JP2000268798A - 密閉形鉛蓄電池 - Google Patents

密閉形鉛蓄電池

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JP2000268798A JP11327024A JP32702499A JP2000268798A JP 2000268798 A JP2000268798 A JP 2000268798A JP 11327024 A JP11327024 A JP 11327024A JP 32702499 A JP32702499 A JP 32702499A JP 2000268798 A JP2000268798 A JP 2000268798A
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】第1の抄紙シートと第2の抄紙シートとが重
ねられてなるセパレータを、第1の抄紙シートが正極板
に当接され、第2の抄紙シートが負極板に当接されるよ
うに、正極板と負極板との間に配置する。そして、第1
の抄紙シートの孔径は第2の抄紙シートの孔径よりも大
きく、第1の抄紙シートの保液性は第2の抄紙シートの保
液性よりも大きくする。さらに、第1の抄紙シートは、
耐酸性を有する繊維を主体に抄造された、密度が0.1
3〜0.18g/cm3の抄紙シートとし、第2の抄紙シ
ートは、耐酸性を有する繊維が抄造され、密度が0.1
8〜0.23g/cm3の、シリカ粉体を含んだ抄紙シ
ートとする。 【効果】極間寸法を小さくすることが可能になり、例え
ば、薄型の極板を使用してセル内の極板枚数を増やすこ
とによって、同一外形サイズでリテーナ式の密閉形鉛蓄
電池を高出力化することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、密閉形鉛蓄電池に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の一般的なリテーナ式の密閉形鉛蓄
電池は、未化成の正極板と未化成の負極板とを、微細ガ
ラス繊維を主体に抄造された、0.13〜0.18g/
cm3の密度を有するマット状セパレータ(ガラスセパ
レータ)を介して交互に積み重ねたのち、同じ極性の極
板の耳部をバーニングやCOS(キャスト・オン・スト
ラップ)などの溶接で接続して極板群とし、これを電槽
に収納したのち、注液や排気用の開口部を有するフタを
熱板(ヒートミラー)による溶着もしくは接着剤で接着
し、この開口部から蓄電池内に希硫酸を注入後、水冷や
空冷して過度に蓄電池の温度が上昇するのを抑えながら
通電を行う方法、いわゆる電槽化成によって製造されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、電気自動車の電
源として広く使用されるようになったリテーナ式の密閉
形鉛蓄電池は、ガソリン自動車と同等以上の加速性能を
確保するためや電気自動車自体を軽量化するために、常
に高出力化が要求されている。
【0004】同一外形サイズの密閉形鉛蓄電池で高出力
化を図るためには、薄型の極板を使用して極板群、すな
わちセル内の極板枚数を増やさねばならないが、そうす
ると必然的に極間寸法が小さな値となってしまう。
【0005】このため、微細ガラス繊維を主体に抄造さ
れた、0.13〜0.18g/cm 3の密度を有するマ
ット状セパレータ(ガラスセパレータ)で両極板を隔離
する従来形のリテーナ式の密閉形鉛蓄電池では、たとえ
ば蓄電池を完全に放電し、電解液比重が低下した状態で
放置されると、負極板の鉛が電解液中に溶出し、隔離板
であるこのマット状セパレータ(ガラスセパレータ)の
細孔に沈着して、いわゆる鉛浸透を生じ、最終的には貫
通短絡に至ってしまう可能性が高くなるために、極間寸
法を小さくできず、経験的に1mm以上とする必要があ
った。
【0006】以上に鑑み、本発明は、極間寸法を小さく
することの可能な密閉形鉛蓄電池を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の密閉形鉛蓄電池
は、第1の抄紙シートと第2の抄紙シートとが重ねられて
なるセパレータが、第1の抄紙シートが正極板に当接さ
れ、第2の抄紙シートが負極板に当接されるように、正
極板と負極板との間に配置されてなる密閉形鉛蓄電池で
あって、第1の抄紙シートの孔径が第2の抄紙シートの孔
径よりも大きく、第1の抄紙シートの保液性が第2の抄紙
シートの保液性よりも大きいことを特徴とする。
【0008】本発明によれば、第2の抄紙シートにより
主として負極板からの鉛の沈着による貫通短絡の発生が
抑制され、第1の抄紙シートにより主として保液性能が
確保されることによって、一種類の抄紙シートからなる
セパレータを用いた場合に比較して、保液性能、短絡防
止性能を実用上低下させることなく極間寸法を小さくす
ることが可能となる。
【0009】第1の抄紙シートと第2の抄紙シートとは
一体になっていても良いし、単に重なっているものでも
良く、予め重なっていても良いし、それぞれ別々のもの
を用いて電池を組み立て、最終的に重なるようにしても
良い。
【0010】好ましくは、前記セパレータが、第1の抄
紙シートと第2の抄紙シートとが一体化されているのが
良い。セパレータと極板との積み重ねが容易であるから
である。
【0011】さらに、第1の抄紙シートは、耐酸性を有
する繊維を主体に抄造された、密度が0.13〜0.1
8g/cm3の抄紙シートとし、第2の抄紙シートは、耐
酸性を有する繊維が抄造され、密度が0.18〜0.2
3g/cm3の、シリカ粉体を含んだ抄紙シートとする
のがより好ましく、このようにすることによって、より
性能の安定した密閉形鉛蓄電池を製造することができ
る。
【0012】また、上記いずれの構成とする場合におい
ても、第1の抄紙シートが正極板の両面に、第2の抄紙シ
ートが負極板の両面に、それぞれ当接され、極間寸法が
0.4mmより大きく1mm未満である構成とするのが
好ましく、このようにすることによって、特に負極板か
らの鉛の沈着による貫通短絡の発生がより効果的に抑制
されると共に、実用上すぐれた密閉形鉛蓄電池を製造す
ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の密閉形鉛蓄電池は、特に
リテーナ式の密閉形鉛蓄電池に適したものであって、第
1の抄紙シートと第2の抄紙シートとが重ねられてなるセ
パレータが、第1の抄紙シートが正極板に当接され、第2
の抄紙シートが負極板に当接されるようにして正極板と
負極板との間に配置され、第1の抄紙シートの孔径が第2
の抄紙シートの孔径よりも大きく、第1の抄紙シートの
保液性が第2の抄紙シートの保液性よりも大きくなって
いるものである。
【0014】保液性は、単位面積あたりの液保持量であ
らわし、多孔度などを適宜選択することにより高めるこ
とができ、液保持量を増大することができる。
【0015】第1の抄紙シートは、耐酸性を有する繊維
を主体に抄造された、密度が0.13〜0.18g/c
3の抄紙シートとするのが好ましく、例えば、ガラス
繊維を用いたものを使用することができる。密度が上記
値より小さくなると、短絡が生じ易くなり、上記値より
大きくなると、弾性がなくなり、特にリテーナ式の電池
の場合に組み立て性が悪くなり、電池性能にも影響を及
ぼす。特に、ガラス繊維を用いる場合には、密度を上記
範囲としておくのが良い。また、ガラス繊維の場合、平
均繊維径が1μm未満のものを用いるのが好ましい。こ
れは、これより大きくなると、電解液の保持性能が充分
でなくなるからである。なお、電解液が必要量保持でき
て、かつ耐酸性を有するものであれば合成繊維を用いて
も構わない。
【0016】第2の抄紙シートは、耐酸性を有する繊維
で抄造され、密度が0.18〜0.23g/cm3の、
シリカ粉体などの無機酸化物を含んだ抄紙シートとする
のがより好ましく、例えば、合成シリカ粉体とガラス繊
維とを混抄し、シート状に抄造したものを用いる事がで
きる。耐酸性を有する繊維が抄造される点では第1の抄
紙シートと同じであるが、合成シリカなどの粉体を含ま
せるため、その密度は第1の抄紙シートより大きくな
る。そして、第1の抄紙シートと同様、密度が上記値よ
り小さくなると、短絡が生じ易くなり、上記値より大き
くなると、弾性がなくなり、特にリテーナ式の電池の場
合に組み立て性が悪くなり、電池性能にも影響を及ぼ
す。特に、ガラス繊維を用いる場合には、密度を上記範
囲としておくのが良く、この場合、さらに、シリカ粉体
の含有量は、20重量%以上であるのが良く、上限は6
0重量%以下であるのが良い。さらに、ガラス繊維を用
いる場合には、電池の性能上必要な保持液量や電池の組
立性、抄紙シート自体の抄造性を考えれば、第2の抄紙
シートの厚さは、極間寸法に対して必要なセパレータ総
厚の50%未満であることが望ましい。
【0017】第1の抄紙シートと第2の抄紙シートとの
一体化する場合には、例えば抄造済みの第1のシートの
上に再度抄造して第2のシートを形成する方法や、第1
及び第2のシートを別々に抄造しておきそれらを貼り付
ける方法により、作製することができ、より好ましく
は、第1及び第2のシートを別々に抄造してそれらを貼
り付ける方法により作製するのが良い。
【0018】前記一体式セパレータをあらかじめ作製
し、正極板、負極板とともに積層して電池容器に挿入す
ることにより、容易に鉛蓄電池を製造することがでる。
現有設備をそのまま使用することも可能である。また製
造時の歩留まりを向上させることができる。
【0019】
【実施例】以下に本発明を実施例にもとづいて説明す
る。 (実施例1)カルシウム;0.05wt%,スズ;0.
2wt%を含んだアンチモンフリーの鉛合金からなる格
子に正極ペーストを充填した正極板には、平均繊維径が
0.8μmの微細ガラス繊維をシート状に抄造したマッ
ト状ガラスセパレータで、密度が0.15g/cm3
もの(第1の抄紙シート)を用いて、また、カルシウ
ム;0.05wt%,スズ;0.2wt%,アルミニウ
ム;0.02wt%を含んだアンチモンフリーの鉛合金
からなる格子に負極ペーストを充填した負極板には、ガ
ラス繊維と有機繊維とシリカ粉末(25重量%)とを混
抄して抄造したマット状セパレータで、密度が0.2g
/cm3のもの(第2の抄紙シート)を用いて、それぞれ
の極板の両面に当接しながら、交互に正極を10枚、負
極を11枚積み重ねて同じ極性の極板の耳部を溶接して
極板群を作製し、これを電槽に挿入したあと、フタを電
槽に溶着して、2Vで60Ah/3HRのリテーナ式の
密閉形鉛蓄電池を組み立てた。尚、第2の抄紙シートの
厚さは、セパレータ全体の厚さの20%とした。なお、
今回の第2の層には、薄いがゆえに可能性のある、蓄電
池への組み込み時のシート自体の損傷を防止する目的
で、少量の有機繊維を混合した。しかし、第2の層の強
度の問題がなければ、当然、有機繊維の混合は不要であ
る。
【0020】極間寸法は、1.2mm、1.0mm、
0.8mm、0.6mm、0.4mm、0.3mmの6
種類とし、これらの密閉形鉛蓄電池を用いて抵抗放置試
験を行った。なお、使用した正極板と負極板は、確実に
目標の極間寸法を得るため、極板各部の厚さバラツキを
低減させて作製したものである。
【0021】この抵抗放置試験は、セパレータの浸透・
貫通短絡の加速試験であって、3時間率電流で放電した
あとの蓄電池の両極端子を抵抗を介して短絡状態として
気相中に3週間放置し、放置後に定電圧で充電するとい
う工程を繰り返すもので、サイクル中に充・放電が不可
能となった、すなわち寿命に至った蓄電池については解
体して浸透や短絡の状態および程度を確認した。
【0022】また、比較用として、第1の抄紙シートの
みで両極板が隔離された従来形の同型密閉形鉛蓄電池を
組み立て、同一内容での抵抗放置試験を併せて行った。
【0023】表1に試験結果の一覧を示す。
【0024】
【表1】
【0025】この表から分かるように、本発明のリテー
ナ式の密閉形鉛蓄電池では、極間寸法が0.6mm以上
のすべての極間寸法で、4サイクルが経過しても充・放
電が不可能となったものが発生せず、0.4mmを超え
ると好ましい極間距離となり、充・放電が可能となっ
た。充・放電が不可能となってしまったのは、極間寸法
が0.4mm以下の蓄電池であった。これに対して、従
来の密閉形鉛蓄電池では、極間寸法が0.8mmでも4
サイクル目で、充・放電が不可能となってしまった。こ
れら充・放電が不可能となった蓄電池を解体してみる
と、いずれも浸透が進んで貫通短絡を起こしていた。
【0026】以上の結果より、本発明によれば、極間寸
法を従来のものより小さくできることがわかった。そし
て、同一外形サイズのリテーナ式の密閉形鉛蓄電池の高
出力化が、極間寸法を小さくし極板枚数を増やす手法に
より達成することができることがわかった。さらに、本
発明は、極間寸法を1mm未満で0.4mmより大きい
範囲とする場合に、特に効果があることがわかった。
【0027】なお、本発明では、正極板と負極板の格子
に鉛−カルシウム−スズ−アルミニウム系合金を用いた
が、鉛−カルシウム系合金や鉛−低アンチモン系合金な
ど、密閉形鉛蓄電池に一般的に用いられる合金を使用し
た格子の場合でも、同様の効果が得られた。 (実施例2)カルシウム;0.05重量%,スズ;0.
2重量%を含むアンチモンフリーの鉛合金からなる格子
に正極ペーストを充填した正極板と、カルシウム;0.
05重量%,スズ;0.2重量%,アルミニウム;0.
02重量%を含むアンチモンフリーの鉛合金からなる格
子に負極ペーストを充填した負極板とを、平均繊維径が
0.8μmの微細ガラス繊維を主体とし、密度が0.1
5g/cm3の第1の抄紙シートと、合成シリカの粉体
とガラス繊維を混合したものを主体とした、密度が0.
2g/cm3の第2の抄紙シートとから構成された二層
一体式のセパレータを、第1の層の面を正極板に、第2
の層の面を負極板に、それぞれ当接しながら、交互に正
極板を4枚、負極板を5枚、積み重ねて同じ極性の極板
の耳部をガス燃焼炎(バーニング)で溶接して極板群を
作製し、これを電槽に挿入したあと、フタを電槽に熱溶
着して、12Vで28Ah/5HRのリテーナ式の密閉
形鉛蓄電池を組み立てた。このときの二層一体式セパレ
ータの第2の層の合成シリカ粉体の混合量は、25重量
%である。また、その厚みは二層一体式セパレータの総
厚さの20%とした。なお、今回の第2の層には、薄い
がゆえに可能性のある、蓄電池への組み込み時の層自体
の損傷を防止する目的で、少量の有機繊維を混合した。
しかし、第2の層の強度に問題がなければ、当然、有機
繊維の混合は不要である。
【0028】本実施例における二層一体式セパレータ
は、第1および第2の層を別々に抄造しておき、それら
を貼り付けて一体化した。
【0029】密閉形鉛蓄電池の極間寸法は、1.2m
m、1.0mm、0.8mm、0.6mm、0.4m
m、0.3mmの6種類で、下記の浸透短絡試験に供し
た。
【0030】本実施例で行った浸透短絡試験は、まず所
定の注液硫酸量の1/2の量を蓄電池内に注入して24
時間放置したあと、残り1/2の量を再度蓄電池内に注
入してから通電、すなわち電槽化成を行い、その終了後
に蓄電池を解体して鉛浸透や短絡の状態および程度を調
査するというものである。
【0031】また、比較用として、微細ガラス繊維が主
体で、密度が0.15g/cm3の密度を有する単独層
のセパレータ(ガラスセパレータ)のみで両極板が隔離
された従来形の同型密閉形鉛蓄電池を同じ極間寸法で組
み立て、同一内容の浸透短絡試験を併せて行った。
【0032】表2に試験結果の一覧を示す。
【0033】
【表2】
【0034】この表から明白なように、本発明のリテー
ナ式の密閉形鉛蓄電池において、極間寸法が0.4mm
よりも大きい蓄電池では、鉛浸透および短絡はまったく
発生しておらず、極間寸法が0.4mmの蓄電池では、
ごくわずかに鉛浸透らしき痕跡を確認したが、短絡はし
ていなかった。また、極間寸法が0.3mmの蓄電池で
は、わずかな鉛浸透と微小な短絡が発生していた。
【0035】それに対して、微細ガラス繊維を主体に抄
造された、0.15g/cm3の密度を有する単独層の
従来形セパレータ(ガラスセパレータ)を組み込んだ、
比較用の同型密閉形鉛蓄電池では、極間寸法が1mmを
切ると、鉛浸透および短絡が顕著に発生しており、極間
寸法が小さくなるほどその程度も大きかった。
【0036】以上の結果より、本発明によれば、極間寸
法を従来形のセパレータを用いた場合よりも小さくでき
ることがわかった。そして、同一外形サイズのリテーナ
式の密閉形鉛蓄電池の高出力化が、極間寸法を小さく
し、極板枚数を増やす手法によって達成できることがわ
かった。さらに、本実施例は、蓄電池の極間寸法を0.
4mmより大きく1mm未満の範囲とする場合に、特に
効果があることがわかった。
【0037】なお、本実施例では、正極板と負極板の格
子に「鉛−カルシウム−スズ−アルミニウム系合金」を
用いたが、「鉛−カルシウム系合金」や「鉛−低アンチ
モン系合金」など、密閉形鉛蓄電池に、一般的に用いら
れる合金を使用した格子の場合でも、同様の効果が得ら
れた。
【0038】また、この二層一体式セパレータの両極板
への当接面を逆にすると、鉛浸透が発生する負極板への
当接面は、第1の層となって、鉛浸透の発生およびその
成長過程の大半を単独層の従来形セパレータ(ガラスセ
パレータ)と同じ耐短絡性能で対応することになり、鉛
浸透の発生時点で、その成長を抑制しようとする、本発
明でいう両極板への当接方法に比べれば、前述してきた
ような顕著な耐短絡性能の向上は得られなかった。しか
し、当接面が逆でも従来形セパレータ(ガラスセパレー
タ)のみで両極板を隔離した場合と比べれば、鉛浸透お
よび短絡の抑制を主な機能とする第2の層によって、耐
短絡性は良かった。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、密閉形鉛蓄電池の極間
寸法を小さくすることが可能になり、これによって、例
えば、薄型の極板を使用してセル内の極板枚数を増やす
ことによって、寿命性能を犠牲にすることなく、同一外
形サイズでリテーナ式の密閉形鉛蓄電池を高出力化する
ことができる。
【0040】さらに本セパレータを、第1の抄紙シート
と第2の抄紙シートとを一体式とすることにより、スタ
ッキング(セパレータと極板との積み重ね)が、従来の
単独シートのセパレータ(ガラスセパレータ)と何らか
わることなく行え、また蓄電池の組み立て設備もそのま
ま使用でき、電池の製造も容易にできるという利点があ
る。また、製造時の歩留まりを向上させることができ
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の抄紙シートと第2の抄紙シートとが
    重ねられてなるセパレータが、第1の抄紙シートが正極
    板に当接され、第2の抄紙シートが負極板に当接される
    ように、正極板と負極板との間に配置されてなる密閉形
    鉛蓄電池であって、第1の抄紙シートの孔径が第2の抄紙
    シートの孔径よりも大きく、第1の抄紙シートの保液性
    が第2の抄紙シートの保液性よりも大きいことを特徴と
    する密閉形鉛蓄電池。
  2. 【請求項2】 前記セパレータが、第1の抄紙シートと
    第2の抄紙シートとが一体化されてなるセパレータであ
    ることを特徴とする請求項1に記載の密閉形鉛蓄電池。
  3. 【請求項3】 第1の抄紙シートが、耐酸性を有する繊
    維を主体に抄造された、密度が0.13〜0.18g/
    cm3の抄紙シートであって、第2の抄紙シートが、耐酸
    性を有する繊維が抄造され、密度が0.18〜0.23
    g/cm3の、シリカ粉体を含んだ抄紙シートであるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の密閉形鉛蓄電
    池。
  4. 【請求項4】 第1の抄紙シートが正極板の両面に、第2
    の抄紙シートが負極板の両面に、それぞれ当接され、極
    間寸法が0.4mmより大きく1mm未満であることを
    特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の密閉形鉛
    蓄電池。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006155913A (ja) * 2004-11-25 2006-06-15 Matsushita Electric Ind Co Ltd 鉛蓄電池
WO2010055653A1 (ja) * 2008-11-11 2010-05-20 日本板硝子株式会社 密閉型鉛蓄電池用セパレータ及び密閉型鉛蓄電池

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