JP2002374603A - 自走車両の走行駆動制御装置 - Google Patents

自走車両の走行駆動制御装置

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JP2002374603A
JP2002374603A JP2001178592A JP2001178592A JP2002374603A JP 2002374603 A JP2002374603 A JP 2002374603A JP 2001178592 A JP2001178592 A JP 2001178592A JP 2001178592 A JP2001178592 A JP 2001178592A JP 2002374603 A JP2002374603 A JP 2002374603A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 走行中においては車両の走行状態が急に変化
して搭乗者に違和感を与える等の不都合を未然に防止で
きるようにしながら、登坂路発進を行う場合に車両が逆
走状態になることを極力回避させることが可能となる自
走車両の走行駆動制御装置を提供する。 【解決手段】 アクセル開度及び進行方向指示情報を含
む走行駆動力調整情報に基づいて求めた目標走行駆動力
に応じて、走行駆動手段Kにて実際に出力させる実目標
走行駆動力を、その変化を低く規制する形態で求めて出
力させるように構成され、目標走行駆動力PWが設定値
PWsよりも大であれば単位時間当たりの変化量を大駆
動力用の規制値以下に規制する形態で、目標走行駆動力
PWが設定値PWs以下であれば単位時間当たりの変化
量を大駆動力用の規制値よりも大きい小駆動力用の規制
値以下に規制する形態で、実目標走行駆動力Qを求め
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行装置を駆動す
る走行駆動力を出力し、且つ、その走行駆動力を変更調
整自在な走行駆動手段と、その走行駆動手段の走行駆動
力を自動的に変更調整するように制御する制御手段とが
設けられ、その制御手段は、アクセル開度及び進行方向
指示情報を含む走行駆動力調整情報に基づいて、指示さ
れている進行方向に向かう目標走行駆動力を求め、且
つ、その求めた目標走行駆動力に応じて、前記走行駆動
手段にて実際に出力させる実目標走行駆動力を、その変
化を低く規制する形態で求めて、前記走行駆動手段にて
前記実目標走行駆動力を出力させるように制御する走行
駆動力調整処理を実行するように構成された自走車両の
走行駆動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記構成の自走車両としては、例えば走
行駆動用の電動モータにて全走行駆動力を出力する形式
のもの、あるいは、走行駆動用の電動モータに加えて走
行駆動用のエンジンを備えて、電動モータ及びエンジン
夫々により走行駆動力を出力する、いわゆるハイブリッ
ド形式のもの等があり、このような構成の自走車両の走
行駆動制御装置においては、アクセル開度の情報や進行
方向指示情報等を含む走行駆動力調整情報に基づいて、
指示されている進行方向に向かう目標走行駆動力を求
め、且つ、その求めた目標走行駆動力に応じて、走行駆
動手段にて実際に出力させる実目標走行駆動力を、その
変化を低く規制する形態で求めて、前記走行駆動手段に
て前記実目標走行駆動力を出力させるように制御する走
行駆動力調整処理を実行する構成となっている。
【0003】すなわち、走行駆動力調整情報に基づいて
車両の走行に必要となる目標走行駆動力を求めて、その
走行駆動力を走行駆動手段にて実際に出力させるのであ
るが、上記したような走行駆動力調整情報に基づいて求
められる目標走行駆動力に対して敏感に応答しながら制
御を実行する構成とすると、例えば、アクセル操作やブ
レーキ操作が頻繁に繰り返されたり、これらの操作量が
急激に変化するような場合等において、走行駆動手段の
駆動状態の変化が急激となり、車両の走行状態が急に変
化して車両の動きがギクシャクして運転者等の搭乗者に
違和感を与えたりするおそれがあることから、走行駆動
手段にて実際に出力させるための実目標走行駆動力を、
その変化を低く規制する形態で求めるようにして、この
ような不利を回避しながら走行駆動力を自動調整するよ
うにしている。
【0004】そして、従来では、上記したような走行駆
動力調整処理において、例えば図10に示すように、車
両の走行に必要となる目標走行駆動力PWの変化に対し
て、前記実目標走行駆動力Qの単位時間当たりの変化量
を、常に、予め定められた所定値以下に規制する形態で
前記実目標走行駆動力を求めて、走行駆動手段にてその
実目標走行駆動力を出力させるように制御する構成とな
っており、前記所定値としては、例えば、車両が走行し
ているとき等において、上記したように車両の動きがギ
クシャクして搭乗者に違和感を与えたりするおそれが少
なくなるような値に設定されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来構成によれ
ば、例えば、車両が指示されている進行方向に向かって
走行しているとき等においては、上記したように、アク
セル操作やブレーキ操作が頻繁に繰り返されたり、これ
らの操作量が急激に変化するような場合であっても、実
目標走行駆動力の単位時間当たりの変化量を前記所定値
以下に規制することで走行駆動手段の駆動状態の変化を
緩くして、運転者等の搭乗者に違和感を与えるといった
不利を回避させることが可能となる。しかし、例えば、
坂道に停車しているときに坂道を登る方向に車両を発進
させるような場合、すなわち、登坂路発進を行う場合に
は、次のような不利があった。
【0006】つまり、前記登坂路発進を行う場合には、
運転者はブレーキ操作具を操作して車両を停止させてい
る状態からブレーキ操作具の操作を解除した後に、アク
セル操作具を操作して、指示されている進行方向、すな
わち、坂道を登る方向に車両を走行させるための走行駆
動力を走行駆動手段にて出力させるのであるが、このと
きにおいても、上記したように実目標走行駆動力の単位
時間当たりの変化量が前記所定値以下に規制されること
から、アクセル操作具を素早く操作したとしても走行駆
動手段によりそのときに必要とされる走行駆動力が直ち
に出力されずに、所定の時間遅れの後に必要となる走行
駆動力が出力されることになる。そうすると、その時間
遅れの間に車両が一旦、坂道を下る方向、すなわち、指
示されている進行方向とは逆方向に少しだけ進むことが
あり、このような逆走状態により運転者に不安感や違和
感を与えるおそれがある。
【0007】そこで、このような不都合を回避するため
に、次のような改良構成が考えられる。つまり、前記登
坂路発進を行う場合に、運転者によりアクセル操作が開
始された後に車両の逆走状態を検出すると、その逆走状
態の検出に伴って、実目標走行駆動力の単位時間当たり
の変化量を規制する値として、前記所定値よりも大きい
値にして実目標走行駆動力を求める構成とするものであ
る。説明を加えると、車両の逆走状態を検出すると、実
目標走行駆動力の単位時間当たりの変化量を、予め設定
した小さめの値である前記所定値よりも大きくさせるこ
とで、そのときのアクセル操作等の運転者による走行用
操作に対して敏感に反応させる状態に切り換える構成で
ある。
【0008】しかし、このような改良構成においては、
車両が実際に前記逆走状態になっていることが検出され
て始めて走行用操作に対して敏感に反応させる状態に切
り換える構成であるから、その状態の切り換え後におい
ても少なからず車両は逆走することになり、車両が大き
く逆走することを抑制することはできるもの、逆走状態
が発生することを回避させることは難しいものであり、
未だ改善の余地がある。
【0009】本発明はかかる点に着目してなされたもの
であり、その目的は、例えば車両が指示されている進行
方向に向かって走行しているときにおいては、車両の走
行状態が急に変化して搭乗者に違和感を与える等の不都
合を未然に防止できるようにしながら、前記登坂路発進
を行う場合に車両が逆走状態になることを極力回避させ
ることが可能となる自走車両の走行駆動制御装置を提供
する点にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1によれば、走行
装置を駆動する走行駆動力を出力し、且つ、その走行駆
動力を変更調整自在な走行駆動手段と、その走行駆動手
段の走行駆動力を自動的に変更調整するように制御する
制御手段とが設けられ、その制御手段は、アクセル開度
及び進行方向指示情報を含む走行駆動力調整情報に基づ
いて、指示されている進行方向に向かう目標走行駆動力
を求め、且つ、その求めた目標走行駆動力に応じて、前
記走行駆動手段にて実際に出力させる実目標走行駆動力
を、その変化を低く規制する形態で求めて、前記走行駆
動手段にて前記実目標走行駆動力を出力させるように制
御する走行駆動力調整処理を実行するように構成された
自走車両の走行駆動制御装置において、前記制御手段
が、前記走行駆動力調整処理において、前記目標走行駆
動力が設定値よりも大であれば、前記実目標走行駆動力
の単位時間当たりの変化量を、大駆動力用の規制値以下
に規制する形態で前記実目標走行駆動力を求め、前記目
標走行駆動力が前記設定値以下であれば、前記実目標走
行駆動力の単位時間当たりの変化量を、前記大駆動力用
の規制値よりも大きい値として設定された小駆動力用の
規制値以下に規制する形態で前記実目標走行駆動力を求
めるように構成されていることを特徴とする。
【0011】すなわち、前記走行駆動力調整処理におい
ては、アクセル開度及び進行方向指示情報を含む走行駆
動力調整情報に基づいて、指示されている進行方向に向
かう目標走行駆動力を求めることになるが、その目標走
行駆動力が設定値よりも大であれば、実目標走行駆動力
の単位時間当たりの変化量を大駆動力用の規制値以下に
規制する形態で実目標走行駆動力を求め、走行駆動手段
にて前記実目標走行駆動力を出力させるように制御す
る。そして、前記目標走行駆動力が前記設定値以下であ
れば、実目標走行駆動力の単位時間当たりの変化量を、
大駆動力用の規制値よりも大きい値として設定された小
駆動力用の規制値以下に規制する形態で実目標走行駆動
力を求め、走行駆動手段にて前記実目標走行駆動力を出
力させるように制御する。
【0012】つまり、車両が指示されている進行方向に
向かって走行しているときにおいて、目標走行駆動力が
設定値よりも大きくなるような場合には、実目標走行駆
動力の単位時間当たりの変化量を、小さめの値である大
駆動力用の規制値以下に規制するので、車両の走行状態
が急に変化して運転者等の搭乗者に違和感を与える等の
不都合を未然に防止できる。又、車両が発進する時にお
いては、目標走行駆動力が設定値以下であるから、この
ような場合には、実目標走行駆動力の単位時間当たりの
変化量を大駆動力用の規制値よりも大きくさせること
で、そのときの運転者による走行用操作に対して敏感に
反応させる状態になるので、走行用操作に対して時間遅
れの少ない状態で走行駆動力が出力されることになり、
上記したような登坂路発進を行うような場合において車
両が逆走状態になることを極力回避させることが可能と
なる。
【0013】従って、車両が指示されている進行方向に
向かって走行しているときにおいては、車両の走行状態
が急に変化して運転者等の搭乗者に違和感を与える等の
不都合を未然に防止できるようにしながら、前記登坂路
発進を行う場合に車両が逆走状態になることを極力回避
させることが可能となる自走車両の走行駆動制御装置を
提供できるに至った。
【0014】請求項2によれば、請求項1において、前
記制御手段が、前記走行駆動力調整処理において、前記
目標走行駆動力が前記設定値以下であり、且つ、車両の
実際の走行方向が前記指示されている進行方向と同じで
あれば、前記実目標走行駆動力の単位時間当たりの変化
量を、前記小駆動力用の規制値以下に規制する形態で前
記実目標走行駆動力を求め、前記目標走行駆動力が前記
設定値以下であり、且つ、車両の実際の走行方向が前記
指示されている進行方向とは反対方向であれば、前記実
目標走行駆動力の単位時間当たりの変化量を、前記小駆
動力用の規制値よりも大きい値として設定された緊急用
の規制値以下に規制する形態で前記実目標走行駆動力を
求めるように構成されていることを特徴とする。
【0015】すなわち、前記目標走行駆動力が前記設定
値以下であり、且つ、車両の実際の走行方向が前記指示
されている進行方向と同じであれば、前記実目標走行駆
動力の単位時間当たりの変化量を、前記小駆動力用の規
制値以下に規制する形態で前記実目標走行駆動力を求
め、走行駆動手段にて前記実目標走行駆動力を出力させ
るように制御するので、運転者による走行用操作に対し
て時間遅れの少ない状態で走行駆動力が出力されること
になり、車両が逆走状態になることを極力回避させるこ
とが可能となる。
【0016】このように実目標走行駆動力の単位時間当
たりの変化量を小駆動力用の規制値以下に規制する形態
とした場合であっても、車両の実際の走行方向が前記指
示されている進行方向とは反対方向であれば、車両が逆
走状態を起こしているものと考えられるので、そのとき
には前記実目標走行駆動力の単位時間当たりの変化量を
前記小駆動力用の規制値よりも大きい緊急用の規制値以
下に規制する形態で実目標走行駆動力を求め、走行駆動
手段にて実目標走行駆動力を出力させるように制御す
る。そうすると、そのときの運転者による走行用操作に
対してより一層敏感に反応させる状態になり、車両がそ
れ以上逆走することを抑制することができ、請求項1を
実施するのに好適な手段が得られる。
【0017】請求項3によれば、請求項1又は2におい
て、前記制御手段が、前記走行駆動力調整処理におい
て、前記目標走行駆動力が前記設定値以下であり、且
つ、車両の走行速度が設定車速未満であれば、前記実目
標走行駆動力の単位時間当たりの変化量を、前記小駆動
力用の規制値以下に規制する形態で前記実目標走行駆動
力を求め、前記目標走行駆動力が前記設定値以下であ
り、且つ、車両の走行速度が設定車速以上であれば、前
記実目標走行駆動力の単位時間当たりの変化量を、前記
小駆動力用の規制値よりも小さい値として設定された高
速走行用の規制値以下に規制する形態で前記実目標走行
駆動力を求めるように構成されていることを特徴とす
る。尚、前記高速走行用の規制値としては、前記小駆動
力用の規制値よりも小さい値であればよく、例えば、前
記大駆動力用の規制値と同じ値に設定してもよく、又
は、大駆動力用の規制値とは異なる値に設定するもので
もよい。
【0018】すなわち、上記したような登坂路発進を行
うような場合のように、前記目標走行駆動力が前記設定
値以下であり、且つ、車両の走行速度が設定車速未満で
あれば、実目標走行駆動力の単位時間当たりの変化量
を、前記小駆動力用の規制値以下に規制する形態で実目
標走行駆動力を求め、走行駆動手段にて実目標走行駆動
力を出力させるように制御するので、走行用操作に対し
て時間遅れの少ない状態で走行駆動力が出力されること
になり、登坂路発進を行う場合であっても車両が逆走状
態になることを極力回避させることが可能となる。
【0019】そして、例えば緩やかな下り坂をほぼ定速
で安定走行している場合のように、目標走行駆動力が設
定値以下であり、且つ、車両の走行速度が設定車速以上
であれば、実目標走行駆動力の単位時間当たりの変化量
を、前記小駆動力用の規制値よりも小さい高速走行用の
規制値以下に規制する形態で実目標走行駆動力を求め、
走行駆動手段にて実目標走行駆動力を出力させるように
制御するので、車両が設定車速以上の高速で走行してい
る場合には、実目標走行駆動力の単位時間当たりの変化
量が少なめに抑制され、アクセル操作やブレーキ操作が
頻繁に繰り返されたり、これらの操作量が急激に変化す
るような場合であっても、実目標走行駆動力の単位時間
当たりの変化量を、小駆動力用の規制値よりも小さい高
速走行用の規制値以下に規制することで、走行駆動手段
の駆動状態の変化を緩くして、搭乗者に違和感を与える
といった不利を回避させることができ、請求項1又は2
を実施するのに好適な手段が得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る自走車両の走
行駆動制御装置について図面に基づいて説明する。図1
に、自走車両の一例としてのハイブリッド車両のシステ
ム構成を示している。このハイブリッド車両は、後述す
るような遊星ギア機構1、エンジン2、発電機3、及
び、電動モータ4等が一体的に組み付けられた走行駆動
手段としての駆動ユニットKが設けられ、この駆動ユニ
ットKが、走行装置としての左右の前輪5を駆動する走
行用駆動力を発生するように構成されている。
【0021】次に駆動ユニットKの構成について説明す
る。図2に示すように、エンジン2、電動モータ4、及
び、発電機3は夫々、遊星ギア機構1を介して機械的に
結合されており、遊星ギア機構1は、中央軸芯周りで回
転するサンギア18、サンギア18の外周を係合して自
転しながら中央軸芯周りで公転する3個の遊星ピニオン
ギア19、さらにその外周で各遊星ピニオンギア19に
係合しながら回転するリングギア20が備えられ、前記
3個の遊星ピニオンギア19はキャリア21にて軸支さ
れ一体的に中央軸芯周りで公転するように構成されてい
る。この遊星ギア機構1に対して、エンジン2の出力軸
2aがキャリア21に結合され、発電機3の駆動軸3a
がサンギア18に結合され、電動モータ4の駆動軸4a
がカウンタギア22を介してリングギア20に結合され
ている。又、前記電動モータ4の駆動軸4aはカウンタ
ーギア22及びディファレンシャルギア23を介して左
右の前輪5に結合されている。つまり、電動モータ4と
各前輪5とは連動連結される状態であり常に同期して回
転する状態となっている。
【0022】上記構成の遊星ギア機構1では、前記各ギ
アに夫々結合されている3つの軸、つまり、エンジン2
の出力軸2a、発電機3の駆動軸3a、及び、電動モー
タ4の駆動軸4aのうち、2つの軸の回転状態(回転速
度や回転トルク等)が定まると、残りの1つの軸の回転
状態は一義的に定まる特性を有している。これらの間で
の回転速度の関係は、図4に示すような共線図で表すこ
とができる。前記各ギアが停止している状態(速度ゼ
ロ)であれば、図の特性線L1で示す状態となる。そし
て、エンジン2が停止している状態で電動モータ4のみ
により走行駆動させるモータ走行状態では、図の特性線
L2で示すように電動モータ4を前進方向側に回転駆動
する。このとき、エンジン2は停止しており、発電機3
は発電方向とは逆向きの自由回転状態となる。前記モー
タ走行状態においてエンジン2を始動させるときには、
図の特性線L3で示すように、発電機3を電動モータと
して機能させて設定回転速度で駆動させてエンジン2を
始動させる。エンジン2が始動すると、図の特性線L4
で示すように、発電機3は回転速度をゼロに調整して図
示しないクラッチ機構により機械的に回転停止状態に維
持され、その後はエンジン2の動力と電動モータ4の動
力により走行駆動される。バッテリー17の充電が必要
なときは、図の特性線L5で示すようにエンジン2の回
転速度を上げて発電機3を駆動して発電させることがで
きる。
【0023】このように、エンジン2の出力軸、発電機
3の駆動軸、及び、電動モータ4の駆動軸の夫々の回転
速度の関係は共線図上で常に一直線として規定されるこ
とになる。発電機3及び電動モータ4は、夫々、交流同
期式の電動機で構成され、これらに対する駆動電流の供
給方向と電流値を調節して回転方向や回転速度を制御す
ることが可能であり、駆動ユニットKは無段階に走行速
度を変更させることができる構成となっている。
【0024】次に、このハイブリッド車両における駆動
ユニットKに対する制御構成について説明する。図3に
も示すように、車両全体の動作を統括して管理する車両
制御部6、この車両制御部6からの制御情報に基づいて
前記電動モータ4の動作を制御するモータ制御部7、車
両制御部6からの制御情報に基づいて前記発電機3の動
作を制御する発電機制御部8、車両制御部6からの制御
情報に基づいて前記エンジン2の出力、具体的には、電
子スロットル弁9のスロットル開度及びインジェクタ
(図示せず)の燃料噴射量を自動調節するエンジン制御
部10夫々が備えられ、アクセル操作具11の操作量を
検出するアクセル操作量検出センサS1、ブレーキ操作
具13の操作量(操作圧)を検出するブレーキ操作量検
出センサS2、シフトポジションレバー15の位置を検
出するシフトポジションセンサS3、及び、前輪5の車
軸の回転速度に基づいて車速を検出するとともに、車軸
の回転方向に基づいて、車両の進行方向が前後進いずれ
であるかを検出するための車速センサS4等による各種
の検出情報が車両制御部6に入力される構成となってい
る。前記シフトポジションレバー15の位置としては、
「P」(駐車位置)、「R」(後進走行位置)、「N」
(中立位置)、「D」(前進走行位置)、「B」(制動
力が大きめに作用する前進走行位置)があり、運転者に
より運転状況に応じて適宜、切り換え操作されることに
なる。前記電動モータ4、発電機3並びに前記各制御部
に対する駆動電力は、バッテリー17から供給され、こ
のバッテリー17は後述するように発電機3や電動モー
タ4からの発電電力によって充電される構成となってい
る。
【0025】そして、前記車両制御部6が、アクセル操
作具11の操作量の情報、ブレーキ操作具13の操作量
の情報、シフトポジションレバー15の位置の情報、車
速検出情報等の走行駆動力調整情報に基づいて、駆動ユ
ニットKに対する目標駆動方向及び目標走行駆動力を求
め、且つ、その求めた目標駆動方向及び目標走行駆動力
に応じて、駆動ユニットKにて実際に出力させるための
実目標駆動方向及び実目標走行駆動力を、その変化を低
く規制する形態で求めて、駆動ユニットKにて実目標走
行駆動力を実目標駆動方向で出力させるように制御する
走行駆動力調整処理を実行するように構成されている。
すなわち、車両制御部6が、駆動ユニットKにて実目標
走行駆動力を実目標駆動方向で出力させるように、モー
タ制御部7、発電機制御部8、及び、エンジン制御部1
0に制御情報を出力して、エンジン2、発電機3及び電
動モータ4の出力を制御するようになっている。
【0026】詳述すると、例えば、シフトポジションレ
バー15が「D」位置にあるときの車速の変化に対する
駆動ユニットKに対する要求駆動力の変化特性が、図6
に示すような特性として予め設定されており、前記車両
制御部6がこの特性に基づいて要求駆動力を求める構成
となっている。図6(イ)に示されるラインq1は、ア
クセル操作量が最大(全開)になったときの値に対応す
る車速の変化に対する要求駆動力の変化を示しており、
アクセル操作量が変化した場合の要求駆動力の変化割合
が図6(ロ)に示すような特性として予め設定されてい
る。そして、これらの特性から、そのときの車速に対応
する要求駆動力は、図6(イ)に示されるラインq1か
ら求められる車速に対する値と、アクセル操作量の検出
値に基づく変化割合(%)との積により求められること
になる。
【0027】図6に示す特性において、正(+)側は、
目標走行方向が前進方向であること、すなわち、前進走
行用の要求駆動力であることを示し、図において上側ほ
ど前進走行用の要求駆動力が大となることを示してい
る。又、負(−)側は、目標走行方向が前進方向とは逆
方向の要求駆動力であることを示し、図において下側ほ
ど逆向きの要求駆動力が大となることを示している。そ
して、図6のラインq2は、アクセル操作量が最小(全
閉)で且つブレーキ操作量が最小になったときの要求駆
動力の変化特性を示しており、又、図6のラインq3は
ブレーキ操作量が最大になったときの要求駆動力の変化
特性を示している。
【0028】アクセル並びにブレーキが操作されていな
いときには、このラインq2を用いて要求駆動力が求め
られることになる。上記ラインq2より明らかなよう
に、車速が設定車速より大でありアクセルが全閉である
とき負(−)側の要求駆動力、すなわち、指示されてい
る進行方向とは逆向きの要求駆動力となることを示して
おり、ラインq2及びラインq3より明らかなように、
ブレーキ操作量が大であるほど負(−)側の要求駆動力
が大になるように設定されている。この負側の要求駆動
力は後述するように電動モータによる回生制動力の大き
さに対応するものとなる。
【0029】前記車両制御部6は、アクセル開度やブレ
ーキ操作量等の走行駆動力調整情報に基づいて求められ
る要求駆動力から、駆動ユニットKが出力すべき目標駆
動方向及び目標走行駆動力を演算にて求める目標値演算
処理を実行し、更には、その求めた目標駆動方向及び目
標走行駆動力に応じて、駆動ユニットKにて実際に出力
させるための実目標走行駆動力を、その変化を低く規制
する形態で求める実制御値演算処理を実行する。これ
は、上記したような走行駆動力調整情報に基づいて求め
られる目標走行駆動力に対して敏感に応答しながら制御
を実行する構成とすると、例えば、アクセル操作やブレ
ーキ操作が頻繁に繰り返されたり、これらの操作量が急
激に変化するような場合等において、駆動ユニットKの
駆動状態の変化が急激となり、車両の走行状態が急に変
化して運転者等の搭乗者に違和感を与えたり、駆動騒音
が発生したりするおそれがあることから、駆動ユニット
Kにて指示されている走行方向へ実際に出力させるため
の実目標走行駆動力を、その変化を低く規制する形態で
求めるようにして、このような不利を回避しながら走行
駆動力を自動調整するようにしているのである。
【0030】そして、駆動ユニットKの走行駆動力が実
目標走行駆動力になるように自動調節すべく、モータ制
御部7、発電機制御部8、及び、エンジン制御部10に
制御情報を出力して、エンジン2、発電機3及び電動モ
ータ4の出力を制御するのである。
【0031】上記したような負側すなわち逆向きの走行
駆動力の変更調節は、モータ制御部7が電動モータ4に
通流する電流値を変更調節することにより、電動モータ
4の走行駆動力を変更調節することによって行う。例え
ば、車両の減速時には、電動モータ4が回生制動力によ
り前記逆向き駆動力を発生する状態になり、回生制動に
よって発生した電力がバッテリー17に充電されるよう
になっており、その電流を変更調節することで回生制動
力の大きさを調節する構成となっている。このようにし
て回生制動力により油圧式の摩擦ブレーキを補助する構
成となっている。
【0032】又、上記ラインq2より明らかなように、
車速が設定速度よりも低い低速状態において、アクセル
開度が全閉であってもクリープ走行用の走行駆動力TCR
を出力させる形態で要求駆動力が設定される構成となっ
ている。これは、例えば、停止している状態から車両を
微速で発進させたい場合等に対応できるようにして操作
性を向上させたものである。車速が低速で要求される駆
動力が小さい場合には、エンジン2を停止させた状態で
電動モータ4の駆動力のみにより車輪を駆動するように
構成してあり、上記したようなクリープ走行用の走行駆
動力TCRも電動モータ4にて出力する構成となってい
る。尚、車速が走行停止していたり設定車速以下の低速
状態であっても、バッテリーの充電状態が低下して充電
が必要であると判断されると、エンジン2を始動させて
発電機3を駆動してバッテリー17を充電させる動作を
実行することもある。このときは、クリープ走行用の走
行駆動力TCRは、電動モータの出力だけでなくエンジン
の動力により出力されることになる。
【0033】以下、車両が停車している状態から発進し
て走行し、その後、減速して停止するまでの各操作段階
での夫々の運転モードにおける制御内容について簡単に
説明する。エンジン2、電動モータ4、及び、発電機3
が回転を停止している停止状態(図4の特性線L1に対
応)から、アクセルが踏み込み操作されると、先ず、エ
ンジン2を停止した状態で電動モータ4に前進走行用の
駆動トルクを発生させて車両を発進させる(図4の特性
線L2に対応)。エンジン2の駆動力を必要とするよう
な場合には、走行速度が設定速度まで上昇すると発電機
3を回転駆動させてエンジン2を始動させる(図4の特
性線L3に対応)。つまり、車両制御部6がエンジン2
の始動に必要な目標回転速度を求め、その目標回転速度
の指令情報を発電機制御部8に指令し、発電機制御部8
が、対応する目標回転速度になるように発電機3に対す
る駆動用の供給電流値を制御する。発電機制御部8によ
り発電機3が駆動トルクを生じている状態から回生トル
クを発生している状態になったことが判断されることに
より、エンジン2の始動が確認されると、その後は発電
機3の回転を停止させて機械的に制動をかけて停止状態
を維持するようになっている(図4の特性線L4に対
応)。
【0034】尚、車両走行中においてバッテリー17の
充電状態が低下して充電が必要であると判断されると、
エンジン2の動力により発電機3を駆動して発電してバ
ッテリー17を充電する(図4の特性線L5に対応)。
又、図示はしないが、車両走行停止中、すなわち、電動
モータ4が駆動停止しているときに、バッテリー17の
充電が必要であると判断されると、エンジン2を始動し
てエンジン2の動力により発電機3を駆動して発電する
こともある。
【0035】エンジン2が始動した後において、エンジ
ン2に対するスロットル開度及び燃料噴射量は、エンジ
ン2の回転速度の変化に対して運転効率が最も大きくな
るような最適燃費ラインに沿って変化するように電子ス
ロットル弁9やインジェクタを自動調節する構成となっ
ている。説明を加えると、図5に、エンジン2の運転効
率の高い点に沿うように予め設定されたエンジン2の回
転速度に対する目標スロットル開度の変化特性、すなわ
ち、最適燃費ラインが示されており、前記要求駆動力や
車速の情報からエンジンの目標回転速度を求めて、その
目標回転速度とこの最適燃費ラインとからそのときの目
標スロットル開度を求め、実際のスロットル開度が目標
スロットル開度になるように電子スロットル弁9を自動
調節するようになっている。尚、図示はしないが、吸入
空気量とエンジン回転速度に対応する燃料噴射量も合わ
せて求められ、対応する燃料噴射量になるように自動調
節されることになる。
【0036】そして、上記したような最適燃費ラインに
基づくエンジンの駆動力では不足する走行駆動力を電動
モータ4により出力するようになっている。車速が高速
であれば、回生制動力を発生するための目標電流値を求
めて、電動モータ4からバッテリー17に供給される電
流が目標電流値になるように電流量を調整制御する。こ
のとき、電動モータ4は発電機として機能し発電した電
力はバッテリー17に蓄電される構成となっている。
【0037】車両を停止させるためにブレーキ操作が行
われると、上記したように指示されている進行方向とは
逆向きの走行駆動力が発生するように、電動モータ4の
電流値を調節するとともに、ブレーキ操作が大であるほ
ど逆向き駆動力が大になるように電流値を変更調節する
ようになっている。又、車両が設定車速としてのクリー
プ車速以下にまで減速するか又は移動停止した後は、ア
クセル開度が全閉であっても上記したような前進走行用
のクリープ走行用の走行駆動力を出力すべく、少なくと
も電動モータ4により出力する走行駆動力を変更調節す
るようになっている。尚、バッテリー17の充電を行う
ときには、エンジン2及び電動モータ4の両方の出力に
よる走行駆動力を変更調節することになる。
【0038】シフトポジションレバー15が「D」位置
にある場合について説明したが、それ以外の指令位置、
例えば、「B」位置にある場合や「R」位置にある場合
であっても、同じような処理を実行することになる。但
し、このように走行用の指令位置が異なると、車速の変
化に対する要求駆動力の変化特性等として異なる特性が
用いられることになる。例えば、「B」位置では、
「D」位置に比べて、アクセルが全閉であるときの逆向
き走行駆動力が大きめの値が設定されることになるが、
それらの詳細については説明は省略する。
【0039】上述したような駆動ユニットKに対する走
行駆動力の調整処理が走行駆動力調整処理に対応してお
り、車両制御部6、モータ制御部7、発電機制御部8、
エンジン制御部10の夫々により、走行駆動力調整処理
を実行する制御手段Hが構成される。この制御手段Hの
制御内容について図面を参照しながら説明を加えると、
図7に示すように、先ず、アクセル操作量検出センサS
1にて検出されるアクセル操作具11の操作量の情報、
ブレーキ操作量検出センサS2にて検出されるブレーキ
操作具13の操作量の情報、シフトポジションセンサS
3にて検出されるシフトポジションレバー15の位置の
情報、車速センサS4にて検出される車速検出情報の夫
々を取り込み、それらの各種の情報に基づいて、現在の
車両の走行状態が上述したような各種の運転モードのう
ちのいずれの運転モードにあるかを判断する処理や、上
記各種の検出情報に基づいて、前記要求駆動力から前記
目標駆動方向及び目標走行駆動力を演算にて求める目標
値演算処理、及び、前記目標駆動方向及び目標走行駆動
力に応じて、駆動ユニットKにて実際に出力させるため
の実目標駆動方向及び実目標走行駆動力を求める実制御
値演算処理、及び、エンジンを始動させたり、停止させ
たりする必要があるか否かの判断処理等を含む演算処理
を実行する。
【0040】そして、前記演算処理にて演算された結果
に基づいて、エンジン2を始動させるエンジン始動処
理、上記したような各運転モードに応じて必要とされる
駆動力になるように上記したような最適燃費ラインに従
ってスロットル開度が調整される状態で、エンジン2の
出力を調整するエンジン出力処理、上記したような各運
転モードに応じて必要とされる運転状態になるように電
動モータ4の出力を調整するモータ出力処理、及び、運
転モードに応じて必要とされる運転状態になるように発
電機3の出力を調整する発電機出力処理の夫々を実行す
るように構成されている。これらの一連の処理が走行駆
動力調整処理に対応する。
【0041】次に、前記実制御値演算処理について説明
する。すなわち、前記目標値演算処理にて求めた指示さ
れている進行方向に向かう目標走行駆動力が予め設定さ
れた設定値よりも大であれば、実目標走行駆動力の単位
時間当たりの変化量を、大駆動力用の規制値以下に規制
する形態で実目標走行駆動力を求める。そして、前記目
標走行駆動力が前記設定値以下であり、車両の走行速度
が設定車速未満で、しかも、車両の実際の走行方向が前
記指示されている進行方向と同じであれば、前記実目標
走行駆動力の単位時間当たりの変化量を、前記小駆動力
用の規制値以下に規制する形態で前記実目標走行駆動力
を求める。又、前記目標走行駆動力が前記設定値以下で
あっても、車両の実際の走行方向が前記指示されている
進行方向とは反対方向であれば、実目標走行駆動力の単
位時間当たりの変化量を、小駆動力用の規制値よりも大
きい値として設定された緊急用の規制値以下に規制する
形態で実目標走行駆動力を求める。更に、前記目標走行
駆動力が前記設定値以下であっても、車両の走行速度が
設定車速以上であれば、実目標走行駆動力の単位時間当
たりの変化量を、前記小駆動力用の規制値よりも小さい
値として設定された高速走行用の規制値以下に規制する
形態で実目標走行駆動力を求める。尚、この実施形態で
は、高速走行用の規制値としては、大駆動力用の規制値
と同じ値になるように設定されている。
【0042】尚、詳述はしないが、前記目標走行方向と
して反対方向が求められた場合、すなわち、電動モータ
にて回生制動力を発生させる場合には、目標走行駆動力
の大きさにかかわらず、実目標走行駆動力の単位時間当
たりの変化量を前記大駆動力用の規制値以下に規制する
形態で実目標走行駆動力を求めるようにしている。
【0043】前記実制御値演算処理の具体的な処理内容
について、制御フローチャートに基づいて説明する。図
8に示すように、前記目標値演算処理にて求めた指示さ
れている進行方向に向かう正側の目標走行駆動力PWが
予め設定された設定値PWsよりも大であれば、後述す
るような制御偏差を制限するための制限値αとして、前
記大駆動力用の規制値に対応する第1制限値α1に設定
する(ステップ1、2)。車速センサS4の検出情報に
基づいて、現在の車速並びに現在の車両の進行方向を判
別し、前記目標走行駆動力PWが前記設定値PWs以下
であり、車両の走行速度Vが設定車速Vs未満で、しか
も、車両の実際の走行方向が前記指示されている進行方
向と同じ、すなわち、逆走していない状態であれば、制
御偏差を制限するための制限値αとして、前記小駆動力
用の規制値に対応する第2制限値α2に設定する(ステ
ップ3、4、5)。又、前記目標走行駆動力が前記設定
値以下であり、車両の走行速度Vが設定車速Vs未満
で、しかも、車両の実際の走行方向が前記指示されてい
る進行方向とは反対方向であれば、制御偏差を制限する
ための制限値αとして、前記緊急用の規制値に対応する
第3制限値α3に設定する(ステップ6)。又、前記目
標走行駆動力PWが前記設定値PWs以下であっても、
車両の走行速度Vが設定車速Vs以上であれば、制御偏
差を制限するための制限値αとして、高速走行用の規制
値に対応する第1制限値α1、すなわち、大駆動力用の
規制値に対応する値と同じ値に設定する。
【0044】そして、前回の制御ルーチンで求められた
実目標走行駆動力と今回の制御ルーチンで求められた目
標走行駆動力との制御偏差αxが前記制限値αより大で
あるか否かが判断される(ステップ7)。すなわち、目
標走行駆動力は制御ルーチンが実行される所定時間経過
毎に求められることになるが、今回の処理で求められた
目標走行駆動力に対して、そのときに出力調整されてい
る実際の走行駆動力との偏差、つまり、制御偏差αxが
制限値αより大であるか否かが判断される。そして、前
記制御偏差αxが制限値αより大でなければ、今回の制
御ルーチンで求めた目標走行駆動力PWを、そのまま実
目標走行駆動力Qとして求め(ステップ8)、前記制御
偏差αxが制限値αより大であれば、前回の処理におい
て求めた実目標走行駆動力Qから前記制限値αだけ変化
した値を今回の新たな制御目標値である実目標走行駆動
力Qとして求めるのである(ステップ9)。つまり、制
御偏差を制限値α以下に制限する構成である。
【0045】図9に、ブレーキ操作を行っている停止状
態から、ブレーキ操作を解除した後に、アクセル操作具
による操作を行い、車両を発進させる場合のタイミング
チャートを示している。この図を参照しながら実制御値
演算処理の具体例について説明する。
【0046】すなわち、アクセル操作具の操作量が図に
示すように急激に変化したような場合には、目標走行駆
動力もそれに対応して急激に変化することになるが、上
記したような実制御値演算処理によって、実目標走行駆
動力Qの単位時間当たりの変化量は予め設定された規制
値以下の低い値に規制されることになる。このとき、車
両が逆走状態でなければ、目標走行駆動力PWが設定値
PWsを越えると、図9にて実線の線分L11で示すよ
うに、実目標走行駆動力Qの単位時間当たりの変化量は
第1制限値α1以下に制限されて緩やかな変化となる。
しかし、目標走行駆動力PWが設定値PWs以下であれ
ば、図9にて実線の線分L12で示すように、実目標走
行駆動力Qの単位時間当たりの変化量は第2制限値α2
以下に制限されるだけで、第1制限値α1以下に制限さ
れる状態に比べて敏感な反応を行うことになる。
【0047】従って、例えば、登坂路発進を行うような
場合において、ブレーキ操作を解除してからアクセル操
作を行い所定の走行駆動力が発生して車両を発進させる
までの間に、時間遅れが生じるのを極力回避させること
ができ、車両が運転者の意思に反して逆走するといった
不利を極力回避させやすいものとなる。
【0048】又、このような登坂路発進のときに車両の
逆走が検出される場合には、図9の一点鎖線の線分L1
3にて示すように、目標走行駆動力PWが設定値PWs
以下であれば、実目標走行駆動力Qの単位時間当たりの
変化量は第2制限値α2より大きい第3制限値α3以下
に制限されるだけで、第2制限値α2以下に制限される
状態に比べてより敏感な反応を行うことが可能で、車両
の逆走が継続されることを回避させ易いものとなる。
尚、目標走行駆動力PWが設定値PWsを越えると、図
9の一点鎖線の線分L14にて示すように、実目標走行
駆動力Qの単位時間当たりの変化量は第1制限値α1以
下に制限される。
【0049】〔別実施形態〕以下、別実施形態を列記す
る。
【0050】(1)上記実施形態では、前記高速走行用
の規制値に対応する値として、大駆動力用の規制値と同
じ値になるように設定するものを例示したが、このよう
な構成に限らず、高速走行用の規制値としては、前記小
駆動力用の規制値よりも小さい値として設定するもので
あればよく、大駆動力用の規制値よりも大きい値でもよ
く、大駆動力用の規制値よりも小さい値に設定するもの
でよい。
【0051】(2)上記実施形態では、前記目標走行駆
動力が前記設定値以下であり、且つ、車両の実際の走行
方向が前記指示されている進行方向とは反対方向であれ
ば、前記実目標走行駆動力の単位時間当たりの変化量
を、緊急用の規制値として、予め設定された第3制限値
以下に規制する構成としたが、このような構成に限ら
ず、例えば設定時間以上逆走状態が継続すると、緊急用
の規制値として、第3制限値よりも更に大きい制限値に
変更させるようにしたり、逆走状態が解除されるまで段
々と大きい制限値に変更させる構成とする等、状況に応
じて適宜変更させる構成としてもよい。
【0052】(3)上記実施形態では、前記目標走行駆
動力が前記設定値以下であり、且つ、車両の実際の走行
方向が前記指示されている進行方向とは反対方向であれ
ば、前記実目標走行駆動力の単位時間当たりの変化量
を、前記小駆動力用の規制値よりも大きい値として設定
された緊急用の規制値以下に規制する形態で前記実目標
走行駆動力を求めるように構成されるものを例示した
が、このような構成に限らず、例えば、車両の実際の走
行方向がいずれの方向であっても、前記目標走行駆動力
が前記設定値以下であれば、前記実目標走行駆動力の単
位時間当たりの変化量を、前記大駆動力用の規制値より
も大きい値として設定された小駆動力用の規制値以下に
規制する形態で前記実目標走行駆動力を求めるように構
成してもよい。
【0053】(4)上記実施形態では、目標走行駆動力
に応じて実目標走行駆動力をその変化を低く規制する形
態で求める処理として、制御偏差が一定値に制限される
構成としたが、このような構成に限らず、次に例示する
方法の他、各種の形態で実施してもよい。例えば、前記
制御偏差が大であれば、その制御偏差に対して、上記し
たような小駆動力用の規制値や大駆動力用の規制値等の
各規制値に対応させて予め設定される低減率をかけて新
たな制御偏差を設定して、走行駆動力の現在の調整値に
新たな制御偏差を足した値を新たな制御目標値(実目標
走行駆動力)として設定し、走行駆動力がその新たな制
御目標値になるように自動調整する構成としてもよい。
言い換えると、制御偏差を所定値に制限するのではな
く、所定の割合で制限する構成である。
【0054】(5)上記実施形態では、自走車両とし
て、エンジン及び電動モータ双方の動力を車軸に伝達可
能な所謂、パラレルハイブリッド方式のハイブリッド車
両を例示したが、本発明は、この構成に限らず、エンジ
ンは発電のみ行い電動モータにて車軸を駆動するシリー
ズハイブリッド方式のハイブリッド車両にも適用でき、
又、ハイブリッド車両に限らず、電動モータのみにより
走行装置を駆動する電気自動車にも適用できる。
【0055】(6)上記実施形態では、走行駆動手段が
走行装置として前輪を駆動する構成としたが、これに限
らず、後輪を駆動する構成や、4 輪すべてを駆動する構
成でもよく、又、駆動手段として遊星ギア機構を備える
構成を例示したが、このような構成に限定されるもので
はなく、各種の伝動機構を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】概略構成図
【図2】駆動ユニットを示す図
【図3】制御ブロック図
【図4】駆動ユニットの動作状態を示す共線図
【図5】最適燃費ラインを示す図
【図6】要求駆動力を示す図
【図7】制御動作のフローチャート
【図8】制御動作のフローチャート
【図9】走行駆動力の変化状態を示す図
【図10】従来の走行駆動力の変化状態を示す図
【符号の説明】 K 走行駆動手段 H 制御手段 PW 目標走行駆動力 PWs 設定値 α1 大駆動力用の規制値 α2 小駆動力用の規制値 α3 緊急用の規制値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 炭谷 俊弘 大阪府池田市桃園2丁目1番1号 ダイハ ツ工業株式会社内 (72)発明者 山口 和行 大阪府池田市桃園2丁目1番1号 ダイハ ツ工業株式会社内 Fターム(参考) 5H115 PA01 PG04 QE01 QE08 QE10 QN27 SE01 SE05 SJ12 SJ13 TU08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行装置を駆動する走行駆動力を出力
    し、且つ、その走行駆動力を変更調整自在な走行駆動手
    段と、 その走行駆動手段の走行駆動力を自動的に変更調整する
    ように制御する制御手段とが設けられ、 その制御手段は、 アクセル開度及び進行方向指示情報を含む走行駆動力調
    整情報に基づいて、指示されている進行方向に向かう目
    標走行駆動力を求め、且つ、その求めた目標走行駆動力
    に応じて、前記走行駆動手段にて実際に出力させる実目
    標走行駆動力を、その変化を低く規制する形態で求め
    て、前記走行駆動手段にて前記実目標走行駆動力を出力
    させるように制御する走行駆動力調整処理を実行するよ
    うに構成された自走車両の走行駆動制御装置であって、 前記制御手段が、 前記走行駆動力調整処理において、前記目標走行駆動力
    が設定値よりも大であれば、前記実目標走行駆動力の単
    位時間当たりの変化量を、大駆動力用の規制値以下に規
    制する形態で前記実目標走行駆動力を求め、 前記目標走行駆動力が前記設定値以下であれば、前記実
    目標走行駆動力の単位時間当たりの変化量を、前記大駆
    動力用の規制値よりも大きい値として設定された小駆動
    力用の規制値以下に規制する形態で前記実目標走行駆動
    力を求めるように構成されている自走車両の走行駆動制
    御装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段が、 前記走行駆動力調整処理において、 前記目標走行駆動力が前記設定値以下であり、且つ、車
    両の実際の走行方向が前記指示されている進行方向と同
    じであれば、前記実目標走行駆動力の単位時間当たりの
    変化量を、前記小駆動力用の規制値以下に規制する形態
    で前記実目標走行駆動力を求め、 前記目標走行駆動力が前記設定値以下であり、且つ、車
    両の実際の走行方向が前記指示されている進行方向とは
    反対方向であれば、前記実目標走行駆動力の単位時間当
    たりの変化量を、前記小駆動力用の規制値よりも大きい
    値として設定された緊急用の規制値以下に規制する形態
    で前記実目標走行駆動力を求めるように構成されている
    請求項1記載の自走車両の走行駆動制御装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段が、 前記走行駆動力調整処理において、 前記目標走行駆動力が前記設定値以下であり、且つ、車
    両の走行速度が設定車速未満であれば、前記実目標走行
    駆動力の単位時間当たりの変化量を、前記小駆動力用の
    規制値以下に規制する形態で前記実目標走行駆動力を求
    め、 前記目標走行駆動力が前記設定値以下であり、且つ、車
    両の走行速度が設定車速以上であれば、前記実目標走行
    駆動力の単位時間当たりの変化量を、前記小駆動力用の
    規制値よりも小さい値として設定された高速走行用の規
    制値以下に規制する形態で前記実目標走行駆動力を求め
    るように構成されている請求項1又は2記載の自走車両
    の走行駆動制御装置。
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