JP2002513566A - 相同組換えによるFSHβ遺伝子の発現の改変 - Google Patents

相同組換えによるFSHβ遺伝子の発現の改変

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JP2002513566A JP2000547218A JP2000547218A JP2002513566A JP 2002513566 A JP2002513566 A JP 2002513566A JP 2000547218 A JP2000547218 A JP 2000547218A JP 2000547218 A JP2000547218 A JP 2000547218A JP 2002513566 A JP2002513566 A JP 2002513566A
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ダグラス エイ. トレコ
マイケル ダブリュー. ハートレイン
リチャード エフ. セルダン
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Abstract

(57)【要約】 FSHβ遺伝子のコード領域の上流の規定されたゲノム領域と、ストリンジェンシー条件下においてハイブリダイズする、または少なくとも80%配列の同一性を共有する単離核酸分子、および相同組換えのための標的配列としてその核酸分子を含有するDNA構築物を開示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の分野 本発明はゲノムDNAに関する。
【0002】発明の背景 治療用タンパク質で疾患を治療する現在の方法には、インビトロで産生したタ
ンパク質の投与と遺伝子治療がある。インビトロにおけるタンパク質の産生は、
一般に、関心のあるタンパク質をコードする外因性DNAを培養中の適当な宿主細
胞に導入する段階を含む。一方、遺伝子治療方法は、関心のある治療用タンパク
質をコードする配列を含有する、遺伝的に操作された細胞、プラスミド、ウィル
スを患者に投与する段階を含む。
【0003】 ある種の治療用タンパク質はまた、ジーンターゲティング技法を用いた望まし
い方法で外因性遺伝子の発現を変更することによっても産生することができる。
例えば、全体の内容が全て参照として組み入れられている、米国特許第5,641,67 0号、第5,733,761号および第5,272,071号、国際公開公報第91/06666号、国際公
開公報第91/06667号、および国際公開公報第90/11354号を参照。
【0004】発明の概要 本発明は、ヒト卵胞刺激ホルモンβ(「FSHβ」)遺伝子のコード配列の5'側
ゲノムDNAを同定し、配列決定することに基づいている。このDNAは、例えば、相
同組換えにより細胞のゲノムに組み込む結果、哺乳類細胞において内因性FSHβ
遺伝子の発現を変更する(例えば、増加する)DNA構築物に使用することができ
る。「内因性FSHβ遺伝子」は、FSHβをコードするゲノム(すなわち、染色体)
遺伝子のコピーをいう。構築物は、新規に開示された5'側非コード配列および転
写調節配列を含むまたはそれらから誘導された標的配列を含有する。転写調節配
列は、好ましくは、内因性FSHβ遺伝子の転写調節配列と配列が異なる。調節配
列が内因性コード配列に機能的に結合するように、標的配列は標的遺伝子のFSH
β-コード配列の領域内、またはその上流領域への調節配列の組み込みを誘導す
る。「機能的に結合する」とは、調節配列が内因性FSHβ-コード配列を発現を誘
導することができることを意味する。構築物は、構築物および/またはプロモー
ターに機能的に結合した別のコード配列を安定的に組み込んだ細胞の選択を容易
にする選択可能なマーカー遺伝子をさらに含有してもよい。
【0005】 一つの態様において、DNA構築物は、(a)標的配列、(b)調節配列、(c)エ
クソン、(d)スプライス−ドナー部位を含有する。標的配列は、標的遺伝子のF SHβコード配列内または上流の領域への自身および要素(b)〜(d)の組み込み
を誘導する。一旦組み込まれたら、要素(b)は要素(c)および(d)並びに内
因性遺伝子の全ての下流のコード配列の転写を誘導することができる。構築物に
おいて、エクソンは、一般的に、調節配列の3'側であり、スプライス−ドナー部
位はエクソンの3'末端にある。
【0006】 他の態様において、DNA構築物は、(a)標的配列、(b)調節配列、(c)エク
ソン、(d)スプライス−ドナー部位、(e)イントロン、および(f)スプライ
ス−アクセプター部位を含み、要素(b)〜(f)が内因性遺伝子の内部または上
流にあるように、標的配列は自身および要素(b)〜(f)の組み込みを誘導する
。次いで、調節配列は要素(c)〜(f)だけでなく、内因性FSHβコード配列を
も含む転写物の産生を誘導する。好ましくは、イントロンおよびスプライス−ア
クセプター部位はスプライス−ドナー部位から下流の構築物に配置される。
【0007】 標的配列は、相同組換えが生じる予定であるゲノムの予め選択された標的部位
と相同である。標的配列は、ヒトFSHβゲノム配列の(翻訳開始部位に対して数
えて)ヌクレオチド-7454〜-1417位に相当する配列番号:4およびヒトFSHβゲノ
ム配列のヌクレオチド-696〜-155位に相当する配列番号:5と、少なくとも20(
例えば、少なくとも30、50、100、または1000)個の連続ヌクレオチドを含有す
る。「相同」とは、標的配列および標的部位がヒト細胞において相同組換えを受
けることができるように、標的配列がゲノム標的部位と同一または実質的にほぼ
同じであることを意味する。相同組換えが有用な頻度で生じることができるかぎ
り、小さい割合の塩基対のミスマッチが許容されうる。相同組換えを容易にする
ためには、標的配列は、好ましくは、鎖長が少なくとも約20塩基対(「bp」)で
ある(例えば、少なくとも50、100、250、400または1,000)。標的配列が、二つ
の領域である配列番号:4または配列番号:5のうちの一つの領域内から少なくと
も20ヌクレオチドを含む限り、標的配列は、配列番号:4または配列番号:5によ
って含まれる領域の外側からのゲノム配列も含む。例えば、追加の標的配列は、
配列番号:4とFSHβ遺伝子の転写開始配列との間にある配列から誘導されてもよ
い。
【0008】 FSHβ遺伝子座に存在することがある多型性のために、任意の所定の哺乳動物
種において任意の所定のゲノム標的部位のヌクレオチド組成物中にわずかな変更
が生じることがある。配列番号:4または配列番号:5のこのような多型変異体(
特にヒト多型変異体)に相当する標的配列は本発明の範囲内である。
【0009】 相同組換えの結果、構築物の調節配列は、細胞の染色体上のFSHβ遺伝子コー
ド配列の上流の予め選択された領域に組み込まれる。構築物由来の調節配列を含
有する得られた新規の転写単位は標的FSHβ遺伝子の発現を変更する。このよう
に作製されたFSHβタンパク質は未変更の内因性遺伝子がコードするFSHβタンパ
ク質の配列と同一であっても、または相同組換えの結果として導入された変更に
より、野生型FSHβタンパク質と比較して、追加のアミノ酸、置換アミノ酸、ま
たは少数のアミノ酸を含有してもよい。
【0010】 遺伝子発現の変更は、入手した細胞では通常サイレント(silent)である(す
なわち、本質的に発現されない)遺伝子を活性化する段階(または発現させるこ
と)、遺伝子の発現量を増加または減少する段階、および入手した細胞の遺伝子
の調節パターンとはパターンが異なるように遺伝子の調節パターンを変更する段
階を含む。「入手した細胞」とは相同組換え前の細胞をいう。
【0011】 哺乳類細胞における内因性FSHβ遺伝子の発現を変更するために本発明のDNA構
築物を使用する方法も本発明の範囲内である。本方法は、(i)DNA構築物を哺乳
類細胞に導入する段階と、(ii)構築物と標的配列に相同なゲノム標的部位との
間に相同組換えが生じることを可能にする条件下で細胞を維持する段階と、(ii i)構築物由来の調節配列の制御下でFSHβコード配列の発現を可能にする条件下
で相同組換え細胞を維持する段階とを含む。ゲノム標的部位の少なくとも一部は
内因性FSHβ遺伝子のコード配列の5'側である。すなわち、ゲノム標的部位はコ
ード配列および5'側非コード配列を含有することができる。
【0012】 本発明はまた、内因性FSHβ遺伝子の一方または両方の対立遺伝子において構
築物が内因性ATG開始コドンの上流のゲノムDNAで相同組換えを受けたトランスフ
ェクション細胞または感染細胞を特徴とする。このようなトランスフェクション
細胞または感染細胞は、相同組換え細胞とも呼ばれ、FSHβ発現パターンが変更
されている。これらの細胞はインビトロにおけるFSHβ産生および遺伝子治療に
よるFSHβの送達に特に有用である。このような細胞を作製する方法および使用
する方法も本発明に含まれる。細胞は、哺乳類(例えば、ヒト、ヒト以外の霊長
類、ウシ、ブタ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、ネコ、イヌ、ウサギ、マウス、モルモッ
ト、ハムスターまたはラット)起源などの脊椎動物起源であってもよい。
【0013】 本発明は、さらに、相同組換えにより宿主細胞のゲノムに上記の構築物を導入
することによってインビトロまたはインビボにおいて哺乳類FSHβタンパク質を
作製する方法に関する。次いで、相同組換え細胞を、転写、翻訳および必要に応
じて、FSHβタンパク質の分泌を可能にする条件下で維持する。
【0014】 本発明はまた、配列番号:4の少なくとも20(例えば、少なくとも30、50、100 、200または1000)個の連続ヌクレオチドの配列、または配列番号:5の少なくと
も20(例えば、少なくとも30、50、100または200)個の連続ヌクレオチド、また
は標的配列による相同組換えを妨害しない多型変異もしくは他のわずかな変異(
例えば、配列の5%未満)を除く、配列番号:4もしくは配列番号:5と同一の配列
における類似サイズ部分を含む、単離核酸を特徴とする。
【0015】 一つの態様において、本発明の単離核酸は配列番号:4または配列番号:5の連
続する100 bpブロックを含む。例えば、単離DNAは、配列番号:4またはその相補
鎖のヌクレオチド1〜100位、ヌクレオチド101〜200位、ヌクレオチド201〜300位
、ヌクレオチド301〜400位、ヌクレオチド401〜500位、ヌクレオチド501〜600位
、ヌクレオチド601〜700位、ヌクレオチド701〜800位、ヌクレオチド801〜900位
、ヌクレオチド901〜1000位、ヌクレオチド1001〜1100位、ヌクレオチド1101〜1 200位、ヌクレオチド1201〜1300位、ヌクレオチド1301〜1400位、ヌクレオチド1 401〜1500位、ヌクレオチド1501〜1600位、ヌクレオチド1601〜1700位、ヌクレ
オチド1701〜1800位、ヌクレオチド1801〜1900位、ヌクレオチド1901〜2000位、
ヌクレオチド2001〜2100位、ヌクレオチド2101〜2200位、ヌクレオチド2201〜23 00位、ヌクレオチド2301〜2400位、ヌクレオチド2401〜2500位、ヌクレオチド25 01〜2600位、ヌクレオチド2601〜2700位、ヌクレオチド2701〜2800位、ヌクレオ
チド2801〜2900位、ヌクレオチド2901〜3000位、ヌクレオチド3001〜3100位、ヌ
クレオチド3101〜3200位、ヌクレオチド3201〜3300位、ヌクレオチド3301〜3400 位、ヌクレオチド3401〜3500位、ヌクレオチド3501〜3600位、ヌクレオチド3601 〜3700位、ヌクレオチド3701〜3800位、ヌクレオチド3801〜3900位、ヌクレオチ
ド3901〜4000位、ヌクレオチド4001〜4100位、ヌクレオチド4101位〜4200位、ヌ
クレオチド4201〜4300位、ヌクレオチド4301〜4400位、ヌクレオチド4401〜4500 位、ヌクレオチド4501〜4600位、ヌクレオチド4601〜4700位、ヌクレオチド4701 〜4800位、ヌクレオチド4801〜4900位、ヌクレオチド4901〜5000位、ヌクレオチ
ド5001〜5100位、ヌクレオチド5101〜5200位、ヌクレオチド5201〜5300位、ヌク
レオチド5301〜5400位、ヌクレオチド5401〜5500位、ヌクレオチド5501〜5600位
、ヌクレオチド5601〜5700位、ヌクレオチド5701〜5800位、ヌクレオチド5801〜
5900位、ヌクレオチド5901〜6000位、またはヌクレオチド5939〜6038位を含有し
てもよい。または、本発明における単離核酸は、配列番号:5のヌクレオチド1〜
100位、ヌクレオチド101〜200位、ヌクレオチド201〜300位、ヌクレオチド301〜
400位、ヌクレオチド401〜500位、またはヌクレオチド443〜542位を含有しても
よい。配列番号:4もしくは配列番号:5、またはそれらの相補鎖のブロックは本
発明の構築物の標的配列として有用である。
【0016】 単離DNAにおいて、連続ヌクレオチド配列は全長FSHβ-コード配列に結合せず
、または少なくとも任意の天然型ゲノム中と同じ構造で結合しない(すなわち、
同じ配列によって分離されている)。本明細書において使用する「単離DNA」と
いう用語は、従って、配列番号:4または配列番号:5の一部もしくは全部を含む
だけでなく、それが細胞のゲノム中に存在するとき、FSHβコード配列と配列番
号:4または配列番号:5に相当する配列の間にある全ての配列とを含む、染色体
または(コスミドまたは酵母人工染色体に組み込まれるような)大切片のゲノム
DNAを示さない。それは、(i)プラスミドもしくはウィルスに組み込まれるDNA
、または(ii)他の配列とは独立した別の分子として存在するDNA、例えば、ポ
リメラーゼ連鎖反応(「PCR」)もしくは制限エンドヌクレアーゼ処理によって
作製される断片のようなDNAを含むが、これらに限定されることはない。単離DNA は、好ましくは、完全なFSHβ前駆体(すなわち、内因性分泌シグナルペプチド
を有する完全なFSHβ)をコードする配列を含有しない。
【0017】 本発明はまた、鎖長が少なくとも100ヌクレオチド(例えば、少なくとも200、
400または1000)であり、高ストリンジェンシー条件下または中度のストリンジ
ェンシー条件下において配列番号:4もしくは配列番号:5、または配列番号:4
もしくは配列番号:5の相補鎖とハイブリダイズする配列を含む鎖を有する単離D NAを含む。配列はFSHβコード配列に結合せず、または少なくとも任意の天然型
ゲノムに生じるものと同じ構造で結合しない。中度のストリンジェンシー条件と
は、チャーチ(Church)緩衝液(7% SDS、0.5% NaHPO4、1 M EDTA、1%ウシ血清
アルブミン)中で50℃においてハイブリダイゼーションし、50℃において2×SSC で洗浄することを意味する。高ストリンジェンシー条件とは、50%ホルムアミド
の存在下で42℃においてハイブリダイゼーションし、65℃において1% SDSを含む
2×SSCで洗浄し、次に65℃において0.1×SSCで洗浄することとして定義される。
【0018】 本発明はまた、(i)鎖長が少なくとも100(例えば、少なくとも200、400、ま
たは1000)ヌクレオチドであり、(ii)配列番号:4もしくは配列番号:5または
配列番号:4もしくは配列番号:5の相補鎖に由来する同じ長さのセグメントと、
少なくとも80%(例えば、85%、90%、95%または98%)配列の同一性を共有するヌ
クレオチド配列を含む鎖を有する単離DNAを含む。配列はFSHβコード配列に結合
せず、または少なくとも任意の天然型ゲノムに生じるものと同じ構造で結合しな
い。
【0019】 特定のポリペプチドまたは核酸分子が基準のポリペプチドまたは核酸分子と特
定の割合の同一性または保存性を有すると言われる場合には、同一性または保存
性の割合は、このようなパラメーターが必要な場合には、ギャップ長ペナルティ
12およびギャップペナルティ4を使用して、ALIGNプログラム(バージョン2)ま
たはその等価物において実施される、マイヤーズ(Myers)およびミラー(Mille r)、CABIOS(1989)のアルゴリズムによって求められる。他の全てのパラメー
ターはデフォルト位置に設定する。ALINEは容易に利用可能である。例えば、イ
ンターネットのhttp://www2.igh.cnrs.fr/bin/align-guess/cgiを参照。
【0020】 本発明はまた、内因性FSHβ遺伝子を本明細書に記載するように活性化した細
胞を提供し、該細胞がFSHβを分泌する動物に該細胞を植込むことによって、動
物(例えばヒトなどの哺乳類、ヒト以外の霊長類、ウシ、ブタ、ウマ、ヤギ、ヒ
ツジ、ネコ、イヌ、ウサギ、マウス、モルモット、ハムスターまたはラットなど
の動物)にFSHβを送達する方法を特徴とする。本発明はまた、内因性FSHβ遺伝
子を本明細書に記載するように活性化した細胞を提供し、該細胞がFSHβを発現
および分泌することのできる条件下において、インビトロで該細胞を培養するこ
とによって、FSHβを作製する方法を含む。
【0021】 本発明の単離DNAは、例えば、内因性FSHβ遺伝子の調節領域および/もしくは
コード領域を得る際に(好適な下流プライマーと併用する場合に)使用するため
の上流PCRプライマー源として、またはヒト染色体を調製する際に第11染色体の
存在を示すためのハイブリダイゼーションプローブとして使用することができる
。以下に記載するように、それは、脊椎動物細胞における内因性FSHβ遺伝子の
発現を変更するための方法においても使用することができる。
【0022】 特に規定しない限り、本明細書において使用するすべての技術用語および科学
用語は、本発明が属する技術分野の当業者が普通に理解するものと同じ意味を有
する。例示的な方法および材料を以下に記載するが、本発明を実施または試験す
る際に本明細書において記載するものと同様または等価な方法および材料を使用
することができる。本明細書に記載する全ての刊行物、特許出願、特許および他
の参照文献は全体の内容が参照として本明細書に組み入れられている。矛盾する
場合には、定義を含む本明細書が支配的である。材料、方法および実施例は例示
のためのみのものであり、限定する意図のものではない。
【0023】 本発明の他の特徴および利点は以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明
らかになると思われる。
【0024】詳細な説明 本発明は、ヒトFSHβ遺伝子のコード配列におけるヌクレオチド組成物の上流
配列の発見に基づいている。
【0025】 FSHは、通常の生殖生理条件下での卵母細胞および精子の維持および発生に対
する本質的な役割を果たすゴナドトロピンである。FSHは2つのサブユニットαお
よびβを有し、後者がFSHの生物学的な特異性を担う。
【0026】 ヒトFSHβ遺伝子は、16個のアミノ酸シグナルペプチドを含有する129個のアミ
ノ酸前駆体タンパク質をコードする。遺伝子は3つのエクソンと2つのイントロン
を含有し、第1のエクソンは非コードエクソンである。ヒトFSHβ遺伝子のゲノム
地図を図1に示す。地図は、3つの別個のゲノムセグメントに対応する、報告され
ている配列(HUMFSHBQ1、GenBankアクセッション番号M54912、M38644、M21219、
およびM18536)に基づいて構成されている。第1のセグメントは鎖長720 bpであ
り、530 bpの非転写上流配列、エクソン1(63bp;非コード)、および127 bpの
イントロン1を含有する。第2のセグメントは-152位から+367位までである(特に
明記しない限り、本明細書においていう位置は全て翻訳開始部位に対してである
)。このセグメントは146 bpのイントロン1、エクソン2(165 bp)および208 bp のイントロン2を含む。第3のセグメントは102 bpのイントロン2およびエクソン3 を含有し、翻訳停止コドンの下流1,480 bpまでにわたる。
【0027】FSHβコード配列の5'側特異的配列および内因性FSHβ遺伝子発現を変更する際の それらの用途 FSHβ遺伝子の上流配列を含有するゲノムDNAを得るために、λ EMBL3(Clonte chカタログ番号 HL1006d)のヒト白血球ゲノムライブラリーを40 bpのオリゴヌ
クレオチドプローブ、BETA2を用いてスクリーニングした。このプローブは23 bp のエクソン1および17 bpのイントロン1から誘導され、以下の配列を有する。
【0028】 放射性標識したBETA2プローブを用いて約100万の組換えファージをスクリーニ
ングした。クローン8-1-1-1と命名した1つのファージプラークを単離した。ファ
ージ8-1-1-1の7.6 kbのHindIII-KpnI断片をpBluescript II Sk+(Stratagene, L a Jolla, CA)にサブクローニングして約6.6 kbの上流配列、エクソン1、イント
ロン1、エクソン2、および9 bpのイントロン2を含有するプラスミドを作製した
(図2)。プラスミドはpHFB2と命名した。
【0029】 pHFB2プラスミドはサンガー(Sanger)法によって配列決定した。ファージ8-1 -1-1インサート全体の完全な配列を得るために、配列データセットを並べた。こ
のヌクレオチド配列(配列番号:1)を図3に示す。
【0030】 インサートは、-7,454位から開始する7,622 bp領域のFSHβ遺伝子を含むこと
が示された(図3)。-7,454位〜-1,417位(6,038 bpの上流配列;配列番号:4)
および-696位〜-155位(542 bpのイントロン1;配列番号:5)を含む配列はこれ
までに報告されていない。
【0031】 内因性FSHβ遺伝子の発現を変更するために、図4に示す一般的な方法を使用し
た。配列番号:4のヌクレオチド3860〜5784位は第1の(5'側)標的配列として働
いたが、配列番号:5は第2の(3'側)標的配列として働いた。次いで、これらの
配列を含有するDNA断片をプラスミドにサブクローニングして、それぞれ、図5〜
7に例示する標的構築物pGA308、pGA301およびpGA307を作製した。これらのプラ
スミドは各々約3.2 kbの5'側標的配列および約0.5 kbの3'側標的配列を含有する
【0032】 HT-1080細胞にプラスミドの各々を別個にトランスフェクトし、G418選択下に
おいた。約14日後、6-ウェルプレート中のG418耐性コロニーを計数した。また、
各ウェルのコンディションド培地(conditioned medium)をELISAによってGA-FS H発現についてスクリーニングした。GA-FSH産生を示す細胞をトリプシン処理し
、計数した。次いで、細胞を希釈し、96-ウェルプレートで平板培養してクロー
ンを作製した。約2週間の培養後、クローン細胞集団をELISAによってGA-FSH産生
についてスクリーニングした。GA-FSHを産生することが見いだされたコロニーを
培養で増殖し、保存またはさらに分析した。表1は、内因性遺伝子活性化頻度お
よび上記のクローニング手法からの他の観察を要約する。
【0033】 pGA308をトランスフェクトした細胞をさらに詳細に検討した。図8は、種々の
濃度のメトトレキセートを含有する培地中で培養したpGA308-トランスフェクトH T1080細胞において活性化されたFSH産生範囲を示す。「0.2(クローニングした
もの)」をつけた棒グラフは、0.2μMメトトレキセートに耐性を示す細胞の限界
希釈によってクローニングした細胞株のFSH産生を示す。図8にグラフを示す結果
は、より高濃度のメトトレキセートは、1日に少なくとも50μg/106細胞を産生す
る細胞株を生じることができることを明らかに示している。
【表1】
【0034】 一般的な方法内因性FSHβ発現の変更 上記のFSHβ上流配列を使用して、米国特許第5,641,670号に一般的に記載され
ている方法によって、内因性ヒトFSHβ遺伝子の発現を変更することができる。
一方法を図4に示す。この方法では標的構築物は、遺伝子の上流の第1の標的部位
と相同な第1の標的配列、増幅可能なマーカー遺伝子、選択可能なマーカー遺伝
子、調節領域、CAP部位、エクソン、対を形成していないスプライス−ドナー部
位、および第1の標的部位の下流の第2の標的部位に相当し、FSHβ-コード配列内
または上流のいずれかで停止する第2の標的配列を含むようにデザインする。こ
の方法では、第1の標的部位および第2の標的部位は相同組換えの前には染色体中
で隣接しているが、このような構成は必要ではない(以下も参照)。相同組換え
細胞は、外因性エクソンおよびスプライス−ドナー部位、並びにFSHβイントロ
ン、エクソンおよび3'非翻訳領域を含む、スプライス−ドナー部位とFSHβ遺伝
子の転写終結配列との間の任意の配列に相当するmRNA前駆体を作製する(図4)
。この情報(message)がスプライシングされると、外因性エクソンが内因性FSH β遺伝子のエクソン2に融合するmRNAが得られる。mRNAの翻訳はFSHβ前駆体を産
生する。
【0035】 他の方法を使用してもよい。例えば、第1のおよび/または第2の標的部位はFSH β遺伝子の第1のイントロン中に存在してもよい。または、DNA構築物は、5'側〜
3'側に、第1の標的配列、増幅可能なマーカー遺伝子、選択可能なマーカー遺伝
子、調節配列、CAP部位、エクソン、スプライス−ドナー部位、イントロン、ス
プライス−アクセプター部位、および第2の標的配列を含むようにデザインされ
てもよい。この方法では、望ましくないATG開始コドンを回避するために、好ま
しくは、第2の標的部位の5'末端が通常のFSHβ翻訳開始部位の上流40 bp以内に
存在する。相同組換え遺伝子座から作製されるmRNA前駆体は外因性エクソン、外
因性スプライス−ドナー部位、外因性イントロン、外因性スプライス−アクセプ
ター部位、ならびに外因性スプライス-アクセプター部位および内因性FSHβ遺伝
子の転写終結部位との間の任意の配列を含む。この転写物がスプライシングされ
ると、翻訳されて、通常のFSHβ分泌シグナル配列または遺伝的に操作された分
泌シグナル配列のいずれかを有するヒトFSHβ前駆体を作製することができるmRN Aが作製されると考えられる。調節領域の機能を最適化するために、外因性イン
トロンのサイズ、従って内因性遺伝子のコード領域に対する外因性調節領域の位
置を変えることができる。
【0036】 任意の活性化方法において、第1のおよび第2の標的部位は隣接した位置になく
ても、また互いに近接していなくてもよい。それらが互いに隣接していない場合
には、FSHβ遺伝子の通常の上流領域の部分および/またはコード領域の部分は相
同組換えの結果欠損される。
【0037】 望ましい場合には、活性化されたFSHβ遺伝子の産物は、その産物がFSHβ遺伝
子の産物とヘテロダイマーを形成する、ヒト糖タンパク質α-サブユニット(FSH α)遺伝子を発現する細胞種において産生され得る。これは天然型細胞株または
細胞系統であってもよい。または、ヒト糖タンパク質α-サブユニット遺伝子(G enbank 配列HUMGLYCA1)がFSHβ遺伝子産物と同時発現されてもよく、このよう
な同時発現は、好適なプロモーターの制御下でヒト糖タンパク質α-サブユニッ
ト遺伝子またはcDNAの発現によって実施されても、または本明細書に記載する方
法によってヒト糖タンパク質α-サブユニット遺伝子の活性化によって実施され
てもよい。
【0038】 例として、糖タンパク質α-サブユニットをコードする配列がDNA構築物に加え
られてもよい。このコード配列は、内因性FSHβ遺伝子の発現を誘導する調節配
列のヌクレオチド組成と同一であっても、または異なってもよいヌクレオチド組
成を有する調節配列の転写制御下におかれる。図5〜7はこのような構築物の例を
示す。
【0039】DNA構築物 本発明のDNA構築物は少なくとも1つの標的配列と調節配列を含む。それはまた
、エクソン、またはエクソンと対を形成していないスプライス−ドナー部位、ま
たはエクソンとスプライス−ドナー部位とイントロンとスプライス−アクセプタ
ー部位をさらに含み得る。エクソンが存在する場合には、調節配列の3'側であり
、対を形成していないスプライス−ドナーが、エクソンの3'末端である。イント
ロンおよびスプライス−アクセプター部位が存在する場合には、スプライス−ド
ナー部位の3'側である。また、対を形成していないスプライス-ドナー部位と隣
接したエクソンの前に(すなわち、5'側に)、(適当なスプライス−ドナー部位
およびスプライス−アクセプター部位を有する)多数のエクソンおよびイントロ
ンが存在してもよい。構築物中のDNAは、該DNAが宿主細胞のゲノムの起源の部分
ではないことから外因性と言われる。外因性DNAはウィルスベクターによるトラ
ンスフェクションまたは感染の前に細胞に存在する内因性ゲノムDNAの部分と同
一または異なる配列を有してもよい。本明細書において使用する「トランスフェ
クション」とは、リン酸カルシウムもしくは塩化カルシウム沈殿、DEAE-デキス
トラン媒介性トランスフェクション、リポフェクション、エレクトロポレーショ
ン、マイクロインジェクション、マイクロプロジェクタイル(microprojectile
)または生物銃(biolistic)媒介性取り込みなどの化学的または物理的手段に
よってプラスミドを細胞に導入することを意味する。本明細書において、「感染
」とはウィルス感染によって細胞にウィルス核酸を導入することを意味する。本
発明のDNA構築物に含まれる種々の要素は以下に詳細に記載されている。
【0040】 DNA構築物はまた、シス作用性またはトランス作用性ウィルス配列(例えば、
パッケージングシグナル)を含んでもよく、それによってウィルスベクターによ
る感染によって細胞の核内への構築物の送達を可能にする。必要な場合には、DN A構築物は、レトロウィルスへのインテグラーゼ媒介性導入またはエピソーム維
持などのウィルスの種々のライフサイクルから切り離すことができる。逸脱は、
レトロウィルスベクターのインテグラーゼコード領域の欠損などのウィルス配列
の適当な欠損または突然変異によって実施することができる。構築およびウィル
スベクターの構築および使用に関するさらなる詳細は、参照として本明細書に組
み入れられているロビンス(Robbins)ら、Pharmacol. Ther. 80: 35-47, 1998
およびグンズブルグ(Gunzburg)ら、Mol. Med. Today 1: 410-417, 1995におい
て見られる。
【0041】標的配列 標的配列により、宿主ゲノムの選択した部位において望ましい配列の相同組換
えが可能になる。標的配列は、宿主ゲノムのそれぞれの標的部位に相同である(
すなわち、相同組換えすることができる)。
【0042】 環状DNA構築物は1つの標的配列または2つもしくはそれ以上の別個の標的配列
を使用することができる。直鎖状DNA構築物は2つ以上の別個の標的配列を含有す
ることができる。所定の標的配列が相同である標的部位は、FSHβ遺伝子のエキ
ソンおよび/もしくはイントロン内、FSHβコード領域の上流の隣接した位置、ま
たはFSHβコード領域の上流の離れた位置に位置することができる。
【0043】 構築物中の2つの標的部位において第1の標的部位は(または構築物中に1つし
か標的配列がない場合には、標的配列全体)は、少なくとも一部において、FSH
β-コード配列の上流の新規に開示されたゲノム領域から誘導される。この標的
配列は配列番号:1の一部分、例えば、-7454〜-1417位(配列番号:4)または-6 96〜-155位(配列番号:5)に相当する配列由来の少なくとも20個の連続ヌクレ
オチドを含む。構築物中の2つの標的配列において第2の標的部位は、コード配列
の上流のゲノム領域を標的とするか(例えば、配列番号:4または配列番号:5の
一部を含む)、遺伝子のエクソンもしくはイントロンを標的にすることができる
【0044】 標的配列は、本明細書に記載するものを含む、FSHβ遺伝子の以前に報告され
た領域から誘導される配列、および構造上は特徴付けられていないが、当業者に
よってマッピングができるさらに上流の領域をさらに含んでもよい。
【0045】 標的配列として用いることができるゲノム断片は、配列番号:4または配列番
号:5の全体または一部を含有するプローブにハイブリダイズする能力によって
同定することができる。このようなプローブは、配列番号:1から誘導されるプ
ライマーを使用してPCRによって作製することができる。
【0046】調節配列 DNA構築物の調節配列は、プロモーター(例えば、構成的、組織特異的または
誘導性プロモーター)、エンハンサー、骨格結合領域もしくは基質結合部位、負
の調節要素、転写因子結合部位、またはこれらの要素の組み合わせの1種以上を
含有することができる。
【0047】 調節配列は真核細胞(例えば、哺乳類)またはウィルスゲノムから誘導するこ
とができる。有用な調節配列には、SV40初期遺伝子または後期遺伝子、サイトメ
ガロウィルス遺伝子、およびアデノウィルス主要後期遺伝子の発現を調節するも
のが含まれるが、これらに限定されることはない。それらはまた、マウスメタロ
チオネイン-I、延長因子-1α、コラーゲン(例えば、コラーゲンIα1、コラーゲ
ンIα2およびコラーゲンIV)、アクチン(例えば、γ-アクチン)、免疫グロブ
リン、HMG-CoAレダクターゼ、リン酸グリセルアルデヒドデヒドロゲナーゼ、3-
ホスホグリセレートキナーゼ、コラゲナーゼ、ストロメリシン(stromelysin)
、フィブロネクチン、ビメンチン、プラスミノーゲン活性化因子阻害因子I、チ
モシンβ4、メタロプロテイナーゼの組織阻害因子、リボソームタンパク質、主
要組織適合性複合体分子、およびヒト白血球抗原をコードする遺伝子から誘導さ
れる調節領域を含む。
【0048】 調節領域は、好ましくは、TATAボックス、CCAATボックス、AP1、Sp1、またはN F-κB結合部位などの転写因子結合部位を含む。
【0049】マーカー遺伝子 望ましい場合には、構築物は、自身のプロモーターに機能的に結合した、望ま
しいポリペプチドをコードする配列を含んでもよい。この一例では、標的事象の
同定を促進するために使用することができる選択可能なマーカー遺伝子であると
思われる。増幅可能なマーカー遺伝子を、同時に増幅される隣接DNA配列を有す
る細胞の選択を容易にするために使用してもよい。増幅可能なマーカー遺伝子の
増幅されたコピーを含有する細胞は、増幅可能な遺伝子の発現を選択する物質の
存在下における増殖によって同定することができる。活性化された内因性遺伝子
は、典型的には、増幅された選択可能なマーカー遺伝子と連結して増幅される。
活性化された内因性遺伝子の多数のコピーを含有する細胞は非常に大量のFSHβ
を産生することができ、従って、インビトロにおけるタンパク質産生および遺伝
子治療に有用である。
【0050】 選択可能で、増幅可能なマーカー遺伝子は互いに隣接した位置に存在する必要
はない。増幅可能なマーカー遺伝子および選択可能なマーカー遺伝子は同じ遺伝
子であってもよい。マーカー遺伝子の一方または両方はDNA構築物のイントロン
内に配置されてもよい。好適な増幅可能なマーカー遺伝子および選択可能なマー
カー遺伝子は米国特許第5,641,670号に記載されている。
【0051】外因性エクソン DNA構築物は、エクソン、すなわち、RNAにコピーされ、成熟したmRNA分子中に
存在するDNA配列をさらに含有してもよい。構築物中のエクソンは本明細書にお
いて外因性エクソン、または構築物由来のエクソンと呼ばれる。外因性エクソン
は、ヒトFSHβ遺伝子の第1のエクソンのようにコードしていなくてもよいし、実
際に、後者のエクソンの配列において任意に同一であってもよい。または、外因
性エクソンは1つもしくはそれ以上のアミノ酸残基をコードし、またはアミノ酸
残基を部分的にコードする(すなわち、1つのコドンにおいて、1つまたは2つの
ヌクレオチドを含む)。エクソンがコード配列を含有する場合には、DNA構築物
は、転写およびスプライシングの結果、得られたmRNAのリーディングフレームが
標的FSHβ遺伝子のコード領域とインフレームであるようにデザインされるべき
である。すなわち、内因性エクソンから誘導されるmRNAの一部の適当なリーディ
ングフレームを変更しないように、外因性エクソンが内因性エクソンまでスプラ
イシングされる。
【0052】 DNA構築物中にコードエクソンを含むと、内因性FSHβタンパク質配列と外因性
タンパク質配列の両方を含有する融合タンパク質が産生される。このようなハイ
ブリッドタンパク質は、2種もしくはそれ以上のタンパク質の構造特性、酵素的
特性またはリガンド-もしくは受容体-結合特性を1つのポリペプチド中に併せ持
つことができる。例えば、外因性エクソンは細胞膜アンカー、細胞分泌を促進す
るシグナルペプチド、リーダー配列、酵素領域、コ-ファクター結合領域、また
は組換えられた遺伝子座から産生されるFSHβハイブリッドタンパク質の精製を
容易にするエピトープ標識をコードすることができる。
【0053】スプライス-ドナー部位 外因性エクソンは、スプライス-ドナー部位によって3'末端に隣接している。
スプライス-ドナー部位は、RNA転写において他のエクソンのスプライス-アクセ
プター部位までRNA転写物のエキソンのスプライシングを誘導する。典型的に、
第1のエクソンは第2のエクソンの5'側に存在し、第1のエクソンの3'末端に位置
するスプライス−ドナー部位は第2のエクソンの5'末端におけるスプライス−ア
クセプター部位と対を形成する。スプライス−ドナー部位は(A/C)AGGURAGU(
ここで、Rはプリンを示す)として表される特徴的なコンセンサス配列を有し、4 番目と5番目に位置するGUが必要である(Jackson, Nucleic Acids Research19:3 715-3798, 1991)。スプライス−ドナーコンセンサス部位の最初の3つの塩基は
エクソンの最後の3つの塩基である。すなわち、それらはスプライシングによっ
て除去されていない。スプライス−ドナー部位は、mRNAスプライシング経路内で
適当な反応を実施する能力によって機能的に定義される。
【0054】 例として、外因性エクソンが標的遺伝子の第2のエクソンとインフレームであ
るのに、1つ以上の介在ヌクレオチドの存在が必要ない場合には、スプライス−
ドナー部位はATGコドンの3'側にすぐ隣接して存在してもよい。外因性エクソン
が、標的遺伝子のコード配列と共に1つ以上のアミノ酸をコードする場合には、
スプライス−ドナー部位は、好ましくは、外因性コード配列の3'側に隣接して位
置してもよい。
【0055】 外因性エクソンに隣接するスプライス−ドナー部位は構築物中で対を形成しな
い。すなわち、構築物自体では、スプライス−ドナー部位が後にスプライシング
され得るスプライス−ドナー部位の下流にスプライス−アクセプター部位を伴わ
ない。FSHβコード配列の上流の標的部位への相同組換えにより、構築物の対を
形成していないスプライス−ドナー部位であるものは、FSHβの内因性エクソン
の内因性スプライス−アクセプター部位と機能的に対を形成する。相同組換えさ
れたFSHβ遺伝子から作製される転写物をプロセッシングすると、外因性エクソ
ンが内因性エクソンのスプライス−アクセプター部位までスプライシングされる
【0056】 本発明の構築物はまた、スプライス−アクセプター部位を含有してもよい。こ
の部位は、スプライス−ドナー部位と関連して、一方のエクソンの他方のエクソ
ンまでのスプライシングを誘導する。スプライス−アクセプター部位は、(Y)1 0NYAG(配列番号:7)(ここで、Yはピリミジンを示し、Nは任意のヌクレオチド
を示す)として表される特徴的な配列を有する(Jackson, Nucleic Acids Resea rch19: 3715-3798, 1991)。
【0057】イントロン DNA構築物は、必要に応じて、イントロンを含有してもよい。イントロンは、
スプライス−ドナー部位とスプライス−アクセプター部位との間に位置する1つ
以上のヌクレオチドの配列で、成熟mRNA分子を形成する際にスプライシングによ
って前駆体RNA分子から除去される。
【0058】CAP部位 DNA構築物は、必要に応じて、CAP部位を含有してもよい。CAP部位は、調節領
域と関連し、調節領域に利用される特異的な転写開始部位である。このCAP部位
は、相同組換え後に、調節配列がCAP部位から開始する転写物の合成を誘導する
ように、構築物中の調節配列に対する位置に配置される。または、CAP部位が構
築物中に含まれず、CAP部位として使用される標的遺伝子の適当な部位を転写装
置がデフォルトで決める。
【0059】追加のDNA要素 構築物は、さらに、相同組換えによって作製されるRNAもしくはタンパク質の
構造または安定性に影響を与える配列を含有してもよい。必要に応じて、DNA構
築物は、細菌または任意の他の好適なクローニング/宿主系において大規模なプ
ラスミド増幅を可能にする細菌起源の複製マーカーおよび細菌の抗生物質耐性マ
ーカーまたは他の選択可能なマーカーを含んでもよい。
【0060】 DNA構築物における上記のすべての構成要素は互いに機能的に結合し、または
互いに機能的に配置される。すなわち、構築物と標的ゲノムDNAとの間の相同組
換えの結果、調節配列は(必要に応じて構築物に含まれる)CAP部位から開始し
、(i)存在する場合には、構築物において、エクソンとスプライス-ドナー部位
に対応する配列、および(ii)スプライス-ドナー部位と内因性遺伝子の転写終
結部位との間に位置する配列を含む、一次RNA転写物の産生を誘導することがで
きる。後者の配列は、FSHβ遺伝子の内因性調節領域および通常は転写されない
その領域に近接する配列を含んでもよい。機能的に結合した構成において、十分
にスプライシングされた成熟した転写物から所望のタンパク質が産生され得るよ
うに、標的構築物のスプライス−ドナー部位は、内因性FSHβ遺伝子のエクソン
の1つに隣接するスプライス−アクセプター部位までのスプライシング事象を誘
導する。スプライス−アクセプター部位は、スプライシング事象が内因性エクソ
ンまで実施されるように、内因性であってもよい。スプライス−アクセプター部
位が標的構築物に含まれる別の態様において、スプライシング事象は、標的構築
物によって導入された外因性イントロンを除去する。
【0061】 DNA構築物中の要素の順序は変わってもよい。構築物が環状プラスミドまたは
ウィルスベクターの場合には、得られた構造物中の要素の相対的な順序は、例え
ば、標的配列、プラスミドDNA(微生物もしくは他の好適な宿主における標的プ
ラスミドの選択および/または複製のために使用される配列を含む)、選択可能
なマーカー、調節配列、エクソン、および対を形成していないスプライス−ドナ
ー部位であってもよい。
【0062】 構築物が直鎖状の場合には、順序は、例えば、第1の標的配列、選択可能なマ
ーカー遺伝子、調節配列、エクソン、スプライス−ドナー部位、および第2の標
的配列であってもよく、または別には、第1の標的配列、調節配列、エクソン、
スプライス−ドナー部位、選択可能なマーカー遺伝子、および第2の標的配列で
あってもよい。要素の順序は、第1の標的配列、選択可能なマーカー、調節配列
、エクソン、スプライス−ドナー部位、イントロン、スプライス−アクセプター
部位、必要に応じて、内部のリボソーム流入部位、および第2の標的配列であっ
てもよい。
【0063】 または、順序は、第1の標的配列、第1の選択可能なマーカー遺伝子、調節配列
、エクソン、スプライス−ドナー部位、第2の標的配列、および第2の選択可能な
マーカー遺伝子であってもよく、または第1の標的配列、調節配列、エクソン、
スプライス−ドナー部位、第1の選択可能なマーカー遺伝子、第2の標的配列、お
よび第2の選択可能なマーカー遺伝子であってもよい。宿主ゲノム内に相同配列
を有する第1の選択可能なマーカーに隣接する標的配列間の組換えにより、第1の
選択可能なマーカーが標的組み込みされるが、第2の選択可能なマーカーは組み
込まれない。トランスフェクションまたは感染された望ましい細胞は、(第2の
選択可能なマーカーではなく)第1の選択可能なマーカーとともに安定的にトラ
ンスフェクションまたは感染される細胞である。このような細胞は、第1のマー
カーの発現を選択する物質と第2のマーカーに対して選択する別の物質を含有す
る培地での増殖によって選択することができる。相同組換え以外の機序によって
標的構築物を不適切に組み込んだトランスフェクション細胞または感染細胞は第
2のマーカー遺伝子を発現することが予想され、それによって培地中で死滅する
【0064】 正の選択可能なマーカーの増幅コピーを含有する細胞の選択を可能にするため
に、正の選択可能なマーカー遺伝子が構築物に含まれることもある。この態様に
おいて、構築物構成要素の順序は、例えば、第1の標的配列、増幅可能な正に選
択可能なマーカー、第2の選択可能なマーカー(任意)、調節配列、エクソン、
スプライス−ドナー部位、および第2の標的DNA配列であってもよい。
【0065】 構築物の種々の要素は天然起源であっても(例えば、ゲノムDNA)、または遺
伝子工学技術もしくは合成方法を使用して作製してもよい。構築物の調節配列、
CAP部位、エキソン、スプライス−ドナー部位、必要に応じてイントロン、およ
びスプライス−アクセプター部位は、完全な単位として、例えば、ヒト延長因子
−1α(Genbank配列HUMEFIA)遺伝子またはサイトメガロウィルス(Genbank配
列HEHCMVP1)即時型初期領域(immediate early region)から単離することがで
きる。これらの構成要素は別個の遺伝子から単離されてもよい。
【0066】トランスフェクションまたは感染および相同組換え 本発明のDNA構築物は、1つのDNA構築物として、またはトランスフェクション
細胞もしくは感染細胞の染色体もしくは核DNA内に組み込まれる別個のDNA配列と
して、一次、二次または不死化細胞などの細胞に導入することができる。DNAは
直鎖状、2本鎖(一方の末端または両方の末端に1本鎖領域を有しても、有さなく
てもよい)、1本鎖または環状分子として導入されてもよい。DNA構築物またはそ
のRNAの等価物もまた、ウィルス核酸として導入され得る。
【0067】 構築物が2つの別個のDNA断片で宿主細胞に導入される場合には、2つの断片は
一方の断片の3'末端と他方の5'末端でDNA配列の相同性(重複)を共有するが、
一方は第1の標的配列を保有し、他方は第2の標的配列を保有する。細胞への導入
の結果、2つの断片は相同組換えを受けて、2つの元の断片間の重複領域に隣接す
る第1の標的配列および第2の標的配列を有する1つの分子を形成することができ
る。次いで、産物分子は細胞標的部位との相同組換えのために好適な形状となる
。2つより多い断片を使用してもよく、それらの各々は、互いに相同組換えを受
けて、上記のように細胞標的部位との相同組換えに好適な産物を最終的に形成す
る。
【0068】 本発明のDNA構築物は、それ自体選択可能なマーカーを含有しない場合には、
このようなマーカー遺伝子を含有する別の構築物と同時トランスフェクションま
たは同時感染されてもよい。標的プラスミドは1カ所以上の部位が制限酵素で切
断されて、直鎖状分子またはギャップ分子を形成してからトランスフェクション
または感染されてもよい。得られたDNA自由端は望ましい相同組換え事象の頻度
を増す。また、DNA自由端はエキソヌクレアーゼで処理されて、オーバーハング
した5'または3'1本鎖DNA末端(例えば、少なくとも鎖長30ヌクレオチド、好まし
くは鎖長100〜1000ヌクレオチド)を形成し、望ましい相同組換え事象の頻度を
増加させることができる。この態様において、標的配列とゲノム標的との間の相
同組換えにより、導入されたプラスミド内に含有される要素に隣接した2コピー
の標的配列が得られる。
【0069】 DNA構築物は、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、マイク
ロプロジェクタイルボンバードメント、リン酸カルシウム沈殿、リポソーム送達
または、ポリブレン-もしくはDEAEデキストラン-媒介性トランスフェクションを
含む種々の物理的または化学的方法によって細胞に(好ましくはインビトロにお
いて)トランスフェクションすることができる。
【0070】 トランスフェクション細胞または感染細胞を、当技術分野において記載されて
いるように(例えば、Capecchi, Science24: 1288-1292, 1989を参照)、相同組
換えを可能にする条件下で維持する。「トランスフェクション細胞」は、ウィル
スベクターを使用する以外の手段によってDNA分子が導入された細胞(またはそ
の祖先)を意味する。「感染細胞」とは、ウィルスベクターを使用してDNAまた
はRNA分子が導入された細胞(またはその祖先)を意味する。ベクターとして有
用であることが周知のウィルスには、アデノウィルス、アデノ-関連ウィルス、
ヘルペスウィルス、ムンプスウィルス、ポリオウィルス、レンチウィルス、レト
ロウィルス、シンドビスウイルスおよびカナリア痘ウイルスなどのワクシニアウ
ィルスが含まれる。相同組換え細胞がDNAの転写を可能にするのに十分な条件下
で維持される場合には、DNA構築物によって導入される調節領域はFSHβ遺伝子の
転写を変更する。
【0071】 相同組換え細胞(すなわち、望ましい相同組換えを受けた細胞)は表現型スク
リーニングによって、または酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)において培養上
清をFSHβについて分析することによって同定することができる。FSHβを検出す
るための市販のELISAキットはアキュレートケミカルアンドサイエンティフック
(Accurate Chemical and Scientific)(Westbury, NY)から入手可能である。
相同組換え細胞はまた、サザン解析およびノーザン解析によって、またはポリメ
ラーゼ連鎖反応(PCR)スクリーニングによって同定することができる。
【0072】 本明細書において使用する「一次細胞」という用語は、(i)脊椎動物組織起
源から単離した細胞懸濁液中に存在する細胞(平板培養前、すなわち皿またはフ
ラスコなどの組織培養基質に接着している)、(ii)組織から誘導した外植片中
に存在する細胞、(iii)最初に平板培養した細胞、および(iv)これらの平板
培養細胞から誘導した細胞懸濁液を含む。一次細胞はまた、ヒトまたは動物内に
天然に存在する細胞であってもよい。
【0073】 二次細胞は下記の全ての培養段階にある細胞である。すなわち、平板培養した
一次細胞を培養基質から取り出して、再度平板培養(継代)してはじめて、それ
らは、その後の継代培養における全ての細胞と同じく、本明細書において二次細
胞と呼ぶ。二次細胞株は、1回以上継代培養された二次細胞からなる。二次細胞
は、典型的には、培養中限られた数の平均集団倍加および接触阻止型足場依存性
増殖特性(足場依存性は、懸濁培養で増殖される細胞には適用しない)を示す。
一次細胞および二次細胞は不死化されない。
【0074】 不死化細胞は、培養において見かけ上制限のない寿命を示す細胞系である(細
胞株とは異なり、「株」という命名は一次細胞および二次細胞についていう)。
【0075】 トランスフェクションまたは感染のために選択される細胞は、4つの種類また
はカテゴリーに分類することができる:(i)入手するとき、痕跡量以上のFSHβ
タンパク質を産生または含有しない細胞、(ii)タンパク質を産生または含有す
るが、望ましい量より少ない量のタンパク質(入手した細胞の種類にとって生理
学的に通常な量より少ない量である)を含む細胞、(iii)入手した細胞の種類
にとっては生理学的に通常であるが、それらの含量または産生が増加または増強
されることができる濃度でタンパク質を作製する細胞、および(iv)タンパク質
をコードする遺伝子の調節または誘導パターンを変更することが望ましい細胞。
【0076】 本発明の方法によってトランスフェクションまたは感染される一次、二次およ
び不死化細胞は種々の組織から入手することができ、培養で維持することができ
る全ての適当な細胞種を含む。例えば、好適な一次および二次細胞には、線維芽
細胞、ケラチン細胞、上皮細胞(例えば、哺乳類上皮細胞、腸上皮細胞)、内皮
細胞、神経膠細胞、神経細胞、血液の構成要素(例えば、リンパ球、骨髄細胞)
、筋肉細胞、およびこれらの体細胞種の前駆体が含まれる。相同組換え細胞を遺
伝子治療に使用する予定の場合には、一次細胞は、好ましくは、トランスフェク
ションまたは感染させた一次または二次細胞を投与する予定の個体から入手する
。しかし、一次細胞は同じ種のドナー(すなわち、レシピエント以外の個体)か
ら入手することができる。
【0077】 タンパク質産生または遺伝子治療に有用な不死化ヒト細胞系の例には、2780AD 卵巣癌細胞(Van der Blick ら、Cancer Res. 48: 5927-5932, 1988)、A549(A merican Type Culture Collection(「ATCC」)CCL 185)、BeWo(ATCC CCL 98
)、Bowes黒色腫細胞(ATCC CRL 9607)、CCRF-CEM(ATCC CCL 119)、CCRF-HS B-2(ATCC CCL 120.1)、COLO201(ATCC CCL 224)、COLO205(ATCC CCL 222)
、COLO 320DM(ATCC CCL 220)、COLO 320HSR(ATCC CCL 220.1)、Daudi細胞(
ATCC CCL 213)、Detroit 562(ATCC CCL 138)、HeLa細胞およびHeLa細胞誘導
物(ATCC CCL 2, 2.1および2.2)、HCT116(ATCC CCL 247)、HL-60細胞(ATCC CCL 240)、HT1080細胞(ATCC CCL 121)、IMR-32(ATCC CCL 127)、Jurkat細
胞(ATCC TIB 152)、K-562白血病細胞(ATCC CCL 243)、KB癌腫細胞(ATCC C CL 17)、KG-1(ATCC CCL 246)、KG-1a(ATCC CCL 246.1)、LS123(ATCC CCL 255)、LS174T(ATCC CCL CL-188)、LS180(ATCC CCL CL-187)、MCF-7乳癌細
胞(ATCC BTH 22)、MOLT-4細胞(ATCC CRL1582)、Namalwa細胞(ATCC CRL 143 2)、NCI-H498(ATCC CCL254)、NCI-H508(ATCC CCL 253)、NCI-H548(ATCC C CL 249)、NCI-H716(ATCC CCL 251)、NCI-H747(ATCC CCL 252)、NCI-H1688
(ATCC CCL 257)、NCI-H2126(ATCC CCL 256)、Raji細胞(ATCC CCL 86)、RD (ATCC CCL 136)、RPMI 2650(ATCC CCL 30)、RPMI 8226細胞(ATCC CCL 155
)、SNU-C2A(ATCC CCL 250.1)、SNU-C2B(ATCC CCL 250)、SW-13(ATCC CCL 105)、SW48(ATCC CCL 231)、SW403(ATCC CCL 230)、SW480(ATCC CCL 227
)、SW620(ATCC CCL 227)、SW837(ATCC CCL 235)、SW948(ATCC CCL 237)
、SW1116(ATCC CCL 233)、SW1417(ATCC CCL 238)、SW1463(ATCC CCL 234)
、T84(ATCC CCL 248)、U-937細胞(ATCC CRL 1593)、WiDr(ATCC CCL 218)
およびWI-38VA13サブライン2R4細胞(ATCC CCL 75.1)、並びにヒト細胞と別の
種の細胞との融合によって作製されるヘテロハイブリドーマ細胞が含まれるが、
これらに限定されることはない。WI-38(ATCC CCL 75)およびMRC-5(ATCC CCL1 71)などの二次ヒト線維芽細胞株を使用してもよい。また、一次、二次または不
死化ヒト細胞並びに他の種の一次、二次または不死化細胞をインビトロにおける
タンパク質産生または遺伝子治療に使用してもよい。
【0078】FSHβ発現細胞 本発明の相同組換え細胞は望ましい量のFSHβを発現し、インビトロにおけるF SHβ産生または遺伝子治療に有用である。
【0079】タンパク質産生 本発明による相同組換え細胞はFSHβのインビトロにおける産生に使用するこ
とができる。細胞は当技術分野において記載されている条件下で維持されて、タ
ンパク質を発現する。FSHβタンパク質は細胞溶解物または細胞上清から精製す
ることができる。FSHβタンパク質を含有する薬学的組成物は当技術分野におい
て周知の従来の薬学的経路(例えば、経口、静脈内、筋肉内、鼻腔内、肺、経粘
膜、皮内、くも膜下腔内、経皮、直腸、皮下、腹腔内または病巣内)によってヒ
トまたは動物に送達することができる。経口投与は、タンパク質を消化管での分
解から保護する方法、例えばポリマーマイクロカプセルへの封入を使用すること
が必要な場合がある。
【0080】遺伝子治療 本発明の相同組換え細胞は相同組換え細胞系の集団として、相同組換え一次ま
たは二次細胞集団として、相同組換えクローン細胞株または細胞系として、相同
組換え異種細胞株または細胞系として、および相同組換え細胞の先の4つのカテ
ゴリーの1つにおいて、少なくとも1つの代表的な細胞が存在する細胞混合物とし
て有用である。ヒトもしくは動物における不妊を治療するため、受精能を高める
ため、またはFSHβによる治療が可能な任意の他の状態を治療するために、この
ような細胞を送達系に使用することができる。
【0081】 相同組換え一次細胞、クローン細胞株または異種細胞株は、生理学的に適当量
のタンパク質または外因性DNAを発現または利用可能にするのに十分な量および
適当な経路で、異常または望ましくない状態を治療または予防する予定の個体に
投与される。生理学的に適当量は、産物が生体内で通常に産生される量または異
常もしくは望ましくない状態を改善するおおよその量である。細胞が免疫感応レ
シピエントと同遺伝子型である場合には、細胞は静脈内、動脈内、皮下、腹腔内
、大網内、腎臓皮膜下(subrenal capsularly)、くも膜下腔内、頭蓋内、また
は筋肉内に投与または植込むことができる。
【0082】 細胞が同遺伝子型でなく、レシピエントが免疫感応である場合には、投与予定
の相同組換え細胞は1種以上の半透過性バリアー装置に封入することができる。
装置の透過特性は、被験者への植込み時に細胞は装置から出ないが、治療用タン
パク質は自由に透過可能で、バリアー装置から出ることができ、インプラント周
囲の局所的空間に流入するかまたは全身の循環血中に流入するようである。例え
ば、全て参照として本明細書に組み入れられている、米国特許第5,641,670号、
第5,470,731号、第5,620,883号、第5,487,737号および1999年4月16日に出願され
た、発明の名称「治療用タンパク質の投与(Delivery of Therapeutic Proteins )」(発明者:Justin C. Lamsa and Douglas A. Treco)の共同所有の米国特許
出願を参照のこと。バリアー装置は、例えば、腹腔内、くも膜下腔内、皮下、筋
肉内、腎臓皮膜内、または大網内のような任意の適当な部位に植込むことができ
る。
【0083】 バリアー装置は特に有用で、相同組換え不死化細胞、別の種由来の相同組換え
細胞(相同組換え異種細胞)または組織不適合ドナー由来の細胞(相同組換え同
種細胞)が被験者を治療するために植え込まれるのを可能にする。装置は細胞を
インビボにおいて一定の位置に保持すると同時に、宿主免疫系から細胞を保護す
る。バリアー装置はまた、便利な短期治療(すなわち、一過的治療)を可能にし
、それによって、任意の理由で治療レジメを停止しなければいけない場合に細胞
を容易に除去することができる。トランスフェクションまたは感染された異種お
よび同種細胞はまた、短期遺伝子治療のためにバリアー装置を使用しないで使用
してもよい。その場合には、細胞によって産生されるFSHβは、細胞が宿主の免
疫系によって拒絶されるまで、インビボにおいて送達される。
【0084】 セルロース、酢酸セルロース、ニトロセルロース、ポリスルホン、ポリビニリ
デンジフルオリド、ポリ塩化ビニルポリマー、およびポリ塩化ビニル誘導体のポ
リマーを含むが、これらに限定されることはない数多くの合成、半合成、または
天然のろ過膜をこの目的のために使用することができる。バリアー装置は、別の
種由来の一次、二次または不死化細胞をヒトに対する遺伝子治療に使用すること
を可能にする。
【0085】 本発明の遺伝子治療に有用な別の種類の装置は、細胞が封入される植込み式コ
ラーゲン基質である。このような装置は、細胞が接着するビーズを含有してもよ
く、参照として本明細書に組み入れられている国際公開公報第97/15195号に記載
されている。
【0086】 所定の投与または植込みに必要な細胞数は、タンパク質の発現量、宿主動物の
大きさおよび状態、並びに植込み手法の限界を含むいくつかの要因に依存する。
通常、成人または他の同様のサイズの動物に植込む細胞数は1×104〜5×1010
、好ましくは、1×10〜5×10である。望ましい場合には、それらは1回また
は数ヶ月もしくは数年にわたって患者の多数の部位に植え込まれてもよい。投与
は適宜繰り返してもよい。
【0087】他の態様 本発明は、本発明の詳細な説明と関連して記載されているが、上記の記載は例
示的なものであることが意図されており、本発明の範囲を限定するものではなく
、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって規定される。
【0088】 他の局面、利点および改良は特許請求の範囲内である。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 ヒトFSHβ遺伝子のゲノム構造を示す略図である。
【図2】 プラスミドpHFB2のインサート(下図)によって含まれるヒトFSH β遺伝子(上図)のゲノム領域を示す略図である。中央のの3つのバーは、配列
が報告されている遺伝子のゲノム領域を示す。
【図3】 ATG開始コドンの5'側配列の7,454ヌクレオチドを含む、ヒトFSH
β遺伝子の部分的配列(配列番号:1)を図示する。コード配列によってコード
される部分的ポリペプチド配列(配列番号:2)も示す。報告されている配列は
下線をつけてある。「SD」および「SA」は、それぞれ、スプライス−ドナー部位
およびスプライス−アクセプター部位を示す。「成熟」は成熟したFSHβタンパ
ク質の開始を示す。
【図4】 本発明の構築物を示す略図である。構築物は、第1の標的配列(1 )、増幅可能なマーカー遺伝子(AM)、選択可能なマーカー遺伝子(SM)、調節
配列、CAP部位、ヒトFSHβ遺伝子の第1の非コードエクソンと同一の配列、対を
形成しないスプライス−ドナー部位(SD)、および第2の標的配列(2)を含有す
る。黒いボックスはコードDNAを表し、縞模様のボックスは非翻訳配列を表す。
【図5〜7】 本発明の3つの構築物を例示する略図である。構築物は、プ
ラスミドに挿入されるアルドラーゼ5'UTSのサイズが異なる。これらの構築物は
、サイトメガロウィルス(「CMV」)プロモーターに結合する糖タンパク質α-サ
ブユニット(すなわち、FSHβ)をコードする配列を含む。図に示す略号は「UTS 」が非翻訳配列、「amp」がアンピシリン、「Ori」が複製開始点、「SD」がスプ
ライス−ドナー部位、「HSV TK」が単純性ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ遺
伝子、「DHFR」がジヒドロ葉還元酵素、「HBV」がB型肝炎ウィルス、「hGH」が
ヒト成長ホルモンを示す。
【図8】 pGA308をトランスフェクトし(図5)、種々の濃度のメトトレキ
セートの存在下における増殖について選択したHT-1080細胞からのFSH産生の棒グ
ラフである。
【図9】 配列番号:4の、ヒトFSHβ転写開始部位の上流のゲノム配列を図
示する。
【図10】 配列番号:5の、ヒトFSHβ転写開始部位の上流のゲノム配列を
図示する。
【図11】 本発明の構築物に使用する第1の標的配列(配列番号:6)を図
示する。
【図12】 本発明の構築物に使用する第2の標的配列(配列番号:5)を図
示する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB ,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,GH,G M,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE ,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS, LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT, UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 セルダン リチャード エフ. アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 ウ ェレスリー ブリストル ロード 106 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA01 CA02 CA09 DA02 EA04 FA01 FA10 FA20 GA11 GA25 HA13 HA14 4B065 AA90X AA93Y AB01 AC14 BA02 BA16 BA25 BA30 CA24 CA44 CA46 4C084 AA13 NA14 ZC112 4H045 AA10 AA20 AA30 BA10 CA40 DA30 EA20 EA50 FA74

Claims (38)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相同組換えにより細胞のゲノムに組み込まれた結果、哺乳類
    細胞において内因性FSHβ遺伝子の発現を変更するDNA構築物であって、配列番号
    :4または5の少なくとも20個の連続するヌクレオチドを含む標的配列と、転写調
    節配列とを含むDNA構築物。
  2. 【請求項2】 エクソンおよびスプライス−ドナー部位をさらに含む、請求
    項1記載のDNA構築物。
  3. 【請求項3】 スプライス−ドナー部位の下流に、イントロンおよびスプラ
    イス−アクセプター部位をさらに含む、請求項2記載のDNA構築物。
  4. 【請求項4】 選択可能なマーカー遺伝子をさらに含む、請求項1記載のDNA 構築物。
  5. 【請求項5】 標的配列が配列番号:4または5の少なくとも50個の連続ヌク
    レオチドを含む、請求項1記載のDNA構築物。
  6. 【請求項6】 配列番号:4またはその相補鎖の少なくとも20個の連続ヌク
    レオチドを含む単離核酸。
  7. 【請求項7】 配列番号:4またはその相補鎖の少なくとも50個の連続ヌク
    レオチドを含む、請求項6記載の単離核酸。
  8. 【請求項8】 配列番号:4またはその相補鎖の少なくとも100個の連続ヌク
    レオチドを含む、請求項6記載の単離核酸。
  9. 【請求項9】 配列番号:4またはその相補鎖の少なくとも200個の連続ヌク
    レオチドを含む、請求項6記載の単離核酸。
  10. 【請求項10】 配列番号:4またはその相補鎖の少なくとも500個の連続ヌ
    クレオチドを含む、請求項6記載の単離核酸。
  11. 【請求項11】 配列番号:4またはその相補鎖の少なくとも1000個の連続
    ヌクレオチドを含む、請求項6記載の単離核酸。
  12. 【請求項12】 配列番号:4またはその相補鎖を含む、請求項6記載の単離
    核酸。
  13. 【請求項13】 配列番号:5またはその相補鎖の少なくとも20個の連続ヌ
    クレオチドを含む単離核酸。
  14. 【請求項14】 配列番号:5またはその相補鎖の少なくとも50個の連続ヌ
    クレオチドを含む、請求項13記載の単離核酸。
  15. 【請求項15】 配列番号:5またはその相補鎖の少なくとも100個の連続ヌ
    クレオチドを含む、請求項13記載の単離核酸。
  16. 【請求項16】 配列番号:5またはその相補鎖の少なくとも200個の連続ヌ
    クレオチドを含む、請求項13記載の単離核酸。
  17. 【請求項17】 配列番号:5またはその相補鎖を含む、請求項13記載の単
    離核酸。
  18. 【請求項18】 (i)鎖長が少なくとも100ヌクレオチドであり、(ii)配
    列番号:4もしくは5、または配列番号:4もしくは5の相補鎖と高ストリンジェン
    シー条件下においてハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む鎖を有する単離
    DNA。
  19. 【請求項19】 鎖長が少なくとも200ヌクレオチドである、請求項18記載
    の単離DNA。
  20. 【請求項20】 鎖長が少なくとも400ヌクレオチドである、請求項18記載
    の単離DNA。
  21. 【請求項21】 鎖長が少なくとも1,000ヌクレオチドである、請求項18記
    載の単離DNA。
  22. 【請求項22】 (i)鎖長が少なくとも100ヌクレオチドであり、且つ(ii )該ヌクレオチド配列と同じ鎖長の配列番号:4または5の断片と少なくとも80%
    の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む鎖を有する単離DNA。
  23. 【請求項23】 鎖長が少なくとも200ヌクレオチドである、請求項22記載
    の単離DNA。
  24. 【請求項24】 鎖長が少なくとも400ヌクレオチドである、請求項22記載
    の単離DNA。
  25. 【請求項25】 鎖長が少なくとも1,000ヌクレオチドである、請求項22記
    載の単離DNA。
  26. 【請求項26】 内因性FSHβコード配列のATG開始コドンの上流のゲノムDN Aで相同組換えを受けた、請求項1記載のDNA構築物が安定的にトランスフェクト
    された相同組換え細胞。
  27. 【請求項27】 内因性FSHβコード配列のATG開始コドンの上流のゲノムDN Aで相同組換えを受けた、請求項2記載のDNA構築物が安定的にトランスフェクト
    された相同組換え細胞。
  28. 【請求項28】 内因性FSHβコード配列のATG開始コドンの上流のゲノムDN Aで相同組換えを受けた、請求項3記載のDNA構築物が安定的にトランスフェクト
    された相同組換え細胞。
  29. 【請求項29】 内因性FSHβコード配列のATG開始コドンの上流のゲノムDN Aで相同組換えを受けた、請求項4記載のDNA構築物が安定的にトランスフェクト
    された相同組換え細胞。
  30. 【請求項30】 哺乳類細胞において内因性FSHβ遺伝子の発現を変更する
    方法であって、 請求項1記載のDNA構築物を細胞に導入する段階と、 構築物と標的配列に相同なゲノム標的部位との間で相同組換えが生じるよう
    な条件下で該細胞を維持して、相同組換え細胞を作製する段階と 転写調節配列の制御下においてFSHβコード配列の発現を可能にする条件下
    で相同組換え細胞を維持する段階とを含む方法。
  31. 【請求項31】 動物にFSHβを送達する方法であって、 請求項26記載の細胞を提供する段階と、 動物に、FSHβを分泌する細胞を植込む段階とを含む方法。
  32. 【請求項32】 動物にFSHβを送達する方法であって、 請求項27記載の細胞を提供する段階と、 動物に、FSHβを分泌する細胞を植込む段階とを含む方法。
  33. 【請求項33】 動物にFSHβを送達する方法であって、 請求項28記載の細胞を提供する段階と、 動物に、FSHβを分泌する細胞を植込む段階とを含む方法。
  34. 【請求項34】 動物にFSHβを送達する方法であって、 請求項29記載の細胞を提供する段階と、 動物に、FSHβを分泌する細胞を植込む段階とを含む方法。
  35. 【請求項35】 FSHβを製造する方法であって、 請求項26記載の細胞を提供する段階と、 該細胞がFSHβを発現および分泌することのできる条件下において、インビ
    トロで該細胞を培養する段階とを含む方法。
  36. 【請求項36】 FSHβを製造する方法であって、 請求項27記載の細胞を提供する段階と、 該細胞がFSHβを発現および分泌することのできる条件下において、インビ
    トロで該細胞を培養する段階とを含む方法。
  37. 【請求項37】 FSHβを製造する方法であって、 請求項28記載の細胞を提供する段階と、 該細胞がFSHβを発現および分泌することのできる条件下において、インビ
    トロで該細胞を培養する段階とを含む方法。
  38. 【請求項38】 FSHβを製造する方法であって、 請求項29記載の細胞を提供する段階と、 該細胞がFSHβを発現および分泌することのできる条件下において、インビ
    トロで該細胞を培養する段階とを含む方法。
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