JP2002507385A - ヒトの5−ht4セロトニン作動性受容体のスプライシングバリアント、及び、特にスクリーニングのためのその利用 - Google Patents

ヒトの5−ht4セロトニン作動性受容体のスプライシングバリアント、及び、特にスクリーニングのためのその利用

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ダーモーネ,ヤミナ
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アンスティテュ ナシオナル ドゥ ラ サントゥ エ ドゥ ラ ルシェルシェ メディカル(イーエヌエスエーエールエム)
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ヒトセロトニン受容体に対するスプライシング変異体を構成する単離ポリペプチドであって、そのアミノ酸配列が5-HT4(c)ポリペプチド変異体の配列番号2の配列および5-HT4(d)ポリペプチド変異体の配列番号4の配列から選択される単離ポリペプチド、あるいは任意のポリペプチド断片または生物学的に活性なその誘導体に関する。本発明は、5-HT4(c)および5-HT4(d)受容体に及ぼすML10375 の逆作動薬作用にも関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明はヒトの5-HT4 セロトニン作動性受容体の新規なスプライシングバリア
ントに関する。
【0002】 セロトニン(5-ヒドロキシトリプタミン、または5-HT)は、脊椎動物の中枢、
及び末梢神経系において認められる神経伝達物質であり、それらの場所でセロト
ニンは、異なる受容体のサブタイプによって介される、種種の生理学的な役割を
果たしている(Saxena,1995 )。5-HT4 受容体は、アデニル酸シクラーゼに正に
結合するG タンパク質に結合する7 つの膜貫通(7TM )ドメインをもつ受容体フ
ァミリーの一員に該当する(Hedge and Eglen,1996)。5-HT4 受容体は、ヒトの
脳、及び囓歯類の脳(Eglen et al.,1995 )、及びヒト、イヌ、ブタ、囓歯類の
胃腸管、及びブタ、ヒトの心臓(Hedge and Eglen,1996)等の、多種多様の組織
において発現している。哺乳類の脳において、5-HT4 受容体は、ドーパミンの分
泌に寄与しており(Bonhomme et al.,1995)、アセチルコリンの放出を変化させ
ることによって、学習、及び長期記憶を制御している(Marchetti-Gauthier et
al.,1997)。末梢組織において、5-HT4 受容体は、胃腸管の動き、腸の電解質分
泌、副腎のコルチコイド分泌、膀胱の収縮、及び心房の収縮能を制御することが
判明している(Edge and Eglen,1996 )。
【0003】 5-HT4 受容体は、不整脈(Kaumann,1994)及び神経変性障害(Reynolds et al
.,1996、Wong et al.,1996)等の多種多様の中枢性、及び末梢性の疾患に関与し
ている。更に、5-HT4 受容体アゴニスト、及びアンタゴニストの開発は、パーキ
ンソン病のような、中枢のドーパミン作動性の系の機能障害に関連する神経精神
障害の処置のために(Bonhomme et al.,1995)、又はアルツハイマー病の患者に
おいて見られるような健忘症の処置のために(Marchetti-Gauthier et al.,1997
)、中枢神経系における治療に応用できる。このような薬剤は、また、過敏性腸
症候群、軽症胃アトニー、尿失禁、及び不整脈のような末梢性疾患の処置にも有
用となり得る(Hedge and Eglen,1996)。
【0004】 5-HT4 受容体は、5-HT受容体ファミリーの他のメンバーの薬理学的特性とは明
らかに異なった固有の薬理学的特性を示す(Ford Clarke,1993)。5-HT4 受容体
に関する、大部分の薬理学的、及び形質導入の研究が、囓歯類の中枢神経系と胃
腸管、及びブタとヒトの心臓において、実施されてきた(Eglen et al.,1995 ;
Hedge and Eglen,1996)。これら標本中に存在する5-HT4 受容体の薬理学的特性
は、非常に類似しているが、説明のつかない相違がある。従って、レンザプリド
(renzapride)やシサプリド(cisapride )のようなベンズアミドは、マウスの
丘ニューロン(colliculi neurone )では、5-HT4 受容体の強い完全アゴニスト
として振舞うが、ヒトの心臓(Ford and Clarke,1993;Hoyer et al.,1994 )、
及びヒトの膀胱から単離された排尿筋(Ford and Clarke,1993;Hoyer et al.,1
994 ;Candura et al. ,1996)では、あまり強くない部分アゴニストにすぎない
【0005】 5-HT4 アゴニストである、5-メトキシトリプタミン(5-MeOT)は、ヒトの排尿
筋の5-HT4 受容体において、非常に弱いアゴニスト作用を有する(Candura et a
l.,1996 )。5-HT4 受容体のアゴニストであり、ラット食道の弛緩やモルモット
の回腸における電気的に誘導された収縮に対する5-HTの作用を模倣する、ML1030
2 (Langlois et al.,1994)は、5-HTの正味の拮抗作用と相まって、ヒトの心房
からクローン化された5-HT4(a)ヒト受容体によって生じるcAMP反応に対して弱い
アゴニスト効果(Blondel et al.,1997 )を有しており、更に丘ニューロン(Co
lliculus neurons)においてアンタゴニスト作用を有する(Ansanay et al.,199
6 )。更に、5-HT4 受容体の脱感作メカニズムは組織依存性である。特に、5-HT 4 受容体の相同に急激で、完全な脱感作(cAMP非依存性)がマウスの丘ニューロ
ン(colliculi neurons )(Ansanay et al.,1996 )、及びラットの食道(Rond
e et al.,1996 )において観察されているが、このタイプの受容体は、ヒトの心
房においては、あまり感受性が失われない(Kaumann et al.,1991 )。
【0006】 最初の5-HT4 受容体がラットの脳からクローン化されており(Gerald et al.,
1995)、2 つのスプライシングバリアント(r5-HT4S 及びr5-HT4L )が同定され
ている。これらのバリアントは、カルボキシ末端の長さ、及び配列が異なってお
り、長い形態(r5-HT4L )は、マウスの丘ニューロン(colliculi neurons )で
もクローン化されており(m5-HT4L )、脳のほぼ、各部分に転写物を有する(Cl
aeysen et al.,1996)。ラットにおけるr5-HT4L 及びr5-HT4S の転写物の末梢で
の分布は興味深いものとなっている。胃腸管(回腸及び結腸)では両方の形態が
発現しているが、心臓ではr5-HT4S 転写物のみが発見されている(Gerald et al
.,1995)。更に、心房ではr5-HT4S のみが発見されている(Gerald et al.,1995
)。
【0007】 r5-HT4S 及びr5-HT4L 受容体のヒトの相同物を、ここにh5-HT4(a) 、及びh5-H
T4(b) と称するが、最近クローン化されている。h5-HT4(a) 受容体は、ヒトの心
臓からクローン化されており(Blondel et al.,1997 ;Claeysen et al.,1997)
、h5-HT4(b) は、ライブラリーからクローン化された(Van de Wyngaert et al.
,1997 )。これら2 つのh5-HT4(a) 、及びh5-HT4(b) 受容体は、COS-7 細胞に一
時的に発現した際に、従来の5-HT4 の薬理学的特徴を示す。しかしながら、ML10
302 、BIMU1 、レンザプリド(renzapride)及びザコプリド(zacopride )のよ
うなアゴニストに対する、クローン化されたh5-HT4(a) 受容体の親和性は、脳で
発見された受容体より低い。
【0008】 本発明者らは、ここで、h5-HT4(c) 、及びh5-HT4(d) と称される2 つの新規な
ヒトセロトニン受容体のサブタイプの存在を示している。 配列の相同性分析によると、h5-HT4(a) 、及びh5-HT4(b) の形態は、それぞれ
ラットにおけるr5-HT4S 、及びr5-HT4L の形態をヒトに対応させたものであるこ
とが示唆されているが、h5-HT4(c) 、及びh5-HT4(d) の形態は受容体の2 つの新
規なアイソフォームを表わす。h5-HT4(c) アイソフォームは、多くの想定される
リン酸化部位を示しており(1 つはプロテインキナーゼC のため、1 つはプロテ
インキナーゼA /プロテインキナーゼG のため、そして2 つはカゼインキナーゼ
IIのため)、全てアミノ酸配列の最後の25残基に含まれている。
【0009】 プロテインキナーゼA による、7 つの膜貫通ドメインを有する受容体のカルボ
キシ末端のリン酸化は、受容体の脱感作、及びcAMP の濃度上昇に反応した受容
体とG タンパク質との結合を制御する(Dohlman et al.,1991 )。 更に、β1-及びβ2-アドレナリン作動性受容体(Pei et al.,1994 ;Freedman
et al.,1995)、及び5-HT2c(Wearphal et al.,1995)のような、7 つの膜貫通
ドメインを有する受容体において、β- アドレナリン作動性受容体キナーゼ(β
ARK1及びβARK2)のようなcAMP非依存性プロテインキナーゼ、又はロドプシンキ
ナーゼによる受容体のリン酸化は、基質活性化相同脱感作を生じさせる。5-HT4
受1体のスプライシングバリアントのC-末端におけるリン酸化部位の数、及び性
質は、従って、受容体機能の負の制御に影響を及ぼすことができる。
【0010】 5-HT4 受容体の脱感作メカニズムにおける組織依存的な相違が報告されており
(Ford and Clarke,1993)、種種の組織における、5-HT4 受容体のアイソフォー
ムの発現が、限局的であることに関係している可能性がある。従って、マウスの
丘ニューロン(colloculi neurons )における5-HT4 受容体の脱感作メカニズム
は、β- アドレナリン作動性受容体について説明されたメカニズムに似ており、
かつcAMP経路と無関係であるように思われる。「βARK 様」キナーゼがこれらの
ニューロン細胞における5-HT4 受容体の特異的なリン酸化を仲介していることが
提言されている(Ford and Clarke,1993)。カゼインキナーゼII、又はPKC によ
る5-HT4(c)アイソフォームのC-末端リン酸化は、従って、これらの細胞において
観察されるcAMP- 非依存性脱感作を説明することができる。
【0011】 5-HT4(d)の形態は、Leu358の後の2 つのアミノ酸で終わらせるコード配列を持
つ、非常に短いC-末端を特徴とする。明らかな配列の相同性は無いが、5-HT4
C-末端と5-HT7 のC-末端の構造の類似性(多くのリン酸化部位をもつアイソフォ
ーム、及びスプライシング部位近くの不完全なアイソフォームを含む、同じ数の
バリアント)は、アデニル酸シクラーゼに正に結合している5-HT受容体間の機能
的作用の制御における類似性を示唆する。
【0012】 本発明は、ヒトセロトニン作動性受容体のスプライシングバリアントを構成す
る単離されたポリペプチドであって、そのアミノ酸配列が5-HT4(c)バリアントポ
リペプチドの配列番号2 の配列、及び5-HT4(d)バリアントポリペプチドの配列番
号4 の配列から選ばれたポリペプチド、およびこのポリペプチドの任意の生物学
的活性ポリペプチド断片、あるいは誘導体に関する。
【0013】 本発明は、従って、より詳細には、5-HT4(c)タイプのヒトセロトニン作動性受
容体を構成する単離されたポリペプチドに関する。更に詳細には、本発明は、配
列番号2 のアミノ酸配列を有するh5-HT4(c) ポリペプチド、又はこのペプチドの
任意の生物学的活性ポリペプチド断片、又は誘導体に関する。 本発明は、また、5-HT4(d)タイプのヒトセロトニン受容体を構成する単離され
たポリペプチドに関する。より詳細には、本発明は、配列番号4 のアミノ酸配列
を有するh5-HT4(d) ポリペプチド、又はこのペプチドの任意の生物学的活性ポリ
ペプチド断片、又は誘導体に関する。
【0014】 配列番号2 の配列はh5-HT4(c) ポリペプチドのアミノ酸配列を表わしており、
かつ配列番号4 の配列は、h5-HT4(d) ポリペプチドのアミノ酸配列を表わしてい
る。 「誘導体」とは、任意のアイソフォームの配列、すなわち、配列番号2 又は4
の配列に、又はその修飾された配列又は断片の1 つに一致しており、かつ鏡像異
性体であるD-アミノ酸を1 つ以上含有する配列や、生物学的活性をもたらす特性
の少なくとも1 つを保有しているバリアント配列、修飾された配列、又はアイソ
フォーム配列と同様、配列番号2 、又は4 の配列のポリペプチドの任意のバリア
ントポリペプチド、又は配列番号2 又は4 の配列の遺伝的、及び/又は化学的性
質の修飾によって生じる任意の分子、すなわち1 つの、又は限られた数のアミノ
酸の突然変異、欠失、付加、置換、及び/又は化学修飾によって得られる任意の
分子を意味することが意図されている。
【0015】 「生物学的活性」の表現は、関連する化合物が、セロトニン、又はセロトニン
関連リガンドに結合することができ、及び/又は細胞膜におけるセロトニン誘導
情報伝達、特に、アデニル酸シクラーゼの活性化に関与することができ、及び/
又は本発明に従って、h5-HT4(c)、又はh5-HT4(d) ポリペプチドを認識する抗体
を誘導することができることを意味する。セロトニン関連リガンドの例として、
とりわけ5-メトキシトリプタミン(5-methoxytryptamin)、GR113808、BIMU1 な
どがある。
【0016】 従って、本発明は、また、本質的に、配列番号2 、又は4 の配列と同一のアミ
ノ酸配列を有する任意のポリペプチドを含んでおり、そのポリペプチドにおいて
、1 以上の残基が類似する官能残基によって構成上置換されており、かつ、本発
明において記述されているように、そのポリペプチドは、h5-HT4(c) 、及びh5-H
T4(d) 受容体の模倣に適性を示している。従来の置換の例として、イソロイシン
、バリン、ロイシン、またはメチオニンのような疎水性残基を他の疎水性残基で
置換したり、アルギニンをリシンで、グルタミンをアスパラギンで、又はグリシ
ンをセリンで置換するように、極性の親水性残基を置換したり、リシン、アルギ
ニン、又はヒスチジンのような塩基性残基を他の塩基性残基で置換したり、アス
パラギン酸、又はグルタミン酸のような酸性残基を他の酸性残基で置換したりす
ることが含まれる。
【0017】 同様に、本発明は、官能基の反応によって化学的に誘導された1 以上の残基を
有する任意のポリペプチドを含む。本発明のポリペプチドは、また、生物学的活
性が保持されている限り、配列番号2 、又は4 の配列に対して1 つ以上の残基の
付加、及び/又は欠失を有する任意のポリペプチドを含む。 本発明のh5-HT4(c) 、及びh5-HT4(d) ポリペプチドは、組み換えDNA 技術を含
む、当業者に周知な全ての方法によって合成することができる。h5-HT4(c) 、及
びh5-HT4(d) ポリペプチドは、純度、抗原特異性、及び好ましくない副産物が無
いといった理由で、かつその製造の容易さのため有利であるメリフィールドタイ
プの合成のような、合成化学技術によって合成することができる。
【0018】 本発明は、また、配列番号1 の配列、又は配列番号3 の配列から選ばれた、単
離されたヌクレオチド配列、及び遺伝暗号の退化、突然変異、欠失、又は挿入に
よって、配列番号1 の配列、又は配列番号3 の配列から誘導されたヌクレオチド
配列、及び配列番号1 の配列、又は配列番号3 の配列と特異的にハイブリダイズ
できるヌクレオチド配列に関する。
【0019】 配列番号1 の配列は、h5-HT4(c) ポリペプチドのヌクレオチド配列を表わして
おり、配列番号3 の配列は、h5−HT4(d)ポリペプチドのヌクレオチド配列を表わ
す。 本発明の種種のヌクレオチド配列は、人工的に生じたものであっても、またそ
うでなくてもよい。これらは、配列番号1 、又は3 の配列に基づいて開発された
プローブを用いて、シークエンスライブラリーをスクリーニングすることによっ
て得られるDNA 、又はRNA 配列であってもよい。このようなライブラリーは、当
業者に公知である分子生物学的な従来技術によって調製できる。
【0020】 本発明によるヌクレオチド配列は、また、化学合成、又はライブラリーのスク
リーニングによって得られた配列の化学的、又は酵素的修飾を含む混合法によっ
て調製してもよい。 本発明に従って、これらのヌクレオチド配列は、配列番号1 又は3 の配列と特
異的にハイブリダイズするヌクレオチドプローブの製造を可能にする。適切なハ
イブリダイゼーションの条件は、当業者によって通常用いられている温度条件、
及びイオン強度条件に一致しており、(Tm マイナス5 ℃)と(Tm マイナス30
℃)の間の温度条件が好ましく、更には、(Tm マイナス5 ℃)と(Tm マイナ
ス10℃)の間の温度条件(high stringenecy)がより好ましく、Tm は、対にな
ったストランドの50%が分離するような温度として定義されている理論上の融解
温度である。このようなプローブは、また、本発明の一部を形成する。これらは
、生物試料中の本発明のポリペプチドに特異的な転写物をハイブリダイゼーショ
ン実験、特に、「in situ 」ハイブリダイゼーション実験によって検出するため
に、又は、多形性、突然変異、又は不正確なスプライシングに起因する異常な合
成、又は遺伝子異常を検出するために、インビトロ診断用の手段として用いるこ
とができる。
【0021】 本発明のプローブは、最低10ヌクレオチド、好ましくは、少なくとも14ヌクレ
オチド、優先的には、少なくとも20ヌクレオチド、更に優先的には、少なくとも
50ヌクレオチドを含んでおり、最大では、配列番号1 又は3 のヌクレオチド配列
の全て、又はこれらの相補的ストランドの全てを含む。h5-HT4(a) 、又はh5-HT4 (b) 受容体をコードするヌクレオチド配列とはハイブリダイズしないで、それぞ
れh5-HT4(c) 、又はh5-HT4(d) 受容体をコードする配列番号1 又は配列番号3 の
配列と特異的にハイブリダイズするために、本発明によるプローブは、h5-HT4(c ) 、又はh5-HT4(d) 受容体のC-末端をコードする配列番号1 又は3 の配列の3'末
端に特異的な配列を当然含んでいる。
【0022】 好ましくは、本発明のプローブはそれらの使用の前に標識される。このために
、例えば、蛍光標識、放射性標識、化学発光標識、酵素標識のような、種種の技
術が当業者に容易に利用できる。 これらのヌクレオチドプローブが用いられる、h5-HT4(c) 、又はh5-HT4(d)
リペプチド、又は生物学的活性断片をコードする核酸配列における、異型接合性
の欠損、又は遺伝子再構成のような異常合成、又は遺伝子異常を検出するための
、インビトロ診断法が本発明に含まれている。
【0023】 本発明は、また、細胞、又は組織試料中の5-HT4(c)、又は5-HT4(d)ヒト受容体
の発現を検出するための方法に関するものであり、下記のステップを含む; 前記試料のRNA を調製する; 得られた前記RNA を、上述のように、それぞれ配列番号1 の配列、又は配列番
号3 の配列と特異的にハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列を有す
るプローブと接触させる; h5-HT4(c) 、又はh5-HT4(d) 受容体の発現を意味する、このプローブとハイブ
リダイズするmRNAの存在を検出する。
【0024】 本発明は、また、in situ ハイブリダイゼーションによって、細胞、又は組織
における5-HT4(c)、又は5-HT4(d)ヒト受容体の発現を検出するための方法に関す
るものであり、下記のステップを含む; 前記細胞、又は前記組織を、上述のように、それぞれ配列番号1 の配列、又は
配列番号3 の配列と特異的にハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列
を有するプローブと接触させる; 5-HT4(c)、又は5-HT4(d)受容体の発現を意味する、このプローブとハイブリダ
イズするmRNAの存在を検出する。
【0025】 本発明のcDNAプローブは、また、染色体異常の検出のために好都合に用いるこ
とができる。 本発明のヌクレオチド配列はまたPCR (ポリメラーゼ連鎖反応)と呼ばれる技
術、又はこの技術のいずれかの他の変形によるシークエンシング反応又は特異的
増幅の為のセンス、及び/又はアンチセンスオリゴヌクレオチドプライマーの製
造、及び利用に有用でもある。
【0026】 更に、本発明によるヌクレオチド配列は治療分野に於いて、メッセンジャーR
NAを含む核酸と特異的にハイブリダイズすることができ、遺伝子治療に利用で
きるアンチセンス配列の調整にも利用できる。即ち、本発明の主題は、上記の如
くポリペチド5-HT4(c)または5-HT4(d)の生産を少なくとも部分的に阻害できるア
ンチセンス配列である。この様な配列は、転写体の中に5-HT4(c)又は5-HT4(d)
コードするリーディングフレームを構成する様な配列を有益に含む。
【0027】 更に、本発明のヌクレオチド配列は、上記の様な受容体5-HT4(c)又は5-HT4(d) 活性を有する組換えポリペプチドを作成することができる。 これらポリペプチドは、当業者に公知の組換え生成物製造の為の技術に従い、
上記ヌクレオチド配列より作成することができる。 本発明の実施態様の一つによれば、ヌクレオチド配列は、特定の転写体ターミ
ネーター及び/又はプロモーター等の中で発現制御を可能にするエレメントが効
果的な様式で結合している発現ベクター内に挿入することができる。
【0028】 ヌクレオチド配列(プロモーター、アクティベーター、ターミネーション配列
等)の発現をコントロールする信号は、使用する宿主細胞の機能として選択され
る。その為に、本発明のヌクレオチド配列は選択された宿主内で自律的に複製す
るベクター、又は選択した宿主内に組み込まれるベクター内に挿入することがで
きる。この様なベクターは当業者により現在使用されている方法により調整され
、そうして得られたクローンはエレクトロポレーションまたは硫酸カルシウム沈
殿法の様な通常の方法により好適ホスト内に導入することができる。
【0029】 本発明に規定されるヌクレオチド配列の一つを含む上記のクローニング及び/
又は発現ベクターもまた本発明の部分を形成する。この様な発現ベクターは特に
プラスミド(Invitorogen 社、Carlsbad、CAより入手可能なpRc/CMV 、又はPhar
mcaia 社、Piscataway、NJより入手可能なpUC18 )、コスミド、ファージ(ラム
ダファージの様な)又はいずれかの型の組み換え体ウイルスであり得る。
【0030】 本発明は、これらベクターにより一過性または安定型にトランスフェクトされ
た宿主細胞にも関する。これら細胞は、原核又は真核宿主細胞内に、上記ベクタ
ー内に挿入されたヌクレオチド配列を導入し、続いてトランスフェクトされたヌ
クレオチド配列の複製及び/又は発現が可能な条件下に該細胞を培養して得るこ
とができる。
【0031】 宿主細胞の例には、特にCOS-7 、CHO 、NIH3T3、HeLa、LM(tk-) 、HEK293等の
ほ乳動物細胞が含まれる。宿主細胞は特にC6グリオーマ細胞の様な樹立株である
。 即ち本発明の主題は、より具体的には、本発明のポリペプチド5-HT4(c)又は5-
HT4(d)を安定して発現する細胞株である。
【0032】 機能的組み換え体受容体5-HT4(c)又は5-HT4(d)の発現の為の宿主細胞は、限定
するものではないが、組み換え体Gタンパク質及びアデニレートシクラーゼを内
因性に発現するのが好ましい。 本発明の宿主細胞はポリペプチド5-HT4(c)又は5-HT4(d)の産生に関する方法に
利用でき、該方法では本発明によりトランスフェクトされた細胞は配列番号4の
番号2、またはこのポリペプチドの生物的に活性な断片または誘導体の発現が可
能である条件下に培養され、このポリペプチドの該生物学的に活性なポリペプチ
ド、断片、又は誘導体は回収され、続いて精製される。
【0033】 使用される精製方法は当業者公知である。得られた組み換え体ポリペプチドは
、細胞溶解産物及び抽出物より、及び培養培地上清より、クロマトグラフィー法
、モノ−又はポリクローナル抗体等を利用した免疫アフィニティーの様な分画法
を単独、又は組み合わせ使用した方法により精製できる。 本発明の主題は、ポリ−又はモノクローナル抗体及びその断片、又はキメラ又
は免疫標識抗体でもある。これら抗体又は断片は、これらが上記受容体ポリペプ
チド、誘導体、又はこのポリペプチドの誘導体より得られ、動物に投与され、ポ
リペプチド5-HT4(c)又は5-HT4(d)を特異的に認識できることで特徴付けられる。
【0034】 ポリクローナル抗体は、通常の方法に従い受容体5-HT4(c)又は5-HT4(d)に対し
免疫された動物の血清より得ることができる。 本発明の実施態様の一つによれば、反応性残基を介してT−依存性エピトープ
を有するタンパク質または別のペプチドに結合できる好適ペプチド断片は抗原と
して利用できる。ウサギをBenoitら(1982)記載の方法によりペプチド抗原1mg
当量で免疫する。4週間間隔で動物に200 μg の抗原を注射し、処理し、10ない
し14日後に採血した。3回目の注射後に、クロラミンT法により調製されたヨー
ド放射標識したペプチド抗原に対する結合能を決定するために抗血清を調べ、続
いてカルボキシメチルセルロース(CMC )イオン交換カラムによるクロマトグラ
フィーにより精製した。次に、抗体分子を動物より採集し、当業者公知の方法、
例えばIgG 分画を得るためのDEAEセファデックスにより所望濃度に単離する。
【0035】 ポリクローナル抗体を得るための別の方法は実施例8に記載する。 ポリクローナル血清の特異性を上げるために、抗体は固相−免疫化ポリペプチ
ドを用いた免疫アフィニティークロマトグラフィーで精製できる。抗体を十分な
時間、固相−免疫化ポリペプチドに接触せしめ固相免疫複合体を形成させる。 モノクローナル抗体は、Kohler及びMilstein(1975)記載の通常のハイブリド
ーマ培養法により得ることができる。
【0036】 本発明の抗体又は抗体断片は、例えばキメラ抗体、ヒト化抗体、又Fab 及びF(
ab')2 断片である。これらは免疫結合体、又は標識抗体の形状でも良い。例えば
、これらは、ジフテリア毒素の様な毒素、又は放射活性生成体と結合できる。こ
の場合、これら免疫毒素は受容体5-HT4(c)又は5-HT4(d)の過剰発現を含む特定病
理の治療に利用できる治療薬剤を構成する。
【0037】 本発明の抗体は、特にモノクローナル抗体は、例えば免疫蛍光法、金標識法、
免疫ペルオキシダーゼ法等によりに、特異的組織切片上の受容体5-HT4(c)又は5-
HT4(d)の免疫組織分析に利用できる。 抗-5-HT4(c) 又は抗-5-HT4(d) 抗体は、受容体5-HT4(c)又は5-HT4(d)の発現が
観察されなければならない状況(異常過剰発現、膜発現の制御のモニタリング等
)に有益に利用できる。
【0038】 本発明はまた、インビトロに於けるサンプル中への受容体5-HT4(c)又は5-HT4( d) の異常蓄積又は発現を診断する方法、及び該サンプル中のこの受容体の発現レ
ベルを測定する方法にあって、受容体5-HT4(c)又は5-HT4(d)と該抗体間に特異的
免疫複合体の可能な形成を許す条件下に、少なくとも1つの上記抗体を該生物サ
ンプルに接触せしめ、そして形成されるであろう特異的免疫複合体を検出するこ
とを含む方法に関する。
【0039】 本発明の主題は、生物サンプル中の受容体5-HT4(c)又は5-HT4(d)のインビトロ
での異常発現を診断し、及び/又該サンプル中の受容体5-HT4(c)又は5-HT4(d)
発現レベルを測定するための、以下を含むキットでもある; −受容体5-HT4(c)又は5-HT4(d)に関し特異的であり、随意に支持体と血応する
少なくとも1の抗体; −受容体5-HT4(c)又は5-HT4(d)と該抗体間の特異的抗原/抗体複合体の形成を
表示する手段、及び/又はこれら複合体を定量する手段。
【0040】 本発明の主題はまた、受容体の機能不全を伴う病理に於ける、抗受容体自己抗
体の存在を検出するための、本発明によるポリペプチド5-HT4(c)又は5-HT4(d)
利用でもある。 本発明の主題は、医薬品として許容される賦形剤と組み合わせた、受容体5-HT 4(c) 又は5-HT4(d)、上記の誘導体又はポリペプチド、上記ヌクレオチド配列、上
記抗体を含む医薬組成物でもある。
【0041】 本発明の主題は、特に受容体5-HT4(c)又は5-HT4(d)への天然基質の結合を阻止
するのに十分な量の受容体5-HT4(c)又は5-HT4(d)に対する抗体及び医薬品として
許容される賦形剤を含む、医薬組成物である。 本発明による医薬組成物は、特に経口、非腸管的、静脈内、筋肉内、皮下、経
皮、又は鼻内投与により投与できる。
【0042】 これら後者に溶解又は分散された特定の活性成分を含む医薬組成物の調製は、
当業者公知である。一般に組成物は、注射可能な液体又は懸濁液に調製される。
しかし、それらは即時調合的な溶液または懸濁液の調製に好適な固形でもよい。
調製体は乳化することもできる。 本発明の医薬組成物の投与方法、投与量及び製剤形状は、患者に好適な治療方
法を確立する上で一般的に採られる基準、例えば患者の年齢又は体重、彼/彼女
の全身状態の重傷度、治療への耐性および観察された副作用等に従い決定するこ
とができる。
【0043】 本発明の主題は、受容体5-HT4(c)又は5-HT4(d)の発現を低下させることで軽減
又は除外も可能な病訴又は傷害を有する個人に対する治療法にあって、該方法が
該個人に対する有効量の上記医薬組成物の投与を含むものでもある。実際、受容
体5-HT4(c)又は5-HT4(d)への抗体の結合は受容体の活性化を阻止し、従ってこれ
ら受容体の異常な過剰発現の作用を中和する。
【0044】 本発明の主題は、本発明のポリペプチド5-HT4(c)又は5-HT4(d)に結合可能な化
合物をスクリーニングする方法にあって、該化合物を該ポリペプチド5-HT4(c)
は5-HT4(d)に接触させ、該化合物と該ポリペプチド5-HT4(c)又は5-HT4(d)間の結
合の程度を評価する方法でもある。 即ち、非常に多くの化合物を迅速にスクリーニングし、これら化合物について
本発明の受容体5-HT4(c)又は5-HT4(d)への結合能を試験できる。
【0045】 これら結合アッセイは、生物学サンプル中のセロトニンの有無を決定し、又新
規内因性リガンドを単離するのにも利用できる。 即ち、本発明の主題は、以下より構成されるステップを含む受容体5-HT4(c)
は5-HT4(d)のリガンドを同定する方法でもある: a)受容体のリガンドを含むと思われる生物サンプルをポリペプチド5-HT4(c) 又は5-HT4(d)、又は該ポリペプチドを発現している宿主細胞に接触させ、 b)形成されたリガンド−受容体複合体を単離し、 c)受容体5-HT4(c)又は5-HT4(d)のリガンドを特定する。
【0046】 本発明の主題は、生物サンプル中のセロトニン、又はその類縁体の異常蓄積又
は発現をインビトロで診断し、及び/又は該サンプル中でのその発現レベルを測
定する方法にあって、該ポリペプチドとセロトニン又はその類縁体間に特異的な
免疫複合体の形成を許す条件下に、本発明のポリペプチドを該生物サンプルと接
触せしめ、そして形成された特異的免疫学的複合体を検出することを含む方法で
もある。
【0047】 本発明に関連し用いられる結合アッセイは、当業者公知の方法により実施でき
る。特に、受容体ポリペプチドへ結合可能な化合物は前標識でき、単独又はその
他の非標識化合物と競合させ利用することができる。 より具体的には、例えば競合アッセイ、例えばELISA 又はIRMAタイプが実施で
きる。
【0048】 本発明の関連に於いて、本発明の受容体5-HT4(c)又は5-HT4(d)ポリペプチド、
抗-5-HT4(c) 又は抗-5-HT4(d) 抗体及び/又は受容体5-HT4(c)又は5-HT4(d)のリ
ガンドの検出には、標識手段が利用できる。 具体的には、使用する標識手段は変性を伴わず抗体又は抗原に化学的に結合し
、有益な免疫蛍光指示体である発色蛍光色素を形成する蛍光標識剤である。標識
剤はペルオキシダーゼ(HRP )又はグルコースオキシダーゼの様な酵素でも良い
。放射活性元素も標識剤として有用である。
【0049】 本発明は更に4種類の5-HT4 受容体のスプライシング変種である5-HT4(a)、5-
HT4(b)、5-HT4(c)及び5-HT4(d)の組織分布にも好適である。 各5-HT4 のスプライス変種の発現プロフィールは、小腸内にのみに存在する5-
HT4(d)を除き特定の組織に限定されていない。幾つかの組織(ヒト心房、脳、消
灯)は4種類の5-HT4 のうち3種類を発現しているが、その他の組織(膀胱、腎
臓)は1つのイソフォームのみを発現している。即ち、膀胱は特異的に5-HT4(a) 型のみを発現している。2つの組織(心臓の心室及び肝臓)では、何れの5-HT4
スプラシング変種による転写体も増幅されなかった。小腸に独占的に受容体5-HT 4(d) が存在することから、その他のイソフォームを発現する臓器に副作用を及ぼ
さずにこの受容体に関連する消化性疾患を治療する、それを標的とした治療法が
可能かもしれない。独占的ではないものの、5-HT4(c)イソフォームが脳内に局在
することは、このイソフォームがセロトニンの神経作用に関与することを予想さ
せる。特に、ヒト心房の受容体5-HT4 とは異なりマウス精丘炎神経の受容体5-HT 4 は(Kaumann ら、1991)セロトニンの存在下に急速に脱感作される(Aneanay
ら、1996)。この場合、h5-HT4(c) イソフォームはC末端上にリン酸化部位を持
つ唯一の型であり、相同脱感作に対しより感受性になる。
【0050】 即ち、本発明の主題は、より具体的には受容体5-HT4(c)の異常発現に伴う中枢
神経系の傷害を治療することを目的とした医薬品の製造に関し有用な分子のスク
リーニングに関する、本発明の受容体5-HT4(c)の利用である。 本発明の主題は、受容体5-HT4(d)の異常発現に伴う胃腸管の傷害を治療するこ
とを目的とした医薬品の製造に関し有用な分子のスクリーニングに関する、本発
明の受容体5-HT4(d)の利用でもある。
【0051】 発明者は、本発明の受容体5-HT4(c)又は5-HT4(d)の医薬品プロフィールについ
ても研究した。COS-7 細胞に発現した5-HT4(a)又、5-HT4(b)又は5-HT4(d)サブタ
イプは、5-HTに曝されるとアデニレートシクラーゼ結合に関し同様の能力を示す
が、5-HT4(c)イソフォームの発現はアデニレートシクラーゼの構成的活性化をも
たらし、cAMPの基礎レベルを増加する。転写に関しより多くのプラスミドDNA を
利用することで、5-HT4(c)イソフォームを過剰発現することで、構成的結合の程
度も増加する。
【0052】 この様な構成的結合は、例えば1)偶発的にGタンパク質と結合する幾つかの
スプラシング変種である、代謝栄養グルタミン酸受容体ファミリー(Prezeau ら
、1996);2)特定の受容体内に構成的活性を誘導する、特異的実験的又は病理
的変異体(Coughlin、1994)、3)GS の構成的活性化をもたらす受容体m5-HT4 L -(Caeysen ら、1996)の様な、膜貫通ドメイン型受容体の過剰発現(Kenakin
、1996)の様な幾つかの状態について報告されている。
【0053】 COS-7 細胞に発現された何れの受容体hsHT4 サブタイプも、試験した各種セロ
トニン様リガンドの効力の程度に関しては通常の受容体5-HT4 プロフィールを示
した(Hoyer ら、1994)。イソフォーム(a) 、(b) 及び(c) の間には、5-HT4
ゴニスト及びアンタゴニストの親和定数に関し大きな差は認められなかった。し
かし、イソフォーム(d) は試験した何れの5-HT4 リガンドに関してもより高い親
和性を示した(表1)。受容体5-HT4(d)は4種類の受容体イソフォームの中で最
も小さいことから、この結果は5-HT4 受容体のC-末端タンパク質の配列の変化が
結合特性を変化させることを示唆している。これらの変化が、動物の各種組織に
観察された多様な5-HT4 リガンドに関する親和定数の変動に関与しているかにつ
いては不明である(Blondel ら、1997)。これら変動に関する他のメカニズムに
は、受容体5-HT4 のイソフォーム、又はリガンド結合部位により直接的に影響す
ると考えられる内部スプライシング変種の存在に関する種による違いがあるだろ
う(Ullmerら、1995)。
【0054】 本発明の主題は、以下より構成されるステップを含む、受容体5-HT4(c)又は5-
HT4(d)リガンドと呼ばれる受容体5-HT4(c)又は5-HT4(d)ポリペプチドの医薬品特
性を評価する方法である; a)少なくとも1種類の受容体5-HT4(c)及び/又は5-HT4(d)リガンドの存在下
に、ポリペプチド5-HT4(c)及び/又は5-HT4(d)を発現する細胞を培養し;そして b)シグナル伝達を変化させるリガンドの能力を評価する。
【0055】 より具体的には、シグナル伝達を変化させるリガンドの能力は、アデニレート
シクラーゼの活性化により形成された細胞内のサイクリックAMP (cAMP)濃度、
またはアデニレートシクラーゼ活性を測定することで評価できる。 この実施態様の1つの変形では、該細胞は以下いずれかの存在下に有利に培養
できる; −所望のシグナル伝達を変化させる能力を持つ、濃度を上げた少なくとも1種
類の受容体5-HT4(c)又は5-HT4(d)リガンド、及び少なくとも1種類の既述濃度の
5-HT4(c)又は5-HT4(d)の既知アゴニスト; −又は、濃度を上げた少なくとも1種類の5-HT4(c)又は5-HT4(d)の既知アゴニ
スト、及び所望されるシグナル伝達を変調する能力を持つ、少なくとも1種類の
既述濃度の受容体5-HT4(c)又は5-HT4(d)リガンド、のいずれか。
【0056】 次にシグナル伝達変調に関する該リガンドの能力は、該レポーター遺伝子の発
現を定量的に決定することで、該リガンドの濃度の関数として評価される。 即ち、上記本発明の生物学的アッセイにより、試験された化合物の薬理学的プ
ロフィールが評価可能になり、特に試験した化合物が本発明の受容体5-HT4(c)
は5-HT4(d)のアゴニスト又はアンタゴニストとして作用できるか調べることがで
きる。
【0057】 即ち、本発明者は驚くべきことにML10375 は全ての5-HT4 イソフォームにより
伝達される5-HT誘導cAMP反応を拮抗したが、基礎のアデニレートシクラーゼ活性
については受容体5-HT4(c)及び5-HT4(d)がトランスフェクトされた細胞でのみ減
少させた。この現象は、ML10375 の逆アゴニスト作用により伝達される。この現
象は受容体5-HT4 のファミリーの第1の性質を表すものであり、7TM 受容体のC
末端構造が記述のアゴニストの逆アゴニスト作用の発生に関与することを示唆し
ている。式2-(シス-3,5- ジメチルピペリジン)エチル4-アミノ-5- クロロ-2-
メトキシベンゾネートの化合物ML10375 は特に受容体5-HT4(c)又は5-HT4(d)に対
する逆アゴニスト作用を持つ薬剤の調製に有用である。
【0058】 この逆アゴニスト特性は化合物ML10375 に関し既知である受容体5-HT4 選択的
アンタゴニスト特性(特許出願EP683 161 )とは別のものである。具体的には、
単純なアンタゴニストは天然リガンド(セロトニン)との競合し、後者の作用を
阻害することでのみ作用する。逆アゴニストの場合は、天然リガンド無しに高す
ぎる受容体活性を下げることができる。即ち、脳(5-HT4(c))、心臓(5-HT4(c) )又は消化器系(5-HT4(c)及び5-HT4(d))内の受容体5-HT4(c)又は5-HT4(d)の病
的な過剰発現例では、ML10375 は受容体固有の活性を低下させることで反応を正
常化できる。これら受容体に対し単純な選択的アンタゴニストとして作用する他
の分子では、これら作用を得ることはできない。
【0059】 実施例及び図面、以下の説明書きにより本発明を限定することなく例示する: 実施例1: ヒト受容体5-HT4 のスプライシング変種の一次構造 材料: PCR はGeneAmp2400 (Perkin Elmer)を用いて実施した。HiTaqDNAポリメラー
ゼ及び添付の緩衝液はBioprobe System より得た。全てのPCR 反応において、dN
TP及び特異プライマーの最終濃度はそれぞれ100 μM 及び1μM であった。2本
鎖DNA は、メーカー取扱説明書に従い、T7ポリメラーゼDNA シークエンシングキ
ット(Pharmacia )を使って配列決定した。
【0060】 1.cDNA末端の迅速増幅およびクローニング Blondel ら、1997年により分析されたヒト受容体5-HT4(a)の配列を用いて、そ
れぞれ受容体配列の開始位置と第5膜貫通ドメインに相当する2種類のプライマ
ーHHT45 [5'-CGGTGCTTATTTCCTGTAATG-3' ]及びHTS3[5'-ATGGTCAACAAGCCCTAC-
3']を合成した。5-HT4 遺伝子により作製された5'末端に由来するcDNAを得るた
めに、Newton及びGraham、1994記載のアンカーRACE延長技術を用いて、ヒト脳及
び回腸由来の全RNA50 μg を2種類のアンカー配列を含むオリゴ(dt)プライマ
ー、及びSuperscript 逆転写酵素(GIBCO/BRL )を用いて逆転写にかけた。
【0061】 続いてこれら2種類の組織の反応産物を集め、第1アンカーと共にHHT45 プラ
イマーを用いるRACE反応のマトリックスとして利用した。第1PCR 反応の産物を
HTS3プライマー(HindIII 制限酵素配列を含む様に修飾された)を第2「アンカ
ー」(EcoRI 制限酵素配列を含む)と共に用いたネステッドRACE反応のマトリッ
クスとして利用した。これら2回の増幅サイクルを次の条件の下に平均で25回繰
り返した:94℃で1分の変性、54℃で1分のハイブリダイゼーション及び72℃で
2分間の伸長、に8分間の最終伸長を加えた。ハイブリダイゼーション温度はRA
CE反応については52℃、ネステッドRACE反応については54℃であった。DNA 断片
を1.5%アガロースゲルで分離し、pGEM-7Z (HindIII/EcoRI で切断)内にクロー
ニングし、配列決定した。
【0062】 2.完全長cDNAのクローニング ヒトの脳及び回腸由来のオリジナルの逆転写プールとネステッド-PCR法を用い
て5-HT4(b)、5-HT4(c)及び5-HT4(d)のスプライシング変種に対応する全cDNAを増
幅した。いずれのPCR 反応でも、HHT45 プライマー(HindIII 制限酵素部位を含
む様に修飾された)をセンスプライマーとして利用した。第1増幅サイクルのリ
バースプライマーは、5-HT4(b)、5-HT4(c)及び5-HT4(d)それぞれについてF81 [
5'-GCCTCAGGTGAAGAGAAT-3']、F61 [5'-TGGCATTAGGATGGTTTGGTCA-3']及びF71
[5'-GCAATAAGAATTGGCCAC-3']である。第2増幅サイクル用のリバースプライマ
ーは全てEcoRI 制限酵素部位を5'末端に持ち、5-HT4(b)、5-HT4(c)及び5-HT4(d) それぞれについてF82 [5'-GTCTTCTGGGTCATTGTC-3'] 、 F62[5'-TTAGGATGGTTTGG
TCA-3'] 、 F72[5'-CTCAAGGAGCTCAAAATC-3']を用いた。PCR 条件は共にRACE-PCR
の増幅条件の場合に同一であった。完全長cDNAに相当する断片を1.5%アガロース
ゲルにて精製、pGEM-7% (HindIII/EcoRI にて切断)にサブクローニングし、配
列決定してコーディング配列の組み込みを確認した。
【0063】 3.ヒト受容体5-HT4 のスプライシング変種の一次構造 各種スプライシング変種について演繹されたアミノ酸配列の、スプライシング
部位であるLeu358より開始したものを図1に例示した。受容体のこの領域内では
、5-HT4(a)は短型のラット受容体5-HT4S(Blondel ら、1997)と93% のタンパク
質同一性を有している。Leu358と5-HT4(b)の最後のアミノ酸との間の領域は、ラ
ットの長型受容体5-HT4Lの該当領域と74% のタンパク質同一性を示した。しかし
、5-HT4(b)のカルボキシル末端はラットの該当部分に比べ10アミノ酸少ないこと
が証明されており、ラット受容体5-HT4LのC-末端に報告されているPKC リン酸化
コンセサンス部位が無い(Geraldら、1995)。
【0064】 スプライシング変種5-HT4(c)及び5-HT4(d)は何れの種についても報告されてい
ない。受容体5-HT4(c)のカルボキシル末端が通常多くのリン酸化部位候補:2カ
所のカゼインII部位及び1カ所のキナーゼCタンパク質部位、及びタンパク質キ
ナーゼA/タンパク質キナーゼGリン酸化コンセサンス配列を示すことは興味深
い。5-HT4(d)イソフォームは、受容体の超短型に相当し、Leu358のスプライシン
グ部位より2アミノ酸後方にカルボキシル末端切断部を持つ。
【0065】 実施例2: 受容体5-HT4 スプライシング変種の組織特異的発現 各種5-HT4 転写体の発現を、ネステッド-RT-PCR 技術を利用し、各種ヒト組織
より単離したRNA よりcDNAを増幅し分析した。組織分布は、各変種に特異的なプ
ライマーのペアを用い、実施例1記載の条件によるPCR 増幅サイクルを2回連続
して行い、実施した。増幅産物は特異的内部オリゴヌクレオチドプローブを用い
て同定した(図2)。5-HT4(a)、5-HT4(b)及び5-HT4(c)イソフォームは、心房、
脳、及び小腸では全てが発現していた。膀胱及び肝臓は1種類の受容体サブタイ
プのみを検出可能レベルに発現していた(それぞれ5-HT4(a)と5-HT4(b))。5-HT 4(d) は小腸のみで発現していた。最終的には、心室及び肺はいずれの5-HT4 イソ
フォームも検出可能量発現していなかった。全ての組織について、構成的に発現
されるβアクチン遺伝子に対応するcDNAが存在していること、そして逆転写酵素
が無いコントロール実験ではβアクチンPCR 産物が無いことが示された(図2)
【0066】 実施例3: COS-7 細胞中に一過性に発現された受容体5-HT4 スプライシング変種の薬理学
特性 材料: PEI (ポリエチレンイミンMW800KD )はFluka 社(L'lele d'Abeau Ghesnes,
France) より得た。ML 10302(2-(1- ピペリジル)エチル4-アミノ-5- クロロ-2
- メトキシ- ベンゾネート)及びML 10375(2-(シス-3,5- ジメチル- ピペリジノ
)エチル4-アミノ-5- クロロ-2- メトキシベンゾネート)はLangloisら、1994、
Yangら、1997に従い合成した。GR113808(([1-[2-( メチルスルフォニル)アミ
ノ] エチル]-4-ピペリジル)メチル-1- メチル-1N-インドール-3- カルボキシレ
ート)は、Glaxo 研究グループ(Ware、Hertfordshire 、英国)より、及び[3H]
GR113808はAmersham社(Arlington Heights, IL)より得た。
【0067】 1.DNA トランスフェクション 5-HT4(a)、5-HT4(b)、5-HT4(c)及び5-HT4(d)のcDNAの全コーディング域を哺乳
動物発現ベクターpRC/CMV (Invitrogen、Carlsbad,CA )にサブクローニングし
た。トランスフェクションは、ポリエチレンイミン(PEI )をBoussif ら(1995
)記載により使用して行った。PEI/mgDNA 比20μmol であるDNA とPEI の0.9%Na
Cl混合液を用いて細胞をトランスフェクトした。放射性リガンド結合アッセイに
ついては、COS-7 細胞をトランスフェクション1日前に1.5 ×104mm2で培養フラ
スコ内に接種し、プラスミドDNA (150 μg /フラスコ)と共に6時間培養し、
トランスフェクション後48時間眼に採集した。cAMP形成測定に関しては、COS-7
細胞をトランスフェクション1日前に12ウエル型プレートに5×105 細胞/ウエ
ルの密度に接種し、プラスミドDNA (実験により4ないし8μg /ウエル)と共
に6時間培養し、トランスフェクション後24時間目にアッセイした。受容体5-HT 4 cDNA 構築体でトランスフェクトされた細胞を、未修飾型pRC/CMV プラスミド
に暴露した「ブランク」トンランスフェクト細胞と比較した。
【0068】 2.膜調製 放射性リガンド結合アッセイに供するための細胞の各フラスコをリン酸緩衝液
(PBS )にて2回洗浄した。次に細胞を剥がし、集め、5分間300gで遠心分離し
た。沈査を2.5ml の氷冷したHEPES 緩衝液(50mM、pH7.4 )で再懸濁し、Ultrat
urax組織グラインダーでホモジェナイズした。次に溶解体を40,000g 、4℃にて
20分間遠心分離した。得られた沈査を15容量のHEPES 緩衝液(50mM、pH7.4 )に
再懸濁した。膜標本は氷中に維持し、2時間以内に放射性リガンド結合アッセイ
に使用した。タンパク質濃度は、ウシ血清アルブミンを標準物質にLowry ら、19
51の方法により決定した。
【0069】 3.放射性リガンド結合アッセイ 放射性リガンド結合試験は、競合作用物質(薬物競合試験)又は採集濃度10μ
M のML10375 (非特異結合の測定)又は緩衝液(総結合量測定)20μl 、及び最
終濃度がKaの50% になる20μl の[3H]GR113808、並びに50μl (100 ないし200
μg )の膜標本を含む500 μl の緩衝液(50mMHEPES 、PH7.)内で行った。飽和
試験は、0.01ないし3.5nM の範囲にある9種類の濃度の[3H]GR113808を用いて実
施した。チューブを25℃で30分間反応させた。真空下、Brandel 48R 細胞ハーベ
スターを用い、迅速にWhatmaGF/B濾紙で濾過して、反応を停止した。濾紙は前も
ってPEI(0.1%) 液内に浸した。続いて濾紙を氷冷した緩衝液(50mM、pH7.4 )で
洗浄し、4ml の「レディーセーフ(ready safe) 」シンチレーションカクテル(
Beckman 、Fullerton 、CA)内に一晩置いた。放射活性はBeckmanLS6500 液体シ
ンチレーションカウンターを用いて測定した。結合データはコンピュータ支援型
非線形回帰分析(Graph Pad Prism Program, Graph Pad Software,Inc., SanDie
go, CA) をにて解析した。
【0070】 4.結合アッセイの結果 [3H]GR113808を用いた飽和分析からは、受容体の4種類のスプライシング変種
について飽和できる、特異的な高親和性部位が示された(図3)。4種類のイソ
フォームは、[3H]GR113808に対して同様の Kd 値を示すことが判明した(5-HT4( a) 、0.23±0.06;5-HT4(b) 0.26 ±0.05;5-HT4(c) 0.30 ±0.05、5-HT4(d)、0.
14±0.05nM)。しかし、COS-7 細胞に一過的に発現された受容体の密度(Bmax)
はトランスフェクションアッセイ間で大きく異なっていた(5-HT4(a)、214 ±10
;5-HT4(b) 1411 ±0.05;5-HT4(c) 77.5 ±5.5 、5-HT4(d)、31.4±2.8fmol/タ
ンパク質mg)。非特異的結合はリガンド濃度の増加に伴い非線形的に増加した(
図3)。
【0071】 一連の5-HT4(b)アゴニスト及びアンタゴニストは、受容体5-HT4 のクローン化
イソフォームの全てに対する[3H]GR113808の特異的結合を完全に阻害した。全て
の置換曲線は単相で、Hill係数は0.6 ないし1.1 であった。表1にまとめたデー
タは、試験したリガンドの効力に関し、クローン化された受容体5-HT4 の全ての
イソフォームの持つ薬理プロフィールは、ヒト心房内(Kaumann ら、1996)及び
子豚心房(Reynoldsら、1995);ヒト線条(Reynoldsら、1995)及びヒト尾状核
(Waeberら、1993)、ラット線条(Langois ら、1994;Yangら、1997)及びモル
モット線条(Ansanay ら、1996)、及びマウス丘(Ansanay ら、1996)に関する
in situ 研究、又は培養繊維芽細胞内にクローン化し発現されたイソフォームに
ついて(r5-HT4L (Geraldら、1995;Adham ら、1996);m5-HT4L (Claeyen ら
、1996)研究された受容体5-HT4 のものと極めてよく似ていることを示している
【0072】 なお、テストされた化合物の各々が、類似の親和性で受容体5-HT4 のイソ型a
,b及びcに結合したのに対し、イソ型5-HT4(d)に対する親和性は多くの場合2
〜4倍上回っていたということを指摘することができる(表1)。 実施例4: COS−7細胞内で過渡的な形で発現された5-HT4 スプライシング変異体によ
るcAMP産生のシミュレーション 材料 GIBCO−BRLからDMEMを得た。百日咳毒素(PTX)は、Calbio C
hem で得た。BIMU1(エンド−N−8−メチル−8−アザビシクロ〔3,2
,1〕オクト−3−イル)2,3−ジヒドロ−3−エチル−2−オキソ−1H−
ベンズイミダゾール−1−カルボキサミド)及びザコプリド(4−アミノ−5−
クロロ−2−メトキシ−N−(1−アザビシクロ〔2,2,2〕オクト−3−イ
ル)ベンザミド、HCl)は、本発明の著者が実験室内で合成した。レンザプリ
ド(BRL24924)〔(±)エンド−4−アミド−5−クロロ−2−メトキ
シ−N−(1−アザビシクロ〔3,3,1〕ノン−4−イル)ベンザミド.塩酸
塩)〕は、Smith Kine Beechamで得た。5−ヒドロキシトリプタミン(5−HT
)及び5−メトキシトリプタミン(5−MeOT)は Aldrich(L' Isle d'Abea
u Chesnes,フランス)で得られ、その他全ての薬物は Sigmaから得た(L'Isle d
'Abeau Chesnes, フランス)。
【0073】 1.cAMP形成の測定 細胞内cAMP蓄積の測定のためには、暫定的な形でトランスフェクションさ
れたCOS−7細胞を、トランスフェクションから24時間後に、5%のCO2 の存在下37℃で15分間、5mMのテオフィリン、10mMのHEPES及び
10μMのパージリンを含むダルベッコ変正イーグル培地(DMEM)内でイン
キュベートする。5−HT(1μM)又はその他のセロトニン生成作用物質(1
μM)又はフォルスコリン(10μM)を添加し、5%のCO2 の存在下で37
℃でさらに15分間インキュベートした。培地を吸引し氷中で冷却したエタノー
ル500μlを添加することによって反応を停止した。大気温に1時間放置した
後、細胞をかきけずり、全体を収集して凍結乾燥させた。
【0074】 沈査を330 μl のPBS 中に再懸濁し、5分間300gで遠心分離した。cAMPは放射
免疫アッセイ(Pasteur Diagnostics 79830 )E.R.I.A.アッセイキットを用い、
上清に関し定量した。スチューデントt試験はQuick TEstプログラムを利用して
行った。 2.cAMP産生の促進 アデニレートシクラーゼに結合した5-HT4 受容体の能力を算定及び比較するた
めに、一過性に5-HT4(a)、5-HT4(b)、5-HT4(c)及び5-HT4(d)のcDNAでトランスフ
ェクトしたCOS-7 細胞についてcAMP合成をアッセイした。「ブランク」トランス
フェクト細胞と受容体5-HT4(a)、5-HT4(b)、及び5-HT4(d)を発現している細胞に
、有意なcAMP基礎値の差はなかったことから、アゴニストが無い状態で一過性に
トランスフェクトされた細胞では、これらの発現された受容体のイソフォームは
cAMP形成について内因性の活性を持たないことが示された(図5a)。
【0075】 しかし、5-HT4(c)のイソフォームが一過性に発現すると、アゴニスト5-HT4
無い状態でもアデニレートシクラーゼの活性基礎レベルは上昇した(図5a)。後
の結果は、記載のシステムでは5-HT4(c)の発現が自発的な活性受容体状態を作り
出すことを示している。5-HT(3 μM )は、「ブランク」トランスフェクトCOS-
7 細胞に於けるアデニレートシクラーゼの基礎活性には影響を及ぼさないことか
ら(図5a)、これらの細胞では内因性のアデニレートシクラーゼ−結合セロトニ
ン性受容体が存在しないことが示唆されている。5-HT4(a)、5-HT4(b)、5-HT4(c) 及び5-HT4(d)を発現している細胞では、5-HT(1 μM )の添加によりcAMP濃度は
それぞれ82% 、85% 、64% 及び77% 有意に増加した(図5a)。アデニレートシク
ラーゼの直接の活性化剤であるフォスフォコリン(10μM )は、受容体5-HT4
イソフォームを発現している細胞、および「ブランク」トランスフェクトCOS-7
細胞中のcAMP濃度を同様に上昇することから(図5A)、アデニレートシクラーゼ
の最大活性化能は受容体5-HT4 の発現する細胞内では影響を受けないことが示唆
された。
【0076】 受容体5-HT4 アゴニストML10302 とレンザプリド、及び受容体5-HT4 アンタゴ
ニストML10375 は、「ブランク」トランスフェクトCOS-7 細胞のcAMP基礎レベル
に大きな影響は及ぼさない(図5B)。受容体5-HT4 のイソ型を発現している細胞
では、ML10302 は受容体に対し高い親和性を持つものの(表1)、弱い5-HT4
ゴニストとして振る舞い、5-HTの促進作用の28〜34% を示すに過ぎない。更に、
5-HT(1 μM )添加前に細胞を1μM のML10302 で前処理すると、cAMPの基礎レ
ベルを上げる5-HTの能力と有意に拮抗した(図5C)。Blondel ら(1997)記載の
如く、受容体イソフォーム5-HT4(a)を発現している細胞では、レンザプリドも同
様に弱い5-HT4 アゴニストとして振る舞い、5-HT同様に受容体5-HT4(a)に対し親
和性は持つものの(表1)、細胞内のcAMPは56% しか増加させない(図5D)。
【0077】 しかし、レンザプリドは5-HT4(b)、5-HT4(c)及び5-HT4(d)イソフォームを発現
している細胞では総合的なアゴニストの如くに振る舞い、これら受容体のスプラ
シング変種を介したレナザプリド誘導のcAMP形成と5-HT- 誘導のcAMPの形成との
間に大きな差はない(図5D)。1μM の濃度では、5-HT4 アンタゴニストML1037
5 (Yangら、1997)は受容体イソフォーム5-HT4(a)及び5-HT4(b)を発現する細胞
のcAMP基礎レベルに大きな影響は及ぼさないが、受容体イソフォーム5-HT4(c)
び5-HT4(d)を発現している細胞内のcAMPの基礎レベルを大きく低下させた(それ
ぞれ21% 及び24% 、図5E)。更に、5-HTを添加する前に(1μM )5-HT4 イソフ
ォームを発現している細胞を1μM のML10375 で前処理すると、5-HTのcAMP基礎
レベルを有意に上昇させる能力と拮抗した(図5E)。
【0078】 表1:受容体5-HT4(a)、5-HT4(b)、5-HT4(c)、および5-HT4(d)上の別種の受容
体5-HT4 作動薬および拮抗薬の結合親和性の比較
【0079】
【表1】 本実験は、一時的トランスフェクト化COS−7細胞の成員と結合している[3 H]GR113808に関する種々の化合物の競合に対応する。ヒト受容体5-HT4 の各ア
イソフォームに関しては、[3H]GR113808濃度はKd 値の50%に調整された。親
和性の概算は、Ki 値(nM)として示され、コンピューター補助非線状曲線分析
(GraphPad, Prim Software )により得られるIC50値から確定される。Ki
は、少なくとも2つの測定を代表する。試験される薬剤の効力の等級は、4つの
5-HT4 アイソフォームに関して同一であり、そしてGR113808 > ML10375 > ML103
02 > BIMU1 > レンザプリド = 5−HT > 5−MeOT > ザコプリドであ
る。
【0080】 実施例5: ML10375 :受容体5-HT4 の逆作動薬 ML10375 は、5-HT4 作動薬による受容体の任意の刺激の不存在下で5-HT4(c)
よび5-HT4(d)アイソフォームを発現する細胞中のcAMPレベルを低減し得る。
ML10375 がヒト受容体5-HT4 に対する逆作動薬を構成し得るという仮説を試験す
るために、5-HT4(c)アイソフォームをCOS−7細胞中で過剰発現させて、受容
体の自然活性状態の頻度を増大させた。受容体5-HT4(c)の発現レベルの増大を得
るために、COS−7細胞を1ウエル当たり4〜8μg のプラスミドDNAでト
ランスフェクトした。4μg および8μg のプラスミドDNAを用いたCOS−
7細胞のトランスフェクションは、基礎cAMPレベルをそれぞれ59%および23
5 %増大した(図6A)。
【0081】 5−HT(1μg )は4μg のプラスミドDNAでトランスフェクトされた細
胞中の基礎cAMPレベルの64%の増大を誘導したが、しかし8μg のプラスミ
ドDNAでトランスフェクトされた細胞中の基礎cAMPレベルは有意に増大し
なかった(図6A)。後者の結果は、受容体アイソフォーム5-HT4(c)を過剰発現
中の細胞では、自然活性受容体の頻度はアデニル酸シクラーゼ活性に及ぼす5−
HTの刺激作用を妨げる。フォルスコリン(10μM )は、4μg または8μg の
プラスミドDNAでトランスフェクトされた細胞中の、そして「ブランク」トラ
ンスフェクト細胞中のcAMP濃度の同様の増大を誘導した(図6A)が、これ
はアデニル酸シクラーゼの最大活性化能力が5-HT4(c)アイソフォームを過剰発現
している細胞中では影響を及ぼされなかったことを示す。
【0082】 4μg および8μg のプラスミドDNAでトランスフェクトされたCOS−7
細胞では、ML10375 (1μM )は基礎cAMP値をそれぞれ24%および62%低減
した(図6B)。4μg のプラスミドDNAでトランスフェクトされた細胞では
、ML10375 (1μM )による予備インキュベーションは基礎cAMPに及ぼす5
−HT(1μM )の刺激作用を相殺した(図6B)。8μg のプラスミドDNA
でトランスフェクトされた細胞では、ML10375 (1μM )による予備インキュベ
ーションは、1μM の5−HTの存在下でさえ、基礎cAMPレベルの47%の低
減を誘導した(図6B)。
【0083】 cAMPレベルに及ぼすML10375 の作用が自然活性受容体5-HT4(c)の活性化に
対応するかまたはGiタンパク質媒介性調節経路を介したアデニル酸シクラーゼ
活性の抑制に対応するかを調べるために、PTX(100ng/ml)の存在下または不
存在下で、6μg の5-HT4(c)プラスミドDNAでトランスフェクトされたCOS
−7細胞において、ML10375 の作用を試験した。PTX処理は、トランスフェク
ト化細胞中の基礎cAMPレベルも、あるいはcAMPの5−HT誘導性および
フォルスコリン誘導性刺激も変更しなかった(図6C)。さらに、PTX処理は
、トランスフェクト化細胞中の基礎cAMPのML10375 誘導性低減を有意に変更
しなかった(図6D)。
【0084】 実施例6: CHO細胞中で安定的に発現された受容体5-HT4 スプライシング変異体の薬理
学的特性表示 材料: Gibco-BRL からHAM-F12 培地を入手した。ML 10375(2−(シス−3,5−ジ
メチルピペリジノ)エチル4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシベンゾエート
)は、Langlois等(1994)、Yang等(1997)にしたがって合成し、GR113808((
[1−[2−(メチルスルホニル)アミノ]エチル]−4−ピペリジル)−メチ
ル 1−メチル−1H−インドール−3−カルボキシレート)は、Glaxo Resear
ch Group(Ware, Hertfordshire, U.K. )から入手し、そして[3H]GR113808は
Amersham(Arlington Heights, IL )から入手した。使用した電気穿孔機は、Bi
oradから入手したGene Pulser であった。
【0085】 1.DNAトランスフェクション 5-HT4(c)および5-HT4(c)cDNAの全コード領域を、哺乳類発現ベクターpR
C/CMW(Invitrogen, Carlsbad, CA)中でサブクローニングした。制限酵素
Kpn1(107 細胞に対して10μg のプラスミド)で切断されたクローンh5-HT 4(c) またはh5-HT4(d)を含有するプラスミドPRc/CMVを用いて、電気穿孔
(250V, 960 μF )により、CHO細胞を安定的にトランスフェクトする。細胞
を、10%の熱不活性化ウシ胎仔血清を補充したHAM-F12 培地中で培養する。48時
間後、ゲネチシン(1.25mg/ml )を培地に付加する。12日後、クローンを個別化
し、12ウエルプレート中で培養する。1μM セロトニンの存在下で生成されるc
AMPの刺激を調べることにより、クローン選定を実施する。放射性配位子結合
検定のために、またはcAMP生成の測定のために、受容体5-HT4 cDNA構築
物でトランスフェクトされた細胞を、未修飾pRC/CMVプラスミドに曝露さ
れた「ブランク」トランスフェクト化細胞と比較した。
【0086】 2.膜調製物 放射性配位子結合検定を意図された細胞の各フラスコを、リン酸塩緩衝液(P
BS)で2回洗浄した。次に細胞を掻き取り、収集して、300gで5分間遠心分離
した。ペレットを2.5ml の氷冷HEPES 緩衝液(50mM, pH7.4 )中に再懸濁し、
Ultraturax組織粉砕機で均質化した。次に溶解物を4℃で20分間、40.000g で遠
心分離した。その結果生じたペレットを15容積のHEPES 緩衝液(50mM, pH7.4
)中に再懸濁した。膜調製物を氷中に保持し、放射性配位子結合検定のために2
時間以内に用いた。標準としてウシ血清アルブミンを用いて、Lowry 等(1951)
の方法により、タンパク質濃度を確定した。
【0087】 3.放射性配位子結合検定 500 μl の緩衝液(50mM HEPES、pH7.4 )[脱文](10μM の最終濃度を得
るための20μl のML10375 (非特異的結合を確定するため)中で、あるいは緩衝
液(全体的結合を確定するため)およびKdの50%の最終濃度を得るための20μ
l の[3H]GR113808、そして50μl (100 〜200 μg )の膜調製物)中で、放射
性配位子結合試験を実行した。0.01〜3.5nM の範囲の異なる濃度の[3H]GR1138
08を用いて、飽和試験を実施した。試験管を25℃で30分間インキュベートした。
Brandel 48R 細胞収穫機を用いて、Whatman GP/B濾紙を通して、減圧下で、急速
濾過により反応を停止した。濾紙をPEI (0.1 %)の溶液中に予備浸漬して、濾
紙との結合を低減した。次に濾紙を氷冷緩衝液(50mMトリス−HCl, pH7.4
)で洗浄し、4mlの「即安全な」シンチレーションカクテル(Beckman, Fullert
on, CA)中に一夜放置した。
【0088】 Beckman LS 6500 C 液体シンチレーション計数器を用いて、放射能を測定した
。結合データは、コンピューター補助非線状回帰分析(GraphPad, Prim Program
, Graph Pad Software, Inctrase., San Diego, CA)により分析した。 4.結合検定の結果 [3H]GR113808を用いた飽和分析は、受容体の2つのスプライシング変異体に
関して飽和され得る独特の高親和性部位を明示した(図7)。[3H]GR113808に
関する同様のKd値は、2つのアイソフォーム間で見出された(5-HT4(c)、0.42
±0.04nM;5-HT4(d)、0.23±0.03nM )。CHO細胞中で発現される受容体の密
度(Bmax)は、5-HT4(c)に関しては568.1 ±17.4 fmol/タンパク質1mg、そ
して5-HT4(d)に関しては179.9 ±5.8 fmol/ タンパク質1mgである。非特異的結
合は、配位子濃度の増大に伴って線状様式で増大する(図7)。
【0089】 実施例7: CHO細胞中に安定的に発現される5-HT4 スプライシング変異体によるcAM
P産生の刺激 材料: DMEMおよびHAM-F12 培地はGIBCO-BRL から入手した。5−ヒドロキシトリプタ
ミン(5−HT)は、Aldrich (L'Isle d'Abeau Chesnes, France)から入手し
、他の薬剤はすべてSigma ( L'Isle d'Abeau Chesnes, France )から入手した
【0090】 1.cAMP生成の測定 細胞内cAMP蓄積を測定するために、5mMテオフィリン、10mM HEPESおよび
10μM パルギリンを含有するHAM-F12 培地中で、5%CO2 の存在下で37℃で15
分間、安定的トランスフェクト化CHO細胞をインキュベートした。5−HT(
1μm )を加え、細胞を、5%CO2 の存在下で37℃でさらに15分間インキュベ
ートした。培地の吸引および500 μl の氷冷エタノールの付加により、反応を停
止させた。室温で1時間後、細胞を掻き取って、すべてのものを収集し、凍結乾
燥した。ペレットを350 μl のPBS中に再懸濁し、300gで5分間遠心分離した
。ラジオイムノアッセイ(Immunotech, MarseillesからのE.R.I.A.検定キット)
を用いて、上清中でcAMPを定量した。プログラムQuick Testを用いて、スチ
ューデントt検定を実施した。
【0091】 2.cAMP産生の刺激 アデニル酸シクラーゼに結合される5-HT4 受容体の能力を検査し、比較するた
めに、h5-HT4(c)またはh5-HT4(d)cDNAで安定的にトランスフェクトされた
CHO細胞で、cAMP合成を検定した。基礎cAMP値は、受容体h5-HT4(c) (9.8 ±1.6 pmol/ ウエル)およびh5-HT4(d)(12.1±0.9 pmol/ ウエル)を発
現中の細胞では、「ブランク」トランスフェクト化細胞(3.6 ±0.4 pmol/ ウエ
ル)の場合よりも高かったが、これは、受容体のこれらの発現アイソフォームが
、作動薬の非存在下で安定的トランスフェクト化細胞において、cAMP生成に
関して固有の活性を有することを示す。
【0092】 h5-HT4(c)およびh5-HT4(d)を発現する細胞では、5−HT(1μM )の添加
は、cAMP濃度を有意に増大する(それぞれh5-HT4(c)に関しては91%そして
h5-HT4(d)に関しては118 %、図8)が、一方、5−HTは「ブランク」トラン
スフェクト化CHO細胞には影響を及ぼさない(図8)。 実施例8: 受容体h5-HT4 アイソフォームの配列に由来する合成ペプチドに対するウサギ
ポリクローナル抗体の産生 下記の表は、受容体5-HT4 アイソフォームから調製された合成ペプチドの配列
を示す:
【0093】
【表2】 受容体h5-HT4 の一次および二次細胞外ループに対応する250 μg のペプチド
F26VおよびG21Vを用いて、そしてそれぞれh5-HT4(a)およびh5-HT4(c) アイソフォームに対応する250 μg のペプチドC24TおよびC21Sを用いて
、ウサギを免疫感作した。これらのペプチドを、それらの元の状態で、3mgのメ
チル化ウシ血清アルブミンおよび1mlの完全フロイントアジュバントの存在下で
、注入した。3週間後、ウサギに、不完全フロイントアジュバントの存在下で同
一免疫原を投与し、その1ヶ月後に、同一免疫感作を施した。最終注入後1週間
目に、抗血清をサンプリングした。
【0094】 h5-HT4(b)アイソフォームのC末端部分に対応するペプチドY23F、ならび
にh5-HT4(d)アイソフォームのC末端部分に対応するC7Fをブロモアセチル化
血清アルブミンに結合させた後、3.4mg の修飾化ウシ血清アルブミンに結合され
た2.3 μmol のペプチドで免疫感作した。完全フロイントアジュバント中での一
次免疫感作の後に、前段に記載したような不完全フロイントアジュバント中で、
他の2回の注入を施した。最終注入の1週間後に、抗血清をサンプリングした。
【0095】 図9は、MAXIsorbプレート(Nunc, Denmark )上に吸着されたそれぞれのペプ
チド(pH=9.5 の炭酸塩緩衝液中に5μg/ml)に関するELISA 型の免疫酵素検
定の吸光度値を示す。抗血清を37℃で1時間インキュベートし、ペルオキシダー
ゼ結合ヤギ抗ウサギIgG抗体複合体(1/10,000稀釈)および基質H2 2 −AB
TSを用いて明示した。
【0096】 実施例9: 抗G21V抗体を用いた安定的トランスフェクト化CHO細胞中の受容体5-HT 4(c) の存在の実証受容体のこのアイソフォームを安定的に発現しているCHO細
胞中の受容体5-HT4(c)の存在を、本試験の情況で開発された一般的G21V抗体
を用いて、ウエスタンブロットにより実証した。[脱文]5-HT4(a)(図10、ライ
ン2)および5-HT4(c)(図10、ライン3)アイソフォーム。(c)型の受容体5-
HT4 をコードする発現ベクターで、CHO細胞をトランスフェクト化し、それら
のネオマイシン耐性に関して選択した。比較のために、他のCHO細胞を、(a
)型の受容体5-HT4 をコードする発現ベクターでトランスフェクト化した。膜抽
出物から生じた50g のタンパク質を10%ポリアクリルアミドゲル上で分離し、次
にニトロセルロース膜上に移した。60μg の抗5-HT4 (G21V)抗体の存在下
で16時間インキュベーション後、ブロットを化学発光により明示し(ECL, Amers
ham, Arlington Heights, IL)、走査する。図10のライン1は、対照CHO細胞
に関して得られた結果を示し、この場合、標識化は検出されなかった;ライン2
および3は、それぞれ受容体5-HT4(a)および5-HT4(c)を過剰発現するCHO細胞
のクローンから生じる。60kDa のサイズでほぼ移動するバンドが可視化される。
【0097】 実施例10: 抗G21S抗体を用いた安定的トランスフェクト化CHO細胞中の受容体h5-
HT4(c)およびh5-HT4(d)のそれぞれの存在の実証 受容体h5-HT4(c)に特異的なC末端配列に対して向けられる抗体(抗C21S
)およびh5-HT4(d)に向けられる抗体(抗C7F)を用いて、2つのアイソフォ
ームを発現する細胞のホモジネートにおけるこれらのそれぞれの受容体の存在が
実証され得た。認識されたタンパク質バンドの特異性は、阻害ペプチドの存在下
でのイムノブロット上の反応の消滅により実証された(図11aおよび11b、第二
ライン)。h5-HT4 (c) アイソフォームは、そのグリコシル化および非グリコシ
ル化形態で認識される(60および44kDa の分子量に対応する);h5-HT4(d)アイ
ソフォームは、その非グリコシル化形態で認識される(40kDa の分子量に対応す
る)(図11aおよび11b、第一ライン)。 参考文献
【0098】
【表3】
【0099】
【表4】
【0100】
【表5】
【0101】
【表6】
【0102】
【表7】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1A】 ラット及びヒトの受容体5-HT4 のスプライシング変種のC末端について演繹さ
れたアミノ酸配列を示す。何れの種に於いても、配列はLeu358以後に分散する。
ラットとヒトの間のアミノ酸の違いは白抜きで表した。白丸はタンパク質キナー
ゼコンセサンス配列に相当し、黒丸はカゼインキナーゼIIコンセサンス部位に相
当し、黒三角はタンパク質キナーゼA/タンパク質キナーゼGコンセサンス部位
に相当する。星印は最終停止コドンに相当する。
【図1B】 変種の5-HT4(c)と5-HT4(d)のアミノ酸配列の比較を表す。 タンパク質にある7カ所の膜貫通ドメインと思われるカ所(TM1 ないしTM7 )
に下線を付し、推定リン酸化部位は適当な印によって示した。
【図2】 ヒト組織由来のmRNA50ngを用いて実施したRT-PCR分析を示す。PCR 産物は1.5%
アガロースゲルで分離し、5-HT4(a)、5-HT4(b)、5-HT4(c)、及び5-HT4(d)、に共
通のプライマーである、32P で標識された特異的内部オリゴヌクレオチドプロー
ブを用いたサザンブロットにより分析した。オートラジオグラフに8時間感光さ
せたものを示した。陽性コントロールは、逆転写酵素有り(+RT )及び無し(-RT
) で処理されたmRNAサンプルについてラットのアクチンプライマを用い実施した
。コントロール実験のPCR 産物は1.5%アガロースゲルで分析し、エチジウムブロ
マイドで染色したゲルの写真を示した。この分析に用いたPCR プライマーは実施
例1及び2に記載されている。(A:心房、V:心室、Br:脳、G:胃腸管、L
:肺、K:腎臓、Bl:膀胱)。
【図3】 イソフォーム5-HT4(a) (A)、5-HT4(b) (B)、5-HT4(c) (C)、及び5-HT4(d) (D)
を発現しているCOS-7 細胞の膜標本に関する[3H]GR113808飽和結合分析を示す。
一過性にトランスフェクトされたCOS-7 細胞より集めた膜を、8種類の濃度の[3 H]GR113808(0.02-3.5nM)で30分間、25℃で反応した。非特異的結合はML103751
0 μM を利用し決定した。結果は1回の実験のものであるが、3回行った同一実
験を代表するものである。Kd及びBmax値は、コンピューター支援非線形回帰分析
(GraphPad、Prism software)により決定した。
【図4】 クローン化された受容体5-HT4(a)(図4A)5-HT4(b)(図4B) 、5-HT4(c)、(図
4C)及び5-HT4(d)(図4D)に対する[3H]GR113806の特異的結合の5-HTによる阻害
を示す。一過性にトランスフェクトされたCOS-7 細胞より集めた膜を、受容体の
各イソフォームのKd値の50% に等しい濃度の[3H]GR113808と反応した。非特異的
結合は10μM のML10375 を利用し決定した。結果は5-HTが無い状態での特異的結
合の割合で表した;データはコンピューター支援非線形回帰分析(GraphPad、Pr
ism software)により分析した。
【図5】 一過性にCOS-7 に発現させた、又は”ブランク”トランスフェクト細胞に発現
させた受容体5-HT4(a)、5-HT4(b)、5-HT4(c)、及び5-HT4(d)を利用した受容体5-
HT4 の各種アゴニスト及びアンタゴニストに対するcAMP反応を示す。細胞を5mM
テオフィリンと10μM のパーグリンと15分間前反応し、続いて1μM のアゴニス
ト(5-HT:A,C,D及びE;ML10302 :B及びC;レンザプリド:B及びD)
及び/又はアンタゴニスト(ML10375 :B及びE)、又は10μM フォルスコリン
(A)と15分間反応した。5-HT- 誘導cAMP蓄積のアゴニスト、又はアンタゴニス
トの作用を、アゴニスト又はアンタゴニストを15分間の前反応期間に加え、続い
て5-HTを15分間加えて試験した。値は7ないし12回の実験の平均値±SEM である
。NS; 有意差なし;★、 P<0.05及び★★、 P<0.01。
【図6】 一過性にCOS-7 に発現させた、又はコントロールとして”ブランク”トランス
フェクト細胞に発現させた受容体5-HT4(c)を利用した、5-HT(1μM )、フォル
スコリン(10μM )及び5-HT4 アンタゴニストML10375 (1 μM)のcAMP反応を示
す。細胞はウエル当たり4ないし8μg (A及びB)又はウエル当たり6 μg (
C及びD)のプラスミドDNA を用いてトランスフェクトした。反応条件は図5C
及びD記載のものに同じである:反応は、16時間のPTX (100ng/ml) による前反
応有り、又は無しの条件下で調べた。値は6回ないし11回の実験の平均値±SEM
である。NS; 有意差なし;★、 P<0.05及び★★、 P<0.01。
【図7】 イソフォーム5-HT4(c)(A)及び5-HT4(d) (B)を発現するCHO 細胞の膜標本に対
する[3H]GR113808結合の飽和分析を示す。安定にトランスフェクトされたCHO 細
胞より集めた膜を8種類の濃度の[3H]GR113808(0.01-2.5nM)で30分間、25℃で
反応した。非特異的結合は10μM のML10375 を利用し決定した。結果は1回の実
験のものであるが、3回行った同一実験を代表するものである。Kd及びBmax値(
図7C及び7D)は、コンピューター支援非線形回帰分析(GraphPad、Prism softwa
re)により決定した。
【図8】 安定にCOS-7 に受容体5-HT4(c)及び5-HT4(d)を発現させた、又は「ブランク」
トランスフェクト細胞を利用した、セロトニンに対するcAMP反応を示す。細胞を
5mM テオフィリンと10μM のパラグリンと15分間前反応させ、続いて1μM の5-
HTと15分間反応させた。結果は1回の実験であるが、3回行った同一実験の代表
である。
【図9】 受容体5-HT4 のイソフォームに由来する各種配列に対応するペプチドで免疫し
たウサギの血清に対するELISA アッセイを示す。これらペプチドの配列は実施例
8に記載されている。
【図9】 MAXIsorbプレート(Nunc、デンマーク)に吸着させた各種ペプチド(pH9.5 の
炭酸緩衝液中に5 μg/ml)に対する免疫酵素アッセイの光学密度値を示す。抗血
清は37℃で1時間反応し、ペルオキシダーゼ結合ヤギ抗ウサギIgG 抗体標識体(
1/10,000)希釈、及び基質H2O2- ABTS(ペルオキシダーゼの酸化還元反応の発色
指示体)を用い表現された。
【図10】 ウエスタンブロットによる、5-HT4(a)(ライン2)及び5-HT4(c)(ライン3)
イソフォームを発現しているCHO 細胞に於ける受容体5-HT4 の存在を示す。CHO
細胞は受容体5-HT4 の型(a) 及び(c) をコードする発現ベクターでトランスフェ
クトされ、ネオマイシン耐性にて選別された。膜抽出物由来のタンパク質50μg
を10% ポリアクリルアミドゲルで分離し、続いてニトロセルロース膜上に移した
。16時間、60μg の抗-5-HT4抗体(G21V)存在下に反応させた後、化学発光法(
ECL 、Amersham)を用いてブロットを表示させ、スクリーニングした。標識は検
出されないライン1はコントロールのCHO 細胞より得た結果を示し、ライン2お
よび3はそれぞれ受容体5-HT4(a)及び5-HT4(c)を過剰に発現しているCHO 細胞の
クローンに由来する。およそ60kDa の大きさで移動するバンドが視認できる。
【図11】 ウエスタンブロットによる、h5-HT4(c) (図11a )及びh5-HT4(d) (図11b )
イソフォームを発現しているCHO 細胞に於ける受容体h5-HT4の存在を示す。CHO
細胞は受容体h5-HT4の型(c) 及び(d) をコードする発現ベクターでトランスフェ
クトされ、ネオマイシン耐性にて選択された。膜抽出物由来のタンパク質16μg
を10% ポリアクリルアミドゲルで分離し、続いてニトロセルロース膜上に移した
。16時間、16μg の抗-h5-HT4 抗体(抗-C21S 、図11a )又は抗-5-HT4(d) (抗
-C7F、図11b )抗体存在下に反応させた後、対応するペプチド50μg 存在下(第
2ライン)または非存在(第1ライン)状態で化学発光法(ECL 、Amersham)を
用いてブロットを表示させ、スクリーニングした。第2ラインは対応するペプチ
ドで阻害されていないことから、これらは非特異的な受容体のバンドを示してい
る。抗-C21S 抗体は44及び60kDa に2本の特異的バンドを認識した。抗-C7F抗体
は、40kDa に特異バンドを認識した。60kDa のバンドは糖化された受容体に相当
し、44及び40kDa のバンドは非糖化型受容体に相当する。
【手続補正書】
【提出日】平成12年6月13日(2000.6.13)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 39/395 A61K 48/00 4C084 A61P 1/00 4C085 48/00 25/00 4C086 A61P 1/00 C07D 211/14 4H045 25/00 C07K 14/705 C07D 211/14 16/28 C07K 14/705 C12Q 1/68 A 16/28 G01N 33/15 Z C12N 5/10 33/50 Z C12Q 1/68 33/53 D G01N 33/15 33/68 33/50 C12N 15/00 ZNAA 33/53 A61K 37/02 33/68 C12N 5/00 B (72)発明者 ダーモーネ,ヤミナ フランス国,エフ−94340 ジョワンビル ル ポン,リュ アンリ バルブース, 9 (72)発明者 ガスティノー,モニーク フランス国,エフ−91320 ウィスー,リ ュ パスカル,18 (72)発明者 ブロンデル,オリビエ アメリカ合衆国,ワシントン,ディーシー 20016,ノースウエスト,ロッドマン ストリート 3804,アパートメント 301 (72)発明者 エベク,ジョアン フランス国,エフ−67300 シルティジェ ム,リュ ドゥ ラ ガール,21 Fターム(参考) 2G045 AA40 DA12 DA13 DA14 DA36 FB02 FB03 FB07 FB08 4B024 AA01 AA11 BA41 BA63 CA04 DA02 EA04 GA03 GA11 GA14 HA01 HA03 HA12 4B063 QA01 QA19 QQ01 QQ42 QR08 QR42 QR55 QR62 QS25 QS34 QS36 QX02 QX07 4B065 AA90X AA90Y AA91X AB01 AB04 BA02 BA08 CA24 CA25 CA44 CA46 4C054 AA02 BB03 CC03 DD01 EE04 EE08 FF01 4C084 AA13 BA01 BA22 BA23 CA18 CA28 DC50 NA14 ZC141 ZC412 4C085 AA13 AA14 AA16 BB07 CC03 DD61 4C086 AA01 AA02 BC21 MA01 MA02 MA03 MA04 MA05 NA14 ZC14 ZC41 ZC75 4H045 AA10 AA11 BA10 CA40 DA50 DA76 EA20 EA50 FA72 FA74 GA26

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒトセロトニン作動性受容体のスプライシング変異体を構成
    する単離ポリペプチドであって、そのアミノ酸配列が変異体ポリペプチド5-HT4( c) の配列番号2の配列および変異体ポリペプチド5-HT4(d)の配列番号4の配列か
    ら選択される単離ポリペプチド、およびこのポリペプチドの任意の生物学的活性
    ポリペプチド断片または誘導体。
  2. 【請求項2】 配列番号1の配列、配列番号3の配列、遺伝子コードの縮重
    による、突然変異による、欠失によるもしくは挿入による配列番号1由来のまた
    は配列番号3由来のヌクレオチド配列、ならびに配列番号1または配列番号3の
    配列と特異的にハイブリダイズし得るヌクレオチド配列から選択される単離ヌク
    レオチド配列。
  3. 【請求項3】 請求項2のヌクレオチド配列を含有するクローニングおよび
    /または発現ベクター。
  4. 【請求項4】 請求項3のベクターにより形質転換された宿主細胞。
  5. 【請求項5】 動物に投与される請求項1の生物学的活性受容体ポリペプチ
    ドであって、このポリペプチドの誘導体またはポリペプチド断片から得られ、そ
    して請求項1のポリペプチドを特異的に認識し得ることを特徴とするモノクロー
    ナルまたはポリクローナル抗体あるいはその断片、あるいはキメラまたは免疫結
    合抗体。
  6. 【請求項6】 請求項1の受容体5-HT4(c)または5-HT4(d)ポリペプチド、誘
    導体またはポリペプチド断片、請求項2のヌクレオチド配列、または請求項5の
    抗体を製薬上許容可能な賦形剤と組合せて包含する医薬組成物。
  7. 【請求項7】 生物学的に活性な組換え体ポリペプチド5-HT4(c)または5-HT 4(d) 、このポリペプチドの断片または誘導体の製造方法であって、請求項4によ
    り形質転換された細胞が配列番号2または配列番号4の配列のポリペプチド、あ
    るいはこのポリペプチドの任意の生物学的活性断片または誘導体の発現を可能に
    する条件下で培養され、そして前記生物学的活性ポリペプチド、このポリペプチ
    ドの断片または誘導体が回収される方法。
  8. 【請求項8】 請求項1のポリペプチド5-HT4(c)または5-HT4(d)と結合し得
    る化合物のスクリーニング方法であって、前記化合物が前記ポリペプチド5-HT4( c) または5-HT4(d)と接触させられ、そして前記化合物と前記ポリペプチド5-HT4( c) または5-HT4(d)との間の結合の程度が評価される方法。
  9. 【請求項9】 受容体5-HT4(c)または5-HT4(d)配位子と呼ばれる、請求項1
    のポリペプチド5-HT4(c)または5-HT4(d)と結合し得る化合物の薬理学的特性の評
    価方法であって、以下の: a)少なくとも1つの受容体5-HT4(c)または5-HT4(d)配位子の存在下でポリ
    ペプチド5-HT4(c)および/または5-HT4(d)を発現する細胞を培養し、そして b)シグナル伝達を修正する配位子の能力を評価する 工程を包含する方法。
  10. 【請求項10】 シグナル伝達を調節する配位子の能力が細胞内cAMP濃
    度またはアデニル酸シクラーゼ活性を確定することにより評価される請求項9の
    方法。
  11. 【請求項11】 生物試料中の受容体5-HT4(c)または5-HT4(d)の異常蓄積ま
    たは発現をインビトロで診断するための、および/または前記試料中のこの受容
    体の発現レベルを測定するための方法であって、受容体5-HT4(c)または5-HT4(d) と前記抗体(単数または複数)との間の特異的免疫学的複合体の生成を可能にす
    る条件下で請求項5の少なくとも1つの抗体を前記生物試料と接触させ、そして
    生成された特異的免疫学的複合体を検出する工程を包含する方法。
  12. 【請求項12】 細胞または組織試料中のヒト受容体5-HT4(c)または5-HT4( d) の発現の検出方法であって、以下の: −前記試料のRNAを調製し、 −得られた前記RNAを請求項2に記載されているようなそれぞれ配列番号
    1または配列番号3の配列と特異的にハイブリダイズし得るヌクレオチド配列を
    有するプローブと接触させ、 −このプローブとハイブリダイズし、受容体5-HT4(c)または5-HT4(d)の発現
    を示すmRNAの存在を検出する ことから成る工程を包含する方法。
  13. 【請求項13】 ハイブリダイゼーションによる細胞または組織中のヒト受
    容体5-HT4(c)または5-HT4(d)の発現の検出方法であって、以下の: −前記細胞または前記組織を請求項2に記載されているようなそれぞれ配列
    番号1または配列番号3の配列と特異的にハイブリダイズし得るヌクレオチド配
    列を有するプローブと接触させ、 −このプローブとハイブリダイズし、受容体5-HT4(c)または5-HT4(d)の発現
    を示すmRNAの存在を検出する ことから成る工程を包含する方法。
  14. 【請求項14】 生物試料中のセロトニンまたはその類似体の異常蓄積また
    は発現をインビトロで診断するための、および/または前記試料中のその(それ
    らの)発現レベルを測定するための方法であって、前記ポリペプチドとセロトニ
    ンまたはその類似体との間の特異的免疫学的複合体の考え得る生成を可能にする
    条件下で請求項1のポリペプチドを前記生物試料と接触させ、そして生成される
    可能性のある特異的免疫学的複合体を検出する工程を包含する方法。
  15. 【請求項15】 受容体5-HT4(c)の異常発現に関連した中枢神経系の障害を
    治療するよう意図された薬剤を製造するのに有用な分子をスクリーニングするた
    めの請求項1の受容体5-HT4(c)ポリペプチドの使用。
  16. 【請求項16】 受容体5-HT4(d)の異常発現に関連した消化管の障害を治療
    するよう意図された薬剤を製造するのに有用な分子をスクリーニングするための
    請求項1の受容体5-HT4(d)ポリペプチドの使用。
  17. 【請求項17】 受容体5-HT4(c)または5-HT4(d)に対する逆作動薬作用を有
    する薬剤を調製するための2−(シス−3,5−ジメチルピペリジノ)エチル−
    4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシベンゾエートの使用。
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