JP2002502394A - ストレス活性化プロテインキナーゼ(sapk)経路の阻害及び癌療法に対する細胞の増感 - Google Patents

ストレス活性化プロテインキナーゼ(sapk)経路の阻害及び癌療法に対する細胞の増感

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、個体に投与されそしてストレス活性化プロテインキナーゼ経路を阻害することができる組成物を提供する。本発明はまた、癌細胞をストレス活性化プロテインキナーゼ経路インヒビターと接触させることによって癌療法に対する癌細胞の感受性を高める方法も提供する。本発明はさらに、ストレス活性化プロテインキナーゼ経路インヒビターを患者に投与しそして患者を慣用の癌療法で治療することによって患者の癌の重篤度を軽減する方法も提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 ストレス活性化プロテインキナーゼ(SAPK) 経路の阻害及び癌療法に対する細胞の増感 本発明は米国癌研究所によって授与されたCA63783のもとに米国政府の支援 でなされた。米国政府は本発明に一定の権利を有している。 発明の背景 発明の分野 本発明は概して分子医薬品及び癌療法に関しており、そして更に詳細には、ス トレス活性化プロテインキナーゼ経路を阻害する組成物及びこのような組成物を 使用して癌療法に対して癌細胞を増感する方法に関する。 背景情報 骨髄、腸及び皮膚のような再生する組織においては、細胞増殖速度と細胞死速 度との間で定常状態が維持されている。特に、再生する組織における細胞死の速 度は、アポトーシスの過程を特徴とするプログラムされた細胞死経路によって生 じる。この定常状態の破壊はしばしば癌の発生と関連している。例えば、プログ ラムされた細胞死の速度が正常より低い場合には、細胞数の増加が組織に生じ、 その結果腫瘍が形成される。 癌細胞は無限に増殖しそして腫瘍周囲の正常な組織に侵入する能力を特徴とし ている。加えて、多くのタイプの癌細胞は身体全体に転移することができ、その 結果腫瘍は癌患者内に散在する。 慣用の癌治療方法によって癌患者の生存や生活の質が向上してきている。この ような慣用の方法には外科手術、放射線療法及び化学療法が含まれる。さらに、 骨髄移植がある種のタイプの癌を有する患者の治療に有用になりつつある。 外科手術は一般的にヒト身体の特定の領域に局在化している腫瘍を有する患者 を治療するための第一の選択肢である。腫瘍切除は迅速であって且つ非常に有効 であるので、治癒の大部分に寄与している。しかしながら、外科手術は幾つかの 不利益を有している。この治療方式の1つの主要な障害は、腫瘍が手術不可能な 場所に存在していて腫瘍の切除ができないときに生じる。さらに、癌は身体の他 の部分に既に拡散している可能性があるが、外科手術の時点では未だ検出できな い。局在した腫痘の外科手術除去によって患者の生活の質を改善することはでき るが、癌は他の場所で再発するように運命付けられている。同様に、腫瘍が局在 しておりそして未だ拡散していないときであっても、癌細胞の全てを除去できな いときには、腫瘍が再発する可能性がある。さらに、外科手術は本来侵襲的な処 置であり、正常組織若しくは器官の機能喪失を引き起こすか又は患者の外観に影 響を与える可能性がある。 放射線療法はしばしば外科手術と組み合わせて又はその代替法として使用され る。放射線は主として腫瘍細胞DNAに損傷を引き起こし、その結果細胞のアポ トーシスや死が誘導される。勿論、放射線場にある正常細胞も損傷するが、正常 細胞は一般的に放射線損傷から回復する能力が癌細胞より大きいので、治療的な 利益を得ることができる。しかしながら、放射線療法は、外科手術と同様に、局 所的な治療法であり、そして同じ不適切性があり、例えば治療場外にある腫瘍細 胞、特に転移病変を殺傷できない。加えて、放射線損傷は骨髄、皮膚及び腸のよ うな特に影響を受けやすい組織に生じるので、患者の病的状態を引き起こす。 外科手術や放射線療法とは対照的に、化学療法は全身的な癌治療方法を提供す る。化学療法では異なる作用モードを有する種々のクラスの化学療法剤が利用さ れる。例えば、代謝拮抗化学療法剤は一般的に正常な細胞成分と構造的類似性を 有し、そして正常な細胞過程を阻害することによって毒性効果を発揮する。例え ばメトトレキセートは、DNA合成に必要なビタミンである葉酸の化学的類似体 である。メトトレキセートは、DNAの2つの構成ブロックであるアデニンやグ アニンに葉酸から変換することに通常関与している酵素との結合に関して、葉酸 と競合することによって機能する。競合の結果として、メトトレキセートは細胞 のDNA合成能力を阻害することによって細胞の分裂を阻止する。 他の化学療法剤、例えば、トポイソメラーゼ類似体又はインヒビター及びアル キル化剤も細胞内の正常なDNA合成を破壊することによって機能し、その結果 細胞死がもたらされる。腫瘍細胞は一般的に正常組織より急速に分裂するので、 腫瘍細胞はこのような化学療法剤によって幾らか優先的に殺傷される。しかしな がら、上述したように、骨髄細胞、腸上皮細胞及び皮膚細胞のような細胞も急速 に分裂するので、このような化学療法剤の毒性効果を受けやすい。実際、患者に 投与できる化学療法剤の投与量が一般的に限定されるのはこの正常細胞に対する 毒性のためである。加えて、腫瘍細胞はある種の化学療法剤に対して耐性を獲得 する傾向を有しており、このような作用剤の癌治療に対する有用性が更に限定さ れる。 より最近では、個体で通常発現されそして自然防御作用剤としてか又は罹病細 胞に対して自然免疫を誘導する作用剤として作用する生化学剤が癌治療剤として 使用されている。特に、サイトカインは免疫応答系の刺激や活性化に関与する1 つのクラスの天然生化学物質である。このようなサイトカインには、例えばイン ターフェロンやインターロイキンが含まれ、これらは細胞を直接殺傷することが でき、そして患者の免疫応答を刺激し得るという付加的な利益を提供する。しか しながら、身体内におけるこのような生化学物質の正常な発現は厳格に調節され ており、そして作用剤の有用性は生理学的量より多いこれら作用剤を個体に投与 するときに生じる毒性効果によって制限される。 種々の慣用の癌治療モダリティーの治療的利益を改善するために、これらの治 療法はしばしば組み合わせて使用される。それ故、1つの治療モダリティーを使 用したことによって正常細胞又は組織に対する毒性が現れ始めると、そのモダリ ティーを終了しそして異なるタイプのモダリティーを使用する別の治療法を開始 する。このような第1及び第2のモダリティーは、例えば外科手術若しくは放射 線療法に続いて化学療法か、又は第1のタイプの化学療法に続いて第2のタイプ の化学療法若しくは生化学剤療法であり得る。 さらに、治療的な利益は、1つの治療モダリティーを、このモダリティーの有 効性を正常細胞より癌細胞に対して一層高度に改変する作用剤を使用する治療法 と組み合わせることによって得ることができる。このような化学的モディファイ ヤーは使用される投与量では一般的に毒性ではないが、慣用の療法に対する癌細 胞の応答性を改変するか又は増強するように作用する。細胞毒性療法に対して腫 瘍細胞を増感するこのような化学的なモディファイヤーの有効性は一般的に増感 剤増強比として表され、そしてこれは増感剤の不存在下で或る特定の殺傷値をも たらすのに必要な1つの療法の投与量と、この増感剤の存在下で同じ細胞殺傷値 をもたらすのに必要な投与量との比である。 化学的増感剤の使用は、酸素模擬物を使用して放射線療法に対する腫瘍細胞の 感受性を高めることによって実証されている。一般的に、腫瘍を形成する癌細胞 は腫瘍内で血管を作る細胞より早く増殖する。その結果、腫瘍は大きさが増すの で、酸素の比較的欠乏した領域が発現する。このような低酸素腫瘍細胞は放射線 損傷に対して比較的抵抗性であるので、放射線療法の有効性が制限される。しか しながら、酸素模擬物として作用する化学的増感剤が開発されている。このよう な増感剤を癌患者に投与すると、投与しない場合には低酸素の腫瘍細胞の「酸素 化」を高めるので、これら腫瘍細胞は所定の放射線量に対して一層敏感になる。 正常組織は一般的に正常に酸素化されているので、このような化学的増感剤を使 用しても正常細胞に対する影響は本質的に全くない。勿論、上述したように、そ れにも拘わらず放射線療法の使用は比較的局在した腫瘍を有する患者の治療に依 然として限定されている。かくして、癌を治療する方法は改善され続けているが 、現在利用できる多様な慣用の癌療法の有効性を一般的に高めることができる組 成物や方法に対する需要が存在する。本発明はこのような需要を充足しそして更 なる利益を提供するものである。 発明の要約 本発明は、ストレス活性化プロテインキナーゼ(SAPK)経路を阻害しそし て個体に投与するのに適している組成物を提供する。例えば、本発明は、ヒト個 体に投与するために許容される、アンチセンスSAPK1、SAPK2又はSA PK3核酸分子及び坦体を含有する組成物を提供する。 本発明はまた、細胞内でSAPKを阻害することによって癌治療モダリティー (modality)に対する癌細胞の感受性を高める方法も提供する。例えば、本発明は 細胞内で、SAPKを阻害するアンチセンスSAPK1、SAPK2又はSAP K3核酸分子を発現させることによって癌治療モダリティーに対する癌細胞の感 受性を高める方法を提供する。本発明はさらに、SAPK経路インヒビターを患 者に投与することによって患者の癌の重篤度を軽減する方法を提供する。さらに 、上記患者は慣用の癌療法で治療することができる。 発明の詳細な説明 本発明はストレス活性化プロテインキナーゼ(SAPK)経路を阻害しそして 個体に投与するのに適している組成物を提供する。これらのSAPK(「jun N−末端キナーゼ」又は「JNK」とも呼ばれる)は、c-jun転写因子の活性化 とc-junで調節される遺伝子発現を生じさせるシグナル伝達経路の最後から2番 目の段階を代表するプロテインキナーゼの1つのファミリーである。特に、c-ju nは、遺伝子毒性傷害によって損傷したDNAの修復に関与するタンパク質をコ ードする遺伝子の転写に関与している。本明細書で開示されているように、細胞 内でSAPK活性を阻害する作用剤はDNA修復を阻止し、そしてDNA損傷を 誘導することによって作用する癌治療モダリティーに対して細胞を増感する。 種々の癌治療モダリティーは、癌細胞内でDNAに損傷を引き起こすことによ るか又は癌細胞内でDNA合成若しくは複製に不利な影響を与えそして細胞のア ポトーシスや細胞死を誘導することによって作用する。このような遺伝子毒性癌 治療モダリティーには、例えば、電離放射線、架橋するか又はそうでない場合D NAを直接損傷する化学的作用剤(これにはシス−白金及びN−メチル−N’− ニトロ−N−ニトロソ−グアニジン(MNNG)やメチルメタンスルホネート( MMS)のようなアルキル化剤が含まれる)、並びにDNA合成に干渉する作用 剤(これには1−β−アラビノフラノシルシトシン(AraC)のようなDNA鎖終 結剤、カンプトテシンのようなトポイソメラーゼインヒビター及びメトトレキセ ート(MTX)や5−フルオロウラシル(5−FU)のようなヌクレオシド類似 体又はこのような類似体の前駆体が含まれる)が含まれる。 上述の種々の癌治療モダリティーはDNAを直接損傷するか又はDNA合成を 阻害して癌細胞のアポトーシスや死を誘導することによって作用する。加えて、 SAPK経路は、癌細胞を含むある種の細胞の有糸分裂誘発応答に関与している 。例えば、細胞表面にEGFレセプターを発現するヒトA549腫瘍細胞はEGFに 対して有糸分裂誘発応答をする。しかしながら、細胞内でドミナントネガティブ c-jun突然変異体を発現することによってSAPK経路が阻害されるとき、有糸 分裂誘発応答は阻害されるが、基礎的な増殖は阻害されない。それ故、癌治療モ ダリティーに対する腫瘍細胞の増感に加えて、SAPK経路の阻害も、例えば自 己分泌増殖因子に応答した腫瘍細胞の有糸分裂生起を遮断し、そしてそれによっ て、癌治療モダリティーで治療される個体に治療的な利益を提供することができ る。しかしながら、本明細書で開示したSAPK阻害剤は単独で、癌細胞の増殖 を阻害するのに有用であり、そしてそれ故個体の癌の重篤度を軽減するのに有用 であることが認識されるであろう。 本発明の目的では、用語「癌治療モダリティー(modality)」は、他に特に指示 されない限り、本明細書ではDNA損傷を誘導するか若しくはDNA合成を阻害 しそして細胞のアポトーシスを誘導するか、又は細胞の増殖を阻害する作用剤を 意味するように使用される。DNA損傷又はDNA合成の阻害は、例えば、アル キル化剤によって生じるように、癌治療モダリティーで直接生起させるか、ある いは、例えば、DNA合成を阻害するか若しくはそうでない場合干渉することに よって、又は、放射線の場合のように、DNAを損傷する遊離ラジカルの形成を 誘導することによって間接的に生起させ得ることが認識されるであろう。 SAPK経路は、紫外線のような遺伝子毒性剤や種々の癌治療モダリティーに 応答して活性化される(例えば、Darijard等、Cell 76:1025〜1037(1994年) ;Adler等、J.Biol.Chem.270:26071〜26077(1995年);van Dam等、EMBO J .14:1798〜1811(1995年);Kharabanda等、Proc.Natl.Acad.Sci.、USA 93 :6898〜6901(1996年)参照)。SAPK(JNK)はセリン残基63及び73でc-j unをリン酸化する(Smeal等、Nature354:494〜496(1991年))。SAPK経路 のc-jun活性化から順次後方に作用して、SAPKはSAPKキナーゼ(SAP KK;JNKK)のリン酸化によって活性化され、そしてこのキナーゼ自体はS APKKキナーゼ(SAPKKK;JNKKK;これらはMEKK1とも呼ばれ 、そして本明細書では「MEKK1」;GenBank受理番号U29671(これは参照に より本明細書に含める)と称されている;米国特許第5,405,941号も参照、これ は参照により本明細書に含める)のリン酸化によって活性化される。この経路の 付 加的な工程はMEKK1の活性化に先行しており(Liu等、Cell87:565〜576(1 996年)、そして後述するように、MEKK1はまた第2の経路の分岐点として も作用する。 SAPKI(JNK;SAPK1α1;GenBank受理番号226318;米国特許第5 ,534,426号(これは参照により本明細書に含める)も参照)、SAPK2(SA PK2α1;U34821)及びSAPK3(SAPK3α1;U34820)並びに関連ア イソザイム、SAPK1α2(U34822)、SAPK1β1(U35004)、SAPK 1β2(U35005)、SAPK2β1(U35002)、SAPK2β2(U35003)及び SAPK3α2(U34819)(これらはそれぞれ参照により本明細書に含める)を 含む種々のSAPKが記載されている(Gupta等、EMBO J.15:2760〜2770(199 6年)参照;Guenda等、EMBO J.16:295〜305(1997年)も参照)。細胞内にお ける1つ又はそれより多くのSAPKの活性化は、ストレス後のDNA修復及び 細胞生存に関与する種々の遺伝子の発現誘導に関連しており、これら遺伝子には c-jun(Chu等、Mol.Endocrinol.8:59(1994年))、p21(Waf1/Cip1)(El- Deiry等、Cancer Res.55:2910(1995年))、ATF2、ATF3(Gately等 、Brit.J.Cancer 70:1102(1994年))、PCNA(Huang等、Mol.Cell.Bio l.14:4233(1994年))、サイクリン−A、サイクリン−D1(Herbert等、On cogene 9:1295(1994年))、サイクリン−G及びGADD153(Luethy及びHolbro ok、Cancer Res.54:1902S(1994年)、Gately等、上述、1994年)をコードす る遺伝子が含まれる。 SAPK経路は癌細胞においても同様に活性である。例えば腫瘍は、血管から 遠位の領域における低酸素状態によって並びに壊死領域に生じる細胞破壊産生物 及び炎症シグナルへの暴露によって癌細胞にストレス誘導性環境を提供する。こ の点に関して、DNA損傷は癌細胞で共通して観察される。加えて、SAPK経 路によって種々の転写因子が活性化され、そしてこれら転写因子の中には細胞成 長及び増殖に関与するものもある。かくして、上昇したSAPK活性は比較的急 速に増殖している癌細胞中に存在し得る。したがって、本明細書で開示されてい るSAPK経路を阻害する組成物は癌細胞の増殖、成長又はDNA修復を阻害し 、そしてそれによってこのような損傷を有する癌細胞が死亡する可能性を高める の に有用であり得る。さらに、特定の癌細胞は1つ又はそれより多くの特定のSA PKアイソザイム又は固有のSAPKキナーゼ若しくはMEKK1キナーゼを発 現することができる。それ故、当業者は、特定の癌細胞で発現される特定のSA PK、SAPKキナーゼ又はMEKK1アイソザイム若しくは複数のアイソザイ ムは、このようなアイソザイムに特異的な本発明の組成物を使用して選択的に阻 害できることを認識するであろう。例えば、アンチセンス分子又はリボザイムは このような選択性を示すことができる。 腫瘍内の癌細胞で生起しているDNA損傷の優勢さに加えて、個体に対して癌 治療モダリティーを施すと癌細胞及び正常細胞にDNA損傷がもたらされ、そし てSAPK経路が誘導される。DNA損傷のレベルに依存して、細胞は損傷を修復 して生存するか又は細胞は死亡するかのどちらかである。一般的に、個体に投与 される癌治療モダリティーの量は正常組織に対する毒性によって制限される。本 発明は、SAPK活性を阻害し、その結果損傷細胞は癌治療モダリティーによる DNA損傷を修復できないため、個体に投与されるこの治療モダリティーの量を 減少させることができるので、癌治療モダリティーを受けている個体に治療的利 益を提供する。 本発明は種々の態様で癌治療モダリティーを受けている個体に治療的な利益を 提供することができる。例えば、個体に投与しなければならない治療モダリティ ーの量は、SAPK活性の阻害によってDNA修復が阻害されるため減少させる ことができる。かくして、上記治療モダリティーによる副作用が特定の患者の固 有の感受性によるものである場合、この感受性は癌治療モダリティーのより少な い量を投与することによって改善することができる。さらに、SAPKタンパク 質は少なくとも3つのSAPKタンパク質及び各SAPKタンパク質のアイソザ イムのファミリーを構成し、癌細胞を含む種々の細胞は同様に、1つ又はそれよ り多くの特定のSAPKタンパク質を示差的に発現することを示していることが 認識されている。それ故、本発明の方法は、癌細胞によって発現されるSAPK 又はSAPKタンパク質の活性を特異的に阻害し、その結果これら細胞における DNA修復は阻害するが異なるSAPKタンパク質を発現する正常細胞のような 他の細胞におけるDNA修復は阻害しないように実施することができる。治療を 受ける個体の癌細胞で発現されるSAPKタンパク質の同定は、例えば、SAP Kアイソザイムに特異的な抗休を使用してウエスタンブロット分析で決定するこ とができる。さらに、ある種の癌細胞はSAPKを構成的に発現し、正常な定常 状態より大きなSAPK活性をもたらし得る。例えば、正常な肺細胞はSAPK を発現しないが、非小細胞肺癌細胞は、構成的SAPK活性を示すか又はSAP K経路を誘導する紫外線照射への暴露によってSAPK活性を誘導できるかのい ずれかである。これらの所見はこのような癌細胞が高いDNA修復能を有し、そ してそれ故癌治療モダリティーに対して高い抵抗性を有していることを示してい る。かくして、このような細胞内でSAPK活性を阻害すると癌細胞を癌治療モ ダリティーに対して優先的に増感することができる。 本発明の1つの実施態様では、SAPK活性は癌細胞内で直接阻害され、そし てそれによって癌治療モダリティーによって引き起こされたDNA損傷を細胞が 修復する能力が低下しそして癌治療モダリティーに対する癌細胞の感受性が高め られる。本明細書で使用するとき、用語「SAPK活性」はSAPKがその基質 をリン酸化する能力、例えばSAPK1がc-junをセリン−63及びセリン−73で リン酸化する能力、又は、転写のリン酸化依存性活性化、詳細にはセリン−63及 びセリン−73のリン酸化によって媒介される活性化を媒介する能力を意味する。 この点に関して、c-junはFosファミリーのメンバーと会合して、特異的なプロモ ーターと結合して遺伝子転写のレベルを適度に高めるヘテロ二量体を形成するこ とが認識されている。しかしながら、c-junのセリン−63及びセリン−73がSA PKによってリン酸化される場合、高レベルの転写活性が生起する。それ故、S APKはリン酸化依存性の転写活性化を媒介する。SAPK活性の同定方法は当 該技術分野でよく知られている(例えば、Hibi等、Genes Devel.7:2135〜214 8(1993年)参照、これは参照により本明細書に含める)。 本発明は、細胞内でSAPK活性を直接阻害するSAPK阻害剤を含有する組 成物を提供する。このような作用剤はアンチセンスSAPK核酸分子又はSAP Kリボザイムであることができ、そしてこれらには「パドロックリボザイム(pad lock ribozymce」、例えば細胞内でSAPKの発現を阻止することによってSA PK活性を直接阻害する作用剤が含まれ;ドミナントネガティブ突然変異体、 例えばc-junのリン酸化され得ない形態であることができ、そしてこれは細胞内 でSAPKが正常なc-junをリン酸化するのを阻止することによってSAPK活 性を直接阻害し;又はSAPK経路におけるタンパク質の相互作用を直接変更す る薬剤のような小分子であることができる。ドミナントネガティブc-jun突然変 異体がどのようにしてSAPK経路を阻害できるのか、そしてそれ故SAPK活 性を阻害できるのかに関してどんな作用メカニズムも提案するものではないが、 突然変異体c-junは全ての形態のSAPKと結合しそしてその活性を競合的に阻 害することができるか又は突然変異体c-junはFosファミリーメンバー若しくはA TF2とヘテロ二量体を形成することができるが、突然変異体c-junはリン酸化 され得ないためリン酸化依存性の転写活性化に関与する能力を欠如している。S APK活性の阻害は、例えば、c-junのような基質のリン酸化を測定する(Hibi 等、上述、1993年)か、又は、SAPK活性がアンチセンスSAPK核酸を使用 することによって阻害される場合、市販で入手できる抗SAPK抗体(Santa C ruz Biotechnology,Inc.;カリフォルニア州サンタクルズ)を使用するイムノ アッセイを実施することによって測定することができる。 上述したように、MEKK1を活性化するとc-junが活性化される。さらに、 MEKK1は、NF−κBのインヒビター(IκB)を不活性化しそしてNF− κB転写因子を活性化する第2の経路の分岐点に相当する(Lee等、Cell 88:21 3〜222(1997年))。NF−κBの活性化はアポトーシスを抑制し(Beg等、Sci ence 274:782〜789(1996年);van Antwerp等、Science 274:787〜789(1996 年);Liu等、上述、1996年)、そしてNF−κBの阻害によって化学療法剤に よる腫瘍細胞の殺傷を強化できることが提案されている(Wang等、Science 274 :784〜787(1996年))。したがって、本発明の第2の実施態様では、細胞内の SAPK活性は、細胞内のMEKK1の活性を阻害することによって間接的に阻 害される。 癌細胞内のMEKK1活性を阻害することによってSAPKKは活性化されず 、そしてそれ故SAPKは活性化されず、その結果、上述したように、癌治療モ ダリティーに対する癌細胞の感受性が高められる。更なる利益として、MEKK 1活性を阻害するとNF−κB活性化が阻害されるので、アポトーシスに対する 細 胞の感受性が高まる。かくして、本発明は、MEKK1活性を阻害するSAPK 阻害剤、例えば、アンチセンスMEKK1核酸分子を含む組成物を提供する。 例えば、本発明は、アンチセンスSAPK1、SAPK2又はSAPK3核酸 分子及びヒト個体に投与するのに許容され得る坦体を含有する組成物を提供する 。本発明で有用なアンチセンス核酸分子は約12〜50個のヌクレオチド、一般的に は約15〜35個のヌクレオチド、そして通常は約20〜25個のヌクレチドのポリマー であり、そしてこれらは共有結合、例えばホスホジエステル結合、チオエステル 結合又はヌクレオチドを結合するのに有用且つ有効であると当技術分野で知られ ている他の種々の任意の結合で結合されている。 後述するように、本発明で有用なアンチセンスSAPKアイソザイム若しくは アンチセンスMEKK1又はリボザイム若しくはドミナントネガティブ突然変異 体をコードしている核酸分子はベクターから発現させることができ、そしてこの ベクターは上記アンチセンス分子又はリボザイム若しくはドミナントネガティブ 突然変異体を発現することが所望される細胞内に導入される。アンチセンスSA PK若しくはMEKK1核酸分子又はSAPK若しくはMEKK1リボザイムは また好都合に化学的に合成することもできる(Seimiya等、J.Biol.Chem.272 :4631〜4636(1997年))。 所望の細胞内でアンチセンス分子又はリボザイム若しくはドミナントネガティ ブ突然変異体を発現させる利点は、比較的高いレベルで発現させることができる ので、これら分子がSAPK活性を阻害する能力が高まることである。例えば、 アンチセンスSAPK又はMEKK1核酸分子を発現する発現ベクターは周知の トランスフェクション方法を使用して細胞内に導入することができる(例えば、 Sambrook等、Molecular Cloning;A laboratory manual(Cold Spring Harbor L aboratory Press 1989年);Ausubel等、Current Protocols in Molecular Biol ogy(Green Publ.、ニューヨーク州1989年)参照、これらはそれぞれ参照により 本明細書に含める)。 一般的に、発現ベクターは、例えば、アンチセンスSAPK若しくはMEKK 1分子又はリボザイム若しくはドミナントネガティブ突然変異体の持続した転写 を達成するのに必要な発現要素を含有している。特に、発現ベクターは、コード している核酸分子の構成的発現か又は、所望の場合、誘導可能な発現を提供でき るプロモーター配列及びポリA認識配列を含有するか又はコードしており、そし て組織特異的であることができるエンハンサーのような他の調節要素を含有する ことができる。例えば、ベクター内に含有されている核酸分子がドミナントネガ ティブ突然変異体c-junをコードしているとき、ベクターはリボソーム結合部位 を含む翻訳調節配列を含有することができる。勿論、このような調節要素はドミ ナントネガティブ突然変異体をコードしている核酸分子の1部分であることがで きる。 ベクターはまた、原核若しくは真核宿主系又は所望の場合これらの両方におけ る複製に必要な要素を含有することもできる。プラスミドベクターやウイルスベ クター、例えばバクテリオファージ、バキュロウイルス、レトロウイルス、レン チウイルス、ポリオウイルス、ライノウイルス、ワクシニアウイルス、インフル エンザウイルス、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス、ヘルペス単純ウイルス 、はしかコロナウイルス、シンドビスウイルス及びセムリキ森林ウイルスベクタ ーなどのベクターはよく知られており、そして商業的な供給源から購入すること ができる(Promega、ウィスコンシン州マジソン;Stratagene、カリフォルニア 州ラホラ;GIBCO/BRL、メリーランド州ガイザースバーグ)か又は当業者が構築 することができる(例えば、Meth.Enzymol.、185巻、D.V.Goeddel、編集(Ac ademic Press,Inc.、1990年);Jolly、Canc.Gene Ther.1:51〜64(1994年 );Fotte、J.Bioenerg.Biomemb.25:37〜42(1993年);Kirshenbaum等、J. Clin.Invest.92:381〜387(1993年)参照、これは参照により本明細書に含め る)。 例えば、ウイルスベクターを用いる感染によってアンチセンスSAPK又はS APKリボザイム若しくはドミナントネガティブc-junをコードする核酸分子の 導入は、コード化核酸分子をエクスビボ又はインビボで細胞に効率的に導入でき る点で特に有利である。さらに、ウイルスは非常に特化されておりそして典型的 には特定の細胞タイプ内で感染しそして伝播する。それ故、これらの天然の特異 性を使用してコード化核酸分子を標的化することができる。ウイルス性又は非ウ イルス性ベクターを特異的レセプター又はリガンドで修飾して、レセプター介在 性事象によって標的特異性を変化させることもできる。 コード化核酸分子の発現と比較して、アンチセンス核酸分子又はリボザイムを 化学的に合成する利点は、非天然のヌクレオシド類似体を導入することによって か又は、例えば、ホスホロチオエート結合を使用してヌクレオチドを結合するこ とによって上記分子又はリボザイムをヌクレアーゼによる分解に対して安定化で きることである。リボース残基の2'−炭素原子に結合している通常のヒドロキ シル基の代わりに2−メチル基を含有するリボヌクレオチドを含むアンチセンス 核酸分子又はリボザイムは、酵素的及び化学的分解に対して耐性であり、そして それ故インビボで比較的安定なRNA分子の1例である。安定であって化学的に 合成される核酸分子の他の例には2'−アミノピリミジンを含有するRNAが含 まれ、そしてこのようなRNAは天然のRNA(Lin等、Nucl.Acids Res.、22: 5229〜5234(1994年);及びJallinek等、Biochemistry、34:11363〜11372(19 95年)参照、これらはそれぞれ参照により本明細書に含める)やヌクレアーゼ活 性の影響を受けにくい2'−アミノ−2'−デオキシピリミジン又は2'−フルオ ロ−2'−デオキシピリミジンを含有するRNA(Pagratis等、Nature Biotech nol.、15:68〜73(1997年)、これは参照により本明細書に含める)と比較した とき、ヒト血清及び尿中で1000倍安定である。 リボース残基に2'−O−メチルプリン置換基を、そして3'−及び5'−末端 に短いホスホロチオエートキャップを含有するアンチセンスRNA分子又はリボ ザイムもヌクレアーゼに対して高い抵抗性を示し(Green等、Chem.Biol.、2:6 83〜695(1995年)、これは参照により本明細書に含める)、そしてこれは天然 のD−RNAの立体異性体であるL−RNA分子(Nolta等、Nature Biotechnol .、14:1116〜1119(1996年)及びKlobmann等、Nature Biotechnol.、14:1112 〜1115(1996年);これらはそれぞれ参照により本明細書に含める)と同様であ る。このようなRNA分子やこれらの製造方法は良く知られておりそして定型的 である(Eaton及びPiekem、Ann.Rev.Biochem.、64:837〜863(1995年)参照 、これは参照により本明細書に含める)。同様に、ホスホロチオエート結合オリ ゴデオキシヌクレオチドは、本発明のアンチセンス核酸分子として有用なヌクレ アーゼ抵抗性DNA分子である(Reed等、Cancer Res.50:6565〜6570(1990年 )、こ れは参照により本明細書に含める)。ホスホジエステル結合のホスホロチオエー ト−3'−ヒドロキシプロピルアミン修飾もヌクレアーゼ分解に対する核酸分子 の感受性を低下させる(Tam等、Nucl.Acids Res.、22:977〜986(1994年)参 照、これは参照により本明細書に含める)。勿論、天然のヌクレオチドとホスホ ジエステル結合とを有するアンチセンス核酸分子又はリボザイムも化学的に合成 することができる。 少なくとも1個のキラル的に純粋なヌクレオシド間結合を有するキラル的に純 粋なアンチセンス分子又はリボザイムは、相補的な核酸分子と結合するのに適し た角度を形成し、その結果ハイブリダイゼーションの効率を改善するので、この ような分子又はリボザイムも本発明で有用である。このような核酸分子は既知の 方法(例えば、Lesnikowski等、Nucl.Acids Res.18:2109〜2115(1990年) ;stec等、Nucl.Acids Res.19:5883〜5888(1991年)参照、これらはそれぞ れ参照により本明細書に含める)を使用して調製される。 メチルホスホネートアンチセンス分子又はリボザイムは、キメラバックボーン を有し得る複合RNA、DNA類似体であるヌクレオシド/非ヌクレオシドポリ マー又はキメラオリゴヌクレオチドであるアンチセンス分子又はリボザイムであ る(Inoue等、FEBS Lett.2115:327(1987年))ので、これら分子又はリボザ イムも有用であり得る(Lee等、Biochemistry 27:3197〜3203(1988年);及 びMiller等、Biochemistry 25:5092〜5097(1986年);PCT出願WO92/07864及 びWO/07882参照、これらはそれぞれ参照により本明細書に含める)。キメラバ ックボーンを有するアンチセンス核酸分子又はリボザイムには混合ホスフェート バックボーンを有するものが含まれ、そしてこれらにはRNA分子の部位特定開 裂を可能にするRNアーゼHを活性化できるヌクレオシド配列が含まれる(米国 特許第5,149,797号参照、これは参照により本明細書に含める)。キメラバック ボーンを有するアンチセンス核酸分子又はリボザイムには、ヌクレオシド間結合 の混合を有するものや中性バックボーンを有するもの、例えば、メチルホスホネ ート核酸分子も含まれる。このような核酸分子は、その中性構造によってヌクレ アーゼ消化速度が低下するので、インビボでより長い半減期を有し得る。開裂性 又は架橋性の部分が追加されても有用であることができ、そして標的ポリヌクレ オチド配列の不活性化を促進することができる。例えば非ヌクレオチドリンカー 基を使用による、核酸分子の酵素的又は化学的修飾を使用することによって修飾 されたヌクレオシド又はヌクレオシド類似体を組み込むことによって、抱合パー トナーをアンチセンス分子又はリボザイム中に導入することもできる。 化学的に合成したアンチセンス核酸分子又はリボザイムは、例えばトランスフ ェクション、リポフェクション、微量注入、エレクトロポレーション又はリポソ ームの使用が含まれる当技術分野で知られている任意の多様な方法(Sambrook等 、上述、1989年、並びにAusubel等、Current Protocols in Molecular Biology 、John Wiley及びSons、メリーランド州バルチモア、これは参照により本明細書 に含める)で細胞内に導入することができる。さらに、インビボでは裸の(naked )核酸分子が細胞に取り込まれるので、本発明のアンチセンス核酸分子又はリボ ザイムは、適当な場合には、癌細胞を含有する領域に単純に直接投与できること が認識される。特に、アンチセンス核酸分子又はリボザイムは、コード化核酸分 子をベクター内に初期導入する必要のない方法を使用して細胞内に導入すること ができる。例えば、アンチセンスSAPKアイソザイム又はMEKK1をコード しており、そしてまた上記した特定のレセプター又はリガンドで修飾されている こともできる核酸分子はカチオンリポソームを使用して細胞内に導入することが できる(Morishita等、J.Clin.Invest.、91:2580〜2585(1993年)、これは 参照により本明細書に含める;Nabel等、上述、(1993年)も参照)。さらに、 核酸分子はアデノウイルス−ポリリジンDNAコンプレックスを使用して細胞内 に導入することができる(例えば、Michael等、J.Biol.Chem.、268:6866〜68 69(1993年)参照、これは参照により本明細書に含める)。 アンチセンス核酸又はリボザイムが標的とするSAPK核酸分子又はMEKK 1核酸分子(「標的核酸」)の特定の部分は標的核酸の配列に基づいて選択する ことができる(上記で開示したGenBank受理番号参照)。さらに、開示したME KK1及びSAPKの核酸配列の比較に基づいて、アンチセンス核酸分子又はリ ボザイムは、MEKK1だけ又は単一のSAPKアイソザイムだけに特異的であ るか又は一層無差別的であることができるように設計して、MEKK1及び1つ のSAPK若しくは種々のSAPKアイソザイム又は全てのSAPKアイソザイ ムを阻害することができる。 本発明で有用なアンチセンス核酸分子は、周知であって且つ定型的な方法を使 用して選択することができる。例えば、標的核酸分子、例えばSAPK1α1又 はMEKK1の種々の5'−非翻訳、コード化及び3'−非翻訳領域と相補的なア ンチセンス核酸分子のパネルを作成することができ、そしてインビトロアッセイ を使用してこのパネルを試験して所望の特異性を有するアンチセンス分子を選択 することができる(例えば、Monia等、Nature Mcd.2:668〜674(1996年);D ean等、Cancer Res.56:3499〜3507(1996年)参照、これらはそれぞれ参照に より本明細書に含める)。アンチセンス核酸分子(又はリボザイム)が標的核酸 とハイブリッドを形成する能力は、例えば、配列間に共有されている相補性の程 度、ハイブリッド形成分子のGC含有量及びアンチセンス核酸分子又はリボザイ ムの相補的部分の長さに依存することが認識されている。特に、ハイブリダイゼ ーションの特異性は、アンチセンスSAPK又はリボザイムが1つ又は選択され たいくつかのSAPKアイソザイムとは結合するが他のものとは結合しないよう なものであることができる(例えば、Dean等、上述、1996年参照)。 SAPK又はMEKK1中の標的配列の選択に関係する上記開示からみて、当 業者はリボザイムを使用してSAPK又はMEKK1の活性を阻害できることも 認識するであろう。リボザイムは、特定のRNAを開裂できるRNA配列の側部 に配置されている、標的核酸配列と相補的な2つのリボ核酸配列を含む(Cech、 J.Amer.Med.Assoc.、260:3030(1988年))。2つの基本的なタイプ、「テ トラヒメナ・タイプ」(Hasselhoff、Nature 334:585(1988年))と「ハンマ ーヘッド・タイプ」のリボザイムが知られている。テトラヒメナ・タイプのリボ ザイムは4塩基長の配列を特異的に認識し、一方ハンマーヘッドリボザイムは11 〜18塩基長の配列を認識する。特定のリボザイム標的配列の位置は上記で開示し たSAPK及びMEKK1配列を試験することによって同定することができ、そ してリボザイムが標的配列と特異的にハイブリッドを形成するように、追加的な 標的配列が側部に配置されているリボザイム配列を有するリボザイムを構築する ことができる。リボザイムは上記で開示したようにして構築しそして細胞内に導 入することができる。 正常細胞及び癌細胞を含めて、細胞は1種又はそれより多くの特異的なSAP Kアイソザイムを発現することができるので、発現された特異的なアイソザイム を同定することによって特異的な標的が提供され、そしてこれらの標的によって アンチセンス核酸分子又はリボザイムが設計される。癌治療モダリティーに特に 感受性の正常細胞が癌細胞内で発現される少なくとも1つのSAPKと異なるS APKを発現する場合、アンチセンスSAPK核酸分子は、癌細胞のSAPKの 発現は阻止するが正常細胞のSAPKの発現は阻止しないように設計することが できるので、特異的なSAPKアイソザイムを標的とするアンチセンス核酸分子 又はリボザイムを使用して、正常な組織が癌治療用モダリティーの影響を更に受 けない手段を提供することもできる。例えば、癌治療モダリティーが放射線療法 である場合、放射線場内にある正常細胞で発現されるSAPKアイソザイムを同 定することができ、そして癌細胞のSAPKアイソザイムが異なっている場合、 アンチセンスSAPK核酸分子は、癌細胞SAPKアイソザイムの発現は阻害す るが正常細胞SAPKアイソザイムの発現は阻害しないように設計することがで きる。この点に関して、癌治療モダリティーは一般的に、血液細胞や上皮細胞を 含めて、急速に再生している組織に対して毒性であることが注目される。それ故 、一般的にこのような組織内で発現されるか又は発現されないSAPKアイソザ イムの同定は大部分の癌治療モダリティーによる方法の実施にとって有益であり 得る。 癌細胞及び正常細胞内でどの特異的SAPKアイソザイムが発現されるのかを 同定する方法は定型的であり、そして例えば、SAPKアイソザイム特異的プロ ーブを使用する核酸ハイブリダイゼーションを利用することができる。例えば、 ノーザンブロット又はドットブロット分析は、細胞内で発現される特異的なSA PKアイソザイムを測定するための迅速且つ簡単なアッセイを提供する。1種又 はそれより多くのSAPKアイソザイムに選択的なプローブは、種々のアイソザ イムをコードする核酸配列(上記のGenBank受理番号参照)のコンピューター処 理検索を行い、そしてストリンジェントハイブリダイゼーション条件下で所望の 核酸分子と特異的にハイブリッドを形成する固有の配列を同定することによって 得ることができる。 本明細書で開示されているように、セリン−63及びセリン−73を欠いておりそ してSAPKではリン酸化され得ないc-junドミナントネガティブ突然変異体、 例えばdn-junは、SAPK活性を阻害し、そしてグリオブラストーマ細胞、前立 腺癌細胞及び乳癌細胞を含む種々の癌細胞の癌治療モダリティー、シス−白金に 対する感受性を高め得るSAPK阻害剤の更なる例を提供する(実施例I及びII 参照)。例えば、アラニン−63及びアラニン−73置換を有するdn-junのグリオブ ラストーマ細胞内での発現はリン酸化依存性の転写活性化を阻止したが、SAP K活性にはあまり影響を有していなかったので、dn-junはSAPK酵素とは強力 に結合しないか又は競合的に阻害しないが、Fosファミリーのメンバー又はAT F2との結合に関して正常c-junと競合することが示唆される。これらの結果は 、ドミナントネガティブc-junがリン酸化依存性の転写活性化を促進するSAP Kの能力を阻害することを示している。特に、グリオブラストーマ細胞内でのdn -junの発現は細胞をシス−白金に対して増感し、そして細胞を50%殺傷するため に必要なシス−白金の濃度(IC-50)を7分の1に低下させた(実施例I)。加 えて、別のドミナントネガティブc-jun突然変異体、Tam-67の発現は前立腺癌細 胞をシス−白金に対して増感した。かくして、ドミナントネガティブc-jun突然 変異体は一般的に、種々の癌細胞を癌治療モダリティーに対して増感するのに有 用である。 ドミナントネガティブc-junは、突然変異の結果セリン−63とセリン−73のリ ン酸化ができなくなる限り、種々のc-jun突然変異体の任意のものであることが できる。かくして、dn-junは本明細書で開示したdn-jun中のアラニン−63及びア ラニン−73置換のようなアミノ酸置換を有していることができる(Smeal等、Nat ure 354:494〜496(1991年)参照、これは参照により本明細書に含める)。加 えて、dn-junは、アミノ酸3〜122の欠失を有するc-junの欠失突然変異体、例え ばTam−67c-jun突然変異体であることができる(Lenczowski等、Mol.Cell.Bio l.17:170〜181(1997年);Brown等、Oncogene 8:877〜886(1993年);Alan i等、Mol.Cell.Biol.11:6286〜6295(1991年)、これらはそれぞれ参照によ り本明細書に含める)。さらに、SAPK経路、そしてそれ故SAPK活性は、 ドミナントネガティブc-junの代わりにドミナントネガティブATF2(van Dam 等、EMBO J.14:1798〜1811(1995年)、これは参照により本明細書に含める) 又はドミナントネガティブSAPK(例えば、Gupta等、Science 267:389〜391 (1995年);Chen等、J.Biol.Chem.271:31929〜31936(1996年);Clark等 、J.Biol.Chem.272:1677〜1681(1997年)参照、これらはそれぞれ参照によ り本明細書に含める)を発現させることによって阻害することができる。このよ うなドミナントネガティブ突然変異体の産生方法は、関連タンパク質をコードし ている核酸配列の利用可能性の容易さからみて、そしてタンパク質、例えばSA PKやSAPK活性に必要なc-junの領域について一般的に記載している引用文 献からみて定型的である。 小分子も、例えば、上記経路でキナーゼの活性を阻害することによってか又は 上記経路の1つの段階に干渉することによってSAPK阻害剤として作用するこ とができる。例えば、小分子はSAPK経路におけるSAPKキナーゼとSAP Kとのような2種のタンパク質の会合を変化させ、その結果SAPKのリン酸化 を妨げそしてSAPK経路を終了させることができる。SAPK活性を阻害でき る小分子は一般的に、種々の反応性基を含有する有機分子であり、これにはペプ チドや薬剤が含まれる。かくして、ペプチドのライブラリーを作成することがで き、これらのペプチドにおいては各アミノ酸は種々の反応性基である(例えば、 1933年11月23日に発行された米国特許第5,264,563号;1993年6月29日に発行され た米国特許第5,223,409号参照、これらはそれぞれ参照により本明細書に含める )。例えば、c-Junのアミノ酸33〜79を含む配列はSAPKの活性部位に関連し た裂溝と結合する(Derijard等、上述、1994年;Gupta、上述、1996年)。した がって、c-junのこの配列に基づく多様なペプチドのライブラリーを作成するこ とができ、そしてこれらのペプチドをスクリーニングしてSAPK活性、特にS APKがc-junをセリン−63及びセリン−73でリン酸化する能力を変化させるペ プチドを同定することができる。加えて、薬剤のような小有機分子のライブラリ ーは、共通の構造は共有するが反応性基が変えられている分子を製造するように コンビナトリー有機合成で調製することができる(例えば、Gordon等、J.Med. Chem.37:1385〜1401(1994年)参照)。このような分子のライブラリーは既知 の方法を使用して合成することができ、そして市販で入手することができる。 小分子のライブラリーをスクリーニングしてSAPK経路を阻害するのに有用 な作用剤を同定できることが認識されるであろう。例えば、これらの分子のライ ブラリーは特定の癌細胞に対してスクリーニングすることができ、そして分子が これらの細胞内でSAPKの活性を高めるか又は低下させる能力は本明細書で開 示された方法を使用して決定することができる。SAPK活性を阻害するような 分子は、癌治療モダリティーに対する癌細胞の感受性を高めることができる作用 剤として同定されるので、本発明で有用である。SAPK活性を高める分子もこ のようなスクリーニング方法で同定されそしてこのような作用剤は、例えば、正 常細胞を癌治療モダリティーから保護するため特に有用であることも更に認識さ れるであろう。 加えて、合理薬剤設計(rational drug design)方法が開発されているので、こ れらの方法はSAPK経路及びSAPK活性を阻害するのに有用な小分子を調製 するために使用することができる(Jackson,.Sem.Oncol.24:264〜172(1997 年);Webber等、J.Med.Chem.39:5072〜5082(1996年);Hopkins等、J.Me d.Chem.39:1589〜1600(1996年)、これらはそれぞれ参照により本明細書に 含める)。例えば、SAPK又はMEKK1の結晶構造を測定して約3オングス トロームの解像度で決定することができ、そしてキナーゼの活性部位は正電荷及 び負電荷に関して特定することができる。次に、適当な配向や立体配置で反対電 荷を提示する小分子を設計することができる。所望の場合、適当な疎水性基を分 子内に組み入れることができる。コンピュータープログラムは、例えば、正しい 化学結合の長さや角度及び立体障害や引力を決定するために利用することができ る。例えば、小分子はSAPKやMEKK1が結合しているATP誘導体に基づ いて選択することができる。 小有機分子、アンチセンスSAPK若しくはMEKK1核酸分子、SAPK若 しくはMEKK1特異的リボザイム又はSAPK活性のドミナントネガティブ突 然変異インヒビターのようなSAPK阻害剤は一般的に癌細胞を増感するために 使用されるので、このような作用剤はこれらの作用剤を癌細胞と接触させるのに 好都合な組成物中に処方することができる。このような接触は培養中の細胞に対 するものであることができるか又は個体に対するものであることができる。 本明細書で使用するとき、用語「SAPK阻害剤」はSAPK経路を阻害する 小有機分子又はDNA、RNA若しくはポリペプチドを意味するように広範囲に 使用される。それ故、本明細書で開示するとき、SAPK阻害剤は小分子、即ち 薬剤;アンチセンスSAPK若しくはMEKK1分子;SAPK若しくはMEK K1特異的リボザイム;上記のアンチセンス分子若しくはリボザイムをコードす る核酸分子;又はドミナントネガティブc-jun突然変異体のようなドミナントネ ガティブ突然変異体をコードする核酸若しくはコードされたポリペプチドである ことができる。さらに、核酸分子作用剤は単独か又はベクター内で裸のDNA又 はRNAを含む種々の形態であることができ、そしてベクターの一部であるとき には、例えば、裸のベクター、又はリポソーム若しくは微細エマルジョン等内に カプセル化されたベクター、又はウイルス粒子内に含有されるか若しくはウイル ス粒子と結合したベクターであることができる。用語「SAPK阻害剤」はこれ らの形態及び当技術分野で知られている他の形態を包含する。 SAPK阻害剤は、上記作用剤と医薬的に許容可能な担体とを含有する製薬組 成物として処方することができる。医薬的に許容可能な担体は当技術分野で良く 知られており、そしてこのような担体には水、生理学的緩衝食塩液又はグリコー ル、グリセリンのような他の溶媒若しくは媒体、オリーブ油のような油、あるい は注入可能な有機エステルが含まれる。 医薬的に許容可能な担体は、例えばSAPK阻害剤を安定化させるか又は吸収 を高めるように作用する生理学的に許容可能な化合物を含有することができる。 このような生理学的に許容可能な化合物には、例えば、炭水化物、例えばグルコ ース、スクロース若しくはデキストラン、抗酸化剤、例えばアスコルビン酸若し くはグルタチオン、キレート剤、低分子量タンパク質又は他の安定化剤若しくは 賦形剤が含まれる。当業者は、生理学的に許容可能な化合物を含めて、医薬的に 許容可能な担体の選択は、例えばSAPK阻害剤の投与経路や特定の作用剤の特 別の物理化学的特徴、即ちその作用剤がDNA又はRNAであるのか、それとも ポリペプチドであるのかに依存し、そしてDNA又はRNAである場合、その分 子が天然のヌクレオチド及びホスホジエステル結合を含有しているのかそれとも このようなヌクレオチド及び結合の類似体であるのかに依存することを知ってい るであろう。 SAPK阻害剤は、例えば経口若しくは非経口、例えば静脈内、筋肉内、皮下 、眼窩内、被膜内、腹腔内、直腸内、槽内を含む種々の経路によって又は、例え ば、それぞれ皮膚パッチ若しくは経皮イオン導入法を使用する皮膚からの受動的 若しくは促進的吸収によって個体に投与することができる。さらに、SAPK阻 害剤を含む組成物は、注射、挿管法、経口又は局所により投与することができ、 そしてこれらのうち後者は、例えば軟膏若しくは粉末を直接適用することによる 受動的なものか、又は、例えば鼻スプレー若しくは吸入剤を使用する能動的なも のであることができる。SAPK阻害剤はまた、局所スプレー又は吸入剤として 投与することもでき、そしてこの場合には組成物の1つの成分は適当な噴射剤で ある。 医薬組成物はまた、所望の場合、水中油型エマルジョン、微細エマルジョン、 ミセル、混合ミセル、リポソーム、マイクロスフェア又は他のポリマーマトリッ クス内に組み入れることもできる(Gregoriadis、Liposome Technology、1巻( CRC Press、Boca Raton、フロリダ州1984年);Fraley等、Trends Biochem.Sci. 、6:77(1981年)、これらはそれぞれ参照により本明細書に含める)。例えば 、リン脂質又は他の脂質からなるリポソームは、製造や投与が比較的簡単な、非 毒性で生理学的に許容でき且つ代謝可能な担体である。加えて、リポソームは、 1)SAPK阻害剤の生物学的活性を損なわないで、高い効率でこの阻害剤をカ プセル化することができ、2)標的細胞と優先的にそして実質的に結合し、そし て3)小胞の水性内容物を高い効率で標的細胞に送達するので特に有用である( Mannino等、Biotechniques 6:682(1988年)参照)。 個体中の癌に対するリポソームの標的化は受動的か又は能動的であり得る。受 動的標的化では、例えば、リポソームが網内系(RES)の細胞や肝臓のような 洞様毛細血管を有する器官に蓄積する傾向を利用する。これに対し、能動的標的 化は、モノクローナル抗体、糖、糖脂質又はタンパク質のような特定のリガンド 、例えば標的細胞によって発現されるレセプターに対するリガンドとカップリン グすることによるリポソームの改変を含む。これらの標的化方法は、癌のタイプ 及び位置に基づいてどちらを選択することもできる。例えば、受動的標的化は、 RES細胞が肝臓に集中しておりそして肝臓内の循環系が洞様的性質であるため 、 SAPK阻害剤を肝臓癌に送達するのに有効な手段である可能性がある。 加えて、腫瘍は大きさが増すにつれて壊死中心を発現しそして壊死中心領域内 の血管は「機能不全」になるか又は「漏出」するようになることが認識されてい る(Maragoudakis等、“Angiogenesis:Molecular biology,clinical aspects” (Plenum Press1994年);Walmsley等、Scan.Microsc.1:823〜830(1987年) ;Zama等、J.Cancer Res.Clin.Oncol.117:396〜402(1991年)参照)。そ れ故、SAPK阻害剤の静脈内又は動脈内投与、特に血液を腫瘍に運ぶ血管内へ の投与は腫瘍内でのこの阻害剤の蓄積を優先的に可能にするであろう。 癌細胞を癌治療モダリティーに対して増感するためには、SAPK阻害剤はS APK活性又は発現を阻害し得る量で投与される。一般的に、個体に投与される SAPK経路のドミナントネガティブインヒビターをコードしているアンチセン ス分子又は核酸の量及び投与頻度は、先ず、フェーズI及びフェーズII臨床試験 で決定される。例えば、アンチセンスSAPK核酸分子は、許容できない毒性を 個体にもたらすことなくSAPK活性又は発現を阻害するのに有用な投与量を決 定するために、フェーズI試験では1ng/kg〜10mg/kgの範囲内で投与量を増加 させて段階的に投与することができる(Dean等、上述、1996年参照)。更に別の 集団では、個体に対して毒性を与えることなくSAPK活性又は発現を阻害する のに有用な組合わせ投与量を確立するために、段階的な一連のものを慣用の癌治 療モダリティーと組み合わせることができる。さらに、アンチセンス核酸分子が 、例えば、ウイルスベクターから発現される場合、又はドミナントネガティブ突 然変異体がウイルスベクターから発現される場合、フェーズI試験は106〜1010 コロニー形成単位を使用して実施することができる。ウイルスベクターは製剤化 前に0.25%〜25%、好ましくは約5%〜20%の範囲の濃度まで精製される。製剤 化後には、約1pg〜100ngのウイルスベクターの用量は概ね0.1ml〜1.0mlの医薬 組成物中に含有される。 SAPK阻害剤を個体に投与する場合、総用量は、ボーラスとしてか若しくは 比較的短期間での注入による単回用量として、又は多数回用量を更に長期間に亘 って投与する分割治療プロトコールを使用して投与することができる。当業者は 、対象においてSAPK活性を阻害するのに必要なSAPK阻害剤の濃度は、対 象 の年齢及び全身的健康並びに投与経路及び投与すべき治療数を含む多数のファク ターに依存することを知っているであろう。これらのファクターを考慮して、当 業者は必要に応じて個別用量を調整するであろう。例えば、SAPK阻害剤が癌 治療モダリティーに対して癌細胞を増感するために投与される場合、SAPK阻 害剤は癌治療モダリティーの前にか又はそれと一緒に投与することができる。慣 用の癌治療モダリティーを投与する方法は当該技術分野でよく知られている。 本発明は癌治療モダリティーに対する癌細胞の感受性を高めるために特に有用 であるが、本発明はまた、本明細書で特定したように癌治療モダリティーの遺伝 子毒性効果を増強することを目的とする場合、本質的に全てのタイプの細胞に対 して実施することができる。例えば、本発明の方法は、移植前に患者を処置する ためにか又は自己免疫疾患患者を治療するために使用される免疫抑制剤に対して 細胞を増感するように免疫エフェクター細胞に対して実施することができる。さ らに、本明細書で開示したSAPK阻害剤は、癌細胞及び肉腫細胞並びに中枢神 経系腫瘍、メラノーマ、白血病、リンパ腫、卵巣癌、骨癌、肺癌、直腸結腸癌、 肝細胞癌、グリオブラストーマ、前立腺癌、乳癌、膀胱癌、腎臓癌、膵臓癌、胃 癌、胆嚢癌、泌尿生殖器癌及び頭頚部癌中の癌細胞を含む本質的に全てのタイプ の癌細胞を増感するために使用することができる。細胞を遺伝子毒性薬剤に対し て増感することが所望される上記のような多様な癌又は他の細胞集団に対する本 発明方法の有用性は全ての哺乳類細胞でSAPK経路が保持されていることから みて明白である。したがって、本発明は、細胞内のSAPK活性を阻害すること によって、遺伝子毒性薬剤に対する細胞の感受性を高める方法、例えば癌治療モ ダリティーに対する癌細胞の感受性を高める方法を提供する。 本発明はさらに、SAPK阻害剤を個体に投与しそしてこの個体を遺伝子毒性 薬剤で治療することによって、細胞集団に起因する個体の病理学の重篤度を軽減 する方法を提供する。例えば、本発明は患者の癌の重篤度を軽減する方法を提供 し、そしてこの方法は患者にSAPK阻害剤を投与しそしてこの患者を癌治療モ ダリティーで治療することを含む。本明細書で使用するとき、用語「重篤度を軽 減する」とは、癌のような病理学に言及して使用するとき、この疾患の臨床的症 状又は徴候が減少することを意味する。 本発明の方法は、例えば、癌治療剤に対する癌細胞の感受性を高めることによ って癌の重篤度を軽減する手段を提供する。例えば、グリオブラストーマ細胞、 乳癌細胞(実施例I)及び前立腺癌細胞(実施例II)を含む種々の腫瘍細胞にお けるドミナントネガティブc-jun突然変異体の発現によって、ドミナントネガテ ィブc-junを発現していない細胞を殺傷するのに必要な投与量と比較したとき、 細胞の50%を殺傷するのに必要なシス−白金の投与量(IC-50)が低下した。そ れ故、本発明の方法によって、SAPK活性を阻害しなかった場合に必要な投与 量より少ない投与量で化学療法剤又は放射線のような慣用の癌治療モダリティー を施すことが可能になる。 本方法はまた、特に腫瘍細胞においてc-junを活性化することが知られている サイトカインの発現を高める療法の有効性も改善する。このようなサイトカイン にはインターロイキン(IL)、例えばIL−2、IL−6、IL−7及びIL −12、腫瘍壊死因子、インターフェロン並びにEGF、PDGF及びTGF−α を含む種々の増殖因子、GM−CSF及びG−CSFが含まれるが、これらに限 定されない(例えば、Kyriakis等、Nature 369:156〜160(1994年)参照)。さ らに、本発明の方法は、結果として、腫瘍細胞内でSAPKを活性化する炎症性 中間体を放出させる治療法を改善する。さらに、アンチセンスオリゴヌクレオチ ド又はこれらをコードする発現ベクターを導入すると、細胞毒性免疫T細胞、リ ンホカイン活性化キラー細胞、ナチュラルキラー細胞、マクロファージ、単球及 び顆粒球による殺傷に必要なアポトーシス経路を回復することによって腫瘍細胞 は免疫系のより良い標的となる。 以下の実施例は本発明の説明を意図するものであって、本発明の限定を意図す るものではない。 実施例I ドミナントネガティブc-junはシス−白金による 殺傷に対してグリオブラストーマ細胞を増感する この実施例は、グリオブラストーマ細胞におけるドミナントネガティブc-jun (dn-jun)の発現によってSAPK活性を阻害するとシス−白金による殺傷に対 して細胞が増感されることを証明する。 T98Gグリオブラストーマ細胞は、5%のウシ胎児血清を含有するダルベッコ の修正最小培地中で維持した。SAPK(JNK)アッセイはヒビ(Hibi)等( 上述、1993年)によって記載されたようにして実施した。c-junとdn-jun発現は グロバー・バードウイック(Grover-Bardwick)等(Carcinogenesis 15:1667〜 1674(1994年)、これは参照により本明細書に含める)によって記載された方法 及び抗体を使用して定量した。 シスプラチンは隣接グアニン残基間又はグアニン−アデニン残基間で共有結合 架橋を形成するが、トランスプラチンは形成しない。T98G細胞を250、500又は 1000μMのシスプラチンと一緒に1時間インキュベートすると、SAPK(JN K)活性の用量依存的増加(10倍まで)が得られ、一方トランスプラチンでは効 果は観察されなかった。対照として、UV−C照射を実施し、そしてSAPK活 性の用量依存的増加が同様に得られた。2種のヒト非小細胞肺癌細胞系(A549及 びM103)を使用しても同様な結果が観察された。これらの結果は、シスプラチン は種々の癌細胞系でSAPK活性を高めるが、トランスプラチンは高めないこと を示している。 T98G細胞はdn-junをコードするcDNAで安定的にトランスフェクションさ れ(Smeal等、上述、1991年;Smeal等、上述、1992年)、そしてクローン系統が 得られた。dn-junの発現は基底AP−1活性又はSAPKの酵素活性に対して全 く影響しなかった。対照的に、dn-jun発現は転写のリン酸化依存的活性化を阻害 した。 細胞生存性はMTS方法(Promega Corp.;ウィスコンシン州マジソン)を使 用し、MTS添加1時間後にホルマザン生成物のA590を測定して決定した(Gje rset等、Mol.Carcin.14:275〜285(1995年)、これは参照により本明細書に 含める)。細胞は96ウエルのプレートに播いた。24時間後、種々の濃度のシスプ ラチン又はトラスプラチンを添加し、そしてインキュベーションを1時間継続し た。次に、培地を除去して新たな培地で置き換え、そして細胞生存性を5日後に 測定した。実験は4重複物として実施し、細胞生存性は処理後の生存可能細胞対 非処理生存可能細胞の比として表される。 シスプラチンのIC-50は、dn-junを発現するT98G細胞、対照T98G細胞及び 対応するエンプティベクターで安定的にトランスフェクションされたT98G細胞 を使用して測定した。対照(トランスフェクションされていない)T98G細胞又 はベクターでトランスフェクションしたT98G細胞間に顕著な差異は観察されな かった(それぞれ、IC-50=147μM及び154μM)。これに対し、T98G細胞内 でdn-junが発現するとIC-50は21μMに減少し、そしてこれは感受性が7倍増加 したことを示している。さらに、種々のクローンdn-junでトランスフェクション したT98G細胞を試験したとき、IC-50は細胞内で発現されるdn-junの定常状態 値と相関関係にあった(rPearson=0.98)。これに対し、T98G細胞内でc-jun の発現が増加するとシスプラチン暴露に対する細胞の生存性が幾分高まり、細胞 内のSAPK基質量の増加によって細胞の生存性が高まることを示唆している。 他の実験では、U87ヒトグリオブラストーマ細胞とMCF−7乳癌細胞を、dn- junを発現するベクターで安定的にトランスフェクションし、そしてクローン系 統を単離した。dn-junを発現するU87細胞は、親U87細胞と比較したとき、シス プラチンに対する感受性か約2.5倍高まることを示し、そしてdn-junを発現する MCF−7細胞は親細胞と比較したとき感受性が約3倍高まることを示した。こ れらの結果は、種々の癌細胞系においてdn-junが発現すると細胞がシスプラチン に対して増感されることを示している。 PCR−ストップアッセイを使用してシスプラチン・DNA付加物の形成及び それに続く修復を定量した(Jennerwein及びEastman、Nucl.Acids.Res.19:6 209〜6214(1991年)、これは参照により本明細書に含める)。このアッセイは、 シスプラチン処理DNAの増幅効率は白金化の程度に逆比例するという観察に基 づいている。細胞は種々の濃度のシス−白金(シスプラチン)又はトランスプラ チンで1.25時間処理し、次にゲノムDNAを直ちに又は6時間後に単離した。以 下の32P−末端標識プライマー、2.7kb産物用には5'−TGGGATTACAC GTGTGAACCAACC−3'(5'プライマー;配列番号:1)と5'−G ATCCACAGTCTGCCTGAGTCACT−3'(3'プライマー;配列 番号:2);0.15kb産物用には5'−CCTAGAAAGCACATGGAGA GCTAG−3'(5'ネステド(nested)プライマー;配列番号:3)と上記の3 'プ ライマー(配列番号:2)を使用して、DNAを定量的に増幅して、ヒポキサン チンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT)遺伝子の2.7kb産物及びH PRT遺伝子の0.15kbのネステドフラグメントを産生させた。上記の0.15kb産物 は本発明の条件下で検出可能なレベルのDNA損傷を有していないので、内部P CR対照として使用し、そして2.7kb産物の増幅量を標準化する基礎として使用 する。2.7kb産物当たりの損傷数は、1−(損傷されたDNAのcpm/損傷されて いないDNAのcpm)として計算した。 0、100又は200μMのシスプラチンで1時間処理した直後のT98G細胞で単離 されたDNAはDNA損傷レベルが増加していることを示した。しかしながら、 DNAを単離する前に6時間の回復期間を置くと損傷は顕著にそして有意に(p =0.003)減少した。対照として、ADP−リボシル化を阻害することによって DNA修復を阻害する2−アミノベンジジン(ABZ)をシスプラチンと共に加 えた。6時間の回復期間後、ABZ処理細胞で修復は観察されず、そして損傷レ ベルは実質的に増加した。dn-junを発現するT98G細胞を使用して実施した実験 では、100μM又は200μMのシスプラチンのどちらで処理した細胞でも、DNA 損傷は6時間の「回復」期間後に、完全に未修復のままであった(p>0.53)。 これらの結果は、dn-junがシスプラチン処理グリオブラストーマ細胞内でDNA 修復を阻害することを示唆している。 実施例II ドミナントネガティブc-junはシス−白金 による殺傷に対して前立腺癌細胞を増感する この実施例は、前立腺癌細胞におけるdn-junの発現によって細胞はシス−白金 による殺傷に対して増感されるので、特許請求した発明の一般的な適用可能性が 確認されることを証明している。 PC3前立腺癌細胞は、dn-jun又は第2のドミナントネガティブc-jun、Tam-6 7(これらは共にメタロチオネインプロモーターの制御下にある)を発現するよ うに遺伝子的に修飾した(Brown等、Oncogene 9:791〜799(1994年)、これは 参照により本明細書に含める)。生存性試験によって、対照PC3細胞では109 μ M、そして対応するエンプティベクターでトランスフェクションしたPC3細胞 では154μMのIC-50が示された。これに対し、dn-junを発現するPC3細胞は18 μMのIC-50を有しており、感受性が対照及びベクター対照細胞よりそれぞれ7 倍以上及び9倍以上高まったことを示している。同様に、Tam-67の発現はシスプ ラチンに対するPC3細胞の感受性を非常に増強した。これらの結果は種々のド ミナントネガティブc-jun突然変異体がシスプラチンに対して癌細胞を増感する ことができそして特許請求した発明の一般的な適用可能性を確認していることを 証明している。 本発明は上記で提供した実施例を参照して記載されているが、本発明の精神か ら逸脱することなく種々の修正を行い得ることが理解されるであろう。したがっ て、本発明は請求の範囲によってのみ制限される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07H 21/04 C07H 21/04 B C12N 9/99 C12N 9/99 // C12N 15/09 ZNA 15/00 ZNAA

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.癌療法に対する癌細胞の感受性を高める方法であって、癌細胞をストレス 活性化プロテインキナーゼ(SAPK)経路インヒビターと接触させることを含 む方法。 2.前記SAPK経路インヒビターがアンチセンス核酸分子である請求項1に 記載の方法。 3.前記アンチセンス核酸分子がアンチセンスSAPK核酸分子である請求項 2に記載の方法。 4.前記SAPK核酸分子が、SAPK1α1、SAPK1α2、SAPK1 β1、SAPKIβ2、SAPK2α1、SAPK2β1、SAPK2β2、S APK3α1及びSAPK3α2からなる群から選択される請求項2に記載の方 法。 5.前記アンチセンス核酸分子がアンチセンスSAPKキナーゼキナーゼ(M EKK1)核酸分子である請求項2に記載の方法。 6.前記SAPK経路インヒビターがリボザイムである請求項1に記載の方法 。 7.前記SAPK経路インヒビターがドミナントネガティブ突然変異体である 請求項1に記載の方法。 8.前記ドミナントネガティブ突然変異体がドミナントネガティブc-jun突然 変異体である請求項8に記載の方法。 9.前記SAPK経路インヒビターがドミナントネガティブSAPK突然変異 体である請求項8に記載の方法。 10.前記SAPK経路インヒビターがドミナントネガティブSAPKキナー ゼキナーゼ(MEKK1)突然変異体である請求項8に記載の方法。 11.患者の癌の重篤度を軽減する方法であって、ストレス活性化プロテイン キナーゼ経路(SAPK)インヒビターを患者に投与しそして患者を癌療法で治 療することを含む方法。 12.前記SAPK経路インヒビターがアンチセンス核酸分子である請求項1 1に記載の方法。 13.前記アンチセンス核酸分子がアンチセンスSAPK核酸分子である請求 項12に記載の方法。 14.前記SAPK核酸分子が、SAPK1α1、SAPK1α2、SAPK 1β1、SAPK1β2、SAPK2α1、SAPK2β1、SAPK2β2、 SAPK3α1及びSAPK3α2からなる群から選択される請求項12に記載 の方法。 15.前記アンチセンス核酸分子がアンチセンスSAPKキナーゼキナーゼ( MEKK1)核酸分子である請求項12に記載の方法。 16.前記SAPK経路インヒビターがリボザイムである請求項11に記載の 方法。 17.前記SAPK経路インヒビターがドミナントネガティブ突然変異体であ る請求項11に記載の方法。 18.前記ドミナントネガティブ突然変異体かドミナントネガティブc-jun突 然変異体である請求項17に記載の方法。 19.前記SAPK経路インヒビターがドミナントネガティブSAPK突然変 異体である請求項17に記載の方法。 20.前記SAPK経路インヒビターがドミナントネガティブSAPKキナー ゼキナーゼ(MEKK1)突然変異体である請求項17に記載の方法。 21.ストレス活性化プロテインキナーゼ(SAPK)経路インヒビター及び 個体への投与に許容され得る坦体を含む組成物。 22.前記SAPK経路インヒビターがアンチセンス核酸分子である請求項2 1に記載の組成物。 23.前記アンチセンス核酸分子がアンチセンスSAPK核酸分子である請求 項22に記載の組成物。 24.前記SAPK核酸分子が、SAPK1α1、SAPK1α2、SAPK 1β1、SAPK1β2、SAPK2α1、SAPK2β1、SAPK2β2、 SAPK3α1及びSAPK3α2からなる群から選択される請求項22に記載 の組成物。 25.前記アンチセンス核酸分子がアンチセンスSAPKキナーゼキナーゼ (MEKK1)核酸分子である請求項22に記載の組成物。 26.前記SAPK経路インヒビターがリボザイムである請求項21に記載の 組成物。 27.前記SAPK経路インヒビターがドミナントネガティブ突然変異体であ る請求項21に記載の組成物。 28.前記ドミナントネガティブ突然変異体がドミナントネガティブc-jun突 然変異体である請求項27に記載の組成物。 29.前記SAPK経路インヒビターがドミナントネガティブSAPK突然変 異体である請求項27に記載の組成物。 30.前記SAPK経路インヒビターがドミナントネガティブSAPKキナー ゼキナーゼ(MEKK1)突然変異体である請求項27に記載の組成物。
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