JP2002511766A - 新規メタロプロテアーゼ - Google Patents

新規メタロプロテアーゼ

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バン ヒュイスドィネン、ロベルタス・アントニアス・マリ ホーフ
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Glaxo Group Ltd
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Abstract

(57)【要約】 新規タンパク質ADAM16aとADAM16bが同定された、これらは、例えば、避妊用ワクチン、又はスクリーニングに使用し得る。

Description

【発明の詳細な説明】 新規メタロプロテアーゼ 本発明は、とりわけ新規分子及びその使用に関する。 最近、ADAMsと称され、そのメンバーがディスインテグリンとメタロプロテア ーゼ(a disintegrin and metalloprotease)ドメインによって特徴づけられるI 型内在性膜タンパク質に属する新規プロテインファミリーが同定された(Wlofsbe rgら、1995a;Wolfsbergら、1995b;Huovilaら、1996最近のレビュー)。ADAMsは、 血液凝固系(crotalid)ヘビ毒ディスインテグリンメタロプロテアーゼ(SVMPs;sn ake venom metalloproteases)とマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP;matrix metalloprotease)ファミリーと関連し、これらのメンバーは、膜貫通ドメインを 欠いている。完全長のADAM cDNAは、全て、シグナルペプチドに続き、プロタン パク質、Zn2+-メタロプロテアーゼ、ディスインテグリン、膜貫通領域、及び細 胞質尾部(cytoplasmic tail)をコードしている。該ファミリーのメンバーは、哺 乳類、アフリカツメガエル(Alfandariら、1997)、ショウジョウバエ(Fambrough ら、1996;Rookeら、1996)、及び線虫(Podbilewicz、1996;GenBank H89394) を含む多くの動物種に見出されているが、単細胞の真核生物又は植物中には未だ 見出されていない。また、ADAMの遺伝子は、配列決定された細菌又はサッカロミ セス・セレビシアエのゲノム中にも見出されていない。 ADAMの構造ドメインは保存されているにもかかわらず、それらは、成長におい て様々な役割を果たしているようである。 ADAM12(メルトリン-α(meltrin-α))は、筋芽細胞に含まれ、おそらく破骨細 胞融合(Yagami-Hiromasaら、1995)にも含まれることが示された。ADAM14、又 はクズバニアン(Kuzbanian)は、ショウジョウバエの軸索の伸長に関与している (Fambroughら、1996;Rookeら、1996)。ADAM11をコードする遺伝子は、原発性 乳癌に再編成される(Emiら、1993)。 別のADAM、TACE(TNF-αコンベルターゼ)は、その膜結合前駆体からTNF-αを切 断するのに必要とされる(Blackら、1997;Mossら、1997a;Mossら、1997b)。ADA M10(MADAM)は、それが生理的な標的か否かは不明であるが、ミエリン塩基性タ ンパク質を分解することができる(Howardら、1996)。 ファーチリン-α/β(fertilin-α/β)又はPH30-α/βとも称されるADAM1及び- 2は、哺乳類の精母細胞の後頭部上に、ヘテロダイマーとして発現され、卵母細 胞との接着及び融合に役割を果たしている(Wolfsbergら、1993;Mylesら1994;C arrollら、1995;WlofsbergとWhite、1996;MylesとPrimakoff、1997)。マウス では、ファーティリンβは、卵母細胞上のα6/β1インテグリンに結合すること 、及び該相互作用は精子と卵の結合に不可欠であることが示された(Almeidaら、 1995)。該サブユニットは、成熟タンパク質には存在しない非機能的メタロプロ テアーゼドメインをコードする(Blobelら、1990)。αサブユニットは、活性のあ るプロテアーゼドメインをコードし、細胞−細胞融合に関与していると推測され る融合ペプチド候補をコードしている(Blobelら、1992;White,1992;Mugaら、199 4)。ファーティリンαとβは、ラット、ウサギ、マウス、マカク、及び2種のモ ルモット中に見出されている。ヒトでは、βサブユニットのみがクローニングさ れている(Guptaら、1996;Vidaeusら、1997)。驚くべきことに、唯一のヒトファ ーティリンα遺伝子は、非機能的である(Juryら、1997)。 本発明は、ADAMファミリーのメンバーである2つのポリペプチドの同定に基く ものであり、本明細書において、これらはADAM 16aとADAM 16bと称される。これ らのポリペプチドは、リンパ球シェダーゼ(sheddase)として知られる全く別のタ ンパク質を発見するための試みの中で、予期せぬ形で同定された。サルのファー ティリンαを用いたヒト精巣cDNAライブラリーのダイレクトスクリーニングを含 む従前の研究では、何らかの機能的なヒト精巣特異的ADAMを得ることはできなか った(Juryら、1997)。本発明者によるADAM16aとADAM16bの同定は、ヒトの生殖分 野に多大な進歩をもたらすものであり、その応用については後述する。 ADAM16aとADAM16bの推定アミノ酸配列は、それぞれ図3Aと図3Bに示されており 、図3Aの下線部は、成熟ポリペプチド中には存在しないシグナル配列を表してい る。 本発明の範囲には、ADAM16aとADAM16bのみならず、それらの誘導体も含まれる 。 従って、本発明は、 (a)図3A又は図3Bに示されているアミノ酸配列のうち下線が付されていないア ミノ酸配列を含む (b)図3A又は図3Bに示されているアミノ酸配列のうち下線が付されていないア ミノ酸配列に対して、 1以上のアミノ酸の欠失、挿入、又は置換を有す が、前記配列とは少なくとも40%のアミノ酸配列の同一性を有する、又は (c)少なくとも10アミノ酸長の上記a)又はb)に示したポリペプチドの断片であ ある ポリペプチドを提供する。 本明細書においては、「ポリペプチド」なる語は、広義に使用され、ペプチド 結合で互いに結合された複数のアミノ酸を含む分子を指称する。それ故、「ポリ ペプチド」は、本明細書中で時折ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質と称 されることもある物質を、その範囲内に含む。 ADAM16aと16bは、cDNA研究から、本発明者によって同定され、膜メタロプロプ ロテアーゼのADAMファミリーのメンバーと極めて近縁であることが示された。予 想されるそれらの翻訳産物と既知のADAMsとの比較によって、ファーティリン-α 、ファーティリンβ、及びメルトリン-γ(ADAM1,2及び9)と関連していることが 示されている。メルトリン-γのmRNAは、広く発現され(Yagami-Hiromasaら、19 95)、特に精巣中でアップレギュレートされているわけではない(データは示さ ず)。ADAM16aとADAM16が専らヒトの精巣中で発現され、ファーティリン-α及び βと配列が類似しているということは、それらも精子細胞上に発現されており、 精子の成熟及び/又は生殖に関わっていることを示唆する。ファーティリンに加 えて、他の様々な精巣特異的ADAMsが、マウスでは、ADAM4と5及びシリテスティ ン(cyritestin)(Wolfsbergら、1995b)、サルでは、tMDC 1-IV(Perryら、1994;P erryら1995b)等、他の種にも見出されている。これらに対するADAM16aとbの類似 性は、ファーティリンに対する類似性に比べて低く、このことは、それらが、ヒ トに限定された新しいタイプのADAMsであることを示唆している。それらのドメ インの分析は、ADAM16aとbが、卵細胞への接着に関与し、又は精子と卵の融合、 若しくは他のファーティリンタンパク分解過程(ADAM16a)に役割を果たしている かもしれないということを示唆している。唯一のヒトファーティリンα遺伝子 は非機能的なので、ADAM16a又はADAM16bは、該サブユニットを機能的に代替し得 るかもしれない。このことは、ファーティリンαと同様に、ADAM16aのcDNAが、 機能的なプロテアーゼドメインをコードしており、ADAM16aとADAM16bが、共に融 合ペプチドと思われるペプチドをコードし、且つ精巣特異的に転写されるという 観察によって支持される。 細胞融合を介して複製する4つの異なるウイルスファミリーの中では、ゴルジ 内輸送を介する孔の中と同じく、基本(basic)孔形成サブユニットは、トリマー である(レビューとして、White,1992を参照されたい)。同様に、精子と卵の融合 には複数のタンパク質が関与しており、ADAM16aとbの両者が該複合体の一部で あることもあり得る。 ADAM16aとbの染色体位置を決定した。それらの遺伝子は、他のADAMsとクラス ターを成しているかもしれないと考えた。しかしながら、両ADAM16が14番染色体 にマッピングされたという知見は、この考えを支持していない。例えば、ヒトTA CEは、2番染色体にマッピングされている。ADAM11は17番染色体上に存在し(Emi ら、1993)、ファーティリンβは8番染色体上に存在する(Vidaeusら、1997)。最 後に、2つのマウスファーティリンαとβ、ADAM4と5、及びシリテスティンをコ ードする遺伝子は、それぞれヒトの12、8、6、8及び8番染色体の相同領域にマッ ピングされた(Lemaireら、1994;Choら、1996)。それ故、ADAM16aとbが、これら 5つの精巣特異的マウスADAMsと共通の祖先を直接共有している可能性は少ない 。両ADAM16が14番染色体上の同じ遺伝子座にマッピングされたという事実は、そ れらが遺伝子重複によって生じたことを強く示唆する。 2つの観察は、ヒトファーティリンα遺伝子は、ヒトの進化過程において、極 めて最近になって、不活化されたことを示唆している。第一に、他の霊長類を含 む他の5つの哺乳類種では機能的な遺伝子として見出されている。第二に、多く の偽遺伝子とは異なり、「コード領域」が複数のフレーム外突然変異を有するに もかかわらず、ヒトのファーティリンαのRNAは、未だ転写されている(Juryら 、1997)。 他方、よく研究されているマカクにさえ、ADAM16aとbのオーソログは存在しな いので(Perryら、1994;Perry1995a;Perryら、1995b)、それらは、ヒトの進 化において最近現れたようである。マカクとヒトへ進化していった分岐後に、こ れらの両現象が起こったに違いないという事実は、ADAM16aとbが、ヒトのファー ティリンα類縁体へと進化したという考えをさらに支持する。 哺乳類に精巣特異的ADAMsが多数存在し、それらが遺伝的に余り保存されてい ないということは驚くべきことであり、精子の適合性自体のみからは説明するこ とが困難である。この状態は、例えば、転写因子が高度に保存されていることと 著しく対照を成すが(Liら、1992)、免疫応答に関連する遺伝子のような、急速に 共進化する宿主−病原体系関連遺伝子に、より類似している。考え得る説明は、 精子関連ADAMsは、それらのプロテアーゼ又はおそらくインテグリン結合活性を 介して、種内での直接的な精子の競争にも役割を果たしているということである 。このような役割は、ヒトが隠された発情期(concealed oestrus)を進化させる 以前には、非常に適切であったと思われる。 この進化的浮動の理由が何であれ、このような精巣ADAMsの多様性から、非ス テロイドベースの避妊薬又は免疫性避妊抗原は、動物モデルをベースとするより も、むしろ本発明のポリペプチドをベースとし得ると帰結される。精巣特異的AD AMsが、明確に同定できる機能を有する別個の機能的ドメインから構成されると いうことは、薬物開発のための長所となり得る。 ここで、その完全な範囲を理解可能できるように、本発明の様々な側面を述べ る。 本発明の好ましいポリペプチドは、以下の機能的領域: a)メタロプロテアーゼ領域(これは、自己触媒的な切断、又はファーティリン βのプロセッシングに関与していると考えられている) b)ディスインテグリン領域(これは、卵母細胞を認識するのに関与していると 考えられている) c)融合ペプチド領域(これは、精子と卵の融合に関与していると考えられてい る) を一以上含むポリペプチドである。 他の領域、例えば以下の領域、 d)シグナルペプチド領域 e)プロタンパク質領域 f)ディスインテグリン領域 g)システイン−リッチ領域 h)EGF様リピート領域 i)膜貫通領域 j)細胞質領域 が一以上存在してもよい。 当業者であれば、あるポリペプチド中に、上記の領域a)〜j)の何れかが存在し ているかどうかを決定することができる。これらの領域は、配列の比較によって 、最も容易に決定される。配列は、例えば、ウィスコンシン・シークエンス・ア ナリシス・パッケージGCG8.0に組み込まれたBLAST、BestFlt、若しくはCLUSTAL 、又はエジュケーショナル・アンドサイエンティフィック・ソフトウェアの「Al ign Plus」のような適切なソフトウェアを用いて、配列を並置する。問題の配列 は、例えば、EMBLパブリックデータサービスのGenBankのような配列データベー スと比較することができる。ファーティリン類の並置の例は、Wolfsbergら、199 5bに示されている。 本発明のポリペプチドを利用するのに、上記領域の全てが存在することが不可 欠でないことは理解できよう。例えば、シグナルペプチド領域とプロタンパク質 領域は、成熟した活性ポリペプチド中には存在しない。膜貫通領域は、膜結合ポ リペプチドよりも可溶性ポリペプチドを提供することを望む場合には、必要でな い;細胞質領域は、もし、ある機能に細胞質活性がないか、又は必要とされない のであれば、必要ない。 本発明のポリペプチドは、当業者に公知の手法によって製造し得る。例えば、 このようなポリペプチドをコードする核酸配列を提供するために、遺伝子クロー ニング手法を使用し得る。このような手法については、本発明の核酸分子と関連 して、この後より詳細に論述する。 あるいは、本発明のポリペプチドを製造するために、化学合成手法を使用し得 る。このような手法は、−般的には、固相合成を利用する。特定の配列を有する ポリペプチドを製造するための化学合成手法は、現在では自動化されている。長 いポリペプチドを化学的に合成できる装置は、例えば、アプライド・バイオシス テムズから市販されている。しかしながら、もし希望するのであれば、まず短い ポリペプチドを合成し、その後連結して、より長いポリペプチドを製造すること もできる。 本発明のポリペプチドは、実質的に純粋な形態で製造し得る。このため、本発 明のポリペプチドが、存在する主要なポリペプチド成分である組成物の中に提供 し得る(すなわち、重量/重量ベースで決定したときに、組成物中に存在する総 ポリペプチドの50%超、好ましくは組成物中に存在する総ポリペプチドの75%超、 90%超、又は95%超のレベルで存在する)。 前に説明したように、本発明のポリペプチドは、 (a)図3A又は図3Bに示されているアミノ酸配列のうち下線が付されていないア ミノ酸配列を含むか、 (b)図3A又は図3Bに示されているアミノ酸配列のうち下線が付されていないア ミノ酸配列に対して、1以上のアミノ酸の欠失、挿入、又は置換を有するが 、前記配列とは少なくとも40%のアミノ酸配列の同一性を有するか、又は (c)少なくとも10アミノ酸長の上記a)又はb)に示したポリペプチドの断片であ ある。 ここで、本発明をより完全に理解するために、上記a)、b)、及びc)のそれぞれ の範囲に属するポリペプチドをより詳細に論述する。 a)の範囲に属するポリペプチド a)の範囲に属するポリペプチドは、図3A又は図3Bに示されているアミノ酸配列 のうち下線を付されていないアミノ酸配列からなり得、又はN末端アミノ酸配列 、及び/又はC末端アミノ酸配列が付加されていてもよい。 N末端又はC末端に付加される配列は、様々な理由で与えられ得る。このような 付加配列を与える手法は、本分野において周知である。これらには、ポリペプチ ド又はその一部をコードする核酸分子を互いに連結した後、連結によって産生さ れた核酸分子によってコードされるポリペプチドを発現する遺伝子クローニング 手法を使用することが含まれる。 付加配列は、あるポリペプチドの特性を変化させるために与え得る。これは、 ある発現システムでの発現、又は発現の調節を改善するのに有用であり得る。例 えば、付加配列は、タンパク質分解による切断に対して幾らかの保護を与え得る 。これは、ホルモンであるソマトスタチンに対し、そのN末端に、βガラクトシ ダーゼ酵素の一部を融合させることによって、行われてきた(Itakwaら、Science 198105-63(1977))。 付加配列は、同定、輸送、又は精製を助けるように、ポリペプチドの特性を変 化させる上でも有用であり得る。 例えば、シグナル配列は、細胞内のある部位にポリペプチドの輸送を誘導する ために、又は細胞からポリペプチドを排出させるために存在させ得る(例えば、 図3Aの下線部が存在し得る)。様々な発現システムのために、様々なシグナル配 列を使用することができる。 付加配列を付与する別の例は、アフィニティークロマトグラフィーによって単 離し得る部分に、ポリペプチドを連結させる場合である。該部分は、抗原又はエ ピトープであり得、アフィニティーカラムは、前記抗原又はエピトープを結合す る固定化された抗体又は固定化された抗体断片(高度の特異性を有することが望 ましい)を包含し得る。適切な緩衝液を添加することによって、通常は、カラム から融合タンパク質を溶出することができる。 しかしながら、N末端又はC末端の付加配列は、単に、本発明の物質を取得する ために用いた手法の結果として存在してもよく、何ら有用な特徴を与えなくても よい。 b)の範囲に属するポリペプチド ここで、上記b)に記載したポリペプチドについて説明を加えるが、当業者であ れば、これらは、上記a)に示されたポリペプチドの変異体であることが理解でき よう。 当業者であれば、時には、ある種の活性を有するポリペプチドのアミノ酸配列 に様々な変化を加えて、前記活性を保持した変異体(しばしば、「mutein」とし ても知られる)を産生し得ることが理解できよう。上記a)に記載されたこのよう なポリペプチドの変異体は、本発明の範囲に属し、以下のセクション(1)〜(iii) で、より詳細に論述される。 それらには、対立遺伝子変異体と非対立遺伝子変異体が含まれる。 (i)置換 本発明の変異体の例は、一以上のアミノ酸が一以上の他のアミノ酸で置換され た点が異なる上記a)に記載されたポリペプチドである。 当業者であれば、様々なアミノ酸が類似の特性を有していることに気づくであ ろう。ポリペプチドの一以上のこのようなアミノ酸は、しばしば、そのポリペプ チドの所望の特性を喪失させずに、一以上のこのような他のアミノ酸と置換する ことができる。 例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、及びイソロイシン等のアミ ノ酸は、多くの場合、互いに置換することができる(脂肪族側鎖を有するアミノ 酸)これらの可能な置換の中では、(相対的に短い側鎖を有しているので)グリ シンとアラニンを用いて互いに置換することが好ましく、(より大きな脂肪族側 鎖を有し、疎水性なので)、バリン、ロイシン、及びイソロイシンを用いて互い に置換することが好ましい。 多くの場合、互いに置換できる他のアミノ酸には、 フェニルアラニン、チロシン、及びトリプトファン(芳香族側鎖を有するアミ ノ酸) リシン、アルギニン、及びヒスチジン(塩基性側鎖を有するアミノ酸) アスパラギン酸とグルタミン酸(酸性側鎖を有するアミノ酸) アスパラギンとグルタミン(アミド側鎖を有するアミノ酸) システインとメチオニン(硫黄含有側鎖を有するアミノ酸) が含まれる。 この種の置換は、しばしば、「保存的な」、又は「半保存的な」アミノ酸置換 と称される。 ii)欠失 所望の特性を保持しながら、ポリペプチドの全長と分子量を減少できるので、 アミノ酸の欠失は有用であり得る。これによって、ある目的のために必要とされ るポリペプチドの量を減らすことが可能となる。例えば、もし該ポリペプチドを 医薬に使用するのであれば、投薬レベルを減らすことができる。 前に説明したように、図3Aと3Bに示されているポリペプチドは、様々な異なる 領域を有しているので、本発明の様々な使用においては、これらの領域の多くは 必要とされないであろう。 iii挿入 上記a)に記載されたポリペプチドに対して、アミノ酸を挿入することもできる 。これは、ポリペプチドの特性を変化させるために(例えば、融合タンパク質に 関して上述したように、同定、精製、又は発現を助けるために)、なし得る。 上記a)に記載されたポリペプチドの配列にアミノ酸の変化を備えたポリペプチ ドは(置換、欠失、又は挿入の何れであれ)、任意の適切な手法を用いて作成で きる。例えば、所望の配列変化を備えた核酸配列は、位置指定突然変異導入によ って作り出すことができる。続いて、これは、アミノ酸配列中に対応する変化を 有するポリペプチドを発現させるために使用し得る。 如何なるアミノ酸の変化が作られるのであれ、本発明の好ましいポリペプチド は、図3A又は3Bに示されたアミノ酸配列のうち下線が付されていないアミノ酸と 少なくとも50%のアミノ酸配列の同一性を有する。より好ましい配列の同一性の 程度は、少なくとも75%である。少なくとも90%、又は少なくとも95%の配列同一 性が最も好ましい。高度の配列同一性が存在する場合には、アミノ酸配列には、 相対的に殆ど相違が存在しない場合もり得る。この場合、例えば、20未満、10未 満、又は5未満の相違が存在し得る。 本発明のためには、配列の同一性は、例えば、ウィスコンシン・シークエンス ・アナリシス・パッケージGCG8.0の「BestFit」を用いて、2つの配列を最適に 並列することによって決定できる。 c)の範囲に属するポリペプチド 上述したように、ポリペプチドの長さを減らすことは、しばしば有用である。 それ故、本発明の特徴c)は、少なくとも10アミノ酸長である上記ポリペプチドa) 又はb)の断片をカバーする。望ましくは、これらの断片は、少なくとも20、少 なくとも50、又は少なくとも100アミノ酸長である。 本発明の好ましいポリペプチド 本発明の範囲に属する好ましいポリペプチドには、それぞれ図3A及び3Bに示さ れたアミノ酸配列からなるポリペプチドADAM16aとADAM16b;これらの配列を含む より大きなポリペプチド、ADAM16aとADAM16bの断片;及びADAM16bの全部又は一 部に融合されたADAM16aの全部又は一部を具備するキメラが含まれる。本発明のポリペプチドの使用 A)医薬への使用 本発明のポリペプチドは、医薬に使用し得る。動物の治療が除外されるわけで はないが、好ましい治療は、ヒトの治療である。該治療は予防的なもの、すなわ ち既存の状態に関するものであり得る。例には、以下のものが含まれる。避妊処置 本発明の範囲に属するポリペプチドは、精子細胞の重要な機能に関与している ものと思われる。例えば、ディスインテグリン領域を含むポリペプチドは、卵母 細胞の認識に関与し:融合ペプチド領域を含むポリペプチドは、精子と卵の融合 に関与し、メタロプロテアーゼ領域を含むポリペプチドは、自己触媒的な切断、 又はファーティリンβのプロセッシングに関与しているかもしれない。 本発明のポリペプチドは、上述した機能のうち一以上の機能の有効性を阻害す るか、少なくとも抑制し得る免疫応答を促進することによって、男性及び/又は 女性に対して有効であり得る避妊用ワクチンを提供するために使用し得る。ワク チンに使用されるポリペプチドは、一以上のエピトープを具備するであろう。 本発明の一以上のポリペプチドは、一つのワクチン中に存在し得る。このよう に、多成分ワクチンを製造してもよい(例えば、ADAM16aの全部又は一部は、ADA M16bの全部又は一部と共に存在し得る)。 一以上のエピトープを含むポリペプチドは、ADAM16a又はADAM16b上に存在する 何れのエピトープを含有しなくてもよい別のポリペプチドに融合されて、融合ポ リペプチドに改善された抗原性を供与し得る。 ADM16bの全部又は一部に融合されたADAM16aの全部又は一部を含むハイブリッ ド分子を提供してもよい。生殖治療 本発明のポリペプチドは、インビトロでの生殖を助けるために使用し得る。こ のように、それらは、精子細胞及び/又は卵母細胞と共に与え得る 本発明のポリペプチドは、上述した任意の治療のための医薬を製造するのに使 用し得る。 該医薬は、通常、薬学的に許容される担体を含有してもよい薬学的組成物の一 部として供給されるであろう。該薬学的組成物は、一般的には、密閉した容器中 に滅菌した形態で製造されるであろう。それは、単位投薬形態で製造され、一般 的には密閉された容器内に製造されて、キットの一部として生産され得る。この ようなキットは、本発明の範囲に属する。それは、使用のための説明書を含むの が通常であろう(しかし、必ずしも常に含むものではない)。複数の単位投薬形 態を提供してもよい。 本発明の範囲に属する薬学的組成物には、以下のうちの一以上: 防腐剤、可溶化剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味剤、着色剤、香料、塩(本 発明の物質は、それ自身、薬学的に許容される塩の形態で提供され得る)、緩衝 液、コーティング剤、又は抗酸化剤を含み得る。本発明の薬学的組成物は、本発 明のポリペプチドに加えて、治療的な活性成分を含有してもよい。それらは、少 なくとも一週間、より好ましくは少なくとも一ヶ月の間にわたって有効なように 、例えば、制御された放出形態で製造してもよい。本発明の好ましい薬学的組成 物には、避妊用ワクチンが含まれる。本発明のワクチンは、望ましくは、アジュ バント、例えば、アルミニウム塩をベースとするアジュバントを含む。 授与経路 本発明の範囲に属する薬学的組成物は、任意の適切な経路、例えば、経口(頬 又は舌下を含む)、直腸、経鼻、局所(頬、舌下、又は経皮を含む)、膣、又は非 経口(皮下、筋肉内、静脈内、又は皮内を含む)経路による投与に適合し得る。こ のような組成物は、薬学の分野において公知である任意の方法、例えば、滅菌条 件下で、活性成分を適切な担体と混合することによって調製し得る。 投薬量 本発明のポリペプチドの投薬量は、治療の性質、治療を受ける個体の年齢及び 状態等に応じて、大幅に変わり得るものであり、最終的には、医者が、使用すべ き適切な投薬量を決定することになろう。しかしながら、ある特定の投薬量に拘 泥するものではないが、経口投与の場合には、本発明のポリペプチドの一日の投 薬量は、kg体重当り1μg〜1mgが適切であり得る。投薬は、適切な回数反復して 行ってもよい。もし副作用が生じたら、GCPに従って、投薬の量及び/又は回数 を減少すればよい。 B)診断への使用 上述した医薬用途に加えて、本発明のポリペプチドは、診断に使用することも できる。例えば、それらは、不妊を診断するのに有用であり得る。不妊の男性及 び女性には、ある種の配偶子抗原に対する(自己)抗体を有している者がいること が知られている。本発明のポリペプチドは、このような抗体を同定するのに使用 できる。 本発明のポリペプチドは、スクリーニングにも使用できる。例えば、精子の生 殖力を阻害する避妊物質をスクリーニングするためにも使用し得る。 プロテアーゼ領域を含むポリペプチド(例えば、亜鉛プロテアーゼのようなメ タロプロテアーゼ領域)は、微生物中で発現することができ、ファージ・ディス プレー・アッセイを用いて適切な標的を選択できる。(この手法では、各々、外 部「スパイク」中にランダムなペプチド配列を担持するファージライブラリーを 用いる)。これらのツールは、プロテアーゼを阻害する化合物をスクリーニング するのに使用できる(例えば、Smith,M.M.,Shi,L.and Navre,M.,(1995)Rap id Identification of highly active and selective substrates for stromely sin and matrilysin using bacteriophage peptide display libraries.J.Biol. Chem.270(12)6440-6449;Matthews,D.J.and Wells,J.A.(1993)Substrate Phag e:selection of protease substrates by monovalent phage display.Science 260(5111)1113-1117;又はMatthews,D.J.,Goodman,L.J.,Gorman,C.M.and Wells,J .A.(1994)A survey of furin substrate specificity using substrate phage display.Protein Sci.3(8)1197-1205)。一度このような標的を見出せば、該標 的ペプチドに共有結合された色素をミクロタイタープレートに固定し、これをAD AM16プロテアーゼとインキュベートすることが可能となる。もし化学物質が該プ ロテアーゼを阻害すれば、色素はELISAプレートに結合したままであり、そうで なければ色素は洗浄除去され得るであろう。このタイプのスクリーニングは、多 数の異なる化合物を自動的に、無作為にスクリーニングするために、製薬産業で 一般的なものである。 同様に、本発明のポリペプチドは、リガンドの結合を阻害する化合物をスクリ ーニングするために使用できる。必須ではないが、該ポリペプチドは、ディスイ ンテグリンドメインを含み得る。例えば、ディスインテグリンドメイン又はADAM 16の他の領域を含むポリペプチドを色素と結合し、そのリガンドとして働く卵母 細胞構造でコートされたミクロタイターに添加する。これによって、色素による ウェルの染色を阻害する物質を検索できる。最近の研究によって、該ドメインを 欠如したファーテイリンαポリペプチドでも卵母細胞を結合できることが示され たので、これは、必ずしも「ディスインテグリン」ドメインを含むことを要しな い(Evans J.P.Schutz,R.M.,and Kopf,G.S.,(1997)Characterization of the b inding of recombinant mouse sperm fertilln α subunit to mouse eggs:Evid ence for function as a cell adhesion molecule in sperm-egg binding.Dev.B iol.187 94-106)。 融合ペプチド領域を含むペプチドは、蛍光色素を含有する人工的なリポソーム の融合を誘導するためにも使用できる。同様の実験は、他の種から取得したファ ーティリンαについて既に行われている(例えば、Martin,I.And Ruysschaert,J .M.,(1997)Comparison of lipid vesicle fusion induced by the putative f usion peptide of fertilin(a protein active in sperm-egg fusion)and the NH2-terminal domain of the HIV2 gp41.FEBS Lett.405(3)351-355参照)。こ のようなモデルは、薬物スクリーニングに転換するのが比較的容易である。この ようなスクリーニングでは、Martinら(1997)に記載されているような蛍光化合物 を含有する脂肪の小胞を使用し得る。マウスのファーティリンαペプチドは、蛍 光の変化によって測定できる現象である小胞の融合を誘導できることが示されて いる。該融合を阻害する多数の化合物を産業的にスクリーニングするために、融 合性 (fusogenic)ヒトADAM16ペプチドを用いた同様のモデルをセットアップすること もできるかもしれない。今では、この種の作業の操作の多くは、256ウェルのマ イクロタイタープレートを用いて、ロボットにより行われている。 本発明の好ましいスクリーニング操作は、自動化される。 D)抗体を産生又は選別するための使用 本発明のポリペプチドさらなる用途の一つは、抗体を産生又は選別することで ある。 それ故、本発明は、本発明のポリペプチドを結合する抗体を含む。好ましい抗 体は、特異的には、本発明のポリペプチドに特異的に結合する。 本発明の範囲に属する抗体は、モノクローナル又はポリクローナルであり得る 。 ポリクローナル抗体は、本発明の物質を動物中(例えば、マウス、ラット、モ ルモット、ウサギ、ヒツジ、ヤギ又はサル)に投与して、適切な動物宿主での産 生を刺激することによって産生できる。必要であれば、本発明の物質とともに、 アジュバントを投与してもよい。該抗体は、続いて、本発明の物質への結合によ って精製できる。 モノクローナル抗体は、ハイブリドーマから産生できる。これらは、不死化し た細胞株を形成するためにミエローマ細胞と所望の抗体を産生する脾臓細胞を融 合することによって形成できる。このように、周知のケーラーとミルシュタイン の手法(Nature 256 52-55(1975))又は該手法の変法を使用できる。 あるポリペプチドに結合するモノクローナル抗体及びポリクローナル抗体を産 生する方法は、現在では、本分野において非常に発展している。それらは、標準 的な免疫学のテキストブック、例えば、Roittらの「Immunology second edition (1989),Churchill Livingstone,London」に記載されている。 完全な抗体に加えて、本発明には、本発明のポリペプチドに結合できるそれら の誘導体も含まれる。このように、本発明には、抗体断片及び合成構築物も含ま れる。抗体断片及び合成構築物の例は、「Dougallらの、Tibtech 123 72-379(Se ptember 1994)」に掲載されている。 抗体断片には、例えば、Fab、F(ab')2、及びFv断片が含まれる(これらは、例 えば。上記Roittらに記載されている)。Fv断片は、一本鎖Fv(scFv)分子として 知られている合成構築物を産生するように修飾できる。これには、VhとVi領域を 共有結合するペプチドリンカーが含まれ、これは分子の安定性に寄与する。使用 できる他の合成構築物には、CDRペプチドが含まれる。これらは、抗原結合決定 基を含む合成ペプチドである。ペプチド模倣体(mimetics)を使用してもよい。こ れらの分子は、通常、CDRループの構造を模倣し、抗原相互作用側鎖を含む、立 体的に制限された有機性の環である。 合成構築物には、キメラ分子が含まれる。このように、例えば、ヒト化(又は 霊長類化)抗体又はその誘導体は、本発明の範囲に属する。ヒト化抗体の例は、 ヒトのフレームワーク領域を有するが、超可変領域が齧歯類の抗体である。合成 構築物には、抗原の結合に加えて、何らかの所望の特性を分子に与える付加部分 を具備する分子も含まれる。例えば、該部分は標識(例えば、蛍光又は放射性標 識)であり得る。あるいは、それは、薬学的に活性な物質であり得る。 本発明の抗体又はそれらの誘導体は、上記ポリペプチドの精製における使用に 加えて、広範で多様な用途を有している。 それらは、治療に使用できる。例えば、それらは、 a)受動避妊免疫を与えるため(免疫応答を刺激するための本発明のタンパク質 を用いた上記避妊ワクチンを参照)、又は b)(例えばFACSによって)生殖能力のある精子細胞を選別及び/又は濃縮するた めの生殖治療において 使用し得る。 それらは、診断に使用できる。例えば、それらは、 本発明の範囲に属するポリペプチド(特にADAM16a又はADAM16b又はそれらの一 部)が、ある個体中に存在するかどうかを決定するために使用することによって 、不妊を診断するために使用し得る。もし、このようなポリペプチドが機能的な 形態で存在しなければ、該個体は不妊であるか、又は稔性が低いかもしれない。 好ましい抗体又はそれらの誘導体は、ADAM16a又はADAM16b又はそれらの一部に 結合する。本発明の核酸分子とその使用 核酸 本発明は、その範囲に核酸分子も含む。 このような核酸分子は、 a)本発明のポリペプチドをコードするか、又は b)上記a)に記載の分子と相補的であるか、又は c)上記a)又はb)に記載の分子とハイブリダイズする。 ここで、これらの核酸分子とそれらの使用について、以下、より詳細に記載す る。 遺伝子コードの周知の縮退を考慮すれば、本発明のポリペプチドは、非常に多 様な核酸分子によってコードされ得る。これらのコーディング核酸分子は全て、 本発明の範囲に属する。それらは、個体に投与して本発明のポリペプチドを発現 させるために使用し得る。このように、それらは、本発明のポリペプチドと同じ 処置をするために使用し得る。該核酸分子は、直接使用してもよく、例えば、そ れらは、(必要に応じて、まずリポソームのような脂肪をベースとする担体中に 取り込まんでから)筋肉内に投与してもよい。あるいは、それらは、ベクター中 に挿入してもよい。治療に使用するためのベクターには、複製欠損アデノウイル ス、レトロウイルス、又はアデノ随伴ウイルスが含まれる。 ベクターは、クローニングに使用し得る。それらを宿主細胞に導入して、当業 者に公知の手法を用いて、本発明のポリペプチドを発現させることを可能にし得 る。あるいは、無細胞発現システムを使用してもよい。適切な発現システムを用 いることによって、所望の形態でポリペプチドを産生することができる。例えば 、ポリペプチドは、細菌又は酵母のような微生物によって、バキュロウイルスに 感染した培養昆虫細胞;(チャイニーズハムスターのような)哺乳類細胞又は、 例えば乳汁中にタンパク質を分泌するトランスジェニック動物によって産生し得 る。グリコシル化を望む場合には、真核細胞(好ましくは哺乳類の)発現システム が好ましい。 他のポリペプチドでは、成熟ポリペプチドはN末端のメチオニン残基を欠如し ているが、ある種の発現システムを用いて、N末端メチオニンを含むポリペプチ ドを作成してもよい。ポリペプチドは、まず、シグナル配列を含有するように発 現され得る。異なるシグナル配列は、異なる発現システムを与え得る。あるいは 、シグナル配列は存在しないかもしれない。 ポリペプチドをクローニングし、発現し、精製する手法は、当業者に周知であ る。このような様々な手法は、サンブルックらの[Molecular Cloning 2nd Editi on,Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989)];オールドとプリムローズの [Principles of Gene Manipulation 5th Edition,Blackwell Scientific Publ ications(1994)];及びストライヤーの[Biochemistry 4th Edition,W H Free man and Company(1995)]のような標準的なテキストブックに開示されている。 本発明のポリペプチドをクローニングし、発現し、精製する好ましい方法を以 下に略述する。 ADAM16a/bタンパク質をコードするcDNAは、好ましくは、コードされるポリペ プチドが6つのヒスチジン残基からなる「タグ」を有するように、GIBCO-BRL、I nVitoroGen、及びその他の会社から購入できる「pFastBac」プラスミド中にサブ クローニングできる。組換えプラスミドは、(製造者の指示書に従って)組換えバ キュロウイルスを作成して培養昆虫細胞中で発現させるために使用できる。該ポ リペプチドは、その後、ヒスチジンが結合されたニッケルイオンを含有するか、 又は抗His6抗体のうちの何れかを用いたアフィニティーカラムによって精製でき る。それに対するモノクローナル抗体が存在する他のペプチド「タグ」も存在す る。市販の「FastBac」プラスミドの中には、His6をコードするDNAと昆虫細胞に よる分泌を引き起こすシグナルペプチドを既に有するものもある。 あるいは、例えば、pBAD(Guzman,L.M.,Belin,D.,Carson,M.J.,and Beckwith, J.(1995)Tight regulation,modulation,and high-level expression byvecto rs containing the arabinose pBAD promoter.J.Bacteriol.177(14)4121-41 30)のような誘導性プラスミドを用いて、細菌中にcDNAを発現させることもでき る。もしコードされる産物が、(プロテアーゼの場合しばしば見られることであ るが)細菌にとって毒性を有していれば、組換えタンパク質産生の非存在下で細 菌を増殖させた後、pBADプロモーターを誘導せしめるためのアラビノースを添加 することによって誘導する。 本発明のポリペプチドをコードする核酸分子に加えて(本明細書では、「コー ディング」核酸分子と称する)、本発明は、それらに相補的な核酸分子も含む。 このように、例えば、二本鎖核酸分子の両鎖が、(それらが互いに会合している と否とにかかわらず)本発明の範囲に含まれる。mRNA分子及び相補的DNA分子(例 えばcDNA分子)も含まれる。 上記した一以上の核酸分子にハイブリダイズし得る核酸分子も本発明によって カバーされる。本明細書では、このような核酸分子は、「ハイブリダイジング」 核酸分子と称する。ハイブリダイジング核酸分子は、例えばプローブ又はプライ マーとして有用であり得る。プローブは、核酸を精製及び/又は同定するために 使用できる。それらは、診断にも使用し得る。例えば、プローブは、ある個体が 機能的なADAM16a又はADAM16bをコードする遺伝子を有しているかどうかを決定す るために使用し得る。機能的なADAM16a又はADAM16b遺伝子が存在しなければ、不 妊の指標となり得る。プライマーは、例えば、(リバースPCRを含む)PCR手法によ って核酸又はその一部を増幅するのに有用である。 このようなハイブリダイジング分子は、望ましくは少なくとも10ヌクレオチド 長、好ましくは少なくとも25ヌクレオチド長、又は少なくとも50ヌクレオチド長 である。 好ましいハイブリダイジング分子は、ストリンジェントなハイブリダイゼーシ ョン条件下でハイブリダイズする。ストリンジェントなハイブリダイゼーション 条件の一例では、約0.9Mの塩溶液を用いて、試みるハイブリダイゼーションを約 35℃〜約65℃の温度で実施する。しかしながら、当業者であれば、プローブ長、 塩基組成、存在するイオンのタイプ等の変数を考慮に入れて、このようなパラメ ータを適切に変更することができるであろう。 最も好ましくは、本発明のハイブリダイジング核酸分子は、図3A又は3Bに示さ れた配列を有するDNA分子、対応するそれらのRNA、前記した何れかの分子と相補 的な配列とハイブリダイズする。 本発明に使用される核酸分子には、古典的なDNA又はRNA構造を有するもののみ ならず、修飾された(非ホスホジエステル)骨格を有する変異体も含まれること に留意しなければならない。現在では、ホスホジエステル結合が置換されてい るがデオキシリボースが保持された多数の誘導体を利用できる。デオキシリボー スホスフェート骨格全体を置換する試みで二つの成功例、モルホリノ誘導体と、 N-(2-アミノエチル)グリシンをベースとする偽ペプチド骨格を含有するペプチド 核酸(PNA;peptide nucleic acid)が報告されている(Nielsen,P.E.Annual Review of Biophysics & Biomolecular Structure,24 167-83(1995))。 プローブ又はプライマーとして使用される他、本発明のハイブリダイジング核 酸分子は、相補的核酸分子に結合することによって、本発明のポリペプチドの発 現を変えるためのアンチセンス分子として使用できる(一般的に、これは、正常 な状態では翻訳されるRNA分子に結合することにより、二本鎖の形成を通じてそ の翻訳を妨害する核酸分子(例えばRNA分子)を提供することによって達成でき る。)。この手法は、アンチセンス療法に使用し得る。例えば、アンチセンスRN Aを発現する構築物は、(例えば、組換えウイルスを発現べクターとして使用し て)ADAM16a又はADAM16bの生産を阻害するために使用することができ、それ故、 避妊に利用される。アンチセンス分子は、DNA又はRNA又はそれらの変異型(例え ばRNA)の形態であり得る(例えば、PNA) ハイブリダイジング分子は、リボザイムとして提供してもよい。リボザイムは 、特定の標的配列を含むRNA分子に結合して、これを切断することによって、発 現を調節するために使用できる。 本発明の核酸分子ハイブリダイジング核酸分子は、上記a)又はb)の範囲に属す る核酸分子と、その長さだけではなく、高度な配列の同一性(例えば、少なくと も50%、少なくとも75%、又は少なくとも90%の配列同一性)をも有し得る。当業 者であれば理解できるように、ある一本鎖核酸分子と別の核酸分子との配列の同 一性が高いほど、適切な条件において、他の核酸分子と相補的な核酸分子とハイ ブリダイズする可能性が大きくなる。 以上の記述から、当業者であれば、本発明の範囲には、極めて多くの核酸が含 まれることが理解できるであろう。それ故、これに反する記述がなければ、本発 明の核酸分子は、以下の特徴: 1)それらはDNA又はRNA又はそれらの変異体(例えばPNA)であり得る; 2)それらは一本鎖又は二本鎖であり得る; 3)それらは、組換え形態で、すなわち、自然には存在しないキメラ分子(例え ば、ベクター)を与えるために、異種の5'及び/又は3'隣接(flanking)配列 に共有結合されて提供され得る; 4)それらは、本来自然に存在する5'及び/又は3'隣接配列を持たずに、提供さ れ得る; 5)それらは、例えば、所望の標的配列を有するクローニングされた分子を単離 するためのプローブを用いることによって、又は化学合成手法を用いて、実 質的に純粋な形態で与えられ得る(このように、それらは、夾雑タンパク質 及び/又は他の核酸が実質的に存在しない形態で提供され得る); 6)それらは、イントロン有り(例えば、完全長の遺伝子として)、又はイント ロンなし(例えばcDNAとして)で与えられ得る; を一以上有し得る。図面の記述 ここで、添付の図面を参照しながら、単なる例として、本発明を記載する。 図1は、RT-PCR及びメタロプロテアーゼ及びディスインテグリンドメイン用の degenerateオリゴヌクレオチドによって得られたB細胞のcDNA断片の度数分布を 示している。メルトリン-γは、GenBank(Bensonら、1997)U41766及びD14665に対 応し、TACE:TNF-αコンベルターゼ、GenBank(HSU86755、HSU69611、及びHSU696 12)に対応する。ORF#6は、新規cDNAである(「結果」の部のパート1参照)。さ らに、オープンリーディングフレームを全く持たない14断片が見出された。 図2は、ADAM16a(パネルA)とADAM16b(パネルB)mRNAの組織分布を示してい る。ノーザンブロット用のプローブは、それぞれ2.2又は1.8kbpのcDNA配列を含 んでいた。露出は、一晩(A)又は5時間(B)であった。Sk.muscleは、骨格筋であ る。p.b:末梢血。サイズマーカーは、103ヌクレオチドである。 図3は、ADAM16a(A)とADAM16b(B)とそれらの予想されるコード産物の配列を示 している。ADAM16aのシグナルペプチドに、下線が付してある。 図4は、ADAM16aとbによってコードされる予想産物の比較を示す。両タンパ ク質が共有するアミノ酸は、ADAM16bに" ★★"が付してある;ギャップは、ダッ シュで示されている。ADAM16aの予想シグナルペプチドは、ボックスの中に入っ ている。ギャップは、ダッシュで示されている。様々なドメインの範囲が、破線 で示してある。 図5は、これまでに特性決定された遺伝子と、ADAM16及びbとの比較を示して いる。BLAST(Maddenら、1996)アルゴリズムによって決定した、(A)ADAM16aに対 する最高のGenBank適合性。fert:fertilinn。(B)ADAM16aとb、及び近縁のADAMs の系統発生樹。この系統発生樹は、CLUSTALアルゴリズムを用いて作成した(Hig ginsら、1996)。Hs:ヒト;Mf:マカク;RN:ラット;Mm:マウス;Oc:ウサギ;Cc: モルモット;fertファーティリン。ADAM9はメルトリン-γ(U41766)である。 図6は、ADAM16a(A)とADAM16(B)によってコードされる推定融合性ペプチドの ヘリカル−ホイール図を示している。疎水性残基には、影が付してある。 図7は、ADAM16aのゲノムマッピングを示す。オリゴヌクレオチドNMPraseN3と C3(A)、又は-Nと-C(B)を用いた、ヒトゲノムDNAの複数の短い断片を担持するハ イブリッド細胞株から取得したPCR断片のアガロースゲル。サイズマーカー:「1k bラダー」(Gibco-BRL)。陽性ハイブリドーマの数、及び359bp(A)又は123bp(B)の 産物は、矢印で示されている。ADAM16bは、同じハイブリッド群、及び#4に対し て陽性であった(データは示していない)。物質と方法 1 RT-PCR ヒツジの赤血球にロゼット形成することによって精製した扁桃のB細胞から単 離したポリA RNAから、オリゴdTをプライマーとしてds cDNAを調製した(Maratho n kit,ClonTech)。総容量100μL中に30mM Tricine pH8.4、2mM MgCl2、5mM β メルカプトエタノール、0.1mg/mLゼラチン、0.1% Thesit(Ponce and Micol,1992 )、0.2mMの4種の各dNTP(緩衝化された100mMの溶液(Pharmacia)から新しく調製し た)、0.3pmol/μLの各オリゴヌクレオチド、及び25u/mL??のTaq DNAポリメラ ーゼを含有するPCRで、10ngのDNAをテンプレートとして用いた。緩衝液と酵素70 μL??は、ワックスビーズ(Perkin-Elmer)を用いて、他の成分から 封鎖し、該サンプルに対して、94℃で1分、35℃で1分、72℃で20秒のサイクル を40回繰り返した(45℃又は50℃のアニーリング温度では、全く産物は得られな かった)。使用したオリゴヌクレオチドは、ATA GAA TTC AYG ARI IIG GIC AY A AYTTY GG(Microsynth;1=イノシン;HEXGHNFGをコードする)とGEECDXGをコードす るATA GGA TCC III RTC RCA YTC YTC ICCであった。該試料をフェノール抽出し 、沈澱させ、水に溶かし、EcoRIとBamHIで消化し、グラス−ミルク(Pharmacia) を用いて、アガロースゲルから200〜400bpの範囲の断片を精製した。pBlueKSII+ (BlueScript,Stratagene)プラスミド中に該断片をサブクローニングし、自動化 されたABI配列決定機を用いて配列決定した。 2 cDNA「ウォーキング」 新たに決定した配列に対応するオリゴヌクレオチドをデザインすることによっ て、さらなるcDNA配列を得た。続いて、ClonTechの「Marathon RT-PCR」キット として供給されている、リンカーが連結されたヒト胎盤cDNA及びnested AP-1とA P-2プライマーを用いたPCRに、これらのオリゴヌクレオチドを使用した。該産物 をBluescriptプラスミド中にサブクローニングして、配列決定した。該方法は、 比較的短い(500-1,000bp)断片を産生する傾向があるので、繰り返して適用しな ければならない。 3ライブラリースクリーニング ヒト精巣のcDNAライブライー(λ gt11,オリゴdTでプライムした、複雑性(com plexlty)105;Clontech#HL1010b)を合計2×106プラークになるように、10個の 長方形プレート(それぞれ25×25cm)上の1090Y大腸菌細胞に播種し、cDNAプロー ブ(図3Aの20〜1,290位)を用いてスクリーニングした。 プラークの切り出しとリハイブリダイゼーションを反復して行った後、陽性コ ロニーを精製した。最後に、2〜10プラークの同cDNAクローンを0.5mLのSM+50μ Lのクロロホルム中にプールし(Ausubelら、1989)、>4時間溶出し、Taqの変わ りにPfu DNAポリメラーゼ(Stratagene)を使用し、アニーリングが55℃、72℃で の伸長時間が7.5分であった(35サイクル)ことを除いて、上述したように、10μL をPCRにかけた。λgt11特異的プライマーは、GAT TGG TGG CGA CGA CTC CTとCAA CTG GTA ATG GTA GCG ACであった。産物をフェノール抽出し、EcoRIで消 化し、ゲルで精製して、pBlueKSll+中にサブクローニングし、自動ABl配列決定 装置を用いて配列決定した。最低一度は、全ての配列の両鎖を読解した。 4ハイブリダイゼーション 精製したcDNA断片を放射能ラベルし、標準的なプロトコール(Ausubelら、1989) を用いて、50%の蒸留したフォルムアミド(Gibco-BRL)と0.5%のSDSを含有する緩 衝液中において、42℃でハイブリダイズさせた。0.2×SSCの中でフィルターを室 温で数時間洗浄した後、55℃で1時間洗浄した。ノーザンブロット(ClonTech、c at#7760-1、7754-1、及び7759-1)は、表記の組織から得た2μgのヒトのポリARN Aを含有していた。アクチンプローブを用いて、該ブロットが同じようにローデ ィングされているかテストした(データは示していない) 5ゲノムマッピング スタンフォード・G3・ラディエーション・ハイブリッド・パネル(RHO1.05;Re search Genetics)から得られた各ハムスター/ヒトハイブリッド細胞株のゲノム DNA0.5μL(12.5ng DNA)を含有するように、PCR反応をセットアップした(50μL) 。該サンプルを、94℃で1分、55℃で1分、72℃で30秒、35回のサイクルにかけ た。ADAM16aに使用したオリゴヌクレオチドは、NMpraseN3(TGC AAT TGT CAT ATA ATT TC)と-C3(AGC TTC ATG CCT TGT GTG TC)、又はNMpraseN(CAG TGG TGT GTG TGC GAG CTA CAG TGG TGC)とNMpraseC(GAG GCG GTT GAA TAC ATA ATC CAC TAC T GA)であった。ADAM16bに使用したオリゴヌクレオチドは、GTG ACA GTG CCT ACT GCT ATC A及びCTC TCC CAC AAA AGA CAT CAGであった。産物のうち、40μLを真 空下で5〜10μLに濃縮し、15%のアガロースゲルで分離し、静止ビデオシステム で観察した。 結果 1 ADAM16aと16bのcDNAクローニング 本研究の所期の目的は、L-セレクチン、ICAM-3、及びTNFαのような接着分子 及びサイトカインのシェディング(shedding)に関与しているかもしれない新規AD AMsを同定することであった(Hwangら、1993;del Poz。ら、1994;Bjornbergら 、1995;Kishimotoら、1995;Arribasら、1996;Feehanら、1996;Blackら、 1997;Mossら、1997a;Mossら、1997b)。ディスインテグリン−メタロプロテア ーゼ、すなわちADAMsがこれらのプロセスに関与しているという証拠及び1つの 具体的な例(TACE)が存在しているので、Zn2+結合ポケット(HEXGHNFG)コンセンサ スと保存されたディスインテグリンドメイン(GEECDXG)をコードするdegenerate オリゴヌクレオチドをデザインした。B細胞RNAに対するRT-PCRは、オープンリ ーディングフレーム(ORF)を有する3種の断片、すなわちメルトリン−γ、TACE 、及びデータベースにマッチしないもの(「ORF#6」;図1)を産生した。さらに 、ORFを持たない断片が多数得られた(データは示されていない)。ORF#6配列は 、何れの公のデータベースにも見出すことができなかったが、他のADAMタンパク 質と概ね良好な類似性を示した。5'及び3'RACEプロトコールを用いて、胎盤由来 の該cDNAに対して、約2,2kbpのほぼ完全な配列を取得した(物質と方法、2部参 照)。 2組織分市 様々なヒト組織からのポリARNAを含有するノーザンブロットに対して、RT-PCR によって取得した2.2kbp断片をプローブとして用いた。精巣だけに、約2,800nts のmRNAに対する単一のシグナルが得られた(図2A)。cDNA断片は、B細胞と胎盤c DNAから得られたので、該mRNAは、精巣以外の組織でも、極めて低いレベルで発 現されているにちがいない。しかしながら、これらの組織においては、ノーザン ブロットに対して全くシグナルが見られなかった。その発現が詳細に調べられた 全ての精巣特異的なADAMsは、専ら精母細胞に発現されている(例えば、マウス のADAM 1-5、Wolfsbergら、1885b参照)。それ故、ADAM16aとbが、この組織でも 発現している可能性は極めて高い。 3ライブラリースクリーニング 新規mRNAの完全長配列を得るために、RT-PCR断片を用いてヒト精巣cDNAライブ ラリーをスクリーニングした。スクリーニングした2×106プラークの中で、ある 群(20クローン)が強くハイブリダイズし、より小さい群が(7クローン)が弱く ハイブリダイズした。第一の群は、全て元のRT-PCR産物に対応する少なくとも9 つの異なるクローンを含んでおり、「ADAM16a」と呼ばれた。第二の群(>6つ の異なるクローン)は、関連するが別個のcDNAに対応しており、「ADAM 16b」と 名付けられた。両群から得た最も大きなインサートをサブクローニングして、そ れらの配列を決定した(図3)。「SignalP V1.1」ワールド・ワイド・ウェブ スター(Nielsenら、1997)による分析によって、ADAM 16aタンパク質のN末端配列 は、シグナル配列を有していると予想された。ADAM 16aクローンの5'配列は、非 コード領域中に配列の多様性を示したが、おそらくディファレンシャルスプライ シングによるものと思われる(データは示されていない)。図3Aに示されている 配列は、全てのADAM16aクローンに共通であった。該作業は進行中であるが、精 巣由来のEST配列(HS1200890)の配列は、図3Aに示したものと重複していると報告 された。しかしながら、該EST配列の5'末端はノンコーディングであり、同じく 選択的スプライシングの結果によるものと思われる。ADAM16a又は16bのcDNAのコ ーディング部分には、何れも配列の多様性は見出されなかった。 複数組織のノーザンブロットのセットをプローブするために、完全長のADAM16 b配列も使用した(図2B)。ADAM16bの発現パターンは、ADAM16aに見出されたも のと同一であった。二つのフィルムを重ねあわせることにより、ADAM16bのmRNA は、ADAM16aのmRNAに比べて、若干短いことが示された。 4配列の比較 EST(HS1200890とHS1200798、何れもADAM16a)を除いて、公のデータベースには 、ADAM16a又はbに対して正確にマッチするものは見出されなかった。それらの予 想産物を比較することによって(図4)、ADAM16aとbは、50%の同一性を有すること が示された。同一性は、特定のドメイン中にクラスターを成しているようではな い。より広い範囲でのADAMsの比較において、同じ観察がなされれている(Wolfsb ergとWhite、1996)。ドメイン全体の組成は、多くのADAMsに見出されているもの :シグナルペプチド、プロタンパク質ドメイン、Zn2+結合モチーフを有するメタ ロプロテアーゼドメイン、ディスインテグリンループと「ヘアピンチップ」を有 するディスインテグリンドメイン、システインリッチドメイン、融合ペプチド候 補、EGF様リピート、膜貫通領域、及び細胞内ドメイン、と酷似している。 GenBank BLAST(Maddenら、1996)データベースサーチによって、以前に同定さ れているADAMsとの多数の顕著な類似性が明らかとなった(図5A)。ADAM16aとbの 両者とも、メルトリン-γ/ADAM9(U41766)と最も類似性を示し、マカク由来の ファーティリン-αIとII(X79808とX79809)、ヒトのファーティリンα偽遺伝子(Y 09232)、及びラット、マウス、ウサギ、及びモルモット由来のファーティリンα が僅差で続き、さらにファーティリンβタンパク質が続いた。このリストで最も 類似したタンパク質をグループとして、CLUSTAL(Higginsら、1996)アルゴリズム を用いて比較し、図5Bに樹系図として表した。該樹系図は、ファーティリンβ( 左)とファーティリンα(右下)という二つのクラスターを示している。二つのADA Ms16とADAM9は、これらのクラスターの間に広がり、ファーティリンαグループ に最も近い。 5配列分析 5.1プロタンパク質ドメイン ADAMsは明確に認識できるドメインからなるが、全てのドメインがタンパク質 分解、細胞接着、融合、及び細胞内シグナリングを為し得るとは思われない。多 くのADAMSでは、プロタンパク質ドメインは切除され、(機能的な場合には)プ ロテアーゼドメインの活性化を生じる。可溶性マトリックスメタロプロテアーゼ (MMPs;matrix metalloproteases)と血液凝固系ヘビ毒メタロプロテアーゼ(SVMPs ;snake venom metalloproteases)と共有する該特徴は、触媒ドメイン中のZn2+と 相互作用すると考えられている対をなしていないシステインを有する短いモチー フである、いわゆる「システインスイッチ」の存在によるものである(van Wart とBirkedal-Hansen、1990;Gramsら、1993)。該スイッチは、ADAM16aのプロタン パク質ドメイン中に見出すことができ、該タンパク質もタンパク分解によるプロ セッシングを要することを示唆している(図3A)。TNFαコンベルターゼとADAM1 5では、プロタンパク質切断部位(RVKRRとRRRR)は、くまなく分布しているフリン プロテアーゼの標的として直ちに同定されている(Matthewsら、1994)。従って、 TACEとADAM15タンパク質は、多くの場合、プロセッシングされた形態で見出され ている(Blackら、1997;Herrenら、1997)。対照的に、ADAM16aとbは、明らかな 切断部位を有しておらず、それらのタンパク分解プロセッシングが制御されてい ることを示唆している。この状況は、精子産生の後期段階に、精巣上体を通過す る間(生殖能力の取得と平行する)でなければプロセッシングされないファーテ ィリンαとファーティリンβに似ている(Blobelら、1990;Huovila ら、1996)。従って、完全長のADAM16aは、組換えバキュロウイルスに感染した昆 虫細胞中で適切にプロセッシングされなかった(データは示していない) 5.2メタロプロテアーゼドメイン ADAM16aメタロプロテアーゼドメイン中のZn2+結合部位は、コンセンサス配列H EXGHNLGXXHDに対応する(RawlingsとBarrett、1995)。それ故、ADAM16aは、ファ ーティリンα、TNFαコンベルターゼ、及びADAM10と同様に、機能的なプロテア ーゼであると思われる。Zn2+結合部位の後には、Zn2+リガンドを折返し、安定さ せる構造であって、アダマリシン(adamalysin)・メトジンシン(metzincin)ファ ミリーに属するプロテアーゼの特徴である(StockerとBode、1995)「Metターン」 が続いている。対照的に、ADAM16bの配列は、コンセンサスZn2+結合部位と2箇 所で異なっており、一つは、金属陽イオンと直接相互作用すると考えられている 必須ヒスチジン残基とである。これによれば、ADAM16bがプロテアーゼとして機 能し得る可能性は少ない。 SVMPには、全て完全なコンセンサスZn2+結合部位が見出されているが、ADAMs には僅かしか見出されていない。5つの精巣特異的マウスADAMのうち、ファーテ ィリンαだけが、プロテアーゼ活性を有すると予想されている。 5.3ディスインテグリンドメイン 最もよく知られたディスインテグリンドメインは、SVMP由来のものである。こ れらの多くは、柔軟なディスインテグリンループの先端にRGDトリペプチドを有 している。PIIタイプのSVMPは、血小板インテグリンαIIbβIIIaと相互作用し、 これにより、血餅の形成を阻害し、ヘビ毒の効力を増強せしめる。他のSVMPは、 血管を崩壊して、出血を引き起こす。対照的に、ADAM15(metargidin;Kratzschm arら、1996;Herrenら、1997)を除いて、ADAMsの中にはRGDを発現しているもの はなく、一般的に、ADAMディスインテグリンドメインは、細胞−細胞間の相互作 用を破壊するよりも、むしろ促進すると考えられている(WolfsbergとWhite、199 6)。該ディスインテグリンドメインは、卵インテグリンα6/β1に対するリガン ドとして、マウスのファーティリンβで重要な役割を果たしている(Almeidaら、 1995)。同様に、モルモットのファーティリンβディスインテグリンペプチドは 、精子−卵融合をブロックできる(Mylesら、1994)。しかしなが ら、ディスインテグリンループのトリプレットは、他種由来のファーティリンβ の間では、あまり保存されていない。他のディスインテグリンサブドメインは、 インテグリン−リガンド特異性に関与しているので、又は精子細胞は異なる種で は、卵の異なるリガンドに結合するので、これがその通りかどうかは明確ではな い。これまでに述べたように、トリプレットの三番目の残基は、機能的なディス インテグリン中では酸性でなければならず、従って、ADAM16a(VGE)もADAM16b(VN E)も、共に活性なリガンドをコードしているかもしれない。 5.4融合ペプチド 融合ペプチド候補は、ファーティリンαとメルトリンαのシステインリッチド メイン(細胞−細胞融合に関与している)中に同定され(Blobelら、1992;Muga ら、1994;Huovilaら、1996)ている。融合性ウイルスに同定されたものと同様、 これらのペプチドは、しばしば一又は二個の中央のプロリン残基で中断され、疎 水性と親水性のフェースを有する両親媒性のαヘリックスにフォールディングで きるという共通の特徴を有している;それらは短く(16〜26アミノ酸)、膜に付 着したサブユニット中に発現されている(White、1992)。ADAM16aとbの両シス テインリッチドメイン中には、中央にプロリン残基を有する両親媒性ヘリックス を形成し得る短い疎水性のストレッチを見出すことができる(図6)。これは、 細胞−細胞融合の媒介におけるADAM16aとbの役割に合致する。 5.5細胞質ドメイン 幾つかのADAMsは、比較的長い細胞質尾部を有し、ADAMs8-10、12、13、及び15 は、チロシンキナーゼSH-3結合ドメインを含有している(WolfsbergとWhite、19 96に概説されている)。しかしながら、ADAM16aとbの細胞内ドメインは、極めて 短く、チロシン残基とSH-3コンセンサス配列を欠如しており、シグナリングには 関与していないと思われる。 6ゲノムマッピング ADAM16aとbのゲノムでの局在を決定するために、スタンフォードG3ラディエー ション・ハイブリッド・パネルを用いた。該パネルは、ハムスター株とγ照射し たヒト細胞との融合によって得られた83個のハイブリッド細胞株からなる。各ハ イブリドーマは、短い、複数のヒトのゲノムの断片を含有しているので、所定 のcDNAをこれらのハイブリッドのサブセットに割り振ることにより、インシチュ ハイブリダイゼーション法よりずっと優れた精度でマッピングすることが可能と なる(Schulerら、1996)。これらのハイブリッドから得たゲノムDNAをテンプレー トして用いるPCRに、二組のオリゴヌクレオチドを使用した。該方法を用いて、A DAM16aのcDNAを14のハイブリッドに割り振った(図7)。この結果は、ラディエー ション・ハイブリッド・マップ・サーチ・エンジン(バージョン2.0;スタンフォ ードヒトゲノムセンター)によって解読され、、染色体14q24.1上のマーカーSHGC -36001(GenBank H64417)と極めて密接な連関を得た(LODスコア12.93)。ADAM16b も同じ方法を用いてマッピングした。該遺伝子に対しては、同じセットのハイブ リッドに加えて、ハイブリッド4が陽性であった(データ示していない)。該パタ ーンは、マーカ−SHGC36001と同じである。このように、両遺伝子は、緊密にク ラスターをなし、14番染色体の長腕上に存在するマーカーSHGC36001に連結され ている。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成11年8月20日(1999.8.20) 【補正内容】 請求の範囲 1.以下の領域: a)メタロプロテアーゼ領域 b)ディスインテグリン領域 c)融合ペプチド領域 を一以上有するポリペプチドであって、 (a)図3A又は図3Bに示されているアミノ酸配列のうち下線が付されていないア ミノ酸配列を含む (b)図3A又は図3Bに示されているアミノ酸配列のうち下線が付されていないア ミノ酸配列に対して、1以上のアミノ酸の欠失、挿入、又は置換を有する が、前記配列とは少なくとも75%のアミノ酸配列の同一性を有する、 ことを特徴とするポリペプチド。 2.図3A又は3Bに示されたアミノ酸配列のうち下線が付されていないアミノ酸 配列からなる請求項1に記載のポリペプチド。 3.図3A又は図3Bに示されたアミノ酸配列からなる請求項1に記載のポリペプ チド。 4.他の部分に共有結合されているときに、請求項1又は2に記載のポリペプ チドを含むポリペプチド。 5.グリコシル化された形態の場合に、先行する請求項の何れか1項に記載の ポリペプチド。 6.先行する請求項の何れか1項に記載のポリペプチドを具備する薬学的に許 容される組成物。 7.ワクチンである、請求項6に記載の薬学的組成物。 8.アジュバントを含む、請求項7に記載の薬学的に許容される組成物。 9.医薬に使用するための、請求項1〜5の何れか1項に記載のポリペプチド 、又は請求項6〜8の何れか1項に記載の薬学的に許容される組成物。 10.避妊薬の調製における、請求項1〜5の何れか1項に記載のポリペプチ ドの使用。 11.受精能改善剤の調製における、請求項1〜5の何れか1項に記載のポリ ペプチドの使用。 12.患者が、請求項1〜5の何れか1項に記載のポリペプチドに結合する抗 体を有するか否かを決定することを具備する受精能を評価するための方法。 13.リガンドへの結合を阻害する化合物のスクリーニングにおける、請求項 1〜5の何れか1項に記載のポリペプチドの使用。 14.避妊物質のスクリーニングにおける請求項13に記載の使用。 15.受精能を増大させ得る物質のスクリーニングにおける請求項13に記載 の使用。 16.抗体の産生又は選別における、請求項1〜5の何れか1項に記載のポリ ペプチドの使用。 17.請求項1〜5の何れか1項に記載のポリペプチドに結合する抗体、抗体 断片、又はその合成構築物。 18.請求項17に記載の抗体、抗体断片又はその合成構築物を具備する薬学 的許容される組成物。 19.医薬に使用するための、請求項17に記載の抗体、抗体断片、若しくは その合成構築物、又は請求項18に記載の薬学的に許容される組成物。 20.避妊薬の調製における、請求項17に記載の抗体、抗体断片、若しくは その合成構築物の使用。 21.患者が、請求項17に記載の抗体、抗体断片、又はその合成構築物に結 合するポリペプチドを有しているか否かをインビトロで決定することを具備する 受精能を評価する方法。 22.a)請求項1〜5の何れか1項に記載のポリペプチドをコードするか、 b)上記a)に記載の分子と相補的であるか、又は c)上記a)又はb)に記載の分子とストリンジエントなハイブリダイゼーション条 件下でハイブリダイズする、 核酸分子。 23.請求項22に記載の核酸分子を具備するべクター。 24.請求項22に記載の核酸分子、又は請求項23に記載のベクターを具備 する宿主。 25.前記ポリペプチドの発現を引き起こす条件下で、請求項24に記載の宿 主をインキュベートした後、前記ポリペプチドを精製することを具備する、請求 項1〜5の何れか1項に記載のポリペプチドを取得する方法。 26.医薬に使用するための、それぞれ、請求項22、23、又は24の何れ か1項に記載の核酸分子、ベクター、又は宿主。 27.避妊薬の調製における、それぞれ、請求項22、23、又は24の何れ か1項に記載の核酸分子、べクター、又は宿主の使用。 28.受精能を増大させ得る物質の調製における、それぞれ、請求項22、2 3、又は24の何れか1項に記載の核酸分子、べクター、又は宿主の使用。 29.患者から取得した核酸が、請求項22に記載の核酸分子とハイブリダイ ズするか否かをインビトロで決定することを具備する受精能を評価する方法。 30.プローブ又はプライマーとしての請求項22に記載の核酸分子の使用。 31.請求項13〜15の何れか1項に記載のスクリーニングによって同定さ れた物質。 【手続補正書】 【提出日】平成13年6月1日(2001.6.1) 【補正内容】 【図3】【図3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 15/08 A61P 15/18 15/16 C07K 16/40 15/18 C12N 1/15 C07K 16/40 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 9/64 Z 1/21 C12Q 1/68 A 5/10 G01N 33/15 Z 9/64 33/50 Z C12Q 1/68 33/566 G01N 33/15 C12N 15/00 ZNAA 33/50 5/00 A 33/566 A61K 37/54 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U S,UZ,VN,YU,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(a)図3A又は図3Bに示されているアミノ酸配列のうち下線が付されていな いアミノ酸配列を含む (b)図3A又は図3Bに示されているアミノ酸配列のうち下線が付されていないア ミノ酸配列に対して、1以上のアミノ酸の欠失、挿入、又は置換を有する が、前記配列とは少なくとも40%のアミノ酸配列の同一性を有する、又は (c)少なくとも10アミノ酸長の上記a)又はb)に示したポリペプチドの断片であ ある ポリペプチド。 2.請求項1に記載のポリペプチドであって、 a)メタロプロテアーゼ領域 b)ディスインテグリン領域 c)融合ペプチド領域 を一以上含むポリペプチド 3.請求項1又2に記載のポリペプチドであって、図3A又は3Bに示されたアミ ノ酸配列又はその一部からなるポリペプチド。 4.他の部分に共有結合されているときに、請求項1又は2に記載のポリペプ チドを含むポリペプチド。 5.グリコシル化された形態の場合に、先行する請求項の何れか1項に記載の ポリペプチド。 6.先行する請求項の何れか1項に記載のポリペプチドを具備する薬学的に許 容される組成物。 7.ワクチンである、請求項6に記載の薬学的組成物。 8.アジュバントを含む、請求項7に記載の薬学的に許容される組成物。 9.医薬に使用するための、請求項1〜5の何れか1項に記載のポリペプチド 、又は請求項6〜8の何れか1項に記載の薬学的に許容される組成物。 10.避妊薬の調製における、請求項1〜5の何れか1項に記載のポリペプチ ドの使用。 11.受精能改善剤を調製における、請求項1〜5の何れか1項に記載のポリ ペプチドの使用。 12.患者が、請求項1〜5の何れか1項に記載のポリペプチドに結合する抗 体を有するか否かを決定することを具備する受精能を評価するための方法。 13.スクリーニングにおける、請求項1〜5の何れか1項に記載のポリペプ チドの使用。 14.避妊薬をスクリーニングするための請求項13に記載の使用。 15.受精能を増大させ得る物質のスクリーニングにおける請求項13に記載 の使用。 16.抗体の産生又は選別における、請求項1〜5の何れか1項に記載のポリ ペプチドの使用。 17.請求項1〜5の何れか1項に記載のポリペプチドに結合する抗体又はそ の誘導体。 18.請求項17に記載の抗体又はその誘導体を具備する薬学的許容される組 成物。 19.医薬に使用するための、請求項17に記載の抗体若しくはその誘導体、 又は請求項18に記載の薬学的に許容される組成物。 20.避妊薬の調製における、請求項17に記載の抗体又はその誘導体の使用 。 21.患者が、請求項17に記載の抗体又はその誘導体に結合するポリペプチ ドを有しているか否かをインビトロで決定することを具備する受精能を評価する 方法。 22.a)請求項1〜5の何れか1項に記載のポリペプチドをコードするか、 b)上記a)に記載の分子と相補的であるか、又は c)上記a)又はb)に記載の分子とハイブリダイズする、 核酸分子。 23.請求項22に記載の核酸分子を具備するベクター。 24.請求項22に記載の核酸分子、又は請求項23に記載のベクターを具備 する宿主。 25.前記ポリペプチドの発現を引き起こす条件下で、請求項24に記載の宿 主をインキュベートした後、前記ポリペプチドを精製することを具備する、請求 項1〜5の何れか1項に記載のポリペプチドを取得する方法。 26.医薬に使用するための、請求項22、23、又は24の何れか1項に記 載の核酸分子、ベクター、又は宿主。 27.避妊薬の調製における、それぞれ、請求項22、23、又は24の何れ か1項に記載の核酸分子、ベクター、又は宿主の使用。 28.受精能を増大させ得る物質の調製における、それぞれ、請求項22、2 3、又は24の何れか1項に記載の核酸分子、ベクター、又は宿主の使用。 29.患者から取得した核酸が、請求項22に記載の核酸分子とハイブリダイ ズするか否かをインビトロで決定することを具備する受精能を評価する方法。 30.プローブ又はプライマーとしての請求項22に記載の核酸分子の使用。 31.請求項13〜15の何れか1項に記載のスクリーニングによって同定さ れた物質。
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