JP2002370317A - 着雪氷防止部材 - Google Patents

着雪氷防止部材

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JP2002370317A
JP2002370317A JP2001183048A JP2001183048A JP2002370317A JP 2002370317 A JP2002370317 A JP 2002370317A JP 2001183048 A JP2001183048 A JP 2001183048A JP 2001183048 A JP2001183048 A JP 2001183048A JP 2002370317 A JP2002370317 A JP 2002370317A
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Takemoto Nakai
壮元 中井
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Mitsubishi Chemical Corp
Dainippon Shikizai Kogyo Co Ltd
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Mitsubishi Chemical Corp
Dainippon Shikizai Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 着雪氷防止効果に優れ、着氷防止効果のより
持続する着雪氷防止部材を提供する。 【解決手段】 着雪氷防止部材は、オルガノシリケート
及び疎水性化合物を含有する着雪氷防止用塗料を基材表
面に塗布した後に加熱処理して成り、加熱処理によって
強度が高められた塗膜は、雪の滑落による表面の損傷を
防止できる。また、着雪氷防止用塗料は、オルガノシリ
ケートの部分加水分解縮合物および疎水性化合物を含有
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、着雪氷防止用塗料
を塗布して成る新規な着雪氷防止部材に関するものであ
る。
【0002】
【従来技術】従来より、船舶、海洋構造物、航空機類、
車両、家屋、送電鉄塔などの各種の分野においては、積
雪や氷結による被害の防止を目的として、種々の着氷防
止塗料、着雪防止塗料を塗布して成る着雪氷防止部材が
研究されている。
【0003】着雪氷防止部材に適用される上記の様な着
雪氷防止用塗料においては、オルガノポリシロキサンの
使用がしばしば提案されてきた。オルガノポリシロキサ
ンは、表面に炭化水素鎖が配列するので表面エネルギー
が低く撥水性表面を形成すること、またオルガノポリシ
ロキサンのガラス転移温度が低いために−30℃以下で
もその分子運動が凍結されず、氷結の際に水素結合をし
難いことが着雪防止効果を発揮する理由と言われてい
る。また、オルガノポリシロキサンがブリードアウトし
たり氷の離脱と共に剥離することによる着氷効果の持続
性の低さを改良するために、加水分解性シリル基を有す
る特定の有機ケイ素化合物をその他のモノマーと共重合
して得られる共重合体を、水酸基含有樹脂と併用した組
成物(特開平3−84069号公報)や、特定のアルコ
キシジメチルシロキサンを用いた組成物(特開平2−1
47688号公報)も提案されている。また、滑水性コ
ーティング用組成物として、アクリル系ポリマー、シリ
コーンとフッ素ポリマーから成る組成物も提案されてい
る(特開平10−310740号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来知られた組成物では、いずれも着雪氷防止効果が十
分であるとは言えなかった。また、降雪時の着雪氷防止
が望まれる一方、降雪後に気温が上昇すると、建物の屋
根等の構造物表面の積雪は、次第に水分を多く含んだベ
タ雪状へと変化するが、このようなベタ雪は構造物表面
に付着して剥離し難くなる、つまり滑雪性が低下すると
いう問題があり、このような状態での滑雪性を向上させ
ることも望まれた。構造物の勾配が45゜以下の場合に
は冠雪するので滑雪性に優れていることが特に望まれ
る。更に、着雪氷防止効果の持続性を向上させることも
望まれる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題に鑑みて鋭意検討を行ったところ、降雪時の着雪氷防
止効果に優れたものが必ずしも滑雪性に優れているわけ
ではないことを見出し更に検討を重ねた。その結果、着
雪氷防止には、雪と構造物表面との付着力(着氷力)が
小さいことが有利であること、また、滑雪性について
は、雪と構造物との界面に水が存在すると水の粘性(潤
滑作用)により雪は滑雪し易くなると考えられるが、従
来知られていた着雪氷防止剤では、表面の親水性が低く
滑雪効果は小さいことがわかった。そこで、本発明者ら
は更に鋭意検討し、次の本発明に到達した。
【0006】(1)オルガノシリケート及び疎水性化合
物を含有する着雪氷防止用塗料を基材表面に塗布した後
に加熱処理して成ることを特徴とする着雪氷防止部材。 (2)着雪氷防止用塗料がオルガノシリケートの部分加
水分解縮合物および疎水性化合物を含有する上記(1)
に記載の着雪氷防止部材。 (3)オルガノシリケートの部分加水分解縮合物におけ
る加水分解率が0〜80%である上記(2)に記載の着
雪氷防止部材。 (4)オルガノシリケートの部分加水分解縮合物の塗膜
表面の水接触角が60度以下である上記(3)に記載の
着雪氷防止部材。 (5)疎水性化合物がフッ素樹脂粉末である上記(1)
〜(4)の何れかに記載の着雪氷防止部材。 (6)疎水性化合物がパーフルオロアルキル基を有する
界面活性剤である上記(1)〜(4)の何れかに記載の
着雪氷防止部材。 (7)疎水性化合物の臨界表面張力が20mPa・s以
下である上記(1)〜(6)の何れかに記載の着雪氷防
止部材。
【0007】上記の着雪氷防止部材は、着雪防止効果
(滑雪効果)、着氷防止効果の優れたものであり、しか
も、着雪氷防止効果について高い持続性を発揮し得るも
のである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の着雪氷防止部材は、オルガノシリケート及び疎
水性化合物を含有する着雪氷防止用塗料を基材表面に塗
布した後に加熱処理して成る。
【0009】上記の着雪氷防止用塗料はオルガノシリケ
ートを含有する。オルガノシリケートは、酸素原子を介
した有機基(以下、適宜「オルガノキシ基」と言う。)
でシラン(SiH4)の水素原子の一部または全部を置
換した化合物であり、オルガノキシ基を有している限
り、これ意外の有機基(例えばアルキル基等)がケイ素
原子に結合していてもよい。オルガノシリケートとして
は、1つのケイ素原子に酸素原子を介して1〜4個の有
機基が結合したオルガノキシシラン、および、ケイ素が
シロキサン主鎖((Si−O)n)を形成しているオル
ガノキシシロキサンが挙げられる。
【0010】酸素原子を介してケイ素に結合している有
機基は特に限定されず、例えば直鎖状、分岐状あるいは
環状のアルキル基、より具体的にはメチル、エチル、n
−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、
t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、ネオペンチ
ル、ヘキシル、オクチル基などが挙げられ、これらのア
ルキル基の有する水素原子の一部若しくは全てをフッ素
原子で置換したフッ素化アルキル基も用いることが可能
である。特に炭素数1〜4のアルキル基が好適である。
その他の有機基として、アリール基、キシリル基、ナフ
チル基なども挙げられる。また、有機基として相異なる
二種以上の基を有していてもよい。
【0011】アルキル基としては、炭素数1〜4のもの
が好ましいが、直鎖状または分岐状の何れであってもも
よく、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i
−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−
ブチル基、t−ブチル基等が挙げられ、更にこれらのア
ルキル基の有する水素原子の一部若しくは全てをフッ素
原子で置換したフッ素化アルキル基も用いることが可能
である。これらの基の複合体及び/又は混合物も用いる
ことが出来る。アルキル基として相異なる二種以上のア
ルキル基を有していてもよい。これらのアルキル基のう
ち、滑雪性発現の面からメチル基及び/又はエチル基が
好ましく、最も好ましいのはメチル基である。
【0012】炭素数が大きすぎるアルキル基の場合は、
加水分解性が低下し、得られる塗膜の屋外曝露に於ける
SiOH基の生成が著しく緩慢となり、滑雪性能の発現
性が小さくなる傾向がある。
【0013】オルガノキシシランとしては、例えばテト
ラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロ
ポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラフェノキ
シシラン、ジメトキシジエトキシシランなどが挙げられ
る。オルガノキシシロキサンとしては、上記のオルガノ
キシシランの縮合物が挙げられる。
【0014】上記の本発明で用いるオルガノシリケート
の好ましい具体例としては、例えばテトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラ
ン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシ
シラン、テトライソブトキシシラン、テトラsec−ブ
トキシシラン、テトラt−ブトキシシラン等のテトラア
ルコキシシラン類及び/又はこれらの部分加水分解縮合
物が挙げられる。オルガノシリケートの加水分解率は、
通常0〜80%、好ましくは20〜70%、特に好まし
くは30〜60%である。
【0015】オルガノシリケートの加水分解率とは、以
下に示す式(II)に従って計算される値であり、テトラ
アルコキシシラン又はオルガノアルコキシシランの部分
加水分解縮合時に加える水の量から求めることが出来
る。また、加水分解率は、得られた部分加水分解縮合物
のシロキサン縮合度(以下の式(I)の部分加水分解縮
合物の酸素の係数m)を測定して求めた値とほぼ等しく
なる。
【0016】
【数1】 XnSi(OR)4-n + mH2O →XnSi(OR)4-n-2mm +2mROH …(I) (X及びRは同一又は異る有機基、n=0〜3の整数) 加水分解率=2m/(4−n)×100=m/(2−n/2)×100…(II)
【0017】また、上記オルガノシリケートの塗膜表面
の水接触角は60度以下であることが望ましい。更に、
これらのオルガノシリケート及び/又はこれらの部分加
水分解縮合物の有するアルキル基の水素原子の一部若し
くは全てをフッ素原子で置換したフッ素化オルガノシリ
ケート類も用いることが可能である。これらのものは1
種もしくは2種以上組み合わせたものも使用できる。こ
れらのオルガノシリケートのうち、テトラメトキシシラ
ン及び/又はこの部分加水分解縮合物は、加水分解反応
性が高くシラノール基を生成し易いことから、滑雪性効
果が高い組成物を容易に得ることが出来る点で好適であ
る。
【0018】オルガノシリケートとしては、例えば、テ
トラメトキシシランの部分加水分解縮合物であるポリメ
トキシポリシロキサンとして三菱化学(株)製「MKC
シリケートMS51」、「MKCシリケートMS5
6」、あるいはこれらの加水分解液が、不純物も少なく
且つ高毒性モノマー成分の含有量が実質的に無視できる
ため安全性にも優れており、品質の安定性にも優れ好適
に使用することが出来る。
【0019】また、本発明におけるオルガノシリケート
は、前述の通り、酸素を介した有機基とそれ意外の有機
基でSiH4の水素原子の一部または全部を置換したも
のも含む。このような化合物としては、例えば各種のシ
ランカップリング剤等、より具体的には、メチルトリメ
トキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ
プロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、
エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラ
ン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリイソプロ
ポキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピル
トリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチ
ルトリエトキシシラン、ペンチルトリメトキシシラン、
ペンチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシ
ラン、ヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメト
キシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルト
リプロポキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラ
ン、ベンジルトリメトキシシラン、ベンジルトリエトキ
シシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2
−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメト
キシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)
エチルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルト
リエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニル
トリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメト
キシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラ
ン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2
−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、1
H,1H,2H,2H−パーフロロヘキシルトリメトキ
シシラン、1H,1H,2H,2H−パーフロロヘキシ
ルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H,3
H,3H−パーフロロヘキシルトリメトキシシラン、1
H,1H,2H,2H,3H,3H−パーフロロヘキシ
ルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パー
フロロオクチルトリメトキシシラン、1H,1H,2
H,2H−パーフロロオクチルトリエトキシシラン、1
H,1H,2H,2H,3H,3H−パーフロロオクチ
ルトリメトキシシラン、1H,1H,2H,2H,3
H,3H−パーフロロオクチルトリエトキシシラン、1
H,1H,2H,2H−パーフロロデシルトリメトキシ
シラン、1H,1H,2H,2H−パーフロロデシルト
リエトキシシラン、1H,1H,2H,2H,3H,3
H−パーフロロデシルトリメトキシシラン、1H,1
H,2H,2H,3H,3H−パーフロロデシルトリエ
トキシシラン等のトリアルコキシシラン化合物、及びこ
れらの部分加水分解縮合物が挙げられる。
【0020】さらに、ジメチルジメトキシシラン、ジメ
チルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジ
エチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラ
ン、ジフェニルジエトキシシラン、3-グリシドキシプ
ロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプ
ロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピ
ルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチル
ジトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミ
ノプロピルメチルジメトキシシラン、1H,1H,2
H,2H−パーフロロヘキシルジメトキシモノメチルシ
ラン、1H,1H,2H,2H−パーフロロヘキシルジ
エトキシモノエチルシラン、1H,1H,2H,2H,
3H,3H−パーフロロヘキシルジメトキシモノメチル
シラン、1H,1H,2H,2H,3H,3H−パーフ
ロロヘキシルジエトキシモノエチルシラン、1H,1
H,2H,2H−パーフロロオクチルジメトキシモノメ
チルシラン、1H,1H,2H,2H−パーフロロオク
チルジエトキシモノエチルシラン、1H,1H,2H,
2H,3H,3H−パーフロロオクチルジメトキシモノ
メチルシラン、1H,1H,2H,2H,3H,3H−
パーフロロオクチルジエトキシモノエチルシラン、1
H,1H,2H,2H−パーフロロデシルジメトキシモ
ノメチルシラン、1H,1H,2H,2H−パーフロロ
デシルジエトキシモノエチルシラン、1H,1H,2
H,2H,3H,3H−パーフロロデシルジメトキシモ
ノメチルシラン、1H,1H,2H,2H,3H,3H
−パーフロロデシルジエトキシモノエチルシラン等のジ
アルコキシシラン化合物、及びこれらの部分加水分解縮
合物が挙げられる。
【0021】さらに、メチルトリクロロシラン、ビニル
トリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、メチル
ジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルク
ロロシラン、メチルビニルジクロロシラン、3−クロロ
プロピルメチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシ
ラン、メチルフェニルジクロロシラン等のクロロシラン
化合物、及びこれらの部分加水分解縮合物が挙げられ
る。
【0022】さらに、3−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、N−3−トリメトキシシリルプロピル−m−フ
ェニレンジアミン、,N,N−ビス〔3−(メチルジメ
トキシシリル)プロピル〕エチレンジアミン、N,N−
ビス〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕エチレン
ジアミン、P−〔N−(2−アミノエチル)アミノメチ
ル〕フェネチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0023】着雪氷防止用塗料としての塗布用組成物中
には、この様に酸素を介した有機基でSiH4の水素原
子全部を置換していないオルガノシリケートを含んでい
てもよいが、その含有量は、酸素を介した有機基でSi
4の水素原子全部を置換したオルガノシリケート10
0重量部(SiO2換算)に対して200重量部以下、
より好ましくは150重量部以下とする。多すぎると滑
雪性が低くなることがある。例えば、塗膜形成における
塗布性向上、塗膜におけるクラック発生(塗膜の可撓性
向上)等の観点からは、SiH4の水素原子の一部を、
前述した様なアルキル基で置換したものを用いればよ
い。この様なものの含有量は、酸素を介した有機基でS
iH4の水素原子全部を置換したオルガノシリケート1
00重量部(SiO2換算)に対して0.1〜200重
量部、好ましくは1〜150重量部である。
【0024】また、オルガノキシ基以外の加水分解可能
な官能基、例えば各種のハロゲン元素等を存在させたケ
イ素化合物を存在させてもよいが、加水分解により塩酸
等の、取り扱い困難な物質を生成することがあるため環
境上望ましくなく、多くともオルガノシリケートをSi
2換算で100重量部に対して20重量部以下、より
好ましくは10重量部以下とする。もちろん、このよう
な化合物を全く含んでいなくともよい。
【0025】着雪氷防止用塗料としての塗布用組成物
は、常温で硬化する速やかな造膜性を具備するのが望ま
しく、このためには例えばシリケート成分に予め適量の
水やアルコール等の溶媒を配合して常温で正常な塗膜を
形成する組成物であって、シリケート成分および以下に
説明する疎水性化合物を均一に分散・溶解するものとし
て用いることも出来る。水を添加することでシリケート
成分を加水分解してシラノール基を形成して親水性効果
を増進させる効果も発揮していると考えられる。
【0026】例えば、シリケート100重量部に対して
水1〜100重量部、特に好ましくは10〜50重量
部、アルコール等の溶媒を100〜5000重量部、特
に好ましくは500〜2000重量部を配合した組成物
が造膜性に優れた組成物を形成し得る。例えば、シリケ
ート成分に対して上記の水及び溶媒を配合して予めシリ
ケートの加水分解液を調製したものを用い、ここに下記
の疎水性化合物を添加し必要に応じて適宜溶媒を追加し
たり、溶媒に分散・溶解した疎水性化合物を配合するこ
ともできる。本発明では塗布液として、更に以下に説明
する各成分を含有させることが好適である。
【0027】着雪氷防止用塗料に含有される疎水性化合
物は、シリケート単独に比較して疎水性を付与させる成
分であり、より具体的には、非イオン系界面活性剤、フ
ッ素系界面活性剤、フッ素樹脂粉末、シリコン樹脂粉
末、シリコーン系界面活性剤から選ばれる1種又は2種
以上のものが好適に使用される。疎水性化合物の臨界表
面張力は、20mPa・s以下であることが好ましい。
【0028】非イオン性界面活性剤としては、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン
脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等が挙げら
れる。フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアル
キルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステ
ル、パーフルオロアルキルアンモニウム塩等の、パーフ
ルオロアルキル基を有するパーフルオロアルキルオリゴ
マー、パーフルオルエチレンオキサイド付加物、パーフ
ルオルカルボン酸塩などが挙げられる。例えば、フッ素
系界面活性剤として、旭硝子(株)製「SC−10
1」、「SC−105」を使用することが出来る。
【0029】フッ素樹脂粉末としては、例えば低分子量
四フッ化エチレン重合体、より具体的には、平均分子量
1,500〜20,000、特に好ましくは平均分子量
500〜15,000、粒子径0.1〜20μm、より
好ましくは粒子径0.1〜1μmのパーフルオル化合物
がよい。シリコン樹脂粉末は平均粒子径0.1〜20μ
m、特に好ましくは0.1〜1μmがよい。シリコーン
系界面活性剤としては、疎水基がメチルポリシロキサ
ン、親水基がポリアルキレンオキサイドのものが挙げら
れる。例えば、日本ユニカー(株)製「SILWET
L−7001」が好適に使用することが出来る。理由は
明らかではないが、以上の疎水性化合物のうち中でも特
に、フッ素系界面活性剤が、オルガノシリケートとの併
用には効果の発現が優れており、望ましい。これらの成
分が、シリケートと均一に分散する様に、疎水性化合物
の種類に応じてシリケート溶液の溶剤組成を調整すれば
よい。
【0030】着雪氷防止用塗料におけるシリケートと疎
水性化合物の配合割合は、シリケート100重量部に対
して、疎水性化合物が0.1〜100重量部、特に好ま
しくは疎水性化合物が1〜50重量部である。疎水性化
合物が0.1重量部未満であると着雪防止効果が低く、
100重量部を超えると得られる塗膜の強度、基材に対
する付着性が低下する傾向がある。
【0031】本発明においては、シリケートを使用する
ことにより滑雪性が向上し、さらにフッ素樹脂などの疎
水材料との併用で着雪防止効果が向上する。シリケー
ト、水、溶媒及び疎水性化合物を配合した液中のシリケ
ート濃度は、SiO2換算濃度で0.05wt%以上で
あればよいが、特に好ましくは0.1wt%以上であ
る。0.05wt%未満では、その濃度が低く滑雪性及
びフッ素樹脂を併用したときの着雪防止効果の発現性が
乏しくなる。滑雪効果、フッ素樹脂などの疎水性材料を
併用したときの着雪防止効果の発現には、特にシリケー
ト成分の、固形分(非揮発分)中のSiO2換算濃度が
影響する。好ましくは、固形分(非揮発分)中のSiO
2換算濃度は15wt%以上、特に好ましくは25wt
%以上である。15wt%未満では滑雪効果及びフッ素
樹脂などの疎水性材料を併用したときの着雪防止効果の
発現性が乏しくなる。
【0032】基材との密着性向上、塗膜に柔軟性を与え
割れ難くすることが必要な場合はアクリル樹脂などを添
加する等、所望の塗膜特性に応じて適宜樹脂成分その他
の成分を添加することも出来る。アクリル樹脂として
は、メチルメタアクリレート重合体などの一般的な樹脂
でよい。
【0033】以上説明した着雪氷防止用塗料としての塗
布用組成物を、各種の基材に塗布する。基材としては、
屋根、その他の構造材など、塗膜を形成できるものであ
れば限定されないが、主に屋根、ソーラーパネル、電
線、電線用鉄塔、道路標識等、着雪・着氷の防止を必要
とする構造物であって、水平からの角度が45゜以下の
面を有しているため滑雪効果の付与が望ましい構造物が
好適である。
【0034】本発明においては、塗膜をより強靱にする
ため、着雪氷防止用塗料を塗布した後に加熱処理するこ
とが重要である。通常、部材に冠雪した雪が滑り落ちる
際には、部材の塗膜表面を削る作用があり、塗膜の損傷
は、部材に対する積雪量が多いほど、また、部材の傾斜
距離が長く、滑雪量が多いほど大きくなる。従って、雪
に対する塗膜の耐摩耗性を向上させることにより、着雪
氷防止効果を持続させることが出来る。
【0035】加熱処理は、熱風、赤外線、遠赤外線など
をエネルギー源とし、塗膜表面を50〜200℃、より
好ましくは80〜180℃に昇温する。加熱時間は、加
熱温度にもよるが、通常は1〜60分程度である。加熱
処理は、着雪氷防止用塗料を塗布した直後に行ってもよ
く、あるいは、着雪氷防止用塗料を塗布し、自然乾燥ま
たは加温して溶剤を揮散させた後に行ってもよい。な
お、本発明においては、上記エネルギー源による加熱処
理の他、電子線照射による処理も含む。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに具体的
に説明する。 [着雪氷防止用塗料の組成]着雪氷防止用塗料を調製に
おいては、オルガノシリケートとして三菱化学(株)製
「MKCシリケートMS51」(加水分解率40%)を
用いた。また、配合処方中、「混合溶剤」の組成は、以
下の通りである。
【0037】
【表1】 トルエン 23 重量部 プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 18 重量部 酢酸ブチル 12.5重量部 メチルイソプチルケトン 9 重量部 プロピレングリコールモノメチルエーテル 22.5重量部 ノルマルブタノール 7.5重量部 イソプロピルアルコール 7.5重量部 合計 100.0重量部
【0038】[着雪氷防止用塗料の調製]以下の通り配
合処方して着雪氷防止用塗料を得た。
【0039】
【表2】 オルガノシリケートの加水分解液(*1) 118 重量部 SC−101(*2) 4.8重量部 (加水分解液中のシリケート量に対して固形分10重量%に相当) *1:オルガノシリケートの加水分解液の組成は以下の通りである。 混合溶剤 100 重量部 オルガノシリケート 16 重量部 10%塩酸溶液 2.0重量部 *2:旭硝子(株)製フッ素系界面活性剤
【0040】[着雪氷防止用塗料の塗布および乾燥]上
記の様に調製した着雪氷防止用塗料をアルミ板に塗布し
た後、以下の通りの加熱処理または乾燥処理を施し、実
施例1〜3及び比較例1、2としての着雪氷防止部材を
作製した。
【0041】
【表3】 実施例1: 1時間の自然乾燥を行った後に180℃で5分間加熱 実施例2: 1時間の自然乾燥を行った後に150℃で10分間加熱 実施例3: 120℃で30分間加熱 比較例1: 2時間の自然乾燥 比較例2: 1時間の自然乾燥を行った後に40℃で1時間加温
【0042】[塗膜の性能評価]得られた実施例1〜3
及び比較例1、2の各着雪氷防止部材について、鉛筆硬
度試験(JIS・K5400に準拠)ならびに耐摩耗試
験により塗膜の性能評価を行った。耐摩耗試験の方法は
次の通りである。すなわち、JIS・K7125に示さ
れる摩擦係数測定用の滑り片にサンドペーパー(#32
0)を取り付け、試料の塗膜上を100mm/分の速度
で10回滑らせた。次に、粒度の高いサンドペーパー
(#400)に換えて同様の操作を行った。上記の各試
験の後に塗膜表面を目視観察した結果、以下に示す様な
結果を得た。ただし、表中の耐摩耗性に関し、符号
(〇)は擦り傷が認められない状態、符号(△)は擦り
傷が僅かに認められる状態、符号(×)は擦り傷が多く
認められるか又は明確に認められる状態をそれぞれ示
す。
【0043】
【表4】 鉛筆硬度 耐摩耗性(#320/#400) 実施例1: 3H 〇/〇 実施例2: 3H 〇/〇 実施例3: 3H 〇/〇 比較例1: H ×/△ 比較例2: H ×/△
【0044】
【発明の効果】本発明の着雪氷防止部材によれば、降雪
時において優れた着雪氷防止効果が得られ、しかも、着
雪氷防止効果をより持続させることが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK52A AR00A AR00H AT00B BA02 BA10A BA10B CA18A CC00A GB07 GB31 GB90 JB06A JB06H JB20A JB20H YY00A YY00H 4J038 CD122 DF021 DF022 DL021 DL022 DL031 DL032 DL051 DL052 DL071 DL072 DL081 DL082 DL091 DL092 DL111 DL112 DL121 DL151 DL152 KA08 NA05 NA12 PB05 PB09

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オルガノシリケート及び疎水性化合物を
    含有する着雪氷防止用塗料を基材表面に塗布した後に加
    熱処理して成ることを特徴とする着雪氷防止部材。
  2. 【請求項2】 着雪氷防止用塗料がオルガノシリケート
    の部分加水分解縮合物および疎水性化合物を含有する請
    求項1に記載の着雪氷防止部材。
  3. 【請求項3】 オルガノシリケートの部分加水分解縮合
    物における加水分解率が0〜80%である請求項2に記
    載の着雪氷防止部材。
  4. 【請求項4】 オルガノシリケートの部分加水分解縮合
    物の塗膜表面の水接触角が60度以下である請求項3に
    記載の着雪氷防止部材。
  5. 【請求項5】 疎水性化合物がフッ素樹脂粉末である請
    求項1〜4の何れかに記載の着雪氷防止部材。
  6. 【請求項6】 疎水性化合物がパーフルオロアルキル基
    を有する界面活性剤である請求項1〜4の何れかに記載
    の着雪氷防止部材。
  7. 【請求項7】 疎水性化合物の臨界表面張力が20mP
    a・s以下である請求項1〜6の何れかに記載の着雪氷
    防止部材。
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