JP2002370675A - ステアリングサポートビームの取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両のオフセット衝突に対してステアリング
サポートビームの後退を防止する。 【解決手段】 ステアリングサポートビーム１の端部を
車体に固定するビームブラケット８をサイドパネルアウ
タ４ａ及びリンフォースメント４ｂに一体的に結合し、
且つビームブラケット８の屈曲部８ｂによってステアリ
ングサポートビーム１の軸中心前方に強固な箱型構造を
形成する。これにより、車両のオフセット衝突等による
衝撃荷重に対してフロントピラー３或いはフロントピラ
ー４の変形を効果的に抑え、ステアリングサポートビー
ム１の後退に伴うステアリングの後退を防止して乗員へ
の悪影響を回避する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、端部がブラケット
を介してフロントピラーに結合されるステアリングサポ
ートビームの取付構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、ステアリングサポートビーム
は、左右両端部が車体前部で支持されることに加え、ス
テーを介して中途がフロントバルクヘッドに支持されて
おり、ステアリングコラム等に対する支持剛性の向上が
図られている。

【０００３】このステアリングサポートビームの車体前
部への取付けは、例えば特開平１１−５９４９３号公報
に開示されているように、ステアリングサポートビーム
（ステアリングメンバ）の両端部を車室前部のダッシュ
サイドパネル等に固定することで行われる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来、
ステアリングサポートビームの取付構造は、ステアリン
グサポートビームに結合される関連部品に対する強度の
みを考慮しているため、車両のオフセット衝突によって
フロントピラー前側が変形すると、ステアリングサポー
トビーム自体の位置が後退してしまう。このため、ステ
アリングが後退して乗員に悪影響を及ぼす虞がある。

【０００５】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、車両のオフセット衝突に対してステアリングサポー
トビームの後退を防止することのできるステアリングサ
ポートビームの取付構造を提供することを目的としてい
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項１記載の発明は、車室前部のインストルメン
トパネル内に配設され、車幅方向に延在するステアリン
グサポートビームの端部を、中空断面形状のフロントピ
ラー内に配設されるブラケットを介してフロントピラー
に結合するステアリングサポートビームの取付構造であ
って、上記ブラケットに、上記フロントピラー内で上記
ステアリングサポートビームの軸中心前方に箱型構造を
形成する屈曲部を設けたことを特徴とする。

【０００７】請求項２記載の発明は、請求項１記載の発
明において、上記ブラケットを、上記フロントピラーの
外郭を形成するサイドパネルアウタと上記フロントピラ
ーの内部に配設したリンフォースメントと共に溶接して
フロントピラーアウタを形成し、上記フロントピラーア
ウタを上記フロントピラーの内壁を構成するサイドパネ
ルインナに溶接することを特徴とする。

【０００８】すなわち、請求項１記載の発明は、ステア
リングサポートビームの端部をフロントピラーに結合す
るためのブラケットに、フロントピラー内でステアリン
グサポートビームの軸中心前方に箱型構造を形成する屈
曲部を設けることで、車両のオフセット衝突に対するス
テアリングサポートビーム前方の剛性を高め、ステアリ
ングサポートビームの後退を防止する。

【０００９】その際、請求項２記載の発明のように、フ
ロントピラーの外郭を形成するサイドパネルアウタとフ
ロントピラーの内部に配設したリンフォースメントと共
にブラケットを溶接してフロントピラーアウタを形成
し、フロントピラーアウタをフロントピラーの内壁を構
成するサイドパネルインナに溶接することが望ましく、
一体構造による剛性のアップ及びブラケットのフロント
ピラーへの組付け工数の低減を図ることができる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図１〜図３は本発明の実施の一形
態に係わり、図１は車室前部のステアリングサポートビ
ームを示す斜視図、図２はビームブラケットの概略斜視
図、図３はステアリングサポートビームのフロントピラ
ーへの取付けを模式的に示す説明図である。

【００１１】図１において、符号１は車室前部のインス
トルメントパネル（図示せず）内に配設され、車幅方向
に延在するステアリングサポートビームを示し、このス
テアリングサポートビーム１の右側部分に、一対のブラ
ケット２，２を介して図示しないステアリングコラムが
取付支持される。ステアリングサポートビーム１は、中
空断面形状の左右のフロントピラー３，４間に架設さ
れ、ブラケット２，２間でステー５を介してフロントバ
ルクヘッド６に取付け支持されると共に、中央部分が一
対のブラケット７，７を介して図示しないセンタパネル
のリンフォースメントに取付け支持される。

【００１２】ステアリングサポートビーム１とフロント
ピラー３，４との結合は、ビームブラケット８，８を介
して行われる。このビームブラケット８は、板金の曲げ
加工等により形成され、概略的には、図２に示すよう
に、ステアリングサポートビーム１の端部を取付けるた
めのウェルディングナット９が固着された平面部８ａ
と、この平面部８ａを挟んで両側に配置された断面
“へ”の字状の屈曲部８ｂ，８ｃとを有している。一方
の屈曲部８ｂは、他方の屈曲部８ｃに比較して相対的に
屈曲の凸高さが大きく、この凸高さの大きい方の屈曲部
８ｂが車両フロント側として配置される。尚、ウェルデ
ィングナット９は、屈曲部８ｂ，８ｃの凸側で平面部８
ａに固着されている。

【００１３】具体的には、車両の運転席側で説明する
と、図３に示すように、フロントピラー４の外郭を形成
するサイドパネルアウタ４ａ内のリンフォースメント
（補強部材）４ｂの内側に、ビームブラケット８の屈曲
部８ｂをフロントバルクヘッド６側に向けて配設し、サ
イドパネルアウタ４ａとリンフォースメント４ｂとビー
ムブラケット８との三者を、図３のＡで示すように、ス
ポット溶接により側面側を互いに固着して一体化し、フ
ロントピラーアウタ１２を形成する。

【００１４】ビームブラケット８を固着したフロントピ
ラーアウタ１２は、図３のＢで示すように、サイドパネ
ルアウタ４ａの周縁部がフロントピラー４の内壁を構成
するサイドパネルインナ１０等に溶接により固着され
る。そして、ステアリングサポートビーム１の端部に設
けられたフランジ１ａをサイドパネルインナ１０に当接
し、ビームブラケット８のウェルディングナット９を介
してボルト１１によって締結する。

【００１５】このような実施の形態では、図３に示すよ
うに、フロントバルクヘッド６からステアリングサポー
トビーム１端部のフランジ１ａまでのＣ部分の剛性が強
化され、オフセット衝突による変形を抑えることができ
る。すなわち、ステアリングサポートビーム１の端部を
車体に固定するビームブラケット８がサイドパネルアウ
タ４ａ及びリンフォースメント４ｂに一体的に結合され
フロントピラーアウタ１２を形成し、且つビームブラケ
ット８の屈曲部８ｂとサイドパネルインナ１０とによっ
てステアリングサポートビーム１の軸中心前方に強固な
箱型構造が形成されるため、車両のオフセット衝突等に
よる衝撃荷重に対してフロントピラー３或いはフロント
ピラー４の変形を効果的に抑えることができる。

【００１６】これにより、万一の車両のオフセット衝突
が発生した場合においても、ステアリングサポートビー
ム１の後退に伴うステアリングの後退を防止することが
でき、乗員への悪影響を回避することができる。しか
も、従来の骨格構造を変更することなく剛性を高めるこ
とができ、各部の強度アップによる重量増を防止するこ
とができる。

【００１７】さらに、ビームブラケット８をサイドパネ
ルアウタ４ａとリンフォースメント４ｂと共に溶接して
フロントピラーアウタ１２を形成し、フロントピラーア
ウタ１２をサイドパネルインナ１０と溶接することで、
ビームブラケット８を別個にサイドパネルインナ１０に
溶接する必要がなく、ビームブラケット８のフロントピ
ラーへの組付け工数の低減を図ることができる。

【００１８】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ス
テアリングサポートビームの端部をフロントピラーに結
合するためのブラケットに、フロントピラー内でステア
リングサポートビームの軸中心前方に箱型構造を形成す
る屈曲部を設けるため、車両のオフセット衝突に対する
ステアリングサポートビーム前方の剛性を高めることが
でき、ステアリングサポートビームの後退を防止して乗
員への悪影響を回避することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】車室前部のステアリングサポートビームを示す
斜視図

【図２】ビームブラケットの概略斜視図

【図３】ステアリングサポートビームのフロントピラー
への取付けを模式的に示す説明図

【符号の説明】

１ ステアリングサポートビーム ３，４ フロントピラー ４ｂ リンフォースメント ８ ビームブラケット ８ｂ 屈曲部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車室前部のインストルメントパネル内に
   配設され、車幅方向に延在するステアリングサポートビ
   ームの端部を、中空断面形状のフロントピラー内に配設
   されるブラケットを介してフロントピラーに結合するス
   テアリングサポートビームの取付構造であって、 上記ブラケットに、上記フロントピラー内で上記ステア
   リングサポートビームの軸中心前方に箱型構造を形成す
   る屈曲部を設けたことを特徴とするステアリングサポー
   トビームの取付構造。
2. 【請求項２】 上記ブラケットを、上記フロントピラー
   の外郭を形成するサイドパネルアウタと上記フロントピ
   ラーの内部に配設したリンフォースメントと共に溶接し
   てフロントピラーアウタを形成し、上記フロントピラー
   アウタを上記フロントピラーの内壁を構成するサイドパ
   ネルインナに溶接することを特徴とする請求項１記載の
   ステアリングサポートビームの取付構造。