JP2002500514A - タンパク質のin vitroディスプレイ及び進化のための選択粒子としてのリボソーム複合体 - Google Patents

タンパク質のin vitroディスプレイ及び進化のための選択粒子としてのリボソーム複合体

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、in vitroの転写及び翻訳に続き、新生のタンパク質又はペプチドであって、真核リボソームと該タンパク質又はペプチドをコードするmRNAを有する複合体としてのタンパク質又はペプチドをディスプレイし、さらに特有の新生のタンパク質又はペプチドをリガンド、抗原又は抗体に結合させることによって保持する複合体を選択し、かつ引き続き逆転写及びポリメラーゼ鎖反応(RT-PCR)でその選択されたリボソーム複合体から該タンパク質又はペプチドをコードする遺伝情報を回収させる方法を提供する。該RT-PCR回収段階は、前もって解離してmRNAを除去することなく、無処置のリボソーム複合体について直接行うため、最大の効率及び感応性に寄与する。ディスプレイ、選択及び回収の段階は、継続的なサイクルで繰り返すことができる。本方法は、抗体−リボソーム−mRNA複合体(ARMs)のような単鎖抗体構成物を使用して例証されている。

Description

【発明の詳細な説明】 タンパク質のin vitroディスプレイ及び進化のための 選択粒子としてのリボソーム複合体 発明の背景 分子生物学及び遺伝子工学において現在関心が集まっている点は、タンパク質 及びペプチドの巨大ライブラリーのディスプレイ、並びに親和性の選択によりそ れらを探求する手段である。選択法の遺伝子的開発において重要なことは、ライ ブラリーの個々の分子(表現型)及びそれらをコードしている遺伝子情報(遺伝 子型)の間の物理的結合である。多くの細胞を基にした方法、例えばファージ(1) 、細菌(2)及び動物ウイルス(3)の表面などを利用することができる。これらのう ち最も広範に使用されているものはファージディスプレイであり、ここにおいて タンパク質又はペプチドはファージ表面にコートタンパク質への融合物として個 々に発現される一方で、このファージ粒子は該タンパク質又はペプチドをコード しているDNAを保持する。ファージの選択は、タンパク質又はペプチドの認識に 関連した特異的結合反応を通じて成され、特定のファージが単離されかつクロー ニングされ、かつ該タンパク質又はペプチドのDNAは回収され、増幅(propagate) 又は発現されることを可能にする。 ディスプレイ技術の特に望ましい用途は、コンビナトリアルライブラリーから の抗体結合部位の選択である(4)。特異的抗原に対する親和性の高い抗体のスク リーニングは、抗体断片のファージディスプレイにより広範に実施されている(4 )。重鎖(H)及び軽鎖(L)の可変(V)領域がファージ表面にディスプレイされ、かつ 組換えファージは、固定された抗原に結合することによって選択される。このよ うなライブラリーを構築するためには、VHドメインとVLドメインが自在なリンカ ーペプチドにより連結した1本鎖(sc)Fv断片が、広範に使用されている。別の種 類の1本鎖抗体断片は、VH/Kと称され、ここでVHドメインは完全な軽鎖に連結さ れており、すなわちVH−リンカー−VL−CLである(10)。これには、大腸菌におけ る発現の安定性、並びにELISA及びウェスタンブロットのような検出システムに おけるスペーサー及びタグとしてのCLドメインの使用を含む多くの利点が ある。抗体のVH及びVL領域の遺伝子は、PCRにより容易に得ることができ、かつ ランダムに組換えて断片の巨大ライブラリーを作製することができる(21)。この ようなライブラリーは、いずれかの哺乳類種の正常又は免疫性B細胞から得るか 、もしくは、in vitroで形成された合成H-CDR3領域(重鎖の第三の相補的決定領 域)によりクローン化した遺伝子断片から人工的に構築することができる(22)。 1本鎖抗体ライブラリーは、潜在的にサイズが1010メンバーより大きい。ライブ ラリーは更に、特異的VH/VL組合せをコードしているクローン化したDNA断片の 突然変異及び親和性又は特異性に関する改善された特性を有する変異体の選択に よって作製することができる。突然変異は、好ましくはCDR領域において、特に 超可変性のH-CDR3において行われ、ここにおける10個のアミノ酸領域から得られ た変異体の潜在値(potential mumber)は2010又は1013である。 効果的に抗体をディスプレイするためには、非常に巨大なライブラリーを作製 しかつ選択する手段が必要であることは明らかである。しかし作製される可能性 のあるライブラリーのサイズは、全てのメンバーをディスプレイする現在の技術 の能力を数桁上回っている。従って、ファージディスプレイライブラリーの作製 には、DNAによる細菌の形質転換が必要であるが、細菌によるDNA取込み効率の低 さは、得られる形質転換体の典型的数が1回の形質転換につきわずかに107〜109 であることを意味する。巨大なファージディスプレイのレパートリーを作製する ことができる一方で(17)、形質転換をスケールアップすることができないので、 これらは複数回電気穿孔を反復することを必要とし、この方法を煩雑又は非実践 的なものとしている。形質転換の限界のほかにも、細菌によって作製されたライ ブラリーの多様性を低下する別の因子があり、これは例えば特定の抗体断片が、 分泌されないこと、タンパク質分解されること又は封入体を形成することであり 、このことは最終のライブラリーでのこのような結合部位の欠如につながる。こ れらの考察は、全ての細胞を基本にした方法に該当する。従って1010又はそれ以 上のメンバーのライブラリーに関して現在の方法を用いると、可能性のあるライ ブラリーの小さな画分のみがディスプレイされかつスクリーニングされる。注記 したように、動物又はヒトのB細胞もしくは人工的に構築されたもののいずれか から作製された抗体ライブラリーのサイズは、容易に1010メンバーを超えるこ とができる一方で、10残基配列をコードしている可能性のあるペプチド配列の数 は、1013である。 これらの制限を避けるために、別のディスプレイシステムが求められており、 特にライブラリー作製における形質転換の問題点を避けるin vitroにおける方法 が求められている。このような方法のひとつは、リボソーム表面上の新生タンパ ク質又はペプチドのディスプレイであり、更に例えばコードしているmRNAとの安 定した複合体が形成され;この複合体は該タンパク質又はペプチドへのリガンド により選択され、単離されたmRNAの逆転写により遺伝情報が得られる。これはリ ボソーム又はポリソームディスプレイとして公知である。このような方法の説明 は、G.Kawasaki/Optein Inc.に特許付与された2件の米国特許において開示さ れている(16)。ここにおいてセミランダムヌクレオチド配列(ライブラリー様) は、“発現ユニット”に付着され、かつin vitroにおいて転写され;得られるmR NAはin vitroで翻訳され、ポリソームが生成され;ポリソームは目的の物質への 結合によって選択され、その後破壊され;放出されたmRNAが回収され、cDNAの構 築に使用される。この方法の2つの重要な部分は、安定した複合体を形成するた めのリボソームの失速(stalling)であり、そのためにはシクロヘキシミドが使用 され、並びにmRNAの回収であり、そのためには結合したポリソームが破壊されmR NAを放出し、その後このmRNAが個別に回収される。後者はKawasakiの開示した方 法の不可欠の部分であり、現在までに広く受け入れられている。従ってこの特許 (16)のセクションVIIは、マグネシウムなどの除去によるポリソームの破壊に関 連し;リボソーム破壊以外の、RNA又はcDNAの回収に関する他の方法は示されて いない。米国特許第5,643,768号において、請求項1は、ポリペプチド鎖が付着 したままでポリソームを維持するような方法でmRNAを翻訳し、次に目的の物質と 接触させ、最後にmRNAを目的のポソソームから単離することソームからmRNAを単 離した後、引き続きcDNAが構築される。このことは請求項15において反復され、 ここでは工程(g)は該ポリソームを破壊して該mRNAを放出することを含み、かつ 工程(h)は該mRNAを回収し、これによって目的のポリペプチドをコードしている ヌクレオチド配列を単離することを含む。同様にこれは、 目的の物質と特異的に反応するポリソームからmRNAが単離されると記された請求 項29(e)において再度反復されている。米国特許第5,658,754号の請求項1(g)も 、該ポリソームを破壊し、mRNAを放出することを必要とし;(h)では該・RNAを回 収し;及び(i)では該回収されたmRNAからcDNAを構築している。しかしながらKaw asakiは、これらの出願における実践方法を実施化(reduce)せず、結果も示して いない。従って、この方法は最適化されず、発明者は、自分が開示したシステム の非効率性、特にポリソーム破壊によるmRNAの回手法に起因するものに気がつい ていなかつた。 別の原核生物のポリソームディスプレイの説明は、Affymax Technologiesによ る国際公開公報第WO 95/11922号(18)及びMattheakisらの関連文献であり(14)、 今度は実践方法が実施化されている。両方ともポリソームがディスプレイしてい る新生ペプチドの親和性スクリーニングに関するが、この特許出願も、ポリソー ム上に同様にディスプレイされた抗体ライブラリーのスクリーニングを請求して いる。これらは、特に転写及び翻訳が組合せられている大腸菌S30システムにお いて作製されたポリソームフライブラリーに言及している。失速したポリソーム 集団を生成するために、原核生物の翻訳を阻害するリファンピシン又はクロラム フェニコールのような薬剤が添加される。失速したリボソームを選択しその後遺 伝情報を収集する手段は、ここでもmRNAの溶出である。この特許出願(18)の図10 に示された方法の流れ図において、不可欠の部分は工程4、すなわちcDNAを合成 する前のリボソーム複合体からのmRNAの溶出である。前述の特許及び文献に記さ れた主な実施例は、ポリソームディスプレイによる1012メンバーの巨大なペプチ ドライブラリーのスクリーニング、並びに特異的抗体によるエピトープの選択で ある。これらのポリソームは、抗体で被覆されたミクロプレートウェルにおいて 選択された。結合したmRNAは、20m MEDTAを含有する溶離バッファーによって遊 離され、かつ次にフェノール抽出され及びグリコーゲン存在下でエタノール沈殿 され、ペレットはH2O中に浮遊させた。 Mattheakisらの記した方法は、mRNAの補足及び/又は回収時に非常に非効率で あることは明らかであり;従ってAffymaxの出願(18)の72頁において、特異的ペ プチドエピトープをコードしている放射標識したポリソームmRNAのわずか に1〜2%が回収され、これは低いものであることが認められている(5行目)。前 記特許出願(文献ではない)も、抗体断片の選択を含んでいるが、あまり詳細で はない。この場合、抗体で被覆されたDynal磁気ビーズが親和性マトリックスと して使用されている。この実施例において、標識されたmRNAは特異的に回収され たが、これらはRT-PCRによるcDNAの回収は示さなかった。従って、効率又は感度 の推定はなされておらず、及びライブラリー又は集積(enrichment)からの選択は 示されていない。 より最近の文献において(15)、Hanes及びpluckthunは、Mattheakisらの方法を 、1本鎖抗体断片のディスプレイ及び選択に関して改変した。その概念を維持し つつも、別の特徴を導入し、この方法を原核生物である大腸菌S30システムにお ける全タンパク質のディスプレイにより適したものとした。ひとつの改良点は、 通常新生タンパク質の放出をシグナル伝達する終止コドンの不在によるリボソー ムの失速である。ここでも遺伝物質の回収は、10mM EDTAによりリボソーム複合 体を解離し、及び逆転写前に、エタノール沈殿(又はRneasyキット)により単離 することにより行なわれた。個別の転写工程及び翻訳工程を用い、組み合わせた 方法はより低い効率であることを示したが;しかし、この作用に関するデータは 示していない。膨大なmRNAを各サイクルにおいて添加した(10μg)。 Hanes及びPluckthunによって、最初は0.001%程度であったポリソームディス プレイサイクルの後にmRNAの収率を改善するために、多くの追加事項が導入され た(15)。これらは、mRNAの5'及び3'末端のステムループ構造、ヌクレアーゼ阻害 剤としてバナジル−リボヌクレオシド複合体(これも部分的に翻訳を阻害する)、 タンパク質ジスルフィドイソメラーゼPDI(これはジスルフィド結合の形成を触媒 する)、及びアンチセンスヌクレオチド(原核生物システムにおいて一方で終止 コドンなしで合成されたタンパク質の放出及び破壊を引き起こすssrA RNAを阻害 する)を含んでいた。アンチ−ssrA及びPDIの組合せは、全体的に効率を12倍改 善した。しかしサイクル終了時のmRNAの収率は、全てを加えても、依然添加した mRNAのわずかに0.2%であり、これはリガンド結合(ミクロタイターウェル上)、R NA放出及び増幅を含む全ての工程を一緒にした効率を示している。Affymaxは、 低限として、既に収率2%、すなわち10倍高い値を 記している(前述)。 更にHanes及びPluckthunは、最初に1:108の比で存在する混合物(2種類)か らの特異的抗体の回収について実証している。これはサイクルを5回連続反復す ることを必要としており、すなわちひとつのサイクルのDNA産物を次の出発点と して用いる。参照文献15の図4(A)において、選択されなかったポリソームのかな りの持ち越しがあり、おそらくこれは選択又はmRNAの回収を反映しているのであ ろう。結論として、濃縮度(enrichment factor)は比較的低く、1サイクルにつ き約100倍である。 より新しいリボソームディスプレイ法が、Roberts及びSzostakによって記され ていて(23)、これは新生タンパク質がピューロマイシン結合を介してそのmRNAへ の共有結合を生じることを示している。このシステムにおいて選択は、リボソー ムの解離後に、タンパク質−mRNA融合体において行われる。従ってこれは、タン パク質−リボソーム−mRNA粒子の選択に関与していないので、ここに記された他 の方法とは著しく異なる。その効率はわずかに20〜40倍である。 発明の簡単な説明 記載されたポリソームディスプレイの原核生物での方法は、mRNAの回収効率、 感度及び選択を向上する方法の改善の範囲が依然かなりあることは明らかである 。本願明細書において記した発明において、本発明者らは、新規のリボソームデ ィスプレイの真核生物での方法を開発し、かつこれを抗体の選択及び突然変異( 進化)並びに他のタンパク質のmRNAライブラリーからの選択へ適用できることを 実証した。cDNAライブラリーからの遺伝子の単離にも同等に適用することができ る。 本発明は、新生タンパク質又はペプチドを、in vitroにおける転写及び翻訳の 後、真核生物のリボソーム及び該タンパク質又はペプチドをコードしているmRNA の複合体としてディスプレイする方法、更に特定の新生タンパク質又はペプチド を保持する複合体を、リガンド、抗原又は抗体との結合により選択する方法、引 き続き逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)により選択されたリボソーム複合体 からタンパク質又はペプチドをコードしている遺伝情報を回収する方法を 提供する。このRT-PCR回収工程は、mRNA放出前の先の解離を伴うことなく、完全 なリボソーム複合体において直接実施され、従って最大の効率及び感度に寄与し ている。ディスプレイ、選択及び回収の工程は、連続サイクルにおいて反復する ことができる。この方法は、抗体−リボソーム−mRNA複合体(ARM)として1本 鎖抗体構築物を使用することを例証している。この構築には、例えば1012以上の 複合体のような非常に巨大なディスプレイライブラリー、及び親和性選択後の個 々のタンパク質をコードしているDNAの効率的回収が適している。本発明者らは 、例えば1回のサイクルで104〜105倍といった、非常に効果的な集積の証拠を提 供し、かつライブラリーからの1本鎖抗体断片のディスプレイ及び選択、抗体の 遺伝子操作、ヒト抗体の選択並びにmRNAライブラリーからのタンパク質の選択に おけるその有用性を実証している実施例を提供する。 前述の方法の抗体断片への適用を図1に示した。この形では選択粒子は抗体− リボソーム−mRNA複合体からなるので、この方法は“ARMディスプレイ”とも称 される。抗体は、前述の1本鎖断片VH/Kの形であるが、この方法は、scFVのよう なあらゆる1本鎖型にも原則的に同等に適用可能である。この方法は、前述の多 くの特定の形とは異なり、効率、感度及び濃縮(enrichment)に関して予想された もの以上の改善がもたらされる。原則として、これはふたつの実験結果を基にし ている:(i)1本鎖抗体は、ウサギの網状赤血球ライセートにおいてin vitroで 機能的に産生されるということ(7)、及び(ii)終止コドンが存在しない場合、個 々の新生タンパク質は、無細胞系において、安定した三成分(ternary)のポリペ プチドリボソーム−mRNA複合体として、それらの対応するmRNAに結合しつづける ということ(8,9)である。本発明者らは、これらの知見を、真核生物ARM複合体の ライブラリー作製の戦略に適用し、かつ抗原が結合した磁気粒子を用いて、特異 的結合部位を有する複合体を効果的に選択した。選択は、同時に関連する遺伝子 情報をmRNAとして捕らえるものである。 ここで使用した転写/翻訳組合せシステムは、効果的なDNA利用を提供するウ サギの網状赤血球抽出物(プロメガ社)である。特にこれは、参考文献15に記さ れたような、材料及び時間の点で高コストであるmRNAの個別の単離を避ける。翻 訳過程においてランダムな点で停止されるのではなく、全てのmRNAは3'末端 へと読まれることは確実であるので、コードDNAからの終止コドンの欠失は、阻 害剤の使用よりもリボソームの失速の手段としてより生産的である。終止コドン 欠失の安定化作用は、終止コドンを認識し、かつ通常は新生ポリペプチド鎖の放 出を引き起こすことにより翻訳が終了される放出因子の必要性によって説明する ことができる(26)。終止コドンが存在しない場合、新生鎖はリボソーム及びmRNA に結合し続ける。cDNA又はmRNAのライブラリーのように、終止コドンの欠失を操 作することに問題が多い場合の代用法は、終止コドンを介して認識しかつ読みと り、これにより放出因子の作用を妨害するようなサプレッサーtRNA(アミノ酸に 結合した)の使用であろう(24)。リボソーム失速の更なる戦略は、アミノ酸に結 合していないサプレッサーtRNAの使用であろう。 現行法とは明らかな差異がある新規工程において、本発明者らは、cDNAをソボ ソーム−結合したmRNA上での1工程逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)により 作製しかつ増幅することができ、従って材料及び時間の点で高コストである方法 によるmRNAの単離及びそれに続く回収を完全に避けることができることを示す。 一般に翻訳時にいくつかのリボソームが同じmRNA分子に付着し、ポリソームを形 成していると推定され、かつ1本鎖mRNA分子上の一列のいくつかのリボソームの 存在の逆転写(このとき、逆転写酵素はmRNAの長さを読み取らなければならない )に対する作用はわかっていないので、この工程の成功および効率は驚くべきも のである。従って、この酵素が、隣接リボソームを通って通過することができる か、もしくは、mRNAからのそれらの除去を引き起こすか、又は、単に1個のリボ ソームが付着したmRNA分子に対してのみ機能するかは不明である。いずれの説明 であったとしても、この工程は、Mattheakisらの原核生物のシステムにおけるわ ずかに2%(14)及びHanes及びPluckthunの0.2%(15)と比較して、このシステム で示された最大60%の添加したmRNAが1回のサイクルで回収される(実施例6、 図9)という効率に大きく貢献している。更に本発明者らは、真核生物システム における、前記リボソーム複合体からのmRNAの抽出が、非破壊の複合体上でのRT -PCRと比べ、回収法としての効率が1/5であること、及びEDTA抽出後であっても 多くのmRNAがリボソームに結合しつづけていること(実施例8、図11)を示して いる。 ARMディスプレイライブラリーを用いる個々の抗体断片の濃縮も、原核生物デ ィスプレイについて説明されたものよりもより効果的である(15)。本発明者らは 、望ましい特異性を持つ断片が105で一部分として存在する混合物を、1回のサ イクル後に結合断片として得ることができ、有効濃縮度が104倍以上であること 、及びこのサイクルが、非常に巨大なライブラリーからの希少(rarer)分子種の 単離のために続いて実行することができることを示す実験を実施した(実施例10 及び11)。これは、原核生物システムにおいて報告された結果(15)よりも、1回 のサイクルにつき2〜3桁より大きい効率である。 ARMライブラリーは全体がin vitro法(PCR)により作製され、かつ細菌の形質転 換を必要としないので、ライブラリーのサイズは、主に反応混台物に添加するこ とができるリボソームの数(製造業者の情報によるとウサギ網状赤血球キットで は〜1014/ml)及び操作が簡便な1回の反応あたりのDNA量によって制限される 。従って巨大なライブラリーの作製は、制限因子が細菌の形質転換であるファー ジディスプレイ法よりも簡単になっている。重要な用途は、変異体の巨大なライ ブラリーからのタンパク質の選択であり;このライブラリーは、PCR突然変異に より、ランダム又は部位特異的な様式で作製することができ、かつ必要な特異性 を有する変異体は抗原結合により選択される。本発明者らは、このようなライブ ラリーからの変更された特異性を伴う抗体(VH/K)断片を選択するためにARMデ ィスプレイ法を使用することを示している。抗体遺伝子操作への用途は、実施例 12に示しているが、ここで抗−プロゲステロン抗体の特異性は、突然変異及び選 択の組合せにより、テストステロンに結合するように変更されている。このよう な方法は更に触媒的抗体産生に使用することができる。ARMサイクルそれ自身の 操作もPCRのエラーによる低レベルランダム突然変異をもたらし、かつ本発明者 らはこのようなエラー率が1サイクル当たり0.54%であることを示している(実 施例9)。これは、親和性及び特異性が改善された特性の選択につながり、かつ 突然変異及び選択の組合せによる新規タンパク質の開発を示す“タンパク質進化 ”と称されている(15)。真核生物のARMサイクルは、in vitroにおいて効果的に タンパク質進化を実行するのに適している。 本発明は更に、ハイブリドーマ法を用いずに、免疫処置したマウスから作製し たライブラリーから抗体を得る新規方法を提供する。特に本発明者らは、この方 法を、トランスジェニックマウス技術及びARMリボソームディスプレイの組合せ を利用することによって、ヒト抗体の作製に使用することができることを示す。 ヒト重鎖及び軽鎖抗体遺伝子をコードしているトランスジェニック座をゲノムに 導入したマウスが利用可能であり、このようなマウスは、免疫化した場合にヒト 抗体を産生する(20)。本発明者らは、本願明細書において、このようなマウスの リンパ球から調製したライブラリーのARMディスプレイによってヒト抗体をin vi troにおいて誘導した実施例を提供する(実施例13)。これは治療を目的としてヒ ト抗体を誘導する新規経路を提供する。 本願明細書に記載したリボソームディスプレイ法は、更にin vitroにおいて翻 訳され、リボソーム及びそれをコードしているmRNAに結合し続けているようない ずれかのタンパク質又はペプチドに利用可能である。本発明者らは、抗体へのAR Mディスプレイの利用可能性を示す実施例に加え、個体のポリペプチド鎖の選択 のために正常組織から直接得たmRNAライブラリーの翻訳を通じたより一般的な適 用も実証した(実施例14)。 従ってこの型のリボソームディスプレイは、タンパク質又はペプチドに関する 簡便なin vitroディスプレイシステムの必要性に合致する。、遺伝情報の簡便か つ効率的選択及び回収と組合せて非常に巨大なライブラリーサイズが可能であり ;更にこれまでに示された方法よりも、特定の条件が求められることが少なく、 より良い感度であり、より高レベルの濃縮が可能である。効果的mRNAの回収と真 核生物システムの組合せは、当該技術分野において実践された方法で予想される ものよりもはるかに優れた効率を持つシステムを提供する。 図面の説明 図1. ARM(抗体−リボソーム−mRNA)ディスプレイサイクル。これは1本鎖 抗体断片(VH/K)鋳型の突然変異によるARMライブラリーの作製、抗原が結合し た磁気ビースへの結合による特異的ARM複合体の選択、及びRT-PCRによる遺伝情 報の回収を示している。 図2A. 配列番号:1。ARM作製において使用したDB3 VH/K発現構築物の配列。 プライマーの位置は、太字のイタリック体で示している。VH、VL、CK、ドメイン 及びリンカーの開始点を示している。D1-D4は、4個の下流プライマーである。D 1は、ARMディスプレイサイクルのための出発材料としての完全な長さのDB3 VH/K DNAを作製するために使用される。D2、D3及びD4は、全てT7プライマーに結合し ている、それそれ第1、第2及び第3のサイクルにおいて使用される回収プライ マーである(図3参照)。これらのプライマーは、全てのκ軽鎖のマウス抗体に適 している。 図2B. 配列番号:2.改変したARMディスプレイサイクルにおいて使用した プライマー。T7プロモーター及びタンパク質合成開始シグナルを含む新規上流T7 プライマーは、収率の改善をもたらす。この図は更に、下線のXbaI切断部位を伴 うEVOUプライマー配列を示す。ARMディスプレイの回収相において、上流(T7)プ ライマー並びにD2及びEVOUの両下流プライマーの組合せは、各サイクルにおける ほぼ完全な長さのcDNAの回収をもたらす(図4参照)。これらのプライマーは、全 てのκ軽鎖のマウス抗体に適している。 図3. mRNAの3'末端がリボソームに隠れていること、その結果サイクル1及 び2の回収工程について、回収には上流プライマーD2及びD3が必要であること( 図2A)の証明。(A)は、完全な長さのDB3 VH/Kが転写され、かつプライマーD1(1) 又はD2(2)のいずれかが回収に使用され、ゲルはD2のみが成功したことを示して いる。(B)では、サイクルAのPCR産物を第2のサイクルにおいてプライマーD2(2) 及びD3(3)と共に使用している;ここでRT-PCRの回収は、プライマーD3について のみ成功している。 図4. 3-プライマー法を用いた5サイクルにわたる、同じサイズのVH/K DNA の回収。RTプライマー=図2BのD2;PCRプライマー=図2BのEVOU。 図5. ARMサイクルにおける抗体VH/K断片の特異的選択。 A.プロゲステロン−BSA−結合ビーズによるDB3RARM複合体の特異的選択。トラッ ク1、プロゲステロン−BSA−ビーズにより選択された翻訳されていないDB3R mR NAのRT-PCR;2、プログステロン−BSAビーズにより選択されたDB3R ARMのRT-PC R;3、プロゲステロン−BSAビーズにより選択されたDB3R ARMのPCR;4、テス トステロン−BSAビーズにより選択されたDB3R ARMのRT-PCR;5、テスト ステロン−BSAビーズにより選択されたDB3R ARMのPCR;6、BSAビーズにより選 択されたDB3R ARMのRT-PCR;7、BSAビーズにより選択されたDB3R ARHのPCR;8 、1kbのDNAマーカー。 B.プロゲステロン−BSA−結合ビーズによるDB3H35 ARMライブラリーの非結合。 トラック1、1kbのDNAマーカー;2、対照溶液のRT-PCR;3、プロゲステロン− BSAビーズにより選択されたDB3H35 ARMのRT-PCR;4、ラットの抗−κ結合ビー ズにより選択されたDB3H35 ARMのRT-PCR。 C.DB3R及びDB3H35変異体を異なる比で含むARMライブラリーのDB3Rの選択。選択 は、プロゲステロン−BSA結合ビーズで行った。トラック1、DB3R:DB3H35の比1 :10;2、1:102;3、1:103;4、1:104;5、1:105;6、DB3H35変異体ライブ ラリー単独;7、1kbのDNAマーカー。 図6. ELISAにおける遊離ステロイドによる可溶性DB3 VH/K断片の特異的阻害 (右側パネル)、ARMフォーマットにおけるDB3 VH/K断片の特異的阻害(中央パネル )。これらは、同じ特異性パターンを示している。中央パネルは、100ng/ml遊離 ステロイドの結果を示している。これは、リボソームにおける抗体断片の正確な 折りたたみを裏付けている。 図6A. ARMディスプレイにおける機能的抗体の産生に対する翻訳反応時に存在 するDTT(ジチオスレイトール)濃度の効果。 DB3 VH/KをコードしているmRNAは、in vitro転写反応において生成され、フレ キシ(flexi)ウサギ網状赤血球ライセートシステム(プロメガ社)に添加し、個 別にDTTを添加した。トラック1、7、マーカー;トラック2、翻訳していないm RNA対照;トラック3、0mM DTT;トラック4、2mM DTT;トラック5、5mM DTT; トラック6、10mM DTT。結果は、0、2mM及び5mM DTTが全て良好なARM回収を生 じたが、10mMのみが阻害したことを示した。 図7. ARMディスプレイに関するMg2+濃度の最適化。 図8. ARMディスプレイに関する時間の最適化。 図9. 添加したmRNAの回収効率。各々RT-PCRにより、ARMサイクルから回収し たcDNA(左側4トラック)を、mRNAから直接回収したcDNAと比較(右側トラック) 。 図10. ARMディスプレイの投入感度、すなわち、1回のサイクルにいかに少な いDNAを使用し得るか。この実験においては、回収プライマー組合せは、T7及びD 4とした(図2A)。(オリジナルの写真は、10pgでの、かすかであるが、明確に識 別可能なバンドを示している。) 図11. リボソーム破壊を伴わないcDNA回収の(本発明の)方法と、リボソー ムの破壊を必要とする先行技術の方法との比較。「インタクト(intact)」と表示 されたトラックは、本発明によるcDNAの回収、すなわち破壊を伴わない完全なリ ボソーム上でのもの;「破壊(disrupted)」は、RT-PCR前の、20mM EDTAによるリボ ソームの破壊とそれに続くmRNAの単離という先行技術の方法でのcDNAの回収;及 び「残留(remaining)」は、先行技術の方法で破壊した後、リボソームに結合し つづけているmRNAからの本発明の方法を使用するcDNAの回収を示す。3種の回収 反応の相対収率は、デンシトメトリーにより測定した。 図12. 1サィクルあたりのエラー率。DB3 VH/K ARM選択の1サイクルの間の エラー発生は、RT-PCR後に回収した産物をクローニングし、かつクローンの配列 を本来のDB3の配列と比較することにより決定した。置換は、太字で強調した。 図13. 変異体のライブラリーからの特異抗体断片の濃縮:クローニングによ り分析。DB3H35(プロゲステロン非結合)VH/Kは遺伝子操作し、独自のHincII切 断部位を除去し;ARMの選択後、HincIIで処理し、〜800bpの1本のバンドを形成 した。対照的に、DB3Rの同様の消化は、〜500bp及び300bpの2個の断片を産生し た。これは、示されたように、DB3Rを含むクローンを、HincII消化及びゲル分析 によりDB3H35から区別することを可能にする。DB3R ARM複合体は、DB3H35非結合 変異体との1:10から1:105の比の混合物から選択した。選択の1サイクル後に回 収した得られたcDNAをクローニングし;DNAを、個々のクローンから調製し、か つHincII及びEcoRI消化後に分析した。各トラックにおいて、2本バンド500及び 300bpはDB3Rを示し、〜800bpの1本バンドはDB3H35を示した。各比につき10クロ ーンを選択後に分析した。結果は、1サイクルにおける〜104倍の濃縮度を示し ている(実施例10参照)。 図14. 反復したARMディスプレイサイクルによるDB3R:DB3H35比1:106のライ ブラリーからのDB3Rの濃縮。選択には、プロゲステロン-BSA結合したビーズを用 いた。トラック1は、1kb DNAマーカー;2、第1サイクル後のRT-PCR;3、第 2サイクル後のRT-PCR;4、第3サイクル後のRT-PCRである。サイクル2及び3 の間のバンドの短縮は、異なるプライマーの使用(各々、D3及びD4)に起因する 。 図15. 突然変異及びARH選択による抗体特異性の変化(1)。DB3の特異性は、H- CDR3ループの突然変異、その後のARM選択の1サイクルにより、プロゲステロン −結合性からテストステロン−結合性へと変化した。個々のクローンの特異性は 、ARMディスプレイにより分析し、テストステロン−BSA結合したビーズにより選 択した。上側パネル:選択前クローン:下側パネル:選択後クローン。 図16. 突然変異及びARM選択による抗体特異性の変化(2)。阻害剤としての遊 離プロゲステロン存在下におけるテストステロン−BSAビーズによる、DB3 H3の 変異体の選択。トラック1:マーカー;トラック2、3:DB3Rのプロゲステロン −BSA(P)ビーズ又はテストステロン−BSA(T)ビーズへの結合;トラック4、5: DB3 H3変異体ライブラリーの遊離プロゲステロン存在下でのPビーズ又はTビーズ への結合;トラック6、7:トラック5のDNA産物を、更にARMディスプレイサイ クルに投入し、かつP又はTビーズ上で再度選択した。(オリジナルのゲル写真は トラック7で個別のバンドを示していることに注意) 図17. 突然変異及びARM選択による抗体特異性の変化(3)。テストステロンビ ーズによる選択後の5個のクローンのステロイド結合を、ARMディスプレイ、並 びにプロゲステロン−BSAビーズ(P)及びテストステロン−BSAビーズ(T)への結合 により分析した。 図18. 突然変異及びARM選択による抗体特異性の変化(4)。DB3H3−変異体ライ ブラリーからのARMディスプレイによるテストステロン−特異性クローンの特徴 。トラック1:マーカー;トラック2、3:クローンのプロゲステロン−BSA(P) ビーズ又はテストステロン−BSA(T)ビーズへの結合;トラック4、5:クローン の遊離プロゲステロン又は遊離テストステロン存在下でのTビーズへの結合。突 然変異したクローン(mut)のH3領域の配列を示した。 図19. ARMディスプレイによる免疫化したトランスジェニックマウスから単 離されたヒトの抗−プロゲステロン抗体及び抗−テストステロン抗体の配列。 図20. リボソームディスプレイによるマウスの牌細胞由来の全mRNAライブラ リーからの遺伝子の選択。 トラック1:マーカー トラック2:マウス牌細胞由来の全mRNAのλ軽鎖のRT-PCR トラック3:前記mRNAのin vitro翻訳及び抗−κ抗体被覆ビーズによるリボソー ム複合体の選択後のλ軽鎖のRT-PCR トラック4:マウス脾細胞由来の全mRNAのκ軽鎖のRT-PCR トラック3:前記mRNAのin vitro翻訳及び抗−κ抗体被覆ビーズによるリボソー ム複合体の選択後のκ軽鎖のRT-PCR トラック6:マウスB細胞由来の全mRNAのIg重鎖のRT-PCR トラック7:前記mRNA抽出物のin vitro翻訳及び抗−κ抗体被覆ビーズによるリ ボソーム複合体の選択後のIg重鎖のRT-PCR ARMリボソームディスプレイサイクルの材料及び方法(図1) 1. ARM複合体を生成するために使用した1本鎖抗体構築物 本方法を調べるために使用した抗体結合部位は、本発明者らが先に記した形、 すなわち重鎖可変領域(VH)が完全な軽鎖(K)に結合しているVH/Kと称される 3種のドメインの1本鎖断片である(10)。本発明者らは、VH/K断片としての抗− プロゲステロン抗体(DB3)産生のためのDNA構築物及び細菌の発現システムを説明 し(10)、かつ周縁細胞質及び細胞質発現の両方を示した(11)。DB3 VH/K断片は、 優れた抗原一結合特性を有し、我々の手元にあるものは通常使用される1本鎖Fv (scFv)型のものよりも優れている。“メガプライマー”PCR法(12)を用い、DB3 VH /Kを含むDNAプラスミド上でのプロゲステロンの結合部位接触残基であるH100及 びH35位(13)における変異体を作製した(未発表)。DB3Rは、トリプトフアンH100 がアルギニンに置換された変異体であり、プロゲステロンへの親和性を増すよう に修飾されている。大腸菌で発現されたDB3Rは、プロゲステロンに強力に結合し た(Ka〜109M-1)が、テストステロンへの非常に低い親和性を有し、かつBSAを 検出できなかった。対照的に、H35位の変異体ライブラリー(DBH35 と称す)は、プロゲステロンに弱く結合するか、もしくは、全く結合しなかった 。本発明者らは、DB3R及びDB3H35変異体を用いて、ARM選択の原理をテストした 。 2. ARM複合体の製造方法 ARMs作製用のVH/KDNAを生成するために、PCRは、(i)T7プロモーター、タンパ ク質開始配列及びマウス抗体の5'配列と相補的な縮退配列を含む上流のT7プライ マーと、(ii)終止コドンを欠く下流プライマー(D1)とを一緒に適切なテンプ レートを使用して行った。T7プライマー配列は、 [配列番号3]5'-gcgcgaatacgactcactatagagggacaaaccatgsaggtcmarcrcgagsag tcwgg-3'(ここで、s=c/g、m=a/c、r=a/g、及びw=a/t)、及び、D1プライマーは、 [配列番号4]5'-tgcactggatccaccacactcattcctgttgaagct-3’であって、クロ ーニング目的のためのBamHI部位(下線部)を含んでいた。VH/K構築の調製は、 1x PCR反応バッファー(Boehringer Mannheim UK、Lewes、East Sussex)、0.2m MdNTPs(Sigma)、0.3μMの各プライマー、0.05U/μlのTaqポリメラーゼ(Boehring er Mannheim)と、その混合物のトップに被覆された1又は2滴のヌクレアーゼ無 しの鉱油を含有する溶液中で行った。以下のプログラムを用いた:94°で1分、 54°で1分、72°で1分、そして72°で10分に次いで4°から成る30サイクル。 VH/K PCR構築(1ng−1μg)をQIAquick(QIAGEN)で精製し、又は精製せずに 、0.02mMメチオニン及び30°で6時間インキュベートした混合物を含む、20μlの TNT T7クイック連結転写/翻訳系(Promega UK Ltd、Southampton、Hants SO 16 7NS、UK)に添加した。手順は、10μlに縮小してもできる。翻訳後、その混合物 を同量の冷リン酸塩緩衝生理食塩水で希釈し、氷上で2分間冷却した(条件の最 適化については、実施例4及び5の記述を参照せよ)。 3. プライマーの修飾 T7プロモーター及びタンパク質開始シグナルを含む上流のT7プライマーは、改 良された収率で修飾することができる。その修飾された配列は、図2Bに示される ような である。 4. ARM複合体の抗原選択 マグネチックビーズ(Dynal、UK)を、ウシ血清アルブミン[SBA]、プロゲステ ロン-11α-BSA、テストステロン-3-BSA(Sigma-Aldrich Co.Ltd.、Poole、Dors et、UK)又は精製したラット抗−マウスκ抗体(Dr G.Butcherのギフト)に、製 造業者の指示に従い、結合させた。2-3μlの抗原−又は抗−κが結合したマグネ チックビーズを翻訳混合物に加えて、さらに60分間、4°に変換し、ゆるやかに 振動させて沈殿しないようにした。そのビーズをマグネチック粒子濃縮器(Dyna l MPC)で回収し、0.1%のSBA及び5mMのマグネシウムアセテートを含む50μlの 冷たい無菌のリン酸塩緩衝生理食塩水(PBS)、pH7.4で3回洗浄し、もう一度PBS のみで洗浄した。可能なDNAの混入を避けるため、ビーズを37℃で25分、10単位 の酵素を含む50μlのDNアーゼIバッファー(40mM Tris-HCl、pH7.5、6mM MgCl2 、10mM NaCl、10mM CaCl2)中、DNアーゼI(Promega又はBoehringer Mannheim) で処理し、1%ツイーン-20、5mMマグネシウムアセテートを含む50μlのPBSで3回 洗浄し、10μlのジエチルピロカーボネート処理水で再縣濁した。 5. 抗原選択されたARM複合体からの遺伝情報の回収及び増幅 抗原選択されたARMs、RT-PCRのmRNAからのcDNAの生成及び増幅は、上述のビー ズの縣濁液2μlを、1μMの各プライマーを含有する23μlのRT-PCR混合物(Titan One-tube RT-PCR系、Boehringer Mannheim、又はAccess RT-PCR系、Promega UK Ltd)を加えて行った。プライマーは、上述の上流のT7プライマー及び、リボソ ーム結合mRNAの3'末端の少なくとも60ntの上流でハイブリダイズするように設計 した、新しい下流プライマー、D2、配列5'-cgtgagggtgctgctcatg-3’とした(図2 A)。このプライマーを使用すると、ARM複合体からmRNAを単離する必要がない(図 1)。反応混合物に1又は2滴のヌクレアーゼ無しの鉱油で被覆し、サーマルサイ クラーに入れた(Techne Progene)。単一段階RT-PCRのプログラムは:48°で45分 を1サイクル、次いで94°で2分を1回、そして、94°で30秒、54°で1分、及 び68°で2分から成る30-40サイクル;最後に68°で7分に次いで4°の1サイクル であった。PCR生成物をアガロースゲル電気泳動法で解析し、ゲルから溶離し て配列決定した。 6. ARM複合体作製及び選択のさらなるサイクル、及び経時的サイクルにおける 効率的な回収のためのプライマーの組合せ さらなるサイクルのため、上述のように生成されたPCR生成物をゲル精製し又 は直接TNT転写/翻訳系に添加した。第2サイクルにおいて、RT-PCR下流プライ マ−D3、配列[配列番号11]5'-ggggtagaagttgttcaagaag-3’は、D2の上流にハ イブリダイズするように設計した(図2A);同様に第3サイクルにおいて、D3の上 流にハイブリダイズするプライマ−D4、[配列番号12]5'-ctggatggtgggaagatgg -3'を用いた(図2A)。回収されるDNAは、各サイクルでだんだん短くなるが、VH/K の全長は、組換えPCRによっていずれのサイクルでも再生されうる。さらに、そ の短縮は、抗原結合領域ではなく、軽鎖の定常領域のみに影響する。 この手順において、各サイクルは、mRNAの3'末端がリボソームに覆われ、プラ イマーにアクセスできないという事実により、新しい下流プライマー(D2、D3、 D4)を必要とした。このことは、リボソームからmRNAを単離する必要をなくすが 、また、各サイクルで回収されるcDNAが短くなる原因となる。そこで、我々は、 EVOUという新しいプライマーを設計することでこの問題を解決した。これは、D2 を取り込み、下流を伸長し、大部分の3’cDNA配列を回収するもので、各サイク ルで使用できる。 図2Bに示すように、EVOUプライマーの配列は: 太字=XbaI部位 実験は、回収RT-PCRで、D2とEVOUの混合物を共に使用した場合にcDNAの回収が 起こることを示している(実施例1,図4)。その結果の予想外の特徴は、該プラ イマー混合物を使用すると、2バンドが予期されたにもかかわらず、予期された 全長のちようど1バンドが生成することである。このことは、使用するPCR条件 下でEVOUプライマーの効率によると考えられ、明白なかつ理想的な結果を導く。 従って、好ましい方法においては、プライマーは、上流のT7プライマー及びリ ボソーム結合mRNAの3'末端の少なくとも60nt上流でハイブリダイズすることを指 定する下流プライマ−D2、配列[配列番号14]5'-cgtgagggtgctgctcatg-3’及び 図2Bに示されるようにD2を取り込んだプライマーEVOUである。 さらなるサイクルのため、上述のように生成されたPCR生成物をゲル精製し、 又は直接TNT転写/翻訳系に添加した。D2とEVOUプライマーの組合せは、各連続 サイクルでRT-PCRにおいて使用した。このようにして回収されたDNAは、各サイ クルで同じ長さである(図4)。 7. ヒトVH/K抗体断片用のプライマー 上述の及び図2に示されるプライマーは、すべてのマウス免疫グロブリンから のVH/K断片に適用できる。ヒト抗体についての対応するプライマーは以下の通り である: (酵素部位は下線を付し;ヘキサヒスチジンタグはイタリックである)。 結果 実施例1:リボソーム複合体におけるRT-PCRによるDNAの回収及び2−又は3 −プライマーの組合せ ARM法において(図1)、リボソームは失速され、メッセージの3'末端に終止コド ンがないめ、安定した複合体(新生のタンパク質−リボソーム−mRNA)を形成す る。リボソームがmRNAの3'末端で失速するので、後者は3'プライマー及び/又は 逆転写酵素にアクセスできないはずで、cDNAの回収で上流プライマーの使用を 必要とする。これは、図3の実験によって確認される。3’終止コドンを欠く全 長DB3 DNAが転写され、mRNAがin vitroで翻訳されかつプロゲステロン-BSAビー ズで選択される場合は、上流プライマー(D2、図2A)がcDNAを完全に回収するの に対して、cDNAの回収は、mRNAの3'末端がRT-PCRの開始に利用できないことを示 した。同様に、第2サイクルにおいて、D2はもはや有効でなく、さらに上流のプ ライマーが必要となった(D3、図2A)。このように、ARM複合体中のmRNAの3'末端 に結合したリボソームのコンセプトは妥当のようである。この実験は、リボソー ム−mRNA複合体についてのRT-PCRによるcDNAの回収を例証する。 明らかに、この方法でARMサイクルを繰り返し使用すると、回収されたcDNAを 短小化し、最終的には組換えPCR反応で全長を回収する必要が生じる。しかし、 変更された方法では、D2プライマーとEVOUプライマーとを組み合わせて使用する ことで(図2B)あらゆるサイクルにおいて全長に修復する。図4は、5サイクルの 間のVH/Kの完全長の回収を示す。ARMサイクルは上述のように行われ、プライマ ーD2(RTプライマーとして標識された)及びEVOU(PCRプライマー)の組合せを 回収に使用した。そして、その回収された生成物DNAを同様にさらに4回の連続 サイクルで増幅し、その生成物をそれそれの場合に解析した。示す通り、各サイ クルで約1kbのVH/Kの完全長が回収され、該DNAを配列決定して確認した。 これらのプライマーを組合せて使用すると、他のもので記述されているような 、ポリソームの解離によるmRNAの単離を必要とせずに、cDNAを有効に回収できる 。それは、DNAのような遺伝情報の迅速かつ有効な回収方法である(実施例8も参 照)。 実施例2:抗原特異性ARMの選択 抗原特異性ARMの選択のため、DB3RVH/Kをin vitroで翻訳し、ARMsをプロゲス テロン-11α-BSA、テストステロン-3-SBA又はSBAのみのいずれかと結合したマグ ネチックビーズにさらした。RT-PCRの後、単一のDNA断片が、プログステロン-11 α-BSAが結合したマグネチックビーズからのみ検出され(図5A、トラック2,4,6) 、DB3RVH/Kについての公知の特異性と一致していた。さらに、回収された断片を 配列決定でDB3Rとして確認した。RT-PCRではなくPCRのみを、選択の後プロゲス テ ロン-11α-BSAビーズについて行った場合(図5A、トラック3,5,7)、又はその方法 を翻訳されていないDB3R mRNAで行った場合(図5A、トラック1)は全くパンドが 得られなかった。このように、RT-PCRで回収されたバンドは、DB3Rの機能性抗体 結合部位によって選択されたmRNAに由来するのであり、DNA組換え又はmRNAキャ リーオーバーに由来するのではない。 実施例3:固定化抗原に結合したARMの遊離抗原による阻害は、リボソームに おけるVH/Kの正確な折りたたみを示す。 遊離ステロイドによる阻害は、ARM複合体の正確な折りたたみ及び機能活性を 示すのに使用できる(図6)。種々のステロイドインヒビターを用いたARMとして表 されるDB3 VH/Kの阻害は、朱変性のDB3及び組換えVH/Kの阻害とを区別できない 。さらに、プロゲステロン-11α-HMSによる1ng(2.5nM)での50%の阻害は、DB3の 阻害に非常に近い親和性を示す(図示せず)。 遊離ステロイドインヒビターをDB3 ARM混合物に添加してプロゲステロン被覆 ビーズへの結合を遮断した。それらは、プロゲステロン-11α-ヘミコハク酸塩( HMS)(P11)、プロゲステロン-3-カルボキシメチルオキシム(P3);プロゲステロ ン-6-HMS(P6)及びプロゲステロン-21-HMS(P21)である。ELISA反応における 遊離のDB3 VH/Kの阻害は右側に示したが、P11>P3>P6>P21の順にステロイドが 有効であった。全く同様の反応及び濃度が、ARMとしてリボソーム上に生じた新 生のDB3 VH/Kに見られる(中央のパネルは回収RT-PCR反応の代表的な結果を示す) 。 このすばらしい特異性の実証により、新生の抗体VH/K断片がARM複合体に正確 に折りたたまれることが確認される。同様に、ウサギ網状赤血球系におけるシャ ペロンの添加を必要としないが、これは、原核生物系でも望ましい(15)。真核生 物のリボソームはそれ自体、新生のポリペプチド鎖の折りたたみに有力な役割を 果たす(25)。 実施例3A:ARMディスプレイのための最適なDTT濃度 単鎖の抗体は、転写/翻訳反応混合物中に存在する2mMジチオスレイトール(D TT)の存在下で正確に折りたためないと論じられてきたが、図6Aに示されるよ うに、そうではないようである。ARMサイクルは、DTTが0-10mMの種々の濃度の存 在下、in vitroの個々の転写によって生成されたDB3 VH/K mRNAを翻訳すること によって行い;該翻訳反応は、フレキシウサギ網状赤血球ライセート系(Promeg a)で行い、この系ではDTTの添加がゆるされる。図6Aの結果は、0.2mM及び5mMの DTTはすべてARMで優れた回収率を示し(トラック3-5)、一方、10mMでのみ阻害が あった(トラック6)。従って、2mM DTTは折りたたみ及び回収に有害ではない。 このように、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼPDIは、原核生物のE.coli S 30系(15)における抗体領域の折りたたみに重要であるといわれているが、ウサ ギ網状赤血球ライセート系における真核リボソームディスプレイには必要ない。 実施例4:マグネシウム濃度の最適化(図7) 種々の濃度のマグネシウムアセテートをTNT転写/翻訳反応系に加え、ARMサイ クル後のDNAの回収を比較した。最適の収率は、0.5mM Mgアセテートで達成され た。 実施例5:時間経過の最適化(図8) ARMサイクルにおいて、連結された転写/翻訳を種々の時間で行い、反応の最 適な時間経過を決定した。最適時間は60分のインキュベーションであることが示 され、それ以後は回収率に改良が見られなかった。 実施例6:投入mRNAの回収効率(図9) 単一のARMサイクルのにおけるmRNAの回収効率を調べるため、DBSVH/Kをin vit ro転写で個々に調製した。翻訳段階後に回収されたcDNA、プロゲステロンビーズ におけるARM複合体の選択及び該複合体についてのRT-PCRを、未処置の投入mRNA から直接回収されたものと比較した。左側の4トラックは、ARMサイクルから回 収後に得られたcDNAのタイトレーションを示し、右側の4トラックは、投入mRNA から得られたタイトレーションを示す。デンシトメトリーにより、可能なcDNAの 約60%が、ARM選択後実際に回収されることがわかった。この結果を得るために は、60%のmRNAが完全に機能的な抗原結合タンパク質に翻訳されなければならな い。この回収率は、Mattheakisら(14)による報告の2%及びHanes及びplucht hun(15)による0.2%と比較すべきであり、本方法は効率を非常に高めることが わかった。 実施例7:投入DNAについてのARMサイクルの感度(図10) 系の効率の本質的なパラメータは、投入DNAに対する感度、すなわち、どのよ うな小さいDNAがサイクル毎に使用できるかである。この実験は、投入DNAをタイ トレーションし、10pg程度の投入でもバンドが回収できることを示す。通常使用 する試験量は、1-10ngである(トラック2及び3)。滴定による原核生物の感度は報 告されていないが、Mattheakis法(14)で用いる量は440ngであり、Hans及びPlu ckthun(15)による場合は10μgmである。後者で採用される付加的な段階、すな わち、翻訳前のかつ再び逆転写前のmRNAの回収は、DNAを非常に必要とするもの と思われる。これは、大きいライブラリを探す方法の使用において重要な要素で ある。例えば、1μgmのDNA投入、10pgmの感度によって、単一サイクルで105倍の 増加が可能であり、我々が見いだしたことである(実施例10参照)。より低いDNA 感度では、原核生物系での場合に見られるように、かなり多くのDNAを導入しな ければならないか、さらに選択及び回収サイクルが遂行される。 実施例8:リボソームを破壊せずにcDNAを回収する本方法(本発明に係る)と、 リボソームの破壊を必要とする先行技術の方法との比較(図11) ディスプレイサイクルの終わりにおけるcDNAの回収、すなわちインタクトの複 合体におけるRT-PCRについての我々の方法が、Kawasaki(16)、Mattheakis(14) 及びHanesとPluchthun(15)の先行技術よりも有効であることの程度を決定する ために、我々は、リボソーム複合体の破壊及びRT-PCR前のRNAの回収による彼ら の方法を繰り返した。Hanes及びPluckthun(15)による記載に従った破壊方法: 溶離バッファー、50mM Tris/アセテートpH7.5、150mM NaCl、20mM EDTA;100μ lをビーズに添加し、4°で10分間インキュベートし;遊離されたRNAをエタノー ル沈殿により回収した(標準手順)。 ゲル中(図11)、インタクトと表示したトラックは、1サイクル後の回収を示す ;破壊と表示したトラックは、破壊方法による回収である;また残存と表示が されたトラックは、破壊後のリボソーム上に残されたものである。相対的な収率 を濃度測定により比較し、リボソームに連結されたmRNAで果たされた回収は、真 核生物系で適用した場合、リボソーム破壊より5倍効率的であること、及び破壊 法によるとかなりの割合でmRNAがリボソームに結合して残り、効率が下がること がわかった。このように、リボソーム複合体におけるRT-PCRによるcDNAの回収は 、先行技術を超えた本発明の効果を高めることに非常に貢献している。 実施例9:サイクル毎の精度(図12) 本発明の重要な観点は、in vitroでタンパク質を徐々に修飾する能力であり、 リガンドに基づく選択に従うサイクルに含まれるいくつかのポリメラーゼ反応に よるランダム点変異、すなわちタンパク質の進化の導入を利用している。同時に 、非常に高率の変異は、タンパク質構造又は結合部位特異性を損傷させることに よって系を無機能にする。そこで、我々は、DB3がプロゲステロン-BSAビーズに よって選択されるARMサイクルの生成物をクローニングすることによってサイク ル毎に導入されるエラーを調べた。図12の結果は、0.54%のエラー率を示してお り、構造を維持するには低いが、有効な変異を着実に導入して、抗体結合部位の 親和性のような改良タンパク質の能力を進化させるのには十分高い。 実施例10:単サイクルにおけるARMディスプレイライブラリからの個々の抗体 結合部位の選択(図5及び13)。 リボソームディスプレイの他の重要な用途は、変異体のライブラリから抗体、 又は他のタンパク質を選択することである。そのような選択を調べ、真核生物の リボソームディスプレイによる可能な濃縮を決定するため、DB3Rを、プロゲステ ロンを弱く結合する或いは全く結合しないランダムDB3H35変異体(変異体中、H3 5コドンAACはC/GT/A/G Aに変異されていた)と混合した。DB3H35変異体ライブラ リのみをARM複合体としてディスプレイした場合は、DNAバンドは、プロゲステロ ン-11α-BSAビーズによる選択後に回収されなかった(図5B、トラック3;図5C、 トラック6);DB3H35の翻訳は、ラットの抗−κ抗体で被覆されたビーズによって 得られるバンドで示された(図5B、トラック4)。1:10〜1:105の範囲の比率でDB3R 及 びDB3H35変異体を含むDNA混合物をARMsとしてディスプレイした場合は、VH/Kサ イズのバンドは、1サイクル後すべての場合回収された(図5C、トラック1-5)。 選択されたDNAをコドンの検出に基づき配列し、選択前はDB3Rが1:103−1:105の ライブラリで検出されないにもかかわらず、1:103の比率のライブラリから選択 される支配的な分子で、1:104〜1:105の比率のライブラリからのPCR生成物の主 要な成分であることがわかった。このように、ARM選択の単一サイクルで104-105 倍の範囲での濃縮が達成できる。 混合PCR生成物の配列決定は、濃縮についての正確な情報を与えるには、特に 選択される種:選択されない(バックグラウンド)種の比率を定義するには十分 に感度が高くないので、さらにDB3RとDB3H35変異体を区別する方法を導入した。 特有のHincII酵素部位をDB3H35からは除去し、DB3Rには残した。従って、HincII の消化は、〜800bpから〜500bp及び300bpの2断片へDB3R用VH/Kの大きさを減少 させたが、DB3H35変異体は切断されず、〜800bpの断片として泳動された。上述 と同じ割合の混合物からの選択後、RT-PCR生成物をローン化し、個々のクローン から回収されたDNAがEcoRI及びHincIIによる消化によってマップされ、これによ り回収されたDB3RおよびDB3H35クローンの比率の定量化ができる。図13に示され るように、1:104ライブラリから選択されたクローンの70%及び1:105ライブラリ からの40%がDB3Rであった。これにより、〜104倍という濃縮度が計算され、PCR 混合物の直接的な配列決定からの前記のデータ(上述)と一致する。サイクルで 多量のDNAを使用することでより多く濃縮化することさえできる。これらの濃縮 化値は、100-倍(15)又は40-倍(23)という原核生物系について報告された値 よりかなり高い。 実施例11:2又は3サイクルにおけるARMディスプレイライブラリからの個々 の抗体結合部位の選択(図14) 1:106のDB3R:DB3H35ライブラリは、1サイクル後では検出可能なRT-PCRバン ドを生成せず、さらに2サイクルのARM生成及び選択により、それそれの繰り返 しにおいて強度が増したVH/Kバンドの回収が導かれる。再び配列決定してDB3Rの 選択を確認した。 実施例12:突然変異誘発及び変異体ライブラリからのARM選択による抗体特異 性の変更(抗体工学)(図15-18) プロゲステロンに対するDB3R抗体の親和性は、テストステロンに対する親和性 の〜7,000倍大きい。我々は、ARMディスプレイによるH3ループ(重鎖のCDR3)の 結合変異原性によるこの特異性を逆転させることを試みた。終止コドンのない3 ×107のメンバーからなるH3変異体ライブラリをDB3Rの残基98、99、101、102及 び103のランダム変異誘発によって生成した。このライブラリからの個々のクロ ーンを、ARM選択の前に、所望のARMフォーマットのin vitro発現によって解析し た。図15で、ゲル(前選択クローン)の上部は、テストステロン-3-BSA結合ビー ズに結合した後、cDNAがほとんど或いは全く回収されなかったことを示す。そし て、変異体ライブラリをARM複合体としてディスプレイし、テストステロン-3-BS Aビーズに結合することによって1サイクルで選択した。その回収されたcDNAを クローン化した;ここで、個々のクローンは、ほとんど、良い結合性を反映する 強い回収によるテストステロン-BSAへの明白な結合性を示した(ゲルのより低い 部分)。これは、ARMディスプレイ法が新しい抗原結合特性を有する変異体の選択 的な濃縮化に効果的であり、ARM系が抗体クローンの結合活性の迅速な解析に使 用できることを示している。 そして、そのライブラリをプロゲステロン-BSA及びテストステロン-BSAビーズ に対して選択した。後者については、プロゲステロン-11α-ヘミコハク酸塩が存 在してすべてのプロゲステロン結合を遮断した;それ故に、その効果はそのよう なバインダーがライブラリに存在する場合はテストステロンに完全に特異的に転 換させるはずである。図16では、中央の2つのトラックがこの結果を示し、ライ ブラリがテストステロンに特異的に結合できる変異体を含むことを図示している 。遊離のプロゲステロンの存在下、テストステロン-BSAビーズへの結合後に回収 されたcDNAは、プロゲステロン及びテストステロンビーズに対して再利用され、 テストステロンに対する特異性を示した(トラック6、7)。この結果は、特異性は 1のリガンドがに対する結合を他のものに対する結合へ切り替えることができる ことを意味している。(トラック7のバンドがオリジナルの写真では、はっきり 視認 できることに留意せよ)。 図16のトラック6で回収されたcDNAの特異性を確認するために、その特異性を クロ−ニングによっても調べた。図17は、in vitroでARMとして発現し、プロゲ ステロン-BSA及びテストステロンへの結合性を調べた個々のクローンの解析を示 す。5個のクローンの解析から、3個がテストステロンに優先的に結合し、単独 のプロゲステロン-結合(DB3R)からテストステロン優先的結合への特異性の変 換を示した(クローン1-3)。 遊離のプロゲステロンの存在下でのテストステロンに対する変異誘発及び選択 により得られるクローンの1つをARMディスプレイ及びDNA配列決定によって解析 した。図18では、変異体テストステロン結合クローンは、プロゲステロン-11-BS Aとの交差反応なしに、テストステロン-3-BSA(T)に結合したビーズに特異的に 結合し、それは遊離のプロゲステロン(P)によってではなく、遊離のテストス テロン-3-BSA(T)によって阻害されうることがわかる。 これらの結果は、大きいライブラリから選択するARMライブラリディスプレイ の能力を用いて、変異原性との組み合わせで抗体工学を遂行でき、特に変異及び 選択の段階を通して抗体特異性の変換を起こすことができることを示している。 実施例13:遺伝子組換えマウスから遊離されたライブラリからのヒトの抗体の 選択(図19) 大きい利益のある分野は、人間のin vivo診断又は診療に使用できるヒトの抗 体を単離することにディスプレイ法を使用することである。このようなライブラ リのソースは、天然の免疫性の又は活性的に免疫化された個体からのヒトのリン パ球でありうる。しかし、ヒトの抗原に反応するためには、その多くは重要な診 療であるが、ヒトのリンパ球は非寛容化環境で発達しなければならない。これは 、遺伝子組換えマウスによって達成でき、胚操作によってゲノム中のヒトの重鎖 及び軽鎖をコードする遺伝子を得ることができる;これらマウス内在性のマウス 抗体の能力は,ノックアウト欠失(20)の導入によって排出されてきた。このよ うなマウスは、ヒト抗体の産生によってヒト抗原による免疫化に応答する(20)。 我々は、5個のVH遺伝子、完全なD-J領域及びCμとCδ遺伝子を含むヒト重鎖導入 遺伝 子座を、8個のVL遺伝子、完全なJ領域及びCκ遺伝子を保有する軽鎖導入遺伝子 座と共に保有するマウスを免疫化した。マウスは、プロゲステロン-11α-HMS-BS Aで免疫化し、8週間後に牌臓細胞を除去した。VH/K DNAライブラリを、発現され たVHをRT-PCR増幅により、次いで組換えPCRを用いて標準のVH/Kリンカー配列に よるランダム連結によって調製した;終止コドンを軽鎖の3'末端から欠失させた 。該ライブラリは、in vitroでARM複合体として発現させ、プロゲステロン-BSA 又はテストステロン-BSA連結マグネチックビーズを用いて選択した。回収された cDNAをクローン化して配列した(図19)。その配列は、ヒト・及びVL遺伝子を同定 し、重鎖のCDR3領域との比較を可能にした。2個のヒトVH/VL組合せ(VH4/Vkl-1 2及びVH1-2/Vk4-01)の反復的選択があるが、H3配列ではかなり多様性がある。 しかし、抗ステロイド抗体の結晶解析から同定されたVH CDR2におけるステロイ ド接触残基(W50、第1CDR2残基)の1つは、広く存在し、関連の芳香族もよく 残基100の周囲に存在する。 実施例14:真核リボソームディスプレイによるmRNAライブラリからの遺伝子の 選択、図20 ここまでに述べた実施例は、すべて抗体断片の発現及び選択に関連するが、リ ボソームディスプレイは、結合部位又はエピトープのような選択的な機能性を保 持するいかなるタンパク質にもリボソーム上に初期の形態で結合されている場合 は、適用できるはずである。従って、リボソームディスプレイフォーマットにお いてcDNA又はmRNAライブラリから遺伝子を単離すること、例えば、抗体−又はリ ガンド−連結粒子を有する複合体の選択は可能であろう。 この実施例は、リボソームディスプレイの用途を示し(1)哺乳類の細胞から得 られるmRNA抽出により開始する発現タンパク質をコードする遺伝子を選択するこ と(2)選択物質としてビーズに結合した抗体を用いたリボソーム複合体としての 特異的なmRNAを選択すること、及び(3)リボソーム結合mRNAについて行われるRT- PCRによる関連遺伝子を回収することである。ライブラリのため、mRNAは、Phara macia mRNA精製キットで抽出し、Promega TNT転写/翻訳系を用いてin vitroで 直接発現させた。終止コドンを除去するために何も試みなかったが、代わりに 反応を1時間後に氷上で冷却して停止した。その翻訳混交物をマグネチックビー ズに連結したモノクローナルラット抗-κ抗体にさらした。結合されたmRNAをcDN Aに変換してκ鎖用の、及び負の対照としてλ軽鎖とIgC重鎖用の特異的プライマ ーを用いて、RT-PCRで増幅した。その結果を図20に示す。トラック2、4及び6のc DNAバンドをmRNAライブラリから得、ヒトのλとκ軽鎖及び重鎖がそれぞれ存在 することがわかった。リボソームディスプレイフォーマットでのmRNAの発現及び 抗-κ被覆ビーズによる選択後、強いκ軽鎖のバンドがRT-PCR後に回収し、λ軽 鎖(トラック3)のバンドはなく、重鎖の弱いバンド(トラック7)が見られ、こ のようにκ鎖のcDNAの特異的選択及び回収を示している。我々の知る限り、これ は初めての天然の(すなわち、通常の組織由来)ライブラリからのリボソームデ ィスプレイによるタンパク質の選択を示す実験である。 結論 上述したディスプレイ法の多大な効果は、多くの因子、真核生物の発現系の使 用、共役した転写及び翻訳、終止コドンの除去によるリボソームの失速及びリボ ソーム複合体について行うRT-PCRによる効率的な回収、に起因する。従って、Ha nes及びpluchthunの記述におけるように種々の段階(転写後、選択後)でのmRNA の単離に、何ら時間も材料も消費しない。新規の段階は、回収の1段階であり、 リボソームの解離より優れていることを実証した。また、それは系で取り扱うmR NAの量がかなり少ないという事実により、ずっと経済的でもあり、大きいライブ ラリからレアな分子種を選択する場合には非常に重要なことである。我々は、非 常に少量の導入DNAを回収でき、大きいライブラリに実用できることを示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // A61K 45/00 C12N 15/00 ZNAA (31)優先権主張番号 9804195.7 (32)優先日 平成10年2月28日(1998.2.28) (33)優先権主張国 イギリス(GB) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,U Z,VN,YU,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. タンパク質又はペプチドのディスプレイ及び選択並びにそれらをコードする 遺伝物質の回収方法であって、 (a) 複合粒子が形成され、それそれが少なくとも1の特有の新生タンパク質又 はペプチドまたは他のDNA発現生成物と1以上のリボソームおよび前記タンパク 質またはペプチドをコードする特異的なmRNAとの結合物を含むような、無細胞系 におけるDNAの転写及び翻訳; (b) 前記複合粒子をリガンド、抗原、抗体又は他の物質と接触させて、該タン パク質又はペプチド生成物に結合させることで粒子を選択すること;及び (c) mRNAについて、前記複合粒子に結合されたままで行われる逆転写及びポリ メラーゼ連鎖反応(RT-PCR)によって、タンパク質又はペプチドをコードする遺 伝情報をDNAとして回収すること; を含む方法。 2. 転写/翻訳系が真核生物である請求の範囲第1項に記載の方法。 3. 転写及び翻訳が共役している請求の範囲第1項又は第2項に記載の方法。 4. 転写/翻訳系が、ウサギ網状赤血球ライセート系である請求の範囲第1項に 記載の方法。 5. 終止コドンが欠失しているDNA及びmRNAからタンパク質(又はペプチド)− リボソーム−mRNA複合体を作製することを包含する、請求の範囲第1項又は第2項 に記載の方法。 6. 請求の範囲第1項の(b)において、複合粒子を選択する物質が固定化され、 マグネチックビーズ、プラスチックシャーレ又は他の不溶性担体に結合されてい る方法。 7. DNAを、mRNAの翻訳後1以上のリボソームに物理的に連結されたmRNAについ て行われる逆転写に続くポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)によって生成する方法。 8. タンパク質又はペプチドのディスプレイ及び選択並びにそれらをコードする 遺伝物質の回収方法であって、 (a) 少なくとも1の特有の新生タンパク質又はペプチド、又は他のDNA発現生成 物と1以上のリボソームおよび前記タンパク質及びペプチドをコードする特異的 なmRNAの結合物を含む複合粒子が形成される、無細胞ウサギ網状赤血球ライセー ト系における、終止コドンが欠失しているDNAの共役した転写及び翻訳; (b) 前記複合粒子を不溶化されたリガンド、抗原、抗体又は他の物質に接触さ せて、該タンパク質又はペプチド生成物に結合させることで粒子を選択すること ;及び (c) mRNAについて、前記複合粒子に結合したままで行われる逆転写及びポリメ ラーゼ鎖反応(RT-PCR)によって、タンパク質又はペプチドをコードする遺伝情 報をDNAとして回収すること; を含む方法。 9. タンパク質が、単鎖抗体断片である請求の範囲第1、5及び8項に記載の方 法。 10. 前記単鎖抗体断片が、軽鎖の可変領域(VL)に連結した重鎖の可変領域(VH )(SCFV断片)又は全軽鎖(K)に連結した重鎖の可変領域(VH)(VH/K断片)であ る、請求の範囲第9項に記載の方法。 11. 請求の範囲第1及び8項に記載の方法において、RT-PCR反応を行うためのプ ライマーであって、抗体−リボソーム−mRNA複合体から抗体断片を回収するため の、配列番号3-14に示されるプライマー。 12. 請求の範囲第1及び8項に記載の方法によって得られたRT-PCR生成物DNAを、 発現ベクターに続いて導入し、大腸菌のような細菌の形質転換によるタンパク質 又はペプチドを産生させることを包含する方法。 13. 真核リボソームとタンパク質、ペプチド又は他のDNA発現生成物、及びそれ らのタンパク質、ペプチド又は他の生成物をコードする特異的なmRNAとの複合体 を含む、ディスプレイライブラリ。 14. mRNA分子が終止コドンを欠失している請求の範囲第13項に記載のディスプ レイライブラリ。 15. 個々のメンバーが、リガンドに特異的に結合できるタンパク質を含んでお り、ライブラリの個々のメンバーを固定化されたリガンドに結合させることによ って引き続き選択できる、請求の範囲第13又は14項に記載のタンパク質−リボソ ーム−ディスプレイライブラリ。 16. ディスプレイされるタンパク質が、VH、VLSCFV、VH/K、Fabのような異な った数のドメインを含む単鎖断片を含む抗体又は抗体断片である、請求の範囲第 13又は14項に記載のライブラリ。 17. ディスプレイされる生成物がレセプターである請求の範囲第13又は14項に 記載のライブラリ。 18. ディスプレイされる生成物がペプチドである請求の範囲第13又は14項に記 載のライブラリ。 19. ディスプレイされる生成物がタンパク質変異体である請求の範囲第13又は1 4項に記載のライブラリ。 20. 抗体又は断片が、免疫された又は免疫されない動物又はヒトのリンパ球か ら得られる、請求の範囲第13又は14項に記載のライブラリ。 21. 抗体、レセプター又はそれらの断片をコードするクローン化されたDNAの変 異によって生成される、請求の範囲第13又は14項に記載のライブラリ。 22. 請求の範囲第19又は21項に記載のディスプレイライブラリからの個々の変 異体の選択を含む、請求範囲1〜21のいずれか1項に記載の方法。 23. 特異的な抗体又はレセプターによって識別されるエピトープの同定及びマ ッピングのためのペプチドをコードする、請求の範囲第18項に記載のリボソーム ディスプレイライブラリの使用。 24. マウス、ラット又は他の哺乳類の抗体の製造方法であって、 (a) 動物を抗原に接触させること、 (b) 請求の範囲第10項におけるような単鎖FV又はVH/K断片として連結された、 前記動物の免疫グロブリンのVH及びVL領域の組合せを含むDNAライブラリを作製 すること、 (c) 前記DNAライブラリのin vitro転写及び翻訳による真核リボソームディスプ レイライブラリであって、それそれ少なくとも1の特有の新生抗体断片を含んで 形成され、該断片が1以上のリボソーム及び該抗体断片をコードする特異的mRNA と結合している複合粒子が形成されているようなライブラリを作製すること、 (d) 特異的な抗体断片を抗原又は他の物質に結合させて保持する複合粒子を選 択すること、 (e) 該mRNAについて、前記粒子に結合している間に行うRT-PCRによって、該抗 体断片をコードする遺伝情報を回収させること、 (f) 前記抗体断片を発現させ、収集すること から成る方法。 25. ヒトの抗体の製造方法であって、 (a) 導入遺伝子として免疫グロブリンの重鎖及び/又は軽鎖をコードするヒト の遺伝子座を保有する遺伝子組換えマウスを抗原と接触させること、 (b) 請求の範囲第10項におけるような単鎖FV又はVH/K断片として連結された、 前記動物の免疫グロブリンのVH及びVL領域の組合せを含むDNAライブラリを製造 すること、 (c) 前記DNAライブラリのin vitro転写及び翻訳による真核リボソームディスプ レイライブラリであって、それぞれ少なくとも1の特有の新生抗体断片を含み、 該抗体断片が1以上のリボソーム及び該抗体断片をコードする特異的mRNAと結合 している複合粒子が形成されているようなライブラリを製造すること、 (d) 特異的な抗体断片を抗原又は他の物質に結合させて保持するような複合粒 子を選択すること、 (e) 該mRNAについて、前記粒子に結合しているままで行うRT-PCRによって、該 抗体断片をコードする遺伝情報をDNAとして回収すること、 (f) 前記抗体断片を発現させ、収集すること から成る方法。 26. 複合粒子としてのタンパク質又はペプチド及びそれらをコードする遺伝情 報の回収のためのディスプレイ方法であって、 (a) それぞれ少なくとも1の特有の新生のタンパク質又はペプチド又は他の発 現生成物と1以上のリボソーム及び該タンパク質又はペプチドをコードする特異 的mRNAとの結合物を含む複合粒子が形成される、真核無細胞系でmRNA又はmRNAラ イブラリを翻訳すること、 (b) 該粒子をリガンド、抗体又は他の物質と接触させて、該タンパク質又はペ プチド生成物に結合させることによって粒子の選択を得ること、及び (c) mRNAについて、該粒子に結合しているままで行うRT-PCRによって、生成物 をコードする遺伝情報をDNAとして回収することから成る方法。 27. 複合粒子としてのタンパク質又はペプチドをディスプレイ方法及びそれら をコードする遺伝情報のを回収方法であって、 (a) 複合粒子が、それそれ少なくとも1の特有の新生のタンパク質又はペプチ ド又は他の発現生成物と、1以上のリボソーム及び該タンパク質又はペプチドを コードする特異的mRNAとの結合物を含んで形成された真核無細胞系でcDNA又はcD NAライブラリを転写及び翻訳すること、 (b) 前記粒子をリガンド、抗体又は他の物質と接触させて、該タンパク質又は ペプチド生成物に結合させることによって粒子の選択を得ること、及び (c) mRNAについて、該粒子に結合したままで行う逆転写及びポリメラーゼ鎖反 応によって、該生成物をコードする遺伝情報を回収させることから成る方法。 28. 請求の範囲1〜27のいずれか1項に記載のリボソームディスプレイ及び選 択の反復サイクルにおける使用。 29. 請求の範囲1〜28のいずれか1項に記載の真核リボソームディスプレイライ ブラリの、結合部位又はレセプターに対するリガンドであって、薬剤又は治療と しての潜在的な用途を有するリガンドを選択する方法における使用。 30. 請求の範囲1〜29のいずれか1項に記載のリボソームディスプレイライブ ラリの、翻訳生成物を固定化された抗体又はリガンドヘ結合させることで遺伝子 を単離する方法における使用。
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