JP2002369700A - 核酸分析方法 - Google Patents

核酸分析方法

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JP2002369700A
JP2002369700A JP2001286700A JP2001286700A JP2002369700A JP 2002369700 A JP2002369700 A JP 2002369700A JP 2001286700 A JP2001286700 A JP 2001286700A JP 2001286700 A JP2001286700 A JP 2001286700A JP 2002369700 A JP2002369700 A JP 2002369700A
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Takeshi Yamamoto
健 山本
Masaiku Ikeda
昌郁 池田
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International Reagents Corp
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6813Hybridisation assays
    • C12Q1/6827Hybridisation assays for detection of mutation or polymorphism
    • C12Q1/683Hybridisation assays for detection of mutation or polymorphism involving restriction enzymes, e.g. restriction fragment length polymorphism [RFLP]

Abstract

(57)【要約】 【課題】均一測定系、すなわち電気泳動やいわゆるBoun
d/Free分離などのような煩雑な手法を必要とせず試験管
内の反応で、簡便に遺伝子変異の検出、制限酵素認識配
列の検出、特定配列の増幅検出または定量検出方法を提
供すること、および該検出方法に使用する測定キットを
提供する。 【解決手段】標的核酸にシグナル発生物質を含有するプ
ローブをハイブリダイゼーションし、エンドヌクレアー
ゼおよびエキソヌクレアーゼ、またはエキソヌクレアー
ゼ活性を有するタンパク質を作用させ、シグナル発生物
質を遊離させることにより、遺伝子変異、制限酵素認識
配列、特定配列を高感度に検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は臨床化学、薬物化
学、生化学、食品化学の分野における、主として遺伝子
変異検出方法に関するものであり、ゲノム遺伝子、ウイ
ルス又は細菌等の遺伝子の検出並びに変異の判定に用い
られる。
【0002】
【従来の技術】従来の遺伝子配列の変異検出方法として
は以下のような方法がある。 (1)SSCP(single strand conformational polymo
rphism)法 PCR(polymerase chain reaction)法で増幅された二
本鎖DNAを熱変性によって一本鎖とし、非変性ポリア
クリルアミドゲルで電気泳動すると、それぞれのDNA
鎖はその一次配列に応じて異なる高次構造を形成する。
数百塩基にひとつの違いによってもこの高次構造は異な
り、その結果電気泳動度に差が生じる。泳動度の差はD
NAの銀染色や5’端に放射性標識や蛍光標識を施した
PCRプライマーを用いることによって検出することが
できる。SSCP法では、変異検出感度の著しい低下の
ため200〜300塩基長以上のDNA断片の解析には適さな
い。また、一本鎖DNAの高次構造の形成は、ゲルの温
度、ポリアクリルアミドゲルの濃度や架橋度、グリセロ
ール濃度、緩衝液組成などの物理的条件の影響を受けや
すく、条件の最適化に注意を払わねばならない。
【0003】(2)DGGE(denaturing gradient gel
electrophoresis)法、TGGE(temperature gradient
gel electrophoresis)法 二本鎖DNAを濃度勾配を設けた尿素やホルムアミドな
どの変性剤の存在下(DGGE)、または温度勾配の存
在下(TGGE)でゲル電気泳動を行うと、変性剤濃度
の上昇や温度上昇に応じて一本鎖DNAに解離する。そ
の解離点は二本鎖DNAのTm(melting temperature)
に応じて異なるため、その配列によって電気泳動度に差
異が生じる。ホモデュプレックス(homoduplex)中の一
塩基の配列の差異でもTmに十分な差異を生じ、その結
果電気泳動度の差異による変異の検出が可能である。変
性剤濃度勾配と温度勾配の効果を併用することで、より
感度よく変異を検出することも可能である。
【0004】(3)HET法(ヘテロデュプレックス分
析法(Heteroduplex Analysis)) 由来の異なる二種の二本鎖DNAを混合し、変性後再ア
ニールさせることでヘテロデュプレックスを形成させ、
非変性アクリルアミドゲルで電気泳動を行うと、ヘテロ
デュプレックスはホモデュプレックスと異なる泳動度を
示すことを利用した変異検出方法。バンドの分離能を改
善するために特殊なゲルマトリックスを使用したり(Sot
o D. et al; PCR Methods Appl 1992;2:96-98)、15%
尿素の存在下で電気泳動を行うなどの工夫が成されてい
る。
【0005】(4)RNase A Cleavage
Method 至適な条件下では、RNA/RNA ヘテロデュプレッ
クスxおよびRNA/DNA ヘテロデュプレックスのミ
スマッチ部位はRNase Aによって切断され、切断
の有無を変性ゲル電気泳動にて検出できる。しかし、プ
リン塩基の切断効率はピリミジン塩基のそれより不良
で、そのため両鎖のDNAを解析した際の変異検出率は
約70%と報告されており(Myers R. M. et al.;Scienc
e 1985;230:1242-1246)、未知の変異のスクリーニング
法として実用的ではない。
【0006】(5)CCM法(Chemical Cleavage Metho
d) ミスマッチを含むDNA/DNA ヘテロデュプレック
スまたはDNA/RNA ヘテロデュプレックス中のシ
トシン残基をhydroxylamineで、およびチミン残基をosm
ium tetroxideで処理すると、処理された塩基部位をpip
eridineが切断可能となる。非特異的な切断は殆どな
く、したがって切断の有無を両鎖に対して電気泳動にて
解析することで、殆どの変異検出が可能である。しか
し、電気泳動が必要なことと、毒性の強い化学物質の使
用が不可欠なことが欠点である。
【0007】(6)CFLP法(Cleavase Fragment Len
gth Polymorphism) 二本鎖DNAを熱変性の後、所定の温度まで急速に冷却
すると、それぞれのDNA鎖が鎖内でアニールしてステ
ム−ループ構造を形成する。この二次構造はDNAの一
次配列によって異なるが、Cleavaseと呼ばれるエンドヌ
クレアーゼは、このステム−ループの5’側の根本部分
を切断するため、切断後に変性ゲル電気泳動を行うこと
によってDNAの切断パターンの差異から二次構造の差
異、即ち一次配列の差異を検出できる。
【0008】(7)Mutation Detection by Mismatch B
inding Proteins ミスマッチを含むヘテロデュプレックスDNAと大腸菌
Mut Sタンパクをインキュベートすると、ミスマッ
チ部位に該タンパクが結合するので、ゲルシフトアッセ
イによる移動度の差異によって変異の有無を検出するこ
とができる。電気泳動を実施しない方法として、Mut
Sタンパクをメンブレン等の固相に固定しておき、ミ
スマッチを含むヘテロデュプレックスDNAとの結合の
有無を検出することも可能。また、Mut Sタンパク
のヒトホモログであるhMSH2タンパクとGTBPタ
ンパクが共同してミスマッチを含むヘテロデュプレック
スDNAに結合するので、これらも使用される。
【0009】上記、(1)〜(6)の方法は、いずれも
電気泳動による検出が不可欠であり、操作が煩雑であ
る。また(7)は固相を用いた検出が可能であるが、通
常ゲルシフトアッセイを要し、均一測定系は開示されて
いない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、均一
測定系、すなわち電気泳動やいわゆるBound/Free分離な
どのような煩雑な手法を必要とせず、簡便に遺伝子変異
の検出、制限酵素認識配列の検出、特定配列の増幅検出
する方法を提供すること、および該検出方法に使用する
測定キットを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
重ねた結果、シグナル発生物質を含有するプローブをハ
イブリダイゼーションさせ、エンドヌクレアーゼおよび
/またはエキソヌクレアーゼを作用させ、シグナル発生
物質を遊離させることにより、遺伝子変異を高感度に検
出する方法を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0012】すなわち本発明は、 1.標的核酸の変異を検出するための均一測定系であっ
て、シグナル発生物質を含むプローブを用い、変異を認
めた場合に該プローブからシグナル発生物質が遊離する
ことにより、シグナルが検出可能となる機構を用いて変
異を検出することを特徴とする遺伝子変異検出方法、 2.(1)標的核酸とプローブをハイブリダイゼーショ
ンさせて二本鎖の核酸を得る工程、(2)該二本鎖核酸
について5’陥没末端または3’陥没末端を出現させる
工程、および(3)プローブからシグナル発生物質が遊
離することによりシグナルを検出する工程を含んでなる
前項1に記載の遺伝子変異検出方法、 3.5’陥没末端または3’陥没末端を出現させる工程
が、ハイブリダイゼーションにより得た二本鎖核酸が相
補的でない部分を含む場合に、特異的に当該核酸を切断
する機能を有するエンドヌクレアーゼによることを特徴
とする前項2に記載の遺伝子変異検出方法、 4.エンドヌクレアーゼが、T4 ファージ エンドヌ
クレアーゼ VIIおよび/またはT7 ファージ エ
ンドヌクレアーゼ Iおよび/または制限酵素であるこ
とを特徴とする前項3に記載の遺伝子変異検出方法、 5.プローブからシグナル発生物質が遊離することによ
りシグナルを検出する工程が、エキソヌクレアーゼを用
いることを特徴とする前項1〜4のいずれか1に記載の
遺伝子変異検出方法、 6.エキソヌクレアーゼが、5’エキソヌクレアーゼま
たは3’エキソヌクレアーゼであることを特徴とする前
項5に記載の遺伝子変異検出方法、 7.5’エキソヌクレアーゼがλエキソヌクレアーゼま
たは3’エキソヌクレアーゼがエキソヌクレアーゼII
Iであることを特徴とする前項6に記載の遺伝子変異検
出方法、 8.プローブと標的核酸をハイブリダイゼーションさせ
て得た二本鎖核酸が相補的でない部分を含む場合に、該
相補的でない部分を認識するタンパク質を作用させ、さ
らに、そのエキソヌクレアーゼ活性によって、シグナル
発生物質を含むプローブを末端より消化させる工程を含
むことを特徴とする前項1に記載の遺伝子変異検出方
法、 9.該相補的でない部分を認識するタンパク質が、5’
エキソヌクレアーゼまたは3’エキソヌクレアーゼ活性
を有することを特徴とする前項8に記載の遺伝子変異検
出方法、 10.該相補的でない部分を認識するタンパク質が、ウ
ェルナーシンドローム遺伝子産物であることを特徴とす
る前項8または9に記載の遺伝子変異検出方法、 11.標的核酸として遺伝子増幅した核酸を用いること
を特徴とする前項1〜10のいずれか1に記載の遺伝子
変異検出方法、 12.標的核酸と相補的な構造を有するシグナル発生物
質を含有するプローブを用いることを特徴とする均一測
定系であって、(1)該標的核酸と該プローブをハイブ
リダイゼーションさせ二本鎖の核酸を得る工程、(2)
プローブからシグナル発生物質が遊離することによりシ
グナルを検出する工程、(3)エキソヌクレアーゼによ
り短縮した場合に、プローブ核酸がある一定の長さにな
ると標的核酸からプローブが解離する工程、(4)工程
(1)から(3)を繰り返すことを特徴とする核酸の検
出方法、 13.プローブに含まれるシグナル発生物質が標的核酸
と相補的に結合できる物質であることを特徴とする前項
1〜12のいずれか1に記載の遺伝子変異または核酸の
検出方法、 14.シグナル発生物質がフォルマイシン(formyci
n)、2−アミノプリン(2-aminopurine)、2,6−
ジアミノプリン(2,6-diaminopurine)から選択され
る1または2以上の化合物を含むことを特徴とする前項
1〜13のいずれか1記載の遺伝子変異または核酸の検
出方法、 15.シグナルを検出する機構がシグナル発生物質がモ
ノヌクレオチドとして遊離することを特徴とする前項1
〜14のいずれか1に記載の遺伝子変異または核酸の検
出方法、 16.変異が標的核酸の末端部分でない箇所に認められ
た場合の標的核酸の変異を検出するための均一測定系で
あって、プローブ中のシグナル発生物質がシグナル発生
標識物質および当該シグナルの発生を有効に減弱させる
ように配置されていることを特徴とする前項1〜12の
いずれか1に記載の遺伝子変異検出方法、 17.前項1〜16のいずれか1に記載の方法を用いる
ことを特徴とする制限酵素認識配列の検出方法、 18.前項1〜17のいずれか1に記載のプローブを含
むことを特徴とする遺伝子変異検出、制限酵素認識配列
の検出または特定配列を有する核酸の定量または検出に
使用するキット、 からなる。
【0013】
【発明の実施の態様】本発明の内容を以下に詳細に説明
する。標的となる核酸(以下「ターゲットDNA」とい
う。)とシグナル発生物質を有するプローブをハイブリ
ダイゼーションさせたとき、該プローブと相補的でない
配列をターゲットDNAが有していれば、当該部位でミ
スマッチ、バブルまたはループ構造が生じる。
【0014】ミスマッチ、バブルまたはループ構造が生
じていると、ある種のエンドヌクレアーゼによりその数
ベース3’側あるいは5’側にて両鎖DNAが切断さ
れ、5’陥没末端あるいは3’陥没末端を有する二本鎖
核酸が生ずる。さらに5’陥没末端あるいは3’陥没末
端を有する二本鎖核酸に5’エキソヌクレアーゼまたは
3’エキソヌクレアーゼを作用させてシグナル発生物質
を遊離させ、シグナル発生物質のシグナルを検出するこ
とによりターゲットDNAが有する変異を検出する。
【0015】また、エンドヌクレアーゼを用いずに、
5’陥没末端あるいは3’陥没末端を生じさせずにミス
マッチ、バブルまたはループ構造部を認識するエキソヌ
クレアーゼを作用させてシグナル発生物質を遊離させ、
シグナル発生物質のシグナルを検出することによりター
ゲットDNAが有する変異を検出することも可能であ
る。
【0016】このとき、ターゲットDNAとプローブと
のハイブリダイゼーションでミスマッチ、バブルまたは
ループを生じない場合は、該エンドヌクレアーゼおよび
該エキソヌクレアーゼが作用せずプローブ中のシグナル
発生物質がモノヌクレオチドとして遊離してこない。こ
のためシグナルが発生しないかまたは、低いシグナルの
発生しか起こらない。または、上記酵素が反応してもミ
スマッチ、バブルまたはループ構造が存在する場合より
も低いシグナルの発生であり、シグナルの発生の度合い
を測定することにより遺伝子変異の検出が可能である。
具体的には、ターゲットDNAの変異検出は、以下の工
程により行われる。
【0017】A:ターゲットDNAと相補的に結合しう
るシグナル発生物質を用いる場合 (シグナル発生物質)本発明に使用されるシグナル発生
物質の1は、ヌクレオチド中に含まれる塩基であってプ
ローブ配列中に含有することができ、プローブとターゲ
ットDNAとのハイブリダイゼーションを実質的に妨害
しないものであれば良い。さらに、シグナル発生物質
は、モノヌクレオチドとして遊離した時にシグナルを発
生する性質を有し、該シグナル発生物質が、一本鎖ポリ
ヌクレオチドに含まれるか、またはターゲットDNAと
二本鎖を形成している場合にはシグナルを発生しない
か、またはモノヌクレオチドのとき発生するシグナルよ
りも低いシグナルしか発生しないものが望ましい。具体
的には、例えばアデニンアナログ化合物が例示され、よ
り具体的にはフォルマイシン(formycin)、2−アミノ
プリン(2-aminopurine)、2,6−ジアミノプリン
(2,6-diaminopurine)が例示される。
【0018】(プローブ)本発明におけるシグナル発生
物質を配列中に含むプローブとは、上記のシグナル発生
物質を含み、ターゲットDNAと相補的に結合でき、さ
らに、ターゲットDNAに変異があれば、ミスマッチ、
バブルまたはループ構造を生じ、当該ミスマッチ、バブ
ルまたはループ構造をエンドヌクレアーゼ等が認識し、
シグナルを発生するものであれば良い。
【0019】(検出方法) a.エンドヌクレアーゼを用いる場合 1)標的となる核酸とプローブを混合し変性した後、ハ
イブリダイゼーションさせ、二本鎖を形成させる。上記
で形成したプローブと相補的でない部分があるとミスマ
ッチまたは配列の挿入あるいは欠損によってループ構造
が生ずる。 2)上記で形成したプローブとターゲットDNAのヘテ
ロデュプレックスに、エンドヌクレアーゼを作用させ、
ミスマッチまたはループ構造が生じていると、その数ベ
ース3’側または5’側で該ヘテロデュプレックスが切
断され、5’陥没末端または3’陥没末端を有する二本
鎖の核酸が出現する。 3)次にエキソヌクレアーゼを作用させ、5’陥没末端
または3’陥没末端からプローブを消化させる。その
際、プローブ中のシグナル発生物質がモノヌクレオチド
として遊離し、このとき発生するシグナルを測定するこ
とにより、変異の有無を検出する。
【0020】b.エンドヌクレアーゼを用いない場合 1)標的となる核酸とプローブを混合し変性した後、ハ
イブリダイゼーションさせ、二本鎖を形成させる。上記
で形成した二本鎖核酸に相補的でない部分があるとミス
マッチまたは配列の挿入あるいは欠損によってループ構
造が生ずる。 2)上記で形成したプローブとターゲットDNAのヘテ
ロデュプレックスに、ミスマッチ、バブルまたはループ
構造が生じていると、ある種のエキソヌクレアーゼ活性
を有するタンパク質により、二本鎖DNAの5’末端ま
たは3’末端からの消化が起きる。このような活性を有
するタンパク質の例として、ヒトのウェルナーシンドロ
ーム遺伝子にコードされるタンパク質が挙げられる。 3)その際、プローブ中のシグナル発生物質がモノヌク
レオチドとして遊離し、このとき発生するシグナルを測
定することにより、変異の有無を検出する。
【0021】B:一対のシグナル発生物質を用いる場合 (シグナル発生物質)本発明に使用されるシグナル発生
物質の他の1は、シグナル発生標識物質および該シグナ
ルの発生を有効に減弱させるように配置した一対の標識
物質を組み合わせて使用する。このような機能を有する
組み合わせであれば良く、さらにプローブとターゲット
DNAとのハイブリダイゼーションを実質的に妨害しな
いものであれば特に限定されないが、好ましくは光学的
に検出されるシグナルに対応するものが取り扱いやすく
好適である。さらに、光学的に検出されるシグナルとは
蛍光性であっても良いし、蛍光性でなくても良く、特に
限定されない。具体的には、例えばプローブに含まれる
標識物質はFluoresceinとTetrame thylrhodamine、FAM
とTAMRA、EDANSとDABCYL、FITCとDABCYL、Fluorescein
とDABCYL、FluoresceinとCy3、FITCとCy3、BODIPY FLと
FluoresceinとQSY 7dye等が挙げられるが、これらに限
定されるものではない。
【0022】本シグナル発生標識物質(以下これを「レ
ポーター基」ともいう。)は、当該シグナルの発生を有
効に減弱させる機能を有する標識物質(以下これを「ク
エンチング基」ともいう。)と一対にして使用されるも
のである。すなわち、レポーター基は、クエンチング基
との距離が十分短いとき、レポーター基が発生するシグ
ナルを有効に減弱させる機能を有する。そのような機能
を有するシグナル発生標識物質であれば特に限定されな
いが、例えば蛍光性物質の場合、レポーター基の蛍光波
長とクエンチング基の吸収波長が共通のスペクトラムを
有する場合にこのような一対の標識物質としての機能を
有するといえる。このような一対の標識物質を用いる手
法は、一般的に蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)と
して公知である(特許公表2000-509278)。
【0023】(プローブ)本発明におけるシグナル発生
物質を配列中に含むプローブとは、上記のシグナル発生
物質を含み、ターゲットDNAと相補的に結合でき、さ
らに、ターゲットDNAに変異があれば、ミスマッチ、
バブルまたはループ構造を生じ、当該ミスマッチ、バブ
ルまたはループ構造をエンドヌクレアーゼ等が認識し、
シグナルを発生するものであれば良い。
【0024】上記プローブは、エキソヌクレアーゼの消
化を受けていない場合にはシグナルが検出されないか、
またはエキソヌクレアーゼの作用によってレポーター基
またはクエンチング基が遊離した場合に比べて有意に低
いシグナルしか発生しないように一対の標識物質が配置
されていることを要する。そのような例として、プロー
ブの5'末端または3'末端にクエンチング基および鎖内
にレポーター基、5'末端または3'末端にレポーター基
および鎖内にクエンチング基、鎖内にレポーター基およ
びクエンチング基、プローブのそれぞれの末端にレポー
ター基およびクエンチング基を有するものが例示され
る。クエンチング基とレポーター基の距離は、レポータ
ー基のシグナル発生を有効に減弱させることができれば
よいが、好ましくは20塩基以内、より好ましくは10
塩基以内が望ましい。
【0025】(検出方法)上記プローブがエキソヌクレ
アーゼの作用によって消化され、且つレポーター基また
はクエンチング基のいずれかが標識されたヌクレオチド
が遊離した場合にレポーター基からシグナルが得られる
機構を用いて遺伝子変異の検出をすることを特徴とす
る。このシグナルが得られる機構とは、次のとおりであ
る。
【0026】すなわち、プローブをターゲットDNAと
ハイブリダイズさせてヘテロデュプレックスを形成さ
せ、ターゲットDNA内に塩基の変異、挿入または欠失
が存在するために該ヘテロデュプレックスに生じたミス
マッチ、バブルまたはループ構造をエキソヌクレアーゼ
活性を有するタンパクが認識し、ミスマッチ、バブルま
たはループ構造が存在する場合にのみプローブを末端か
ら消化することによってクエンチング基またはレポータ
ー基が標識されたヌクレオチドが遊離し、その結果、レ
ポーター基とクエンチング基の距離が離れ、クエンチン
グ基による減弱が弱くなることによりシグナルを発生さ
せる機構をいう。ミスマッチ、バブルまたはループ構造
が存在しない場合には、エキソヌクレアーゼによる消化
を受けないか、または、消化を受けても最小限であり、
その結果、シグナルの発生が起こらないか、ミスマッ
チ、バブルまたはループ構造が存在しないときと比べて
シグナルの発生は有意に低くなる。
【0027】(ターゲットDNAとプローブのハイブリ
ダイゼーション)本発明におけるターゲットDNAとシ
グナル発生物質を有するプローブのハイブリダイゼーシ
ョンは、上記AまたはBの方法に共通し、該ターゲット
DNAを変性により一本鎖としたのち行われる。該ター
ゲットDNAが一本鎖であれば変性の必要はなくそのま
まプローブとハイブリダイゼーションさせることも可能
であるが、該一本鎖ターゲットDNAの高次構造の形成
によるハイブリダイゼーションの阻害の可能性を排除す
るためには変性操作を行うのが好ましい。
【0028】本発明における変性の方法は通常行われる
方法に従えば良いが、例えば熱変性によるものと化学的
変性によるものが例示される。具体的な方法として、熱
変性による方法は、通常90℃以上に加熱することによ
り行われる。好ましくは、94℃〜97℃で約5分間加
熱することにより変性が行われる。化学的変性による方
法は尿素、ホルムアルデヒド等の変性剤の作用により、
またはpHを上昇させることにより行われる。pHは
0.4〜1.0mol/L NaOHを用いることによ
り上昇させることができる。操作性などから熱変性によ
る方法が好適に用いられる。
【0029】また、ハイブリダイゼーションの方法は通
常行われる方法に従えば良いが、その条件はプローブ又
は変性ニ本鎖核酸の鎖長、塩基配列、Tm(融解温度)
により異なる。一般的にはpH6.5〜9.0で、50
〜1000mmol/Lのナトリウムイオン存在下にて
室温〜70℃の温度下でハイブリダイゼーションが行わ
れる。
【0030】(エンドヌクレアーゼまたはエキソヌクレ
アーゼの作用)本発明における5’陥没末端または3’
陥没末端は、プローブとターゲットDNAとのハイブリ
ダイゼーションによって生じたミスマッチ、バブルおよ
びループ構造部が認識され、二本鎖ヌクレオチド鎖が切
断されることによって生じるが、具体的には以下のよう
な作用によって行われる。
【0031】例えば、ターゲットDNAに塩基の置換あ
るいは挿入または欠損があれば、プローブと該ターゲッ
トDNAからなるへテロデュプレックスにミスマッチま
たはループ構造を生じることになる。本発明における
5’陥没末端または3’陥没末端を生じさせる酵素は、
当該ミスマッチまたはループ構造の部分を認識して二本
鎖のヌクレオチド鎖を切断する機能を有するものであれ
ばとくに限定されないが、例えばエンドヌクレアーゼを
例示され、具体的にはT4 ファージ エンドヌクレア
ーゼ VII、T7 ファージ エンドヌクレアーゼ
Iが例示される。
【0032】本発明におけるエンドヌクレアーゼの反応
条件は、エンドヌクレアーゼが作用し5’陥没末端また
は3’陥没末端を生じさせる条件であればよく、特に限
定されないが、Eur. J. Biochem 194, 779-784(1990)、
Proc. Natl. Acad. Sci. USA92,87-91(1995)、Nature G
enetics 9, 177-183(1995)等の文献を参照することがで
きる。また、エンドヌクレアーゼが認識し、切断するこ
とのできるループの塩基数は、使用するエンドヌクレア
ーゼの種類や検出しようとする核酸の配列により異な
る。例えばKleff S.ら(The EMBO Journal 7 (5), 1527-
1535 (1988))によると、T4 エンドヌクレアーゼ VI
Iは、51塩基のループを認識し、切断できることが報
告されている。
【0033】本発明においてシグナル発生物質のモノヌ
クレオチドとしての遊離は、具体的には以下のように行
われる。上記のエンドヌクレアーゼにより生じた5’陥
没末端または3’陥没末端を酵素が認識してこれを消化
することにより、シグナル発生物質を含むモノヌクレオ
チドが遊離する。5’陥没末端または3’陥没末端を認
識する酵素は特に限定されないが、エキソヌクレアーゼ
が例示され、具体的には、5’エキソヌクレアーゼおよ
び3’エキソヌクレアーゼが例示される。さらに具体的
には、5’エキソヌクレアーゼとしては、λ エキソヌ
クレアーゼが、3’エキソヌクレアーゼとしてはエキソ
ヌクレアーゼ IIIが例示される。
【0034】本発明において、エンドヌクレアーゼによ
って生じた5’または3’陥没末端からエキソヌクレア
ーゼによってプローブを消化する際、エンドヌクレアー
ゼによって切断されていないプローブが5’または3’
末端からエキソヌクレアーゼによって消化されること
は、バックグラウンド・シグナルを著しく上昇させる原
因となるので好ましくない。例えば、λエキソヌクレア
ーゼは5’末端にリン酸基を有するDNAよりも水酸基
を有するDNAに対する感受性が低く、5’末端に水酸
基を有するプローブを用いることでλエキソヌクレアー
ゼによるプローブの5’末端からの消化を最小限に押さ
えることができる。また、エキソヌクレアーゼIIIに
よってプローブが3’末端から消化されるのを防ぐた
め、プローブの3’末端の2塩基ないし3塩基間のホス
ホジエステル結合をホスホロチオエート結合とすること
で、エキソヌクレアーゼIIIに対して耐性とすること
ができる。
【0035】本発明における上記エキソヌクレアーゼの
反応条件は、エンドヌクレアーゼ二より生じた5’陥没
末端または3’陥没末端を認識し、シグナル発生物質を
含むモノヌクレオチドを生成させるものであればよく、
特に限定されないが、例えば、λエキソヌクレアーゼの
反応条件はNucleic Acids Research 27(15), 3057-3063
(1999)、エキソヌクレアーゼ IIIの反応条件は
J. Biol. Chem. 251, 1896 (1976)等の文献を参照す
ることができる。
【0036】また、本発明におけるエンドヌクレアーゼ
を用いない場合に使用されるエキソヌクレアーゼ活性を
有するタンパク質は、ヘテロデュプレックス中のミスマ
ッチ、バブルまたはループ構造を認識し、そのような構
造が存在する場合にのみプローブを5'または3'末端か
ら消化する機能を有すれば良く、特に限定されないが、
ヒトのウェルナーシンドローム遺伝子にコードされるタ
ンパク質を(以下「WRNタンパク質」という。)が例
示される。
【0037】WRNタンパク質の反応条件は、A.のプ
ローブ中にシグナル発生物質を含むモノヌクレオチドが
存在する場合には、ヘテロデュプレックスがミスマッ
チ、バブルまたはループを含むときに3'からDNAを
消化し、シグナル発生物質を含むモノヌクレオチドを生
成させる条件であれば良い。またはB.のプローブ中に
クエンチング基とレポーター基が標識されたヌクレオチ
ドを含む場合には、同様にヘテロデュプレックスがミス
マッチ、バブルまたはループを含むときに3'からDN
Aを消化し、プローブ中のクエンチング基またはレポー
ター基が標識されたヌクレオチドを遊離することのでき
る条件であれば良い。これらの条件は特に限定されない
が、例えばNucleic Acids Research 28(17), 3260-3268
(2000)等の文献を参照することができる。
【0038】(シグナルの検出)本発明におけるシグナ
ル発生物質によるシグナルの検出は、以下のように行わ
れる。シグナル発生物質がAの場合では、例えば、2−
アミノプリンを用いたときのシグナルの検出法として
は、2−アミノプリンは、pH6〜10で最大蛍光を発
し、pH7.0では最大励起波長303nm、最大蛍光
波長370nmで測定される(The Journal of Biologi
cal Chemistry 244(5), 1228-1237 (1969))。フォルマ
イシンは、pH5〜9のとき最大蛍光を発し、pH7.
0のとき最大励起波長295nm最大蛍光波長340n
mで測定される。2,6−ジアミノプリンは、pH7〜
11のとき最大蛍光を発し、pH7およびpH11のと
き最大励起波長280nm、最大蛍光波長350nmで
測定される。
【0039】また、BのFRETの場合では、シグナル
の検出条件として、例えばプローブの5'末端にDabcyl
修飾、鎖内にFluorescein修飾の場合、3'→5'エキソ
ヌクレアーゼの作用により、3'末端より分解されるに
伴って発せられる蛍光は最大励起波長 494nm、最
大蛍光波長518nmの条件でフルオロメーターを用い
て検出される。
【0040】エキソヌクレアーゼによるプローブの分解
によって生じるシグナル、例えば、FRETの場合の蛍
光シグナルは、プローブDNAの分解反応に応じて増加
し、反応の進行中にシグナルをモニターすることが可能
であり、適切な反応時間を選択することにより、再現性
並びに定量性の向上および測定時間の短縮が図られる。
【0041】(試料)また、本発明に用いる試料は、核
酸を含有するものであれば特に限定されないが、PCR
産物、生物試料を例示することができる。生物試料とは
生物に由来する試料を意味し、全血、血漿、血清、骨
髄、バッフィーコート、尿、体液、唾液、鼻汁、涙液、
糞便由来物、細胞培養物、細胞培養物、細胞溶解物、培
養培地等のような核酸を含有する可能性のある生物試料
を例示することができる。また、必要に応じて例えば生
物試料をあらかじめ溶解し核酸を抽出してもよい。生体
試料からの核酸の抽出方法としては、溶解液を加え、細
胞を溶解させ、有機溶媒を加えて核酸を抽出させる方法
等が例示される。
【0042】生体試料からの核酸の抽出に用いられる溶
解液は、プロテアーゼを用いることが好ましく、プロテ
アーゼとして細胞膜の破壊や生物試料に含まれるタンパ
ク質を分解するものであれば特に限定されない。具体的
には、プロナーゼ、プロテイナーゼK等が挙げられ、こ
れらのうち、プロテイナーゼKが好ましく用いられる。
その使用濃度としては、0.1〜1000U/mLの範
囲で使用するのが好ましい。また緩衝液を含有させるこ
とも可能で、pH6〜12の範囲が好適である。この緩
衝液としては、一般に使用されているものであれば特に
限定されるものでないが、pH6〜12の範囲のいずれ
かのpHにおいて緩衝能を有するものが好ましく、例え
ば1,3ビス[トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミ
ノ]プロパン、トリス[ヒドロキシメチル]アミノメタ
ン等が挙げられ、その使用濃度としては、1〜500m
M、pHは6〜12の範囲が好ましい。
【0043】さらに、プロテイナーゼK処理後の核酸抽
出に用いられる有機溶媒としては、水飽和フェノール、
緩衝液飽和フェノール、クロロホルム等が挙げられる。
これらのうち、水飽和フェノールまたは緩衝液飽和フェ
ノール、あるいはこれらの飽和フェノールとクロロホル
ムを適当な割合で混合したものが好ましい。
【0044】このようにして生物試料から抽出された核
酸は、遺伝子構造の解析に用いるには量が不充分なこと
が多い。そのような場合には、生物試料から抽出された
核酸をPCR法等によって増幅することができ、増幅さ
れたDNA産物を本発明による遺伝子変異解析に用いる
ことができる。
【0045】(プローブの作成)プローブの作製は、例
えば一般のDNA合成装置を用いて化学的な方法を用い
て合成可能である。また、PCRの技術すなわち、DN
Aポリメラーゼを用いて、2−アミノプリンを含むデオ
キシヌクレオチドを二本鎖DNAに取り込むことにより
プローブを合成することも可能である。
【0046】(その他)さらに本法は、制限酵素認識配
列の有無の判定に応用できる。例えば、5’または3’
エキソヌクレアーゼを作用させ、アデニン誘導体を遊離
させて、その遊離を蛍光強度の有意な上昇によって知る
方法は、5’陥没末端あるいは3’陥没あるいは平滑末
端を生じさせる制限酵素認識配列を消失させるか、また
は新たにそのような制限酵素認識配列を生じさせるよう
な塩基の変化を検出するのに用いることができる。
【0047】従来より、このような目的にはRFLP(r
estriction fragment length polymorphism)法が用いら
れている。RFLP法では、このような制限酵素認識配
列の変化は、被検DNAを制限酵素で消化した後、多く
の場合はアガロースゲル電気泳動を行い、出現したバン
ドの数と移動度の差異を観察することによって判定され
る。具体的には、例えば、一部の糖尿病患者ではミトコ
ンドリアDNAのロイシン転移RNAのコード領域にA
からGの変異(3243変異)が見られ、その変異により周
辺の塩基配列がGAGCCCからGGGCCCに変化する。後者の配
列は制限酵素ApaIの認識配列であり、従って、この領域
のDNAをPCRにて増幅し、ApaI消化した後に、電気
泳動にて切断の有無を観察することによって、3243変異
の有無を知ることができる。
【0048】しかし、本発明が提供する方法によれば、
増幅DNAをアデニン誘導体を挿入したプローブの存在
下で変性および再アニールを行い、5’陥没末端を生じ
させる制限酵素ApaIで消化し、続いて5’エキソヌ
クレアーゼであるエキソヌクレアーゼによる消化を行っ
て、蛍光の増大を測定することによってこのような変異
を見知できる。変異型配列に相補的なプローブを用いた
場合、被検DNA配列が野生型であればApaIによる
切断は起きず、従ってλエキソヌクレアーゼによるプロ
ーブの消化も起きないため、蛍光は増大しないか、ある
いは増大しても軽微である。被検DNA配列が変異型で
あればApaIによる切断が起こり、その結果5’陥没
末端が生じて、さらにλエキソヌクレアーゼによってプ
ローブが消化され、蛍光は顕著な増大を示す。このよう
に従来のような煩雑な電気泳動による検出操作は不要と
なり、極めて簡便に制限酵素認識部位の有無が判定可能
である。
【0049】さらに、本発明によって簡便に検出できる
制限酵素認識部位は5’陥没末端に限定されない。即
ち、3’陥没末端および平滑末端を生じる制限酵素認識
部位の検出も可能である。即ち、被検DNAと2‐アミ
ノプリンを含有するプローブとを混合して熱変性を行
い、再アニールさせた後、3’陥没末端または平滑末端
を生じる制限酵素で消化を行い、次いで3’陥没末端ま
たは平滑末端の3’側よりDNAを消化する3’エキソ
ヌクレアーゼを作用させることによって、2‐アミノプ
リンを含むモノヌクレオチドを遊離させ、均一測定系に
て蛍光を測定することが可能である。そのような3’エ
キソヌクレアーゼとして、エキソヌクレアーゼIIIを
例示することができる。その際、標的DNAにハイブリ
ダイズしたプローブのうち、制限酵素による切断を受け
ていないものがエキソヌクレアーゼIIIによって消化
されるのを防ぐため、プローブの3’末端側の2塩基間
のホスホジエステル結合をホスホロチオエート結合とす
ることで、エキソヌクレアーゼIIIに対して耐性とす
ることができる。
【0050】さらに本発明は、エキソヌクレアーゼサイ
クリングアッセイ(exonuclease cycling assay)法(B
ioTechniques 13(6), 888-892 (1992))による遺伝子検
出に応用できる。例えば、標的遺伝子に相補的配列を有
し、5’にリン酸基を有するオリゴヌクレオチドプロー
ブを該標的遺伝子とハイブリダイズさせ、λエキソヌク
レアーゼを作用させて、5’末端からプローブを消化さ
せる。消化の進行とともにプローブのTm値が下がり、
ターゲットDNAターゲットDNAから解離すると、別
のプローブがハイブリダイズし、λエキソヌクレアーゼ
によって消化される。これを繰り返すことによって、即
ちサイクリング反応を行うことによってプローブの切断
産物が蓄積するので、この切断産物を測定することによ
って微量の標的遺伝子を検出できる。例えば32Pを3’
末端に標識したプローブを用いて、切断されたプローブ
を電気泳動にて分離し、オートラジオグラフィーで放射
活性を検出する方法が示されている。しかし、この方法
は非常に煩雑で1日から2日もの長時間を要する上、放
射性物質を扱わねばならないのが欠点である。しかし、
本発明によって示された2‐アミノプリンを含有するプ
ローブを用いれば、λエキソヌクレアーゼによるプロー
ブの消化に伴って2‐アミノプリンが遊離するので、そ
の蛍光を測定するだけで標的遺伝子の検出が可能であ
る。蛍光測定はサイクリング反応の進行中に行うことも
でき、実質的に検出に要する操作の手間や時間を軽減で
きるという利点がある。
【0051】本発明は、上記説明したプローブを含む遺
伝子変異検出、制限酵素認識配列の検出または特定配列
を有する核酸の定量または検出に使用するキットにも及
ぶ。
【0052】
【実施例】以下本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、配列1〜配列12に示すオリゴマーDNAは、核
酸合成受託業者に依頼して調製した。
【0053】
【実施例1】λエキソヌクレアーゼが二本鎖DNAのリ
ン酸基を有する5’陥没末端および平滑末端の5’端か
らDNAを好適に消化することは公知である。その際
に、消化されるDNA鎖に2−アミノプリンを含有させ
ることによって、DNA鎖の分解に応じて蛍光を発せら
れることもMitsis P. G.らによって示されている(Nucl
eic Acids Research 27 (15), 3057-3063 (1999))。そ
こで配列の一部に2−アミノプリンを有し、5’陥没末
端を有する二本鎖DNAにλエキソヌクレアーゼを作用
させ、蛍光を発するか検討を行った。
【0054】一部のアデニンを2−アミノプリンに置換
し、且つ5’端をリン酸化したオリゴマーDNA(配列
1)、およびこれに相補的な(ここでは2−アミノプリ
ンに相補的な塩基をチミンとする)配列を含み5’端が
リン酸化されていないオリゴマーDNA(配列2)をハ
イブリダイズさせるため、50mM Tris-HCl(pH8.0)、0.1m
M EDTA、100mM NaCl、各オリゴマーDNA100pmoleを含
む50μLの溶液を90℃にて5分インキュベートし、
次いで30分かけて37℃まで温度を徐々に下降させ、
さらに37℃にて30分インキュベートした(図1)。
このhybrid DNA1μL(各オリゴマーDNA2pmol相
当)を、20μLの67mM glycine/NaOH(pH9.0)、2mM Mg
Cl2、6.8U λエキソヌクレアーゼ(GibcoBRL)の反応液
に含ませ、37℃にてインキュベートした。0.1M EDTA
80μLを加え、65℃にて15分インキュベートする
ことによって反応を停止させ、酵素の不活化を行った。
TE緩衝液(10mM Tris-HCl(pH8.0)、1mM EDTA)600
μLを添加し、HitachiFluorescence Spectrometer 650
-10SにてオリゴマーDNAおよび酵素を含まないこと以
外は同じ成分組成を有する緩衝液を盲検として蛍光を測
定した(励起波長310nm, slit 10nm、蛍光波長360nm, s
lit 10nm)。
【0055】その結果、図2に示した通り、λエキソヌ
クレアーゼを作用させることにより蛍光が増大すること
が示された。また、反応時間が0の時の相対蛍光強度
(RFU)が0であることより、オリゴマーDNAの状
態での2−アミノプリンの蛍光は盲検とほぼ同じか、ま
たは蛍光を発したとしてもごく僅かであることが示唆さ
れた。
【0056】
【実施例2】λエキソヌクレアーゼ量を変化さることに
より、蛍光の強さに変化があるか否か検討を行った。
【0057】実施例1で述べられたhybrid DNA(図
1)1μL(各オリゴマーDNA2pmol相当)を、20
μLの67mM glycine/NaOH(pH9.0)、2mM MgCl2、0、1.
7、3.4および6.8U λエキソヌクレアーゼ(GibcoBRL)の
反応液に含ませ、37℃にて15分インキュベートし、
実施例1と同様に蛍光を測定した。その結果、図3に示
した通り、酵素量に応じて蛍光の増大が観察された。
【0058】
【実施例3】実施例1で述べられたhybrid DNA(図
1)1μL(各オリゴマーDNA2pmol相当)を、20
μLの67mM glycine/NaOH(pH9.0)、2mM MgCl2、6.8U λ
エキソヌクレアーゼ(GibcoBRL)の反応液に含ませ、3
7℃にて10分間インキュベートし、実施例1と同様に
蛍光を測定した(Hybrid DNA)。また、配列1のオリゴマ
ーDNA100pmoleおよび、2−アミノプリンがアデニン
に置換され、且つ5’端がリン酸化されていないこと以
外は配列1と同じ配列を有するオリゴマーDNA(配列
3)100pmoleとを実施例1に示した方法と同様にハイブ
リダイズ反応を行い(図4)、そのうち1μL(各オリ
ゴマーDNA2pmol相当)を、20μLの67mM glycine/
NaOH(pH9.0)、2mM MgCl2、6.8U λエキソヌクレアーゼ
(GibcoBRL)の反応液に含ませ、37℃にて10分イン
キュベートし、実施例1と同様に蛍光を測定した(ssD
NA)。
【0059】図5に示したように、hybrid DNAで
は、λエキソヌクレアーゼとインキュベートすることに
より蛍光が顕著に増大した。一方、ssDNA(一本鎖D
NAと考えられる)では、λエキソヌクレアーゼとイン
キュベートを行っても蛍光の増大は僅かであった。この
ことから、リン酸化5’末端を有する一本鎖DNAはλ
エキソヌクレアーゼによる消化を受けないか受けても最
小限であり、そのため2−アミノプリンの遊離が著しく
少なく、蛍光の増大が最小限となると考えられた。従っ
て、オリゴマーDNAからの2−アミノプリンの遊離は
大部分が二本鎖DNAで起こり、hybridを形成していな
い一本鎖DNAの除去、いわゆるBound/Free分離は必要
でないことが示唆された。
【0060】
【実施例4】T4エンドヌクレアーゼVIIを用いた変
異検出のためのキットがアマシャム・ファルマシア 社
から販売されている(PASSPORT(TM) Mutation Scanning
Kit)。本キットによる変異検出の原理を図6に示した。
2種のPCR産物(または2種の合成オリゴマーDNA
でも可)を変性・ハイブリダイゼーションによってヘテ
ロデュプレックスを形成させた後T4エンドヌクレアー
ゼ VIIを作用させると、該ヘテロデュプレックスの
塩基対にミスマッチの存在する場合、その部位の近傍で
DNAの切断が起こる。その際、検出のためにいずれか
のDNA鎖あるいは両DNA鎖に適切な標識を行ってお
けば、切断によって生じた新たなDNA断片の出現を変
性ゲル電気泳動によって検知でき、変異の有無を知るこ
とが可能となる。好適な標識物としては、放射性元素、
蛍光色素、ビオチンなどがあげられる。
【0061】そこでミスマッチ部位を有する場合、ミス
マッチ部位近傍にてT4 エンドヌクレアーゼ VIIが
オリゴマーDNAを切断するか検討を行った。
【0062】配列4は5’端に水酸基を有し、3’端に
はFITCにて標識が施されている。配列5は配列4に
相補的な配列を有し、5’端および3’端に水酸基を有
する。配列6は配列4に対して一塩基を除いて相補的な
配列を有し、5’端および3’端に水酸基を有する。従
って、配列4と配列5によって全ての塩基対がマッチし
たhybrid DNAが形成され、配列4と配列6によって
一塩基対のミスマッチを含有するhybrid DNAが形成
され得る(図7)。まず、配列4と配列5各々5pmole、
および配列4と配列6各々5pmoleを本キットに含まれる
緩衝液(hybridisation buffer)15μL中に含有させ、
95℃にて5分加温した後、室温にて10分間放置する
ことによってハイブリダイゼーションを実施した。次い
で、本キットに含まれる緩衝液(enzyme dilution buffe
r)で希釈した本キットに含まれるT4 エンドヌクレア
ーゼ VII溶液5μLを上記hybrid DNAに添加し、
37℃にて30分インキュベートした。等量の95%ホ
ルムアミド、10mM EDTA(pH8.0)、0.02%メチルバイオレ
ット溶液を添加して反応停止させ、80℃にて2分加温
して二本鎖DNAを変性させた後、4μL(各々のオリ
ゴマーDNA 0.5pmole相当)を直ちに7M尿素含有2
0%アクリルアミドゲルにて電気泳動を行った。電気泳
動パターンの検出は蛍光イメージアナライザーFMBIO II
Multi-View(日立ソフトウエアエンジニアリング)に
て505nmの蛍光検出用フィルターを使用してFITCの
蛍光を検出することによって行った。
【0063】その結果、図8に示した通り、配列4およ
び配列5とからなるhybrid DNA(ミスマッチ無し)
では見られないバンドが、配列4および配列6とからな
るhybridDNA(ミスマッチ有り)においては観察され
(図8 矢印B)、これはミスマッチ部位近傍にてT4
エンドヌクレアーゼ VIIによって配列4のオリゴマ
ーDNAが切断された結果生じたDNA断片であると考
えられた。図8のレーン1から4は、配列4と配列5を
用いて上記操作を行ったもので、同一サンプルを4つの
レーンで泳動した。また矢印Aは、T4エンドヌクレア
ーゼVIIによって切断されていない隠宅となプローブ
(配列4)である。。図8のレーン5から8は、配列4
と配列6を用いて上記操作を行ったもので同一サンプル
を4つのレーンで泳動した。
【0064】
【実施例5】本発明の変異検出法の原理を図9に示し
た。実施例4において二種のオリゴマーDNAからなる
二本鎖DNAに含まれる塩基対のミスマッチが、T4
エンドヌクレアーゼ VIIによるミスマッチ部位にお
ける切断、および変性ゲル電気泳動による切断断片の確
認によって検出され得ることが示された。本発明は、T
4 エンドヌクレアーゼ VIIによるミスマッチ部位に
おける切断の後、電気泳動を行うことなく均一系にて検
出する方法を提供する。T4 エンドヌクレアーゼ VI
Iによるミスマッチ部位における切断の結果、リン酸基
を有する5’陥没末端を生じ、さらにλエキソヌクレア
ーゼによってこの5’端からプローブの消化が行われ、
それに伴ってプローブに含有させた2−アミノプリンの
遊離が起こり、増大する蛍光を検知することによって変
異の有無を検出するものである。
【0065】そこで、本発明の実施に先立ち、ミスマッ
チを有する二本鎖DNAとミスマッチを有しない二本鎖
DNAにT4 エンドヌクレアーゼ VIIとλエキソヌ
クレアーゼを併用したときの断片化を電気泳動を用いて
確認した。
【0066】配列4と配列5各々5pmole、および配列4
と配列5各々5pmoleを本キットに含まれる緩衝液(hybri
disation buffer) 15μL中に含有させ、95℃にて
5分加温した後、室温にて10分間放置することによっ
てハイブリダイゼーションを実施した(図7)。次い
で、PASSPORT(TM) Mutation Scanning Kit (Amersham P
harmacia)に含まれる緩衝液 (Enzyme dilution buffer)
で希釈した本キットに含まれるT4 エンドヌクレアー
ゼ VII溶液5μLを上記hybrid DNAに添加し、3
7℃にて30分インキュベートした。更に、10μgの
グリコーゲン、10%容量の5M 酢酸カリウム、2.5
倍容量のエタノールを添加し、−70℃にて5分間冷却
した後遠心を行って得られたDNAペレットを70%エ
タノールで2回洗浄し、風乾させた。このDNAペレッ
トを溶解し、67mM glycine/NaOH(pH9.0)、2mM MgCl2、0
U, 3.4Uまたは6.8U λエキソヌクレアーゼ(GibcoBRL)
を含む反応液20μL中にて、37℃で10分間インキ
ュベートし、等量の反応停止液(95%ホルムアミド、
10mM EDTA(pH8.0)、0.02%メチルバイオレット)を添加
して反応停止させ、80℃にて2分加温して二本鎖DN
Aを変性させた後、4μL(各々のオリゴマーDNA
0.5pmole相当)を直ちに7M尿素含有20%アクリルアミ
ドゲルにて電気泳動を行った。電気泳動パターンの検出
は蛍光イメージアナライザーFMBIO II Multi-View(日
立ソフトウエアエンジニアリング)にて505nmの蛍光検
出用フィルターを使用して実施した。
【0067】λエキソヌクレアーゼとのインキュベーシ
ョンにより、ミスマッチのある配列4と配列6からなる
hybrid DNAにおいては、T4 エンドヌクレアーゼ
VIIの切断によって生じたDNA断片(矢印B)がさ
らにλエキソヌクレアーゼによって消化され、その消化
産物である鎖長のさらに短いDNA断片が生じた。しか
し、ミスマッチのない配列4と配列5からなるhybrid
DNAにおいては、λエキソヌクレアーゼによる消化は
最小限であった。
【0068】図10は、配列4と配列5がハイブリダイ
ゼーションしたもの(ミスマッチ無し)にλエキソヌク
レアーゼを無添加(レーン1)、1.7U/reaction(レー
ン2)、3.4U/reaction(レーン3)添加したものおよ
び、配列4と配列6がハイブリダイゼーション(ミスマ
ッチ有り)にλエキソヌクレアーゼを無添加(レーン
4)、1.7U/reaction(レーン5)、3.4U/reaction(レ
ーン6)添加したものを示す。
【0069】また、矢印Aは、配列4と配列5がハイブ
リダイゼーションしたバンド、矢印Bは、配列4と配列
6がハイブリダイゼーションしたものがT4 エンドヌ
クレアーゼ VIIによって切断された結果生じたDN
A断片である。
【0070】λエキソヌクレアーゼとのインキュベーシ
ョンにより、ミスマッチのある配列4と配列6からなる
hybrid DNAにおいては、T4 エンドヌクレアーゼ
VIIの切断によって生じたDNA断片(矢印B)がさ
らにλエキソヌクレアーゼによって消化され、その消化
産物である鎖長のさらに短いDNA断片が生じた。しか
し、ミスマッチのない配列4と配列5からなるhybrid
DNAにおいては、λエキソヌクレアーゼによる消化は
最小限であった。
【0071】
【実施例6】実施例5において使用された配列4のオリ
ゴマーDNAの代わりに2−アミノプリンを含むオリゴ
マーDNAを用いれば、λエキソヌクレアーゼによるオ
リゴマーDNAの消化を電気泳動を行うことなく蛍光の
増大を観察することによって知ることが可能となる。
【0072】そこで蛍光物質として2−アミノプリンを
用い、本発明の実施を行った。配列7は一部のアデニン
残基が2−アミノプリンに置換されている以外は配列4
と同じ配列を有する。配列7と配列5各々5pmole、およ
び配列7と配列6各々5pmoleを本キットに含まれる緩衝
液(hybridisation buffer)15μL中に含有させ、95
℃にて5分加温した後、室温にて10分間放置すること
によってハイブリダイゼーションを実施した(図1
1)。次いで、PASSPORT(TM) Mutation Scanning Kit
(Amersham Pharmacia)に含まれる緩衝液 (Enzyme dilut
ion buffer)で希釈した本キットに含まれるT4エンド
ヌクレアーゼ VII溶液5μLを上記hybrid DNA溶
液に添加し、37℃にて30分インキュベートした。更
に、10μgのグリコーゲン、10%容量の5M 酢酸カ
リウム、2.5倍容量のエタノールを添加し、−70℃
にて5分間冷却した後遠心を行って得られたDNAペレ
ットを70%エタノールで2回洗浄し、ペッレトを風乾
させた。このDNAペレットを溶解し、20μLの67mM
glycine/NaOH(pH9.0)、2mM MgCl2、6.8U λエキソヌク
レアーゼ(GibcoBRL)の反応液に含ませ、37℃にて0
分(λエキソヌクレアーゼ添加後直ちに反応を停止)お
よび10分間インキュベートし、80μLの0.1M EDTA
(pH8.0)を添加して65℃にて15分間加温することに
よって反応停止および酵素の不活化を行った。次いで、
TE緩衝液(10mM Tris-HCl(pH8.0)、1mM EDTA)600
μLを添加し、Hitachi Fluorescence Spectrometer 65
0-10Sにて蛍光を測定した(励起波長310nm, slit 10n
m、蛍光波長360nm、slit 10nm)。
【0073】その結果、図12に示した通り、配列7お
よび配列5からなるhybrid DNAをλエキソヌクレア
ーゼとインキュベーションを行った際の蛍光強度の増大
と比較して、配列7および配列6からなるhybrid DN
Aにおける蛍光強度の増大は顕著であり、本発明によっ
て、二本鎖DNA中の塩基対のミスマッチの有無を均一
測定系にて簡便に検出し得ることが示された。
【0074】
【実施例7】さらに、本発明の別の態様である制限酵素
認識配列の有無を制限酵素処理後に電気泳動を行うこと
なく、均一測定系にて簡便に検出できるか確認した。
【0075】配列8および配列9のオリゴマーDNAは
互いに相補的な配列を有しており、配列9は一部のアデ
ニン塩基が2−アミノプリンに置換されている。各オリ
ゴマーDNA1000pmole、50mM Tris-HCl(pH8.0)、0.1mM
EDTA、100mM NaClを含む50μLの溶液を90℃に
て5分インキュベートし、次いで30分かけて37℃ま
で温度を徐々に下降させ、さらに37℃にて30分イン
キュベートしてhybridDNAを形成させた(図13)。
このhybrid DNA 2.5μL(各オリゴマーDNA50
pmol相当)を、20μLの1X H緩衝液(宝酒造)、約10
Uの制限酵素PstIまたはEcoRIを含む反応液中にて37℃
で30分間インキュベートした。65℃にて15分間加
温することによって酵素を失活させた後、1μL(各オ
リゴマーDNA5pmol相当)を20μLの67mM glycine/
NaOH(pH9.0)、2mM MgCl2、6.8Uλエキソヌクレアーゼ
(GibcoBRL)の反応液に含ませ、37℃にて0,5,1
0,20分インキュベートし、0.1M EDTA 80μLを加
え、速やかに70℃にて10分インキュベートすること
によって反応を停止させ、酵素の不活化を行った。TE
緩衝液(10mM Tris-HCl(pH8.0)、1mM EDTA)600μL
を添加し、Hitachi Fluorescence Spectrometer 650-10
SにてDNAおよび酵素を含まないこと以外は同じ成分
組成を有する緩衝液を盲検として蛍光を測定した(励起
波長310nm,slit 10nm、蛍光波長360nm、slit 10nm)。
【0076】その結果、図14に示したとおり、制限酵
素PstIによる切断によって、2−アミノプリンを含むD
NA鎖に5’陥没末端が生じ、続くλエキソヌクレアー
ゼによって2−アミノプリンがモノヌクレオチドとして
遊離し、その結果有意な蛍光シグナルの上昇が認められ
た。一方、EcoRIで処理されたDNAは5’陥没末端が
生じないので、λエキソヌクレアーゼに対する感受性が
低く、2−アミノプリンがモノヌクレオチドとして遊離
せず、その結果蛍光シグナルの増大は最小限となった。
このことから、本発明によって、制限酵素認識配列の有
無を制限酵素処理後に電気泳動を行うことなく、均一測
定系にて簡便に検出できることが示された。
【0077】
【実施例8】本発明におけるエンドヌクレアーゼを用い
ない場合に使用されるウェルナーシンドローム遺伝子産
物(WRNタンパク質)を用いた変異の検出について検
討した。
【0078】(WRNタンパク質の発現および精製)C
末端側にポリヒスチジン配列を付加したWRNタンパク
質を昆虫細胞にて発現し、ニッケルを固定した担体を用
いたカラムクロマトグラフィー法にてこれを精製した。
この昆虫細胞での発現方法及びポリヒスチジンとニッケ
ルの親和性を利用した精製方法は公知であり、広く一般
に用いられているものであるが、具体的にはNature Gen
etics 17, 100-103 (1997)等の文献を参照することがで
きる。より具体的には、全長のWRNタンパク質をコー
ドするcDNAをバキュロウイルスのトランスファーベクタ
ーpBlueBac4.5/V5-His TOPO(Invitrogen社)に挿入し
たものを、昆虫細胞Sf9に直鎖状バキュロウイルスDNAで
あるBac-N-Blue AcMNPVDNA(Invitrogen社)とともにCe
llFECTIN(Invitrogen社)を用いたリポゾ−ム法にてコ
トランスフェクションして得た組換えウイルスを、さら
にSf9細胞に感染させることによってC末端側にポリヒ
スチジン配列を付加させたWRNタンパク質を発現させ
た。WRNタンパク質を発現した細胞の溶解液より、Ni
-NTAアガロース(Qiagen社)を用いてWRNタンパク質の
精製を行った。SDS-PAGE解析によると、精製物の純度は
90%以上であった。
【0079】(変異検出アッセイ)WRNタンパク質お
よび2−アミノプリン含有オリゴヌクレオチドプローブ
を用いた変異検出アッセイは以下のように実施した。2
−アミノプリンを含むオリゴヌクレオチド(配列10)
100pmolおよび配列10と完全に相補的な配列を有する
オリゴヌクレオチド(配列11)100pmolまたは配列1
0と一部分相補的でない配列を有するオリゴヌクレオチ
ド(配列12)100pmolとを10μLの50mM Tris-HCl (pH
8.0)、0.1mM EDTA、100mM NaClの溶液中に含ませ、95
℃にて2分加温後、室温に30分放置することによって
ヘテロデュプレックスを形成させた(図15)。ただ
し、この場合の相補的とは、アデニンとチミン、グアニ
ンとシトシンの組合せに加えて、2−アミノプリンとチ
ミンの組合せも含める。続いて、このヘテロデュプレッ
クス溶液1μLを40mM Tris-HCl (pH7.4), 4mM MgCl2, 5
mM DTT, 100μg/mL BSA, 1mM ATP, 5ng WRNタンパク
質を含む10μLの反応液に含ませ、37℃にて60分ま
でインキュベーションを行った。37℃による反応終了
後、70℃にて15分加温することによって反応を停止
し、600μLのTE緩衝液を添加してHitachi Fluorescen
ce Spectrometer 650-10Sにて蛍光を測定した(励起波
長310nm, slit 10nm、蛍光波長360nm,slit 10nm)。
【0080】その結果、互いに完全に相補的な配列10
および配列11からなるヘテロデュプレックスの蛍光シ
グナルの上昇はわずかであったが、それに比べて、8塩
基対のミスマッチを含む配列10および配列12から成
るヘテロデュプレックスの蛍光シグナルは20分までの
間、反応時間に応じて大きく上昇し(図16)。二本差
DNAにミスマッチの存在するときのみ、2−アミノプ
リンを含むオリゴヌクレオチドが分解され、2−アミノ
プリンがポリヌクレオチド鎖から遊離されて蛍光シグナ
ルを発することが示された。
【0081】
【発明の効果】本発明によれば、均一測定系すなわち従
来の電気泳動やいわゆるBound/Free分離なども必要な
く、簡便に遺伝子変異の検出、制限酵素認識配列の検
出、特定配列の増幅検出および定量が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】5’陥没末端を有するhybrid DNAを示す図
である。(実施例1) 配列1はシグナル発生物質を含有するプローブである。
配列2は、相補的な配列を含むオリゴマーDNAでる。
【図2】5’陥没末端を有するhybrid DNAに対する
λエキソヌクレアーゼの効果を示す図である。(実施例
1)
【図3】5’陥没末端を有するhybrid DNAに対する
λエキソヌクレアーゼ量による効果を示す図である。
(実施例2)
【図4】hybrid DNAを示す図である。(実施例3) 配列3は、2−アミノプリンがアデニンに置換され、か
つ5’がリン酸化されていないことを除いては配列1と
同じ配列を有するオリゴヌクレオチドである。
【図5】hybrid DNAとss DNAに対するλエキソヌ
クレアーゼを作用させたときの効果を示す図である。
(実施例3)
【図6】T4エンドヌクレアーゼVIIを用いた変異検
出の原理を示す図である。(実施例4)
【図7】ミスマッチを形成しないhybrid DNAとミス
マッチを形成するhybrid DNAの配列を示す図であ
る。(実施例4) 配列4は5’端に水酸基を有し、3’端にFITC標識
が施されているオリゴマーDNAである。配列5は配列
4とミスマッチを形成しない配列を有するオリゴマーD
NAである。配列6は配列4とミスマッチを形成する配
列を有するオリゴマーDNAである。
【図8】ミスマッチを形成しないhybrid DNAとミス
マッチを形成するhybrid DNAの配列にT4エンドヌ
クレアーゼVIIを作用させた場合の電気泳動を示す図
である。(実施例4)
【図9】本発明の遺伝子変異検出の原理を示す図であ
る。(実施例5)
【図10】ミスマッチを形成しないhybrid DNAとミ
スマッチを形成するhybrid DNAの配列にλエキソヌ
クレアーゼ無添加の場合と添加した場合の電気泳動を示
す図である。(実施例5)
【図11】ミスマッチを形成しないhybrid DNAとミ
スマッチを形成するhybrid DNAの配列を示す図であ
る。(実施例6) 配列7は配列4の一部のアデニン残基を蛍光発生物質で
ある、2−アミノプリンに置換したものである。
【図12】ミスマッチを形成しないhybrid DNAとミ
スマッチを形成するhybrid DNAの配列にλエキソヌ
クレアーゼを作用させたときの効果を示す図である。
(実施例6)
【図13】相補的な配列のオリゴヌクレオチドによるhy
brid DNAを示す図である。(実施例7) 配列8はオリゴヌクレオチドであり、配列9は配列8と
相補的な配列を有し、一部のアデニン残基が2−アミノ
プリンに置換されたものである。
【図14】制限酵素の種類とシグナル発生の関係を示す
図である。(実施例7)
【図15】相補的な配列のオリゴヌクレオチドによるhy
brid DNAを示す図である。(実施例8) 配列10は2−アミノプリンを含むオリゴヌクレオチド
であり、配列11は配列10と相補的な配列を有するも
のである。配列12は配列10と8塩基対のミスマッチ
を含むオリゴヌクレオチドである。
【図16】変異(ミスマッチ)の有無とシグナル発生の
関係を示す図である。(実施例8)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B024 AA11 AA20 CA01 HA19 4B063 QA01 QA13 QA18 QQ42 QQ53 QR14 QR55 QS34

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 標的核酸の変異を検出するための均一測
    定系であって、シグナル発生物質を含むプローブを用
    い、変異を認めた場合にプローブからシグナル発生物
    質が遊離することにより、シグナルが検出可能となる機
    構を用いて変異を検出することを特徴とする遺伝子変異
    検出方法。
  2. 【請求項2】 (1)標的核酸とプローブをハイブリダ
    イゼーションさせて二本鎖の核酸を得る工程、(2)該
    二本鎖核酸について5’陥没末端または3’陥没末端を
    出現させる工程、および(3)プローブからシグナル発
    生物質が遊離することによりシグナルを検出する工程を
    含んでなる請求項1に記載の遺伝子変異検出方法。
  3. 【請求項3】 5’陥没末端または3’陥没末端を出現
    させる工程が、ハイブリダイゼーションにより得た二本
    鎖核酸が相補的でない部分を含む場合に、特異的に当該
    核酸を切断する機能を有するエンドヌクレアーゼによる
    ことを特徴とする請求項2に記載の遺伝子変異検出方
    法。
  4. 【請求項4】 エンドヌクレアーゼが、T4 ファージ
    エンドヌクレアーゼ VIIおよび/またはT7 フ
    ァージ エンドヌクレアーゼ Iおよび/または制限酵
    素であることを特徴とする請求項3に記載の遺伝子変異
    検出方法。
  5. 【請求項5】 プローブからシグナル発生物質が遊離す
    ることによりシグナルを検出する工程が、エキソヌクレ
    アーゼを用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    か1に記載の遺伝子変異検出方法。
  6. 【請求項6】 エキソヌクレアーゼが、5’エキソヌク
    レアーゼまたは3’エキソヌクレアーゼであることを特
    徴とする請求項5に記載の遺伝子変異検出方法。
  7. 【請求項7】 5’エキソヌクレアーゼがλエキソヌク
    レアーゼまたは3’エキソヌクレアーゼがエキソヌクレ
    アーゼIIIであることを特徴とする請求項6に記載の
    遺伝子変異検出方法。
  8. 【請求項8】 プローブと標的核酸をハイブリダイゼー
    ションさせて得た二本鎖核酸が相補的でない部分を含む
    場合に、該相補的でない部分を認識するタンパク質を作
    用させ、さらに、そのエキソヌクレアーゼ活性によっ
    て、シグナル発生物質を含むプローブを末端より消化さ
    せる工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の遺伝
    子変異検出方法。
  9. 【請求項9】 該相補的でない部分を認識するタンパク
    質が、5’エキソヌクレアーゼまたは3’エキソヌクレ
    アーゼ活性を有することを特徴とする請求項8に記載の
    遺伝子変異検出方法。
  10. 【請求項10】 該相補的でない部分を認識するタンパ
    ク質が、ウェルナーシンドローム遺伝子産物であること
    を特徴とする請求項8または9に記載の遺伝子変異検出
    方法。
  11. 【請求項11】 標的核酸として遺伝子増幅した核酸を
    用いることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1に
    記載の遺伝子変異検出方法。
  12. 【請求項12】 標的核酸と相補的な構造を有するシグ
    ナル発生物質を含有するプローブを用いることを特徴と
    する均一測定系であって、(1)該標的核酸と該プロー
    ブをハイブリダイゼーションさせ二本鎖の核酸を得る工
    程、(2)プローブからシグナル発生物質が遊離するこ
    とによりシグナルを検出する工程、(3)エキソヌクレ
    アーゼにより短縮した場合に、プローブ核酸がある一定
    の長さになると標的核酸からプローブが解離する工程、
    (4)工程(1)から(3)を繰り返すことを特徴とす
    る核酸の検出方法。
  13. 【請求項13】プローブに含まれるシグナル発生物質が
    標的核酸と相補的に結合できる物質であることを特徴と
    する請求項1〜12のいずれか1に記載の遺伝子変異ま
    たは核酸の検出方法。
  14. 【請求項14】シグナル発生物質がフォルマイシン(fo
    rmycin)、2−アミノプリン(2-aminopurine)、2,
    6−ジアミノプリン(2,6-diaminopurine)から選択
    される1または2以上の化合物を含むことを特徴とする
    請求項1〜13のいずれか1記載の遺伝子変異または核
    酸の検出方法。
  15. 【請求項15】シグナルを検出する機構がシグナル発生
    物質がモノヌクレオチドとして遊離することを特徴とす
    る請求項1〜14のいずれか1に記載の遺伝子変異また
    は核酸の検出方法。
  16. 【請求項16】 変異が標的核酸の末端部分でない箇所
    に認められた場合の標的核酸の変異を検出するための均
    一測定系であって、プローブ中のシグナル発生物質がシ
    グナル発生標識物質および当該シグナルの発生を有効に
    減弱させるように配置されていることを特徴とする請求
    項1〜12のいずれか1に記載の遺伝子変異検出方法。
  17. 【請求項17】 請求項1〜16のいずれか1に記載の
    方法を用いることを特徴とする制限酵素認識配列の検出
    方法。
  18. 【請求項18】請求項1〜17のいずれか1に記載のプ
    ローブを含むことを特徴とする遺伝子変異検出、制限酵
    素認識配列の検出または特定配列を有する核酸の定量ま
    たは検出に使用するキット。
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