JP2002508708A - 鋳造中特に開始時におけるインゴット温度の制御方法及び装置 - Google Patents

鋳造中特に開始時におけるインゴット温度の制御方法及び装置

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Abstract

(57)【要約】 ボトムブロックを備え開端部を設けたモールドを有する鋳造機において直接冷硬鋳造されるインゴットの表面温度を、開端部を設けたモールドからインゴットが出てくる鋳造初期段階において制御する方法を提供する。この方法は、開端部を設けたモールドから出てくるインゴットの少なくとも1つの表面に対して、冷却水を、表面上の標準衝突点で衝突させて該表面を冷却するように流すステップと;少なくとも1つの測定場所(表面温度が2次冷却水の流れにより影響を受けるほど標準衝突点に十分近い予め決められた場所)において、インゴット上の表面温度を測定するステップと;各表面温度測定値に対応して、鋳造機のボトムブロックの、鋳造開始時における初期位置からの移動量を決めるステップと;測定表面温度を用いて、鋳造に関する変数を制御し、これにより表面温度を制御するステップとを含む。本発明はまた、上述の方法を実施するための装置、及び表面温度測定方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 鋳造中特に開始時におけるインゴット温度の制御方法及び装置技術分野 本発明は、鋳造中にインゴットの温度又は冷却率を制御するための方法及び装 置に関する。本発明は特に、鋳造開始時における表層温度又は冷却率を制御する ための方法及び装置に関する。背景技術 開端部を有するモールド内でアルミニウム及びアルミニウム合金を直接冷硬( DC:direct chill)鋳造する間、鋳造されるインゴットは、1次冷却(モール ド表面から熱を奪う。)、2次冷却(インゴットが鋳造用モールドから出てくる 際に凝固したインゴット表面上に噴流状の液体冷却剤を散水又は噴射することに より、インゴット表面温度を制御する。)及びボトムブロック(基部となる台) すなわちスツールキャップによる冷却(鋳造工程を始めるための固体のスタート 台を介して熱を奪う。)の3種類の冷却を受ける。1次冷却及びボトムブロック 冷却は、迅速に修正・調整するのが容易でないので、鋳造されるインゴットの表 層温度の履歴又は冷却率に対し、インゴットの形成中に影響を与える主要な手段 は、2次冷却である。2次冷却を適切に制御するには、種々の鋳造の問題やイン ゴットの欠陥を防止することが必要とされる。過度のまたは不十分な冷却は、端 部での過度のカールなどのインゴットの欠陥を発生させる原因となり、その結果 、長方形断面形状を有するインゴットにおける短辺上でのひどいブリーディング や、熱間圧延の前に余分なスキャルピングを必要とずる冷間折り曲げ(cold fold ing)や、過度の熱的・機械的な応力によるクラッキングが生じる。 インゴット端部での熱的・機械的性質は、大きな熱・機械的応力を発生し得る 過渡的な段階に属するので、上述の問題は、上記DC鋳造工程の初期段階で特に 顕著である。3タイプの冷却の効果を組み合わせ、特に2次冷却の冷却効果を加 減することにより、生産物に欠陥が生じることなく、安定状態に達するまでイン ゴット冷却を徐々に増やすことが課題であった。インゴット冷却に影響する個々 の全てのパラメータの冷却効果の組み合わせを量的に決定するのは不可能であっ た。その結果、調整は、オペレータの個人的な経験に基づいて、あるいは試行錯 誤により行われることが多かった。これはしばし、特に新たな合金、生産物、新 たな鋳造技術に関して経験が不足している場合、プロセス制御を非常に困難にす る。 米国特許第3、441、079号に開示された「パルス散水」や、米国特許第 4、693、298号に開示されたガス注入など、2次冷却の冷却効果を修正す るための種々の方法が知られている。しかしながら、これらの方法は、一般的に 、前以ってプログラミングされており、冷却効果を加減するためにインゴットの 状態をフィードバックするものではない。したがって、冷却水の性質、モールド 冷却特性、金属の温度、鋳造速度などの変化に応答することができない。 ドイツ特許DE1、941、816号(VAWに譲渡)は、冷却水供給を制御 するために温度を直接フィードバックする手段として、インゴット表面に接触す る温度測定プローブの利用を提案している。プローブは、インゴットが下方に下 がる間に接触を行えるように構成されたホイール装置に取付けられている。装置 は、冷却水の流れを制御して熱流入変化及び冷却水の性質の変化を相殺するため に用いられることが開示されている。このような温度測定プローブは、インゴッ ト表面と接触する際に、特定の場所での表面温度として解釈される熱起電力(e mf)を発生させる、一対の異なる金属接触部からなる。しかしながら、これは 、本測定方法が各場所で一様に表面接触するのを当てにしていることを意味する 。この理由は、特に鋳造されたインゴットに沿って温度が急激に変わる状況(例 えば鋳造の開始時)では、温度測定の有効性を確認する手段がないからである。 ホイールの大きさにより、装置は、配置できる場所に関して制限を受け(特に、 鋳造用モールドの近くの制限された空間)、接触点同士間で必要な大きな間隔は 、温度が測定される点(又は回数)を制限する。これは、例えば、鋳造開始時に おいて望ましい徐々の温度変化を困難にしたり不可能にする。 したがって、温度がかなり変化する鋳造初期段階においても、インゴットがモ ールドから出てくる間に、インゴット表面温度を確実に測定・制御することが必 要である。さらに、開始時にクラッキングしやすいインゴットの鋳造初期段階が 確実に行われるように、冷却水の供給及び性質を制御する方法が必要とされてい る。発明の開示 本発明の目的は、所望の冷却履歴が確実に得られるように、DC鋳造されるイ ンゴットの表面温度を制御する方法を提供することである。 本発明の別の目的は、得られたインゴットに欠陥が生じないように、鋳造開始 時にDC鋳造インゴットの温度を制御するための手段を提供することである。 本発明のさらに別の目的は、上述の目的を得るための装置を提供することであ る。 本発明の第1の形態は、ボトムブロックを備え開端部を設けたモールドを有す る鋳造機において直接冷硬鋳造されるインゴットの表面温度を、上記開端部を設 けたモールドから上記インゴットが出てくる鋳造初期段階において制御する方法 を提供する。この方法は、開端部を設けたモールドから出てくるインゴットの少 なくとも1つの表面に対して、冷却水を、上記表面上の標準衝突点で衝突させて 上記表面を冷却するように流す工程と;少なくとも1つの測定場所(表面温度が 上記冷却水の流れにより影響を受けるとともに、上記インゴットの長さが各表面 温度測定値に応じて決められるように、上記標準衝突点に十分近い予め決められ た場所)において、上記モールドから出てくるインゴット上の表面温度を測定す る工程と;上記各表面温度測定値に対応して、上記インゴットの長さ(上記鋳造 機のボトムブロックの、鋳造開始時における初期位置からの移動量)を決める工 程と;上記測定表面温度を用いて、少なくとも1つの鋳造に関する変数を制御し 、これにより上記表面の上記温度を制御する工程とを含む。 好適には、測定される温度は、鋳造が進行する間の予め決められた表面温度履 歴(表面温度の連続的な変化)を与えるために使用される。 本発明の別の形態は、直接冷硬鋳造されるインゴットの表面温度を、開端部を 設けた鋳造用モールドを有する鋳造機から出てくる鋳造初期段階において制御す るための装置を提供する。この装置は、上記鋳造用モールドに対し規定された標 準的な第2の冷却水衝突点に関して予め決められた位置に配置され、上記インゴ ットの上記表面温度を制御するための制御装置の一部を構成する第1の表面温度 センサと;温度センサの信号を、これら信号の有効性を確認した場合にのみ、制 御回路に送るように構成された信号調整器と;第1の信号比較器の出力値を、予 め決められた制御関数と比較する信号比較器と;上記第2の信号比較器の出力値 に応答して、上記鋳造用モールドの鋳造変数を制御する制御器とを有する。 制御器は、通常1つの鋳造変数のみを制御するが、2つ又はそれ以上制御して もよい。 上記装置は、第1の温度センサに隣接して配置された少なくとも1つの別の温 度センサを有するのが好適であり、信号調整器は、各温度センサの出力値同士を 比較する信号比較器であって、信号同士の差が所定の量より小さい場合に有効と 判定する。好適には、信号同士の差が約10%以下、さらに好適には約5%以下 の場合に、有効と判定される。 本発明の更に別の形態は、開端部を設けた鋳造用モールドから鋳造される金属 インゴットの表面温度を測定する方法を提供する。この方法は、第1の温度セン サを用いて第1の温度測定値を得るために、上記インゴット上のある場所におけ る表面温度を測定する工程と;第2の温度センサを用いて第2の温度測定値を得 るために、上記インゴット上の上記場所における表面温度を測定する工程と;こ れら第1及び第2の温度測定値を比較する工程と;上記第1及び第2の温度測定 値の差が所定の量より大きい場合、これら温度測定値を無視する工程と;上記第 1及び第2の温度測定値の差が上記所定の量より小さい場合、上記場所での上記 表面温度を表わすものとして、上記第1及び第2の温度測定値の1つ又は平均を 選択する工程とを含む。 上記方法において、モールドは、鋳造用モールドの少なくとも1つの鋳造変数 を制御するための制御器を有するのが好適である。選択された温度測定値は、鋳 造工程の際にインゴットの予め決められた表面温度を得る必要がある場合、鋳造 変数を修正するための制御器により使用される。例えば、モールドがインゴット 用の2次冷却装置を有する場合、選択された温度は、予め決められた表面温度を 維持するために、2次冷却装置を修正する制御器により使用される。 本発明の全ての形態において、表面温度の測定方法は種々考えられる。例えば 、非接触式の光学センサを用いて連続的に、あるいは、断続的に(好適には周期 的に)表面と接触する少なくとも1つの接触式温度測定センサを用いて半連続的 に測定を行ってもよい。非接触式光学センサは、赤外線あるいは類似のセンサで あってもよい。接触式温度測定センサとしては、例えばサーミスタ、感温抵抗素 子、熱電対が可能である。 上述したように、表面温度は、各測定値が独立して検証されあるいは有効性確 認される方法を用いて測定されるのが好適である。すなわち、各温度(又は該温 度に対応する信号)は、正確性及び精度の目的上、異なるインゴット形成長さに 対しなされた測定とは無関係に検証されるのが好適である。これは、例えば、接 触方法、すなわち隣接し且つ同時の第2の表面温度接触測定を用いた、接触の状 態を測定するためのシステムにより行ってもよい。 したがって、好適には、上記表面温度の測定は、上記測定場所において少なく とも2つの接触温度センサを用意する工程と、上記センサを上記表面に同時に周 期的に接触させる工程と、上記各センサからの出力値を検出する工程と、上記出 力値同士の差が所定の量より大きい場合、又は、検出された温度の最大値が、略 同様の条件下で、別の移動するスラブ、移動ずるスラブ群若しくは同一の移動ス ラブの一部上で測定された同等の温度と異なる場合、上記出力値を拒否する工程 とにより行われる。上記出力値の一つ又は平均は、上記冷却水の制御に用いるた めの上記温度の測定値として受け取られる。測定される出力表示の決定及び表示 は、移動するスラブ上の特定の場所における測定後、あるいはこのような測定を 一連にわたって行った後のいずれかにおいて行われる。 制御される鋳造変数は、溶融金属の温度、鋳造速度、あるいは好適には、イン ゴットに2次冷却水を供給するために使用する冷却水流れによる冷却率である。 インゴット表面に向けられる冷却水の流れ(2次冷却という。)による冷却率 の制御は、多くの方法により実現でき、これらには、パルス散水される水流のオ ン・オフサイクル時間やサイクル長さを変更する方法、冷却水の流れ全体を変え る方法、ガス・冷却水システムのガス量(CO2量、空気量など)を変更する方 法、標準的な2次冷却衝突点から該衝突点の位置を変える方法、冷却水自体の熱 的性能に影響を及ぼす冷却水の他の性質(温度、油その他の有機・無機添加剤の 濃度など)を変更する方法が含まれる。 上述したように、インゴット長さは、一般に、開端部を設けたモールド内部に おいて、鋳造機のボトムブロック(スツールキャップと称されることがある。) の初期位置からの移動量として定義される。こうして定義されたインゴット長さ は、凝固したインゴットシェルと一致はしないが(例えば、鋳造中、溶融金属レ ベルがモールド内で変わる場合がある。)、このインゴット長さを決める方法は 、鋳造の初期段階において特に適した測定である。 インゴットの測定表面温度は、第1のインゴット長さにわたる第1のセクショ ンと、上記第1のセクションより長いインゴット長さにわたる、隣接する第2の セクションとを有する温度制御域内に表面温度を保つように、該表面温度を制御 するために使用される。表面温度は、第1のインゴット長さに対し、120℃を 超える下限温度より高く且つ上限温度より低くなるように、第1のセクション内 に制御される。表面温度はまた、インゴット長さ増加分の中で120℃まで低下 し、その後120℃以下に保たれるように、第2のセクション内で制御される。 好適には、温度制御域は、インゴット水平断面大きさ及び合金の組成のみの関 数である。この温度制御域は、特定のデザインのモールド用に経験的に決めた後 で、一般的に用いてもよい。標準的な2次冷却水衝突点に関して予め決められた 距離にある温度測定場所が選択されるので、上記温度制御域は、特定のモールド デザインや、2次冷却水の振る舞いを変える方法によらず、したがって、標準的 な2次冷却水衝突点に関して予め決められた同一の距離が用いられるならば、1 つの鋳造装置から(同じインゴットサイズ及び合金組成に対する)別の鋳造装置 に、最小限の修正で制御関数を移すことが可能である。 第1のインゴット長さは、約100mmより大きいのが好適である。合金によ っては、第1のインゴット長さは0mmも可能であるが、安全を考慮して、第1 のインゴット長さは最低でも100mmあるのが好ましい。また、第1のインゴ ット長さは、約600mmより小さいのが好適で、400mmより小さいのがさ らに好適である。 好適には、インゴット長さ増加分は、5〜100mmの範囲にあり、さらに好 適には10〜100mmの範囲にある。 温度制御域の第1のセクションの下限温度は、特定の冷却水及びインゴット表 面に対する核沸騰領域の上限温度より高いのが好適で、使用される冷却水及び表 面に対する安定した膜沸騰が生じる最低温度よりも高いのがさらに好適である。 核沸騰領域及び膜沸騰領域は、例えば、エフ・クレイス氏によりインターナショ ナル・テキストブック・カンパニーから1965年に発行された「熱伝導の原理 」第10章において定義されている。温度制御域の第1のセクションの下限温度 は、好適には少なくとも200℃で、さらに好適には少なくとも240℃である 。最も好適には240℃〜450℃である。 温度制御域の第1のセクションの下限温度は、上記基準温度より高ければ、適 当な任意の関数形状(例えば、定関数、指数的に減少する曲線、上りあるいは下 り勾配の線部分など)を有することができる。温度制御域の第1のセクションの 上限温度は、好適には、550℃以下であり、同様に適当な任意の関数形状を有 することができる。 表面温度がインゴット長さ増加分において120℃まで低下し、続く最終上限 が120℃以下である限り、温度制御域の第2のセクションの下限及び上限は同 様に、種々の関数形状を有することができ、1つ又は複数のステップ関数あるい は傾斜した線部分から構成することも可能である。さらに好適には、最終上限は 、冷却水の大気下での沸点以下である。 冷却水が水である場合、大気下での沸点は100℃と考えればよい。 測定されたインゴット表面温度はまた、(1つの鋳造中ではなく)連続する鋳 造同士の間において鋳造パラメータ(例えば2次冷却水の冷却率)を制御するこ とで表面温度を制御するために利用してもよい。この方法によれば、最初のイン ゴットは、既知の第1の冷却シーケンスにしたがって鋳造する。続いて、以下の (a)〜(d)のパラメータの少なくとも1つを有するパラメータ群を、最初の 鋳造用に決定する。(a)(測定温度の導関数の最大値により決定される)上記 測定温度が急速に低下する特定の第1のインゴット長さ、(b)上記特定の第1 のインゴット長さでの上記測定温度の値、(c)上記特定の第1のインゴット長 さまでの、インゴット長さに対する測定温度の平均、傾き若しくは積分値のうち 選択された1つのパラメータ、(d)測定温度が上記特定インゴット長さにおけ る上記値から120℃以下の値に下がるまでのインゴット長さ増加分。最後に、 これらバラメータ群を予め決められたパラメータ群と比較し、これらのパラメー タ群同士の差に応じて冷却シーケンスを変更する。 必要ならば、計算されたパラメータが目標値に適合するまで、続いて行われる 鋳造同士の間でさらなる修正を行ってもよい。 参照される冷却シーケンスは、上述したように、鋳造に用いられる鋳造変数セ ットを有する。 最初の鋳造及び続いて行われる鋳造用に決定されたパラメータ群は、必要なら ば、予め決められたパラメータ群と一つずつ比較してもよいし、あるいは、上記 パラメータ群から選んだ種々の組み合わせ同士で比較してもよいし、これに応じ て冷却シーケンスの変更量を調整してもよい。 温度測定場所は、標準的な2次冷却衝突点の下方400mmより下側にならな いようにするのが好適である。しかしながら、測定される表面温度の(曲線とし て又は1つ又はそれ以上のパラメータに関して)より完全な定義(これは本発明 の1つの利点である。)を可能にするために、温度測定は、標準的な2次冷却水 衝突点の下方100mmより下側にならないようにするのが好適で、標準的な2 次冷却水衝突点の上方5mm〜下方40mmの間にあるのがさらに好適で、標準 的な2次冷却水衝突点の下方5〜15mmであるのが最も好適である。本願にお いて、「上方」は、標準的な2次冷却水衝突点とモールドの出口表面との間を指 す。 標準的な2次冷却水衝突点は、通常、2次冷却水により局地的に熱が奪われる 割合が、安定状態で測定して最大になる(モールドに関して決められた)場所と 言うことができる。したがって、この文脈では、用語「標準的な(normal)」は、 「通常の」の意味で用いられ、2次冷却水がインゴット表面に直角に衝突する( 実際、このようには衝突しない。)ことを意味するわけではない。標準的な2次 冷却水衝突点は、モールドデザイン(例えば、2次冷却水出口での放出角度、イ ンゴット表面から2次放出口までの距離)により確定される衝突点である。これ は、モールド外周面上の各場所によって異なっていてもよいし、したがって、温 度測定場所の物理的配置(及び測定に必要なセンサの取付け位置)は、各モール ドデザインに応じて決められ、これにより、標準的な2次冷却水衝突点に関する 正確な温度測定場所が確定する。温度測定場所でインゴット表面温度を測定する ために用いられる温度測定プローブは、開端部を設けたモールドの出口表面(鉛 直方向のDC鋳造においてはモールドの下面)に機械的に通常の方法で取付けら れる。モールド下面に対するプローブの位置は、標準的な2次冷却水衝突点が鋳 造装置のどこに配置されるかに応じて、各鋳造装置で異なる。鉛直タイプの最も 一般的なDC鋳造用モールドデザインにおいて、モールドに対する機械的取付け が容易にできるには、測定場所をモールドの出口表面の約50mm以内にする必 要がある。 1つ又はそれ以上の高度に指向されたジェットとして2次冷却水が供給される 、鉛直DC鋳造用の一般的なモールドデザインにおいて、標準的な2次冷却水衝 突点は、冷却水流れが最大のものを用いる場合、モールドの出口表面から最も離 れた2次冷却水衝突の観察点と見なすのが好都合である。モールドデザインによ っては、2次冷却水を(例えばエアーナイフやワイパなどにより)インゴットか ら特別に移動する場合があるが、これは、上述の定義に影響を及ぼさない。例え ば、複数の2次冷却水放出口において可変(パルス的な流れという意味)且つ調 整可能なデフレクタプレート(これらの一部は初期段階のみ使用される。)を用 いることにより、鋳造工程の初期段階において冷却水の流れを変えてもよい。観 察された衝突点を上で定義したように使用することで、このような冷却方法によ り生 じる不確かさを避けることができる。 標準的な2次冷却水衝突点は、モールド出口表面に関し種々の位置に温度測定 プローブを配置して、(開始後の)安定状態での表面温度を測定することにより 、経験的に決定してもよい。モールド出口と標準的な2次冷却水衝突点と間で温 度が測定される場合、測定される表面温度は高い(一般に、膜沸騰温度より高い 。)。標準的な2次冷却水衝突点の後では、温度は低い(一般に、120℃より 低い。)。したがって、標準的な2次冷却水衝突点は、これら2つの境界の間に おいて表面温度の勾配が最大になる点として見なすことができる。 モールドデザインがこうしたはっきりと特定できる衝突点を持たない場合、テ スト用のインゴットに組み込まれた熱電対を、必要ならば安定状態におけるイン ゴットの熱的なモデルと組み合わせて使用し、これにより局地的に熱が奪われる 率が最大の場所を計算してもよい。 2次冷却水の流れ又は性質を制御する手段は、電気的に制御される弁やスイッ チであり、例えば、加えるガスの量を変えたり、水のオン・オフを切り替えたり 、水の流れを連続的に変えたりするようになっている。これらの手段を組み合わ せることにより、「一定の」温度の期間に必要とされる比較的小さな制御補正と 、最初の生成長さの後で冷却効果を増加させるのに必要とされる大きな制御補正 とが可能となる。上記手段は、予め決められた変更を動作中に行うための鋳造装 置オペレータに知らせる音響又は可視信号であってもよい。 第1の温度センサは、互いに接着され且つ1つの保護被覆(一般に金属繊維) に収容された異なる金属ワイヤからなる被覆された熱電対装置であってもよい。 しかしながら、好適には、第1の温度センサは、表面と接触すると接触場所での 表面温度に対応する起電力(emf)を発生する異なる金属からなる2つの点接 触プローブである。 少なくとも1つの別の温度センサは、第1の温度センサと同様に、被覆された 熱電対装置であってもよいが、接触場所での表面温度に対応する起電力を発生す る異なる金属からなる2つの点接触プローブであるのが好適である。 別の温度センサは1つのみ設けるのが好適であるが、もの望めば、さらに設け ることも可能である。 第1及び1つの別の温度センサは、2つの点接触プローブの1つを共有するの が特に好適である。 最も好適な実施形態において、各温度センサの点接触プローブ同士の間隔は5 0mm以下、最も好ましくは30mm以下であり、これら点接触プローブは、同 一平面内に配置される。 異なる金属としてクロメル及びアルメル合金が好適であるが、測定可能な起電 力を発生させる金属同士ならどのようなものを用いてもよい。しかしながら、一 般に、好適な合金は、ゼーベック効果により発生する信号、及び合金の堅さ・耐 腐食性に基づいて選択される。こうした分野では、ニッケルをベースにした合金 が有効で、したがって、タイプK(クロメル−アルメル)、タイプN(ニクロシ ル−ニシル)、タイプE(クロメル−コンスタンタン)が好適な組み合わせであ る。 これらの温度センサは、空気式又は電気式駆動機構(ピストン又はソレノイド )により、移動する表面の運動方向に垂直な方向にあるいは垂直線に対し予め決 められた角度(垂直線に対し45°以下)で往復移動し、上記移動表面と同時に 接触するのが好適である。ある角度で移動させるのは、何かの障害物(DC鋳造 用モールドや押し出しダイのエッジなど)により所望の測定場所に近づくのがで きない場合に有効である。センサとして点接触プローブ対が複数ある好適な実施 形態では、各点接触プローブ対は、上記空気式又は電気式駆動機構により、移動 する表面と接触する。 これら好適な実施形態において、及び特に3つの点接触部を用いて2つの隣接 するセンサを形成する場合において、各点接触プローブは、独立したサスペンシ ョンを有し、これにより、これら点接触プローブが同時に表面に近づいたり遠ざ かったりしても、各点接触プローブの実際の最終位置が、一様でない表面に適応 できるようにしてある。これは例えば、共通の電源で駆動する、各点接触プロー ブ用に独立した空気式シリンダ又は電気式ソレノイドを使用することにより実現 でき、あるいはばね荷重や類似の機械的荷重装置を使用することにより実現でき る。独立した空気式シリンダの使用は、特に簡単で且つ好適な方法である。 好適なセンサの点接触プローブの先端は、測定される表面との十分な熱的・電 気的接触を確実に行う必要があり、これを実現する目的で、点接触プローブ先端 の材料、外形、大きさ、及び先端を表面方向に付勢する荷重が選択されるのが好 ましい。約200℃を超える温度において、荷重は、インゴットの表面を押し込 むほどであってもよい。十分な熱的・電気的接触は、2次冷却水散水その他の冷 却工程において発生するようなかなりの熱的妨害が存在する場合においてさえ、 素早く正確な温度応答を可能にする。 出力表示は、センサの熱電対連結により生じる起電力から任意の従来技術を用 いて発生させる電圧又は電流信号(一般に電圧信号)でもよいし、既知の温度換 算係数を用いて温度に相当する出力値にさらに変換してもよい。 第1及び少なくとも1つの別の温度センサは、表面と接触したままであるのが 好適であり、第1及び少なくとも1つの別の温度測定は、金属スラブが6mm以 下の距離、より好適には3mm以下の距離を移動する間に行われる。センサ同士 の温度を比較する信号比較器として、専用のアナログ信号比較器が可能であるが 、予めプログラミングされたデジタルコンピュータがより好都合である。同様に 、出力温度を制御関数と比較するために使用する信号比較器は、予めプログラミ ングされたデジタルコンピュータであるのが好適である。 第1及び少なくとも1つの別の温度センサは、温度応答が0.15秒以内、好 適には0.10秒以内であるのが好ましい。ここで、温度応答とは、温度センサ と移動する表面とが接触する時点からセンサが測定される最終値の95%以内を 読み取るまでに必要な時間を意味する。 半連続的な測定を、インゴット長さの1〜15mm、好適にはインゴット長さ の2〜10mmのステップで断続的に行ってもよく、こうした測定は周期的に行 うのが好適である。しかしながら、初期工程の種々の段階で周期を変更してもよ い。 第1及び少なくとも1つの別の温度センサを移動するスラブに同時に接触させ るのに、上記装置の他の要求を満たすなら別の手段を用いてもよい。例えば、も し望めば、接触を実現するために種々の梃子アームを採用してもよい。しかしな がら、多くの場合、好適な実施形態である「出入(in-out)」(往復)運動を使用 する方が簡単で便利である。 温度を測定し冷却を制御する方法は、長方形断面形状のインゴットあるいは大 きな丸いインゴットに適用するのが最も多く、長方形状のインゴットに対し、イ ンゴット温度は、該インゴットの圧延面の中心点で測定するのが好適である。図面の簡単な説明 図1は、一般的なDC鋳造用モールドの垂直断面図であり、本発明の方法で使 用する主要な距離及び測定場所を示すテーブルである。 図2は、図1の直接冷硬鋳造用モールド及びインゴットの垂直部分断面図であ り、本発明の好適な実施形態に係る好ましい接触プローブと作動位置の一つを示 す。 図3は、図2に示す好適な接触プローブのアセンブリ全体を示す平面図である 。 図4は、本発明とともに用いられる好適な(冷却水の制御の特徴を含む)制御 系のブロック図である。 図5は、本発明の制御系とともに用いられる典型的な制御域を示す。 図6は、本発明の制御系とともに用いられる典型的な制御域の別の例を示す。 図7は、本発明の制御系とともに使用されるアルミニウム合金AA3104と 、1つのインゴットサイズとに対する、経験に基づいた制御域を示す。 図8は、DCインゴットの形をとった2つの移動するスラブと、本発明で使用 される測定装置の別の実施形態とのブロック部を示す。 図9は、図8の実施形態において温度の決定・有効性確認を行うために用いら れる計算シーケンスを示すフローチャートである。発明を実施するための最良の形態 図1は、本発明の方法及び装置に用いられるタイプのDC鋳造機を示す。鋳造 機は、一つ又はそれ以上の鋳造用モールド2を有するテーブル1からなる。鋳造 用モールドは、1次冷却水路4により冷却される鋳造面3を備えた、開端部を有 するモールドである。鋳造機はまた、鋳造用モールドの開口部内に嵌め込まれ且 つ作動中に下方に移動できるように形成された、ボトムブロックすなわちスツー ルキャップ5を有する。溶融した金属は、図示しない管及び供給パイプ6により 、各モールドに供給される。鋳造開始時において、ボトムブロック5は、モール ドの底端部内に位置するように、位置5a(図の点線)に引き上げられており、 この時、金属は、モールド内に流し込まれ、ボトムブロックの比熱(thermal mas s)及び冷却水が流れる1次冷却水路4による吸熱の結果、冷却してシェル状のイ ンゴットを形成する。金属がモールド内で所定の高さに到達すると、鋳造機は、 一般に、ボトムブロック5を下げ始めるようにプログラミングされており、凝固 したインゴット7は、徐々にモールドから下方に下がる。別の冷却水流れ8(2 次冷却水という。)は、下に移動中のインゴットの外面(シェル)上に衝突し、 これにより、インゴットが完全に凝固するようにさらなる冷却を行う。(冷却水 がインゴットに直接接触しないという点で)間接的である1次冷却と異なり、2 次冷却は、表面上に冷却水を衝突させる点で直接的である。一般に、2次冷却水 は、1次冷却水路から、2次冷却水をインゴット表面上のある場所に当てるよう に偏向する、例えば溝や孔などの出口9を介して供給される。ここで、上記場所 は、完全な冷却水流れを起こす場合、「標準的な2次冷却水衝突点」10と定義 される。金属は、インゴットの溶融物溜め7aに絶えず供給される。金属の流れ は、該溜めの金属の高さをモニタすることにより制御してもよい。2次冷却水は 通常、鋳造機の下側に設けた液溜め15内に流れ、こうした構成では多くの場合 、ポンプ16により上記液溜めから除去され、冷却水処理装置17に供給される 。冷却水は、別のポンプ19により、冷却水処理装置から冷却水制御弁19を介 して鋳造用テーブル1にポンプ液送され、そこで、内部に設けた接続部又はホー ス(図示せず)により1次冷却水路4に供給される。冷却水処理装置17は、単 に、外部環境への放出、及び冷却水(例えば水)源からの取り入れを行うだけで もよい。しかしながら、こうした構成では多くの場合、冷却水の一部又は全部が 再利用され、冷却水処理装置は、浄水装置、冷却水補給器、熱交換器、冷却水 保管部を有する。 DC鋳造の開始時において、インゴットの底部すなわち端部11の形成には、 端部形状をひずませる程のかなりの応力の発生が伴う(「端部のカール」という 。)。その結果生じるひび割れがあまりに長いと、インゴットを廃棄しなければ ならず、また端部のカールがあまりに大きいと、溶融した金属が流出して爆発を 引き起こす危険性が生じる。危険を引き起こすほどでもない小さなひび割れであ っても、質の悪いインゴットが形成されることになる。したがって、初期形成段 階でのインゴット端部の温度を高温に維持することが望まれ、またこれは標準的 な鋳造のやり方でもある。インゴットの端部とその残りの一部が一旦形成される と、鋳造物のうち「安定状態にある」部分の残りに対し安全な工程が行えるとと もに、良質のインゴットが形成される程度に、温度がかなり下がる。高温あるい は低温レベルでの温度の維持は、主に、2次冷却水の冷却効果を制御したり、金 属温度や鋳造速度といった他の鋳造パラメータを調整したりすることにより行わ れる。したがって、例えば、鋳造の開始時においては、弁19を調整することに より2次冷却水の流れを遅くし、端部の応力によってクラッキングが生じないと 考えられる時点から、鋳造物の所定の点における流れを速めることが行われる。 2次冷却水の流れを直接変えることによりその冷却効果を変化させてもよいし、 あるいは、(弁19の開閉を繰り返し迅速に行うことにより)2次冷却水を「パ ルス散水」することにより冷却効果を減らしてもよいし、冷却効率が下がるよう な角度に偏向したりしてもよい。代わりに、ガスを加えることにより、2次冷却 水の熱伝導力を小さくしてもよい。これは一般的に、2次冷却水放出点9におい て又はこの点9の近くにおいて、冷却水の中にガスを注入することにより行われ る。鋳造中のインゴットが冷却を増加させる必要のある地点に到達すると、2次 冷却効果は、例えばパルスを停止したり、ガス注入を止めたり、あるいは冷却水 の衝突角度を「標準」角度に戻すことにより、適切なレベルに戻ることができ、 その結果、表面温度を120℃以下に下げるような局所的な熱伝導率に達すると ともに、鋳造物の残りの部分に対し表面温度が上記レベル以下に維持される。 本発明において、インゴット表面温度を測定するための手段は、標準的な2次 冷却水衝突点10に関して定義された位置12に設けてあり、その位置(これは 、モールドに対しても固定されている。)で測定される温度は、端部が形成され る段階においても、インゴットの温度の確実且つ正確な測定値を提供するように してある。鋳造が始まってインゴットが開端部を有するモールドから下方に下が る間に位置12で行われる、繰り返し(すなわち周期的)、半連続的、又は連続 的な測定によって、インゴット長さ13を関数としてインゴットの温度履歴を追 うことが可能である。ここで、インゴット長さ13は、図に示すように、初期位 置5aからのボトムブロック5の移動量として測定される。典型的な鋳造工程に おいて、インゴット長さ13に対する、測定位置12で測定された温度の曲線は 、急激な立上がりで高値まで温度上昇し、この高値は、クラッキングを防止する ために十分な端部が形成されるところまで続き、この地点から(あるインゴット 長さ(>0)において)温度が、この段階で又は工程上少し前から始まった冷却 の増加の結果として、急速に下がる。場合によっては、冷却量を、鋳造開始から 増やし続け、上述の地点であるレベルに到達させてから、温度を急速に下げるよ うにしてもよい。その後、温度の低下は、インゴット長さの残りの部分にわたっ て鋳造物の後端まで観察される。 最初に温度を高くした後に温度を低下させる一般的な手法は、通常、大きなイ ンゴットのDC鋳造において用いられる。しかし、一方で、この時の各種条件は 、合金の種類、インゴットの大きさ、モールドのデザインなどに応じて開発され た種々の方法・工程にしたがって、インゴット形成の種々の段階において種々の レベルの2次冷却を恣意的に行うことによりこれまで得られてきた。また、冷却 水供給の修正・変更は、鋳造物の形成中における該鋳造物の変化に応答して行う ことができない。本発明の装置及び方法によれば、2次冷却水衝突点10に対し 好適な場所12でのインゴット温度を、端部が形成される間に正確に決定するこ とができ、その結果、形成中のインゴットに沿った所望の温度履歴を得るために 、冷却を直接制御することが可能である。この所望の温度履歴は、使用される合 金、及びインゴットの大きさ(水平断面)のみに依存し、例えば、鋳造用モール ドのデザインや、2次冷却水の冷却力を調整する方法などに依存しない。 図2は、図1のモールド2、モールド面3、1次冷却水通路4、2次冷却水出 口9、2次水流8、2次冷却水衝突点10、インゴット表面温度測定点12、及 びインゴット7の部分図を示す。モールドから出てくるスラブすなわちインゴッ ト表面は、符号20で表わされる。 鋳造用モールド2の下側には、多数の点接触プローブ空気式アセンブリ(図2 にはそのうち1つが示され、図3には複数示されている。)を支持する金属ブロ ック23が取付けてある。各アセンブリは、プラスチック絶縁スリーブ25によ り外装され且つ第2の環状スチールスリーブ26内に収容された、金属点接触プ ローブロッド24からなる。これらスリーブは、絶縁用テフロン(商標名)ワッ シャ27及びねじの切られた保持ナット28、29により、プローブロッド上の 所定の位置に保持される。 各環状スリーブは、ピストンガスケット30を表面上に備え、ブロック内に形 成した環状孔31、32内を自由に移動できるようにしてある。環状孔は、ピス トンガスケットを収容するために拡大セクション32を有する。各接触プローブ ロッドは、ロックナット34によりインゴット面とは反対側の端部に連結された 電気信号用ワイヤ33を有する。 上記3つの空気式アセンブリは、上述したようにアセンブリ内に取付けられた 3つの点接触プローブ24a,24b,24cが図示された図3において、さら に詳細に示されている。スチール取付けブロックの内部には、プローブが移動す る環状通路の拡大セクションを相互連結するための空気用通路40、41が形成 されている。キャビティ内でシリンダを2つの異なる方向に交互に駆動するため に、送気管連結部42、43が設けてある。スラブ表面に近接する点接触プロー ブの端部は、インゴット表面との接触がよくなるように鋭利にしてある。この点 の角度は、繰り返しの使用により発生する先端の摩耗及び平坦化する量が少なく なるように、経験的に選択される。電気接続部33a,33b,33cは、後で 詳細に述べる外部回路を用いて応答が測定されるように、接触部との連結が形成 される。 点接触プローブ24a,24cは一つの金属から作成され、点接触プローブ2 4bは異なる金属から作成される。対応する電気接続部も同一の金属から作られ る。一般的に、点接触プローブ24a,24cはアルメルから作成され、点接触 プローブ24bはクロメルがら作成される。しかしながら、熱起電力応答を行う 金属ならどのような組み合わせを使用してもよい。 一般的なDC鋳造工程中、点接触プローブ24a,24b,24cは、これら 点接触プローブの先端が、空気式シリンダが作動して前方に押され表面20と位 置12において接触するように、同一平面内に配置してある。ここで、位置12 は、2次冷却水衝突点10の上方5mmと2次冷却水衝突点10の下方30mm の間(好適には2次冷却水衝突点の下方5〜15mmの間)の範囲であればいず れでもよい。プローブがこの位置で用いられる場合、測定される温度は、特に鋳 造開始時におけるインゴットの熱的状態を表わすものと考える。プローブが衝突 点の上方5mmより上側に位置すると、プローブは、特に開始時において、鋳造 を制御するのに重要な役割を果たす2次冷却水の効果を測定することができない 。プローブが衝突点の下方30mmより下側に位置すると、プローブの応答は、 冷却水の散水後に温度が徐々に平均化される影響を受け、表面に対する2次冷却 水の詳細な効果を示す感度を有さなくなる。但し、衝突点から約400mmの範 囲までなら、何らかの情報(その情報の範囲はかなり限られるが)を得ることは 可能である。 動作中、本発明のセンサを形成するこれら点接触プローブは、図3に示すよう に3つの空気式シリンダ32a,32b,32c全部が同時に作動することによ り、同時に前方に移動してインゴット表面20に接触する。各シリンダ32a, 32b,32cは、ブロック23内で機械加工されており、送気管42、43に より同時に空気が供給されるようにしてある。送気管43に圧力が作用し、送気 管42が大気に開放されると、3つの全ての点接触プローブ24a,24b,2 4cが、ビストン30a,30b,30cによりインゴット表面20に向かって 移動する。送気管42に圧力が作用し、送気管43が大気に開放されると、3つ の点接触プローブは表面から退避する。空気の流れの方向は、空気供給源(図示 しない)に連結した2方向空気式バルブ45により制御される。点接触プローブ の先端は、短時間の間インゴット表面と当接し、続いて空気式シリンダにより退 避する。表面と接触する間、表面は、鉛直方向に最大で6mm程度(好適には3 mm以下)移動してもよい。絶縁スリーブ25a,25b,25c内の鉛直方向 のあそび部分は、点接触プローブが削ったり孔をあけることなく表面と接触する のを可能にするものである。表面がより長い距離を移動する場合、鉛直方向のあ そび部分は、ブロック23を(鋳造用モールドの底部に直接固定せずに)ピボッ ト軸上に設けることにより得ることもできる。 3つの点接触プローブは、インゴット表面に対し同時に移動するが、別々の空 気式シリンダを用いることにより、点接触プローブがインゴット表面の凹凸に適 応することが可能になる。例えばばねで付勢された接触用各先端部を備えた1つ の作動シリンダを用いることにより、同様の柔軟性を持たせることもできる。 空気式シリンダは、約90psigの圧力で作動するのが好適である。直径が 6mmで先端角度が約30°のクロメルあるいはアルメル合金ロッドに対し、イ ンゴット表面との熱的・電気的接触が確実に行われるのに十分な力が作用する。 表面と接触しながら、接触部24a,24b及び24b,24cとの間に生じ た起電力が測定される。複数のこうした測定は、一般に1秒当たり40回の割合 で行われる。接触部は、表面と直接電気的な接触を行うので、測定値は、0.1 5秒以内に最終値で安定する。(一部が共通した点接触プローブ対により形成さ れた)2つのセンサから得た起電力は、点接触プローブに用いられる金属に対す る既知の応答に基づいて、同等な検出温度に変換される。点接触プローブ同士の 間隔は一般に30mm以下であり、その結果、点接触プローブ間にあるアルミニ ウム表面は、測定に影響を及ぼさない。このように、クロメルとアルメル金属が 使用される場合、発生起電力は、「タイプK」の熱電対において見出される典型 的な起電力である。同時に検出した2つの起電力は、電圧あるいは同等の温度に 変換された後比較される。これらの差が約10%以上、好適には約5%以上の場 合、制御の目的上、測定は拒否される。それ以外の場合、2つの検出電圧あるい は温度の最大値が、その点における実際の表面温度を最も正確に測定した出力値 として、表示・記録される。もちろん、もし望めば、表示表面温度として、低い 方の検出温度を用いてもよいし、2つの平均値を用いてもよいが、最も正確なも のとして、最大値を用いる。 図2、3及び図4のブロック図を参照して、プローブの運動を制御し、測定値 を調整する典型的な回路を説明する。温度測定に必要な信号分析及びタイミング 信号が共通のデジタルコンピュータ50により与えられる。コンピュータは、「 スタート」タイミング信号を発生させて4方向ソレノイド45を起動し、ソレノ イド45は、全ての点接触プローブに対して共通の空気式連結部43に空気圧を 作用し、接触部をスラブ表面まで駆動する。同様の「ストップ」タイミング信号 によって、ソレノイドは連結部42に対し空気圧を作用し、運動を逆転させる。 使用されない連結部(42又は43)は、ソレノイドにより大気に接続される。 連続作動式アナログ/デジタル(Λ/D)コンバータ51は、点接触ブローブ の出力部のペアーに接続されている。接続部33a,33bは、1つのA/Dコ ンバータ51に接続され、接続部33b,33cは、別のコンバータ51に接続 される。A/Dコンバータは、1秒当たり少なくとも40回の読み取りを行うこ とができ、こうして読み取られた起電力をデジタル信号に変換することができる 。これらの信号は、入力値としてコンピュータ50に送られる。 コンピュータは、各接触対からのデジタル入力値を、選択された接触用合金に 対する既知の換算係数に基づいて、検出温度T1及びT2に変換する。デジタル入 力値は、「スタート」タイミング信号が発生して0.35秒後から「ストップ」 タイミング信号が発生するまで受け取られる。これには、熱電対連結部の応答時 間(約0.15秒)及び弁の応答時間が含まれる。T1及びT2に対するデータの 取扱いは種々考えられる。一つの方法では、「スタート」と「ストップ」タイミ ング信号の間の時間サイクル全体に対して、T1及びT2の最大値、最小値、及び 各平均値が決定される。平均値同士が所定の量(例えば10%、好適には5%) 違っている場合、制御の目的上、サイクル全体が拒否される。信号の差が上記量 以下である場合、最大値、最小値、又は平均値に関しT1とT2のうち高い方が、 一般に、表面温度の測定値を表わずものとして選択される。代わりに、T1及び T2の値を、基準測定値と比較し(例えば1秒当たり40回の割合)、 ペアー毎に拒否したり受け入れてもよい。 (「スタート」と「ストップ」タイミングサイクルの間の)測定サイクルの長 さは、プローブ接触部が動作範囲を超えて鉛直方向に移動する必要がないと仮定 して、動作要求に合うように決定すればよい。加えて、冷却水衝突点に関して約 3mmを超える特別な位置で測定するための運動は、所望のものより結果に反映 させないようにしてもよい。 速やかな安定化及び高頻度の温度測定は、例えばパルス散水による冷却中(パ ルスオン・オフ時間は0.5秒以下)において比較的素早く起きる表面温度変化 を追跡することを可能にする。短時間で出入する運動と合わせて速やかに安定化 できること、及び各測定の有効性を該測定を行いながら確かめることができるこ とで、温度が測定されるスラブに沿った優れた距離分析が可能になる。例えば、 シート状のインゴットに対する一般的な鋳造速度で、0.5mm程度の距離の分 析が可能であり、その結果、特に開始時において、インゴットに沿った非常に短 い距離で温度が変化してもこれをモニタすることができる。 この比較方法を用いることにより、インゴット表面が粗くて一様でなく、他方 、鋳造の開始直後におけるように表面温度が急変する場合でさえ、表面温度を信 頼性を持って決定することができる。1つの熱電対又は1対のプローブに基づい た従来の温度測定では、過去のあるいは次の測定と比較する場合を除いて測定の 有効性を確かめることできず、表面温度が変化する状況において信頼性を持って 測定ができない。 パルス散水制御がDC鋳造に使用される場合、パルス制御系のサイクル時間に 等しい測定サイクルを選ぶのが好都合である。この制御系の応答は、上記サイク ル中のインゴット表面温度の変化を追跡できる程度に、十分速く且つ正確である 。 コンピュータ50は、インゴット長さ13の測定値を与える第2の入力値52 を有する。この測定値は、最新のインゴット鋳造機の制御装置により発生させる ことが多く、したがって容易に利用することができる。コンピュータは、次に、 有効確認したインゴット表面温度の測定値を、位置に対する温度の制御域の形式 で予め決められた範囲と比較する。この制御関数は、一般に、例えばデジタル保 存された関数として、コンピュータのメモリ内に保存される。続いて、コンピュ ータは、制御信号53を発生させ、この制御信号を、最新の鋳造システムにおい て冷却水(例えば、冷却水の流量、パルス率、ガスの量など)を制御するために 通常用いられる装置に送る。一方で、制御信号は、標準的な冷却水制御関数を修 正して、所定の制御域内に測定温度が維持されるために使用される。冷却水の制 御方法は種々考えられる。パルス散水システムにおいては、パルス率及びオン・ オフサイクルを使用することができ、ガス注入システムにおいては、加えるガス の量を使用することができ、あるいは冷却水の流れ全体を制御することもできる 。モールドのデザインに応じて、水の衝突位置・角度を通常の値近くに変えても よい。図4では、(図1の弁19に相当する)パルス散水モードでの水制御弁5 5を制御するために用いられる水の制御装置54が、ブロック形式で示されてい る。水制御装置は、予め決められた順序に従って、水制御弁の開閉を行う。例え ば、水弁は、予め決められた「オン」、「オフ」時間に対応して作動するが、こ れらの時間は、インゴットの鋳造長さの範囲に応じて変更可能で、「オフ」時間 を0にする(「パルス終了」)こともできる。表面温度の測定値が、制御域内に 表面温度を下げるためには更なる冷却を必要とすることを表示する場合、制御信 号を加えることで「オン」時間を増やしたり「オフ」時間を減らしたりできる。 予め決められた変更以外のこうした修正は既に、現在の冷却水制御システムの一 部をなしている。冷却水の冷却力を制御するためにガスを冷却剤に供給する場合 、コントローラ54及び弁システム55は、ガス搬送装置の一部をなすものでも よい。 温度制御域の一つの典型的な例が図5に示されている。この温度制御域は、2 つのセクションからなる。第1のセクション60は、上で定義したインゴット長 さが0の場合から始まって、短めのインゴット長さ62a用に伸びた略300℃ の下方境界線61aと、長めのインゴット長さ62b用に伸びた略475℃の上 方境界線61bとにより定義される。図5において、インゴット長さ62a,6 2bはそれぞれ略113mmと130mmである。その後に、3つ程度の矩形状 の部分63、64、67を有し、上方境界線が下側に下がる第2のセクションが 定義されている。最終部分67の上方境界線65の温度は120℃である。その 前の部分63、64の下方境界線は、120℃より上側に位置する。上記最終部 分67は、短めのインゴット長さ62aの端に続くインゴット長さ最大増加分6 6a、及び第1のセクションの長めのインゴット長さ62bに続くインゴット長 さ最小増加分66bから始まる。図5において、インゴット長さ増加分66a, 66bはそれぞれ略40mmと61mmである。このように、図の温度制御域に 対し、インゴット表面温度は、113〜130mmの間のインゴット長さに対し 、第1のセクション内で300℃〜475℃の間に保たれ、インゴット長さ増加 分が40〜61mmの間で、120℃まで低下する。こうして、インゴット表面 温度は、本発明の好適な範囲内に維持される。 特定の温度測定場所は、インゴットの冷却全体(1次、2次、及びボトムブロ ック冷却)の最も有用な特徴づけ、及びインゴットのクラッキングを引き起こす 熱応力の最も有用な特徴づけを与える点で、重要であると考えられている。制御 域の第1のセクション内で、どれくらいの長さのインゴットが、表面温度が高値 に維持されるかは、「移行クラッキング」を制御する上で重要であると考えられ ている。所定のインゴット大きさ及び合金に対し短すぎると、インゴットにおい て応力除去が不十分であり、制御域の第2のセクションに移行する途中で、温度 の急速な変化によりクラッキングが発生する。制御域の第1のセクションにおけ る制御期間では、応力除去に役立つ熱クラッキングがしばし観察される。これら の熱割れは、一般に、第2の制御域への移行における急速な冷却を受ける際に「 治る」。しかしながら、高温に維持されるインゴットがあまり長すぎると、上記 熱割れは、更に広がり治らない可能性がある。このように、上記第1のセクショ ンでのインゴット長さに上限及び下限を設けるのが望ましく、これらの制限は、 インゴットの大きさ及び組成(これらは、温度とともに、応力レベルを決定する 重要な要素である。)に依存する。 図5はさらに、パルス冷却タイプの制御を示す。なお、制御装置は、測定温度 70を全てのパルスサイクル部分で制御域内に維持するのが目的である。温度が サイクルの一部で制御域の第1のセクションの下方境界線以下になり、これが1 又は2つの別のサイクルで繰り返された場合、インゴット表面に対する熱伝導プ ロセスが、表面温度の急速な低下を引き起こすように急激に変化し、インゴット にクラッキングによる欠陥を引き起こす可能性がある。これは、特に、温度制御 域の第1のセクションの下限が、膜沸騰領域の下限に近い場合に起きる。したが って、上記制御方法が適切に行われるためには、素早く、有効性確認ができ、ほ ぼ連続的な表面温度測定が必要となる。第2の制御域の終了時において、パルス 散水は停止するが、温度の小さなゆらぎ(例えば±5℃)の一部は残る。これは 、1次冷却とインゴット表面との相互作用により生じると考えられる。制御域の 最終部分は、これら通常のゆらぎに適応するように設定されている。 図5に示された制御域は、鋳造される合金及びインゴットの大きさに依存する 。一般に、ひび割れし易いインゴットの場合、インゴット長さ62a,62bは 、少なくとも約100mmであり、また約400mm以下である。制御域の第1 のセクションの下限温度は、少なくとも200℃、好適には240℃〜450℃ である。制御域の第1のセクションの上限は、一般に、約550℃以下である。 制御域の第2のセクションは、好適には、制御域の第1のセクションの端に続 くインゴット長さの増加分66a,66b(5〜100mm)において、インゴ ットを最終セクション内の温度(上限が120℃以下、好適には大気下での冷却 水の沸点以下)にする。 図6には、別の制御域の形態が示されている。この場合、冷却水の制御には、 非パルス方法が使用される。制御域の第1のセクションは、距離とともに減少す る境界線を有し、下方境界線は約350℃以上に保たれ、上方境界線は約480 ℃以下である。表面温度は、短めのインゴット長さ76aと長めのインゴット長 さ76bとの間の範囲(図6では、それぞれ略116mmと132mm)にある インゴット長さに対し、上記境界線の間に維持される。続いて、温度は、最大イ ンゴット長さ増加分77aから最小インゴット長さ増加分77b(それぞれ略5 4mmと13mm)までの範囲にあるインゴット長さ増加分において、120℃ まで低下する。図6の場合、制御域の第2のセクションは、傾斜した直線部分と 、120℃以下の水平線部分とからなる上方及び下方境界線を有する。パルス散 水による温度ゆらぎ75に適応する必要がないので、制御域の幅を図に示す ものより狭くしてもよい。 最大温度(図5において示されるパルスのピーク値)が利用される場合、パル ス散水に関しても幅の狭い制御域を用いてもよい。本発明の装置は、一つのパル スにおける温度変化を追跡できるので、最大値を容易に決定し追跡することがで きる。しかしながら、こうした制御域の第1のセクションにおいて、最低温度が 膜沸騰領域以下になる危険が最小になるように、下限を十分高く設定する必要が ある。このようにして、同一のインゴット大きさ及び合金に対し、下限は、温度 変化全体が追跡される図5に示す下限より高くなるように選択される。 実施例 本発明において使用に適する制御関数は、経験的に作成した。断面形状が60 0×1850mmのアルミニウム合金AA−3104のインゴットは、開始段階 においてガス注入による修正を行う2次冷却を用いた鋳造機により鋳造した。図 2及び3に示す温度測定プローブを用い、プローブの位置を2次冷却水衝突点の 下方10mmとし、インゴットの表面(表層)温度は、一連の鋳造物にわたって 、圧延面(長辺)の中心点で測定した。プローブは、開始時すぐには起動せず、 インゴット長さ(図1で定義されるようにボトムブロックの移動量として測定) が70mmのとき測定を開始した。鋳造工程が安定状態となると考えられるイン ゴット長さ約200mmになるまで測定を続けた。各鋳造に対し初期冷却のやり 方を変更し、高温(低冷却率)の領域から(ガス注入量を0まで減らすことによ り)冷却率が増加した後まで、温度履歴を測定した。冷却水の性質は、組成の変 化による変化を同時に受けるので、かなり様々な温度履歴が得られた。初期段階 の終了時に、インゴットを検査し、鋳造工程を再検討した。温度履歴をその結果 にしたがって選別した。図7の曲線80と81の間にある温度履歴では、工程上 問題なく良質のインゴットが鋳造されることが分かった。曲線80より下側では 、出来上がったインゴットの端部においてかなりのカールが生じ、一方、曲線8 1より上側では、圧延面での移行によるひび割れが発生する。これら2つの曲線 は、複数の直線部分からなる2つの曲線83、84により輸郭が形成された、「 一様 な」制御関数をなす制御域により近似される。したがって、この制御関数は、断 面が600×1850mmの任意のインゴットを、あらゆる鋳造機で鋳造する場 合に適している。2次冷却水衝突点に関し好適な場所で測定されたインゴット表 面(表層)温度が、点線83、84により定義される制御域内に、上述した方法 のいずれかを用いて2次冷却水の冷却力を調整することにより維持されるならば 、正常なインゴットが鋳造されると考えられる。上記一様な制御域の特徴として 、短めのインゴット長さ86aから長めのインゴット長さ86bまでの間(それ ぞれ124mm、157mmに等しい。)の範囲のインゴット長さに対し、表面 温度が下限と上限の間に保たれる第1のセクションを有することが挙げられる。 制御域の第1のセクションの下限は、350℃と450℃の間にある直線部分を なしている。制御域の第1のセクションの上限は、最大値が約530℃の直線を なす。制御域の第2のセクションは、インゴット長さ増加部分においてインゴッ ト表層温度を120℃以下に下げる(傾斜した直線状の境界線を有する)第1の ステップ領域をなす。ここで、インゴット長さ増加部分は、最大増加分87aか ら最小増加分87b(それぞれの値は41mm、9mm)までの範囲にある。こ のように、上記制御域は本発明の好適な値の範囲内にある。こうした別の「一様 な」制御域を、種々の合金及び種々のインゴット大きさに対し作ってもよい。 図8は、別の方法で意味のある信号を得るために用いられる装置を示す。この 装置では、少なくとも2つの移動するスラブ90(図8では、概略的に断面図が 示されている。)が用いられる。これらスラブ90は、例えば、一つの鋳造テー ブル(図示せず)内にある近くのモールドから下に移動するDCインゴットであ る。テーブル内にこうしたモールドを複数設けてもよい。このような鋳造構成は 、略同一の形状を有し且つ略同一な冷却環境に遭遇する移動インゴットを生産す る。各インゴットに対応して、少なくとも2つの温度測定プローブ101と、信 号調整器102とが設けられる。温度測定プローブは、(例えば図2及び図3に 関して)上述したように、例えば各インゴット上の2次冷却水衝突点に対し同様 な位置に配置される。信号調整器は、図4で説明したのと同様なものでもよい。 各インゴット90に対応する信号調整器102は、該インゴットと接触する各 温度測定プローブにより測定される温度に対応する出力値を発生し、2つのプロ ーブ間の差(一般に、特定の測定位置におけるデータ獲得のためにスタートから ストップ信号までの間で時間平均したもの)が、図4でより詳しく説明したよう に得られる。続いて、出力値は、各インゴットに関する以下のデータを保存する 保存装置103(例えばマイクロコンピュータのメモリ)に送られる。(a)温 度測定が行われたインゴット上の(インゴットの運動方向に沿った)場所、(b )2つ又はそれ以上の測定温度、(c)上記2つ又はそれ以上の測定温度間の最 大差。保存装置及び対応するコンピュータは、この差を予め決められた値(通常 は、2つ又はそれ以上の温度の最大値の10%、好適には5%)と比較し、差が 予め決められた値以下であれば、2つ又はそれ以上の測定温度の最大値を、適当 な出力装置に表示させる。この有効性の範囲が満たされない場合、1つのインゴ ットに対する2つ又はそれ以上の測定温度の最大値間の差を、隣り又は近くのイ ンゴットあるいはインゴット群に対する2つ又はそれ以上の測定温度の最大値間 の差と比較し、これらの差が予め決められた量(通常は、最大値のグループの中 の2つの最大値の平均の10%、好適には5%)以下であれば、最大温度が適当 な出力装置に表示される。 第1の確認方法は、実質的に、確認用のもとの測定に近い場所でのインゴット 表面上の温度測定を利用する。一方、第2の確認方法は、もとの測定場所から離 れているが、略同一の熱的条件に曝され且つ形状的に略同一のインゴット表面の 温度測定を利用する。この第2の方法は、1つの鋳造テーブル内のモールドから 鋳造されるDCインゴット群に対して、上述したように使用することができる。 上述したロジックは、図9のフローチャートを参照してより理解することがで きる。このフローチャートにおいて、T1(A)、T2(A)及びΔT(A)は、 インゴットの一つ(インゴット「A」と呼ぶ。)に対し特定の場所で信号調整器 102により測定された、2つの温度及びその差に対応する。T1(B)、T2( B)及びΔT(B)は、第2のインゴットに対する同じパラメータを指す。下付 き数字が2の温度は、全ての場合において、2つの温度のうち高い方を指す。T2 (グループ)は、インゴット群(複数のインゴットがある場合に、これらの インゴットをひとまとめにしたもの)に対するT2の平均値を示す。さらに、| T2(A)−T1(A)|は、2つの値の差の絶対値を表わし、<T2(A),T1 (B)>は、2つの値の平均値を表わす。 1番目のフローチャートは、インゴット同士の比較を表わし、2番目のフロー チャートは、インゴットとインゴット群との比較を表わす。フローチャートは、 測定の有効性確認が望まれるインゴットごとに繰り返される。 ロジックは、(データが特定の場所に対し獲得されるので)場所単位で適用す ることができ、あるいは一連のデータを多数の場所に対し獲得でき、この一連の データに基づいて比較を行い、一連のデータ全体に対し有効確認した結果が表示 される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,U Z,VN,YU,ZW (72)発明者 ムラー,フリードリッヒ ドイツ連邦共和国デー―67105 シッファ ーシュタット、ヨーゼフ―ハイドン―シュ トラーセ49番 (72)発明者 オージェ,マルク カナダ、ブイ8シー・2ピー4、ブリティ ッシュ・コロンビア、キティマット、キテ ィマート・ビレッジ・ロード1934番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. ボトムブロックを備え開端部を設けたモールドを有する鋳造機において直 接冷硬鋳造されるインゴットの表面温度を、上記開端部を設けたモールドから上 記インゴットが出てくる鋳造初期段階において制御する方法において、 開端部を設けたモールドから出てくるインゴットの少なくとも1つの表面に対 して、冷却水を、上記表面上の標準衝突点で衝突させて上記表面を冷却するよう に流す工程と、 少なくとも1つの測定場所において、上記モールドから出てくるインゴット上 の表面温度を測定する工程と、 上記測定表面温度を用いて、鋳造に関する変数を制御し、これにより上記表面 の上記温度を制御する工程とを含み、 上記表面温度は、該表面温度が上記冷却水の流れにより影響を受けるとともに 、上記インゴットの長さが各表面温度測定値に応じて決められるように、上記標 準衝突点に十分近い予め決められた位置で測定されること、及び、 上記長さは、上記鋳造機のボトムブロックの、鋳造開始時における初期位置か らの移動量であることを特徴とする方法。 2. 上記測定温度を利用して、少なくとも1つの別の鋳造変数を制御すること を特徴とする請求項1の方法。 3. 予め決められた表面温度履歴を上記インゴットに与えるために、上記表面 温度測定値と上記対応するインゴット長さを利用することを特徴とする請求項1 の方法。 4. 第1のインゴット長さにわたる第1のセクションと、上記第1のセクショ ンより長いインゴット長さにわたる、隣接する第2のセクションとを有する温度 制御域内に表面温度を保つように、該表面温度を制御するために、インゴットの 測定表面温度を利用すること、 上記第1のインゴット長さに対し、表面温度が、120℃を超える下限温度よ り高く且つ上限温度より低くなるように、表面温度を第1のセクション内で制御 すること、及び、 表面温度が、インゴット長さ増加分の中で120℃まで低下し、その後120 ℃以下に保たれるように、表面温度を上記第2のセクション内で制御することを 特徴とする方法。 5. 上記第1のセクションの上記下限温度は、上記冷却水の核沸騰領域の上限 より高いことを特徴とする請求項4の方法。 6. 上記第1のセクションの上記下限温度は、200℃より大きいことを特徴 とする請求項4の方法。 7. 上記第1のインゴット長さは、約600mmより小さいことを特徴とする 請求項4の方法。 8. 上記第1のインゴット長さは、約400mmより小さいことを特徴とする 請求項7の方法。 9. 上記第1のインゴット長さは、約100mmより大きいことを特徴とする 請求項7の方法。 10. 上記インゴット長さ増加分は、5〜100mmの範囲にあることを特徴 とする請求項4の方法。 11. 第1の冷却シーケンスにしたがってインゴットを最初に鋳造する方法に おいて、上記第1の冷却シーケンスは、以下の(a)〜(d)のパラメータから 選択された少なくとも1つのパラメータを有するパラメータ群を、上記最初の鋳 造用に決定する工程と、上記パラメータ群を予め決められたパラメータ群と比較 する工程と、上記パラメータ群と上記予め決められたパラメータ群との間の差に 応じて、次のインゴット鋳造用の冷却シーケンスを変更する工程とを伴う請求項 1の方法。 (a)測定温度の導関数の最大値により決定される、上記測定温度が急速に低下 すろ特定の第1のインゴット長さ、(b)上記特定の第1のインゴット長さでの 上記測定温度の値、(c)上記特定の第1のインゴット長さまでの、インゴット 長さに対する上記測定表面温度の平均、傾き若しくは積分値のうち選択された1 つのパラメータ、(d)測定温度が上記特定の第1のインゴット長さにおける上 記値から120℃以下の値に下がるまでのインゴット長さ増加分。(d)測定温 度が上記第1の特定インゴット長さにおける値から120℃以下の値に下がるま でのインゴット長さ増加分 12. 上記冷却シーケンスは、溶融金属の温度と、鋳造速度と、モールドに2 次冷却水を供給するために用いられる冷却水流れによる冷却率とから構成される グループから選択される鋳造変数群を有することを特徴とする請求項11の方法 。 13. 上記冷却シーケンスは、モールドに2次冷却水を供給するために用いら れる冷却水流れによる冷却率を有することを特徴とする請求項11の方法。 14. 上記冷却シーケンスは、上記パラメータ群からのパラメータの組み合わ せと、上記予め決められたパラメータ群からの同一の組み合わせとの差に応じて 変更されることを特徴とする請求項11の方法。 15. 上記表面温度は、非接触式光学センサ又は接触式温度測定センサのいず れかのセンサを用いて測定されることを特徴とする請求項1の方法。 16. 上記表面温度の測定は、上記測定場所において少なくとも2つの接触温 度センサを用意する工程と、上記センサを上記表面に同時に周期的に接触させる 上程と、上記各センサからの出力値同士を比較する工程と、上記出力値同士の差 が所定の量より大きい場合に上記出力値を拒否し、上記出力値同士の差が上記所 定の量より小さい場合に、上記出力値の一つ又は平均を、上記冷却水の制御に用 いるための上記温度の測定値として受け取る工程とにより行われることを特徴と する請求項1の方法。 17. 上記出力値は、これら出力値の他の出力値よりも温度が高いことを表示 する一出力値を含み、上記出力値同士の差が上記所定の量より小さい場合に、上 記一出力値を、上記表面温度の測定値として受け取ることを特徴とする請求項1 6の方法。 18. 上記センサは、上記表面と接触する際に起電力を発生する、異なる金属 からなる少なくとも2つの互いに間隔をあけて配置された点接触部を有すること を特徴とする請求項16の方法。 19. 上記予め決められた位置は、標準衝突点の上方5mmと標準衝突点の下 方400mmとの間にあることを特徴とする請求項1の方法。 20. 上記予め決められた位置は、標準衝突点の上方5mmと標準衝突点の下 方100mmとの間にあることを特徴とする請求項1の方法。 21. 上記予め決められた位置は、標準衝突点の下方5mm〜40mmの間に あることを特徴とする請求項1の方法。 22. 上記冷却水の制御は、冷却水の流れをパルス化しオン・オフサイクル時 間を変更する方法、冷却水の流れ全体を変える方法、ガスを上記冷却水に加えて ガスの量を変更する方法、上記標準衝突点から冷却水の流れを偏向する方法、又 は上記冷却水に添加剤を加えて上記添加剤の量を変える方法のいずれかにより行 われることを特徴とする請求項1の方法。 23. 直接冷硬鋳造されるインゴットの表面温度を、開端部を設けた鋳造用モ ールドを有する鋳造機から出てくる鋳造初期段階において制御するための装置に おいて、 上記鋳造用モールドに対し規定された標準的な第2の冷却水衝突点に関して予 め決められた位置に配置され、上記インゴットの上記表面温度を制御するための 制御装置の一部を構成する第1の表面温度センサと、 温度センサの信号を、これら信号の有効性を確認した場合にのみ、制御回路に 送るように構成された信号調整器と、 上記信号調整器の出力値を、予め決められた制御関数と比較する信号比較器と 、 上記第2の信号比較器の出力値に応答して、上記鋳造用モールドの鋳造変数を 制御する制御器とにより特徴づけられる装置。 24. 上記制御器は、上記鋳造用モールドの少なくとも1つの別の鋳造変数を 制御することを特徴とする請求項23の装置。 25. 上記温度センサは、非接触式光学センサ又は接触式温度測定センサであ ることを特徴とする請求項23の装置。 26. 上記装置は、第1の温度センサに隣接して配置された少なくとも1つの 別の温度センサを有すること、及び、上記信号調整器は、上記各温度センサの出 力値同士を比較する信号比較器であって、上記信号同士の差が所定の量より小さ い場合に有効と判定することを特徴とする請求項23の装置。 27. 上記各センサは2点接触プローブであり、各接点は、これら接点が上記 表面と接触する際に起電力を発生する、異なる金属からなることを特徴とする請 求項23の装置。 28. 隣接するセンサ同士が1つの接点を共有することを特徴とする請求項2 7の装置。 29. 上記センサの各接点は、上記インゴット表面の凹凸に適応できるように 、独立したサスペンションを有することを特徴とする請求項27の装置。 30. 上記鋳造変数は、冷却水の流れ又は性質であり、これら冷却水の流れ又 は性質を制御する手段は、冷却水の流れをパルス化しオン・オフサイクル時間を 変更する装置、冷却水の流れ全体を変える装置、ガスを上記冷却水に加えてガス の量を変更する装置、上記標準衝突点から冷却水の流れを偏向する装置、又は上 記冷却水に添加剤を加えて上記添加剤の量を変える装置のいずれかであることを 特徴とする請求項23の装置。 31. 開端部を設けた鋳造用モールドから鋳造される金属インゴットの表面温 度を測定する方法において、 上記インゴット上のある場所における表面温度は、第1の温度測定値を得るた めの第1の温度センサを用いて測定されるとともに、第2の温度測定値を得るた めの第2の温度センサを用いて測定され、これら第1及び第2の温度測定値は、 上記第1及び第2のセンサの上記検出温度同士の差が予め決められた量より小さ いかどうかを決定するために比較され、上記温度測定値のいずれかに基づいて上 記場所での上記表面の上記実際の温度を表わす測定温度表示を行うことを特徴と する方法。 32. 上記温度測定値は、上記第1及び第2の温度測定値同士の差が上記予め 決められた量より大きい場合に無視され、上記第1及び第2の温度測定値同士の 差が上記予め決められた量より小さい場合に、上記第1及び第2の温度測定値の 1つ又は平均が、上記場所での上記表面の上記温度を表わすものとして選択され ることを特徴とする請求項31の方法。 33. 1つ又はそれ以上の別の測定センサが異なるインゴット上での同等の場 所に位置するか、インゴット群の同等の場所に位置するか、又は同一インゴット の異なる部分上での同等の場所に位置するかのいずれかの同等な条件の下での、 上記1つ又はそれ以上の別の測定センサの出力値と、上記第1及び第2のセンサ の上記出力値の最大値との差が予め決められた量以下である場合のみに、上記測 定温度表示が行われることを特徴とする請求項31の方法。 34. 上記モールドは、鋳造用モールドの鋳造変数を制御するための制御器を 有し、上記選択された温度測定値は、鋳造工程の際に上記インゴットの予め決め られた表面温度を得る必要がある場合、上記鋳造変数を修正するための上記制御 器により使用されることを特徴とする請求項31の方法。 35. 上記モールドは、上記インゴット用の2次冷却装置を有し、上記選択さ れた温度は、上記予め決められた表面温度を維持するために上記2次冷却装置を 修正するための上記制御器により使用されることを特徴とする請求項34の装置 。
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