JP2002505672A - 水溶液中における保護されていないか又はn−末端システインで保護されたペプチドの固相での自然化学連結 - Google Patents

水溶液中における保護されていないか又はn−末端システインで保護されたペプチドの固相での自然化学連結

Info

Publication number
JP2002505672A
JP2002505672A JP50326799A JP50326799A JP2002505672A JP 2002505672 A JP2002505672 A JP 2002505672A JP 50326799 A JP50326799 A JP 50326799A JP 50326799 A JP50326799 A JP 50326799A JP 2002505672 A JP2002505672 A JP 2002505672A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
peptide
solid phase
terminal
segment
unprotected
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Ceased
Application number
JP50326799A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002505672A5 (ja
Inventor
キャン,ライン
ビー.エイチ. ケント,スティーブン
サイモン,レイナ
Original Assignee
グライフォン サイエンシズ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by グライフォン サイエンシズ filed Critical グライフォン サイエンシズ
Publication of JP2002505672A publication Critical patent/JP2002505672A/ja
Publication of JP2002505672A5 publication Critical patent/JP2002505672A5/ja
Ceased legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K1/00General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length
    • C07K1/06General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length using protecting groups or activating agents
    • C07K1/08General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length using protecting groups or activating agents using activating agents
    • C07K1/086General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length using protecting groups or activating agents using activating agents containing sulfur
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K1/00General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length
    • C07K1/02General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length in solution
    • C07K1/023General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length in solution using racemisation inhibiting agents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K1/00General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length
    • C07K1/02General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length in solution
    • C07K1/026General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length in solution by fragment condensation in solution
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K1/00General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length
    • C07K1/04General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length on carriers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K1/00General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length
    • C07K1/04General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length on carriers
    • C07K1/047Simultaneous synthesis of different peptide species; Peptide libraries

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、固相上で集合したペプチド及び蛋白質を合成するための方法、装置及びキットを提供するものであり、該合成は、水溶液中で温和な連結化学物質を用い、3つ又はそれ以上の保護されていないペプチドセグメントを連続的に連結することである。また、MALDI又は電子スプレーイオン化質量分光分析を用いて、固相連続連結反応をモニターする方法も提供するものである。

Description

【発明の詳細な説明】 水溶液中における保護されていないか又はN−末端システインで保護されたペプ チドの固相での自然化学連結 序論 背景 蛋白質を化学合成する既存の方法は、段階的な固相合成、及び溶液中あるいは 固相での断片縮合を含む。Merrifieldの古典的な段階的固相合成は、 好ましいペプチド鎖のカルボキシ末端アミノ酸に対応するアミノ酸を共有結合で 固体支持体に結合させて、活性カルボキシ基を持つ活性アミノ酸誘導体の段階的 カップリングによりポリペプチド鎖をアミノ末端の方へ延ばすものである。十分 に保護された固相結合ペプチド鎖の集合が完了した後、ペプチド−固相の共有結 合は、適当な試薬によって切断され、保護基が取り除かれて目的のポリペプチド が生成する。 段階的固相合成方法のいくつかの欠点は、カップリングでの反応が不完全であ ること及び各サイクルにおける脱保護基により生成物による固相結合が形成され ることである。同様に、化学試薬が不完全であることによる副反応、及び/又は 、試薬/保護されたアミノ酸中に存在する不純物による副反応はいずれも、鎖集 合体の各段階で多様な固相結合生成物を生じ、また最終生成物において複雑な混 合物を形成することとなる。かように、ペプチド鎖が長くなるほど、高純度で良 好に特定された生成物を取得するための課題が増大する。 複雑な混合物が生成することにより、段階的固相合成へのアプローチは規模が 限定されている。一般的には、100あるいはそれ以 上のアミノ酸残基の良好に特定されたポリペプチドは、段階的固相合成で定常的 に合成される。この方法で、蛋白質および大きなポリペプチドを合成することは 、長時間を要する骨の折れる仕事である。 固相で断片縮合を行うことへのアプローチ(またセグメント縮合としても知ら れている)は、段階的固相合成方法による長鎖のポリペプチドを取得する場合の 困難性を克服するために設計されたものである。セグメント縮合方法は、段階的 固相合成方法によりいくつかのペプチドセグメントを作り、次いで、固相から切 断して最大限に保護されたセグメントを精製する。保護されたセグメントは、固 相に結合した第1セグメントまで一つづつ縮合される。 固相でのセグメント縮合の多くの段階で、しばしば技術的困難に遭遇する。E .Atherton,et al.,「固相断片縮合−その問題」・固相合成に おける革新と展望・11−25(R.Epton,et al.,1990)を 参照のこと。例えば、望ましくない連結反応をブロックするために保護基をセグ メントに使用すると、しばしば保護されたセグメントの溶解性が低下し、カルボ キシ基の効果的な活性化が妨げられる。また、保護されたセグメントの溶解性が 制限されるため、その精製に支障を来す。K.Akaji et al.,Ch em.Pharm.Bull.(Tokyo)33:184−102(1985 )を参照のこと。保護されたセグメントは、純度、共有結合構造について特定す ることが困難であり、高分解分析ESMS(電子スプレー量分光分析)に従って 分析することができない(荷電に基づいて)。連結がグリシン残基で行われる場 合以外は、各活性化されたペプチドセグメントのC−末端残基のラセミ化もまた 問題である。さらに、十分に集合し固相に結合したポリペプチドを固相から切断 して保護基を切り離すこ とは、しばしば苛酷な化学操作と長時間の反応を必要とするので、十分に集合し たポリペプチドの分解をきたす。 セグメント縮合は、固相よりもむしろ溶液中で行われる。H.Muramat su et al.,Biochem.and Biophys.Res.Co mmn.203(2):1131−1139(1994)を参照のこと。しかし 、溶液中でのセグメント縮合は、複数の望ましくない副反応を防ぐため、異なっ た側鎖の官能基にわたって保護基を用いることはもちろん、連結に先立ってセグ メントを精製することが必要である。さらに、溶液中での連結は、固相連結では 容易にできる精製および洗浄工程が容易でない。さらにまた、保護されたペプチ ドセグメントおよび保護されたペプチドの中間反応生成物の溶解性が悪くなる。 最大限に保護されたペプチドセグメントの場合にしばしば起こる溶解性の問題 を克服するために、最小限に保護されたペプチドセグメントの化学連結が探究さ れてきた。Cheng,et al.,Chemical Synthesis of 38:70-78(1991);J.Blake,Total Synthesis of S-Carbamoylmethyl Bovine Apocy tochrome c by Segment Coupling,Int-J.Pept.Protein Res.27:191-200(1986);a nd H.Hojo et al.,Protein Synthesis using S-Alkyl Thioester of Partially Protected Peptide Segmcnts,Synthesis of DNA-Binding Protein of Bacillus stearothermophilus,Bull.Chem.Soc.Jpn.65:3055-3063(1992)を参照のこと。 しかし、この方法はなお、全てのリジン側鎖のアミノ基に保護基を用いることが 必要であり、1又はそれ以上の選択的なN−α保護、および精製、再保護、再精 製というような骨の折れる精製工程が必要である。 保護されたペプチドセグメントを繁雑に用いることは、資源として組み換え型 DNAの発現という手段により生成されるペプチドを用いる蛋白質工学の全体計 画とは両立しえない。保護されたペプチ ドセグメントを用いる方法は労働集約的であり、保護されたペプチドセグメント は、いくらかは、溶解性や連結の困難性のため、取り扱う際に予想のできない物 性を有している。しばしば、大きな保護されたペプチドセグメントは、ジメチル スルホキシド(DMSO)やジメチルスルホアミド(DMF)のような最も強力 な極性非プロトン性溶媒にさえ微量に溶解するだけである。保護されたペプチド セグメントが溶解しにくいという問題は、いくつかの方法で、限定的ではあるが 成功に向かっている。その方法は、(1)Ser,Thr,及びTyr以外の全 側鎖を遮蔽するという部分保護基戦略、(2)チオールとアミノ側鎖のみを遮蔽 するという最小保護基戦略、及び(3)凝集/不溶を防止するため主鎖のアミド 部分を可逆的に保護すること、等である。後者のアプローチで用いられる保護基 はペプチドの立体配座を変える。主鎖の保護基を用いることは、まだ簡単ではな く予測し難いものであり、それぞれ目的とするポリペプチド鎖に対する重要な実 験が必要である。 保護されていないペプチドセグメントを非自然的主鎖結合により連結する技術 はいくつかある。それに対し、「自然化学連結」を達成する方法はほとんどない 。「自然化学連結」は、保護されていないペプチドセグメントか、又は他の保護 されていないペプチドセグメントでN−末端システインが保護されたペプチドセ グメントの化学選択的反応であり、連結部位においてアミド結合で連結されたペ プチドを生成する。本発明の十分に集合した目的ポリペプチドは、一つ、二つ、 又はそれ以上の自然な化学連結部位を有する。 したがって、固体支持体を用いて、二つ又はそれ以上の保護されていないペプ チドセグメントを化学連結により集合したポリペプチドを、改善された収率でか つ中間生成物の取扱が容易に、合成する迅速な方法に関する技術が必要とされて いる。 特に、本発明は、二つ又はそれ以上の保護されていないペプチドセグメントの 自然化学連結により自然的ペプチド主鎖を有する大きなポリペプチドを迅速に固 相合成することを可能にするもので、しかも、該化学連結では、保護基で一時的 に遮蔽するためにペプチドセグメントに何ら反応的官能性が必要とされない。本 発明は、N−末端システイン及びC−末端チオ酸を含むもう一つの保護されてい ないペプチドセグメントと反応するC−末端α−チオエステルを有している第1 の保護されていない固相結合ペプチドセグメントに関して、N−末端でのC−末 端の方向へのペプチドセグメントの固相連続化学連結を初めて達成するものであ る。 また、本発明の他の態様は、後から投入される(第2の)ペプチドセグメント でのN−末端システイン残基を一時的に保護し、C−末端でのN−末端方向への 固相自然化学連結を可能にするものである。また、本発明が、固相での非自然的 結合によりペプチドセグメントを連続的に連結する非自然的化学連結の使用をも 包含することは、当業者は容易に理解できるであろう。あるいは、本発明は、一 つ又はそれ以上の非自然的主鎖結合を有するペプチドセグメントの自然化学連結 の使用をも包含することは、当業者は容易に理解できるであろう。発明の要旨 本発明は、特に、保護されていない固相結合ペプチドに、水溶液中でペプチド セグメントの自然化学連結を行うことにより、大きなポリペプチドを生成する新 規な方法を提供するもので、ペプチドセグメントに保護基を必要とせず、あるい は、後から投入されるペプチドセグメントのN−末端システインを一時的に保護 して行うものである。この本発明の態様につき多くの利点の中から挙げると、次 の通りである。中間体及び最終生成物の精製が容易であること。連結反応が早い こと。自然的ペプチド主鎖を有する大きなポリペプチドを迅速に合成することが できること。保護基を必要としないため連結反応が容易であり、その結果、水溶 液又は混合水溶液/有機溶媒溶液中でのペプチドセグメントの溶解性が高いこと 。反応性の両ペプチドセグメント中に存在して安定な副生物となるような他の官 能基を持ったチオエステル部位がないことによる化学選択的連結であり、その結 果、副反応がなく一層純粋な最終生成物が得られること。MALDI質量分光分 析計またはESI MS(電子スプレーイオン化質量分光分析計)による固相の モニターが適応可能である こと。チオエステルを用いた温和な活性化反応を用い、かつ、高pHを避けてい るためラセミ化が少ないこと。ポリペプチド生成物が保護されていない形で直接 得られること。自動化及び組み合わせ技術が適応可能であること、等である。 溶液連結に対する固相連結法の重要な利点は、固相連結法は、HPLC(高圧 液体クロマトグラフ)による難しい精製及び各連結反応後の凍結乾燥工程を必要 としないが、溶液連結法では必要とする。このように、固相連結は、最終生成物 の回収を減少させるような長時間を要する精製工程が不要である。その代わり、 ここで説明する固相連続連結法のみは、最終の保護されていないペプチドセグメ ントが連結されて、集合したペプチドが固相から切り離された後、シングルのH PLC精製及び凍結乾燥工程を必要とする。長時間を要する精製工程が不要であ るため、最終生成物、即ち、集合したペプチドを、溶液連結法の類似の工程より も迅速に合成できる。溶解性の副生物から固相に結合した目的生成物を手早く精 製することは、究極の集合したポリペプチドの収量の点で極めて大きな利点とな る。 固相連続連結のもう一つの利点は、反応物質が高濃度であるため反応速度が早 くなるということである。例えば、固相に結合したペプチドに比し、後から来る ペプチドセグメントを高濃度で過剰に用いることにより、反応は遥かに早く完了 する。過剰のペプチドセグメントは、連結反応が完了した後、固相から速やかに 洗浄除去される。ペプチドセグメントの濃度を増すことにより、最終生成物の収 量の増大が達成される。例えば、固相に結合したポリペプチドは、固相で乾燥さ れ、連結溶液に再溶解される。あるいは、固相に結合したポリペプチドは、高濃 度の後から来るペプチドセグメントの溶液で洗浄される。 本発明の他の利点は、従来法により現在達成可能なものよりも遙かに大きなペ プチド及び蛋白質を合成できることであり、自動化しやすく、高樹脂充填にする ことでスケールアップが容易である。さらに、N−末端でC−末端方向へ連結す ることにより、粗ペプチドセグメントを精製又は凍結乾燥することなく使用する ことが出来るが、それは、ペプチドセグメントの段階的固相合成で形成される最 終生成物が、固相に結合したポリペプチドと反応しないからである。 一つの態様において、本発明は、ペプチドセグメントをN−末端でC−末端方 向へ連結することにより自然的ペプチド主鎖を有する集合したペプチドを製造す る方法からなり、a)切断可能な部位を有するリンカーにより、保護されていな い第1のペプチドセグメントを固相に共有結合させることであって、該切断可能 な部位は連結条件下で安定であり、該保護されていない第1のペプチドセグメン トは、そのN−末端で該切断可能な部位と結合しており、また、そのC−末端に α−チオエステルを有している。b)必要により、第2の保護されていないペプ チドセグメントを導入することもでき、該第2のセグメントは、システイン残基 をN−末端に、チオ酸をC−末端に有し、適切な条件下で、該第1の保護されて いないペプチドセグメントと該第2の保護されていないペプチドセグメントの間 に連結を行わせて、該固相と自然に連結されたペプチドを形成させ、そこで該固 相結合ペプチドはC−末端にチオ酸を有しているが、続いて該固相結合ペプチド のチオ酸はチオエステルに変換される。(c)必要により、追加的な保護されて いないペプチドセグメントにつき工程(b)を繰り返して行う。(d)システイ ン残基をN−末端に有する最後の保護されていないペプチドセグメントを導入し 、適切な条件下で、該固相結合ペプチドと該最後の保護されていな いペプチドセグメントの間に連結を行わせる。好ましい態様においては、切断可 能な部位は切断されて、集合したペプチドの形で固相結合ペプチドを遊離する。 もう一つの好ましい態様においては、切断可能な部位が、連続的な連結反応をモ ニターする目的で切断されうるような切断可能なリンカーである。もう一つの態 様においては、第1の保護されていないペプチドセグメントが、ペプチド−αC OSH チオ酸として加えられ、続いてチオエステルに変換される。 N−末端でC−末端方向へ連続的に連結することは、保護されていないペプチ ドセグメントの化学選択的な連結をラセミ化がなく行うことができるという驚く ほど有効で洗練された方法である。本発明の以前には、ペプチド(ペプチド−α COX)のC−末端におけるαCOXでのラセミ化の関係から、N−末端でC− 末端方向へ連続的に連結することは行われなかった。本発明を用いることで、ペ プチドセグメントのC−末端におけるαCOSHは温和に活性化されてチオエス テルになり、塩基の存在なしに、緩衝水溶液中で、結果としてラセミ体混合物を 生成しないような温和な条件下で、連結反応が進行する。 本発明の方法は、段階的な固相合成により製造されるペプチドセグメントの自 然化学連結のために用いることができる。反応系において最後の固相結合ペプチ ドのC−末端に加えられる最後のペプチドセグメントは、N−末端システイン残 基(Cys−組み換えペプチド)を有する所謂組み換えペプチドである。チオ酸 部位は、活性化されてチオエステル部位になり、側鎖を含め自然化学連結が行わ れる所望のいかなる場所にも配置される。このように、本発明の連続的連結は、 線状の集合ペプチドの場合に限定されるものではない。 もう一つの態様においては、自然化学連結に与かるN−末端システイン残基を 有する保護されていないペプチドセグメントの中位の部分片を用いる場合がある 。 もう一つの態様においては、本発明は、ペプチドセグメントをC−末端でN− 末端方向へ連結することにより自然的ペプチド主鎖を有する集合したペプチドを 製造する方法からなり、a)切断可能な部位を有する切断可能ハンドルにより、 保護されていない第1のペプチドセグメントを固相に共有結合させることで、該 切断可能な部位は連結条件下で安定であり、該保護されていない第1のペプチド セグメントは、そのC−末端で該切断可能な部位と結合しており、また、そのN −末端にシステインを有している。b)第2のペプチドセグメントを導入するこ ともでき、該第2のセグメントは、システイン残基をN−末端に、αチオエステ ルをC−末端に有し、また該第2のペプチドセグメントは、N−末端システイン 残基に結合した保護基を有し、適切な条件下で、該第1のペプチドセグメントと 該第2のN−末端で保護されているペプチドセグメントの間に連結を行わせて、 該固相に結合した自然連結ペプチドを形成させ、そこで該固相結合ペプチドはN −末端システインに結合した保護基を有する。c)該保護基を固徂結合ペプチド から取り除く。(d)必要により、N−末端システインとC−末端アルファチオ エステルを有する追加的なペプチドセグメントにつき工程b)とc)を繰り返し て行う。(e)C−末端にアルファチオエステルを有する最後のペプチドセグメ ントを導入し、もし該最後のペプチドセグメントがN−末端システインを有する 場合は、該N−末端システインは保護基により保護されており、そして該導入は 適切な条件下で、該固相結合ペプチドと該最後のペプチドセグメントの間に連結 を行わせる。及び(e)必要により、該保護基を固相結合ペプチドのN−末端シ ステインから取り除く。 もう一つの態様においては、本発明は、ペプチドセグメントをC−端でN−末 端方向へ連結することにより自然的ペプチド主鎖を有する集合したペプチドを製 造する方法からなり、a)切断可能な部位を有する切断可能ハンドルにより、保 護されていない第1のペプチドセグメントを固相に共有結合させることで、該切 断可能な部位は連結条件下で安定であり、該保護されていない第1のペプチドセ グメントは、そのC−末端で該切断可能な部位と結合しており、また、そのN− 末端にシステインを有している。b)必要により、第2のペプチドセグメントを 導入することもでき、該第2のセグメントは、システイン残基をN−末端に、α チオエステルをC−末端に有し、また該第2のペプチドセグメントは、N−末端 システイン残基に結合した保護基を有し、適切な条件下で、該第1のペプチドセ グメントと該第2のN−末端で保護されているペプチドセグメントの間に連結を 行わせて、該固相に結合した自然連結ペプチドを形成させ、そこで該固相結合ペ プチドはN−末端システインに結合した保護基を有し、続いて固相結合ペプチド から該保護基を取り除く。(c)必要により、N−末端システインとC−末端ア ルファチオエステルを有する追加的なペプチドセグメントにつき工程(b)を繰 り返して行い、該追加的なペプチドセグメントは、N−末端システイン残基に結 合した保護基を有する。(d)C−末端にアルファチオエステルを有する最後の ペプチドセグメントを導入し、もし該最後のペプチドセグメントがN−末端シス テインを有する場合は、該N−末端システインは保護基により保護されており、 そして該導人は適切な条件下で、該固相結合ペプチドと該最後のペプチドセグメ ントの間に連結を行わせる。及び(e)必要により、該保護基を固相結合ペプチ ドのN−末端システインから取り除く。 しかしもう一つの態様においては、ペプチドセグメントの固相における連続的 連結が、いずれかの方向又は両方向に行われ、質量分光分析計で連結反応をモニ ターするため、及び、集合したペプチドを固相から精製するために切断可能なリ ンカーを用いている。 もう一つの態様は、二方向の固相による自然化学連結方法であり、内部のアミ ノ酸残基によって固体支持体に結合した第1のペプチドセグメントを有し、該第 1のペプチドセグメントはN−末端システインとC−末端チオエステルを有して おり、いずれかの末端で第2のペプチドセグメントを連結する。 もう一つの態様においては、保護されていないペプチドセグメントを有するキ ットを提供するもので、該セグメントは内部のアミノ酸側鎖官能基により切断可 能ハンドルに共有結合しており、該切断可能ハンドルは、固相の化学選択的官能 基を補足する化学選択的官能基によって固相に結合している。該キットは、固相 に結合したペプチドに対し、保護されていないか又はN−末端システインで保護 されたペプチドセグメントを固相化学連結のために用いることである。そのよう な切断可能ハンドルの好ましい例は、 官能性の切断可能ハンドルであり、X−アミノエチルスルホニルエチルオキシカ ルボニル(ここで、X=CH3COCH2CH2CH2CONHCH2−MSC −又はX=AOA−NHCH2−MSC−である。(AOA=アミノオキシアセ タール)。 もう一つの態様においては、ペプチドセグメント チオ酸(ペプチド−COS H)を固相でチオエステル(ペプチド−COSR)に変換するために臭化酢酸ま たはヨウ化酢酸を用いる方法である。 また、もう一つの態様においては、切断可能なリンカーを用いて、MALDI 又はESI質量分光分析計により、固相での固相連続 連結プロセスをモニターする方法を提供する。ESI MSによりモニターする ことは、また、TFA−切断可能リンカーを用いることを達成するもので、MA LDIが質量分光分析法に用いられる場合は、光切断可能リンカーが好ましく用 いられる。 さらなる態様においては、ここで述べる本発明の数々の特徴を組み合わせて、 大きなペプチドモジュール又は蛋白質ライブラリーを作り上げる新規な方法を提 供する。公知の蛋白質又はポリペプチドの多様な類似物を迅速に合成するために 、ペプチドセグメントを固相で連続的に連結する方法は、特に有用である。 ここで述べられているプロセスにより、集合したポリペプチド及びポリペプチ ドライブラリーのためのキット及び装置もまた提供される。 本発明の各態様は、他の態様と組み合わされて広範囲の有用な発明が得られる ということは、当業者であればすぐに分かることであろう。 図面の簡単な説明 図1は、N−末端において、C−末端方向への、固相での自然化学連結工程の 概要図である。一態様においては、リンカーはMSCハンドルであり、切断可能 ではあるが連結条件下では安定である。他の態様において、保護されていない第 1のペプチドセグメントは、アミノオキシ−ケトン結合により固相(樹脂)に共 有結合している。 図2Aは、N−末端にシステイン残基を持つ13−残基ペプチド−αCOSH の連結条件下での安定性を示すものである。HPLCクロマトグラムは、ペプチ ドの環化あるいは大きな集合化が、連結条件で一晩放置した場合でも、ほんの少 しの割合にすぎないことを 示している。 図2Bは、分子量1230.2のチオエステルペプチドの存在下における、同 じ13−残基ペプチド−COSHの安定性を示す。HPLCクロマトグラムは、 Cys−α−COSHペプチドが、連結に用いたとき、それ自身と重大な反応を することなく十分に安定であることを示している。さらに、それ自身と13−残 基ペプチド−αCOSH(N−末端システインを有する)との反応により少量生 成するような副生物は、樹脂に結合したペプチドのα−COSRとは反応せず、 簡単な濾過及び洗浄で速かに除去される。 図3A,3B及び3Cは、N−末端にシステイン残基を有するペプチドからM SCハンドルを除去する際のヒドラジンの効果についてのHPLCクロマトグラ ムを示す。1708.2の質量に関するピークは、MSCハンドルを除去された 望ましいペプチドの存在を示す。1814.5の質量に対応するピークは、切断 により生成する反応性の副生物を示すもので、これは、MSCハンドルなしに所 望のペプチドと反応しうる。図3Aは、1814.5mwでのかなり大きなピー クを示すもので、分取されたペプチドが、6Mグアニジン・HCl,0.1M NaPi,pH7.5の液中に入れられ、1N NaOHに2分間希釈され、1 N HClで冷却されたときのピークである。図3Bは、6Mグアニジン・HC l溶液中で50mMヒドラジン含有状態で、図3Aの条件を繰返したときの生成 物のHPCLクロマトグラムである。図3Cは、6Mグアニジン・HCl溶液中 で200mMヒドラジン含有状態で、図3Aの条件を繰返したときの生成物のH PCLクロマトグラムである。ヒドラジンは副生物を除去して、純粋な生成物に なる。 図4は、N−末端システイン残基を持たないペプチドから切断可能なMSCハ ンドルを除去したときのHPLCクロマトグラムであ り、該ペプチドは、N−末端ロイシン残基と、そのほゞ中心にシステイン残基を 有している。MSCハンドルを有するペプチドの分子量は4022.4であり、 MSCハンドルを有しないものの分子量は3745.1である。6Mグアニジン ・HCl,0.1M NaAc,pH4.6液中での分取されたペプチドは、6 Mグアニジン・HCl,0.1M NaAc,pH14中で2分間希釈され、6 Mグアニジン・HCl,0.1M NaAc,pH2.0で冷却される。HPC Lは、副生物との内部反応が起り、3979.7の分子量(LEV−NHCH2 −ハンドルに対応する)を有するピークの形成を示しているが、反応の程度は、 N−末端システインを持ったペプチドに起る反応よりも少い。 図5Aは、N−末端でのC−末端への連続連結に、固体支持体として用いられ るPEGA樹脂の存在を示す反応系統図である。工程A及びB1は、樹脂サンプ ルのMALDI分析で用いる光に不安定なリンカーを生成する工程で、必要な場 合に行う工程である。 図5Bは、本発明の固相連続連結で用いる固相(樹脂)を調製するための一般 的な系統を示した図である。構造体1は切断可能なリンカーで、質量分光分析計 でカップリング及び連結反応の進行をモニターするために有用である。例えば、 光に不安定なリンカーは、MALDI MSにより樹脂上でモニターするために 用いられるが、TFA切断可能リンカーは、電子スプレーMSによるモニターの ために用いられる。構造体1が樹脂に結合すると、直ちに保護基(PG)は除去 され、第1のペプチドセグメントと化学選択的に反応しうる官能部位(構造体3 )が樹脂に加えられる。構造体3が樹脂に結合すると、直ちに保護基が除去され て構造体4を生じ、それは、構造体5と化学選択的に反応するために準備される 。該構造体5とは、切断可能な手段及び修飾された樹脂(4)と反応しうる官能 基で修飾されたペプチドである。続いて起る連結が全て完了すると、「切断可能 ハンドル」は切断されて、固相から完全な長さのペプチド(集合したペプチド) が遊離する。 図6は、ペプチドセグメント1(N−末端ペプチドセグメント)の誘導を示す 反応系統図である。 図7A及び7Bは、第1の保護されていないペプチドセグメント(1)が固体 支持体、例えば、AOA−官能基を有する樹脂、に結合するHPLCクロマトグ ラムである。図7Aは、樹脂に加えられたペプチド溶液のHPLCである。図7 Bは、過剰モルの樹脂と共に一晩ペプチドを反応させた後の上澄液のHPLCで ある。相当量のペプチドが上澄液から分離され、一晩の反応後、樹脂に結合した ことを示している。 図8A及び8Bは、図7A及び7Bで表わされたのと同じ実験のHPLCクロ マトグラムであるが、固相としてIsco樹脂ビーズは用いていない。 図9A,9B及び9Cは、この図の工程1の後の生成物の分析結果であり、第 1の保護されていないペプチドセグメントが固相に結合したものである。図9A は、樹脂−結合ペプチドの(ヒドラジン添加塩基)切断の分析結果を示すHPL Cクロマトグラムである。図9Bは、樹脂のMALDI質量スペクトルで、(1 )に対応するピーク、即ち、樹脂結合ペプチドを示している。図9Cは、リンカ ーを塩基で切断した後のMALDI質量スペクトルであり、(1)に対応するピ ークがないことを示し、また、ペプチドが固相(樹脂)に付着していないことを 示している。 図10A,10B及び10Cは、この図の工程3の後の生成物の分析で、第2 の保護されていないペプチドセグメント(2)を樹脂−結合ペプチド(1)に連 結したものである。図10Aは、生成物 、即ち、樹脂−結合ペプチドの中間体の分析HPLCであり、質量(1)+(2 )の大きなピークを示している。図10Bは、リンカーを切断する前の樹脂のM ALDI質量スペクトルであり、図10Cは、リンカーを塩基で切断した後の樹 脂の質量スペクトルである。 図11は、脱塩され、凍結乾燥されたペプチド生成物(表1の1+2+3)の HPLCクロマトグラムであり、固相(Isco樹脂)上でN−末端におけるC −末端方向への2連続連結を行った後の生成物である。最も高いピークは、凍結 乾燥した粗生成物に対応するもので、ほゞ36%の収量を示している。 図12A及び12Bは、集合したペプチド(表1の1+2+3)に対応する主 ピークのESI MS(電子スプレーイオン化質量スペクトル)である。図12 Bは、図12Aの質量スペクトルを再構成したもので、連結されたペプチド生成 物の質量を示している。 図13は、脱塩され凍結乾燥されたペプチド(1+2+3)のHPLCクロマ トグラムで、固相(PEGA樹脂)から集合したペプチドを遊離させるためリン カーを塩基で切断した後のものである。 図14A及び14Bは、7434質量ピークの電子スプレーイオン化質量スペ クトルであり、図14Bは、図14Aの質量スペクトルを再構成したものである 。 図15A,15B及び15Cは、精製と連結の双方のために、固体支持体技術 が用いられたことを示す3つのHPLCクロマトグラムである。図15Aと15 Bはそれぞれ、DNP基を除去する前後の粗ペプチドの溶液プロセスを示す。両 HPLCとも粗ペプチド混合物を示す。図15Cは、図15Aに示すものと同じ ペプチド溶液のHPLCクロマトグラムであり、固体支持体に結合後、DNP基 を除去し、固相から塩基で切断し、相当に純粋な集合ペプチド生成 物としたものである。 図16A及び16Bは、N−末端におけるC−末端方向への固相連続自然連結 によるMIF(1−115)の合成反応系統を示す。 図17Aは、N−末端ペプチドセグメントを修飾するための反応系統である。 図17Bは、第1の保護されていないペプチドセグメントを結合するために用い られる水親和性の固相を修飾することを示す図である。 図18Aは、N−末端が修飾されたMIF(1−59)を固相に結合させるた めの反応系統である。図18Bは、塩基で切断後の遊離したペプチドのHPLC クロマトグラムで、6271Daに予期された質量を有する。図18C及び18 Dは、切断可能ハンドルを切断した後、遊離したペプチドの主成分の電子スプレ ー質量スペクトルである。図18Dは、図18Cを再構成したものである。 図19Aは、樹脂−結合MIF(1−80)を形成する連結工程の図である。 図19Bは、切断可能ハンドルを切断後の生成物のHPLCクロマトグラムであ る。図19C及び19Dは、塩基で切断した後に遊離したペプチドの主成分の質 量スペクトルで、8502Daの予期した質量を有する。図19Dは図19Cの 質量スペクトルを再構成したものである。 図20Aは、樹脂−結合MIF(1−115)を形成するための連結工程の図 である。図20Bは、切断可能ハンドルを切断後の生成物のHPLCクロマトグ ラムである。図20C及び20Dは、塩基で切断した後に遊離した生成物の質量 スペクトルで、12450Daの予期した質量を有する。 図21は、C−末端におけるN−末端方向への固相連結の系統図である。「樹 脂」は固相を示す。三角印とその側方のM−形の相手は、化学選択的に共有結合 を形成する補完的な官能基である。「ハ ンドル」は、固相から集合したペプチドを遊離するために切断されうる切断可能 ハンドルである。波線は、ペプチドセグメントのアミノ酸残基である。「PG」 は、保護基を表し、N−端システインの側鎖チオール又はα−アミノ基のいずれ かに置かれている。工程2及び3は、4でマークされた矢印で示されるように、 追加のペプチドセグメントのために繰返される。また、カップリングと連結反応 をモニターする目的で切断可能なリンカーが、「ハンドル」と「樹脂」の間に加 えられる。 図22は、C−末端におけるN−末端方向へのPLA2G5の固相連続連結の 反応系統である。 図23は、C−末端におけるN−末端方向への固相連続連結によるCamエス テル誘導体を合成する反応系統である。 図24は、C−末端におけるN−末端方向への固相連続連結によるC−末端ペ プチドセグメントを合成する反応系統である。 図25A,B及びCは、2又はそれ以上のペプチドセグメントの双方向固相連 続連結により、集合したペプチドを合成する系統図である。 図26A及びBは、N−末端におけるC−末端方向への3つのペプチドセグメ ントを固相固相自然化学連結された後のHPLCクロマトグラフで、集合したペ プチドであるC5a1−74が生成しでいる。 図27は、ここで述べる固相自然化学連結で用いるためのC−末端ペプチドセ グメントを合成する反応系統であり、合成されたペプチドセグメントを固相から 遊離されるために、CAMエステル切断可能ハンドルを用いている。 図28A及びBは、3つのペプチドセグメントの固相連続連結から生成する集 合したペプチドのHPLCクロマトグラフ及び再構成 されたESI MSである。Fmoc保護基を用い、C末端でのN−末端方向へ の固相における、ペプチドセグメント1(SEQ ID NO:2)(CADRK NILA)、ペプチドセグメント2(SEQ ID NO:3)(CYGRLEEK G)及びペプチドセグメント3(SEQ ID NO:4)(ALTKYGFYG) である。 図29A及びBは、最終の連結生成物、即ち、第3のペプチドセグメント(A LTKYGFYG)に連結した第1の連結生成物のHPLCクロマトグラフ及び ESI MSであり、保護基としてACMを用い、C−末端にてN−末端方向へ の3つのペプチドセグメントの固相連続連結により得られたものである。 図30A−Hは、ホスホリパーゼA2グループ5、118残基蛋白質の合成工 程でのHPLCクロマトグラフ及びESI MSであり、C−末端にてN−末端 方向への4つのペプチドセグメントにつき、固相連続自然化学連結を用いたもの である。第1のペプチドセグメントはPLA2G5 88−118、第2はPL A2G5 59−87、第3はPLA2G5 26−58、第4はPLA2G5 1−25である。図32A及びBは、それぞれ、第1のペプチドセグメントの HPLCクロマトグラフ及び再構成されたESI MSである。図32C及びD は、それぞれ、第1と第2のペプチドセグメント(PLA2G5 59−118 )の連結生成物のHPLCクロマトグラフ及び再構成されたESI MSである 。図32E及びFは、それぞれ、PLA2G5 26−118,PLA2G5 59−118及びPLA2G5 26−58(第3のペプチドセグメント)のH PLCクロマトグラフ及び再構成されたESI MSである。図32G及びHは 、それぞれ、PLA2G5 1−118、集合したポリペプチドのHPLCクロ マトグラフ及び再構成されたESI MSである。 発明の実施の形態 術語 アミノ酸:20の遺伝暗号を付されたアミノ酸を含むアミノ酸、自然界で見つ けることが稀か又は一般的でないアミノ酸、及び、自然には起りえないか又は修 飾されえないようなあらゆるアミノ酸。 水溶液:水を含む溶液、水中に8Mまで尿素を含有するもの、水中に6Mまで のグアニジン・HClを含有するもの、水中に60%までのアセトニトリルを含 有するもの。 集合したポリペプチド:固相連続又は双方向連結で、切断可能ハンドルの切断 後に得られた最終生成物。集合したペプチドは、固相で連続的に連結された分離 ペプチドセグメントを少くとも二つ有する。集合したペプチドは、生物学的活性 を有していても、有していなくてもよい。 切断可能なハンドル:集合したポリペプチドを固相から遊離させるために選択 的に切断されうる切断可能部位。切断可能なハンドルは、カップリング、活性化 、脱保護基、連結、洗浄、及び集合したペプチドの形成に含まれる他の工程にと って好ましい条件下では切断しないように抵抗することが出来るものでなければ ならない。また、切断可能なハンドルは、固相に結合することができる第1のペ プチドセグメントを製造するための条件、例えば、段階的固相ペプチド合成に用 いられる条件で安定でなければならない。好ましくは、切断可能ハンドルは、第 1のペプチドセグメントに直接隣接して位置し、切断可能ハンドルの切断で、所 望の集合したペプチドが固相から遊離する。切断可能ハンドルは、当該分野で用 いられる切断可能ハンドルであれば、どのような変形のものでも選択してよい。 例えば、次のようなものを参照のこと。L.Canne et al.,Tetrahedron Letters,3 8(19):3361-3364(1997);Ball et al.,J.Pept.Sci,1;288-294(1995);Funakoshi e t al,PNAS USA,88:6981-6985(1991);Funakoshi et al.,J.Chromatog.638:21-27(1995);Garc ia-Echeverria et al.,J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,779-780(1995).好ましい切 断可能ハンドルはBoc−HN−CH2−CH2−SO2−CH2−CH2−O −CO−ONp(Boc−HNCH2−MSC−)又は官能性を有する切断可能 ハンドル、X−アミノエチルスルホニルエチルオキシカルボニル(ここで、X= CH3COCH2CH2CH2CONHCH2−MSC−又はX=AOA−NH CH2−MSC−)である。(AOA=アミノオキシアセタール)。他の好まし い切断可能ハンドルは、CAMエステルである。Ceccato,M.L.et al.,Tetrahedron Lett.31:6189−6192(1 990)を参照のこと。 切断可能なリンカー:連結工程のいかなる時点、即ち、第2のペプチドセグメ ントの連結後、第3のペプチドセグメントの連結後、及びその先のようないかな る時点においても、反応混合物の少量のサンプルの質量スペクトル分析を用いて 固相連続連結をモニターするために、選択的に切断されうる切断可能部位。切断 可能リンカーは、カップリング、連結条件、脱保護基条件(もし必要なら)、及 び洗浄条件で安定でなければならない。好ましい切断可能リンカーは、光に不安 定なリンカー及びTFA−不安定リンカーを包含する。 カップリング:第1のペプチドセグメントを固相に共有結合することを包含す る化学選択的反応。 連結:ペプチドセグメントを共有結合で、固相結合ペプチドにすることを包含 する化学選択的反応。 リンカー:共有結合鎖が連結している種々の部位。例えば、リンカーは第1の ペプチトセグメントと固体支持体を連結しうるもので、そのようなリンカーは、 必要により、切断可能ハンドル、切断可 能リンカー、共有結合(即ち、オキシムを形成するアミノ−オキシ及びケトン) を化学選択的に形成しうる補完的な官能基などあらゆる数の部位を有するもので ある。 ペプチド:少くとも二つのモノマーからなるポリマーで、モノマーとしては、 アミノ酸、及びしばしばアミノ酸残基とみなされているものも含み、それらはア ミド結合によって一体化されている。本発明の目的のためには、「ペプチド」、 「ポリペプチド」、及び「蛋白質」という語は、これら3つがここで述べられて いる方法により作られるときは、互に置換可能である。ペプチドは、ポリペプチ ドの代りにも用いられる。アミノ酸は、カイラルアミノ酸のL及びD異性体を包 含する。 ペプチドセグメント:ペプチド又はポリペプチドで、完全な自然的アミド主鎖 又は非自然的アミド主鎖又はそれらの混合を有し、2〜1000の範囲、最も好 ましくは2〜99、さらに好ましくは10〜60、最も好ましくは20〜40の 範囲のアミノ酸残基を有する。各ペプチドセグメントは、自然的アミド結合又は 公知の非自然的ペプチド主鎖のいかなるもの又はそれらの混合を有する。各ペプ チドセグメントは、公知のいずれの合成法によっても得られ、溶液合成法、段階 的固相合成法、セグメント縮合法、収束縮合法などがある。集合したペプチド生 成物を形成するために加えられる最後のペプチドセグメントは、組換え的に発現 される。 保護基:他の官能基と反応しないように官能基を保護しうる化学部位で、アミ ノ酸又はペプチドを形成するのに支障なく脱離可能である。 連続連結:3つ又はそれ以上のペプチドセグメントを、C−末端からN−末端 へ又はN−末端からC−末端へ、所定の方向で連結し、集合したペプチド生成物 を得ること。連続連結の方向性は、常に 、固相−結合の第1のペプチドセグメントから、集合したペプチド生成物を形成 するために加えられる最後のペプチドセグメントの方向へ向かって開始する。 固相:表面を有する物質で、カップリング、脱保護基、及び切断反応に用いら れる有機又は水溶液にさらされたとき、実質的に不溶性である。固相物質の例は 、ガラス、ポリマー及び樹脂を含み、ポリアクリルアミド、PEG、ポリスチレ ンPEG−A,PEG−ポリスチレン、多孔体、POROSTM、セルロース、再 生セルロース(例えばペルローザ)、ニトロセルロース、ナイロン膜、調整され た多孔ガラスビーズ、アクリルアミドゲル、ポリスチレン、活性化デキストラン 、アガロース、ポリエチレン、官能性プラスチック、ガラス、シリコン、アルミ ニウム、鉄、鋼、銅、ニッケル及び金を包含する。そのような物質は、板、シー ト、ペトリ皿、ビーズ、ペレット、円板又はその他の都合のよい形状である。セ ルロースのシートは、本発明における固相として用いられ、立体的な方向への部 分的な連結を可能にする。ここで述べた多くの例と態様は、固相のタイプである 樹脂に関するものであるが、それらの例が樹脂のみを意味し、それに限定される ものではなく、一般的な固相に関するものであることは、当業者なら理解できる だろう。固相及び固体支持体の用語は、互換的に用いられる。 固相−結合ペプチド:固相−結合ペプチドは、少くとも一つのペプチドセグメ ントが、種々の切断可能なリンカー、ハンドル又は部分により結合したものであ る。固相−結合ペプチドは、連続連結反応でのいかなるペプチド生成物中間体を も包含し、最後のペプチドセグメントが後から二番目の固相−結合ペプチドに連 結した後に生成する第1の固相−結合ポリペプチドをも包含する。 チオ酸:イオン化チオ酸部位で、−COSH又は−COS-で表 され、しばしば「ペプチドα−COSH」又は「ペプチドα−COS-」で表さ れるペプチドチオ酸をも云う。 チオエステル:−COSRで表される部位で、しばしばペプチドに結合したも のもある。例えば、ペプチドチオエステルは、「ペプチドα−COSR」と表さ れる。R基は、1〜15炭素数の官能性アルキルで直鎖又は分岐のもの、1〜1 5炭素数の芳香族構造、1〜4アミノ酸又はその誘導体を表し、好ましくは、R は、ペプチド−アルファ−COSRが活性化されたチオエステルであるものから 選ばれる。好ましい具体例は、R=−CH3−O,−Oである。「チオエステル 」の語は、一般に用いられるもので、正しいIUPACの語では「チオロエステ ル」である。Mattys J.Jansenの上掲の文献を参照のこと。 I.N−末端でのC−末端方向への、保護されていないペプチドセグメントの固 相連続自然化学連結 3つ又はそれ以上の保護されていないペプチドセグメントの連続的、多面的連 結により蛋白質を合成することに関する報文は少い。溶液中での遊離ペプチドセ グメントの連続的連結は、結果として、連結後の精製(例えばHPLCによる) を必要とし、中間セグメントの官能性部分の一つを一時的に保護する必要がある 。 本発明の一つの局面は、複数の精製法を必要とせず、中間のペプチドセグメン トを一時的に保護する必要のない、固相連続連結技術である。この戦略は、(1 )固体支持体と化学選択的に反応しうる基で官能性化された切断可能ハンドルで 、ペプチドセグメントのN−末端を修飾すること、及び(2)N−末端にてC− 末端の方向へ、保護されていないペプチドセグメントを連続的に自然化学連結す ること、などの手段を用いる。自然化学連結は、C−末端にα−チオエステルを 有する保護されていないペプチドセグメントを、N− 末端にシステイン残基を有する保護されていない第2のペプチドセグメントと反 応させる。チオール交換は、チオエステル−結合中間体を生じ、それは自動的に 再配列されて、連結部位で自然なアミド結合となる。我々は、N−末端システイ ンとC−末端チオ酸を有するペプチドセグメントは、自然の連結条件では十分に 安定であり、C−末端チオ酸の官能性を一時的に保護する必要がないことを見出 した。したがって、これらのペプチドセグメントは、図1に示すような、3つ又 はそれ以上のペプチドセグメントを含む連続連結工程において、中間的なセグメ ントとして用いることができる。そのような中間セグメントが、固相−結合チオ エステル−含有ペプチドに連結して、固相−結合ペプチドチオ酸を生じると、チ オ酸は容易にチオエステルに変換し、次のペプチドセグメントのN−末端システ インと反応して連結される。引続いて導入されるペプチドセグメントは、炭素原 子に隣接して、互に1,2の関係で、アミノ及びチオール部位を有する非自然的 側鎖とN−末端に反応性がなく保護されていないシステインでないアミノ酸残基 とを持った内部アミノ酸を有しており、非線状の集合したペプチドを生成する。 固相に結合した集合ペプチドを形成するために、別個のペプチドセグメントを多 様に連結することも期待される。全ての連結が完了すると、固相結合ペプチドを 固相に結合しているリンカーは切断され、集合したペプチド、即ち完全な長鎖の ペプチドが遊離される。この技術は、ランダムなペプチドの全体的化学合成の技 術的順序(実施例における表1)に適用されるもので、ヒトのマクロファージマ イグレーションインヒビトリー要因(MIF)、免疫システムの機能に含まれる 115アミノ酸サイトカインに適用される。図16〜20を参照のこと。 A.ペプチド合成 ペプチドセグメントは、機械的補助手段による固相方法で段階的に合成され、 その方法は、Boc化学(L.Canne等、Tetrahedron Let t.38:3361−3364(1997))のために中和/HBTU活性化プロト コールの場で用いられるポリスチレン樹脂上で、Boc−アミノアシル−OCH2 −PAM樹脂、チオエステル発生樹脂(Hojo等、Bull.Chem.So c.Jpn.64:111−117(1991))、又はチオ酸発生樹脂の上など で行われる。連鎖の集合が完了した後、ペプチドは脱保護基され、同時に、5% p−クレゾールを含有する無水HFで処理することにより樹脂から切断され、凍 結乾燥され、準備されているHPLCにより精製される。N−末端ペプチドセグ メントは、図17Aに略図として描かれているように、HF切断に先立って修飾 される。 B.固相の調製 固相は、図5A及び5Bに図示されているようにして調製される。図5Aは、 固体支持体としてPEGA樹脂を調製する系統図である。図5Bは、あらゆる固 相を調製するための一般的な系統図である。アミノ−SpheriloseTM( Isco)親和性樹脂は、図17Bに示されるようなBoc−アミノオキシ酢酸 を用いて誘導される。固相として用いられる他の樹脂は、EAHセファロース( Pharmacia)、アミノPEGA(Novabiochem)、CLEA R塩基樹脂(Peptides International)、長鎖アルキル アミン調節された多孔ガラス(Sigma)、HCl・PEGポリスチレン(P erSeptive Biosystems)、リジンハイパーD樹脂(Bio sepra)、ArgoGel塩基樹脂(Argonaut Technolo gies)などである。これらの樹脂は、アミノ誘体の形成に有用 であり、又は、アミノ誘導体の形に速やかに変換される。 C.修飾されたN−末端ペプチドセグメントの固相へのカップリング 図17Aに図示されているように、ケトン部位を有する修飾されたペプチドは 、6Mグアニジン・HCl,0.1M Naアセテート、0.15Mメチオニン にpH4.6(1.6mM)で溶解され、前もって十分に同じ緩衝液で洗浄され たアミノオキシ活性化固体支持体に加えられ、室温で一晩反応させられる(図1 6A、工程#1)。 II.N−末端でのC−末端方向への連結 A.連結反応。樹脂−結合ペプチドチオエステルに連結されるペプチドセグメ ントは、6Mグアニジン・HCl,0.1M Naアセテート、0.15Mメチ オニン、0.5%チオフェノール中にpH7.5(3.7〜4.0mM)で溶解 され、十分に同じ緩衝液で洗浄された樹脂結合ペプチドチオエステルに加えられ 、室温で一晩反応させられる(図16A及び16B、工程#2及び4)。好まし くは、第1のペプチドセグメントの濃度は、1〜150mM、より好ましくは5 〜100mM、最も好ましくは10〜50mMの範囲であり、特定のペプチドセ グメントに従って選択される。 第1のペプチドセグメント及び第2及び他の後から導入される追加的ペプチド セグメントの濃度は定型的な実験により最適化できることは、当業者には理解で きよう。第2の又は追加的ペプチドセグメントの濃度は、1〜200mM、より 好ましくは5〜100mM、最も好ましくは10〜59mMであり、特定のペプ チドセグメントに従って選択される。 過剰な第1のペプチドセグメント及び/又は過剰の追加的ペプチドセグメント は、濾過又は洗浄により固相結合ペプチドから速かに 除去される。 B.臭化酢酸又はヨウ化酢酸を用いたチオ酸のチオエステルへの変換 臭化酢酸又はヨウ化酢酸の使用は、ペプチド−αCOSHチオ酸からペプチド −αCOSRチオエステルを生じさせる改良された方法である。長鎖の保護され ていないペプチドの溶解性を確認するために、6Mグアニジン・HClがpH4 で用いられる。反応はほゞpH4で進行する。この条件下で、臭化酢酸又はヨウ 化酢酸と反応しうる基は、チオ酸のみである。ベンジルブロマイドは、疎水性の 化合物であり、溶液中には完全には溶解せず、遅い、不均一な反応になる。臭化 酢酸又はヨウ化酢酸を用いることの利点は、両者とも6Mグアニジン・HCl( 水溶液)にほゞpH4で速かに溶解し、所望の反応が速かに完了し、典型的な逆 相HPLCの孔容積中に溶出し、多量のペプチドセグメントを生成するというこ とである。 樹脂結合ペプチドチオ酸は、6Mグアニジン・HCl,0.1M Naアセテ ート、0.15MメチオニンでpH4.6にて十分に洗浄され、同じ緩衝液中の 50mMの臭化酢酸溶液で15分間処理され、pH4.6の緩衝液で十分に洗浄 される(図16B、工程#3)。 C.固相からの切断 N−末端でのC−末端方向への連結に用いられる切断可能ハンドルは、連結の 条件で安定で、段階的な固相での化学物質にも安定でなければならず、固相に保 護されていない形で共有結合し、集合したポリペプチドを傷つけずに切断可能で なければならない。この要求を満す切断可能なハンドルはどれでも使用でき、次 のようなものが含まれるが、これらに限定はされない。即ち、MSCハンドル、 光不安定性リンカー、CAMエステル(−OCHCONH−)、( −O−CH2−O−SO−CH2−CO−)、(−O−CRH−CO−O−O− CH2−CO−)。例えば、(−O−CH2−O−SO−CH2−CO−)は、 次のようないずれの条件でも切断可能なハンドルとして用いられる。(1)HF ,DMS,(2)SciC14,TFA、又はスルホキシドのレッド(red) 及びTFA切断、(3)NaOH、水、(4)スルホキシドのレッド(red) 及びDMF中のTBAF.Samamen,J.M.,J.Org.Chem. 53:561(1988)を参照のこと。もう一の例として、(−O−CRH− CO−O−O−CH2−CO−)は、次のようないずれの条件でも切断可能ハン ドルとして使用できる。(1)NaOH、水(CAMリンカー)、(2)ZnC H3COOH/水、(3)光照射。Tjoeng et al.,Synthesis 897(1981);Sheeha n et al.,J.Org.Chem.38:3771(1973);Serebryakov et al.,Tetrahedron 34 :345(1978);Hendrickson et al.,Tetrahedron Lett.343(1970);Ceccato,M.L.et al.,Tetrahedron Lett.31:6189-6192(1990);J.Martinez et al.,Tetrahedron L ett.41:739(1985)などを参照のこと。ここで述べられている目的のために、公知 の適切な切断可能ハンドルが用いうることは当業者には容易に理解できよう。 固相から集合したポリペプチドを遊離させるために、リンカーを切断する条件 としては、特に、MSCハンドルが用いられる場合には、次のような条件が用い られる。分取された樹脂−結合ポリペプチドは、6Mグアニジン・HCl,0. 1M Naアセテート、0.15Mメチオニンで、200mMヒドラジン含有状 態でpH〜14で2分間処理され、等量の6Mグアニジン・HCl,0.1 N aアセテート、0.15Mメチオニン、pH〜2及び等量の6Mグアニジン・H Cl,0.1M Naアセテート、0.15Mメチオニン、pH4.6を用いて 洗浄する。遊離のペプチドの複合溶離液は、HPLC分析及び電子スプレー質量 分光分析計で分析される (図16B、工程#5)。 II.C−末端でのN−末端方向への固相連結 上述のN−末端でのC−末端への連結についての説明は、全く同様にC−末端 でのN−末端への連結に適用できるが、図23に示すように次の場合は除かれる 。(1)第1のペプチドセグメントがC−末端により固相に結合しているとき、 即ち、取得される集合したポリペプチドのC−末端ペプチドセグメントが切断可 能なハンドルで修飾されたものであるとき、及び(2)後から投入される(即ち 、第2、第3、さらに追加的の)ペプチドセグメントが、それらのN−末端シス テインを一時的に保護する必要があるとき、などである(工程2〜4を参照)。 必要により、追加の又は中間のペプチドセグメントの全てのシステイン残基は、 N−末端システインにて、一時的に保護される。 系統図(図23)に概要を示すように、切断可能ハンドルを有するC−末端ペ プチドセグメントは、固体支持体(例えば、樹脂)上の対応する官能基と反応し て固体支持体に結合される。該官能基とは、例えば、オキシム結合(樹脂上のア ミノオキシエチル基及びペプチドのケトン〔レブリン酸による〕)、又はその逆 のケース(ペプチド上のアミノアセチル基及び固体支持体上のケトン)などであ る。 第1のペプチドセグメントが図21の工程1に示すように固相に結合すると、 N−末端保護のCys(PG−Cys)及びC−末端チオエステルを有する追加 の(第2の)ペプチドセグメントが、自然化学連結反応により、樹脂−結合の第 1のペプチドセグメントの保護されていないN−末端Cysと反応する。連結が 完了した後、N−末端Cysの保護基は除去され(図21の工程3)、次のペプ チドセグメントが追加される(図21の工程4/2)。全ての連結 が完了すると(図21の工程5)、樹脂に連続的に連結したペプチドに結合して いるハンドルは切断され、完全な長鎖のペプチドが遊離する。このC−末端から N−末端への技術は、ランダムなペプチドの全体的化学合成の技術的順序に適用 されるもので、ヒトの分泌腺のホスホリパーゼA2、グループ5(「PLA2G 5」)、118アミノ酸エンザイムなどに適用できるが、これらについては以下 に述べられる。 A.ペプチド合成 C−末端でのN−末端方向への固相連続自然化学連結によるペプチド合成は、 N−末端でのC−末端方向への固相連続自然化学連結について上記で述べたのと 本質的に同じである。 下記実施例7での、ペプチドセグメントの再段階的固相ペプチド合成の詳細を 参照のこと。 B.固相の調製 C−末端でのN−末端方向へのための固相の調製は、N−末端でのC−末端方 向について述べたのと同じである。 C.固相への修飾されたC−末端ペプチドセグメントのカップリング 固体支持体への修飾されたC−末端ペプチドセグメントのカップリング条件は 、上述の、N−末端でのC−末端への連結において、修飾されたN−末端のカッ プリングについて概説したことと同様である。 D.C−末端でのN−末端方向への連結 C−末端でのN−末端方向への自然化学連結反応の条件は、上述の、N−末端 でのC−末端方向への連結につき概説したことと同様であるが、ペプチドセグメ ントを有するN−末端システインが固相結合であり、ペプチドセグメントを有す る追加のチオエステルが溶 液中であることは除かれる。 E.システイン保護基と脱離 ペプチドセグメントのN−末端Cysを保護するに適した公知の保護基はいず れも使用可能であるが、その条件として、連結条件で安定であること、リンカー を加える条件で安定であること、固相結合ペプチド、リンカー、樹脂、又は、切 断可能ハンドルを用いる場合は、それらに有害でないような条件下でペプチドセ グメントから脱離可能であることが必要である。保護基は、また、段階的固相ペ プチド合成条件で安定でなければならない。保護基の一つの例はACM(アセト アミドメチル)であり、これは、システイン側鎖保護(−SCH2NHCOCH 3)を与え、水銀(II)アセテート、又は他の適切な試薬で切断可能である。F moc(9フルオレニルメチルカルバメート)は、アルファアミノ保護を与え、 DMF中で20%ピペリジンで切断され、疎水性ペプチドについて良好に作用す る。DNPE(2−(2,4−ジニトリフェニル)エチル)は、システイン側鎖 保護を与え、DMF中で50%ピペリジンで切断が起る。パラ−ニトロベンジル スルホニルは、アルファアミノ保護を与え、DMF中で1M DBU/IMベー ターメルカプトエタノールで切断される。追加的なシステイン保護基は、次のよ うなものを包含するが、それらに限定されない。即ち、Sulfmoc,NSC,Dde,Boc -Cys(Acm)-OH,Fmoc-Cys-(Mob)-OH,Boc-Cys(Fm)-OH,及びBoc-Cys(DNPE,-OH,ここ でAcm=アセトアミドメチル,Mob=メトキシベンジル,Dnpe=2-(2,4-ジニトロフェ ニル)エチル,Fm=9-フルオレニルメチルなどである。Protective Groups in Org anic Synthesis,Green,T.W.及びWuts,P.G.M.eds,(2d Ed.1991),特にp.293-294, 318-319,R.Merrifield,J.Org.Chem.43:48084816(1978);VV.Samukov et al.,Tetr ahedron Lett.35:7821-7824(1994);B.W.Bycroft et al.,J.Chem.Soc.Chem.Comm. 776-777(1993);M.Royo et al.,Tetrahedron Lett.,33:2391-2394 (1992);S.C.Miller,J.Am.Chem.Soc.119:2301-2302(1997)などを参照のこと。あ る種の保護基は、ペプチドセグメントを溶解させない。例えば、ある種の疎水性 ペプチドセグメントは、保護基の付加で不溶性になる。ペプチドセグメントに対 する保護基として、特定のいかなるものでも、その適合性を確かめることは当業 者であれば容易になしうる。 Cys保護基としてのFmocの脱離。一つの態様は、固相結合ペプチドのN −末端CysからFmoc保護基を脱離させることを含む。N−末端のFmoc −Cysでのペプチドの連結後、樹脂結合ペプチドは6Mグアニジン・HCl, 0.1M NaPi,0.15MメチオニンでpH7で洗浄され、次いで水、次 いでDMFで洗浄される。それから樹脂は、DMF中の20%ピペリジンでそれ ぞれ5分間2回分取され処理される。次いで樹脂は、DMFで十分に洗浄され、 次いで水、次いで6M・グアニジン・HCl,0.1M NaPi,0.15M メチオニンで5分間処理される。 Cys保護基としてのACMの脱離。N−末端Cys(ACM)でのペプチド の連結後、樹脂結合ペプチドは、6Mグアニジン・HCl,0.1M NaPi ,0.15MメチオニンでpH7にて洗浄され、次いで3%酢酸水溶液で洗浄さ れる。次いで、樹脂は、3%酢酸水溶液(15mgs/ml)中の水銀(II)ア セテート溶液で30分間処理され、次いで、3%酢酸水溶液で洗浄される。次に 、樹脂は、6Mグアニジン・HCl,0.1M NaPi,0.15Mメチオニ ンでpH7にて洗浄され、次いで、6Mグアニジン・HCl,0.1M NaP i,0.15Mメチオニン中の20%ベーターメルカプトエタノールで処理され る。次いで、樹脂は、6Mグアニジン・HCl,0.1M NaPi,0.15 MメチオニンでpH7にて洗浄される。 F.固相からの切断 切断可能ハンドルは、N−末端でのC−末端方向、C−末端でのN−末端方向 及び両方向(即ち、N−末端にてC−末端方向及びC−末端にてN−末端方向の 双方向)への連結で、固相から固相結合ペプチドを切断するために用いられる。 C−末端でのN−末端方向の固相連続自然化学連結のため(及び、C−末端での N−末端連結に用いる双方向連結のため)、切断可能ハンドルの必要性は、N− 末端でのC−末端方向の場合に有用であるのと同様であり、固相結合ペプチドの N−末端システインから保護基を脱離させるために用いられる条件で、切断可能 ハンドルが安定であるという必要性が、さらに追加される。 固相へのペプチド−CAMエステル連結の切断。分取された固相結合ペプチド は、8M尿素、0.1M NaPiでpH7にて洗浄され、次いで2分間、同じ 8M尿素緩衝液中の0.25N NaOHで処理される(結果としてのpH〜1 4)。次いで樹脂は、同じ8M尿素緩衝液中の0.25N HClの等量で洗浄 され(結果としてのpH〜2)、8M尿素緩衝液で十分に洗浄される。遊離ペプ チドの混合した溶出液はHPLC及び電子スプレー質量分光分析で分析される。 III.双方向固相連続自然化学連結 さらに本発明のもう一つの態様は、双方向固相連続自然化学連結に関し、N− 末端でのC−末端方向及びC−末端でのN−末端方向の双方向の連続固相蛋白質 合成へのアプローチの面も有している。双方向へのアプローチにおいて、N−末 端システイン及び/又はC−末端チオエステルのいずれか又は両方を有するペプ チドセグメントは、側鎖のアミノ酸残基の一つにより固相に結合している。図2 5A,B,Cを参照のこと。次いでペプチドセグメントは、いずれ かの末端で第2のペプチドセグメントと連結し、次いで、他の末端で第3のペプ チドセグメントと連結する。この双方向のアプローチにおいて、固相に結合した ペプチドセグメントが、N−末端システイン及びC−末端チオエステルの両方が 保護されている場合は、第2及び第3のペプチドセグメントは、両方の端で引続 いて連結が行われる。追加のペプチドセグメントは、次に、連結された固相結合 ペプチドのいずれかの末端に追加される。いずれかの方向への連結は、C−末端 でのN−末端方向又はN−末端でのC−末端方向への連結につきここで述べられ た方法を用いて完遂される。 代りに、固相に対し、内部アミノ酸残基の一つによって結合している第1のペ プチドセグメントは、一方向連結のためにのみ用いられる。例えば、固相結合ペ プチドセグメントは、一つの末端で第2のペプチドセグメントと連結され、第2 のペプチドセグメントの同じ末端で、追加のペプチドセグメントと一つ又はそれ 以上の連結が行われる。この態様においては、固相結合ペプチドセグメントは、 C−末端でのN−末端方向への又はN−末端でのC−末端方向への連続固相自然 化学連結のいずれかのために用いられる。この態様では、固相結合ペプチドセグ メントは、双方向に可能(即ち、保護されたN−末端システイン及びC−末端チ オエステルの両方を有している)であり、一方、一方向の連続連結のためにも用 いられる(即ち、保護されたN−末端システイン又はC−末端チオエステルのい すれかを有している)。 第1のペプチドセグメントは、側鎖のアミノ酸残基の一つにより固相に結合し 、切断可能ハンドルにも結合しており、また、固相上の補完的な化学官能部位と 化学選択的に共有結合を形成しうる官能性の化学部位により固相に結合している 。このことは図25に示す通りである。 例えば、第1のペプチドセグメントは、側鎖のリジン、アスパルティック酸、 又はグルタミン酸により固相に結合しており、その場合、アリルオキシカルボニ ル(allc)又はFmocのような例えば直交条件下で切断可能な官能性に基 く切断可能ハンドルが、側鎖のリジン、アスパルティック酸又はグルタミン酸に より固相に、ペプチドセグメントを結合させるために用いられる。もう一つの例 として、オキシム結合が、第1のペプチドセグメントと固相によって形成され、 その場合は、第1のペプチドセグメントは、アミノオキシ又はケトンのような化 学選択的基を有し、固相は、ケトン又はアミノオキシのような補完的な化学選択 的基をそれぞれ有している。 V.切断可能なリンカーの使用及び連結反応をモニターするための質量分光分析 種々の公知の切断可能なリンカーが、固相連続連結をモニターするために用い られる。これらの切断可能なリンカーは、固相と切断可能ハンドルが結合した第 1のペプチドセグメント、即ち、固相−切断可能リンカー−切断可能ハンドル− ペプチドセグメントの間に置かれる。切断可能リンカーは、容易に切断されうる もので、カップリング及び連結反応をモニターするために少量の固相結合ペプチ ドを質量分光分析で分析することができる。 例えば、固相が樹脂ビーズからなるときは、カップリング反応又は各連結反応 の後、反応の程度を決定するために、反応混合物から少量の樹脂ビーズを採取し て行うことができる。特に好ましい切断可能リンカーは、MALDI質量分光分 析のための光不安定性切断可能リンカーで、3−ニトロ−4(メチルアミノ)ベ ンゾイル−を包含する。図5Aを参照のこと。反応混合物を少量分取することは 、MALDI MS分析のために行われ、そして該混合物はマトリ ックス溶液との混合状態でスライド上で乾燥される。MALDI質量分光分析計 のレーザーは、質量分光分析計のステージ上の光不安定リンカーを切断し、遊離 したペプチドの質量分析が行われる。 もう一つの好ましい切断可能リンカーは、TFA(トリフルオロ酢酸)により 切断可能なものであり、電子スプレーイオン化質量分光分析のために有用である 。TFA−切断可能リンカーでは、ペプチドは、ESI MSの前に固相から切 断される。 実施例 実施例1:N−末端でのC−末端方向への連結のための固相の調製 固相の調製は、図5の系統図に示す。固相は樹脂であり、例えば、アミノPE GA(0.2〜0.4mmol/gメタノール中膨潤)又はアミノ−スフェリロ ース親和性樹脂(15〜20Tmol/ml,0.6〜0.9mmol/g乾燥 樹脂)であって、Pharmacia, Nova Syn又はIscoから入 手できる。樹脂(PEGA又はIsco)は、DMF(ジメチルスルホアミド) で洗浄され、次いで、10%DIEA(ジイソプロピル エチルアミド)で簡単 に洗浄される。DMFによる流動洗浄で30秒間、2回行うのがよい。光切断可 能リンカー(PCL)(図5A参照)は、1当量のHBTU(2−(1H−ベンゾト リアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチル−ウロニウム ヘキサ フルオロホスフェート)及びDMF中のDIEAで5〜10分間)活性化される 。こうして活性化された光切断可能リンカーは、次いで、樹脂に加えられ、室温 で〜3時間放置される(ニンヒドリンが、Iscoの場合に用いられる)。 30秒間のDMF流動洗浄が2回行われ、次いで、TFA(1分間×2)、2 〜30秒間のDMF流動洗浄が行われる。残りの工程 は、省略した形で記す。 −10%DIEA(1分間×2) −DMF流動洗浄(30秒間×2) −活性化されたBoc−アミノオキシ酢酸(1当量のDIC及びN−ヒドロキ シサクシンイミドでDMF中30〜60分間で活性化したもの)の添加 −室温で〜1時間放置(ニンヒドリンが、Iscoの場合に用いられる) −DMF流動洗浄(30秒間×2)〔樹脂はこの段階で貯蔵〕 −TFA(1分間×30) −DMF流動洗浄(30秒×2) −10%DIEA(lin×2) −DMF流動洗浄(30秒間×2) −緩衝水溶液で十分に洗浄(6M Gu HCl,0.1M Naアセテート 、pH4.6)(1ml×5) 実施例2:N−末端でのC−末端への連結のための、第1の保護されていないペ プチドセグメントの調製 次の工程が、第1のペプチドセグメント(N−末端)を調製するために用いら れ、図6,7A及び7Bに図示する。 ペプチド−樹脂はDMF中で膨潤させられる。 −TFA(1分間×2) −DMF流動洗浄(30秒間×2) −10%DIEA(1分間×2) −DMF流動洗浄(30秒間×2) −DMF中にMSCハンドルの添加 −室温で1時間放置 −DIEA添加及びさらに1時間放置 −十分なカップリングを確かめるためにニンヒドリン試験を行う −DMF流動洗浄(30秒間×2) −TFA(1分間×2) −DMF流動洗浄(30秒間×2) −10%DIEA(1分間×2) −DMF流動洗浄(30秒間×2) −活性化されたレブリン酸の添加(DCM中0.5当量のDICで5〜10分 間、対称無水物として活性されたもの) −室温で30分間放置 −十分な連結を確認するためニンヒドリン試験 −DMF流動洗浄(30秒間×2) −DCMで十分に洗浄 −凍結乾燥器で乾燥 −捕集剤としてp−クレゾールを用い、0℃1時間でHF切断 −粉砕して冷エチルアセテートで洗浄 −50%Bに溶解して凍結乾燥 −HPLCで精製実施例3:水溶液中での、N−末端でのC−末端方向への、ランダムペプチドセ グメントの固相自然化学連結 次の工程は、N−末端でのC−末端方向への固相連結に用いられるもので、表 1に図示する通りである。自然化学連結の一般的な原理は、この明細書の参考文 献にあるWO96/34878,PCT/US95/05668に開示されてい る。 樹脂は、6Mグアニジン・HCl,0.1M Naアセテート、pH4.6( 1ml×5)にて洗浄され、水切りされる。修飾されたN−末端ペプチドセグメ ントは、6Mグアニジン・HCl,0.1M NaアセテートにpH4.6にて 溶解され、樹脂に加えられ、室温で一晩放置される。(第1のセグメントの濃度 は少くとも5mMである)。次の朝、樹脂は、6Mグアニジン・HCl,0.1 M Naアセテート、pH4.6(1ml×5)にて洗浄され、水切りされる。 樹脂のサンプルが、MALDI MS分析のため採取され、50%B、メタノー ル、DCMで洗浄され、乾燥される。樹脂のサンプルが、塩基による切断のため に採取され、200φ1 6Mグアニジン・HCl,0.1M NaPi,20 0mMヒドラジンでpH〜14にて処理され、乾燥され、樹脂は、200φ1 6Mグアニジン・HCl,0.1M Naアセテート、200mMヒドラジンで pH〜2にて、次いで、200φ1 6Mグアニジン・HCl,0.1M Na アセテートでpH4.6にて洗浄され、溶出液混合物は、HPLCに注入する前 にTCEPで処理される。 次のペプチドセグメントを追加する準備として、樹脂は、6Mグアニジン・H Cl,0.1M NaPiでpH7.5(1ml×5)にて洗浄され、水切りさ れる。第2のペプチドセグメント(Cys−COSH)は、6Mグアニジン・H Cl,0.1M NaPi,pH7.5,0.5%チオフェノール、に溶解され 、樹脂に添加 される。この混合物は室温で一晩放置される。次の朝、樹脂は、6Mグアニジン ・HCl,0.1M Naアセテート、pH4.6〔1ml×5)にて洗浄され 、水切りされる。樹脂のサンプルが、Maldi及び塩基での切断のために採取 され、上記と同様に処理される。 固相結合ペプチドは、次いで、6Mグアニジン・HCl,0.1M Naアセ テート、pH4.6中で50mM BrAcOHにより樹脂を15分間処理する ことにより、COSHからCOSAcに変換される。 樹脂は、6Mグアニジン・HCl,0.1M Naアセテート、pH4.6( 1ml×5)にて洗浄され、水切りされる。 次のペプチドを追加するための準備として、樹脂は、6Mグアニジン・HCl ,0.1M NaPiでpH7.5(1ml×5)にて洗浄され、水切りされる 。最後のペプチドセグメントは、6Mグアニジン・HCl,0.1M NaPi ,pH7.5,0.5%チオフェノールに溶解され、樹脂に添加される。この反 応混合物は、室温で一晩放置される。次の朝、樹脂は、6Mグアニジン・HCl ,0.1M Naアセテート、pH4.6(1ml×5)にて洗浄され、水切り される。樹脂のサンプルは、MALDI MS分析によるモニタリングのため採 取される。 集合したペプチドは、残った樹脂から切断可能ハンドルを塩基で切断すること により固相から遊離されるが、上記に概説したように、大スケールの場合のみで は、次にHPLCによる精製又はPD−10カラムでの脱塩を行い、凍結乾燥を 行う。 実施例4:N−末端でのC−末端方向への、C5a(1−74)(74aa)の固相 自然化学連結 この例では、C5a、補完因子5AのN−末端でのC−末端方向 への固相連続自然化学連結につき述べる。C5aの連鎖は、(SEQ ID NO.?)TLQ KKIEEIAAKYKJSVVKKCCYDGACVNNDETCEQRAARISLGPKCIKAFTECCVV ASQLRANISHKDMQLGR . このペプチドは、3つのペプチドセグメント、即ち、C5a(1−20),C 5a(21−46)、及びC5a(47−74)の固相連続自然連結を用いて調 製される。固相連結によるC5aの合成に用いられる工程は、MIFの固相連続 自然連結で述べたと同様である(実施例5参照)。 実施例5:N−末端でのC−末端方向への、MIF(1−115)(115aa)の 固相連続自然化学連結 MIF(1−115)の連鎖は、(SEQ.ID.NO. ):MPMFIVNTNVPRASVPDGFL SELTQQLAQATGKPPQYIAVHVVPDQLMAFGGSSEPC ALCSLHSIGKIGGAQNRSYSKLLCGLLAERLRIS PDRVYINYYDMNAASVGWNNSTFAである。 このペプチドは、3つのペプチドセグメント、即ち、MIF(1−59),MI F(60−80)及びMIF(81−115)の固相連続自然化学連結を用いて 調製される。図16−20を参照のこと。 工程#1:第1の保護されていないペプチドセグメントMIF(1−59)は 、図18に図示されているように固相に結合される。カップリング条件は、6M グアニジン・HCl,0.1M Naアセテート、0.15MメチオニンでpH 4.6にて24時間である。 用いられるMSCハンドルは、 この切断可能ハンドルは、メチルスルホニルエチルオキシカルボニ ル(MSC)アミン保護基に基いている。それは、ペプチド−樹脂の保護されて いないアミノ末端に容易に付加し、HF脱保護と樹脂からの切断に対して耐える ことができ、塩基水溶液により速かに、きれいに切断され、種々の官能性を持っ て誘導される保護されたアミンを有するよう設計されている。 工程#2:第2の保護されていないペプチドセグメント(Cys60−MIF (61−80)−COSH)は、6Mグアニジン・HCl,0.1M NaPi ,0.5%チオフェノール、0.15MメチオニンでpH7.5にて24時間と いう条件下で、固相に結合した第1の保護されいないペプチドセグメントに連結 される。 工程#3:固相結合ペプチドMIF(1−80)−COSHは、次いで、50 M BrCH2COOH,6Mグアニジン・HCl,0.1M Naアセテート 、0.15MメチオニンでpH4.6にて15分間という条件下でチオエステル に活性化される。 工程#4:第3の保護されていないペプチドセグメント(Cys81−MIF 82−115−COOH)は、6Mグアニジン・HC1,0.1M NaPi, 0.5%チオフェノール、0.15MメチオニンでpH7.5にて24時間の条 件で、固相結合ペプチドに連結される。 工程#5:固相に結合したMIF(1−115)は、次に、切断条件下で、切 断可能ハンドルの塩基による切断で、固体支持体から切断される。その条件は、 6Mグアニジン・HCl,0.1M Naアセテート、0.15Mメチオニン、 200mMヒドラジンでPH−14にて2分間であり、続いて、6Mグアニジン ・HCl,0.1M Naアセテート、0.15Mメチオニン、200mMヒド ラジンでpH−2にて行われる。塩基による切断で遊離される集合したペプチド MIF(1−115)の期待される質量は12450 Daである。図20C及び20Dは、12450の期待される質量を有する集合 したペプチドの質量スペクトルである。図20Dは、図20Cの質量スペクトル を再構成したものである。図20Bは、集合したペプチドのHPLCクロマトグ ラムである。 実施例6:C−末端でのN−末端方向への、ホスホリパーゼA2、グループ5( 1−118)(118aa)の固相自然化学連結 ホスホリパーゼA2、グループ5(PLA2G5)の連鎖は、(SEQ ID NO:):G LLDLKSMIEKVTGKNALTNYGFYGCYCGWGGRGTPKDGTDWCCWAHDHCYGRL EEKGCNIRTQSYKYRFAW GVVTCEPGPFCHVNLCACDRKLVYCLKRNLRSYNPQYQ YFPNILCSである。このペプチドは、 4つのペプチドセグメント、即ち、PLA2G5(1−25),PLA2G5( 26−58),PLA2G5(59−87),PLA2G5(88−18)の固 相連続自然連結を用いて調製される。固相連結によりPLA2G5を合成するの に用いられる工程は、実施例9で述べるように、中間セグメントのN−末端Cy s残基をACMで保護することによるランダム連続のものを合成するために用い られる方法と同様である。反応系統は、図22を参照のこと。Camエステル誘 導体が合成され、図23,24/図27の系統図に従ってC−末端ペプチドセグ メントに合体される。 実施例7:修飾されたC−末端ペプチドセグメント(樹脂上CAMリンカー合成) (図27)の調製 選択される市販の樹脂(MBHA,Boc−AA−OCH2−Pam樹脂はい ずれも可)は、DMF中で膨潤される。 −TFA(1分間×2)(MBHA樹脂を用いて行うときは不要) −DMF流動洗浄(30秒×2) −活性化されたBoc−Lys(Fmoc)−OH(HBTU/DIEA活性 化)の添加、10〜15分後にニンヒドリン試験で反 応の完了をチェックする。 −DMF流動洗浄(30秒間×2) −TFA(1分間×2) −DMF流動洗浄(30秒間×2) −DMF中の10%DIEA(1分間×2) −活性化臭化酢酸(DCM中で0.5当量のDICで5〜10分間対称無水物 として活性化されたもの)を添加し、30分後に、ニンヒドリン試験で反応の完 了をチェックする。 −DMF流動洗浄(30秒間×2) −DMF中、20%DIEA中におけるシーケンス(Boc−AA−OH)2 Mの最初のBoc−保護アミノ酸を添加する。室温で3時間放置する。 −DMF流動洗浄(30秒間×2) −Boc化学物質に対する標準プロトコールによりシーケンスの残を合成する 。 −DMF中20%ピペリジンで処理(5分間×2)ことにより、Fmoc基を 脱離させる。 −DMF流動洗浄(30秒間×2) −活性化されたレブリン酸(DCM中で0.5当量のDICで対称無水物とし て活性化されたもの)を添加し、30分後に、ニンピドリン試験で、反応の完了 をチェックする。 −DMF流動洗浄(30秒間×2) −DCMで十分洗浄 −十分に樹脂を乾燥 −捕集剤としてp−クレゾールを用い0℃、1時間でHF切断する。 −粉砕して、冷エチルエーテルで洗浄 −HPLC緩衝水溶液に溶解し、凍結乾燥 −HPLCで精製 実施例8:Fmoc保護を用い、C−末端でのN−末端方向への、ランダムペプ チドセグメントの固相自然化学連結 以下の工程は、表2の系統図に示すように、C−末端でのN−末端方向への固 相連結に用いられるものである。例えば、(SEQ ID NO:?):ALT KYGFYGCYGRLEEKGCADRKNILAのランダムペプチドは、3 つのペプチドセグメント、即ち、セグメント1=CADRKNILA、セグメン ト2=CYGRLEEKG、及びセグメント3=ALTKYGFYG、に連結さ れる(C−末端からN−末端方向へ)。 樹脂は、6M Gu・HCl,0.1M Naアセテート、pH4.6(1m l×5)にて洗浄され、水切りされる。修飾されたC−末端ペプチドセグメント (第1のペプチドセグメント)は、6M Gu・HCl,0.1M Naアセテ ート中にpH4.6(5mM第1のペプチドセグメント)にて溶解され、樹脂に 加えられ、室温で一晩放置される。樹脂は、6M Gu・HCl,0.1M N aアセテートでpH4.6(1ml×5)にて洗浄され、水切りされる。サンプ ルは、塩基による切断のために採取され、8M尿素、0.1M NaPiでpH 7にて処理され、同じ8M尿素緩衝液(結果のpH〜14)中で0.25N N aOHで2分間処理され、同じ8M尿素緩衝液(結集のpH〜2)中で等量の0 .25N HClで洗浄され、溶出液混合物は、HPLCに注入される前にTC EPで処理される。 次のセグメントを追加するための準備として、樹脂は、6M Gu・HCl, 0.1M NaPiでpH7.0(1ml×5)にて洗浄され、水切りされる。 第2のペプチドセグメント(Fmoc− Cys−ペプチド−COSR)は、6M Gu・HCl,0.1M NaPi, pH7.0,0.5%チオフェノールに溶解され(少くとも10mMから50m Mまでのペプチドセグメント)、樹脂に加えられ、混合物は室温で一晩放置され る。樹脂は、6M Gu・HCl,0.1M NaPi,pH7.0(1ml× 5)、水(1ml×5)、DMF(1ml×5)で洗浄され、DMF中での20 %ピペリジンで2回(各5分間)処理することにより、Fmoc保護基が取り除 かれる。次いで、樹脂は、DMF(1ml×5)、水(1ml×5)及び6M Gu・HCl,0.1M NaPi,pH7(1ml×5)で洗浄される。樹脂 のサンプルは採取され、上記と同様にして塩基により切断される。 最後のペプチドセグメントは、6M Gu・HCl,0.1M NaPi,p H7.0,0.5%チオフェノールに溶解され、樹脂に加えられる。混合物は、 室温で一晩放置される。次いで、樹脂は、6M Gu・HCl,0.1M Na Pi,pH7.0で洗浄され、残った樹脂から切断可能ハンドルを塩基で切断す ることにより固相から集合したペプチドを遊離させるが、上記に概説したように 、大スケールの場合にのみは、続いて、HPLCによる精製又はPD−10カラ ムでの脱塩を行う。 これらの方法は、システイン残基を有するいかなるペプチドを作る場合にも適 用可能である。 実施例8A:DNPE保護を用いた、C−末端でのN−末端方向への、ランダム ペプチドセグメントの固相自然化学連結 DNPE(2−(2,4−ジニトロフェニルエチル))は、C−末端でのN−末端 方向への連結に用いられる、もう一つの、システイン側鎖保護基である。保護基 としてDNPEを用い、実施例8を繰返した。C−末端でのN−末端方向へのラ ンダムペプチドセグメン トの固相化学連結のための条件は、上述の実施例8で用いられた条件と同様であ るが、DNPE保護基の脱離に、50%ピペリジンを用いる点が異る。 実施例9:ACM保護を用いた、C−末端でのN−末端方向へのランダムペプチ ドセグメントの固相自然化学連結 次の工程は、表3に示すように、C−末端でのN−末端方向への固相連結のた めに用いられるものである。上記の実施例で述べた同じランダムポリペプチドが 連結される。 樹脂は、6M Gu・HCl,0.1M Naアセテート、pH4.6(1m l×5)で洗浄され、水切りされる。修飾されたC−末端ペプチドセグメントは 、6M Gu・HCl,0.1M Naアセテート、pH4.6に溶解され、樹 脂に加えられ、室温で一晩放置される。サンプルは、塩基による切断のために採 取され、8M尿素、0.1M NaPi,pH7で処理され、同じ8M尿素緩衝 液中(結果としてのpH〜14)、0.25N NaOHで2分間処理され、次 いで、同じ8M尿素緩衝液中(結果としてのpH〜2)、等量の0.25N H Clで洗浄され、溶出液混合物は、HPLCに注入される前にTCEPで処理さ れる。 次のセグメントを追加するための準備として、樹脂は、6M Gu・HCl, 0.1M NaPi,pH7.0(1ml×5)で洗浄され、水切りされる。第 2のペプチドセグメント(Fmoc−Cys−ペプチド−COSR)は、6M Gu・HCl,0.1M NaPi,pH7.0,0.5%チオフェノール(少 くとも10mMの第2のペプチドセグメントまで)に溶解され、水切りされる。 混合物は室温で一晩放置される。樹脂は、水中の6M Gu・HCl,0.1M NaPi,pH7.0(1ml×5),3%酢酸で洗浄され、次いで、水中3 %酢酸中の水銀(II)アセテートで処理 することによりACM保護基が脱離される。次いで、樹脂は、水中の3%酢酸( 1ml×5),6M Gu・HCl,0.1M NaPi,pH7.0(1ml ×5)で洗浄され、6M Gu・HCl,0.1M NaPi,pH7.0中の 20%ベーターメルカプトエタノールで30分間処理され、次いで、6M Gu ・HCl,0.1M NaPi,pH7(1ml×5)で洗浄される。樹脂のサ ンプルは、採取されて上記のように塩基で切断される。 最後のペプチドセグメントは、6M Gu・HCl,0.1M NaPi,p H7.0,0.5%チオフェノールに溶解され、樹脂に加えられる。混合物は室 温で一晩放置される。次いで、樹脂は、6M Gu・HCl,0.1M NaP i,pH7.0で洗浄され、残った樹脂から切断可能ハンドルを塩基で切断する ことにより固相から遊離されるが、上記に概説したように、大スケールの場合の みは、続いて、HPLCによる精製又はPD−10カラムでの脱塩及び凍結乾燥 を行う。 実施例10:双方向固相連続自然化学連結 この例は、双方向固相蛋白質連結へのアプローチの一つの態様を表すもので、 即ち、固相に結合した第1のペプチドセグメントで開始する状態であり、この場 合、第1のペプチドセグメントは、所望の目的蛋白質の「中位の部分片」であり 、即ち、固相に結合した第1のペプチドセグメントは、そのN−末端システイン 及びC−末端チオエステルの両方で連結するために用いられる。 目的蛋白質の中位の部分片の一つで開始すると、切断可能なリンカーが、中位 の部分片の側鎖のアミノ酸残基の一つに付加される。保護可能な官能基を有する アミノ酸残基の側鎖は、いずれも使用可能であり、好ましくは、アスパルティッ ク酸又はグルタミン酸が含まれる。最も好ましくは、リジンアミノ酸残基を用い ることである。例えば、CAM切断可能ハンドル又はいかなる他のカルボン酸保 護基も、アスパルティック又はグルタミン酸の側鎖によって第1のペプチドセグ メントを固相に結合させるために選択されうる。この工程を完遂するための必要 な化学物質については、当業者は容易にわかるだろう。 例えば、内部アミノ酸により固相に結合される第1のペプチドセグメントの合 成は、図25Cに図示されている。適切な固相(チオエステル又はチオ酸を生成 する)で開始すると、第1のペプチドセグメントは、標準的なBocプロトコー ルを用いて合成され、選択されたリジン残基に到達する。Boc化学物質を用い ると、Fmoc基で保護された側鎖のアミンを持つリジン(Boc−Lys(F moc)−OH)は、固相段階的ペプチド合成の間に、適切な位置で挿入され、 次いで、第1のペプチドセグメントの末端まで合成が継続する。Fmoc保護基 は、段階的ペプチド合成の終りに脱離され、側鎖アミンに結合している脱離可能 ハンドルも脱離される(図 25Cの工程B)。 この方法は、図24に概説した工程と大部分同じであるが、次の点で異ってい る。即ち、工程4のレブリン酸が、切断可能ハンドルに置きかわり、Fmoc基 (また工程4の一部)を切断するために用いられる20%ピペリジンが、1.8 −ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデカ−7−エン(DBU)、即ち、DMF 中のDBUの1−2等価物のような代りの塩基で、より低濃度のものに置かれる 点である。その理由は、中間のペプチドセグメントが、樹脂からの切断時にチオ 酸又はチオエステルを生成するか否かにかゝわらず、20%ピペリジンの存在で 切断されるチオエステルにより樹脂に結合されるからである。 この特殊な戦略のためには、MSCハンドルが好ましく、他の切断可能ハンド ルも用いることができる。リジン残基の側鎖アミンへの結合、及び、固相連結樹 脂上の対応する基と反応しうる適切な官能基を持ったリンカーの修飾は、一般に は図17Aに概要を示したようなものであるが、MSCハンドルのアミンが、B oc基の代りにFmoc基で保護されるという点が異る。ペプチドセグメントへ の結合が、内部アミノ酸残基によるものであるから、N−末端アミノ酸は、Bo c保護となり、N−末端アミノ基、及びMSC切断可能ハンドルのアミノ基が、 同じ基によって保護されることは不可能である。MSC切断可能ハンドル上のF moc基の除去は、また、ピペリジンの代りにDBUで行われることが必要であ る。図17Aに示すように、レブリン酸が、固体支持体上の対応するアミノオキ シアセチル基と共にリンカーに結合するためには、好ましい。 樹脂に結合する第1のペプチドセグメントについての形式を、2つ下記に述べ る。 第1の形式。第1のペプチドセグメントは、保護されていないN −末端システインとC−末端チオ酸を有する(図25A)。第2のペプチドセグ メント(図25Aの工程2)は、第1のペプチドセグメントに連結されるもので 、C−末端チオエステル及び必要により、保護されたN−末端システイン(もし 、さらにC−末端からN−末端への連結を望む場合には)を有するペプチドであ って、C−末端チオエステルは、第1のペプチドセグメント(例えば、C−末端 でのN−末端方向へ)のN−末端Cysと反応することができる。この工程は、 所望なら、C−末端でのN−末端方向へ付加される追加のペプチドセグメントと 共に、複数回繰返されるが、もし、内部に投入されるペプチドセグメントが、保 護されたN−末端システインをそれぞれ有する場合には、標準的なC−末端から N−末端への固相自然化学連結工程に従って、該システインは脱保護されるので あり、これは図21に概説されている(目的生成物のN−末端に付加される第1 のペプチドセグメントは、N−末端システインを有している必要はない)。連結 が完了した後、目的の固相結合ペプチド(例えば、第1又は第2のペプチドセグ メントの連結生成物)のC−末端チオ酸は、次に、臭化酢酸でチオエステルに変 換される(表1のN−末端でのC−末端連結で概説し、図25Aの工程3に系統 図で示した)。次の工程(図25Aの工程4)は、N−末端Cysを持った第3 のペプチドセグメントへの固相結合ペプチドの連結を含む。この工程は、N−末 端でのC−末端への追加で投入されるペプチドセグメントを追加するために、必 要により繰返されるもので、所望ならば、内部に投入されるペプチドセグメント がそれぞれ、保護されていないN−末端システイン及びC−末端チオ酸を有して いる場合には、チオ酸のチオエステルへの変換に関して、連結が完了した後、次 のペプチドセグメントの追加に先立って、上記の工程が繰返される。 適切な保護基及び他の適切な化学物質が中位の部分片又は固相結合ペプチドに 対して用いられるならば、多様な連結が、続いて双方向に起りうるということは 、当業者には容易にわかるだろう。これらの追加的な工程は、個々の方向、即ち 、N−末端からC−末端方向へのN−末端の保護されていないCysに加えてC −末端チオエステル、及びC−末端からN−末端方向へのN−末端Cys(AC M)に加えてC−末端チオエステル、など個々の方向に用いられる戦略と同様で ある。MSCリンカーが用いられるならば、樹脂から、最終の鎖長の生成物を切 断することは、表1の工程6で概説したように、塩基溶液(pH12〜14)中 で行われる。しかし、好ましいアプローチは、一方向への必要な全ての連結工程 を完了することであり、続いて、他の方向へ連結を行うことである。固相結合ペ プチドが、保護されたN−末端システイン又はC−末端チオ酸のいずれかを有し ている限り、連結は、ここで述べる適切な戦略が行われるならば、いずれかの方 向に進行する。もし、固相結合ペプチドが、保護されていないN−末端システイ ン及びC−末端チオエステルの両方を有しているならば、追加で投入されるペプ チドセグメントへ連結しようという企ては、いずれも、固相結合ペプチドの環化 という結果になるだろう。 第2の形式。この系統の第2の形式は、N−末端でのC−末端方向への連結で 開始し、続いて、反対方向方向での連結が起るが、このことは図25Bに示す通 りである。樹脂に結合する第1のペプチドセグメントは、一時的に保護されたN −末端CysとC−末端チオエステルを有する。第1のペプチドセグメントに対 する第2のペプチドセグメントの連結は、N−末端にてC−末端方向である。C −末端でのN−末端方向への続いて起る連結はいずれも、最初に、保護基の脱離 を必要とする。 固体支持体に対する第1のペプチドセグメントの結合を除けば、この戦略は、 単に、N−末端でのC−末端方向及びC−末端でのN−末端方向への連結の工程 を結合しただけのものである(上記を参照のこと)。 この明細書で言及された全ての文献及び特許出願は、参考文献としてここに加 えてあり、それは、個々の文献又は特許出願が参考文献として加えられるべきで あると、特別にそして個別的に指摘されていた限りの範囲のものである。 本発明については、以上に十分に説明したので、添付されたクレームの精神と 範囲から離れない限り、多くの変形や改良がなされうることは当業者には明らか であろう。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成11年7月29日(1999.7.29) 【補正内容】 請求の範囲 1.N−末端においてC−末端方向に集合したペプチドを製造する方法であっ て、該方法は、 a)N−末端システインとC−末端チオ酸を有するペプチドセグメントをC− 末端チオエステルを有する固相結合ペプチドセグメントに連結して、C−末端チ オ酸を有する固相結合ペプチドセグメントを形成すること、及び、 b)該固相結合ペプチドの該C−末端チオ酸をC−末端チオエステルに変換し て、C−末端チオエステルを有する固相結合の集合したペプチドを形成すること 、 からなる工程を有する方法。 2.固相結合ペプチドセグメントが、リンカーによって該ペプチドセグメント に結合した固相を有する請求項1記載の方法。 3.リンカーが切断可能なリンカーである請求項2記載の方法。 4.さらに、切断可能なリンカーを切断することにより、固相から集合したペ プチドを分離することを有する請求項3記載の方法。 5.さらに、C−末端チオエステルを有する固相結合の集合したペプチドを、 N−末端システインとチオ酸以外のC−末端基を有するペプチドセグメントに連 結して、チオ酸以外のC−末端基を有する固相結合の集合したペプチドを形成す る請求項1記載の方法。 6.固相結合の集合したペプチドセグメントがリンカーによって該ペプチドセ グメントに結合した固相を有する請求項5記載の方法。 7.リンカーが切断可能なリンカーである請求項6記載の方法。 8.さらに、切断可能なリンカーを切断することにより、固相から集合したペ プチドを分離することを有する請求項7記載の方法。 9.C−末端においてN−末端方向に集合したペプチドを製造する方法であっ て、該方法は、 a)第1のペプチドセグメントを第2のペプチドセグメントに連結し、該第1 のペプチドセグメントは保護されていないN−末端システインと、該C−末端基 に隣接するリンカーにより固相に結合したC−末端基を有しており、該第2のペ プチドセグメントは保護されているN−末端システインと保護されていないC− 末端チオエステルを有すること、 b)第2のペプチドセグメントの保護されているN−末端システインの脱保護 基を行うこと、及び、 c)保護されていないC−末端チオエステルを有する第3のペプチドセグメン トを、第2のペプチドセグメントの保護されてないN−末端システインに連結し て集合したペプチドを製造すること、からなる方法。 10.第3のペプチドが保護されているN−末端システインを有し、工程b) 及びc)が、脱保護基及び連結と一致して一つ又はそれ以上のペプチドセグメン トの追加と共に、一回又はそれ以上繰り返される請求項9記載の方法。 11.リンカーが切断可能なリンカーである請求項9に記載の方法。 12.さらに、切断可能なリンカーを切断することにより、固相から集合した ペプチドを分離することを有する請求項11記載の方法。 13.リンカーが切断可能なリンカーである請求項12記載の方法。 14.さらに、切断可能なリンカーを切断することにより、固相から集合した ペプチドを分離することを有する請求項13記載の方 法。 15.集合したポリペプチドを製造するためのキットであって、 a)第1の保護されていないペプチドセグメントが、C−末端とN−末端にチ オエステルを有し、該第1の保護されていないペプチドセグメントが、切断可能 な部位を有するリンカーにより固相に結合していること、 b)第2の保護されていないペプチドセグメントの対が、それぞれC−末端に チオ酸を、N−末端にシステインを有し、各該第2の保護されていないペプチド セグメントが同数のアミノ酸を有すること、及び、 c)異なる保護されていないペプチドセグメントの一対又はそれ以上が、それ ぞれC−末端にチオエステルを、N−末端にシステイン残基を有し、各対がそれ ぞれ同数のアミノ酸を有すること、 を特徴とするキット。 16.第2の保護されていないペプチドセグメントの対が、同じ長さで、異な った数のアミノ酸連鎖を持つペプチドを有する請求項15記載のキット。 17.第2の保護されていないペプチドセグメントの対が、実質的に同等のペ プチドからなる請求項15記載のキット。 18.異なる保護されていないペプチドの一対又はそれ以上が、同じ長さで、 異なった数のアミノ酸連鎖を持つペプチドの少なくとも一対を有する請求項15 記載のキット。 19.集合したポリペプチドを製造するための装置であって、 a)C−末端にチオエステルを、N−末端に切断可能なリンカー−を持った第 1の保護されていないペプチドに結合している固体支持体を有しており、該保護 されていないペプチドは、リンカーにより該固体支持体に結合していること、 b)第2の保護されていないペプチドの対は、それぞれC−末端にチオ酸を、 N−末端にシステイン残基を有していること、 c)異なる保護されていないペプチドの一対又はそれ以上が、それぞれC−末 端にチオ酸を、N−末端にシステイン残基を有していること、 を特徴とする装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 サイモン,レイナ アメリカ合衆国,カリフォルニア 95030, ロス ガトス,ラス カンバーズ ロード 18439

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.水溶液中で、固相上に集合したペプチドを製造する方法であって、該方法 は、 a)保護されていない第1のペプチドセグメントをリンカーにより固相に結合 することであり、該保護されていない第1のペプチドセグメントは、N−末端を 有し、そのC−末端に−COSRの形のチオエステルを有し、該リンカーは切断 可能部位を有し、該保護されていない第1のペプチドセグメントは、該N−末端 で該リンカーに結合していること、 b)該固相に結合した該第1のペプチドセグメントに保護されていない第2の ペプチドセグメントが連結しており、該第2のペプチドセグメントはそのN−末 端にシステインを有し、そのC−末端にチオ酸を有し、そして、該第2のペプチ ドセグメントのN−末端システインは、該固相に結合した第1のペプチドセグメ ントのC−末端に化学選択的に連結して、そのC−末端にチオ酸を有する固相結 合ペプチドを形成することができること、 c)該固相結合ペプチドの該C−末端チオ酸を、−COSRの形の活性化され たチオエステルに変換すること、 d)工程b)及びc)を、保護されていない第3のペプチドセグメントについ て繰り返すこと、 e)必要により、工程b)及びc)を、保護されていない追加のペプチドセグ メントについて繰り返すこと、 からなる方法。 2.さらに、工程e)の後に、 f)リンカーを切断して、集合したペプチドを遊離すること、 を有する請求項1に記載の方法。 3.集合したポリペプチドが、20以上、1000以下の長さのアミノである 請求項1に記載の方法。 4.固体支持体が樹脂ビーズである請求項1に記載の方法。 5.切断可能部位が切断可能ハンドルである請求項1に記載の方法。 6.切断可能部位が切断可能リンカーである請求項1に記載の方法。 7.ペプチドセグメントの範囲が、その大きさにおいて、5以上、99以下の アミノ酸残基である請求項1に記載の方法。 8.ペプチドセグメントが、全て、段階的固相合成により調製されたものであ る請求項1に記載の方法。 9.固相結合ペプチドに連結される最後のペプチドセグメントが、組み換えD NA発現から誘導されたものである請求項1に記載の方法。 10.ペプチドセグメントの少なくとも一つが、非自然主鎖構造を有する請求 項1に記載の方法。 11.変換工程が、臭化酢酸を用いて完遂される請求項1に記載の方法。 12.f)質量分光分析法を用いて、連結反応をモニターすること、をさらに 有する請求項1に記載の方法。 13.集合したペプチドを製造する方法であって、該方法は、 a)保護されていない第1のペプチドセグメントをリンカーにより固相に結合 することであり、該保護されていない第1のペプチドセグメントは、N−末端を 有し、そのC−末端に−COSHの形のチオ酸を有し、該リンカーは切断可能部 位を有し、該保護されていない第1のペプチドセグメントは、該N−末端で該リ ンカーに結合していること、 b)該第1のペプチドセグメントの該C−末端チオ酸を、−COSRの形のチ オエステルに変換すること、 c)該固相に結合した該第1のペプチドセグメントに保護されていない第2の ペプチドセグメントが連結しており、該第2のペプチドセグメントはそのN−末 端にシステインを有し、そのC−末端にチオ酸を有し、そして、該第2のペプチ ドセグメントのN−末端システインは、該固相に結合した第1のペプチドセグメ ントのC−末端に化学選択的に連結して、そのC−末端にチオ酸を有する固相結 合ペプチドを形成することができること、 d)該固相結合ペプチドの該C−末端チオ酸を、−COSRの形の活性化され たチオエステルに変換すること、 e)工程c)及びd)を、保護されていない第3のペプチドセグメントについ て繰り返すこと、 f)必要により、工程c)及びd)を、保護されていない追加のペプチドセグ メントについて繰り返すこと、 からなる方法。 14.集合したペプチドを製造する方法であって、該方法は、 a)第1のペプチドセグメントをリンカーにより固相に結合することであり、 該第1のペプチドセグメントは、N−末端システイン及び該リンカーに結合しう るC−末端を有し、該リンカーは切断可能部位を有し、該第1のペプチドセグメ ントは、該C−末端で該リンカーに結合していること、 b)該固相に結合した該第1のペプチドセグメントに第2のペプチドセグメン トが連結しており、該第2のペプチドセグメントはそのN−末端にシステインを 有し、そのC−末端にチオエステルを有し、そして、該第2のペプチドセグメン トのN−末端システインは保護基に結合することができ、該第2のペプチドセグ メントのC− 末端チオエステルは、該第1のペプチドセグメントのN−末端システインに結合 して、そのN−末端に保護されたシステインを有する固相結合ペプチドを形成す ること、 c)該保護基を取り除くこと、 d)工程b)及びc)を、もう一つのペプチドセグメントについて少なくとも 一回繰り返すこと、 e)該固相結合ペプチドに最後のペプチドセグメントを連結することであり、 該最後のペプチドセグメントは保護されておらず、C−末端チオエステルを有す ること、 f)該切断可能部位を切断して、固相から集合したペプチドを遊離すること、 からなる方法。 15.固相結合ペプチドを質量分光分析して、任意の段階で該連結反応をモニ ターそることを、さらに含む請求項14記載の方法。 16.集合したペプチドを製造する方法であって、該方法は、 a)第1のペプチドセグメントをリンカーにより固相に結合することであり、 該第1のペプチドセグメントは、N−末端システイン及び該リンカーに結合しう るC−末端を有し、該リンカーは切断可能部位を有し、該第1のペプチドセグメ ントは、該C−末端で該リンカーに結合していること、 b)該固相に結合した該第1のペプチドセグメントに第2のペプチドセグメン トが連結しており、該第2のペプチドセグメントは、C−末端チオエステルを持 つペプチドを有し、該第2のペプチドセグメントの該C−末端チオエステルは、 固相に結合した該第1のペプチドセグメントのN−末端システインに結合して、 そのN−末端に保護されたシステインを有する固相結合ペプチドを形成すること 、 からなる方法。 17.集合したペプチドを製造する方法であって、該方法は、 a)第1のペプチドセグメントをリンカーにより固相に結合して固相結合ペプ チドを形成すること、 b)水溶液中で、該固相結合ペプチドに少なくとも第2のペプチドセグメント を連結すること、 からなる方法。 18.該固相が水親和性である請求項17記載の方法。 19.該水溶液が1−8M尿素を有する請求項17記載の方法。 20.該水溶液が1−6Mグアニジン・HClを有する請求項17記載の方法 。 21.該水溶液が、水中での10−60%アセトニトリルを有する請求項17 記載の方法。 22.該水溶液が、水/有機溶媒の混合物を有する請求項17記載の方法。 23.集合したポリペプチドを製造するためのキットであって、該キットは、 a)保護されていない第1のペプチドセグメントは、C−末端及びN−末端に チオエステルを有しており、該保護されていない第1のペプチドセグメントは、 切断可能部位を有するリンカーにより固相に結合していること、 b)保護されていない第2のペプチドセグメントのセットは、それぞれ、C− 末端にチオ酸を、N−末端にシステインを有し、該保護されていない第2のペプ チドセグメントは、それぞれ、同数のアミノ酸を有していること、 c)異なった保護されていないペプチドセグメントのセットの一 つ又はそれ以上は、それぞれ、C−末端にチオエステルを、N−末 端にシステイン残基を有し、各セットの各ペプチドセグメントは、同数のアミノ 酸を有していること、 からなるキット。 24.保護されていない第2のペプチドセグメントのセットが、同じ長さで、 異なったアミノ酸シーケンスを持つペプチドを有する請求項12記載のキット。 25.保護されていない第2のペプチドのセットが、実質的に同じペプチドか らなる請求項12記載のキット。 26.異なった保護されていないペプチドセグメントのセットの一つ又はそれ 以上が、同じ長さで、異なったアミノ酸シーケンスを持つペプチドの少なくとも 一セットを有する請求項13記載のキット。 27.集合したポリペプチドを製造するための装置であって、該装置は、 a)固体支持体が、C−末端にチオエステルを、N−末端に切断可能リンカー を有する保護されていない第1のペプチドに結合しでおり、該保護されていない ペプチドは、リンカーにより該固体支持体に結合していること、 b)保護されていない第2のペプチドセグメントのセットは、それぞれ、C− 末端にチオ酸を、N−末端にシステイン残基を有していること。 c)異なった保護されていないペプチドのセットの一つ又はそれ以上は、それ ぞれ、C−末端にチオ酸を、N−末端にシステイン残基を有していること、 からなる装置。 28.固相で連続的に連結された集合したペプチドのポリペプチドライブラリ ー製造する方法であって、該方法は、 a)保護されていない第1のペプチドセグメントのセットを、リンカーにより 固相に共有結合させることで、該リンカーは、連結条件下で安定な切断可能部位 を有し、該保護されていない第1のペプチドセグメントは、それぞれ、N−末端 で該リンカーに結合しており、C−末端にチオエステルを有していること、 b)保護されていない第2のペプチドセグメントのセットを導入することであ って、該第2のセグメントは、それぞれ、N−末端にシステイン残基を、C−末 端にチオ酸を有しており、該導入は、該保護されていない第1のペプチドセグメ ントと該保護されていない第2のペプチドセグメントとの間に連結を生じさせて 、該固体支持体に結合した自然的連結ポリペプチドを形成せしめるために適切な 条件下で行われ、該結合したポリペプチドはC−末端にチオ酸を有していること 、 c)チオ酸をチオエステルに変換すること、 d)必要により、工程b)及びc)を、保護されていないペプチドセグメント の追加的なセットについて繰り返すこと、 からなる方法。
JP50326799A 1997-06-13 1998-06-12 水溶液中における保護されていないか又はn−末端システインで保護されたペプチドの固相での自然化学連結 Ceased JP2002505672A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US4955397P 1997-06-13 1997-06-13
US60/049,553 1997-06-13
PCT/US1998/012278 WO1998056807A1 (en) 1997-06-13 1998-06-12 Solid phase native chemical ligation of unprotected or n-terminal cysteine protected peptides in aqueous solution

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002505672A true JP2002505672A (ja) 2002-02-19
JP2002505672A5 JP2002505672A5 (ja) 2005-12-22

Family

ID=21960431

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP50326799A Ceased JP2002505672A (ja) 1997-06-13 1998-06-12 水溶液中における保護されていないか又はn−末端システインで保護されたペプチドの固相での自然化学連結

Country Status (9)

Country Link
US (4) US6326468B1 (ja)
EP (1) EP1001968B1 (ja)
JP (1) JP2002505672A (ja)
AT (2) ATE285415T1 (ja)
AU (1) AU745094B2 (ja)
CA (1) CA2292724A1 (ja)
DE (2) DE69837170T2 (ja)
ES (2) ES2282788T3 (ja)
WO (1) WO1998056807A1 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007046456A1 (ja) * 2005-10-19 2007-04-26 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha 新規水溶性プロドラッグを含有する、膵臓癌、卵巣癌または肝臓癌の予防または治療剤
US7910593B2 (en) 2004-04-09 2011-03-22 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Water-soluble prodrugs
US8022047B2 (en) 2005-08-22 2011-09-20 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Combination anticancer agents
JP2014532075A (ja) * 2011-10-17 2014-12-04 サントル ナシオナル ドゥ ラ ルシェルシェサイアンティフィク(セエヌエールエス) タンパク質の合成方法

Families Citing this family (56)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6184344B1 (en) * 1995-05-04 2001-02-06 The Scripps Research Institute Synthesis of proteins by native chemical ligation
US6849428B1 (en) * 1997-03-05 2005-02-01 New England Biolabs, Inc. Intein-mediated protein ligation of expressed proteins
DE69837170T2 (de) * 1997-06-13 2007-11-22 Amylin Pharmaceuticals, Inc., San Diego Festphasige native chemische Ligation von ungeschützten oder n-cystein-geschützten Peptiden in wässrigen Lösungen
US6844161B2 (en) 1997-09-04 2005-01-18 Gryphon Therapeutics, Inc. Modular protein libraries and methods of preparation
AUPP589598A0 (en) 1998-09-14 1998-10-08 University Of Queensland, The Novel peptides
US7001745B1 (en) * 1998-09-30 2006-02-21 New England Biolabs, Inc. Intein mediated peptide ligation
CN1350544A (zh) * 1999-03-11 2002-05-22 格莱风科学公司 可溶性膜蛋白受体结构域的化学合成及应用
SK782002A3 (en) 1999-07-21 2003-08-05 Lexigen Pharm Corp FC fusion proteins for enhancing the immunogenicity of protein and peptide antigens
JP2004506221A (ja) * 2000-08-11 2004-02-26 インヴィトロジェン コーポレーション 高度に均一な電気泳動用分子マーカー
US20040014082A1 (en) * 2000-08-11 2004-01-22 Invitrogen Corporation Highly homogeneous molecular markers for electrophoresis
WO2002018417A1 (en) * 2000-09-01 2002-03-07 Gryphon Therapeutics, Inc. Nucleophile-stable thioester generating compounds, methods of production and use
AU2002243645A1 (en) * 2001-01-22 2002-07-30 Sangamo Biosciences, Inc. Zinc finger proteins for dna binding and gene regulation in plants
JP4408628B2 (ja) * 2001-03-09 2010-02-03 ボストン プローブス,インコーポレイテッド 組み合わせオリゴマーならびにそれらの調製のためのライブラリーに適する、方法、キット、および組成物
GB0113657D0 (en) * 2001-06-05 2001-07-25 Geneprot Inc Improved native chemical ligation with three or more components
DK2279755T3 (da) 2001-10-10 2014-05-26 Ratiopharm Gmbh Remodellering og glycokonjugering af fibroblastvækstfaktor (FGF)
JP5232352B2 (ja) 2001-10-10 2013-07-10 ノボ ノルデイスク エイ エス ペプチドの改造および複合糖質化
DE60331437D1 (de) * 2002-06-10 2010-04-08 Amylin Pharmaceuticals Inc Nachspaltige sulfurentschützung zur konvergenten proteinherstellung beim verfahren von chemischer ligation
AU2002328824A1 (en) * 2002-06-29 2004-01-19 Aquanova German Solubilisate Technologies (Agt) Gmbh Isoflavone concentrate and method for production thereof
US8227411B2 (en) 2002-08-20 2012-07-24 BioSurface Engineering Technologies, Incle FGF growth factor analogs
US7598224B2 (en) 2002-08-20 2009-10-06 Biosurface Engineering Technologies, Inc. Dual chain synthetic heparin-binding growth factor analogs
US7166574B2 (en) * 2002-08-20 2007-01-23 Biosurface Engineering Technologies, Inc. Synthetic heparin-binding growth factor analogs
WO2004053460A2 (en) * 2002-12-11 2004-06-24 New England Biolabs, Inc. Carrier-ligand fusions and uses thereof
AU2003303595A1 (en) 2002-12-30 2004-07-29 Gryphon Therapeutics, Inc. Water-soluble thioester and selenoester compounds and methods for making and using the same
JP4674702B2 (ja) 2003-04-09 2011-04-20 バイオジェネリクス エージー グリコペギレ−ション法およびその方法により生成されたタンパク質/ペプチド
EP3552627A1 (en) * 2003-05-06 2019-10-16 Bioverativ Therapeutics Inc. Clotting factor-fc chimeric proteins to treat hemophilia
US7348004B2 (en) 2003-05-06 2008-03-25 Syntonix Pharmaceuticals, Inc. Immunoglobulin chimeric monomer-dimer hybrids
TWI353991B (en) 2003-05-06 2011-12-11 Syntonix Pharmaceuticals Inc Immunoglobulin chimeric monomer-dimer hybrids
WO2004105685A2 (en) * 2003-05-22 2004-12-09 Gryphon Therapeutics, Inc. Displaceable linker solid phase chemical ligation
US7414028B1 (en) * 2004-02-04 2008-08-19 Biosurface Engineering Technologies, Inc. Growth factor analogs
US20060024347A1 (en) * 2004-02-10 2006-02-02 Biosurface Engineering Technologies, Inc. Bioactive peptide coatings
US7671012B2 (en) 2004-02-10 2010-03-02 Biosurface Engineering Technologies, Inc. Formulations and methods for delivery of growth factor analogs
US20080227696A1 (en) 2005-02-22 2008-09-18 Biosurface Engineering Technologies, Inc. Single branch heparin-binding growth factor analogs
US7528105B1 (en) 2004-02-10 2009-05-05 Biosurface Engineering Technologies Heterodimeric chain synthetic heparin-binding growth factor analogs
JP4895826B2 (ja) 2004-02-20 2012-03-14 バイオサーフェス エンジニアリング テクノロジーズ,インク. 骨形成蛋白−2の正のモジュレーター
US7872096B2 (en) * 2004-05-24 2011-01-18 Rigel Pharmaceuticals, Inc. Methods for cyclizing synthetic polymers
EP1888094B1 (en) 2005-03-31 2009-08-12 Amylin Pharmaceuticals, Inc. Amylin and amylin agonists for treating psychiatric diseases and disorders
WO2007100358A2 (en) * 2005-10-07 2007-09-07 University Of Chicago Convergent synthesis of proteins by kinetically controlled ligation
US7820172B1 (en) 2006-06-01 2010-10-26 Biosurface Engineering Technologies, Inc. Laminin-derived multi-domain peptides
JP2009541358A (ja) 2006-06-22 2009-11-26 バイオサーフェス エンジニアリング テクノロジーズ,インク. 骨形成を強化するためにbmp−2増幅因子/共活性化因子を送達するための組成物および方法
WO2008097536A2 (en) 2007-02-05 2008-08-14 Amylin Pharmaceuticals, Inc. Compositions and methods for treating psychiatric diseases and disorders
EP2195329B1 (en) * 2007-08-28 2013-11-06 Ipsen Pharma S.A.S. Method for chemical synthesis of polypeptides and proteins
CA2790343A1 (en) * 2010-02-18 2011-08-25 Advanced Proteome Therapeutics Inc. Site-specific modification of proteins through chemical modification enabling protein conjugates, protein dimer formation, and stapled peptides
WO2012050923A2 (en) 2010-09-28 2012-04-19 Amylin Pharmaceuticals, Inc. Engineered polypeptides having enhanced duration of action
EP3241558B1 (en) 2010-09-28 2021-03-03 Aegerion Pharmaceuticals, Inc. Highly soluble leptins
EP2729481B1 (en) 2011-07-08 2018-10-17 Amylin Pharmaceuticals, LLC Engineered polypeptides having enhanced duration of action with reduced immunogenicity
EP2729160B1 (en) 2011-07-08 2019-03-27 Aegerion Pharmaceuticals, Inc. Engineered polypeptides having enhanced duration of action and reduced immunogenicity
JP6290187B2 (ja) 2012-05-11 2018-03-07 クランツ,アレクサンダー 癌の処置のためのタンパク質の部位特異的標識及び標的送達
EP2852619A4 (en) 2012-05-21 2016-04-27 Massachusetts Inst Technology TRANSLOCATION OF ARTIFICIAL CHEMICAL ENTITIES WITH ANTIGEN PROTECTIVE PORE AGAINST ANTHRAX
US10588949B2 (en) 2013-03-15 2020-03-17 Bioverativ Therapeutics Inc. Factor IX polypeptide formulations
WO2017151939A1 (en) * 2016-03-02 2017-09-08 The Brigham And Women's Hospital, Inc. Use of pla2g5-deficient suppressive macrophages in suppression of inflammation
RU2757050C2 (ru) 2017-03-02 2021-10-11 Глитек, Инк. Способ получения аминокислотного полимера
JP2022508558A (ja) 2018-10-01 2022-01-19 ユニベルシテ ド ジュネーヴ 生物学的分析に適した複数のポリペプチドバリアントを生成する方法
WO2020110330A1 (ja) * 2018-11-30 2020-06-04 株式会社糖鎖工学研究所 ペプチドチオエステル、ペプチドの新規製造方法
CA3157359A1 (en) 2019-10-10 2021-04-15 1859, Inc. Methods and systems for microfluidic screening
US20210230218A1 (en) * 2019-10-23 2021-07-29 Mabplex International, Ltd. Oligopeptide linker intermediate and preparation method thereof
WO2022266467A2 (en) 2021-06-17 2022-12-22 Dana-Farber Cancer Institute, Inc. Recombinant histone polypeptide and uses thereof

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5064940A (en) * 1988-05-11 1991-11-12 Protein Technologies, Inc. Premixed dry reagent containing a protected amino acid and an activating agent for use in solid phase protein synthesis
US5101059A (en) * 1989-12-05 1992-03-31 Research Corporation Technologies, Inc. Amino acid protecting groups
WO1996034878A1 (en) * 1995-05-04 1996-11-07 The Scripps Research Institute Synthesis of proteins by native chemical ligation
JP4358307B2 (ja) 1996-12-24 2009-11-04 ザ スクリップス リサーチ インスティテュート 一般的化学結合
DE69837170T2 (de) * 1997-06-13 2007-11-22 Amylin Pharmaceuticals, Inc., San Diego Festphasige native chemische Ligation von ungeschützten oder n-cystein-geschützten Peptiden in wässrigen Lösungen
US6329468B1 (en) * 2000-01-21 2001-12-11 Bostik Findley, Inc. Hot melt adhesive based on semicrystalline flexible polyolefins

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7910593B2 (en) 2004-04-09 2011-03-22 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Water-soluble prodrugs
US8022047B2 (en) 2005-08-22 2011-09-20 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Combination anticancer agents
WO2007046456A1 (ja) * 2005-10-19 2007-04-26 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha 新規水溶性プロドラッグを含有する、膵臓癌、卵巣癌または肝臓癌の予防または治療剤
JP2014532075A (ja) * 2011-10-17 2014-12-04 サントル ナシオナル ドゥ ラ ルシェルシェサイアンティフィク(セエヌエールエス) タンパク質の合成方法

Also Published As

Publication number Publication date
US7094871B2 (en) 2006-08-22
US20020169282A1 (en) 2002-11-14
AU8069598A (en) 1998-12-30
US20050209440A1 (en) 2005-09-22
DE69837170T2 (de) 2007-11-22
US7030217B2 (en) 2006-04-18
EP1001968B1 (en) 2004-12-22
US20020132975A1 (en) 2002-09-19
US6326468B1 (en) 2001-12-04
AU745094B2 (en) 2002-03-14
EP1001968A1 (en) 2000-05-24
ES2235336T3 (es) 2005-07-01
CA2292724A1 (en) 1998-12-17
ES2282788T3 (es) 2007-10-16
DE69828287D1 (de) 2005-01-27
ATE354584T1 (de) 2007-03-15
ATE285415T1 (de) 2005-01-15
DE69828287T2 (de) 2005-12-15
WO1998056807A1 (en) 1998-12-17
DE69837170D1 (de) 2007-04-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002505672A (ja) 水溶液中における保護されていないか又はn−末端システインで保護されたペプチドの固相での自然化学連結
EP1392718B1 (en) Improved native chemical ligation with three or more components
US4786684A (en) Benzylthioether-linked solid support-bound thiol compounds and method for peptide synthesis
CZ80399A3 (cs) Způsob výroby peptidů
JP2001507027A (ja) 一般的化学結合
JP4399627B2 (ja) 3つまたはそれ以上の成分による化学ペプチド連結
Whitney et al. A new base-catalyzed cleavage reaction for the preparation of protected peptides
RU2182155C2 (ru) Получение очищенных (поли)пептидов
EP1518862B1 (en) Solid phase native chemical ligation of unprotected or n-terminal cysteine protected peptides in aqueous solution
JP2005529188A (ja) オリゴペプチドの化学連結における酸性c末端アミノ酸についてのカルボキシ保護ストラテジー
JP2777193B2 (ja) ペプチドの製造方法
JP2018145151A (ja) 多機能型ペプチドプローブ及びこれを用いた標的分子の選択的濃縮法
JP2010537984A (ja) ポリペプチドおよび蛋白質の化学合成のための方法および中間体
WO2007043615A1 (ja) ペプチドエステル試薬、およびそのライゲーションまたはチオエステル化合物の製造のための使用
MORELL et al. Cleavage of aspartyl β‐phenacyl esters by selenophenol under neutral conditions
CN113264979A (zh) 可脱除骨架修饰快速脱除的新方法及应用
Maguire Novel protecting group strategies for the aspartyl residue in peptide synthesis
US20050096456A1 (en) Compounds comprising pseudo-amino acids
AU2002319850A1 (en) Improved native chemical ligation with three or more components
BURTON PEPTIDE SEMISYNTHESIS WITH UNBLOCKED BETA (PORCINE)-MSH
Bianchi et al. Engineering and chemical synthesis of the HCV protease transmembrane protein cofactor NS4A
WO2009140186A1 (en) Methods of preparing peptide derivatives
AU2002363612A1 (en) Extended native chemical ligation of three or more peptide fragments

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050607

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050607

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080304

A313 Final decision of rejection without a dissenting response from the applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A313

Effective date: 20080722

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080930