JP2002505284A - 喘息の治療学的処置 - Google Patents

喘息の治療学的処置

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、喘息およびそれに関連する病気を処置するための方法であって、具体的にはアイソザイムの選択的なPKCインヒビター、(S)−3,4−[N,N'−1,1'−((2''−エトキシ)−3'''(O)−4'''−(N,N−ジメチルアミノ)−ブタン)−ビス−(3,3'−インドリル)]−1(H)−ピロール−2,5−ジオンおよびその医薬的に許容し得る塩を用いる方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、広く肺血管の浸透性、気管支平滑筋の収縮性および気道の機能亢進
を防止する方法に関する。本発明は特に、喘息およびそれに関連する症候群を処
置するための、特定の種類のアイソザイムに選択的なプロテインキナーゼC(P
KC)インヒビターの使用に関する。
【0002】 (背景技術) 喘息は、多数の刺激に対する気管気管支樹の応答性の増大を特徴とする気道の
疾患である。米国の人口の3%は該疾患を患っている。同程度の数字が他国から
報告されている。気管支喘息は全ての年代で起こるが、幼少期で優先して起こる
。その場合のおよそ半分の者は10歳までに発現し、その残り3分の1の者は4
0歳までに発現する。幼年期では、2:1の男性/女性優勢が存在するが、30
歳までには同等となる。喘息の素因を生じる共通の特徴は気管気管支樹の非特異
的な過剰興奮性である。
【0003】 我々は、プロテインキナーゼC(PKC)が喘息に関連する疾患状態(例えば
、気道の機能亢進、気管支平滑筋の収縮性、および肺の血管から間質腔への血液
の管外遊出)を媒介するシグナル伝達経路に関与していると考えている。喘息発
作を伴う炎症性応答は、気管支平滑筋細胞においてPKCを活性化する。PKC
の活性化は、平滑筋(気道の平滑筋を含む)の収縮性を刺激する(イトウらによ
る1993,J.Physiol.397:401;ペイパー(Peiper)
らによる1996,Pflugers Arch.Eur.J.Physiol .432:R47)。
【0004】 炎症性応答のメディエーターは、コグネイト受容体と結合し、PKCの細胞内
アクチベーター(例えば、ジアシルグリセロール)の産生に至る様々なシグナル
経路を活性化することによってPKCを活性化すると考えられている(ブローブ
(Blobe)らによる、1996,Cancer.Surveys 27:2
13)。直接的なリン酸化プロセス(イトウらによる1993,J.Physi
ol.397:401)が原因で、またはミオシン軽鎖キナーゼホスファターゼ
の活性の低下(コーヘン(Cohen)による1989、Proc.R.Soc
.Lond.Biol.234:115)が原因でミオシン軽鎖キナーゼのリン
酸化が増大することによって、PKCに依存する収縮は媒介され得る。
【0005】 体液の管外遊出は、トランスサイトーシスの増大、内皮細胞の退縮によるか、
または細胞間連結を通過することによる、PKCの活性化を介して直接に媒介さ
れ得る(ルム(Lum)らによる1996,Can.J.Physiol.Ph
armaco.l 74,787)。PKC−βは内皮細胞の浸透性の増加の原 因であるPKCイソ型であると暗に意味してきた(ナグパラ(Nagpala)
らによる1995、J.Cell.Physiol.166:249)。
【0006】 PKCインヒビターは、糖尿病のげっ歯動物における平滑筋の収縮性を減少さ
せることが証明されている。糖尿病の場合、PKCはジアシルグリセロースの細
胞内蓄積によって、慢性的に活性化される(クラーベン(Craven)らによ
る1989、J.Clin.Invest.83:1667およびクラーベンに
よる1990、Diabetes 39:667)。平均的なレチナールの循環
時間の延長はPKCの活性化に関連するものであり、これは平滑筋の収縮状態の
増大により、血管抵抗性が増加するためであると考えられている(イシイらによ
る1996、Science.272:728)。PKC−βの選択的なインヒ
ビターを用いた糖尿病のげっ歯動物の処置は、延長されたレチナールの循環時間
を正常化する(イシイらによる1996)。
【0007】 現在、喘息に対して利用可能な有効な療法はない。アレルギー性喘息の環境か
ら原因物質を排除することは、この病気を処置するのに利用可能な最も満足すべ
き手段である。アレルゲンと疑わしいものの抽出物を用いた脱感作または免疫療
法も広く支持を受けているが、対照研究が限られるので、非常に有効であるとは
証明されていない。
【0008】 従って、喘息の処置にこれまで使用されている薬物は、5つの主要な範疇:メ
チルキサンチン、β−アドレナリン作動薬、グルココルチコイド、クロモンおよ
び抗コリン作用薬に分類することができる。ある治療方式が他の治療方式より優
れていることを決定的に証明した対照治験はほとんど存在しないので、療法につ
いて具体的な推奨を行なうのは難しい。
【0009】 認められ得る通り、現在利用可能な喘息処置は完全には有効ではない。当該分
野には、喘息およびそれに関連する症候群についての更なる療法を開発する要求
が存在する。 (本発明の概要)
【0010】 本発明の目的は、喘息を処置する方法を提供することである。 本発明の別の目的は、喘息に関連する1つ以上の症候群を処理する方法を提供
することである。 本発明の更に別の目的は、肺血管の浸透性を防止する方法を提供することであ
る。 本発明のより更に別の目的は、気道の機能亢進を防止する方法を提供すること
である。 本発明のより更に別の目的は、気管支平滑筋の収縮性を防止する方法を提供す
ることである。
【0011】 本発明の該目的および他の目的は、以下に示す1つ以上の態様によって提供さ
れる。 本発明の1態様では、喘息を処置する方法であって、該処置が必要な哺乳動物
に、治療学的に有効な量の特定の種類のプロテインキナーゼCインヒビターの少
なくとも1つを投与することを含む方法を提供する。 本発明の別の態様では、1つ以上の喘息に関連する症候群を処置する方法であ
って、該処置が必要な哺乳動物に、治療学的に有効な量のプロテインキナーゼC
インヒビターを投与することを含む方法を提供する。 本発明の更に別の態様では、肺血管の浸透性を防止する方法であって、該処置
が必要な哺乳動物に、治療学的に有効な量のプロテインキナーゼCインヒビター
を投与することを含む方法を提供する。 本発明のより更に別の態様では、気道の機能亢進を防止する方法であって、該
処置が必要な哺乳動物に、治療学的に有効な量のプロテインキナーゼCインヒビ
ターを投与することを含む方法を提供する。 本発明のより更に別の態様では、気管支平滑筋の収縮性を防止する方法であっ
て、該処置が必要な哺乳動物に、治療学的に有効な量のプロテインキナーゼCイ
ンヒビターを投与することを含む方法を提供する。
【0012】 本発明は、喘息およびそれに関連する症候群を処置するのに有効なプロテイン
キナーゼC阻害化合物を同定する。
【0013】 (詳細な説明) 特定の種類のプロテインキナーゼC阻害剤(すなわち、プロテインキナーゼC
のβアイソザイム−阻害剤)および特にβアイソザイムの選択的なPKC阻害剤
の治療学的な使用は肺血管の浸透性、気管支平滑筋の収縮性および気道の機能亢
進を阻害することが、本発明の発見である。結論を言えば、それらの化合物は喘
息およびそれに関連する症候群を処置するのに治療学的に使用することができる
【0014】 本発明の方法は、βアイソザイムを有効に阻害するプロテインキナーゼCイン
ヒビターを利用することが好ましい。1つの適当な化合物の群は、一般的にビス
−インドリルマレイミドまたは大環状ビス−インドリルマレイミドとして先行技
術に記載されている。先行技術でよく認められているビス−インドリルマレイミ
ドは、米国特許第5,621,098号、同第5,552,396号、同第5,54 5,636号、同第5,481,003号、同第5,491,242号および同第5,
057,614号に記載されている化合物(これらは本明細書の一部を構成する )を含む。大環状ビス−インドリルマレイミドは具体的には式Iの化合物で表わ
される。これらの化合物およびそれらの製造法は米国特許第5,552,396号
(これは本明細書の一部を構成する)に開示されている。これらの化合物は、肺
血管の浸透性、気管支平滑筋の収縮性および/または気道の機能亢進を阻害する
ために、従って喘息およびそれに関連する症候群を処置するために、哺乳動物(
例えば、ヒト)に、治療学的に有効な量で投与される。これらの化合物は上記疾
患状態の危険状態にある患者に、予防薬として投与することも可能である。
【0015】 本発明の方法に使用する化合物の1つの好ましい群は、式(I):
【化4】 [式中、 Wは、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−、C2−C6アルキレ ン、置換アルキレン、C2−C6アルケニレン、−アリール−、−アリール(CH2 )mO−、−へテロ環−、−へテロ環−(CH2)mO−、−縮合二環−、−縮合二環
−(CH2)mO−、−NR3−、−NOR3−、−CONH−、または−NHCO−
であり; XおよびYは独立に、C1−C4アルキレン、置換アルキレンであるか、または
X、YおよびWが一緒になって−(CH2)n−AA−を形成し; R1は、水素、または場合により4個までハロ、C1−C4アルキル、ヒドロキ シ、C1−C4アルコキシ、ハロアルキル、ニトロ、−NR45、または−NHC
O(C1−C4アルキル)から独立に選ばれる置換基であり; R2は、水素、CH3CO−、−NH2またはヒドロキシであり; R3は、水素、−(CH2)mアリ−ル、−C1−C4アルキル、−COO(C1−C4 アルキル)、−CONR45、−(C=NH)NH2、−SO(C1−C4アルキル)、
−SO2(NR45)または−SO2(C1−C4アルキル)であり; R4およびR5は独立に、水素、C1−C4アルキル、フェニル、ベンジルである
か、またはそれらが結合している窒素と一緒になって飽和もしくは不飽和の5も
しくは6員環を形成し; AAは、アミノ酸残基であり; mは独立に、0、1、2または3であり; nは独立に、2、3、4または5である。] またはその医薬的に許容し得る塩、プロドラッグもしくはエステルを有する。
【0016】 本発明の方法において使用する化合物のより好ましい群は、式(I)(式中、
−X−W−Y−部分は4〜8個の原子を含み、それは置換されていても置換され
ていなくてもよい)で示される。−X−W−Y−部分は6個の原子を含むことが
最も好ましい。
【0017】 本発明の方法に使用する他の好ましい化合物は、式(I)(式中、R1および R2は水素であり、Wは置換アルキレン、−O−、−S−、−CONH−、−N HCO−または−NR3−である)で示される化合物である。本発明において使 用するのに特に好ましい化合物は、式(Ia):
【化5】 [式中、 Zは、−(CH2)p−または−(CH2)p−O−(CH2)p−であり; R4は、ヒドロキシ、−SH、C1−C4アルキル、(CH2)mアリ−ル、−NH(
アリール)、−N(CH3)(CF3)、−NH(CF3)または−NR56であり; R5は、水素またはC1−C4アルキルであり; R6は、水素、C1−C4アルキルまたはベンジルであり; pは、0、1または2であり; mは独立に、2または3である。] で示される化合物、またはその医薬的に許容しうる塩、プロドラッグもしくはエ
ステルである。式(Ia)の最も好ましい化合物は、式中、ZがCH2であり、 R4が−NH2、−NH(CF3)または−N(CH3)2である化合物またはその医薬 的に許容しうる塩、プロドラッグもしくはエステルである。
【0018】 本発明の方法において使用する他の好ましい化合物は、式(I)におけるWが
−O−であり、Yが置換アルキレンであり、Xがアルキレンである化合物である
。これらの好ましい化合物は、式(Ib):
【化6】 [式中、 Zは、−(CH2)p−であり; R4は、−NR56、−NH(CF3)または−N(CH3)(CF3)であり; R5およびR6は独立に、HまたはC1−C4アルキルであり; pは、0、1または2であり; mは独立に、2または3である] またはそれらの医薬的に許容しうる塩、プロドラッグもしくはエステルで示され
る。式(Ib)の最も好ましい化合物は、式中のpが1であり、R5およびR6
メチルである化合物である。
【0019】 これら化合物は塩基部分を含んでいるので、式(I)、式(Ia)および式(
Ib)で示される化合物は医薬的に許容し得る酸付加塩としても存在し得る。そ
のような塩の形成に通常用いられる酸は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫
酸およびリン酸などの無機酸、並びにパラ−トルエンスルホン酸、メタンスルホ
ン酸、シュウ酸、パラ−ブロモフェニルスルホン酸、炭酸、コハク酸、クエン酸
、安息香酸、酢酸などの有機酸、並びに関連する無機酸および有機酸が含まれる
。したがって、このような医薬的に許容し得る塩には、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重
硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、
メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物塩、臭化物塩、ヨウ化物塩、酢酸塩、プロ
ピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、
ヘプタン酸塩、プロピオール酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベ
リン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、2−ブチン−1,4−二 酸塩、3−へキシン−2,5−二酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、ヒドロ キシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、キシレンスルホン酸塩、フ
ェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩
、馬尿酸塩、β−ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩
、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩
、ナフタレン−2−スルホン酸塩、マンデル酸塩などを含む。特に塩酸塩および
メシラート塩を使用する。
【0020】 医薬的に許容し得る塩に加えて、他の塩も存在し得る。該塩は、該化合物の精
製、他の塩の製造、または該化合物もしくは中間体の同定およびキャラクタリゼ
ーションにおいて中間体として用いることができよう。
【0021】 式I、Ia、およびIbの化合物の医薬的に許容し得る塩は、水、メタノール
、エタノール、ジメチルホルムアミド、および酢酸エチルなどとの種々の溶媒和
物としても存在し得る。そのような溶媒和物の混合物を製造することもできる。
そのような溶媒和物の供給源は、結晶の溶媒由来か、調製物または結晶の溶媒に
固有か、またはそのような溶媒にとって外因性であり得る。
【0022】 式I、Ia、およびIbの化合物の種々の立体異性体は存在してよいと認識さ
れ、例えば、Wは置換アルキレン部分にキラル炭素原子を含んでいてよい。該化
合物は通常ラセミ体として製造され、そのままで好都合に用いることができる。
あるいはまた、個々のエナンチオマーはいずれも、所望するならば通常の技術に
より単離するか、または合成することができる。そのようなラセミ体および個々
のエナンチオマー、およびその混合物は、本発明の方法において使用する化合物
の一部を形成する。
【0023】 本発明に用いる化合物は、式I、Ia、およびIbの化合物の医薬的に許容し
得るプロドラッグも包含する。プロドラッグは、化学的に修飾された薬剤であり
、その作用部位で生物学的に不活性であってよいが、1またはそれより多い酵素
的または他のインビボプロセスにより分解されるかまたは修飾され、親の生物活
性形になることができよう。このプロドラッグは、粘膜上皮からの吸収がより容
易になる、塩形成または溶解性が向上する、および/または全身安定性が改善す
る(例えば、血漿中半減期の増加)などの、親と異なる薬物動態プロフィールを
有していてよい。典型的には、そのような化学修飾には以下のものが含まれる: 1)エステラーゼまたはリパーゼにより開裂されるエステルもしくはアミド誘
導体; 2)特異的または非特異的プロテアーゼにより認識されるペプチド;または 3)プロドラッグ形もしくは修飾プロドラッグ形の膜選択により作用部位に蓄
積される誘導体、または上記1〜3のあらゆる組合せ。適切なプロドラッグ誘導
体を選択および製造するための通常の方法は、例えば、H.ブンドガード(Bu
ndgaard)によるDesign of Prodrugs, (1985)に記
載されている。
【0024】 種々のビス−インドール−N−マレイミド誘導体の合成は、デービス(Dav
is)らによる米国特許第5,057,614号に記載されており、本発明で用い
るのに適した好ましい化合物の合成は、先に示した米国特許第5,552,396
号、およびファウル(Faul)らによるEP公開公報第0657411 A1 号に記載されている(これらは本明細書の一部を構成する)。
【0025】 本発明の方法に用いるのに特に好ましいあるプロテインキナーゼ−βインヒビ
ターは、前記米国特許第5,552,396号の実施例5gに記載の化合物((S) −3,4−[N,N−1,1−((2''−エトキシ)−3'''(O)−4'''−(N,N −ジメチルアミノ)−ブタン)−ビス−(3,3−インドリル)]−1(H)−ピロー
ル−2,5−ジオン・塩酸塩)である。この化合物は有力なプロテインキナーゼ Cインヒビターである。該化合物は他のキナーゼよりプロテインキナーゼCに対
して選択的であり、アイソザイム選択性が高い(すなわち、β−1およびβ−2
アイソザイムに対して選択的である)。米国特許第5,710,145号(これは
本明細書の一部を構成する)に記載の、本化合物の他の塩、特にメシレート塩も
好ましいであろう。
【0026】 好ましいメシレート塩は、式II:
【化7】 で示される化合物を、非反応性有機溶媒、好ましくは有機溶媒/水混合物、最も
好ましくは水−アセトン中でメタンスルホン酸と反応させることにより製造する
ことができる。メタノール、アセトン、酢酸エチルのような他の溶媒、およびそ
の混合物でも実施することができる。溶媒/水比は重要ではなく、一般的には試
薬の溶解性により決定される。好ましい溶媒/水比は、一般的には容量で溶媒:
水が0.1:1〜100:1である。該比は、好ましくは1:1〜20:1であ り、最も好ましくは5:1〜10:1である。最適比は、選択した溶媒に依存し
、アセトンでは溶媒/水比9:1が好ましい。
【0027】 該反応は、通常、2種類の試薬をほぼ等モル量含むが、他の比、特にメタンス
ルホン酸が過剰であっても操作できる。メタンスルホン酸の反応に加える速度は
重要ではなく、急速に(<5分間)、または6時間もしくはそれ以上かけて徐々
に加えてよい。反応は、0℃〜還流温度の範囲の温度で行われる。塩の形成が完
結するまで反応混合物を攪拌する(X線粉末回折により測定し、5分間〜12時
間かかることがある)。
【0028】 本発明の塩は、容易に結晶として製造されることが好ましい。塩の三水和物は
、乾燥させるかまたは相対湿度20−60%に曝すことにより、容易に一水和物
に変換することができる。該塩は実質的に結晶であり、一定の融点、複屈折、お
よびX線回折パターンを示す。一般的に、該結晶は非晶質固体が10%以下、好
ましくは5%以下、最も好ましくは1%以下である。
【0029】 メシレート塩は、ろ過または当該分野で十分理解されている他の分離技術によ
って、または反応混合物から直接、50%〜100%の範囲の収率で単離される
。所望により、再結晶および当該分野で知られた他の精製技術を、さらに塩を精
製するのに使用することができる。
【0030】 本発明に記載するPKCのβアイソザイム阻害剤は、肺血管の浸透性、気管支
平滑筋の収縮性および気道の機能亢進を防止するのに、および一般に喘息を処置
するのに使用可能である。
【0031】 喘息は、肺血管の浸透性の増大および気管支平滑筋の収縮性の増大を特徴とす
る気道の病気である。気管支平滑筋の収縮性の増大は、気道の機能亢進を誘導す
る。肺血管の浸透性の増大は、体液の血管外腔への管外遊出を引き起こし、その
ことは気道から血液への酸素の拡散に対するバリアーとして作用する。
【0032】 喘息は、生理学的には空気の通路が広範囲にわたって狭くなることによって現
われ、これは自発的に和らぐか、または療法の結果として和らげることができる
。喘息は、臨床的には発作性呼吸困難、咳、喘鳴、息切れ、低酸素血症で現われ
、重度の場合には結果として死を招く喘息持続状態で現われる。それは、一時的
な疾患である、症状のない期間が散在した急性増悪である。典型的には、大部分
の発作は短時間であり、数分間〜数時間続くものであるが、しかしながら、患者
が毎日、ある程度の気道閉塞を経験する時期があることもある。
【0033】 喘息は2つの群:アレルギー性喘息および特異体質性喘息に広く分類すること
ができる。アレルギー性喘息は、T型およびB型リンパ球によってコントロール
され、そしてマスト細胞と結合したIgE分子と抗原との相互作用によって活性
化されたIgE応答に依存する。アレルギー性喘息は、アレルギー疾患(例えば
、鼻炎、じん麻疹および湿疹)の個人歴および/または家族歴;空気伝染性抗原
抽出物の皮内注射に対する陽性の膨疹・潮紅皮膚反応;血中IgEレベルの増加
;および/または特定の抗原の吸入を含む誘発試験に対する陽性応答に関連する
ことがよくある。
【0034】 喘息集団の有意な部分は、陰性のアレルギーの個人歴もしくは家族歴、陰性の
皮膚試験および正常な血中IgEレベルを示し、従って確立された免疫学的機構
に基づいて分類することができないことがある。これらは特異体質性喘息と呼ば
れる。上方の呼吸疾患にかかっている場合には、多くの場合は典型的な複合症状
を発現するであろう。
【0035】 喘息は主に気道の疾患であるが、急性発作の間には事実上あらゆる肺機能が傷
つく。喘息の異常病態生理学上の顕著な特徴は、平滑筋の収縮によって生じる気
道の直径の減少、気管支壁の浮腫、および濃厚な粘着性の分泌物が挙げられる。
喘息に関連する症候群または疾患状態は、気道抵抗の増加、強制呼気量および呼
気流速(forced expiratory volumes and flow rates)の減少、肺および胸郭の
過度膨張、呼吸作業の増加、肺組織の肺弾性収縮力の変化、換気および肺血流の
両方の異常な分配、不釣合いな比率、動脈血液ガスの変化を含む。加えて、非常
に症候性の患者では、右心室肥大という心電図上の証拠が存在することがよくあ
る。
【0036】 当業者は、本発明のプロテインキナーゼC阻害剤の治療学的に有効な量とは、
肺血管の浸透性、気管支平滑筋の収縮性および気道の機能亢進を阻害するのに十
分な量であることを認めるであろう。それらの量は、なかんずく治療製剤中の該
化合物の濃度、患者の体重、患者の容態および適用方法に応じて変化する。
【0037】 一般的に、投与するプロテインキナーゼC阻害剤の量は、主治医によって症例
毎に決定される。喘息発作の原因物質、喘息発作から派生する症候群の程度、喘
息発作の持続時間、喘息発作の他の疾患との関連、体重、患者の年齢、投与方法
等は、適切な量を定める際にガイドラインとして考慮される。参考として考慮す
べきいくつかの他の因子としては、患者の高血圧症、喫煙癖および全ての血管の
病気が挙げられる。
【0038】 一般的に、適切な用量は、投与部位のプロテインキナーゼC阻害剤濃度が0. 5nM〜200μM、より通常は約0.5nM〜200nMの範囲になる用量で ある。多くの状況において、血清濃度は0.5nM〜20nMで充分であると思 われる。
【0039】 これら治療(処置)濃度を得るために、治療を要する患者に、約0.001m g/日/kg体重〜50.0mg/日/kgが投与されよう。通常、約10.0m
g/日/kg体重以下のプロテインキナーゼC阻害剤が必要である。先に記した
ように、上記の量は症例ごとに変化してよい。
【0040】 本発明によって得られる治療学的効果は、いくつかの試験モデルまたは試験シ
ステムにおいてPKCアイソザイムの選択的な阻害剤の効果を調べることによっ
て評価することができる。具体的には、式Iの化合物および式Iaと式Ibの好
ましい化合物の、血管の浸透性およびジアシルグリセロールの形成に及ぼす影響
(例えば、ヒスタミンまたはトロンビン)が挙げられる。例えば、VEGF/V
PFにより誘発されるインビボ系での血管の浸透性の増加の阻害または遮断は、
喘息の発作を防止するかまたは阻害する場合の陽性応答を予言する。PKCアク
チベーターで処理した培養微小血管表皮細胞中でのジアシルグリセロール形成の
阻害は、インビボでの喘息の発作を防止するかまたは阻害する場合の陽性応答を
予言する。
【0041】 喘息およびそれに関連する症候群に及ぼす該化合物の影響は、動物モデルでも
評価することができる。動物を予め感作させたアレルゲンに、動物を皮膚経路に
よってチャレンジさせることができる。次いで、最初に感作させた後、該動物を
偽薬またはPKC−βの選択的な阻害剤を用いて処置することができる。引き続
いて、動物が予め免疫化されているアレルゲンに、該動物を再びチャレンジさせ
ることができる。炎症性応答および体液の管外遊出は皮膚反応の大きさで測定す
ることができる。チャレンジ部位も、血管の浸透性の増加について直接に評価す
ることができる。PKC−βの選択的な阻害剤の、抗原との再チャレンジ時に皮
膚反応を減少するかまたは血管の浸透性を減少させる能力は、喘息を処置する場
合の該阻害剤の有用性を示す。
【0042】 PKC−βの選択的な阻害剤の、血管の浸透性の拮抗または阻害に及ぼす効能
を評価するために、喘息の動物によって産出される気管支洗浄液によって刺激さ
れる皮膚浸透性を調べることができる。急性喘息の動物からの気管支洗浄液を、
偽薬またはPKC−βの選択的な阻害剤で処置した非アレルギー性動物に、皮膚
注射することができる。PKC−βの選択的な阻害剤の、喘息の動物の気管支洗
浄液によって誘発される血管の浸透性を減少させる能力は、喘息状態の間に放出
される炎症性因子によって刺激された浸透性を阻害する陽性応答の予言である。
【0043】 喘息を処置する場合のPKC−βの選択的な阻害剤の有効性は、アレルゲンに
チャレンジさせた動物の気管支反応性を調べることによっても評価することがで
きる。アレルゲンに感作された動物は、偽薬またはPKC−βの選択的な阻害剤
を用いて処置することができる。引き続いて、これらの動物をアレルゲンにチャ
レンジさせ、その肺機能を追跡することができる。PKC−βの選択的な阻害剤
の気管支反応性を減少させる能力は、喘息を処置する場合のPKC阻害剤の有効
性を予言する。
【0044】 式Iの化合物並びに、式Iaおよび式Ibの好ましい化合物は投与する前に製
剤化することが好ましい。適当な医薬製剤は、よく知られており且つ容易に入手
可能な成分を用いた公知の製法によって製造する。本発明の方法での使用に適当
な組成物を調製する場合、活性成分は通常、担体と混合し、または担体によって
希釈し、または担体(カプセル剤、サッシェ、紙剤または他の容器の形態をとり
得る)中に封入する。担体が希釈剤として機能する場合、それは活性成分のビヒ
クル、賦形剤または媒体として作用する固体、半固体または液体の材料であり得
る。従って、それらの組成物は錠剤、丸剤、散剤、トローチ剤、サッシェ、カシ
ェ剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、液剤、シロップ剤、エアロゾル剤(固体ま
たは液体媒質として)、軟カプセル剤、硬カプセル剤、坐剤、経口適用また局所
適用のための減菌した注射可能な液剤および減菌したパッケージ散剤の形態をと
り得る。
【0045】 適当な担体、賦形剤および希釈剤の例としては、ラクトース、デキストロース
、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアガム、リン酸
カルシウム、アルギン酸塩、トラガカントガム、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、
微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップ剤、メチ
ルセルロース、ヒドロキシ安息香酸メチルおよび該プロピル、タルク、ステアリ
ン酸マグネシウムおよび鉱油を含む。製剤は更に、湿潤剤、湿性剤、乳化剤、懸
濁化剤、保存剤、甘味剤または香味剤を含んでもよい。本発明の組成物は、患者
に投与後に活性成分の速い、持続した、または遅延した放出を供するために製剤
化してもよい。該組成物は単位用量形態で製剤化することが好ましく、その各用
量は活性成分を約0.05mg〜約3g、より通常は約5〜15mgを含有する 。しかしながら、投与する治療学的用量は関連する状況(処置する病気の激烈さ
、投与する化合物の選択および選択した投与経路を含む)に照らして、医師によ
って決定されると理解される。従って、上記の用量の範囲は、本発明の範囲を限
定することを意図するものではない。用語「単位用量形態」とは、単位用量とし
てヒトの被験者および他の哺乳動物に適当な物理的ディスクリート(discr
ete)単位であり、各単位が適当な医薬担体と組み合わせて、望ましい治療学
効果を生み出すように計算された、予め決定した量の活性成分を含有するものを
意味する。
【0046】 上記の製剤(その大部分は経口投与可能である)に加えて、本発明の方法にお
いて使用する化合物は局所投与することもできる。局所製剤としては、軟膏、ク
リーム剤およびゲル剤を含む。好ましい態様では、平滑筋への該化合物の直接的
な空洞内注射を用いる。
【0047】 軟膏は通常、(1)油脂性基剤(すなわち、固定油もしくは炭化水素からなる
ものであり、例えばホワイトワセリンまたは鉱油)または(2)吸収性基剤(す
なわち、無水基質または水を吸収可能な基質からなるものであり、例えば無水ラ
ノリン)を用いて製造する。通例、基剤(油脂性または吸収性のどちらか)を形
成後に、活性成分(化合物)を加えて望む濃度を与える量とする。
【0048】 クリーム剤は水中/油型乳剤である。それらは、油相(内相)(これらは典型
的に、例えばワックス、ワセリン、鉱油などの固定油、炭化水素などを含む)、
および水相(連続相)(これらは水および添加した塩などの水溶性基質を含む)
からなる。それら二相は、乳化剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウムなどの界面
活性剤、アカシアコロイド状クレー、ビーガムなどの親水性コロイド)を用いる
ことによって、安定化する。乳液を形成する場合、活性成分(化合物)は通例、
望む濃度を与えるような量を加える。
【0049】 ゲル剤は、油脂性基剤、水または乳剤性−懸濁剤性基剤から選ばれる基剤を含
む。それらの基剤にゲル化剤を加えて基剤中にマトリックスを形成させ、粘性を
増加させる。ゲル化剤の例としては、ヒドロキシプロピルセルロース、アクリル
酸ポリマーなどが挙げられる。通例、ゲル化剤を加える前の時点で、活性成分(
化合物)を所望の濃度で、基剤に加える。
【0050】 局所製剤中に含有される化合物の量は重要ではなく;その濃度は、所望の処置
部位に所望の量の化合物を運搬するであろう量で、製剤を影響を及ぼす組織領域
に容易に適用できるのに十分な範囲内であるべきである。
【0051】 影響を及ぼす組織に適用する局所製剤の通例の量は、製剤中の化合物の濃度に
依存する。一般的に、製剤は影響を及ぼす組織のcm2当り、約1〜約500μ gの化合物を与える量で、影響を受ける組織に適用する。化合物の適用量は、約
30〜約300μg/cm2の範囲であるのが好ましく、約50〜約200μg /cm2の範囲であるのがより好ましく、そして約60〜約100μg/cm2
範囲であるのが最も好ましい。
【0052】 以下の製剤例は例示するだけであり、本発明の範囲を限定することを意図する
ものではない。 製剤例1 硬カプセル剤は以下の成分を用いて製造する。
【表1】 上記成分を混合し、460mgの量を硬カプセル剤に充填する。
【0053】 製剤例2 錠剤は以下の成分を用いて製造する。
【表2】 それら構成成分を混和し、圧縮して、重量が665mgの各錠剤を得る。
【0054】 製剤例3 60mgの活性成分を含有する各錠剤を、以下の通り製造する。
【表3】
【0055】 活性成分、デンプンおよびセルロースを45番メッシュのU.S.ふるいを通し
てふるいにかけ、十分に混合する。ポリビニルピロリドンの溶液を得られた粉末
と一緒に混合し、次いで14番メッシュのU.S.ふるいを通してふるいにかける
。生成した顆粒を50℃で乾燥し、18番メッシュのU.S.ふるいを通してふる
いにかける。次いで、予め60番メッシュのU.S.ふるいを通してふるいにかけ
たカルボキシメチルデンプンナトリウム、ステアリン酸マグネシウムおよびタル
クを該顆粒に加え、混合後、そのものを錠剤機で圧縮して、重量が150mgの
各錠剤を得る。
【0056】 本発明の原理、好ましい態様および操作方法については以上の明細書中に記載
した。しかしながら、開示した特定の形態は限定するよりもむしろ例示するもの
と解釈すべきであるから、本明細書で保護されることを意図する発明は、それら
特定の形態に限定されるものと解釈すべきではない。本発明の精神を逸脱しない
ならば、当業者が改良および改変を行なってもよい。
【手続補正書】
【提出日】平成12年9月6日(2000.9.6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 喘息の治療学的処置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07D 498/22 C07D 498/22 (81)指定国 OA(BF,BJ,CF,CG, CI,CM,GA,GN,GW,ML,MR,NE,S N,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,MW ,SD,SL,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ, BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL, AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,B Y,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE ,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO, NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,S I,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZW Fターム(参考) 4C050 PA20 4C072 AA01 AA03 BB04 BB07 CC03 CC11 EE09 FF03 GG01 GG07 4C084 AA17 NA14 ZA591 ZA592 ZC202 4C086 AA01 CA01 CB04 MA04 NA14 ZA59

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 喘息を処置する方法であって、該処置が必要な哺乳動物に治
    療学的に有効な量のプロテインキナーゼCのβアイソザイムインヒビターを投与
    することを含む方法。
  2. 【請求項2】 プロテインキナーゼCのβアイソザイムインヒビターがビス
    −インドリルマレイミドまたは大環状ビス−インドリルマレイミドである、請求
    項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 インヒビターはβアイソザイムに選択的であり、そのアイソ
    ザイム選択性がβ−1およびβ−2アイソザイムからなる群から選ばれる、請求
    項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 プロテインキナーゼCインヒビターが以下の式を有するか、
    またはそれらの医薬的に許容し得る塩、プロドラッグもしくはエステルである、
    請求項3に記載の方法。 【化1】 [式中、 Wは、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−、C2−C6アルキレ ン、置換アルキレン、C2−C6アルケニレン、−アリール−、−アリール(CH2 )mO−、−へテロ環−、−へテロ環−(CH2)mO−、−縮合二環−、−縮合二環
    −(CH2)mO−、−NR3−、−NOR3−、−CONH−、または−NHCO−
    であり; XおよびYは独立に、C1−C4アルキレン、置換アルキレンであるか、または
    X、YおよびWが一緒になって−(CH2)n−AA−を形成し; R1は、水素、または場合により4個までハロ、C1−C4アルキル、ヒドロキ シ、C1−C4アルコキシ、ハロアルキル、ニトロ、−NR45、または−NHC
    O(C1−C4アルキル)から独立に選ばれる置換基であり; R2は、水素、CH3CO−、−NH2またはヒドロキシであり; R3は、水素、−(CH2)mアリ−ル、−C1−C4アルキル、−COO(C1−C4 アルキル)、−CONR45、−(C=NH)NH2、−SO(C1−C4アルキル)、
    −SO2(NR45)または−SO2(C1−C4アルキル)であり; R4およびR5は独立に、水素、C1−C4アルキル、フェニル、ベンジルである
    か、またはそれらが結合している窒素と一緒になって飽和もしくは不飽和の5も
    しくは6員環を形成し; AAは、アミノ酸残基であり; mは独立に、0、1、2または3であり; nは独立に、2、3、4または5である。]
  5. 【請求項5】 プロテインキナーゼCインヒビターが以下の式で表わされる
    化合物またはそれらの医薬的に許容し得る塩、プロドラッグもしくはエステルで
    ある、請求項4に記載の方法。 【化2】 [式中、 Zは、−(CH2)p−または−(CH2)p−O−(CH2)p−であり; R4は、ヒドロキシ、−SH、C1−C4アルキル、(CH2)mアリ−ル、−NH(
    アリール)、−N(CH3)(CF3)、−NH(CF3)または−NR56であり; R5は、水素またはC1−C4アルキルであり; R6は、水素、C1−C4アルキルまたはベンジルであり; pは、0、1または2であり; mは独立に、2または3である。]
  6. 【請求項6】 プロテインキナーゼCインヒビターが以下の式を有するか、
    またはそれらの医薬的に許容し得る塩、プロドラッグもしくはエステルである、
    請求項4に記載の方法。 【化3】 [式中、 Zは、−(CH2)p−であり; R4は、−NR56、−NH(CF3)または−N(CH3)(CF3)であり; R5およびR6は独立に、HまたはC1−C4アルキルであり; pは、0、1または2であり; mは独立に、2または3である。]
  7. 【請求項7】 プロテインキナーゼCインヒビターが、(S)−3,4−[N, N'−1,1'−((2''−エトキシ)−3'''(O)−4'''−(N,N−ジメチルアミノ
    )−ブタン)−ビス−(3,3'−インドリル)]−1(H)−ピロール−2,5−ジオン
    またはそれらの医薬的に許容し得る塩を含む、請求項4に記載の方法。
  8. 【請求項8】 喘息に関連する症候群を処置する方法であって、該処置が必
    要な哺乳動物に、治療学的に有効な量のプロテインキナーゼCのβアイソザイム
    インヒビターを投与することを含む方法。
  9. 【請求項9】 該症候群は、発作性呼吸困難、咳、喘鳴、息切れ、低酸素血
    症、気道抵抗の増加、強制呼気量および呼気流速の減少、肺および胸郭の過度膨
    張、呼吸作業の増加、肺弾性収縮力の変化、換気および肺血流の両方の異常な分
    配、不釣合いな比率、動脈血液ガスの変化および右心室肥大からなる群から選ば
    れる、請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 肺血管の浸透性を阻害する方法であって、該処置が必要な
    哺乳動物に、治療学的に有効な量のプロテインキナーゼCのβアイソザイムイン
    ヒビターを投与することを含む方法。
  11. 【請求項11】 気道の機能亢進を阻害するための方法であって、該処置が
    必要な哺乳動物に、治療学的に有効な量のプロテインキナーゼCのβアイソザイ
    ムインヒビターを投与することを含む方法。
  12. 【請求項12】 気管支平滑筋の収縮性を阻害する方法であって、該処置が
    必要な哺乳動物に、治療学的に有効な量のプロテインキナーゼCのβアイソザイ
    ムインヒビターを投与することを含む方法。
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