JP2002372029A - Dlcを施したコネクティングロッド - Google Patents

Dlcを施したコネクティングロッド

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JP2002372029A
JP2002372029A JP2001176862A JP2001176862A JP2002372029A JP 2002372029 A JP2002372029 A JP 2002372029A JP 2001176862 A JP2001176862 A JP 2001176862A JP 2001176862 A JP2001176862 A JP 2001176862A JP 2002372029 A JP2002372029 A JP 2002372029A
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diamond
metal
connecting rod
group
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JP2001176862A
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Masatoshi Nakayama
正俊 中山
Masaichi Otaka
政一 尾高
Ryoko Yoshino
良子 吉野
Yasushi Hashimoto
靖 橋本
Yasuhiro Matsuba
康浩 松場
Izumi Miyauchi
泉 宮内
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TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/16Engines characterised by number of cylinders, e.g. single-cylinder engines
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B2275/00Other engines, components or details, not provided for in other groups of this subclass
    • F02B2275/22Side valves

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  • Chemical Vapour Deposition (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンのコネクティングロッドの軸孔と枢
軸(ピストンピンまたはクランクの偏心軸)の間の摺動
摩耗を減少すること。 【解決手段】 エンジンのコネクティングロッドの軸孔
の表面に、(a)第5A族金属(V、Nb、Ta)、第
6A族金属(Cr、Mo、W)、Ti、およびZrより
選択された少なくとも一種を主成分とする珪化物または
硅炭化物、(b)第5A族金属(V、Nb、Ta)より
選択された少なくとも一種を主成分とする金属膜とその
上に形成されたSi膜またはSiを主成分とする金属
膜、または(c)第5A族金属(V、Nb、Ta)、第
6A族金属(Cr、Mo、W)、Ti、およびZrより
選択された少なくとも一種の金属膜とその上に形成され
た炭化硅素膜、よりなる中間層と、少なくとも1層のダ
イヤモンド状炭素膜をこの順に形成し、または少なくと
もHとSiとOを含有するダイヤモンド状炭素膜を形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車等の内燃機関
において、ピストン・シリンダにおけるピストンの往復
運動による駆動力を、回転運動に変換する動力伝達系に
使用されるコネクティングロッドに関し、特に、コネク
ティングロッドにおけると軸孔の表面に耐摩耗被覆膜を
設けたコネクティングロッドに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車エンジン等の内燃機関において、
燃焼室のシリンダ内を往復運動するピストンに爆発荷重
が印加されるとピストンに付属しているピストンピン
(枢軸)と、ピストンピンが挿入されているコネクティ
ングロッド小端部側の軸孔に、往復運動による摺動摩擦
が生じる。また相手材であるピストンピンの側にも摩耗
やそれに伴う焼き付きが生じる。更に、ピストンピンと
接触する小端部側のみならず、大端部の軸受け(面接触
型の枢軸の場合)と接触して回転運動する軸孔において
も同様な摩耗や焼き付きを生じる。こうした摺動摩擦損
失はエンジン馬力の低下を引き起こし、燃費の低下を招
くおそれがあった。さらに相手材とのかじりが発生して
使用不可能になってしまうおそれがあった。
【0003】例えば車輪を駆動したり、燃料バルブを開
閉したりするための動力伝達系の若干の例を示すと、図
1はエンジンの出力をクランクを介して車輪や動弁機構
に伝導するための機構の一例を示す。図1において、エ
ンジン1のシリンダー3内を往復運動するピストン5に
はピストンピン11が固定され、コネクティングロッド
7の小端部9に形成された軸孔に枢動嵌合している。コ
ネクティングロッド7の大端部13には軸受け孔が形成
されており、そこにクランクシャフトの偏心軸15が摺
動嵌合している。コネクティングロッド7の往復運動は
クランクシャフトの軸を回転させて、動力を必要な箇所
に伝達する。エンジン出力を伝動するクランクシャフト
から駆動されるクランクシャフトはクランクギヤ17を
介してカムギヤ19を駆動し、カムギヤ19はカム21
を回転させる。カム21は、タペット25の下面のシム
23に摺接しながら回転する。これにより往復運動する
タペット25は燃料弁29をエンジンの動作に同期して
開閉し、燃料をシリンダー3に噴射させる。コネクティ
ングロッド7の小端部9でピストンピン11とそれを受
ける軸孔、および大端部13でクランクシャフトの偏心
軸15とそれを受ける軸受け孔の形式には、ころまたは
玉軸受け型や摺動型の他、これらの枢軸を軸孔が摺動接
触するものとが知られている。後者の形式は特に摩耗が
問題になる。本発明は摺動接触する軸孔を有するコネク
ティングロッドに関する。
【0004】コネクティングロッドの枢軸と軸孔の当接
面は、十分な低摩擦性と耐摩耗性を付与する必要があ
る。この問題を解決するために、特開平11−1525
60号は、図2に示すように、ピストンピン11のコネ
クティングロッド7の軸孔12に当接する面に表面硬度
Hv300以上のダイヤモンド状炭素膜(DLC膜)を
被覆することを提案している。特開2000−2743
52は、ピストンピンのクランクシャフト側の面に厚さ
0.1〜10μmのDLC膜を被覆することを記載して
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者等の研究によると、これらの文献に記載された技術で
はDLC膜の基材金属への密着性を上げるために精密研
磨が必要であり、また相手材の面も精密研磨する必要が
ある。更に、このような対策をとってもなお耐摩耗は不
充分であることが分かった。すなわち枢軸の基材金属に
直接DLC膜を形成すると基材との密着性が良くないた
めに剥脱を生じ、耐摩耗性を低下することが分かった。
摺動面の研磨工程は、手間と時間のかかる工程であり、
能率が悪く、コストがかさむ問題があり、また充分な耐
摩耗を得ることができない。本発明は、摺動面の精密研
磨を行う必要が無く、耐摩耗の高い摺動部を有するコネ
クティングロッドを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、コネクティン
グロッドの小端部においてピストンピン(枢軸)とそれ
を受ける軸孔、または、大端部においてクランクシャフ
ト(枢軸)とその軸孔の摺動抵抗を減じ耐摩耗と耐久性
の高いコネクティングロッドを提供する。より具体的に
は次の構成のコネクティングロッドを提供する。 (1)枢軸を受ける軸孔を有するコネクティングロッド
において、前記軸孔の前記軸に摺動する表面に、ダイヤ
モンド状炭素膜を形成したことを特徴とするコネクティ
ングロッド。 (2)前記ダイヤモンド状炭素膜は、炭素と水素とから
なり、その組成をCHnをモル比で表したとき、 0.05≦n≦0.7 で表されるダイヤモンド状炭素膜、または珪素を含み、
酸素、窒素、フッ素が含まれても良く、組成をCHxS
iyOzNvFwで表したとき、 0.05≦x≦0.7 0.01≦y≦3.0 0≦z≦1.0 0≦v≦1.0 0≦w≦0.2 で表されるダイヤモンド状炭素膜の少なくとも1層より
なるコネクティングロッド。 (3)上記(1)において、前記ダイヤモンド状炭素膜
は、CHxSiyOzNvFw(但し0.05≦x≦
0.7 0.01≦y≦3.0 0≦z≦1.0 0≦v≦1.0 0≦w≦0.2)で表されるダイヤモンド状炭素膜、及
びCHn(但し0.05≦n≦0.7)で表されるダイ
ヤモンド状炭素膜の少なくとも2層を形成するか、また
はこれらの組成の一方の組成から他方の組成に連続的に
変化した層を形成したのコネクティングロッド。 (4)上記(1)〜(3)において、軸孔と前記ダイヤ
モンド状炭素膜の間に、(a)第5A族金属(V、N
b、Ta)、第6A族金属(Cr、Mo、W)、Ti、
およびZrより選択された少なくとも一種を主成分とす
る珪化物または硅炭化物、(b)第5A族金属(V、N
b、Ta)より選択された少なくとも一種を主成分とす
る金属膜とその上に形成されたSi膜またはSiを主成
分とする金属膜、または(c)第5A族金属(V、N
b、Ta)、第6A族金属(Cr、Mo、W)、Ti、
およびZrより選択された少なくとも一種の金属膜とそ
の上に形成された炭化硅素膜、よりなる中間層を形成し
たコネクティングロッド。 (5)上記(1)〜(4)のいずれかのコネクティング
ロッドの前記軸孔の面に摺動する前記枢軸の表面に、ダ
イヤモンド状炭素膜を形成したコネクティングロッドと
枢軸の組み合わせ。 (6)上記(5)において、前記枢軸の面に施した前記
ダイヤモンド状炭素膜は、炭素と水素とからなり、その
組成をCHnをモル比で表したとき、 0.05≦n≦0.7 で表されるダイヤモンド状炭素膜、または珪素を含み、
酸素、窒素、フッ素が含まれても良く、組成をCHxS
iyOzNvFwで表したとき、 0.05≦x≦0.7 0.01≦y≦3.0 0≦z≦1.0 0≦v≦1.0 0≦w≦0.2 で表されるダイヤモンド状炭素膜の少なくとも1層より
なるコネクティングロッドと枢軸の組み合わせ。 (7)上記(5)において、前記枢軸の面に施した前記
ダイヤモンド状炭素膜は、CHxSiyOzNvFw
(但し0.05≦x≦0.7 0.01≦y≦3.0 0≦z≦1.0 0≦v≦1.0 0≦w≦0.2)で表されるダイヤモンド状炭素膜、及
びCHn(但し0.05≦n≦0.7)で表されるダイ
ヤモンド状炭素膜の少なくとも2層を形成するか、また
はこれらの組成の一方の組成から他方の組成に連続的に
変化した層を形成したコネクティングロッドと枢軸の組
み合わせ。 (8)上記(5)〜(7)において、前記枢軸とその面
に施した前記ダイヤモンド状炭素膜との間に、(a)第
5A族金属(V、Nb、Ta)、第6A族金属(Cr、
Mo、W)、Ti、およびZrより選択された少なくと
も一種を主成分とする珪化物または硅炭化物、(b)第
5A族金属(V、Nb、Ta)より選択された少なくと
も一種を主成分とする金属膜とその上に形成されたSi
膜またはSiを主成分とする金属膜、または(c)第5
A族金属(V、Nb、Ta)、第6A族金属(Cr、M
o、W)、Ti、およびZrより選択された少なくとも
一種の金属膜とその上に形成された炭化硅素膜、よりな
る中間層を形成したコネクティングロッドと枢軸の組み
合わせ。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明者等は、従来の技術による
コネクティングロッドと組み合わされる枢軸に形成した
ダイヤモンド状薄膜(DLC膜)が、大きい摩耗を生じ
る理由を探求した結果、枢軸とダイヤモンド状薄膜の密
着性に問題があり、そのため長期の使用が不能となるこ
とを見出した。本発明者等は、鋭意研究した結果、コネ
クティングロッドの枢軸を受ける軸孔の摺動面にダイヤ
モンド状炭素膜を被覆すること、特に被覆するダイヤモ
ンド状薄膜の材質を適正に選択することおよび/または
適正な中間層を使用することにより密着性を向上し、耐
摩耗性を格段に向上することが出来た。本発明の構成を
有する軸孔を有するコネクティングロッドを採用する
と、それに嵌合する枢軸の表面は精密研磨する必要が無
く、0.1μmよりも粗い表面粗さでも十分な耐摩耗性
を備える。また、これに加えて、相手材である枢軸の基
材金属または合金の表面にも同様な構成を採用すると耐
摩耗性がさらに向上する。
【0008】すなわち、本発明は、コネクティングロッ
ドの少なくとも軸孔の摺動面にダイヤモンド状炭素膜を
形成し、或いは軸孔の面とダイヤモンド状炭素膜との間
に、(a)第5A族金属(V、Nb、Ta)、第6A族
金属(Cr、Mo、W)、Ti、およびZrより選択さ
れた少なくとも一種を主成分とする珪化物または硅炭化
物、(b)第5A族金属(V、Nb、Ta)より選択さ
れた少なくとも一種を主成分とする金属膜とその上に形
成されたSi膜またはSiを主成分とする金属膜、また
は(c)第5A族金属(V、Nb、Ta)、第6A族金
属(Cr、Mo、W)、Ti、およびZrより選択され
た少なくとも一種の金属膜とその上に形成された炭化硅
素膜、よりなる中間層を設ける。
【0009】中間層を使用することは最も好ましいが、
中間層を使用しなくても少なくとも軸孔の表面にダイヤ
モンド状炭素膜を形成すれば充分な耐久性が得られる
が、HとSiを含有するダイヤモンド状炭素膜を形成す
れば、基材との密着性が増し、耐摩耗性を大幅に向上す
ることが可能となる。この場合に、HとSiを含有する
ダイヤモンド状炭素膜の上に、さらにHを含有するダイ
ヤモンド状炭素膜を形成することも可能であり、更なる
耐摩耗性の向上が期待できる。以下簡単のためにダイヤ
モンド状炭素膜をDLCと略することがある。さらに好
ましくは、コネクティングロッドの軸孔に接する箇所の
ピストンピン又はクランクシャフトの偏心軸(何れも枢
軸と称する)の面にも同様なダイヤモンド状炭素膜を形
成すればさらに耐摩耗が上がる。
【0010】本発明でコネクティングロッドの軸孔部
分、およびこれに嵌合摺動する枢軸の基材として使用で
きる材料は、従来から斯界で慣用されている任意の材料
が使用できる。これらの材料としては例えば各種の炭素
鋼や鋳鉄など(ねずみ鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄、可鍛鋳鉄、
合金鋳鉄など)、鋳鋼などで、超強靱鋼(SNCM42
0、SCM440、SCM420、SCR420、H1
1など)、高速度工具鋼(ハイス鋼:JIS規格のSK
H系)、合金工具鋼(ダイス鋼:SKD6など)、マル
エージ鋼(KMS180−20など)、オースフォーム
鋼、ステンレス鋼(SUS304、SUS430、17
−4PHなど)、軸受鋼(SUJ2など)、Al合金
(AC4Cなど)、Ti合金等が挙げられる。
【0011】これらの基材となる金属に対して、適当な
条件で焼き入れして材料の硬度を向上させたものを使用
しても良い。焼き入れには例えば、高周波焼き入れ、炎
焼き入れ、浸炭焼き入れなどが使用できる。またこれら
の基材上か、焼き入れ後の基材に対し、表面硬化処理を
施し、その上にダイヤモンド状炭素膜或いは中間層を介
在してダイヤモンド状炭素膜をコーティングしても良
い。表面硬化処理としては、例えば窒化、浸炭、硼化処
理がある。
【0012】中間層 次に、本発明で使用する中間層は、(a)第5A族金属
(V、Nb、Ta)、第6A族金属(Cr、Mo、
W)、Ti、およびZrより選択された少なくとも一種
を主成分とする珪化物または硅炭化物、(b)第5A族
金属(V、Nb、Ta)より選択された少なくとも一種
を主成分とする金属膜とその上に形成されたSi膜また
はSiを主成分とする金属膜、または(c)第5A族金
属(V、Nb、Ta)、第6A族金属(Cr、Mo、
W)、Ti、およびZrより選択された少なくとも一種
の金属膜とその上に形成された炭化硅素膜、であること
を述べたが、これらは本発明者等による特開2000−
178736、同2000−178737、同2000
−177046、同2000−178738、同200
0−90842等に記載されている。
【0013】上記(a)の中間層の場合には、組成をM
SiaCb(ただし、MはV、Nb、Ta、Cr、Mo、
W、TiおよびZrのいずれか一種以上である)と表し
たとき、0.3≦a≦10、好ましくは1≦a≦6、0
≦b≦5、好ましくは0≦b≦3、0.3≦a+b≦1
0、好ましくは1≦a+b≦6である。aがこれより大
きくて珪素が多くなると、母材との密着力が悪くなる。
aがこれより小さくて珪素が少なくなると、DLC膜と
の密着力が悪くなる。bがこれより大きくて炭素が多く
なると、母材との密着力が悪くなる。bがこれより小さ
くて炭素が少なくなると、DLC膜との密着力が悪くな
る。また、a+bがこれより大きくても母材との密着力
が悪くなり、a+bがこれより小さくてもDLC膜との
密着力が悪くなる。
【0014】中間層は、2nm〜5μmの厚さであるこ
とが好ましく、さらには5nm〜1μmの厚さであるこ
とが好ましい。このような厚さとすることで密着性が向
上する。これに対し、中間層が薄すぎると密着性向上の
効果が十分ではなくなり、厚すぎると耐衝撃性が悪くな
ってくる。
【0015】本発明の中間層は、真空蒸着法、スパッタ
法、イオンプレーティング法等のPVD法や熱CVD
法、プラズマCVD法、光CVD法等のCVD法によっ
て形成することができる。また、湿式メッキ法、溶射、
クラッド接合等により形成してもよい。具体的には公知
の方法による。とくに、本発明の中間層はスパッタ法に
より形成することが好ましい。この場合、目的とする組
成に応じたターゲットを用い、高周波電力、交流電力、
直流電力のいずれかを付加し、ターゲットをスパッタ
し、これを母材(基板)上にスパッタ堆積させることに
より中間層を形成する。
【0016】ターゲットは、通常、中間層と同じ組成の
ものを用いればよいが、Ta等の金属とSiとをターゲ
ットとする多元スパッタとしてもよいし、反応性スパッ
タでCやSiを導入する場合はその成分を含まないター
ゲットを用いることができる。
【0017】スパッタガスには、通常のスパッタ装置に
使用される不活性ガスが使用できる。中でも、Ar、K
r、Xeのいずれか、あるいは、これらの少なくとも1
種以上のガスを含む混合ガスを用いることが好ましい。
また、反応性スパッタを行ってもよく、反応性ガスとし
ては、炭素を導入する場合には、CH4 、C22 、C
24 、CO等を用い、珪素を導入する場合には、シラ
ンガス等を用いる。また、水素を導入する場合には、H
2等を用いる。これらの反応性ガスは単独で用いても、
2種以上を混合して用いてもよい。スパッタ時の動作圧
力は、0.2〜70Paの範囲が好ましい。また、成膜
中にスパッタガスの圧力を、前記範囲内で変化させるこ
とにより、濃度勾配を有する中間層を容易に得ることが
できる。
【0018】スパッタ法としては、RF電源を用いた高
周波スパッタ法を用いても、DCスパッタ法を用いても
よい。スパッタ装置の電力としては、DCスパッタで
0.5〜30W/cm2程度、高周波スパッタで周波数
1〜50MHz、低周波では50kHz〜1MHz、0.
5〜30W/cm程度が好ましい。成膜速度は1〜3
00nm/minの範囲が好ましい。また、基板温度は
10〜150℃であることが好ましい。
【0019】また、本発明の中間層は蒸着法により形成
してもよい。蒸着法としては、抵抗加熱方式であっても
電子ビーム加熱方式であってもよい。蒸着源には、Ta
等の金属とSi等を用いる2元蒸着であっても、中間層
と同じ組成のものを用いる1元蒸着であってもよい。1
元蒸着でも、膜組成は蒸着源の組成とほぼ同じものが経
時的に安定して得られる。真空蒸着の条件は特に限定さ
れないが、真空度は10-3Pa以下、特に10-4Pa以
下が好ましい。成膜速度は、通常、1〜300nm/m
in程度が好ましい。
【0020】また、中間層は、プラズマCVD法、イオ
ン化蒸着法によっても形成でき、その場合、後述するD
LC膜を参考にして成膜すればよい。
【0021】ダイヤモンド状炭素膜 ダイヤモンド状炭素(DLC)膜は、ダイヤモンド様炭
素膜、i−カーボン膜等と称されることもある。ダイヤ
モンド状炭素膜については、例えば、特開昭62−14
5646号公報、同62−145647号公報、New Di
amond Forum,第4巻第4号(昭和63年10月25日発
行)等に記載されている。
【0022】DLC膜は、上記文献(New Diamond Foru
m)に記載されているように、ラマン分光分析におい
て、1550cm-1にブロードな(1520〜1560
cm-1)ラマン吸収のピークを有し、1333cm-1
鋭いピークを有するダイヤモンドや、1581cm-1
鋭いピークを有するグラファイトとは、明らかに異なっ
た構造を有する物質である。DLC膜のラマン分光分析
における吸収ピークは、上記のように1550cm -1
ブロード(1520〜1560cm-1)な吸収を有する
が、炭素および水素以外の上記元素を含有することによ
り、これから±100cm-1程度変動する場合もある。
DLC膜は、炭素と水素とを主成分とするアモルファス
状態の薄膜であって、炭素同士のsp3結合がランダム
に存在することによって形成されている。DLC膜は、
炭素と水素とからなり、その組成をCHnをモル比で表
したとき、0.05≦n≦0.7である。
【0023】本発明において、DLC膜の厚さは、通
常、1〜10000nm、好ましくは10nm〜3μm
である。
【0024】DLC膜は、炭素および水素に加え、Si
を含み、O、N、Fの1種または2種以上を含有してい
てもよい。中間層を使用しない場合は、基板との密着性
を向上するために、少なくとも第1層は水素の他にSi
を含有することが好ましい。この場合、DLC膜は、C
HxSiyOzNvFwと表したとき、x、y、z、
v、wがそれぞれ、0.05≦x≦0.7、0.01≦
y≦3.0、0≦z≦1.0、0≦v≦1.0、0≦w
≦0.2であることが好ましい。また、複数の層を形成
しても良いが、その代わりに、Siを含有する部分から
Siを含有しない部分のように、組成が厚さ方向に連続
可変となっても良い。
【0025】DLC膜は、プラズマCVD法、イオン化
蒸着法、スパッタ法などで形成することができる。DL
C膜をプラズマCVD法により形成する場合、例えば特
開平4−41672号公報等に記載されている方法によ
り成膜することができる。プラズマCVD法におけるプ
ラズマは、直流、交流のいずれであってもよいが、交流
を用いることが好ましい。交流としては数ヘルツからマ
イクロ波まで使用可能である。また、ダイヤモンド薄膜
技術(総合技術センター発行)などに記載されているE
CRプラズマも使用可能である。また、バイアス電圧を
印加してもよい。
【0026】DLC膜をプラズマCVD法により形成す
る場合、原料ガスには、下記化合物を使用することが好
ましい。CおよびHを含有する化合物として、メタン、
エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、エチ
レン、プロピレン等の炭化水素が挙げられる。C、Hお
よびSiを含む化合物としては、メチルシラン、ジメチ
ルシラン、トリメチルシラン、テトラメチルシラン、ジ
エチルシラン、テトラエチルシラン、テトラブチルシラ
ン、ジメチルジエチルシラン、テトラフェニルシラン、
メチルトリフェニルシラン、ジメチルジフェニルシラ
ン、トリメチルフェニルシラン、トリメチルシリル−ト
リメチルシラン、トリメチルシリルメチル−トリメチル
シラン等がある。これらは併用してもよく、シラン系化
合物と炭化水素を用いてもよい。C+H+Oを含む化合
物としては、CH3OH、C25OH、HCHO、CH3
COCH3等がある。C+H+Nを含む化合物として
は、シアン化アンモニウム、シアン化水素、モノメチル
アミン、ジメチルアミン、アリルアミン、アニリン、ジ
エチルアミン、アセトニトリル、アゾイソブタン、ジア
リルアミン、エチルアジド、MMH、DMH、トリアリ
ルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ
フェニルアミン等がある。この他、Si+C+H、Si
+C+H+OあるいはSi+C+H+Nを含む化合物等
と、O源あるいはON源、N源、H源等とを組み合わせ
てもよい。
【0027】O源として、O2、O3等、C+O源とし
て、CO、CO2等、Si+H源として、SiH4等、H
源として、H2等、H+O源として、H2O等、N源とし
て、N2N+H源として、NH3等、N+O源として、N
O、NO2、N2OなどNOxで表示できるNとOの化合
物等、N+C源として、(CN)2等、N+H+F源と
して、NH4F等、O+F源として、OF2、O22、O
32等を用いてもよい。
【0028】上記原料ガスの流量は原料ガスの種類に応
じて適宜決定すればよい。動作圧力は、通常、1〜70
Pa、投入電力は、通常、10W〜5kW程度が好まし
い。
【0029】DLC膜は、イオン化蒸着法により形成し
てもよい。イオン化蒸着法は、例えば特開昭58−17
4507号公報、特開昭59−174508号公報等に
記載されている。ただし、これらに開示された方法、装
置に限られるものではなく、原料用イオン化ガスの加速
が可能であれば他の方式のイオン蒸着技術を用いてもよ
い。この場合の装置の好ましい例としては、例えば、実
開昭59−174507号公報に記載されたイオン直進
型またはイオン偏向型のものを用いることができる。
【0030】イオン化蒸着法においては、真空容器内を
10-4Pa程度までの高真空とする。この真空容器内に
は交流電源によって加熱されて熱電子を発生するフィラ
メントが設けられ、このフィラメントを取り囲んで対電
極が配置され、フィラメントとの間に電圧Vdを与え
る。また、フィラメント、対電極を取り囲んでイオン化
ガス閉じこめ用の磁界を発生する電磁コイルが配置され
ている。原料ガスはフィラメントからの熱電子と衝突し
て、プラスの熱分解イオンと電子を生じ、このプラスイ
オンはグリッドに印加された負電位Vaにより加速され
る。この、Vd、Vaおよびコイルの磁界を調整するこ
とにより、組成や膜質を変えることができる。また、バ
イアス電圧を印加してもよい。
【0031】DLC膜をイオン化蒸着法により形成する
場合、原料ガスには、プラズマCVD法と同様のものを
用いればよい。上記原料ガスの流量はその種類に応じて
適宜決定すればよい。動作圧力は、通常、1〜70Pa
程度が好ましい。
【0032】DLC膜は、スパッタ法により形成するこ
ともできる。この場合、Ar、Kr等のスパッタ用のス
パッタガスに加えて、O2 、N2、NH3、CH4、H2
のガスを反応性ガスとして導入すると共に、C、Si、
SiO2、Si34、SiC等をターゲットとしたり、
C、Si、SiO2 、Si34、SiCの混成組成をタ
ーゲットとしたり、場合によっては、C、Si、N、O
を含む2以上のターゲットを用いてもよい。また、ポリ
マーをターゲットとして用いることも可能である。この
ようなターゲットを用いて高周波電力、交流電力、直流
電力のいずれかを印加し、ターゲットをスパッタし、こ
れを基板上にスパッタ堆積させることによりDLC膜を
形成する。高周波スパッタ電力は、通常、50W〜2k
W程度である。動作圧力は、通常、10-3〜0.1Pa
が好ましい。
【0033】
【実施例】次に本発明の実施例を説明する。表1に示す
組み合わせでピストンピンとその表面に中間層およびD
LC膜を形成した。ピストンピンおよびコネクティング
ロッド軸孔部の素材としてはすべてSNCM420を使
用した。実施例の基材の表面粗さは全てRa=0.1μ
mとした。これらの基材を真空チャンバーの所定位置に
配置し、排気した後、次の条件で成膜した。
【0034】<中間層の成膜>表1の中間層1をスパッ
タ法により次の条件で製造した。 使用ガス:Ar(5.1×10-2Pa・m3・s-1)=
30sccm スパッタ圧力:40Pa 投入電力:500W ターゲット:Ta、Si 膜厚:Ta(第1層) 10nm、Si(第2層) 9
0nm
【0035】ターゲットを変え同じ成膜条件で表1に示
す中間層を成膜した。単一中間層を使用する場合の膜厚
はすべて100nmとした。
【0036】
【表1】
【0037】<DLCの成膜>DLC膜は自己バイアス
RFプラズマCVD法により次の条件で成膜した。DLC1 原料ガス:C24(0.017Pa・m3・s-1) 電源:RF 動作圧:66.5Pa 投入電力:500W 成膜レート:100nm/min 膜組成:CH0.21 膜厚:2μmDLC2 原料ガス:Si(OCH34(0.085Pa・m3
-1) 電源:RF 動作圧:66.5Pa 投入電力:500W 成膜レート:100nm/min 膜組成:CH0.2Si0.10.17 膜厚:2μmDLC3 原料ガス:Si(CH34(0.085Pa・m3・s
-1) 電源:RF 動作圧:66.5Pa 投入電力:500W 成膜レート:100nm/min 膜組成:CH0.24Si0.22 膜厚:2μm
【0038】<評価方法>DLCをコーティングしない
軸孔(比較例)とDLCをコーティングした軸孔および
ピストンピン(実施例)に、以下の条件を付加して耐久
試験を行った。その後ピストンピンおよび軸孔の摩耗状
態を比較した。試験は、自動車エンジンにおいて、コネ
クティングロッドの軸孔にピストンピンを嵌合し、エン
ジンを駆動した。 この条件は商用自動車の通常の走行時の回転数(200
0〜4000rpm)に比してはるかに過酷なF1レベ
ルに相当する加速試験であることに注意すべきである。
結果は表2に示すとおりであった。但し試験時間は最大
20時間で打ち切った。
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】表1において耐久性時間は記載の時間を
超えるとエンジンの稼働が停止することを示す。本発明
の実施例によると、比較例1に対してはもちろんのこ
と、DLCを使用した公知例に相当する比較例2に比し
ても極めて耐久性の高いコネクティングロッドが提供で
きたことが分かる。実施例1〜4から分かるように、本
発明では比較例2のような精密研磨を施していないにも
拘わらずすぐれた耐久性が得られているので、工程の短
縮とコストの低下が可能となる。なお軸孔に保護膜を形
成する場合と、枢軸に保護膜を形成する場合とでは耐久
性が異なるが、この理由はよくわからないが、軸孔に形
成する方が有利なことが分かる。本発明によると、少な
くとも軸孔に被覆するダイヤモンド状薄膜の材質を適正
に選択することおよび/または適正な中間層を使用する
ことにより密着性を向上し、耐摩耗性を格段に向上する
ことが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用できるコネクティングロッドを備
えた動力伝達系の構造を示す断面図である。
【図2】 従来のDLC膜を施したピストンピンを備え
たコネクティングロッドの構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 エンジン 3 シリンダー 5 ピストン 7 コネクティングロッド 9 小端部 11 ピストンピン 13 大端部 15 偏心軸 17 クランクギヤ 19 カムギヤ 21 カム 23 シム 25 タペット 29 燃料弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02F 3/00 F02F 3/00 Z 3/10 3/10 B (72)発明者 吉野 良子 東京都中央区日本橋一丁目13番1号ティー ディーケイ株式会社内 (72)発明者 橋本 靖 東京都中央区日本橋一丁目13番1号ティー ディーケイ株式会社内 (72)発明者 松場 康浩 東京都中央区日本橋一丁目13番1号ティー ディーケイ株式会社内 (72)発明者 宮内 泉 東京都中央区日本橋一丁目13番1号ティー ディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 3J033 AA04 AB03 AB10 4G046 CA02 CB03 CC06 4K029 AA02 BA16 BA34 BA35 BB02 BC02 BD04 CA03 CA05 DC03 4K030 AA09 BA13 BA17 BA18 BA19 BA28 BA48 BB12 CA02 DA01 FA01 HA04 LA23 4K044 AA02 AB04 AB10 BA12 BA18 BA20 BB02 BB03 BB17 BC01 CA13 CA14

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 枢軸を受ける軸孔を有するコネクティン
    グロッドにおいて、前記軸孔の前記軸に摺動する表面
    に、ダイヤモンド状炭素膜を形成したことを特徴とする
    コネクティングロッド。
  2. 【請求項2】 前記ダイヤモンド状炭素膜は、炭素と水
    素とからなり、その組成をCHnをモル比で表したと
    き、 0.05≦n≦0.7 で表されるダイヤモンド状炭素膜、または珪素を含み、
    酸素、窒素、フッ素が含まれても良く、組成をCHxS
    iyOzNvFwで表したとき、 0.05≦x≦0.7 0.01≦y≦3.0 0≦z≦1.0 0≦v≦1.0 0≦w≦0.2 で表されるダイヤモンド状炭素膜の少なくとも1層より
    なる請求項1のコネクティングロッド。
  3. 【請求項3】 前記ダイヤモンド状炭素膜は、CHxS
    iyOzNvFw(但し0.05≦x≦0.7 0.01≦y≦3.0 0≦z≦1.0 0≦v≦1.0 0≦w≦0.2)で表されるダイヤモンド状炭素膜、及
    びCHn(但し0.05≦n≦0.7)で表されるダイ
    ヤモンド状炭素膜の少なくとも2層を形成するか、また
    はこれらの組成の一方の組成から他方の組成に連続的に
    変化した層を形成したことを特徴とする請求項1のコネ
    クティングロッド。
  4. 【請求項4】 前記軸孔と前記ダイヤモンド状炭素膜の
    間に、(a)第5A族金属(V、Nb、Ta)、第6A
    族金属(Cr、Mo、W)、Ti、およびZrより選択
    された少なくとも一種を主成分とする珪化物または硅炭
    化物、(b)第5A族金属(V、Nb、Ta)より選択
    された少なくとも一種を主成分とする金属膜とその上に
    形成されたSi膜またはSiを主成分とする金属膜、ま
    たは(c)第5A族金属(V、Nb、Ta)、第6A族
    金属(Cr、Mo、W)、Ti、およびZrより選択さ
    れた少なくとも一種の金属膜とその上に形成された炭化
    硅素膜、よりなる中間層を形成したことを特徴とする請
    求項1、2又は3のコネクティングロッド。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかのコネクティン
    グロッドの前記軸孔の面に摺動する前記枢軸の表面に、
    ダイヤモンド状炭素膜を形成したことを特徴とするコネ
    クティングロッドと枢軸の組み合わせ。
  6. 【請求項6】 前記枢軸の面に施した前記ダイヤモンド
    状炭素膜は、炭素と水素とからなり、その組成をCHn
    をモル比で表したとき、 0.05≦n≦0.7 で表されるダイヤモンド状炭素膜、または珪素を含み、
    酸素、窒素、フッ素が含まれても良く、組成をCHxS
    iyOzNvFwで表したとき、 0.05≦x≦0.7 0.01≦y≦3.0 0≦z≦1.0 0≦v≦1.0 0≦w≦0.2 で表されるダイヤモンド状炭素膜の少なくとも1層より
    なる請求項5のコネクティングロッドと枢軸の組み合わ
    せ。
  7. 【請求項7】 前記枢軸の面に施した前記ダイヤモンド
    状炭素膜は、CHxSiyOzNvFw(但し0.05
    ≦x≦0.7 0.01≦y≦3.0 0≦z≦1.0 0≦v≦1.0 0≦w≦0.2)で表されるダイヤモンド状炭素膜、及
    びCHn(但し0.05≦n≦0.7)で表されるダイ
    ヤモンド状炭素膜の少なくとも2層を形成するか、また
    はこれらの組成の一方の組成から他方の組成に連続的に
    変化した層を形成したことを特徴とする請求項6のコネ
    クティングロッドと枢軸の組み合わせ。
  8. 【請求項8】 前記枢軸とその面に施した前記ダイヤモ
    ンド状炭素膜との間に、(a)第5A族金属(V、N
    b、Ta)、第6A族金属(Cr、Mo、W)、Ti、
    およびZrより選択された少なくとも一種を主成分とす
    る珪化物または硅炭化物、(b)第5A族金属(V、N
    b、Ta)より選択された少なくとも一種を主成分とす
    る金属膜とその上に形成されたSi膜またはSiを主成
    分とする金属膜、または(c)第5A族金属(V、N
    b、Ta)、第6A族金属(Cr、Mo、W)、Ti、
    およびZrより選択された少なくとも一種の金属膜とそ
    の上に形成された炭化硅素膜、よりなる中間層を形成し
    たことを特徴とする請求項5、6又は7のコネクティン
    グロッドと枢軸の組み合わせ。
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