JP2002510479A - コンパクトな構造の形成を引き起こすペプチド - Google Patents

コンパクトな構造の形成を引き起こすペプチド

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デイビッド・アンダーソン
タリケレ・グルラジャ
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、互いに高い親和性を有し、かつ、タンパク質と結合した際に該タンパク質を折りたたんでコンパクトな構造にすることを助けるのに使用されるペプチドを含んでなる組成物および方法に向けられる。その安定性と拘束力のためにこの足場は細胞プロテアーゼおよびその他のプロテアーゼの存在下で包埋されるタンパク質配列のいずれの活性も延長することができる。該コンパクト構造はその他の機能的配列を包埋して有することができ、かつ、ライブラリースクリーニング、構造上偏りのあるペプチドライブラリーの作出、ならびに特異的細胞内および細胞外コンパートメントへの標的化のためには、直鎖状および拘束の少ないペプチドよりも好ましい。本発明の組成物は、ライブラリースクリーニング、薬剤スクリーニングおよび提示のためウイルス、古細菌、原核細胞および真核細胞の表面に提示され得る。本発明の方法はシグナル伝達経路を変調する細胞内エフェクタータンパク質のin vivoスクリーニングに、またin vitroにおける相互作用タンパク質の同定に有用である。従って、本発明は、遺伝子治療の足場として、新しい治療薬の手がかりの単離に、また生理学的液体中の治療薬としての可能性ある使用に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】
本発明の組成物および方法は自己会合する二量体化ペプチドの使用、およびコ
ンパクトな構造の形成を達成するための、他のタンパク質とそれらの併用に関す
る。
【0002】
【発明の背景】
タンパク質は主としてコンホメーション上拘束されたドメインにより互いに相
互作用する。自由に回転するアミノ末端およびカルボキシル末端を有する直鎖状
ペプチドはそれ自体公知の有効な機能を持ち得るが、かかるペプチド構造の薬理
学的薬剤への変換は困難であることが多い。従って、コンホメーション上拘束さ
れた構造でのペプチドの提供すれば、その標的タンパク質と高い親和性を有する
医薬が作出されることとなる。拘束されたペプチドはそれらの直鎖状類似体に比
べ多くの価値ある特徴を持つ。このようなものとしては、(i)アミノペプチダ
ーゼまたはカルボキシペプチダーゼに接近しやすい拘束されていないN末端また
はC末端アミノ酸残基と、エンドペプチダーゼ感受性を低下させる非伸長構造が
ないことによるタンパク質分解に対する安定性の増強[Szewczuk et al., Bioche
mistry 31:9132-9140 (1992)];(ii)結合のコストが小さいことによる同族体 の結合タンパク質に対してより高い結合親和性が生じることとなり得る限定され
たコンホメーション空間[Hruby, Life Sci., 31:189-199 (1982); Rizo and Gie
rasch, Ann. Rev. Biochem. 61:387-418 (1992)];(iii)逆転、ループまたは その他の二次的な構造を模倣する幾何学[Rose et al., Adv. Protein Chem., 37
:1-109 (1985); Stradley et al., Biopolymers 29:263-287 (1990); Rizo et a
l., in Molecular Conformation and Biological Interactions (P. Balaram an
d S. Ramaseshan, eds.), Indian Academy of Sciences Publications (Bangalo
re, India), p469-496 (1991)];および(iv)より簡単なファルマコホアおよび
薬剤の開発を可能とするコンホメーション上制限された足場が挙げられる。
【0003】 このように拘束されたペプチドは新たなリガンドおよび受容体の単離のための
、またひいては薬剤として有用であり得る小分子の合理的な設計のための基礎を
なし得る。このアプローチが望ましいことは、種々の受容体の有効なリガンド [
O'Neil et al., Proteins: Structure Function and genetics 14:509-515 (199
2); Giebel et al., Biochem. 34:15430-35 (1995); Spatola and Crozet, J. M
ed. Chem. 39:3842-46 (1996); Koivunen et al., J. Biol. Chem. 268:20205-1
0 (1993); Koivune et al., J. Cell. Biol. 124:373-380 (1994)] 、酵素[McBr
ide et al., J. Mol. Biol. 259:819-27 (1996); Eichler et al., Mol. Divers
. 1:233-240 (1996)]、およびその他のタンパク質[Wang et al., J. Biol. Chem
. 270:23239-42 (1995)]を発見し、精製するために使用されてきた環状ペプチド
ライブラリーを用いて示された。
【0004】 注目されるタンパク質をコンホメーション上制限されたドメインとして提供す
ることができる拘束されたタンパク質足場のいくつかが文献に記載されているが
、これらはミニボディー構造 [Bianchi et al., J. Mol. Biol. 236(2):649-59
(1994)]、βシートターン上のループ 、コイルドコイル・ステム構造(Myszka an
d Chaiken, Biochemistry 33:2363-2372 (1994)、ジンクフィンガードメイン、 システイン結合(ジスルフィド)構造、トランスグルタミナーゼ結合構造、環状
ペプチド、ヘリカルバレル(helical barrels)またはヘリカルバンドル(helical
bundles)、ロイシンジッパーモチーフ(Martin et al., EMBO J. 13(22):5303-53
09 (1994); O'Shea et al., Science 243:538-42 (1993))などを含んでいる。
【0005】 さらに、神経ペプチドヘッドアクチベーター[さらなる概説としては以下; Bod
enmuller et al., EMBO J. 5(8):1825-1829 81986)] 、物質P[Poujade et al.,
Biochem. Biophys. res. Commun. 114:1109-1116 (1983)]、メテンケファリン(
metenkephalin)[Mastropaolo et al., Biochem. Biophys. Res. Commun. 134:69
8-703 (1986)]および神経ペプチドY[Minakata et al., J. Biol. Chem. 264:79
07-7913 (1989)]などの調節ペプチドに関しては、自己凝集が記載されている。
【0006】 本発明の主題に直接関係するのは、淡水腔腸動物ヒドラから単離された神経ペ
プチドヘッドアクチベーター(HA)(Bodenmuller et al., 上記)に由来するペ
プチドである。Bodenmuller et al.は生理学的条件の下でHAペプチド(pEP
PGGSKVILF)が二量体化して生物学的に不活性な分子を形成することを
実証した。
【0007】 単量体形態の二量体化は、10-13Mといった低い濃度でもその単量体成分へ 解離しない安定な構造をもたらす。HA断片のさらなる解析により、HAペプチ
ドのカルボキシ末端から直前6個のアミノ酸残基のみを含む断片(pSKVIL
F)の方がHA自身よりより効率的に二量体化したことが明らかになった。しか
しながら、直前4個のアミノ酸残基のみを含む断片(pVILF)およびHAの
アミノ末端に由来する断片(pEPPGGSK)は二量体の形成をもたらさなか
った。より重要なことには、それらの解析は、カルボキシ末端フェニルアラニン
の置換とその改変の双方(例えば、芳香環のパラ(4)位におけるヨウ素の導入
)が二量体化を完全に無効にする、または二量体化傾向を劇的に少なくすことを
示した。
【0008】 Aldwin et al.(US5,491,074)は「会合ペプチド」としてのSKVILFをいう
場合、そのアミノ末端配列またはそのカルボキシ末端のいずれかのさらなるアミ
ノ酸残基を加え、その結果得られるタンパク質のいくつかが二量体ペプチドを形
成可能であることがわかった。しかしながら、Aldwin et al.は、注目されるあ るペプチドへの1を超える「会合ペプチド」の付加を実証または予測することは
できなかった。
【0009】 従って、種々の適用に用いられる二量体化ペプチドを提供することが本発明の
目的である。
【0010】
【発明の概要】
互いに対して中程度または高い親和性を有するペプチドは、タンパク質のN末
端およびC末端の双方へ延長部として付加された場合、タンパク質を折りたたん
でコンパクトな構造とする助けとするのに使用できる。同種の直鎖状タンパク質
およびジスルフィド環状タンパク質に比べ、この新たなコンパクトな構造は細胞
およびその他のプロテアーゼに対してより安定であり、しかも直鎖状ペプチドよ
りもさらに著しくコンホメーション上拘束されている。このコンパクトな構造は
その配列内に埋め込まれたその他の機能配列を有し、細胞内および細胞外ライブ
ラリーのスクリーニングに関して、また特異的細胞内限局化のための標的化に関
して、直鎖状ペプチドよりも好ましい。これをランダムペプチド配列の種々の残
基の各々の末端上の適当なフランキング残基とともに用いて、構造的に偏りのあ
るペプチドライブラリーを作出することができる。その安定性と拘束によりこの
足場は、プロテアーゼの存在下でも埋め込まれたペプチド配列のいずれもの活性
を延長することができる。
【0011】 本明細書において自己凝集特性を有するペプチドを二量体化ペプチド(DP)
という。本発明の二量体化ペプチドは配列FLIVK(アミノ末端からカルボキ
シ末端まで)を含んでなる。注目されるタンパク質の折りたたみを促す二量体化
配列の例としては、限定されるものではないが、FLIVK、EFLIVKS、
KFVLIKS、VSIKFEL、LIVKS、EFLIVK、KFLIVK、
FESIKVLおよびLKSIVEFが挙げられる。これらの二量体化ペプチド
(DP)をいくつかの組合せで用いて、一般構造「DP−タンパク質」または「
DP−タンパク質−DP」(ここで、「DP」は二量体化ペプチドであり、「タ
ンパク質」は少なくとも2個のアミノ酸残基を含んでなる)のタンパク質を得る
ことができる。さらに一般に、限定されるものではないが、リンカー配列、タグ
配列、標的配列および安定化配列をはじめとするさらに他のアミノ酸配列が含ま
れる。
【0012】 その他の配列としては疎水性アミノ酸が高含量で、1または2価の電荷を持つ
残基側鎖を有するものが挙げられる。一般に、少なくとも3〜4個の疎水性の高
い残基(F、I、L、M、V、WおよびYから採用)を伴って5、6、7および
8個のアミノ酸からなる二量体化ペプチドの各末端の配列がこの様式で機能する
であろう。
【0013】 本発明の組成物は細胞内または細胞外に提示され、結合タンパク質および分子
を同定するのに、また細胞内のシグナル伝達経路を変調するのに有用である。本
発明の1つの態様において、拘束されたタンパク質のライブラリーはその生理活
性能に関してin vivoで評価される。このように本発明は生細胞内の分子または 標的を利用するものであり、この生細胞の表現型に作用する拘束タンパク質の単
離を提供する。本方法はa)拘束タンパク質をコードするライブラリーを複数の
細胞に導入するステップ、およびb)該ライブラリーのメンバーによって細胞に
与えられた表現型の変化に関して複数の細胞をスクリーニングするステップを含
んでなる。本方法はまた、c)変化した表現型を示す細胞を単離するステップ、
およびd)表現型の変化を引き起こすライブラリーのメンバーを単離するステッ
プを含んでもよい。 もう1つ態様では、本発明の組成物は結合タンパク質および拘束されたタンパ
ク質と結合できるその他の小分子をin vitroで同定するのに有用である。本方法
は、a)注目される拘束タンパク質を準備するステップ;b)注目される拘束タ
ンパク質を固相支持体に結合させるステップ;c)個々のメンバーの複数を含ん
でなる分子ライブラリーを準備するステップ;およびd)個々のメンバーを注目
される拘束タンパク質に結合させる条件を提供するステップを含んでなる。本方
法はまたe)結合したライブラリーのメンバーを単離するステップを含んでもよ
い。
【0014】 もう1つの態様では、本発明は複数の拘束タンパク質を含んでなる分子ライブ
ラリーの構築を提供する。この拘束タンパク質のライブラリーは、注目されるタ
ンパク質と結合できる個々のメンバーを同定するためのin vitro結合アッセイで
使用される。本方法はa)注目されるタンパク質を準備するステップ;b)注目
されるタンパク質を固相支持体に結合させるステップ;c)複数の拘束タンパク
質を含んでなる分子ライブラリーを準備するステップ;およびd)拘束タンパク
質を注目されるタンパク質と結合させる条件を提供するステップを含んでなる。
本方法はまたe)結合した拘束タンパク質を単離するステップを含んでもよい。
【0015】 このように本発明の組成物は遺伝子治療のための、また生理学的流体における
治療薬としての可能性ある使用のための足場として有用である。
【0016】 本発明のさらなる態様では、拘束タンパク質を融合パートナーと結合させるか
、または特異的な細胞下コンパートメントに対して標的化する。
【0017】 本発明はまた、プラスミドおよびレトロウイルス成分を含んでなり、拘束タン
パク質をコードする分子ライブラリーおよびこれらの分子ライブラリーを含んで
なる宿主細胞を提供する。
【0018】 [発明の詳細な説明] 環状あるいは拘束ペプチドは、タンパク質分解に対する安定性の増強および結
合のエントロピーコストが小さいことにより同種の結合タンパク質に対する結合
親和性がより高くなる限定されたコンホメーション空間をはじめ、直鎖状類似体
に比べて多くの価値ある特徴を持つ。これらの拘束ペプチドは続いての薬剤とし
て有用であり得る小分子の設計の基礎をなし得る。最も短くしたタンパク質に含
まれる拘束ペプチドもまた、タンパク質間の相互作用をブロッキングする薬剤の
設計の中間ステップとして有用であり[Cunningham and Wells, Curr. Opin. Str
uct. Biol. 7:457-462 (1997)]、これは参照により本明細書に組み入れられ、。
細胞内シグナル伝達経路を調節する新規な方法を与えるものである。ペプチドが
細胞内で発現されると、細胞内シグナル伝達経路を変調し得る[Souroujon and M
ochly-Rosen, Nat. Biotechmol. 16(10):919-24 (1998)]。ペプチドが哺乳類の 生細胞で発現されれば、それらは細胞の表現型の定義された変化に関してスクリ
ーニングされ、生じた生理活性ペプチドはそれらの結合標的の親和性単離の経路
を提供し得る。
【0019】 従って、本発明は二量体化ペプチドを提供する。本明細書において「二量体化
ペプチド」、「DP」もしくは「会合ペプチド」または文法上の同義語は、自己
凝集するか、または別のペプチドと二量体化もしくは会合するペプチドを意味す
る。
【0020】 本明細書において「自己凝集する」、または「二量体化する」もしくは「会合
する」とは、あるペプチドが別のペプチドと親和性を有し、かつ、それ自身この
ペプチドと非共有結合することを意味する。互いに結合できる2分子(例えば2
つのペプチド)間の相互作用は通常、これらの分子が相互作用する強度、すなわ
ちこれらの分子が互いに対して有する「親和性」の点で特徴づけられている。測
定される親和定数の範囲は、例えば、抗体−抗原結合については105リットル mol-1ないし1012リットルmol-1に及ぶ[Harlow and Lane, Anitibodies:
A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1988]。比較と
して、その基質に対するトリプシンの親和性は約1.25x104リットルmo l-1であり、DNAに対するλリプレッサーの親和性は1010リットルmol-1 である(Harlow and Lane, 前記)。本発明はにより提供される二量体化ペプチド は通常、互いに対して約105リットルmol-1ないし約1013リットルmol- 1 、より通常には約106リットルmol-1ないし約1013リットルmol-1の範
囲の親和性を有し、約107リットルmol-1ないし約1013リットルmol-1 であることが好ましく、約108リットルmol-1ないし約1013リットルmo l-1であることがさらに好ましく、約109リットルmol-1ないし約1013リ ットルmol-1であることが最も好ましく、約1010リットルmol-1ないし約
1013リットルmol-1であることが特に好ましい。当業者に公知のように、親
和定数の測定は温度、pHおよび溶媒により影響を受ける。
【0021】 本明細書において「ペプチド」とは、少なくとも2つの共有結合アミノ酸を含
んでなる化合物を意味し、タンパク質、ポリペプチド、オリゴペプチド、および
ポリペプチドが挙げられる。該ペプチドは天然に存在するアミノ酸およびペプチ
ド結合、または合成ペプチド模倣構造からなる。従って本明細書で使用される「
アミノ酸」または「アミノ酸残基」または「ペプチド残基」は、天然に存在する
アミノ酸および合成アミノ酸の双方を意味する。例えば、ホモフェニルアラニン
、シトルリンおよびノルロイシンは本発明の目的のためのアミノ酸とみなされる
。「アミノ酸」はまたプロリンおよびヒドロキシプロリンなどのイミノ酸残基を
含む。その側鎖は(R)配置または(S)配置のいずれであってもよい。好まし
い具体例では、アミノ酸残基は(S)またはL−配置である。天然に存在しない
側鎖を用いるならば、例えばin vivo分解を妨げるまたは遅延させるために非ア ミノ酸置換を使用してもよい。
【0022】 一般に、DPおよび試験ペプチドをはじめとする本発明のペプチドは少なくと
も約3個のアミノ酸長、通常は約3個のアミノ酸長ないし約100個のアミノ酸
長を含んでなり、約3個のアミノ酸長ないし約50個のアミノ酸長が好ましく、
約3個のアミノ酸長ないし約10個のアミノ酸長がさらに好ましく、約4個のア
ミノ酸長ないし約10個のアミノ酸長が最も好ましく、約5個のアミノ酸長ない
し約9個のアミノ酸長が特に好ましく、5、6、7、8、9および10個のアミ
ノ酸からなるペプチドが好ましい。同様に、より大きな試験タンパク質を用いる
場合は、これらは少なくとも約3個のアミノ酸長、通常は約3個のアミノ酸長な
いし約1000個のアミノ酸長を含んでなり、約3個のアミノ酸長ないし約60
0個のアミノ酸長が好ましく、約3個のアミノ酸長ないし約400個のアミノ酸
長がさらに好ましく、約3個のアミノ酸長ないし約200個のアミノ酸長が最も
好ましく、約3個のアミノ酸長ないし約100個のアミノ酸長が特に好ましい。
【0023】 本発明の二量体化ペプチド(DP)は配列NH2−X1−X2−X3−X4−X5
COOHを含んでなり、一般には9個以下のアミノ酸長である(ここで、X1、 X2、X3、およびX4は一般にアミノ酸A、V、I、L、WおよびYからなる群 より選択され、かつ、X5は一般にK、R、DおよびEからなる群より選択され る)。
【0024】 好ましい具体例では、該二量体化ペプチド(DP)は配列NH2−FLIVK −COOHを含んでなる。先に概説したように、その他の配列としては疎水性ア
ミノ酸が高含量であり、かつ、1または2個の電荷を持つアミノ酸残基を有する
ものが挙げられる。一般に、少なくとも3、4個の高い疎水性残基を有する5、
6、7および8個のアミノ酸からなる配列(A、F、I、L、M、V、Wおよび
Yから採用)がこの様式で機能する。
【0025】 好ましい具体例では、該二量体化配列はNH2−XFLIVK−COOH(こ こで、XはD、E、KまたはRのいずれかである)である。
【0026】 もう1つの好ましい具体例では、該二量体化配列はNH2−XFLIVKS− COOHである。
【0027】 好ましい具体例では、該二量体化配列はNH2−XFLIVKS−COOH( ここで、Xはグルタミン酸、アスパラギン酸、リジンまたはアルギニンのいずれ
かである)である。
【0028】 もう1つの具体例では、DPタンパク質は、さらに詳細には以下に概説される
ように、タンパク質の一方の末端と融合した(Lys)4-8または(Arg)4-8 、およびタンパク質のもう一方の末端と融合した(Asp)4-8または(Glu )4-8を含む配列を含んでなる。かかるDPタンパク質は4−8残基のイオン対 により延長されるアレイを形成する末端を伴うコンパクトな構造を形成すると期
待される。
【0029】 特に好ましい具体例としては、限定されるものではないが、配列EFLIVK
S、KFLIVKS、EEFLIVKKS、EEFLIVKKS−酸、VSIK
FEL、SKVILFE、AFLIVKS、EALIVLS、EFAIVKS,
EFLAVKS、EFLIAKS、EFLIVAS、EFLIVKA、EFLK
VKS、SKVILFE、EFLIVES、EKLKVKS、ESLSVKS、
EFLIVES、VSIKFEL、LIVKS、FESIKVLおよびLKSI
VEFが挙げられる。
【0030】 好ましい具体例では、本発明のDPは、本明細書においてしばしばその大きさ
によって「注目されるタンパク質」、「注目されるペプチド」、「試験タンパク
質」、または「試験ペプチド」と呼ばれる、注目されるタンパク質またはペプチ
ドと共有結合している。
【0031】 本明細書において「注目されるタンパク質」、「注目されるペプチド」、「試
験タンパク質」、もしくは「試験ペプチド」、または文法上の同義語は、一般に
機能が調べられる、または試験される特定の特徴を有するタンパク質を意味する
。一般に試験タンパク質はゲノムDNA、cDNAから、またはランダム核酸か
ら得られる核酸によりコードされる。これらの核酸が発現して(下記に詳細に記
載)該試験タンパク質が生じる。より小さな試験タンパク質、通常試験タンパク
質もまたペプチドシンセサイザーで合成することができる。ペプチドシンセサイ
ザーでの合成は、限定されるものではないが、非天然アミノ酸、または模倣ペプ
チド結合をはじめとする合成類似体を組み込ま、試験タンパク質または試験ペプ
チドの効力または安定性を高めることができる。
【0032】 好ましい具体例では、該試験ペプチドはランダム化される。本明細書において
「ランダム」もしくは「ランダム化」または文法上の同義語は核酸およびペプチ
ドの各々がそれぞれ必須ランダムヌクレオチドおよびランダムアミノ酸からなる
ことを意味する。一般にこれらのランダム試験ペプチドは分子ライブラリーから
発現される。好ましい具体例では、該分子ライブラリーは少なくとの2つの異な
るランダムな核酸配列を含んでなるが、複数の異なるランダム核酸配列が好まし
い。これらの核酸配列は化学的に合成されるが、いずれの位置にいずれのヌクレ
オチド組み込んでもよい。合成のプロセスは、ランダム核酸を生じ、その配列の
長さにわたって可能性のある組合せのすべてまたは大部分を形成させるよう設計
することができ、従って候補となるランダムなタンパク質性分子(例えばランダ
ムなDPタンパク質候補)をコードするランダム核酸のライブラリーが形成され
る。該ランダム核酸配列はこのように断片ライブラリーをなし、各々は異なるタ
ンパク質をコードし、それは本明細書で概説されるように好適なベクターに連結
され、細胞へ形質転換される。
【0033】 ある具体例では、該ライブラリーは十分にランダム化されており、いずれの位
置でも配列の優先や一定性はない。
【0034】 もう1つの好ましい具体例では、該ライブラリーには偏りがある。すなわち、
その配列のいくつかの位置は一定に維持されているか、またはある限られた数の
可能性から選択される。例えば、好ましい具体例では、ヌクレオチドトリプレッ
ト(NNN)はランダム化され、架橋のためのシステイン、SH−3ドメインの
ためのプロリン、リン酸化部位のためのセリン、トレオニン、チロシンもしくは
ヒスチジンなど、またはプリンなどの生成に向け、定義されたクラス内のアミノ
酸残基、例えば疎水性アミノ酸、親水性アミノ酸、立体位的に偏りのある(小さ
いまたは大きい)残基をコードする。
【0035】 本明細書において「ランダムペプチドライブラリー」または「ランダムタンパ
ク質ライブラリー」とは、ランダムペプチド(またはランダムタンパク質)をコ
ードする組換えベクター、これら組換えベクターによってコードされるランダム
ペプチド(またはランダムタンパク質)、ランダムペプチド(またはランダムタ
ンパク質)を含んでなる融合タンパク質をコードする組換えベクター、およびラ
ンダムペプチド(またはランダムタンパク質)を含んでなり、これら組換えベク
ターによってコードされる融合タンパク質を含んでなる。
【0036】 好ましい具体例では、候補となるDP−タンパク質の配列を用いて、始めに単
離された候補DP−タンパク質の誘導体を作出する。例えば、候補となるDP−
タンパク質の配列は2回めの(偏りのある)ランダム化に基づくものであって、
活性が増強または変化した誘導体DP−タンパク質を作出してもよい。あるいは
、この2回目のランダム化は生理活性薬剤の親和性を変化させ得る。また、同定
されたDP−タンパク質のタンパク質成分は、もとの候補DP−タンパク質を単
離するのに使用するよりも、種々の二量体化配列と機能し得る形で連結すること
が望ましいであろう。この結果、多少とも拘束され、ゆえに活性が変化している
可能性がある融合タンパク質が生じることとなる。また、リガンド領域の一方の
末端を一定に維持したまま、他方の末端をランダム化してペプチド周囲の結合を
シフトさせることによる結合ポケットの突然変異誘発と同様にして、可能性のあ
る結合部位の周囲「ウォーク(walk)」するのが望ましい。
【0037】 好ましい具体例では、該試験タンパク質は野生型または天然に存在する配列を
含んでなる。あるいは、それはその誘導体タンパク質であってもよく、すなわち
それは始めに単離されたDP−タンパク質には見られないアミノ酸置換、挿入も
しくは欠失、またはその組合せを含んでもよい。これらの改変は通常、注目され
るタンパク質をコードする核酸のin vitro突然変異誘発により行われる。in vit
ro突然変異誘発法は当業者に十分公知であり、例えばSambrook et al., Molecul
ar Cloning: A Laboratory Manual (New York: Cold Spring Harbor Laboratory
Press, 1988)およびAusubel et al., Short Protocols in Molecular Biology
(John Wiley & Sons, Inc., 1995)に見出せる。
【0038】 本明細書において本発明のDPは試験ペプチドに共有結合されている。「共有
結合(covalently attached or covalently joined)」または文法上の同義語は、
シグマ結合、Pi結合、および配位結合をはじめとする少なくとも1個の結合で
2つの成分が結びついていることを意味する。以下に十分概説されるように、本
発明のDPは融合パートナーおよび/または試験ペプチドと共有結合している。
融合パートナーおよび試験ペプチドとの共有結合はシステイン(ジスルフィド)
結合、ペプチド結合、種々の二機能性薬剤(マレイミド安息香酸、メチルジチオ
酢酸、メルカプト安息香酸、S−ピリジルジチオポロピオネートなどのような架
橋剤)、または非ペプチド結合による結合を用いることにより達成される。非ペ
プチド結合の例としては、限定されるものではないが、逆転結合(retroinverso
bounds)、N−メチルアミン結合、ジペプチド結合(depspeptide bounds)、ヒド ロキシアミノペプチドイソテレス(isoteres)、チアミド結合、ペプトイド(pepto
ids)[Simon et al., Proc. natl. Acad. Sci. USA 89:9367-71 (1992)]、二重結
合、還元ペプチド結合、エチレン結合、ケトペプチド類似体、メチレンスルホキ
シド、およびメチレンスルフィド[Rizo and Gierasch, Annu. Rev. Biochem. 61
:387-418 (1992)]を用いることにより達成される。
【0039】 一般に以下に詳細に示されるように、該DPは、例えば該DPおよび注目され
る各々のペプチドまたはタンパク質をコードする核酸を発現させることにより、
ペプチド結合を用いてペプチドまたはタンパク質に連結させる。
【0040】 好ましい具体例では、本発明のDPは、当業者には理解されるであろうが、多
様な方法で試験ペプチドと連結して融合タンパク質を形成する。以下にさらに十
分詳細に記載されるように、それらは1以上の内部の位置に、あるいは好ましく
はN末端およびC末端の一方または双方と連結することができる。DPと融合パ
ートナーを結合させると、本明細書でDP−タンパク質と呼ばれる構造が得られ
る。
【0041】 本明細書において「DP−タンパク質」は少なくとも1つのペプチドと共有結
合した少なくとも1つの二量体化ペプチドを含んでなる化合物を意味する。DP
−タンパク質には以下に定義されるように候補DP−タンパク質が含まれる。当
業者には理解されるであろうが、1つのDPを用いる場合、本発明の組成物およ
び方法は2つの試験ペプチドの会合において使用が見出せる。すなわち第1のD
P(DP1)を第1の試験タンパク質(タンパク質1)に連結し、第2のDP(D
2)を第2の試験タンパク質(タンパク質2)に連結しさせる。2つのDPを用
いる場合は、該組成物は拘束された試験ペプチドの作出において使用が見出せる
【0042】 好ましい具体例では、少なくとも1つのDPを試験タンパク質のN末端に連結
するが、2つのDPの結合が好ましい。この具体例では、2以上のDPを試験タ
ンパク質に連結するが、このDPは配列において一致していてもよいし、あるい
は異なる配列であってもよい。該DPは以下にさらに概説されるようにリンカー
配列によって分断されていてもよいし、されていなくともよい。ある具体例では
、同一のDPまたは互いに親和性を有する2つの異なるDPを2つの異なる試験
タンパク質、タンパク質1およびタンパク質2のN末端に連結し、例えばDP−タ
ンパク質1およびDP−タンパク質2を形成するが、この互いに会合した2つのD
P、およびタンパク質1とタンパク質2は近接されることとなる。同一のDP配列
が存在することにより、タンパク質1:タンパク質2ヘテロ二量体の他、タンパク
1:タンパク質1ホモ二量体およびタンパク質2:タンパク質2ホモ二量体が作出
できる。
【0043】 好ましい具体例では、少なくとも1つのDPを試験タンパク質のC末端に連結
するが、2つのDPの結合が好ましい。前記と同様、このDPは配列において一
致していてもよいし、あるいは異なる配列であってもよい。該DPは以下にさら
に概説されるようにリンカー配列によって分断されていてもよいし、されていな
くともよい。ある具体例では、同一のDPまたは互いに親和性を有する2つの異
なるDPを2つの異なる試験タンパク質、タンパク質1およびタンパク質2のC末
端に連結し、例えばタンパク質1−DPおよびタンパク質2−DPを形成するが、
この互いに会合した2つのDP、およびタンパク質1とタンパク質2は近接される
こととなる。同一のDP配列が存在することにより、タンパク質1:タンパク質2 ヘテロ二量体の他、タンパク質1:タンパク質1ホモ二量体およびタンパク質2: タンパク質2ホモ二量体が形成される。
【0044】 好ましい具体例では、少なくとも1つのDPを試験タンパク質の内部の位置に
連結するが、2つのDPの結合が好ましい。前記と同様、このDPは配列におい
て一致していてもよいし、あるいは異なる配列であってもよい。該DPは以下に
さらに概説されるようにリンカー配列によって分断されていてよいし、されてい
なくともよい。2以上のDPを内部の位置に連結する場合はDPを並列してもよ
く、すなわち同じ内部の位置に挿入されれば、例えばNタンパク質I−DP1−D P2Iタンパク質Cが形成され、あるいはDPは分断して異なる内部の位置に連 結してもよく、その場合には例えばNタンパク質I−DP1Iタンパク質I−DP2Iタンパク質Cが形成される。なおここで、「N」は試験タンパク質のアミノ末
端部分であり、「C」は試験タンパク質のカルボキシ末端部分であり、「I」は
二量体化ペプチドDP1およびDP2によってフランクされた該タンパク質の内部
部分である。ある具体例では、DP1およびDP2は同一の配列であるか、または
互いに親和性を有し、それらは会合し、かつ、DP1およびDP2に囲まれた試験
タンパク質の一部(すなわち、Iタンパク質I)はループ構造をなす。
【0045】 好ましい具体例では、DPと試験タンパク質との結合は直接的であり、すなわ
ちDP配列と試験タンパク質配列との直接的な様式が存在する。
【0046】 好ましい具体例では、DPと試験タンパク質との結合は間接的であり、すなわ
ちリンカーまたはスペーサーが用いられる。本明細書において「リンカー」もし
くは「スペーサー」もしくは「テザー(tethering)配列」または文法上の同義語 は、2つの分子を結合する分子または分子群を含んでなることを意味する。リン
カーを含むことはとしばしば2つの分子を好ましい配置にするのに役立ち、例え
ば2つの分子はより拘束された配置になるか(かかる場合にはプロリンを含むリ
ンカーが用いられる)、または2つの分子はより柔軟な配置になる(すなわち、
最小の立体障害;かかる場合にはセリンを含むリンカーが用いられる)。
【0047】 好ましい具体例では、リンカー配列はいずれの位置にも含まれ、すなわちDP
と注目されるタンパク質との間、関連のない2つのDP間、または2つの融合パ
ートナーの間に含まれる。本明細書に概説されるように、該リンカー配列はタン
パク質性であっても、非タンパク質性であってもよい。化合物の個々の成分間の
リンカー配列は、例えば注目されるタンパク質が妨害されていない可能性ある標
的と相互作用を可能とすること、注目されるタンパク質を拘束すること、または
注目されるタンパク質に付与された新たな特性(例えば、細胞下の局在化)を機
能させることが望ましいと考えられる。注目されるタンパク質を拘束するには、
プロリンを含むリンカーが特に好ましい。当技術分野で公知のように、プロリン
はポリペプチド鎖に独自のコンホメーション上の拘束を付与する。有用なプロリ
ンリンカーとしては、プロリン−グリシン重合体(限定されるものではないが、
(PG)n、(PPGG)n、(PP)nおよびその組合せ(ここで、nは少なく とも1の整数である)を含む)が挙げられる。ポリペプチドのいくらか柔軟にす
る好ましいリンカーとしては、グリシン−セリン重合体(限定されるものではな
いが、(GS)n、(GSGGS)nおよび(GGGS)n、ならびにその組合
せ(ここで、nは少なくとも1の整数である)を含む)、グリシン−アラニン重
合体、アラニン−セリン重合体、ならびにシェーカー型カリウムチャンネルのテ
ザーなどのその他の可変リンカー、および当業者に理解されるような多様なその
他の可変リンカーが挙げられる。グリシン−セリン重合体が特に好ましい。
【0048】 好ましい具体例では、該DP−タンパク質は2つのDPを含んでなる。この具
体例では、2つのDPを用いて試験タンパク質をコンホメーション上拘束する。
DPは注目されるタンパク質のN末端およびC末端で共有結合される場合に(3
ないし50個またはそれ以上のアミノ酸残基にわたる)、注目されるタンパク質
を折りたたんでコンパクトな構造(本明細書では拘束構造とも呼ばれる)とする
助けとなり、このコンパクトな構造は直鎖上タンパク質配列単独よりもタンパク
質分解耐性が高い。この具体例において、また分子の相互作用に関してスクリー
ニングする際に特に好ましいのはランダム試験タンパク質である。
【0049】 好ましい具体例では、第1のDP(DP1)を試験タンパク質のN末端に融合 させ、第2のDP(DP2)を試験タンパク質のC末端に融合させ、例えばDP1Nタンパク質C−DP2を形成するする。この具体例では、第1および第2のD Pは同一であっても、異なっていてもよい。自己凝集可能な2つのDPを用いる
場合、その2つのDPが会合して2つのDPに囲まれた試験タンパク質を拘束さ
れた構造となる。2つの異なるDP(DP1およびDP2)を試験タンパク質のN
末端およびC末端に連結する場合、その2つの異なるDPもやはり会合して試験
タンパク質を拘束された構造にすることができる(ただし、DP1およびDP2
互いに親和性を有する)。会合可能な異なるDPとしては、例えばKFLIVK
SとEFLIVESがある。
【0050】 DP−タンパク質の特に好ましい例としては、限定されるものではないが、(
i)EFLIVKS−タンパク質−EFLIVKS;(ii)KVLIKS−タン
パク質−EFLIVES;(iii)VSIKFEL−タンパク質−VSIKFE L;(iv)LIVKS−タンパク質−LIVKS;(v)EFLIVKS−タン
パク質−EFLIVK;(vi)FESIKVL−タンパク質−FESIKVL;
および(vii)LKSIVEF−タンパク質−LKSIVEFが挙げられる。
【0051】 さらに具体的には、本発明により提供されるDP1−タンパク質−DP2様の化
合物は、(i)EFLIKS−VGTIVTMEYRIDRTRSFV−EFL IFKS (ここで、このタンパク質配列はオオムギc2−キモトリプシン阻害剤
[VGTIVTMEYRIDRTRSFV; Leatherbarrow and Salacinski, Bio
chemistry 30:10717-21 (1991)]由来のものであり、DP1およびDP2は同一で ある);(ii)EFLIKS−VGTIVTMEYRIDRTRSFV−SKV ILFE (ここで、DP2の配列はDP1の逆配列である);(iii)SKVIL FE −VGTIVTMEYRIDRTRSFV−EFLIVKS(ここで、DP 1 の配列はDP2の逆配列である);(iv)SKVILFE−VGTIVTMEY
RIDRTRSFV−SKVILFE(ここで、DP1およびDP2は同一である
が、(i)で示されるDP1およびDP2の逆である);(v)KFLIVKS
VGTIVTMEYRIDRTRSFV−KFLIVKS(ここで、DP1およ びDP2は同一である);(vi)KFLIVKS−VGTIVTMEYRIDR TRSFV−EFLIVES(ここで、DP1およびDP2は同一である);(vi
i)EFLIVES−VGTIVTMEYRIDRTRSFV−EFLIVES (ここで、DP1およびDP2は同一である);(iix)EKLKVKS−VGT IVTMEYRIDRTRSFV−EKLKVKS(ここで、DP1およびDP2 は同一である);(ix)ESLSVKS−VGTIVTMEYRIDRTRSF
V−ESLSVKS(ここで、DP1およびDP2は同一である);(x)EFL KVKS −VGTIVTMEYRIDRTRSFV−EFLKVKS(ここで、
DP1およびDP2は同一である);(xi)EEFLIVKKS−VGTIVTM
EYRIDRTRSFV−EEFLIVKKS(ここで、DP1およびDP2は同
一である);(xii)MGEFLIVKS−VGTIVTMEYRIDRTRS FV−EFLIVKSGPP(ここで、DP1およびDP2は同一であり、高い安
定性を付与するためにDP1はアミノ酸MGを含んでなり、DP2はアミノ酸GP
Pを含んでなる);(xiii)KKKKKKGGGGEFLIVKS−VGTIV
TMEYRIDRTRSFV−EFLIVKS(ここで、DP1およびDP2は同
一であり、高い安定性を付与するためにDP1はアミノ酸KKKKKKGGGG を含んでなる);(xiv)KKKGSGSEFLIVKS−VGTIVTMEY RIDRTRSFV−EFLIVKS(ここで、DP1およびDP2は同一であり
、高い安定性を付与するためにDP1はアミノ酸KKKGSGSを含んでなる) ;(xv)EFLIVKS−STKSIPPQS−EFLIVKS(ここで、9マ
ーの挿入はプロテアーゼ阻害剤の類似体を表す[Gariani and Leatherbarrowm J.
Peptide Res. 49:467-75 (1997)];(xvi)MGEFLIVKS−GGGGDY
KDDDDKGGGG−EFLIVKSGPP(ここで、DP1およびDP2は同
一であり、高い安定性を付与するためにDP1はアミノ酸MGを含んでなり、D P2はアミノ酸GPPを含んでなり、かつこのタンパク質はグリシンスペーサー とともにフラッグエピトープ(DYKDDDDK)を含んでなる);(xvii)M
EFLIVKS−GGGGYPYDVPDYASLGGGG−EFLIVKS GPP(ここで、DP1およびDP2は同一であり、高い安定性を付与するために
DP1はアミノ酸MGを含んでなり、DP2はアミノ酸GPPを含んでなり、かつ
このタンパク質はグリシンスペーサーとともにインフルエンザヘマグルチニンエ
ピトープタグ(YPYDVPDYASL)を含んでなる)を含む。該二量体化配
列は前記のすべての例で下線が施されている。
【0052】 好ましい具体例では、第1のDP(DP1)を試験タンパク質のN末端に連結 し、第2のDP(DP2)を試験タンパク質の内部の位置に連結する。DP1N タンパク質I−DP2Iタンパク質Cなどの構造が生じる。ある具体例では、DP 1 およびDP2は同一の配列であるか、または互いに親和性を有し、それらは会合
して、DP1とDP2に囲まれた試験タンパク質の一部(すなわち、Nタンパク質I )はループを形成する。
【0053】 好ましい具体例では、第1のDP(DP1)を試験タンパク質のC末端に連結 し、第2のDP(DP2)を試験タンパク質の内部の位置に連結する。Nタンパク
I−DP2Iタンパク質C−DP1などの構造が生じる。ある具体例では、DP 1 およびDP2は同一の配列であるか、または互いに親和性を有し、それらは会合
して、DP1とDP2に囲まれた試験タンパク質の一部(すなわち、Iタンパク質C )はループを形成する。
【0054】 好ましい具体例では、第1のDP(DP1)と第2のDP(DP2)は双方とも
試験タンパク質の内部の位置に連結するが、試験タンパク質の2つの異なる内部
の位置が好ましくNタンパク質I−DP1Iタンパク質I−DP2Iタンパク質C
どの構造が生じる。ある具体例では、DP1およびDP2は同一の配列であるか、
または互いに親和性を有し、それらは会合して、DP1とDP2に囲まれた試験タ
ンパク質の一部(すなわち、Iタンパク質I)はループを形成する。
【0055】 好ましい具体例では、異なる二量体化ポリペプチドを互いに共有結合するであ
ろう1を超えるタンパク質と融合させる。この具体例では、個々の二量体化ペプ
チドはDPとタンパク質との間に、および/または個々のDP間に挿入されたリ
ンカーによって分断されてもよい。例えば、DPhyd−LP−タンパク質1−LP
DPhyd−LG−DPLys−LP−タンパク質2−LP−DPGlu(図2Aを参照)( ここで、DPhydは主として疎水性のアミノ酸残基を含んでなるDPであり、D PLysは主としてリジン残基を含んでなるDPであり、DPGluは主としてグルタ
ミン酸残基を含んでなるDPであり、LPはプロリン残基を含んでなるリンカー であり、LGはグリシン残基を含んでなるリンカーであり、タンパク質1およびタ
ンパク質2は異なるタンパク質配列を含んでなるタンパク質である)が作出でき る。先に示した二価のDP融合タンパク質は単一の融合タンパク質内で互いに共
有結合した2つの拘束構造を与え、「ダブルループ」構造を形成する。かかる構
造の中で、第1のループ(タンパク質1を含んでなる)は第1のDPhydと第2の
DPhydとの二量体化によって形成され、第2のループ(タンパク質2を含んでな
る)はDPLysとDPGluとの二量体化によって形成される。先に概説されたよう
に、該2つのループ構造はグリシンまたはセリン/グリシンリンカーなどの可変
リンカーによって分断されてもよい。
【0056】 好ましい具体例では、異なる二量体化ペプチドを、次いで互いに非共有結合す
る1を超えるタンパク質と融合する。この具体例では、個々の二量体化ペプチド
はまたDPとタンパク質との間に、および/または個々のDP間に挿入されるリ
ンカーによって分断されてもよい。例えば、以下のDP融合タンパク質が作出で
きる:(i)DPhyd−LP−タンパク質1−LP−DPhyd−LG−DPLysおよび (ii)DPhyd−LP−タンパク質2−LP−DPhyd−LG−DPGlu(図2Bを参 照)(ここで、DPhydは主として疎水性のアミノ酸残基を含んでなるDPであ り、DPLysは主としてリジン残基を含んでなるDPであり、DPGluは主として
グルタミン酸残基を含んでなるDPであり、LPはプロリン残基を含んでなるリ ンカーであり、LGはグリシン残基を含んでなるリンカーであり、タンパク質1
よびタンパク質2は異なるタンパク質配列を含んでなるタンパク質である)。先 の例示では、個々の2つのタンパク質(タンパク質1およびタンパク質2)はそれ
ぞれのDPの会合により折りたたまれてコンパクトな構造となる。2種のDP融
合タンパク質を混合する際、それらはDPLysとDPGluとの特異的会合により非
共有結合二量体を形成し、その結果2つの異なるコンパクトタンパク質(タンパ
ク質1およびタンパク質2)を含んでなる二量体構造が得られる。もうい1つの具
体例では、2つのDPhyd間に挿入されるタンパク質配列は同一であって、す
なわち、(i)DPhyd−LP−タンパク質1−LP−DPhyd−LG−DPLysおよび
(ii)DPhyd−LP−タンパク質2−LP−DPhyd−LG−DPGluであり、結果 として同じタンパク質の並列された2つのコンパクトな構造を含んでなる非共有
結合性のダブルループが得られる。本明細書で示されるもの以外に複数のDP融
合タンパク質が作出できることは当業者には明らかであろう。
【0057】 好ましい具体例では、異なる二量体化ペプチドを、互いに非共有結合する1を
超えるタンパク質と融合する。この具体例では、2以上の非拘束タンパク質を非
共有結合させて拘束された構造を形成させるのに該DPを用いる、DP−タンパ
ク質が生じる(図2C参照)。この具体例では、個々の二量体化ペプチドは、D
Pとタンパク質との間に挿入されたリンカーで便宜に分断され得る。例えば、以
下のDP融合タンパク質が作出できる:DPhyd−LP−タンパク質1−LP−DP Lys −LG−DPLysおよび(ii)DPhyd−LP−タンパク質2−LP−DPGlu(こ
こで、DPhydは主として疎水性アミノ酸を含んでなるDPであり、、DPLys
主としてリジン残基を含んでなるDPであり、DPGluは主としてグルタミン酸 残基を含んでなるDPであり、LPはプロリン残基を含んでなるリンカーであり 、LGはグリシン残基を含んでなるリンカーであり、タンパク質1およびタンパク
2は異なるタンパク質配列を含んでなるタンパク質である)。前記の例におい ては、個々の2つのタンパク質(タンパク質1およびタンパク質2)は各々、それ
ぞれのDPの会合により、折りたたまれてコンパクトな構造となる。2つの融合
タンパク質を混合すると、それらはDPLysとDPGluとの特異的会合により非共
有結合性の二量体を形成し、結果として2つの異なるコンパクトタンパク質(タ
ンパク質1およびタンパク質2)を含んでなる二量体構造が生じる。もう1つの具
体例では、2つのDPhyd間に挿入されたタンパク質配列は同一であって、す
なわち、(i)DPhyd−LP−タンパク質1−LP−DPhyd−LG−DPLysおよび
(ii)DPhyd−LP−タンパク質1−LP−DPhyd−LG−DPGluであり、結果 として同じタンパク質の2つの並列したコンパクト構造を含んでなる非共有結合
性のダブルループ構造が得られる。本明細書で示されるもの以外に複数のDP融
合タンパク質が作出できることは当業者には明らかであろう。
【0058】 その他の二量体化タンパク質配列も当技術分野で知られており、酵母ツー・ハ
イブリッド系などの公知のスクリーニング系を用いて単離し得る。
【0059】 ある具体例では、例えば前記のDPhyd−LP−タンパク質1−LP−DPhyd− LG−DPLys−LP−タンパク質2−LP−DPGlu内の2つのタンパク質配列(タ
ンパク質1およびタンパク質2)は各々、特異的な生理活性を有し、これは先に概
説されたように構造体に結びついている場合、各々単独よりも高い生理活性を有
する二価のDP融合タンパク質が得られることになる。例えば、両コンパクト構
造を、同じ標的タンパク質に結合してもよいが、親和性は低い。先に概説された
ように、両コンパクト構造を単一の二価DP融合タンパク質に結合させると、標
的タンパク質に対する親和性が遥かに高くなり、従って、単一のDP融合タンパ
ク質は各々単独のDPタンパク質よりもより有効なアゴニストまたはアンタゴニ
ストとなり得る。
【0060】 もう1つの好ましい具体例では、二価結合特異性を有するDPhyd−LP−タン
パク質1−LP−DPhyd−LG−DPLys−LP−タンパク質2−LP−DPGluなど 、先に概説されたようなDP融合タンパク質構造もまた、それらが親和性を有す
る2つのタンパク質の会合に有用である。この具体例では、タンパク質1を含ん でなるコンパクト構造はタンパク質Xに対して親和性を有し、タンパク質2を含 んでなるコンパクト構造はタンパク質Yに対して親和性を有する。このDP融合
タンパク質を、タンパク質Xおよびタンパク質Yの両者を発現する細胞へ導入す
ると、二価のDP融合タンパク質がタンパク質Xおよびタンパク質Y双方に結合
することになり、それによりこれらは近接される。
【0061】 同様に、二価の結合特異性を有するDPhyd−LP−タンパク質1−LP−DPhy d −LG−DPLys−LP−タンパク質2−LP−DPGluなど、先に概説されたよう なDP融合タンパク質構造はまた、2つの細胞を会合させるのにも有用である。
該細胞は同一であっても、異なっていてもよい。この具体例では、タンパク質1 を含んでなるコンパクト構造は、第1の細胞上で提示される細胞表面成分Xに対
して親和性を有する。タンパク質2を含んでなるコンパクト構造は、第2の細胞 上で提示される細胞表面成分Yに対して親和性を有する。第1および第2の細胞
を同時培養し、この二価の融合タンパク質が供給されると、DP融合タンパク質
が細胞表面成分Xと細胞表面成分Yの双方と結合して、第1の細胞と第2にの細
胞が近接されることとなる。
【0062】 遺伝子治療において最も積極的な態様の中に、注目される遺伝子の特異的標的
細胞への送達があり、これは遺伝子欠損を修復しようとするものである。いくつ
かの遺伝子送達系が当業者に公知であり、限定されるものではないが、裸のDN
A、リポソーム包埋DNA、およびレトロウイルス、アデノウイルス、ヘルペス
ウイルス、HIVなどを含むウイルス系が挙げられる。しかしながら、いずれの
系を利用しようとも、細胞種特異的な送達が依然、遺伝子治療の最も重要な態様
である。好ましい具体例では、二価の結合特異性を有するDPhyd−LP−タンパ
ク質1−LP−DPhyd−LG−DPLys−LP−タンパク質2−LP−DPGluなど、 先に概説されたようなDP融合タンパク質構造はまた、ウイルス粒子(例えば、
注目される遺伝子を送達するウイルス)と所望の標的細胞とを会合させる手段と
しても有用である。この具体例では、タンパク質1を含んでなるコンパクト構造 は、該ウイルス上で提示される細胞表面成分Xに対して親和性を有し、タンパク
2を含んでなるコンパクト構造は、標的細胞上で提示される細胞表面成分Yに 対して親和性を有する。該ウイルスと標的細胞を同時培養し、二価のDP融合タ
ンパク質が供給されると、その二価のDP融合タンパク質と、ウイルス表面成分
Xおよび標的細胞表面成分Yの双方とが結合し、ウイルスとその標的細胞とを接
近させることとなる。従って、ウイルス粒子を所望の標的細胞と合体させ、遺伝
子送達を確実にする膜と融合させ得る。二価のDP融合タンパク質を添加しない
場合にウイルスがその標的細胞と合体しないように、好適な制御が行われる。
【0063】 もう1つの具体例では、2つのDPhyd間に、およびDPLysとDPGluの間に 挿入されるタンパク質配列は同一であり、同じタンパク質の2つの並列したコン
パクト構造を含んでなるダブルループ構造が得られる。この具体例により同じタ
ンパク質の二量体化が可能となり、このタンパク質は細胞タンパク質または細胞
外タンパク質成分であってもよい。本明細書で示されたもの以外の複数のDP融
合タンパク質が作出できることは当業者には明らかであろう。
【0064】 本発明のDPまたはDP−タンパク質はまた、以下に十分概説されるように、
改変してDPまたはDP−タンパク質と、通常融合パートナーと呼ばれる別の異
種タンパク質またはアミノ酸配列とを含んでなる融合タンパク質を形成してもよ
い。
【0065】 「融合タンパク質」または「キメラタンパク質」とは、それらの天然状態では
結合していないのが典型であるが、典型的にはペプチド結合を介してそれらのそ
れぞれのアミノ末端およびカルボキシル末端によって結合して連続する単一のタ
ンパク質を形成するす、少なくとも2つのタンパク質からなるタンパク質をさす
。このタンパク質成分は直接結合することもできるし、またはペプチドリンカー
/スペーサーを介して結合することもできる。
【0066】 本明細書において「融合パートナー」とは、DPまたはDP−タンパク質と会
合してDPまたはDP−タンパク質に付加的機能または能力を付与する配列を意
味する。好適な融合パートナーとしては、限定されるものではないが、a)以下
に定義されるように、DPもしくはDP−タンパク質またはそれらをコードする
核酸のいずれかの精製または単離を可能にするタグ配列(レスキュー配列とも呼
ばれる);b)以下に定義される、DPまたはDP−タンパク質の細胞下または
細胞外コンパートメントへの局在化を可能にする標的配列;c)分解に対する安
定性または分解からの保護をDPまたはDP−タンパク質に付与する(例えばタ
ンパク質分解耐性)安定性配列;またはd)a)、b)およびc)ならびに要す
ればリンカー配列のいずれかの組合せが挙げられる。融合タンパク質は好ましく
はin vitro突然変異誘発および遺伝子スクリーニングにより作出され、それによ
りそれぞれの融合タンパク質をコードする核酸がしかるべく改変されることは、
当業者に十分公知である。好適な方法は、例えばSambrook et al., Molecular C
loning: A laboratory Manual (New York: Cold Spring Harbor Laboratory Pre
ss, 1989)およびAusbel et al., Short Protocols in Molecular Biology (John
Wiley & Sons, Inc., 1995)に見出すことができる。
【0067】 好ましい具体例では、該融合パートナーは、抗タグ抗体が選択的に結合できる
エピトープ、または精製配列を含んでなるエピトープを提供するタグペプチドを
含んでなる。該エピトープタグは一般に、必ずしも必要ではないが、DPもしく
はDP−タンパク質のアミノまたはカルボキシル末端に置かれる。かかるエピト
ープタグ形態のDPまたはDP−タンパク質の存在は、タグポリペプチドに対す
る抗体を用いて検出できる。また、このようなタグの使用により、該タンパク質
は、抗タグ抗体を用いるアフィニティー精製またはエピトープタグに結合する別
のタイプのアフィニティーマトリックスにより容易に精製可能となる。もう1つ
の具体例では、このキメラ分子はDPまたはDP−タンパク質と免疫グロブリン
または免疫グロブリンの特定の領域との融合を含んでなる。該キメラ分子の二価
型については、かかる融合はIgG分子のFc領域またはGST(グルタチオン
Sトランスフェラーゼ)に対するものであり得る。
【0068】 種々のタグポリペプチドおよびそれら各々の抗体は当技術分野で十分公知であ
る。例としては、ポリ−ヒスチジン(poly−his)またはポリ−ヒスチジ
ン−グリシン(poly−his−gly)タグ;flu HAタグポリペプチ
ドおよびその抗体12CA5[Field et al., Mol. Cell. Biol., 8:2159-2165 (
1988)];c−mycタグおよびそれに対する8F9、3C7、6E10、G4、
B7および9E10抗体[Evan et al., Mol. Cell. Biol., 5:3610-3616 (1985)
];ならびに単純ヘルペスウイルス糖タンパク質D(gD)タグおよびその抗体[
paborsky et al., Protein Eng., 3(6):547-553 (1990)]が挙げられる。その他 のタグポリペプチドとしては、フラッグ−ペプチド[Hopp et al., Mol. Immunol
., 33:601-8 (1996); Brizzard et al., Biotechniques 16(4):730-735 (1994);
Knappik and Pluckthun, Biotechniques 17(4):754-61 (1994)]、KT3エピト
ープペプチド[Martin et al., Science, 255:192-194 (1992)]、タブリンエピト
ープペプチド[Skinner et al., J. Biol. Chem., 266:14163-14166 (1991)]、お
よびT7遺伝子10タンパク質ペプチドタグ[Lutz-Freyermuth et al., Proc. N
atl. Acad. Sci. USA, 87:6393-6397 (1990)]が挙げられる。あるいは、例えば 、poly−hisタグを包含する融合タンパク質は金属(Ni)アフィニティ
ー樹脂上で効果的に精製される。
【0069】 好ましい具体例では、タグ配列(レスキュー配列とも呼ばれる)を用いてDP
−タンパク質をコードする核酸を単離する(以下もまた参照)。この具体例では
、該レスキュー配列は、PCRを通じての核酸構築体の迅速かつ容易な単離(以
下を参照)、ハイブリダイゼーションまたは関連の技術を可能とするため、プロ
ーブ標的部位として働く独特のオリゴヌクレオチド配列であってもよい。
【0070】 好ましい具体例では、該融合パートナーは標的化配列である。当業者には理解
されるであろうが、有効濃度を高め、機能を同定するには、タンパク質を細胞内
に局在化することが単純な方法である。これらの機構はリガンドの検索空間の制
限という原理によるものであると考えられ、すなわちタンパク質の原形質膜への
局在化は、細胞質の三次元空間に対して膜付近の限定された方向の空間にそのリ
ガンドの検索を限定するものである。あるいは、タンパク質濃度はまた局在化の
特徴により簡便に上昇させることができ、例えば、そのタンパク質を核へ往復さ
せることは、それらをより小さな空間に限定し、それにより濃度が上昇する。
【0071】 このように、好適な標的化配列としては、限定されるものではないが、(i)
発現産物の生理活性を保持しつつ、それぞれのタンパク質を所定の分子または分
子クラスへ結合させることができる配列(例えば、酵素阻害剤または標的である
適した酵素クラスに対する基質配列を用いることによる);(ii)それ自身のま
たは同時に結合しているタンパク質の選択的分解をシグナル伝達する配列;およ
び(iii)候補となる発現産物を、(a)ゴルジ体、小胞体、核、仁、核膜、ミ トコンドリア、葉緑体、分泌小胞、リソソーム、および細胞膜などの細胞下の位
置;および(b)分泌シグナルを介して細胞外の位置を含む所定の細胞の位置に
構成的に局在化させることができるシグナルが挙げられる[von Heijne, EXS 73:
67-76 (1995); von Heijne, Subcell. Biochem. 22:1-19 (1994)およびvon Heij
ne, Curr. Opin. Cell. Biol. 2(4):604-8 (1990)]。特に好ましいのは、細胞下
の位置かまたは分泌を介し細胞の外側のいずれかへの局在化である。
【0072】 好ましい具体例では、該融合パートナーは核局在化シグナル(NLS)である
。NLSは一般に、それらが細胞核に現れる全タンパク質を指示するのに働く短
い、陽電荷を帯びた(塩基性)ドメインである。多くのNLSアミノ酸配列が報
告されており、(i)SV40(サルウイルス)ラージT抗原[Pro Lys Lys Lys
Arg Lys Val; Kalderon et al., Cell 39:499-509 (1984)];ヒトレチノイン酸
受容体−β核局在化シグナル(ARRRRP; Hany et al., Bioconjug. Chem. 2(5):37
5-8 (1991); NFKB p50[EEVQRKRQKL; Ghosh et al., Cell 62:1019-1092
(1990)];NFKB p65[EEKRKRTYE; Nolan et al., Cell 64:961-969 (1991)
];およびその他[例えば、Boulikas, J. Cell. Biochem. 55(1):32-58 (1994)を
参照]のそれなどの一塩基NLS(なおこれらは引用することにより本明細書に 組み入れられる);ならびに(ii)アフリカツメガエル(Xenopus laevis)タンパ
ク質、ヌクレオプラズミン[Ala Val Lys Arg Pro Ala Ala Thr Lys Lys Ala Gly
Gln Ala Lys Lys Lys Lys Leu Asp; Dingwall et al., Cell 30:449-458 (1982
)およびDingwall et al., J. Cell. Biol. 107:841-849 (1988)]が挙げられる。
多くの局在化研究では、合成ペプチドに組み込まれた、または一般的ではないが
細胞核に対して標的化されたリポータータンパク質につぎ足されたNLSはこれ
らのペプチドおよびリポータータンパク質に核内での濃縮を引き起こすことを実
証している。例えば、Dingwall and Laskey, Annu. Rev. Cell. Biol., 2:367-3
90 (1986); Bonnerot et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 84:6795-6799 (19
87)およびGalileo et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87:458-462 (1990)を
参照。
【0073】 好ましい具体例では、該融合パートナーは膜アンカーシグナル配列である。多
くの細胞内事象が原形質膜で始まるということに加え、多くの寄生体および病原
体が膜に結合するので、これは特に有用である。従って、膜結合DP−タンパク
質は、これらのプロセスにおける重要な要素の同定ならびに有効なインヒビター
またはアクチベーターの発見の双方に有用である。本発明はDPタンパク質を細
胞外に、または細胞質空間に提示する方法を提供する。細胞外提示のためには、
膜アンカー領域をDP−タンパク質のカルボキシ末端に提供する。DP−タンパ
ク質は細胞表面に曝され、細胞外空間に提示され、その結果、他の表面分子(そ
れらの機能に影響を及ぼす)または細胞外媒質に存在する分子と結合することが
できる。かかる分子の結合は分子と結合するDP−タンパク質を発現する細胞に
ある機能を付与することができる。細胞質領域は中立的であってもよいし、また
は細胞外DP−タンパク質に標的タンパク質または試験タンパク質が結合してい
る場合、細胞にある機能(キナーゼ、ホスファターゼの活性化、機能を果たすた
めのその他の細胞成分の結合)を付与するドメインを含んでもよい。同様に、D
P−タンパク質含有領域は細胞質領域内に含まれる可能性があり、膜貫通領域お
よび細胞外領域は不変のままであるか、または定義された機能を有する。
【0074】 膜アンカー配列は当技術分野で十分公知であり、哺乳類膜貫通分子の遺伝的幾
何学に基づくものである。ペプチドは分泌シグナル配列に基づき膜に挿入され、
疎水性膜貫通ドメインを必要とする。もちろん膜貫通ドメインがDP−タンパク
質領域のアミノ末端に置かれた場合は、それは細胞内ドメインとしてDP−タン
パク質を固定する働きをし、これはいくつかの具体例において望ましいものであ
り得る。分泌シグナル配列および膜貫通ドメインは広範な膜結合タンパク質につ
いて知られており、これらの配列は、特定のタンパク質由来の対として、または
異なるタンパク質から採った各々の成分とともにしかるべく使用してもよく、あ
るいは該配列は合成であってもよく、また人工送達ドメインとして共通配列にそ
のまま由来するものであってもよい。
【0075】 当業者には理解されるであろうが、SSおよびTM双方を含む膜アンカータン
パク質配列は広範なタンパク質について知られており、これらのうちいずれを用
いてもよい。特に好ましい膜アンカー配列としては、限定されるものではないが
、CD8、ICAM−2、IL−8R、CD4およびLFA−1に由来するもの
が挙げられる。
【0076】 有用な配列としては、(i)IL−2受容体β−鎖[残基1〜26はシグナル 配列であり、残基241〜265は膜貫通残基である;Hatakeyama et al., Sci
ence 244:551-556 (1989)およびvon Heijne and Gavel, Eur. J. Biochem. 174:
671-678 (1988)参照]およびインスリン受容体β鎖[残基1〜27はシグナル配列
であり、残基957〜959は膜貫通ドメインであり、残基960〜1382は
細胞質ドメインである;Hatakeyama, 前記,およびEbina et al., Cell 40:747-7
58 (1985)参照]などのクラスI内在性膜タンパク質;(ii)中性エンドペプチダ
ーゼ[残基29〜51は膜貫通ドメインであり、残基2〜28は細胞質ドメイン である;Malfroy et al., Biochem. Biophys. Res. Commun. 144:59-66 (1987)]
などのクラスII 内在性膜タンパク質;(iii)ヒトシトクロムP450 NF2
5(Hatakeyama, 前記)などのタイプIIIタンパク質;および(iv)ヒトP−糖タ ンパク質(Hatakeyama, 前記)などのタイプIVタンパク質由来の配列が挙げられる
。特に好ましいのは、CD8およびICAM−2である。例えば、CD8および
ICAM−2由来のシグナル配列は転写物の5’最末端にある。CD8の場合、
これらの配列はアミノ酸1〜32をコードし[MASPLTRELSLNLLLLGESILGSGEAKPQAP
; Nakauchi et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:5126-30 (1985)]、ICA
M−2の場合は1〜21をコードする[MSSFGYRTLTVALETLICCPG; Staunton et al
., Nature 339:61-64 (1989)]。これらのリーダー配列は膜に該構築体を送達し 、一方、DP−タンパク質領域のカルボキシ末端に置かれた疎水性膜貫通ドメイ
ンは膜に該構築体を固定する働きをする。これらの膜貫通ドメインはCD8由来
のアミノ酸145〜195(PQRPEDCRPRGSVKGTGLDFACDIYIWAPLAGICVALLLSLIITLIC
YHSR; Nakauchi, 前記)およびICAM−2由来の224〜256(MVIIVTVVSVLL
SLFVTSVLLCFIFGQHLRQQR; Staunton, 前記)により包含される。
【0077】 あるいは、膜アンカー配列としてはGPIアンカーが挙げられ、これは例えば
DAFのおいてグリコシル−ホスファチジルイノシトール結合を介して該分子と
脂質二重層の間で共有結合を形成するものである[PNKGSGTTSGTTRLLSGHTCFTLTGL
LGTLVTMGLLT, なお全角文字のセリンがアンカー部位である;Homans et al., Na
ture 333(6170):267-72 (1988),およびMoran et al., J. Biol. Chem. 266:1250
-1257 (1991)参照]。これを行うには、膜貫通配列の代わりにThy−1由来の GPI配列を可変領域の3’に挿入することができる。
【0078】 ウイルス、古細菌、原核生物および真核生物起源の膜上でDP−タンパク質を
展示することも本発明の範囲内にある。この具体例では、DP−タンパク質は、
膜に挿入された後にDP−タンパク質領域がウイルス、古細菌、原核生物または
真核生物細胞の外側に位置して、例えば結合標的分子に関してスクリーニングし
た場合に結合標的分子に接近しやすいように膜タンパク質と融合させる。原核生
物の表面展示系としては、例えばフラジェリン[Lu et al., Biotechnology 13(4
):366-72 (1995)]および[氷核形成タンパク質[Jung et al., Nat. Biotechnol.
16(6):576-80 (1988)]などの表面タンパク質との機能的融合が挙げられる。その
他の原核生物タンパク質展示系はStahl and Uhlen, Trends Biotechnol. 15(5):
185-92 (1997)およびGeorgiou et al., Nat. Biotechnol. 15(1):29-34 (1997) によって総説されている。ウイルス展示系としては、限定されるものではないが
、(i)M13および誘導体などの糸状バクテリオファージ[総説としてはFelic
i et al., Biotechnol. Annu. Rev. 1:149-83 (1995)参照];(ii)バクテリオ ファージT4[Jiang et al., Infect. Immun. 65(11):4770-7 (1997)];(iii)
バクテリオファージλ[Stolz et al., FEBS Lett. 440(1-2):213-7 (1988)];(
iv)トマトブッシースタントウイルス(tomato bushy stunt virus)[Joelson et
al., J. Gen. Virol. 78(Pt6):1213-7 (1997)];および(v)レトロウイルス[B
uchholz et al., Nat. Biotechnol. 16(10):951-4 (1998)]が挙げられる。酵母 展示系としては、例えばサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisia
e)のAga2p接合接着受容体とのC末端融合が利用される[Boder and Wittrup
, Nat. Biotechnol.15(6):553-7 (1997)]。上に挙げた系または哺乳類膜貫通タ ンパク質(そのいくつかは本明細書に記載)のいずれかを用いるタンパク質の展
示は一般に、DP−タンパク質(または注目される他のタンパク質のいずれか)
をコードする核酸をアミノ末端分泌シグナルおよびC末端膜貫通アンカードメイ
ン(以下にさらに記載)とともにフレーム内に挿入することにより達成される。
【0079】 同様に、ミリスチル化配列も膜アンカー配列として働き得る。c−srcのミ
リスチル化はそれを原形質膜へ補充することが知られている。タンパク質の最初
の14個のアミノ酸:MGSSKSKPKDPSQR(Cross et al., Mol. Cell. Biol. 4(9):
1834-1842 (1942); Spencer et al., Science 262:1019-1024 (1993)を参照、両
者とも引用することにより本明細書に組み入れられる)が単独でこの機能にあす
かるとすれば、これは簡便かつ効果的な膜局在化法である。このモチーフはリポ
ーター遺伝子の局在化において有効であることがすでに示されており、TCRの
ゼータ鎖を固定するのに使用できる。融合タンパク質を原形質膜に局在化するに
は、このモチーフは可変領域のアミノ末端に置かれる。原形質膜に融合タンパク
質を固定するにはパルミトイル化などのその他のモチーフが使用でき、例えばG
タンパク質結合受容体キナーゼGRK6配列[LLQRLFSRQDCCGNCSDSEEELPTRL, 全角文字のシステインがパルミトイル化されている; Stoffel et al., J. Biol.
Chem. 269:27791-4 (1994)]由来;ロドプシン[KQFRNCMLTSLCCGKNPLGD; Barns
table and Morabito, J. Mol. Neurosci. 5(3):207-9 (1994)]由来;およびp2
1 H−ras 1タンパク質[LNPPDESGPGCMSCKCLVS; Capon et al., Nature
302:33 (1983); Cadwallader et al., Mol. Cell. Biol. 14(7):4722-30 (1994)
]由来のパルミトイル化配列がある。
【0080】 好ましい具体例では、該融合パートナーはリソソーム標的配列であり、例えば
Lamp−2[KFERQ; Dice, Ann. N.Y. Acad. Sci. 674:58-64 (1992)]などのリ
ソソーム分解配列;またはLamp−1[MLIPIAGFFALAGLVLI VLIAYLIGRKRSHAGYQTI, Uthayakumar et al., Cell. Mol. Biol. Res. 41
:405-20 (1995)]またはLamp−2[LVPIAVGAALAGVLILVLL
AYFIGLKHHHAGYEQF, Konecki et al., Biochem. Biophys. Res. Comm. 205:
1-5 (1994)](両者とも、膜貫通ドメインが全角文字で、細胞質標的化シグナル が下線で示されている)由来のリソソーム膜配列が挙げられる。
【0081】 あるいは、該融合パートナーはミトコンドリア局在化配列であってもよく、ミ
トコンドリアマトリックス[例えば、酵母アルコールデヒドロゲナーゼIII;MLRT
SSLFTRRVQPSLFSRNILRLQST; Schatz, Eur. J. Biochem. 165:1-6 (1987)];ミト コンドリア内膜配列(酵母シトクロムcオキシダーゼサブユニットIV; MLSLRQSI
RFFKPATRTLCSSRYLL; Schatz, 前記);ミトコンドリア膜内空間配列(酵母シト クロムc1;MFSMLSKRWAQRTLSKSFYSTATGAASKSGKLTQKLVTAGVAAAGITASTLLYADSLTAE
AMTA; Schatz, 前記)またはミトコンドリア外膜配列(酵母70kD外膜タンパ
ク質;MKSFITRNKTAILATVAATGTAIGAYYYYNQLQQQQQRGKK; Schatz, 前記)が挙げら れる。
【0082】 該融合パートナーはまた小胞体配列に由来してもよく、カルレチクリン[KDEL;
Pelham, Proc. R. Soc. Lond. B. Biol. Sci., 250:1-10 (1992)]またはアデノ
ウイルスE3/19Kタンパク質[LYLSRRSFIDEKKMP; Jackson et al., EMBO J.
9:3153-62 (1990)]由来の配列が挙げられる。
【0083】 さらにまた標的化配列としては、ペルオキシソーム配列[例えば、ルシフェラ ーゼ由来ペルオキシソームマトリックス配列; SKL; Keller et al., Proc. Natl
. Acad. Sci. USA 84:3264-8 (1987)];ファルネシル化配列[例えば、P21 H−ras 1; LNPPDESGPGCMSCKCVLS,全角文字のシステインがファルネシル 化; Capon,前記; Zhang et al., Biochemistry, 35(25):8166-71 (1996)];ゲラ
ニルゲラニル化配列[例えば、タンパク質rab−5A; LTEPTQPTRNQCCSN,全 角文字のシステインがゲラニルゲラニル化; Farnsworth, Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA 91:11963-7 (1994)];または破壊配列[サイクリンB1; RTALGDIGN; Klo
tzbucher et al., EMBO J. 15(2):3053-64 (1996)]が挙げられる。
【0084】 好ましい具体例では、該標的配列はDP−タンパク質の分泌を果たし得る分泌
シグナル配列である。多数の公知の分泌シグナル配列」があり、例えばそれはD
P−タンパク質領域のアミノ末端に置かれた際、分泌プロセス中に個々の融合タ
ンパク質から切断される。
【0085】 好適な分泌シグナル配列としては、IL−2[MYRMQLLSCIALSLALVTNS; Villing
er et al., J. Immunol. 155:3946-54 (1995)]、成長ホルモン[MATGSRTSLLLAFGL
LCLPWLQEGSAFPT; Roskam and Rougeon, Nucleic Acids Res. 7:305-20 (1979)] 、プレプロインスリン[MALWMRLLPLLALLALWGPDPAAAFVN; Bell et al., Nature 28
4:26-32 (1980)]、およびインフルエンザHAタンパク質[MKAKLLVLLYAFVAGDQI;
Sekiwawa and Lai, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80:3563-71 (1983)]由来のも のが挙げられる。なお、下線なしと下線間の結合の間で切断される。特に好まし
い分泌シグナル配列としては、分泌型サイトカインIL−4由来の分泌シグナル
配列があり、これは以下:MGLTSQLLPPLFFLLACAGNFVHGのようなIL−4の最初の
24個のアミノ酸を含んでなる。その他の分泌シグナルペプチドはvon Heinje, 前記において論じられている。
【0086】 好ましい具体例では、該融合パートナーはDPもしくはDP−タンパク質また
はそれらをコードする核酸に安定性を付与する安定配列である。このように、例
えばタンパク質はVarshavskyのN末端則[Bachmair et al., Science, 234:179-8
6 (1986); Gonda et al., J. Biol. Chem. 264:16700-12 (1989); Varshafsky,
Genes Cells, 2(1):13-28 (1997)]による偏在化に対するタンパク質の保護のた めの最初のメチオニンの後にグリシンを組み込む(MGまたはMGG)ことによ
り安定化され、細胞質中で長い半減期が与えられる。同様に、ペプチドのC末端
に1または2個のプロリンを付加すると、カルボキシペプチダーゼ作用に対する
耐性が高まる。プロリンの前に2個のグリシンが存在すれば柔軟性が付与され、
しかも候補となるペプチド構造へと進展するジプロリンにおける事象を誘導する
構造が妨げられる。従って、好ましい安定配列は、以下のMG(X)nGGPP、MG(X)nGP
P、MGG(X)nGGPPおよびMGG(X)nGPP(ここで、Xはいすれかのアミノ酸であり、n は少なくとも4の整数である)である。
【0087】 好ましい具体例では、DP−タンパク質の溶解度を高めるためにリジンをN末
端に付加するが、これはグリシンスペーサーを含んでも、含まなくともよい。例
えば、DP−タンパク質K64−EFLIVKS−タンパク質−EFLIVKS
が作出でき、これはK64配列を付加しないDP−タンパク質とは異なった特徴
を持つ(実施例を参照)。この具体例では、リジン残基の数とリンカー配列は実
験的に決定して得られるDP−タンパク質が確実に所望の特徴を有するようにす
ることができる。
【0088】 好ましい具体例では、融合パートナーの組合せが使用される。従って、例えば
、いずれの数の融合パートナー、標的配列、レスキュー配列、および安定配列を
用いてもよく、リンカーは用いても用いなくともよい。以下にさらに十分に記載
されるように、ランダムおよび/または偏りのあるライブラリーを受け取るため
の少なくとも1つのクローニング部位を含む基本ベクターを用い、DP−タンパ
ク質をコードする核酸の5’および3’に種々の融合パートナーをコードする核
酸にカセット化することができる。
【0089】 好ましい具体例では、本発明のDP、DP−タンパク質、融合パートナーと融
合したDPまたは融合パートナーと融合したDP−タンパク質はさらに改変する
ことができる。
【0090】 少なくとも1つの二量体化ペプチド(DP)が注目されるタンパク質(P)と
融合している化合物、例えば得られるDP−P、P−DP、DP−P−DPまた
は同様の化合物(ここで、DPは二量体化ペプチドであり、Pは注目されるタン
パク質である)は、先により十分記載されたように、ひとまとめに「DP−タン
パク質」と呼ばれる。DPおよびDP−タンパク質の共有結合的改変も本発明の
範囲内に含まれる。
【0091】 共有結合的改変の1つのタイプとしては、標的化アミノ酸残基と有機誘導体化
剤とを反応させることを含み、すなわち、DPまたはDP−タンパク質の選択さ
れた側鎖またはN末端もしくはC末端残基を反応させることができる。例えば、
以下にさらに十分に記載されるように、抗DPもしくは抗DP−タンパク質抗体
を精製またはスクリーニングアッセイする方法において用いられる水不溶性支持
体マトリックスまたは表面に対してDPもしくはDP−タンパク質を架橋するに
は二機能性剤による誘導体化が有用である。一般に使用される架橋剤としては、
デヒド、N−ヒドロキシ−スクシンイミドエステル(例えば4−アジドサリチル
酸とのエステル)、ホモ二機能性イミドエステル(3,3’−ジチオビス(スク
シンイミジルプロピオネート)などのジスクシンイミジルエステルを含む)、ビ
ス−N−マレイミド−1,8−オクタンなどの二機能性マレイミド、およびメチ
ル−3−[(p−アジドフェニル)ジチオ]プロピオイミデートなどの薬剤が挙
げられる。
【0092】 その他の改変としては、グルタミニルおよびアスパラギニル残基のそれぞれ対
応するグルタミルおよびアスパルチル残基への脱アミド、プロリンおよびリジン
のヒドロキシル化、セリルまたはトレオニル残基の水酸基のリン酸化、リジン、
アルギニンおよびヒスチジン側鎖のアミノ基のメチル化[T.E. Creighton, in Pr
oteins: Structure and Molecular Properties, W.H. Freeman & Co., San Fran
cisco, pp. 79-86 (1983)]、N末端アミンのアセチル化、ならびにC末端カルボ
キシル基のアミド化が挙げられる。
【0093】 本発明の範囲内に含まれるDPまたはDP−タンパク質のもう1つのタイプの
共有結合的改変は、ポリペプチドの天然のグリコシル化パターンの変更を含んで
なる。「天然のグリコシル化パターンの変更」とは、本明細書における目的では
、DPまたはDP−タンパク質のいずれかに見られる1以上の炭水化物部分を欠
失させること、および/またはDPまたはDP−タンパク質のいずれかには存在
しない1以上のグリコシル化部位を付加することを意味しようとするものである
【0094】 DPまたはDP−タンパク質へのグリコシル化部位の付加は、そのアミノ酸配
列を変更することにより達成され得る。該変更は、例えばDPまたはDP−タン
パク質の天然配列に対して1以上のセリンまたはトレオニン残基を付加または置
換することによりなし得る(O結合のグリコシル化部位について)。該DPまた
はDP−タンパク質アミノ酸配列は、所望により、特にDPまたはDP−タンパ
ク質をコードするDNAを、所望のアミノ酸へと翻訳されるコドンを生じるよう
に予め選択した塩基において変異させることにより、DNAレベルの変化によっ
て変更してもよい。in vitro突然変異誘発によりDNAへ突然変異を導入する方
法は当業者に十分公知であり、例えばSambrook et al., Molecular Cloning: A
Laboratory Manual (New York: Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989) およびAusbel et al., Short Protocols in Molecular Biology (John Wiley &
Sons, Inc., 1995)に見出せる。
【0095】 DPまたはDP−タンパク質の炭水化物部分の数を増すもう1つの手段は、グ
リコシドのポリペプチドへの化学的または酵素的結合によるものである。かかる
方法も例えば1987年9月11日公開のWO87/05330およびAplin an
d Wriston, CRC Crit. Rev. Biochem., 10(4):259-306 (1981)など当技術分野で
記載されている。
【0096】 DPまたはDP−タンパク質に存在する炭水化物部分の除去は、化学的もしく
は酵素的に、またはグリコシル化の標的として働くアミノ酸残基をコードするコ
ドンの置換変異により達成され得る。化学的グリコシル化法は当技術分野で公知
であり、例えばSojar and Bahl, Arch. Biochem. Biophys., 259:52-57 (1987) により、またEdge et al., Anal.biochem., 118:131-137 (1981)により記載され
ている。ポリペプチドの炭水化物部分の酵素的切断は、Thotakura and Bafl, Me
th. Enzymol., 138:350-359 (1987)により記載されているように、種々のエンド
およびエキソグリコシダーゼの使用によって達成できる。
【0097】 のもう1つにのタイプの共有結合的改変は、米国特許第4,640,853号
;第4,496,689号;第4,301,144号;第4,670,417号
;第4,791,192号または第4,179,337号に示された方法で、D
PまたはDP−タンパク質を種々の非タンパク質性ポリマー、例えばポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコールまたはポリオキシアルキレンの1つへ
架橋することを含んでなる。
【0098】 当業者には理解されるであろうが、本発明のDPまたはDP−タンパク質およ
び融合タンパク質は種々の方法で作製できる。
【0099】 好ましい具体例では、DPまたはDP−タンパク質および融合タンパク質は、
当技術分野で十分公知のように系統的に作製される。
【0100】 好ましい具体例では、DPまたはDP−タンパク質および融合タンパク質は、
当技術分野で十分公知のように核酸によってコードされている。
【0101】 好ましい具体例では、候補DP−タンパク質を含むDP−タンパク質は核酸の
翻訳産物である。該候補DP−タンパク質はランダム試験タンパク質を含んでな
る。すなわち、あらゆる候補DP−タンパク質が前記で定義したようなランダム
な部分を有し、これが以下に概説されるスクリーニング法の基礎となる。さらに
、該ランダムな部分に対し、候補DP−タンパク質はまた融合パートナーを含み
得る。この具体例では、該核酸を細胞へ導入し、該細胞は該核酸を発現してDP
−タンパク質(または候補DP−タンパク質)を生じる。
【0102】 先に概説されたように、DP−タンパク質は核酸によってコードされている。
本明細書において「核酸」もしくは「オリゴヌクレオチド」またはその文法上の
同義語は、ともに共有結合少なくとも2つのヌクレオチド残基を意味する。本発
明の核酸は一般にホスホジエステル結合を含む。標識などの付加部分の付加を助
けすため、または生理学的環境下でかかる分子の安定性および半減期を増すため
には、リボース−リン酸主鎖の改変がなされ得る。該核酸は一本鎖であっても二
本鎖であってもよく、あるいは二本鎖または一本鎖配列の両部分を含んでいても
よい。該核酸はRNA、mRNAおよび定義されたまたはランダムなリボ−オリ
ゴヌクレオチドを含んでなるRNAであってもよい。該核酸はゲノムDNA、c
DNAおよび定義されたまたはランダムなデオキシリボ−オリゴヌクレオチドを
含んでなるDNAであってもよい。該核酸はまたハイブリッドであってもよく、
ここで該核酸はデオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチドのいずれかの
組合せ、およびヌクレオチド塩基のいずれかの組合せを含む。
【0103】 該核酸はDP−タンパク質および存在するならば融合パートナーをコードする
。さらに、該核酸はまた一般に必要に応じ翻訳または転写を果たすための外部配
列を含む。通常、DPタンパク質をコードする該核酸はプラスミドベクターまた
はレトロウイルスベクターなどの好適なベクターへ組み込まれる。好ましい具体
例において、プラスミドベクターを用いてDP−タンパク質を発現させる場合に
は、該核酸は一般にDNAである。もう1つの具体例において、レトロウイルス
ベクターを用いてDP−タンパク質を発現させる場合には、該核酸は一般にRN
Aである。
【0104】 好ましい具体例では、候補DP−タンパク質を発現させるのにベクターが使用
される。本明細書において「ベクター」とは、核酸を含んでなり、宿主細胞の形
質転換に使用できるレプリコンを意味する。該ベクターは、「プラスミド」もし
くは「プラスミドベクター」と呼ばれ、自己複製する染色体外ベクターであって
も、または宿主ゲノムに組み込まれるベクターのいずれであってもよい。好まし
い具体例では、以下にさらに十分記載されるように、レトロウイルスベクターを
利用する。
【0105】 レトロウイルスでない具体例については、好適なベクターは、限定されるもの
ではないが、pcDNA3.1(Invitrogen)、pSI(Promega Corporation)お
よびpBI(Clontech Laboratories, Inc.)をはじめとする多くの公知のベクタ ーのいずれかに由来するものである。基本的に、DP−タンパク質を発現するベ
クターを構築するには、CMVなどの強力なプロモーターを持つ哺乳類発現ベク
ターのいずれかを用いることができる。
【0106】 一般に、これらの発現ベクターは発現させる核酸に機能し得る形で連結された
転写および翻訳調節核酸を含む。本明細書において「機能し得る形で連結される
」とは、転写および翻訳調節核酸が、コード配列(例えばDP−タンパク質をコ
ードする)に対して、転写が開始されてタンパク質の翻訳が確実となるように配
置されることを意味する。一般にこのことは、プロモーターおよび転写開始配列
(initial or start sequences)がコード領域の5’側に配置されることを意味す
る。当業者には理解されるであろうが、該転写および翻訳調節核酸は一般に使用
される宿主細胞に適当なものである。当技術分野では、種々の宿主細胞に対して
、多くのタイプの適当な発現ベクターおよび好適な調節配列が公知である。
【0107】 一般に、該転写および翻訳調節配列としては、限定されるものではないが、プ
ロモーター配列(CATTボックスおよびTATAボックスを含む)、リボゾー
ム結合部位(インターナル・リボゾーム・エントリー部位(internal ribosome e
ntry site) (IRES)を含む)、転写開始および停止配列(mRNAポリアデニル 化配列5’−AATAAA−3’を含む)、RNAスプライシング配列、翻訳開
始および停止配列(5’および3’非翻訳領域を含む)、開始コドン(AGT)
、コザック共通配列(5’−A/GNNATGG−3’)およびナンセンスコド
ン(UAA、UAG、UGA)、構成エンハンサーもしくは誘導エンハンサー、
アクチベーター、またはリプレッサー配列(プロモーターに対して上流、下流に
または重複して置かれ、細胞系統依存的、組織特異的または時間依存性のもの)
、およびタンパク質標的化シグナル(小胞体保持および細胞外分泌シグナル、原
形質膜、ペルオキシソーム、核、ミトコンドリア、リソソーム、ゴルジ複合体お
よび限局性接着部への局在化シグナルを含む)が挙げられる。
【0108】 好ましい具体例では、該調節配列はプロモーターおよび転写開始および停止配
列を含む。プロモーター配列は構成プロモーターおよび誘導プロモーター配列を
含む[例えば、Walther and Stein, J. Mol. Med. 74(7):379-92 (1996)を参照] 。好ましい具体例では、該プロモーターは構成的であり、例えばDP−タンパク
質をコードする核酸の高レベルの発現を駆動する。該プロモーターは天然に存在
するプロモーター、ハイブリッドまたは合成プロモーターのいずれであってもよ
い。ハイブリッドプロモーターは1を超えるプロモーターエレメントを組み合わ
せたものであるが、当技術分野で公知であり、本発明で使用される。
【0109】 哺乳類での発現に特に好ましいプロモーターとしてはCMVプロモーターがあ
る。好ましいレトロウイルスプロモーターも以下で論じられる。
【0110】 好ましい具体例では、該プロモーターはDP−タンパク質をコードする少なく
とも1コピーの核酸に関連する。二量体化タンパク質などの融合タンパク質、注
目されるタンパク質および1以上の融合パートナーの一部をコードする個々の成
分は、少なくとも好適なクローニング部位、好ましくはプロモーター配列の3’
側に含んでなる親ベクターに挿入することができる。好ましい具体例では、該融
合タンパク質をコードする核酸は、DP−L−タンパク質−L−DPまたはN−
DP−L−タンパク質−L−DP(ここで、「N」は核局在化シグナルであり、
「DP」は二量体化ペプチドであり、「L」はリンカー配列であり、「タンパク
質」は注目されるタンパク質である)などの融合タンパク質を生じるための個々
の成分からなる。先に詳細に論じられたように、構築される融合タンパク質の個
々の成分をコードする核酸成分には多くの可能性があり得る。
【0111】 かかるベクターの作出は、例えばSambrook et al., Molecular Cloning: A La
boratory Manual (New York: Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989)お よびAusbel et al., Short Protocols in Molecular Biology (John Wiley & So
ns, Inc., 1995)に記載される、当技術分野で公知の方法を用いて行う。予め構 築したベクターはキットに含めるに好適である。かかるベクターの最終使用者は
注目されるタンパク質をコードする核酸または注目されるタンパク質のライブラ
リーを便宜なクローニング部位に挿入しなければならない。
【0112】 もう1つの好ましい具体例では、レスキュー配列を使用してDP−タンパク質
をコードする核酸を単離する。この具体例では、該レスキュー配列は、PCR、
ハイブリダイゼーションまたは関連の技術を介して核酸構築体の迅速かつ容易な
単離を可能にするプローブ標的部位として働く特異なオリゴヌクレオチド配列で
あってよい。
【0113】 さらに、該ベクターは、Kriegler, in Gene Transfer and Expression: A Lab
oratory Manual, Freeman and Company, New York, (1990) およびMurray, Meth
ods in Molecular Biology, Vol 7: Gene Tranfer and Expression Protocols,
Humana Press (1991)にさらに十分に記載されているように、複製起点、選択遺 伝子などのような付加的エレメントを含んでなってもよい。
【0114】 注目されるタンパク質をコードする核酸は、ゲノムDNA、cDNAから、定
義されたオリゴヌクレオチドから、またはランダムヌクレオチドから得られる。
【0115】 通常、該DP−タンパク質およびDP−融合タンパク質は核酸によりコードさ
れ、その転写および対応するmRNAの翻訳の後に生成する。ある好ましい具体
例では、例えば先に示したもの(DPhyd−LP−タンパク質1−LP−DPhyd− LG−DPLys−LP−タンパク質2−LP−DPGlu)のようなDP融合−ペプチド
をコードする核酸のコンカテマーを好適なクローニングベクター(以下に詳細に
記載)に挿入することができ、結果として(DPhyd−LP−タンパク質1−LP
DPhyd−LG−DPLys−LP−タンパク質2−LP−DPGlun(ここで、nは少
なくとも2の整数である)のようなコンカテマー化されたDP−融合タンパク質
が形成する。当業者には明らかであろうが、その二価誘導体および一価誘導体を
はじめとする、ここで示したもの以外の複数のDP融合タンパク質コード核酸も
好適なベクターにおいて組み合わせることができ、対応するDP−タンパク質が
作出できる。
【0116】 ある具体例では、レトロウイルスベクターを用いて候補DP−タンパク質を発
現させるが、該候補DP−タンパク質をコードする核酸は一般にはRNAである
【0117】 特によく適したレトロウイルストランスフェクション系がMann et al., Cell
33:153-159 (1983); Pear et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90(18):8392-6
(1993); Kitamura et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92:9146-9150 (1995)
; Kinsella et al., Hum. Gene Ther. 7:1405-1413 (1996); Hofmann et al., P
roc. Natl. Acad. Sci. USA 93:5185-5190 (1996); Choate et al., Hum. Gene
Ther. 7:2247-53 (1996);ならびにWO94/19478およびPCT/US9 7/01019ならびに本明細書に挙げられた参照文献(これらはすべて引用す
ることにより本明細書に組み入れられる)に記載されている。
【0118】 好適なレトロウイルスベクターのいくつかが使用され得る。好ましいレトロウ
イルス発現ベクターとしては、ネズミ幹細胞μ[MSCV; Hawley et al., Gene The
r. 1:136-8 (1994)を参照]および改変型MGFウイルス[Riviere et al., Proc.
Natl. Acad. Sci. USA 92:6733-7 (1995)]およびpBABE(引用することによ
り本明細書に組み入れられるPCT/US97/01019参照)に基づくベク ターがある。その他の好適なレトロウイルス発現ベクターとしては、モロニーマ
ウス白血病ウイルス由来のものがあり、pLNCX、pLXSN、pLAPSN
などのベクター;pSIRなどの自己不活性化発現ベクター;pLXINなどの
二シストロン発現ベクター;pRevTet−On、pRevTet−Off[C
lontech Laboratories; Coffin and Varmus, in Retroviruses (Cold Spring Ha
rbor Laboratory Press, New York, 1996)]などの誘導発現ベクターが挙げられ る。
【0119】 他のベクターに関して先に記載したように、レトロウイルスベクターは誘導プ
ロモーターおよび構成プロモーターを含み得る。構成プロモーターが好ましく、
限定されるものではないが、CMV、SV40、Srα、RSV、EF−1a、
UbCおよびTKが挙げられる。
【0120】 一般に、該レトロウイルス発現ベクターは、二シストロンオペロンを考慮し、
ゆえに一様に高レベルで融合構築体を発現する細胞の選択を大幅に助けるインタ
ーナル・リボゾーム・エントリー部位(IRES)の制御下に、1以上の選択遺
伝子(選択マーカー遺伝子とも呼ばれる)と、5’LTRに対してセンスまたは
アンチセンス方向に置かれた第2の遺伝子の発現を駆動するプロモーターとを含
み得る。
【0121】 選択遺伝子はベクターを含む形質転換宿主細胞の選択を可能とし、特に哺乳類
細胞の場合には、ベクターを含まない細胞は通常死滅するので、ベクターの安定
性が確実なものとなる。選択遺伝子は当技術分野で十分公知であり、使用される
宿主細胞によって異なる。本明細書において「選択遺伝子」とは、選択剤に対す
る耐性を付与するか、またはそのマーカーを発現する細胞の選択を可能にするマ
ーカーをコードする遺伝子産物をコードするいずれもの遺伝子を意味する。好適
な選択剤としては、限定されるものではないが、ネオマイシン(またはその類似
体G418)、ブラスチシジンS、ヒスチニドールD、ブレオマイシン、ピュー
ロマイシン、ハイグロマイシンB、およびその他の薬剤が挙げられる。二シスト
ロン転写単位(前記参照)に挿入でき、次いで注目される遺伝子を発現する宿主
細胞の同定を可能にする好適なマーカー遺伝子としては、限定されるものではな
いが、緑色蛍光タンパク質などの自己蛍光マーカー、lacZなどの酵素マーカ
ー、およびCD8などの表面タンパク質などが挙げられる。
【0122】 その他のベクターについて記載したように、該レトロウイルスベクターは種々
の転写および翻訳調節配列と、少なくとも1つの組換えDNA断片のサブクロー
ニングのための少なくとも1つのクローニング部位とを含んでなり得る。
【0123】 本発明の組成物は宿主細胞に導入し、注目される遺伝子または注目されるタン
パク質を発現する細胞の表現型を変え得る生理活性薬剤に関してスクリーニング
する。本明細書において「〜に導入する」または文法上の同義語は、該核酸が、
その後の核酸の発現に好適なように細胞に入ることを意味する。該導入法は主と
して、以下に論じられる標的化細胞種により支配される。方法の例としては、C
aPO4沈殿、リポソーム融合、リポフェクチン(登録商標)、エレクトロポレ ーション、ウイルス感染などが挙げられる[Kriegler, Gene Transfer and Expre
ssion: A Laboratory Manual (New York: Oxford University Press, 1991); Ro
th, Protein Expression in Animal Cells, Methods in Cell Biology Vol. 43
(San Diego: Academic Press, 1994); およびMurray, Gene Transfer and Expre
ssion Protocols, Methods in Molecular Biology, Vol. 7 (Clifton: Humana P
ress, 1991)]。
【0124】 本発明の組成物は宿主細胞のゲノムへ安定して組み込まれ得るし(例えばレト
ロウイルス粒子を用いた場合)、あるいは細胞質に一時的または安定的に存在し
得る(すなわち、標準的な調節配列、選択マーカーなどを利用する従来のプラス
ミドに使用による)。医薬上重要なスクリーニングの多くはヒトまたはモデル哺
乳類細胞標的を必要とするので、かかる標的をトランスフェクトすることができ
るレトロウイルスベクターが好ましい。
【0125】 当業者には理解されるであろうが、本発明で使用される細胞種は広範であり得
る。基本的にいずれの細胞を使用してもよいが、哺乳類細胞が好ましく、マウス
、ラット、霊長類およびヒト細胞が特に好ましい。以下にさらに十分に記載され
るように、スクリーニングは細胞が候補DP−タンパク質の存在下で選択可能な
表現型を示すように設定される。以下にさらに十分に記載されるように、好適な
スクリーニングが候補DP−タンパク質がその細胞内に存在する結果として変化
した表現型を示す細胞の選択を可能とするよう設計される限り、広範な病状に関
与する細胞種は特に有用である。
【0126】 従って、好適な細胞種としては、限定されるものではないが、あらゆるタイプ
の腫瘍細胞(特にメラノーマ、骨髄性白血病、肺、乳房、卵巣、結腸、腎臓、前
立腺、膵臓および精巣の癌腫)、心筋細胞、内皮細胞、上皮細胞、リンパ球(T
細胞およびB細胞)、マスト細胞、好酸球、脈管内膜細胞、肝細胞、単核白血球
を含む白血球、幹細胞(造血、神経、皮膚、肺、腎臓、肝臓および筋幹細胞など
)(分化および脱分化因子のスクリーニングに用いる)、破骨細胞、軟骨細胞、
およびその他の結合組織細胞、ケラチノサイト、メラノサイト、肝細胞、腎細胞
、脂肪細胞が挙げられる。また好適な細胞には、限定されるものではないが、J
urkat T細胞、NH 3T3細胞、CHO、Cosなどをはじめとする公
知の研究用細胞も含まれる。引用することにより本明細書に組み入れられるAT
CC細胞系統カタログを参照。
【0127】 ある具体例では、該細胞は遺伝子操作してもよく、すなわち本発明の組成物に
加えて外来の核酸(例えば標的分子をコードする)を含んでもよい。
【0128】 一度作出されれば、本発明の組成物は多くの適用における用途を見出せる。本
発明はin vivoおよびin vitro双方で第2のタンパク質と相互作用できる、それ と結合できる、またはその活性を変調することができるタンパク質を同定するの
に有用な組成物を提供する。
【0129】 好ましい具体例では、本発明は、シグナル伝達経路に影響を与える化合物を作
出する、有効に細胞へ導入する、およびスクリーニングするための方法ならびに
組成物を提供する。仮定されるシグナル伝達結果および標的細胞における観察可
能な生理学的変化以外に該経路についての知見はほとんどまたは全く必要とされ
ない。開示された方法は細胞内シグナル伝達機構に近づくin vivo戦略を含んで なる。本発明はまた、該経路の構成要素の単離、該経路を特徴付けるための手段
、および医薬開発のための先導化合物を提供する。
【0130】 本発明は、それらを含んでなる細胞の表現型を変更できる、本明細書でDP−
タンパク質と呼ばれる化合物のスクリーニング方法を提供する。本明細書におい
て「候補DP−タンパク質」とは、機能、固有の特性、または第2のタンパク質
との相互作用が探求されるDP−タンパク質を意味する。候補DP−タンパク質
の「DP」成分は一般に分子ライブラリー内では変化しないが、候補DP−タン
パク質の「タンパク質」成分は変化する。
【0131】 ある具体例では、複数の候補DP−タンパク質が分子ライブラリーの形で提供
される。本明細書において「分子ライブラリー」とは、複数の異なるDP−タン
パク質、複数の異なるDP−タンパク質をコードするコードする複数の異なる単
離核酸、および複数の異なるDP−タンパク質をコードし、ベクターに含まれる
複数の異なる核酸を含むことを意味する。本発明の方法は多数の候補DP−タン
パク質(ここで、DP−タンパク質の「タンパク質」成分はランダムオリゴヌク
レオチド、cDNA断片およびゲノムDNAのいずれかを含んでなる候補核酸に
よりコードされる)を含んでなる分子ライブラリーの迅速なin vivoスクリーニ ングを提供する。従って、ランダムオリゴヌクレオチド、cDNA断片およびゲ
ノムDNAを細胞に送達することにより、細胞機構は候補DP−タンパク質を生
成する。同細胞をスクリーニングすることにより、候補DP−タンパク質をin v
itroで回収または合成する必要なく、極めて効率的なスクリーニングが達成され
る。従って、本発明は、複数の候補DP−タンパク質を、細胞の表現型を変更し
得るエフェクターに関してスクリーニングする方法を提供する。
【0132】 細胞におけるシグナル伝達経路はしばしば表現型上記載できる細胞の生理学的
変化をもたらすエフェクター刺激(例えば、ケモカイン、成長因子、ホルモンな
ど)に関与する。この細胞内シグナル伝達経路が病因において鍵となる役割を果
たすにも関わらず、ほとんどの場合、最初の刺激と最終的な細胞応答以外にはシ
グナル伝達経路についてはほとんど判っていない。ペプチドが細胞内発現される
と、それらは細胞内シグナル伝達経路を変調する可能性があり[Souroujon and M
ochly-Rosen, Nat. Biotechnol. 16(10):919-24 (1988)]、従ってタンパク質間 の相互作用にあずかり得る。化学化合物またはペプチドの分子ライブラリーを、
シグナル伝達経路を変調する(例えば、アップレギュレーションまたはダウンレ
ギュレーション)エフェクター分子に関してスクリーニングした。このように最
小化されたタンパク質に含まれる拘束ペプチドもまたタンパク質間相互作用を変
調する薬剤の設計において有用であり得[Cunningham and Wells, Curr. Opin. S
truct. Biol. 7:457-462 (1997)]、これは細胞内シグナル伝達経路を調節する新
規な方法を与え得る。例えばレトロウイルスベクターを用いるとことによってペ
プチドを哺乳類の生細胞で発現させれば、それらは細胞の表現型の定義された変
化に関してスクリーニングでき、得られる活性ペプチドはそれらの結合標的の親
和性単離の経路を提供し得る。
【0133】 コンホメーション上拘束されたペプチドのいくつかの形態は有用であり、また
哺乳類の生細胞において細胞内結合化学のためのペプチドの提示においては必要
でさえある。ファージディスプレーライブラリーのペプチドとは違い、細胞内ペ
プチドは異化を受けることがあり、従って、好ましくはこれらのペプチドは相対
的に細胞プロテアーゼに対して不活性であるべきである。細胞内ペプチド異化は
十分には特性決定されていないが、ユビキチンプロテアソーム系がタンパク質の
分解に関与すると知られており[Goldberg et al., Biol. Chem. 378:131-140(19
97)、Hilt and Wolf, Trends Biochem. Sci. 21:96-102(1996)]、カルボキシオ クタペプチダ-ゼとして作用し得る。おそらくはアミノペプチダーゼを含む、さ らなるタンパク質分解はペプチドのアミノ酸への分解をもたらし得る[Lee and G
oldberg, Trends Cell Biol. 8:397-403(1998)]。抗原提示細胞では、細胞質タ ンパク質分解に起因する短い直鎖状ペプチドはペプチド輸送体TAP1およびT
AP2により小胞体へと移動され得る[Belich and Trowsdale, Mol. Biol. Rep.
21:53-56(1995)]。
【0134】 (i)タンパク質分解に対して相対的に不活性であり、高い細胞内安定性およ
び発現タンパク質のより高い安定状態濃度をもたらし、かつ(ii)活性部位間隙
などのタンパク質上の結合部位に接触できるよう十分に小さくもある、発現ペプ
チドの細胞内提示のための足場を開発することは非常に有用であり得る。この足
場のコンパクト性は発現タンパク質の柔軟性を低下させ、またコンホメーション
のエントロピーを減少させ、効果的に個々のコンホマーの濃度を高めるはずであ
る。このことおよびタンパク質分解に対する高い安定性は、次に、これらの足場
を(例えば、ペプチドライブラリーとして使用される場合には)有効タンパク質
をより含みやすくするはずであるが、これは高濃度であるほどより弱い結合相互
作用の飽和を可能にするからである。このことは、より低い親和性ペプチドの表
現型による選択を可能にし、従ってより高い生理活性のペプチドが検出されるよ
うになることにより、生理活性ペプチドを検出するためのスクリーニングプロト
コールに利益をもたらす。また、タンパク質分解安定性が高く、コンホメーショ
ンエントロピーが低いという特徴は、よりコンパクトな構造を可能性ある治療薬
としてより魅力的なものにすると考えられる。前記の特性を高めるには、ペプチ
ドのNおよびC末端へ特異的な短い配列を付加することが有用であり得る。ルー
プ構造[Leszczynski and Rose, Science 234:849-855(1986)]は特に興味深いも
のであるが、これはループが球状かつコンパクトであり、タンパク質表面におい
て共通のものであり、タンパク質機能およびタンパク質間相互作用にしばしば関
与し得るからである。
【0135】 好ましい具体例では、本発明の組成物を使用して候補生理活性剤に関してスク
リーニングするが、すなわちDP−タンパク質(前記参照)の範囲内の試験タン
パク質が候補生理活性剤である。分子ライブラリーの一部としての候補DPタン
パク質を好適な宿主細胞に導入して、かかる候補DP−タンパク質を保持してい
るかまたは発現する宿主細胞の表現型を変更できるDP−タンパク質に関してス
クリーニングする。要すれば、細胞は候補DP−タンパク質をコードする遺伝子
を発現するのに好適な状態に処理して(例えば、誘導プロモーターを使用する場
合)候補発現産物を産生する。
【0136】 好ましい具体例では、第1の複数の細胞をスクリーニングする。すなわち、分
子ライブラリーが導入されており候補DPタンパク質を提供する細胞を、変化し
た表現型に関してスクリーニングする。従って、この具体例では候補DP−タン
パク質の作用は、そこでそれが作られる同一の細胞で認められる、すなわち自己
分泌作用である。
【0137】 本明細書において「複数の細胞」とは、およそ約103個の細胞ないし108
または109個を意味し、106個ないし108個であることが好ましい。この複 数の細胞は細胞ライブラリーを含んでなり、その中では一般にはこの細胞ライブ
ラリー内の各々の細胞は分子ライブラリーのメンバー、すなわち異なる候補DP
−タンパク質または異なるDP−タンパク質をコードする核酸を含むが、当業者
には理解されるように、この細胞ライブラリー内のある細胞は分子ライブラリー
のメンバーを含まなくてよいし、またあるものは1以上を含んでもよい。レトロ
ウイルス感染以外の方法を使用して候補DP−タンパク質を複数の細胞に導入す
る場合には、一般にはエレクトロポレーションなどの際に細胞に入る核酸数を制
御することが困難であるので、細胞ライブラリーの個々の細胞メンバー内の候補
核酸の分布は極めて広範なものとなり得る。
【0138】 好ましい具体例では、該分子ライブラリーを第1の複数の細胞に導入し、第1
の複数の細胞とは異なる第2または第3の複数の細胞、すなわち一般には異なる
細胞種において発現された候補DP−タンパク質の作用をスクリーニングする。
すなわち、候補DP−タンパク質の作用は第2の細胞に対しては細胞外作用、す
なわち内分泌またはパラ分泌作用によるものである。これは標準技術を用いて行
われる。第1の複数の細胞はある培地内または培地上で増殖でき、この培地(「
条件培地」と呼ばれる)を第2の複数の細胞に接触させ、作用を測定する。ある
いは、細胞間の直接接触もあり得る。従って、「接触する」とは機能的接触であ
り、直接と間接の双方を含む。この具体例では、第1の複数の細胞をスクリーニ
ングしてもよいし、スクリーニングしなくともよい。
【0139】 従って、本発明の方法はランダム化した候補核酸の分子ライブラリーを複数の
細胞に導入して細胞ライブラリーを作出することを含んでなる。各々の核酸は異
なるDP−タンパク質をコードする、異なる、一般にはランダム化ヌクレオチド
配列を含んでなる。次いで、以下でさらに十分に概説されるように、複数の細胞
を変化した表現型を示す細胞に関してスクリーニングする。変化した表現型はD
Pタンパク質の存在によるものである。
【0140】 本明細書おいて「変化した表現型」または「変化した生理機能」またはその他
の文法上の同義語は、細胞の表現型が何らかの方法で、好ましくは何らかの検出
可能なおよび/または測定可能な方法で変更されることを意味する。当技術分野
で認識されているように、本発明の長所は本方法を用いて試験され得る広範な種
類の細胞種およびあり得る表現型の変化にある。従って、観察、検出または測定
され得るいずれの表現型の変化も本明細書のスクリーニング方法の基礎となり得
る。好適な表現型の変化としては、限定されるものではないが、細胞形態、細胞
増殖、細胞活性、基質または他の細胞への接着および細胞密度における変化など
の全体的な物理変化、1以上のRNA、mRNA、タンパク質、脂質、ホルモン
、サイトカインまたはその他の分子の発現における変化、1以上のRNA、mR
NA、タンパク質、脂質、ホルモン、サイトカインまたはその他の分子の平衡状
態(例えば、半減期)における変化、1以上のRNA、mRNA、タンパク質、
脂質、ホルモン、サイトカインまたはその他の分子の局在化における変化、1以
上のRNA、mRNA、タンパク質、脂質、ホルモン、サイトカイン、受容体ま
たはその他の分子の生理活性または特異的活性における変化、イオン、サイトカ
イン、ホルモン、増殖因子、タンパク質またはその他の分子の分泌における変化
、細胞膜電位、分極、結合性または輸送における変化、ウイルスおよび細菌病原
体などの感染性、感受性、潜伏期間、付着および取り込みにおける変化が挙げら
れる。
【0141】 本明細書において「表現型を変更できる」または文法上の同義語は、候補DP
タンパク質がいくつかの検出可能なおよび/または測定可能な方法で細胞の表現
型を変化させ得ることを意味する。
【0142】 以下に、またPCT/US97/01019にさらに十分に記載されるように
、変化した表現型は広範な種類の方法で検出でき、これは一般には変化させた表
現型に依存し、またそれに対応したものである。一般には、変化した表現型は、
例えば、細胞形態の顕微鏡解析;細胞死の増加および細胞活性の増加の双方を含
む標準的な細胞活性アッセイ(例えば、細胞はこの時、ウイルス、細菌または細
菌毒素もしくは合成毒素による細胞死に対して耐性である);特定の細胞または
分子の存在もしくはレベルに関する、FACSもしくはその他の色素染色技術を
はじめとする蛍光指示薬アッセイなどの標準的な標識アッセイ;細胞を死滅させ
た後の標的化合物の発現の生化学的検出;標的細胞内の遺伝子発現の変化のモニ
タリングなどを用いて検出される。本明細書にさらに十分記載されるように、い
くつかのケースでは、変化した表現型が、ランダム化された核酸またはランダム
化されたタンパク質を含んでなる分子ライブラリーが導入された細胞において検
出され、他の具体例では、変化した表現型は、第1の細胞からのいくつかの分子
シグナルに応答している第2の細胞において検出される。
【0143】 好ましい具体例では、該DP−タンパク質が核へ移入された際に遺伝子発現を
調節して標的遺伝子の発現の増加または減少を引き起こす。ある具体例では、転
写活性化タンパク質がDP−タンパク質に結合し、不活化されるかまたはその標
的遺伝子が活性化するのが阻害され得る。この具体例では、DP−タンパク質は
標的転写アクチベーター、例えばHIV tatタンパク質に親和性のあるタン
パク質を含んでなる。もう1つの具体例では、DP−タンパク質は、転写リプレ
ッサーに親和性のあるタンパク質成分を含んでなることにより標的遺伝子の発現
増加を引き起こし得る。転写リプレッサーはDP−タンパク質へ結合すると、不
活化されるかまたはその標的遺伝子への結合を阻害され、注目される遺伝子のよ
り高い発現を引き起こし得る。
【0144】 好ましい具体例では、ひと度、変更された表現型を有する細胞が検出されれば
、細胞は変化した表現型を持たない多数の細胞から単離される。当技術分野で公
知のように、これはいくつかの方法のいずれで行ってもよく、いくつかの場合で
はアッセイまたはスクリーニングに依存する。好適な単離技術としては、限定さ
れるものではないが、FACS、補体を用いる細胞溶解選択、細胞クローニング
、Fluorimagerによる走査、「生存」タンパク質の発現、細胞表面タンパク質ま たは物理的単離のために蛍光化または標識化可能なその他の分子の誘導発現、非
蛍光分子を蛍光分子に変化させる酵素の発現、増殖しないか増殖の遅いバックグ
ラウンドに対する過剰増殖、細胞死およびDNAもしくはその他の細胞活性指示
色素の単離が挙げられる。
【0145】 好ましい具体例では、変化した表現型を有する細胞から候補DP−タンパク質
をコードする候補核酸および/または候補DP−タンパク質を単離する。これは
いくつかの方法で行うことができる。好ましい具体例では、ベクター、または先
に定義されたレスキュー配列などの分子ライブラリーの特異な成分に共通するD
NA領域に相補的なプライマーを使用して候補DP−タンパク質をコードする固
有のランダム核酸を「救出(resucue)」する。あるいは、候補DP−タンパク質 に機能しうる形で連結されたレスキュー配列を用いて候補DP−タンパク質を単
離する(前記のように)。従って、例えば、エピトープタグを含んでなるレスキ
ュー配列または精製配列を使用して、免疫沈降またはアフィニティーカラムを用
いて生理活性剤を取り出すことができる。以下に概説されるように、このことは
また、生理活性剤と標的分子の間に十分強力な結合相互作用がある場合には第1
の標的分子を取り出す場合もある。あるいは、質量分析計を用いてペプチドを検
出してもよい。
【0146】 ひと度救出されれば、候補DP−タンパク質をコードする候補核酸の配列およ
び/または候補DP−タンパク質の配列が決定される。次ぎにこの情報はいくつ
かの方法で使用することができる。
【0147】 ゲノムライブラリーまたはcDNAライブラリーまたはそれから得たDNA断
片を本明細書に概説されるスクリーニング法に使用する場合には(例えば、それ
らを使用して候補DP−タンパク質をコードする場合には)、試験タンパク質を
コードする核酸配列は全長でないことが多く、例えば、核酸配列は完全な試験タ
ンパク質をコードしていない。本明細書において「全長」cDNA、遺伝子、m
RNA、RNAまたは文法上の同義語は、その対応する細胞の遺伝子座によりコ
ードされるように完全なタンパク質をコードするいずれかの核酸を意味する。完
全なタンパク質をコードする配列の他にも、全長cDNA、遺伝子、mRNAま
たはRNAは所望により5’および3’非翻訳核酸領域を含む。完全なタンパク
質は対応するmRNAの翻訳により組み込まれ、天然のタンパク質からはその後
排除され得るアミノ酸、例えば、分泌シグナルペプチド配列またはタンパク質ス
プライシングおよびタンパク質プロセッシングに関与する配列を含み得る。本明
細書において「全長タンパク質」または文法上の同義語は、全長cDNA、遺伝
子、RNAまたはmRNAによりコードされるタンパク質を意味する。当業者に
は理解されるであろうが、全長タンパク質は、限定されるものではないが、シグ
ナルペプチド切断、タンパク質スプライシング、タンパク質前駆体プロセッシン
グ、グリコシル化などをはじめとする翻訳後修飾を含み得る。従って、「部分c
DNA」、「部分遺伝子」、「部分mRNA」、「部分RNA」または「部分タ
ンパク質」または文法上の同義語は、全長cDNA、遺伝子、mRNA、RNA
またはタンパク質の断片に相当するcDNA、遺伝子、mRNA、RNAまたは
タンパク質を指す。従って、好ましい具体例では、救出された部分タンパク質の
決定された核酸配列情報を用いてDP−タンパク質の全長コード配列を単離する
。部分配列情報を用いる全長コード配列の単離および特性決定は当業界では十分
に公知である。
【0148】 好ましい具体例では、候補DP−タンパク質をコードする核酸またはその全長
型もしくは全長型の断片のいずれかもしくは候補DP−タンパク質の誘導体(以
下を参照)をコードする核酸を宿主細胞に再導入して、最初に観察された細胞の
変化した表現型を確認する。これらの細胞は最初のスクリーニング実験における
ものと同一であってもよいし、異なってもよい。このことはレトロウイルスを用
いて、あるいは標的細胞への非常に高レベルの取り込みを可能にするHIV−1
Tatタンパク質および類似体および関連タンパク質への融合物を用いて行うこ
とができる。例えば、Fawell et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:664-8(1
994)、Frankel and Pado, Cell 55:1189-93(1988)、Savion et al., J. Biol. C
hem. 256:1149-54(1981)、Derossi et al., J. Biol. Chem. 269:10444-50(1994
)およびBaldin et al., EMBO J. 9:1511-7(1990)を参照、これらすべては引用す
ることにより本明細書に組み入れられる。
【0149】 好ましい具体例では、組換えDP−タンパク質を作出し(以下にさらに概説さ
れるように)、また使用して標的細胞の表現型の変更を確実なものにする。これ
は、前記のように表現型の変更が第2または第3の複数の細胞において観察され
た場合には好ましい具体例である。すなわち、候補DP−タンパク質の作用はそ
の中でそれが作出された第1の細胞からのその分泌とそれに続く、第2の細胞(
すなわち、異なる細胞)上の細胞受容体への結合、または異なる手段による内部
移行とそれに続く第2の細胞内または細胞への作用の発揮に依存する。この具体
例では、組換えDP−タンパク質またはその誘導体を第2の細胞に対して提供し
、表現型の変更をモニターする。
【0150】 好ましい具体例では、DP−タンパク質またはその誘導体(本明細書では注目
されるタンパク質とも呼ばれる)をコードする核酸を使用してそれぞれの組換え
タンパク質を発現させる。ウイルスおよび非ウイルス発現ベクターをはじめとす
る種々の発現ベクターを作製することができ、これらは、限定されるものではな
いが、酵母、細菌、古細菌、真菌、昆虫細胞および哺乳類細胞をはじめとする動
物細胞をはじめ、種々の系における組換えタンパク質発現に有用である。
【0151】 また、注目されるタンパク質は、先に概説されたような融合パートナーへの融
合またはその他のタンパク質配列への融合をはじめとする融合タンパク質として
発現され得る。注目される組換えタンパク質は、注目されるタンパク質をコード
する核酸が(一般的には発現ベクターとして)導入されている宿主細胞を組換え
タンパク質の発現を誘導するかまたは引き起こす適当な条件下で培養することに
より産生される。
【0152】 好ましい具体例では、組換えタンパク質を発現の後に精製する。発現ベクター
の作出、融合タンパク質の作出、発現ベクターの宿主細胞への導入、宿主細胞に
おけるタンパク質発現および精製法をはじめとする組換えタンパク質発現に好適
な多くの方法が当業者に公知であり、例えば、以下のテキストに記載されている
:Ausubel et al., Short Protocols in Molecular Biology (John Wiley & Son
s, Inc., 1995);O'Reilly et al., Baculovirus Expression Vectors: A Labor
atory Manual (New York: Oxford University Press, 1994)、Kriegler, Gene T
ransfer and Expression: A Laboratory Manual(New York: Oxford University
Press, 1991)およびDeutscher, Guide to Protein Purification, Methods in E
nzymology Vol. 182(San Diego: Academic Press. Inc., 1990)。
【0153】 好ましい具体例では、DP−タンパク質またはそれをコードする核酸のいずれ
かを使用して標的分子、すなわちDP−タンパク質が相互作用する分子を同定す
る。当業者には理解されるであろうが、それにDP−タンパク質が結合し直接作
用する第1の標的分子があり、またDP−タンパク質から影響を受けるシグナル
伝達経路の一部である第2の標的分子があり得る。
【0154】 好ましい具体例では、DP−タンパク質を使用して標的分子を取り出す。例え
ば、本明細書で概説されるように、標的分子がタンパク質である場合にはDP−
タンパク質に機能し得る形で結合されたエピトープタグまたは精製配列の使用に
より生化学的手段[共免疫沈降、アフィニティーカラムなど、例えばDeutscher,
Guide to Protein Purification, Methods, Enzymology Vol. 182 (San Diego:
Academic Press, Inc., 1990)、Harris and Angal, Protein Purification Meth
ods: A Practical Approach (Oxford: IRL Press at Oxford University Press,
1994)、Harris and Angal, Protein Purification Applications: A Practical
Approach (Oxford: IRL Press at Oxford University Press, 1990)を参照]に より第1の標的分子の精製を可能にすることができる。あるいは、組換えDP−
タンパク質が細菌において発現され精製される場合には、標的細胞種のmRNA
から作出されたcDNA発現ライブラリーに対するプローブとして使用すること
ができる。または、DP−タンパク質を「おとり(bait)」タンパク質として(例
えば、定義された配列のDP−タンパク質をスクリーニングに使用して未知の結
合タンパク質を同定する場合)または「試験」タンパク質として(例えば、既知
のタンパク質をおとりとして使用して候補DP−タンパク質を含んでなる分子ラ
イブラリーをスクリーニングする場合)酵母または哺乳類二ハイブリッドまたは
三ハイブリッド系のいずれかにおいて使用することができる(例えば、Fields a
nd Song, Nature 340:245-6(1989)、Vasavada et al., Proc. Natl. Acad. Sci.
USA 88:10686-90(1991)、Fearon et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:795
8-62(1992)、Dang et al, Mol. Cell. Biol. 11:954-62(1991)、Chien et al.,
Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:9578-82(1991)、Luo et al., Bio/Techniques
22(2):350-352(1997)および米国特許第5,283,173号、第5,667, 973号、第5,468,614号、第5,525,490号および第5,63
7,463号を参照)。かかる相互作用クローニングのアプローチはDNA結合
タンパク質およびその他の相互作用タンパク質成分を単離するのに非常に有用で
ある。該DP−タンパク質は問題のシグナル伝達経路の上位関係を研究するため
の他の薬理学的アクチベーターと組み合わせてもよい。標識されたDP−タンパ
ク質またはその誘導体を合成で製造し、それを使用してバクテリオファージ、細
菌または真核細胞において発現されたcDNAライブラリーを、DP−タンパク
質またはその誘導体と結合するそれらのcDNAに関してスクリーニングするこ
とも可能である。さらに、レトロウイルスライブラリーによるcDNAクローニ
ングを使用してDP−タンパク質により誘導される作用を「補足する」ことも可
能である。かかる方法では、DP−タンパク質は特定のシグナル伝達経路に関す
るいくつかの重要な因子を化学量論的に滴定することが必要とされるであろう。
この分子または活性がcDNAライブラリー内からのcDNAの過剰発現により
補充される場合には、次いで標的をクローニングすることができる。同様に、前
記の酵母またはバクテリオファージ系のいずれかによりクローン化されたcDN
Aをこの方法で哺乳類細胞に再導入してペプチドが作用する系においてそれらが
確実に作用して機能を補足するようにできる。
【0155】 ひと度、第1の標的分子が同定および確認されれば、同様にして第1の標的を
「おとり」として使用して第2の標的分子を同定することができる。このように
して、シグナル伝達経路を解明することができる。同様に、第2の標的分子に特
異的な生理活性剤も発見でき、いくつかの生理活性剤を、例えば、組合せ治療の
ための単一経路に作用させることも可能となり得る。
【0156】 好ましい具体例では、組換えDP−タンパク質の分子ライブラリーをin vitro
結合アッセイに使用して、分泌された標的タンパク質、例えば、受容体、リガン
ド、酵素などに結合できるメンバーを同定する。
【0157】 一般に、本明細書の方法の好ましい具体例では、標的タンパク質(これは組換
えタンパク質または天然のタンパク質であり得る)が単離されたサンプル受容領
域を有する不溶性の支持体(例えば、マイクロタイタープレート、アレイなど)
に非拡散的に結合される。不溶性の支持体は、それに標的タンパク質が結合され
得るいずれの組成物からなってもよく、可溶性物質から容易に分離されるか、そ
うでなければスクリーニング法全体に適合するものである。かかる支持体の表面
は固体または多孔質であり、かつ、便宜ないずれの形状であってもよい。好適な
不溶性支持体の例としては、マイクロタイタープレート、アレイ、膜およびビー
ズが挙げられる。これらは、典型的にはガラス製、プラスチック(例えば、ポリ
スチレン)製、多糖類製、ナイロン製またはニロトセルロース製、テフロン(商
標)製などである。マイクロタイタープレートおよびアレイは、少量の試薬およ
びサンプルを用いて多数のアッセイを同時に実施できるので特に便利である。本
発明の試薬および方法全体に適合し、標的タンパク質の特性を維持し、かつ非拡
散性である限りは、標的タンパク質の特定の結合様式は決定的なものではない。
標的タンパク質は不溶性支持体に直接的に(例えば、架橋形成により)または間
接的に(例えば、抗体、その他のタンパク質または核酸などにより)結合され得
る。好ましい結合方法としては抗体(これは試験タンパク質のタンパク質間相互
作用面を立体的にブロックすることなく、好ましくは組換えおとりタンパク質に
組み込み得るタグポリペプチドに向けられる)の使用、「粘着性」またはイオン
性支持体への直接結合、化学的架橋形成などが挙げられる。標的タンパク質の結
合の後、洗浄することにより過剰の非結合物質を除去する。次いで、ウシ血清ア
ルブミン(BSA)、カゼインまたは他の無害のタンパク質とともにインキュベ
ーションすることによりサンプル受容領域をブロックすればよい。
【0158】 複数の組換えDP−タンパク質を含んでなる分子ライブラリーを結合アッセイに
加える。結合アッセイは最適結合を助長するいずれの温度でも行えるが、典型的
には4℃と40℃の間である。インキュベーション時間は最適結合に関して選択
されるが、高処理量スクリーニングを助長するようにも至適化される。典型的に
は、0.1と1時間の間で十分である。DP−タンパク質と標的タンパク質との
結合の測定は標識されたin vitroタンパク質−タンパク質結合アッセイ、電気泳
動にとる移動度シフトアッセイ(EMSA)、タンパク質結合の免疫アッセイ、
機能アッセイ(リン酸化アッセイなど)などをはじめとする広範な種類のアッセ
イを用いて行うことができる(例えば、Harlow and Lane, Antibodies: A Labor
atory Manual(New York, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1988)およびA
usubel et al., Short Protocols in Molecular Biology(John Wiley & Sons, I
nc., 1995) を参照)。
【0159】 本発明のスクリーニング法は広範な種類の条件下で多数の細胞種をスクリーニ
ングするのに有用であり得る。一般に、宿主細胞は病状に関与する細胞であり、
それらは通常、細胞に対して望ましくない結果をもたらす条件下で試験され、ま
たはスクリーニングされる。好適な生理活性剤が見出されると、望ましくない副
作用は軽減または排除され得る。あるいは、病状またはシグナル伝達経路に関係
する細胞機構を解明することを目的として、通常、望ましい結果が低下または排
除されてしまうことがあり得る。これらのスクリーニング法はPCT/US97
/01019に概説されており、引用することにより本明細書に組み入れられる
【0160】 以下、実施例を示し前記の発明を使用する方法をより十分に記載するが、これ
は本発明の種々の態様を実施しようとする最良の方法を示すものである。これら
の実施例は本発明の真の範囲を何ら制限するものではなく、例示の目的で提供さ
れるものであると理解される。本明細書で引用されるすべての参照文献は引用す
ることにより本明細書に組み入れられる。
【0161】
【実施例】
実施例1 過酷な条件下で認められる二量体を形成する新規なペプチド FinniganLCQイオントラップ質量分析計のエレクトロスプレー供給源へのE
FLIVKSアミドの3×10-4MpH6.4溶液の注入時に、このペプチドは
自己結合して、210℃の入口キャピラリー温度および過酷なエレクトロスプレ
ー条件で残存した後、ガス相において単量体分子量の正確に二倍で検出される二
量体(図3A)を形成すると考えられ、従って、水溶液中のかなり低い濃度で二
量体化すると予想される。また、このペプチドは約25%アセトニトリル中のp
H〜2.5のC18逆相カラムから溶出される場合にも二量体(これもまた質量
分析計で検出される)を形成する(図3B)。双方が連続的にエレクトロスプレ
ーインターフェースによりイオントラップ質量分析計に注入される場合に、図3
Aにおけるその二量体化を試験ペプチドSKVILFE(これは水溶液中で10 -13 Mの範囲において二量体を形成する(Bodenmuller et al., 前記))のものと
の比較から両ペプチドは同程度(10程度の因子内)二量体化するということが
示唆される。このことはEFLIVKSは極めて低濃度の水溶液中で二量体化し
得るということを示唆するものである。SKVILFEの二量体化からEFLI
VKSの二量体化を予測することはできないが、これは逆配列が生理活性ペプチ
ドの不活性制御手段として使用されることが多いからである。
【0162】 EFLIVKSアミドの全単結合fmoc合成からの粗合成産物の、エレクト
ロスプレーイオン化後に二量体化し得る短い配列に関するLC/MS実験が図4
に示されている。HPLC溶出は99.9%水−0.1%TFAから99.9%
アセトニトリル−0.1%TFAの勾配を用いた。括弧内のアセトニトリル率を
用いて質量分析計によって以下の末端切断型配列の二量体を検出した。すべてp
H〜2.5で、ピーク1:LIVKSアミド(23.5%)、単量体m/z=7
05.3、二量体m/z=1409.3、ピーク4:EFLIVKSアミド(2
5%)、単量体m/z=834.4、二量体m/z=1667.3、およびピー
ク5:EFLIVKアミド(32%)、単量体m/z=747.4、二量体m/
z=1493.1。これらの結果はN末端EFおよびC末端Sは二量体化を破壊
しなくても検出できることを示唆するものである。
【0163】 短いβシートを形成するよう設計されたペプチド、VSIKEFLの実験によ
り、イオントラップへのエレクトロスプレー後に質量分析計検出をともなうC1
8逆相カラムからの溶出時に単量体型(m/z=834.5)に加え、ペプチド
の二量体型(m/z=1667.5)が検出されることが示される。このことは
このペプチド(これは交互になった親水性および疎水性残基を含み、従ってβシ
ートを形成し得る)はまた安定な二量体を形成することができることを示唆する
ものである。
【0164】 実施例2 EFLIVKSは、試験18マーポリペプチドのNおよびC末端に付加された場
合、コンパクトなタンパク質分解耐性構造を形成することができる ペプチドEFLIVKSは、試験18マーポリペプチドのNおよびC末端の双
方に融合された場合、このポリペプチド(本明細書ではペプチド1とも呼ばれる
)のコンパクト構造を形成できる。18マーポリペプチド配列はVGTIVTM
EYRIDRTRSFVであり、オオムギc2−キモトリプシン阻害剤に由来す
る[Leatherbarrow and Salacinski, Biochemistry 30:10717−21(1991)]。Nお よびC末端システインを含むこのペプチドの類似体(両場合ともバリンが置換た
)は同様のコンパクト構造へ折りたたみ、オオムギキモトリプシン阻害剤−2に
存在するループとすると考えられる。かかるコンパクト構造はエラスターゼなど
のプロテアーゼの十分な基質ではないはずであり、実際、エラスターゼ、キモト
リプシンおよびサブチリシンの2つの変異体阻害剤として提案されている。本発
明者らはこのジスルフィドにより環化された類似体を合成し試験したが、実際、
それは十分なプロテアーゼ基質ではないが、それでもなお基質は阻害剤ではない
。直鎖状ペプチドCGTIVTMEYRIDRTRSFCはエラスターゼの完全
な基質であり、3時間のインキュベーション後に約15個のペプチド生じた(図
5A)。なお、タンパク質分解は逆相hplcと接続した質量分析計によるタン
パク質分解断片の検出および同定によりモニターする。2個のシステイン間にジ
スルフィド結合を有する同様のペプチドもまたエラスターゼの基質であるが、2
、3個のペプチド断片しか生じず、主要な最初の切断はチロシンの後で起こる( 図5B)。二量体形成剤EFLIVKSのNおよびC末端の双方での融合により
(EFLIVKS−VGTIVTMEYRIDRTRSFV−EFLIVKSア
ミド)、より高いタンパク質分解耐性の構築体が生じ(図5C)、約3時間後に
はタンパク質分解がほとんどなく、極めて微量のいくつかの異なる切断産物が残
るだけである。
【0165】 実施例3 ペプチド1の低エネルギーコンホマーの実験 ペプチド1のコンパクトな構築体の構造的性質を調べるために、Nilges et al
., Protein Engineering 2:27-38(1988)により公開されたものと同様の高温分子
力学をシミュレートしたアニーリングプロトコールにより、Discover9
5において実施されたように低エネルギーコンホマーを得た。構造体を2pse
c毎に(900Kで400psecないし1400psecまで持続する種々の
軌道から)採っておき、5psにわたって300Kに冷却して、距離依存性誘導
性定数(80ナでε=80ないし1ナでε=1間で直線的に変化する分離)を用い て最急降下アルゴリズムの200工程で極小化し、次いで、結合勾配アルゴリズ
ムを用いて必要とされるだけの工程で0.001kcal/A未満の極大誘導体
を得た。得られる低エネルギー構造体を回収し、 a)ペプチド1、オオムギキモトリプシン阻害剤1に存在するそのコンホメーシ
ョンから出発し[McPhalen and James, Biochemistry 26:261-269(1987)]、次い でDiscover2.9.5を用いて最小化し、延長コンホメーションから最
小化した2個の二量体形成剤と結合させた18マーのポリペプチド、 b)最後の構造体から出発しているが異なるdseedの使用により改変された軌道 を有する、a)における連続軌道から得られた構造体、 c)第3のdseedを用いるb)における連続軌道、 d)二量体形成剤が強制的に開始βシート構造となる以外はa)同様に始まる軌
道、 e)二量体形成剤が強制的に開始右回りαへリックスコンホメーションとなる以
外はa)同様に始まる軌道、 f)十分に伸長したペプチド1から始まる軌道 から始まる軌道と比較した。
【0166】 軌道a−fからの低エネルギー構造体のうち20kcal/モル以内のすべて
の構造体を回収して比較した。図6はペプチド主鎖の最小二乗整列後のすべての
軌道からの45個の最低エネルギー構造体全体を示す(ペプチド主鎖のみが示さ
れている)。すべての構造体は、個々に調べた場合にはコンパクトであると考え
られる。主鎖コンホメーションの実験により18マーのポリペプチドは種々の方
法で二量体形成剤の表面に折りたたまれることが示唆される。空間充填モデルに
より得られる低エネルギー構造は十分に充填されていることが示唆される。この
ことは18残基のようなポリペプチド長に関しては、これらの構築体のライブラ
リーは非常に小さいタンパク質またはコンパクト構造のライブラリーであり得る
ことを示唆する。相対的に小さいサイズのこれらのミニタンパク質は容易なnm
r構造決定、さらに、構造−活性関係の確立を可能にするはずである。また、こ
れらのコンパクトな低エネルギーコンホマーはエラスターゼに対してこの構築体
に観察された不活性と一致する。
【0167】 実施例4 コンパクト構造の形成を助けるのに必要な、ポリペプチドのNおよびC末端と結
合した折りたたみペプチドの親和性の評価 共有結合していない第2のペプチド配列に結合するペプチドの効力に関する非
常に高い親和性の厳密な要求とは違い、ここでコンパクト構造をなすための親和
性要求はあまり要求されない。高い親和性を有するペプチドは十分に作用できる
が、必ずしも必要ではない。第1の二量体形成剤(ポリペプチドから分離された
)から一定の距離にホモ二量体ペプチドの第2コピーを結合することにより、第
2の二量体形成剤の非常に高い局在濃度がもたらされる。この局在濃度の評価は
以下のように2つを結合する8マーのポリペプチドに関して得られ、直鎖状8マ
ーは約3ナ/残基×8残基または十分に伸長されている場合には24ナ長である。 従って、二量体形成剤の第2コピーからの距離の大まかな推定は20ナ以下の範
囲にあるであろうが、これはすべての(または実際のところ多くの)コンホメー
ションにおいてペプチドは十分には伸長していないからである。二量体形成剤の
第2の結合コピーを20ナずつ離して含む溶液は約0.2mMの有効な濃度を有
する。従って、この濃度の1/100すなわち2μMおよびそれ以下でホモまた
はヘテロ二量体を形成するペプチドはかかる二量体により99%環化される。従
って、2μMまたはそれ以下の結合定数(それ自身またはその二量体のパートナ
ーに関する)を有するホモまたはヘテロ二量体はいずれも環化ペプチドを99%
形成することができる。
【0168】 ペプチド1の最小化構造に基づき、二量体の第2コピーは、折りたたみペプチ
ドの間に挿入されるポリペプチドの折りたたみ状態によっては第1コピーに20
ナよりも有意に接近し得る。平均で10ナ離れているとすれば、その局在濃度はお よそ1.6mMであり、また16μM以下の自己結合定数を有する二量体形成剤
からは99%の環化ペプチドが得られる。
【0169】 実施例5 ペプチド構築体の合成 以下の物質は示された供給源から得た。保護N−αFmocアミノ酸誘導体は
Advanced ChemTech(Louisville, KY)から購入し、またジイソプロピルカルボジ イミド(DIC)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、2−(1
−H−ベンゾトリアゾール−1−イル)1,1,3,3−テトラメチルウロニウ
ムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、トリフルオロ酢酸(TFA)、N
,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、ピペリジン、チオアニソー
ル、エタンジチオールおよびアニソールなどのすべてのペプチド合成試薬はSigm
a(St.Louis, MO)から入手した。プレ配合Fmoc−Xaa−Wang樹脂およ びH−Pro−2−Cl−Trt樹脂(C末端Proペプチドを合成するための
)はNovabiochem(La Jolla, CA)から購入した。ジメチルホルムアミド(DMF )およびジクロロメタン(DCM)などの有機溶媒はFisher Scientific(Santa
Clara, CA)のものであり、これらは分析等級のものであった。
【0170】 二量体形成剤足場ペプチドを従来のFmoc化学に従って、Protein Technolo
gies Inc.,(Tucson, AZ)の自動化シンフォニー/マルチプレックス・マルチプル
ペプチド合成装置で合成した。カップリング(1.5時間/カップリング)および
脱保護(3×20分)工程の継続時間を若干改変して、存在する初期設定プログ
ラムにより高い収率の所望のペプチドを得られるようにした。樹脂混合物を攪拌
するための窒素ガスの適用速度を慎重に操作して樹脂ビーズと添加試薬を確実に
完全に混合させた。Ser、Thr、Glu、Asp、Tyrのt−ブチル(t Bu)、Gln、His、Asnのt(Trt)基、Lys、Trpのt−ブチ
ルオキシカルボニル(Boc)基などの標準のFmoc適合性側鎖保護基をそれ
ぞれのアミノ酸誘導体に使用した。同様に、2,2,4,6,7−ペンタメチル
ジヒドロベンゾフラン−5−スルホニル(Pbf)基をArgの側鎖保護として
利用した[Fields and Fields, Tetrahedron Lett. 34:6661(1993)]。DIC/H
OBt媒介性カップリング法[Fields and Noble, Int. J. Pept. Protein Res.
35:161-214(1990)、Hudson, J. Org. Chem. 53:617-624(1988)] を用いて、DM
FとDCMの混合物(50%、v/v)中の5倍過剰のFmoc保護αアミノ酸
を用いてカップリング反応を二度実施した。ある場合には(Arg、Hisおよ
びLysのカップリング)、反応を確実に完了させるためにアミノ酸の3個のカ
ップリングが実施され、また、困難な状態ではHBTU/HOBtカップリング
法を採用した[Knorr et al., Tetrahedron Lett. 30:1927-1930(1989)] 。未反 応のアミノ基をDMF中の50%の無水酢酸でキャップした。自動で配列あたり
5個のアミノ酸かカップリングさせた後、合成を一次停止させ、カップリング反
応の完了をKaiser試験により確認し[Kaiser et al., Anal. Biochem. 34:595-59
8(1970)]、さらに続行した。合成の最後に、DMF中の25%ピペラジンでN末
端のFmoc基を30分脱保護し、DCMとそれに続いて無水エタノールで樹脂
を十分に洗浄した。無水エタノールで十分に洗浄した後、TFA(82.5%)
フェノール(5%)チオアニソール(5%)/エタンジチオール(2.5%)/
水(5%)からなるキング切断反応混液(試薬K)を用いて周囲温度で3時間処
理することにより手動でペプチドを樹脂から切り離し、その際、すべての側鎖保
護も同時に除去した[King et al., Int. J. Pept. Protein Res. 36:255-266(19
90)]。切り離した後、これまでに記載されたように冷ジエチルエーテルを用いて
粗ペプチドを沈殿させ、その後沈殿物を水/アセトニトリル溶液可溶化させ、凍
結乾燥させた[Gururaja and Levine, peptide Res. 9:283−289(1996)]。
【0171】 保護カラム(10×50mm)に接続した半分取Rainin(Woburn, MA)D
ynamax60ナ逆相シアンカラム(10×250mm)を用いる逆相高性能
液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)(可変波長DAD検出器を備えるHew
lett-Packardモデル1100シリーズHPLCシステム; San Francisco, CA, U
SA)により凍結乾燥粗ペプチド抽出物を精製して均質なものにした。移動バッフ ァーはA:水中の0.1%TFAおよびB:アセトニトリル中の0.1%TFA からなる。これまでに記載されたように230および280nmでの二波長検出
モードを用いながら40分の0ないし40%バッファーBの直線勾配を使用して
、2.0ml分-1の流速でペプチドを溶出した(Gururaja and Levine, 前記)。
純粋なペプチドを含有する画分をプールし凍結乾燥させた。オンラインエレクト
ロスプレーイオン化質量分析(ESI−MS)技術によってすべての精製合成ペ
プチドの完全性および同一性を確認したが、ここではHPLCカラム出口は、標
準のESI源をを装備したFinniganLCQ質量分析計(San Jose, CA,USA)に直接
接続した。質量分析データは予測値とよく一致していた。LC/MSから判断し
て、nmr研究に使用したペプチドEFLIVKS−STKSIPPQS−EF
LIVKSは99%以上純粋であった。
【0172】 実施例6 質量分析で認められたペプチドの二量化 ペプチドを凍結乾燥させた白色粉末からpH5.0の水に溶解し、最も濃縮さ
れた保存液のpHを確認した。粗ペプチドを精製した時点でのペプチド二量体の
最初の観察の後、Finnigan(San Jose, CA)LCQ質量分析計を調整し、pH5.
0で二量体のシグナル強度を最適化した。最適パラメーターは、加熱した入口キ
ャピラリーが130ないし150C、電源ボルト数が4.0kV、キャピラリー
ボルト数が38v、チューブレンズオフセットが24v、シースガスが40ない
し80l/分および補助ガスが20l/分であった。すべての結合の測定は5な
いし1510μl/分の連続注入速度を用いて行った。二量体ペプチドの相対イ
オン流速をS(すべての二量体イオンの強度)/[S(すべての二量体イオン)
+Sすべての単量体イオン)](ナトリウム付加生成イオンが観察される場合に
はこれを含める)として算出した。
【0173】 両末端に自己結合性ペプチドを有する足場を構築するために、発明者らは提供
された自己結合性ペプチドホルモン、ニューロペプチド頭部アクチベーター(Bod
enmuller et al., 前記)の配列の一部の変形を試験した。いくつかの予備試験の
後、ペプチドの一部の逆配列を含む類似体をさらなる研究に使用した。この類似
体、EFLIVKS結合の化学量論を確立するために、エレクトロスプレー質量
分析法によって自己結合を調べた。結合研究のために質量分析計を二量体型のペ
プチドに対して調整した(図3を参照、データは示されていない)。三量体また
は四量体ペプチド結合の証拠は認められなかった。二量体の相対イオン流速を供
給源に注入されたペプチドの濃度に対してプロットすると、直行する双曲線によ
く一致する曲線が示された(データは示されていない)。この飽和可能な二量体
形成から7.8μMのEFLIVKSの見かけの結合定数が得られる。この配列 の種々の類似体(表1)を用いてこの実験を反復した。N末端gluのlysで
の置換は結合を大きく変化させることはなく、このことはこれらのペプチドは互
換的lys−glu相互作用の形成によって単純に二量化するのではないという
ことを示唆する。EEFLIVKKSを作出するためのgluおよびlysの付
加は自己結合親和性に見かけ上4倍の増加をもたらす。各残基を個々にアラニン
で置換して二量化を検討した。N末端gluおよびC末端serの置換は見かけ
の二量化定数にほとんど変化をもたらさず、他方、F2、L3、I4、V5およ
びK6のala置換は結合をそれぞれ5.4倍、9.7倍、5.4倍、10倍お
よび6倍以上弱めた。
【0174】 表1.質量分析法により測定された自己二量化定数
【表1】
【0175】 実施例7 ペプチド構築体によるエラスターゼの阻害 412nmで1ないし2分間の100μMのスクシニル−ala−ala−a
la−p−ニトロアニリドの切断に、25℃の0.1M Trisバッファー、
pH7.88中で100nMのブタ脾臓エラスターゼ(Sigma Chemical Co., St.
Louis, MO)の作用を続けた。アッセイ速度論はこの時間に間直線的であった。 1ないし1.5分間のエステラーゼをともなう10μMのペプチドのプレインキ ュベーションとそれに続く基質の添加に種々のペプチド構築体による阻害を続け
た。阻害率は[1−{アッセイ傾斜度(ペプチド+エラスターゼ)/アッセイ傾
斜度(エラスターゼ単独)}]×100%として算出した。これらのアッセイ条 件はLeatrherbarrow and salacinski前記により使用されるものと同一である。
【0176】 試験配列を拘束するために使用される、NおよびC末端ペプチド配列EFLIV
KS間へ挿入するための試験配列として、発明者らは18マーのCi2bプロテ
アーゼ阻害ループの配列の変形を選択した。この配列は非常に高い能力を有する
サブチリシン、キモトリプシンおよびエラスターゼの阻害剤であると報告されて
いる(Leatherbarrow and Salacinski、前記)。これを試験するために、発明者 らはジスルフィド環化型ならびにEFLIVKS拘束類似体の双方に関して報告
されたものと同一の条件下でエラスターゼの阻害をアッセイした。結果は表2に
示されている。500nMの濃度で、ジスルフィド環化ペプチド環[CGTIV
TMEYRIDRTRSFC]はブタ脾臓エラスターゼのわずかな阻害しか引き
起こさない、6.2%(n=3)。その報告された390pMの見かけの阻害定
数(Leatherbarrow and Salacinski、前記)ならびにアッセイに使用された基質の
濃度およびKmに基づいて、この推定阻害ペプチドが基質と拮抗的であると仮定
すると99.9%の阻害が推定される。また、天然の配列のNおよびC末端va lがシステインで置換された同じ18マーの配列もそのNおよびC末端に結合さ
れる種々の組合せの二量体形成ペプチドを用いて試験した。いずれもエラスター
ゼの有意な阻害をもたらさなかった(表2)。
【0177】 表2.ブタ脾臓エラスターゼのペプチド阻害
【表2】
【表3】 *412nmで観察された、基質として100μMのスク−ala−ala−al
a−p−ニトロアニリドを用いるpH7.88、25℃でのアッセイ 各値は3ないし5回の繰り返しから導かれている。** %として推定したもの=ペプチドが390pMを有するKiを有する阻害剤と 拮抗的であると仮定しての、100[阻害剤]/[阻害剤]+Ki(1+[基質 ]/Km)。
【0178】 実施例8 ペプチド構築体のエラスターゼ分解 種々のペプチドに対するエラスターゼの作用を調べるために、25℃の0.1
M Tris pH7.88に精製合成ペプチド(10μM)を溶解した。エラ
スターゼを100nMまで加えた。0、15分、1、2、3および24時間の時
点で、反応混合物のアリコートを0.1×25cmのC18逆相hplcカラム
(Vydac Inc., Hesperia CA)に注入した。100%A(99.9%H2O、0.1
%v/vのトリフルオロ酢酸)の勾配を用いて10分間、次いで60%BまでB
(99.9%アセトニトリル、0.1%トリフルオロ酢酸)の1%/分増加勾配
で、さらに100%までBの5%/分勾配を用いて反応混合物を溶出した。カラ
ムからFinniganLCQイオントラップ質量分析計の供給源へ直接溶出してペプチ
ドを調べた。MacBioSpec(PE-Sciex, Foster City, CAのはからいによ
り得た)を用いて、ペプチドを300ないし2000amuからスキャンし、全 長ペプチドの種々の断片の質量を用いてそれらの質量を調べること、または環状
ペプチドの場合にはそれらの質量を予想されるエラスターゼ分解断片の種々の質
量と比較することにより同定した。2mMのジチオスレイトール(Sigma)の存在 下、還元ペプチドCGTIVTMEYRIDRTRSFCのタンパク質分解を行
った。酸化ペプチドの切断産物を還元せずに直接クロマトグラフィーに付すか、
またはまずアリコートを1mMのPMSFで1時間、さらに30mMのDTTで
10分間処理した後にクロマトフラフィーに付した。
【0179】 環化[CGTIVTMEYRIDRTRSFC]の予想されるエラスターゼ阻害
活性の欠如に関して反応をさらに調べるために、および表1のいくつかのペプチ
ド構築体のエラスターゼ分解安定性を調べるために、発明者らは100nMのエ
ラスターゼとともに10μMの濃度で各ペプチドをpH7.8、25℃で3時間
インキュベートした。次いで、各々の反応混合物を微小口径C18逆相カラムに
よってクロマトグラフィーに付し、質量分析計を用いてペプチド断片を同定した
。続いて還元するか、または還元せずにのいずれかで環状ペプチド反応を試験し
た(データは示されていない)。直鎖状ペプチドCGTIVTMEYRIDRT RSFCはエラスターゼ分解に対し高い感受性があり、約11の種々の同定可能
ペプチドをもたらす(表3)。主切断はY9の後であり、付加的な切断はI4、
V5、T6、M7、T14およびF17の後であった。環状[CGTIVTME
YRIDRTRSFC]はその直鎖状類似体よりもよりも緩慢に切断されると考
えられ、3時間後で2、3の部位で、主にはY9の後、またM7、T14、およ
びF17の後でも切断された。
【0180】 EFLIVKSが両端に結合したCi2bループ18マーはエラスターゼによ
って相当な程度までは作用されず、3時間後で、はじめに認められたY16の後
で切断されただけであった。クロマトグラムにおいて認められた最も低いレベル
のピークは、エラスターゼを添加しなくても存在する主に合成夾雑物である。2
4時間後、十分なタンパク質分解が起こり、この構築体におけるさらなるエラス
ターゼ分解部位をV5、M14、T21、F27およびI29の後に割り当てた
。したがって切断は、直鎖状および環状ペプチドにおけるものと同じ残基の多く
で、しかしながらかなり減少した割合で起こった。
【0181】 表3.Ci2bループペプチドおよび類似体に由来するエラスターゼ分解ペプチ
ドの同定
【表4】
【表5】
【表6】 *ペプチド断片/観察された単一同位体質量/予想される単一同位体質量として 示されている。
【0182】 実施例9 拘束されたループペプチドを用いる重水素置換実験 注目されるペプチドをpH5の水に溶解し、このペプチドをt=0のD2Oに1
0倍希釈することにより重水素置換実験を行った。試験された最初の構築体に関
しては、D2Oに希釈後のペプチド濃度は10μMの範囲にあった。その他の時点 に関して、2.5倍容量以上の0℃または25℃の1%蟻酸を含む1:1H2O :MeCNの添加によってペプチド溶液のアリコートをクエンチし、直ちに質量
分析計に注入した。この酸性pH急変により溶媒でのアミド結合水素の置換速度 が緩和される。選択した時点に関して、はじめの2分の注入から得た質量を後の
2分ブロックのものと比較し、戻し置換の有意性を評価したが、これは通常1個
のプロトン以下であった。置換可能なプロトンの総数は1)まずペプチドをDM
SOに溶解し、それをD2Oへ直接希釈し、次いでクエンチし、数分後にペプチド
の新規質量を測定し、2)5%DMSOに溶解したペプチドをD2Oに10倍希釈
し、または3)D2Oに希釈したペプチドの溶液を100℃で15分間加熱するこ
とにより得た。DMSOを含めたが、これは予備実験において水性アリコートペ
プチドに加えた低レベルのものがプロトン置換を著しく促進すると考えられたか
らである。EFLIVKS−VGTIVTMEYRIDRTRSFV−EFLI
VKSを用いて3つの方法すべてを使用した場合に、それらから同様の結果が得
られた。置換された総プロトン数の算出には希釈後にD2O中に存在するH2Oの
容積により10%の補正が必要であった。1mM範囲において可溶性のペプチド
に関しては、pH5の10倍D2O溶液からのサンプルをクエンチせずに質量分 析計に直接注入した。重水素置換の速度定数および振幅は十分にプロトンを加え
た形態を超える質量増加の経時変化を一次指数関数に当てはめることにより導い
た。
【0183】 表面露出残基に関しては、ペプチドおよびタンパク質のアミド主鎖プロトンは
、それがタンパク質の内側にかくされている(および水に接触しにくい)、また
は安定な水素結合に関与している場合にはより緩慢に重水素水に置換される[Eng
lander et al., Protein Science 6:1101-1109(1997)]。質量分析法を使用して 種々の異なるタンパク質の水素置換機能が調べられており(最近の例としては、C
hung et al., Protein Science 6:1316-24(1997)およびSmith et al., J. Mass
Spectrometry 32:135:146(1997)を参照)、置換の遅いプロトンの存在を使用し て三次構造の存在が推定されている[McKnight et al., J. Mol. Biol. 12:126-3
4(1996)]。本明細書における重水素置換研究はpH5で行ったが、これは円二色
性により測定されるようにpH4.5以下では拘束されたループが構造を維持し
ないと考えられるからである(下記参照)。ペプチド二量体形成剤拘束Ci2b
ループペプチドのコンパクト性を調べるために、D2Oへの希釈液での重水素取 り込みの速度および化学量論を調べた。種々の異なる構築体の結果が表4に要約
されている。
【0184】 表4.拘束されたCi2bペプチド挿入部分およびその他のペプチド挿入部分1
重水素置換速度および振幅
【表7】
【表8】 1データは二量体形成剤−挿入部分−二量体形成剤の形のペプチドに関して示さ れており、この二量体形成剤の配列は、特に断りのない限りNおよびC末端で同
一である。2 18マーの標準挿入部分はCi2b配列、−VGTIVTMEYRIDRTRS
FV−である。3 高速相振幅は最も早い置換データに関して算出されており、これはほとんど約 1時間で達成される。
【0185】 構築体EFLIVKS−VGTIVTMEYRIDRTRSFV−EFLIV
KS−アミドのプロトンの重水素置換の動力学を測定した(データは示されてい
ない)。合計66.5Daを完全なプロトン置換に対するペプチドの時間0質量
として加えた。このpHで水に曝される場合には高速相プロトン置換では、29
個のプロトンが置換され、およそ33個の側鎖NおよびC末端プロトンが迅速に
置換可能になると予測される。さらに16個のプロトンが、速度定数が0.05
4時間−1の中速で置換された。ここではこの時間規模で観察可能なものよりも
さらにより置換が遅い推定される21個のプロトンが残った。両クラスのプロト
ンはEFLIVKSで見られるものと同一の隣接するものからとられた、表面露
出プロトンに関して測定されるよりも緩慢な速度で置換される[Bai et al., Pro
teins: Structure, Function and Genetics 67:75-86(1993)]。これらの制御プ ロトンはpH5で6ないし60時間-1の範囲の速度定数で重水素と置換した。同
様の結果が18マーの挿入部分の同一の末端に結合された逆向きの二量体形成剤
の配列を用いて得られた。また、この18マーの挿入部分を用いて、挿入部分の
両末端に結合された見かけ上より有効な二量体形成剤(表3)、EEFLIVK
KSを用いて同様の結果が得られた。この場合には70個の置換可能プロトンの
うち39個が1時間以内に重水素で置換され、8個のプロトンがの0.15時間
−1の速度定数で置換され、残る23個のプロトンはこれよりも置換が遅かった
。この類似体における合計31個の置換の遅いプロトンは親ペプチドにおける3
7個のプロトンよりも幾分少なく、このことは2個の構築体間の構造におけるい
くつかの微妙な変化を示唆する。ペプチドの可溶性を高めるよう設計された、親
ペプチドのN末端にlys6−gly4−が結合したペプチド類似体に関しては、
約5個のプロトンを除くすべてが1時間以内に置換された。従って、このN末端
結合は構造を不安定化するか、または少なくともより動きやすくする。
【0186】 通常、このペプチドの4番目の位置のイソロイシンの側鎖は高温分子力学軌道
(下記参照)から得られる低エネルギーコンホマーにあり、折りたたまれたペプ
チドにかくされていると考えられた。従って、発明者らは各二量体形成剤におい
て4番目の位置での単一の点突然変異を作出し(EFLKVKSの作出)、重水
素置換によって18マー挿入部分構造に対するこの突然変異の作用を調べた。こ
の突然変異が構造をかなり崩壊させた場合には置換の遅いプロトンの数が減るで
あろう。重水素置換速度論を調べたところ、1個を除くすべてのプロトンが1時
間以内に置換された。
【0187】 また、発明者らはEFLIVKSまたはその類似体がそれらの挿入部分の両
末端に結合される場合のペプチド全体の置換速度論に関してCi2bとは異なる
挿入配列の作用も調べた。1つの挿入部分STKSIPPQSはプロテアーゼ阻
害剤環[CTKSIPPQC]の類似体に相当した[Gariani and Leatherbarrow
, J. Peptide Res. 49:467-75(1997)]。この短い構築体は36個の置換可能なプ
ロトンを有しており、加熱された場合にはそのうち33個が1時間以内に置換さ
れた。従って、このペプチドが折りたたみ構造を有する場合にはわずか2、3の
置換の遅いプロトンしか含まない。第2の挿入部分は抗フラッグ抗体に対してエ
ピトープの結合が可能となるようその柔軟性を高めるために両末端を4個のグリ
シンによりフランクされたフラッグエピトープタグ、DYKDDDDKを含んで
いた。これをN末端でMGEFLIVKS−に、またC末端で−EFLIVKS
GPPに結合した。このペプチドは36個の置換可能なプロトンを有しており、
このうち35個が1時間以内に置換された。同様の構築体も7個のグリシンの存
在によりいくらか柔軟であると予想され、インフルエンザ血球凝集素エピトープ
タグ置換性フラッグタグを用いて合成した。すべてのプロトンが約1時間以内重
水素に置換される。従って、より短い挿入配列、または挿入部分を柔軟にさせる
両末端の多数のグリシンを有する挿入部分は置換の遅いプロトンを有していなか
った。
【0188】 実施例10 ペプチド構築体のモデル 置換の遅いプロトンを有するこれまでに調べたペプチド二量体形成構築体には
ミリモル範囲で可溶性であるものはなく、従って、nmrによる構造決定は容易
には達成されなかった。円二色性から得られる二次構造含量に大まかに匹敵し得
る、選択される構造の作用モデルを得るために、発明者らは高温分子力学を使用
してコンホマーを作出し[Brooks, Chem. Scripta 29A:165-169(1989)、Bruccole
n and Karplus, Biopolymers 29:1847-62(1990)、Auffinger and Wipff, J. Com
put. Chem. 11:190(1990)]、それに次ぐ最小化により種々のコンホマーをエネル
ギー順に並べた。次いで、最も低い5ないし7kcal/モルエネルギーバンド
幅のコンホマーを比較する。この「クエンチした分子力学」という方法は腫瘍表
面オクタペプチドおよび種々のタンパク質のペプチド断片(Brooks,前記)、ツフ
シン(tuftsin)およびその環状類似体[O'Connor et al., J. Med. Chem. 35:2870
-81(1992)」、ならびに直鎖状および環状メラノトロピン[Al-Obeidi et al., J.
Peptide Res. 51:420-31(1998)]に適用されている。また、このアプローチは抗 体の超可変性ループ中の70残基などのより大きな系に適用されているが[Brucc
oleri and Karplus, Biopolymers 29:1847-62(1990)]、かかる大きな系のための
完全なコンホメーションの適用範囲を提供する十分なコンホマーは作出されてい
ない[Dill, Biochemistry 24:1501-9(1985)]。従って、このアプローチは32マ
ーに適用される場合には、2、3個の予想される低エネルギーコンホマーの試験
のみが可能で、折りたたみ全体の大まかな知見しか得られない。しかしながら、
環状18マーまたは2つの直鎖状7マーペプチドに関しては、コンホメーション
空間のより意味のある適用範囲を与える。
【0189】 発明者らはこの方法論をまずジスルフィド結合拘束環状18マーペプチド、環
状[CGTIVTMEYRIDRTRSFC]に適用した(これはエラスターゼ
および他のプロテアーゼの準nM阻害剤であると考えられている)(Leatherbarr
ow and salacinski、前記)。Ci2bと同様の能力を有する阻害剤であろう環 状ペプチドに関しては、おそらくCi2bの阻害剤ループと同様の構造および剛
性を有する低いエネルギーコンホマーを有しているはずである。その遊離型にお
いておよびそのサブチリシンノボとの複合体[McPhalen and James, Biochemistr
y 26:261-9(1987)]においては、阻害剤ループの主鎖全体はほぼ平面であり、R 65、R67およびF69側鎖がループの内部を占めている。サブチリシン結合
部位に合体する端は変則的なβシートであり、I56、T58、M59およびY
61の側鎖は溶液または結合された複合体中のサブチリシンの中に伸びており、
M59の側鎖はサブチリシンに合体される場合には溶液構造から著しく曲がって
いる。この環状ペプチドの天然ループの構造および極小化コンホマーのエネルギ
ー分布(2つの軌道、5.4ns、2700構造)を測定した(データは示され
てない)。それは、これまでに環状メラノトロピン類似体に関して示されている
ように[Al-Obeidi et al.,前記)ほぼガウスのものである。環状ペプチド模倣ル
ープに関して見られる低エネルギーコンホマーは天然の阻害剤ループよりも有意
によりコンパクトで、かつ、球形であると考えられ(データは示されていない) 、それらはそれぞれ6.22、6.12、5.46、6.31、5.72、5.
69および5.64ナの18マー阻害剤ループからの主鎖原子根平均二乗変位を
有している。サブチリシン接触領域の多くを形成し、阻害剤ループの反応部位(
mettないしglu8)を取り囲む残基3ないし10は、それぞれ5.65、
6.40、3.95、5.54、5.20、5.07および4.59ナの天然ル
ープ中の同一残基からの重原子根平均二乗変位を有している。さらに、これら低
エネルギーコンホマーのいずれにおいても、R65、R67およびF69の側鎖 はループ領域の内側にかくされていない。これらの結果は、Ci2bの阻害ルー
プと比較した場合、低エネルギーコンホマーの著しく異なる構造と一致する。こ
れらの相当な構造の違いは、この環状18マーを用いてエラスターゼの阻害を観
察できないことと一致する。
【0190】 発明者らは次に二量体化した場合のEFLIVKSの低エネルギーコンホマー
を見出すためにクエンチした分子力学を適用した。これらのガス相算出は質量分
析法によって認められたペプチド二量体の低エネルギー形と特に関連し得る。コ
ンホメーション研究の開始に先立って、ペプチド二量体はガス相において2つの
ペプチドをそれらの質量のほぼ中心でつなぐか、または種々の平行および非平行
開始配置(方法項を参照)をともに結合することによって構築する。5250個
の極小化構造および10.5nsを包含する合計7個の軌道を作動させ、(デー
タは示されていない)、また、すべての軌道からの最も低い7kcal/モルの
エネルギーバンド幅を包含する、14個の最低エネルギーの二量体の主鎖オーバ
ーレイを実施した(データは示されていない)。これはペプチド二量体形成剤の
1つのすべての主鎖原子の最少平方重ね合わせにより作出した。両ペプチドとも
ターンコンホメーションに適合すると考えられるが、二量体間軸をはさんで対称
にはない。
【0191】 14個の最低エネルギーのコンホマーのクラスターグラフ(これで各コンホマー
の主鎖原子をあらゆるその他のコンホマーのものと比較する)に加え、RMSD変位
(A)を作出した(データは示されていない)。それらのRMSD差が0ないし
1ナ範囲にあれば2個のコンホマーは最も類似する。低エネルギーコンホマーの
1つの主なファミリーおよびいくつかの他の独特のコンホメーションがあると考
えられる(データは示されていない)。すべてのペプチドに関して、それのシミ
ュレーションでは荷電される第1のペプチドのNおよびC末端の双方は、二量体
の第2のペプチドのNおよびC末端に接近していると考えられる。各ペプチドは
2個の酸性および2個の塩基性基を有するので、いくつかの異なる二量体間イオ
ン対が起こり得る。14個の低エネルギーコンホマーのすべてにおいてすべての
あり得る二量体間イオン対の距離を調べることにより最も安定なイオン対がa)
ペプチド1:ペプチド2のN末端:glu1:側鎖カルボン酸塩、b)ペプチド
1:ペプチド2のlys6ε−アミノ:glu1:側鎖カルボン酸塩、およびc
)ペプチド2:ペプチド1のC末端:lys6:ε−アミンであるということが
示唆される。両ペプチドともそれら自身のNおよびC末端間でもいく分か安定な
分子内イオン対を形成する。
【0192】 また、クエンチした分子力学を使用して両端でEFLIVKSが結合したCi
2b18マー試験挿入部分の低エネルギー構造を調べた(データは示されていな
い)。このペプチドはエラスターゼに対して相対的に不活性であり、置換の遅い
37個のプロトンを有しており、質量分析計により観察される場合には高次凝集
の形跡は示さない(データは示されていない)。12.3nsの力学軌道から合
計6900個の種々の構造を集めた。これらの構造をガウス分布に分類した(デ
ータは示されていない)。2個のコンホマーは他のすべてよりも少なくとも7k
cal/モル低かった(データは示されていない)。両コンホマーはコンパクト
で、かつ、球状であると考えられ、これは前記の他の実験結果と一致する。前記
でEFLIVKS二量体を用いて模擬実験を行ったように、18マー挿入部分に
結合した各末端EFLIVKSがターンを形成し、そのNおよびC末端は3.8
ないし4.3ナ内にあると考えられる。しかしながら、EFLIVKS二量体の
構造とは違い、ここでは18マー挿入部分に結合されているそれらの第2末端は
分子の中心にループを描いて戻ることはなく、その代わりに2個のコンホマーに
おいて11.5ないし15ナ離れている。この距離は天然のCi2b構造におけ
る適合距離(4.1ナ)、および環状ペプチド低エネルギーコンホマーにおける
適合距離(平均で6.88ナ)よりも有意に大きく、このことは少なくともこの
挿入部分を有する二量体形成剤ペプチドはかなり広い基部を有する「ループ」を
形成するということを示唆する。18マーの挿入部分もかなりの割合のターン構
造を含むと考えられ、これは円二色性測定値に一致する。
【0193】 実施例11 ペプチド構築体に対する円二色性研究、NMR測定およびペプチドコンホメーシ
ョン調査 円二色性測定 ペルティエ温度制御装置を装備したAVIV 62A DS CD分光偏光計(L
akewood, NJ, USA)にCDスペクトルを記録した。NeslabCFT−33冷却再循 環水浴を用いて機器の温度を終始20℃以下に維持した。製造業者の推奨に従い
、(+)−10−カンフォールスルホン酸のアンモニウム塩で装置を定期的に補
正した。25℃で時定数1sを用いて250と195nmの間を0.2nm間隔
でスペクトルを記録した。5個の個別スキャンからのデータを集め、IBM P
S/2コンピューターを用いて平均した。アミノ酸解析によって決定された0.
02ないし0.05mMの濃度のサンプルを用いるスペクトル範囲に関しては、
路長0.1cmの円筒形石英セルを使用した。ペプチド保存溶液(1mM)は、
特に断りのない限りpH7.5の100mMKFを含有する10mMKPO4バ ッファーに作製した。pH滴定実験用には、ペプチド保存溶液に加える前に0.
1MHClか0.1MNaOHのいずれかを用いて、バッファーのpHを所望の
値に慎重に調整した。deg.cm2.dmol-1での平均残基楕円率(MRE )を方程式から得た。 MRE(λ)=−(λ)/10lcn {式中、−(λ)は波長λにおける楕円度(°)、lは路長(cm)、cは濃度
(M)およびnはペプチド/タンパク質中の残基数[Schmidt, in Protein Struc
ture:A Practical Approach, IRL Press, new York, pp251-285(1989)]である}
。これまでに記載されるように、個々の実験から集めた生データをASCII書式
に変換しMicrosoft Excelソフトウェアパッケージを用いてプロットを作製した[
Gururaja and levine, Peptide Res. 9:283-289(1996)] 。熱変性データはpH 7.5の100mMKFを含有する10mMKPO4バッファー中に20μMの ペプチドを含有するサンプルに対して採った。220nmで4ないし98℃の範
囲にわたって温度刻み幅2℃および2分の平衡化時間ならびに60sのシグナル
平均化時間を用いて熱変性を測定した。見かけのTmをT-1に関する220nm
でのCDシグナルの第1誘導体の最大値として算出した。CDスペクトルをプロ
グラム?を用いて脱回旋(deconvolute)した。CDスペクトルをプログラムDi chroprot v.2.4を用いて脱回旋したが、これはJohnson種々の選 抜法を使用するものである。
【0194】 NMR測定 NMR実験用の、D2O(99.96%D)およびDCl(99.5%D)などのす
べての重水素を含む溶媒はCambridge Isotope Laboratories (Andover, MA)から
購入した。サンプル(〜1mM)は合成ペプチドを0.7mlのH2O:D2O9
0:10(v/v)または100%D2Oに溶解することにより調整した。水中 のサンプルはHPLC精製したペプチドを溶解することにより調整し、HClま
たはDClでpH4.0に調整した。すべてのpH値は室温で測定し、本明細書
で報告される値は見かけのpH値であり、これは重水素同位元素作用について補
正しなかった。内部化学シフト標準としてはTSP[3(トリメチルシリル)2
,2,3,3−d4−プロピオン酸ナトリウム塩]を使用した。
【0195】1 H−NMR実験はこれまでに記載されたように、25℃でSunsparcstation5を
装備したVarian Unity INOVA−500スペクトロメーターで実施した[Naga
nagowda et al., J. Biomol. Struct. Dynam. 16:91-107(1998)]。二次元二倍量
子フィルター相関スペクトロスコピー(DQF−COSY)[Rance et al., Bio
chem. Biophys. Res. Commun. 117:479-485(1983)]、総相関スペクトロスコピー
(TOCSY)[Bax and Davis, J. Magn. Reson. 65:355-360(1985)]、回転構 造オーバーハウザー増強型スペクトロスコピー(ROESY)[Bothmer-By et a
l., J. Am. Chem. Soc. 106:811-813(1984)]および核オーバーハウザー増強型ス
ペクトロスコピー(NOESY)[Macura and Ernst, Mol. Phys. 41:95-117(19
80)]実験は多元法[States et al., J. Magn. Reson., 48:286-292(1982)]を使用
してt1次元における求積検出を用いる純粋相吸着法で行った。担体を水共鳴に 置き、緩和延期(1.5ないし2.5s)の際のおよびNOESY実験における
混合時間の際の水の照射を可能にした。TOCSYスペクトルに関しては、50
ないし85msのスピンロック時間を用いてMLEV−17配列を使用した。R
OESY実験に関しては、200と250msのスピンロック時間を使用し、他
方NOESYに関しては200と300msの混合時間を使用した。H2Oにお ける1H−NMRスペクトルは両次元で5400Hzのスペクトル幅を有してい た。D2O溶媒では、アミドプロトンの完全な置換後に両次元においてスペクト ル幅を3000Hzに縮小させることによりスペクトルを記録した。256また
は512t1増分は1024または2048の大きさのデータ点を用いて獲得し た。サンプルをD2Oに溶解し、直ちに1DおよびTOCSYスペクトルを記録 することにより、置換の遅いアミドプロトンを同定した。アミドプロトンの温度
係数測定に関しては、25および50℃の間を5℃刻み幅で1DおよびTOCS
Y実験を実施した。典型的にはDQF−COSYおよびTOCSYスペクトルに
関しては16個または32個のスキャンを、ROESYおよびNOESYスペク
トルに関しては64個のスキャンを集めた。フーリエ変換の前に、遊離誘導崩壊
(FID)は両次元において一度補充されゼロであった。DQF−COSYスペ
クトルの処理に関しては、両次元において90°シフトした二乗したサインベル
電磁窓関数を使用し、他方TOCSY、ROESYおよびNOESYスペクトル
に関しては、90°および45°シフトした二乗したサインベル電磁総関数を用
いてデータを個別に処理した。
【0196】 構造決定のために、水における200msの混合時間で得た2D−NOESY
スペクトルにおけるNOE交差ピーク強度から1H−1H距離を推定した。交差ピ
ーク容量を比較することによりプロトン間距離の範囲を算出し、距離配置計算値
に関して3つの分類、1.8ないし2.5ナ(強)、2.5ないし3.5ナ(中) 、および3.5ないし5.0ナ(弱)に類別した。NMR研究から各残基のビシ
ナルカップリング定数3NH-COHを得、これを使用してKarplus関係により可能性
あるねじれ角を推定した[Karplus, J. Chem. Phys. 30:11-15(1959)]、3NH-CO H =Acos2θ―Bcosθ+C(式中、θ=1φ―60°)。Pardi et al., J
. Mol. Biol. 180:741-751(1984)により提示される A、BおよびC定数は、そ れぞれ6.4、1.4および1.9の値である。コンホメーションのデータを得
るために使用される技術は、他の場合に非常に詳細に論じられているように、も
っぱら便宜に要約される。NMR技術に基づくコンホメーション図は単に高い磁
場強度で得られる二次元NMRデータを用いるポリペプチド鎖沿いのねじれ角の
測定を基にしている。さらに、共有結合によりカップリングされているプロトン
を割り当てるためにTOCSY実験を実施した。逐次割り当て、例えばHα(i
)−NH(i+1)はNOESYおよびROESY実験を基にしており、それで
は空間的に極めて接近したプロトン間に相関関係が認められており、それがまた
コンホメーションの指標でもある。
【0197】 ペプチドコンホメーション研究 種々のペプチド構築体の低エネルギーコンホマーを以下のように作出した。I
nsightII95.0(Molecular Simulations Ins., San Diego, CA)および cff91力場[Maple et al., J. Comp. Chem. 15:162-182(1994)]を用いてペ プチド構築体の明確な原子モデルを構築した。N末端アミンおよびC末端カルボ
ン酸塩に加え、十分にイオン化されたlys、arg、aspおよびgluを有
する双極性イオンとしてペプチドを設計した。直線距離依存性遊離体定数を使用
して水性溶媒環境および対イオン遮断の作用をシミュレートした。1fsの時間
刻み幅を用いるverietアルゴリズム[Verlet, Phys. Rev. 159:98-103(1967)]を 使用して挙動の方程式を積分したが、これはDiscover2.9.7の初期
設定互徐アルゴリズムとして実行した。非共有結合の相互作用に関しては15A
カットオフを使用した。5kcal/mol/rad2のねじれ抑制力を用いて 高温でのトランス型コンホメーションのためにペプチド結合を制限した。力学プ
ロトコールでは、Mackay et al.により書かれたプログラム[Mackey et al., in
Prediction of Protein Structure and the Principles of Protein Conformati
on,(Fasman, ed; New York, Plenum Press) pp317-358(1989)]を改変したものに
基づいて、まず300工程の最急降下および1000工程または必要とされる共
役勾配極小化と同数の工程を用いて、開始ペプチド構造を極小化し、その結果最
大エネルギー誘導体を0.1kcal/A未満として分子の構築の際に作出され る高エネルギー構造を除去した。dseed変数を用いてペプチド原子をランダムな 初速度に割り当て、ペプチドを900Kまで2psにわたって加熱した。400
psないし3nsに変化する時間の間個々の軌跡を持続させ、続く極小化のため に1ないし2ps毎に個々の構築体を集めた。各々のためられた構築体を900
Kで50fs間平衡にさせ、5psにわたって300Kに冷却し、300工程の
最急降下アルゴリズムを用いて、次いで必要とされるだけの工程を用いるFle
tcher−Reeves共役勾配極小化により極小化して最大エネルギー誘導
体を0.001kcal/モル/A未満とした。個々におけるコンホマー数に対
する極小化された総エネルギー、5kcal/モル電磁窓を各々のペプチドに関
してプロットした。極小エネルギー[O'Connor et al., J. Med. Chem. 35:2870-
81(1992)]を超える最低5kcal/モル電磁窓のコンホマーをさらなる解析の ために選択した。
【0198】 種々のペプチドの開始構造を以下のように得た。二量体化EFLIVKSに関
しては、延長構造を約7A離れたile4のCy1を有する、並行型または非平
行型に並べ、4個の異なる開始構造を得た。両ペプチドのile4のCy1間の
距離が1.5ないし12Aの範囲外にある場合には2つの延長構造(平行型およ
び非平行型)は100kcal/モルのエネルギー減を伴ってつながった。推定
のプロテアーゼ阻害剤である環状[CGTIVTMEYRIDRTRSFC]に 関しては、最初の構造は右回りのαへリックスとβシートの混合物であり、2個
の末端システイン間にジスルフィド結合が形成できている。第2の試験は第1の
構造を部分的に極小化したものを用いて開始した。
【0199】 ペプチド二量体により拘束された構築体EFLIVKS−VGTIVTMEY
RIDRTRSFV−EFLIVKSに関しては、いくつかの異なる開始構造を
使用した。あるものは18マーの挿入部分であるCi2bを基にした構造(PD
Bファイル2CI2)から開始し、これは結晶構造から阻害剤ループ以外のすべ
ての残基を除去し、個々の残基を変化させることにより誘導してLeatherbarrow
and Salacinski(前記)に報告された18マーの配列を得た。延長されたコンホ
メーション中のEFLIVKSをペプチドの両末端に結合させて得られる構築体
を前記のように極小化した。第2の構造はβシートとして18マーのCi2b挿
入部分の両末端に結合されたEFLIVKSから開始した。第3は右回りのαへ
リックスとして18マーのCi2b挿入部分の両末端に結合されたEFLIVK
Sから開始した。第4は全構築体の延長したコンホメーションから開始し、第5
は異なる部分的に延長されたコンホメーションから開始した。第6試験は全構築
体をβシートとして用いて開始した。
【0200】 本明細書で研究されるペプチドは中性または中性付近のpHでnmr構造決定
に必要とされるミリモル範囲よりもかなり低いレベルで可溶性であるので、発明
者らは円二色性(CD)を用いてそれらの溶液構造を調べた。円二色性測定はペ
プチドとタンパク質双方の二次構造に対して感受性があり、双方のコンホメーシ
ョンを調べるために広く使用されている[Bloemendal and Johnson, Pharm. Biot
echnol. 7:65-100(1995)、Woody, Methods Enzymol. 246:34-71(1995)、Greenfi
eld, Anal. Biochem. 235:1-10(1996)]。本明細書ではこれらの測定値を使用し てpH依存性の二次構造形成および安定性を調べて種々の二量体形成剤の挿入構 造の作用を比較し、二量体形成剤における変異の作用を調べ、二量体形成剤によ
り拘束されたループの構造全体に対する種々の挿入配列の作用を考察した。これ
らの測定値をタンパク質分解の感受性、重水素置換の測定値、およびコンホメー
ション研究の結果と組み合わせれば、構造全体および本明細書で調べられるミニ
ループの折りたたみに関する情報が得られる。
【0201】 EFLIVKSにより二量体化される9マーの挿入部分 調べた第1の挿入部分はEFLIVKS−STKSIPPQS−EFLIVK
Sであった。9マーの挿入部分はプロテアーゼ阻害剤、環状[CTKSIPPQ C](Gariani and Leatherbarrow、前記)の類似体に相当する。CDスペクトルを
pH3.5ないし8.5の間記録した(データは示されていない)。二次構造の pH依存性転移が認められた。pH3.5で、201nmで顕著な極小を示す二次
構造が認められた。これは195ないし197nmのランダムコイルの予測され
る極小[Greenfield and Fasman, Biochemistry 8:4108-4116(1969)]に近いもの であり、また、スペクトルの形も短いペプチドで観察される1型βターンのもの
と同様である[Perczel et al., Int. J. Peptide Protein Res. 41:223-236(199
3)]。
【0202】 低pH構造の1H−NMR実験 このCDスペクトルが所定の条件下でいくつかの他の挿入部分を用いて認めら
れ、またこのペプチドは低いpHでかなり可溶性であったので、発明者らはnm
rを用いてこの構造を調べた。9マーの挿入部分の水における1H−NMRスペ クトルの共鳴割り当ては標準配列割り当て法[Wuthrich, in NMR of Proteins an
d Nucleic Acids, New York, Wiley-Interscience, pp 166ff (1986)]によって 行った。1H共鳴の割り当ては2D−TOCSYと2D−NDEスペクトルの組 合せ解析により達成した。また、種々の温度(25ないし50℃)で2D−TO
CSYスペクトルを記録して明確は割り当てのために重複結合を解き、また、こ
れを使用してNH化学シフトの温度係数を決定した。水のシグナル(90%H2 Oにおける)にかくされた共鳴は100%D2Oにおけるスペクトルを記録する ことにより割り当てた。割り当てられたすべてのプロトンの化学シフトが表5に
挙げられている。NH化学シフトの温度係数、アミド基の1H/2H置換速度、J NH-COH 値および特有の強い、中程度のおよび弱いNOE係数のセットを基準とし
て使用してペプチドが水溶液中でいずれかの好ましい主鎖コンホメーションを有
するかどうかを調べた。
【0203】 すべてのアミド共鳴の温度係数は=0.004ppmK-1であることが分かり
(データは示されていない)、このことは主鎖のNH基は溶媒に曝されており、 いずれの分子内水素結合相互作用にも関与していないということを示唆する。す
べての主鎖アミド共鳴に認められた高速1H/2H置換速度はアミド基はいずれの
分子内水素結合にも関与していないということのさらなる証拠を示す。いくつか
の観察可能なdNNNOE相互作用もない中での、強いdα N(i,i-1)および弱いd α N(i,i) NOEが行き渡っていることおよび弱いおよび中程度のdβ N(i,i)およ
びdαβ (i,i)NOEの連続的な広がりは、φ、φ空間[Rance et al., Biochem.
Biophys. Res. Commun. 117:479-485(1983)、Pardi et al., J. Mol. Biol. 18
0:741-751(1984)]の折りたたまれていない延長された領域では主鎖の上反角が優
勢であるということを示す。表5に示されたJNH-COH値はSer−7を除くすべ
ての残基に関して6.5ないし8.4Hzの範囲にある。規則的なβ鎖に関して
は、JNH-COHは〜9Hzであると予測され、他方αへリックスに関しては、それ
は〜4.0Hzである[Rance et al., Biochem. Biophys. Res. Commun. 117:47
9-485(1983)、Pardi et al., J. Mol. Biol. 180:741-751(1984)]。このペプチ ドに関して観察された6.5ないし8.4Hzのカップリング定数は、規則的な
ヘリックス領域を越えるφ値に匹敵するコンホメーションエネルギーを有する折
りたたまれていない非水素結合で結合されたコンホメーションの集団の存在を示
唆する。ひとまとめにすると、NMRデータはEFLIVKS−STKSIPP
QS−EFLIVKSは水溶液においては構造的でないという証拠を示す。
【0204】 表5.pH4.0でのEFLIVKS−STKSIPPQS−EFLIVKSに
関する1H化学シフト値の編集物
【表9】
【0205】 pH4.5で、異なる二次構造が認められ、これはpH8.5まで安定に保持
された。pH4.5ないし7.5でのCDスペクトルは202nmでかなり減少
したバンドを有しており、このことはランダムコイルの消失を示唆する。それら
はまた、約210ないし215nmでわずかに陽性のバンドおよび228ないし
230nm付近で陰性のバンドを有しており、このことはβターンの存在[Brahm
s and Brahams, J. Mol. Biol. 138:149-178(1980)] を示唆する。pH5.0で
この構築体は置換の遅い2、3個のプロトンを有しているので(表4)、ペプチ
ドはこのpHで折りたたまれていない(すなわち三次構造を有していない)可能
性があるが、二次構造はいくつかのβターンおよびpH3.5よりもかなり少な
いランダムコイルしか含んでいない。あるいは、折りたたまれていくつかの三次
構造を有する場合には、主鎖は十分に可動性があり、その結果アミドプロトンは
長い時間溶媒から隔離されることがない。225nmでCDスペクトルを観察す
れば、pH7.5で存在する構造は39.6±1℃のTmを有している(データ
は示されていない)。
【0206】 EFLIVKS−VGTIVTMEYRIDRTRSFV−EFLIVKS CDにより調べた第2の構築体はCi2b18マー挿入部分、EFLIVKS
−VGTIVTMEYRIDRTRSFV−EFLIVKSを含んでいた。この
ペプチドのpH依存性のCDスペクトルを測定した(データは示されていない)
。前記で調べた第1のペプチドとは違って、CDスペクトルはpH依存的ではな
く、多量のランダムコイルは有してないと考えられた。210nm付近での強い
極大および225ないし230nmでの強い極小はターンを調べたすべてのpH
値でのかなりの量のβターン構造と一致する[Brahms and Brahms, J. Mol. Biol
. 138:149-178(1980)]。約200nmで見られるより小さな極小は少ないパーセ
ントのランダムコイル、またはII型βターンの存在[Perczel et al., Int. J. P
eptide Protein Res. 41:223-236(1993)]と一致する。225nmでのシグナル を用いて、39.85±1.6℃のTmを有する温度でペプチドを溶解できる。
【0207】 N末端MG−およびC末端−GPPを有する構築体 生細胞におけるペプチド発現のために、いくつかのペプチド構築体のN末端に
MG−を加え、C末端に−GPPを加えて細胞性カルボキシペプチダーゼによる
タンパク質分解を阻害した[Vanhoof et al., FAXEB J 9:736-44(1995)]。次いで
、pH7.5でこれらのペプチドの変種のCDスペクトルを比較した(データは示 されていない)。MGEFLIVKS−Ci2b挿入部分−EFLIVKSGP
PのCDスペクトルのpH依存性実験を実施し(データは示されていない)、これ はCDスペクトルにおいて付加した5個の残基がEFLIVKS−Ci2b挿入
部分−EFLIVKSと比べて重大な変化を引き起こすということを示唆する。
208nmでの陽性バンドはもはや明瞭ではなく、また200nmでの陰性バン
ドは消失した。225nm付近の主要な極小(いくつかのβターン構造に特有の
)は保持されている。従って、これらの5個の残基の付加は折りたたみ構造では
なく明確なコンホメーション変化引き起こすと考えられる。
【0208】 その他の挿入配列の付加はむしろ異なるCDスペクトルをもたらした。細胞内
で発現されたペプチドをウェスタンブロットを用いて検出できるよう設計された
グリシンスペーサーを有するフラッグエピトープタグ、−G4DYKDDDDK G4−からなる挿入部分は約202nmでの極小と約220nmでの小さい極大 を含むCDスペクトルをもたらした(データは示されていない)。このスペクト
ルのEFLIVKS−STKSIPPQS−EFLIVKSのものに対する類似
性に基づき、このペプチドはpH3.5ないし8.5の間では主にランダムコイ
ルであると考えられる。この構築体は置換の遅いプロトンを有しておらず、折り
たたまれていない構造と一致する。グリシンスペーサーを有するインフルエンザ
血球凝集素エピトープタグ、−G4YPYDVPDYASLG3−からなる挿入部
分は205ないし207nmでの極小および約220nmでの第2の小さい極小
を有するCDスペクトルを示す(データは示されていない)。これは幾分か二次
構造の異なる組成による可能性があり、いくつかのαへリックス(205ないし
207nmでの極小により)ならびにランダムコイルまたはβターンを含み得る
。また、この構築体は置換の遅いプロトンを有さなかったので(表4)、CDス ペクトルは二次構造の存在のみを反映し得る。
【0209】 EFLIVKS配列へのその他の付加 EFLIVKS配列の変異のCi2bペプチド挿入部分のCDスペクトルに対
する作用を測定した(データは示されていない)。ペプチドEEFLIVKKS
−Ci2b挿入部分−EEFLIVKKSは、それが置換の遅い23個のプロト
ンと8個の中程度に入れ替わるプロトンを有しており(表4)、従って三次構造 を有するので、ならびにこの二量体形成剤がEFLIVKSよりも幾分か高い自
己親和性を有する可能性があるので特に注目される。それからは、202nmで
の極小が消失し、210nmでの極大(対照ペプチド)が207nm近くにシフ
トしているという点を除き対照ペプチドのものと同様のCDスペクトルが得られ
る。従って、このペプチドはβターン構造と対照ペプチドよりも少ないランダム
コイルを有していると考えられる。
【0210】 構造体の可溶性を高めるために、N末端にグリシンスペーサーとともにリシン
を付加した。構築体K64−EFLIVKS−Ci2b挿入部分−EFLIVK
Sに関しては、対照ペプチドと非常に異なるCDスペクトルが得られ、約220
nmに広い極小を有していた(データは示されていない)。このスペクトルは主
な二次構造のいずれにも特有ではないと考えられたが、βシートおよびβターン
(58%)、αへリックス(14%)および残りのランダムコイルの混合物に脱
回旋され得る。この構造は多くて5個の置換の遅いプロトンを有するので(表4
)、N末端に付加された付加残基は対照ペプチドの三次構造を不安定化し、他方
、異なる二次構造を作り出したものと考えられる。
【0211】 EFLIVKS配列における変異 二量体形成配列の3つの電荷改変をpH7.0で試験した。あるペプチドでは
、1個のlysおよびgluを二量体形成剤間で入れ替え、KFLIVKS−C
i2b挿入部分−EFLIVESを得た。第2のペプチドでは、両二量体形成剤
のグルタミンをlysに変更してKFLIVKS−Ci2b挿入部分−KFLI
VKSを得た。第3のペプチドでは、両二量体形成剤のlysをgluに変更し
てEFLIVES−Ci2b挿入部分−EFLIVESを得た。各ペプチドはE
FLIVKS−Ci2b挿入部分−EFLIVKSである対照ペプチドのものに
類似するCDスペクトルを有していた(データは示されていない)。第2の変更
セットでは、二量体形成剤の疎水性が変化した。まず、両EFLIVKS配列中
のF2およびI4をリシンまたはセリンに変更しCi2b挿入部分の両末端がE
KLKVKSまたはESLSVKSの二量体形成剤配列を得た。これはCDスペ
クトルに大きな変化をもたらし、202ないし205nmでの大きな陰性のバン
ドが出現した。このことはランダムコイル構造の相当な増加または変性(データ
は示されていない)を示唆した。
【0212】 第2に、両二量体形成剤において14のみをリシンに変更した。これもまたC
Dスペクトルを同様に変化させた(データは示されていない)。この構築体は多
くて1ないし2個の置換の遅いプロトンを有していたが、これはEFLIVKS
配列の疎水性コアにおけるこの単一の変化がペプチド構築体全体の構造を崩壊さ
せるのに十分であるということを示唆した。
【0213】
【配列表】
SEQUENCE LISTING <110> Rigel Pharmaceuticals, Inc. <120> PEPTIDES CAUSING FORMATION OF COMPACT STRUCTURES <130> FP-66103-1/DJB/RMS/SJR <140> PCT/US/99/07374 <141> 1999-04-02 <150> 60/080,444 <151> 1998-04-02 <160> 150 <170> PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 11 <212> PRT <213> coelenterate Hydra <400> 1 Glu Pro Pro Gly Gly Ser Lys Val Ile Leu Phe 1 5 10 <210> 2 <211> 6 <212> PRT <213> coelenterate Hydra <400> 2 Ser Lys Val Ile Leu Phe 1 5 <210> 3 <211> 4 <212> PRT <213> coelenterate Hydra <400> 3 Val Ile Leu Phe 1 <210> 4 <211> 7 <212> PRT <213> coelenterate Hydra <400> 4 Glu Pro Pro Gly Gly Ser Lys 1 5 <210> 5 <211> 5 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 5 Phe Leu Ile Val Lys 1 5 <210> 6 <211> 7 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 6 Glu Phe Leu Ile Val Lys Ser 1 5 <210> 7 <211> 7 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 7 Lys Phe Val Leu Ile Lys Ser 1 5 <210> 8 <211> 7 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 8 Val Ser Ile Lys Phe Glu Leu 1 5 <210> 9 <211> 5 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 9 Leu Ile Val Lys Ser 1 5 <210> 10 <211> 6 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 10 Glu Phe Leu Ile Val Lys 1 5 <210> 11 <211> 6 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 11 Lys Phe Leu Ile Val Lys 1 5 <210> 12 <211> 7 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 12 Phe Glu Ser Ile Lys Val Leu 1 5 <210> 13 <211> 7 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 13 Leu Lys Ser Ile Val Glu Phe 1 5 <210> 14 <211> 7 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 14 Ser Lys Val Ile Leu Phe Glu 1 5 <210> 15 <211> 18 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 15 Cys Gly Thr Ile Val Thr Met Glu Tyr Arg Ile Asp Arg Thr Arg Ser 1 5 10 15 Phe Cys <210> 16 <211> 32 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 16 Glu Phe Leu Ile Val Lys Ser Val Gly Thr Ile Val Thr Met Glu Tyr 1 5 10 15 Arg Ile Asp Arg Thr Arg Ser Phe Val Glu Phe Leu Ile Val Lys Ser 20 25 30 <210> 17 <211> 5 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <220> <221> SITE <222> (1)..(4) <223> X can be A, V, I, L, W, F, M, and Y. <220> <221> SITE <222> (5) <223> X can be K, R, D, or E. <400> 17 Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa 1 5 <210> 18 <211> 5 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 18 Phe Leu Ile Val Lys 1 5 <210> 19 <211> 6 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <221> SITE <222> (1) <223> X can be D, E, K, or R. <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 19 Xaa Phe Leu Ile Val Lys 1 5 <210> 20 <211> 6 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 20 Phe Leu Ile Val Lys Ser 1 5 <210> 21 <211> 7 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <221> SITE <222> (1) <223> x can be Z, E, D, or R. <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 21 Xaa Phe Leu Ile Val Lys Ser 1 5 <210> 22 <211> 7 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 22 Lys Phe Leu Ile Val Lys Ser 1 5 <210> 23 <211> 9 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 23 Glu Glu Phe Leu Ile Val Lys Lys Ser 1 5 <210> 24 <211> 7 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 24 Val Ser Ile Lys Phe Glu Leu 1 5 <210> 25 <211> 7 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 25 Ala Phe Leu Ile Val Lys Ser 1 5 <210> 26 <211> 7 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 26 Glu Ala Leu Ile Val Lys Ser 1 5 <210> 27 <211> 7 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 27 Glu Phe Ala Ile Val Lys Ser 1 5 <210> 28 <211> 7 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 28 Glu Phe Leu Ala Val Lys Ser 1 5 <210> 29 <211> 7 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 29 Glu Phe Leu Ile Ala Lys Ser 1 5 <210> 30 <211> 7 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 30 Glu Phe Leu Ile Val Ala Ser 1 5 <210> 31 <211> 7 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 31 Glu Phe Leu Ile Val Lys Ala 1 5 <210> 32 <211> 7 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 32 Glu Phe Leu Lys Val Lys Ser 1 5 <210> 33 <211> 7 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 33 Ser Lys Val Ile Leu Phe Glu 1 5 <210> 34 <211> 7 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 34 Glu Phe Leu Ile Val Glu Ser 1 5 <210> 35 <211> 7 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 35 Val Ser Ile Lys Phe Glu Leu 1 5 <210> 36 <211> 7 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 36 Phe Glu Ser Ile Lys Val Leu 1 5 <210> 37 <211> 7 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 37 Leu Lys Ser Ile Val Glu Phe 1 5 <210> 38 <211> 4 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 38 Pro Pro Gly Gly 1 <210> 39 <211> 5 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 39 Gly Ser Gly Gly Ser 1 5 <210> 40 <211> 4 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 40 Gly Gly Gly Ser 1 <210> 41 <211> 17 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <220> <221> SITE <222> (8)..(10) <223> x can be any amino acid. <400> 41 Glu Phe Leu Ile Val Lys Ser Xaa Xaa Xaa Glu Phe Leu Ile Val Lys 1 5 10 15 Ser <210> 42 <211> 16 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <220> <221> SITE <222> (7)..(9) <223> x can be any amino acid. <400> 42 Lys Val Leu Ile Lys Ser Xaa Xaa Xaa Glu Phe Leu Ile Val Glu Ser 1 5 10 15 <210> 43 <211> 17 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <220> <221> SITE <222> (8)..(10) <223> x can be any amino acid. <400> 43 Val Ser Ile Lys Phe Glu Leu Xaa Xaa Xaa Val Ser Ile Lys Phe Glu 1 5 10 15 Leu <210> 44 <211> 13 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <220> <221> SITE <222> (6)..(8) <223> x can be any amino acid. <400> 44 Leu Ile Val Lys Ser Xaa Xaa Xaa Leu Ile Val Lys Ser 1 5 10 <210> 45 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <220> <221> SITE <222> (7)..(9) <223> x can be any amino acid. <400> 45 Glu Phe Leu Ile Val Lys Xaa Xaa Xaa Glu Phe Leu Ile Val Lys 1 5 10 15 <210> 46 <211> 17 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <220> <221> SITE <222> (8)..(10) <223> x can be any amino acid. <400> 46 Phe Glu Ser Ile Lys Val Leu Xaa Xaa Xaa Phe Glu Ser Ile Lys Val 1 5 10 15 Leu <210> 47 <211> 17 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <220> <221> SITE <222> (8)..(10) <223> x can be any amino acid. <400> 47 Leu Lys Ser Ile Val Glu Phe Xaa Xaa Xaa Leu Lys Ser Ile Val Glu 1 5 10 15 Phe <210> 48 <211> 31 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 48 Glu Phe Leu Ile Lys Ser Val Gly Thr Ile Val Thr Met Glu Tyr Arg 1 5 10 15 Ile Asp Arg Thr Arg Ser Phe Val Glu Phe Leu Ile Phe Lys Ser 20 25 30 <210> 49 <211> 18 <212> PRT <213> Barley <400> 49 Val Gly Thr Ile Val Thr Met Glu Tyr Arg Ile Asp Arg Thr Arg Ser 1 5 10 15 Phe Val <210> 50 <211> 31 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 50 Glu Phe Leu Ile Lys Ser Val Gly Thr Ile Val Thr Met Glu Tyr Arg 1 5 10 15 Ile Asp Arg Thr Arg Ser Phe Val Ser Lys Val Ile Leu Phe Glu 20 25 30 <210> 51 <211> 32 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 51 Ser Lys Val Ile Leu Phe Glu Val Gly Thr Ile Val Thr Met Glu Tyr 1 5 10 15 Arg Ile Asp Arg Thr Arg Ser Phe Val Glu Phe Leu Ile Val Lys Ser 20 25 30 <210> 52 <211> 32 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 52 Ser Lys Val Ile Leu Phe Glu Val Gly Thr Ile Val Thr Met Glu Tyr 1 5 10 15 Arg Ile Asp Arg Thr Arg Ser Phe Val Ser Lys Val Ile Leu Phe Glu 20 25 30 <210> 53 <211> 32 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 53 Lys Phe Leu Ile Val Lys Ser Val Gly Thr Ile Val Thr Met Glu Tyr 1 5 10 15 Arg Ile Asp Arg Thr Arg Ser Phe Val Lys Phe Leu Ile Val Lys Ser 20 25 30 <210> 54 <211> 31 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 54 Lys Phe Leu Ile Val Lys Ser Val Gly Thr Ile Val Met Glu Tyr Arg 1 5 10 15 Ile Asp Arg Thr Arg Ser Phe Val Glu Phe Leu Ile Val Glu Ser 20 25 30 <210> 55 <211> 32 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 55 Glu Phe Leu Ile Val Glu Ser Val Gly Thr Ile Val Thr Met Glu Tyr 1 5 10 15 Arg Ile Asp Arg Thr Arg Ser Phe Val Glu Phe Leu Ile Val Glu Ser 20 25 30 <210> 56 <211> 33 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 56 Glu Lys Leu Ile Lys Val Lys Ser Val Gly Thr Ile Val Thr Met Glu 1 5 10 15 Tyr Arg Ile Asp Arg Thr Arg Ser Phe Val Glu Lys Leu Lys Val Lys 20 25 30 Ser <210> 57 <211> 32 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 57 Glu Ser Leu Ser Val Lys Ser Val Gly Thr Ile Val Thr Met Glu Tyr 1 5 10 15 Arg Ile Asp Arg Thr Arg Ser Phe Val Glu Ser Leu Ser Val Lys Ser 20 25 30 <210> 58 <211> 34 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 58 Glu Phe Leu Ile Lys Val Lys Ser Val Gly Thr Ile Val Thr Met Glu 1 5 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<212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 62 Lys Lys Lys Lys Lys Lys Gly Gly Gly Gly 1 5 10 <210> 63 <211> 39 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 63 Lys Lys Lys Gly Ser Gly Ser Glu Phe Leu Ile Val Lys Ser Val Gly 1 5 10 15 Thr Ile Val Thr Met Glu Tyr Arg Ile Asp Arg Thr Arg Ser Phe Val 20 25 30 Glu Phe Leu Ile Val Lys Ser 35 <210> 64 <211> 7 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 64 Lys Lys Lys Gly Ser Gly Ser 1 5 <210> 65 <211> 23 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 65 Glu Phe Leu Ile Val Lys Ser Ser Thr Lys Ser Ile Pro Pro Gln Ser 1 5 10 15 Glu Phe Leu Ile Val Lys Ser 20 <210> 66 <211> 35 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 66 Met Gly Glu Phe Leu Ile Val Lys Ser Gly Gly Gly Gly Glu Tyr Lys 1 5 10 15 Asp Asp Asp Asp Lys Gly Gly Gly Gly Glu Phe Leu Ile Val Lys Ser 20 25 30 Gly Pro Pro 35 <210> 67 <211> 8 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 67 Asp Tyr Lys Asp Asp Asp Asp Lys 1 5 <210> 68 <211> 38 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 68 Met Gly Glu Phe Leu Ile Val Lys Ser Gly Gly Gly Gly Tyr Pro Tyr 1 5 10 15 Asp Val Pro Asp Tyr Ala Ser Leu Gly Gly Gly Gly Glu Phe Leu Ile 20 25 30 Val Lys Ser Gly Pro Pro 35 <210> 69 <211> 11 <212> PRT <213> Influenza virus <400> 69 Tyr Pro Tyr Asp Val Pro Asp Tyr Ala Ser Leu 1 5 10 <210> 70 <211> 7 <212> PRT <213> monkey virus <400> 70 Pro Lys Lys Lys Arg Lys Val 1 5 <210> 71 <211> 6 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 71 Ala Arg Arg Arg Arg Pro 1 5 <210> 72 <211> 10 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 72 Glu Glu Val Gln Arg Lys Arg Gln Lys Leu 1 5 10 <210> 73 <211> 9 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 73 Glu Glu Lys Arg Lys Arg Thr Tyr Glu 1 5 <210> 74 <211> 20 <212> PRT <213> Xenopus laevis <400> 74 Ala Val Lys Arg Pro Ala Ala Thr Lys Lys Ala Gly Gln Ala Lys Lys 1 5 10 15 Lys Lys Leu Asp 20 <210> 75 <211> 31 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 75 Met Ala Ser Pro Leu Thr Arg Phe Leu Ser Leu Asn Leu Leu Leu Leu 1 5 10 15 Gly Glu Ser Ile Leu Gly Ser Gly Glu Ala Lys Pro Gln Ala Pro 20 25 30 <210> 76 <211> 21 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 76 Met Ser Ser Phe Gly Tyr Arg Thr Leu Thr Val Ala Leu Phe Thr Leu 1 5 10 15 Ile Cys Cys Pro Gly 20 <210> 77 <211> 51 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 77 Pro Gln Arg Pro Glu Asp Cys Thr Pro Arg Gly Ser Val Lys Gly Thr 1 5 10 15 Gly Leu Asp Phe Ala Cys Asp Ile Tyr Ile Trp Ala Pro Leu Ala Gly 20 25 30 Ile Cys Val Ala Leu Leu Leu Ser Leu Ile Ile Thr Leu Ile Cys Tyr 35 40 45 His Ser Arg 50 <210> 78 <211> 33 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 78 Met Val Ile Ile Val Thr Val Val Ser Val Leu Leu Ser Leu Gly Val 1 5 10 15 Thr Ser Val Leu Leu Cys Phe Ile Phe Gly Gln His Leu Arg Gln Gln 20 25 30 Arg <210> 79 <211> 37 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 79 Pro Asn Lys Gly Ser Gly Thr Thr Ser Gly Thr Thr Arg Leu Leu Ser 1 5 10 15 Gly His Thr Cys Phe Thr Leu Thr Gly Leu Leu Gly Thr Leu Val Thr 20 25 30 Met Gly Leu Leu Thr 35 <210> 80 <211> 14 <212> PRT <213> Chicken virus <400> 80 Met Gly Ser Ser Lys Ser Lys Pro Lys Asp Pro Ser Gln Arg 1 5 10 <210> 81 <211> 26 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 81 Leu Leu Gln Arg Leu Phe Ser Arg Gln Asp Cys Cys Gly Asn Cys Ser 1 5 10 15 Asp Ser Glu Glu Glu Leu Pro Thr Arg Leu 20 25 <210> 82 <211> 20 <212> PRT <213> Unknown <220> <223> Description of Unknown Organism: from rhodopsin <400> 82 Glu Gln Phe Arg Asn Cys Met Leu Thr Ser Leu Cys Cys Gly Lys Asn 1 5 10 15 Pro Leu Gly Asp 20 <210> 83 <211> 19 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 83 Leu Asn Pro Pro Asp Glu Ser Gly Pro Gly Cys Met Ser Cys Lys Cys 1 5 10 15 Val Leu Ser <210> 84 <211> 36 <212> PRT <213> Unknown <220> <223> Description of Unknown Organism: lysosomal membrane sequences from Lamp-1 <400> 84 Met Leu Ile Pro Ile Ala Gly Arg Arg Ala Leu Ala Gly Leu Val Leu 1 5 10 15 Ile Val Leu Ile Ala Tyr Leu Ile Gly Arg Lys Arg Ser His Ala Gly 20 25 30 Tyr Gln Thr Ile 35 <210> 85 <211> 35 <212> PRT <213> Unknown <220> <223> Description of Unknown Organism: lysosomal membrane sequences from Lamp-2 <400> 85 Leu Val Pro Ile Ala Val Gly Ala Ala Leu Ala Gly Val Leu Ile Leu 1 5 10 15 Val Leu Leu Ala Tyr Phe Ile Gly Leu Lys His His His Ala Gly Tyr 20 25 30 Glu Gln Phe 35 <210> 86 <211> 27 <212> PRT <213> yeast <400> 86 Met Leu Arg Thr Ser Ser Leu Phe Thr Arg Arg Val Gln Pro Ser Leu 1 5 10 15 Phe Ser Arg Asn Ile Leu Arg Leu Gln Ser Thr 20 25 <210> 87 <211> 25 <212> PRT <213> yeast <400> 87 Met Leu Ser Leu Arg Gln Ser Ile Arg Phe Phe Lys Pro Ala Thr Arg 1 5 10 15 Thr Leu Cys Ser Ser Arg Tyr Leu Leu 20 25 <210> 88 <211> 64 <212> PRT <213> yeast <400> 88 Met Phe Ser Met Leu Ser Lys Arg Trp Ala Gln Arg Thr Leu Ser Lys 1 5 10 15 Ser Phe Tyr Ser Thr Ala Thr Gly Ala Ala Ser Lys Ser Gly Lys Leu 20 25 30 Thr Gln Lys Leu Val Thr Ala Gly Val Ala Ala Ala Gly Ile Thr Ala 35 40 45 Ser Thr Leu Leu Tyr Ala Asp Ser Leu Thr Ala Glu Ala Met Thr Ala 50 55 60 <210> 89 <211> 41 <212> PRT <213> yeast <400> 89 Met Lys Ser Phe Ile Thr Arg Asn Lys Thr Ala Ile Leu Ala Thr Val 1 5 10 15 Ala Ala Thr Gly Thr Ala Ile Gly Ala Tyr Tyr Tyr Tyr Asn Gln Leu 20 25 30 Gln Gln Gln Gln Gln Arg Gly Lys Lys 35 40 <210> 90 <211> 4 <212> PRT <213> Unknown <220> <223> Description of Unknown Organism: sequence derived from calreticulin <400> 90 Lys Asp Glu Leu 1 <210> 91 <211> 15 <212> PRT <213> adenovirus <400> 91 Leu Tyr Leu Ser Arg Arg Ser Phe Ile Asp Glu Lys Lys Met Pro 1 5 10 15 <210> 92 <211> 19 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 92 Leu Asn Pro Pro Asp Glu Ser Gly Pro Gly Cys Met Ser Cys Lys Cys 1 5 10 15 Val Leu Ser <210> 93 <211> 15 <212> PRT <213> Unknown <220> <223> Description of Unknown Organism: geranylgeranylation sequences <400> 93 Leu Thr Glu Pro Thr Gln Pro Thr Arg Asn Gln Cys Cys Ser Asn 1 5 10 15 <210> 94 <211> 9 <212> PRT <213> Unknown <220> <223> Description of Unknown Organism: destruction sequence <400> 94 Arg Thr Ala Leu Gly Asp Ile Gly Asn 1 5 <210> 95 <211> 20 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 95 Met Tyr Arg Met Gln Leu Leu Ser Cys Ile Ala Leu Ser Leu Ala Leu 1 5 10 15 Val Thr Asn Ser 20 <210> 96 <211> 29 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 96 Met Ala Thr Gly Ser Arg Thr Ser Leu Leu Leu Ala Phe Gly Leu Leu 1 5 10 15 Cys Leu Pro Trp Leu Gln Glu Gly Ser Ala Phe Pro Thr 20 25 <210> 97 <211> 27 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 97 Met Ala Leu Trp Met Arg Leu Leu Pro Leu Leu Ala Leu Leu Ala Leu 1 5 10 15 Trp Gly Pro Asp Pro Ala Ala Ala Phe Val Asn 20 25 <210> 98 <211> 18 <212> PRT <213> Influenza virus <400> 98 Met Lys Ala Lys Leu Leu Val Leu Leu Tyr Ala Phe Val Ala Gly Asp 1 5 10 15 Gln Ile <210> 99 <211> 25 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 99 Met Gly Leu Thr Ser Gln Leu Leu Pro Pro Leu Glu Phe Phe Leu Leu 1 5 10 15 Ala Cys Ala Gly Asn Phe Val His Gly 20 25 <210> 100 <211> 10 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <221> SITE <222> (3)..(6) <223> x can be any amino acid <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 100 Met Gly Xaa Xaa Xaa Xaa Gly Gly Pro Pro 1 5 10 <210> 101 <211> 9 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <221> SITE <222> (3)..(6) <223> x can be any amino acid <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 101 Met Gly Xaa Xaa Xaa Xaa Gly Pro Pro 1 5 <210> 102 <211> 11 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <221> SITE <222> (4)..(7) <223> x can be any amino acid <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 102 Met Gly Gly Xaa Xaa Xaa Xaa Gly Gly Pro Pro 1 5 10 <210> 103 <211> 10 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <221> SITE <222> (4)..(7) <223> x can be any amino acid <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 103 Met Gly Gly Xaa Xaa Xaa Xaa Gly Pro Pro 1 5 10 <210> 104 <211> 27 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <221> SITE <222> (18)..(20) <223> x can be any amino acid <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 104 Lys Lys Lys Lys Lys Lys Gly Gly Gly Gly Glu Phe Leu Ile Val Lys 1 5 10 15 Ser Xaa Xaa Xaa Glu Phe Leu Ile Val Lys Ser 20 25 <210> 105 <211> 4 <212> DNA <213> Unknown <220> <223> Description of Unknown Organism: promoter sequence <400> 105 caat 4 <210> 106 <211> 4 <212> DNA <213> Unknown <220> <223> Description of Unknown Organism: promoter sequence <400> 106 tata 4 <210> 107 <211> 6 <212> DNA <213> Unknown <220> <223> Description of Unknown Organism: mRNA polyadenylation sequence <400> 107 aataaa 6 <210> 108 <211> 7 <212> DNA <213> Unknown <220> <221> misc_difference <222> (1)..(3) <223> n can be any amino acid. <220> <223> Description of Unknown Organism: Kozak consensus sequence. <400> 108 nnnatgg 7 <210> 109 <211> 23 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 109 Glu Phe Leu Ile Val Lys Ser Ser Thr Lys Ser Ile Pro Pro Gln Ser 1 5 10 15 Glu Phe Leu Ile Val Lys Ser 20 <210> 110 <211> 32 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 110 Glu Phe Leu Ile Val Lys Ser Val Gly Thr Ile Val Thr Met Glu Tyr 1 5 10 15 Arg Ile Asp Arg Thr Arg Ser Phe Val Ser Lys Val Ile Leu Phe Glu 20 25 30 <210> 111 <211> 9 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 111 Cys Gly Thr Ile Val Thr Met Glu Tyr 1 5 <210> 112 <211> 16 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 112 Glu Phe Leu Ile Val Lys Ser Val Gly Thr Ile Val Thr Met Glu Tyr 1 5 10 15 <210> 113 <211> 8 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 113 Arg Ile Asp Arg Thr Arg Ser Phe 1 5 <210> 114 <211> 16 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 114 Arg Ile Asp Arg Thr Arg Ser Phe Val Glu Phe Leu Ile Val Lys Ser 1 5 10 15 <210> 115 <211> 9 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 115 Arg Ile Asp Arg Thr Arg Ser Phe Cys 1 5 <210> 116 <211> 5 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 116 Glu Phe Leu Ile Val 1 5 <210> 117 <211> 5 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 117 Val Glu Phe Leu Ile 1 5 <210> 118 <211> 17 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 118 Cys Gly Arg Ile Val Thr Met Glu Tyr Arg Ile Asp Arg Thr Arg Ser 1 5 10 15 Phe <210> 119 <211> 14 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 119 Cys Gly Thr Ile Val Thr Met Glu Tyr Arg Ile Asp Arg Thr 1 5 10 <210> 120 <211> 7 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 120 Glu Tyr Arg Ile Asp Arg Thr 1 5 <210> 121 <211> 6 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 121 Arg Ser Phe Val Glu Phe 1 5 <210> 122 <211> 7 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 122 Cys Gly Thr Ile Val Thr Met 1 5 <210> 123 <211> 9 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 123 Lys Ser Val Gly Thr Ile Val Thr Met 1 5 <210> 124 <211> 11 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 124 Glu Tyr Arg Ile Asp Arg Thr Arg Ser Phe Cys 1 5 10 <210> 125 <211> 13 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 125 Val Thr Met Glu Tyr Arg Ile Asp Arg Thr Arg Ser Phe 1 5 10 <210> 126 <211> 12 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 126 Met Glu Tyr Arg Ile Asp Arg Thr Arg Ser Phe Cys 1 5 10 <210> 127 <211> 8 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 127 Met Glu Tyr Arg Ile Asp Arg Thr 1 5 <210> 128 <211> 10 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 128 Thr Ile Met Glu Tyr Arg Ile Asp Arg Thr 1 5 10 <210> 129 <211> 39 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 129 Lys Lys Lys Gly Ser Gly Ser Glu Phe Leu Ile Val Lys Ser Val Gly 1 5 10 15 Thr Ile Val Thr Met Glu Tyr Arg Ile Asp Arg Thr Arg Ser Phe Val 20 25 30 Gly Ser Gly Ser Lys Lys Lys 35 <210> 130 <211> 37 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 130 Met Gly Glu Phe Leu Ile Val Lys Ser Gly Gly Gly Gly Tyr Pro Tyr 1 5 10 15 Asp Val Pro Asp Tyr Ala Ser Leu Gly Gly Gly Glu Phe Leu Ile Val 20 25 30 Lys Ser Gly Pro Pro 35 <210> 131 <211> 9 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 131 Ser Thr Lys Ser Ile Pro Pro Gln Ser 1 5 <210> 132 <211> 9 <212> PRT <213> Unknown <220> <223> Description of Unknown Organism: protease inhibitor <400> 132 Cys Thr Lys Ser Ile Pro Pro Gln Cys 1 5 <210> 133 <211> 9 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 133 Met Gly Glu Phe Leu Ile Val Lys Ser 1 5 <210> 134 <211> 10 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 134 Glu Phe Leu Ile Val Lys Ser Gly Pro Pro 1 5 10 <210> 135 <211> 16 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 135 Gly Gly Gly Gly Glu Tyr Lys Asp Asp Asp Asp Lys Gly Gly Gly Gly 1 5 10 15 <210> 136 <211> 18 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 136 Gly Gly Gly Gly Tyr Pro Tyr Asp Val Pro Asp Tyr Ala Ser Leu Gly 1 5 10 15 Gly Gly <210> 137 <211> 6 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <220> <221> SITE <222> (1) <223> x can be E, D, K, or R. <220> <221> SITE <222> (6) <223> x can be E, D, K, or R. <400> 137 Xaa Phe Leu Ile Val Xaa 1 5 <210> 138 <211> 10 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 138 Glu Tyr Arg Ile Asp Arg Thr Arg Ser Phe 1 5 10 <210> 139 <211> 6 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: synthetic <400> 139 Cys Gly Thr Ile Val Thr 1 5 <210> 140 <211> 8 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 140 Thr Ile Val Thr Met Glu Tyr Arg 1 5 <210> 141 <211> 13 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 141 Thr Met Glu Tyr Arg Ile Asp Arg Thr Arg Ser Phe Cys 1 5 10 <210> 142 <211> 5 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 142 Cys Gly Thr Ile Val 1 5 <210> 143 <211> 5 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 143 Ser Val Gly Thr Ile 1 5 <210> 144 <211> 27 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: synthetic <400> 144 Glu Phe Leu Ile Val Lys Ser Val Gly Thr Ile Val Thr Met Glu Tyr 1 5 10 15 Arg Ile Asp Arg Thr Arg Ser Phe Val Glu Phe 20 25 <210> 145 <211> 21 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 145 Glu Phe Leu Ile Val Lys Ser Val Gly Thr Ile Val Thr Met Glu Tyr 1 5 10 15 Arg Ile Asp Arg Thr 20 <210> 146 <211> 8 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 146 Ser Phe Val Glu Phe Leu Ile Val 1 5 <210> 147 <211> 7 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 147 Phe Val Glu Phe Leu Ile Val 1 5 <210> 148 <211> 5 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 148 Ser Phe Val Glu Phe 1 5 <210> 149 <211> 10 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 149 Ser Phe Val Glu Phe Leu Ile Val Lys Ser 1 5 10 <210> 150 <211> 8 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Synthetic <400> 150 Ser Val Gly Thr Ile Thr Tyr Met 1 5
【図面の簡単な説明】
【図1A、図1B、図1C、図1D、図1E、図1Fおよび図1G】 DP
タンパク質構造のいくつかの具体例の模式図を示す。図1A 2つの二量体化ペ
プチド(DP)が直鎖上タンパク質(P)と融合してDP−タンパク質構造とな
っており(ここではDP−タンパク質−DPと示す)、これはDPの二量体化に
より折りたたまれてコンパクトな構造となる。図1B リンカー(L)を含んで
なるDP−タンパク質構造。図1C タグ配列(Tag)を含んでなるDP−タ
ンパク質構造。Tag1およびTag2は1つのDP−タンパク質に融合した2つ
の異なるタグであり、これはDP−タンパク質に対し多くの組合せの融合タグが
あり得ることを示している。図1D DPとPおよび2つの異なるタグの間にリ
ンカーを持つDP−タンパク質。図1E PのN末端に付加された二量体化ペプ
チド(DP1)がPのC末端に付加された二量体化ペプチド(DP2)とは異なる
DP−タンパク質。図1F N末端にMG、およびC末端にGGPPなどの安定
配列を含んでなるDP−タンパク質。図1G 複数のタンパク質P1、P2および
3が二量体化ペプチドに融合しているDP−タンパク質。
【図2A、図2Bおよび図2C】 複合DP−タンパク質の模式図を示す。
図2A 共有結合したダブルループ構造。DPhyd:DPhydおよびDPLys:D PGluの特異的二量体化によって2つの拘束ペプチドは1つのDP−タンパク質 内に形成され、ダブルループ構造が予想される。この2つのループ構造は可変グ
リシンリンカーを介して共有結合している。図2B 非共有結合ダブルループ構
造。一方はP1を含み、他方はP2を含む2つのDP−タンパク質が作られ、各々
DPhyd:DPhydの二量体化によってコンパクトな構造を生じる。組み合わせた
場合にDPLys:DPGluの特異的二量体化により、ダブルループ構造が得られる
2つの拘束構造の会合。2つの二量体化ペプチドDPhydとDPLys、またはDP hyd とDPGluは可変グリシンリンカーを介して結合している。図2C DPhyd :DPhydおよびDPLys:DPGluの特異的二量体化によってタンパク質P1およ
びP2が強制的にコンパクトな構造とされている非共有結合ダブルループ構造。 会合が異なるDP−タンパク質に限られているが、2つのDP−タンパク質を組
み合わせた場合に互いに会合する二量体化ペプチド。図2A−C DPhydはほ とんどの場合疎水性のアミノ酸を含んでなる二量体化ペプチドであり、DPLys はほとんどの場合リジンを含んでなる二量体化ペプチドであり、DPGluはほと んどの場合グルタミン酸を含んでなる二量体化ペプチドであり、LPはプロリン を含んでなるリンカーであり、LGはグリシンを含んでなるリンカーであり、P1 およびP2はタンパク質であり、これは同一であってもなくともよい。
【図3Aおよび図3B】 新規なペプチドは注目される二量体を形成するこ
とを示す。図3A SKVILFE−アミドとEFLIVKS−アミドの二量体
化。図3B 約25%アセトニトリル、pH〜2.5にてのC18逆相カラムか
ら溶出したEFLIVKS−アミドの二量体化。
【図4】 エレクトロスプレーイオン化後に二量体化可能な短い配列に対す
るEFLIVKS−アミドの全単結合fmoc合成から得られた合成粗生成物の
LC/MS測定。
【図5A、図5Bおよび図5C】 タンパク質分解耐性構造を示す。図5A
18量体試験タンパク質配列CGTIVTMEYRIDRTRSFCのエラス
ターゼ消化産物。図5B 下線の2つのシステイン間にジスルフィド結合を有す
る18量体試験タンパク質配列GTIVTMEYRIDRTRSFのエラス
ターゼ消化産物。図5C EFLIVKS−VGTIVTMEYRIDRTRS
FV−EFLIVKSのエラスターゼ消化産物。図5A〜C タンパク質分解断
片は逆相HPLCと組質量スペクトル検出を併用してモニターし、同定する。
【図6】 EFLIVKS−VGTIVTMEYRIDRTRSFV−EF
LIVKSの45最低エネルギー構造のオーバーレイ(ペプチド主鎖のみを示す
)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/21 C12P 21/02 C 5/10 C12Q 1/02 C12P 21/02 1/68 A C12Q 1/02 C12N 15/00 ZNAA 1/68 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,Z W Fターム(参考) 4B024 AA11 BA80 CA04 CA07 DA06 EA04 GA11 HA01 HA12 4B063 QA01 QA20 QQ42 QR08 QR32 QR42 QR56 QS25 QS34 QX02 4B064 AG01 CA02 CA19 CC24 DA01 DA20 4B065 AA26X AB01 BA02 CA24 CA44 CA60 4H045 AA10 AA30 BA13 BA14 BA15 BA16 BA17 BA18 BA19 EA50 FA34 FA74

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 8個以下のアミノ酸長である配列NH2−X1−X2−X3−X 4 −X5−COOH(ここで、X1、X2、X3およびX4はアミノ酸A、V、I、L
    、W、F、MおよびYからなる群より選択され、YおよびX5はK、R、Dおよ びEからなる群より選択される)を含む第一の二量体化ペプチドを少なくとも含
    んでなる組成物。
  2. 【請求項2】 8個以下のアミノ酸長である配列NH2−X1−X2−X3−X 4 −X5−COOH(ここで、X1、X2、X3およびX4はアミノ酸A、V、I、L
    、W、F、MおよびYからなる群より選択され、X5はK、R、DおよびEから なる群より選択される)を含む第二の二量体化ペプチドをさらに含んでなる、請
    求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 少なくとも該第一の二量体化ペプチドが配列NH2−FLI VK−COOHを含んでなる、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 少なくとも該第一の二量体化ペプチドが配列NH2−X0FL
    IVX5−COOH(ここで、X0およびX5はアミノ酸E、D、KおよびRから なる群より選択される)を含んでなる、請求項1、2または3に記載の組成物。
  5. 【請求項5】 第一のタンパク質をさらに含んでなり、少なくとも該第一の
    二量体化ペプチドが第一の融合タンパク質を形成する該第一のタンパク質と共有
    結合している、請求項1、2、3または4に記載の組成物。
  6. 【請求項6】 該融合タンパク質と共有結合した第二の二量体化ペプチドを
    さらに含んでなり、該第二の二量体化ペプチドが、8個以下のアミノ酸長である
    配列NH2−X1−X2−X3−X4−X5−COOH(ここで、X1、X2、X3およ びX4はアミノ酸A、V、I、L、W、F、MおよびYからなる群より選択され 、X5はK、R、DおよびEからなる群より選択される)を含んでなる、請求項 5に記載の組成物。
  7. 【請求項7】 該第一の二量体化ペプチドが該第一のタンパク質のN末端と
    結合し、かつ、該第二の二量体化ペプチドが該第一のタンパク質のC末端に結合
    している、請求項6に記載の組成物。
  8. 【請求項8】 少なくとも1つの該第一の二量体化ペプチドまたは該第二の
    二量体化ペプチドが該タンパク質の内部の位置と共有結合している、請求項6に
    記載の組成物。
  9. 【請求項9】 少なくとも1つの該第一の二量体化ペプチドまたは該第二の
    二量体化ペプチドがリンカーを介して該第一のタンパク質と共有結合している、
    請求項5、6、7または8に記載の組成物。
  10. 【請求項10】 融合パートナーをさらに含んでなる、請求項1、2、3、
    4、5、6、7、8または9に記載の組成物。
  11. 【請求項11】 各々請求項5、6、7、8、9または10に記載の組成物
    を含む複数のメンバーを含んでなり、該メンバーの各々が異なる第一のタンパク
    質を含んでなる、分子ライブラリー。
  12. 【請求項12】 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または
    11の組成物をコードする組換え核酸。
  13. 【請求項13】 請求項12の組換え核酸を含んでなる発現ベクター。
  14. 【請求項14】 請求項12の組換え核酸を含んでなる宿主細胞。
  15. 【請求項15】 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または
    11の組成物を製造する方法であって、 a)請求項14記載の細胞を準備すること;および b)該細胞をコンディショニングし、それによって該組成物を発現させること を含んでなる方法。
  16. 【請求項16】 細胞の表現型を変化させ得る組成物をスクリーニングする
    方法であって、 a)請求項12に記載の組換え核酸を複数の細胞へ導入すること; b)該複数の細胞をコンディショニングし、それによって該核酸によってコード
    されるタンパク質を発現させること;および c)変化した表現型を示す細胞について該複数の細胞をスクリーニングすること
    を含んでなる方法。
  17. 【請求項17】 変化した表現型を示す該細胞を単離することをさらに含ん
    でなる、請求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】 該細胞から核酸を単離することをさらに含んでなる、請求
    項16に記載の方法。
  19. 【請求項19】 標的分子を単離することをさらに含んでなる、請求項16
    に記載の方法。
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