JP2002370047A - 磁力選別装置及び磁力選別方法 - Google Patents

磁力選別装置及び磁力選別方法

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JP2002370047A
JP2002370047A JP2001179230A JP2001179230A JP2002370047A JP 2002370047 A JP2002370047 A JP 2002370047A JP 2001179230 A JP2001179230 A JP 2001179230A JP 2001179230 A JP2001179230 A JP 2001179230A JP 2002370047 A JP2002370047 A JP 2002370047A
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cylinder
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JP2001179230A
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Haruaki Ishizaki
晴朗 石崎
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Sony Corp
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精度の磁力選別を効率的かつ連続して行
い、粉体ばかりでなく懸濁液にも適用可能とする。 【解決手段】 選別筒体11の外周部に多数個の磁気化
手段15を付設して内部の磁力選別空間部14を磁化す
るとともに、選別筒体11を基台部16により傾斜状態
に保持して駆動機構17によりを回転駆動する。選別筒
体11に対して供給部18から原材料9が供給され、磁
力選別空間部14内を通過する間に混入した磁性不純物
の吸着除去を行って排出部19へと排出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉体等の非磁性原
材料に混入された磁性不純物を磁力によって吸着除去し
て選別する磁力選別装置及び磁力選別方法に関し、さら
に詳しくは鉄等の磁性不純物を高精度に除去することが
必要な非水系二次電池の正極材の製造工程等に適用して
好適な磁力選別装置及び磁力選別方法に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯電子機器においては、経済性や省資
源化或いは利便性から、一般に繰り返し充電が可能な二
次電池が電源として用いられている。二次電池について
は、機器を小型軽量に保持するとともに長時間の使用を
可能とする、小型軽量で高容量特性を有する非水系リチ
ウムイオン二次電池(以下、リチウムイオン二次電池と
略称する。)が注目されている。リチウムイオン二次電
池は、鉛電池やニッケルカドミウム電池或いはニッケル
水素電池等の従来の二次電池と比較して、上述した特性
や高電圧出力を得られることから汎用されている。
【0003】かかるリチウムイオン二次電池は、フィル
ム状の集電体に電極活物質が塗布されて電極材を形成
し、この電極材をフィルタを介して巻回或いは折り畳ん
で積層して非水電解質とともに電池缶に封装してなる。
ところで、リチウムイオン二次電池は、例えば正極活物
質中に鉄等の金属不純物が混入していた場合に、この金
属不純物が充電中にイオンとして析出してセパレータ中
をブリッジして負極との間で内部ショートを生じるとい
った問題がある。
【0004】電極材は、例えば破砕機、焼成ホッパ、ス
クリューフィーダ、粉砕機、パルスエアー捕集器、粉砕
ホッパ、軽量ホッパ、計量器、プラネタリーミキサ等の
各装置を経て製造される。電極材製造工程においては、
上述した各装置を空気搬送管によって連結して電極材を
連続して製造する。電極材製造工程においては、一般に
空気搬送管に防錆性を有し、充分な機械的強度を有する
ステンレス鋼管等が用いられている。電極材製造工程に
おいては、閉鎖型ラインを構成すると等の万全の対策を
講じているが、例えば空気搬送管の内面が削られて金属
不純物が混入する虞があった。
【0005】一方、上述した原材料中の不純物の混入問
題は、リチウムイオン二次電池ばかりでなく、例えばポ
リカーボネート樹脂によって成形されるコンパクトディ
スクやミニディスク等の光記録媒体等においても、極め
て重要な解決課題となっている。かかる光記録媒体等の
製造工程においても、混入する不純物の多くが鉄やSU
S(ステンレス鋼)等の工程中に一般に用いられている
金属不純物である。また、原材料中の不純物の混入問題
は、食品加工物や医薬品においてもその対策が極めて重
要となっている。
【0006】製造工程においては、原材料中の金属不純
物の混入に対して磁石を有する各種の磁力選別装置を用
いた磁力選別が行われている。図6に示した磁力選別装
置100は、原材料200が一対の搬送ロール101
a、101b間に掛け渡されて無端走行されるベルトコ
ンベア102上に一端側に設けたフィーダ103から供
給される。磁力選別装置100は、ベルトコンベア10
2の上方に位置して接離自在に磁力選別ユニット104
a、104bが配置されており、これら磁力選別ユニッ
ト104が原材料200の搬送に伴って下降動作する。
各磁力選別ユニット104には、磁石105が設けられ
ており、搬送される原材料200に鉄等の磁性金属不純
物が混入していると、これを吸着して除去する。磁力選
別装置100は、ベルトコンベア102の他端から選別
済みの原材料200を次工程へと供給する。
【0007】図7に示した磁力選別装置110は、同図
(A)に示すように上部に供給口112が設けられると
ともに下部に排出口113が設けられた全体箱状の筐体
111を備える。磁力選別装置110は、筐体111の
内部に同図(B)に示す磁力選別ユニット114が多段
に収納されている。磁力選別ユニット114は、枠体1
15に複数個の円柱状磁石116が格子状に配列されて
なる。磁力選別装置110は、供給口112から原材料
200が筐体111の内部に供給されると、各磁力選別
ユニット114の磁石116の間をぬうようにして落下
して排出口113から排出される。磁力選別装置110
は、落下する原材料200から混入した磁性金属不純物
を磁石116によって吸着除去する。
【0008】図8に示した磁力選別装置120も、原材
料200が一対の搬送ロール121a、121b間に掛
け渡されて無端走行されるベルトコンベア122上に一
端側に設けたフィーダ123から連続して供給される。
磁力選別装置120は、後端側の搬送ロール121bに
磁石が組み込まれて磁化状態にある。磁力選別装置12
0は、フィーダ123から供給される原材料200がベ
ルトコンベア122上を搬送されて端部まで達すると、
磁化状態にある搬送ロール121bにより磁性金属不純
物がそのままベルトコンベア122上に吸着保持され、
選別された原材料200のみが落下する。磁力選別装置
120は、ベルトコンベア122上に吸着された磁性金
属不純物が搬送ロール121bを通過すると、ベルトコ
ンベア122から自重で落下することで連続して磁力選
別を行うことが可能となる。
【0009】図9に示した磁力選別装置130も、上述
した磁力選別装置120と同様の磁力選別動作を行う
が、ベルトコンベア122に代えて磁石を組み込んだ選
別ロール131が備えられている。磁力選別装置130
は、フィーダ132から原材料200が直接ロール13
1の外周面上に供給されることで、混入した磁性金属不
純物を吸着除去する。
【0010】図10に示した磁力選別装置140は、上
述したロール型磁力選別装置130と構成をほぼ同様と
するロール型磁力選別装置であるが、選別ロール141
の内部に半円形断面の磁石142を固定して設けた構成
に特徴を有している。磁力選別装置140は、フィーダ
142から原材料200が直接ロール141の外周面上
に供給されるが、磁石142の対応領域において混入し
た磁性金属不純物を吸着除去する。磁力選別装置140
は、ロール141に吸着された磁性金属不純物が磁石1
42の対応領域を通過すると自重で落下することで、連
続して磁力選別を行うことが可能となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の各磁力選別装置は、いずれも選別を行う原材料が粉
体を対象としており、例えばリチウムイオン二次電池の
正極活物質として粉体ばかりでなく懸濁液も対象とする
場合には用いることができない。また、従来の各磁力選
別装置は、充分な磁気力が得られないために高精度の磁
力選別が行い得ない、処理能力が小さい、磁性金属不純
物の除去処理が面倒であり再混入が生じやすいといった
問題があった。
【0012】例えば、磁力選別装置100は、ベルトコ
ンベア102に対して磁力選別ユニット104が接離動
作されるが、原材料200との間隔があるために充分な
磁力をこの原材料200に対して作用し得ず高精度の磁
力選別が行い得ないといった問題があった。また、磁力
選別装置100は、ベルトコンベア102上に原材料2
00が厚みを有して搬送される場合に磁力選別ユニット
104の磁力が内層まで作用されず高精度の磁力選別が
行い得ないといった問題があった。さらに、磁力選別装
置100は、磁力選別ユニット104に付着した磁性金
属不純物を取り除く必要があり、連続選別が行い得ない
ために選別効率が悪いといった問題があった。
【0013】磁力選別装置110は、比較的構造が簡易
であり、多数個の磁石116を有することで比較的高精
度の磁力選別が行われるといった特徴を有している。し
かしながら、この磁力選別装置110も、1ロット分の
原材料200の磁力選別を行った後に、筐体111から
磁力選別ユニット114を取り出してそれぞれの磁石1
16に付着した磁性金属不純物を取り除く必要があり、
連続選別が行い得ないために選別効率が悪いといった問
題があった。
【0014】磁力選別ユニット120は、ベルトコンベ
ア122に付着した磁性金属不純物が搬送ロール121
bを通過すると自重で落下することで、原材料200の
磁力選別を連続して行うことが可能である。しかしなが
ら、磁力選別ユニット120は、搬送ロール121bの
外周部のわずかな間で磁力選別を行う構造であることか
ら高精度の選別が行い得ないといった問題がある。しか
も、磁力選別ユニット120は、ベルトコンベア122
を介して原材料200に磁力を作用させるために磁力が
弱く、またベルトコンベア122側に吸着された磁性金
属不純物が原材料200とともに流れ落ちて再び混入す
るといった問題があった。
【0015】磁力選別装置130は、選別ロール131
に磁石が組み込まれることによって構造の簡易化、小型
化が図られるとともに、比較的大きな磁力を原材料20
0に作用させるといった特徴を有している。かかる磁力
選別装置130においては、1ロット分の原材料200
の磁力選別を行った後に、選別ロール131に吸着され
た磁性金属不純物を取り除く必要があり、連続選別が行
い得ないために選別効率が悪いといった問題があった。
【0016】磁力選別装置140は、磁力選別装置13
0と同様に構造が簡易で小型であるとともに、選別ロー
ル131に吸着された磁性金属不純物が磁石142から
離れた位置で自重で落下することで、原材料200の磁
力選別を連続して行うことが可能である。しかしなが
ら、磁力選別装置140は、選別ロール131の外周部
のわずかな間で磁力選別を行う構造であることから高精
度の選別が行い得ないといった問題がある。また、磁力
選別装置140は、いったん選別ロール131に吸着さ
れた磁性金属不純物が原材料200とともに流れ落ちて
再び混入するといった問題があった。
【0017】したがって、本発明は、上述した従来の磁
力選別装置及び磁力選別方法の問題点を解決し、高精度
の磁力選別を効率的かつ連続して行うとともに、粉体ば
かりでなく懸濁液の原材料にも適用可能とする磁力選別
装置及び磁力選別方法を提供することを目的に提案され
たものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
本発明にかかる磁力選別装置は、選別筒体と、この選別
筒体の磁力選別空間部を構成する外周側面に付設されて
この磁力選別空間部を磁化する多数個の磁気化手段と、
選別筒体を回転駆動する駆動機構とを備えてなる。選別
筒体は、原材料供給開口部と、磁力選別空間部と、原材
料排出開口部とを有し、傾斜した状態で回転自在に設置
される。
【0019】以上のように構成された本発明にかかる磁
力選別装置によれば、選別筒体に対して、その供給部か
ら原材料供給開口部に供給される原材料が、磁気化手段
により大きな磁力の磁場を構成された磁力選別空間部内
を通過する間に混入した磁性不純物を吸着除去されて原
材料排出開口から排出されて次工程へと供給される。磁
力選別装置によれば、選別筒体が回転駆動されることに
よって、磁力選別空間部内において原材料に対して磁気
化手段の磁力が充分に作用されるようになり、高精度の
磁力選別が効率的に行われるようになる。さらに、磁力
選別装置によれば、傾斜された選別筒体の磁力選別空間
部内を粉体或いは懸濁液の原材料が流れることで、いず
れの態様においても汎用性を有して磁力選別が可能であ
る。
【0020】また、上述した目的を達成する本発明にか
かる磁力選別方法は、傾斜した状態で回転自在に設置さ
れた選別筒体の外周部に多数個の磁気化手段を付設して
内部に磁力選別空間部を構成してなる磁力選別装置が用
いられる。磁力選別方法は、磁力選別装置の選別筒体に
原材料を供給して磁力選別空間部を通過する間に混入し
た磁性不純物を吸着除去して磁力選別を行った後に、選
別済原材料を次工程へと供給する。
【0021】磁力選別方法によれば、磁気化手段により
大きな磁力の磁場を構成された磁力選別空間部を有する
選別筒体内に、供給部から原材料が供給開口部に供給さ
れることにより磁力選別が連続して効率的に行われるよ
うになる。磁力選別方法によれば、選別筒体が回転駆動
されることにより、磁力選別空間部内において原材料に
対して磁気化手段の磁力が充分に作用されるようにな
り、高精度の磁力選別が行われる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して詳細に説明する。実施の形態として
示す磁力選別装置10は、リチウムイオン二次電池1の
製造工程に設置され、詳細を後述するように前工程から
供給される正極活物質の原材料から鉄等の磁性金属不純
物を吸着除去する。なお、磁力選別装置10は、例えば
コンパクトディスク等の円盤状記録媒体の製造工程やそ
の他の工業製品或いは食品加工物や医薬品の製造工程等
にも広く用いられる。
【0023】リチウムイオン二次電池1は、図5に示す
ように、帯状の正極材2と負極材3とがセパレータ4を
介して積層されるとともに渦巻き状に巻回されて電池素
子を構成し、この電池素子が非水電解液とともに有底円
筒形の電池缶5内に収納される。リチウムイオン二次電
池1は、電池缶5の上端開口部に蓋体6がかしめ付けら
れて電池素子と非水電解液とを電池缶5内に密封してい
る。
【0024】正極材2は、フィルム状のアルミニウム箔
等からなる正極集電体の両面或いは片面に正極活物質が
塗布されるとともに、正極集電体の一端部に蓋体6に接
続される正極リード7を取り付けてなる。正極活物質に
は、例えばLiMO(M:一種類以上の遷移金属、
x:電池の放電状態により異にし、通常0.05以上
1.10以下)に示す高電圧の発生或いはエネルギー密
度に優れた特性を有するリチウム複合酸化物やその他の
金属酸化物、金属硫化物が用いられる。
【0025】正極活物質は、ポリフッ化ビニリデン等の
結合剤が混合されるとともに導電剤として炭素粉末等が
添加され、n−メチルピロリドン等の有機溶媒に分散さ
れてスラリー状の正極材塗料を生成する。正極材2は、
ドクターブレード法等によって正極材塗料を正極集電体
に均一に塗布した後に高温乾燥処理を施して有機溶媒を
飛ばし、さらにロールプレスによる加圧処理を施して正
極活物質層を正極集電体上に高密度化して成膜形成して
なる。
【0026】負極材3は、フィルム状の銅箔等からなる
負極集電体の両面或いは片面に負極活物質が塗布される
とともに、負極集電体の一端部に電池缶5と接続される
負極リード8を取り付けてなる。負極活物質には、例え
ばリチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な炭素材料や
ポリアセチレン、ポリピロール等の高分子材料或いはS
nO等の酸化物が用いられる。負極活物質は、ポリフ
ッ化ビニリデン等の結合剤が混合され、n−メチルピロ
リドン等の有機溶媒に分散されてスラリー状の負極材塗
料を生成する。負極材3は、ドクターブレード法等によ
って負極材塗料を負極集電体に均一に塗布した後に高温
乾燥処理を施して有機溶媒を飛ばし、さらにロールプレ
スによる加圧処理を施して負極活物質層を負極集電体上
に高密度化して成膜形成してなる。
【0027】非水電解液は、電解質を有機溶媒中に溶解
させた溶液が用いられる。有機溶媒としては、例えば、
プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチ
レンカーボネート、ビニレンカーボネート、γ−ブチロ
ラクトン、スルホラン、1,2−ジメトキシエタン、
1,2−ジエトキシエタン、2−メチルテトラヒドロフ
ラン、3−メチル−1,3−ジオキソラン、プロピオン
酸メチル、酪酸メチル、ジメチルカーボネート、ジエチ
ルカーボネート、ジプロピルカーボネート等が用いられ
る。かかる有機溶媒は、1種類が単独で用いられ或いは
2種類以上が混合して用いられる。
【0028】電解質としては、上述した有機溶媒に溶解
可能でありかつイオン伝導性を有するリチウム塩が用い
られ、例えば、LiPF、LiClO、LiB
、LiCFSO、LiN(CFSO
が用いられる。これら電解質も、1種類が単独で用いら
れ或いは2種類以上が混合して用いられる。
【0029】ところで、正極活物質は、例えば粉砕機、
焼成ホッパ、スクリューフィーダ、粉砕機、パルスエア
ー捕集器、粉砕ホッパー、計量器、プラネタリーミキサ
等の装置を有する製造工程によって製造される。製造工
程は、上述した各装置間を空気搬送管によって連結し、
閉鎖型ラインを構成して正極活物質の製造を行う。製造
工程においては、正極活物質の原材料9に含まれ、或い
は工程中で混入する鉄等の磁性不純物を高精度に除去す
るために、磁力選別装置10が設置される。
【0030】磁力選別装置10は、図1に示すように、
両端に供給開口部12と排出開口部13とが設けられる
とともに内部に磁力選別空間部14が構成された選別筒
体11を備える。磁力選別装置10は、選別筒体11に
付設されて磁力選別空間部14に磁場を構成する多数個
の磁石装置15を備える。磁力選別装置10は、基台部
16によって選別筒体11が回転自在かつ傾斜角度を調
整自在にして傾斜状態に支持するとともに、駆動モータ
装置17によって回転駆動する。磁力選別装置10は、
前工程から供給される原材料9を供給フィーダ18によ
り選別筒体11に供給し、この選別筒体11内において
この原材料9に混入した磁性不純物の磁力選別を行い排
出フィーダ19を介して次工程へと供給する。磁力選別
装置10は、選別筒体11の内部から、吸着除去した磁
性不純物を除去してクリーニングするスクレーバ機構2
0を備えてなる。
【0031】選別筒体11は、図1に示すように両端近
傍を軸受部材21a、21bによって回転自在に軸装さ
れた円筒形或いは多角形の筒体からなる。なお、選別筒
体11は、多角形である場合には、原材料9が偏りなく
内部を流れるように、例えば六角形以上であることが好
ましい。また、選別筒体11は、例えば円錐台や多角錐
台形状であってもよいことは勿論である。
【0032】選別筒体11は、上述したように一端側が
供給フィーダ18から原材料9が供給される供給開口部
12を構成するとともに他端側が磁力選別を行った原材
料9を排出する排出開口部13を構成する。選別筒体1
1は、供給開口部12と排出開口部13との間の軸方向
の内部空間が磁力選別空間部14を構成してなる。
【0033】選別筒体11には、外周部に詳細を省略す
るが駆動モータ装置17からの回転伝達を受ける外周ギ
ャ部が形成されている。選別筒体11には、図2に示す
ように磁力選別空間部14に対応する内周面に複数の攪
拌部材21が取り付けられている。各攪拌部材21に
は、同図に示すように選別筒体11の内径よりも小径と
された開口部21aが形成された円盤状を呈しており、
磁力選別空間部14内を流れる原材料9の流れ速度を抑
制するとともに攪拌作用を呈するようにする。
【0034】攪拌部材21は、特に供給される原材料9
が微細粒体である場合に選別筒体11内において固まっ
て流れにくくなるために、これを解塊して流れ易くする
とともに内部の磁性不純物も確実に吸着除去されるよう
にする。なお、攪拌部材21については、例えば選別筒
体11の内周面に一体に形成した凸部によって構成して
もよく、またこの凸部が螺旋状に形成されていてもよ
い。
【0035】各磁石装置15は、図2に示すように磁力
選別空間部14に対応して選別筒体11の外周部に取り
付けられており、複数個の単磁石22と、これら単磁石
22が保護部材23によって包み込まれて全体環状に構
成されてなる。各磁石装置15は、単磁石22として、
例えばフェライト磁石、アルニコ磁石サマコバ磁石、ネ
オジ磁石等の永久磁石が用いられる。保護部材23は、
単磁石22を、付着物による汚損を防止したり摩耗や破
損を防止したりして保護する部材であり、ステンレス鋼
やチタン等によって形成される。なお、保護部材23
は、単磁石22と磁力選別空間部14との間隔が大きく
なるほど磁力が急激に減衰することから、できうる限り
薄厚に形成される。
【0036】なお、磁石装置15は、永久磁石に代え
て、電磁石や超伝導磁石を用いるようにしてもよい。ま
た、磁石装置15は、簡易に構成されるとともに低ラン
ニングコスト化を図るためには、単磁石22を上述した
永久磁石で形成することが好ましい。さらに、磁石装置
15は、効率的な磁力選別を行うために、ネオジ磁石等
のように大磁力特性を有する永久磁石が好適に用いられ
る。
【0037】各磁石装置15は、複数個の単磁石を組み
合わせて組磁石を構成し、この組磁石の磁力が磁力選別
空間部14に対して垂直方向に作用されるようにして選
別筒体11に取り付けられる。磁力選別装置10は、図
2に示すように各磁石装置15を選別筒体11の外周部
に軸方向にならんでそれぞれ取り付けることにより、所
定の長さを有する磁力選別空間部14を構成するととも
に、原材料9として粉体ばかりでなく懸濁液であっても
その磁力選別を行い得るようにする。したがって、磁力
選別装置10は、製造工程中において、原材料9ばかり
でなく正極材塗料についても混入した磁性不純物の磁力
選別を行うことが可能である。
【0038】各磁石装置15は、例えば図3に示すよう
にそれぞれ円柱状を呈し軸方向に着磁された複数個の単
磁石22が、鉄等の磁性材24を挟んで同極を互いに対
向するようにして軸方向に直列に組み合わされて長軸の
組磁石25を構成してなる。各磁石装置15において
は、長軸の組磁石25が同図破線で示すように周面と直
交する方向に対して大きな磁力を生じている。各磁石装
置15は、それぞれの単磁石22が軸方向に対して平行
となるようにして組磁石25を選別筒体11に取り付け
ることによって、上述したように磁力選別空間部14に
対して大きな磁力が垂直方向に作用されるようにする。
【0039】電磁石装置15は、例えば図4に示したそ
れぞれ円盤状に形成され、厚み方向に着磁された複数個
の単磁石26を備えるようにしてもよい。各単磁石26
は、それぞれ同極を同一面側に位置させて組み合わされ
ることによって組磁石27を構成する。各磁石装置15
においては、組磁石27が同図破線で示すようにその中
心部において厚み方向に対して大きな磁力を生じてい
る。各磁石装置15は、それぞれの単磁石26を厚み方
向となるようにして組磁石27を選別筒体11に取り付
けることによって、上述したように磁力選別空間部14
に対して大きな磁力が垂直方向に作用されるようにす
る。
【0040】磁力選別装置10は、図1に示すように供
給開口部12側を高くし排出空間部13側を低くするよ
うにして上述した選別筒体11を基台部16によって支
持してなる。基台部16には、同図に示すように長さ方
向の両側に位置してそれぞれ軸受け部材28a、28b
が立設れており、これら軸受け部材28a、28bによ
り選別筒体11を回転自在に支持する。また、基台部1
6には、長さ方向の両側底面にそれぞれ支持台機構29
a、29bが設けられている。各支持台機構29には、
それぞれ独立して昇降動作される昇降ロッド30a、3
0bが備えられて、各昇降ロッド30の昇降動作をそれ
ぞれ制御することによって基台部16を長さ方向に対し
て適当な角度に傾斜させる。
【0041】基台部16には、駆動モータ装置17が搭
載されている。駆動モータ装置17は、駆動モータ31
と、基台部16に取り付けられて駆動モータ31を支持
するモータブラケット32と、駆動モータ31の出力軸
33に取り付けられるとともに選別筒体11の外周ギャ
部に噛合される駆動歯車34等によって構成されてい
る。駆動モータ装置17は、駆動モータ31に電源が投
入されることによって駆動歯車34が回転され、この駆
動歯車34が外周ギャ部を介して選別筒体11を回転駆
動する。駆動モータ装置17は、図示しないコントロー
ラによって回転速度が適宜調整自在とされる。
【0042】磁力選別装置10は、上述したように駆動
モータ装置17が回転速度を調整自在とされるととも
に、選別筒体11が基台部16を介して傾斜角度を調整
自在に支持されなる。磁力選別装置10は、後述するよ
うに原材料9が選別筒体11の磁力選別空間部14内を
攪拌されながら自重により流れ落ちる間に、磁力選別が
行われて原材料9に混合された磁性不純物の磁力選別を
行う。磁力選別装置10は、磁力選別空間部14の磁場
の強さ、原材料9の種類や流速或いは選別速度等の条件
によって選別筒体11の傾斜角度と回転速度とが適宜調
整される。磁力選別装置10は、例えば後述する選別筒
体11内のクリーニングを行う場合には、選別筒体11
の傾斜角度と回転速度とが最大となるように設定されて
高速クリーニングが行われるようにする。
【0043】磁力選別装置10には、選別筒体11の供
給開口部12に対応して供給フィーダ18が配置される
とともに排出開口部13に対応して排出フィーダ19が
配置されている。供給フィーダ18は、前工程から供給
された原材料9を所定量、所定の流速で供給開口部12
を介して選別筒体11内に供給する。排出フィーダ19
は、選別筒体11内において磁力選別が行われて磁性不
純物を除去された選別済みの原材料9が排出され、この
原材料9を所定量、所定の流速で次工程へと供給する。
【0044】磁力選別装置10は、例えば1ロット分の
原材料9の磁力選別が行われると、原材料9の供給を停
止した状態でスクレーバ機構20が駆動されて選別筒体
11の磁力選別空間部14内のクリーニングが行われ
る。スクレーバ機構20は、図1に示すように排出開口
部13側から選別筒体11を貫通するに足る長さを有す
る長尺のロッド35と、このロッド35の外周部に長さ
方向のほぼ全域に亘って設けられたブラシ36等によっ
て構成される。スクレーバ機構20は、ロッド35が本
体に内蔵された図示しない駆動機構によって選別筒体1
1の内面に対して接離動作される。
【0045】スクレーバ機構20は、原材料9の磁力選
別が行われている間は、ロッド35が選別筒体11の内
面から離間した位置にあり、ブラシ36が選別筒体11
の内面を摺擦しないように保持される。スクレーバ機構
20は、原材料9の供給が停止されるとともに選別筒体
11が駆動モータ装置17によって回転駆動された状態
で駆動機構によってロッド35が選別筒体11の内面に
近接する方向に移動されると、ブラシ36が選別筒体1
1の内面に当接してこの内面に吸着した磁性不純物をか
き落としてクリーニングを行う。磁力選別装置10にお
いては、かき落とされた磁性不純物が途中で再び選別筒
体11の内面に吸着されるも排出開口部13から排出さ
れる。
【0046】なお、スクレーバ機構20については、上
述した構造に限定されるものではなく、ロッド35が供
給開口部12側から選別筒体11の内部に挿通されるよ
うにしてもよい。スクレーバ機構20は、ロッド35を
介して回転駆動されるブラシ36によって選別筒体11
の内部をクリーニングするようにしたが、スキージ等の
適宜の払拭構造が採用される。スクレーバ機構20は、
クリーニングを行う場合に、ロッド35を選別筒体11
の内部に挿通されるようにしてもよい。スクレーバ機構
20は、本体にロッド35の回転駆動機構を設けること
によって、選別筒体11が回転を停止された状態でもク
リーニングが行われるように構成してもよい。スクレー
バ機構20は、選別筒体11とロッド35とを回転駆動
した状態でクリーニングを行うことによって効率化が図
られるようになる。
【0047】なお、磁力選別装置10は、上述したよう
に基台部16によって選別筒体11が供給開口部12側
を高くし排出開口部13側を低くするよう傾斜を付され
て支持したが、逆傾斜を付して支持するようにしてよ
い。磁力選別装置10は、例えば選別筒体11の内部に
設けた螺旋状の攪拌部材21やその他の送り部材により
原材料9を下方から上方へと搬送するようにして磁力選
別が行われる。かかる磁力選別装置10は、供給開口部
12と排出開口部13とが逆配置となる。
【0048】以上のように構成された磁力選別装置10
においては、前工程から原材料9が供給フィーダ18に
供給され、この供給フィーダ18から供給開口部12を
介して選別筒体11の内部に原材料9が所定量、所定の
流速で供給される。磁力選別装置10においては、選別
筒体11が基台部16により傾斜状態で設置されるとと
もに駆動モータ装置17により回転駆動されることによ
り、その磁力選別空間部14内を攪拌されながら自重に
よって流れ落ちる。磁力選別装置10においては、選別
筒体11内に設けた攪拌部材21により、原材料9の落
下速度を抑制するとともにより効率的な攪拌を行う。
【0049】磁力選別装置10は、選別筒体11の外周
部に多数個の磁石装置15を付設するとともに、各磁石
装置15が磁力選別空間部14に対してより大きな磁力
を垂直方向に作用させるように構成されている。磁力選
別装置10は、各磁石装置15によって磁力選別空間部
14により大きな磁場が構成されてなる。磁力選別装置
10は、適宜な落下速度でかつ充分に攪拌された状態で
磁力選別空間部14内を落下する原材料9から混入した
磁性不純物を高精度に吸着除去する。磁力選別装置10
は、選別が行われた原材料9を、排出開口部13から排
出フィーダ19へと排出するとともに、この排出フィー
ダ19から次工程へと供給する。
【0050】
【実施例】上述した磁力選別装置10によって磁性不純
物の選別を行った原材料9を用いて以下の仕様でリチウ
ムイオン二次電池1を製作し、従来の磁力選別装置によ
って磁性不純物の選別を行った原材料200を用いて製
作されたリチウムイオン二次電池を比較例としてその評
価を行った。
【0051】(実施例1)上述した磁力選別装置10に
よって磁力選別を行った正極活物質10Kgを用いて、
以下の仕様の実施例1のリチウムイオン二次電池を製作
した。 LiCoO2(平均粒径15μm) 100重量部 ポリフッ化ビニリデン(平均分子量30万) 5重量部 カーボンブラック(平均粒径15μm) 10重量部 n−メチル−2−ピロリドン 100重量部 以上の組成の懸濁液をディスパーにて4時間混合して正
極材塗料を製作し、この正極材塗料を厚さ20μmのア
ルミニウム箔の両面に塗布し、乾燥後にロールプレス機
にて圧縮した後にスリッタにて裁断して正極原反を作成
した。
【0052】 人造グラファイト(平均粒径20μm) 100重量部 ポリフッ化ビニリデン(平均分子量30万) 15重量部 n−メチル−2−ピロリドン 200重量部 以上の組成の懸濁液をディスパーにて4時間混合して負
極材塗料を製作し、この負極材塗料を厚さ15μmの銅
箔の両面に塗布し、乾燥後にロールプレス機にて圧縮し
た後にスリッタにて裁断して負極原反を作成した。
【0053】リチウムイオン二次電池は、上述した正極
原反と負極原反とを所定の大きさに切断して正極材と負
極材とを形成した後にそれぞれにリードを溶着する。リ
チウムイオン二次電池は、正極材に対して、厚みが25
μmの微多孔膜ポリエチレンセパレータ、負極材、厚み
が25μmの微多孔膜ポリエチレンセパレータを順次積
層して電池素子を形成する。リチウムイオン二次電池
は、各リードが互いに対角線上に位置するように配さ
れ、正極リードが中心となるようにセンターピンの外周
にロール状に巻回する。リチウムイオン二次電池は、電
極材よりも長尺とされたポリエチレンセパレータが、電
極材の巻回体の外周において巻き付けられた後に粘着テ
ープにより固定される。
【0054】リチウムイオン二次電池は、負極リードを
厚みが0.25mmの鋼板製の電池缶の底面に溶接した
後に、絶縁板を介して電池素子が電池缶に収納される。
リチウムイオン二次電池は、電池缶内に、1リットルの
エチレンカーボネートと1.2−ジメトキシエタンの混
合溶液からなる有機溶媒に1モルのLiPFを溶解し
てなる非水系電解液を注入し、さらに電池素子の上部に
絶縁板、ガスケット、安全弁、PTC素子を配置した後
に正極リードを蓋体に溶接する。リチウムイオン二次電
池は、蓋体を電池缶に嵌合するとともに電池缶の外周縁
にかしめ処理を施して完成される。
【0055】(実施例2)磁力選別工程を経ない正極活
物質10Kgを用いて正極材塗料を調製するとともに、
この正極材塗料を上述した磁力選別装置10によって磁
力選別を行った後に上述した実施例1と同様の工程を経
てリチウムイオン二次電池を製作した。
【0056】(実施例3)上述した磁力選別装置10に
よって磁力選別を行った正極活物質10Kgを用いて正
極材塗料を調製するとともに、この正極材塗料について
さらに磁力選別装置10によって磁力選別を行った後に
上述した実施例1と同様の工程を経てリチウムイオン二
次電池を製作した。
【0057】(比較例1)上述した従来の格子型磁力選
別装置110によって磁力選別を行った正極活物質を用
いて、上述した実施例1と同様の工程を経てリチウムイ
オン二次電池を製作した。
【0058】(比較例2)磁力選別工程を経ない正極活
物質を用いて正極材塗料を調製するとともに、この正極
材塗料を上述した従来の格子型磁力選別装置110によ
って磁力選別を行った後に上述した実施例1と同様の工
程を経てリチウムイオン二次電池を製作した。
【0059】(比較例3)磁力選別工程を全く経ない正
極活物質を用いて上述した実施例1と同様の工程を経て
リチウムイオン二次電池を製作した。
【0060】(評価)以上のようにして製作された実施
例1乃至実施例3のリチウムイオン二次電池及び比較例
1乃至比較例3のリチウムイオン二次電池について、内
部ショート発生率及び磁性成分が原因のショート発生率
について、以下の方法によってそれぞれの評価を行っ
た。
【0061】内部ショート発生率の調査は、製作した各
リチウムイオン二次電池を25℃、60RH%の環境条
件下で12時間放置した後に、0.2C定電流条件で
4.25Vまで充電し、さらにこの電圧条件で2時間の
定電圧充電を行った。各リチウムイオン二次電池につい
て、充電終了後、上述した環境条件下で12時間放置し
た後に電圧測定を行い、4.2Vに達しないものを不良
とした。
【0062】ショート発生率の調査は、上述した内部シ
ョート発生率調査の結果不良判定を行ったリチウムイオ
ン二次電池についてこれを分解してセパレータを取り出
して目視検査を行い、このセパレータに変色部位が生じ
ていた場合に当該箇所において内部ショートが発生した
と判断してその分析を行った。分析には、EDX−EP
MA(エネルギー分散製X線回析・電子プローブ微量回
析:フィリップ社製の走査型電子顕微鏡XL30FE
G、同社製のX線検出器EDAXDX4i)を用い、セ
パレータの変色部位の元素分析を行った。分析の結果、
鉄及びニッケルが強く検出されたリチウムイオン二次電
池については、磁性不純物に起因して内部ショートが発
生したものとし、その割合を算出した。
【0063】実施例1乃至実施例3のリチウムイオン二
次電池及び比較例1乃至比較例3のリチウムイオン二次
電池についての評価結果は、表1に示す通りであった。
【0064】
【表1】 表1から明らかなように、従来の格子型磁力選別装置1
10を用いても、磁力選別を行わない場合と比較して不
良の発生が低減される。これに対して、実施の形態とし
て示した磁力選別装置10を用いて磁力選別を行った実
施例1乃至実施例3のリチウムイオン二次電池は、格子
型磁力選別装置110を用いて磁力選別を行った比較例
1及び比較例2のリチウムイオン二次電池と比較して、
不良発生が大幅に低減されている。磁力選別装置10
は、粉体の正極活物質と懸濁液の正極材塗料とであって
も磁性不純物を高精度に選別除去することが明らかであ
る。
【0065】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、回転駆動される選別筒体の磁力選別空間部内にお
いて原材料に対して磁気化手段の磁力が充分に作用され
るようになり、高精度の磁力選別が効率的に行われるよ
うになる。また、本発明によれば、傾斜された選別筒体
の磁力選別空間部内を粉体或いは懸濁液の原材料が流れ
ることで、いずれの態様においても汎用性を有して磁力
選別が可能となる。さらに、本発明によれば、原材料供
給部から選別筒体内に原材料が連続して供給されて高精
度の磁力選別を行って次工程へと供給することから、製
造工程の効率化が図られて高精度、高品質の製品が製造
されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる磁力選別装置の概略構成図であ
る。
【図2】同磁力選別装置に備えられる選別筒体の要部縦
断面図である。
【図3】磁石装置を構成する組磁石の説明図である。
【図4】他の組磁石の説明図である。
【図5】リチウムイオン二次電池の縦断面図である。
【図6】従来の懸架型磁力選別装置の概略構成図であ
る。
【図7】従来の格子型磁力選別装置を示し、同図(A)
は斜視図、同図(B)は選別ユニットの斜視図である。
【図8】従来のコンベア型磁力選別装置の概略構成図で
ある。
【図9】従来のロール型磁力選別装置の概略構成図であ
る。
【図10】従来の他のロール型磁力選別装置の概略構成
図である。
【符号の説明】
1 リチウムイオン二次電池、9 原材料、10 磁力
選別装置、11 選別筒体、12 供給開口部、13
排出開口部、14 磁力選別空間部、15 磁石装置、
16 基台部、17 駆動モータ装置、18 供給フィ
ーダ、19 排出フィーダ、20 スクレーバ機構、2
1 攪拌部材、22 単磁石、23 保護部材、24
磁性材、25 組磁石、26 単磁石、27 組磁石、
28 軸受け部材、29 支持台機構、30 昇降ロッ
ド、31 駆動モータ、35 ロッド、36 ブラシ

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原材料供給開口部と、磁力選別空間部
    と、原材料排出開口部とを有し、傾斜した状態で回転自
    在に設置された選別筒体と、 上記選別筒体の磁力選別空間部を構成する外周側面に付
    設されてこの磁力選別空間部を磁化する多数個の磁気化
    手段と、上記選別筒体を回転駆動する駆動機構とを備
    え、 供給部から上記選別筒体の原材料供給開口部に供給され
    る原材料が、上記磁力選別空間部内を通過する間に混入
    した磁性不純物を吸着除去されて上記原材料排出開口か
    ら排出されることを特徴とする磁力選別装置。
  2. 【請求項2】 上記磁気化手段が、それぞれの磁力方向
    を上記磁力選別空間部に対して垂直方向に作用させるよ
    うに上記選別筒体の外周壁に付設されることを特徴とす
    る請求項1に記載の磁力選別装置。
  3. 【請求項3】 上記磁気化手段に、10,000ガウス
    以上の磁力を有する磁石が用いられることを特徴とする
    請求項1に記載の磁力選別装置。
  4. 【請求項4】 上記選別筒体が、円筒形若しくは多角形
    筒体であることを特徴とする請求項1に記載の磁力選別
    装置。
  5. 【請求項5】 上記選別筒体の内周面に吸着した磁性不
    純物を払拭除去する払拭手段が設けられることを特徴と
    する請求項1に記載の磁力選別装置。
  6. 【請求項6】 上記選別筒体の内部に、供給された原材
    料を攪拌する攪拌手段が設けられることを特徴とする請
    求項1に記載の磁力選別装置。
  7. 【請求項7】 上記選別筒体の傾斜角度を調整する角度
    調整機構が設けられることを特徴とする請求項1に記載
    の磁力選別装置。
  8. 【請求項8】 上記駆動機構に、上記選別筒体の回転速
    度を調整する速度調整手段が設けられることを特徴とす
    る請求項1に記載の磁力選別装置。
  9. 【請求項9】 傾斜した状態で回転自在に設置された選
    別筒体の外周部に多数個の磁気化手段を付設して内部に
    磁力選別空間部を構成してなる磁力選別装置が用いら
    れ、 上記選別筒体に原材料を供給して上記磁力選別空間部を
    通過する間に混入した磁性不純物を吸着除去することに
    より磁力選別を行った後に、選別済原材料を次工程へと
    供給することを特徴とする磁力選別方法。
  10. 【請求項10】 上記磁気化手段がそれぞれの磁力方向
    を上記磁力選別空間部に対して垂直方向に作用させるよ
    うに上記選別筒体の外周壁に付設された上記磁力選別装
    置を用いることを特徴とする請求項9に記載の磁力選別
    方法。
  11. 【請求項11】 10,000ガウス以上の磁力を有す
    る多数個の磁石からなる磁気化手段を備える上記磁力選
    別装置を用いることを特徴とする請求項9に記載の磁力
    選別方法。
  12. 【請求項12】 上記選別筒体の内周面に吸着した磁性
    不純物を払拭除去する払拭手段を設けた上記磁力選別装
    置が用いられ、 上記選別済原材料を次工程へと供給した後に、上記払拭
    手段により上記磁力選別空間部の内周面に吸着した上記
    磁性不純物を払拭除去することを特徴とする請求項9に
    記載の磁力選別方法。
  13. 【請求項13】 上記選別筒体の内部に原材料を攪拌す
    る攪拌手段を設けた上記磁力選別装置が用いられ、上記
    攪拌手段によって供給された原材料を攪拌しながら上記
    選別筒体内を搬送することを特徴とする請求項9に記載
    の磁力選別方法。
  14. 【請求項14】 上記選別筒体の傾斜角度を調整する角
    度調整機構を設けた上記磁力選別装置が用いられ、 上記原材料の種類に応じて上記選別筒体の傾斜角度を調
    整して磁力選別を行うことを特徴とする請求項9に記載
    の磁力選別方法。
  15. 【請求項15】 上記駆動機構に上記選別筒体の回転速
    度を調整する速度調整手段を設けた上記磁力選別装置が
    用いられ、 上記原材料の種類に応じて上記選別筒体の回転速度を調
    整して磁力選別を行うことを特徴とする請求項9に記載
    の磁力選別方法。
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