JP2002500227A - コンブレタスタチンa−4プロドラッグとそのトランス異性体 - Google Patents

コンブレタスタチンa−4プロドラッグとそのトランス異性体

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンブレタスタチンA−4はこれまで抗新生物剤として前臨床開発のために選択されてきた。しかしながら、このものは本質的に水に不溶性である。 【解決手段】 コンブレタスタチンA−4とその適当な類似物質の新規な水溶性誘導体が発見され、コンブレタスタチンA−4の他の誘導体を中間体として用いる多工程プロセスにより合成された。これらの水溶性誘導体はここでは「コンブレタスタチンA−4プロドラッグ」と称する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は一般に、1種またはそれ以上の新生物疾患の治療に有用であろう化合
物の分野に関するものであり、さらに具体的には、本発明は「コンブレタスタチ
ンA−4」と命名された抗新生物化合物の水溶性プロドラッグの合成に関するも
のである。
【0002】 この研究の一部は、DHHSの国立ガン研究所から受領した優秀研究者助成金
CA44344−05−09の資金によるものである。合衆国政府は本発明につ
いて一定の権利を有しているであろう。
【0003】 本発明は、コンブレタスタチンA−4と命名された公知の抗新生物化合物のプ
ロドラッグとトランス異性体を合成する改良方法に関するものである。
【0004】 本発明はさらに、アメリカ特許4940726、5409953および556
9786に記載のコンブレタスタチンA−4とその類似体に存在するフェノール
性水酸基との反応によるホスフェート塩を生成する化学を教示する。コンブレタ
スタチンA−4は、生物学的系のなかでは乏しい水溶性分布をもつ。コンブレタ
スタチンA−4の構造決定と単離は1991年2月26日にG.R.Petti
tほかに与えられたアメリカ特許4996237に記載されており、一方ではコ
ンブレタスタチンA−4プロドラッグを開発する初期の努力は1996年10月
1日にG.R.Pettitに与えられたアメリカ特許5561122に記載さ
れている。これらの特許の各々からの一般的な背景情報は、これらの参照により
ここに包含される。
【0005】 有力なガン細胞生長とチューブリン集合阻害剤のコンブレタスタチンA−4は
、1985年頃にアフリカの樹木であるCombretum caffrum(
Combretacea)から単離され、前臨床が行なわれてきた。しかしなが
ら、該フェノールとそのアルカリ金属塩の極めて僅かな水溶性のために、医薬処
方の試みは不満足な結果を与えていた。本発明はコンブレタスタチンA−4に基
づく実用的な水溶性のプロドラッグを合成する継続した努力における画期的成功
を表わすもので、上記のアメリカ特許5561122に記載の初期の努力よりも
著しい進歩をなしている。
【0006】 ある種のアフリカのズールー人の伝統においては、Combretum ca
ffrum(C.salicyolium,combretacea科)の根皮
は外敵を損傷させる魔力として使われてきた。この樹木から単離されたZ−スチ
ルベンであるコンブレタスタチンA−4(la)(Pettit et al.
,1989,「強力な細胞生長とチューブリン阻害剤であるコンブレタスタチン
A−4の単離と構造」、Experimentia,45,209)は、強力な
ガン細胞生長阻害剤[El−zayat et al.,1993,「Comb
retum caffrum(乾燥地帯の潅木)からの天然物であるコンブレタ
スタチンA−4の抗腫瘍活性のインビトロでの評価」Anti−Cancer
Drugs,4,19);ガン制圧剤(Dark et al.,1997,「
腫瘍脈管構造に対する強力かつ選択的毒性をもつ剤であるコンブレタスタチンA
−4」);ならびにチューブリン集合阻害剤(Lin et al.,1989
,「細胞分裂阻止性の天然物であるコンブレタスタチンA−4とコンブレタスタ
チンA−2:それらのコルヒチンとチューブリンとの結合の阻害メカニズム」、
Biochemistry,28,6984)]であることが分かっている。現
在、コンブレタスタチンA−4は臨床開発中である。
【0007】 コンブレタスタチンA−4はフェノール性水酸基をもっており特異的な抗がん
剤としてかなりな有望性を示してはいるが、その極端に低い水溶性のため開発は
阻害されてきた。最近、一連の水溶性誘導体が報告されている(Brown e
t al.,1995,「コンブレタスタチンA−4の水溶性糖誘導体の合成」
、Journal of the Chemical Society,Per
kin Transactions,I,577;Woods,et al.,
1995,「コンブレタスタチンA−4に基づく一連のスチルベン類のチューブ
リンとの相互作用、「British Journal of Cancer,
71,705;およびBedford,et al.,1996,「細胞毒のコ
ンブレタスタチンA−4の水溶性プロドラッグの合成」、Bioorqanic
& Medicinal Chemistry Letters,6,157
)。そしてそこでは水溶性のホスフェートのソーダ塩、1hがもっとも良いと証
明されている(Pettit et al.,1995,Antineopla
stic agents 322,「コンブレタスタチンA−4プロドラッグの
合成」、Anti−Cancer Drug Design,10,299;お
よびPettit,アメリカ特許5561122)。しかしながらビス(2,2
,2−トリクロエチル)ホスフォロクロリデートを用いるリン酸化配列、それに
続く還元(亜鉛、酢酸)、およびイオン交換樹脂による単離は、大規模でのプロ
ドラッグ1hの製造にはあまり適当でなく、したがって最終的な商業化に著しい
経済的障害を投げかけていた。
【0008】 プロドラッグの選択は着実に増加しつつあり、次のものが含まれている。すな
わち、ポリ(エチレングリコール)エステル(Greenwald et al
.,1996,「薬物伝達系:水溶性タキソール1’−ポリ(エチレングリコー
ル)エステルプロドラッグデザイン及びインビボ効果性」、The Journ
al of Medicinal Chemistry,39,424);4級
塩(Lackery et al.,1996,「トポイソメラーゼIの水溶性
阻害剤:カンプトテシインの4級塩誘導体」、The Journal of
Medicinal Chemistry,39,713);スルフォネート塩
(Hejchman et al.,1995,「水溶性アンブロシンプロドラ
ッグ候補の合成と細胞毒性」、The Journal of Medicin
al Chemistry,38,3407);ウレタン類(Izawa et
al.,1995,「スルフヒドリル化合物との反応により放出される抗腫瘍
プロドラッグのデザインと合成」、Bioorganic & Medicin
al Chemistry,5,593);生分解性ポリマー(Gombotz
et al.,1995,「蛋白とペプチド薬物伝達のための生分解ポリマー
」、Bioconjugated Chemistry,6,332);ならび
にその他の種々の方法(Jungheim et al.,1994,「抗腫瘍
プロドラッグの設計:抗体標的酵素のための基質」、Chemical Rev
iews,94,1553)。しかし、今回の開示はかつて導入されたコンブレ
タスタチンA−4のリン酸ソーダ誘導体1h(それは、ここで述べる方法によっ
て製造されるリン酸ソーダ誘導体3dと均等である。下記参照)に焦点があてら
れている。手元の証拠から、1h(および3d)は血清ホスファターゼによって
適当に脱リン酸化され、ついで細胞内へ輸送されると考えられる。
【0009】 さらにリン酸塩プロドラッグの探求は次のような種々の物質と共に有用である
ことが分かった。すなわち、エトプサイド(Saulnier et al.,
1994,「エトプサイドリン酸塩であるBMY−40481の合成:エトプサ
イドの水溶性で臨床的に活性なプロドラッグ」、Bioorganic & M
edicinal Chemistry Letters,4,2567);タ
キソール(Mamber et al.,1995,「アルカリホスファターゼ
で代謝活性後のパクリタキセル(タキソール)リン酸塩プロドラッグによるチュ
ーブリンの重合」、The Journal of Pharmacology
and Experimental Therapeutics,374,8
77;Ueda et al.,1995,「パクリタキセルの強力なプロドラ
ッグとしての2’−エトキシカルボニルパクリタキセルの新規で水溶性のリン酸
塩誘導体」、Bioorganic & Medicinal Chemist
ry Letters,5,247;およびUeda et al.,1993
,「インビボで抗腫瘍活性をもつタキソールの新規で水溶性リン酸塩プロドラッ
グ」、Bioorganic & Medicinal Chemistry
Letters,3,1761);ならびにチロシン含有ペプチド(Chao
et al.,1993,「N,N−ジイソプロピル−ビス[2−(トリメトキ
シシリル)エチル]ホスファオラミダイト、ペプチド含有ホスフオチロシンの合
成のためのFmoc/t−ブチル戦略と両立可能な魅力的なリン酸化剤」、Te
trahedron Letters,34,3377)。プロドラッグ1h(
3dも然り)についてここに示すように、リン酸塩エステルは一般にインビボで
分解され(Bundgaard編,1985,プロドラッグの設計、1−92頁
、エルセビア、ニューヨーク)実用的な在庫期間で溶液に処方するに充分安定で
ある(Flynn et al.,1970,「コルチコステロイド−21−リ
ン酸塩エステルのソルボリシスに影響する因子」、Journal of Ph
armaceutical Science,59,1433)。コンブレタス
タチンA−4のリン酸ソーダエステルプロドラッグ1h(3d)の実用的な合成
の大規模化の改善のために、3種の新規なリン酸塩が合成され、ここに記載のよ
うに水溶性プロドラッグ3dに容易に変換された。
【0010】 乳癌のようなヒトのガンのタイプの広範なスペクトルの強烈な性質は、迅速な
腫瘍の脈管形成の容易さと関連している。新脈管形成は新規な腫瘍脈管形成タイ
プの抗がん剤の極めて魅力的な標的である。コンブレタスタチンA−4 1aは
強い抗脈管形成活性を示すことが見出され、誘導されたリン酸ソーダプロドラッ
グ1h(3d)は腫瘍の脈管化のインビボでの強力な阻害剤である。現在プロド
ラッグ1hは臨床開発中である。臨床試験のための量の純粋な薬物を提供するた
めの実際的な合成方法は、依然として重要な研究目的である。記載したように、
本発明は、リン酸化フェノール1aのために本来の場所に作られたジベンジルク
ロロホスファイトを用いた大いに改良された配列、トリメチルインドシランによ
るベンジルエステル基の分解、そして生成物のナトリウムメトキサイドによりプ
ロドラッグ1h(ここでは3d)の良好な収率を得るための処理、という発見の
上に予測されたものである。しかしながら生成物は、まずプロドラッグ3dの水
溶液における若干の不透明性の存在により分かったところの異性体物質を伴なっ
ていることが見出された。副生物は、対応するトランス−スチルベン4cである
と思われ、抽出と分別再結晶で除去した。プロドラッグ3dの純度は、リン酸塩
緩衝液を用いてのイオンペアHPLCで容易にわかった。
【0011】 この更なる研究は、合成による持続する副生物(4cと思われる)の構造の確
認に絞られた。加えるに、コンブレタスタチンA−4プロドラッグの評価は、更
なる一連のプロドラッグ3dのリン酸前駆物質のリン酸塩金属とアンモニウムカ
チオン誘導体の作製により拡大された。トランス−スチルベンホスフェート4c
の合成もまた、たとえばレスベラトロールのようなある種のトランス−スチルベ
ンフェノール類の化学的予防活性の観点からSARの目的に大いに有用であると
考えられた。
【0012】 コンブレタスタチンA−4は本質的に水に不溶性である。この特性は、前臨床
開発に用いるための本化合物の医薬製剤の必要処方の完成とは著しく相反する。
従ってコンブレタスタチンA−4の誘導体、1a、3’フェノール基は、可能性
のある水溶性プロドラッグとしての評価のために作製した。アメリカ特許556
1122に記載のように、フェノール1aのナトリウム塩1b、カリウム塩1c
およびヘミコハク酸エステル1d誘導体は、水には本質的に不溶性である。実際
にも、これらの物質は水との反応によりコンブレタスタチンA−4を再生した。
他の一連の誘導体は、水溶性または安定性またはそれら両方の点で不満足である
ことが分かった。最も溶解性のある誘導体はたとえばアンモニウム1f、カリウ
ム1gおよびナトリウム1hリン酸塩であり、中でも最後の2つが最も安定であ
り適当である。ここに述べたコンブレタスタチンA−4のナトリウムおよびその
他のリン酸塩誘導体もまた、有用なプロドラッグとしての必要な生物学的性質を
示すことが見出された。
【化2】 1a,R=H 1b,R=Na 1c,R=K 1d=COCHCHCOOH 1e=−P(:O)(OCHCCl 1f=アンモニウムホスフェート塩 1g=カリウムホスフェート塩 1h=ナトリウムホスフェート塩、たとえば−P(:O)(.OH)(.
ONa
【0013】 ホスフェートエステル塩1h(そして今後は3d)としてのコンブレタスタチ
ンA−4 1aは、強力な抗腫瘍性および抗脈管形成物質であり、臨床開発中で
ある。コンブレタスタチンA−4からのリン酸化合成経路の改良の目的で、新し
い経路が研究された。リン酸化工程は、自然位でのジベンジルクロロホスファイ
トを用いて大いに改良されることが見出された。トリメチルクロロシラン/ナト
リウムアイオダイド方法を使ってのベンジルエステルの分解と、それに続くナト
リウムメトキサイドでの処理は、高い収率の水溶性プロドラッグ3dをもたらし
た。
【化3】
【0014】 プロドラッグ3dについて上に更に具体的に示したように、一般にホスフェー
トエステル塩はインビボで分解される(Bundgaard,既出)。コンブレ
タスタチンA−4のナトリウムホスフェートエステルプロドラッグのために特に
大規模合成の改良のために、3種のホスフェートエステル3a、3bおよび3c
を合成し、そのうち最後のものが、以下に詳細に記載するように水溶性プロドラ
ッグ3dに容易に変換された。
【0015】 天然のコンブレタスタチンA−4プロドラッグ3dの(E)−スチルベン異性
体4c(下記参照)もまた、リン酸化(ジベンジルクロロホスファイト)、その
ベンジルエステルの分解(トリメチルヨードシラン)および得られたリン酸のナ
トリウムメトキサイドとの反応を用いて、類似の反応経過により(E)−コンブ
レタスタチンA−4 1aから効率的に製造された。このリン酸ナトリウム生産
物4cはおそらくヨードで触媒される異性化によるもので、この合成経路をコン
ブレタスタチンA−4プロドラッグ3dの製造に用いる時には重要な副産物であ
ることが見出された。
【化4】
【0016】 (Z)−コンブレタスタチンA−4 1aから誘導されるプロドラッグ3dの
リン酸前駆物質はまた、ヒトのガン細胞生長、抗微生物活性および溶解度性能を
評価するために一連の金属カチオンおよびアンモニウムカチオン塩に変換された
。すなわち種々の新規なコンブレタスタチンA−4プロドラッグ修飾物5a−s
(下記参照)が製造され、そして種々の細菌および日和見的カビ類に阻害作用を
もつことが見出された。
【化5】 ただしX=H(Z)(1価)またはX=Z(2価) 5a Z=Ca2+ 5b Z=Cs2+ 5c Z=Li 5d Z=Mg2+ 5e Z=Mn2+ 5f Z=Zn 5g Z=イミダゾール 5h Z=モルホリン 5i Z=ピペラジン 5j z=ピペリジン 5k Z=ピラゾール 5l Z=ピリジン 5m Z=アデノシン 5n Z=シンコニン 5o Z=グルコサミン 5p Z=キニン 5q Z=キニジン 5r Z=テトラサイクリン 5s Z=ベラパミル
【化6】
【0017】 したがって本発明の主たる目的は、水溶性でありかつ安定なコンブレタスタチ
ンA−4のプロドラッグを製造することであり、またその化合物を合成する手段
を改良することである。
【0018】 以上のおよびそれ以外の以下に記載の目的は、特に上述の構造と添付の図面と
を合わせて読めば、以下の例示の実施態様の詳細な記載から容易にわかるように
極めて予期できない方法で本発明により容易に充足される。
【0019】 コンブレタスタチンが合成される方法は当業者によく知られている。次を参照
。petitt et al.,「強力な細胞生長とチューブリン阻害剤のコン
ブレタスタチンA−4の単離と構造」,Experimentia,209(1
989)既出。アメリカ特許4996237(237特許)に開示の方法で合成
されたコンブレタスタチンA−4を、このプロセスの全てにおいて使用した。
【0020】 コンブレタスタチンA−4(1a)は、既に1995年のpettit et
alに記載のようにして合成された。ジイソプロピルエチルアミン(98%)
、水酸化リチウム1水塩、水酸化セシウム、酢酸亜鉛2水塩、キニン1水塩、ピ
ペリジン、ピラゾール、およびナトリウムメトキサイド(95%)、ジベンジル
ホスファイト、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、1H−テトラゾール
(98%)、85%3−クロフォペルオキシ安息香酸(m−CABA)、クロロ
トリメチルシラン(98%)、トリフルオロ酢酸(99%)、トリエチルアミン
およびナトリウムメトキサイド(95%)はSigma−Aldrich Ch
emical Companyから入手した。tert−ブタノールはAcro
sOrganicsから入手した。酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム4水塩、
酢酸マンガンならびにその他の反応および単離剤はBaker Chemica
l Companyから入手した。テトラヒドロフランを、ナトリウム/ベンゾ
フェノンから蒸留した。イミダゾールはn−ヘキサンから再結晶し、ピペラジン
はエタノールから再結晶して真空乾燥した。モルホリンはKOHで乾燥し次いで
分別蒸留した。ピリジンはCaHで乾燥し分別蒸留し、KOH上で貯蔵した。
アデノシンはNutritional Biochemicals Corpo
rationから入手した。Mateson,Cole & Bellからのシ
ンコニンは、使用前にエタノールから再結晶した。D−グルコサミンはNutr
itional Biochemicals Corporationから入手
した。キニジンはJ.T.Bakerから、テトラサイクリンはMateson
、Cole & Bellから、そしてベラパミルはAlexis Corpo
rationから入手した。「エーテル」はジエチルエーテルを表わす。すべて
の溶媒は使用前に蒸留した。金属塩の1.0M溶液は蒸留水中であり、アミンの
1.0M溶液は乾燥メタノール中である。ジ−tert−ブチルオキシ(N,N
−ジエチルアミド)ホスフィンは上のJohn et alに記載(1988,
「ジ−tert−ブチルN,N−ジエチルホスフォルアミデート、アルコールの
効果的なリン酸化のための新規なリン酸化剤」、Synthesis,142−
144頁)のようにして製造した。
【0021】 反応は、長い波長と短い波長の紫外線照射下で可視化したAnaltechシ
リカゲルGHLF Uniplatesを用いての薄層クロマトグラフィーでモ
ニターした。水性溶液の溶媒抽出液は、無水硫酸ソーダ上で乾燥した。
【0022】 適当とあれば、粗製物はE.Merckのフラッシュカラムクロマトグラフィ
ー(230−400メッシュASTM)で分離した。
【0023】 融点はElectrothermalデジタル融点測定装置のIA9200モ
デルで測定し、補正した。IRスペクトルはNicolet FTIRのモデル
MX−1機器を用いて得た。EIMSデータは、MAT312質量分光器で記録
した。高分解能FABスペクトルはKratos MS−50質量分光器(Mi
dwest Center for Mass Spectrometry、ネ
ブラスカ大学、リンカーン、NE)で得られた。すべてのN−および13C−
NMRスペクトルは、別段の記載がない限り、CDClを使いVarian
Gemini 300MHz機器(TMS内部参照)を用いて得られた。31
−NMRスペクトルは、Unity500MHz機器を用い、CDCl中で8
5%リン酸を外部標準として得られた。元素分析はGalbraith Lab
oratories,Inc.,Knoxville,TNによって行なわれた
【0024】 HPLC分離と分析 HPLCは、Hewlett−Packard HP 1050シリーズ3D
Chemstation、RV.A.03.01液体クロマトグラフで行なっ
た。すべての溶媒はHPLC品質のもであり、使用前に濾過した。HPLC分離
および分析方法は、33℃で水性緩衝イオンペア逆相勾配溶離によった。流速は
1.2ml/min。カラムはMerk Lichrosphere 100R
P 18(5μm)、250×4.0mm(Lichrocart 250−4
)。溶離液は次の通り。ElutentAは5mM硫酸水素テトラブチルアンモ
ニウム、5mMリン酸、5mM KHPO。溶離液Bは75%CHCN。
勾配は、a)65%のAと35%のBで4分間保持、b)65%のAから10%
のAまでの8分間の線形勾配、c)3分間保持。検出は310nmの紫外線。
【0025】 乾燥エーテル(20ml)中のtert−ブタノール(3.7g、4.7ml
、50mmol、2.0当量)とトリエチルアミン(5.6g、7.7ml、5
5mmol、2.2当量)の溶液を、乾燥エーテル(5ml)中のジクロロ−N
,N−ジイソプロピルホスフィン(5.0g、25mmol)に、溶液温度を0
℃未満に保ちながら加えた。添加完了時(約15分)、溶液を室温としさらに3
時間攪拌した。重炭酸ソーダの5%水溶液を加え、水相を除去し、そしてエーテ
ル溶液を5%重炭酸ソーダ水溶液(2×10ml)、NaClの飽和水溶液(2
5ml)で洗浄し、乾燥し、濾過し、溶媒を除去して透明な残留油を得た。真空
蒸留による精製は透明な油状の生産物を与えた(4.3g、63%)。沸点56
−57℃/0.05mmHg。H−NMR(300MHz)δ 1.17(d
,J=6.0Hz,CH(CH),1.35(s,18H,2x(CH C),3.53−3.68(m,2x(CHCH);13C−NMR
(125MHz)δ 24.21(d,Jpc=7.73Hz),31.06
(d,Jpc 9.7Hz),43.09(d,Jpc=13.88Hz),7
5.40(d,Jpc=9.75Hz);31P−NMR(202MHz)δ
130.0(s)。
【0026】 ジ−tert−ブチルオキシ(N,N−ジエチルアミド)ホスフィン(2b)
。 ホスフィン2bは上述(John et al,1988、既出)の記載のよ
うであった。沸点49−51℃/0.005mmHg(55%収率)。H−N
MR(300MHz)δ 1.06(t,JHH=7.8Hz,1.33(s,
18H,C(CH),3.03(dq,4H,JHH=9.0Hz,PC
CH);13C−NMR(75MHz)δ 14.84(d,Jpc=3
.9Hz),30.88(d,Jpc9.75Hz),37.45(d,Jpc =21.2Hz),74.40(d,Jpc=11.63Hz)。
【0027】 乾燥エーテル(10ml)中の2−(トリメチルシリル)エタノール(1.2
g、9.9mmol、2当量)とトリエチルアミン(1.5ml、10.9mm
ol、2.2当量)の溶液を、乾燥エーテル(10ml)中のジクロロ−N,N
−ジイソプロピルアミドホスフィン(1.0g、4.9mmol)に、溶液温度
を0℃未満に保ちながら加えた。添加完了時(約30分)、溶液を室温としさら
に3時間攪拌した。重炭酸ソーダの5%水溶液(10ml)を加え、水相を5%
重炭酸ソーダ水溶液(2×10ml)、NaClの飽和水溶液(10ml)で洗
浄し、乾燥し、濾過した。溶媒を減圧で除去して透明な油を得た(2.2g、7
8%)。沸点62−64℃/0.005mmHg。IR(neat)−νmax
2960(s),2897(m),1462(w),1396(m),1363
(m),1194(s),1186(s),1126(m),1045(s),
972(s),837(s),744(s),694(s),663(w)cm
−1H−NMR(300MHz)δ0.00(s,18H),1.02(m
,4H),1.16(d,J=6.6Hz,12H),3.52−3.77(m
,6H);13C−NMR(75MHz)δ−1.49,20.00,24.4
1,24.51,42.47,42.63,60.43,60.67;31P−
NMR(202MHz)δ143.50。
【0028】 3’−O−ビス(ベンジル)ホスフォリルコンブレタスタチンA−4(3a) 炎乾燥を行いテフロンの攪拌棒をもつ3頚フラスコに隔壁、温度計およびアル
ゴン導入口をつけた。フェノール(1a、20.0g、63.2mmol)を攪
拌しながらアセトニトリル(200ml)に溶解し次いで−25℃に冷却した。
4塩化炭素(30.5ml、316mmol、5当量)を添加し、その溶液を5
分間攪拌した。ジイソプロピルエチルアミン(23.13ml、133mmol
、2.1当量)を注射筒経由で添加し、ついでDMAP(772mg、6.32
mmol、0.1当量)を加えた。1分後に、反応温度を−10℃以下に保つよ
うな速度でジベンジルホスファイト(20.33ml、92mmol、1.45
当量)の滴下(ゆっくりと)を開始した。反応が完結したとき(TLC分析によ
り1時間)、0.5MのKHPO水溶液(50ml)を添加し、室温まで加
温した。酢酸エチル(3x100ml)で抽出後、溶媒抽出液を合併したものを
水(100ml)と飽和NaCl(100ml)で洗浄し、乾燥した。濾過と溶
媒除去を減圧下で行ない、薄黄色の油を得た。この油状残滓をシリカゲルカラム
でクロマトグラフし(ヘキサン−酢酸エチル、3:2)透明な油を得、これを酢
酸エチルとヘキサンから再結晶して純粋の白色結晶(36.0g、98%)を得
た。融点73℃、Rf0.26(ヘキサン−酢酸エチル、3:2)。EIMSm
/z576(100,M),561(8),485(2),394(2),3
78)3,363(3),252(5),181(3);IR(neat)νm
ax3005,2939,2837,1579,1512,1454,1425
,1280,1240,1122,1010,891,740,698cm−1 H−NMR(300MHz)δ 3.67(s,6H,2xOCH),3
.77(s,3H,OCH),3.80(s,3H,OCH),5.12(
s,2H,CH−Ar),5.14(s,2H,CH−Ar),6.40(
d,J=12.0Hz,1H),6.45(d,J=120Hz,1H),6.
48(s,2H),6.78(d,J=9.0Hz,1H),7.06(dd,
J=1.9,1.8Hz,1H),7.15(d,J=1.8Hz,1H),7
.31(s,1OH,Ar−H);13C−NMR(75MHz)δ 152.
97,139.32,139.22,135.67,132.46,130.1
9,129.67,128.53,127.88,126.56,122.21
,112.27,105.93,69.79,69.72,60.86,60.
40,55.92,21.05,14.22;31P−NMR(202MHz)
δ−5.29;C3233Pとしての分析計算値;C,66.67;H,
5.77。実験値:C,66.96;H,6.05。
【0029】 3’−O−ビス(tert−ブチル)ホスフォリルコンブレタスタチンA−4
(3b) 方法A:1H−テトラゾール(3.73g、53mmol、3.67当量)を
、乾燥テトラヒドロフラン(15ml)中のコンブレタスタチンA−4(1a、
5.00g、16mmol、1.0当量)とジ−tert−ブチルオキシ−N,
N−ジエチルアミンドホスフィン(5.19g、21mmol、1.3当量)の
攪拌溶液へ一時に添加した。溶液をアルゴン下で20分間室温にて攪拌し、−7
0℃に冷却した(CO/アセトン)。次いで、乾燥ジクロロメタン(10ml
)中の85%のm−CPBA(3.22g、19.0mmol)溶液を(迅速に
)加えてその反応混合物の温度が−30℃以下に保たれるようにした。室温で5
分間攪拌後、10%の重炭酸ソーダ水溶液(15ml)を加えた。溶液を更に1
0分間攪拌し、エーテル(70ml)で抽出した。エーテル相を10%の重炭酸
ソーダ水溶液(2x20ml)、1NのNaOH(6x40ml)で洗浄し、乾
燥し、濾過した。減圧で溶媒を除去すると黄色の油を得、それをフラッシュカラ
ムクロマトグラフィー(シリカゲル;3:2のヘキサンと酢酸エチル)で精製し
、透明な油として標記の化合物を得た(1.15g;75%)。Rf0.25(
ヘキサン−酢酸エチル);EIMS m/z508(M,22),452(5
),437(7),396(100,381(17),364(4),349(
3),316(5);IR(neat)−νmax3462,2980,293
7,2837,2243,1579,1512,1462,1425,1371
,1327,1276,1174,1128,999,920,868,731
,646cm−1H−NMR(300MHz)δ 1.47(s,18H,
2xC(CH),3.69(s,6H,2xOCH),3.82(s,
3H,OCH),3.83(s,3H,OCH),6.42(s,J=12
Hz),1H),6.47(d,J=12Hz,1H),6.51(s,2H,
2,6−H),6.79(d,J=8.5Hz,1H),7.03(dd,J=
8.5,1.8Hz,1H),7.31(d,J=1.8Hz,1H);13
−NMR(75MHz)δ 152.94,132.62,129,85,12
9,25,129.02,125.63,121.80,112.14,105
.93,99.28,83.49,60.89,55.92,29.80,29
.71;31P−NMR(202MHz,CDCl/85%HPO)δ−
14.47;C2637Pとしての分析計算値;C,61.40%;H,
7.33%;実験値:C,60.92%;H,7.67%。 方法B: リン酸化剤としてジ−tert−ブチルオキシ−N,N−ジイソプ
ロピルアミドホスフィンを使ったこと以外は上記の方法Aと同様に行なった。収
率78%。
【0031】 3’−O−ビス(トリメチルシリルエトキシ)ホスフォリルコンブレタスタチ
ンA−4(3c) ビス[2−(トリメチルシリル)エトキシ−N,N−ジイソプロピルアミドホ
スフィン(2c)を用いて上記の方法Aと同様の操作で無色の油として目的物を
得た(8.67g,91%)。Rf0.26(ヘキサン−酢酸エチル、3;1)
;EIMS m/z 596(M,90),568(20),540(21)
,515(38),496(10),468(40),453(13),396
(22),283(10),252(11),211(13),147(15)
,72(100);IR(neat)νmax2999,2995,2901,
2837,1579,1512,1464,1525,1276,1249,1
217,1180,1128,991,856,767,696cm−1
−NMR(500MHz)δ 0.00(s,18H),1.04(m,4H,
−CHSi−),3.63(s,6H,2xOCH),3.77(s,6H
,2xOCH),4.17(m,3H,−OCHCH−),6.09(s
,2H),6.42(d,J=12.5Hz,1H),6.47(d,J=12
.5Hz,1H),6.77(d,J=8.5Hz,1H),7.03(dd,
J=8.5,1H),7.21(d,J=1.0Hz,1H);13C−NMR
(75MHz)δ 152.77,149.69,139.54,137.05
,132.24,129.94,129.37,128.41,126.05,
121.78,112.08,105.76,66.72,64.00,60.
59,55.70,19.51,19.20,−1.72;31P−NMR(2
02MHz)δ−5.54。
【0032】 ナトリウム(Z)−コンブレタスタチンA−4 3’−O−ホスフェート(3
d) 乾燥アセトニトリル(100ml、アルゴン下で炎乾燥したフラスコ中)の中
のベンジルエステル(3c、20.5g、35.6mmol)とナトリウムアイ
オダイド(10.7g、71mmol、2当量)の溶液へ、激しく攪拌しながら
クロロトリメチルシラン(9.02ml、71mmol、2当量)をゆっくり添
加した。反応混合物を20分間攪拌すると、TLC分析(ヘキサン−酢酸エチル
、3:2)では出発物質が示されなくなる。水(塩を丁度溶解するに充分な)を
加え、10%のナトリウムチオサルフェート水溶液(2ml)の添加により淡黄
色を除いた。有機層を分離し、水相を酢酸エチルで抽出した(4x50ml)。
合併した抽出液を減圧で濃縮して淡黄色の泡を得た。この泡を乾燥メタノール(
100ml)に溶解し、ナトリウムメトキサイド(95%、4.1g、71mm
ol、2当量)を一時に添加し、その溶液を9時間攪拌した。メタノールを減圧
で除去し、固形物を水−アセトンおよびメタノール−アセトンから再結晶して無
色結晶を得た(14g,90%)。融点190−195℃(分解)。Rf0.6
4(n−ブタノール−メタノール−水−アンモニア、4:3:2:1)。UV
CHOH中のλmax(log ε)2941m,2839s,2361m(
broad),1581s,1514s,1431m,1240m,1124s
,983m,cm−1H−NMR(500MHz),DO)δ 3.50
(s,6H,3,5−OCH),3.57(s,3H,4’−OCH),3
.68(s,3H,4OCH),6.26(d,1H,J=12.5Hz,H
−1a’),6.42(s,2H,H−2,6),6.44(d,1H,J=1
2.5Hz,H−1a),6.63(d,1H,J=8.5Hz,H−5’),
6.71(dd,1H,J=2,8.5Hz,H−6’),7.19(d,1H
,J=2Hz,H−2’);13C−NMR(125KHz,DO)δ153
.17,150.50,143.40,136.90,134.65,131.
28,130,97,129.92,124.69,122.64,113.5
8,107.54,61.97,57.10,56.90;HRFAB m/c
441.06942[M+Na],491[M+H],396[M−Na+
H].C1820PNa 441.06912としての分析値、Na
5.04%,HO6.26% C1820PNa.1.5HO水和物
としての計算値、Na5.16%,HO6.07%。
【0033】 方法Aで得たナトリウムホスフェート3dは、最初の3’−O−ビス(2,2
,2−トリクロロエチル)ホスフォリル経路で得られ蒸留水中25℃で>20m
g/ml溶解度をもつ初期の見本(1h、pettit et al.,199
5,既出,およびアメリカ特許5561122)と同等(TLCおよびスペクト
ル)であった。
【0034】 方法B:乾燥ジクロロメタン(25ml)中のジ−tert−ブチルホスフォ
リルエステル3b(7.25g)とトリフルオロ酢酸(25ml)の混合物を、
常温で45分間攪拌した(分解完了はTLC分析、3:1のヘキサン−アセトン
による)。水(10ml)を加え、溶媒を蒸発させる。残ったTFAをトルエン
(3x20ml)と共に共沸除去し、得られた油状の残滓を減圧(0.005m
m/Hg)で1時間乾燥した。この油を乾燥メタノール(2ml)に溶解し、ナ
トリウムメトキサイド(1.60g、28mmol、2.0当量)を加えた。溶
液をアルゴン下に14時間攪拌し、溶媒を減圧で除去し、残った固形物を乾燥し
た。残滓を水(10ml)に溶かし、その溶液を細かい多孔度の焼結ガラス漏斗
を通して濾過した。濾液の濃度は白色固形物であり、それを水−アセトンで再結
晶して、方法Aで得たプロドラッグ3dの標本と同等な無色の粉末(5.8g,
92%)を得た。
【0035】 方法c:テトラブチルアンモニウムフルオライド(8.38ml、THF中1
.0M、8.38mmol)を、15mlの無水テトラヒドロフラン中のジシリ
ルエトキシホスフォリルエステル3c(5.0g、8.38mmol)の攪拌(
窒素下での)溶液へ、注射器を使ってゆっくり加えた。30分後のTLC分析(
3:2のヘキサン−酢酸エチル)によると反応は完結していることが示された。
氷(5g)を加え、ついでエーテル(50ml)を加えた。有機溶媒を分離し、
水(3x50ml)で洗浄し、乾燥し、濾過し、溶媒を減圧で除去して淡黄色の
ガムを得た。この生成物をメタノール(5ml)に溶解し、ナトリウムメトキサ
イド(0.90g、16.8mmol、2当量)を加えた。溶液をアルゴン下で
12時間攪拌し、溶媒いを減圧で除去し、残った固形物を水−アセトンから再結
晶して、方法Aの生成物と同等の無色粉末(3d、3.60、98%)を得た。
【0036】 ナトリウムコンブレタスタチンA−43’−O−ホスフェート3dの最初の合
成完了後、他の多くのリン酸化の試みが、大規模での場合に更に容易に適合する
方法を確立するための目的に向って行なわれた。コンブレタスタチンA−4 1
aの適切なリン酸化方法の選択はまた、可能性のあるホスフェート保護基の除去
方法によって限定をうける。別のジベンジルホスファイト−四塩化炭素方法は、
高い収率(95%)でホスフェートエステル3aを得るのに極めて実用的である
ことが証明された。種々の条件下でのベンジル酸素結合の接触水素化分解は、オ
レフィン架橋の同時還元をもたらす。その他の研究されたベンジル酸素分解方法
には、トリフェニルカルボニウムテトラフルオロボレート、アリールチオトリメ
チルシラン−沃化亜鉛、マイクロ波中の酸性アルミナ、およびルイス酸SnCl
がある(Mukaiet al.,1996,「抗腫瘍スチリルアクトンの全
合成の研究:(+)−ゴニオフフロン、(+)−ゴニオブテノライドAおよび(
−)−ゴニオブテノライドBの立体選択的全合成」、Tetrahedron,
52,6547)。すべてがベンジル基を分解したとき、それらはシスからトラ
ンスへの異性化の変更レベルをもたらすようである(TLCによる)。最後に、
適切なまたはその位置で生成したトリメチルシリルアイオダイドは、対応するリ
ン酸を得るための最良の経路を提供することがわかった。後者をナトリウムメト
キサイドで処理すると、再結晶に続いてホスフェート塩3dが高い全収率で得ら
れる。
【0037】 研究された2番目の一連のリン酸化剤は、高い収率でアルコールとフェノール
を容易にリン酸化することが示されている種々のアルキルアミドホスフィン類で
あった。ジ−tert−ブチルオキシ(N,N−ジイソプロピルアミド)ホスフ
ィン2aは、ジクロロ(N,N−ジイソプロピルアミド)ホスフィンとtert
−ブタノールから好収率で得られた。ホスフィン類2bおよび2cは、同様にし
て、ジクロロ(N,N−ジエチルアミド)ホスフィンおよびジクロロ(N,N−
ジイソプロピルアミド)ホスフィンの夫々とtert−ブタノールおよび2−(
トリメチルシリル)エタノールの夫々を反応させて得られた。1H−テトラゾー
ル触媒の存在下では、これらの反応性アミドはフェノール1aをよくリン酸化し
て、90%を超える収率で対応するホスフェートエステル3bと3cを与えた。
エステル保護基の分解は、tert−ブチルエステルにはトリフルオロ酢酸また
はビス(2−トリメチルシリル)エチルエステルのためにはテトラブチルアンモ
ニウムフルオライドで容易に作用された。単離後、リン酸誘導体はメタノール中
でナトリウムメトキサイドで処理して、高い収率でナトリウムホスフェート3d
を得た。
【0038】 ここで述べたプロドラッグ3dへの3つの新しいリン酸化経路は容易に行なわ
れ、収量や純度を減少させずに10gまたはそれより多い量が得られる。得られ
たホスフェートプロドラッグ3d標本は、われわれのもとの見本と同一であり、
したがってコンブレタスタチンA−4プロドラッグ3dの臨床用提供必要度は今
や満たされるのである。
【0039】 トランス−スチルベンホスフェート4c(下記参照)と、不純物を伴なうコン
ブレタスタチンA−4プロドラッグ3dの大規模合成の比較は、構造決定を確認
した。上記のイオンペアHPLC分析は、この不純物の少量を検出するのに極め
て有用であることが分かった。明らかに、トランス−スチルベン4cは、ヨード
の電気親和性2分子添加により不一致の量をもたらし、ヨードニウムイオンとそ
れに引き続く抗付加生成物を形成する(Hassner et al.,197
9,「オレフィンへのハロゲンアジド付加の立体化学、3員ヨードニウム対ボロ
ニウムイオンの安定性」、Journal of the American
Chemical Society,92,4879;Robertson e
t al.,1950,「不飽和化合物へのハロゲン付加の速度論、XVIII
、ヨード付加」、Journal of the Chemical Soci
ety,2192;Zanger et al.,1975,「1,2−ジ置換
エチレンのヨード化の核磁気共鳴研究、トランス付加とシス脱離の証拠」、Jo
urnal of Organic Chemistry,40,248;Ay
ers et al.,1971,「オレフィンとヨードの反応、ペンテン異性
体へのヨード付加の速度論とメカニズム」、Journal of the A
merican Chemical Society,93,1389;Ske
ll et al.,1964,「脂肪族オレフィンへの元素ヨードの立体特異
的トランス光付加、架橋ヨードアルキルラジカル」、Journal of t
he American Chemical Society,86,1956
)。幸いにも異性体スチルベン3dと4cは、用いられたリン酸緩衝液の中では
特有のHPLC保持時間をもっている。コンブレタスタチンA−4プロドラッグ
3dは、Uvλmax290nmにより9.28分で溶離し、トランス異性体は
Uvλmax325nmにより9.40分で溶離する(図1a−1d参照)。ト
ランス異性体のホスフェート塩4cは水には僅かしか溶解しない事がわかってい
るので、それはコンブレタスタチンA−4プロドラッグ3dを最小量の水に再溶
解し酢酸エチルで抽出することで簡単にシス異性体ホスフェート塩3dから除去
される。(E)−スチルベン4cはその水への低溶解度により、酢酸エチルの中
へ選択的に分配される。(Z)−スチルベンを含有する水相を濃縮し、残滓を水
−アセトンおよびメタノール−アセトンから再結晶して、>80%の収量で99
+%純度(HPLCによる)のナトリウムコンブレタスタチンA−4ホスフェー
ト3dを得た。
【0040】 コンブレタスタチンA−4は、97%と報告されている阻害と共に、コルヒチ
ン結合部位においてチューブリンと極めて強固に結合しているので(Lin e
t al.,1988,「細胞分裂阻止性コンブレタスタチンの強力な天然と合
成類似体とチューブリンの相互作用、構造と活性の研究」、Molecular
Pharmacology,34,200)、活性と溶解度に対する影響を調
べるために、2価および3価の両方の異なるカチオンで、プロドラッグ3dのナ
トリウムカチオンを置き換えることが重要となってきた。この同じやりかたを用
いて、ガン細胞系と細胞分裂阻止活性と溶解度の対するそれらの可能性のある影
響を調べるため、ナトリウムイオンを、金属イオンや種々のアンモニウムカチオ
ンで置き換えた。これらアンモニウムカチオンの若干は、p−糖蛋白メカニズム
との干渉による多剤抵抗を逆転する能力のある安定で水溶性の薬剤を得る目的の
ために研究された。Watanabe et al.,1997,J.Nat.
Cancer Inst.89(7),pp.512−518;Adams e
t al.,1995,Investigational New Drugs
,13:13−21; Sato et al.,Cancer Chemot
her.pharmacol.,35:271−27;Genne et al
.,Anti−cancer Drug Design,10,103−118
。すなわち、プロドラッグ5a−sが合成され評価された。
【0041】 高純度のプロドラッグ3dの極めて実用的な合成が入手できたので、もとのホ
スフェートの種々のカチオン誘導体が合成され評価された。プロドラッグ3dリ
ン酸前駆物質を、それぞれ金属水酸化物または酢酸塩の1.0M溶液で処理する
ことにより、対応する塩類が生成された。類似の方法が、メタノール中1.0M
のアミンの溶液を使って、アンモニウム塩のために行なわれた。アルカロイド塩
のためには、適当な溶媒中の2当量の塩基(リン酸中間体の100%の生成を予
測して)をその酸溶液に加え、そして6−8時間反応させた。沈澱または再結晶
により生成物が得られた。
【0042】 3’−O−ビス(ベンジル)ホスフォリル−3,4,4’,5−テトラメトキ
シ−(E)−スチルベン(4b) (E)−コンブレタスタチンA−4(4a、2.2g、7mmol)を、隔壁
、温度計およびアルゴン導入口を備えたフラスコの中でアセトニトリル(20m
lに溶解した。これを−25℃に冷却後、4塩化炭素(3.38ml、35mm
ol、5当量)を加え、その溶液を分間攪拌した。注射器を使ってジイソプロピ
ルエチルアミン(2.56ml、14.7mmol、2.1当量)を加え、更に
DMPA(86mg、0.7mmol、0.1当量)を加えた。反応温度が−2
0℃以下に保たれるような速度で1分後にジベンジルホスファイト(2.24m
l、10.2mmol、1.45当量)をゆっくりと(滴下で)加えた。反応は
1時間で完結した(TLCで分析)。0.5MのKHPOを加え(5ml)
、その溶液を室温に加温し酢酸エチル(3x20ml)で抽出した。合併した溶
媒抽出液を水(25ml)と飽和NaCl(25ml)で洗浄し、乾燥した。濾
過と溶媒除去により油を得た。これをシリカゲルのカラムでクロマトフラフし(
ヘキサン−酢酸エチル、3:2)、透明なガムとしてホスフェートエステル4b
を得た(3.96g,98%)。Rf0.15(ヘキサン−酢酸エチル、3:2
);EIMS m/z(%強度)576(M,100),561(12),4
86(3),406(6),394(2),378(6),364(7),31
6(17),301(10),252(8),241(5),181(5);I
R(neat)νmax3005,2939,2839,1734,1581,
1512,1456,1425,1346,1278,1126,1008,9
00,823,740,698cmH−NMR(300MHz)δ3.8
0(s,3H,OCH),3.87(s,3H,OCH),3.91(s,
6H,2xOCH),5.18(s,2H,CH−Ar),5.21(s,
2H,CH−Ar),6.69(s,2H),6.81(d,J=16.5H
z,1H),6.88(d,J=16.5Hz,1H),6.89(d,J=9
.3Hz,1H),7.24(m,1H),7.34(s,10H,Ar−H)
,7.42(t,J=3.3Hz,1H);13C−NMR(75MHz)δ
153.41,150.22,139.87,133.06,130.57,1
28.53,127.93,127.65,126.82,124.28,11
9.00,112,71,103.47,69.95,56.13;31P−N
MR(202MHz)δ−5.52;C3233Pとしての分析計算値:
C,66.67;H,5.77.実験値:C,66.71;H,5.93。
【0043】 ナトリウム(E)−コンブレタスタチンA−4 3’−O−ホスフェート(4
c)クロロトリメチルシラン(0.88ml、4.9mmol、2当量)を、乾
燥アセトニトリル(10ml、アルゴン下の炎乾燥フラスコ)中のベンジルエス
テル(4b、2.0g、3.5mmol)およびナトリウムアイオダイド(1.
04g、6.9mmol、2当量)溶液へゆっくりと(激しく攪拌しながら)加
えた。20分間攪拌後、TLC分析(ヘキサン−酢酸エチル、3:2)では出発
物質が認められなかった。塩を溶解するのに充分な水を加え、淡黄色を10%の
ナトリウムチオサルフェート水溶液(5滴)の添加により除去した。溶媒を分離
し、水相を酢酸エチル(4x10ml)で抽出した。合併した抽出液を減圧で濃
縮し、得られた泡を乾燥メタノール(100ml)に溶解した。ナトリウムメト
キサイド(95%、375mg、6.9mmol、2当量)を一時に加え、溶液
を6時間攪拌した。メタノールを減圧で除去し、固形物をメタノール−アセトン
で再結晶して、灰色がかった白色の粉末(1.43g,93%)を得た。融点1
57−158℃、Rf0.45(n−ブタノール−メタノール−水−アンモニア
、4:3:2:1)。UV λmax325nm;IR(KBr)2939,2
839,1583,1512,1464,1423,1340,1252,11
26,991,923,856,819,773,717,644cm−1 H−NMR(500MHz,CDOD)δ 3.73(s,3H,OCH
,3.84(s,3H,OCH),3.87(s,6H,2xOCH),6
.82(s,2H),6.92(d,J=8.5Hz,1H),7.00(d,
J=16Hz,1H),7.03(d,J=16Hz,1H),7.10(dd
,J=8.5Hz,2Hz,1H),7.14(d,J=2Hz,1H);13 C−NMR(75MHz,CDOD)δ 153.12,134.07,13
0.47,127.62,126.35,121.20,117.66,112
.01,103.16,73.70,59.69,55.12;31P−NMR
(202MHz,CDOD)δ−1.4;HRFABMS m/z 441.
0698[M+Na],(C1820NaP,としての計算値、44
1.0691)。
【0044】 コンブレタスタチンA−4プロドラッグの合成の一般的方法 方法A(プロドラッグ5a−f) セシウムコンブレタスタチンA−43’−O−ホスフェート(5b) アルゴン下で炎乾燥フラスコ中の乾燥アセトニトリル(4ml)の中のジベン
ジルコンブレタスタチンA−43’−O−ホスフェート(4b、0.50g、0
.87mmol)とナトリウムアイオダイド(0.26g、1.74mmol、
2当量)の攪拌溶液へ、注射器を介してクロロトリメチルシラン(0.22ml
、1.74mmol、2当量)をゆっくりと添加した。この混合物を、反応がT
LCで完了するまで(約20分)室温で攪拌した。塩を溶解するのに充分な水を
加え、淡黄色をナトリウムチオサルフェート(4滴)の添加で除去した。水相を
酢酸エチル(4x5ml)で抽出し、合併した抽出液を減圧で濃縮して淡黄色の
泡を得た。蒸留水(2ml)と1.0MのCsOH水溶液(1.74ml、1.
74mmol)を滴下した後、溶液は曇ってきた。混合物をアルゴン下に6時間
攪拌し、沈澱を採取して水−アセトンで再結晶して無色の粉末を得た(0.51
g)。融点167−168℃。H−NMR(300MHz,DO)δ 3.
70(s,6H,2xOCH),3.76(s,3H,OCH),3.83
(s,3H,OCH),6.53(d,J=12.3Hz,1H),6.65
(d,J=12.3Hz,m 1H),6.68(d,J=8.4Hz,1H)
,6.90(dd,J=8.4,1.8Hz,1H),7.32(d,J=1.
8Hz,1H)。
【0045】 カルシウムコンブレタスタチンA−4 3’−O−ホスフェート(5a) 水−アセトンから再沈澱して無色の粉末(147mg)を得た。融点293−
295℃(分解)。H−NMR(300MHz,DO)δ 3.69(s,
6H,2xOCH),3.74(s,3H,OCH),3.81(s,3H
,OCH),6.54(d,J=12.4Hz,1H),6.67(d,J=
12.4Hz,1H),6.69(s,2H),6.85(d,J=8.1Hz
,1H),6.91(dd,J=8.1,1.8Hz,1H),7.21(d,
J=1.8Hz,1H)。
【0046】 リチウムコンブレタスタチンA−4 3’−O−ホスフェート(5c) 水−アセトンから再沈澱して無色の粉末(151mg)を得た。融点241−
242℃。H−NMR(300MHz,DO)δ 3.56(s,6H,2
xOCH),3.62(s,3H,OCH),3.70(s,3H,OCH
),6.38(d,J=12.4Hz,1H),6.52(s,2H),6.
53(d,J=12.4Hz,1H),6.73(dd,J=8.4,1.4H
z,1H),7.24(d,J=1.4Hz,1H)。
【0047】 マグネシウムコンブレタスタチンA−4 3’−O−ホスフェート(5d) 水−アセトンから再沈澱してクリーム色の固形物(121mg)を得た。融点
270℃(分解)。H−NMR(300MHz,DO)δ 3.54(s,
6H,2xOCH),3.62(s,3H,OCH),3.72(s,3H
,OCH),6.34(d,J=12.3Hz,1H),6.48(s,2H
),6.50(d,J=12.3Hz,1H),6.75(m,2H),6.5
0(d,J=12.3Hz,1H),6.75(m,2H),7.20(s,1
H)。
【0048】 マンガンコンブレタスタチンA−4 3’−O−ホスフェート(5e) 水−アセトンから再沈澱してクリーム色の固形物(143mg)を得た。融点
241−242℃(分解)。H−NMR(300MHz,DO)δ 3.6
6(s,6H,2xOCH),3.73(s,3H,OCH),3.82(
s,3H,OCH),6.46(d,J=12.3Hz,1H),6.58(
s,2H),6.59(d,J=12.3Hz,1H),6.87(d,J=8
.7Hz,1H),6.94(dd,J=8.7,1.5Hz,1H),7.2
4(s,1H)。
【0049】 亜鉛コンブレタスタチンA−4 3’−O−ホスフェート(5f) 白色固形物を採取しアセトンで洗浄して無色で半透明の固形物(164mg)
を得た。融点198−200℃。H−NMR(300MHz,DO)δ 3
.58(s,6H,2xOCH),3.6(s,3H,OCH),3.73
(s,3H,OCH),6.41(d,J=12Hz,1H),6.52(s
,2H),6.52(d,J=12Hz,1H),6.82(d,J=8.1H
z,1H),6.89(dd,J=8.1,1.4Hz,1H),7.12(d
,J=1.4Hz,1H)。
【0050】 方法B(プロドラッグ5g−1) 乾燥メタノール中アミンの1.0M溶液2当量を添加し、反応混合物を8時間
放置したこと以外は上記の一般的製法を行なった。すべてのアミン塩はメタノー
ル−エーテルから再結晶した。
【0051】 イミダゾールコンブレタスタチンA−4 3’−O−ホスフェート(5g) 再結晶により137mgを得た。融点196−198℃。H−NMR(30
0MHz,DO)δ 3.66(s,6H,2xOCH),3.73(s,
3H,OCH),3.82(s,3H,OCH),6.47(d,J=12
Hz,1H),6.58(s,2H),6.59(d,J=12Hz,1H),
6.92(dd,J=8.4,1.2Hz,1H),7.23(s,1H,δ4
,δ5),8.67(s,1H,δ2)。
【0052】 モルホリンコンブレタスタチンA−4 3’−O−ホスフェート(5h) 再結晶により121mg、収率61%を得た。融点209−210℃。H−
NMR(300MHz,DO)δ 3.22(s,3H,−C OC
),3.46(s,6H,OCH),3.48(s,3H,OCH),3.
54(s,3H,OCH),3.88(m,4H,−C NC −),6
.36(d,J=12.3Hz,1H),6.49(s,2H),6.50(d
,J=12.3Hz,1H),6.79(dd,J=8.1,1.2Hz,1H
),7.24(bd,8.1H,1H),7.40(bd,J=1.2Hz,1
H)。
【0053】 ピペラジンコンブレタスタチンA−4 3’−O−ホスフェ−ト(5i) 再結晶により151mgを得た。融点198−200℃。H−NMR(30
0MHz,DO)δ 3.01(bs,1H,NH),3.52(bm,8H
,δ2−11),3.67(s,6H,2xOCH),3.74(s,3H,
OCH),3.83(s,3H,OCH),6.49(d,J=12Hz,
1H),6.56(d,J=12Hz,1H),6.62(s,2H),6.9
5(m,2H),7.24(s,1H)。
【0054】 ピペリジンコンブレタスタチンA−4 3’−O−ホスフェート(5j) 再結晶により137mgを採取した。融点159−160℃。H−NMR(
300MHz,DO)δ 1.67(m,8H,[2xδ3Hs]),1.7
7(m,4H,[2xδ4Hs]),3.15(m,8H,[2xδ2Hs])
,3.66(s,6H,2xOCH),3.73(s,3H,OCH),3
.82(s,3H,OCH),6.48(d,J=12Hz,1H),6.6
0(d,J=12Hz,1H),6.854(d,J=8.5Hz,1H),6
.91(dd,J=19.5,8.5Hz,1H),7.26(s,1H)。
【0055】 ピラゾールコンブレタスタチンA−4 3’−O−ホスフェート(5k) 再結晶により112mgを得た。融点186−187℃。H−NMR(30
0MHz,DO)δ3.69(s,6H,2xOCH),3.76(s,3
H,OCH),3.85(s,3H,OCH),6.30(d,J=1.4
Hz,2xδ),6.53(d,J=1.2Hz,1H),6.63(d,J
=12Hz,1H),6.64(s,2H),6.97(m,2H),7.25
(d,J=1.8Hz,1H),7.67(d,4H,2xδ,δH)。
【0056】 ピリジンコンブレタスタチンA−4 3’−O−ホスフェート(5l) 収量は96mgであった。融点165−168℃。H−NMR(300MH
z,DO)δ3.66(s,6H,2xOCH),3.73(s,3H,O
CH),7.82(s,3H,OCH),6.48(d,J=12Hz,1
H),6.58(s,1H),6.59(d,J=1.2Hz,1H),6.9
0(d,J=8.4Hz,1H),6.95(dd,J=8.4,1.5Hz,
1H),7.22(bd,J=1.5Hz,1H),7.47(d,J=3.3
Hz,4H),2xδ3.5−H),8.0(m,2H,δ−H),8.86
(m,4H,2xδ2.6−H)。
【0057】 方法C(プロドラッグ5m−s) 適当な溶媒中の2当量のアルカロイドまたはその他の塩基を同じ溶媒中のリン
酸に加えたこと以外は、プロドラッグ3a−fについて概説したのと類似の方法
を用いた。再結晶/沈澱化は、メタノール/エーテルを用いて行なった。
【0058】 アデノシンコンブレタスタチンA−4 3’−O−ホスフェート(5m) アデノシン塩は160mgであった。融点155−158℃。H−NMR(
300MHz,DO)δ3.50(s,6H,2xOCH),3.57(s
,3H,OCH),3.68(s,3H,OCH),3.71(d,J=2
.1H,2H),3.76(bs,2H),3.80(dd,J=2.1,6
.6Hz,1H),4.14(d,J=3.0Hz,2H),4.28(t,J
=3.0Hz,2H),4.58(t,J=6.0Hz,2H),5.85(d
,J=6.0Hz,2H),6.21(d,J=12.0Hz,1H),6.3
2(s,2H),6.36(d,J=12.6Hz,1H),6.71(bs,
3H),7.07(s,1H),7.95(d,J=1.5Hz,2H),8.
11(s,2H)。
【0059】 シンコニンコンブレタスタチンA−4 3’−O−ホスフェ−ト(5n) シンコニンを用いて175mqの生成物を得た。融点189−193℃。
−NMR(300MHz,CDOD)δ 0.829(m,1H),1.21
(m,1H),1.74(m,1H),2.15(t,J=12Hz,1H),
2.32(q,1H),3.30(brs,−OH,1H),3.6(s,3H
,OCH),3.64(s,6H,2xOCH),3.78(s,3H,O
CH),4.45(t,J=9.3Hz,1H),5.18(d,J=16H
z,1H),5.23(d,J=10.8Hz,1H),5.42(d,J=1
2Hz,1H),5.87(m,1H),7.7(d,J=8.4Hz,1H)
,7.76(d,J=6.3Hz,1H),7.86(d,J=4.5Hz,1
H),7.97(d,J=8.4Hz,1H),8.10(d,J=8.7Hz
,1H),8.29(d,J=8.7Hz,1H),8.83(d,J=4.5
Hz,1H)。
【0060】 グルコサミンコンブレタスタチンA−4 3’−O−ホスフェート(5o) 再結晶して9875mgの生成物を得た。融点190−195℃(分解)。 H−NMR(300MHz,CDOD)δ 1.81(s),1.88(s)
,1.93(s),2.85(s),2.88(d,J=2.1Hz,1H),
2.91(s,1H),3.16(d,J=3.9Hz,1H),3.19(d
,J=3.9Hz,1H),3.38(h,2H),3.53−3.82(m,
4H),3.64(s,3H,OCH),3.69(s,3H,OCH),
3.74(s,6H,2xOCH),4.82(d,J=8.1Hz,1H)
,5.33(d,J=3.3Hz,1H),6.51(d,J=12.1Hz,
1H),6.60(d,J=12.1Hz,1H),6.63(s,2H),6
.80−7.22(m,3H)。
【0061】 キニンコンブレタスタチンA−4 3’−O−ホスフェート(5p) キニン塩を再結晶して75mgを得た。融点179−184℃。H−NMR
(300MHz,CDOD)δ 3.00(q,10.1,13.7Hz,1
H),3.15(o,J=5.0,8.9,8.9Hz,1H),3.37(h
,J=3.0,5.3,10.1,13.2Hz,1H),3.41(bs,1
H,OH),3.61(s,3H,OCH),3.69(s,3H,OCH ),3.82(s,6H,2 x OCH),3.91(s,3H,OCH ),4.90(d,J=10.0Hz,1H),4.97(d,J=17.1H
z,1H),5.50(d,J=4.4Hz,1H),5.84(o,J=7.
6,10.0,17.3Hz,1H),6.55(bd,J=12.6Hz,1
H),6.61(bd,J=12.6Hz,1H),6.63(s,2H),6
.67(bs,3H),7.22(s,1H),7.34(d,J= 9.5H
z,1H),7.50(d,J=4.3Hz,1H),8.70(d,J=4.
2Hz,1H)。
【0062】 キニジンコンブレタスタチンA−4 3’−O−ホスフェート(5q) キニジンを用いて300mgの生成物を得た。融点180−181℃。H−
NMR(300MHz,CDOD)δ 0.963(t,1H),1.16(
m,1H),1.89(m,2H),1.99(bs,1H),2.34(t,
J=6.8Hz,1H),2.65(dd,J=6.6Hz,12.3Hz,1
H),3.10(s,1H),3.22(m,1H),3.29(o,J=1.
6,7.9,14Hz),3.32(s,2H,OCH),3.65(s,3
H,OCH),3.99(s,3H,OCH),4.09(s,6H,2
x OCH),4.61(bs,1H),5.10(d,J=9.3Hz),
5.28(d,J=15.4Hz),5.96(bs,1H),6.11(o,
J=7.4,10.5,16.0Hz,1H),6.54(bd,J=12.0
Hz,1H),6.60(bd,J=12Hz,1H),6.61(s,2H)
,7.43(dd,J=6.9,1.8Hz,1H),7.56(dd,J=7
.2,1.8Hz,1H),7.61(d,J=1.8Hz),7.70(t,
J=3.3Hz,1H),7.91(d,J=4.4Hz,1H),7.97(
d,J=9.2Hz,1H),8.06(d,J=9.2Hz,1H),8.6
9(d,J=4.4Hz,1H),8.79(d,J=4.8Hz,1H)。
【0063】 テトラサイクリンコンブレタスタチンA−4 3’−O−ホスフェート(5r
) テトラサイクリン塩を再結晶して136mgを得た。融点191−193℃。
H−NMR(300MHz,DMSO−d)δ 1.53−3.31(m,
4H,CαおよびCαメチンプロトン、Cメチレン水素)、1.56(s
,3H,C−CH),2.55(S,6H,N(CH),3.31(
bs,1H,C−H),3.64(s,6H,2xOCH),3.67(s
,3H,OCH),3.72(s,3H,OCH),4.31(bs,1H
,C−H),6.41(d,J=12.6Hz,1H),6.49(d,J=
12.6Hz,1H),6.61(s,2H),6.87(s,3H),6.9
3(d,J=8.1,1H,D−Ar−H),6.49(d,J=7.8Hz,
1H,D−Ar−H),6.61(s,2H),6.87(s,3H),6.9
3(d,J=8.1,1H,D−Ar−H),7.14(d,J=7.8Hz,
1H,D−Ar−H),7.47(s,1H),7.56(t,J=7.8,1
H,D−ArH),9.13(bs,1H,CONH),11.7(bs,1
H,C10−OH)。
【0064】 ベラパミルコンブレタスタチンA−4 3’−O−ホスフェート(5s) ベラパミルから110mgの生成物を得た。融点185−186℃。H−N
MR(300MHz,CDOD)δ 0.73(d,J=6.6Hz,3H)
,1.15(d on m,J=6.6Hz,4H),1.32(m,1H),
1.65(m,1H),1.99(s,1H),2.17(m,1H),2.1
9(s,1H),2.78(bs,2H),3.11(m,2H),3.27(
bs,2H),3.36−3.82(3s,8xOCH,24H),6.47
(d,J=12Hz,1H),6.57(d,J=12.7Hz,1H),6.
64(bd,1H),6.80(bd,1H),6.92(dd,J=8.4,
1.9Hz,2H),7.28(1H)。
【0065】 生物学的結果 すべての合成生成物の、ミニパネルのヒトガン細胞系、ネズミP388リンパ
球白血病および選択された微生物に対する評価を行なった。これらの結果は、そ
れぞれ表1−3に要約してある。
【0066】 抗微生物感受性試験の場合は、確立されているディスク感受性検査プロトコル
(臨床研究所標準のための国立委員会、National Committee
for Clinical Laboratory Standards,1
997)により、次のバクテリアすなわちStenotrophoomona maltophilia, Micrococcus luteus,Staphylococcus aureus,Escher
ichia qoli,Enterobacter cloacae,Ente
rococcus faecalis, Spteprococcus pne
umoniae お よ びNaeisseria gonorrhoease
ならびに次のカビ類すなわちCandida albicansおよびCryp
tococcus neoformansについてスクリーニングを行なった。
【0067】
【表1】 コンブレタスタチンA−4(Ia)および合成修飾化合物(4a−5s)の、
ヒトガン細胞系活性(GI50、μg/ml)およびネズミP−388白血病阻
害活性(ED50、μg/ml)
【0068】
【0069】
【表2】 コンブレタスタチンA−4(1a)、コンブレタスタチンプロドラッグ(3d)
および合成修飾化合物(4a,4c,5a−s)の抗微生物活性
【0070】
【表3】 コンブレタスタチンA−4プロドラッグ3d、(E)−スチルベンプロドラッグ
(4c)および構造的修飾体(5a−s)の、25℃の水への溶解度(mg/m
l)
【0071】 コンブレタスタチンA−4、コンブレタスタチンA−4プロドラッグ、および
若干のプロドラッグ修飾体は、病原微生物のNeisseria gonorr
hoeaeの生長を阻害した(表2)。もとのホスフェートへのマンガン5eお
よびピペラジン5iの付加は、日和見カビに対して阻害的な化合物を生成した。
予期したように、テトラサイクリン誘導体5rは、試験したグラム陰性およびグ
ラム陽性細菌の生長を阻害した。
【0072】 生物学的評価と統計学的定義 細胞の生長を特定百分率生長に減少させる薬物用量を投与することによる薬物
の活性を表わすために、つぎの方法を用いた。すなわちED50(P388)お
よびGI50(HTCL)は、ガン細胞を50%減少させるに必要な薬物の用量
(μg/mlガン細胞)である。いずれも、同じ式を使って計算したED50
よびGI50のあいだには数学的な相違点はない。唯一の相違点は歴史的な用法
のみである。
【0073】 全生長阻害(IGI)とは、ゼロパーセント生長をもたらすに必要な薬物用量
(μg/mlガン細胞)である。生成したものと全く同数の多数の細胞が死滅し
たか(定常状態)、または生長がなかったか(全阻害)かは、区別できない。
【0074】 50%致死濃度(LC50)とは、実験開始時に最初から存在した細胞の半数
を死滅させる薬物濃度(μg/mlガン細胞)である。
【0075】 各々の薬物を100−1−1−0.1−0.05μg/mlの5つの用量で試
験する。各々の用量での生長百分率を計算する。50%生長以上、以下(または
それに近い)生長値での2つ(または3つ)の用量を、線型回帰式を用いてのE
50/GI50の計算に使用する。用量の対数を、回帰計算において用いる。
もし用量が50%未満の生長値を示さないときは、その結果を「ED50>最大
用量」と表わす。もし用量が50%より大きい生長値を示さないときは、その結
果を「ED50<最小用量」と表わす。0%生長でのTGI、および−50%で
のLC50についても類似の計算を行なう。
【0076】 生長百分率 実験を開始するにあたって、インビトロの細胞培養液からの細胞を、適当なチ
ューブ又はマイクロタイタープレートの中へ接種する。対照のチューブ/プレー
トの1セットを直ちに計数して、実験開始時の細胞数を測定する。これは「基準
数」または「Tゼロ値」である。実験の終了時(48時間後)に、チューブ/プ
レートの2番目のセットを分析して、「対照生長」を測定する。当初の細胞数に
対する細胞生長(または死滅)を、「生長百分率」を定義するために用いる。
【0077】
【式1】
【0078】 試験のプロトコールや方法についての更なる情報は次を参照のこと。Anne
Monks et al.,「培養したヒトの腫瘍細胞系の多様パネルを使っ
たハイフラックス抗がん剤のスクリーニング実現可能性」83,J.Nat.C
ancer Inst.,No.11,pp.757−66(5 June 1
991)およびMichael J.Boyd,「NCI前臨床抗がん剤発見の
スクリーニングの状態」3,Princ.& Practice ofOnco
logy Updates,No.10,pp.1−12(Oct.1989)
【0079】 「プロドラッグ」とは、インビボで活性薬物への代謝活性化を行なうであろう
前駆物質を表わす。すなわち、ある種のホスフェート誘導体は、もしホスフェー
ト基が内因性の非特定ホスファターゼで分解されるならば、理想的なプロドラッ
グとなる(McComb et al.,Alkaline Phosphat
ase,New York, PlenumPress,1979)。既に発表
されているように(アメリカ特許4996237および5561122参照)、
P388ネズミ白血病および選択された6つのヒト腫瘍細胞系(OVCAR−3
,SF−295,A498,NCI−H460,KM20L2,SK−MeL−
5)に対する、安定なコンブレタスタチンA−4ホスフェート金属またはアンモ
ニウム塩の予備的なインビトロでの比較が、スルフォローダミンB試験を使って
行なわれた(Skehan et al.,「抗がん剤スクリーニングのための
新しい比色細胞毒性試験」J.Nat.Cancer Inst.,1107(
1990))。ここでも、リン酸ソーダ誘導体3dは、はじめに開示した誘導体
1hと同等である。すなわち1hに関する試験結果は、ここでは3dについて繰
り返されるであろう。ついでコンブレタスタチンA−4 1aとプロドラッグ1
h(3d)を、フルパネルのNCIスクリーニングに対して比較評価した(Bo
yd,「NCI前臨床抗がん剤発見スクリーニングの状態、臨床試験のための新
規な薬剤の選択のための推定」3,Cancer:Principles an
d practice of Oncology Updates,No.10
,pp.1−12(1989);およびBoydet al.,「新規薬剤開発
の将来、第1部、ガン治療序論」Current Therapy in On
cology,Philadelphia,Decker(1993))。両者
は、各々異なる3つの濃度範囲で4回テストした(10−5,10−6および1
−7M上限、各々の範囲で5つのlog10間隔での濃度)。全体としての強
度と特異的な細胞毒性比較のために最適なテストが選択された(Boyd an
d Paul,「NCIのインビトロ抗がん剤発見スクリーニングの若干の実用
的な考察と応用」,Drug Development Research(印
刷中)。プロドラッグ1h(3d)の6.89±0.96x10−9Mと比較し
ての、親化合物1aの平均パネルGI50は6.61±0.79x10−9Mで
あった。TGI−COMPARE分析(Id)は、コンブレタスタチンA−4(
1a)とそのプロドラッグ1h(3d)の特異的細胞毒性プロファイルが0.9
1という極めて高いpearson相関係数を示した。このような高い相関係数
は、生物学的性質及び/又は化学構造と性質における類似性を反映している。P
aull et al.,「ヒトの腫瘍細胞系に対する薬物の特異的活性のパタ
ーンの表示と分析、平均グラフとCOMPAREアルゴリズムの開発」81,J
.Nat.Cancer,Inst.,No.14,pp.108−92(Ju
ly19,1989)。
【0080】 明らかに、リン酸ソーダ1h(3d)の優れた水溶性と、コンブレタスタチン
1aに匹敵する良好な安定性と細胞阻害活性は、薬剤処方研究のためのこのプロ
ドラッグの候補の選択を許容する。同じようにして、コンブレタスタチンA−4
ホスフェート金属またはアンモニウム塩のいずれもが合成でき、コンブレタスタ
チン1aに匹敵する細胞生長阻害活性をもつプロドラッグとして利用可能である
と思われる。
【0081】 以上述べたことに基づいて、コンブレタスタチン1h(3d)は、1つまたは
それり多い新生物疾患の治療に有用であると信じられる。それは例えば、急性骨
髄性白血病、急性リンパ球白血病、慢性メラノーマ、肺の腺ガン、神経芽腫、肺
の小細胞ガン、乳ガン、大腸ガン、卵巣ガン、膀胱がん、などである。
【0082】 投与される用量は、新生物疾患の主体性、年齢や健康や体重を含めた患者のタ
イプ、同時治療をもし行なっておればその種類、処置頻度や治療比率、などに依
存するであろう。
【0083】 具体的には、投与する活性成分の用量レベルは患者の体重あたりでは、静脈内
投与では0.1から約20mg/kg、筋肉内投与では1から約50mg/kg
、経口投与では5から約100mg/kg、経鼻投与では5から約100mg/
kg、そしてエアゾールでは5から約100mg/kgである。
【0084】 濃度を用いて表わすと、経皮、経鼻、経咽喉、経気管支、経膣、経直腸または
経眼についての本発明組成物中に存在する活性成分は組成物の約0.01から妬
く50%w/wの濃度であり、好ましくは組成物の約1から約20%w/wであ
り;そして非経口投与のためには、組成物の約0.05から約50%w/vであ
り、好ましくは組成物の約5から約20%w/vである。
【0085】 好ましくは本発明の組成物はヒトや動物に対して、活性成分の適量を含む単位
投与形態、たとえば錠剤、カプセル、ピル、粉末、顆粒、坐薬、滅菌非経口溶液
または懸濁液、滅菌非非経口溶液または懸濁剤、および経口溶液または懸濁剤な
どとして投与するために提供される。
【0086】 経口投与のためには、固体または液体の投与形態が製造される。
【0087】 粉末は、活性成分を適当に細かい大きさに粉砕し、そして同じように粉砕した
希釈剤と混合することによって極めて簡単に製造される。希釈剤は、たとえば乳
糖やデンプンのような可食性の炭水化物材料であってよい。有利には、香料油と
同様に甘味剤や砂糖が存在している。
【0088】 カプセル剤は、上述のようにして粉末混合物を作り、そして形成されたゼラチ
ンの鞘の中へ充填して製造される。有利には充填作業前に、補助剤として、たと
えばタルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、などのよう
な潤滑剤を粉末混合物に加える。
【0089】 軟ゼラチンカプセル剤は、活性成分のスラリーを、許容可能な植物油、液体軽
油またはその他の不活性油やトリグリセライドと共に機械的カプセル化により製
造される。
【0090】 錠剤は、粉末混合物を作製し、顆粒またはスラグとし、潤滑剤を添加し、そし
て打錠して製造される。粉末混合物は、適当に粉砕した活性成分を、たとえばデ
ンプン、乳糖、カオリン、リン酸ジカルシウムのような希釈剤や基剤と混合して
製造される。粉末混合物は、たとえばコーンシロップ、ゼラチン溶液、メチルセ
ルロース溶液またはアラビアゴム粘液のような結合剤で湿らせ、そしてスクリー
ンを強制通過させて顆粒化させる。顆粒化の別法として、粉末混合物をスラグ化
、すなわち打錠機を通過させ得られた不完全な形の錠剤を粉砕(スラグ)とする
。このスラグにステアリン酸、ステアリン酸塩、タルクまたは鉱物油を添加する
ことによって製錠用の型への付着を防ぐため潤滑化することができる。ついで潤
滑化した混合物を圧縮して錠剤とする。
【0091】 有利には錠剤は、シェラックの密閉被膜または腸溶性被膜から成る保護被覆、
砂糖とメチルセルロースの被覆、およびカルナウバ蝋の研磨被覆をすることがで
きる。
【0092】 シロップ、エリキシル及び懸濁液のような経口投与のための液体単位投与形態
は、組成物の1匙分が投与のための活性成分の一定量を含むように製造すること
ができる。この水溶性の形態のものは、砂糖、香料および保存剤と共に水性のベ
ヒクルに溶解してシロップとすることができる。エリキシルは、香料と共に適当
な甘味剤を水性アルコールのベヒクルを使って製造する。懸濁剤は、アラビアゴ
ム、トラガカント、メチルセルロースなどのような懸濁用剤を補助剤として適当
なベヒクルと共に不溶性の形態として製造することができる。
【0093】 非経口投与のために、液体単位投与形態は、活性成分と滅菌ベヒクル(水が好
ましい)を用いて製造される。形態と使用濃度により、活性成分はベヒクルに懸
濁または溶解することができる。溶液を製造するときは、水溶性の活性成分は注
射用水に溶解し、そして適当なバイアルまたはアンプルに充填して、密封する前
に滅菌濾過する。有利には、たとえば局所麻酔剤、保存剤および緩衝剤のような
補助剤をベヒクルに溶解することができる。活性成分をベヒクルに溶解せずに懸
濁させ滅菌は濾過によって行なわない、ということ以外は実質的に上記と同様に
して非経口剤を製造する。滅菌ベヒクルに懸濁する前にエチレンオキサイドに曝
露させることで、活性成分を滅菌することができる。有利には、界面活性剤また
は湿潤剤を組成物に包含させて、活性成分を均一に分布させる。
【0094】 経口および非経口投与に加えて、直腸や膣経由もまた用いられる。活性成分は
坐薬という手段で投与することができる。おおむね体温での融点をもつベヒクル
または容易に溶けるベヒクルを用いることができる。たとえば、カカオ脂や種々
のポリエチレングリコール(カルナウバワックス)がベヒクルとして用いられる
【0095】 経鼻滴下のために、液体単位投与形態を、活性成分と適当な医薬用ベヒクル好
ましくはP.F.水を用いて製造する。吹入剤が好ましい投与であるときは乾燥
粉末が処方される。
【0096】 エアロゾルとしての使用のために活性成分は、必要または所望に応じてたとえ
ば共溶媒や湿潤剤のような通常の補助剤と共に、たとえばジクロロジフルロメタ
ン、二酸化炭素、窒素、プロパンなどのような気体や液体の噴射剤と一緒に加圧
エアロゾル容器に詰めることができる。
【0097】 本明細書や請求の範囲で用いる「単位用量形態」という用語は、ヒトや動物の
対象のための単位用量として適当な物理的に分離された単位であって、各々の単
位は、必要な医薬用希釈剤、担体またはベヒクルと共に所望の治療効果を生じる
ように計算した一定量の活性剤を含むものである。本発明の新規な単位投与形態
の明細は記載されそして、(a)活性成分のユニークな特性および得られるべき
特定の治療効果、そして(b)本発明の特徴である本明細書に開示のヒトにおけ
る治療的使用のためのそのような活性材料の配合技術に本質的な限定に直接に依
存する。本発明における適当な単位投与形態の例は、錠剤、カプセル、トローチ
、坐剤、粉末のパケット、ウェーファー剤、カシェ剤、茶さじ用剤、スプーン用
剤、滴剤、アンプル、バイアル、上記の適当な組合わせ、およびここに記載のそ
の他の形態である。
【0098】 抗新生物剤として用いられる活性成分は、それ自体が当該技術で入手可能であ
り確立された方法で製造可能な医薬材料を用いて容易に上記の単位用量形態にす
ることができる。つぎの製法は本発明の単位用量形態の製造の説明であって限定
ではない。本発明の態様として種々の投与形態を製造した。それらは以下の例に
示されており、「活性成分」という用語はコンブレスタチンA−4ホスフェート
の金属またはアンモニウム塩、たとえば3d又は構造的修飾物の4a、4c及び
/又は5a−sを意味する。
【0099】 組成物A 硬ゼラチンカプセル剤 各々のカプセルが200mgの活性成分を含有する1000個の経口用2部分
型ゼラチンカプセル剤を、次のタイプと量の成分から製造した。 活性成分、微粉末化 200g コーンスターチ 20g タルク 20g ステアリン酸マグネシウム 2g
【0100】 空気微粉砕機で細かく粉砕した活性成分を別の微粉砕した成分に加え、完全に
混合し、ついで常法によりカプセルに封入した。
【0101】 上記のカプセル剤は、1日1ないし3回、1ないし2カプセルの経口投与によ
り、新生物疾患の治療に有用である。
【0102】 上の方法を用いて、上記の200gの活性成分を50g、250gおよび50
0gに代えて50、250および500mgの活性成分を含有するカプセル剤を
同様にして製造する。
【0103】 組成物B 軟カプセル剤 まず0.5mlのトウモロコシ油に化合物を懸濁し材料をカプセル化可能とし
次いで上記のようにしてカプセル充填して、空気微粉砕機で細かく粉砕した活性
成分を各200mg含有する経口用の一体型軟ゼラチンカプセル剤を製造する。
【0104】 上記のカプセル剤は、1日1ないし4回、1ないし2カプセルの経口投与によ
り、新生物疾患の治療に有用である。
【0105】 組成物C 錠剤 各々の錠剤が200mgの活性成分を含有する1000個の錠剤を、次のタイ
プと量の成分から製造した。 活性成分、微粉末化 200g 乳糖 300g コーンスターチ 50g ステアリン酸マグネシウム 4g 軽油 5g
【0106】 空気微粉砕機で細かく粉砕した活性成分を別の微粉砕した成分に加え、ついで
完全に混合しスラグとする。スラグを15号スクリーンを通し力を加えて破砕す
る。得られた顆粒を打錠して、各錠剤が200mgの活性成分を含有するように
する。
【0107】 上記の錠剤は、1日1ないし4回、1ないし2錠の経口投与により、新生物疾
患の治療に有用である。
【0108】 上の方法を用いて、上記の200gの活性成分を250gおよび100gに代
えて250および100mgの活性成分を含有する錠剤を同様にして製造する。
【0109】 組成物D 経口用懸濁剤 各茶さじ(5ml)用量が50mgの活性成分を含有する経口用の水性懸濁剤
1リットルを、次のタイプと量の成分から製造する。 活性成分、微粉化 10g クエン酸 2g 安息香酸 1g 蔗糖 790g トラガカントガム 5g レモン油 2g 脱イオン水、適量 1000ml
【0110】 クエン酸、安息香酸、蔗糖、トラガカントガム、およびレモン油を充分な量の
水に分散して850mlの懸濁液とする。微粉末機で細かく粉砕した活性成分を
、均一に分布したシロップ単位の中へ攪拌する。充分な量の水を加えて1000
mlとする。
【0111】 このようにして製造した組成物は、1日3回、茶さじ1杯(15ml)の用量
で新生物疾患の治療に有用である。
【0112】 組成物E 非経口製品 新生物疾患治療のための1mlあたり30mgの活性成分含有の非経口注射の
ための滅菌水性懸濁剤を、次のタイプと量の成分から製造する。 活性成分、微粉化 30g ポリソルベート80 5g メチルパラベン 2.5g プロピルパラベン 0.17g 注射用水、適量1000ml
【0113】 活性成分以外のすべての成分を水に溶かし、その溶液を濾過により滅菌する。
この滅菌溶液に、微粉砕機で細かく粉砕した滅菌活性成分を加え、そして最終懸
濁液を滅菌バイアルに充填し、バイアルを密封する。
【0114】 このようにして製造した組成物は、1日3回、1mlの用量で新生物疾患の治
療に有用である。
【0115】 組成物F 坐剤、直腸および膣 新生物疾患治療のための、各々が2.5gの重量であり200mgの活性成分
を含有する1000個の坐剤を、次のタイプと量の成分から製造する。 活性成分、微粉化 15g プロピレングリコール 150g ポリエチレングリコール#4000適量 2500g
【0116】 活性成分を空気微粉砕機で細かく粉砕し、プロピレングリコールに添加し、混
合物が均一に分散されるまでコロイドミルを通過させる。ポリエチレングリコー
ルを溶融し、プロピレングリコール分散液を攪拌しながらゆっくりと添加する。
この懸濁液を、非冷却の型へ40℃で注ぐ。組成物を放冷固化させ、ついで型か
ら外し、各々の坐剤をホイルで包む。
【0117】 上記の坐剤を、新生物疾患の治療のために直腸または膣に挿入する。
【0118】 組成物G 経鼻用懸濁剤 1mlあたり20mgの活性成分を含む経鼻滴下のための滅菌水性懸濁液1リ
ットルを次のタイプと量の成分から製造する。 活性成分、微粉化 15g ポリソルベート80 5g メチルパラベン 2.5g プロピルパラベン 0.17g 脱イオン水 適量 1000ml
【0119】 活性成分以外のすべての成分を水に溶かし、その溶液を濾過により滅菌する。
この滅菌溶液に、微粉砕機で細かく粉砕した滅菌活性成分を加え、そして最終懸
濁液を無菌的に滅菌容器に充填する。
【0120】 このようにして製造した組成物は、1日1−3回、0.5から0.5mlの経
鼻滴下により新生物疾患の治療に有用である。
【0121】 活性成分はまた、経皮、経鼻、経径咽頭、経気管支または経口での局所的使用
のために非希釈の純粋な形態でも存在することができる。
【0122】 組成物H 粉末 バルク形態の活性成分5gを空気微粉砕機で細かく粉砕する。この微粉砕化し
た粉末を振盪型の容器に入れる。
【0123】 上記の組成物は1日1−4回、粉末を局所部位に適用することにより新生物疾
患の治療に有用である。
【0124】 組成物I 経口用粉末 バルク型の活性成分100gを空気微粉砕機で細かく粉砕する。この微粉砕化
した粉末を、200mgの個々の用量に分けて包装する。
【0125】 上記の組成物は1日1−4回、コップ1杯の水に1−2包装を経口投与するこ
とにより新生物疾患の治療に有用である。
【0126】 組成物J 吹入剤 バルク型の活性成分100gを空気微粉砕機で細かく粉砕する。
【0127】 上記の組成物は1日1−4回、300mgを吹入することにより新生物疾患の
治療に有用である。
【0128】 上述したところから、それに基づく新規で有用な抗新生物薬剤および新規で有
用な抗新生物製剤がここに記載され説明されており、それは上記の目的のすべて
を極めて予期しない態様で満たしている。この開示に直面する当業者において容
易に起こるその修飾、変更および適用は、請求の範囲で定義される本発明の精神
の範囲内にあると意図されることは当然に理解される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 a)は(Z)−および(E)−コンブレタスタチンA−4プロド
ラッグの、そしてb)は100%純粋のコンブレタスタチンA−4プロドラッグ
の、HPLCによる高速液体クロマトグラフィーチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),CA,JP,U S Fターム(参考) 4C086 AA03 AA04 DA34 GA13 GA14 MA01 MA04 NA15 ZB26 ZB31 4H050 AA01 AA02 AB20 AB28 AD15 WA11 WA12 WA17 WA21 WA23 WA24

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンブレタスタチンA−4をリン酸化剤と混合してその上に
    保護基をもつコンブレタスタチンA−4のホスフェートエステルを製造し; そのホスフェートエステル保護基を分解剤で処理し選択的に分解してコンブレ
    タスタチンA−4のリン酸誘導体とし;そして そのコンブレタスタチンA−4のリン酸誘導体をナトリウムメトキサイドで処
    理し、最終生産物としてコンブレタスタチンA−4プロドラッグジナトリウムホ
    スフェート、コンブレタスタチンA−4プロドラッグモノナトリウムホスフェー
    トまたはそのトランス異性体を製造する ことから成るモノナトリウムホスフェート塩およびジナトリウムホスフェート
    塩としてのコンブレタスタチンA−4プロドラッグならびにトランスコンブレタ
    スタチンA−4プロドラッグを合成する方法。
  2. 【請求項2】 リン酸化剤がジベンジルホスファイト/四塩化炭素、ジ−t
    ert−ブチルオキシ(N,N−ジエチルアミド)ホスフィン及びビス[2−(
    トリメチルシリル)エトキシ]N,N−ジイソプロピルアミドホスフィンよりな
    る群から選ばれる請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 分解剤がヨードトリメチルシラン、トリフルオロ酢酸、及び
    テトラブチルアンモニウムフルオライドより成る群から選ばれる請求項1の方法
  4. 【請求項4】 分解剤がヨードトリメチルシラン、トリフルオロ酢酸、及び
    テトラブチルアンモニウムフルオライドより成る群から選ばれる請求項2の方法
  5. 【請求項5】 最終生産物がX−コンブレタスタチンA−4 3’−O−ホ
    スフェートから成り、ここにXはセシウム、カルシウム、リチウム、マグネシウ
    ム、マンガン、ナトリウム、カリウム及び亜鉛より成る群から選ばれる請求項1
    の方法。
  6. 【請求項6】 最終生産物がY−コンブレタスタチンA−4 3’−O−ホ
    スフェートから成り、ここにYはイミダゾール、モルホリン、ピペラジン、ピペ
    リジン、ピラゾール及びピリジンより成る群から選ばれる請求項1の方法。
  7. 【請求項7】 最終生産物がZ−コンブレタスタチンA−4 3’−O−ホ
    スフェートであり、ここにZはアデノシン、シンコニン、グルコサミン、キニン
    、キニジン、テトラサイクリン及びベラパミルより成る群から選ばれる請求項1
    の方法。
  8. 【請求項8】 コンブレタスタチンA4をアセトニトリルに溶解し;その溶
    液を−25°Fに冷却し;その冷却液に四塩化炭素を攪拌しながら添加し;その
    冷却し攪拌した溶液に4−ジメチルアミノピリジンとジベンジルホスフェートを
    添加して室温に加温し;その室温の溶液から溶媒抽出して3’−O−ビス(ベン
    ジル)ホスホリル−3,4,4’,5−テトラメトキシ−(E)−スチルベンを
    得;該3’−O−ビス(ベンジル)ホスホリル−3,4,4’,5−テトラメト
    キシ−(E)−スチルベンをクロロトリメチルシランと混合し;その混合溶液か
    ら酢酸エチルで溶媒を分離してエキスをつくり;そのエキスをメタノールに溶解
    し;該溶解エキスにナトリウムメトキサイドを添加して第二の溶液をつくり;そ
    して該第二の溶液からメタノールを除去しそして該第二の溶液から固形物を再結
    晶してコンブレタスタチンA−4プロドラッグのトランス異性体を製造する ことから成るコンブレタスタチンA−4プロドラッグのトランス異性体を合成
    する方法。
  9. 【請求項9】 次の構造をもつコンブレタスタチンA−4金属およびアンモ
    ニウムホスフェートプロドラッグならびにトランスコンブレタスタチンA−4プ
    ロドラッグ。 【化1】 ここでXはセシウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、マンガン、ナトリ
    ウム、カリウム、亜鉛、イミダゾール、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、
    ピラゾール、ピリジン、アデノシン、シンコニン、グルコサミン、キニン、キニ
    ジン、テトラサイクリン及びベラパミルより成る群から選ばれる。
  10. 【請求項10】 最終生産物を再結晶する請求項1の方法。
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