JP2002373621A - ランプ用電気導入体およびランプ - Google Patents
ランプ用電気導入体およびランプInfo
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Abstract
て、封止体が均質なものにより形成されるものであって
も実用上十分な導電性を有すると共に、容易に安定な気
密封止構造を形成することのできるランプ用電気導入
体、および容易に製造することができ、封止部の気密封
止構造が安定であって長い使用寿命を有するランプを提
供すること。 【解決手段】 ランプ用電気導入体は、石英ガラス製の
発光管を具えてなるランプにおける気密封止構造を形成
し、封止体と、内部リード棒と、外部リード棒とよりな
るランプ用電気導入体であって、封止体は、石英ガラス
を主成分とする絶縁性材料成分と、導電性材料成分とよ
りなる導電性石英ガラス焼結体により構成され、当該焼
結体における導電性材料成分の濃度が特定の範囲内にあ
ることを特徴とする。ランプは、石英ガラス製の発光管
と、上記のランプ用電気導入体とを具えてなることを特
徴とする。
Description
体および当該ランプ用電気導入体を具えたランプに関す
る。
ンプの発光管材料として石英ガラスが好ましく利用され
ており、このような石英ガラス製の発光管を具えたラン
プの封止部における電気導入路を形成する気密封止構造
としては、電気導入体として金属箔を用いる、いわゆる
箔シール構造や、導電性無機物質成分と絶縁性無機物質
成分とよりなり、導電性無機物質成分の濃度が連続ある
いは段階的に変化する傾斜機能材料により構成された封
止体などを用いる構造(例えば、特開平10−1725
14号公報参照)などが知られている。
封止部における気密密着状態を達成するために、通常、
厚み約15〜30μmの金属箔が使用されているが、こ
の1枚の金属箔に流すことのできる電流値が制限されて
しまうため、大電流を流すことが必要とされるランプに
おいては、複数枚の金属箔を用いる必要があって気密封
止構造が複雑となり、その結果、生産性の低いものとな
る、という問題がある。
造を有するランプにおいては、箔シール構造を有するも
のとは異なり、大きな電流容量が得られ、また、放電ラ
ンプにおける電極の偏心が少ないことなどの利点もある
が、発光管とリード棒とに係る線膨脹率の差に起因する
ストレスを、導電性無機物質成分の濃度の異なる複数の
部分による積層構造によって緩和するものであるため、
結局、封止体自体が必然的に長くなってしまうと共に、
導電性無機物質成分の濃度の異なる複数の部分を有する
傾斜機能材料の製作に多くの手間がかかり、高い生産性
が得られない、という問題がある。
アルミナなどの透光性セラミックスよりなるランプにお
いては、電気導入体として、アルミナを主成分とし、例
えばモリブデンやタングステンなどの導電性無機物質成
分を含有した材料によって形成される導電性サーメット
よりなる封止体を用いる構造が知られている。この導電
性サーメットは、傾斜機能材料とは異なり、その全体に
おいて導電性無機物質成分と絶縁性無機物質成分とが均
一に混合されており、発光管とリード棒とに係る線膨脹
率の差に起因するストレスを緩和させるための特別な構
造をそれ自体において形成する必要がなく、従って、封
止体自体を短くすることが可能であると共に、当該導電
性サーメットを用いた気密封止構造を有するランプは、
傾斜機能材料を用いたランプに比して作製が容易で高い
生産性が得られる、という利点を有する。
有するランプにおいても、上記の導電性サーメットを封
止体として用いることにより、その作製が容易となる可
能性がある、と考えられる。
した導電性サーメットを封止体とする電気導入体を用い
て石英ガラス製の発光管を具えたランプを作製しようと
すると、実際上、封止部における気密封止構造を形成す
る際に、封止体と発光管用の石英ガラス管との溶着部分
にクラックが生じやすく、しかも、得られたランプにお
いては、その動作の際に、発光管と封止体である導電性
サーメットとの溶着部分の近傍にクラックを生じること
があることが明らかとなった。
の発生は、発光管を構成する石英ガラスと、電気導入体
の封止体を構成する材料との線膨脹率の差が大きいこと
に起因すると考えられるものの、例えばモリブデンやタ
ングステンなどの導電性無機物質成分とされる材料は、
石英ガラスよりも極めて大きい線膨脹率を有するもので
あるため、石英ガラスと同程度の線膨脹率を有する材料
よりなり、しかも電気導入路を形成するために十分な導
電性を有する封止体を作製することが困難である。この
ように、石英ガラス製の発光管を具えたランプにおいて
は、実際に実用上必要とされる導電性を有するランプ用
電気導入体によって、安定な気密封止構造を容易に形成
することができない、という問題がある。
な事情に基づいてなされたものであって、その目的は、
石英ガラス製の発光管を具えたランプにおいて、封止体
が均質なものにより形成されるものであっても実用上十
分な導電性を有すると共に、容易に安定な気密封止構造
を形成することのできるランプ用電気導入体を提供する
ことにある。また、本発明の他の目的は、容易に製造す
ることができ、封止部の気密封止構造が安定であって長
い使用寿命を有するランプを提供することにある。
入体は、石英ガラス製の発光管を具えてなるランプにお
ける気密封止構造を形成し、発光管内に電気を導入する
ための封止体と、その基端部が当該封止体に埋設されて
この封止体の一端から突出してなる内部リード棒と、そ
の基端部が当該封止体に埋設されてこの封止体の他端か
ら突出してなる外部リード棒とよりなるランプ用電気導
入体であって、前記封止体は、石英ガラスを主成分とす
る絶縁性材料成分と、導電性材料成分とよりなる導電性
石英ガラス焼結体により構成され、前記導電性石英ガラ
ス焼結体における前記導電性材料成分の濃度が5〜10
体積%であることを特徴とする。
導電性石英ガラス焼結体における導電性材料成分がタン
グステン成分である場合には、当該導電性材料成分の濃
度が5〜8体積%であることが好ましく、また、導電性
材料成分がモリブデン成分である場合には、当該導電性
材料成分の濃度が6〜10体積%であることが好まし
い。
封止体を形成する導電性石英ガラス焼結体は、その任意
の断面における絶縁性材料成分に由来する結晶粒様体の
平均断面積が、導電性材料成分に由来する結晶粒様体の
平均断面積の10倍以上であることが好ましい。
封止体を形成する導電性石英ガラス焼結体の線膨脹率が
2×10-7〜8×10-7K-1であることが必要とされ
る。
が、その外周に装着された応力緩衝用部材を介して封止
体に固定されていることが好ましく、また、封止体の露
出されるべき表面に耐酸化処理が施されていることが好
ましい。
封止体を形成する導電性石英ガラス焼結体が、平均粒子
径3〜100μmの絶縁性材料の粉末と、平均粒子径
0.1〜10μmの導電性材料の粉末との混合粉末の焼
結体であることが好ましい。
と、上記のランプ用電気導入体とを具えてなることを特
徴とする。
を形成する導電性石英ガラス焼結体(以下、単に「石英
焼結体」ともいう。)においては、導電性の結晶粒様体
が絶縁性の結晶粒様体の周辺部分に特定の割合で存在
し、隣接する導電性の結晶粒様体が連続した組織状態が
形成されることにより、実用上十分な導電性を有するも
のとなる。そして、石英焼結体よりなる封止体が、絶縁
性材料成分として石英ガラス成分を含有するものである
ことから石英ガラス製の発光管とのなじみが優れたもの
となり、その結果、当該封止体をバーナーなどで加熱し
溶融させ、発光管と溶着することによって十分な気密密
着状態が確実に形成され、しかもその気密密着状態は、
石英焼結体の線膨張率が石英ガラスと近似したものであ
ることから、長時間にわたって維持されるため、発光管
が石英ガラスである場合にも、容易に安定なランプの気
密封止構造を形成することができる。このように、本発
明のランプ用電気導入体においては、封止体を形成する
石英焼結体が絶縁性材料成分と導電性材料成分とよりな
る均質なものであって、実用上十分な導電性を有すると
共に、石英ガラスと近似した線膨張率を有するという、
2つの特性を有するものである。
電気導入体によって、気密封止構造が形成されることに
より、その製造が容易となると共に、安定で長い使用寿
命を有するものとなる。
ついて詳細に説明する。図1は、本発明のランプ用電気
導入体の一例における構成を示す説明用断面図である。
このランプ用電気導入体10は、円柱状の封止体11を
具えてなり、この封止体11は、一端面(図1において
左端面)から長さ方向に伸びるよう形成された内部リー
ド棒挿入用の有底筒孔11aと、他端面(図1において
右端面)から長さ方向に伸びるよう形成された外部リー
ド棒挿入用の有底筒孔11bとを有する。この封止体1
1の有底筒孔11a、11bの形状は、その内径が、挿
入される内部リード棒12および外部リード棒13の外
径に適合する大きさとされる。
部に金属コイルが巻かれることにより放電電極22が形
成された内部リード棒12の基端部が挿入されて焼き締
めによって一体的に固着されている。一方、有底筒孔1
1b内には、外部リード棒13の基端部が挿入されて気
密に密着した状態で固着されており、これにより、ラン
プ用電気導入体10は、内部リード棒12、封止体11
および外部リード棒13が一体に連結されたものとなさ
れている。このような構成のランプ用導入体10の封止
体11には、その表面全面に後述する耐酸化処理が施さ
れ、耐酸化膜が形成されている。
なるものとされ、外部リード棒13は、タングステン線
またはモリブデン線などの金属線よりなるものとされ
る。そして、内部リード棒12および外部リード棒13
の外径は、各々ランプに必要な電流容量を考慮して定め
られる。また、この図の例においては、内部リード棒1
2の基端部および外部リード棒13の基端部の外周に
は、例えばモリブデン箔などの金属箔よりなる応力緩衝
用部材21a、21bが巻回されて溶接されることによ
って装着されている。
絶縁性材料成分と、導電性材料成分とよりなる石英焼結
体により構成されており、この石英焼結体は、絶縁性材
料成分と、導電性材料成分とが、その全体において均一
に混合された状態のものであって実質的に均質なもので
ある。
分とするものであるが、例えば30体積%以下の範囲で
石英ガラス以外の絶縁性材料成分を含有するものとする
こともできる。石英ガラス以外の絶縁性材料成分として
好適に用いられる材料の具体例としては、二酸化ジルコ
ニウム(ZrO2 )、二酸化ハフニウム(HfO2 )、
三酸化二硼素(B2 O3 )などが挙げられる。また、導
電性材料成分として好適に用いられる材料の具体例とし
ては、モリブデン、タングステンが挙げられる。
導電性材料成分が5〜10体積%であり、具体的に、導
電性材料成分がタングステン成分である場合には、導電
性材料成分の濃度が5〜8体積%であることが好まし
く、6〜7体積%であることが特に好ましい。また、導
電性材料成分がモリブデン成分である場合には、石英焼
結体に係る導電性材料成分の濃度が6〜10体積%であ
ることが好ましく、6〜8体積%であることが特に好ま
しい。導電性材料成分の濃度が過大である場合には、石
英焼結体の線膨張率が大きくなり、石英ガラス製の発光
管を具えたランプにおいて、封止部に十分な気密密着状
態を形成することが困難となる。一方、導電性材料成分
の濃度が過小である場合には、石英焼結体に実用上必要
とされる導電性が得られなくなる。
においては、絶縁性材料成分および導電性材料成分は、
いずれも、複数の粒子が密集したような形状を有する結
晶粒様体として存在しているが、導線性材料成分に由来
する結晶粒様体(以下、「導電性粒様体」ともいう。)
は、絶縁性成分に由来する結晶粒様体(以下、「絶縁性
粒様体」ともいう。)の周辺部分に存在し、しかも隣接
する導電性粒様体が連続した組織状態となっている。
ける絶縁性粒様体の平均断面積が、導電性粒様体の平均
断面積の10倍以上のものであることが望ましく、この
場合には、実用上必要とされる導電性を確実に確保する
ことができる。すなわち、石英焼結体においては、導電
性粒様体が絶縁性粒様体に比して小さいものであるほ
ど、高い導電性を得ることができる。
は、微視的組織の観察において測定される値であり、具
体的には、封止体11における任意の断面を研磨して得
られる研磨面の一部を金属顕微鏡により撮影し、その画
像における絶縁性粒様体の数およびそれらの絶縁性粒様
体の断面積の合計(以下、「合計断面積」ともいう。)
を求め、下記式(1)により算出される値である。すな
わち、「絶縁性粒様体の平均断面積」は、実質的に封止
体11における絶縁性粒様体の平均的な大きさを示すも
のである。また、「導電性粒様体の平均断面積」も「絶
縁性粒様体の平均断面積」と同様の方法によって得られ
た導電性粒様体の数および合計断面積に基づき、下記式
(1)により算出される値である。
面積の大きさは、石英焼結体を製造するために用いられ
る絶縁性材料の粉末の平均粒子径および導電性材料の粉
末の平均粒子径の大きさや、絶縁性材料と導電性材料と
を混合する手段の種類、条件などによって調整すること
ができる。
線膨脹率が2×10-7〜8×10-7K-1の範囲内、すな
わち、5×10-7K-1の線膨脹率を有する石英ガラスと
の線膨張率の差が±3×10-7K-1の範囲内のものであ
ることが必要とされる。このような封止体11によるラ
ンプ用電気導入体10によって形成された気密封止構造
においては、気密密着状態を長時間にわたって確実に維
持することができることとなる。
モリブデン、タングステン、ニオブ、タンタルなどの金
属箔、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンタルな
どの粉末、若しくはモリブデン、タングステン、ニオ
ブ、タンタルなどの金属線などを用いることができる。
この応力緩衝用部材21a、21bによれば、封止体1
1と、内部リード棒12および外部リード棒13とに係
る線膨脹率の差によって封止体11にクラックが生じる
ことを確実に防止することができる。
カ粉末を含み、ニトロセルロースおよび酢酸ブチルより
なるスラリーを、後述するランプ用電気導入体の製造方
法の過程において得られる仮焼結体の表面に、例えばデ
ィッピング法などの方法によって塗布することによって
塗布膜を形成し、この状態の仮焼結体を焼結処理するこ
とによって耐酸化膜を形成することによって行われる。
よれば、封止体11が大気中に露出される表面全面に形
成されていることにより、当該封止体11における導電
性材料成分を構成する材料が酸化しやすい温度条件下に
おいても、封止体11の酸化を防止することができる。
また、この耐酸化膜が、ランプにおける発光空間に臨む
表面に形成されている場合には、封止体11に係る導電
性材料の封入物との化学的な反応を防止することがで
き、当該導電性材料成分の発光空間への移動を妨げるこ
とができるため、長時間にわたってランプにおける安定
した発光スペクトルを維持することができる。
次のような方法によって製造することができる。例え
ば、絶縁性材料の粉末と、導電性材料の粉末とを混合し
た混合粉末に、例えばステアリン酸などのバインダを加
えて加熱する造粒処理を行うことにより混合処理粉末を
得、この混合処理粉末をピン状の孔形成用成型部材が底
部材に垂立して設けられた円筒状の成型用金型内に充填
した後、ピン状の孔形成用成型部材を有する加圧用部材
によって加圧することにより加圧成型体を得、この加圧
成型体に対して、水素雰囲気中において例えば1000
〜1200℃を最高加熱温度として加熱することによ
り、孔形成用成型部材が除去されて形成された有底筒孔
11a、11bを有する仮焼結体を形成する。この有底
筒孔11a、11bは、例えば円柱状の仮焼結体に孔形
成加工を施すことによって形成することも可能である。
部に放電電極22が形成された内部リード棒12の、例
えばリボン状の金属箔を螺旋状に巻回することにより応
力緩衝用部材21aが形成された基端部を挿入すると共
に、有底筒孔11b内に外部リード棒13の、例えばリ
ボン状の金属箔を螺旋状に巻回することにより応力緩衝
用部材21bが形成された基端部を挿入し、この仮焼結
体の表面全面に、例えばシリカ粉末を含むスラリーを、
例えばディッピング法などの方法によって塗布した後、
この状態で、真空中において、例えば1500〜200
0℃を最高温度として焼結処理することにより、仮焼結
体が最終的に焼結体とされ、その表面全面に耐酸化膜が
形成されると同時に、当該焼結体よりなる封止体11
に、内部リード棒12および外部リード棒13がいわゆ
る焼き締めによって一体的に固着されて結合されてな
る、ランプ用電気導入体10が製造される。
粒子径3〜100μm、特に10〜50μmの粉末が好
適に用いられる。また、導電性材料としては、平均粒子
径0.1〜10μm、特に0.5〜5μmの粉末が好適
に用いられる。
均粒子径が導電性材料の平均粒子径の10倍以上の粉末
を用いることにより、得られる石英焼結体を確実に導電
性を有するものとすることができる。
いては、封止体11を形成する石英焼結体においては、
絶縁性粒様体に比して小さい粒様体である導電性粒様体
が当該絶縁性粒様体の周辺部分に特定の割合で存在し、
隣接する導電性の結晶粒様体が実質的に導電性を有する
状態に連続した組織状態が形成されることにより、実用
上十分な導電性を有するものとなる。
が、絶縁性材料成分として石英ガラス成分を含有するも
のであることから、バーナーなどによる加熱溶融によ
り、石英ガラス製の発光管と溶着することができ、しか
もなじみが優れたものとなり、その結果、封止体11に
より、ランプの封止部における十分な気密密着状態が確
実に形成され、しかもその気密密着状態は、石英焼結体
と石英ガラスとの線膨張率の差が±3×10-7K-1と小
さいものであることから、長時間にわたって維持される
ため、発光管が石英ガラスよりなる場合にも、容易に安
定なランプの気密封止構造を形成することができる。
いては、封止体11を形成する石英焼結体が絶縁性材料
成分と導電性材料成分とよりなる均質なものであって、
実用上十分な導電性を有すると共に、石英ガラスと近似
した線膨張率を有するという、2つの特性を有するもの
である。
用いた、本発明のランプの構成の一例を示す説明用断面
図である。このランプ30は、ショートアーク型の放電
ランプであって、31は石英ガラスよりなる発光管であ
り、膨出部32とこれに連結された筒状の封止管部33
とにより形成されている。そして、封止管部33内にラ
ンプ用電気導入体10の一端部分が配置されている。ラ
ンプ用電気導入体10は、一端面が膨出部32の内部の
発光空間に臨み、その一端から、先端に放電電極22が
設けられている内部リード棒12が管軸方向に突出して
伸びる状態とされており、当該封止管部33が当該ラン
プ用電気導入体10の封止体11の外周面に溶着される
ことにより、封止部において気密封止構造が形成されて
いる。そして、膨出部21内には、水銀、その他の必要
な発光物質が封入物として封止されている。この図にお
いては、封止体11の外部リード棒13が突出されてい
る側に係る他端部分が、大気中に露出されている状態で
ある。
法によって製造することができる。例えば、ランプ用電
気導入体10を、発光管用の石英ガラス管における封止
管部となる部分に挿入し、封止体11の一部分が石英ガ
ラス管から露出するよう所定の位置に配置した後、当該
石英ガラス管の一端側をバーナーなどで加熱することに
より、当該石英ガラス管と封止体11とを気密に溶着し
て一方の封止部を形成する。その後、石英ガラス管の他
端側を介して、例えば水銀などの封入物を石英ガラス管
内に導入した後、石英ガラス管を冷却しながら、当該石
英ガラス管の他端側をバーナーなどで加熱することによ
り、当該石英ガラス管と封止体とを気密に溶着して他方
の封止部を形成する。このようにして、ランプ用電気導
入体10によって封止部の気密封止構造が形成されたラ
ンプ30が形成される。
は、絶縁性材料成分と導電性材料成分とよりなる均質な
ものであり、しかも実用上十分な導電性を有すると共
に、石英ガラスと近似した線膨張率を有する、という2
つの特性を有する石英焼結体よりなる封止体11を具え
たランプ用電気導入体10によって形成されることによ
り、その製造が容易となると共に、安定で長い使用寿命
を有するものとなる。
が、絶縁性材料成分と導電性材料成分とよりなる均質な
ものであるため、封止体11自体を短くすることが可能
であることから、小型化することが可能であると共に、
容易に製造することができ、その生産性を高いものとす
ることができる。
用電気導入体10の内部リード棒12および外部リード
棒13が、その外周面に装着された応力緩衝用部材21
a、21bを介して封止体11に固定されているため、
当該内部リード棒12および外部リード棒13と、石英
焼結体との線膨脹率の差に起因して生じるストレスが緩
和され、封止体11にクラックが生じることを確実に防
止することができる。従って、ランプ30においては、
封止部の気密封止構造が一層安定となり、長い使用寿命
が得られる。
いる表面全面に、耐酸化処理が施されて耐酸化膜が形成
されているため、当該封止体11における導電性材料成
分を構成する材料が酸化されやすくなる温度条件下にお
いても、封止体11の酸化を防止することができる。そ
して、耐酸化膜が、ランプ30における発光空間に臨む
表面全面にも形成されているため、封止体11ににおけ
る導電性材料の封入物との化学的な反応を防止すること
ができ、これにより、当該導電性材料成分の発光空間へ
の移動を妨げることができるため、ランプ30は、長時
間にわたって安定した発光スペクトルを維持することが
できる。
に説明したが、本発明は上記の例に限定されるものでは
なく、種々の変更を加えることが可能である。例えば、
ランプ30は、ランプ用電気導入体10に係る石英焼結
体が石英ガラスの線膨張率と近似した線膨張率を有する
ものであるため、石英焼結体に係る仮焼結体からの本焼
結体の形成と、ランプ30に係る封止部の形成とを同時
の加熱処理工程で行うことができる。この製造方法によ
れば、石英焼結体の本焼結処理と、ランプ30の封止部
の形成とを個別に行う必要がないことから、高い生産性
が得られる。具体的には、上記のランプ用電気導入体1
0の製造方法に基づいてランプ用電気導入体10とされ
る、内部リード棒12および外部リード棒13が挿入さ
れた状態の仮焼結体を得、この仮焼結体を、排気管を有
する発光管用の石英ガラス管における封止管部となる部
分に挿入し、当該仮焼結体の一部分が石英ガラス管から
露出するよう所定の位置に配置した状態において適宜の
条件で焼結処理することにより、仮焼結体が最終的に本
焼結体とされてランプ用電気導入体10が形成されると
共に、発光管用の石英ガラス管における封止管部となる
部分が縮径することによって当該石英ガラス管と、形成
された焼結体よりなる2つの封止体11とが気密に溶着
されて封止部が形成される。その後、排気管を介して適
宜の封入物を封入した後、当該排気管をチップオフする
ことによってランプ30を製造することができる。
行った実験例について説明する。
プルを作製した。 <サンプルの作製1>絶縁性材料としての平均粒子径3
0μmの石英ガラスの粉末と、導電性材料としての平均
粒子径1μmのタングステンの粉末との混合粉末に、バ
インダとしてステアリン酸を加えて加熱する造粒処理を
行うことによって混合処理粉末を得、この混合処理粉末
を成型用金型内に充填し、加圧して円柱状の加圧成型体
を形成し、この加圧成型体を水素雰囲気中において12
00℃で加熱して仮焼結体を得、その後、この仮焼結体
を真空中において1750℃で焼結処理し、導電性材料
成分の濃度が6体積%であり、外径2.1mm、全長8
mmの焼結体である石英焼結体のサンプルを作製した。
導電性材料としてのタングステンの粉末とを用い、その
混合割合を変更したこと以外はサンプルの作製1と同様
の方法によってタングステン成分の濃度が異なる複数の
実験用サンプルを作製した。また、導電性材料として、
平均粒子径1μmのモリブデンの粉末を用い、その混合
割合を変更したこと以外はサンプルの作製1と同様の方
法によってモリブデン成分の濃度が異なる複数の実験用
サンプルを作製した。
について、線膨張率を測定した。その結果を図3に示
す。図において、黒丸はタングステン成分を含有するサ
ンプルの測定値を示し、白丸はモリブデン成分を含有す
るサンプルの測定値を示す。
比抵抗(Ω・cm)を測定した。その結果を図4に示
す。図において、黒丸はタングステン成分を含有するサ
ンプルの測定値を示し、白丸はモリブデン成分を含有す
るサンプルの測定値を示す。
グステン成分である場合には、タングステン成分の濃度
が5体積%以上である場合には、比抵抗が0.05Ω・
cm以下と大幅に小さくなり、また、タングステン成分
の濃度が8体積%以下である場合には、線膨張率が2×
10-7〜8×10-7K-1の範囲内となることが理解され
る。また、導電性材料成分がモリブデン成分である場合
には、モリブデン成分の濃度が6体積%以上である場合
には、比抵抗が0.05Ω・cm以下と大幅に小さくな
り、また、モリブデン成分の濃度が10体積%以下であ
る場合には、線膨張率が2×10-7〜8×10-7K-1の
範囲内となることが理解される。
本発明がこれによって制限されるものではない。
の方法によってランプ用電気導入体を得て、そのランプ
用電気導入体を用い、図2に示す構成に従い、高圧水銀
ランプを下記のようにして作製した。絶縁性材料として
の平均粒子径30μmの石英ガラスの粉末と、導電性材
料としての平均粒子径3μmのタングステンの粉末とを
混合した、タングステンの粉末の含有割合が6体積%の
混合粉末に、バインダとしてステアリン酸を加えて加熱
する造粒処理を行うことにより混合処理粉末を得、この
混合処理粉末を、ピン状の孔形成用成型部材が底部材に
垂立して設けられた円筒状の成型用金型内に充填した
後、ピン状の孔形成用成型部材を有する加圧用部材によ
って加圧することにより加圧成型体を得、この加圧成型
体に対して、水素雰囲気中において例えば1200℃を
最高加熱温度として加熱することにより、孔形成用成型
部材が除去されて形成された内部リード棒挿入用および
外部リード棒挿入用の有底筒孔を有する仮焼結体を形成
した。
に、その先端に外径0.2mmのタングステン線を巻き
付けた放電電極を有し、その後端部分に厚み20μm、
幅2mmのリボン状のモリブデン箔を螺旋状に巻回する
ことによって応力緩衝用部材を形成した外径0.7mm
のタングステン棒の後端部分を挿入させ、また、外部リ
ード棒挿入用有底筒孔内に、その一端部分に厚み20μ
m、幅2mmのリボン状のモリブデン箔を螺旋状に巻回
することによって応力緩衝用部材を形成した外径0.7
mmタングステン棒の一端部分を挿入させた状態とし、
この仮焼結体の表面全面に、平均粒子径5μmのシリカ
粉末を含むスラリーを、ディッピング法によって塗布し
た後、真空中において1750℃の焼結処理を行い、外
径2.1mm、全長8mmの円柱状の石英焼結体よりな
る封止体に内部リード棒および外部リード棒が一体的に
固定保持され、封止体の表面全面に耐酸化膜が形成され
たランプ用電気導入体を得た。
結体の線膨張率は、7×10-7K-1であり、また、絶縁
性粒様体の平均断面積は、導線性粒様体の平均断面積の
10倍であった。
用電気導入体を、発光管用の石英ガラス管における封止
管部となる部分に挿入し、封止体の一部分が石英ガラス
管から露出するよう所定の位置に配置した後、当該石英
ガラス管の一端側をバーナーで加熱することにより、当
該石英ガラス管と封止体とを気密に溶着し、その後、石
英ガラス管の他端側を介して封入物としての水銀、アル
ゴンを石英ガラス管内に導入した後、石英ガラス管を冷
却しながら、当該石英ガラス管の他端側をバーナーなど
で加熱して、当該石英ガラス管と封止体とを気密に溶着
することにより、合計10本の高圧水銀ランプを製造し
た。この製造においては、封止部を形成する際に溶着部
分にクラックを生じるものはなかった。この10本の高
圧水銀ランプは、各々、発光管における発光空間の容積
が120mm3 、電極間距離が1.2mmであり、発光
物質としての水銀17mgが封入されてなる、定格電圧
が60V、定格ランプ電力が160Wのランプである。
格条件で点灯したところ、その発光効率は60ルーメン
(lm)/Wであって、全ての高圧水銀ランプにおいて
安定した点灯状態が得られ、動作中にクラックが生じ
ず、また、封止体が酸化することもなく、使用寿命が長
いものであることが確認された。
粒子径1μmのモリブデンを用いたこと以外は実施例1
と同様の方法によってランプ用電気導入体を作製し、そ
のランプ用電気導入体を用いたこと以外は実施例1と同
様の方法によって高圧水銀ランプを10本作製した。得
られたランプ用電気導入体に係る石英焼結体の線膨張率
は、6×10-7K-1であり、また、絶縁性粒様体の平均
断面積は、導線性粒様体の平均断面積の30倍であっ
た。また、ランプの製造においても、封止部を形成する
際に溶着部分にクラックを生じるものはなかった。
条件で点灯したところ、その発光効率は60ルーメン
(lm)/Wであって、全ての水銀ランプにおいて安定
した点灯状態が得られ、動作中にクラックが生じず、ま
た、封止体が酸化することもなく、使用寿命が長いもの
であることが確認された。
封止体を形成する導電性石英ガラス焼結体においては、
導電性の結晶粒様体が絶縁性の結晶粒様体の周辺部分に
特定の割合で存在し、隣接する導電性の結晶粒様体が連
続した組織状態が形成されることにより、実用上十分な
導電性を有するものとなる。そして、導電性石英ガラス
焼結体よりなる封止体が、絶縁性材料成分として石英ガ
ラス成分を含有するものであることから石英ガラス製の
発光管とバーナーなどによる加熱溶融で溶着することが
でき、溶融部分のなじみが優れたものとなり、その結
果、当該封止体により、十分な気密密着状態が確実に形
成され、しかもその気密密着状態は、導電性石英ガラス
焼結体の線膨張率が石英ガラスと近似したものであるこ
とから、長時間にわたって維持されるため、発光管が石
英ガラスである場合にも、容易に安定なランプの気密封
止構造を形成することができる。このように、本発明の
ランプ用電気導入体においては、封止体を形成する導電
性石英ガラス焼結体が絶縁性材料成分と導電性材料成分
とよりなる均質なものであって、実用上十分な導電性を
有すると共に、石英ガラスと近似した線膨張率を有する
という、2つの特性を有するものである。
電気導入体によって、気密封止構造が形成されることに
より、その製造が容易となると共に、安定で長い使用寿
命を有するものとなる。
す説明用断面図である。
図である。
す説明図である。
説明図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 石英ガラス製の発光管を具えてなるラン
プにおける気密封止構造を形成し、発光管内に電気を導
入するための封止体と、その基端部が当該封止体に埋設
されてこの封止体の一端から突出してなる内部リード棒
と、その基端部が当該封止体に埋設されてこの封止体の
他端から突出してなる外部リード棒とよりなるランプ用
電気導入体であって、 前記封止体は、石英ガラスを主成分とする絶縁性材料成
分と、導電性材料成分とよりなる導電性石英ガラス焼結
体により構成され、 前記導電性石英ガラス焼結体における前記導電性材料成
分の濃度が5〜10体積%であることを特徴とするラン
プ用電気導入体。 - 【請求項2】 導電性石英ガラス焼結体における導電性
材料成分がタングステン成分であり、当該導電性材料成
分の濃度が5〜8体積%であることを特徴とする請求項
1に記載のランプ用電気導入体。 - 【請求項3】 導電性石ガラス英焼結体における導電性
材料成分がモリブデン成分であり、当該導電性材料成分
の濃度が6〜10体積%であることを特徴とする請求項
1に記載のランプ用電気導入体。 - 【請求項4】 封止体を形成する導電性石英ガラス焼結
体は、その任意の断面における絶縁性材料成分に由来す
る結晶粒様体の平均断面積が、導電性材料成分に由来す
る結晶粒様体の平均断面積の10倍以上であることを特
徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のランプ
用電気導入体。 - 【請求項5】 封止体を形成する導電性石英ガラス焼結
体の線膨脹率が2×10-7〜8×10-7K-1であること
を特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のラ
ンプ用電気導入体。 - 【請求項6】 リード棒が、その外周に装着された応力
緩衝用部材を介して封止体に固定されていることを特徴
とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のランプ用
電気導入体。 - 【請求項7】 封止体の露出されるべき表面に耐酸化処
理が施されていることを特徴とする請求項1〜請求項6
のいずれかに記載のランプ用電気導入体。 - 【請求項8】 封止体を形成する導電性石英ガラス焼結
体が、平均粒子径3〜100μmの絶縁性材料の粉末
と、平均粒子径0.1〜10μmの導電性材料の粉末と
の混合粉末の焼結体であることを特徴とする請求項1〜
請求項7のいずれかに記載のランプ用電気導入体。 - 【請求項9】 石英ガラス製の発光管と、請求項1〜請
求項8のいずれかに記載のランプ用電気導入体とを具え
てなることを特徴とするランプ。
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---|---|---|---|
JP2001183352A JP3685092B2 (ja) | 2001-06-18 | 2001-06-18 | ランプ用電気導入体およびランプ |
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Publication Number | Publication Date |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7301282B2 (en) | 2002-05-29 | 2007-11-27 | Ngk Insulators, Ltd. | High pressure mercury lamps and sealing members therefor |
JP2010040468A (ja) * | 2008-08-08 | 2010-02-18 | Ushio Inc | ショートアーク型放電ランプとその製造方法 |
JP2013229115A (ja) * | 2012-04-24 | 2013-11-07 | Ushio Inc | 高圧放電ランプ |
-
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- 2001-06-18 JP JP2001183352A patent/JP3685092B2/ja not_active Expired - Fee Related
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