JP2002371184A - 熱伝導性シリコーン樹脂組成物 - Google Patents

熱伝導性シリコーン樹脂組成物

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JP2002371184A
JP2002371184A JP2001181389A JP2001181389A JP2002371184A JP 2002371184 A JP2002371184 A JP 2002371184A JP 2001181389 A JP2001181389 A JP 2001181389A JP 2001181389 A JP2001181389 A JP 2001181389A JP 2002371184 A JP2002371184 A JP 2002371184A
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resin composition
group
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JP2001181389A
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Eiki Takeshima
鋭機 竹島
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
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  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 保護すべき素子を腐食させることなく長期間
安定して電気絶縁性を保てる封止材が安価に得られる、
優れた熱伝導性を有するシリコーン樹脂組成物を提供す
る。 【構成】 (A)一分子中に少なくとも2個のケイ素原
子結合アルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン
100質量部、(B)一分子中に少なくとも2個のケイ
素原子結合水素原子を含有するオルガノハイドロジェン
ポリシロキサン0.1〜50質量部、(C)一分子中に
少なくとも1個のケイ素原子結合アルコキシ基またはケ
イ素原子結合水酸基を含有するオルガノシロキサン0.
1〜10質量部、および(D)オルガノポリシロキサン
に対して0.1〜500ppmのヒドロシリル化反応用
触媒からなるシリコーン樹脂100質量部に対して、ア
トマイズアルミニウム粉の表面にスパッタリング法で1
〜10質量%の銀を散点状にめっきし、平均粒径を違え
て2段階に分級した散点状銀めっき球状アルミニウム粉
の混合粉100〜500質量部を配合したもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱伝導性に優れたシリ
コーン樹脂組成物に関し、特にIC基板などの電子部品
のヒートシンク材兼保護封止材として有用なシリコーン
樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、トランジスター、IC、メモリー
素子などの電子部品を搭載したプリント回路基板やハイ
ブリッドICなどの高密度・高集積化に伴って素子の発
熱量が多くなり、これらを効率よく放熱するために各種
の熱伝導性シリコーン樹脂組成物がヒートシンク材兼保
護封止材として使用されている。このようなシリコーン
樹脂組成物としては、ビニル基を有するオルガノポリシ
ロキサン、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、ア
ミノシラン、エポキシシランおよび白金系触媒の混合物
中にアルミナ微粉末を大量に添加した熱伝導性シリコー
ン樹脂組成物(特開昭61−157569号公報および
特開平8−325457号公報参照)やこのようなシリ
コーン樹脂組成物の中に、2種類の粒径の異なるアルミ
ナ粉末を高密度に充填した熱伝導性液状シリコーン樹脂
組成物(特開昭63−251466号公報、特開平2−
41362号公報、特開平5−105814号公報およ
び特開平8−208993号公報参照)などが提案され
ている。
【0003】ところで、このような従来のシリコーン樹
脂組成物は、熱伝導性が小さいために、大容量の電子素
子の封止を行う場合には、素子の発熱を放散できず、ハ
ンダや素子に対する熱の影響を抑えることができないと
言う問題がある。一方、液状シリコーン樹脂組成物の熱
伝導性を改良するためには、熱伝導性の良好な粉末を使
用すればよいことが知られており、このような粉末とし
て、カーボン粉末、金属粉末(鉄、ステンレス鋼、銅な
ど)、窒化ケイ素粉末、窒化アルミニウム粉末、炭化ケ
イ素粉末、シリカ粉末、アルミナ粉末、酸化マグネシウ
ム粉末、ダイヤモンド粉末などが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
粉末の内、カーボン粉末や金属粉末は電気伝導性があ
り、電気絶縁を目的とするIC封止用のシリコーン樹脂
組成物には使用することができない。また、窒化ケイ素
粉末、窒化アルミニウム粉末、酸化マグネシウム粉末な
どは、電気絶縁性の目的からは使用可能であるが、いず
れも加水分解性があり、長期の安定性に欠けるという問
題を有している。これらを非加水分解性の材料で表面コ
ートすればこの問題を解決できるが、経済的にも不利で
あり実用的ではない。炭化ケイ素粉末やダイヤモンド粉
末はいずれも硬度が高い材料であり、これらの粉末のエ
ッジによってプリント配線部分が摩耗したり、切断され
るという不具合が発生しやすい。
【0005】上記のような観点から、実際に使用可能な
粉末はシリカやアルミナ粉末であるが、シリカ粉末は熱
伝導性が十分ではないので、シリコーン樹脂組成物中に
多量添加して高い熱伝導性を得ようとすると、シリコー
ン樹脂組成物の粘度が著しく高くなり、混合時の作業性
に大きな支障をきたす。また、アルミナ粉末を多量添加
した場合には、含まれている微量のアルカリ金属イオン
およびハロゲンイオンによって保護すべき素子が腐食し
易いという欠点を有する。本発明は、このような問題を
解消すべく案出されたものであり、保護すべき素子を腐
食させることなく長期間安定して電気絶縁性を保てる封
止材が安価に得られる、優れた熱伝導性を有するシリコ
ーン樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の熱伝導性シリコ
ーン樹脂組成物は、その目的を達成するため、シリコー
ン樹脂に、平均粒径を違えて2段階に分級した散点状銀
めっき球状アルミニウム粉の混合粉を加えたものからな
る。その配合割合はシリコーン樹脂100質量部に対し
て散点状銀めっき球状アルミニウム粉の混合粉100〜
500質量部にすることが好ましい。
【0007】シリコーン樹脂としては、(A)一分子中
に少なくとも2個のケイ素原子結合アルケニル基を含有
するオルガノポリシロキサン100質量部、(B)一分
子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を含有
するオルガノハイドロジェンポリシロキサン0.1〜5
0質量部、(C)一分子中に少なくとも1個のケイ素原
子結合アルコキシ基またはケイ素原子結合水酸基を含有
するオルガノシロキサン0.1〜10質量部、および
(D)オルガノポリシロキサンに対して0.1〜500
ppmのヒドロシリル化反応用触媒からなるものが好ま
しい。
【0008】また、散点状銀めっき球状アルミニウム粉
末としては、アトマイズアルミニウム粉の表面に1〜1
0質量%の銀をスパッタリング法で散点状にめっきした
ものが好ましく、また、2段階に分級した混合粉として
は、平均粒径1〜5μmのものを20質量%と平均粒径
5〜25μmのものを80質量%の割合で混合したもの
が好ましい。なお、本発明で「散点状銀めっきアルミニ
ウム粉」と記載した「散点状」とは、例えば電解めっき
などで形成したような連続的な被膜ではなく、非連続か
つ島状に分散した被覆層を有するものである。
【0009】
【作用】シリコーン樹脂中に、平均粒径を違えて2段階
に分級した散点状銀めっき球状アルミニウム粉の混合粉
を混合して、本発明の熱伝導性シリコーン樹脂組成物を
得る。アルミニウム粉末としては球状粉を使用する。ア
ルミニウム粉には、不活性ガスアトマイズ法で作製した
球状粉、水アトマイズ法で作製した水滴状粉、ボールミ
ルで加工したフレーク状粉、線を切断した繊維状粉など
があるが、シリコーン樹脂組成物中で多量に混合した場
合にゴム弾性を失わない点で、球状粉を選択する。不活
性ガスアトマイズ法で作製しても、表面にアルミナ層が
早い段階で形成され、このアルミナ層で絶縁作用を発揮
させる。
【0010】図1に示すように、球状アルミニウム粉
〔A〕の表面に銀をスパッタリング法で散点状にめっき
したもの〔B〕を、平均粒径の大きい銀めっき球状アル
ミニウム粉〔2〕に対して平均粒径の小さい銀めっき球
状アルミニウム粉〔1〕を混合することにより、シリコ
ーン樹脂組成物中で混合粉末の最密充填状態が形成され
る。
【0011】銀めっきを施していない球状アルミニウム
粉〔C〕の場合には、大粒径と大粒径および大粒径と小
粒径の粉末の接点を通って熱が伝わる。この場合、中心
の金属アルミニウムは熱伝導が良いが、表面のアルミナ
層〔3〕は熱伝導性が悪いので、全体としては熱伝導性
があまり良くない。これに対して散点状銀めっきを施し
た球状アルミニウム粉〔D〕の場合には、大粒径と大粒
径および大粒径と小粒径の接点の他に、点在する銀めっ
き層〔4〕を通って熱が良く伝わる。さらに、柔らかい
銀めっき層の効果によって大粒径と大粒径および大粒径
と小粒径の粉末の接触状態が良くなるために、熱が極め
て伝わり易くなる。勿論、電気絶縁層であるアルミナ層
上に散点状に銀めっきを施しているので、電気抵抗は高
いままに維持されているという特徴を持つことは変わり
ない。
【0012】
【好ましい実施の態様】以下、本発明の熱伝導性に優れ
たシリコーン樹脂組成物の各要素について説明する。シ
リコーン樹脂を構成する(A)成分のオルガノポリシロ
キサンは本組成物の主剤であり、一分子中に少なくとも
2個のケイ素原子結合アルケニル基を含有するものであ
る。例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテ
ニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基が挙げられ、特に
ビニル基であることが好ましい。アルケニル基の結合位
置としては、例えば分子鎖末端および/または分子鎖側
鎖が挙げられる。
【0013】アルケニル基以外のケイ素原子結合有機基
としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基などのア
ルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチ
ル基などのアリール基;ベンジル基、フェネチル基など
のアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル
基などのハロゲン化アルキル基が挙げられ、特にメチル
基またはフェニル基であること好ましい。このような
(A)成分の分子構造としては、例えば直鎖状、一部分
岐を有する直鎖状、環状、分岐鎖状が挙げられ、特に直
鎖状であることが好ましい。
【0014】(B)成分のオルガノハイドロジェンポリ
シロキサンは、本組成物の架橋剤であり、一分子中に少
なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を含有するもの
である。ケイ素原子結合水素原子の結合位置としては、
例えば分子鎖末端および/または分子鎖側鎖が挙げられ
る。ケイ素原子結合有機基としては、例えばメチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシ
ル基、ヘプチル基などのアルキル基;フェニル基、トリ
ル基、キシリル基、ナフチル基などのアリール基;ベン
ジル基、フェネチル基などのアラルキル基;クロロメチ
ル基、3−クロロプロピル基などのハロゲン化アルキル
基が挙げられ、特にメチル基またはフェニル基であるこ
と好ましい。このような(B)成分の分子構造として
は、例えば直鎖状、一部分岐を有する直鎖状、環状、網
状、分岐鎖状が挙げられ、特に直鎖状であることが好ま
しい。
【0015】(C)成分のオルガノシロキサンは本組成
物のチクソトロピー付与剤であり、多量に添加した粉末
の沈降を抑制し、たとえ粉末が沈降しても容易に再分散
し易くするための成分である。一分子中に少なくとも1
個のケイ素原子結合アルコキシ基またはケイ素原子結合
水酸基を含有するものである。ケイ素原子結合アルコキ
シ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポ
キシ基、ブトキシ基が挙げられ、特にメトキシ基である
ことが好ましい。
【0016】また、ケイ素原子に結合する基としては、
例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、オクチル基などのアルキル基;
ビニル基、アリル基、ヘキセニル基などのアルケニル
基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基な
どのアリール基;3−クロロプロピル基、3,3,3−
トリフロロプロピル基などのハロゲン化アルキル基;3
−グリシドキシプロピル基、3−メタクリロキシプロピ
ル基、3−アミノプロピル基などの官能性有機基;トリ
メトキシシリルエチル基、メチルジメトキシシリルエチ
ル基などのアルコキシシリルアルキル基が挙げられる。
このような(C)成分の分子構造としては、例えば直鎖
状、環状、分岐状、一部分岐を有する直鎖状が挙げら
れ、これらの分子構造を有する二種以上の混合物であっ
ても良い。
【0017】(D)成分のヒドロシリル化反応用触媒
は、本組成物の硬化を促進するための触媒であり、例え
ば白金微粉末、白金黒、白金担持シリカ微粉末、白金担
持活性炭、塩化白金酸、四塩化白金などの白金系触媒;
テトラキスパラジウムなどのパラジウム系触媒;ロジウ
ム系触媒などが挙げられる。配合割合は(A)成分10
0質量部に対して、(B)成分0.1〜50質量部、
(C)成分0.1〜10質量部の範囲にすることが好ま
しい。(B)成分は本組成物の架橋剤であるから、0.
1質量部未満だと硬化不足となり、50重量部を超えて
配合するとゴム弾性を失って硬くなって、本発明の目的
に沿わなくなる。(C)成分は本組成物のチクソトロピ
ー付与剤であるから、0.1質量部未満だと多量に添加
した粉末の沈降を抑制しにくくなり、配合量が10質量
部を超えると粘度が高くなって取り扱いが難しくなる。
触媒である(D)成分は、(A)成分に対して(D)成
分中の金属原子が0.1〜500ppmの範囲であるこ
とが好ましい。(A)成分に対して(D)成分中の金属
原子が0.1ppm未満の場合は、得られる組成物の硬
化速度が著しく低下し、また、500ppmを超えると
不経済となる。
【0018】アルミニウム粉は、分級して平均粒度の異
なる2段階の大きさのものを使用する。不活性ガスアト
マイズ法では、平均粒径が1μmより小さい球状アルミ
ニウム粉はほとんど製造できない。また、平均粒径が2
5μmを超える球状アルミニウム粉を使用すると、シリ
コーン樹脂組成物の表面の平滑性が失われて艶消し状に
なるので、IC基板などの表面に密着せず、電子部品の
ヒートシンク材兼保護封止材としては熱伝導性が極めて
悪くなるという問題が生じる。したがって、球状アルミ
ニウム粉は平均粒径1〜25μmのものを2段階に分級
して使用することが好ましい。
【0019】次に記載する散点状銀めっきを施した球状
アルミニウム粉を、1〜5μmのものと5〜25μmの
ものに分級し、平均粒径1〜5μmのもの20質量%と
平均粒径分級5〜25μmのもの80質量%とを混合し
て使用すると、シリコーン樹脂組成物中で粉末の最密充
填状態が形成される。最密充填状態を形成するために
は、球状アルミニウム微粉末と球状アルミニウム粗粉末
の平均粒径の比を1対5にすることが好ましい。この比
からはずれるほど、粉末の充填状態が粗な状態になる。
【0020】球状アルミニウム粉の表面に1〜10質量
%の銀を散点状にめっきする。散点状にめっきする方法
としては、例えば本発明者らが特開平2−153068
号公報で提案したような、回転するバレル内に球状アル
ミニウム粉を入れ、撹拌しながら銀ターゲットからスパ
ッタされた銀粒子を照射して、球状アルミニウム粉表面
に銀を散点状に付着させる方法が使用される。銀めっき
量が10質量%を超えると銀めっき層が散点状ではなく
連続皮膜状になって電気伝導性が良くなり、目的から外
れてしまう。めっき量が1質量%に満たないと、皮膜は
散点状ではあるが、熱伝導性の向上に寄与する銀めっき
の効果がほとんど認められなくなる。
【0021】シリコーン樹脂に加える2段階に分級した
散点状銀めっき球状アルミニウム粉混合粉の配合割合
は、シリコーン樹脂100質量部に対して散点状銀めっ
き球状アルミニウム粉混合粉100〜500質量部にす
ることが好ましい。100質量部未満では、粉末同士の
接触状態が良くないために熱伝導性が悪くなり、かつシ
リコーン樹脂の硬化に際しての熱収縮の度合いが大きく
なり、保護すべき素子などに対して物理的損傷を与えや
すくなる。逆に500質量部を超えて配合すると粉末同
士の接触状態は良くなるが、シリコーン樹脂組成物の流
動性が低下し、素子部品への流し込みなどの作業性に問
題が生じる他、シリコーン樹脂組成物が硬くなって可撓
性がなくなるので取り扱い辛くなる。
【0022】本発明の熱伝導性シリコーン樹脂組成物に
は、その他任意に、例えば、有機顔料、無機顔料、シリ
カ、アルミナ、石英粉末あるいはガラス繊維などが加え
られる。また、本組成物の室温下での取り扱い作業性を
さらに向上させるために硬化抑制剤を配合することもで
きる。この硬化抑制剤としては、例えば3−メチル−1
−ブチン3−オール、ベンゾトリアゾールなどが挙げら
れる。これらの硬化抑制剤の配合量は、本組成物に対し
て10〜50000ppmの範囲内であることが好まし
い。
【0023】さらに、本組成物には、本発明の目的を損
なわない範囲で、一分子中に1個のケイ素原子結合水素
原子またはアルケニル基を含有するオルガノポリシロキ
サン、ケイ素原子結合水素原子およびアルケニル基を含
有しないオルガノポリシロキサン、クリープハードニン
グ防止剤、貯蔵安定剤、耐熱添加剤、難燃性付与剤など
が加えられる。
【0024】本発明の熱伝導性シリコーン樹脂組成物を
調整する方法は特に限定されない。例えば、ロスミキサ
ー、プラネタリーミキサーなどの混合装置を用いて調整
することができる。本発明の熱伝導性シリコーン樹脂組
成物は、トランジスター、IC、メモリー素子などの電
子部品を搭載したプリント回路基板やハイブリッドIC
のポッティング材や接着剤、半導体素子の接着剤、エン
ジンマウントのシール剤として利用することができる。
【0025】以下に、本発明を実施例にて説明する。実施例1 平均粒径が1μmおよび5μmの球状アルミニウム粉
(東洋アルミニウム製、不活性ガスアトマイズ粉)の表
面に、スパッタリング法によって各々10質量%および
5質量%の銀めっきを行った。SEM観察したところ、
これらの銀めっき皮膜は図1に示すように球状アルミニ
ウム粉の表面に散点状に析出していた。
【0026】この平均粒径が1μmの10質量%銀めっ
き球状アルミニウム粉20質量%と、平均粒径が5μm
の5質量%銀めっき球状アルミニウム粉80質量%から
なる混合物100質量部を、分子鎖両末端ジメチルビニ
ルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン100質量
部、分子鎖側鎖に平均3個のケイ素原子結合水素原子を
含有する分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチ
ルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合
体50質量部、オルガノシロキサンオリゴマー10質量
部、白金の1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジ
ビニルジシロキサン錯体(上記の分子鎖両末端ジメチル
ビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサンに対する
白金金属原子の量:500ppm)および2−フェニル
−3−ブチン−2−オール0.1質量部からなるシリコ
ーン樹脂組成物中に、ロスミキサーによって均一に混合
して熱伝導性シリコーン樹脂組成物を調製した。
【0027】この熱伝導性シリコーン樹脂組成物を15
0℃で60分間加熱して硬化させた。シリコーン樹脂組
成物の硬度は、JIS K 6301に規定されるJI
SA硬度計により測定し、シリコーン樹脂組成物の熱伝
導性は、Shortherm QTM(昭和電工製、非定常熱線法)
により測定した。
【0028】実施例2 平均粒径が5μmおよび25μmの球状アルミニウム粉
(東洋アルミニウム製、不活性ガスアトマイズ粉)の表
面に、スパッタリング法によって各々5質量%および1
質量%の銀めっきを行った。SEM観察したところ、こ
れらの銀めっき皮膜は図1に示すように球状アルミニウ
ム粉の表面に散点状に析出していた。この平均粒径が5
μmの5質量%銀めっき球状アルミニウム粉20質量%
と、平均粒径が25μmの1質量%銀めっき球状アルミ
ニウム粉80質量%からなる混合物500質量部を、実
施例1と同一組成からなるシリコーン樹脂組成物中に、
ロスミキサーによって均一に混合して熱伝導性シリコー
ン樹脂組成物を調製した。この熱伝導性シリコーン樹脂
組成物を実施例1と同一条件で硬化させた後、硬度およ
び熱伝導率を測定した。
【0029】比較例1 散点状銀めっき球状アルミニウム粉を全く使用しない
で、実施例1と同一組成からなるシリコーン樹脂組成物
だけを実施例1と同一条件で硬化させた後、硬度および
熱伝導率を測定した。
【0030】比較例2 スパッタリング法による銀めっきを行っていない平均粒
径が1μmの球状アルミニウム粉20質量%と平均粒径
が5μmの球状アルミニウム粉80質量%からなる混合
物100重量部を、実施例1と同一組成からなるシリコ
ーン樹脂組成物中に、ロスミキサーによって均一に混合
して熱伝導性シリコーン樹脂組成物を調製した。この熱
伝導性シリコーン樹脂組成物を実施例1と同一条件で硬
化させた後、硬度および熱伝導率を測定した。
【0031】比較例3 平均粒径が5μmの球状アルミニウム粉の表面に、スパ
ッタリング法によって5質量%の銀めっきを行った。S
EM観察したところ、銀めっき皮膜は図1に示すように
球状アルミニウム粉の表面に散点状に析出していた。こ
の平均粒径が5μmの5質量%銀めっき球状アルミニウ
ム粉100質量部を、実施例1と同一組成からなるシリ
コーン樹脂組成物中に、ロスミキサーによって均一に混
合して熱伝導性シリコーン樹脂組成物を調製した。この
熱伝導性シリコーン樹脂組成物を実施例1と同一条件で
硬化させた後、硬度および熱伝導率を測定した。各実施
例、各比較例の測定結果を併せた表1に示す。
【0032】
【0033】表1に示す結果からわかるように、比較例
に比べると本発明実施例品の硬度はほとんど変化してお
らず、十分なゴム弾性を有している。そして、熱伝導率
は桁違いに向上しており、IC基板などの電子部品のヒ
ートシンク材兼保護封止材として極めて有用な材料が調
製できている。
【0034】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明で使用し
たアルミナ被覆アルミニウム粉、銀ともに安定な物質で
あり、樹脂中で変質することもないので、長期間安定し
た封止機能を確保・維持することができる熱伝導性に優
れたシリコーン樹脂組成物が安価に得られる。また、本
発明の熱伝導性シリコーン樹脂組成物は、硬化後ゴム弾
性を失わず、軽量で、取り扱いの作業性にも優れてい
る。そして、本発明の熱伝導性シリコーン樹脂組成物を
使用することにより、電気・電子部品の性能と耐久性を
大幅に向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 散点状銀めっきアルミニウム粉の構造と機能
を示す概念図
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // H05K 3/28 C08L 83:06 (C08L 83/07 H01L 23/30 R 83:05 83:06) Fターム(参考) 4J002 CP042 CP053 CP063 CP131 DA097 DA116 FA087 FB077 FD207 4M109 AA01 BA03 CA04 EA10 EB17 ED04 EE05 GA05 5E314 AA21 AA42 BB15 FF21 GG26

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコーン樹脂に、平均粒径を違えて2
    段階に分級した散点状銀めっき球状アルミニウム粉の混
    合粉を加えたことを特徴とする熱伝導性シリコーン樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】 シリコーン樹脂100質量部に対して、
    混合紛100〜500質量部を加えたものである請求項
    1に記載の熱伝導性シリコーン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 シリコーン樹脂が、(A)一分子中に少
    なくとも2個のケイ素原子結合アルケニル基を含有する
    オルガノポリシロキサン100質量部、(B)一分子中
    に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を含有する
    オルガノハイドロジェンポリシロキサン0.1〜50質
    量部、(C)一分子中に少なくとも1個のケイ素原子結
    合アルコキシ基またはケイ素原子結合水酸基を含有する
    オルガノシロキサン0.1〜10質量部、および(D)
    オルガノポリシロキサンに対して0.1〜500ppm
    のヒドロシリル化反応用触媒からなるものである請求項
    1または2に記載の熱伝導性シリコーン樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 散点状銀めっき球状アルミニウム粉が、
    アトマイズアルミニウム粉の表面にスパッタリング法で
    1〜10質量%の銀を散点状にめっきしたものである請
    求項1〜3のいずれか1に記載の熱伝導性シリコーン樹
    脂組成物。
  5. 【請求項5】 平均粒径を違えて2段階に分級した散点
    状銀めっき球状アルミニウム粉の混合粉が、平均粒径1
    〜5μmの散点状銀めっき球状アルミニウム粉20質量
    %と平均粒径5〜25μmの散点状銀めっき球状アルミ
    ニウム粉80質量%との混合粉である請求項1〜4のい
    ずれか1に記載の熱伝導性シリコーン樹脂組成物。
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