JP2002373637A - 注液式電池 - Google Patents

注液式電池

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JP2002373637A JP2001354602A JP2001354602A JP2002373637A JP 2002373637 A JP2002373637 A JP 2002373637A JP 2001354602 A JP2001354602 A JP 2001354602A JP 2001354602 A JP2001354602 A JP 2001354602A JP 2002373637 A JP2002373637 A JP 2002373637A
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Tomoya Watanabe
朋也 渡邉
Mitsuhiro Nakanishi
光弘 中西
Keizo Oda
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単位セルの積層数が少ない注液式電池におい
て、電解液が迅速かつ均一に各単位セルに注入、分散
し、電圧立ち上がりの早い注液式電池を提供する。 【解決手段】 リング状極板とセパレータを積層した、
中央に空洞部を有する発電部を含む積層体、前記積層体
の中央部の内部空洞部に配置され電解液を封入したガラ
スアンプル、および前記ガラスアンプルの下部に設けら
れたガラスアンプル破壊機構を具備し、前記セパレータ
が、リング状の外周部のみ、またはリング状の外周部
と、外周部から中心方向に延びる複数個の突出部とから
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速旋回する投射
物体などの飛翔体に搭載するセンサなどの電源に用いら
れる注液式電池に関する。
【0002】
【従来の技術】注液式電池は、電解液を収容したガラス
アンプルを内蔵し、使用に際して前記アンプルを破壊す
ることにより電解液を極板室に供給することにより活性
化する。例えば、投射物体に搭載されるときには、その
発射に際して加えられる大きな加速度に起因する衝撃に
よって、ガラスアンプルが破壊される。そして、同時に
前記投射物が受ける回転運動によって遠心力が与えら
れ、電解液が電池内に流入して電池が活性化する。
【0003】この種の注液式電池の代表的な構造を図1
に示す。発電部1は、例えばニッケルメッキ鋼板の集電
体に二酸化鉛を被覆した中空円盤状の正極板、中空円盤
状のニッケルメッキ鋼板の集電体に鉛を被覆した中空円
盤状の負極板、および紙などを打ち抜いて作製したリン
グ状セパレータからなる単位セルを積層したものであ
る。発電部1上には、仕切板2を介して余剰液収容部3
および上部押え板4を設けることにより、積層体5が構
成されている。
【0004】余剰液収容部3は、発電部1において余っ
た過剰の電解液を吸収する役割を果たす。例えば過塩素
酸水溶液などを主成分とする電解液が封入されたガラス
アンプル6が、積層体5の中央部に位置する内部空洞部
7に収納されている。積層体5の外周側面には、ポル塩
化ビニル系接着剤などを塗布して形成した樹脂被覆層8
が設けられており、これらは鉄外装缶9内に収められて
いる。外装缶9には、これとは絶縁されて一対の出力端
子10が設けられている。
【0005】ここで、前記極板の形状を表す概略横断面
図を図2に示す。図2に示すように、極板14は中空円
盤状であり、注液口21と位置合せ部22とを有する。
図3は、従来のリング状セパレータの形状を表す概略横
断面図を示す。図3に示すように、従来のリング状セパ
レータ15は、円形の内空隙部25、内周セパレータ2
7、外空隙部24、外周セパレータ28、空隙通路26
および接続部29で構成されている。
【0006】そして、前記内空隙部25は、ガラスアン
プル6を収容し(図1参照)、前記内周セパレータ27
は、内空隙部25を取り囲み、接続部29を介して、外
周セパレータ28と一体化されている。外空隙部24
は、内周セパレータ27と外周セパレータ28との間に
形成され、空隙通路26は、内空隙部25と外空隙部2
4とを接続している。
【0007】このような従来の注液式電池においては、
発生電圧を増大させるために積層体5を構成する単位セ
ルの枚数を多く、各単位セルが直列に接続されている。
そして、電解液が各セパレータ15に均一に流入するよ
うに、電池の高さ方向、すなわちガラスアンプル6を収
容する内部空洞部7の全長にわたって、すべてのセパレ
ータ15に液入口となる空隙通路26が設けられてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の注液
式電池は、セパレータによる正・負極板間の隔離も確実
であり、20〜30Vと比較的高出力電圧を有するもの
であった。しかし、昨今は、10V程度以下と出力電圧
が低く、小型軽量であり、しかも瞬時に所望の出力電圧
を発生する立ち上がりの早い注液式電池が要望されるに
至った。このような小型タイプの注液式電池において
は、電解液の量を少なくし、また、積層する単位セルの
数も少なくなる。
【0009】この場合、上述のような従来の注液式電池
に用いられていたセパレータ15を用いると、液入口で
ある空隙通路26の幅が狭く、電解液が極板14の内周
面の端部に滞留し、このため各単位セルが液絡し、電圧
不良を引き起こすという問題があった。そこで、本発明
は、単位セルの積層数が少ない注液式電池であって、電
解液が迅速かつ均一に各単位セルに注入、分散しうる注
液式電池を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の注液式電池は、
リング状極板とセパレータを積層した、中央に空洞部を
有する発電部を含む積層体、前記積層体の空洞部に配置
され電解液を封入したガラスアンプル、および前記ガラ
スアンプルの下部に設けられたガラスアンプル破壊機構
を具備し、前記セパレータが、リング状の外周部と、前
記外周部から中心方向に延びる複数個の突出部とからな
ることを特徴とする。
【0011】前記セパレータの突出部は少なくとも3個
であるのが有効である。また、前記セパレータの外周部
の幅は、前記極板の幅の10〜50%であるのが有効で
ある。さらに、前記複数個の突出部の総面積が、前記極
板の前記セパレータと重ならない部分の面積の10〜2
0%であるのが有効である。
【0012】本発明は、リング状極板とセパレータを積
層した、中央に空洞部を有する発電部を含む積層体、前
記積層体の空洞部に配置され電解液を封入したガラスア
ンプル、および前記ガラスアンプルの下部に設けられた
ガラスアンプル破壊機構を具備する注液式電池であっ
て、前記セパレータが、前記極板の外周部に接するリン
グ状であり、その幅が、極板の幅の10〜50%である
注液式電池を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に係る注液式電池の構造
は、セパレータを除き、図1に示す従来の注液式電池の
構造と実質的に同一であり、リング状極板とセパレータ
とを積層した発電部1を含む積層体5、前記積層体5の
中央部の内部空洞部7に配置され電解液を封入したガラ
スアンプル6、および前記ガラスアンプル6の下部に設
けられたガラスアンプル破壊機構(図示せず。例えば突
起部)を具備する。
【0014】そして、本発明の最大の特徴は、前記セパ
レータの形状にある。ここで、図4に、本発明に係るセ
パレータ30の形状を表す横断面図を示す。図4に示す
ように、本発明おけるセパレータ30は、リング状の外
周部31と、外周部31から中心方向に延びる複数個の
突出部(リブ)32とからなる。
【0015】前記セパレータ30が有する突出部の数
は、セパレータ30によって隔てられる正極および負極
が短絡せず、かつ電解液の各単位セルへの均一な注入を
妨げない範囲であればよく、少なくとも3個であるのが
好ましい。セパレータをこのように構成すると、図4中
の矢印で示すように、極板内周のほぼ全面から電解液が
正極板と負極板の間へ流入し、速やかにセパレータの外
周部31に浸透していく。
【0016】セパレータの前記突出部32の内部方向へ
の長さについては、図4中の破線Xで示される部分が極
板の内周部の位置であり、ここまでの範囲であればよ
い。図5に示すように、極板の内周部に達しない短い突
出部32aでもよい。図4に示すように、極板の内周部
に到達する長さであるのが好ましい。
【0017】前記セパレータ30は、外周部31の幅
は、前記セパレータ30によって隔てられる電極の幅
(図2におけるp)の10〜50%であるのが好まし
い。これは、電解液が電極の表面に流入するための空隙
部分が必要であるという理由によるものである。さら
に、同様の理由により、各突出部32または32aの面
積の和が、前記極板14の前記セパレータ30と重なら
ない部分の面積の10〜20%であるのが好ましい。
【0018】図6は、前記の突出部32aの長さを極端
に短く、すなわち0にしたものである。このようなセパ
レータであっても、正・負極板間を隔離するセパレータ
の外周部31が積層体中の正・負極板が接触して短絡を
生じないように維持しうるに足る幅を有していればよ
い。そのような外周部31の幅は極板の幅の10〜60
%である。以下に、実施例を用いて本発明をより具体的
に説明するが、本発明は、これらのみに限定されるもの
ではない。
【0019】
【実施例】《実施例1》本実施例においては、図1に示
す構造を有する本発明に係る注液式電池を作製した。ま
ず、図4に示す構造を有する紙製のセパレータ30を作
製した。厚さが0.6mmで径が1.8cmのリング状
の外周部31の幅(q)を1.5mmとし、外周部31
から中心方向に延びる3個の突出部(リブ)32の長さ
(r)を2.5mmとした。
【0020】一方、厚さ0.01mmで径1.8cmの
電極の幅(図2におけるp)は、4.0mmとし、外周
部31の幅(q)がpの37.5%になるようにした。
このとき、3個の突出部32の面積の和は、極板14の
セパレータ30と重ならない部分の面積の15.2%で
あった。なお、負極は厚さ0.13mmのニッケルメッ
キ鋼板に鉛メッキを0.015mm施すことにより作製
し、正極は厚さ0.13mmのニッケルメッキ鋼板に酸
化鉛(PbO2)メッキを0.015mm施すことによ
り作製した。
【0021】つぎに、図7に示すように、セパレータ3
0、正極33、負極35およびこれらの極板と同様の形
状を有する厚さ0.13mmのニッケルメッキ鋼板34
を積層し、本発明に用いる単位セルとした。この単位セ
ルを7個積層し、さらに最下端に正極33、ニッケルメ
ッキ鋼板34および負極35を積層し、高さ約3.4m
mの発電部1を得た。
【0022】鉄外装缶9の内側にポリ塩化ビニル系接着
剤を塗布して樹脂被覆層8を形成し、その内部に発電部
1を設置し、上部にポリ塩化ビニル製の仕切板2、ニッ
ケルメッキ鋼板とセパレータからなる余剰液収容部3お
よびニッケルメッキ鋼板製の上部押え板4を配置して積
層体5とした。
【0023】ついで、発電部1の中央部の内部空洞部7
の底には突起部(図示せず)を設け、電解液を封入した
ガラスアンプル6を配置した。最後に、鉄外装缶9を密
封し、出力端子10を設けて本発明の注液式電池1を作
製した。
【0024】《実施例2》図5に示すように、外周部3
1の内側に、長さの短い突出部32aを有するセパレー
タを用いた他は、実施例1と同様にして注液式電池2を
作製した。3個の突出部32aの面積の和は、極板14
のセパレータ30と重ならない部分の面積の7.6%で
あった。 《実施例3》セパレータとして、図6に示すように、外
周部のみからなるセパレータを用いた他は、実施例1と
同様にして注液式電池3を作製した。 《比較例》セパレータとして図3に示すセパレータを用
いた他は、実施例1と同様にして比較用の注液式電池を
作製した。
【0025】[評価]上述のようにして得られた各注液
式電池の放電試験を行った。常温にて各注液式電池を1
0,000rpmまたは15,000rpmで回転さ
せ、ガラスアンプルを破壊して電解液を発電部に注入さ
せた。そして、電圧が所定電圧7Vまで上昇する立ち上
がり具合、および終止電圧までの電圧挙動を、電磁オシ
ログラフ(横河電機(株)製のフォトコーダー)を用い
て確認した。このときの負荷電流は200mA、終止電
圧は7V、各電池のサンプル数は5である。
【0026】そして、発電部に電解液が均一に行き渡ら
ず、電解液不足の単位セルがあり、所定電圧にまで電圧
が到達しなかった場合を「立ち上がり不良」とした。ま
た、単位セルの内周部においてセル同士の間隔が狭くな
り、そこに電解液が滞留して液絡現象を起こし、所望の
電圧が得られなかった場合を「電圧不良」とした。一
方、これらの不具合が無かった場合を「正常」とした。
表1に示す結果から、本発明の注液式電池が従来のもの
に比べて優れていることがわかる。なお、電解液の流入
性は、電池1<電池2<電池3の順によく、従って、こ
の順に電圧の立ち上がりが早い。一方、液絡発生率は、
電池3<電池2<電池1の順に高くなる。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、単位セ
ルの積層数が少ない注液式電池であって、電解液が迅速
かつ均一に各単位セルに注入、分散しうる注液式電池を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】注液式電池の要部を断面にした正面図である。
【図2】従来の注液式電池に用いられる極板の概略横断
面図である。
【図3】従来の注液式電池に用いられるセパレータの概
略横断面図である。
【図4】本発明の注液式電池に用いられるセパレータの
実施の形態を示す概略横断面図である。
【図5】セパレータの他の実施の形態を示す概略横断面
図である。
【図6】セパレータのさらに他の実施の形態を示す概略
横断面図である。
【図7】本発明の注液式電池における単位セルの概略縦
断面図である。
【符号の説明】
1 発電部 2 仕切板 3 余剰液収容部 4 上部押え板 5 積層体 6 ガラスアンプル 7 内部空洞部 8 樹脂被覆層 9 鉄外装缶 10 出力端子 14 極板 30 セパレータ 31 外周部 32、32a 突出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中西 光弘 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 小田 敬三 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5H021 AA01 CC09 HH00 HH01 HH03 HH04 5H023 AA07 AS07 BB05 CC12 5H025 AA17 CC11 KK05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リング状極板とセパレータを積層した、
    中央に空洞部を有する発電部を含む積層体、前記積層体
    の空洞部に配置され電解液を封入したガラスアンプル、
    および前記ガラスアンプルの下部に設けられたガラスア
    ンプル破壊機構を具備する注液式電池であって、 前記セパレータが、リング状の外周部と、前記外周部か
    ら中心方向に延びる複数個の突出部とからなることを特
    徴とする注液式電池。
  2. 【請求項2】 前記セパレータの突出部が少なくとも3
    個である請求項1記載の注液式電池。
  3. 【請求項3】 前記セパレータの外周部の幅が前記極板
    の幅の10〜50%である請求項1または2記載の注液
    式電池。
  4. 【請求項4】 前記各突出部の面積の和が、前記極板の
    前記セパレータと重ならない部分の面積の10〜20%
    である請求項1〜3のいずれかに記載の注液式電池。
  5. 【請求項5】 リング状極板とセパレータを積層した、
    中央に空洞部を有する発電部を含む積層体、前記積層体
    の空洞部に配置され電解液を封入したガラスアンプル、
    および前記ガラスアンプルの下部に設けられたガラスア
    ンプル破壊機構を具備する注液式電池であって、 前記セパレータが、前記極板の外周部に接するリング状
    であり、その幅が、極板の幅の10〜60%であること
    を特徴とする注液式電池。
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CN109494383A (zh) * 2018-10-18 2019-03-19 重庆长安工业(集团)有限责任公司 一体化快激活小型化学储备电池

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