JP2002370192A - 繊維用切断刃及びその製造方法、繊維切断装置、並びにガラスチョップドストランド - Google Patents

繊維用切断刃及びその製造方法、繊維切断装置、並びにガラスチョップドストランド

Info

Publication number
JP2002370192A
JP2002370192A JP2002099630A JP2002099630A JP2002370192A JP 2002370192 A JP2002370192 A JP 2002370192A JP 2002099630 A JP2002099630 A JP 2002099630A JP 2002099630 A JP2002099630 A JP 2002099630A JP 2002370192 A JP2002370192 A JP 2002370192A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alloy layer
blade
fiber
length
base portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002099630A
Other languages
English (en)
Inventor
Masanori Matsubara
正典 松原
Masakazu Tominaga
昌和 冨永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Electric Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Electric Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Electric Glass Co Ltd filed Critical Nippon Electric Glass Co Ltd
Priority to JP2002099630A priority Critical patent/JP2002370192A/ja
Publication of JP2002370192A publication Critical patent/JP2002370192A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treatment Of Fiber Materials (AREA)
  • Preliminary Treatment Of Fibers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 刃部と基体部を接合する合金層に残留する応
力が小さいため刃部と基体部を良好に接合でき、また合
金層自体の強度が高いため刃部の折損が少ない繊維用切
断刃を提供する。 【構成】 刃部1aと基体部1bとはニッケル合金層1
c(30〜300℃の温度域における熱膨張係数40〜
47×10-7/℃)を介して接合され、この合金層の幅
方向の長さt1は1.0mm、合金層の断面方向の長さ
t2は1.2mmである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維用切断刃に関
し、特に、ガラス繊維を一定の長さに切断するのに適し
た切断刃に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス繊維の製造は、溶融ガラスを、ブ
ッシング底部に形成された多数のノズルから引き出し
て、連続した細いガラスフィラメントとして紡出し、こ
れを水スプレーで冷却し、さらに、サイジング剤を表面
にコーティングして、数百本乃至数千本集束することに
よりガラスストランドとし、ガラスストランドをワイン
ダーで巻取ってケーキと称される粗糸巻を形成する。巻
取られたガラスストランドは、撚糸工程を経てヤーンと
して、あるいは合糸工程を経てガラスロービングとし
て、それぞれ長繊維のまま使用されるほか、チョップ工
程を経て一定の長さのガラスチョップドストランドとし
てFRTPやGRC(ガラス繊維強化セメントの略称)
等に使用されている。
【0003】上記チョップ工程で、ガラスストランドの
切断に使用される繊維切断装置としては、一般に、図3
に示すような装置が使用されている。この装置は、複数
の切断刃1を等間隔で放射状に取り付けたカッターロー
ラ2と、外周面にゴムを装着したゴムローラ3とを備え
てなり、カッターローラ2とゴムローラ3との間にガラ
スストランドGを送り込むことによって所定の長さ(例
えば1.5〜12mm)に切断するようにしている。
【0004】従来、この種のカッターローラ2に取り付
ける切断刃1としては、耐衝撃性に優れているという理
由から、焼入れ焼き戻しを施し、Hv.800程度のビ
ッカース硬度を有する炭素工具鋼の先端を研磨して刃付
け加工を施したものが一般に使用されている。しかしな
がら、このような炭素工具鋼からなる切断刃1は、使用
時間の経過とともに刃部が磨耗して切れなくなる。特に
ガラス繊維は、有機繊維等に比べて硬いため、刃部の摩
耗が激しく、切断刃を数時間毎に交換する必要があり、
これが生産効率を低下させる原因となっていた。
【0005】また、従来から耐磨耗性に優れている金属
として超硬合金が知られており、超硬合金は磨耗しても
研磨すれば再使用が可能といった長所を有するが、耐衝
撃性の点では劣るという欠点がある。このため、超硬合
金で作製した切断刃1をカッターローラ2に取り付けた
切断装置で、カッターローラ2を高速回転させた際に、
切断刃1に過大な衝撃荷重が加わると、折損して飛散す
る虞れがあるため、カッターローラ2の回転を低速にし
なければならず、これが生産効率の向上にとって障害と
なっていた。
【0006】上記の問題に対処するために、本出願人
は、特開平11−123693号において、刃部が超硬
合金から形成され、基体部が焼入れ焼戻しを施した炭素
工具鋼から形成され、刃先と基体部がニッケル合金層を
介して接合されてなる繊維用切断刃を提案している。
【0007】上記の繊維用切断刃は、刃部が超硬合金で
形成されているため耐磨耗性に優れ、また基体部が焼入
れ焼戻しを施した炭素工具鋼で形成されているため耐衝
撃性に優れており、繊維の切断時に基体部が振動を吸収
するため刃部の折損を抑えることができる。さらに、こ
の繊維用切断刃は、刃部と基体部とがニッケル合金層を
介して接合されており、このニッケル合金層は、ニッケ
ルが炭素工具鋼及び超硬合金に溶け込んだものであり、
刃部の材料である超硬合金の熱膨張係数に近似した熱膨
張係数を有しているため、刃部と基体部との接合部の残
留応力が小さくなり、接合部に変形が発生せず高い強度
を実現することができるといった長所を備えている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】特開平11−1236
93号には、炭素工具鋼にニッケルを溶射して被覆した
後、その被覆部と超硬合金の一端を整合させた状態でレ
ーザー溶接することによって繊維用切断刃を作製する方
法が開示されているが、このような方法で作製された切
断刃は、接合部に残留する熱応力が大きくなりすぎた
り、合金層自体の強度が不足することがあった。
【0009】本発明は上記問題に鑑みてなされたもので
あって、その目的とするところは、刃部と基体部を接合
する合金層に残留する応力が小さいため刃部と基体部を
良好に接合でき、また合金層自体の強度が高いため刃部
の折損が少ない繊維用切断刃を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の繊維用切断刃
は、超硬合金からなる刃部と、炭素工具鋼からなる基体
部が合金層を介して接合されてなり、合金層の幅方向の
長さが、合金層の断面方向の長さの0.7〜3.5倍で
あることを特徴とする。
【0011】また本発明の繊維用切断刃の製造方法は、
超硬合金からなる刃部と、炭素工具鋼からなる基体部を
ニッケル箔又はコバルト箔を介して整合させた後、その
整合部をレーザー照射することによって、刃部と基体部
を合金層を介して接合することを特徴とする。
【0012】また本発明の繊維切断装置は、複数の切断
刃を放射状に取り付けたカッターローラと、外周面にゴ
ムを装着したゴムローラを備え、前記切断刃が、超硬合
金からなる刃部と、炭素工具鋼からなる基体部が合金層
を介して接合されてなり、合金層の幅方向の長さが、合
金層の断面方向の長さの0.7〜3.5倍であることを
特徴とする。
【0013】また本発明のガラスチョップドストランド
は、複数の切断刃を放射状に取り付けたカッターローラ
と、外周面にゴムを装着したゴムローラを備え、前記切
断刃が、超硬合金からなる刃部と、炭素工具鋼からなる
基体部が合金層を介して接合されてなり、合金層の幅方
向の長さが、合金層の断面方向の長さの0.7〜3.5
倍である繊維切断装置によって製造されてなることを特
徴とする。
【0014】本発明において、合金層の幅方向の長さ
を、合金層の断面方向の長さの0.7〜3.5倍に限定
した理由は、次の通りである。図1に示すように、本発
明の繊維用切断刃は、超硬合金からなる刃部1aと、炭
素工具鋼からなる基体部1bとが合金層1cを介して接
合されてなるが、合金層の幅方向の長さt1が、その断
面方向の長さt2の0.7倍未満であると、刃部1aと
基体部1bとの接合部の残留応力が大きくなりすぎて、
接合部に変形を生じ、強度が低下する。一方、合金層1
cの幅方向の長さt1が、その断面方向の長さt2の
3.5倍を超えると、合金層の強度が低下し、カッター
ローラを高速回転させた際に合金層自体に折損が生じ
る。t1/t2の好ましい範囲は、0.75〜2.5、
より好ましい範囲は、0.8〜2である。
【0015】合金層の幅方向の長さが、合金層の断面方
向の長さの0.7〜3.5倍となるようにするために
は、超硬合金からなる刃部と、炭素工具鋼からなる基体
部をニッケル箔又はコバルト箔を介して整合させた後、
その整合部をレーザー照射することによって、刃部と基
体部をニッケル合金層又はコバルト合金層で接合すれば
良い。つまり従来のように基体部にニッケルを溶射する
方法では、ニッケルの付着状態が不安定となり、ニッケ
ル合金層の形状を制御することが困難であるが、本発明
のように、基体部の一端にニッケル又はコバルトからな
る金属箔を整合し、金属箔に刃部の後端を整合させた
後、その整合部にレーザーを照射して加熱すると、ニッ
ケル又はコバルトが、炭素工具鋼の主成分である鉄と固
溶すると共に、超硬合金に溶け込むことによって合金層
が形成されるが、金属箔の厚みを選択することによっ
て、合金層の寸法比を制御することが可能となる。
【0016】本発明の刃部を形成する超硬合金として
は、金属元素炭化物の粉末と金属の粉末とを配合して焼
結させた極めて硬い合金が使用可能であり、この合金は
耐磨耗性に優れ、また磨耗しても研磨すれば再使用が可
能である。具体的には、WC−Co系、WC−TaC−
Co系、WC−TiC−Co系、WC−TiC−TaC
−Co系の合金が使用でき、これらの合金の熱膨張係数
は、25〜200℃の温度域において48〜62×10
-7/℃である。
【0017】また本発明の基体部を形成する炭素工具鋼
は、炭素を含有する鉄に焼入れ焼戻しを施したものであ
り、耐衝撃性に優れている。具体的には、SK−5、S
K−2等が使用でき、これらの熱膨張係数は、25〜2
00℃の温度域において100〜120×10-7/℃で
ある。
【0018】本発明では、刃部と基体部を接合する合金
層が、ニッケル合金層又はコバルト合金層であることが
好ましい。つまり刃部と基体部の間にニッケル又はコバ
ルトを配置し、これを溶接すると、ニッケルやコバルト
が炭素工具鋼及び超硬合金に溶け込み、一体化する。特
にニッケル合金層は、超硬合金の熱膨張係数に近似した
熱膨張係数を有するため、残留応力が発生し難く、材料
費が安価であり、加工性にも優れているため好適であ
る。
【0019】本発明の繊維用切断刃の厚さは0.3〜
4.5mmであることが好ましい。切断先の厚さが0.
3mm未満であると強度が低下し、また、切断刃の厚さ
が4.5mmを超えると繊維の切断長を短くすることが
困難になる。実用上、切断刃のより好ましい厚さは、
0.3〜1.5mmである。
【0020】また本発明の繊維用切断刃は、刃部のビッ
カース硬度が、基体部のビッカース硬度の2.0〜3.
0倍となるように構成することが望ましい。その理由
は、刃部のビッカース硬度が、基体部のビッカース硬度
の2.0倍未満になると、繊維の切断時に切断刃全体が
過度に変形し(粘り)やすくなり、特にゴムローラが損
耗してきた場合には、繊維に対して刃先が正確に当たら
ず、誤切断(ミスカット)が発生しやすく、逆に3.0
倍超であると、両者の熱膨張係数差が大きくなり、安定
して接合することが困難とあるからである。
【0021】さらに本発明の繊維用切断刃は、基体部の
接合端から他端までの長さ(基体部の幅)が、刃部の接
合端から刃先までの長さ(刃部の幅)の2〜5倍となる
ように構成することが望ましい。その理由は、基体部の
幅が、刃部の幅の2倍未満であると、カッターローラを
高速回転させた際に基体部が振動を十分に吸収すること
が困難となり、逆に5倍超であると、繊維用切断刃の取
付寸法による制限により刃部の幅が相対的に短くなり、
刃部の研磨代が少なくなるからである。
【0022】次に、本発明の繊維用切断刃の作製方法を
説明する。
【0023】まず、刃部として、平均粒径が0.5〜
1.0μmで85〜95質量%のタングステンカーバイ
ド(WC)粉末と、5〜15質量%のコバルト(Co)
粉末とを配合して焼結させることによって所定の寸法形
状(例えば刃部の接合端から刃先までの長さを3〜7m
mにする)に成形した超硬合金と、基体部として、0.
8〜1.3質量%の炭素(C)を含有する鉄(Fe)に
焼入れ焼戻しを施すことによって所定の寸法形状(例え
ば基体部の接合端から他端までの長さを12〜20mm
にする)に成形した炭素工具鋼とを準備する。次に、炭
素工具鋼からなる基体部の先端にニッケル箔(厚み0.
2〜0.5mm)を整合させ、ニッケル箔で整合された
基体部の先端に超硬合金からなる刃部の後端を整合させ
た後、ニッケル箔にレーザーを照射して加熱する。これ
により、ニッケルと炭素工具鋼及び超硬合金とが局部的
に加熱されてニッケル合金層を形成し、このニッケル合
金層によって刃部と基体部とが接合される。このニッケ
ル合金層(熱膨張係数は30〜300℃の温度域におい
て40〜47×10-7/℃)は、ニッケルが炭素工具鋼
の成分である鉄に固溶し、また超硬合金に溶け込んだも
のであり、また刃部の材料である超硬合金(熱膨張係
数:25〜200℃の温度域において48〜62×10
-7/℃)に近似した熱膨張係数を有するため、刃部と基
体部との接合部に残留する熱応力が小さく、この接合部
に変形を生じることなく刃部と基体部とが強固に接合さ
れる。こうして刃部と基体部とを接合した後、刃部の先
端に刃付け加工を施すことによって繊維用切断刃が得ら
れる。またニッケル箔に代えてコバルト箔を使用し、こ
れに向けてレーザー照射することにより刃部と基体部を
接合することも可能である。
【0024】本発明の繊維切断装置は、カッターローラ
の表面に上記の切断刃の複数本を放射状に取り付けたも
のであり、刃部の摩耗が少ないため、ガラス繊維のよう
な硬い繊維の切断に好適であり、しかもこの装置は、カ
ッターローラを高速回転させても、基体部が振動を十分
に吸収するため、刃先が折損することが少なく、ガラス
チョップドストランドの生産性を大幅に向上させること
が可能である。尚、カッターローラに対する切断刃の取
り付けは、各切断刃が等間隔となるようにすれば良い。
【0025】また本発明の繊維切断装置において、各切
断刃を近距離(例えば3mm間隔)で配置する場合、切
断刃同士が接触して徐々に摩耗し、破損することがある
が、切断刃の両面にゴム(例えば厚み0.2〜0.5m
m)等の緩衝材や金属製スペーサを取り付けると、切断
刃が破損し難くなるため好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の繊維用切断刃の実
施例を図面に基づき詳細に説明する。
【0027】図1は本発明の繊維用切断刃を示す説明図
であって、(A)は正面図を、(B)は(A)のY−Y
線断面図である。
【0028】繊維切断刃1は、平均粒径が0.5μmで
90質量%のタングステンカーバイド(WC)と、10
質量%のコバルト(Co)とからなり、ビッカース硬度
がHv.1700である超硬合金(25〜200℃の温
度域における熱膨張係数57×10-7/℃)により形成
された刃部1a(肉厚1.2mm、幅5mm)と、98
質量%の鉄(Fe)と0.8質量%の炭素(C)を含有
し、焼入れ焼戻しを施した、ビッカース硬度がHv.8
00である炭素工具鋼(SK−5:20〜200℃の温
度域における熱膨張係数112.5×10-7/℃)によ
り形成された基体部1b(肉厚1.2mm、幅13m
m)とを備えている。刃部1aと基体部1bとはニッケ
ル合金層1c(30〜300℃の温度域における熱膨張
係数40〜47×10-7/℃)を介して接合され、この
合金層の幅方向の長さt1は1.0mm、合金層の断面
方向の長さt2は1.2mmである。尚、t1は、合金
層の表面部の長さを測定し、またt2は、合金層の表面
部同士の間隔を測定したものである。
【0029】上記の繊維用切断刃1は、次のようにして
作製した。
【0030】まず、図2(A)に示すように、Coをバ
インダとして含むタングステンカーバイト(WC)の微
粒を焼成した後、HIP(Hot Isostatic
sPress)処理して、板状の超硬合金からなる刃部
材1a’を作製した。また焼入れ焼戻しを施した炭素工
具鋼を作製し、刃部材1a’の端面形状に合わせて加工
して基体部1bを作製した。
【0031】次に、図2(B)に示すように、基体部1
bの先端近傍に、厚さ約0.3mmのニッケル箔Nを整
合し、ニッケル箔Nで整合された基体部1bの先端に刃
部材1a’の後端を整合させた状態で、ニッケル箔Nに
向けてYAGレーザーを照射した。このYAGレーザー
照射によりニッケル箔Nと基体部1bとが加熱され、図
2(C)に示すように、主にニッケルが炭素工具鋼の成
分である鉄に固溶し、また同時に超硬合金にも溶け込む
ことによってニッケル合金層1c’が形成される。
【0032】こうして刃部材1a’と基体部1bを接合
した後、図2(D)に示すように、刃部材1a’の先端
に刃付け加工を施すことによって、刃部1aと基体部1
bがニッケル合金層1cを介して接合された繊維用切断
刃1を形成した。
【0033】こうして得られた切断刃1の複数枚を、図
3に示すようにカッターローラ2の周囲に等間隔で放射
状に取付けて繊維用切断装置とした。この繊維用切断装
置を用いて、カッターローラ2を周速度500m/分で
回転させ、ガラスストランドGを3mmの長さに切断し
たところ、約60時間が経過しても刃部1aに折損は認
められず、問題なく使用することができた。
【0034】これに対し、比較例として、ニッケル合金
層の幅方向の長さt1が0.8mmである以外は、全て
実施例と同じ条件で切断刃を形成した。この切断刃を複
数枚取り付けたカッターローラ2を用いて上記と同じ条
件でガラスストランドGを切断したところ、約30時間
が経過した時点で、基体部1bとニッケル合金層1cの
境界付近に亀裂が生じているのが確認された。
【0035】また他の比較例として、ニッケル合金層の
幅方向の長さt1が4.3mmである以外は、全て実施
例と同じ条件で切断刃を形成した。この切断刃を複数枚
取り付けたカッターローラ2を用いて上記と同じ条件で
ガラスストランドGを切断したところ、約15時間が経
過した時点で、ニッケル合金層1cの中央部に亀裂が生
じているのが確認された。
【0036】尚、本実施例では、ガラス繊維を切断する
例を挙げたが、本発明はこれに限定されるものではな
く、これ以外の各種繊維、例えばアラミド繊維や炭素繊
維等にも適用できることは言うまでもない。また本発明
におけるビッカース硬度は、JIS Z2251に準じ
て測定したものである。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の繊維用切
断刃は、刃部と基体部を接合する合金層に残留する応力
が小さいため刃部と基体部を良好に接合でき、また合金
層自体の強度が高く、しかも刃部の磨耗が少ないため長
時間に亘って使用することができ、耐衝撃性に優れてい
るためカッターローラを高速回転させても折損が少な
く、生産効率の大幅な向上を図ることができる。
【0038】また本発明の繊維切断装置は、切断刃の刃
部の摩耗が少ないため、ガラス繊維のような硬い繊維の
切断に好適であり、ガラスチョップドストランドの生産
性を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の繊維用切断刃を示す説明図であって、
(A)は正面図、(B)は(A)のY−Y線断面図であ
る。
【図2】本発明の繊維用切断刃を作製する工程を示す説
明図である。
【図3】繊維切断装置を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1 繊維用切断刃 1a 刃部 1b 基体部 1c ニッケル合金層 2 カッターローラ 3 ゴムローラ G ストランド N ニッケル箔 t1 合金層の幅方向の長さ t2 合金層の断面方向の長さ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超硬合金からなる刃部と、炭素工具鋼か
    らなる基体部が合金層を介して接合されてなり、合金層
    の幅方向の長さが、合金層の断面方向の長さの0.7〜
    3.5倍であることを特徴とする繊維用切断刃。
  2. 【請求項2】 合金層が、ニッケル合金層又はコバルト
    合金層であることを特徴とする請求項1記載の繊維用切
    断刃。
  3. 【請求項3】 超硬合金からなる刃部と、炭素工具鋼か
    らなる基体部をニッケル箔又はコバルト箔を介して整合
    させた後、その整合部をレーザー照射することによっ
    て、刃部と基体部を合金層を介して接合することを特徴
    とする繊維用切断刃の製造方法。
  4. 【請求項4】 合金層の幅方向の長さが、合金層の断面
    方向の長さの0.7〜3.5倍であることを特徴とする
    請求項3記載の繊維用切断刃の製造方法。
  5. 【請求項5】 複数の切断刃を放射状に取り付けたカッ
    ターローラと、外周面にゴムを装着したゴムローラを備
    え、前記切断刃が、超硬合金からなる刃部と、炭素工具
    鋼からなる基体部が合金層を介して接合されてなり、合
    金層の幅方向の長さが、合金層の断面方向の長さの0.
    7〜3.5倍であることを特徴とする繊維切断装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の繊維切断装置によって製
    造されてなることを特徴とするガラスチョップドストラ
    ンド。
JP2002099630A 2001-04-11 2002-04-02 繊維用切断刃及びその製造方法、繊維切断装置、並びにガラスチョップドストランド Pending JP2002370192A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002099630A JP2002370192A (ja) 2001-04-11 2002-04-02 繊維用切断刃及びその製造方法、繊維切断装置、並びにガラスチョップドストランド

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001-112404 2001-04-11
JP2001112404 2001-04-11
JP2002099630A JP2002370192A (ja) 2001-04-11 2002-04-02 繊維用切断刃及びその製造方法、繊維切断装置、並びにガラスチョップドストランド

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007277462A Division JP2008100348A (ja) 2001-04-11 2007-10-25 ガラスチョップドストランド製造用切断刃の製造方法及びガラスチョップドストランド製造用切断刃

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002370192A true JP2002370192A (ja) 2002-12-24

Family

ID=26613412

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002099630A Pending JP2002370192A (ja) 2001-04-11 2002-04-02 繊維用切断刃及びその製造方法、繊維切断装置、並びにガラスチョップドストランド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002370192A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1661660A1 (de) 2004-11-24 2006-05-31 Lutz Industria S.A. Klinge und Verfahren zur Herstellung derselben
JP2006255822A (ja) * 2005-03-16 2006-09-28 Nippon Electric Glass Co Ltd 繊維切断刃及びそれを具備する切断装置
JP2007524520A (ja) * 2004-02-18 2007-08-30 ソシエテ デクスプロワタシオン タレリア ボンジャン 切断刃の製造方法及び切断刃
JP2007268624A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Nippon Electric Glass Co Ltd ガラス繊維用切断刃及びそれを具備する切断装置
US7712222B2 (en) 2001-07-26 2010-05-11 Irwin Industrial Tool Company Composite utility blade, and method of making such a blade
WO2017069153A1 (ja) * 2015-10-21 2017-04-27 三菱レイヨン株式会社 チョップド繊維束の製造装置および製造方法、繊維強化樹脂成形材料の製造装置および製造方法、炭素繊維束用切断刃、ならびに炭素繊維束用ロータリーカッタ
CN106988108A (zh) * 2017-04-28 2017-07-28 江苏和鹰机电科技有限公司 裁剪机的防撞装置及裁剪机

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7712222B2 (en) 2001-07-26 2010-05-11 Irwin Industrial Tool Company Composite utility blade, and method of making such a blade
JP2007524520A (ja) * 2004-02-18 2007-08-30 ソシエテ デクスプロワタシオン タレリア ボンジャン 切断刃の製造方法及び切断刃
EP1661660A1 (de) 2004-11-24 2006-05-31 Lutz Industria S.A. Klinge und Verfahren zur Herstellung derselben
EP1661660B1 (de) * 2004-11-24 2010-04-14 Lutz Industria S.A. Klinge und Verfahren zur Herstellung derselben
JP2006255822A (ja) * 2005-03-16 2006-09-28 Nippon Electric Glass Co Ltd 繊維切断刃及びそれを具備する切断装置
JP2007268624A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Nippon Electric Glass Co Ltd ガラス繊維用切断刃及びそれを具備する切断装置
WO2017069153A1 (ja) * 2015-10-21 2017-04-27 三菱レイヨン株式会社 チョップド繊維束の製造装置および製造方法、繊維強化樹脂成形材料の製造装置および製造方法、炭素繊維束用切断刃、ならびに炭素繊維束用ロータリーカッタ
JP2018053420A (ja) * 2015-10-21 2018-04-05 三菱ケミカル株式会社 チョップド繊維束の製造装置および製造方法、繊維強化樹脂成形材料の製造装置および製造方法、炭素繊維束用切断刃、ならびに炭素繊維束用ロータリーカッタ
CN108138383A (zh) * 2015-10-21 2018-06-08 三菱化学株式会社 短切纤维束的制造装置及制造方法、纤维增强树脂成形材料的制造装置及制造方法、碳纤维束用切断刀、以及碳纤维束用旋转刀具
CN111394836A (zh) * 2015-10-21 2020-07-10 三菱化学株式会社 碳纤维束用切断刀、以及碳纤维束用旋转刀具
US10927479B2 (en) 2015-10-21 2021-02-23 Mitsubishi Chemical Corporation Producing device and producing method for chopped fiber bundles, producing device and producing method for fiber-reinforced resin forming materials, cutting blade for carbon fiber bundles, and rotary cutter for carbon fiber bundles
CN106988108A (zh) * 2017-04-28 2017-07-28 江苏和鹰机电科技有限公司 裁剪机的防撞装置及裁剪机
CN106988108B (zh) * 2017-04-28 2022-12-27 长园和鹰科技(河南)有限公司 裁剪机的防撞装置及裁剪机

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS5825866A (ja) 複合金属要素の製造方法
KR101671679B1 (ko) 브레이크 디스크 및 그 제조 방법
EP3204173B1 (en) Method for manufactured a rolling mill roll by laser cladding
CN101182785B (zh) 制造包括mmc环形部件和具mmc翼型的翼型部件的转子的系统
US20080096037A1 (en) Steel Strip for Spreading Knives, Doctor Blades and Crepe Scrapers and Powder Metallurgical Method for Producing the Same
EP3437782B1 (en) Method for friction stir bonding of structural steel
JPWO2019151057A1 (ja) 金属系基材の補修・改質方法
JP2002370192A (ja) 繊維用切断刃及びその製造方法、繊維切断装置、並びにガラスチョップドストランド
TWI754127B (zh) 工具材料的再生方法及工具材料
WO2019056227A1 (zh) 一种带有刃口的工具及其制造方法
CN113186581B (zh) 一种环形电镀金刚石线锯及其制备方法
CN115466951A (zh) 一种耐热耐磨穿孔顶头及制备方法
CN112323060A (zh) 一种粉末钢激光熔覆刀及其生产工艺
US4337886A (en) Welding with a wire having rapidly quenched structure
JP2003266370A (ja) 繊維用切断刃、及びそれを用いた繊維切断装置、並びにガラスチョップドストランド
EP3437781B1 (en) Friction stir welding method and apparatus for structural steel
JP2006255822A (ja) 繊維切断刃及びそれを具備する切断装置
CN103572279A (zh) 耐磨件金属纤维增强复合制作工艺
JP2002355788A (ja) 繊維用切断刃、及びそれを用いた繊維切断装置、並びにガラスチョップドストランド
JP2008100348A (ja) ガラスチョップドストランド製造用切断刃の製造方法及びガラスチョップドストランド製造用切断刃
JP2002361590A (ja) 繊維用切断刃、及びそれを用いた繊維切断装置、並びにガラスチョップドストランド
JP2003053693A (ja) 繊維用切断刃及びその製造方法、繊維切断装置、並びにガラスチョップドストランド
JP4099342B2 (ja) ガラスストランド切断装置
JP4419191B2 (ja) 繊維切断刃及びそれを具備する切断装置
JPH11123693A (ja) 繊維用切断刃

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20041111

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061017

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070518

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070713

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070829

A02 Decision of refusal

Effective date: 20071218

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02