JP2002506516A - 自己免疫の病理を検出するための方法 - Google Patents

自己免疫の病理を検出するための方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、炎症性自己免疫性病理の予知手段に関する。これは、疾患の経過中に発達させた抗体である抗NO−P抗体(ペプチドあるいはアミノ酸)若しくは脂肪酸抗体の定性的および定量的測定に基づく。

Description

【発明の詳細な説明】 自己免疫の病理を検出するための方法 当発明の主題は炎症的自己免疫の病理を早期に検出する手段である。 特に、中枢あるいは末梢神経系の自己免疫疾患において観察される、臨床的発 症あるいは病変の発生を早期に予見することを可能とする、材料、方法、キット に関する。例えばその疾患とは、多発性硬化症や、IgM性高ガンマグロブリン 血症をともなう末梢神経障害、Guillem−Barre症候群などの場合や 、慢性関節リューマチなどの自己免疫疾患である。 多発性硬化症(Multiple Sclerosis:MSと略す)は中枢神 経系の脱髄病である。これは脳あるいは小脳白質における散在する炎症の発生と 脱髄障害(platlets)によって特徴づけられていることが想起されるで あろう。 多発性硬化症の新しい病変が構成されるメカニズムはよく知られるようになり つつある。それらは、以下の過程よりなる。1)炎症性サイトカインの存在下に マクロファージなどの細胞から抗原がヘルパーT細胞に提示される、2)リンパ 球の増殖と分化、3)血液脳関門の破壊と活性化された免疫細胞の実質への移行 。これが脱髄を惹起する。 病変は軸策の消失や星状神経膠細胞(アストロサイト)性の神経膠腫へと進行 する。 多発性硬化症は3つの主要な進行形態に分類されている。それらは臨床的所見 の進行によって特徴づけられたものであるが、病巣の部位、核磁気共鳴画像(MRI )の異常、病態に伴う免疫的障害によっても特徴づけられている。 最も多く見られる形態は弛張型で、程度の差はあるが完全な寛解期が発症期の 間に散在するパターンによって特徴づけられる。 第1の進行型は病気の初期から変化の無い継続的な進行によって特徴づけられ る。 第2の進行型では、弛張期につづいて病状の継続的な進行がおこる。 発症の頻度は個体によって差があり、病気の重度は予測不可能である。 それゆえ、発症の“頻度”が通常わずかな身体的障害の予測指標とされる。し かしながら、患者のうちのある者は少数回の発症のうちに深刻な後遺障害を進行 させてしまう。一方で、別の患者は頻回の発症にかかわらず、わずかな後遺障害 しか示さない場合もありうる。MRIによる研究では、大多数の患者は臨床的発症 に関係なく病態の活動(新しい病巣の徴候)を示している。しかし、この活動は 個々の患者で非常に異なるのである。 発症期を次にともなう弛張期の過程は上記で述べた例えば慢性関節リューマチ など他の炎症性自己免疫の病理でも見られることである。 現在の治療は臨床的徴候の手当てによって主に成っている。事実、免疫抑制剤 やコルチコイド投与によって発症を抑えることよりそれらは構成されているので ある。 しかしながら、これらの治療法は、投与される薬物の無視できない副作用があ ること、それらが高価なことを理解させる相応の警告をもって処方されるべきで ある。 この状況は発症の発生の予見を可能とする生物学的マーカーの探索へと促して きた。 例えば、多発性硬化症に対してはいくつかの戦略が取られてきた。 この一つで、MRIによる長年の研究によって、良性の多発性硬化症に罹患し ている患者は、新しい病巣の集積が少ない傾向があることが示されてきたが、こ れらは実際の治療にはほとんど使用されない追想的な発見であった。 全身を循環する血液単核細胞によるTNF−αの産生は臨床的発症や新しい病 変の発生の予測マーカーと考えられた。しかし、おのおのの研究のデータを比較 すると矛盾点があり、さらにこのマーカーは疾患の重症度も発症による後遺障害 も予見できない。このマーカーはそれゆえ日常に使用されていない。 当発明者によるこれらの神経傷害の分野における研究(1)と(2)において 、このタイプの疾患に罹患している患者において高レベルの抗NO−システイン 抗体または抗脂肪酸抗体が存在していることを当発明者は発表するに至った。 徴候がヒトの多発性硬化症に類似する実験的自己免疫性脳炎(Experim ental Autoimmune Encephlitis:EAE)動物モ デルを使用することによって、当発明者は当疾患の進行の早期マーカーとしての これらの抗体の役割を示した。 行われた実験はこの結果が一般的な自己免疫疾患に対しても拡大可能であるこ とを示した。つまり中枢または末梢神経系をおかしているか、あるいはそうでな いかを一般の自己免疫疾患においても見分けることが可能である。 それゆえ、発明の目的は発症の発生・重症度・パターンを予見する新しいマー カーとテストを供与することであり、発症に対する的確な防衛的な手当てを実行 することにある。 臨床的発症や中枢あるいは末梢神経系の自己免疫疾患の新しい病変を予見する 新しいマーカーは、それらが病気の間に出来てきた抗体であるということで特徴 づけられる。それらは、抗NO−P抗体(ここで、PはNOを結合できるタンパ ク質・ペプチド・アミノ酸を示す)または抗脂肪酸抗体からなるグループを構成 する。 抗NO−P抗体では、マーカーとしての発明に従った使用では、特にPはタン パク質としてミエリン関連糖タンパク質(Myelin associated glycoprotein:MAG)あるいは主要オリゴデンドロサイト糖タ ンパク質(Major Oligodendrocyte Glycoprot ein:MOG)を、アミノ酸としてPはシステイン残基を示す。 常法通り、Pによって示されたタンパク質はリコンビナントフォームでも可で ある。 抗脂肪酸抗体においては、これらは例えばラウリン酸・パルミチン酸・パルミ トレイン酸・ステアリン酸・オレイン酸・リノール酸・アラキドン酸・エイコサ ペンタエン酸・ドコサヘキサエン酸などから選ばれる。 これまでに知られていない機構により、患者血清中のこれらの抗体の存在は将 来の発症や病変の発生に関連することができる。 EAEモデルにおいて行われた、後述する実施例に報告する実験により、抗NO -システイン抗体のレベルと筋力で測定された機能不全や小脳の脱髄の程度との 間に相関を確立することができる。 同様に、抗脂肪酸抗体の発症前の段階における産生と疾病の以後の進行の間に も相関が確立された。 当発明はまた、炎症的過程・脱髄・筋肉不全のマーカーが抗NO−P抗体(こ こでPは上で定義したもの)あるいは抗脂肪酸抗体によって構成されることを特 徴とする発症や病変の発生を早期に診断するテストを提供する。 このテストは好ましくは、患者血清中の抗NO−P抗体あるいは抗脂肪酸抗体 の定性的または定量的な測定を含んでいる。その測定は血清をPを有するニトロ ソ化された抗原や脂肪酸に接触させ、抗原抗体反応の結果により検出する。 接触はテストサンプルと抗原の抗原抗体複合体を形成するのに適切な温度でイ ンキュベーションすることによってなる。その操作は通常37℃のオーダーの温 度でなされる。 抗原は通常キャリアタンパク質と結合される。 キャリアタンパク質としてはKLH(Keyhole−limpet hem ocyanin:スカシ貝ヘモシアニン)またはBSA(Bovine Ser um Albumin:ウシ血清アルブミン)等が用いられる。抗脂肪酸抗体の 測定に用いるときには脂質を除いた形状にして用いる。 キャリアタンパク質は一般的にスペーサー分子によってハプテン(抗原)と離 されて結合されている。スペーサーとしては、例えばグルタルアルデヒドがある 。 抗原は好ましくは、Pの実体としてシステイン残基を、さらに脂肪酸として例 えばラウリン酸・パルミチン酸・パルミトレイン酸・ステアリン酸・オレイン酸 ・リノール酸・アラキドン酸・エイコサペンタエン酸・ドコサヘキサエン酸など から選択される任意の脂肪酸を含んでなる。 抗原は好ましくはマルチウェルマイクロプレートなどの固相上に固定される。 発明の好ましい実施形態においては、当テストはELISA法であり、その2次抗 体は抗原に固定され、公知の技術に従って検出される。 血清学的研究にさらに加えて、当発明はニトロソ化されたミエリンの分子の抗 原的解析を可能にする一方、他方では例えばサイトカイン・メタロプロテアーゼ ・フリーラジカル・ミクログリア細胞とSNC細胞(神経膠細胞)の相互作用など ミエリンの病変に関与する分子的解析を可能にする。 抗原的解析は好ましくはニトロソ化されたリコンビナントタンパク質で実行さ れる。つまり異なったコンストラクションは例えば数種のリコンビナントMOGの 断片の生成を可能にする。多発性硬化症の異なった形態や異なった進行ステージ を区別するために、これらニトロソ化されたリコンビナントタンパク質に対する 患者血清のバンクを有利に作製することがなされる。 当発明は上記テストの実施のための診断試薬のキットあるいはセットにも関す る。 これらのキットはこれらを包含することによって特徴づけられる。: −該抗原、好ましくはマルチウェルマイクロプレート等の固相に固定され たもの。 さらに好ましくは、 −少なくとも一つの洗浄用緩衝液 −少なくとも一つの反応用緩衝液、好ましくは、特異的にPもしくは脂肪 酸に反応しない抗体の吸着が可能なある種のタンパク質を含んでおり、EL ISAテストを実施可能にしているもの。 −マーカー。好ましくは2次抗体、特に抗ヒトIgMから成るもの。 −発色剤。オルソフェニレンジアミンなど。さらに、 −患者由来の陽性コントロール血清。健常人由来の陰性コントロール血清。 −当テストとその実施が説明されている使用説明書が好ましくは添付されて いるもの。 発明の他の特徴と特長は以下の実施例中に述べる。 それらの実施例中では図1から4への言及がなされる。図1-4はそれぞれ次 のことを示す。 図1:光学密度=吸光度(Optical Density:OD。抗NO-シス テイン抗体の量を示す)とラットにおけるEAEの時に測定された機能的 欠損。 図2:EAE時の小脳切片の光学顕微鏡写真。 図3:EAEの誘導後6日目の抗NO-システイン抗体と筋力との相関係数。 図4:多発性硬化症に罹患している患者の血清による、ニトロソ化された種々の ヒトミエリン抗原のウエスタンブロッティングの写真。実施例1:材料と方法 a )グルタルアルデヒド法によるシステインのBSA(牛胎児血清アルブミン) への結合 結合比9となる方法は以下の通りである: 最初に以下を準備する: ・5mlの5%グルタルアルデヒド溶液(1mlの25%グルタルアルデヒドに水 4mlを加える); ・酢酸塩緩衝液(1.5M,pH8-8.5) ・テトラヒドロ硼酸ナトリウム溶液(3ml試験管に入れた水に小スパーテル 一杯のテトラヒドロ硼酸ナトリウム) 3mgのL-システインと10mgのBSAを別々に秤量する。 そのL-システインを1mlの酢酸緩衝液に添加し、1μlのトリチウム(3H) 標識したチロシン1.9TBq/m molを含むL−システイン溶液を加え、直 ちに100μlの5%グルタルアルデヒドとBSAを添加する。その混合液をボ ルテックスミキサーで攪拌する。混合液が黄色に変化するまで、少なくとも5分 間時々攪拌しながら放置する。 100μlのテトラヒドロ硼酸ナトリウムを添加し、攪拌しながら約30分間反応させ る。 次に、反応液を水に対して、3回取り替えながら24時間透析する。 透析の前後で100μlの反応液の放射活性を測定し、BSAに結合したアミノ酸量 を計算する。280nmの吸光度を測定してBSA濃度を定量する。結合比は9。す べての反応容積を2倍にしてもこの結合比は変わらない。 結合反応産物は以下にCys-g-BSAで略され、gはグルタルアルデヒドであ る。これは以下の化学式に相当する b )亜硝酸ナトリウムによるCys-g BSAのニトロソ化 1mgのCys-g BSAに対し2mgの亜硝酸ナトリウムを秤量し遮光した試 験管に添加する。 次に、亜硝酸ナトリウムを1mlのCys-g BSAに添加し、塩酸を添加する (1mlに対し41.7μlの12N塩酸)。反応液は青みがかった黄色に変化する。反応 液を振盪しながら37℃で4時間反応させた後、0.01Mトリス塩酸緩衝液(pH7.4) に対して24時間透析する。2回目から透析液を水に替える。 結合したNO-Cys-g BSAを240から500nmの吸光度測定をして分析する:N Oの吸収波長は320から360nmの間である(3)。c )BSA-gの合成 1mlの3M酢酸緩衝液(pH8)と2mlの水に100mgのBSAを添加する。 次に、1mlの1%グルタルアルデヒドを添加し、5分後に時々ボルテックスミ キサーで攪拌しながら、200μlのテトラヒドロ硼酸ナトリウムを添加する。 振盪しながら30分間反応させ、反応液を水に対し、3回交換しながら24時間透 析する。d )脱脂BSA(dBSA)の調製 8X1gのBSAを50mlの試験管に秤量し、10mlの水を加えて、完全に溶解す るまで反応液をボルテックスミキサーで攪拌する。 次に、4℃保存された10mlのフレオン(1,1,2−トリクロロトリフルオロエタ ンC2Cl3F3)を添加する。 2相を混合するため1分間ボルテックスミキサーで攪拌した後(試験管は白 い泡で充満する)、2相を分離するため2000rpmで10分間遠心分離し、上層の液 体を回収し、凍結乾燥するため、大型ビーカーに残しパラフィルムで覆うか、8 つの50ml傾斜凍結乾燥試験管に移す。e )血清および蛋白の脱脂 脱脂は等容積のフレオンで行う。2−3分間振盪し、10000rpmで15分間遠心分 離する。水溶液相(上層)を回収する。f )クロロぎ酸エチルによる脂肪酸−dBSAの合成 必要とする結合比10、20または40に応じて、1mg,2.5mgまたは5mgのあ らかじめメタノールで脱脂した脂肪酸を秤量するか又は試験管にピペットで添加 する。 次に20mgのdBSAを秤量する。 脂肪酸を1mlの無水メタノール+10μl無水トリエチルアミン+1μlパルミ チン酸塩C14に添加し、シリカゲル上に少なくとも30分放置する。次に、dBSAを 2mlの1mM塩化カルシウムりん酸塩+10μlのトリエチルアミンに添加する。 氷室内で、無水ジメチルホルムアミドで1/16に希釈した200μlのクロロぎ酸 エチルを(12.5μlのクロロぎ酸エチルを187.5μlのジメチルホルムアミドに溶 解する)脂肪酸に添加する。 反応液をボルテックスミキサーで30秒間攪拌し、3分間放置する(カルボキシ ル基の活性化)。次にボルテックスミキサーで攪拌しながらdBSAを添加する。 標識物の溶解度を増加させるために一回目の透析外液2mlを加え、放射活性を 測定する(10μlのサンプル+90μlのH2Oを含む2mlのシンチレーション液)。 次の透析を1/3容メタノール、1/3容ジメチルホルムアミド、1/3容1mM塩化カルシ ウムりん酸塩混合液に対して1回、1mM塩化カルシウムりん酸塩に対して2回、 12時間行う。 100μlのサンプルを2mlのシンチレーション液に添加して放射活性を測定する 。 300nmと280nmの吸収波長を記録しながら、濃度を測定するため240nm から320nmまでの連続スペクトルを測定する(εBSA:34500)。脂肪酸標識物 は−80℃で数ヶ月保存できる。g )NO-Cys-g-BSAのELISAテスト 96ウエルのNunc Maxisorpプレートを用い、200μlでテストする。プレートの コーチィングは10μg/mlのNO-Cys-g BSAを含む炭酸緩衝液pH9.6(ネガテ ィブコントロール=BSA-g)を4℃で振盪しながら約16時間行う。 すべての非特異部位をブロックするために10%グリセロールと1mg/ml BSA を含むTween 20 PBS緩衝液(緩衝液X)を添加し37℃で1時間反応させる。 反応液をTween 20 PBS緩衝液で2回洗浄する。 患者血清か抗体およびコントロールを0.1% BSA-gを添加した緩衝液Xで5 00倍希釈する。 反応液をTween PBS緩衝液で2回洗浄する。 2次抗体として1mg/ml BSAを添加したTween PBS緩衝液で5000倍希釈した 抗ヒトIgM抗体を用い(Pasteur Diagnostics社の抗IgM,IgA,IgG)、37℃で1時 間反応させる。反応液をTween PBS緩衝液で3回洗浄する。 検出反応は2g/lのオルトフェニレンジアミンと0.1%H2O2を含むりん酸クエン 酸緩衝液を暗所で10分間反応させる。 反応を停止するため4N硫酸50μlを添加する。490nmの吸光度を測定する。h )Ole-dBSAのELISAテスト (Ole=オレイン酸) ・患者の試験 50μg/mlの脂肪酸−dBSA化合物あるいはdBSAを含む200μlの炭酸緩衝液(pH9. 6)+1mMの塩化カルシウムでNuncのPolystyrene Polysorpシートを覆い、振盪 しながら4℃で16時間反応させる(ネガティブコントロール:dBSA)。 ブロッキングは行わない。 シートを1mMの塩化カルシウムを含むPBSで2回洗浄する。 1mMの塩化カルシウム、1mg/mlのBSAを含むPBS(450mM,塩化ナトリウム) で250倍希釈した抗体1(AbI)を添加し、37℃で2時間反応させる。反応液を1mM の塩化カルシウムを含むPBSで2回洗浄する。 1mg/ml dBSAと1mMの塩化カルシウムを含むPBS緩衝液で5000倍希釈した二次 抗体(AbII)(Institute Pasteur,Diagnostics社の抗IgM,抗IgA,ヒト抗IgG)を添 加し、37℃で1時間反応させる。 反応液をTween PBS緩衝液で3回洗浄し、1g/lのオルトフェニレンジアミンと0 .05%H2O2で10分間発色反応させる(準暗所)。 反応を4N硫酸で停止し、490nmの吸光度を測定する。 ・ラットの試験 ・上記の方法に順ずる。但し、AbIは500倍希釈、AbII(ラット抗IgM、抗IgG,J ackson Immunoresearch社)は緩衝液で0.12mg/mlに希釈して用いる。 i)緩衝液酢酸塩pH8 3M 12.3g/50ml塩酸0.5M 41.7μl/mlPBSpH7.2 塩化ナトリウム 9g/l H2O りん酸二ナトリウム 1.42g/l H2O りん酸一ナトリウム一水和物 0.276g/l H2OPBS-Tween (ELISA test用炭酸緩衝) 以下の化合物を含む50μl Tween 20/1l PBS 炭酸二ナトリウム 2.65g/500ml H2O 炭酸水素ナトリウム 4.2g/l H2O 炭酸水素ナトリウムに炭酸二ナトリウムを添加してpHを9.6に調製する。クエン酸りん酸塩pH5 クエン酸ナトリウム 10.5g/l H2O りん酸二ナトリウム 17.8g/l H2Oオルトフェニレンジアミン オルトフェニレンジアミン 4g/100ml H2O実施例2:ラットの実験的自己免疫性脳炎(EAE)の研究 抗NOシステイン抗体含有量と筋肉不全の強さと脱髄の強さの相関Wekerleの方 法(4)によればLewisラットにミエリン塩基性蛋白ペプチド(アミノ酸68から84 番目)を注射することによって活動性の実験的自己免疫性脳炎を引き起こすこと ができる。 4週間の研究期間中、3つのパラメーターを測定し比較した:(a)抗NOシス テイン漿液抗体のレベル、(b)筋力から測定したEAE発症中の筋肉機能不全 、(c)小脳の脱髄の程度。 第一段階として、抗NO−システイン漿液抗体量をELISAで定量した。抗体量は 吸光度の平均値±S.E.M.で現した。 結果は吸光度を図1aに示した。 注射から6日後、コントロールと比較してEAE動物群の血清中で顕著な抗NO -システインIgMの反応が観察される。実際のODはコントロールの0.13±0.01(0. 08から0.15の幅)に対し、0.51±0.05(平均値±S.D.;0.32から0.72の幅)[F4. 48 =21.43;p<0.001]。競合試験により抗体はNO-システインエピトープに直接反 応していることが示された。 EAEラットの血清にはIgGの反応は認められず、NO-システインに対するIgM のみが反応し、EAEの間はIgG反応は検出できない。 第二段階として、抗NO-システイン抗体量の変化が臨床症状の多様性に関連す るかどうかを調べるために、後足の筋力の変化を調べた。 結果はコントロール(n=5)に対する実験群の後足の筋力の割合で表し、図1b に示す。数字は平均値±S.E.M.。 各動物(n=9)について一日あたり10回ずつ測定した。 筋力の低下は注射から18日目で著しく、26日目まで続いた。 EAEラットはコントロールと比較して50から60%の著しい筋力低下を示した 。 EAEラットはコントロールと比較して、臨床症状が現れると体重の減少も観 察された。しかし、体重減少と臨床症状とは相関が成立しなかった。・抗体量と小脳の脱髄の相関 研究の最後に、EAE動物の脱髄を測定した。 ミエリンの特異染色をSPIELMEYERらの方法に従って実施した(1)。 図2は、コントロール(a,b,c)とEAEラット(d,e,f)小脳の縦方向切片の 顕微鏡写真を示す。 a)とd)の矢印で示された場所はb)とe)に相当する。 切片はミエリン塩基性蛋白質(MBP)に対するポリクローナル抗体で免疫染色 した(c,f)。 ミエリンの定量は抗MBP抗体の免疫組織化学的反応をSamba 2640システム(Alc atel,TITN,Answare,France)を用いて決定することにより行った。各動物毎 、4切片を観察し、特定した表面のODの平均を測定した(◆)。各切片毎に、顆 粒相内の3つの異なる葉の内部の標識されたMBPを測定した(4,6,8)。コントロー ルとして、ミエリンを持たない神経繊維で主に構成されていることが知られてい る小脳の分子層を用いた。定量的なデータは特定のユニットで表現した(ODn/su rface)。使用した記号は以下の意味をさす:cp=小脳脚;m=小脳髄;gl=小脳皮 質の顆粒層;矢印の頭部は小脳髄の先端を示す。バーはa,c,d,fでは350μmを示 し、b,eでは85μmを示す。 ミエリン繊維の減少は小脳脚と小脳髄で最も著しく、また、小脳皮質顆粒層の三 分の一の部分で見られる。 更に、最も症状が出た動物において、小脳髄の先端の小脳髄質との接点でミエ リン繊維の全部の消失で示されるように、疾患の程度はミエリン消失過程と相関 があるように見える(図2e)。 抗ミエリン塩基性蛋白質抗体を用いたミエリンの免疫組織化学的染色の定量的 分析によって、小脳のミエリンの消失が証明された(図2f)。 最も症状が現れたラットはコントロールと比較して28%のMBPが消失した (df=8;t=2.64;o=0.02)。・6日目の抗NO-システイン抗体と筋力の相関係数 得られた結果は、抗NO-システイン抗体含量がEAEにおいて病理生理学的予 測の可能性を示す。 実際、注射から6日目の抗NO-システイン抗体含量と22日目の後足の筋力(Bra vais Pearson係数、r=-0.72;p=0.016)、24dpi(r=0.81;p=0.008)、26dpi(r=0.96 ;p=0.0001)、EAEラットのミエリン量(r=0.77;p=0.014)の間には直接逆比が存 在する。 図3は注射6日目の抗NO-システイン抗体含量と観察期間中0日から26日まで のEAEラット(n=a)の筋力の相関係数を示す。 各記号(◆)はBravais Pearson相関係数のr値を示す。点−破線は0.05(df=7 )の顕著な数字を示す。 各r値について、抗NO-システイン抗体の分散を筋力の回帰曲線に対して示す。 6日目の抗NO-システイン抗体とEAE期間中の筋力の相関係数の上昇は時間 依存的に動く。 更に、24日目の筋力消失とミエリン消失は24日目(r=0.72;p=0.029)と26日目 (r=0.72;0.027)で著しく相関する。 まとめとして、これらのデータは; 1)MS患者血清中には抗NO-システイン抗体の存在。 2)それらの抗NO-システイン抗体の前臨床的EAEラットにおける存在 。 3)抗NO-システイン抗体量は病気の病理的発症の初期指標である。実施例3:臨床研究 多発性硬化症に罹患しており、明らかに発作を起こしている10人の患者群( 前年度のかなりの治療活動を特徴とする)が臨床的かつ生物学的モニタリングの 対象となった。 10人の患者の選択基準は以下のごとしである。: 彼らは、以下の様な患者である。 −Poser(ポーザー)らによる基準に従って、ある多発性硬化症の徴候を示して いる。(5) −弛張性の形態の期間がある。このとき、後遺障害を伴うかあるいは伴わない 。後遺障害の分類はLubin(ルビン)とReingold(レインゴールド)に従う。( 6) −Kurtzkeによる拡大された障害状態指標(Expanded Disability Status Scal e:EDSS)に従い測定し、中程度のハンディキャップを持っている。患者群に おいては、EDSSスコア<5.5である。(11) −活動性の多発性硬化症の徴候を示している。すなわち、過去2年で少なくと も2回の発症を起こしている。 −選択された時最後の発症の終息から少なくとも1ヶ月以上経過している。 −選択された時少なくとも1ヶ月間以上コルチコイドを投与されていない。 −あるいは、アザチオプリン(azathioprine)またはベータ・インターフェロン (beta-interferon)による基礎的な治療が実施されているが、少なくとも3 ヶ月以上前には開始されていた。 −研究の目的を彼らに知らせる手紙を受け取った後、インフォームド・コンセ ント書式にサインしている。 まず最初に、臨床的評価が実行された。(選択基準の確認・インフォームドコ ンセントのサイン・EDSSスコアとHauserらの歩行インデックス(7)を測定する ための神経学的試験・9穴ペグ試験(Nine Hole Peg Test:9HPT)) 臨床的発症の場合は、発症期間中の最大のEDSSスコアが評価された。発症に対 する通常の手当てが実行された。(メチルプレドニゾロン1g/d/5d IV) この臨床的評価の間、血液サンプルが採取され、患者は発症後1ヶ月臨床的評 価管理下に入った。(EDSS・歩行インデックス・9HPT)生物学的モニタリングは このようにして研究の終了まで継続した。測定 抗NO-システイン抗体の濃度(OD)は上記で述べたELISAに従って測定した。 主な評価基準は、一方の抗NO-システイン抗体の濃度(吸光度)の測定ともう一 方における以下の3つの変化との間の相関を探ることからなる。即ち、 −次の2週間における発症の発生 −1回の発症が起きている場合には、発症期間中の最大EDSS −発症が起きた場合には、発症後1月のEDSSと選択時EDSSの差 歩行インデックスと9HPTから確立された変異が追加の評価基準として用い られた。 これらの結果は、多発性硬化症の患者モニタリングにおいて、病気の発生と、 発症の重篤性の予知のために、抗NO-システイン抗体を測定することが有用であ ることを証明している。これらの使用は多発性硬化症の予防的処置のための研究 において新たな路を開くものである。病態予測のは、研究において、活動的弛張 性多発性硬化症を患う患者群において好ましくはイメージングとこれら抗体の測 定の両者の臨床的なモニタリングが使われうるであろう。実施例4:ミエリンにおけるニトロソ化蛋白抗原の同定 a)リコンビナントMOGタンパク質の調製 それぞれヒトのMOGをコードする全長配列、あるいはMOGの細胞外部分をコ ードする配列を含む2つのpGEXタイプの発現プラスミド(ファルマシア社)が用 いられた。(Dautingny,CNRS U1488,Pari)。 多発性硬化症の異なるカテゴリーに対応する患者血清 1.コンピテントバクテリアの調製 XL1Blue型の大腸菌が0.1M MgCl2と50mM CaCl2を用いて透過しやすくするこ とにより、コンピテントにした。バクテリアは非常に感受性となり、形質転換 は素早く行われた。 2.バクテリアの形質転換 バクテリアは4℃で30分間プラスミドと接触させられる。この間に、DN Aはバクテリアの膜に接着する。42℃で1分間熱ショックを与えられる。 このDNAはバクテリアに入り込む。後者は再生のために37℃で1時間イン キュベートされ、最終的にLBアガー+アンピシリン選択培地に播く。バクテリ ア内へのプラスミドの導入はバクテリアをアンピシリン抵抗性にする。 3.プラスミドの抽出 コロニー中のプラスミドの存在をチェックするために、単離したコロニーを 5mlのLBアンピシリン培地に植菌して、37℃で一晩インキュベートした 。翌日、バクテリアはTNE中で洗浄し、溶解して容量比25/24/1のフ ェノール/クロロホルム/イソアミールアルコール中で抽出した。遠心した後 、タンパク質とゲノムDNAは有機相と水相の境界に位置し、一方プラスミド DNAは(RNAのように)水相に溶解性である。水相は回収され、プラスミ ドは酢酸アンモニウム塩(最終濃度0.2M)及び−20℃の無水エタノール で沈殿させられる。12000rpmの遠心によってプラスミドはペレット中 に濃縮される。 プラスミドは75%のエタノールで洗浄され、乾燥された後、少量の水に懸 濁されて、RNaseで処理される。 最後にプラスミドはEcoRIあるいはBamHIで消化され、アガロース 若しくはポリアクリルアミドゲル中で泳動後、制限酵素地図をチェックし、そ れによって同定する。 4.pGEX発現の誘導 二つのプラスミドのうちの一つで形質転換した5mlのバクテリアのプレカ ルチャーはLBアンピシリン培地で約14時間インキュベートされる。このプ レカルチャーはLBアンピシリン培地の20mlに移し、次に200mlの培地へ と段階的に移される。このバクテリアは595nmの吸光度を測定して、0. 5になり対数増殖期に至るまで37℃で再度培養される。この段階において、 最終濃度5mMのイソプロピルチオガラクトシド(IPTG)の添加は融合タ ンパク質をコードした配列の転写の活性化に必須である。IPTGはβガラク トシダーゼ遺伝子に由来するpTacプロモーターに結合し、全長若しくは部 分MOG配列のインサートを含むオープンリーディングフレームと、それに続 くグルタチオンSトランスフェレース(GST)をコード する配列の転写を誘導する。最終的なタンパク質はGSTと部分あるいは全長 MOGの融合に相当する。培養は2時間30分のインキュベートにおかれ、こ れは比較的大量の蛋白質を得るのに必要とされる時間である。 5.蛋白質の抽出 工程は4℃で行われる。 先の培養の遠心(3000rpm)の後、バクテリアのペレットは基本溶解 緩衝液1(当初の培養50mlに対し1あるいは2mlの緩衝液)に溶解され る。80μlのリゾチーム(10mg/ml)を加え、反応混合液は20分間 0分間氷上に放置する。 各調製液に4mgのデオキシコール酸を加える。混液は攪拌の後、粘澄性と なり、ゲノムDNAはマイクロピペットによる吸引/排出で破壊される。 100μlのDNaseは室温30分間でDNAを消化する。 このようにして得られた混合液は溶解緩衝液中での溶解された、あるいは溶 解されないバクテリアの残渣及び蛋白質に相当する。少なくとも1時間の12 000rpmでの1回目の遠心により、上清中における一方の溶解産物と、ペ レット中の溶解されなかった蛋白質同様、膜及び残ったDNAである他方の残 渣に分けられる。 ペレットは界面活性剤であるTritonX100を含む溶解緩衝液2に懸 濁される。12000rpm15分間の第2の遠心によって、疎水性分画を含 むペレットから最終的な可溶性蛋白質が分離される。このペレットは100μ l若しくは200μlの水に懸濁され、分散される。 6.電気泳動及びウエスターンブロット 不連続ゲル(濃縮ゲル及び分離ゲル)中での電気泳動により、SDSの存在 下で蛋白質はその分子量のみに従って分離される。 電気泳動の後、ゲル中に移動したすべての蛋白質はクマーシーブルー溶液で 染色され、あるいはウエスターンブロットが行われて最後に特定の蛋白質だけ が同定される。後者の技術を実行するために、蛋白質はゲルからメンブレン( Immobilon、ミリポア社)に、2時間0.8mA/cm2の電流で転 写される。 このメンブレンは洗浄し、3%のスキムミルクを含む溶液で飽和される。メ ンブレンは融合タンパク質を認識する一次抗体を含む溶液中で、約14時間イ ンキュベートされる。 コントロールとしてマウスの細胞株から作られ、抗GSTモノクローナル抗 体を産生するハイブリドーマの培養上清を用いた。メンブレンは洗浄し、再度 3%のスキムミルクで飽和した後、蛋白質上に固定した一次抗体を認識する二 次抗体で2時間インキュベートした。この二次抗体はペルオキシダーゼを結合 したマウスの抗イムノグロブリン抗体である。最終洗浄の後、蛋白質−一次抗 体−二次抗体の複合体は、H22の存在下で、ペルオキシダーゼと発色源であ る4クロロ−1−ナフトール(これは蛋白質の移動した場所を黒くし、沈着さ せる)との反応により発色される。 上記で示された方法論はリコンビナントMOGの分画を得るのに用いられる 。 b)GST−MOG融合タンパク質を用いて行われた試験 多発性硬化症の異なる形態及び進行段階を区別するために、ニトロソ化され たリコンビナントタンパク質に対して患者血清のバンクが使用された。患者の 試験において、一次抗体は血清の100倍希釈に相当し、第二抗体はペルオキ シダーゼを結合した抗ヒトIgG、IgA、IgMである。 c)in vitroでニトロソ化されたヒトミエリンの調製から始まり、多発 性硬化症の多様な形態の抗体がウエスターンブロットでスクリーニングされた 。約100kDa及び25kDaの二つの主な蛋白質が明らかになった(図4 )。 ニトロソ化されて免疫原性を持ったこれらの蛋白質の特性を探るため、多発 性硬化症の患者の血清がELISA/ドットブロットによりニトロソ化MAG に対して試験された。多発性硬化症を患っている患者58人の血清とコントロ ールの最初の分析は、活動型の患者のにおいてトロソ化された形態のMAGに 対するかなりの抗体の存在を示している。発症を受けている患者(n=12) 若しくは進行しつつある患者(n=10)は、安定状態(n=12)若しくは 寛解期(n=12)あるいは健常者(n=12)に比較してずっと 高い抗ニトロソ化MAG抗体濃度を示す(one way ANOVA;F( 4.53)=22,261,p<0.0001)。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成11年4月2日(1999.4.2) 【補正内容】 請求の範囲 1/中枢若しくは末梢神経系の炎症性自己免疫性病理の経過中に発達した抗体の 使用であって、これらの抗体は抗NO−P抗体若しくは抗脂肪酸抗体よりなる 群に属しており、PはNOを結合することのできる蛋白質、リコンビナント型 の蛋白質、ペプチド若しくはアミノ酸を示しており、臨床的発症若しくは上記 病理の新規な病変の予知のためのマーカーとしての使用。 2/抗NO−P抗体において、Pがミエリン関連糖蛋白質(MAG)若しくは主 要オリゴデンドロサイト糖蛋白質(MOG)、あるいはアミノ酸としてシステ イン残基を表すことを特徴とする請求項1記載の使用。 3/抗脂肪酸抗体において、脂肪酸がラウリル酸、パルミチン酸、パルミトレイ ン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸、エイコサペン タエン酸及びドコサヘキサエン酸より選ばれるものであることを特徴とする請 求項1記載の使用。 4/患者の血清検体をニトロ化NO−P抗原(PはNOを結合することのできる 蛋白質、リコンビナント型の蛋白質、ペプチド若しくはアミノ酸又は脂肪酸を 表す)と接触させ、抗原抗体反応が生じたときにそれを検出することを特徴と する中枢あるいは末梢神経系の炎症性自己免疫性病理における発症及び病変の 発生の早期診断のための試験。 5/血清と抗原が37℃の温度でインキュベートされることを特徴とする請求項 4記載の試験。 6/抗原がキャリアー蛋白質に結合していることを特徴とする請求項4または5 記載の試験。 7/キャリアー蛋白質がKLH若しくはウシ血清アルブミンであって、試験が抗 脂肪酸抗体の測定に用いられるとき、脱脂した形態で用いられることを特徴と する請求項6記載の試験。 8/キャリヤー蛋白質がスペーサー要素によってハプテンから離されていること を特徴とする請求項6または7記載の試験。 9/抗原が、蛋白質Pとしてシステイン残基、及び脂肪酸としてラウリル酸、パ ルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ア ラキドン酸、エイコサペンタエン酸及びドコサヘキサエン酸より選ばれる酸よ りなうことを特徴とする請求項4から8のいずれか記載の試験。 10/固着した抗体がELISA法によって検出され、該抗原は固相担体に固着 しており、生物学的メディウムに2次抗体が添加されることを特徴とする請求 項4から9のいずれか記載の試験。 11/中枢若しくは末梢神経系の炎症性自己免疫性病変における発症若しくは病 巣の発生の診断のためのキット若しくはセットであって、試験及びその実施に ついて記載された使用のための説明書と共に以下を含むことを特徴とするキッ ト若しくはセット; −請求項4または9記載の、担体に固着された、ニトロソ化NO−P抗原若し くは脂肪酸 −少なくとも一つの洗浄用緩衝液 −請求項1で定義されたP若しくは脂肪酸に対して特異的でない抗体の固着を 許す蛋白質を含み、ELISA試験を実施するための少なくとも一つの反応用 緩衝液 −2次抗体よりなるマーカー −発色剤 及び −陽性コントロール血清と陰性コントロール血清。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1/炎症性自己免疫性病理における臨床的発症若しくは新しい病変を予知するマ ーカーであって、それらが疾患の経過中に発達させた抗体であり、抗NO−P 抗体(Pは、NOを結合することのできる蛋白質、好ましくはリコンビナント の形態、ペプチド、あるいはアミノ酸を表す)若しくは脂肪酸抗体よりなる群 の抗体であることを特徴とするマーカー。 2/抗NO−P抗体において、Pがミエリン関連糖蛋白質(MAG)あるいは、 アミノ酸としてシステイン残基を示すことを特徴とする請求項1記載のマーカ ー。 3/抗脂肪酸抗体において、この脂肪酸が例えばラウリル酸、パルミチン酸、パ ルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸、エ イコサペンタエン酸及びドコサヘキサエン酸から選ばれることを特徴とする請 求項1記載のマーカー。 4/脱随及び筋力の欠乏の炎症性自己免疫性病理において、炎症過程におけるマ ーカーが抗NO−P抗体よりなり、ここでPは請求項2または3で定義される ものであることを特徴とする、発症及び病変の発生の早期診断のための試験。 5/Pを含むニトロ化された抗原または脂肪酸と血清を接触させ、それが生じた ときに、抗原抗体反応を可視化することによる患者血清中の抗NO−P抗体及 び/若しくは抗脂肪酸抗体の定性的及び定量的測定を含むことを特徴とする請 求項4記載の試験。 6/血清と抗原が約37℃でインキュベートされることを特徴とする請求項4記 載の試験。 7/抗原がKLHやウシ血清アルブミンのようなキュリアー蛋白質に結合してお り、試験が抗脂肪酸抗体の測定に用いられるときに、抗原が脱脂された形態で 用いられることを特徴とする、請求項5または6記載の試験。 8/キャリアー蛋白質がグルタルアルデヒドのようなスペーサー因子によってハ プテンから離されていることを特徴とする請求項7記載の試験。 9/抗原が好ましくは、蛋白質Pとしてシステイン残基及び脂肪酸としてラウリ ル酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノー ル酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸及びドコサヘキサエン酸より選ば れる酸であることを特徴とする請求項5から8のいずれか記載の試験。 10/ELISA法に従って実施され、抗原に固定された2次抗体を用い、既知 の技術によって検出されることを含むことを特徴とする請求項2から9のいず れか記載の試験。 11/炎症性自己免疫性病変において発症あるいは病変の発生を診断するための キット若しくはセットであって、以下を含むことを特徴とするもの; −請求項5から9のいずれか記載の試験の遂行のために定義された抗原であっ て、好ましくはマルチウエルマイクロプレートのような固相に結合しており、 さらに好ましくは、 −少なくとも一つの洗浄用緩衝液と、 −少なくとも一つの反応用緩衝液であって、好ましくはELISA試験を実施 するために請求項1で定義されるP若しくは脂肪酸に対して特異的でない抗体 を吸着させる蛋白質を含む緩衝液と、 −2次抗体、特に抗ヒトIgMからなるマーカーと、 −オルトフェニレンジアミンのような発色剤と −陽性コントロール血清及び陰性コントロール血清と、 試験及びその実施について記載した使用説明書からなるキット若しくはセット 。
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