JP2002501798A

JP2002501798A - 宝石品および関連方法

Info

Publication number: JP2002501798A
Application number: JP2000530121A
Authority: JP
Inventors: イシダ，ミツギ
Original assignee: 石田貢
Priority date: 1998-02-09
Filing date: 1999-01-28
Publication date: 2002-01-22
Also published as: CN1290137A; US6085550A; CN1189115C; EP1091665A4; WO1999039604A1; EP1091665A1

Abstract

(57)【要約】枢軸連結されたセクション（１２、１４、１６、１８）からなる調整可能なリング。１つのセクション（１８）は、２つの入れ子式係合部品（２０、２２）からなる。これらの部品の１つ（２２）は歯（４６）を有する。他方の部品（２０）は、リングの装飾構造の枢動セグメント（５４）上に搭載される軸方向変位可能な止め具（５０）を有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】

本発明は宝石品と関連方法に関し、さらに具体的には、調整可能な指輪、ブレ
スレットなどを提供するのに特に適した構造と方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】

１８８２年９月５日Ｒ．Ｊ．ラグランジュに付与された米国特許２６３、９２
０号には、リングの構造が開示されている。このリングでは、伸縮自在なバンド
にラックピニオンと係止ヘッドが設けられる。このヘッドにおいて、バンドの両
端は、中空あるいは溝付きセクションを通り、リングのサイズを調整するために
ラック・ピニオン間の協働によって制御される。さらに、鍵あるいは他の類似器
具によって係合されるヘッド部が設けられる。これによって、ピニオンを回転さ
せ、バンドの両端をヘッド部内外に移動させることによってバンドを短縮・伸長
させることができる。このリング構造では、バンドを構成するのに可撓性材料を
必要とする。可撓性材料は、必然的に制限された厚さを持ち、構造的に剛性には
できない。バンドの可撓性によって上述の調整が可能になるが、バンドの材質が
厚く堅固であるなら、こうした構成は、ラックピニオンを適正に動作可能にさせ
るのに必要な相対位置を取ることができなくなる。

【０００３】特許３、２２８、２０８号では、Ｍ．シルバーマンが調整可能な指輪を開示し
ているが、これも同じ批判を浴びた。この特許では、歯が配置された空所に両端
を通したバンドが設けられる。バンドの両端の一方には、小さなボールあるいは
ビードを収容する穴が空いており、そのボールあるいはビードは、半径方向に変
位して、多数の歯あるいは突起間に多数の空所で位置を占めることができる。設
けられるバンドは、必然的に、事実上上述の動作に適合する程度の可撓性がなけ
ればならない。もしバンドが堅牢な材質でできていると、ハンドの両端が上述の
スペースに収容されるのに必要な姿勢をとることができないであろう。従って、
上述のリングを組み立てるのに用いることができる材質の特性は、厳密に制限さ
れる。

【０００４】米国特許４、６１５、１８５号において、Ｈ．ボリンガーは腕時計用の可撓性
バンドを開示している。ブレスレットタングのうちの１つに取り付けるスリーブ
を有するブレスレット留め金が設けられている。スリーブは、ブレスレットの他
のタング上にある相補歯と協働する横断歯を有する。これらの歯は、半径方向姿
勢として記述可能なものに配置される。半径方向変位を可能にして、それによっ
て歯の係合を外してブレスレットを開くために、スリーブは弾性変形可能である
。

【０００５】

【発明の要旨】

本発明の１つの目的は、改良された宝石品などと、それに関連する改良された
方法を提供することである。

【０００６】本発明の他の目的は、選択的に調整可能なサイズを有する改良された宝石品を
提供することである。

【０００７】本発明のさらなる他の目的は、歯間に係合してサイズの調整を可能にする止め
具の、半径方向移動でなく、軸方向移動によってなされる調整可能なサイズを持
つ幾何学形状を有する改良された宝石品を提供することである。

【０００８】本発明のさらなる他の目的は、調整を可能にする機構の一部が宝石品上の装飾
構造の一部を形成する改良された宝石品を提供することである。

【０００９】本発明の上記および他の目的を達成するために、複数の剛性セクションを有し
、これらのセクションを１つの閉鎖幾何学形状に接続するための接続がなされた
宝石品が提供される。これらのセクションのうちの１つは、第１および第２部品
を有し、各部品は、相互に異なる延長部を設定する異なる相対位置を取るように
構成される。また、その中間部も有する。さらに、相対延長部のうち選択した位
置にこれらの部品を解除可能に保持する係止構成が設けられる。この係止構成で
は、選択した相対延長部に位置する部品が閉鎖幾何学形状のための選択したサイ
ズを設定する。

【００１０】本発明の好適な具体例によれば、接続には、前記セクションを互いに枢軸接続
する枢軸が含まれる。好適な構成では、上記幾何学形状は概ね円形であり、前記
セクションは弧状である。さらに好適な構成によれば、前記部品は互いに入れ子
関係に構成した２つの部品として設けられ、それぞれが隣接したセクションの枢
軸に接続されて、他では達成できないような入れ子関係を持つのが容易である。

【００１１】さらに具体的には、上述の部品は、１つのタングとタングを収容するチューブ
もしくはスリーブを含む。本発明の好適な１実施例では、一方の部品がラックを
構成する一連の歯を有する。他方の部品は、２つの部品を相対位置に固定するよ
うに歯間に選択的に係合する降伏可変な止め具を有する。

【００１２】以下に続く説明で注意すべきことは、止め具の変位は、こうして形成される宝
石品の幾何学形状に対して概ね軸方向に配列した方向に生じることである。この
ことには、宝石品の装飾認知を妨げることがない等種々の利点がある。さらに、
それは、調整装置を宝石品の装飾構造の一部として形成することを容易にする。

【００１３】

【発明の実施の形態】

図１から図４に示された本発明の１実施例は、リングサイズの調整が可能であ
るとともに、その調整を達成するようにセクションの変位を調節するという構造
的特徴を伴う。

【００１４】さらに具体的には、図１および図２には、セクション１２、１４、１６および
１８を含む指輪１０が示される。リングセクション１８は、部品２０および２２
（図３を参照）を有する。セクション１２と１４は枢軸２４によって接続され、
セクション１４と１６は枢軸２６によって接続され、セクション１６と１８は枢
軸２８と接続され、セクション１２と１８は枢軸３０によって接続される。こう
して、セクションは互いに枢軸接続される。これによって、サイズ調整中にセク
ション間で相対位置を持つことができ、それによって部品間の相対移動を妨げず
、しかも、部品の束縛を生じずに、部品２２は部品２０内で適切に移動できるよ
うになる。部品２０から部品２２を引き抜くには（図３参照）、例えば、矢印３
４で示す方向に行っても良い。これに対して、部品２２の部品２０内への貫通は
、図３に示すように矢印３６で示す方向に行われても良い。

【００１５】好適な実施例では４つのセクション１２、１４、１６および１８が示されてい
るが、より多くのセクションあるいはより少ないセクションも本発明の範囲内で
可能である。このように、例えば、こうしたセクションが６つでもよく、その場
合、セクションはそれぞれリングの全周の６分の１を構成することになる。好適
な幾何学形状は、リングの場合、円形である。ブレスレットの場合の好適な幾何
学形状は、例えば、楕円形になる。

【００１６】好適な実施例では、４つのセクションがあり、それぞれのセクションはリング
の全周の凡そ４分の１を構成する。調整可能な入れ子関係にある部品２０および
２２を利用して、リングサイズの調整が可能になる。こうして、リングは、種々
の指サイズを取るように調整できる。さらに、指関節が大きい指にも容易く装着
できる。というのも、大きな指関節上を滑り越させた後に、リングのサイズを指
のサイズより小さなサイズに容易に減少させることができるからである。

【００１７】部品２０には、内部通路３８が設けられる。部品２０および通路３８は、セク
ション１２、１４、１６および１８と同様、弧状である。これらのセクション間
で可能な枢軸移動によって、部品２２を通路３８内に挿入して調整する時に部品
２２の位置を調整するのが容易になる。

【００１８】図３において分かるように、チューブあるいはスリーブには、弧状スロットが
設けられ、解除機構５２は少なくとも一部はスロットに収容される。解除機構５
２の詳細は後述する。

【００１９】図３に示すように、部品２２には、複数個の間隙４８によって分離した複数個
の歯４６が設けられている。止め具５０が間隙４８の１つに選択的に収容される
。止め具５０は、歯５０と相互に作用しあって部品２２の部品２０に対する移動
を制限するように意図されている。部品２０および２２間の移動を防止するこの
係合は、係止（あるいは解除）機構５２によって制御される。係止（あるいは解
除）機構５２は、枢軸５６によって部品２０に枢軸搭載されたセグメント５４上
に載置された止め具５０を内蔵し、支持する。

【００２０】さらに具体的には、係止・解除機構５２は、枢軸作動される止め具５０を構成
するピンあるいはロッド５２を有する。セグメント５４の変位およびその結果生
じるロッドあるいはピン５０の変位によって、ロッドあるいはピン５２は歯４６
に対して選択的に係合されあるいは係合が解除される。通常は枢軸５６上のコイ
ルであるばね部材（以下に論じる）は、間隙４８内に延伸するように止め具を付
勢し、その結果、部品２２と部品２０の間の自由移動が防止される。しかし、係
止機構が位置Ａから位置Ｂへ変位すると、相対変位可能な部品２２と２０の間の
延長部の選択的な調整がなされ、それによってリングのサイズを選択可能にする
。

【００２１】もしセクション１２、１４、１６および１８が強固に接続され、例えば、１部
品あるいは一体式構造になっていたなら、通路３８における部品２２の変位は、
部品２２の部品２０に対する変位を生じ、部品２２と２０の間に拘束を生じるこ
とになるかも知れない。枢軸２４、２６、２８および３０によって、部品２２は
部品２０に対する適正な位置を取り、この種の干渉が発生するのを防止可能にす
る。

【００２２】図１および図２から分かるように、図示されたリングは、装飾構造６０を、よ
り具体的には、背面合わせに部分的に重畳した関係にある２つのＣ形６２および
６４の形で有する。図１および図２に示すようにダイヤモンドを種々に設置可能
である。係止５２の要素５４は、Ｃ形要素６４の一部として含まれ、図２および
図３に示すように、閉位置Ａから開位置Ｂへ手動で変位可能である。この変位は
、止め具５０を、部品２０の壁６８の開口６６の中で、リングの幾何学形状に対
する軸方向、すなわち図１に示される軸７０の方向に変位させる。止め具５０の
変位によって部品２２は解除され、方向３４あるいは３６のどちらへでも手動制
御で移動あるいは伸縮でき、それによってリングのサイズを変更することができ
る。

【００２３】本発明によればＣ形以外の形も使用可能であるが、図示された形態では、本発
明によって係止を内蔵することが装飾機構の一部として如何に容易に美しくカム
フラージュされているかということを示している。さらにまた、係止および止め
具の移動が軸方向であるので、止め具のための開口が巧妙に隠蔽されており、着
用者がそれに接触する可能性は適切に最小化されている。

【００２４】軸方向への（幾何学形状に対しての）直進的な移動が示されているが、ある程
度の傾斜は受け入れ可能で、軸方向への直進以外の方向を使用しながら本発明の
利点を得ることも可能である。しかし、あらゆる場合において、軸方向変位の程
度の方がそれに伴う半径方向変位の程度（図示例ではゼロ）より大きいことが好
ましい。

【００２５】図４は、要素５４のばね荷重の一形態を示す。同図において、要素５４に小さ
な内部穿孔あるいは内部開口を設けるか、あるいは、Ｃ形要素６２に開口７２を
設ける。これらの開口はそれぞれ、コイルばね７８の両端あるいは両末尾７４お
よび７６を収容する。コイルばね７８は、枢軸５６を包囲し、歯と干渉する位置
にある止め具の閉位置での係止を保持するように動作している。

【００２６】本発明の方法によれば、リングなどの宝石品のセクションは、好適に剛性で可
成りの大きさと厚さを有する。枢軸接続されたこれらのセクションによって宝石
品が形成される。これらのセクションのうちの少なくとも１つは、相対的に変位
可能な、あるいは、調整可能に入れ子式になった部品から形成される。本発明に
よれば、１つのタングが、関連の幾何学形状に対して概ね周囲という意味を持つ
関連のテューブあるいはスリーブ内に貫通する。調整可能なセクションのサイズ
の調整は、例えば、このタング部品の関連スリーブ部品内への貫通の深さに応じ
て行われる。関連のスリーブあるいは部品に対する周囲方向へのタングの変位中
、スリーブにおけるタングの拘束は防止される。本発明の幾らかの利点は、軸方
向変位可能な止め具と協働する軸方向に伸びる歯からなる係止を備えることによ
って得られる。さらにまた、本発明によれば、止め具は、宝石品の装飾構造の一
部とされる。

【００２７】当業者には、上述の方法および構造の多くの変更や変形はすぐに明白となるで
あろう。これらの変更や変形は、請求の範囲で定義されたもの、あるいは、それ
と同等なものであれば、本発明の範囲から逸脱するものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の特徴を具体化するリングの斜視図である。

【図２】図１に対応しリングのサイズを調整可能にする引き抜き位置にある
係止装置の斜視図である。

【図３】本発明の係止装置の詳細の拡大概略図である。

【図４】宝石品において使用可能なばねの形を概略図示する。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】複数のセクションと、前記セクションを１つの閉鎖幾何学形
状に枢軸接続するための接続手段とを備えた宝石品であって、前記幾何学形状は
１つの軸を画定し、前記セクションの１つは第１および第２の部品を有し、該第
１および第２の部品は相互の延長部に位置して前記１セクションの実効長を設定
する異なる相対位置を取るように構成され、前記宝石品は、さらに、前記選択さ
れた相対位置に前記部品を解除可能に保持するための係止手段を有し、前記選択
位置の前記部品は前記閉鎖幾何学形状の選択サイズを設定し、前記部品の一方が
間隙によって分離された一連の歯を有する一方、前記部品の他方は、前記幾何学
形状に対して概ね軸方向に変位可能な止め具として機能し各間隙の１つに係合し
て前記部品を互いに前記選択相対位置に係止する要素を有する、前記宝石品。
【請求項２】前記接続手段が前記セクションを互いに結合させる枢軸手段
を有する、請求項１に記載の宝石品。
【請求項３】前記幾何学形状は概ね円形であり、前記セクションは弧状で
ある、請求項１に記載の宝石品。
【請求項４】前記部品は互いに入れ子関係に構成した第１および第２部品
である、請求項２に記載の宝石品。
【請求項５】前記要素を前記１間隙から引き抜いて前記第１および第２部
品の関係を調整可能にするための変位可能な解除手段を有する、請求項１に記載
の宝石品。
【請求項６】前記要素を前記１間隙内に降伏可能に付勢するよう前記要素
に作動的に関連づけられたばね手段を有する、請求項５に記載の宝石品。
【請求項７】前記１セクション上に装飾構造を有し、前記装飾構造は、前
記間隙のうちの選択した１間隙内に貫通するよう前記要素を支持する枢軸変位可
能なセグメントを有する、請求項１に記載の宝石物。
【請求項８】前記部品は入れ子式に係合し、それぞれ前記セグメントと前
記歯とを支持する、請求項７に記載の宝石物。
【請求項９】前記装飾構造は、部分的に重畳した背面合わせ開多角形要素
を有し、前記多角形要素の１つが前記枢軸変位可能なセグメントを有する、請求
項８に記載の宝石品。
【請求項１０】弧状セクションを形成することと、１つの軸を画定する１
つのリングを形成するように前記セクションを枢軸接続することと、前記セクシ
ョンのうちの１つを２つの入れ子式係合部品、すなわち、その一方をタングに他
方をスリーブに形成することと、前記タングを前記スリーブに挿入して、前記セ
クションの前記枢軸接続によって前記タングが前記スリーブ内を容易に移動可能
にすることと、前記部品の一方に軸方向に延伸した離間歯を、また、他方の前記
部品に軸方向に変位可能な止め具を形成することと、前記歯間で選択的に前記止
め具を変位させて調整した位置に前記タングを係止し、前記リングに調整したサ
イズを与えることとからなる方法。
【請求項１１】前記１セクション上に装飾構造を形成することと、前記他
方の部品上に前記装飾構造の一部をを枢軸設置して前記止め具を支持することと
からなる、請求項１０に記載の方法。