JP2002370313A - 化粧板 - Google Patents
化粧板Info
- Publication number
- JP2002370313A JP2002370313A JP2001179044A JP2001179044A JP2002370313A JP 2002370313 A JP2002370313 A JP 2002370313A JP 2001179044 A JP2001179044 A JP 2001179044A JP 2001179044 A JP2001179044 A JP 2001179044A JP 2002370313 A JP2002370313 A JP 2002370313A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- thermosetting resin
- decorative
- impregnated
- thermoplastic resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
Abstract
び化粧体を提供する。 【解決手段】熱硬化性樹脂含浸芯材層からの熱圧時の熱
硬化性樹脂の剥離層側への浸透性をコントロールする機
能を有する層を付与することにより、剥離性と層間強度
とを同時に達成できるとわかり、熱硬化性樹脂化粧層、
熱硬化性樹脂含浸芯材層、及び熱可塑性樹脂を含有し、
吸水率が3%以上9%以下である熱可塑性樹脂組成物含
有層、繊維質層、の構成で各層を備える化粧板と、該化
粧板を使った化粧体。
Description
付与される化粧板や、化粧パネルに関する。
も廃棄あるいはリサイクルが課題となってきている。家
具等は、表面に化粧板や化粧パネルを供えていることが
多く、複数材料が複合化されていることが多い。廃棄や
リサイクル(特に分解再生)においては、その構成材料
別に分別することが必要となる。また、一方で、長期間
にわたって家具等を使用しようとする場合においても、
使用により劣化した一部を除去し、交換できるようにす
ることは重要である。特に、化粧板は、樹脂系材料であ
るために、他の金属系あるいは木質系材料と分別される
ことが必要である。特に、化粧板は、劣化しやすい部位
でもあるので、交換可能であることが好ましい。
としては、特開平10−180944号公報、特開平1
1−46876号公報、及び特開平11−58620号
公報に開示される技術がある。特開平10−18094
4号公報には、化粧板の裏面と芯材の表面との間に、樹
脂未含浸紙を一体化した化粧板が記載されている。この
化粧板では、樹脂未含浸紙で化粧板を芯材から剥離させ
ようとしている。また、特開平11−46876号公報
及び特開平11−58620号公報開示の技術は、耐水
加工紙を、化粧板の最裏面になるように積層し、この化
粧板を接着剤により芯材表面に付与するものである。こ
の化粧板でも、耐水加工紙で化粧板を剥離させようとし
ている。
脂の未含浸紙への含浸状態を制御できないため、未含浸
紙層が薄いと剥離層が確保されず、未含浸紙層が厚けれ
ば層間強度が得られにくく、特に、ポストフォーミング
加工時に、未含浸紙層にシワが入り、良好な外観が得ら
れないという問題があった。また、後者によれば、耐水
加工紙であるといっても、熱圧成形時の熱硬化性樹脂芯
材から熱硬化性樹脂が耐水加工紙へ含浸することを完全
に防止することが難しく、剥離できない場合があった。
また、耐水加工紙の存在は、化粧板における層間強度を
低下させるため、製造時における高温条件下、とりわけ
ポストフォーミング加工時には、層間剥離が生じ易い。
はなく、化粧板の裏面に熱可塑性シートを備えており、
このシートを介して基台に接着されており、この熱可塑
性シートを加熱することにより、化粧板を基板から剥離
する技術が、特開平2001−25412号公報に開示
されている。しかしながら、この化粧板では、加熱する
温度は、140〜200℃程度であり、作業性等の点か
ら実施は困難である。
熱硬化性樹脂が含浸しない、あるいは単に含浸しにくい
繊維質層を剥離層とするのでは、剥離性と層間強度との
双方を同時に達成することは困難であり、熱可塑性樹脂
層をそのまま剥離層とすること現実的ではなかった。そ
こで、本発明では、熱圧成形時の熱硬化性樹脂の含浸状
態をコントロールして、剥離性と層間強度との双方を同
時に達成できる化粧板及び化粧パネルを提供することを
目的とする。
ために、本発明者らは、熱硬化性樹脂含浸芯材層からの
熱圧時の熱硬化性樹脂の剥離層側への浸透性を適度にコ
ントロールする機能を有する層を付与することにより、
剥離性と層間強度とを同時に達成できると考え、鋭意検
討した。その結果、剥離を生じさせる層としては、紙等
の繊維質層を選択し、さらに、熱硬化性樹脂含浸芯材層
とこの繊維質層との間に熱可塑性樹脂含有層を介在させ
て、この熱可塑性樹脂含有層に熱圧時の熱硬化性樹脂を
一定範囲で受容させることにより、剥離性と高い層間強
度とを同時に達成できることを見出した。さらに、この
熱可塑性樹脂層の所定の熱的特性を所定範囲に限定する
ことにより、通常の化粧板成形条件で好ましい剥離性と
層間強度とを達成できることを見出したのである。
化粧層と、熱硬化性樹脂含浸芯材層と、熱可塑性樹脂を
含有し、吸水率が3%以上9%以下である組成物を含有
する層と、繊維質層、とをこの順で備える、化粧板が提
供される。また、熱硬化性樹脂含浸化粧層と、熱硬化性
樹脂含浸芯材層と、エチレン−ビニルアルコールコポリ
マーを含有する層と、繊維質層、とをこの順で備える、
化粧板も提供される。さらに、これらの化粧板を供える
化粧体も提供され、熱硬化性樹脂化粧層と、熱硬化性樹
脂含浸芯材層と、ポストフォーミング加工温度よりも高
い融点の熱可塑性樹脂を含有し、吸水率が3%以上9%
以下である組成物を含有する層と、繊維質層、とを有す
る化粧板を、接着剤層を介して被化粧体上に積層する工
程と、前記熱可塑性樹脂の融点よりも低い温度でポスト
フォーミング加工する工程、とを有する、ポストフォー
ミング加工化粧体の製造方法も提供される。
て詳細に説明する。本発明の化粧板は、熱硬化性樹脂化
粧層と、熱硬化性樹脂含浸芯材層と、熱可塑性樹脂を含
有し、吸水率が3%以上9%以下である樹脂組成物を含
有する層と、繊維質層、とをこの順で備えている。吸水
率が3%以上9%以下である熱可塑性樹脂組成物を含有
する層を、熱硬化性樹脂含浸芯材層と繊維質層間に介在
させることで、熱圧時の芯材層からの熱硬化性樹脂をこ
の熱可塑性樹脂含有層で一定範囲で受容することができ
る。すなわち、熱可塑性樹脂の吸水率が一定範囲内であ
るので、熱硬化性樹脂を一定範囲で受容する。受容した
熱硬化性樹脂により、芯材層と当該熱可塑性樹脂含有層
は良く一体化される。この意味において、当該樹脂含有
層は、芯材層との接着層として機能している。また、熱
硬化性樹脂は、一定範囲を超えて熱可塑性樹脂含有層に
浸透しないので、当該熱可塑性樹脂含有層は、繊維質層
に対して熱硬化性樹脂の侵入を抑止できる。この意味に
おいて、熱可塑性樹脂含有層は、熱圧時の熱硬化性樹脂
の移動を抑止あるいは緩衝する機能を発揮する。一方、
熱圧時には、当該熱可塑性樹脂も軟化され、繊維質層に
浸透する。これにより、熱可塑性樹脂含有層と繊維質層
とは良く一体化される。この意味において、当該樹脂含
有層は、繊維質層に対して接着層として機能する。以上
のことから、熱硬化性樹脂含浸芯材層と繊維質層との間
に、本熱可塑性樹脂含有層を介在させることにより、剥
離性と高い層間強度との双方を同時に達成できる。
発明の化粧板について説明する。 (化粧板)図1に示す化粧板2は、熱硬化性樹脂化粧層
4と、熱硬化性樹脂芯材層6と、熱可塑性樹脂組成物含
有層8と、剥離層10とにより形成されている。また、
このように構成された化粧板2が芯材14に対して、接
着層16を介して接着されて天板(化粧体)20が構成
されている。
性樹脂が含浸されかつ化粧面をその表面に有している。
特に限定はしないが、例えば、オーバーレイ紙や、パタ
ーン紙に熱硬化性樹脂を含浸したものを挙げることがで
きる。オーバーレイ紙は、薄葉紙、レーヨンパルプ紙を
主体とした紙等である。また、パターン紙とは、所望に
着色や模様等が印刷等により付与されたものである。例
えば、顔料や酸化チタンを漉き込んだり、あるいは、さ
らにその表面にグラビア印刷をして所望の模様を付与し
たりした45〜150g/m2程度のパターン紙が使用
できる。これらに含浸させる熱硬化性樹脂は、例えば、
メラミン系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、不飽和ポ
リエステル系樹脂などである。なお、熱硬化性樹脂を含
浸することができれば、含浸前のシート状体の材質は特
に限定するものではない。好ましくは、紙に代表される
繊維質のシート状体である。化粧層4は、これらの1種
あるいは2種以上の層が積層され、所望の厚みに構成さ
れている。熱硬化性樹脂含浸パターン層のみの場合もあ
り、熱硬化性樹脂含浸オーバーレイ層と熱硬化性樹脂含
浸パターン層とから構成される場合もある。
含浸されており、化粧板の内層を構成している。芯材層
6に含浸されている熱硬化性樹脂は、フェノール樹脂、
ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂等を使用す
ることができる。好ましくは、水、メタノール、あるい
は、水/メタノール混液に対して溶解性を示す、熱硬化
性樹脂を用いることが好ましい。かかる樹脂として具体
的には、メラミン樹脂、フェノール樹脂を挙げることが
できる。芯材層6を構成する担体には、特に限定しない
が、クラフト紙が通常用いられている。クラフト紙とし
ては、100〜250g/m2であることが好ましい。
芯材層4は、これらの1種あるいは2種以上の層が積層
され、所望の厚みに構成されている。
含有する樹脂組成物の吸水率が3%以上9%以下である
ことが好ましい。ここで吸水率(%)とは、この樹脂組
成物を水に含浸したときの吸水重量の吸水前の樹脂組成
物重量に対する割合(%)である。吸水率は、例えば、
当該樹脂組成物からなるフィルム状体を、水中に一定時
間浸漬して、浸漬後の重量増加分を吸水量として等の測
定方法によって測定することができる。本明細書におけ
る吸水率は、水温30℃、浸漬時間24時間とした場合
の吸水率である。水中に浸漬する熱可塑性樹脂組成物
(成形体)のサイズは、任意の大きさでよい。吸水率が
3%未満の樹脂組成物の場合には、熱圧時に、芯材層6
からの熱硬化性樹脂を十分に受容できないために、逆
に、熱可塑性樹脂層との密着性が低下してしまい、一
方、9%を超えると、熱硬化性樹脂を受容しすぎて繊維
質層への移行の抑止効果が低下してしまう。より好まし
くは、6%以上である。
脂は、ビカット熱軟化点が、110℃以上180℃以下
であることが好ましい。この範囲であると、化粧板成型
時の熱圧条件(温度約110℃以上150℃未満、圧力
約50kg/cm2〜100kg/cm2)下において適
度に軟化して、繊維質層10に浸透して、繊維質層10
を接着することができる。110℃未満であると、軟化
しすぎるために、熱圧時に層構造が崩壊しやすく、熱硬
化性樹脂の受容作用と繊維質層への移動抑止作用も低下
し、層間強度が確保されなくなる。加えて、熱可塑性樹
脂自体が、繊維質層に浸透して剥離層が十分確保できな
くなる。また、180℃を超えると、繊維質層との接着
が不充分となり、層間強度が確保されない。特に好まし
くは、150℃以上175℃以下である。ビカット熱軟
化点は、JIS K 7206の熱可塑性プラスチックのビカット
軟化温度試験方法あるいはH.D.Tテスター法により
得ることができる。
上190℃以下であることが好ましい。この範囲である
と、ポストフォーミング加工時(通例、150℃〜16
0℃である。)において、熱可塑性樹脂がフクレなどを
生じないため、層間剥離を回避できる。160℃未満で
あると、ポストフォーミング加工時に、溶融・発泡等
し、層間剥離を生じ易くなる。また、190℃を超える
と、熱可塑性樹脂と繊維質層との十分な接着が得られな
くなる。熱可塑性樹脂の融点は、例えば、示差走査熱量
測定法によるDSC吸熱ピーク温度によって測定するこ
とができる。
系単量体と水に溶解性を有するポリマーの単量体とのコ
ポリマーやポリマーアロイ等を好ましく利用できる。か
かる単量体の組み合わせによれば、吸水率や熱的特性を
充足しやすいからである。オレフィン系単量体として
は、エチレンやプロピレンが好ましい。また、他方の単
量体としては、ビニルアルコール、アクリルアミド、ア
クリル酸等が好ましく、より好ましくは、ビニルアルコ
ールである。特に、エチレンビニルアルコールコポリマ
ーの場合、エチレン共重合体化率が25〜50モル%で
あることが好ましい。25モル%未満であると、吸水率
が大きくなり、熱硬化性樹脂を受容しすぎて繊維質への
移行の抑止作用が低下してしまう。50モル%を超える
と、融点が低くなり、ポストフォーミング加工時に層間
剥離を生じ易くなる。さらに、かかる樹脂としては、具
体的には、エバール(クラレ製、エチレン重合化率30
〜50モル%)を使用できる。
む組成物のフィルムあるいはシートで構成される層とな
っているが、熱可塑性樹脂以外に各種添加材料を含んで
いてもよい。また、補強あるいは充てんを目的として、
繊維材料や紛体材料を含めることもできる。さらに、熱
可塑性樹脂を繊維質のシート状体(例えば、クラフト紙
等の紙)を層に一体化した状態で有していてもよい。
いが、10μm以上150μm以下であることが好まし
い。より好ましくは、12μm以上25μm以下であ
る。
塑性樹脂組成物を含有していることにより、熱圧時に芯
材層6側からの熱硬化性樹脂を受容しているので、部分
的に熱硬化性樹脂(芯材層に含浸されている熱硬化性樹
脂)を含有している。また、当該熱可塑性樹脂は、繊維
質層10側に熱圧時に浸透あるいは密着した状態となっ
ている。
各種繊維で形成された層であり、通常は、かかる繊維質
のシート状体に由来して構成されている。具体的には、
紙、典型的には、クラフト紙が用いられることが多い
が、晒しか未晒しであるかは問わない。また、サイズ材
の添加/未添加も問わない。
樹脂芯材層6や熱可塑性樹脂含有層8と外観上区別でき
ることが好ましい。具体的には、剥離層10が、前記熱
硬化性樹脂芯材層とは異なる色であることが好ましい。
すなわち、色の変化で前記熱硬化性樹脂芯材層と当該剥
離層とを区別できるようになっていることが好ましい。
色は、特に限定しないが、明度の高いものが好ましく、
具体的には、白色系、黄色系等である。剥離層は、この
ような所望の色(特に明色)の顔料や染料により区別で
きる程度の着色されていることが好ましい。なお、光沢
性の顔料の添加により、光沢で区別できるようになって
いてもよいし、白色に脱色した晒しクラフト紙でもよ
い。着色部位は、全体であってもよいが、化粧板におい
て端面に露出される部位のみが着色部位であってもよ
い。このような外観上区別可能な繊維質は、化粧板2を
その端面から見た場合に、剥離層となる繊維質層10の
存在部位を明示することができる。
6を介して被加工体である芯材14の表面に付与されて
化粧体としての天板20が構成されている。芯材14は
特に限定しないで、各種素材を用いることができる。例
えば、芯材としては、鉄などの金属系材料、合板、パー
ティクルボード、MDF等の木質系材料である。接着剤
も特に限定しないが、スチレンブタジエン系合成ゴム接
着剤や、酢酸ビニル系接着剤など各種接着剤を必要に応
じて使用できる。また、化粧板2を付与するのは、天板
20用の芯材14に限定されず、間仕切りや家具等の、
化粧面を構成する部位であればよい。すなわち、本発明
における化粧体は、天板に限定されず、各種パネル状体
を包含する。さらに、本発明の化粧板を備える家具も、
机やカウンター、間仕切り材に限定されないで、各種の
家具を包含する。
熱硬化性樹脂の移動を制御して、芯材層6と熱可塑性樹
脂組成物含有層8との一体性と熱硬化性樹脂の抑止性を
有し、かつ繊維質層10との接着性をも有している。す
なわち、熱可塑性樹脂組成物含有層8を形成することに
より、剥離性を確保する層と、従来剥離層に求められて
いた剥離層に要求される剥離性と層間強度との相反する
反対の性質を6と一挙に確保できる。これにより、本発
明の化粧板、化粧体、及び家具は、このような化粧板を
備える結果、化粧板中における繊維質層10における剥
離性を確保できるとともに、十分な層間強度も同時に得
られるようになっている。また、剥離層を繊維質層10
とすることにより繊維質層10を構成する材料(典型的
にはパルプであるが)の種類、繊維長、太さやグラフト
紙の密度、地合、紙力強化剤の添加量を調整することに
より、剥離強度を容易に変化させることができる。この
ため、所望とされる層間強度に対して最も好ましい剥離
強度を付与することにより、層間強度と剥離強度とのバ
ランスの取れた化粧板となっている。
特定範囲とすることで、通常の熱圧条件下で十分に層間
強度を確保できる汎用の化粧板となっており、また、熱
可塑性樹脂の融点を特定範囲とすることにより、ポスト
フォーミング加工に適した化粧板となっている。
層6や熱可塑性樹脂含有層8と外観上区別可能である場
合には、剥離層10の存在が容易に把握され、外観上の
違いをガイドとして、この部位にスリット等の切り込み
を入れれば、容易にこの部位から化粧板側を芯材側から
剥離できるようになっている。
造方法について、図2に基づいて説明する。化粧板2
は、上述のような各層を形成可能な各シート状体が積層
され、熱圧により一体化されて形成される。なお、以下
のシート24、26に含浸されている熱硬化性樹脂組成
物は、いずれも硬化しておらず、熱圧時において加熱に
より流動化し、その後十分に硬化するように調製された
組成物である。まず、最下層に、熱硬化性樹脂含浸化粧
シート24を載置する。熱硬化性樹脂含浸化粧シート2
4は、熱圧により上述の化粧層4を形成可能なシート状
体を用いることができる。このシート24における積層
一体化前の熱硬化性樹脂含浸状態は、樹脂付着率50〜
55wt%、揮発分率4〜7wt%に調整されているこ
とが好ましい。ここで揮発分率とは、樹脂を含浸させた
際の溶媒分等の割合である。
6を積層する。芯材層6を形成する芯材シート26は、
上述の芯材層6を構成するシート状体を用いることがで
きる。芯材シート26は、熱硬化性樹脂が予め含浸され
ており、乾燥されている。積層一体化前の樹脂含浸状態
は、樹脂付着率が全体重量の26〜35wt%、揮発分
率が4〜10%wtであることが好ましい。この範囲で
あると、熱圧成形時に、下層にあたる熱可塑性樹脂含有
シート28に熱硬化性樹脂を部分的に浸透させることが
できて、熱可塑性樹脂含有層8における一体性が効果的
に確保される。樹脂付着率が26wt%未満であると、
熱可塑性樹脂含有シート28中に十分な浸透部分を形成
できず、また、35wt%を超えると熱圧時において軟
化した樹脂がはみ出す場合が生じやすくなる。一方、揮
発分率が4wt%未満であると、樹脂流動性が低すぎ
て、熱可塑性樹脂含有シート28中に十分な移行でき
ず、10wt%を超えると、繊維質層への樹脂の移行を
抑止できなくなる。
いはフィルム)28を積層する。熱可塑性樹脂組成物シ
ート28は、吸水率が3%以上9%以下に調整された熱
可塑性樹脂組成物のシートを用いる。このシート28を
必要に応じて1枚あるいは複数枚積層する。なお、この
シート28は、各種添加材料が添加されていてもよく、
また、繊維質のシートを担体として、前記熱可塑性樹脂
組成物を含浸して形成してもよい。さらに、当該シート
28は、次に積層する繊維質シート30の表面に予めコ
ーティング等により一体化された状態で積層されてもよ
い。いずれの状態においても、当該シート28の、芯材
シート26側は、コロナ放電等により粗面化する工程を
省略することができる。
質シート30を積層する。繊維質シート30は、熱可塑
性樹脂含浸性のシート状体を用いる。例えば、紙であ
り、より具体的にはクラフト紙である。積層一体化前に
おいては、当該シート30の内部には熱可塑性樹脂は含
浸されていない。すなわち、未含浸状態となっている。
一体化して、化粧板2を得る。熱圧条件は、温度は、1
20℃以上150℃未満が好ましく、圧力は80〜10
0kg/cm2が好ましい。熱圧時には、芯材シート2
6中の軟化した硬化前の熱硬化性樹脂が、流動化して、
熱可塑性樹脂含有シート28に移動する。熱可塑性樹脂
含有シート28は、この樹脂成分を一定範囲で受容す
る。また、熱可塑性樹脂含有シート28は、樹脂組成物
から構成されるため、熱硬化性樹脂は、当該シート28
を超えて繊維質シート30に移行することはない。特
に、ビカット軟化温度が150℃〜173℃であると、
層構造が確実に保持されるため、熱硬化性樹脂の移行を
確実に抑止できる。また、芯材シート26の樹脂含浸状
態が制御されていることにより、シート28側に適度な
移行量が確保され、シート外へのはみ出しも抑制され
る。
熱可塑性樹脂も軟化して、繊維質シート30側に移動
し、繊維質シート30の表面と密着するか、および/ま
たは、内部の一部に浸透する。特に、熱可塑性樹脂のビ
カット軟化温度が上記した範囲であると、好ましい接着
状態が得られる。
粧板2を取り出す。以上により、本発明体の化粧板2を
得ることができる。この方法によれば、確実に、剥離性
と層間強度とを同時に保有する化粧板を容易に製造する
ことができる。
して接着することにより化粧体20を得ることができ
る。接着層16は、化粧板2と被加工体14のいずれか
又は両方に塗布し、そして、化粧板2の表面に対して圧
締めして化粧板2の平面部分を被加工体14表面に接着す
る。これにより化粧体20を得ることができる。さら
に、被加工体14が端部等に曲面部分を有している場合
には、平面部を圧締めにより接着後、化粧板2の表面を
150℃〜160℃に加熱し、被加工体の端部の曲面形
状に沿って化粧板2を曲げ加工して(すなわち、ポスト
フォーミング加工して)、ポストフォーミング加工化粧
体20を得ることができる。
ために、その後の被加工体14への接着加工も容易であ
る。また、ポストフォーミング加工にも容易に適用でき
るとともに、熱可塑性樹脂組成物含有層8の熱可塑性樹
脂の融点が160℃〜190℃に制御されている場合に
は、加工時の熱によってフクレや剥離等を起こすことが
なく、良好な品質の化粧体を得ることができる。
剥離性と層間強度とを同時に有する化粧板および化粧体
を得ることができる。
明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。 (実施例1)米坪重量50g/m2の未晒しクラフト紙
の上に、厚さ15μmのエチレンビニルアルコールコポ
リマーフィルム(エバール、クラレ製、融点183℃、
ビカット軟化温度173℃(H.D.Tテスター法)、
吸水率5.9%)を1枚をのせる。更に米坪重量160
g/m2の未晒クラフト紙に変性フェノール樹脂の初期
縮合液を含浸乾燥させ、樹脂付着率32%、揮発分率8
%に調整したフェノール樹脂含浸紙3枚を積層する。さ
らにその上に米坪重量120g/m2の顔料及び酸化チ
タンを混抄した化粧紙に変性メラミン樹脂初期縮合液を
含浸乾燥させ、樹脂付着率53%、揮発分率6%に調整
したパターン紙を積層する。両面半光沢ステンレス板2
枚の間に、これを離型用の20μmポリプロピレンフィ
ルムを介在し、50g/m2の未晒しクラフト紙側を背
中合わせに配し、2組挿入する。高圧プレスにて145
℃、100kg/cmの条件下で30分間成型し、室温まで
冷却してのち解体し、本発明の熱硬化性樹脂化粧板の裏
面層に未晒しクラフトの剥離層が一体成型された厚さ
0.8mmのポストフォーミング用化粧板を得た。
フォーミングタイプのスチールデスク用天板の芯材であ
る鋼鈑にゴム系溶剤タイプ接着剤(コニシ製G−10)
を乾燥状態で約30g/m2塗布した。これに実施例1
で得たポストフォーミング用化粧板の未晒しクラフト紙
側面に、同接着剤を同様に同等量塗布して接着剤面同士
を貼り合わせ平面部分を圧締したのち、化粧板表面を約
160℃に加熱し鋼鈑の8Rの曲線部分に沿って曲げ加
工し、剥離を目的とする天板を作成した。
晒クラフト紙に変性フェノール樹脂の初期縮合液を含浸
乾燥させ、樹脂付着率約32%、揮発分率的8%に調整
したフェノール樹脂含浸紙3枚を積層する。その上に実
施例1において使用したと同一の顔料及び酸化チタン混
抄紙の変性メラミン樹脂含浸パターン紙を積層する。実
施例1と同条件に加熱加圧して比較例1の化粧板(従来
のポストフォーミング用化粧板)を得た。
mのエチレンビニルアルコールコポリマーフィルムの代
わりにポリエチレンフィルム(融点110℃、ビカット
軟化点92℃、吸水率0.3%)を使用する事以外は実
施例1と同様に調整し、厚さ0.8mmのポストフォーミ
ング化粧板を得た。
mのエチレンビニルアルコールコポリマーフィルムの代
わりにポリビニルアルコールフィルム(融点225℃、
ビカット軟化点70℃、吸水率24%)を使用する事以
外は実施例1と同様に調整し、厚さ0.8mmのポストフ
ォーミング化粧板を得た。
mのエチレンビニルアルコールコポリマーフィルムの代
わりにポリエチレンテレフタレートフィルム(融点25
5℃、ビカット軟化点220℃、吸水率0.3%)を使
用する事以外は実施例1と同様に調整し、厚さ0.8mm
のポストフォーミング化粧板を得た。
ォーミング化粧板を実施例2と同様処理して、それぞれ
8Rの曲線部分のあるスチールデスク用天板を得、比較
例とした。
板の剥離層形成及び天板からの化粧板の剥離性、曲げ加
工性及び耐熱性を次のように比較した。結果を表1に示
す。 1.剥離層の形成性 積層品を加熱加圧成型後、裏面側のクラフト紙にフェノ
ール樹脂の浸み出し又はフィルムの樹脂浸透のないもの
を「良」、あるものを「不良」とした。 2.剥離性 天板の芯材と接着剤層との間、または未含浸紙層のいず
れかに刃物を挿入して、容易に化粧板を剥離させること
ができるものを「可」、できないものを「不可」とし
た。 3.曲げ加工性 天板の8Rの曲線部分の化粧板表面に割れやヘアークラ
ック及び層間剥離や浮き(はね返りによる接着不良)等
欠点のないものを「良」、あるものを「不良」とした。 4.耐熱性 天板の8Rの曲線部分の化粧板表面、フェノール樹脂
層、フィルム層または剥離層のいずれかにパンクや火ぶ
くれ又は剥離等欠点のないもの「良」、あるものを「不
良」とした。
合には、剥離層の形成性、剥離性、曲げ加工性、耐熱性
のいずれにおいても良好な結果が得られた。これに対し
て、従来の化粧板は、剥離層の形成性や剥離性がなかっ
た。融点及びビカット軟化点が低く吸水率が小さい比較
例2の化粧板は、熱硬化性樹脂はクラフト紙側にしみだ
してクラフト紙を有効な剥離層とすることはできず、剥
離も困難であった。さらに、ポストフォーミング加工性
も不良であった。また、融点が高くビカット軟化点が低
く吸水率が大きい比較例3の化粧板は、ポストフォーミ
ング加工性は良好であったが、剥離層の形成も剥離性も
不良であった。さらに、融点及びビカット軟化点が高く
吸水率が小さい比較例4の化粧板は、剥離層や剥離性が
確保できたものの、ポストフォーミング加工性が不良で
あった。
す図である。
び(b)の概略を示す図である。
Claims (11)
- 【請求項1】 熱硬化性樹脂化粧層と、 熱硬化性樹脂含浸芯材層と、 熱可塑性樹脂を含有し、吸水率が3%以上9%以下であ
る組成物を含有する層と、 繊維質層、とをこの順で備える、化粧板。 - 【請求項2】前記熱可塑性樹脂のビカット軟化点が11
0℃〜180℃である、請求項1記載の化粧板。 - 【請求項3】前記熱可塑性樹脂の融点が160℃〜19
0℃である、請求項1又は2記載の化粧板。 - 【請求項4】 熱硬化性樹脂含浸化粧層と、 熱硬化性樹脂含浸芯材層と、 エチレン−ビニルアルコールコポリマーを含有する層
と、 繊維質層、とをこの順で備える、化粧板。 - 【請求項5】前記エチレン−ビニルアルコールコポリマ
ーは、エチレン共重合化率が25〜50mol%である、
請求項4記載の化粧板。 - 【請求項6】前記熱可塑性樹脂層は、10μm以上15
0μm以下の厚みを有する、請求項1〜5のいずれかに
記載の化粧板。 - 【請求項7】熱硬化性樹脂含浸化粧シートと、熱硬化性
樹脂含浸シートと、エチレン−ビニルアルコールコポリ
マーを含有するシートと、坪量30〜200g/m2の
クラフト紙とを積層して加熱加圧されて形成される、化
粧板。 - 【請求項8】前記熱硬化性樹脂含浸芯材層は、樹脂付着
率26〜40%、揮発分率4〜12%である、請求項1
〜7のいずれかに記載の化粧板。 - 【請求項9】熱硬化性樹脂含浸化粧シートと、熱硬化性
脂含浸芯材シートと、熱可塑性樹脂を含有し、吸水率が
3%以上9%以下である組成物シートと、繊維質シート
とを、積層する工程と、この積層体を加熱加圧する工
程、とを有する、化粧板の製造方法。 - 【請求項10】請求項1〜8のいずれかに記載の化粧板
を供える化粧体。 - 【請求項11】熱硬化性樹脂化粧層と、 熱硬化性樹脂含浸芯材層と、 ポストフォーミング加工温度よりも高い融点の熱可塑性
樹脂を含有し、吸水率が3%以上9%以下である組成物
を含有する層と、 繊維質層、とをこの順で有する化粧板を、接着剤層を介
して被化粧体上に積層する工程と、 前記熱可塑性樹脂の融点よりも低い温度でポストフォー
ミング加工する工程、とを有する、ポストフォーミング
加工化粧体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001179044A JP3471770B2 (ja) | 2001-06-13 | 2001-06-13 | 化粧板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001179044A JP3471770B2 (ja) | 2001-06-13 | 2001-06-13 | 化粧板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002370313A true JP2002370313A (ja) | 2002-12-24 |
JP3471770B2 JP3471770B2 (ja) | 2003-12-02 |
Family
ID=19019660
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001179044A Expired - Fee Related JP3471770B2 (ja) | 2001-06-13 | 2001-06-13 | 化粧板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3471770B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013022448A1 (en) * | 2011-08-10 | 2013-02-14 | Empire Technology Development Llc | Coated thermoplastic articles with removable coating |
-
2001
- 2001-06-13 JP JP2001179044A patent/JP3471770B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013022448A1 (en) * | 2011-08-10 | 2013-02-14 | Empire Technology Development Llc | Coated thermoplastic articles with removable coating |
US8771462B2 (en) | 2011-08-10 | 2014-07-08 | Empire Technology Development Llc | Coated thermoplastic articles with removable coating |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3471770B2 (ja) | 2003-12-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20120015176A1 (en) | Biolaminate composite assembly and related method | |
JPS6353032A (ja) | 接着剤コ−ティングおよび積層用の剥離性フィルム | |
DE2412378A1 (de) | Hitzebestaendiges laminat | |
JPH10119196A (ja) | ラミネート紙へのメラミン樹脂の被覆方法 | |
CA1093451A (en) | Decorative laminate comprising an inherently gluable backing sheet and processes for making same | |
WO1999006210A1 (en) | Low temperature lamination of wood | |
JP3222862B2 (ja) | 薄膜接着剤、その製造方法、その方法によって製造される製品 | |
JPH0623746A (ja) | 化粧板の製造方法 | |
JP2002370313A (ja) | 化粧板 | |
JPH11348224A (ja) | 微細ベニヤ装飾ラミネ―ト、その製造方法及びそれから作られた物品 | |
JP3715908B2 (ja) | 積層用印刷インキとそれを用い得られる積層シ−ト | |
JP2006281596A (ja) | 化粧板 | |
JP2002086658A (ja) | 化粧材 | |
CN113811445A (zh) | 重涂用装饰片及重涂用装饰片的制造方法 | |
JP2007009483A (ja) | 耐傷性・高硬度木質複合床材およびその製造方法 | |
BE1029240B1 (nl) | Panelen en methode om panelen te produceren | |
DE2359687A1 (de) | Dekorative schichtstoffplatten | |
JPH0759626A (ja) | 化粧板 | |
JPH0724986A (ja) | ポリエステル化粧板の製造方法 | |
JP3343605B2 (ja) | 天 板 | |
JP4522805B2 (ja) | 化粧板の製造方法 | |
JPS5812746A (ja) | 化粧パーチクルボードの製造方法 | |
JPH059199Y2 (ja) | ||
JP4345074B2 (ja) | 遊技盤用の盤面化粧板 | |
JPH0524167A (ja) | 熱硬化性樹脂化粧板の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090912 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100912 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100912 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110912 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120912 Year of fee payment: 9 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |