の20mM HEPES pH7.3中に、0.4〜6400ngの結合体(こ
の重量はヘモグロビン成分に基づいている)を含む溶液を調製した。プラスミド
DNA(150mM NaClを含む28μLの20mM HEPES pH7
.3中に560ng)を各試料に滴下し、混合物を室温で1時間インキュベート
した。試料(15μL)を、臭化エチジウム(0.2μg/mL)を含む1%ア
ガロースゲル上で分析した。ゲルへのDNAの進入を防止した結合体の量を求め
た。結果を下記の実施例に記載している。
【0041】実施例4−THb−K26kDaおよびTHb−K26kDa−Hp複合体へのDNA結合 :チアゾールオレンジ蛍光消光法: この色素蛍光アッセイは、DNAインターカレーション色素(チアゾールオレ
ンジ)がDNAに結合した場合にのみ蛍光を発するという知見に基づいている。
THb−Kn とDNAとの間の複合体形成が、インターカレーション色素のDN
Aからの置換および全蛍光の低下を引き起こす。
【0042】 この実験において下記の原液を用いた:0.05mg/mLのDNA(pCM
Vbeta)、0.010mg/mLのTHb−K26kDaまたはTHb−K26kDa −Hp複合体、1.75×10-6Mのチアゾールオレンジ(1%メタノール中0
.1mg/mL溶液を水で190倍に希釈した)、0.15M NaClを含む
20mMのHEPES pH7.3。プラスミドDNA(10μL)、THb−
26kDa(容積は2.5から60μLまで変化する)および緩衝液(最終容積2
00mLとする)を一般的な96穴プレート中で混合し、室温で2.5時間イン
キュベートする。HEPES緩衝液中にチアゾールオレンジを含む試料も調製し
、バックグラウンド対照として用いた。蛍光をPackardの登録商標Flu
oreCountプレート読みとり器上で、励起485nmおよび発光530n
mを用いて測定した。THb−K26kDa −Hp複合体を前述のとおりに調製し、
精製せずに用いた。これを0.15M NaClを含む20mMのHEPES
pH7.3で希釈し、最終濃度0.010mg Hb/mLとした。
【0043】 ゲル易動度シフトアッセイおよび蛍光消光アッセイの両方で、THb−Kn
DNAに結合することが示された。図4A(左)および4B(右)は、実施例4
にしたがって生成したハプトグロビン−ヘモグロビン−DNA結合体のゲル易動
度シフトアッセイを示している。140ngのDNAを(A)THbまたは(B
)THb−K26kDa の漸増量に加えた。両方のゲルのレーン1はDNA分子量マ
ーカーを含む。他のレーンのHb含量は、(A2)50ng、(A3)100n
g、(A4)200ng、(A5)400ng、(A6)800ng、(A7)
1600ng、(A8)空、(B2)25ng、(B3)50ng、(B4)1
00ng、(B5)200ng、(B6)400ng、(B7)800ng、(
B8)DNAのみである。ゲル易動度シフトアッセイに関しては、図4に示すと
おり、DNA試料中のTHb−Kn の比率を上げると、DNAの移動に影響をお
よぼした。図4Aは、蛋白質50〜1600ngの範囲のTHb漸増量と共にイ
ンキュベートした後のDNAの移動特性を示している。この濃度範囲では、DN
A移動の変化が検出できないため、THbはDNAと結合していない。THb−
26kDaはDNA結合において最も有効である。100ngのTHb−K26kDa
THb−K26kDa対DNAの比=0.7重量比)は、DNAのアガロースゲルへ
の進入を完全に防止した(図4B)。すべてのDNAを結合するために、約40
0ngの他のTHb−Kn調製物が必要とされた。THb−K26kDaについての結
果は蛍光消光アッセイとよく一致しており、蛍光消光アッセイでは同じTHb−
26kDa対DNAの比で86%の蛍光低下を示した。図5は、DNA−チアゾー
ルオレンジ蛍光に対するTHb26kDaの効果を示している。図5において、TH
b−K26kDaの量はヘモグロビン成分にのみ基づいている。
【0044】 THb−K26kDa−Hp複合体もDNAに結合する。200ngのTHb−K2 6kDa −Hpが140ngのDNAがアガロースゲルに進入するのを完全に防止す
ることが明らかにされた(THb−K26kDa−Hp対DNAの比=1.4重量比
)。図6は、ゲル易動度シフトアッセイによるTHb−K26kDa−HpのDNA
への結合を示している。140ngのDNAをTHb−K26kDa−Hpの漸増量
に加えた:25ng(レーン2)、50ng(3)、100ng(4)、200
ng(5)、400ng(6)、800ng(7)、重量はヘモグロビン成分に
基づいている。分子量標準をレーン1にのせ、140ngのDNAをレーン8に
のせた。同じTHb−K26kDa−Hp対DNAの比(1.4:1重量比)では、
蛍光アッセイによりわずか42%の蛍光低下が示され、2.8の比では81%の
蛍光低下が示されている。蛍光アッセイを図7に示している(結合体の重量はそ
のヘモグロビン成分のみに基づいている)。THb−K26kDa−Hpに関するゲ
ル易動度シフトアッセイの比較により、ハプトグロビン複合体を用いるとき、D
NAがゲル中に移動するのを防止するためには、約2倍の蛋白質結合ポリ(L−
リジン)が必要とされることが示されている。ヘモグロビン結合ポリ(L−リジ
ン)の量は両方の実験で等しかったため、THb−K26kDa−HpのDNA結合
能の低下はおそらく、THb−K26kDa−Hp―DNA複合体が立体的に込み合
っているためである。
【0045】 これらの実施例において、ヒト肝細胞へのハプトグロビン受容体を介したイン
ビボでの標的遺伝子送達に必要なすべての成分を有する構築物が合成され、特徴
付けられた。ポリ(L−リジン)をTTDS架橋ヘモグロビンに結合して、その
正に荷電したε−アミン基とDNAのリン酸基の負電荷との静電的相互作用によ
りDNAを結合するための部位を提供した。過去に、DNAの負電荷の90%よ
りも多くが中和されると、線状DNA鎖は、より安定で細胞によって内部に取り
込まれやすい形状のトロイド構造に圧縮されることが明らかにされている。電気
的中性の複合体を生じるDNA対ポリ(L−リジン)の比で、最適な遺伝子発現
が報告されている。
【0046】 ゲル易動度シフトおよび蛍光アッセイによって、THb−K26kDa−Hp複合
体がプラスミドDNAに結合して、ハプトグロビン受容体仲介性のエンドサイト
ーシスによりオリゴヌクレオチドを送達することが可能な構築物の組み立てを完
了することが示されている。
【0047】実施例5−トリチウム化または非トリチウム化リジンを有する架橋ヘモグロビン の合成 L−[3H]−リジンの溶液を窒素気流下で蒸発させて59.5nmol(5mC
i)の固体物質を得た。放射性同位体標識されていないL−リジン59.5nm
olを同様に調製した。TTDS(39.8mg)をエタノール(270μmL
)に溶解し、この溶液の200μLを50mMホウ酸塩pH9.0中のデオキシ
ヘモグロビン(10mL、9.2g/dL)に加えた。反応混合物を窒素雰囲気
下、室温で1時間撹拌し、次いで酸素化した。混合物の半分から、ゲルろ過によ
って過剰の架橋剤を除去し、次いで溶液をCOで充満して凍結し、Kluger
(米国特許第5399671号)によって記載されているように、クロスリンカ
ー上に活性化エステルを有する架橋Hb(THb−DBS、62mg/mL)を
得た。未精製反応混合物のもう一方の半分から、0.1M L−リジン/L−リ
ジン塩酸塩溶出緩衝液(pH9.0)を用いたゲルろ過によって未反応の架橋剤
を除去した。溶出液をCOで充満し、室温で終夜放置した。この方法を用いて、
リジンは活性化エステルを介してリンカーに結合し、THb−Lysを得た。新
しく解凍したTHb−DBS(29.5nmol、30.5μL)を、放射性同
位体標識したリジンおよび放射性同位体標識していないリジンに毎日3日間加え
た。THb−Lys(700μL)を次いで両混合物に加え、生成物を脱塩した
。反応の完了は、アニオン交換クロマトグラフィによって確認した。
【0048】実施例6−ハプトグロビン−THb−Lys複合体: ハプトグロビン(水中1.61mg/mLのハプトグロビン1−1、11μL
)をTHb−Lys(50mMホウ酸ナトリウムpH9.0中38mg/mL)
に加えて、下記の最終濃度とした:0.68mg/mL(6.9μM)のハプト
グロビンおよび0.41mg/mL(6.4μM)のTHb−Lysを、25m
Mリン酸カリウムpH7.0で最終容積200μLとした。18時間以内に、ハ
プトグロビン−THb−Lys複合体がSECにより280および414nmに
吸収を示す高分子量種として観察され、本来のハプトグロビンおよび元のTHb
−Lys生成物とは別に溶出された(図8)。構築物複合体をSECにより精製
した。カラムはリン酸緩衝化食塩水(PBS)で平衡化し、溶出した。
【0049】実施例7−ハプトグロビン−THb−[3H]−Lys複合体: THb−[3H]−Lys(75μL、41mg/mL、0.657Ci/mmo
l)を、部分精製したハプトグロビン1−1(0.273mL、3.7mg/m
L)のPBS pH7.4溶液に加えた。混合物を室温で終夜インキュベートし
た。THb−[3H]−Lys−Hp複合体を、PBS pH7.4で平衡化および
溶出するSECを用いて精製した。放射活性は主にSECにより同定された高分
子量種で認められ、これは280および415nmに吸収を示し、本来のハプト
グロビンおよび元のTHb−Lys生成物とは別に溶出され、保持時間が実施例
6の非放射性同位体標識生成物に対応していた。
【0050】実施例8−フルオレセイン−ヘモグロビン結合体(FL−Hb)の合成: 5−ヨードアセトアミドフルオレセイン(5−IAF、11mg、21μmo
l)のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF、50μL)溶液を、50mMリ
ン酸カリウムpH7.0中のオキシヘモグロビン(60mg/mL、5mL)に
4℃で撹拌しながら徐々に加えた。4℃で3時間反応させた後、50mMリン酸
カリウムpH7.2で透析液中に5−IAFが検出されなくなるまで透析するこ
とにより、過剰の5−IAFを除去した。生成物のUV−可視吸光スペクトルか
ら、496nmに特徴的なフルオレセインの吸収帯が認められた。
【0051】実施例9−FL−Hbのハプトグロビン1−1、2−1、および混合表現型ハプ トグロビンとの複合体: FL−Hb(50mMリン酸カリウムpH7.2中6mg/mL、40μL)
をハプトグロビン1−1、2−1または混合表現型(Hpmix)(水中2.8m
g/mL、39μL)に加えて、下記の最終濃度とした:25mMリン酸カリウ
ムpH7.0の最終容積180μl中、0.6mg/mL(6.2μM)のHp
および1.3mg/mL(21μL)のFL−Hb。室温で10分間インキュベ
ートした後、混合物をSECによって分析した。FL−Hbのハプトグロビン1
−1との複合体は33分で移動し(図9A−Hp1−1およびHp1−1のFL
−Hbとの複合体の重ね合わせSECクロマトグラム)、ハプトグロビンとはそ
の414nmの吸収によって明らかに区別することができる。FL−Hbは42
.9分で移動した(図9A)。FL−HbのHp1−1およびHpmix との複合
体を、UV−可視分光法(図9B−ハプトグロビン1−1およびHpmix のFL
−Hbとの複合体のUV−可視スペクトル、矢印はフルオレセインに特徴的なバ
ンドを示している)および蛍光分析法によって単離し、分析した。この物質は、
480nmで励起され、520nmで発光する蛍光と、496nmにλmax を持
つフルオレセインの特徴的吸収帯を示す。FL−HbのHp2−1およびHpmi x との複合体をそれぞれ図9Cおよび9Dに示している。構築物複合体をSEC
でPBS緩衝液で溶出して精製した。
【0052】実施例10−トリチル化プトレッシンを有する架橋ヘモグロビンの合成: 200mLの精製したHbを50mMホウ酸緩衝液pH9.0中に透析ろ過し
、次いで脱酸素化して、濃度を7.1g/dLに調整した。Hbを、TTDS対
Hbの比2:1で、30℃で45分間架橋し、次いで50mMホウ酸pH9.0
緩衝液により脱塩して、最終濃度3.1g/dLとした。1.43mLの脱塩し
たHbを、放射性同位体標識したプトレッシン(1mCi/mL、6.94×1
-5mmol/mL)1mLのアリコート2つそれぞれに加え、室温で1.5時
間反応させた(Hb:プトレッシン=10:1)。0.9mgの冷プトレッシン
(放射性同位体標識プトレッシンの40倍過剰)を17mLのTHb−DBSと
、THb−DBS:プトレッシン=1.5:1の比で反応させた。この溶液5m
Lを2つの反応混合物それぞれに加え、室温で終夜混合した。両方の混合物を次
いで、新しく架橋し、脱塩したTHb−DBS(5.3×10-5mol)に加え
、室温で1.5時間反応させた。次いで、20倍過剰の冷プトレッシン(172
mg)を加え、終夜反応させた。THb−[3H]Pu を次いで乳酸リンガー液中
に透析ろ過した。比活性は1.5Ci/mol、90mg/mLであった。
【0053】実施例11−ハプトグロビン1−1のTHb−[3H]Pu との複合体: ハプトグロビン(水中3.0mg/mL、51μL)をTHb−[3H]Pu(P
BS pH7.2中10mg/mL、20μL)に加えて、下記の最終濃度とし
た:25mMリン酸カリウムpH7.0の最終容積110μl中、1.4mg/
mL(14μM)のハプトグロビンおよび1.8mg/mL(28μM)のTH
b−[3H]Pu 。混合物を室温で2時間インキュベートした後、SECにより分
析した。溶出液のフラクション(0.4mL)を集め、シンチレーション計数に
よって分析した。THb−[3H]Pu−Hp 複合体は溶出時間20〜28分の高
分子量種として移動し(図10)、30分のハプトグロビンのバンドおよび37
分のTHb−[3H]Pu とよく分離された。THb−[3H]Pu−Hp は280
nmおよび414nmの両方で吸収を示し(A280nm/A414nm=0.74)、T
Hb[3H]Pu とほぼ同等の比放射活性(cpm/mg Hb)を有している。
構築物複合体をSECによって精製した。
【0054】実施例12−モノダンシルカダベリンを有する架橋ヘモグロビンの合成: 精製したHb(8.0g/dL、100mL、1.25×10-4mol)を5
0mMホウ酸緩衝液pH9.0中に透析ろ過し、次いで酸素化し、脱酸素化した
。TTDS(Hbモル数の2倍過剰、0.26g、2.5×10-4mol)脱酸
素化溶液を加え、混合物を35℃で1時間撹拌し、次いでCOで充満した。この
時点でのイオン交換クロマトグラフィでは、少量の未反応Hb(1.7%)が認
められたにすぎなかった。約20mLの0.1M HCl中、モル数にして15
倍過剰のモノダンシルカダベリン(MDC)を50mMホウ酸pH9.0で25
mLに調整したものを、架橋Hb(0.63g、1.88×10-3mol)に加
えた。室温で60時間後、MDC−Hbを10mM ホウ酸pH9.0に対して
透析ろ過した。生成物をゲルろ過によって精製し、乳酸リンガー液中に透析ろ過
した。
【0055】実施例13−ハプトグロビン1−1のTHb−MDCとの複合体: THb−MDC(乳酸リンガー液pH7.2中20mg/mL、3.5μL)
をハプトグロビン1−1(水中1.1mg/mL、200μL)に加えて、下記
の最終濃度とした:1.1mg/mL(11μM)のHpおよび0.34mg/
mL(5.4μM)のTHb−MDC。混合物を室温で24時間インキュベート
した後、SECにより分析した。THb−MDCのハプトグロビンとの複合体は
溶出時間21〜29分の高分子量種として移動した(図11)。この物質はハプ
トグロビン(30.9分)とは分離して移動し、280nmおよび414nmの
両方で吸収を示した(A280nm/A414nm=0.70)。THb−MDCは37.
9分で溶出し、A280nm/A414nm=0.29である。構築物複合体をSECによ
って精製することができる。
【0056】実施例14−プリマキンを有する架橋ヘモグロビン(THb−PQ)の合成: TTDS(14.0mg)/エタノール(100μL)をデオキシヘモグロビ
ン(10mL、58mg/mL)/50mMホウ酸pH9.0に加えた。反応混
合物を窒素雰囲気下、室温で1時間撹拌した。次いで、過剰の架橋剤をゲルろ過
で50mMホウ酸pH9.0で溶出することによって除去し、生成物(THb−
DBS、43mg/mL)をCOで充満した。プリマキン2リン酸(0.5g、
1.1mmol)を50mMホウ酸pH9.0(10mL)に溶解し、得られた
溶液のpHを10M NaOHで8.5に調整した(プリマキンが一部沈殿した
)。THb−DBS(10mL)をプリマキンに加え、反応混合物を暗所、室温
で終夜撹拌した。次いで、生成物をろ過し、ろ液を50mMホウ酸pH9.0に
対して透析した。生成物のアニオン交換クロマトグラフィ(図12)により、T
Hb−PQは混合物中のすべてのヘモグロビン成分の68%を構成することが明
らかにされた。生成物を逆相クロマトグラフィを用いて分析すると、プリマキン
に結合したTHb−DBSはすべてのβ鎖の64%を構成している。
【0057】実施例15−ハプトグロビン1−1のTHb−PQとの複合体: THb−PQ(50mMホウ酸pH9.0中15mg/mL、67μL)をハ
プトグロビン1−1(水中4.0mg/mL、500μL)に加えて、下記の最
終濃度とした:2.0mg/mL(20μM)のHpおよび1.0mg/mL(
15.7μM)のTHb−PQ。混合物を室温で21時間インキュベートした後
、SECおよびアニオン交換クロマトグラフィにより分析した。THb−PQの
ハプトグロビンとの複合体は溶出時間21〜29分の高分子量種として移動した
(図13)。この物質は非架橋ヘモグロビンと複合したハプトグロビン(29.
9分)およびハプトグロビン(30.6分)とは分離して移動し、280nmお
よび414nmの両方で吸収を示した(A280nm/A414nm=0.70)。アニオ
ン交換クロマトグラフィにより、すべての未修飾ヘモグロビンと、THb−PQ
およびTHbの両方の74%とがHpと反応したことが示された。この結果は、
ヘモグロビンの78%がHpと反応したことを示すSEC分析とよく一致してい
る。
【0058】実施例16−ハプトグロビン−[ポリ−O−ラフィノース−Hb]およびハプト グロビン−[64kDa−O−ラフィノース−Hb]複合体 Pliura(米国特許第5532352号)の方法に従い、HbA0を酸化
ラフィノース(OR)を用いて架橋し、重合した。重合したHb(>64kDa
のOR−Hb)に相当する64kDaよりも大きい分子量種を、サイズ排除クロ
マトグラフィによって64kDaの種から分離した。Hb調製物を、水中のヒト
ハプトグロビン1−1と別々に合わせ、最終濃度0.2mg Hb/mLおよび
0.125mgハプトグロビン/mLとした(最終Hb:Hp=約2.2:1)
。混合物を22℃で1時間インキュベートし、次いで解離、非変性溶出条件(0
.5M MgCl2、25mMトリスpH7.4)でのサイズ排除クロマトグラ
フィによって分析した。図14は280nm(実線)および414nm(破線)
で検出したサイズ排除クロマトグラフィの溶出特性を示しており、これによって
修飾ヘモグロビンがハプトグロビンと結合していることが明らかにされている。
修飾ヘモグロビンをハプトグロビンとインキュベートすることにより、修飾ヘモ
グロビンまたはハプトグロビンのいずれにも対応しない高分子量種が得られ、こ
れは414nmに吸収を示すことからヘモグロビンの含有を示唆している。
【0059】実施例17−修飾ヒトHb([3H]−NEM−Hb)の血漿中ラットハプトグロビ ンへの結合 1mCiの 3H−N−エチルマレイミド([3H]−NEM)/ペンタンを0.5
mLのリン酸緩衝液中で蒸発させ、緩衝液1mL中25mgのHbを加えて、N
EM:Hbの最終比を0.06:1、すなわち37μCi/mg Hbとした。
4℃で24時間後の逆相HPLC分析により、放射性同位体標識の大部分が修飾
されたベータピークに取り込まれたことが示された。47時間後、15倍過剰(
βCys93のチオールに対し)の非標識NEMを加えた。塩および結合してい
ないNEMをゲルろ過によって除去し、最終濃度を10.2mg Hb/mLに
調整した。次いで、この物質(3H−NEM−Hb)の少量をハプトグロビンを
含むラット血清と合わせ、放射性同位体標識した成分がすべてHpに結合したか
どうかを調べた。ラット血清のHp結合能を670μg Hb/mg血清に調整
した。Hb結合能に基づいて、0.5および2.0当量の 3H−NEM−Hbを
血清と合わせ、0.5M MgCl2、25mMトリスpH7.4を用いた解離
、非変性条件で溶出したサイズ排除クロマトグラフィによって分析した(図15
)。 3H−NEM−Hb調製物において、放射活性はすべて32kDaのピーク
で認められた。0.5当量の 3H−NEM−Hbでは、放射活性はすべてHb−
ハプトグロビンのピーク(31分)中に現れた。2.0当量では、ハプトグロビ
ンは飽和し、過剰の 3H−NEM−Hbは結合せずに残存する(41分)。血漿
成分と組合わされた放射活性の73%は、約22分の高MWピークに現れる。こ
れらの知見は、修飾ヒトHb、 3H−NEM−Hb、のすべての成分は、血漿中
のラットハプトグロビンとの結合が可能であることを示すものである。
【0060】実施例18−ラットにおける修飾Hbおよびハプトグロビン複合体の生体分布 修飾Hbを肝臓を標的として送るHpの能力を、放射性同位体生態分布試験で
測定した。2つの試験品を、トリチウム標識したN−エチルマレイミドで修飾し
た精製ヒト HbA0([3H]−NEM−Hb)から調製した。すなわち、乳酸リン
ガー液中 [3H]−NEM−Hb単独、およびラット血漿中わずかに過剰のラット
ハプトグロビンと複合した [3H]−NEM−Hbである。次の3つの処置群を分
析した:(A)血漿中の修飾Hb−ハプトグロビン複合体投与を受けた健常ラッ
ト、(B)修飾Hbだけの投与を受けた健常ラット(ラットのHb結合能のおよ
そ2倍)、および(C)修飾Hbだけの投与を受けたハプトグロビン欠乏ラット
。それぞれの場合に、約3mgのHbを意識のあるスプレーグ ドーリー(Spra
gue-Dawley)ラットに投与した。肝臓および血漿試料を、投与後30、60、お
よび120分の時点で採取し、可溶化およびクエンチング後に放射活性をカウン
トした。値を全用量のパーセンテージおよび濃度/用量に変換し、様々な分析を
図16に示している。これは放射活性の含有量を示しており、用量パーセンテー
ジを示すものである。図16Aは、血漿中の用量のパーセンテージを示している
。図16Bは肝臓における用量のパーセンテージを示している。図16Cは、肝
臓+血漿における用量のパーセンテージを示している。図16Dは、肝臓/血漿
濃度を示している。星印(*および**)は異なる時点の処置群内の差(p<0.0
5)を示している。十字記号(†および‡)は異なる処置群の同時点での差(p
<0.05)を示している。
【0061】 血漿の保持はA群で最も高く、A群およびB群はいずれもC群よりも高かった
。血漿含量における最大の差は120分の時点で、A群の血漿はC群の3倍、B
群の3.5倍の放射活性を含んでいた。AおよびB群の肝臓含量は、すべての時
点でC群よりも高かった。30分では、AおよびB群は肝臓に全用量の約20%
を有していたのに対し、C群は11%であった。AおよびB群において肝臓含量
は30分および60分の時点で同等で、120分の時点までに低下した。120
分までに、AおよびB群の肝臓含量はC群に比べてそれぞれ5倍および2倍高か
った。AおよびB群は、30分の時点で血漿および肝臓区画に用量の60%を含
み、これに比べてC群の動物ではそのおよそ半分の量を含んでいた。肝臓対血漿
の濃度/用量比は、すべての群で時間と共に上昇し、AおよびB群の肝臓濃度は
120分までに血漿濃度の約4倍となり、同じ時点でのC群の比のおよそ2倍で
あった。群間の肝臓および血漿を合わせた平均含量を比較することによって、血
漿保持および肝臓ターゲティングの改善がさらに示され、図17に、すなわち合
計用量に対し肝臓および血漿を合わせた平均パーセンテージの比を示している。
網掛けバーはA/C群から、黒いバーはB/C群から、白いバーはA/B群から
のものである。AおよびB群の肝臓および血漿を合わせた含量は、一貫してC群
よりも高く、120分の時点でA群は合わせた含量がC群よりも4倍高かった。
分布曲線下面積を時点ゼロに外挿せずに計算し(表2)、AおよびB群の肝臓取
り込みがC群の約2倍であることが示された。データは全般に、あらかじめ形成
された修飾Hbとの複合体、または投与されたHbと複合体を形成することが可
能な場合に内在性Hpの形のいずれかでHpが存在するとき、肝臓内に生成物を
濃縮する能力がより大きいことを示している。また、薬物結合体がより長い時間
組織の取り込みに利用可能となるように、Hb結合体の血漿保持がハプトグロビ
ンとの組み合わせによって増大するということが明らかに示されてもいる。
【0062】
【表2】
【0063】 したがって、薬剤は、側鎖官能基、分子内クロスリンカー、または分子内クロ
スリンカーに結合した第2のリンカーのいずれかへの結合を用いて、32kDa
のヘモグロビン2量体および64kDaの分子内架橋Hbのいずれにも結合でき
ることが明らかにされた。これらの構築物はすべてハプトグロビンに結合した。
このようなインビボまたはエクスビボで形成された構築物複合体の肝臓への選択
的ターゲティングおよび循環半減期の延長も、さらに示された。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構築物複合体の1つの実施形態を製造するプロセスを図によって例示
した反応スキームを示す図である。
【図2】 280nmおよび414nmの吸光度を溶出時間に対してプロットした形で表
したサイズ排除クロマトグラフィの結果で、実施例2の4つの生成物の分子量分
布を示す図である。複合体は、分子量がAは4kDa、bは7.5kDa、Cは
26kDaおよびDは37kDaのポリ(L−リジン)を用いて形成した。
【図3】 実施例2で生成した、ハプトグロビンと24時間インキュベートした後の26
kDaのポリ(L−リジン)を用いる生成複合体に関する、同様のプロットを示
す図である。
【図4】 AはTHb、およびBは実施例4にしたがって生成したTHb−ポリ(L−リ
ジン)存在下でのDNAのゲル易動度シフトアッセイを示す図である。
【図5】 実施例4の生成物の色素蛍光アッセイを示す図である。
【図6】 実施例4の生成物のゲル易動度シフトアッセイを示す図である。
【図7】 実施例4のもう1つの生成物の蛍光アッセイを示す図である。
【図8】 実施例6の生成物のサイズ排除クロマトグラムを示す図である。
【図9】 Aはハプトグロビン1−1、Cはハプトグロビン2−1、Dはハプトグロビン
2−2を用いた、実施例9の生成物のサイズ排除クロマトグラムを示す図である
。 また、Bは実施例9の生成物のUV−可視スペクトルを示す図である。
【図10】 実施例11の生成物のサイズ排除クロマトグラムを示す図である。
【図11】 実施例13の生成物のサイズ排除クロマトグラムを示す図である。
【図12】 実施例14の生成物および出発物質のアニオン交換クロマトグラム(重ね合わ
せ)を示す図である。
【図13】 実施例15の生成物の重ね合わせたサイズ排除クロマトグラムを示す図である
【図14】 実施例16の生成物について、280nm(実線)および414nm(破線)
で検出したサイズ排除クロマトグラフィの溶出特性を示す図である:Aはハプト
グロビン1−1、Bは64kDaのORHb、Cはハプトグロビン−[64kD
a ORHb]、Dは>64kDaのORHb、Eはハプトグロビン−[>64
kDa ORHb]。
【図15】 実施例17の生成物のサイズ排除クロマトグラムを示す図である。
【図16】 A〜Dは実施例18で得られた結果の分析のグラフ表示の図である。
【図17】 実施例18で得られた結果のさらなる分析のグラフ表示の図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 43/00 A61K 37/14 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,Z W (72)発明者 モーア,マリー,シルヴィー,セリーヌ カナダ.エル7ジー 5ダブリュ3 オン タリオ,ジョージタウン,スタンディッシ ュ ストリート 83 Fターム(参考) 4C076 CC05 CC14 CC16 CC21 CC27 CC31 CC34 CC35 CC41 FF68 4C084 AA02 AA03 AA06 AA07 AA13 BA31 BA44 CA59 DC50 NA10 NA13 ZA752 ZB112 ZB212 ZB262 ZB332 ZB352 ZB372 ZC192 ZC332 ZC372 4C085 HH11 KB83 LL05 4H045 AA10 BA41 CA40 EA27 EA28 FA74

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘモグロビンとそれに結合した肝細胞修飾物質とを含むヘモ
    グロビン構築物複合体であって、哺乳類患者においてインビボでハプトグロビン
    に結合し、肝細胞修飾物質を患者の肝細胞に送達することが可能な構築物複合体
  2. 【請求項2】 ヘモグロビンと、ヘモグロビンに結合した肝細胞修飾物質と
    、ヘモグロビンに結合したハプトグロビンとを含むヘモグロビン構築物複合体。
  3. 【請求項3】 哺乳類患者に請求項1に記載の構築物複合体を投与すること
    によってインビボで形成された、請求項2に記載の構築物複合体。
  4. 【請求項4】 肝細胞修飾物質が化学リンカーの媒介によりヘモグロビンに
    結合している、前記請求項のいずれか一項に記載の構築物複合体。
  5. 【請求項5】 肝細胞修飾物質が肝細胞と相互作用可能で、その結果、哺乳
    類患者の肝臓においてインビボで作用可能であって、かつ治療薬、診断薬および
    マーカーから選択された薬剤である、前記請求項のいずれか一項に記載の構築物
    複合体。
  6. 【請求項6】 肝細胞修飾物質が、抗新生物物質、抗ウイルス物質、抗炎症
    物質、抗寄生虫物質、抗菌物質、抗酸化物質、肝防護薬、細胞防護薬、線維形成
    に影響をおよぼす薬、核酸、脂質代謝薬、抗毒物、蛋白質および酵素から選択さ
    れる治療薬である、請求項5に記載の構築物複合体。
  7. 【請求項7】 肝細胞修飾物質が核酸である、請求項5に記載の構築物複合
    体。
  8. 【請求項8】 肝細胞修飾物質が興味対象となる蛋白質をコードする遺伝子
    である、請求項6に記載の構築物複合体。
  9. 【請求項9】 肝細胞修飾物質がプトレッシンである、請求項5に記載の構
    築物複合体。
  10. 【請求項10】 肝細胞修飾物質がプリマキンである、請求項6に記載の構
    築物複合体。
  11. 【請求項11】 肝細胞修飾物質が診断薬である、請求項5に記載の構築物
    複合体。
  12. 【請求項12】 診断用化合物が放射性同位体標識された化合物または蛍光
    化合物である、請求項11に記載の構築物複合体。
  13. 【請求項13】 ヘモグロビンが分子内架橋されているヒトヘモグロビンで
    ある、前記請求項のいずれか一項に記載の構築物複合体。
  14. 【請求項14】 ヘモグロビンが、化学残基をその後の肝細胞修飾物質との
    反応に利用できる状態にしておく架橋試薬により、直接または化学リンカー基の
    媒介によって分子内架橋されている、請求項13に記載の構築物複合体。
  15. 【請求項15】 架橋試薬が3官能性試薬であって、その官能基の2つをヘ
    モグロビンの分子内架橋に用い、3つ目の官能基は求核剤との反応に利用できる
    状態にしておく試薬である、請求項14に記載の構築物複合体。
  16. 【請求項16】 架橋試薬がトリメソイルトリス(3,5−ジブロモサリチ
    レート)である、請求項15に記載の構築物複合体。
  17. 【請求項17】 哺乳類患者の肝細胞障害を治療するための医薬品調製にお
    ける、前記請求項のいずれか一項に記載の構築物複合体の使用。
  18. 【請求項18】 哺乳類患者の肝細胞障害を診断するための医薬品調製にお
    ける、請求項1から16のいずれか一項に記載の構築物複合体の使用。
  19. 【請求項19】 哺乳類患者のハプトグロビン受容体を有する転移細胞を治
    療するための医薬品調製における、請求項1から16のいずれか一項に記載の構
    築物複合体の使用。
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