JP2002373686A - 燃料電池反応ガスの温度湿度調整装置及び温度湿度調整方法 - Google Patents

燃料電池反応ガスの温度湿度調整装置及び温度湿度調整方法

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JP2002373686A
JP2002373686A JP2001180181A JP2001180181A JP2002373686A JP 2002373686 A JP2002373686 A JP 2002373686A JP 2001180181 A JP2001180181 A JP 2001180181A JP 2001180181 A JP2001180181 A JP 2001180181A JP 2002373686 A JP2002373686 A JP 2002373686A
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humidity
temperature
pore diameter
layer
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Kenro Mitsuta
憲朗 光田
Hideo Maeda
秀雄 前田
Akihisa Yoshimura
晃久 吉村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は透水膜の全面にわたって温度・湿度
の交換が容易な温度湿度調整装置及び方法を提供するこ
とを目的とする。 【解決手段】 本発明は、燃料電池の供給ガスと出口ガ
スとの間で熱交換・湿度交換を行なう装置であって、
(1)高湿度ガス通路部と低湿度ガス通路部とが、気孔
径が異なる2層を表面層とする多層多孔質膜で隔てら
れ、(2)多層多孔質膜の気孔径の大きな層の表面を、
高湿度ガス通路部側に配置し、(3)多層多孔質膜の気
孔径の小さな層の表面を、低湿度ガス通路部側に配置す
る、燃料電池の反応ガスの温度湿度調整装置及び該装置
を使用する温度湿度調整方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体高分子形燃料
電池、リン酸形燃料電池、メタノール直接型燃料電池、
ジメチルエーテル直接型燃料電池、アルカリ形燃料電池
などの燃料電池に関し、特に反応ガスの温度と湿度を調
整する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】燃料電池では、燃料として純水素もしく
は、天然ガス、プロパン、ブタン、メタノールやジメチ
ルエーテルを改質器で改質して、水素を主成分とし二酸
化炭素などのガスを含む改質燃料ガスが燃料電極に供給
される。一方、酸化剤ガスとしては空気、純酸素もしく
は酸素濃度を高めた空気が酸化剤電極に供給される。燃
料電極および酸化剤電極では、水素と酸素の反応によっ
て水が生成する。従って、電解質は下流側で湿潤にな
り、反応ガスに水分が添加されて排出させる。燃料ガス
側と酸化剤ガス側に排出させる水分の比率は、反応によ
って生成水が燃料電極と酸化剤電極のどちらに生成する
かによってではなく、燃料ガスと酸化剤ガスの流量の比
率によって決まる。すなわち、燃料ガスおよび酸化剤ガ
スによって水分が持ち去られる。
【0003】供給する反応ガスが乾燥している場合、反
応ガスの入口付近の電解質は乾燥してしまう。このこと
は、固体高分子電解質、りん酸、硫酸、KOHなどの電
解質の種類によらず同じことである。酸化剤ガスおよび
純水素の場合は、供給反応ガスが乾燥しているので加湿
して供給する必要がある。また、燃料電池は室温よりも
高い温度で反応するので、反応ガスの出口温度は、反応
ガスの入口温度よりも高くなり、反応ガスによって燃料
電池を冷却することになる。しかし、燃料電池の長所の
1つは排熱利用であり、反応ガスによって燃料電池の排
熱が持ち去られてしまうと、冷却水の温度を充分に高め
ることができず、排熱の有効利用が困難になる。そこ
で、反応ガスの入口と出口での熱交換が行われる。ただ
し、改質燃料ガスの場合は、水蒸気を用いて改質されて
いるので、水分を過剰にふくみ、しかも改質器を出た改
質燃料ガスの温度も高いので、温度を下げて、過剰の水
分を除去して燃料電極に供給する必要がある。そうでな
ければ、燃料電極への入口付近の電解質が過剰に濡れて
しまったり、電解質の濃度が薄まってしまう。燃料電池
では、電解質の種類によらず、燃料電池を動作させるの
に望ましい電解質の濃度には上限と下限が存在する。そ
の範囲を保つために、反応ガスの温度と湿度の調節が行
われている。このような状況は、電解質が高分子の中に
取り込まれている固体高分子形燃料電池においても全く
同じで、硫酸形燃料電池やりん酸形燃料電池に似てい
る。ただし、固体高分子電解質に含むべき水分の下限値
が高いので、他の燃料電池に比べると反応ガスの湿度を
やや高めに保つ必要がある。
【0004】従来の燃料電池では、特に酸化剤ガスの温
度湿度の調整が重要視されている。それは、燃料ガスに
比べて圧倒的に流量が多く、持ち去られる熱や水分が燃
料ガス側に比べて圧倒的に多いからである。従来の燃料
電池で、酸化剤ガスの供給ガスと排出ガスとの間の、温
度と湿度の交換をさせるための装置として用いられてい
たものとして、代表的なものは、特公昭63−1830
4号公報に記載されている。
【0005】図7は、特公昭63−18304号公報に
記載されている温度・湿度交換器および燃料電池発電シ
ステムの模式図である。本発明の実施例においても、基
本的には図7と同じ構成になっている。図において、1
01は温度・湿度交換器、10は燃料電池スタック、1
1は電解質層、12は酸化剤電極、13は燃料電極、1
4は酸化剤ガス流路、15は燃料ガス流路、21は燃料
電池スタックに供給される酸化剤ガスの流れ、22は燃
料電池スタックから排出された酸化剤ガスの流れであ
る。なお、燃料電池は通常、数十ないし数百の単セルを
積層して用いられるが、図7では簡単のために単セルの
構成を示している。燃料電池から排出された酸化剤ガス
22は、温度・湿度交換器101を通って排出され、熱
と水分を温度・湿度交換器101に伝達する。燃料電池
に供給される酸化剤ガス21は、温度・湿度交換器10
1を通って、熱と水分を受け取った後、燃料電池スタッ
ク10に供給される。従って、酸化剤ガス入口付近の電
解質層11には、充分な量の水分が与えられるので、乾
燥によるイオン伝導抵抗の増加を軽減することができ
る。
【0006】図8は、特公昭63−18304号公報に
記載されているような温度・湿度交換器の構成を示す断
面模式図である。また、図9は平面模式図である。さら
に図10は、透水膜近傍の断面拡大模式図である。これ
らの図において、6は水分の多い領域、31は温度・湿
度交換器に入る酸化剤出口ガス、32は温度・湿度交換
器を出る酸化剤出口ガス、41は温度・湿度交換器に入
る酸化剤供給ガス、42と43は温度・湿度交換器を出
る酸化剤供給ガス、102は透水膜、103は酸化剤出
口ガスの通路部、104は酸化剤ガス供給ガスの通路部
である。なお、図10で黒い矢印は、水分の移動を示し
ている。
【0007】図8の装置は、吸湿性のある紙と折り曲げ
た厚紙を交互に並べて構成されており、吸湿性のある紙
は透水膜102として機能し、山谷折りされた厚紙は、
酸化剤出口ガスの通路部103および、酸化剤供給ガス
の通路部104の空間を形成する。山谷折りされた厚紙
は交互に直交する向きに並べられており、側面から酸化
剤供給ガスと酸化剤出口ガスが透水膜102を介して直
交して流れるように構成されている。透水膜と山谷折り
された厚紙の積層数は、酸化剤ガスの流量や加湿必要量
に応じて増減される。図8の正面に見える側面は、酸化
剤供給ガスの通路部104の出口側に相当する。酸化剤
出口ガスは図8の左から右に山谷折りされた厚紙部分を
通って酸化剤出口ガスの通路部103を移動する。その
際に、厚紙部分の上下の透水膜102に熱と水分が吸収
される。透水膜102に吸収された熱と水分は、透水膜
102を透過して酸化剤供給ガスの通路部104を通っ
てきた酸化剤供給ガスに付加される。透水膜102は、
通気性があると、酸化剤供給ガスと燃料電池スタックで
酸素の消費された酸化剤出口ガスの酸素分圧の差から、
酸素が酸化剤供給ガス側から酸化剤出口ガス側へ拡散し
てしまい、燃料電池スタックに供給される酸化剤ガス中
の酸素濃度が下がってしまう。従って、透水膜として通
気性がなく、気孔径の小さなものが用いられている。
【0008】しかし、気孔径の小さなものは水の移動速
度が極めて遅く、水分が溜まる場所6は、酸化剤出口ガ
スの通路部103の入口近傍に限られてしまい、酸化剤
出口ガスの通路部103の入口近傍を通った酸化剤供給
ガス42は充分に加湿されるものの、中央付近や出口近
傍を通った酸化剤供給ガス43はほとんど加湿すること
ができなかった。そこで、従来の温度・湿度交換器10
1は、面積の小さな透水膜を多数積層して構成する必要
があり、低コスト化が困難であった。また、面積を小さ
く構成しても、出口近傍を通る酸化剤供給ガス43を加
湿することは困難であり、加湿されない酸化剤供給ガス
が混合されていた。このような不具合を防ぐには、2種
類のガスを平行に流すコフロー構造やカウンターフロー
構造が望ましいが、同じ側面を用いて2種類のガスを振
り分けて流す必要があり、4つの側面を用いることので
きるクロスフロー構造に比べて構造が極めて複雑になる
ために採用されず、透水膜の面積を小さくして積層数を
多くしたものが固体高分子形燃料電池やりん酸形燃料電
池などの温度湿度調整装置として用いられていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の燃料電池反応ガ
スの温度湿度調整装置は以上のように構成されているの
で、温度・湿度の交換が容易な領域が限られており、面
積の小さな透水膜を多数積層して構成する必要があって
低コスト化が困難であるなどの問題があった。
【0010】本発明は、上記のような課題を解決するた
めになされたものであり、透水膜の全面にわたって温度
・湿度の交換が容易な温度湿度調整装置及び方法を提供
することを目的とする。さらに、温度湿度調整装置を用
いて反応ガス中に含まれる埃や不純物を除去することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、燃料
電池の供給ガスと出口ガスとの間で熱交換・湿度交換を
行なう装置であって、(1)高湿度ガス通路部と低湿度
ガス通路部とが、気孔径が異なる2層を表面層とする多
層多孔質膜で隔てられ、(2)多層多孔質膜の気孔径の
大きな層の表面を、高湿度ガス通路部側に配置し、
(3)多層多孔質膜の気孔径の小さな層の表面を、低湿
度ガス通路部側に配置する、燃料電池の反応ガスの温度
湿度調整装置である。
【0012】また本発明は、燃料電池への反応ガスの温
度湿度の調整方法であって、(1)燃料電池の供給ガス
と出口ガスとを、気孔径が異なる2層を表面層とする多
層多孔質膜で隔て、(2)供給ガスと出口ガスのうち湿
度の高いガスを、多層多孔質膜の気孔径の大きな層の表
面に接触させ、(3)供給ガスと出口ガスのうち湿度の
低いガスを、多層多孔質膜の気孔径の小さな層の表面に
接触させ、多層多孔質膜を介して、出口ガスと供給ガス
との間で熱交換、湿度交換を行なうことを特徴とする燃
料電池への反応ガスの温度湿度調整方法である。
【0013】1.温度湿度調整装置 (高湿度ガス通路部、低湿度ガス通路部)本発明におい
て、高湿度ガス通路部とは、燃料電池の供給ガス、出口
ガスのうち、湿度の高いほうのガスが通る流路のことを
いう。同様に、低湿度ガス通路部とは、燃料電池の供給
ガス、出口ガスのうち、湿度の低いほうのガスが通る流
路のことをいう。高湿度ガス通路部、低湿度ガス通路部
は、例えば図8に示す温度湿度交換器の103又は10
4に対応する。
【0014】(多層多孔質膜)本発明において、多層多
孔質膜とは、例えば図1〜3に示す構造を有する膜であ
る。好ましくは、気孔径の大きな透水膜及び気孔径の小
さな透水膜により構成される多層膜である。気孔径の大
きな層の平均気孔径は、好ましくは5〜50μm、気孔
径の小さな層の平均気孔径は好ましくは0.1〜5μm
である。
【0015】透水膜として和紙、コピー紙、ポリプロピ
レン不織布、ポリプロピレン多孔質膜、ポリチレン不織
布、ポリエチレン多孔質膜、ポリスチレン不織布、天然
パルプ紙、綿布、綿不織布、布、フェルト、カーボン不
織布、カーボンクロス、カーボンペーパーなどを用いる
ことができ、これらを組み合わせたものであってもよ
い。さらに、多層多孔質膜は、気孔径の大きな層の平均
気孔径を、気孔径の小さな層の平均気孔径の2倍以上と
したものが好ましく、2〜5倍の範囲のものが更に好ま
しい。平均気孔径の差を2倍以上とすることで、ポア吸
引力の差異が高められ、気孔径の大きな面から気孔径の
小さな面にすみやかに水分が伝達される。膜は、2層、
3層、4層の膜が用いられ、最も外側の気孔径の差異
が、上述のようになることが好ましい。
【0016】また、本発明に使用する多層多孔質膜は、
気孔径の大きな層の表面に撥水処理を施したものが好ま
しい。撥水処理には、ポリテトラフルオロエチレン(P
TFE)、フルオロエチレンポリマー(FEP)、パー
フルオロアルキル(PFA)、シリコーン等の懸濁液を
膜に含浸させ熱処理を行なう方法がある。撥水処理によ
ってポア吸引力が弱まり、気孔径の大きな面から気孔径
の小さな面にすみやかに水分が伝達される。
【0017】さらに、本発明に使用する多層多孔質膜
は、気孔径の小さな面に親水処理が施したものが好まし
い。親水処理は、例えば、ポリビニルアルコール、高分
子吸収剤等を膜にコーティングすることにより行なうこ
とができる。親水処理によってポア吸引力が高まり、気
孔径の大きな面から気孔径の小さな面にすみやかに水分
が伝達される。
【0018】また、本発明に使用する多層多孔質膜は、
気孔径の小さな層にアルカリ性の物質を含有させたもの
が好ましい。アルカリ性の物質には、炭酸カリウム、塩
化カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等があ
る。アルカリ性の物質は、NOxやSOxなどの酸性物
質を中和して保持する。
【0019】さらに、本発明に使用する多層多孔質膜
は、気孔径の小さな層に、糊、ポリビニルアルコール
(PVA)のような粘着性の物質を含有させたものが好
ましい。粘着性の物質は、酸化剤ガス中の埃を吸着す
る。
【0020】また、本発明に使用する多層多孔質膜は、
気孔径の大きな層に、酸化亜鉛、水酸化カリウム、水酸
化ナトリウムのような、イオウ化合物を吸着する物質が
含ませたものが好ましい。イオウ化合物を吸着する物質
は、改質ガスに残存するイオウ化合物を吸着除去する。
【0021】さらに、本発明においては、供給ガス通路
部におけるガスの流れ方向と、出口ガス通路部における
ガスの流れ方向とが、多層多孔質膜を隔てて直交するこ
とが好ましい。
【0022】2.温度湿度調整方法 (湿度の高いガス、湿度の低いガス)本発明において
は、湿度の高いガスを、多層多孔質膜の気孔径の大きな
層の表面に接触せしめ、湿度の低いガスを気孔径の小さ
な表面を接触せしめる。ここで、湿度の高いガスには、
燃料電池の酸化剤出口ガス、純水素循環ガス、改質燃料
供給ガス等がある。湿度の低いガスには、燃料電池の酸
化剤供給ガス、純水素供給ガス、改質燃料出口ガス等が
ある。本発明の温度湿度調整方法は、本発明の温度湿度
調整装置を用いておこない、燃料電池の反応ガス間で熱
交換及び湿度交換を行なうものである。
【0023】酸化剤供給ガスについての温度湿度調整方
法は、気孔径が異なる2層を表面層とする多層多孔質膜
を用い、気孔径の大きな層の表面に酸化剤出口ガスを、
気孔径の小さな層の表面面に酸化剤供給ガスを供給し
て、酸化剤出口ガスに含まれる水分を酸化剤供給ガスに
移動させて温度および湿度を高めるとともに、酸化剤供
給ガスに含まれる埃や酸化剤電極に悪影響を与え得る不
純物を気孔径の小さな層の表面に付着させるように構成
したものである。気孔径の大きな層は水分を速やかに全
面に広げ、気孔径の小さな層は、裏面の気孔径の大きな
層の水分をポア吸引力によって吸い取って水分を保持す
る。
【0024】また、純水素供給ガスについての温度湿度
調整方法は、気孔径の異なる2層を表面層とする多層多
孔質膜を用い、気孔径の大きな層の表面に純水素循環ガ
スを流し、気孔径の小さな層の表面に純水素供給ガスを
流し、純水素循環ガスに含まれる水分を純水素供給ガス
に移動させて温度湿度を高めるように構成したものであ
る。気孔径の大きな層は水分を速やかに全面に広げ、気
孔径の小さな層は、裏面の気孔径の大きな層の水分をポ
ア吸引力によって吸い取って水分を保持する。
【0025】また、改質燃料供給ガスについての温度湿
度調整方法は、気孔径の異なる2層を表面層とする多層
多孔質膜を用い、気孔径の大きな層の表面に改質燃料供
給ガスを流し、気孔径の小さな層の表面に改質燃料出口
ガスを流して、改質燃料供給ガスに含まれる水分を改質
燃料出口ガスに移動させて改質燃料供給ガスに過剰に含
まれる湿度と温度を下げるとともに、改質燃料供給ガス
に含まれる燃料電極に悪影響を与え得る不純物を付着さ
せるように構成したものである。気孔径の大きな層は水
分を速やかに全面に広げ、気孔径の小さな層は、裏面の
気孔径の大きな層の水分をポア吸引力によって吸い取っ
て水分を保持する。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
ついて説明する。 実施の形態1.図1および図2は本発明の実施の形態1
に係る気孔径の異なる2層を表面層とする多層多孔質膜
の断面拡大模式図と平面模式図である。本発明の実施の
形態1に係る燃料電池反応ガスの温度湿度調整装置と燃
料電池システムについては、従来例の図7と図8と同じ
であり、ここでは省略する。図において、2は気孔径の
異なる2層を表面層とする多層多孔質膜、3は気孔径の
大きな透水膜、4は気孔径の小さな透水膜、5は埃、7
は気孔径の大きな透水膜を移動する水分である。
【0027】気孔径の大きな透水膜としては、厚さ10
0μmの和紙を用い、気孔径の小さな透水膜としては、
厚さ100μmのコピー用紙を用いた。水銀圧入法や走
査型電子顕微鏡を用いて平均気孔径を調べたところ、厚
さ100μmの和紙の平均気孔径は80μm、厚さ10
0μmのコピー用紙の平均気孔径は30μmと2倍以上
異なることがわかった。
【0028】透水膜の大きさは200mm×200mm
で、従来例と同様に、透水膜6枚を特殊クラフト紙の間
隔板7枚と交互に重ね、4つの側面に給排気口を設け
て、表裏で気孔径の異なる多層多孔質膜を用いた燃料電
池反応ガスの温度湿度調整装置を構成した。これとは別
に、気孔径の小さな透水膜を2枚張り合わせたもの6枚
と特殊クラフト紙の間隔板7枚とを交互に重ねた従来例
1タイプの温度湿度調整装置と、気孔径の大きな透水膜
を2枚張り合わせたもの6枚と特殊クラフト紙の間隔板
7枚とを交互に重ねた従来例2タイプの温度湿度調整装
置とを、同様に構成した。
【0029】酸素10%、窒素90%の混合ガスを温度
を80℃に保たれたガスバブラーに通して温度80℃で
湿度90%に調整して酸化剤出口模擬ガスとし、一方温
度20〜25℃で湿度10%の空気を酸化剤供給模擬ガ
スとして、これらの模擬ガスを実施の形態1、従来例1
および従来例2の温度湿度調整装置に流量をそれぞれ一
定に保って供給し、温度湿度調整装置の出口ガスの温度
と湿度を、温湿度計、酸素濃度を酸素濃度計を用いて調
べた。
【0030】実施の形態1では、酸化剤供給模擬ガスの
温度湿度調整装置を出た後のガスは、温度60℃、相対
湿度90%、酸素濃度21%であったのに対して、従来
例1では、温度60℃、相対湿度78%、酸素濃度21
%、従来例2では、温度60℃、相対湿度86%、酸素
濃度18%になった。
【0031】試験後、実施の形態1、従来例1および従
来例2の温度湿度調整装置を分解して、気孔径の異なる
多層多孔質膜2および透水膜102の水分を調べたとこ
ろ、実施の形態1では、図2に示すように、ほぼ全面に
わたって湿っていたのに対して、気孔径の小さな従来例
1では、酸化剤出口模擬ガスの入口から中央にかけての
領域だけが湿っており、中央から出口にかけての領域は
乾燥していた。また、気孔径の大きな従来例2では、全
面にわたって湿ってはいたものの、湿り気としては不充
分であった。
【0032】以上の結果から、気孔径の小さなもので構
成した透水膜では、湿り気を帯びる領域が前半部分に片
よっており、気孔径の大きなもので構成した透水膜で
は、気孔径が大きすぎて酸素が通りぬけてしまい酸化剤
供給ガスの酸素分圧が低下してしまう不具合が生じるこ
とが明らかである。
【0033】気孔内部に発生するポア吸引力ΔPは、気
孔半径raと接触角θを用いて次式:ΔP=2γCOS
θ/ra (式1)で表される。
【0034】接触角θが一定であれば、気孔径が小さく
なるほど、ポア吸引力ΔPが大きくなる。一方、経験則
から、水の浸透速度tは気孔径の2乗におよそ比例す
る。従って気孔径が2倍になれば、水の浸透速度は約4
倍になる。従来よりも4倍水の浸透速度が速ければ、透
水膜の面積を10以上拡大することが可能になる。従っ
て、気孔径で2倍の差は、水分を面内に分散させること
のできる透水膜の面積を10倍以上に拡大でき、面積の
大きな透水膜の使用を可能にする。
【0035】しかし、気孔径が大きくなると、通気性が
高くなり、酸素分圧の違いから、供給ガスから出口ガス
へ酸素が移動してしまい、酸素濃度の低下による燃料電
池の性能低下を引き起こしてしまう恐れがある。気孔径
の異なる実施の形態1の多層多孔質膜2は気孔径の大き
な透水膜の長所を生かし、短所を補うことができる。
【0036】さらに、実施の形態1の温度湿度調整装置
に埃(ハウスダスト)を混ぜて供給したところ、図1の
ように、多層多孔質膜2の気孔径の小さな面に全面にわ
たって付着していることを確認した。
【0037】実施の形態1において、気孔径の大きな面
にシリコーン系の撥水剤をスプレーした所、気孔径の小
さな面の湿潤に要する時間が短くなった。これは、式1
で気孔径の大きな面の接触角θが大きくなって、両者の
ポア吸引力の差異が大きくなったためである。
【0038】また、実施の形態1において、気孔径の小
さな面にポリエチレングリコールの溶液を塗布し乾燥し
て親水性を高めた所、気孔径の小さな面の湿潤に要する
時間が短くなった。これは、式1で気孔径の小さな面の
接触角θがより小さくなって、両者のポア吸引力の差異
が大きくなったためである。
【0039】また、実施の形態1において、気孔径の小
さな面にスプレー糊を塗布して粘着性を増したところ、
埃のトラップ率が格段に向上した。
【0040】実施の形態2.図3は本発明の実施の形態
2に係る、気孔径の異なる2層を表面層とする多層多孔
質膜の断面拡大模式図である。実施の形態2では、気孔
径の異なる2層を表面層とする多層多孔質膜としては実
施の形態1と同じものを用いたが、気孔径の小さな表面
4に、0.1Nの水酸化カリウム水溶液を塗布し乾燥さ
せた。また、酸化剤供給模擬ガスに100ppmのNO
と50ppmのSOxを混合したものを用いた。6時間
供給を継続した後、気孔径の小さな面のNOxとSOx
を分析したところ、大量に検出された。酸性化合物であ
るNOとSOxがアルカリ性の水酸化カリウムに中和さ
れて硝酸カリウムや硫酸カリウムとなってトラップされ
ていることが明らかである。NOxやSOxは、あらゆ
る種類の燃料電池を不可逆的に劣化させることが知られ
ている。一方、空気中には、自動車の排気ガスなどから
NOxやSOxが微量含まれており、これらの物質によ
る劣化が懸念されていた。多層多孔質膜によるこれら不
純物のトラップは燃料電池の寿命を延ばす効果を与え
る。
【0041】実施の形態3.図4は本発明の実施の形態
3に係る純水素を燃料ガスとし、水素循環経路を備えた
燃料電池システムのフロー図である。23は水素高圧ボ
ンベ、水素吸蔵合金、液体水素などの純水素貯蔵設備か
らの純水素供給ガス、24は純水素循環ガス、25はパ
ージ配管、26は純水素循環ループ、71は純水素循環
ポンプ、72はパージ用電磁弁である。通常、燃料電極
への純水素供給ガスの20%程度が純水素循環ポンプに
よって再循環される。循環ループには窒素などの不活性
ガスがたまってくるので、2分おきなどのタイミングで
短時間パージ用電磁弁が開けられ、バージ配管に窒素な
どの不活性ガスを含む純水素が排出される。温度湿度調
整装置1では、純水素供給ガスと純水素循環ガスとを、
気孔径の異なる2層を表面層とする多層多孔質膜を介し
て対峙させており、気孔径の大きな層の表面を純水素循
環ガスに対峙させるとともに、気孔径の小さな層の表面
を純水素供給ガスに対峙させ、純水素循環ガスに含まれ
る水分を多層多孔質膜を介して純水素供給ガスに移動さ
せて純水素供給ガスの温度湿度を高めるように構成して
いる。実施の形態1に用いた表裏で気孔径の異なる多層
多孔質膜を用いて、室温で湿度10%以下の純水素と8
0℃で湿度90%の純水素を用いて、従来の透水膜との
差異を調べ、実施の形態3においても、実施の形態1の
場合と同様に高い加湿効果を確認できた。
【0042】実施の形態4.図5は、本発明の実施の形
態4に係る、改質ガスを燃料ガスとした燃料電池システ
ムのフロー図である。27は改質ガスの供給配管、28
は改質ガスの出口配管である。
【0043】図6は、本発明の実施の形態4に係る、気
孔径の異なる2層を表面層とする多層多孔質膜の断面拡
大模式図である。図において、51と52は、改質ガス
の燃料電池スタックへの供給ガス、53は改質ガスの燃
料電池スタックからの排出ガスである。
【0044】実施の形態1から3と、実施の形態4が大
きく異なる点は、燃料電池に供給される改質燃料供給ガ
スを、気孔径の大きな層の表面3に配置し、燃料電池か
ら排出される改質燃料出口ガスを気孔径の小さな層の表
面4に配置している点である。改質器では、メタン、ブ
タン、プロパンの水蒸気改質の場合で700℃程度、ガ
ソリンの改質の場合で800℃程度、メタノールの水蒸
気改質の場合で250℃程度、ジメチルエーテルの水蒸
気改質の場合で300℃程度の改質温度が用いられてお
り、これらの改質温度はいずれの場合も固体高分子形燃
料電池(室温〜100℃)、りん酸形燃料電池(80℃
〜200℃)などの燃料電池スタックの運転温度よりも
高く、しかも水蒸気で改質するために、多量の水蒸気を
含んでいる。従って、燃料電池スタックに供給する前に
温度を下げ、余分な水分を取り除く必要がある。この状
況は、酸化剤ガスや純水素のように、燃料電池スタック
の運転温度よりも低く、湿度も低いのとは正反対であ
る。一方、燃料電池スタックから排出される改質出口ガ
スは通常改質器のバーナー燃焼用の燃料として用いら
れ、最終的には冷却されてコジェネレーションのための
熱回収と改質器に供給するための水の回収が図られる。
従って、バーナー燃焼用の燃料としては高温ほど望まし
く、水の回収のためには水分が多い方が望ましい。
【0045】改質燃料供給ガスの熱と水分は、気孔径の
大きな層に吸収され、速やかに全面に広がって、ポア吸
引力によって裏面の気孔径の小さな層に達し、そこで改
質出口ガスに熱と水分が付加される。一方、改質燃料供
給ガスは、温度と余分な水分を取り除かれた後、燃料電
池スタックに供給され、水素が消費されて水素濃度が低
くなった改質燃料出口ガスは、温度湿度調整装置を通っ
て熱と水分が加えられ、改質用燃料として燃やされた
後、水分が回収される。従って、燃料電池に余分な水分
や熱が加えられることなく、改質器の熱効率を上げるこ
とができる。
【0046】実施の形態1と同様に、実施の形態4の構
成の温度湿度調整装置を用意し、水素75%、二酸化炭
素25%(ドライベース)の混合ガスを、温度を90℃
に保たれたガスバブラーに通して、温度90℃で湿度9
0%に調整して改質燃料供給模擬ガスとし、一方水素2
5%、二酸化炭素75%(ドライベース)の混合ガスを
温度を80℃に保たれたガスバブラーに通して温度80
℃で湿度90%に調整して改質燃料出口模擬ガスとし
て、これらの模擬ガスを実施の形態4の温度湿度調整装
置に流量を一定に保って供給し、温度湿度調整装置の出
口ガスの温度と湿度を、温湿度計、水素濃度を水素セン
サーを用いて調べた。その結果、改質燃料供給模擬ガス
の温度湿度調整装置を出た後のガスは、温度80℃、相
対湿度90%、水素濃度75%(ドライベース)であ
り、そのまま燃料電池スタックに供給可能な温度と湿度
に保たれていた。
【0047】さらに、気孔径の大きな面に、酸化亜鉛の
粉末をイオウ化合物の吸着剤として添加したところ、脱
硫器や改質器をスリップしてきたイオウ化合物がトラッ
プさていることが分解後の分析で明らかになった。
【0048】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成されている
ので、以下に記載されるような効果を奏する。本発明の
温度湿度調整装置は、多層多孔質膜の気孔径の大きな層
の表面を、高湿度ガス通路部側に配置し、多層多孔質膜
の気孔径の小さな層の表面を、低湿度ガス通路部側に配
置してあるので、湿度の高いガスからの水分が、気孔径
の大きな層の全体に速やかに広がり、気孔径の小さな層
では気孔径の大きな層の水分をポア吸引力によって吸い
取り、湿度の小さいガスが速やかに加湿される効果が得
られる。
【0049】さらに、本発明において、気孔径の大きな
層の平均気孔径を、気孔径の小さな層の平均気孔径の2
倍以上とした多層多孔質膜を用いると、ポア吸引力の差
異が高められ、気孔径の大きな層から気孔径の小さな層
へすみやかに水分が伝達される効果がある。
【0050】また、本発明において、多層多孔質膜の気
孔径の大きな層の表面に撥水処理を施すと、撥水処理に
よってポア吸引力が弱まり、気孔径の大きな層から気孔
径の小さな層にすみやかに水分が伝達される効果が得ら
れる。
【0051】さらに、本発明において、多層多孔質膜の
気孔径の小さな層の表面に親水処理を施すと、親水処理
によってポア吸引力が高まり、気孔径の大きな層から気
孔径の小さな層にすみやかに水分が伝達される効果が得
られる。
【0052】また、本発明において、多層多孔質膜の気
孔径の小さな層にアルカリ性の物質を含有させると、ア
ルカリ性の物質によって、NOxやSOxなどの酸性物
質を中和して除去し、燃料電池スタックに達しないよう
にすることができ、燃料電池スタックの寿命を延ばす効
果が得られる。
【0053】さらに、本発明において多層多孔質膜の気
孔径の小さな層に粘着性の物質を含有させると、粘着性
の物質によって酸化剤ガス中の埃が吸着除去され、燃料
電池スタックの酸化剤ガス流路の埃詰まりによる流路閉
塞などの不具合を防止できる効果が得られる。
【0054】また、本発明において、多層多孔質膜の気
孔径の大きな層にイオウ化合物を吸着する物質を含有さ
せると、改質ガスに残存するイオウ化合物が吸着除去さ
れ、燃料電池スタックのイオウ被毒を免れて、燃料電池
スタックの寿命を延ばす効果が得られる。
【0055】さらに、本発明の燃料電池反応ガスの温度
湿度調整装置において、多層多孔質膜に供給される反応
ガスを、表裏で直交させると、流路を平行に構成するコ
フロー構造やカウンターフロー構造に比べて4つの側面
を2種類のガス種の入口と出口に用いることが可能とな
り、ガスシールが容易で構造が簡単化できる効果が得ら
れる。
【0056】本発明の温度湿度調整方法によれは、供給
ガスと出口ガスのうち湿度の高いガスを、多層多孔質膜
の気孔径の大きな層の表面に接触させ、供給ガスと出口
ガスのうち湿度の低いガスを、多層多孔質膜の気孔径の
小さな層の表面に接触させ、多層多孔質膜を介して、出
口ガスと供給ガスとの間で熱交換、湿度交換を行なうの
で、湿度の高いガスからの水分が、気孔径の大きな層の
全体に速やかに広がり、気孔径の小さな層では気孔径の
大きな層の水分をポア吸引力によって吸い取り、湿度の
小さいガスが速やかに加湿される効果が得られる。
【0057】本発明の酸化剤供給ガスについての温度湿
度調整方法は、気孔径の異なる2層を表面層とする多層
多孔質膜を用い、気孔径の大きな層の表面に酸化剤出口
ガスを、気孔径の小さな層の表面に酸化剤供給ガスを供
給して、酸化剤出口ガスに含まれる水分を酸化剤供給ガ
スに移動させて温度および湿度を高めるとともに、酸化
剤供給ガスに含まれる埃や酸化剤電極に悪影響を与え得
る不純物を気孔径の小さな面に付着されるように構成し
たので、酸化剤出口ガスに含まれる水分が速やかに全面
に広がり、気孔径の小さな層では、裏面の気孔径の大き
な層の水分をポア吸引力によって吸い取って水分を保持
し、酸化剤供給ガスに速やかに添加する効果がある。従
って、透水膜の面積を大きくすることができ、透水膜の
積層数を少なくできるので部品点数が少なくなり構造が
簡単化して低コスト化できる効果が得られる。また、湿
潤に保たれた気孔径の小さな層の表面に酸化剤供給ガス
に含まれる埃や酸化剤電極に悪影響を与え得る不純物が
トラップされるので、燃料電池スタックの寿命を延ばす
効果が得られる。
【0058】また、本発明の純水素供給ガスについての
温度湿度調整方法は、気孔径の異なる2層を表面層とす
る多層多孔質膜を用い、気孔径の大きな層の表面に純水
素循環ガスを流し、気孔径の小さな層の表面に純水素供
給ガスを流し、純水素循環ガスに含まれる水分を純水素
供給ガスに移動させて温度湿度を高めるように構成した
ので、気孔径の大きな層で水分が速やかに全体に広が
り、気孔径の小さな層では、裏面の気孔径の大きな層の
水分をポア吸引力によって吸い取って水分を保持し、純
水素供給ガスが速やかに加湿される効果が得られる。従
って、透水膜の面積を大きくすることができ、透水膜の
積層数を少なくできるので部品点数が少なくなり構造が
簡単化して低コスト化できる効果が得られる。
【0059】また、本発明の改質燃料供給ガスについて
の温度湿度調整方法は、気孔径の異なる2層を表面層と
する多層多孔質膜を用い、気孔径の大きな層の表面に改
質燃料供給ガスを流し、気孔径の小さな層の表面に改質
燃料出口ガスを流して、改質燃料供給ガスに含まれる水
分を、改質燃料出口ガスに移動させて改質燃料供給ガス
に過剰に含まれる湿度と温度を下げるとともに、改質燃
料供給ガスに含まれる、燃料電極に悪影響を与え得る不
純物を付着させるように構成したので、気孔径の大きな
層では、改質燃料供給ガスの温度を下げるとともに、余
分な水分を除去してその水分を速やかに全面に広げ、気
孔径の小さな層から熱と水分を改質燃料出口ガスに放出
することで、燃料電池スタックに供給される改質燃料供
給ガスの温度と湿度を適度に保ちながら、改質燃料出口
ガスの温度と水分を高めて、改質熱効率と水分の回収率
を高める効果が得られる。従って、透水膜の面積を大き
くすることができ、透水膜の積層数を少なくできるので
部品点数が少なくなり構造が簡単化して低コスト化でき
る効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1における、気孔径が異
なる2層を表面層とする多層多孔質膜の断面拡大模式図
である。
【図2】 本発明の実施の形態1における、気孔径が異
なる2層を表面層とする多層多孔質膜の平面模式図であ
る。
【図3】 本発明の実施の形態2における、気孔径が異
なる2層を表面層とする多層多孔質膜の断面拡大模式図
である。
【図4】 本発明の実施の形態3を用いる、純水素を燃
料ガスとする燃料電池発電システムの模式図である。
【図5】 本発明の実施の形態4を用いる、改質ガスを
燃料ガスとする燃料電池発電システムの模式図である。
【図6】 本発明の実施の形態4における、気孔径が異
なる2層を表面層とする多層多孔質膜の断面拡大模式図
である。
【図7】 従来の温度・湿度交換器および燃料電池発電
システムの模式図である。
【図8】 従来の温度・湿度交換器の構成を示す断面模
式図である。
【図9】 図8の温度・湿度交換器の平面模式図であ
る。
【図10】 図8の温度・湿度交換器の透水膜近傍の断
面拡大模式図である。
【符号の説明】
1 温度湿度調整装置、2 気孔径が異なる2層を表面
層とする多層多孔質膜、3 気孔径の大きな透水膜、4
気孔径の小さな透水膜、5 埃、6 水分の多い領
域、7 気孔径の大きな透水膜を移動する水分、10
燃料電池スタック、11 電解質層、12 酸化剤電
極、13 燃料電極、14 酸化剤ガス流路、15 燃
料ガス流路、21 燃料電池スタックに供給される酸化
剤ガスの流れ、22 燃料電池スタックから排出された
酸化剤ガスの流れ、23 純水素供給ガス、24 純水
素循環ガス、25 パージ配管、26 純水素循環ルー
プ、27 改質ガスの供給配管、28 改質ガスの出口
配管、31 温度・湿度交換器に入る酸化剤出口ガス、
32 温度・湿度交換器を出る酸化剤出口ガス、41温
度・湿度交換器に入る酸化剤供給ガス、42(43)
温度・湿度交換器を出る酸化剤供給ガス、51(52)
改質ガスの燃料電池スタックへの供給ガス、53 改
質ガスの燃料電池スタックからの排出ガス、71 純水
素循環ポンプ、72 パージ用電磁弁、101 温度・
湿度交換器、102 透水膜、103酸化剤出口ガスの
通路部、104 酸化剤ガス供給ガスの通路部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 69/12 B01D 69/12 C01B 3/32 C01B 3/32 A 3/38 3/38 H01M 8/06 H01M 8/06 G 8/10 8/10 (72)発明者 吉村 晃久 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 4D006 GA41 HA73 JA02A MC05 MC11 MC22 MC23 MC24 NA60 NA61 PA01 PB19 PB65 PC80 4D052 AA02 EA01 FA01 4G040 EA02 EA03 EA06 EB01 EB31 5H026 AA06 CX05 5H027 AA02 BA01 BA08 BA19 BC19 MM04 MM09

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料電池の供給ガスと出口ガスとの間で
    熱交換・湿度交換を行なう装置であって、(1)高湿度
    ガス通路部と低湿度ガス通路部とが、気孔径が異なる2
    層を表面層とする多層多孔質膜で隔てられ、(2)多層
    多孔質膜の気孔径の大きな層の表面を、高湿度ガス通路
    部側に配置し、(3)多層多孔質膜の気孔径の小さな層
    の表面を、低湿度ガス通路部側に配置する、燃料電池の
    反応ガスの温度湿度調整装置。
  2. 【請求項2】 多層多孔質膜の気孔径の大きな層の平均
    気孔径が、気孔径の小さな層の平均気孔径の2倍以上で
    ある請求項1に記載の温度湿度調整装置。
  3. 【請求項3】 多層多孔質膜の気孔径の大きな層の表面
    に、撥水処理が施されている請求項1に記載の温度湿度
    調整装置。
  4. 【請求項4】 多層多孔質膜の気孔径の小さな層の表面
    に、親水処理が施されている請求項1に記載の温度湿度
    調整装置。
  5. 【請求項5】 多層多孔質膜の気孔径の小さな層に、ア
    ルカリ性の物質が含まれている請求項1に記載の温度湿
    度調整装置。
  6. 【請求項6】 多層多孔質膜の気孔径の小さな層に、粘
    着性の物質が含まれている請求項1に記載の温度湿度調
    整装置。
  7. 【請求項7】 多層多孔質膜の気孔径の大きな層に、イ
    オウ酸化物を吸着する物質が含まれている請求項1に記
    載の温度湿度調整装置。
  8. 【請求項8】 高湿度ガス通路部におけるガスの流れ方
    向と、低湿度ガス通路部におけるガスの流れ方向とが、
    多層多孔質膜を隔てて直交する請求項1に記載の温度湿
    度調整装置。
  9. 【請求項9】 燃料電池への反応ガスの温度湿度の調整
    方法であって、(1)燃料電池の供給ガスと出口ガスと
    を、気孔径が異なる2層を表面層とする多層多孔質膜で
    隔て、(2)供給ガスと出口ガスのうち湿度の高いガス
    を、多層多孔質膜の気孔径の大きな層の表面に接触さ
    せ、(3)供給ガスと出口ガスのうち湿度の低いガス
    を、多層多孔質膜の気孔径の小さな層の表面に接触さ
    せ、多層多孔質膜を介して、出口ガスと供給ガスとの間
    で熱交換、湿度交換を行なうことを特徴とする燃料電池
    への反応ガスの温度湿度調整方法。
  10. 【請求項10】 湿度の高いガスが、燃料電池の酸化剤
    出口ガスであり、湿度の低いガスが、燃料電池の酸化剤
    電極に供給される酸化剤供給ガスである請求項9記載の
    方法。
  11. 【請求項11】 湿度の高いガスが、純水素循環ガスで
    あり、湿度の低いガスが、燃料電池の燃料電極に供給さ
    れる純水素供給ガスである請求項9記載の方法。
  12. 【請求項12】 湿度の高いガスが、燃料電池の燃料電
    極に供給される、天然ガス、プロパン、ブタン、メタノ
    ール又はジメチルエーテルを改質器で改質した水素を主
    成分とする改質燃料供給ガスであり、湿度の低いガス
    が、改質燃料出口ガスである請求項9記載の方法。
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