JP2002371358A - シリコン系薄膜の形成方法、シリコン系薄膜及び半導体素子 - Google Patents

シリコン系薄膜の形成方法、シリコン系薄膜及び半導体素子

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JP2002371358A
JP2002371358A JP2001180886A JP2001180886A JP2002371358A JP 2002371358 A JP2002371358 A JP 2002371358A JP 2001180886 A JP2001180886 A JP 2001180886A JP 2001180886 A JP2001180886 A JP 2001180886A JP 2002371358 A JP2002371358 A JP 2002371358A
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Takaharu Kondo
隆治 近藤
Koichi Matsuda
高一 松田
Shotaro Okabe
正太郎 岡部
Koichiro Moriyama
公一郎 森山
Makoto Tokawa
誠 東川
Tetsuo Nakamura
哲郎 中村
Yoshinori Sugiura
嘉則 杉浦
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Abstract

(57)【要約】 【課題】少ない製造工程で、活性化エネルギーが小さ
く、光の吸収が小さい窓層として優れた導電層の形成が
可能なシリコン系薄膜の形成方法を提供すること。開放
電圧が大きく、可視光の吸収効率が高く、導電型層とi
型半導体層の界面領域の界面準位を少なく、良好な特性
をもつ半導体素子を提供すること。 【解決手段】 高周波導入部247に高周波257を印
加したときの高周波導入部247の浮遊電位を接地電位
に対して負とし、高周波導入部247の電位を浮遊電位
より大きな値になるように制御することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシリコン系薄膜の形
成方法、シリコン系薄膜、シリコン系薄膜からなる半導
体接合を有する半導体素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】シリコン系薄膜の形成方法として、大面
積化や低温形成が容易であり、プロセススループットが
向上する点から高周波プラズマ法は、シリコン系薄膜の
量産化に対して有力な手段の一つである。
【0003】シリコン系薄膜からなる半導体接合を有す
る半導体素子として例として太陽電池を考えてみると、
化石燃料を利用した既存のエネルギーに比べて、シリコ
ン系薄膜を用いた太陽電池は、エネルギー源が無尽蔵で
あること、発電過程がクリーンであるという利点がある
ものの、普及を進めるためには、発電電力量あたりの単
価をさらに下げるが必要である。そのためには、光電変
換効率を高めるための技術の確立は、最も重要な技術課
題の一つとなっている。
【0004】pin接合を有する光起電力素子において
は、実質的に光吸収層として機能するのはi型半導体層
である。そのため、導電型層には光電流を発生させるi
型半導体層への光入射を極力妨げないことが要求され
る。さらに、導電型層には、活性化したアクセプターあ
るいはドナーの密度が高く、活性化エネルギーが小さい
ことが要求される。それによって、pin接合を形成し
たときの拡散電位(ビルトインポテンシャル)が大きく
なり、光起電力素子においては開放電圧が大きくなっ
て、光電変換効率が向上する。さらには、導電型層とi
型半導体層の界面近傍は、フォトキャリアが多数発生す
る領域であるため、界面近傍のi型半導体層が十分に空
乏層化していること、界面領域のバンドプロファイルが
発生したフォトキャリアを導電層側に逆拡散させない形
になっていること、界面領域の界面準位が少なく、発生
したフォトキャリアの再結合が少ないことが要求され
る。
【0005】以上のことを背景に近年、pin接合を有
する半導体素子における導電型層に関して、さまざまな
取り組みが行なわれている。
【0006】その一例として特開平9−51116号公
報には、i型半導体層の表面を価電子制御剤を含むプラ
ズマに曝すことで形成した層Aと、層A上に少なくとも
価電子制御剤と前記i型半導体層の主たる構成元素とを
用いて堆積した層Bとを有する構成とすると、活性化し
たアクセプターあるいはドナーの密度が高く、活性化エ
ネルギーが小さいことと吸収係数が小さいこととを両立
させたドーピング層を形成することができ、また前記i
型半導体層と前記層Aとの界面と、前記層Bを堆積する
時の界面が分離されるため、光起電力素子の開放電圧と
曲線因子が増大し、光電変換効率が向上することが開示
されている。
【0007】また、プラズマの制御方法として特公平6
−101458号公報には、複数の穴を有した電極から
ガスを供給する構成を含むプラズマCVD法において、
前記電極に高周波電力を供給するとともに、負の直流電
圧をフィルター回路を介して供給する方法が開示されて
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】特開平 9−5111
6号公報で開示された方法は、優れたものであるが、形
成の過程でi型半導体層の表面を価電子制御剤を含むプ
ラズマに曝すという別の工程が必要となること、また価
電子制御剤を含むプラズマに曝すための形成条件範囲が
せまく、長時間にわたって安定した条件を維持すること
が困難であること、導電型層を結晶相を含む層とする場
合に、価電子制御剤を含むプラズマに曝すことで形成し
た層には、表面領域の高密度のドーパントが存在し、し
かも存在密度を制御することが難しいために、結晶核の
発生の乱発を誘発し、良好な結晶相を形成することが難
しく、その結果可視光の吸収を十分におさえることが困
難であることなどの課題がある。
【0009】また、特公平6−101458号公報で開
示された方法は、電極の穴の部分への電子の流入を抑制
し、穴の部分での連続的なスパークを防止することがで
きるように負の直流電圧を制御して導入するものであ
り、p型やn型の導電型を示す半導体層の改善について
は特に触れられていない。また高周波としては、50K
Hzが記載されているだけであり、本効果はこのような
周波数領域において限定的に発現されるものであると思
われる。また導入される直流電圧の値に関しては、連続
的なスパークを防止することができるように制御して導
入するとの記載しかなく、浮遊電位と導入される直流電
圧の値については特にふれられていない。
【0010】本発明は、低コストで、優れた性能をもつ
シリコン系薄膜形成することが可能なシリコン系薄膜の
形成方法を提供することを目的とする。
【0011】本発明は、特性のすぐれたシリコン系薄膜
を提供することを目的とする。
【0012】本発明は、密着性、耐環境性などに優れた
半導体素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】本発明のシリコン系薄膜
の形成方法は、真空容器内に少なくともシリコン含有ガ
スとドーパント含有ガスを含んだ原料ガスを導入し、前
記真空容器内に設置した高周波導入部に高周波電力を導
入してプラズマを生起させて、前記高周波導入部と対向
した位置に配置され電気的に接地されている電極上の基
板上に、高周波プラズマCVD法を用いてシリコン系薄
膜を形成する方法であって、前記高周波導入部に高周波
を印加したときの高周波導入部の浮遊電位を接地電位に
対して負とし、前記高周波導入部の電位を浮遊電位より
大きな値になるように制御することを特徴とする。
【0013】本発明のシリコン系薄膜は、真空容器内に
少なくともシリコン含有ガスとドーパント含有ガスを含
んだ原料ガスを導入し、前記真空容器内に設置した高周
波導入部に高周波電力を導入してプラズマを生起させ
て、前記高周波導入部と対向した位置に配置され電気的
に接地されている電極上の基板上に、高周波プラズマC
VD法を用いて形成したシリコン系薄膜であって、前記
高周波導入部に高周波を印加したときの高周波導入部の
浮遊電位が接地電位に対して負とし、前記高周波導入部
の電位を浮遊電位より大きな値になるように制御して形
成されることを特徴とする。
【0014】本発明の半導体素子は、基板上に形成され
た半導体接合を有する半導体素子であって、前記半導体
接合が、第一の導電型を示す半導体層、i型半導体層、
第二の導電型を示す半導体層が順次積層されたpin型
の半導体接合を少なくとも一組含み、前記第一の導電型
を示す半導体層、第二の導電型を示す半導体層のうちの
少なくとも一つが、真空容器内に少なくともシリコン含
有ガスとドーパント含有ガスを含んだ原料ガスを導入
し、前記真空容器内に設置した高周波導入部に高周波電
力を導入してプラズマを生起させて、前記高周波導入部
と対向した位置に配置され電気的に接地されている電極
上の基板上に、高周波プラズマCVD法を用いて形成し
たシリコン系薄膜であって、前記高周波導入部に高周波
を印加したときの浮遊電位を接地電位に対して負とし、
前記高周波導入部の電位を浮遊電位より大きな値になる
ように制御して形成される導電型を示すシリコン系薄膜
からなることを特徴とする。
【0015】前記導電型が、p型またはn型であること
が好ましい。前記高周波導入部の電位を浮遊電位より大
きな値になるように制御する方法が、前記高周波導入部
に直流成分を重畳させることであることが好ましい。前
記高周波導入部の電位を浮遊電位より大きな値になるよ
うに制御することにより、可視光の吸収を低減する効果
を発現することが好ましい。前記ドーパント含有ガス
が、ハロゲン原子を含むことが好ましい。前記高周波導
入部の電位が、浮遊電位より大きく接地電位以下である
ように制御することが好ましい。前記高周波導入部の電
位が、接地電位になるように制御することが好ましい。
前記基板が、導電性基板であることが好ましい。前記基
板が前記高周波導入部と対向した位置に配置され電気的
に接地されている電極をかねる構成であることが好まし
い。前記高周波プラズマCVD法が、ロール・ツー・ロ
ール方式によって行なわれることが好ましい。前記高周
波の周波数が13.56MHz以上100MHz以下で
あることが好ましい。前記導電型を示すシリコン系薄膜
が、結晶相を含むシリコン系薄膜であることが好まし
い。前記導電型を示すシリコン系薄膜が、pin型の半
導体接合の、光照射側に配置された導電型を示す半導体
層であることが好ましい。前記導電型を示すシリコン系
薄膜が、複数pin型の半導体接合が積層された半導体
素子において、前記複数のpin接合のうち、最も光照
射側に配置されたpin接合の、光入射側に配置された
導電型を示す半導体層であることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】前述した課題を解決するために鋭
意研究を重ねた結果、本発明者は、高周波導入部に高周
波を印加したときの浮遊電位を接地電位に対して負と
し、前記高周波導入部の電位を浮遊電位より大きな値に
なるように制御すれば、少ない製造工程で、活性化エネ
ルギーが小さく、光の吸収が小さい窓層として優れた導
電層の形成が可能であり、pin型の半導体接合を少な
くとも一組含む半導体素子の光照射側に配置された導電
型を示す半導体層に前記シリコン系薄膜を用いた場合に
は、開放電圧が大きく、可視光の吸収効率が高く、導電
型層とi型半導体層の界面領域の界面準位を少なくする
ことが可能であり、良好な特性をもつ半導体素子の形成
が可能になったことを見出した。
【0017】
【作用】高周波プラズマCVD法で用いる原料ガス中に
ドーパント含有ガスを加えて導電型層としてのシリコン
系薄膜を作成する過程においては、高周波導入部の電位
を浮遊電位より大きな値になるように制御することによ
って、ドーパント原子をより高濃度で均一にシリコン系
薄膜中に導入することが可能になるため、活性化エネル
ギーの小さな導電型層を形成することが可能になる。こ
れは、高周波導入部の電位を浮遊電位より大きな値にな
るように制御することによって、基板と高周波導入部の
電位が近づくために、プラズマ内部のプラズマポテンシ
ャルの対称性が高まり、基板側にもドーパント原子の供
給が十分に行なわれるようになるためではないかと思わ
れる。
【0018】また、原料ガスにSiH4やSiF4などを
用いた場合には、基板近傍の電子の高密度化が相対的に
緩和されるために、原料ガスの2次反応が低減されるた
めにSiH4やSiF4などの枯渇が抑制され、プラズマ
中のSiX2、SiX、Siなどの反応種の存在確率が
減少するために、欠陥密度の少ない、緻密な導電型層を
形成することが可能になるものと考えられる(XはH、
Fなど)。
【0019】これにより、可視光の吸収を低減する効果
も発現し、pin接合を有する半導体素子の導電型層と
して用いた場合に好ましいものである。なお、ここで、
浮遊電位とは、プラズマを生起させたときに生じる接地
と電気的に絶縁された高周波導入部の自己電位のことで
ある。
【0020】また、pin接合を有する半導体素子にお
いて、i型半導体上に導電型層を形成する場合において
は、高周波導入部の電位を浮遊電位より大きな値になる
ように制御することによって、i型半導体層と導電型層
との間の界面構造が不活性化され、界面近傍のi型半導
体層を十分に空乏層化させることが可能になる。この現
象の詳細は不明であるが、高周波導入部の電位を、浮遊
電位の状態でシリコン系薄膜の形成を行なった場合に
は、シリコン系薄膜の成長表面を十分な水素原子で覆う
ことができず、シリコン系薄膜の成長表面が水素原子に
覆われていない部分は、シリコン原子に未結合手が存在
し、その結果シリコン原子の結合状態の対称性が乱れて
しまうという現象が生じる。その結果、いわゆるヤーン
テラー効果によってシリコン原子の配置に非対称性が生
じ、界面近傍の構造の整合性が不十分になるものと思わ
れる。特に異種原子であるドーパント原子を含むプラズ
マ中では、堆積される導電型層の構造歪みを増大させ、
この傾向はより顕著になるのではないかと思われる。高
周波導入部の電位を浮遊電位より大きな値になるように
制御することによって、上記の問題点が改善され、密着
性に優れた半導体素子の形成が可能になるのではないか
と思われる。
【0021】プラズマが生起した状態における高周波導
入部の電位は、高周波導入部が浮遊状態にあるときに
は、プラズマを囲う領域の接地されている部分の面積
と、高周波導入部の面積との比に相関している。そのた
め、高周波導入部の電位を相対的に高めるためには、高
周波導入部を凹凸形状のものとして高周波導入部の表面
積を増大させることが好ましいが、高周波導入部と基板
との距離が小さいときにはスペース上の制約により、所
望の効果が得られない場合がありえるものと思われる。
【0022】また、圧力が高い場合などには、プラズマ
の均一性を維持することが難しいといった問題点もあ
る。
【0023】ここで、高周波導入部に直流電量を重畳さ
せる構成をとることにより、前記のような高周波導入部
の形状を変化させることなく、前記高周波導入部の電位
を浮遊電位以上の値になるように制御することが可能で
あるために、好ましいものである。特に、高周波導入部
のプラズマに面する領域の面積をA(m2)とし、高周
波導入部と基板との距離をB(m)としたときに、A/
Bの値が500以上となるような相対的に高周波導入部
の面積が大きい場合には、より効果的である。
【0024】高周波導入部に直流電量を重畳させる方法
としては、高周波導入部と高周波電源の回路上に、チョ
ークコイルを介して直流電源に接続する回線を導入する
方法などが好ましいものである。
【0025】一方、高周波導入部の電位を浮遊電位に対
して大きくしすぎると、高周波導入部と基板との間にス
パークなどの異常放電を発生したり、堆積膜表面がチャ
ージアップすることによる絶縁破壊の要因となるため、
前記高周波導入部の電位が、浮遊電位より大きく接地電
位以下であるように制御することが好ましいものであ
る。また、高周波導入部の電位が、接地電位となるよう
に制御することにより、長時間の放電を安定して継続す
ることが可能であり、膜質の安定化も図れるために好ま
しいものである。
【0026】高周波導入部の電位を接地電位とするに
は、高周波導入部と高周波電源の回路上に、チョークコ
イルを介して導入した回線を接地することによって行な
うことができる。このとき、直流電源を介して接地する
構成であってもかまわない。
【0027】前記導電型を示すシリコン系薄膜を結晶相
を含むシリコン系薄膜とすることで、より可視光の吸収
を抑制することが可能になるために、pin接合を有す
る半導体素子における導電型層として用いることは、好
ましいものである。
【0028】しかし、従来は活性化したアクセプターあ
るいはドナーの密度が高く、活性化エネルギーが小さい
結晶相を含むシリコン系薄膜を形成することは容易では
なかった。この要因としては、高周波導入部の電位を浮
遊電位の状態で結晶相の形成を行なった場合には、シリ
コンの四配位席からなる四面体構造中のドーパント原子
の位置を安定化させることが難しかったためではないか
と思われる。この場合には、必要な拡散電位を得るため
には、導電型層の膜厚を厚くする必要があり、そのため
結晶相の特徴である可視光の吸収を抑制できる効果が半
減されてしまっていた。また、四面体構造中のドーパン
ト原子の位置が安定化されない場合には、そのようなド
ーパント原子は結晶核の発生因子となりやすいために、
結晶相領域の形状が不規則化し、特性や膜の密着性を低
下する要因ともなっていた。
【0029】そこで、前記高周波導入部の電位を浮遊電
位より大きな値になるように制御することにより、四面
体構造中のドーパント原子に位置を安定化することがで
き、さらにドーパント原子を積極的に堆積膜中に打ち込
むことができることにより、形成した導電型層は、活性
化したアクセプターあるいはドナーの密度が高く、活性
化エネルギーが小さいことと吸収係数が小さいこととを
両立させた構成とすることができ、さらに耐環境性にす
ぐれた特性の安定したものとすることが可能になる。
【0030】ここで原料ガスに含まれるドーパント含有
ガスが、ハロゲン原子を含む構成とした場合には、これ
らの活性種を含むプラズマ雰囲気は、シリコン系薄膜の
堆積に寄与する活性種に加えて、エッチングに寄与する
活性種もある点が特徴であると思われる。このため、膜
表面の相対的に結合力の弱いSi−Si結合をエッチン
グしながら膜の堆積が進むことで、高品質なシリコン系
薄膜の形成が可能であり、とくに結晶化度の大きなシリ
コン系薄膜の形成が可能になると考えられる。
【0031】また、エッチングの過程では、結合が切断
されることに伴ないラジカルが形成され、構造緩和が促
進されるため、より低温のプロセス温度下での良質なシ
リコン系薄膜の形成が可能になると考えられるために、
より好ましいものであると考えられる。
【0032】ハロゲン原子を含むドーパント含有ガスと
しては、p型層形成ガスとしてはBF 3、BCl3などの
ハロゲン化ホウ素や、AlCl3、GaCl3、InCl
3、TlCl3などが挙げられ、n型層形成ガスとして
は、PH4I、PF3、PF5、PCl3、PCl5、PB
3、PBr5、PI3などのハロゲン化リンや、As
3、AsCl3、AsBr3、AsF5、SbF3、Sb
5、SbCl3、SbCl5、BiCl3、BiBr3
どが挙げられる。
【0033】ここで、高周波プラズマCVD法としてロ
ール・ツー・ロール法を用いることが好ましい。ロール
・ツー・ロール法では、複数の半導体形成用真空容器を
設けてある。それらの半導体形成用真空容器は、所望の
幅の十分に長い帯状の基板が順次貫通する経路に沿って
配置されていて、前記半導体形成用真空容器のそれぞれ
において、必要とされる半導体膜を形成しつつ、前記基
板をその長手方向に連続的に搬送させることによって、
所望の半導体接合を有する大面積のデバイスを連続的に
形成することができる。
【0034】ロール・ツー・ロール法では、複数の半導
体形成用真空容器内にプラズマを維持しながら、堆積膜
の形成を行なうために、複数の半導体形成用真空容器内
ごとに、前記基板の電位を異なったものに維持すること
が困難である。そこで、前記基板側を接地電位とし、前
記高周波導入部に直流電位を重畳して、プラズマ電位を
制御する方法が好ましいものである。
【0035】前記基板が導電性基板の場合には、前記基
板が前記高周波導入部と対向した位置に配置され電気的
に接地されている電極をかねる構成とすることも可能で
ある。
【0036】ここで周波数が13.56MHz以上10
0MHz以下の高周波を用いたCVD法で形成する方法
は、さらにプラズマ中の電子温度を抑制し、かつ大面積
で均一なプラズマが形成されやすいために好ましいもの
である。
【0037】また、印加する高周波パワーのプラズマの
生起している放電空間あたりの密度は、0.001W/
cm3以上2W/cm3以下の範囲が好ましいものであ
る。また、下地への影響や密着性、耐環境性、光劣化率
の低減の効果の点に鑑みると、印加する高周波パワーの
プラズマの生起している放電空間あたりの密度は、0.
1W/cm3以上1W/cm3以下がより好ましい範囲と
してあげられる。
【0038】次に本発明の半導体素子として光起電力素
子を例にあげ、その構成要素について説明する。
【0039】図1は本発明の光起電力素子の一例を示す
模式的な断面図である。図中101は基板、102は半
導体層、103は第二の透明導電層、104は集電電極
である。また、101−1は基体、101−2は金属
層、101−3は第一の透明導電層である。これらは基
板101の構成部材である。
【0040】(基体)基体101−1としては、金属、
樹脂、ガラス、セラミックス、半導体バルク等からなる
板状部材やシート状部材が好適に用いられる。その表面
には微細な凸凹を有していてもよい。透明基体を用いて
基体側から光が入射する構成としてもよい。また、基体
を長尺の形状とすることによってロール・ツー・ロール
法を用いた連続成膜を行うことができる。特にステンレ
ス、ポリイミド等の可撓性を有する材料は基体101−
1の材料として好適である。
【0041】(金属層)金属層101−2は電極として
の役割と、基体101−1にまで到達した光を反射して
半導体層102で再利用させる反射層としての役割とを
有する。その材料としては、Al、Cu、Ag、Au、
CuMg、AlSi等を好適に用いることができる。そ
の形成方法としては、蒸着、スパッタ、電析、印刷等の
方法が好適である。金属層101−2は、その表面に凸
凹を有することが好ましい。それにより反射光の半導体
層102内での光路長を伸ばし、短絡電流を増大させる
ことができる。基体101−1が導電性を有する場合に
は金属層101−2は形成しなくてもよい。
【0042】(第一の透明導電層)第一の透明導電層1
01−3は、入射光及び反射光の乱反射を増大し、半導
体層102内での光路長を伸ばす役割を有する。また、
金属層101−2の元素が半導体層102へ拡散あるい
はマイグレーションを起こし、光起電力素子がシャント
することを防止する役割を有する。さらに、適度な抵抗
をもつことにより、半導体層のピンホール等の欠陥によ
るショートを防止する役割を有する。さらに、第一の透
明導電層101−3は、金属層101−2と同様にその
表面に凸凹を有していることが望ましい。第一の透明導
電層101−3は、ZnO、ITO等の導電性酸化物か
らなることが好ましく、蒸着、スパッタ、CVD、電析
等の方法を用いて形成されることが好ましい。これらの
導電性酸化物に導電率を変化させる物質を添加してもよ
い。
【0043】また、酸化亜鉛層の形成方法としては、ス
パッタ、電析等の方法、あるいはこれらの方法を組み合
わせて形成されることが好ましい。
【0044】スパッタ法によって酸化亜鉛膜を形成する
条件は、方法やガスの種類と流量、内圧、投入電力、成
膜速度、基板温度等が大きく影響を及ぼす。例えばDC
マグネトロンスパッタ法で、酸化亜鉛ターゲットを用い
て酸化亜鉛膜を形成する場合には、ガスの種類としては
Ar、Ne、Kr、Xe、Hg、O2などがあげられ、
流量は、装置の大きさと排気速度によって異なるが、例
えば成膜空間の容積が20リットルの場合、1sccm
から100sccmが望ましい。また成膜時の内圧は1
×10-4Torrから0.1Torrが望ましい。投入
電力は、ターゲットの大きさにもよるが、直径15cm
の場合、10Wから100KWが望ましい。また基板温
度は、成膜速度によって好適な範囲が異なるが、1μm
/hで成膜する場合は、70℃から450℃であること
が望ましい。
【0045】また、電析法によって酸化亜鉛膜を形成す
る条件は、耐腐食性容器内に、硝酸イオン、亜鉛イオン
を含んだ水溶液を用いるのが好ましい。硝酸イオン、亜
鉛イオンの濃度は、0.001mol/lから1.0m
ol/lの範囲にあるのが望ましく、0.01mol/
lから0.5mol/lの範囲にあるのがより望まし
く、0.1mol/lから0.25mol/lの範囲に
あるのがさらに望ましい。硝酸イオン、亜鉛イオンの供
給源としては特に限定するものではなく、両方のイオン
の供給源である硝酸亜鉛でもよいし、硝酸イオンの供給
源である硝酸アンモニウムなどの水溶性の硝酸塩と、亜
鉛イオンの供給源である硫酸亜鉛などの亜鉛塩の混合物
であってもよい。
【0046】さらに、これらの水溶液に、異常成長を抑
制したり密着性を向上させるために、炭水化物を加える
ことも好ましいものである。炭水化物の種類は特に限定
されるものではないが、グルコース(ブドウ糖)、フル
クトース(果糖)などの単糖類、マルトース(麦芽
糖)、サッカロース(ショ糖)などの二糖類、デキスト
リン、デンプンなどの多糖類などや、これらを混合した
ものを用いることができる。水溶液中の炭水化物の量
は、炭水化物の種類にもよるが概ね、0.001g/l
から300g/lの範囲にあるのが望ましく、0.00
5g/lから100g/lの範囲にあるのがより望まし
く、0.01g/lから60g/lの範囲にあることが
さらに望ましい。
【0047】電析法により酸化亜鉛膜を堆積する場合に
は、前記の水溶液中に酸化亜鉛膜を堆積する基体を陰極
にし、亜鉛、白金、炭素などを陽極とするのが好まし
い。このとき負荷抵抗を通して流れる電流密度は、10
mA/dm2から10A/dm2であることが好ましい。
【0048】(基板)以上の方法により、基体101−
1上に必要に応じて、金属層101−2、第一の透明導
電層101−3を積層して基板101を形成する。ま
た、素子の集積化を容易にするために、基板101に中
間層として絶縁層を設けてもよい。
【0049】(半導体層)本発明のシリコン系薄膜がそ
の一部を構成する半導体層102の主たる材料としては
Siが用いられる。Siに加えて、SiとC又はGeと
の合金を用いても構わない。半導体層をp型半導体層と
するにはIII属元素、n型半導体層とするにはV属元
素を含有する。p型層及びn型層の電気特性としては、
活性化エネルギーが0.2eV以下のものが好ましく、
0.1eV以下のものが最適である。また比抵抗として
は100Ωcm以下が好ましく、1Ωcm以下が最適で
ある。スタックセル(pin接合を複数有する光起電力
素子)の場合、光入射側に近いpin接合のi型半導体
層はバンドギャップが広く、遠いpin接合になるに随
いバンドギャップが狭くなるのが好ましい。光入射側の
ドープ層(p型層もしくはn型層)は光吸収の少ない結
晶性の半導体か、又はバンドギャップの広い半導体が適
している。
【0050】本発明の構成要素である半導体層102に
ついてさらに説明を加えると、図3は本発明の光起電力
素子の一例として、一組のpin接合をもつ半導体層1
02を示す模式的な断面図である。図中102−1は第
一の導電型を示す半導体層であり、さらに、本発明のシ
リコン系薄膜からなるi型半導体層102−2、第二の
導電型を示す半導体層102−3を積層する。pin接
合を複数持つ半導体層においては、そのなかのうちの少
なくとも一つが前記の構成であることが好ましい。
【0051】pin接合を2組積層したスタックセルの
例としては、i型シリコン系半導体層の組み合わせとし
て、光入射側から(アモルファスシリコン半導体層、ア
モルファスシリコン半導体層)、(アモルファスシリコ
ン半導体層、微結晶を含んだシリコン半導体層)、(微
結晶を含んだシリコン半導体層、微結晶を含んだシリコ
ン半導体層)となるものがあげられる。また、 pin
接合を3組積層した光起電力素子の例としては i型シ
リコン系半導体層の組み合わせとして、光入射側から
(アモルファスシリコン半導体層、微結晶を含んだシリ
コン半導体層、微結晶を含んだシリコン半導体層)、
(アモルファスシリコン半導体層、微結晶を含んだシリ
コン半導体層、アモルファスシリコンゲルマニウム半導
体層)、となるものがあげられる。i型半導体層として
は光(630nm)の吸収係数(α)が5000cm-1
以上、ソーラーシミュレーター(AM1.5、100m
W/cm 2)による擬似太陽光照射化の光伝導度(σ
p)が10×10-5S/cm以上、暗伝導度(σd)が
10×10-6S/cm以下、コンスタントフォトカレン
トメソッド(CPM)によるアーバックエナジーが55
meV以下であるのが好ましい。
【0052】i型半導体層としては、わずかにp型、n
型になっているものでも使用することができる。またi
型半導体層にシリコンゲルマニウム半導体層を用いた場
合には、界面準位低減や開放電圧を高める目的で、p/
i界面、n/i界面の少なくともどちらか一方に、ゲル
マニウムを含有していないi型半導体層を挿入した構成
をとってもよい。
【0053】(半導体層の形成方法)本発明のシリコン
系薄膜及び半導体層102を形成するには、高周波プラ
ズマCVD法が適している。以下、高周波プラズマCV
D法によって半導体層102を形成する手順の好適な例
を示す。 (1)減圧状態にできる半導体形成用真空容器内を所定
の圧力に減圧する。 (2)堆積室内に原料ガス、希釈ガス等の材料ガスを導
入し、堆積室内を真空ポンプによって排気しつつ、堆積
室内を所定の堆積圧力に設定する。 (3)基板101をヒーターによって所定の温度に設定
する。 (4)高周波電源によって発振された高周波を前記堆積
室に導入する。前記堆積室への導入方法は、高周波がマ
イクロ波の場合には導波管によって導き石英、アルミ
ナ、窒化アルミニウムなどの誘電体窓を介して堆積室内
に導入したり、高周波がVHFやRFの場合には同軸ケ
ーブルによって導き、金属電極を介して堆積室内に導入
したりする方法がある。 (5)堆積室内にプラズマを生起させて原料ガスを分解
し、堆積室内に配置された基板101上に堆積膜を形成
する。この手順を必要に応じて複数回繰り返して半導体
層102を形成する。
【0054】半導体層102の形成条件としては、堆積
室内の基板温度は100〜450℃、圧力は0.05P
a〜1.5×104Pa、高周波パワー密度は0.00
1〜2W/cm3が好適な条件としてあげられる。半導
体層102の形成に適した原料ガスとしては、Si
4、SiH22、SiH3F、Si26などのフッ素化
シリコン、SiH4、Si26等の水素化シリコン化合
物、合金系にする場合にはさらに、GeH4やCH4など
のようにGeやCを含有したガス化しうる化合物を水素
ガスガスで希釈して堆積室内に導入することが望まし
い。さらにHeなどの不活性ガスを添加してもよい。
【0055】半導体層をp型層とするためのドーパント
ガスとしては、上述したハロゲン原子を含むものに加え
て、B26等が用いられる。また、半導体層をn型層と
するためのドーパントガスとしては、上述したハロゲン
原子を含むものに加えて、PH 3等が用いられる。結晶
相の薄膜や、SiC等の光吸収が少ないかバンドギャッ
プの広い層を堆積する場合には、原料ガスに対する希釈
ガスの割合を増やし、比較的高いパワー密度の高周波を
導入するのが好ましい。
【0056】大面積で半導体層を形成するために、真空
容器内への原料ガスの導入方法として、高周波導入部に
複数の孔を設けて、ここを通してプラズマ空間へシャワ
ー状に原料ガスを導入する方法や、複数の孔を設けたガ
ス導入管をプラズマ空間内に配設する方法などは、均質
なプラズマを形成することができるために、好ましいも
のである。
【0057】(第二の透明導電層)第二の透明導電層1
03は、光入射側の電極であるとともに、その膜厚を適
当に設定することにより反射防止膜の役割をかねること
ができる。第二の透明導電層103は、半導体層102
の吸収可能な波長領域において高い透過率を有すること
と、抵抗率が低いことが要求される。好ましくは550
nmにおける透過率が80%以上、より好ましくは85
%以上であることが望ましい。抵抗率は5×10-3Ωc
m以下、より好ましくは1×10-3Ωcm以下であるこ
とが好ましい。第二の透明導電層103の材料として
は、ITO、ZnO、In2O3等を好適に用いること
ができる。その形成方法としては、蒸着、CVD、スプ
レー、スピンオン、浸漬などの方法が好適である。これ
らの材料に導電率を変化させる物質を添加してもよい。
【0058】(集電電極)集電電極104は集電効率を
向上するために透明電極103上に設けられる。その形
成方法として、マスクを用いてスパッタによって電極パ
ターンの金属を形成する方法や、導電性ペーストあるい
は半田ペーストを印刷する方法、金属線を導電性ペース
トで固着する方法などが好適である。
【0059】なお、必要に応じて光起電力素子の両面に
保護層を形成することがある。同時に光起電力素子の裏
面(光入射側と反射側)などに鋼板等の補教材を併用し
てもよい。
【0060】
【実施例】以下の実施例では、半導体素子として太陽電
池を例に挙げて本発明を具体的にするが、これらの実施
例は本発明の内容を何ら限定するものではない。なお、
以下の実施例で記載されている微結晶半導体層には、結
晶相のみの構成だけでなく、一部非晶質層を含んでいる
構成も含めるものとする。
【0061】[実施例1]図2に示した堆積膜形成装置
201を用い、以下の手順で図4に示した光起電力素子
を形成した。図4は本発明のシリコン系薄膜を有する光
起電力素子の一例を示す模式的な断面図である。図中、
図1と同様の部材には同じ符号を付して説明を省略す
る。この光起電力素子の半導体層は、アモルファスn型
半導体層102−1Aと微結晶i型半導体層102−2
Aと微結晶p型半導体層102−3Aとからなってい
る。すなわち、この光起電力素子はいわゆるpin型シ
ングルセル光起電力素子である。
【0062】図2は、本発明のシリコン系薄膜及び光起
電力素子を製造する堆積膜形成装置の一例を示す模式的
な断面図である。図2に示す堆積膜形成装置201は、
基板送り出し容器202、半導体形成用真空容器211
〜217、基板巻き取り容器203が、ガスゲート22
1〜228を介して結合することによって構成されてい
る。この堆積膜形成装置201には、各容器及び各ガス
ゲートを貫いて帯状の導電性基板204がセットされ
る。帯状の導電性基板204は、基板送り出し容器20
2に設置されたボビンから巻き出され、基板巻き取り容
器203で別のボビンに巻き取られる。
【0063】半導体形成用真空容器211〜217は、
それぞれプラズマ生起領域を形成する堆積室を有してい
る。概堆積室は、プラズマの生起している放電空間を、
前記導電性基板と前記高周波導入部で上下を限定し、高
周波導入部を取り囲むように設置された放電板で横方向
を限定するように構成されている。
【0064】該堆積室内の平板状の高周波導入部241
〜247には、高周波電源251〜257から不図示の
マッチングボックスを介して高周波電力を印加すること
によってグロー放電を生起させ、それによって原料ガス
を分解し導電性基板204上に半導体層を堆積させる。
高周波導入部241〜247は、導電性基板204と対
向している。また、各半導体形成用真空容器211〜2
17には、原料ガスや希釈ガスを導入するためのガス導
入管231〜237が接続されている。
【0065】また、高周波電源254と高周波導入部2
44の経路上、及び高周波電源257と高周波導入部2
47の経路上には、チョーク回路を介してそれぞれバイ
ポーラ型の直流電源271、272が接続されている。
【0066】図2に示した堆積膜形成装置201は、半
導体形成用真空容器を7個具備しているが、以下の実施
例においては、すべての半導体形成用真空容器でグロー
放電を生起させる必要はなく、製造する光起電力素子の
層構成にあわせて各容器でのグロー放電の有無を選択す
ることができる。また、各半導体形成用真空容器には、
各堆積室内での導電性基板204と放電空間との接触面
積を調整するための、不図示の成膜領域調整板が設けら
れている。
【0067】まず、ステンレス(SUS430BA)か
らなる帯状の基体(幅50cm、長さ1500m、厚さ
0.125mm)を十分に脱脂、洗浄し、不図示の連続
スパッタリング装置に装着し、Ag電極をターゲットと
して、厚さ100nmのAg薄膜をスパッタ蒸着させ
た。さらにZnOターゲットを用いて、厚さ1.2μm
のZnO薄膜をAg薄膜の上にスパッタ蒸着し、帯状の
導電性基板204を形成した。
【0068】次に基板送り出し容器202に、導電性基
板204を巻いたボビンを装着し、導電性基板204を
搬入側のガスゲート、半導体形成用真空容器211、2
12、213、214、215、216、217、搬出
側のガスゲートを介し、基板巻き取り容器203まで通
し、帯状の導電性基板204がたるまないように張力調
整を行った。そして、基板送り出し容器202、半導体
形成用真空容器211、212、213、214、21
5、216、217、基板巻き取り容器203を不図示
の真空ポンプからなる真空排気系により、5.0×10
-4Pa以下まで充分に真空排気した。
【0069】次に、真空排気系を作動させつつ、半導体
形成用真空容器211、212、214へガス導入管2
31、232、234から原料ガス及び希釈ガスを供給
した。また、半導体形成用真空容器211、212、2
14以外の半導体形成用真空容器にはガス導入管から2
00cm3/min(normal)のH2ガスを供給
し、同時に不図示の各ゲートガス供給管から、各ガスゲ
ートにゲートガスとして500sccmのH2ガスを供
給した。この状態で真空排気系の排気能力を調整して、
半導体形成用真空容器211、212、214内の圧力
を所定の圧力に調整した。形成条件は表1に示す通りで
ある。
【0070】半導体形成用真空容器211、212、2
14内の圧力が安定したところで、基板送り出し容器2
02から基板巻き取り容器203の方向に、導電性基板
204の移動を開始した。
【0071】次に、半導体形成用真空容器211、21
2、214内の高周波導入部241、242、244に
高周波電源251、252、254より高周波を導入
し、半導体形成用真空容器211、212、214内の
堆積室内にグロー放電を生起し、導電性基板204上
に、アモルファスn型半導体層(膜厚30nm)、微結
晶i型半導体層(膜厚1.5μm)、微結晶p型半導体
層(膜厚10nm)を形成し光起電力素子を形成した。
ここで、半導体形成用真空容器211には周波数13.
56MHz、パワー密度5mW/cm3の高周波電力を
Al製の金属電極からなる高周波導入部241から、半
導体形成用真空容器212には周波数60MHz、パワ
ー密度400mW/cm3の高周波電力をAl製の金属
電極からなる高周波導入部242から、半導体形成用真
空容器214には周波数13.56MHz、パワー密度
300mW/cm3の高周波電力をAl製の金属電極か
らなる高周波導入部244から導入した。
【0072】ここで、半導体形成用真空容器214内に
おける高周波導入部のプラズマに面する領域の面積をA
(m2)とし、高周波導入部と基板との距離をB(m)
としたときの、A/Bの値は1000であった。
【0073】また、このとき前記高周波導入部244の
浮遊電位は−100Vであったが、前記高周波電力に直
流電位を重畳することによって、前記高周波導入部24
4の電位を表2のように変化させながら行なった。次に
不図示の連続モジュール化装置を用いて、形成した帯状
の光起電力素子を36cm×22cmの太陽電池モジュ
ールに加工した(実施例1−1〜1−3)。
【0074】次に、前記高周波電力に直流電位を重畳し
なかった以外は実施例と同様な方法で太陽電池モジュー
ルを形成し(比較例1−1)、さらに高周波導入部24
4の電位を接地電位より高くした以外は実施例と同様な
方法で大陽電位モジュールを形成した(比較例1−
2)。
【0075】以上 のようにして作成した太陽電池モジ
ュールの光電変換効率をソーラーシミュレーター(AM
1.5、100mW/cm2)を用いて測定した。また
碁盤目テープ法(切り傷の隙間間隔1mm、ます目の数
100)を用いて導電性基板と半導体層との間の密着性
を調べた。またあらかじめ初期光電変換効率を測定して
おいた太陽電池モジュールを、温度85℃、湿度85%
の暗所に設置し30分保持、その後70分かけて温度−
20℃まで下げ30分保持、再び70分かけて温度85
℃湿度85%まで戻した。このサイクルを100回繰り
返した後に再度光電変換効率を測定し、温湿度試験によ
る光電変換効率の変化を調べた。これらの結果を表2に
示す。
【0076】実施例の太陽電池は、比較例の太陽電池を
比べて光電変換効率が高く、はがれ試験、温湿度試験の
結果が良好であった。光電変換効率の内容としては、特
に短絡電流値が大きくなっており、入射光をより効率よ
く吸収することができたものと思われる。また比較例1
−2では、p型半導体層の形成時にプラズマ中にスパー
クが発生することがあったが、それ以外の条件ではスパ
ークの発生は認められず、放電の安定性も優れたもので
あった。
【0077】以上のことより、本発明の半導体素子を含
む太陽電池は優れた特性をもつことがわかる。
【0078】[実施例2]図2に示した堆積膜形成装置
201を用い、以下の手順で図5に示した光起電力素子
を形成した。図5は本発明のシリコン系薄膜を有する光
起電力素子の一例を示す模式的な断面図である。図中、
図1と同様の部材には同じ符号を付して説明を省略す
る。この光起電力素子の半導体層は、アモルファスn型
半導体層102−1Aとアモルファスi型半導体層10
2−2Bとアモルファスp型半導体層102−3Bとか
らなっている。すなわち、この光起電力素子はいわゆる
pin型シングルセル光起電力素子である。
【0079】実施例1と同様に、帯状の導電性基板20
4を形成し、堆積膜形成装置201に導入し、半導体形
成用真空容器211、212、214内の高周波導入部
241、242、244に高周波電源251、252、
254より高周波を導入し、半導体形成用真空容器21
1、212、214内の堆積室内にグロー放電を生起
し、導電性基板204上に、アモルファスn型半導体層
(膜厚30nm)、アモルファスi型半導体層(300
nm)、アモルファスp型半導体層(膜厚10nm)を
形成し光起電力素子を形成した。
【0080】半導体形成用真空容器211、212、2
14の条件は表3に示す。ここで、半導体形成用真空容
器211には周波数13.56MHz、パワー密度5m
W/cm3の高周波電力をAl製の金属電極からなる高
周波導入部241から、半導体形成用真空容器212に
は周波数100MHzの高周波を、パワー密度100m
W/cm3の高周波電力をAl製の金属電極からなる高
周波導入部242から、半導体形成用真空容器214に
は周波数100MHz、パワー密度50mW/cm3
高周波電力をAl製の金属電極からなる高周波導入部2
44から導入した。
【0081】また、このとき前記高周波導入部244の
浮遊電位は−40Vであったが、前記高周波電力に直流
電位を重畳することによって、前記高周波導入部244
の電位を表4のように変化させながら行なった。次に不
図示の連続モジュール化装置を用いて、形成した帯状の
光起電力素子を36cm×22cmの太陽電池モジュー
ルに加工した(実施例2−1〜2−3)。
【0082】次に、前記高周波電力に直流電位を重畳し
なかった以外は実施例と同様な方法で太陽電池モジュー
ルを形成し(比較例2−1)、さらに高周波導入部24
4の電位を接地電位より高くした以外は実施例と同様な
方法で大陽電位モジュールを形成した(比較例2−
2)。
【0083】以上のようにして作成した太陽電池モジュ
ールの光電変換効率をソーラーシミュレーター(AM
1.5、100mW/cm2)を用いて測定した。また
碁盤目テープ法(切り傷の隙間間隔1mm、ます目の数
100)を用いて導電性基板と半導体層との間の密着性
を調べた。またあらかじめ初期光電変換効率を測定して
おいた太陽電池モジュールを、温度85℃、湿度85%
の暗所に設置し30分保持、その後70分かけて温度−
20℃まで下げ30分保持、再び70分かけて温度85
℃湿度85%まで戻した。このサイクルを100回繰り
返した後に再度光電変換効率を測定し、温湿度試験によ
る光電変換効率の変化を調べた。これらの結果を表4に
示す。
【0084】実施例の太陽電池は、比較例の太陽電池を
比べて光電変換効率が高く、はがれ試験、温湿度試験の
結果が良好であった。光電変換効率の内容に関しては、
特に短絡電流値が大きくなっており、入射光をより効率
よく吸収することができたものと思われる。
【0085】以上のことより、本発明の半導体素子を含
む太陽電池は優れた特性をもつことがわかる。
【0086】[実施例3]図2に示した堆積膜形成装置
201を用い、以下の手順で図6に示した光起電力素子
を形成した。図6は本発明のシリコン系薄膜を有する光
起電力素子の一例を示す模式的な断面図である。図中、
図1と同様の部材には同じ符号を付して説明を省略す
る。この光起電力素子の半導体層は、アモルファスn型
半導体層102−1Aと微結晶i型半導体層102−2
Aとアモルファスi型半導体層102−10と微結晶p
型半導体層102−3Aとからなっている。すなわち、
この光起電力素子はいわゆるpin型シングルセル光起
電力素子である。
【0087】実施例1と同様に、帯状の導電性基板20
4を形成し、堆積膜形成装置201に導入し、半導体形
成用真空容器211、212、213、214内の高周
波導入部241、242、243、244に高周波電源
251、252、253、254より高周波を導入し、
半導体形成用真空容器211、212、213、214
内の堆積室内にグロー放電を生起し、導電性基板204
上に、アモルファスn型半導体層(膜厚30nm)、微
結晶i型半導体層(1.5μm)、アモルファスi型半
導体層(膜厚15nm)、微結晶p型半導体層(膜厚1
0nm)を形成し光起電力素子を形成した。
【0088】半導体形成用真空容器211、212、2
13、214の条件は表5に示す。ここで、半導体形成
用真空容器211には周波数13.56MHz、パワー
密度5mW/cm3の高周波電力をAl製の金属電極か
らなる高周波導入部241から、半導体形成用真空容器
212には周波数60MHzの高周波を、パワー密度4
00mW/cm3の高周波電力をAl製の金属電極から
なる高周波導入部242から、半導体形成用真空容器2
13には周波数13.56MHz、パワー密度50mW
/cm3の高周波電力をAl製の金属電極からなる高周
波導入部243から、半導体形成用真空容器214には
周波数13.56MHz、パワー密度300mW/cm
3の高周波電力をAl製の金属電極からなる高周波導入
部244から導入した。
【0089】また、このとき前記高周波導入部244の
浮遊電位は−100Vであったが、前記高周波電力に直
流電位を重畳することによって、前記高周波導入部24
4の電位を実施例1−1と同様に−50Vとした。次に
不図示の連続モジュール化装置を用いて、形成した帯状
の光起電力素子を36cm×22cmの太陽電池モジュ
ールに加工した(実施例3)。
【0090】以上のようにして作成した太陽電池モジュ
ールの光電変換効率をソーラーシミュレーター(AM
1.5、100mW/cm2)を用いて測定した。実施
例3の太陽電池は、実施例1−1の太陽電池を比べて光
電変換効率が1.1倍であり、はがれ試験、温湿度試験
の結果も良好であった。光電変換効率の内容に関して
は、特に曲線因子の値がが大きくなっており、p/i界
面が改善されたものと考えられる。
【0091】以上のことより、本発明の半導体素子を含
む太陽電池は優れた特性をもつことがわかる。
【0092】[実施例4]図2に示した堆積膜形成装置
201を用い、以下の手順で図7に示した光起電力素子
を形成した。図7は本発明のシリコン系薄膜を有する光
起電力素子の一例を示す模式的な断面図である。図中、
図1と同様の部材には同じ符号を付して説明を省略す
る。この光起電力素子の半導体層は、アモルファスn型
半導体層102−1A、102−4、微結晶i型半導体
層102−2A、アモルファスi型半導体層102−1
0、102−5と微結晶p型半導体層102−3A、1
02−6とからなっている。すなわち、この光起電力素
子はいわゆるpinpin型ダブルセル光起電力素子で
ある。
【0093】実施例1と同様に、帯状の導電性基板20
4を作成し、堆積膜形成装置201に装着し、基板送り
出し容器202、半導体形成用真空容器211、21
2、213、214、215、216、217、基板巻
き取り容器203を不図示の真空ポンプからなる真空排
気系により、5.0×10-4Pa以下まで充分に真空排
気した。
【0094】次に、真空排気系を作動させつつ、半導体
形成用真空容器211〜217へガス導入管231〜2
37から原料ガス及び希釈ガスを供給した。また不図示
の各ゲートガス供給管から、各ガスゲートにゲートガス
として500sccmのH2ガスを供給した。この状態
で真空排気系の排気能力を調整して、半導体形成用真空
容器211〜217内の圧力を所定の圧力に調整した。
形成条件は半導体形成用真空容器211〜214に関し
ては実施例3と同様の方法で行い、半導体形成用真空容
器215〜217に関しては表6に示す通りである。
【0095】半導体形成用真空容器211〜217内の
圧力が安定したところで、基板送り出し容器202から
基板巻き取り容器203の方向に、導電性基板204の
移動を開始した。
【0096】次に、半導体形成用真空容器211〜21
7内の高周波導入部241〜247に高周波電源251
〜257より高周波を導入し、半導体形成用真空容器2
11〜217内の堆積室内にグロー放電を生起し、導電
性基板204上に、アモルファスn型半導体層(膜厚3
0nm)、微結晶i型半導体層(膜厚2.0μm)、ア
モルファスi型半導体層(膜厚15nm)、微結晶p型
半導体層(膜厚10nm)、アモルファスn型半導体層
(膜厚30nm)、アモルファスi型半導体層(膜厚3
00nm)、微結晶p型半導体層(膜厚10nm)を形
成し光起電力素子を形成した。ここで、半導体形成用真
空容器211、215には周波数13.56MHz、パ
ワー密度5mW/cm3の高周波電力をAl製の金属電
極からなる高周波導入部241、245から、半導体形
成用真空容器212には、周波数60MHzの高周波
を、パワー密度が400mW/cm3になるように調整
しながらAl製の金属電極からなる高周波導入部242
から、半導体形成用真空容器213には、周波数13.
56MHzの高周波を、パワー密度が50mW/cm 3
になるように調整しながらAl製の金属電極からなる高
周波導入部243から、半導体形成用真空容器214、
217には、周波数13.56MHzの高周波を、パワ
ー密度が300mW/cm3になるように調整しながら
Al製の金属電極からなる高周波導入部244、247
から、半導体形成用真空容器216には、周波数100
MHzの高周波を、パワー密度が100mW/cm3
なるように調整しながらAl製の金属電極からなる高周
波導入部246から、導入した。
【0097】次に不図示の連続モジュール化装置を用い
て、形成した帯状の光起電力素子を36cm×22cm
の太陽電池モジュールに加工した。ここで、前記高周波
導入部244、247の電位は、前記高周波電力に直流
電位を重畳することによって−50Vとした。次に不図
示の連続モジュール化装置を用いて、形成した帯状の光
起電力素子を36cm×22cmの太陽電池モジュール
に加工した(実施例4)。
【0098】以上のようにして作成した太陽電池モジュ
ールの光電変換効率をソーラーシミュレーター(AM
1.5、100mW/cm2)を用いて測定したとこ
ろ、実施例3におけるシングルの太陽電池モジュールに
比べて光電変換効率の値は1.15倍を示した。または
がれ試験、温湿度試験においても良好な結果を示し、以
上のことから、本発明の半導体素子を含む太陽電池モジ
ュールは優れた特長を持つことがわかる。
【0099】
【表1】
【0100】
【表2】 光電変換効率は、比較例1−1の値を1に規格化した値
はがれ試験は、剥れたます目の数が◎0、○1〜2、△
3〜10、×10〜100を意味する温湿度試験は、
(試験後の光電変換効率)/(試験前の光電変換効率)
の値
【0101】
【表3】
【0102】
【表4】 光電変換効率は、比較例1−1のときの値を1に規格化
した値はがれ試験は、剥れたます目の数が◎0、○1〜
2、△3〜10、×10〜100を意味する温湿度試験
は、(試験後の光電変換効率)/(試験前の光電変換効
率)の値
【0103】
【表5】
【0104】
【表6】
【0105】
【発明の効果】本発明者によれば、少ない製造工程で、
活性化エネルギーが小さく、光の吸収が小さい窓層とし
て優れた導電層の形成が可能であり、pin型の半導体
接合を少なくとも一組含む半導体素子の光照射側に配置
された導電型を示す半導体層に前記シリコン系薄膜を用
いた場合には、開放電圧が大きく、可視光の吸収効率が
高く、導電型層とi型半導体層の界面領域の界面準位を
少なくすることが可能であり、良好な特性をもつ半導体
素子の形成が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体素子を含む光起電力素子の一例
を示す模式的な断面図
【図2】本発明の半導体素子及び光起電力素子を製造す
る堆積膜形成装置の一例を示す模式的な断面図
【図3】本発明の半導体素子を含む半導体層の一例を示
す模式的な断面図
【図4】本発明の半導体素子を含む光起電力素子の一例
を示す模式的な断面図
【図5】本発明の半導体素子を含む光起電力素子の一例
を示す模式的な断面図
【図6】本発明の半導体素子を含む光起電力素子の一例
を示す模式的な断面図
【図7】本発明の半導体素子を含む光起電力素子の一例
を示す模式的な断面図
【符号の説明】
101:基板 101−1:基体 101−2:金属層 101−3:第一の透明導電層 102:半導体層 102−1:第一の導電型を示す半導体層 102−1A:アモルファスn型半導体層 102−2:i型半導体層 102−2A:微結晶i型半導体層 102−2B:アモルファスi型半導体層 102−3:第二の導電型を示す半導体層 102−3A:微結晶p型半導体層 102−3B:アモルファスp型半導体層 102−4:アモルファスn型半導体層 102−5:アモルファスi型半導体層 102−6:微結晶p型半導体層 102−10:アモルファスi型半導体層 103:透明電極 104:集電電極 201:堆積膜形成装置 202:基板送り出し容器 203:基板巻き取り容器 204:導電性基板 211〜217:半導体形成用真空容器 221〜228:ガスゲート 231〜237:ガス導入管 241〜247:高周波導入部 251〜257:高周波電源 271、272:バイポーラ型直流電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡部 正太郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 森山 公一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 東川 誠 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 中村 哲郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 杉浦 嘉則 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 Fターム(参考) 4K030 AA02 AA06 AA20 BA29 BB01 CA02 CA07 CA17 FA03 GA14 JA14 JA18 KA30 LA16 5F045 AA09 AB01 AB03 AB04 AB06 AC01 AC02 AC17 AC19 AD05 AD06 AD07 AD08 AE13 AE15 AE17 AE19 AE21 AE23 AF07 AF10 BB08 BB16 BB17 CA13 DP27 DQ15 EB08 EB13 EH05 EH14 EH20 GB12 5F051 AA05 BA14 CA16 CA23 GA05

Claims (38)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空容器内に少なくともシリコン含有ガ
    スとドーパント含有ガスを含んだ原料ガスを導入し、前
    記真空容器内に設置した高周波導入部に高周波電力を導
    入してプラズマを生起させて、前記高周波導入部と対向
    した位置に配置され電気的に接地されている電極上の基
    板上に、高周波プラズマCVD法を用いてシリコン系薄
    膜を形成する方法であって、前記高周波導入部に高周波
    を印加したときの高周波導入部の浮遊電位を接地電位に
    対して負とし、前記高周波導入部の電位を浮遊電位より
    大きな値になるように制御することを特徴とする導電型
    を示すシリコン系薄膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 前記導電型が、p型またはn型であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のシリコン系薄膜の形成
    方法。
  3. 【請求項3】 前記高周波導入部の電位を浮遊電位より
    大きな値になるように制御する方法が、前記高周波導入
    部に直流成分を重畳させることであることを特徴とする
    請求項1に記載のシリコン系薄膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 前記高周波導入部の電位を浮遊電位より
    大きな値になるように制御することにより、可視光の吸
    収を低減する効果を発現することを特徴とする請求項1
    に記載のシリコン系薄膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 前記ドーパント含有ガスが、ハロゲン原
    子を含むことを特徴とする請求項1に記載のシリコン系
    薄膜の形成方法。
  6. 【請求項6】 前記高周波導入部の電位が、浮遊電位よ
    り大きく接地電位以下の電位であるように制御すること
    を特徴とする請求項1に記載のシリコン系薄膜の形成方
    法。
  7. 【請求項7】 前記高周波導入部の電位が、接地電位に
    なるように制御することを特徴とする請求項1に記載の
    シリコン系薄膜の形成方法。
  8. 【請求項8】 前記基板が、導電性基板であることを特
    徴とする請求項1に記載のシリコン系薄膜の形成方法。
  9. 【請求項9】 前記基板が前記高周波導入部と対向した
    位置に配置され電気的に接地されている電極をかねる構
    成であることを特徴とする請求項1に記載のシリコン系
    薄膜の形成方法。
  10. 【請求項10】 前記高周波プラズマCVD法が、ロー
    ル・ツー・ロール方式によって行なわれることを特徴と
    する請求項1に記載のシリコン系薄膜の形成方法。
  11. 【請求項11】 前記高周波の周波数が13.56MH
    z以上100MHz以下であることを特徴とする請求項
    1に記載のシリコン系薄膜の形成方法。
  12. 【請求項12】 前記導電型を示すシリコン系薄膜が、
    結晶相を含むシリコン系薄膜であることを特徴とする請
    求項1に記載のシリコン系薄膜の形成方法。
  13. 【請求項13】 真空容器内に少なくともシリコン含有
    ガスとドーパント含有ガスを含んだ原料ガスを導入し、
    前記真空容器内に設置した高周波導入部に高周波電力を
    導入してプラズマを生起させて、前記高周波導入部と対
    向した位置に配置され電気的に接地されている電極上の
    基板上に、高周波プラズマCVD法を用いて形成したシ
    リコン系薄膜であって、前記高周波導入部に高周波を印
    加したときの高周波導入部の浮遊電位を接地電位に対し
    て負とし、前記高周波導入部の電位を浮遊電位より大き
    な値になるように制御して形成されることを特徴とする
    導電型を示すシリコン系薄膜。
  14. 【請求項14】 前記導電型が、p型またはn型である
    ことを特徴とする請求項13に記載のシリコン系薄膜。
  15. 【請求項15】 前記高周波導入部の電位を浮遊電位よ
    り大きな値になるように制御する方法が、前記高周波導
    入部に直流成分を重畳させることであることを特徴とす
    る請求項13に記載のシリコン系薄膜。
  16. 【請求項16】 前記高周波導入部の電位を浮遊電位よ
    り大きな値になるように制御することにより、可視光の
    吸収を低減する効果を発現することを特徴とする請求項
    13に記載のシリコン系薄膜。
  17. 【請求項17】 前記ドーパント含有ガスが、ハロゲン
    原子を含むことを特徴とする請求項13に記載のシリコ
    ン系薄膜。
  18. 【請求項18】 前記高周波導入部の電位が、浮遊電位
    より大きく接地電位以下であるように制御することを特
    徴とする請求項13に記載のシリコン系薄膜。
  19. 【請求項19】 前記高周波導入部の電位が、接地電位
    になるように制御することを特徴とする請求項13に記
    載のシリコン系薄膜。
  20. 【請求項20】 前記基板が、導電性基板であることを
    特徴とする請求項13に記載のシリコン系薄膜。
  21. 【請求項21】 前記基板が前記高周波導入部と対向し
    た位置に配置され電気的に接地されている電極をかねる
    構成であることを特徴とする請求項13に記載のシリコ
    ン系薄膜。
  22. 【請求項22】 前記高周波プラズマCVD法が、ロー
    ル・ツー・ロール方式によって行なわれることを特徴と
    する請求項13に記載のシリコン系薄膜。
  23. 【請求項23】 前記高周波の周波数が13.56MH
    z以上100MHz以下であることを特徴とする請求項
    13に記載のシリコン系薄膜。
  24. 【請求項24】 前記導電型を示すシリコン系薄膜が、
    結晶相を含むシリコン系薄膜であることを特徴とする請
    求項13に記載のシリコン系薄膜。
  25. 【請求項25】 基板上に形成された半導体接合を有す
    る半導体素子であって、前記半導体接合が、第一の導電
    型を示す半導体層、i型半導体層、第二の導電型を示す
    半導体層が順次積層されたpin型の半導体接合を少な
    くとも一組含み、前記第一の導電型を示す半導体層、第
    二の導電型を示す半導体層のうちの少なくとも一つが、
    真空容器内に少なくともシリコン含有ガスとドーパント
    含有ガスを含んだ原料ガスを導入し、前記真空容器内に
    設置した高周波導入部に高周波電力を導入してプラズマ
    を生起させて、前記高周波導入部と対向した位置に配置
    され電気的に接地されている電極上の基板上に、高周波
    プラズマCVD法を用いて形成したシリコン系薄膜であ
    って、前記高周波導入部に高周波を印加したときの高周
    波導入部の浮遊電位を接地電位に対して負とし、前記高
    周波導入部の電位を浮遊電位より大きな値になるように
    制御して形成される導電型を示すシリコン系薄膜からな
    ることを特徴とする半導体素子。
  26. 【請求項26】 前記導電型が、p型またはn型である
    ことを特徴とする請求項25に記載の半導体素子。
  27. 【請求項27】 前記導電型を示すシリコン系薄膜が、
    pin型の半導体接合の、光照射側に配置された導電型
    を示す半導体層であることを特徴とする請求項25に記
    載の半導体素子。
  28. 【請求項28】 前記導電型を示すシリコン系薄膜が、
    複数pin型の半導体接合が積層された半導体素子にお
    いて、前記複数のpin接合のうち、最も光照射側に配
    置されたpin接合の、光入射側に配置された導電型を
    示す半導体層であることを特徴とする請求項25に記載
    の半導体素子。
  29. 【請求項29】 前記高周波導入部の電位を浮遊電位よ
    り大きな値になるように制御する方法が、前記高周波導
    入部に直流成分を重畳させることであることを特徴とす
    る請求項25に記載の半導体素子。
  30. 【請求項30】 前記高周波導入部の電位を浮遊電位よ
    り大きな値になるように制御することにより、可視光の
    吸収を低減する効果を発現することを特徴とする請求項
    25に記載の半導体素子。
  31. 【請求項31】 前記ドーパント含有ガスが、ハロゲン
    原子を含むことを特徴とする請求項25に記載の半導体
    素子。
  32. 【請求項32】 前記高周波導入部の電位が、浮遊電位
    より大きく接地電位以下であるように制御することを特
    徴とする請求項25に記載の半導体素子。
  33. 【請求項33】 前記高周波導入部の電位が、接地電位
    になるように制御することを特徴とする請求項25に記
    載の半導体素子。
  34. 【請求項34】 前記基板が、導電性基板であることを
    特徴とした、請求項25に記載の半導体素子。
  35. 【請求項35】 前記基板が前記高周波導入部と対向し
    た位置に配置され電気的に接地されている電極をかねる
    構成であることを特徴とする請求項25に記載の半導体
    素子。
  36. 【請求項36】 前記高周波プラズマCVD法が、ロー
    ル・ツー・ロール方式によって行なわれることを特徴と
    する請求項25に記載の半導体素子。
  37. 【請求項37】 前記高周波の周波数が13.56MH
    z以上100MHz以下であることを特徴とする請求項
    25に記載の半導体素子。
  38. 【請求項38】 前記導電型を示すシリコン系薄膜が、
    結晶相を含むシリコン系薄膜であることを特徴とする請
    求項25に記載の半導体素子。
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