JP2002509623A - 写真カラー現像増し液濃縮物 - Google Patents

写真カラー現像増し液濃縮物

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Abstract

(57)【要約】 写真的に不活性な単一環の複素環式アミドを含む一液型多相の濃縮されたカラー現像増し液およびその製造方法。この増し液濃縮物は単一のユニットに包装され、希釈によりすぐ使用できる写真材料用の増し液を形成する。この濃縮された増し液は現像主薬が上相中に保持されて、通常は高アルカリ性の下相中で生じる劣化から保護される一液型多相の濃縮物として特徴づけられる。

Description

【発明の詳細な説明】 写真カラー現像増し液濃縮物 技術分野 本発明は一般に写真現像、特に、写真材料のカラー現像用の多相の濃縮された 増し液を調製するための組成物及び方法であって、単一のユニットに包装され、 希釈によりすぐ使用できる写真材料用の増し液を生成する組成物及び方法に関す る。 発明の背景 カラーフィルム又はプリントの現像処理において、現像液の活性を維持するこ とが均一な現像のために必要である。近年、現像処理液の消耗した化学物質及び 減少した現像処理液を取り替えるために、増し液を現像液に導入することが行わ れている。もしこれが行われない場合には、現像処理中に生成した反応副生物が 蓄積する。また、反応副生物の濃度が、やがて現像主薬の濃度を上回る可能性が ある。反応副生物が増大するにつれて、現像主薬がハロゲン化銀粒子に吸着され る可能性は減少し、そして現像が不均一になる可能性が増す。従って、現像主薬 、保恒剤、そして通常はアルカリはそれらの濃度が現像処理を通じて減少するた め、これらを補充する必要がある。 数多くの写真用増し液がすぐ使用できる溶液の形状及び配合物の形状で知られ ている。この配合物は水で希釈されて用いられる液体濃縮物の形態と、溶液に溶 解されて用いられる粉末の形態を含む。しかし、配合物の場合、各成分を配合物 の形状に均一に混合することが困難であるという問題があり、又すぐ使用できる 溶液の場合、余分な水を輸送する費用が高くなる問題がある。 すぐ使用できる増し液は利用者に便利であるが、しかし容量が大きいため輸送 費用が高くなり、そして貯蔵用の容器は高価な貯蔵空間を必要とする。これらの 問題を克服するために、包装のサイズを減少させて輸送費を削減する試みがなさ れている。この試みを達成する一つの方法は粉末化するか、又は液体濃縮物の増 し液組成物を調製することである。 典型的には、粉末混合物を水に溶解して使用する方法がある。しかし、粉末化 された増し液組成物は特に粉末成分の塊が生じやすいため、溶解が困難となる。 更に、微粉混合は、酸化還元反応によって互いに反応する多くの物質を含むため 、各成分を別々に包装する必要がある。また作業溶液を実際に使用する時点まで 各成分の混合を延期する必要がある。 液体濃縮物は粉末混合物に代わるものであるが、しかし水の容積が増大するた め、粉末混合物よりも輸送、取り扱い、及び貯蔵のための費用が増大する。濃度 の程度が高くなると、液体の容積を減少させることができるが、別の問題が発生 する。希釈の割合を高くして作業用の溶液を調製するため、濃縮物は通常最大量 のレベルの写真処理成分を含有する。 しかし、多くの現像主薬は中性pHの溶液よりも高いpHの溶液に溶け難いため、 溶液に化合物を溶解させた状態で現像主薬の濃度を増大させることは困難である 。 濃縮された増し液を使用すると、現像主薬の著しい劣化が生じる問題がある。 その理由 としては、増し液のアルカリ度が高く、増し液中の亜硫酸塩が二酸化硫黄に分解 して、現像主薬を劣化させ、そして現像主薬の酸化生成物を加水分解することが 挙げられる。従来、 上記問題を克服するために、増し液は包装され、そして現像主薬を劣化させない ために、両立し難い各成分を別々の容器に入れて輸送される。この分けられた各 成分は使用直前に混合される。この従来の方法は現像主薬を保護することはでき るが、しかし調合方法が失敗する可能性もあり、不便であり、貯蔵場所が必要と なり、輸送費が増大する問題がある。 従って、経済的な輸送が可能であり、貯蔵空間を最小にでき、複数の異なる成 分を混合する必要が少なく、高濃度の現像主薬を提供でき、そして濃縮物中の現 像主薬の劣化を防止することが可能な一液型の濃縮された現像増し液が求められ ている。 発明の概要 従って、本発明によれば、写真的に不活性な単一環の複素環式アミドを含む一 液型多相の濃縮されたカラー現像増し液組成物が提供される。 本発明の目的は無機酸化防止剤、カラー現像主薬、写真的に不活性な単一環の 複素環式アミド、アルカリ性pH調整剤、及び無機緩衝塩を含む一液型多相の濃 縮された増し液を提供することである。 本発明の増し液はその他の写真現像処理剤、例えば、蛍光増白剤、キレート化 剤、湿潤剤、及び別の酸化防止剤を含むことができる。 上記一液型多相の濃縮された増し液は(1)水性のト相と(2)上相とによって特 徴づけられ、上記水性の下相は無機酸化防止剤、無機緩衝塩、及び上記水性の下 相に溶解したアルカリ性pH調整剤を含み、上記水性の下相は10以上のpHを有 し、そして上記上相はカラー現像主薬及び写真的に不活性な単一環の複素環式ア ミドを含み、上記カラー現像主薬が上記写真的に不活性な単一環の複素環式アミ ドに保持されて溶解し、その結果、上記カラー現像主薬は上記アルカリ性の水溶 液中での好ましくない劣化から保護される。 上記現像主薬を上記濃縮物のアルカリ性の下相から離れた上相中に保持するこ とにより、 カラー現像主薬の酸化と分解を回避できることが判明した。この酸化生成物は高 アルカリ溶液中で脱アミノ化される傾向があるため、置換されたp-フェニレン ジアミンのようなカラー現像液の場合、特に適合する。現像主薬を保護すること によって、水で希釈して作業溶液を形成する前に、一液型多相の濃縮された増し 液は現像主薬をほとんど又は全く劣化させることなく保存性が増大する。 アルカリ性のpH調整剤を添加することにより、カラー現像主薬、無機酸化防 止剤、及び写真的に不活性な単一環の複素環式アミドを含有する水溶液のpHは 約10〜12まで上昇する。十分な量の無機緩衝塩を加えることにより、写真的に不 活性な単一環の複素環式アミドはイオンアルカリ水溶液から押し出されて、好ま しく分離される。現像主薬及び写真的に不活性な単一環の複素環式アミドの両方 が上記多相溶液の上相に集合して、現像主薬を写真的に不活性な単一環の複素環 式アミド中に濃縮させる。 本発明の別の目的は希釈によりすぐ使用できる写真材料のカラー現像用増し液 を調製できる一液型多相濃縮増し液の全ての活性成分を含む単一の単位包装体を 提供することであって、上記増し液は a)無機酸化防止剤、塩基、及び無機緩衝塩が溶解しているアルカリ性水溶液 を含む下相;及び b)カラー現像主薬及び写真的に不活性な単一環の複素環式アミドを含む上相 を含み; 上記カラー現像主薬と上記写真的に不活性な単一環の複素環式アミドは上記上相 中に存在し、この上相中でカラー現像主薬は上記下相のアルカリ水溶液中よりも 上記写真的に不活性な単一環の複素環式アミドにより多く溶解する。 現像主薬は上記写真的に不活性な単一環の複素環式アミドを含む上相中により 多く溶解するため、より高濃度の現像主薬を上記濃縮物中に含有できる。 本発明は従来の写真処理剤を写真的に不活性な単一環の複素環式アミドと結合 させることにより濃縮されたカラー現像増し液を製造できることを発見した。 本発明は貯蔵性が長い写真材料のカラー現像用一液型多相濃縮増し液の全ての 活性成分を含む単一の単位包装体を製造する方法を発見した。この製造方法は下 記の工程、即ち: a)カラー現像主薬、無機酸化防止剤、及び写真的に不活性な単一環の複素環 式アミドを含む水溶液を形成する工程; b)工程(a)の水溶液のpHをより高いアルカリ領域まで上昇させる工程; c)十分な量の無機緩衝塩を工程(b)の水溶液に導入して多相溶液を形成する 工程;そして d)少なくとも一つの写真剤を上記多相溶液に導入する工程を含む。 また本発明の一液型多相濃縮増し液の全ての活性成分を含む単一の単位包装体 を製造する方法は少なくとも二つの濃縮された溶液を化合させる下記の工程、即 ち a)カラー現像主薬、及び写真的に不活性な単一環の複素環式アミドを含む水 溶液を調製する上程; b)無機緩衝塩を含むアルカリ水溶液を調製する工程;そして c)上記工程(a)及び(b)の水溶液を実質的に同時に混合して、上記濃縮増し 液を生成する工程を含む。 工程(a)及び工程(b)の溶液を上記単一の単位包装体に加えて上記一液型多相増 し液を生成すると、工程(a)の水溶液は上相を形成し、そして工程(b)のアルカリ 性水溶液は下相を形成する。 第三の溶液を工程(a)の水溶液と工程(b)のアルカリ水溶液に組み合わせて、蛍 光増白剤、 保恒剤、キレート化剤、湿潤剤、有機溶媒、現像促進剤、及びこれらの混合物を 含むその他の写真処理剤を収納する単一の単位包装体に加えることができる。或 いは別の写真処理剤を上記アルカリ水溶液に添加してもよい。また少なくとも上 記二種類の溶液を連続的に添加してもよい。 上記一液型多相の濃縮された増し液を水で1:9の割合に希釈することにより、 約10〜11のpHを有する写真材料のカラー現像用の作業増し液が生成する。 好ましい態様の記述 本発明は単一のユニットに包装された多相の濃縮されたカラー現像増し液およ びその製造方法を提供する。本発明では、カラー現像主薬が従来の高アルカリ性 の組成物中で通常生じる劣化から保護される。写真的に不活性な単一環の複素環 式アミドを濃縮された現像増し液に添加することによって、カラー現像主薬の分 解が実質的に除去されることが判明した。この写真的に不活性な単一環の複素環 式アミドはカラー現像主薬が高アルカリ性のpHを有する下相中よりも溶解し易 い上相を形成することによってカラー現像主薬の劣化を防止できるという優れた 効果を有している。従って、上記濃縮された現像増し液は保存性が優れており、 水で容易に希釈されて、種々の写真紙及びフィルムの現像に用いられる作業用溶 液を調製できる。 写真現像は露光による潜像を有するハロゲン化銀結晶の金属銀への化学還元で ある。現像主薬は露光されないハロゲン化銀に影響を与えずに、露光されたハロ ゲン化銀を金属銀に還元する。カラー写真において、フィルムが露光した場所で 色が生じる。現代のほとんど全てのカラー現像法は染料-カップリング現像とし て知られる単一の化学処理に基づいている。現在入手可能なカラー現像主薬は銀 潜像の現像液であるが、正常な状態では染料形成体と結合しない。銀潜像の現像 から生じる現像主薬の酸化生成物は染料形成体と結合してカラー像を生じること が可能である。 当業者によく知られており、そして写真産業で広く使われているハロゲン化銀 エマルジョン用のカラー現像主薬は本発明の濃縮増し液に有利に使用できる。代 表的な現像主薬は一般式(I)を有する化合物から選ぶことができる。 但し、一般式(I)において、R1とR2は独立して1〜4個の炭素原子を有するア ルキル基、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルキル-置換されたスル ホンアミドメチル基、又はアルキル-置換されたスルホン酸基であり、R3は水素 原子、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、1〜4個の炭素原子を有するアルコ キシ基、又はアルキル-置換されたアミノ基であり、そしてXはCl、SO4、又はSO2 である。一般式(I)で示される有用なカラー現像主薬の好ましい代表例はN,N-ジ エチルパラフェニレンジアミン塩酸塩、N,N-ジエチルパラフェニレンジアミン二 酸化硫黄、4-アミノ-3-メチル-N-エチル-N-(2-ヒドロキシエチル)アニリン硫酸 塩、パラヒドロキシエチルエチルアミノアニリン硫酸塩、4-(N-エチル-N-2-メタ ンスルホニル-アミノエチル)-2-メチルフェニレンジアミン三二硫酸塩、2-アミ ノ-5-ジエチル-アミノトルエン塩酸塩、そしてより好ましくは4-(N-エチル-N-2- メタンスルホニル-アミノエチル)-2-メチルフェニレンジアミン三二硫酸塩を含 む。 一般に、カラー現像主薬は露光されて、更に染料形成体と結合したエマルジョ ンのハロゲン化銀粒子を優先的に還元するのに十分な量で使用されるべきである 。カラー現像主薬は一般的には本発明の濃縮された多相溶液の全重量に対して約 2〜12パーセントの量で存在する。特に、上記濃縮液中の現像主薬が総重量の約3 〜9パーセントである場合、カラー像の形成が生じる。特に記述しない限り、部 及びパーセンテージは重量で示される。 増し液及びこれに溶解する現像主薬は空気中の酸素と反応して、この溶液を着 色及び曇らせる生成物を生じる傾向を示す。もしこの傾向が大きい場合には、こ の溶液は使用不能になる。従って、酸素に対する親和力を有し、そして増し液中 のその他の活性成分に優先して空気と水から酸素を吸引する性質を持つ保恒剤と して作用する酸化防止剤をカラー現像増し液に添加することが必要である。しか し、上述したように、現像主薬の酸化生成物はカラー形成体と結合して染料を生 じる。明らかに、カラー現像液化合物は多量の酸化防止剤を含有できない。何故 なら、酸化防止剤はカラー像を形成するカラー現像主薬の作用を阻害するからで ある。 写真現像技術で知られている多種類の有益な無機酸化防止剤が本発明で使用で きる。最も一般的で広く用いられている無機酸化防止剤はアルカリ金属亜硫酸塩 を含む。無機酸化防止剤の代表例は亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸 水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、及びメタ重亜 硫酸カリウムを含む。通常、十分な量の無機酸化防止剤が他の活性成分の性能を 弱めて、急速に酸化し、そしてこれらの活性成分の有効性を失わせるために使用 される。特に、最適の保存を達成するための無機酸化防止剤の使用量は本発明の 濃縮された多相組成物の合計重量の約0.1〜3パーセントであり、そしてより好ま しくは約0.1〜0.5パーセントである。 上述したように、カラー現像主薬がより多く溶解するような媒体を供給するこ とにより、 写真的に不活性な単一環の複素環式アミドを添加してカラー現像主薬の劣化を防 止できることが判明した。溶解度が増すと、濃縮された増し液に添加できる現像 主薬の量が同時に増大する。 本発明の濃縮されたカラー現像増し液組成物の調製に有用な水溶性単一環の複 素環式アミドは一般式(II)を有する:但し、一般式(II)において、Rは水素原子、1〜4個の炭素原子を有するアルキ ル基、1〜6個の炭素原子を有するアミノアルキル基、そしてnは2〜7である。一 般式(II)で示される複素環式アミドの代表例は2-アゼチジノン(β-プロピオラ クタム)、2-ピロリドン(γブチロラクタム)、2-ピペリドン(δ-バレロラクタム) 、ε-カプロラクタム(6-ヘキサノラクタム)、エナントラクタム(7-ヘプタノラク タム)、カプロラクタム(8-オクタノラクタム)及びN-メチル-2ピロリドンであり 、そして好ましくはε-カプロラクタムである。 カラー現像主薬を安定化させるのに十分な量の写真的に不活性な単一環の複素 環式アミドを採用することが有益である。好ましくは、この単一環の複素環式ア ミドは約5〜15パーセント、より好ましくは約7〜10パーセントの量で加えられる 。 ハロゲン化銀の現像が行われる場合、水素イオンが生成した金属銀の各原子に ついて生じる。現像液中の臭化物と水素イオンは一緒に酸を生成するため、反応 が容易にアルカリ性溶液中で進行して酸を中和する。カラー現像液の還元力は濃 縮された増し液のアルカリ性度を調節することによって制御される。無機酸化防 止剤とカラー現像主薬を含有する増し液のpHの調整は塩基を導入することにより 達成される。本発明において、用語の“塩基”は水溶液中で水酸化物イオンを生 じる物質、又はプロトンを受け入れることができる物質 を意味する。実際的には、写真処理に適する塩基がpHをより高いアルカリ性の領 域に調整するために使用される。これらの塩基はアンモニアのような窒素塩基、 水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び水酸化バリウムのようなアルカリ金属 又はアルカリ上類金属の水酸化物、そしてメチルアミンのような1x10-4より大 きいKBを有する有機塩基を含む。 一般に、pH調整剤は酸化防止剤、カラー現像主薬、及び写真的に不活性な単一 環の複素環式アミドを含有する水溶液のpHを約10〜12の範囲に、より好ましく は約10.5〜11の範囲に上昇させるのに有効な量で使用されるべきである。pH調整 剤は概して濃縮溶液の合計重量の約0.5〜5パーセントの量で存在する。本発明を 実施する場合、水酸化ナトリウムを合計重量の約1〜3パーセントの量で使用す ることが有利である。 カラー現像液の安定性はpHによって大きく影響を受ける。全ての現像主薬の還 元能力は pHの増加に比例して増加するので、酸素の反応速度もまた増大する。従って、pH が高くなると現像液は空気酸化され易くなり、別の保恒剤、現像主薬で弱められ て、酸素から保護される。多くのカラー現像液が空気で酸化される場合、ヒドロ キシルイオンが生じてpHをさらに高める傾向を示す。従って、溶液は適切に緩 衝されるべきである。増し液中のカラー現像主薬の活性度は溶液のpHに大きく 依存するため、多くの増し液は所望の活性度に適するpHを維持する機能を有す る緩衝剤を含有する。従って、写真処理で知られている多くの緩衝剤が本発明で 使用されて、限定されたpH範囲を維持できる。効果的な無機緩衝剤の代表例は 重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムを含む。 一般に、緩衝剤は写真材料の現像効果を高める限定されたpHの範囲を維持する のに十分な量で使用される。より好ましくは、緩衝剤は濃縮された増し液の総量 の約10〜25パーセントの量で存在する。好ましく用いられる無機緩衝剤の炭酸カ リウムは約13〜20パーセントの量で濃縮された増し液中に導入される。 無機緩衝塩を添加することにより、濃縮された増し液は多相の濃縮物を形成す る。本発明の濃縮された増し液の優れた特性を現時点において十分に説明するこ とはできない。無機緩衝塩は十分に濃縮されたイオン溶液を形成し、そして写真 的に不活性な単一環の複素環式アミドが溶液から押し出されて、高イオン性の下 相から離れた上相中に集められると考えられる。写真的に不活性な単一環の複素 環式アミドを上相中に集めることにより、カラー現像主薬を保持するより好まし い媒体が形成され、その結果、カラー現像主薬はアルカリ性の下相中に存在する 場合に比べて安定性が増す。 これらの多相濃縮物はカラー現像主薬が高アルカリ環境で通常生じる劣化から 保護される環境を提供し、更に増し液で希釈された作業用製品の中に存在する現 像主薬の濃度を高める能力を提供する。 典型的な増し液濃縮物において、その他の任意の写真現像処理剤が特定の効果 を達成するために添加されてもよい。これらの任意の処理剤は蛍光増白剤、湿潤 剤、現像促進剤、有機溶媒、その他の酸化防止剤、及びキレート化剤又は金属イ オン封鎖剤を含む。 蛍光増白剤を濃縮された増し液に添加すると、写真プリントの白面積がより白 く見える ようになる。蛍光増白剤は紫外線(UV)の照射により可視光、通常は青色を発し 、その結果、対象物の白色度を増大させる。約330〜400MUの領域のUV光を吸収し て、この不可視光を可視光に変換する写真処理で使用される蛍光増白剤を本発明 で使用して写真のプリントの白色度を増大させることができる。好ましくは、ポ リスルホン化ビス(s-トリアジニルアミノ)スチルベン-2,2'-ジスルホン酸が使用 されてもよく、これらは例えば、本発明で参考用として示す米国特許No.3,479,3 49及び3,589,921に開示されている。 一般に、十分な量の蛍光増白剤が写真印刷材料の白色度を強化するために使用 される。好ましくは4,4'-ビス-2-ジエチルアミノ-4-(2,5-ジスルホフェニルアミ ノ)-s-トリアジニル-6-アミノ-スチルベン-2,2'-ジスルホン酸が約0.1〜2パーセ ント、より好ましくは 約0.5〜1パーセントの量で添加される. 界面活性剤を現像液の溶解性を増大させ、そして湿潤剤として作用させるため に、濃縮された増し液に導入してもよい。界面活性剤は写真溶液中で多様な用途 を有する。即ち、(1)界面活性剤は有機物と他の物質と水との間に安定した界 面を形成する。また(2)界面活性剤は上記水溶液に良好な濡れ、流れ等の特性 を与える。湿潤剤は気泡の減少により増し液に入るため、フイルムの塗布性を改 善する。本発明の増し液によりフイルムエマルジョンを急速にそして均等に浸透 させるために、写真処理で用いられる従来の湿潤剤を導入することができる。可 溶化剤、即ち湿潤剤には二つの基本的な形式がある。一つは陰イオン型であって 、RSO3Na及びRSO4Naの形式の化合物を含み、ここでRは約5〜20個の炭素原子を有 し、また陰イオン型は複素環式置換基と約7〜20個の炭素原子を有するアルキル アリールスルホン酸ナトリウムを含む。別の湿潤剤はサポニン、ポリエチレング リコール及びその誘導体のような非イオンの化合物である。本発明では陰イオン 型の界面活性剤が最も有用な湿潤剤であることが判明した。 一般に、湿潤剤はフィルムが本発明の濃縮物で補充された現像液に入る時にフ ィルムを濡らすのに有効である量で使用される。例えば、湿潤剤は約0.2〜5パー セントで存在する。 好ましくは、湿潤剤はアルキルアリールスルホン酸塩であり、より好ましくは、 アルキル化されたジフェニルオキシドジスルフェートが上記濃縮物の合計量に基 づいて約0.5〜1パーセントの量で上記濃縮された増し液に添加される。 写真像を現像する場合、キレート剤はカラー現像増し液中でたびたび利用され て、微量の金属不純物を含む溶液中に安定した、可溶性の錯体を形成する。写真 の現像及び増し液中に利用される多くのキレート剤が本発明で有効に利用できる 。特に有効なキレート剤の例としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチ レントリアミンペンタ酢酸五ナトリウム塩(DTPANa5)、トリエチレンテトラアミ ン六酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ニトリロ三酢酸(NTA)、1 :2-ジアミノ-シクロヘキサン四酢酸、1:3-ジアミノ-2-プロパノール四酢酸、ジ ピコリン酸、ビス-ヒドロキシフェニルエチレンジアミン二酢酸、ヘキサメタリ ン酸ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、トリメ タリン酸ナトリウム、及び1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸のような 有機ホスホン酸塩と結合したリチウム塩が挙げられる。好ましくは、DTPANa5が 上記水溶液中の不純物を除去するのに有効である。 一般に、キレート化剤は現像液中の不所望の不純物を錯化するのに有効である 十分な量で使用される。特に、キレート化剤は合計重量の約1〜5パーセントの量 で、特に好ましくは、約2〜4のパーセントの量で濃縮された増し液中に存在すべ きである。 上記キレート化剤の結合能力を、特に高アルカリ性の溶液中で、増大させるた めに、別の金属イオン封鎖剤が上述した一群のキレート化剤と組み合わされて使 用されてもよい。添加される金属イオン封鎖剤が溶液中のカルシウムイオンに基 づく計算量よりも少ない場合には、写真記録材料の現像処理を妨げる比較的硬い 沈殿物が生じる。従って、ポリマレイン酸を添加すると、カルシウムイオンに結 合して、水が現像浴から蒸発する際に溶け難いカルシウム化合物の沈殿を回避す ることができる。 カルシウムイオンに結合するのに十分な量のポリマレイン酸を濃縮した増し液 に導入すべきである。特に、ポリマレイン酸は約1〜5パーセント、好ましくは約 2〜4パーセントの緻で使用できる。 上述の亜硫酸塩に加えて別の酸化防止剤を存在させることにより、現像主薬を 空気酸化から保護することができる。カラー現像液中の亜硫酸塩の量は必然的に 低いため、その他の酸化防止剤が通常導入される。従って、空気酸化を抑制する 酸化防止剤が本発明で使用できる。好ましい酸化防止剤はヒドロキシルアミン、 ジエチルヒドロキシルアミン、ヒドラジン、アスコルビン酸、及びテトロンイミ ドからなる群から選ばれた1種である。特に、ジエチルヒドロキシルアミンが最 高の結果を与えることが判明した。 一般に、酸化防止剤は現像主薬の空気酸化を防ぐのに十分な量で使用される。 特に、酸化防止剤は約2〜10重量パーセントの量で存在する。好ましくは、酸化 防止剤のジエチルヒドロキシルアミンは上記濃縮物の合訃重量の約3〜5パーセン トの量で濃縮された増し液に加えられる。 ある種の化合物は現像処理の速度を増大させるため、現像促進剤と呼ばれる。 これらの化合物はジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエタノール アミン、エチレンジアミン、β-フェニルエチルアミン、及びピペリジンのよう な有機アミンを含む。これらの化合物の作用は必ずしも明確ではないが、これら が有しているハロゲン化銀に対する弱い溶媒特性は重要な性質であると考えられ る。またこれらの化合物は本発明の増し液で補給される現像液中の亜硫酸塩の量 を補充する別の酸化防止剤として作用する。 現像を促進するのに十分な量の有機アミンを用いることが有益である。好まし くは、この有機アミンは約1〜5重量パーセントの量で添加できる。 本発明の液体濃縮物を調製するために、写真的に中性の有機溶媒を添加するこ とができる。水-混和性の有機溶媒を添加すると、濃縮増し液中の活性成分の溶 解度が増大するため、この活性成分の濃度を増大できる。これは特に低、又は中 性に近いpH溶液中のカラー現像主薬の溶解度を増大させるのに有益である。これ らの水-混和性の有機溶媒はエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ エチレングリコール及びヘキシレングリコールを含む。 活性成分の溶解度を増大させるのに十分な量の水-混和性の有機溶媒が上記濃 縮された増し液中に導入されてもよい。特に、有機溶媒は約1〜5パーセントの量 で使用できる。 実施例1 本発明に従って、多相の濃縮されたカラー現像増し液を以下に記述する方法で 調製した。 1リットルの開放フラスコをモーター付の撹拌機に装着した。周囲温度で、無 機酸化防止剤、即ち4グラムの亜硫酸カリウムを約40リットルの脱イオン水に添 加して、十分に混合した。4-(N-エチル-N-2-メタンスルホニル-アミノエチル)-2 -メチルフェニレンジアミン三二硫酸塩(CD-3)から成る70グラムのカラー現像 主薬を亜硫酸カリウムを含有する水溶液に混合した。この水溶液に写真的に不活 性な単一環の複素環式アミド、即ち120グラムのε-カプロラクタムを加えた。全 ての成分がこの水溶液に溶解し、そして混合して均一な水溶液を生成した。この 時点で、蛍光増白剤、即ち10グラムの4,4'-ビス-2-ジエチルアミノ-4-(2,5-ジス ルホフェニルアミノ)-s-トリアジニル-6-アミノ-スチルベン-2,2'-ジスルホン酸 を添加した。 この水溶液のpHを35mlの水酸化カリウムの50パーセントの溶液を用いて調節し た。直ちに、240グラムの緩衝塩の炭酸カリウムをこの溶液に混合した。別の現 像処理剤、即ち30mlのポリマレイン酸水溶液及び20mlのDTPANa5の40ml溶液(両 方の溶液は共にキレート剤として作用する)を添加した。また、70mlのジエチル ヒドロキシルアミンの85%溶液を別の酸化防止剤として添加した。最後に、アル キル化されたジスルホン酸ジフエニルオキシドと商品名Dowfax 3BOとしてダウケ ミカル社から市販されている湿潤剤との混合物の8mlを添加した。 この溶液の撹拌を通じて、この濃縮された増し液は黄色い乳白色溶液を示した 。しかしながら沈降により、多相の濃縮物が生成した。ε-カプロラクタムと現 像主薬の4-(N-エチル-N-2-メタンスルホニル-アミノエチル)-2-メチルフェニ レンジアミン三二硫酸塩とから成る上相が生成した。下相はその他の現像処理剤 を含むアルカリ性の水溶液を含有した。生成した第三の相は比較的少量の黄色の 沈殿物であった。この黄色の沈殿物は蛍光増白剤の4,4'-ビス-2-ジエチルアミノ - 4-(2,5-ジスルホフェニルアミノ)-s-トリアジニル-6-ア ミノ-スチルベン-2,2' -ジスルホン酸であって、上記濃縮物中に自由に浮遊していた。 このサンプルを輸送または貯槽をシミュレーションするために振動した結果、 この乳白色の溶液は容易に上記多相の濃縮物に戻ることが判明した。現像主薬は 再び写真的に不活性な単一環の複素環式アミドを有する上相中に集められて、高 アルカリ性の下相から保護された。保存性を決定するための促進試験を実施した 。 この試験は上記濃縮溶液について炉中で約50〜約55℃で1ヶ月の間実施され、 そして上記現像主薬は顕著な劣化を示すことなくその効力を維持した。 保存性が100mlの上記濃縮された増し液を120mlの瓶の中に密閉して室温で保存 することにより試験された。120mlの密閉されたビンの各々は約7グラムの活性 な現像主薬を含有する。 以下の試験データは1ケ月又は少なくとも10ヶ月の間、加熱を続けても上記活 性現像主薬の濃度はそれほど低下しないことを示す。 上記濃縮増し液の調製中に、現像主薬が少し空気酸化されることに注目すべき である。従って、理論的には、それぞれの100mlの瓶の中の7グラムの現像主薬 の全てが写真材料を現像する活性な還元剤であると判断することはできない。ま た、現像主薬の約95〜97パーセントが写真的に不活発な単一環の複素環式アミド 中に保持されたことが判明した。全てのこれらの要素を考慮すると、保存性は現 像主薬が顕著に劣化することなく1年を超過することが予想される。 実施例2 一液型多相の濃縮された増し液を含有する単一ユニット包装体を製造する別の 方法は少なくとも2種類、そして好ましくは3種類の溶液を別々に調製し、そし てこれらを単一のユニット包装体に一緒に加えることを含む。上記3種類の溶液 を加えると、多相の溶液が直ちに形成される。 A溶液の部分は400グラムのε-カプロラクタム、5グラムの亜硫酸カリウム、 及び234グラムの4-(N-エチル-N-2-メタンスルホニル-アミノエチル)-2-メチル フェニレンジアミン三二硫酸塩(CD-3)を500mlの脱イオン水中に溶解すること により調製される。A溶液部分はさらに1リットルになるまで希釈される。 B溶液の部分は800グラムの炭酸カリウムを十分な量の脱イオンに溶解して1リ ットルの溶液にすることにより調製される。 C溶液の部分は別の写真処理剤を500mlの脱イオンに溶解することにより調製さ れる。 これらは25グラムの蛍光増白剤の4,4'-ビス-2-ジエチルアミノ-4-(2,5-スルホ フェニルアミノ)-s-トリアジニル-6-アミノ-スチルベン-2、2'-ジスルホン酸、1 75mlの酸化防止剤のジエチルヒドロキシルアミンの85%濃縮液、19mlのジスルホ ン酸アルキル化ジフェニルオキシドの混合物、商品名Dowfax 3BOで市販されてい るダウケミカル社の湿潤剤、75mlのキレート化剤のポリマレイン酸、及び50mlの キレート化剤のDTPANa5の40%溶液を含む。 C溶液の部分は95mlの水酸化カリウムの50%濃縮溶液を添加することによりアルカ リ性pHに調整され、そして更に1リットルになるまで水で希釈される。 pH調整剤はC溶液の部分又はB溶液の部分に添加されることに注目すべきであ る。 溶液部分A、B及びCの調製の後に、300mlのA部分、300mlのB部分及び400mlのC 部分を上記単一の包装体に加えた。これら3種類の部分は同時又は連続的に加え られる。3つの部品を加えた後、一液型濃縮物は多相に分離し、上相は現像主薬 と単一環の複素環式アミドを含み、そしてアルカリ性の下相はその他の写真現像 処理剤を含む。
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Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 写真的に不活性な単一環の複素環式アミドと現像主薬とを含む組成物によっ て特徴づけられる一液型多相の濃縮されたカラー現像増し液であって、上記現像 主薬が上記写真的に不活性な単一環の複素環式アミドに溶解し、そして上記一液 型多相濃縮カラー現像増し液の上相中に保持されるカラー現像増し液。 2. 上記組成物が上記一液型多相濃縮カラー現像増し液の下相中に少なくとも一 つの写真現像処理剤を有する水溶液を更に含むことを特徴とする請求の範囲1の 増し液。 3. 上記写真現像処理剤が現像主薬、保恒剤、緩衝塩、塩基及びこれらの混合物 から成る群から選ばれた1種であることを特徴とする請求の範囲2の増し液。 4. 上記組成物がキレート化剤、蛍光増白剤又は湿潤剤を更に含むことを特徴と する請求の範囲3の増し液。 5. 上記写真的に不活性な単一環の複素環式アミドがε-カプロラクタムである ことを特徴とする請求の範囲1の増し液。 6. 上記写真的に不活性な単一環の複素環式アミドが2-アゼチジノン(β-プロ ピオラクタム)、2-ピロリドン(γブチロラクタム)、2-ピペリドン(δ-バレロラ クタム)、ε-カプロラクタム(6-ヘキサノラクタム)、エナントラクタム(7-ヘプ タノラクタム)、N-メチル-2ピロリドン、及びカプロラクタム(8-オクタノラク タム)から成る群から選ばれた1種であることを特徴とする請求の範囲1の増し 液. 7. 上記写真的に不活性な単一環の複素環式アミドが上記全組成物の約5〜15重 量パーセントを含むことを特徴とする請求の範囲4の増し液。 8. 無機酸化防止剤、カラー現像主薬、写真的に不活性な単一環の複素環式アミ ド、アルカリ性pH調整剤、及び無機緩衝塩を含むことよって特徴づけられるカ ラー現像写真材料用の一液型多相の濃縮された増し液であって、上記一液型多相 濃縮カラー現像増し液の上相が上記写真的に不活性な単一環の複素環式アミド中 に溶解した上記現像主薬を含み、そして上記増し液の下相が上記無機酸化防止剤 、上記無機緩衝塩及び上記アルカリ性pH調整剤を含む増し液。 9. 上記写真的に不活性な単一環の複素環式アミドが2-アゼチジノン(β-プロ ピオラクタム)、2-ピロリドン(γブチロラクタム)、2-ピペリドン(δ-バレロラ クタム)、ε-カプロラクタム(6-ヘキサノラクタム)-、エナントラクタム(7-ヘプ タノラクタム)、N-メチル-2-ピロリドン、及びカプロラクタム(8-オクタノラク タム)から成る群から選ばれた1種であることを特徴とする請求の範囲8の増し 液。 10.上記写真的に不活性な単一環の複素環式アミドがε-カプロラクタムである ことを特徴とする請求の範囲8の増し液。 11.少なくとも一つの別の写真現像処理剤を更に含むことを特徴とする請求の範 囲8の増し液。 12.蛍光増白剤、キレート化剤、酸化防止剤、湿潤剤及びこれらの混合物からな る群から選ばれた1種である少なくとも一つの別の写真現像処理剤を含むことを 特徴とする請求の範囲11の増し液。 13.上記無機酸化防止剤が亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素ナト リウム、亜硫酸水素カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、及びメタ重亜硫酸カリ ウムから成る群から選ばれた1種であることを特徴とする請求の範囲10の増し液 。 14.カラー現像主薬がN,N-ジエチルパラフェニレンジアミン塩酸塩、N,N-ジエチ ルパラフェニレンジアミン二酸化硫黄、4-アミノ-3-メチル-N-エチル-N-(2-ヒド ロキシエチル)アニリン硫酸塩、バラヒドロキシエチルエチルアミノアニリン硫 酸塩、4-(N-エチル-N-2-メタンスルホニル-アミノエチル)-2-メチルフェニレン ジアミン三二硫酸塩、及び2-アミノ-5-ジエチル-アミノトルエン塩酸塩から成る 群から選ばれた1種であることを特徴とする請求の範囲13の増し液。 15.上記アルカリ性pH調整剤がアンモニア、アルカリ金属水酸化物、アルカリ 土類金属水酸化鉱物、及びメチルアミンから成る群から選ばれた1種であること を特徴とする請求の範囲14の増し液。 16.上記無機緩衝塩が重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、及び炭酸カリウムか ら成る群から選ばれた1種であることを特徴とする請求の範囲15の増し液。 17.上記濃縮された増し液が(1)上記無機酸化防止剤、上記無機緩衝塩及び上 記水性の下相中に溶解したアルカリ性pH調整剤を含むpH10以上の水性の下 相によって特徴づけられ、そして(2)上記カラー現像主薬及び上記写真的に不 活性な単一環の複素環式アミドを含み、上記カラー現像主薬が上記写真的に不活 性な単一環の複素環式アミドに溶解し、そして上記アルカリ性下相から離れて保 持される上相によって特徴づけられる請求の範囲8の増し液。 18.上記湿潤剤がジエチレングリコール、サポニン、約5〜約20の炭素原子を有 するアルキルスルホン酸ナトリウム、約5〜約20の炭素原子を有するアルキル硫 酸ナトリウム、及び約7〜約20の炭素原子を有するアルキルアリールスルホン酸 ナトリウムから成る群から選ばれた1種であることを特徴とする請求の範囲12の 増し液。 19.上記キレート化剤がエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン ペンタ酢酸五ナトリウム塩(DTPANa5)、トリエチレンテトラアミン六酢酸、ヒド ロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ニトリロ三酢酸(NTA)、1:2-ジアミノ-シ クロヘキサン四酢酸、1:3-ジアミノ-2-プロバノール四酢酸、ジピコリン酸、 ビス-ヒドロキシフェニルエチレンジアミン二酢酸、ヘキサメタリン酸ナトリウ ム、ピロリン酸四ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、トリメタリン酸ナト リウム、ポリマレイン酸、及び有機ホスホン酸塩と結合したリチウム塩から成る 群から選ばれた1種であることを特徴とする請求の範囲18の増し液。 20.蛍光増白剤がポリスルホン化ビス(s-トリアジニルアミノ)スチルベン-2,2'- ジ-スルホン酸であることを特徴とする請求の範囲19の増し液。 21.a)カラー現像主薬、無機酸化防止剤、及び写真的に不活性な単一環の複素 環式アミドを含む水溶液を形成する工程; b)工程(a)の水溶液のpHをより高いアルカリ領域まで上昇させる工程;そ して c)十分な量の無機緩衝塩を工程(b)の水溶液に導入して多相溶液を形成する 下程を含む複数の工程によって特徴づけられるカラー現像写真材料用の一液型多 相の濃縮された増し液の製造方法。 22.上記写真的に不活性な単一環の複素環式アミドが2-アゼチジノン(β-プロ ピオラクタム)、2-ピロリドン(γブチロラクタム)、2-ピペリドン(δ-バレロラ クタム)、ε-カプロラクタム(6-ヘキサノラクタム)、エナントラクタム(7- ヘプタノラクタム)、N-メチル-2ピロリドン、及びカプロラクタム(8-オクタノ ラクタム)から成る群から選ばれた1種であることを特徴とする請求の範囲21の 製造方法。 23.上記写真的に不活性な単一環の複素環式アミドがε-カプロラクタムである ことを特徴とする請求の範囲21の製造方法。 24.カラー現像主薬がN,N-ジエチルパラフェニレンジアミン塩酸塩、N,N-ジエチ ルパラフェニレンジアミン二酸化硫黄、4-アミノ-3-メチル-N-エチル-N-(2-ヒド ロキシエチル)アニリン硫酸塩、パラヒドロキシエチルエチルアミノアニリン硫 酸塩、4-(N-エチル-N-2-メタンスルホニル-アミノエチル)-2-メチルフェニレン ジアミン三二硫酸塩、及び2-アミノ-5-ジエチル-アミノトルエン塩酸塩から成る 群から選ばれた1種であることを特徴とする請求の範囲21の製造方法。 25.カラー現像主薬がp-パラフェニレンジアミン誘導体であることを特徴とする 請求の範囲21の製造方法。 26.カラー現像主薬が4-(N-エチル-N-2-メタンスルホニル-アミノエチル)-2-メ チルフェニレンジアミン三二硫酸塩であることを特徴とする請求の範囲25の製造 方法。 27.一液型多相の濃縮された増し液の製造方法であって、 a)カラー現像主薬、及び写真的に不活性な単一環の複素環式アミドを含む水 溶液を調製する工程; b)無機緩衝塩を含むアルカリ水溶液を調製する工程;そして c)上記上程(a)及び(b)の水溶液を実質的に同時に混合して、上記濃縮増し 液を生成する工程を含む複数の工程によって特徴づけられる上記増し液の製造方 法。 28.上記アルカリ水溶液が蛍光増白剤、保恒剤、キレート化剤、湿潤剤、有機溶 剤、現像促進剤、及びこれらの混合物から成る群から選ばれた少なくとも1種で あることを特徴とする請求の範囲27の製造方法。 29.上記写真的に不活性な単一環の複素環式アミドが2-アゼチジノン(β-プロ ピオラクタム)、2-ピロリドン(γブチロラクタム)、2-ピペリドン(δ-バレロラ クタム)、ε-カプロラクタム(6-ヘキサノラクタム)、エナントラクタム(7-ヘプ タノラクタム)、N-メチル-2ピロリドン、及びカプロラクタム(8-オク タノラクタム)から成る群から選ばれた1種であることを特徴とする請求の範囲2 7の製造方法。 30.カラー現像主薬がN,N-ジエチルパラフェニレンジアミン塩酸塩、N,N-ジエチ ルパラフェニレンジアミン二酸化硫黄、4-アミノ-3-メチル-N-エチル-N-(2-ヒド ロキシエチル)アニリン硫酸塩、パラヒドロキシエチルエチルアミノアニリン硫 酸塩、4-(N-エチル-N-2-メタンスルホニル-アミノエチル)-2-メチルフェニレン ジアミン三二硫酸塩、及び2-アミノ-5-ジエチル-アミノトルエン塩酸塩から成る 群から選ばれた1種であることを特徴とする請求の範囲27の製造方法。 31.上記写真的に不活性な単一環の複素環式アミドがε-カプロラクタムである ことを特徴とする請求の範囲27の製造方法。 32.カラー現像主薬が4-(N-エチル-N-2-メタンスルホニル-アミノエチル)-2-メ チルフェニレンジアミン三二硫酸塩であることを特徴とする請求の範囲31の製造 方法。
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