JP2002503417A - 電話における時間ダイバーシティを制御するための方法および装置 - Google Patents

電話における時間ダイバーシティを制御するための方法および装置

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Abstract

(57)【要約】 音声通信の音質を改善するために、時間ダイバーシティが使用される無線電話システム。より悪い通信状態で比較的長い時間的遅延が存在するような送信信号に、可変時間ダイバーシティが導入される。この可変時間ダイバーシティは、インターリーブの深さを変えることにより、または二つのチャネルで発生したエラーの相関関係を解消するための十分な時間的オフセットで動作する少なくとも二つのTDMAスロットにより生成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】 電話における時間ダイバーシティを制御するための方法および装置 技術分野 本発明は、無線電話における時間ダイバーシティを制御するための方法および 装置に関する。 背景技術 本発明は、特に電力容量が限界状態にある個人衛星システム、信号レベルが時 々必要なレベル以下に低下する地上システム、また音声通信の信頼性の改善を目 的とする各システムで使用される。 手のひらサイズのターミナルへの衛星通信は、信号シャドーイングおよび多重 経路フェージングにより、受信信号電力が大きく変動する。例えば、ビル、橋、 樹木等のような伝播経路内の障害物により、衛星信号の局部的信号レベルが低下 すると、全信号の帯域幅に渡って減衰が起きる。高度の低い衛星の場合には、信 号レベルが低下するエリアは、高度の高い衛星と比較すると広い。多重経路フェ ージングは、衛星信号が直接経路を通してだけではなく、周囲の対象物により反 射された後で受信されるために起こる。これらの信号の伝播経路は距離が異なる ので、多重経路を通る信号のレベルが受信できないほど大きく低下する場合があ る。フェージングの深さの他に、フェージング期間の分布も、チャネルを不安定 にする大きな要因である。傾向は違っていても、類似の現象がアップリンクおよ びダウンリンクの両方向で起こり、特にFDD送信の二重距離の場合に著しく認 められる。 それ故、すべての陸上移動衛星システムの場合には、衛星と移動ターミナルと の間の通信リスクが、地球から衛星、衛星から地球への送信経路の最も重要な部 分であり、全システムの性能を左右する。さらに、手のひらサイズのシステムは 、頭部の影響およびほぼ全方向性アンテサの影響のために多く の問題を抱えている。 手のひらサイズの個人衛星サービスに使用される、大部分の衛星無線環境にお いては、低周波シャドーイングの上に高周波フェージングが重畳する。多重dB 平均レベル差を持つ、比較的「良好な」チャネル周期と、非常に「悪い」チャネ ル周期とは区別される。良好なチャネル状態は、障害物なしに衛星を見ることが できる(陰にならないエリア)に対応し、多重経路劣化の影響を比較的受けない 。悪いチャネル状態は、衛星信号が直接障害物の影になり、および/または多重 経路フェージングにより有意の影響を受けるエリアを表わす。 多くの現在のシステムの場合には、システムの性能を改善するために、二つま たはそれ以上の経路ダイバーシティが使用される。本発明は、単一経路の再送信 または冗長性に関する。 時間ダイバーシティ技術は、周知のシステムでも使用されている。周知の時間 ダイバーシティ技術の一つの例が、音声フレームの内容が、インターリービング により、多数のTDMAスロット上に分散されるGSMで使用されているもので ある。その場合、受信信号を再構成することができ、すでに送信されたFEC( 順方向エラー修正)情報が、音声フレーム・ビットと一緒に、多重経路フェージ ングまたは干渉により、すでに変質しているかも知れない任意の部分を修正する ために使用される。上記インターリービングの大きな欠点は、多重経路フェージ ングの重大なレベル低下をうまく補償するために、深いフェージングを使用しな ければならないことである。すなわち、音声通信に長い遅延が発生することであ る。遅延時間が長いと、二方向会話の行為間の損失により受信音質が低下する。 ある種の無線通信回路で使用される多重衛星経路での、長時間の遅延の影響の極 端な例は周知である。しかし、この例の場合、遅延は、手の込んだインターリー ビングおよび処理によるものではなく、主に衛星経路の長さによるものである。 もう一つの周知の時間ダイバーシティ技術の場合には、音声信号の二つ(また はそれ以上の)表示が、無線経路の相関関係特性に依存する適当な時間により、 時間的間隔を置いて送信される。この例の場合には、受信装置は、単に、スロッ ト単位またはフレーム単位で、変質の最も少ない送信を選択し、オーディオ経路 を再構成する。オーディオ経路で発生した遅延は、一定であり、少なくとも、最 初のサンプルと最後のサンプルとの間の遅延に等しい。 上記例の他にも、もっと複雑な技術があるし、またはこれら技術をある種の方 法で結合することもできるし、信号法が最初の送信の受信に成功したことを示し ている場合には、二次サンプルまたは関連FECデータの送信を行わないですま すことができる。RACE ATDMAプロジェクトは、ARQ(自動反復要求 )タイプIIに基づく技術を使用している。二次サンプルの選択的な送信の利点は 、デマンドオン・システム/ネットワーク資源(例えば、電力およびスペクトル )の数が減ることである。 送信機は「アンテナ・ダイバーシティ」を使用し、Qualcomm CDM Aはマイクロセル動作に対して類似の技術を使用していても、時分割構成部分は 、通常、同じ送信機から受信機に送信されることにも留意されたい。第二の送信 機および/またはアンテナ・サイトを使用すると、ダイバーシティのタイプは、 直接時間ダイバーシティでなく経路ダイバーシティになる。しかし、第一の送信 が変質しているのが分かった時だけ第二の送信を行う場合には(すなわち、AR Q)、本発明を適用することができる。 発明の開示 本発明の第一の態様は、送信信号に時間ダイバーシティを使用して、無線電話 で通信する方法を提供することである。この場合、それに従って、時間ダイバー シティは、無線伝播条件により、伝播条件が悪い場合の比較的長い時間的遅延か ら伝播条件が良好である場合の比較的短い時間的遅延または遅延ゼロへと変動す る。 本発明の第二の態様は、無線電話による通信システムにおいて、送信局におい て、時間ダイバーシティを導入するための手段と、受信局において、受信した信 号の音質を検出するための手段と、送信局において、受信局において検出した通 信の音質に従って、ダイバーシティの時間的遅延を変化させるための手段を備え る装置を供給することである。 それ故、本発明の目的は、時間ダイバーシティが、ダイバーシティ・ゼロから 、例えば、数秒までの、公衆網での二重音声動作の場合には、そこまでにはなる まいと考えられる時間的遅延までの範囲の、実際の無線伝播条件に従って変化す ることができる技術を提供することである。 要するに、時間ダイバーシティは、発声中に自由に変化することができ、全体 の音声遅延も同様に変化する。この場合、より良好な条件の場合には、音声は近 延を起こすものの、その遅延は、ユーザがそれにほとんで気が付かないか、全く 気が付かない(通常、40ミリ秒以下)であると考えられる。より悪い条件の場 合には、遅延は増大するが、ダイバーシティの利得を適用することにより、通信 を少なくとも聴き取ることができる状態に維持することができる。遅延を長くす るという考え方を理解するのはそんなに難しいことではない、何故なら、例えば 、そうするには、音声の存在しない時間を挿入しさえすればよいからである。必 要な時間的遅延の長さの増大が進行的であり、数秒間それが続く場合には、ユー ザばそれをそれほど長く感じないし、不快にも思わない。それ故、遅延の挿入は 、音声を聞き取ることができる程度に行う必要があり、それが可能な場合には、 語の終わり、または他のもっとユーザが気が付かない部分に、声のない状態を挿 入するか、または好適には、選択したフレームを反復することにより、遅延がゆ っくりと挿入される。 状態が改善した場合遅延の長さを短くするという考え方は、もっと根本的なも のであるが、選択した音声フレームまたは選択した音声パターンを単に省略する ことにより、(恐らく、1秒から数秒の間)発声時間を短くするこ とができることを理解することができるだろう。ある種の自然な音声がない時間 も省略することができる。簡単な試験により、音声の選択した部分を省略しても 、音声を聞き取ることができなくなるのが、最小限度に抑えられることが分かっ ている。音質の劣化が耳で聞いて分かるほどであっても、それが一過性のもので あるので、ユーザはそれに多くの場合気が付かないし、このような状態は、不十 分な時間遅延ダイバーシティにより、音声が完全に喪失してしまう状態よりは好 ましい。 添付の図面を参照しながら、本発明をさらに詳細に説明する。 図面の簡単な説明 図1は、本発明を適用することができる衛星リンクの三つの可能な形式である 。 図2は、音質を変化させることができる無線電話チャネルの図面である。 図3は、通信チャネル内部へのの送信フレームである。 図4は、送信チャネルに導入された時間ダイバーシティ関連の図面である。 図5および図6は、可変時間ダイバーシディを内蔵する二つの通信システムの ブロック図である。 図7は、チャネル遷移の例である。 発明を実施するための最良の形態 上記装置の本質は、弱い信号を緩和するために時間ダイバーシティを使用する ことである。すなわち、時間ダイバーシティは、実際の無線伝播状態に従って適 応させることができる。その目的は、導入された遅延を最も短くすることである 。この遅延は、(良好な状態の場合の)低いまたはゼロのダイバーシティから、 少なくとも、基本的な通信を容易に行うことができる状態を維持するために、( 例えば、最高数秒までの)公衆網の二重音声動作に対しては、通常、余りに長す ぎると思われる遅延に渡る場合がある。多くの例において、そのようなレベルま で遅延を延長する必要があるのは、一時的な 場合で、そうするとユーザにとって小さな問題が起こるが、音声通信の(短くて も)有意な中断よりも遥かに音質に対する悪影響は少ない。上記システムは、少 なくとも、一方が衛星または二重モード(衛星およびセルラー)電話である、二 つの電話の間の通信リンクの性能を改善する。 図1は、三つの可能なネットワーク接続を示す。 (a)衛星電話のユーザ1は、衛星4、地上基地局5および陸上地上局6を通し て、地上すなわち、陸上移動ネットワーク3の、ユーザ局2と通信する。ユーザ 局2としては、任意の有線電話またば無線電話を使用することができる。 (b)衛星電話ユーザ1は、衛星電話ユーザ7と通信する。会話は、一方のユー ザ局からもう一方のユーザ局へと直接行われる。陸上地上局6は、制御チャネル 8により、二つの電話の間の時間的遅延の更新を制御する。 (c)衛星電話ユーザ1は、衛星電話ユーザ7と通信する。これらの電話の間の 制御および時間的遅延の更新は、制御チャネル8を通して陸上地上局6により行 われる。 上記システムは、実際の無線伝播状態により可変時間ダイバーシティを使用す る。通常、低周波シャドーイングの上に高周波フェージングが重畳する。提案技 術の第一のアプローチとして、低周波フェージングの原因(橋、街頭柱、樹木) を解決するために、可変時間ダイバーシティの使用が提案されている。 この場合、時間領域ダイバーシティが考慮の対象になる。(すなわち、衛星ダ イバーシティ、周波数ダイバーシティ、アンテナダイバーシティは、考慮の対象 にならない。)しかし、時間領域ダイバーシティを上記ダイバーシティの中の一 つまたはそれ以上と組合せることもできる。 時間遅延ダイバーシティは、測定したチャネルの音質により変化し、変化は、 耳が感じる影響を最小限度にするために、制御された方法で行われる。 時間遅延ダイバーシティは、少なくとも二つの異なる方法で行うことができる 。 i)例えば、TDMA送信の二つのスロットまたはCDMAの二つのコードの ような二つの個々のチャネルを使用する方法。(二つの個々のFDMAチャネル も使用することができる。) ii)データに強力なFECを追加し、エラー保護送信(例えば、GSM音声) の一部が喪失した(例えば、最高40%)場合に、全部をカバーすることができ るよう、十分インターリーブするよ、うにデータ分割する方法。 第一の接続(図1(a))は、衛星電話ユーザに対する最も普通の通信リンク である。主システムの説明は、この通信リンクに基づいて行われる。他の二つの 通信リンクについては後に詳細に説明する。衛星電話ユーザ1は、陸上地上局6 を通して、ユーザ局2と通信する。ユーザ局2としては、任意の有線電話または 無線電話を使用することができる。ビット誤り率(BER)性能向上装置は、衛 星電話の一部である。他方の端部には、衛星陸上地上局のところに類似の装置を 設置することができる。 ユーザは、送信用のTDMAフォーマットにおいて、一つ以上のタイムスロッ トを占有することができる。最初に、固定遅延を含む通信状態の「悪い」チャネ ルについて考察し、その後で、「通信状態のよいチャネルから通信状態の悪いチ ャネル」および「通信状態の悪いチャネルから通信状態のよいチャネル」への二 つの遷移(図2)について考察する。通信状態のよいチャネルの場合には、遅延 を低い数値またはゼロにすることができるし、そうしたい場合には、チャネル容 量が無駄に使用されるのを防止するために、第二の送信を全面的に抑制すること ができる。 まず説明を簡単にするために、第二の(遅延)チャネルに含まれる送信機は、 第一のチャネルの単なるコピーであると仮定する。しかし、(例えば、第一およ び第二のチャネルをFEC原理を使用して、合成の組として復号化 することができるように)第二のチャネルを第一のチャネルのコード化したチャ ネルとすることによって、実質的なもう一つの利点を得ることができる。 図3は、TDMAフォーマットで送信され、六つのタイムスロットの一つのフ レーム内の第三のタイムスロットを占有する、例示としてのフレーム構造体であ る。各タイムスロットの長さは、6.67ミリ秒である。全フレームの長さは4 0ミリ秒である。例えば、N−k番目のフレーム内の第三のタイムスロットの再 送信に対応する、(図3に示すように)N番目の送信フレーム内の6番目のタイ ムスロットのような後続のフレーム内の個々のフレームを使用して、少なくとも フレームの持続時間(40ミリ秒)の再送信の時間的遅延を使用することが提案 されている。 フェージングまたはチャネル特性は、任意の一つのスロット中においては、聴 覚的には一定であるこ見なされる。その結果、深いフェージングの間に、または 通信状態の良好なチャネル状態の下で、一つまたはそれ以上のスロットを受信す ることができる。長い周期のフェージングの問題に取り組むために、導入された 時間ダイバーシティは、フレーム周期(に非常に有意であると考えられる、スロ ット位置による時間を加算または減算したもの)の整数倍である。下記の場合に は、td=kTF(図4、k=1,2,...,kmax、およびTF=フレー ム周期)が考慮される。周期の短いフェージングによる、もっと速い変化は、実 際には、実質的な遅延を起こさないで、もっと古くから使用されている順方向エ ラー・コード化によりすでに補償されている。 チャネル音質は、インターバル[0,1]の数値をとる、パラメータqを特徴 とする。q=0は、通信リンク・カットオフ点(通常、音声デコーダに対する4 %BERカットオフに対応する)に近い、最悪の場合(通信状態の「悪い」チャ ネル)に対応する。パラメータqは、RF測定、音声デコーダのところの、また は下記の他の手段による、エラーの音声フレームの評価に より評価することができる。 受信機の音声デコーダのところで測定した音質が、可変しきい値bより優れて いた場合には、kのフレーム後に再送信を行う必要はなく、kを低減することが できる。しかし、チャネル音質が劣化していた場合には、kを増大して、再送信 の時間的遅延を増大する必要がある。 図5の場合には、ブロック10は、陸上地上局6の送信機に内蔵されている時 間遅延プロセッサであり、ブロック12は、陸上地上局6の受信機に内蔵されて いる時間遅延プロセッサである。ブロセッサ10は、マイクロホン13およびア ナログ−デジタル変換器14から信号を受信し、アンテナ15から送信用の出力 信号を送信する。プロセッサ12は、アンテナ16および受信機17から信号を 受信し、地上または陸上移動ネットワーク3に信号を送る。 最初に、kが一定の場合のケースについで、図5を説明する。プロセッサ10 の音声エンコーダ18からの出力は、直接経路Aおよび遅延経路Bに送られる。 この場合、経路Bは、送信されたデータを一時的に記憶するシフト・レジスタま たは類似の遅延素子22により遅延を起こさせる。図5と同じブロック図が、衛 星移動電話にも適用される。時間的遅延は、衛星ネットワークにより設定され、 参照番号23で示すように、スロット6でスロット3を再送信させる、フレーム td=kTFの整数である。送信されたスロットおよび衛星移動電話からの遅延 したスロットは、陸上地上局のプロセッサ12の二つの個々の音声デコーダ24 、25に送られる。しかし、二つの音声デコーダに入力される前に、二つの信号 の遅延の差が、必要に応じて、例えば、デジタル遅延ラインまたはシフト・レジ スタ26により、遅延を加算することで除去される。その後で、音声デコーダ2 4、25は、同じ時間方式で動作し、その出力は、聞く人の耳に届く出力された または失われた音声フレームの数を最も少なくするような方法で、コンバイナ2 7で結合される。 コンバイナ27は、単一のスイッチのような機能でもよいし、または二つの復号 化した信号を聴き取ることができるように結合することにより、受信機の性能を さらに改善するために、音声デコーダともっと緊密に一体化することもできる。 何故導入した時間遅延再送信が、音声の音質を改善するのかを説明するために 、時間的遅延tdが、一定で変化しないものと仮定して説明を続ける。図5にお いては、音声デコーダ25に接続し,ている直接経路Aと、音声デコーダ24に 接続している遅延経路Bについて考えてみよう。P[A]は、直接経路A内での 音声フレーム・エラーの確率として定義され、P[B]は、時間的遅延経路B内 の音声フレーム・エラーの確率として定義され、P[C]は、コンバイナの出力 のところでの音声フレーム・エラーの確率として定義される。システムは、定常 状態の通信状態の「悪い」チャネル、または通信状態の「よい」チャネルで動作 するものと仮定する。この簡単な例の場合には、コンバイナ27はスイッチであ る。チャネルの通信状態が「良好」である場合には、信号を再送信する必要はな い。 P[C]=P[A] それ故、経路「A」の通信状態が「悪い」状態にあり、経路「A」内の音声デ コーダ25の性能が劣化している場合には、コンバイナ27は、P「B]<P「 A」であることが望ましい、下記式で表わされる誤り率の性能を持つものと考え られる別の経路Bに切り換える。 P[C]=P[B] コンバイナ27は、両方の経路AおよびBからの音質よい方の音声信号を選択 し、これら二つの経路のエラーが、全部相互に関連づけられない場合には、上記 の切り換えた結合は明らかにそうするだけの価値がある。同じ信号を二つの相互 に関連のない無線チャネル内を通して送信した場合には、二つの受信信号は異な るエラーを含むことが知られている。理想的な場合には、 音声デコーダ(図5の)の出力のところでの、結合信号のエラーの確率は、下記 式により表わされる。 P[C]=P[A,B]=P[A]×P[B] ガウス・チャネルにおいては、これは、ピーク信号電力の約3dBの増大と同 じことである。 全部の相互に関連がないエラー・プロセスが存在しない、上記ほど理想的でな い場合においてすら、エラー、すなわち、音声デコーダへの入力のところの、二 つの経路のところのスロットの内部のビット位置は、決定的なものでなく、ラン ダムな状態の傾向にある。それ故、二倍の信号情報エネルギーを入手することが できるという単純な事実があるので、第二のスロットから利点を得るための結合 を種々の方法で行うことができる。簡単な実施形態(すなわち、音声デコーダ出 力のところでの簡単な切換結合)の場合には、3dBの余分なピーク・キャリヤ 電力に等しい改善の潜在的な可能性がある。(例えば、音声デコーダの前での最 適FECコード化利得技術による結合、および音声デコーダのアーキテクチャで の潜在的に最適な結合のような)もっと複雑な実施形態の場合には、恐らく、8 dBまでの等価電力利得を達成することができるものと思われる。FECおよび 静的ダイバーシティ技術と組合せた最適結合は、周知の原理であり、本発明の範 囲には含まれないが、可変ダイバーシティを完全に活用するには必要なものであ る。 さらに説明を進めて、可変時間的遅延の場合について図5を説明する。遅延ラ イン26による遅延は、時間遅延コント・ローラ32からの可変遅延信号により 、変化することができる。ユーザがほとんど気が付かないような方法で、可変時 間的遅延がどのように管理されるのかを説明するために、簡単な切換コンバイナ 27を使用するものと仮定しよう。遅延は、衛星電話の時間的遅延コントローラ (参照番号32で示す)への、および衛星電話のデジタル遅延ライン(参照番号 22で示すへの、フィードバック経路28上で、 高速制御チャネルを供給する音質検出装置30により設定される、フレームtd =(k×TF)の可変整数である。時間的遅延コントローラ32、およびデジタ ル遅延ライン22に送られた衛星電話の音質検出装置(参照番号30で示す)か らのものである。 時間的遅延コントローラ32は、遅延を範囲[0、kmax×TF]内で変化 させる。この場合、kmaxTFは、導入した最大の時間的遅延の数値である。 直接経路Aのところで復調された信号は、遅延kTF、k=0,kmaxを適用 し、時間的遅延コントローラ32からのものであり、音声デコーダ25への可変 デジタル遅延ライン26に送られる。音声デコーダ24および25の出力は、す でに説明したコンバイナに送られる。 陸上地上局の受信機/送信機と、衛星電話の送信機/受信機との間の、時間的 遅延更新tdの通信用の実際のの機構については詳細に説明しないが、高速制御 チャネル(図5)または通常の音声チャネル(図6)に埋設された、高度に保護 された、低ビット速度コマンドを含むプログラムされ、システムのクロックによ り制御されたシーケンスに基づく場合が多い。図6においては、図5の構成部分 に対応する構成部分には同じ参照番号が付けてある。フィードバック経路28上 の出力は、衛星電話のデジタル遅延ライン(参照番号22で示す)に送られ、デ ジタル遅延ライン22は、衛星電話の音質検出装置(参照番号30で示す)から の信号を受信する。デジタル遅延ラインによる遅延tdは、音質検出装置30に より制御される遅延の長さ(nビット)により表わされる。プロセッサ12にお いては、nビット・コントローラ33は、大きさkを入手し、デジタル遅延ライ ン26に送られた遅延tdを入手する時間的遅延コントローラ34を支配する。 上記システムの特徴は、信号が劣化し(制御チャネルの音質のレベルが低下) した場合でも、遅延を増大する実際の機構がそれによる影響を受けないことであ る。逆の機構(すなわち、遅延を取り除く)は、もちろん、良好な 無線状態で使用することができる、もっと確実な制御を必要とする。周波数分割 二重(FDD)送信システムの場合には、衛星電話の送信機のところでの遅延値 tdは、陸上地上局のところでチャネル音質検出装置により制御される高速関連 制御チャネル(図6)を通して更新することができる。同様に、陸上地上局の送 信機に導入された時間的遅延は、衛星電話の受信機のところのチャネル音質検出 装置により制御される。時分割多重(TDD)送信システムの場合には、衛星電 話の送信機の時間的遅延は、受信機のところのチャネル音質検出装置により制御 することができる。同じことが、陸上地上局についてもいえる。 チャネルの音質Q(図2、qR0)が劣化(「通信状態が良好なチャネルから 通信状態が悪いチャネル」へ遷移)すると、時間的遅延tdは、フレームの整数 に等しい時間的ステップで増大する。これをk×TF周期であると仮定する。陸 上地上局/衛星電話のところで時間的遅延更新を受信すると、前の音声スロット が、送信機の衛星電話ユーザ/陸上地上局の遅延ラインで、k回反復される。( 別の方法としては、ある種の快適なノイズを、恐らく、「反復」または「拡張」 コードを認識した場合に、音声デコーダにより直接導入することができる。) その結果、陸上地上局/衛星電話の受信機のところで、このスロットは反復し て音声デコーダ24に送られる。音声デコーダ24は、時間的遅延の更新値(新 しい時間方式)を使用して動作する。しかし、一時的な変化は、音声デコーダ2 4の出力が、有意のアーティファクトを発生しないで、音声を正確に再生するに は、数個の音声フレームを必要とすることを意味する。時間的遅延を増大するた めに使用された情報ビットは、高速制御チャネル(図5)により送ることができ る。時間的遅延の更新は、経路Bのところで(更新した時間的遅延により)再送 信されたスロットが、陸上地上局/衛星電話に受信されるや否や、経路Aのとこ ろのデジタル遅延ラインに適用される。 それ故、両方の音声デコーダが、同じ時間方式で動作する。別の方法としては、 (図6に示すように)、時間的遅延を増大するために使用された、情報ビット( 例えば、n個のビット)を経路B内のスロット自身で送ることができ、これらの ビットが設定されている場合には、受信機のところの時間的遅延コントローラを k×TFだけ増大することができ、それにより、経路Aのところの遅延ラインに 、衛星電話の送信機遅延素子への場合と類似の方法で、スロットまたは快適なノ イズを反復することにより、その遅延を増大するように通知する。しかし、この 「拡張」の位置を、例えば、下記のように選択することができる。 i)それを、陸上地上局/衛星電話の受信機のところの、遅延素子の出力に追 加することができる。このことは、音声デコーダ25の方式が、音声デコーダ2 4と正確に同じ瞬間に変化し、コンバイナを前と同じように自由に動作させる利 点を持つことを意味する。 ii)それを、音声の重要でない部分(例えば、音声を含まない部分)を選択す るために、デジタル遅延ラインの最初の部分の前、または最初の部分に、または 適応できるように、注入することができる。このことは、音声デコーダ25の方 式が、音声デコーダ24より(最高k×TFだけ)後で変化することを意味する 。この期間の間、コンバイナは、自由に切り換えることはできない。何故なら、 音声のアーティファクトが発生するからである。しかし、音声デコーダ25から 24への一回の切換なら、例えば、音声が存在しない音素中の便宜の瞬間に行う ことができる。 フレームの実質的な数により、遅延が増大した場合には、i)を使用すること が好ましく、時間的遅延制御において、高速な増大(100ミリ秒)、低速(1 00ミリ秒以下の)方針で、均衡がとられる。その後で、ユーザは、遅延が増大 した分と同じ長さの音声を含まない部分(または人工的な干渉、または最後の1 00ミリ秒の再生)を聞くことになる。それ故、ユーザは、 どんな音声も聞き漏らすことがなく、単に相手が躊躇しているのか、または中断 したのかと思うだけである。 通信状態の「良好な」チャネルから通信状態の「悪い」チャネルへの遷移の一 例について以下に説明する。図7の上部は、衛星電話の受信機のところの時間的 遅延の増大の効果を示す。時間的遅延は、数値td=kTF(k=2)を持ち、 k=4に変化するものと仮定する。この場合、フレームN−1およびNのスロッ ト3を再び受信することができ(図7の陰の領域である、陸上地上局のところの N−1、Nの第二の再送信)、または、快適なノイズを、音声デコーダ24が、 k=4の更新時間方式で、動作を開始する前に、経路B上に置くことができる。 それ故、N+1フレームのスロット3は、更新の時間的方式k’=4で再送信さ れる。 衛星電話の受信機のところで、両方の経路AおよびBが、低い誤り率を示して いる場合には、「通信状態の悪い状態から通信状態の良好な状態」への遷移(す なわち、時間的遅延の短縮)は、通常通りに発生するだけである。それ故、遅延 td=kTFの必要な新しい数値が得られるまで、小さなステップで、時間的遅 延を組織的に短縮する方法を開発することができる。時間的遅延が短縮すると、 必ず、音声情報が失われるが、音声の除去した部分が、例えば、短い音声を含ま ない部分、または発声されない音のような、聞く人にとって重要でないものにな るように選択するのが、本発明の一つの特徴である。時間的遅延の通常の短縮の 他に、例えば、話をしている人が会話を中断し、恐らく、相手の応答を待ってい ることがはっきりしている場合には、ある種のシステムを遅延を急速に圧縮する ように設定することができる。 「通信状態の良好なチャネルから通信状態の悪いチャネルへ遷移している間( 図2、qR1)に、経路Bで送信の時間的遅延は短縮する。その結果、一つ(ま たはそれ以上)のスロットが、衛星電話の受信機のところで失われる。これらの 喪失が、送信デジタル遅延装置(陸上地上局の送信機)の出力 のところで発生したと仮定した場合、(衛星電話の受信機のところの)音声デコ ーダ24は、方式の急速な変化を経すずるだろうし、その後で、通常のデコーデ ィングを再開するのに、数フレームを必要とする場合がある。それ故、受信機の コンバイナを、少なくとも、音声デコーダ24が通常の安定した状態に復帰する まで、音声デコーダ25に切換えなければならない。この場合には、コンバイナ を前の方式で動作しでいる音声デコーダ24(衛星電話の受信機)に切り換える ことができる。この切換えが、音声が存在しない部分または音声の重要でない部 分で行われるように、タイミングを設定することができる。時間的遅延の短縮を 単一のステップで行う場合には、このタイミングは重要ではないが、遅延を最も 大ぎなステップで行う場合には、タイミングを注意深く設定する必要がある。こ の場合には、経路Aの受信機の遅延装置の数ををフレームと同じ数だけ減らすこ とができ、短き時間をおいて、音声デコーダ25は、再び安定な状態に戻り、音 声デコーダ24と同じ方式で動作する。別の方法としては、受信機の遅延装置の 数をフレームの数より大きな数だけ減らすことができ、それにより、遅延全体を さらに短縮することができる。 「通信状態の良好な」チャネルから「通信状態の悪い」チャネルへの遷移の一 例を以下に示す。図7の下部は衛星電話の受信機のところの時間的遅延の増大の 効果を示す。時間的遅延は、数値td=kTF(k=4)を持ち、k=2に変化 するものと仮定する。この場合、フレームN+1およびN+2のスロット3を受 信することができない(図7の陰の領域)。その後で、コンバイナは、音声デコ ーダ25上で応答しなければならない。この場合、チャネル音質は、改善し(通 信状態の悪いチャネル状態から通信状態の良好なチャネル状態への遷移)、音声 デコーダ25は、電話のユーザに良好な音声識別を送ることができる。 遅延ゼロで動作中、経路Bは効率的に冗長化され、送信は完全に抑制され る。しかし、恐らく、経路Bが約200ミリ秒のデフォールト遅延に維持された 場合には、受信機のところのコンバイナおよび音質検出装置は、何時でも経路音 質の急激な劣化を復旧することができる。 上記説明は、一つのTDMA送信における二つのスロットの使用を仮定したも のであり、(またTDMAの個々のコード、またはFDMAの個々の周波数にも 同様に、適用することができる。)(現在の定義のシステムに追加するのではな く、最初から送信スキームに設計される可変移動局を必要とする)他の実施形態 は、以降のスロットの間でインターリーブされるFEC保護ビットにより、サブ 分割される一つの(もっと容量が大きい)スロットを使用することができる。こ のスロットの一つの形は、すでにGSMで使用されている。しかし、時間可変性 は、インターリーブする深さを変えることにより導入することができ、インター リーブする深さが増減する間に方式管理技術を内蔵させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,U Z,VN,YU,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.送信された信号に時間ダイバーシティを使用して無線電話により通信する 方法において、 前記時間ダイバーシティを、無線伝播状態により、悪い伝播状態での比較的長 い遅延から良好な伝播状態での比較的短いまたはゼロの遅延へと変化させること を特徴とする方法。 2.請求項1に記載の方法において、 前記時間ダイバーシティが、前記送信された信号のインターリーブの深さの変 化に従って変化することを特徴とする方法。 3.請求項1に記載の方法において、 前記時間ダイバーシティが、時間的オフセットを持つ少なくとも二つのTDM Aスロットの、送信された信号への挿入により変化することを特徴とする方法。 4.請求項1に記載の方法において、 深さが変化するインターリーブと、時間的にオフセットしているTDMAスロ ットの両方を使用することを特徴とする方法。 5.請求項1乃至4の何れか1項に記載の方法において、 通信が地球を周回する人工衛星を通して行われることを特徴とする方法。 6.無線電話の通信システムにおいて、 送信局において、時間ダイバーシティを導入するための手段と、 受信局において、受信した信号の音質を検出するための手段と、 前記送信局において、前記受信局において検出した通信の音質に従ってダイバ ーシティの時間的遅延を変化させるための手段と、 を備えることを特徴とする装置。 7.請求項6に記載の装置において、 前記送信局において時間ダイバーシティを導入するための前記手段が、送信さ れた信号において、インターリーブの深さを変化させる手段を含むことを特徴と する装置。 8.請求項6に記載の装置において、 前記送信局において時間ダイバーシティを導入するための手段が、時間的オフ セットをもって動作する、少なくとも二つのTDMAスロットと送信信号に導入 するための手段を含むことを特徴とする装置。 9.請求項8に記載の装置において、 前記送信局において時間ダイバーシティを導入するための手段が、ボコーダか らフレーム・シーケンス・ゼネレータへの直接経路と、ボコーダからフレームの 整数の遅延を導入するための手段を内蔵する前記ゼネレータへの平行経路とを備 えることを特徴とする装置。 10.請求項9に記載の装置において、 前記受信局が信号コンバイナの前に二つのボコーダを含み、一方のボコーダが 、フレーム・バッファを介して、送信信号を受信し、他方のボコーダが、時間的 遅延コントローラにより監督されている遅延ラインを介して送信信号を受信する ことを特徴とする装置。 11.請求項10に記載の装置において、 前記受信局で受信した信号の音質を検出するための手段が、前記コンバイナの 出力に応答する音質検出装置を備えることを特徴とする装置。
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