JP2008539761A - スナップバックオリゴヌクレオチドプローブ - Google Patents
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Abstract
本発明は、増幅反応中に特定の核酸配列を検出するための組成物および方法に関する。本発明はさらに核酸配列を検出するための前記組成物のキットの構成に関する。本発明のスナップバックオリゴヌクレオチドプローブは標的結合配列、ヘアピン形成配列、およびレポーター結合配列を含む。核酸ポリメラーゼまたはフラップエンドヌクレアーゼの作用は、ヘアピン形成配列およびレポーター結合配列を含むプローブの「スナップバック断片」を開裂し、プローブに「スナップバック」をもたらし、ヘアピン構造を形成する。核酸ポリメラーゼまたはフラップエンドヌクレアーゼの他の作用は、レポーター結合配列にハイブリダイズしたレポーターオリゴヌクレオチドから標記部分を開裂して外し、検出可能なシグナルをもたらす。
【選択図】なし
【選択図】なし
Description
本発明は、核酸配列を検出するためのプローブに関する。
ポリ核酸を検出するための技術は、基礎研究、診断および法医学において広範な用途を見出した。ポリ核酸の検出は多くの方法によって行うことができる。大部分の方法は、標的DNAの量を増幅するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の使用による。
TaqMan(商標)アッセイはポリ核酸類を検出するためのホモジニアスアッセイである(米国特許第5,723,591号参照)。このアッセイにおいて、2つのPCRプライマーが中央のプローブオリゴヌクレオチドの両端に位置している。プローブオリゴヌクレオチドは蛍光体(fluorophore)および消光剤(quencher)を含む。PCRプロセスの重合段階において、ポリメラーゼの5’ヌクレアーゼ活性はプローブオリゴヌクレオチドを開裂し、それにより蛍光体部分が消光剤から物理的に分離し、蛍光発光を増大させる原因となる。より多くのPCR産物が作りだされるにしたがい、新たな波長での発光強度が増大する。
分子ビーコンは、TaqManに代わるポリヌクレオチドを検出するための方法である(米国特許第6,277,607号、第6,150,097号、および第6,037,130号)。分子ビーコンは、完全に一致する鋳型に結合すると立体構造変化を受けるオリゴヌクレオチドヘアピンである。オリゴヌクレオチドの立体構造変化は、オリゴヌクレオチド上に存在する蛍光体部分と消光剤部分との間の物理的距離を増大させる。この物理的距離の増大は、消光剤の効果を減少させ、したがって蛍光体から誘導されるシグナルを増大させる。
隣接プローブ法(adjacent probes method)は、標的配列の隣接する領域にハイブリダイズする2つの核酸プローブの存在下、ポリメラーゼ連鎖反応により標的配列を増幅し、プローブの一方は受容器蛍光体により標識され、他方のプローブは蛍光エネルギー伝達対(fluorescence energy transfer pair)のドナー蛍光体により標識されている。2つのプローブと標的配列のハイブリダイゼーションにおいて、ドナー蛍光体は受容器蛍光体と相互作用し、検出可能なシグナルを生成する。次に試料は、ドナー蛍光体により吸収された波長の光で励起し、蛍光エネルギー伝達対からの蛍光発光が標的の量を測定するために検出される。米国特許第6,174,670Bl号はかかる方法を開示している。
サンライズプライマー(Sunrise primer)は、分子ビーコンに類似するヘアピン構造を利用するが、プライマーとしての役目を果たす標的結合配列に結合している。プライマーの相補鎖を合成するときに、ヘアピン構造が崩壊し、それにより消光が除かれる。これらのプライマーは増幅産物を検出し、5’エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼの使用を必要としない。サンライズプライマーは、Nazarenko等(Nucleic Acids Res. 25:2516−21(1997))により、および米国特許第5,866,336号において記載されている。
スコーピオンプローブ(Scorpion probe)は、サンライズプライマーに類似し、プライマーと添加されたヘアピン構造を組み合わせている。しかし、スコーピオンプローブのヘアピン構造は相補鎖の合成により開くのではなく、ヘアピン構造の一部とプライマーにハイブリダイズする部分から下流にある標的の一部とのハイブリダイゼーションにより開く。
DzyNA−PCRには、DNAzymeのアンチセンス配列を含むプライマー、特定のRNAリン酸ジエステル結合を開裂することが可能なオリゴヌクレオチドが関与する。該プライマーは標的配列に結合し、活性なDNAzymeを含む単位複製配列を生成する増幅反応を促進する。次に活性なDNAzymeは反応混合物中で、一般のレポーターの基質を開裂する。レポーターの基質は、蛍光体−消光剤の対を含み、基質の開裂は、標的配列の増幅とともに増加する蛍光シグナルを生成する。DzyNA−PCRは、Todd等のClin.Chem. 46:625−30(2000)、および米国特許第6,140,055号に記載されている。
(発明の概要)
本発明は新規な組成物および核酸検出方法に関する。
本発明は新規な組成物および核酸検出方法に関する。
本発明は、標的核酸配列を検出するためのオリゴヌクレオチドプローブを提供する。該プローブは標的結合配列、ヘアピン形成配列、およびレポーター結合配列を含む。ヘアピン形成配列およびレポーター結合配列を含むプローブの部分は、プローブが標的核酸に結合すると開裂構造を形成する。開裂構造は核酸ポリメラーゼまたはフラップエンドヌクレアーゼの作用により開裂し、ヘアピン形成配列およびレポーター結合配列を含む部分を遊離する。標的核酸からその部分を遊離した後、ヘアピン形成配列はヘアピン構造を形成する。いくつかの実施形態においては、ヘアピン構造を開裂前に形成し得るが、その後の開裂より狭い範囲で形成することもできる。核酸ポリメラーゼによるヘアピン構造のステムの伸長はレポーターからの標識部分の遊離をもたらし、検出可能なシグナルとなる。本発明のプローブは、それぞれの標的配列が増幅すると、蛍光発光の増大等の検出可能なシグナルを生成する。
いくつかの実施形態において、レポーター結合配列の3’末端は上記ヘアピン形成配列の5’末端に共有結合しており、ヘアピン形成配列の3’末端は上記標的結合配列の5’末端に共有結合している。場合によって、レポーター結合配列の3’末端とヘアピン形成配列の5’末端の間にリンカー配列が散在していてもよい。好ましくはかかるリンカーは、存在する場合、約3ヌクレオチドである。
別の実施形態において、上記オリゴヌクレオチドプローブは、オリゴヌクレオチドプローブのレポーター結合配列に結合するレポーターオリゴヌクレオチドにハイブリダイズする。ある実施形態において、レポーターオリゴヌクレオチドは相互作用する標識対を含み、その一方の標識部分が消光剤であり、他方の標識部分が蛍光体である。蛍光体は、レポーターオリゴヌクレオチドが上記オリゴヌクレオチドプローブのレポーター結合領域に結合していると、消光し、核酸ポリメラーゼまたはフラップエンドヌクレアーゼの作用によりレポーターオリゴヌクレオチドが開裂すると消光しない。
本発明はまた、核酸増幅産物を検出する方法を提供する。1つの実施態様は、レポーターオリゴヌクレオチドにハイブリダイズする本発明のオリゴヌクレオチドプローブの存在下で、標的核酸配列を増幅することを含む方法である。増幅段階は、標的核酸配列および5’から3’エキソヌクレアーゼ活性を有する核酸ポリメラーゼに特異的な一対のプライマーを用いて行う。ある実施態様においては、フラップエンドヌクレアーゼも増幅の間に存在する。いくつかの実施態様において、核酸ポリメラーゼは5’から3’エキソヌクレアーゼ活性を欠如し、フラップエンドヌクレアーゼは増幅の間に存在する。該方法は、レポーターオリゴヌクレオチドからの標識部分の開裂により生成したシグナルを検出する段階を含む。シグナルの検出は、標的配列から誘導された増幅産物の検出を示す。
本発明は、さらに試料中の標的配列を定量する方法を提供する。該方法は、(1)試料中の標的核酸配列を前段落に記載の方法により検出する段階、および(2)シグナルを標準曲線と比較して試料中の標的配列の量を求める段階を含む。この方法のいくつかの実施態様において、検出段階は、ポリメラーゼ連鎖反応等の増幅方法を用いて、例えば「リアルタイム」PCRを行うことにより、試料から標的配列を含む核酸を増幅するのと同時に行う。
本発明はまた、多形部位において標的配列が1種または2種以上の核酸により異なるときの、試料中の第1および第2の核酸標的配列間の識別方法を提供する。該方法は、(1)第1の標的配列に完全に相補的な標的結合配列を有する第1のオリゴヌクレオチドプローブを用いる上記方法により、試料中の第1の標的核酸配列を検出する段階;(2)第2の標的配列に完全に相補的な標的結合配列を有する第2のオリゴヌクレオチドプローブを用いる上記方法により、試料中の第2の標的核酸配列を検出する段階;および(3)上記第1のプローブまたは上記第2のプローブが検出可能なシグナルを生成するかどうかを測定し、それにより第1若しくは第2の標的配列のいずれかまたは両方の混合物の存在を検出する段階を含む。いくつかの実施態様において、試料中に存在する、異なる形態の配列(例えば、2つ以上の対立遺伝子、野生型、突然変異等)の量を定量的に測定するために、この方法を採用することができる。例えば、第1のプローブおよび第2のプローブのシグナルを標準曲線と比較し、試料中の第1および第2の標的配列の量を得ることができる。
第1若しくは第2の核酸標的配列が試料中に存在するかどうかを判定する上記方法の変形は、それぞれの標的配列の増幅において識別可能なシグナルを生成する第1および第2のプローブを利用する。例えば、該プローブはそれぞれ特徴的な発光波長を有する2つの異なる蛍光体を用いることができる。この方法において、多型座における2つ以上の変異を同時に検出または定量することができる。
本発明はまた、核酸増幅の産物を検出するためのキットを提供する。該キットは、本発明のオリゴヌクレオチドプローブ、そのための包装、およびプローブを使用するための説明書を含む。該キットは、場合によって、本発明のレポーターオリゴヌクレオチドも含む。該キットの他の任意構成要素は、1種または2種以上の標的核酸配列に特異的なプライマー、1種または2種以上の核酸ポリメラーゼ、フラップエンドヌクレアーゼ、およびヌクレオチド基質を含む緩衝液または反応混合物である。
本発明の他の特徴および利点、並びに他の実施態様は、以下の実施態様およびその図面の記載、並びにクレームから一層完全に明らかとなる。
(発明の詳細な説明)
定義
本明細書で使用される「ポリヌクレオチド」は、1つのヌクレオチドのペントースの3’位が次のヌクレオチドのペントースの5’位にホスホジエステル結合により結合している、ヌクレオチドの共有結合配列(すなわち、RNA用のリボヌクレオチドおよびDNA用のデオキシヌクレオチド)をいう。用語「ポリヌクレオチド」は一本鎖および二本鎖のポリヌクレオチドを含む。本明細書で使用される用語「ポリヌクレオチド」は、ポリヌクレオチドの化学的に、酵素的に、または代謝的に修飾された形態を包含する。「ポリヌクレオチド」は、しばしばオリゴヌクレオチド(例えば、プライマーまたはプローブ)と呼ばれる短鎖ポリヌクレオチドも含む。ポリヌクレオチドホスホジエステル結合は、置換基モノヌクレオチドのペントース環の5’炭素と3’炭素の間で起こるため、ポリヌクレオチドは「5’末端」および「3’末端」を有する。新たな結合が5’炭素に対してであるポリヌクレオチドの末端は、その5’末端ヌクレオチドである。新たな結合が3’炭素に対してであるポリヌクレオチドの末端は、その3’末端ヌクレオチドである。本明細書で使用される「末端ヌクレオチド」とは、3’末端または5’末端の末端部のヌクレオチドをいう。本明細書で使用される、ポリヌクレオチド配列は、たとえ大きなポリヌクレオチドの内部(例えば、ポリヌクレオチド内の配列領域)であっても、5’末端および3’末端を有するともいえる。
定義
本明細書で使用される「ポリヌクレオチド」は、1つのヌクレオチドのペントースの3’位が次のヌクレオチドのペントースの5’位にホスホジエステル結合により結合している、ヌクレオチドの共有結合配列(すなわち、RNA用のリボヌクレオチドおよびDNA用のデオキシヌクレオチド)をいう。用語「ポリヌクレオチド」は一本鎖および二本鎖のポリヌクレオチドを含む。本明細書で使用される用語「ポリヌクレオチド」は、ポリヌクレオチドの化学的に、酵素的に、または代謝的に修飾された形態を包含する。「ポリヌクレオチド」は、しばしばオリゴヌクレオチド(例えば、プライマーまたはプローブ)と呼ばれる短鎖ポリヌクレオチドも含む。ポリヌクレオチドホスホジエステル結合は、置換基モノヌクレオチドのペントース環の5’炭素と3’炭素の間で起こるため、ポリヌクレオチドは「5’末端」および「3’末端」を有する。新たな結合が5’炭素に対してであるポリヌクレオチドの末端は、その5’末端ヌクレオチドである。新たな結合が3’炭素に対してであるポリヌクレオチドの末端は、その3’末端ヌクレオチドである。本明細書で使用される「末端ヌクレオチド」とは、3’末端または5’末端の末端部のヌクレオチドをいう。本明細書で使用される、ポリヌクレオチド配列は、たとえ大きなポリヌクレオチドの内部(例えば、ポリヌクレオチド内の配列領域)であっても、5’末端および3’末端を有するともいえる。
本発明によるポリヌクレオチドは、ロックド核酸(LNA;locked nucleic acid)、ペプチド核酸(PNA)等を含む修飾ポリヌクレオチドを含んでいてもよい。PNAはポリアミドタイプのDNA類似体であり、アデニン、グアニン、チミン、およびシトシンの単量体単位が市販されている(Applied Biosystems,Inc., Foster City, カリフォルニア)。DNAのある成分、例えば、リン、酸化リン、またはデオキシリボース誘導体はPNA中に存在しない。Nielsen等のScience 254,1497(1991)およびEgholm等のNature 365,666(1993)により開示されているように、PNAは相補的DNA鎖に特異的に、かつ堅く結合し、ヌクレアーゼにより分解されない。PNA/DNA二本鎖はDNA/DNA二本鎖に比べ、より広い範囲の厳密な条件下で結合し、多重ハイブリダイゼーションを容易に達成する。結合が強力であるため、DNAより小さなプローブを用いることができる。PNA/DNA15量体中の1つのミスマッチは融点(Tm)を8〜20℃低下させるのに対し、対応するDNA/DNA15量体の二本鎖については融点を4〜16℃低下させる。PNA中に荷電基が存在しないことは、低イオン強度でのハイブリダイゼーションを可能にする。LNAの合成および特性が、Koshkin等のTetrahedron,54,3607−3630(1998)およびWengelの米国特許第6,794,499号に記載されている。LNA含有オリゴヌクレオチドは市販で、例えば、Proligo,LLP(Boulder,コロラド)から入手することができる。
さらに、本発明のポリヌクレオチドは、特に限定されず、5−フルオロウラシル、5−ブロモウラシル、5−クロロウラシル、5−ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4−アセチルシトシン、5−(カルボキシヒドロキシルメチル)ウラシル、5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウリジン、5−カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、β−D−ガラクトシルキューオシン(queosine)、イノシン、N6−イソペンテニルアデニン、1−メチルグアニン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチルグアニン、2−メチルアデニン、2−メチルグアニン、3−メチルシトシン、5−メチルシトシン、N6−アデニン、7−メチルグアニン、8−アザグアニン、5−メチルアミノメチルウラシル、5−メトキシアミノメチル−2−チオウラシル、β−D−マンノシルキューオシン、5’−メトキシカルボキシメチルウラシル、5−メトキシウラシル、2−メチルチオ−N6−イソペンテニルアデニン、ウラシル−5−オキシ酢酸、ワイブトキソシン(wybutoxosine)、プソイドウラシル、キューオシン、2−チオシトシン、5−メチル−2−チオウラシル、2−チオウラシル、4−チオウラシル、5−メチルウラシル、ウラシル−5−オキシ酢酸メチルエステル、5−メチル−2−チオウラシル、3−(3−アミノ−3−N−2−カルボキシプロピル)ウラシル、および2,6−ジアミノプリンを含む群から選択される1種または2種以上の修飾された塩基を含んでもよい。
本明細書で使用される、用語「オリゴヌクレオチド」は短いポリヌクレオチド、典型的には150ヌクレオチド以下の長さ(例えば、2から150ヌクレオチド、好ましくは10から100ヌクレオチド、より好ましくは15から50ヌクレオチドの長さ)をいう。しかし、本明細書で使用される該用語は、より長いまたはより短いポリヌクレオチド鎖を包含することも意図している。1つの「オリゴヌクレオチド」は他のポリヌクレオチドにハイブリダイズすることができ、したがって、ポリヌクレオチド検出用のプローブ、またはポリヌクレオチド鎖伸長用のプライマーとしての役目を果たす。
本明細書で使用される、用語「相補的」は2つのポリヌクレオチド鎖の領域間、または同じポリヌクレオチド鎖の2つの領域間の配列相補性の概念をいう。第1のポリヌクレオチド領域のアデニン塩基は、塩基がチミンまたはウラシルの場合に第1の領域に対し逆平行である第2のポリヌクレオチド領域の塩基と特定の水素結合(「塩基対合」)を形成できることが知られている。同様に、第1のポリヌクレオチド鎖のシトシン塩基は、塩基がグアニンの場合に第1の鎖に対し逆平行である第2のポリヌクレオチド鎖の塩基と塩基対合を形成できることが知られている。ポリヌクレオチドの第1の領域は同一または異なるポリヌクレオチドの第2の領域に対し、2つの領域が逆平行に配置されている場合に、第1の領域の少なくとも1つのヌクレオチドが第2の領域の塩基と塩基対合できれば相補的である。したがって、2つの相補的なヌクレオチドがすべてのヌクレオチドの位置で塩基対合する必要はない。「相補的」は、第1のポリヌクレオチドが第2のポリヌクレオチドに対し、100%または「完全に」相補的であり、かつすべてのヌクレオチドの位置で塩基対合を形成するということができる。「相補的」はまた、100%相補的でない(例えば、90%、80%、70%以下の相補性)第1のポリヌクレオチドが、1つまたは2つ以上のヌクレオチド位置でのミスマッチヌクレオチドを含むということができる。
本明細書で使用される、用語「ハイブリダイゼーション」または「結合」は、相補的な(部分的に相補的な場合を含む)ポリヌクレオチド鎖の対合を表すのに用いられる。ハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーションの強さ(すなわち、ポリヌクレオチド鎖間の関連性の強さ)は、ポリヌクレオチド間の相補性の程度、関連する条件の厳しさ、形成されたハイブリッドの融点(Tm)、他の成分の存在(例えば、ポリエチレングリコールの有無)、ハイブリダイズする鎖のモル濃度、およびポリヌクレオチド鎖のG:C含量を含む、当該技術分野においてよく知られている多くの要因により影響を受ける。
本明細書で使用される、1つのポリヌクレオチドが、別のポリヌクレオチドに「ハイブリダイズ」するというとき、2つのポリヌクレオチド間にある程度の相補性が存在すること、または2つのポリヌクレオチドが高度に厳密な条件下でハイブリッドを形成することを意味する。1つのポリヌクレオチドが別のポリヌクレオチドにハイブリダイズしないというとき、2つのポリヌクレオチド間の配列相補性が本質的にないか、または高度に厳密な条件下でハイブリッドが2つのポリヌクレオチド間に形成されないことを意味する。1つの実施態様において、高度に厳密なハイブリダイゼーション条件下で、2つの相補的ポリヌクレオチドが互いにハイブリダイズすることができる。厳密な条件下でのハイブリダイゼーションは、典型的には高度に厳密な条件下で膜ハイブリダイゼーション(例えば、ノーザンハイブリダイゼーション)により確立され、5×SSC、5×デンハート溶液中、1%SDS、65℃における放射性標識プローブとのインキュベーションとして定義される。膜ハイブリダイゼーションについて、以下の厳密な洗浄を行う:膜を室温において、2×SSC/0.1%SDS中で、および65℃において0.2×SSC/0.1%SDS中で、各洗浄をそれぞれ10分間行い、フィルムに暴露する。
本明細書で使用される、「プライマー」は、上記で定義された「オリゴヌクレオチド」の長さの制限を有するか、含み、かつ標的ポリヌクレオチドに相補的な配列を有するか、含み、ヌクレオチドをオリゴヌクレオチドプライマーに組み込むための伸長(延長)反応を開始する塩基対合により、標的ポリヌクレオチドにハイブリダイズする、オリゴヌクレオチドの1つのタイプをいう。開始または伸長のための条件は、4つの異なるデオキシリボヌクレオチド三リン酸、および好適な緩衝液(「緩衝液」は補因子であるかまたはpH、イオン強度等に影響を及ぼす置換基を含む)中および好適な温度における、DNAポリメラーゼ、逆転写酵素重合等の重合誘導剤の存在を含む。プライマーは増幅効率を最大にするために好ましくは一本鎖である。本発明に有用な「プライマー」は、一般に約10から1000個のヌクレオチドの長さ、好ましくは約14から50ヌクレオチドの長さであり、最も好ましくは約17から45ヌクレオチドの長さである。「増幅プライマー」は、プライマー伸長による標的配列の増幅のためのプライマーである。増幅反応を進めるのに特別な配列または構造を必要としないので、PCR用の増幅プライマーは標的結合配列のみからなってもよい。「プライマー領域」は、「オリゴヌクレオチドプローブ」または「架橋オリゴヌクレオチドプローブ」上の領域であり、塩基対合により標的核酸にハイブリダイズし、伸長反応を開始してヌクレオチドをオリゴヌクレオチドプライマーに組み込む。
本明細書で使用される、試料から「単離された」ポリヌクレオチドは、その正常な細胞環境から取り除かれた、該試料内で自然に発生するポリヌクレオチド配列である。したがって、「単離された」ポリヌクレオチドは、無細胞溶液中にあっても、種々の細胞環境中に置かれてもよい。
本明細書で使用される、用語「量」は試料中の標的ポリヌクレオチドの量をいい、例えば、μg、μmolまたはコピー数で測定される。本発明において、ポリヌクレオチドの量は、かかるポリヌクレオチドにより放射される蛍光強度により測定され、参照のポリヌクレオチド、すなわち、既知量のポリヌクレオチドにより放射される蛍光強度と比較される。
本明細書で使用される、用語「相同性」は配列(ヌクレオチドまたはアミノ酸のいずれか)の最適な一致をいい、コンピュータ化されたアルゴリズムの実施により処理してもよい。「相同性」はポリヌクレオチドに関して、例えば、デフォルトのパラメター値を用いるBLASTNバージョン2.0を用いた分析により測定してもよい。「他のポリヌクレオチドとの相同性を共有しないプローブ」とは、デフォルトのパラメター値を用いるBLASTNバージョン2.0により測定するとき、ポリヌクレオチドに対する相同性が、20個以上のヌクレオチドの近接する領域において、55%以上ではなく、例えば50%未満、または45%未満、または40%未満、または35%未満であるプローブをいう。
本明細書で使用される「ヘアピン構造」は、場合によって、ループ配列により1つの末端において分離された二本鎖の「ステム」領域を形成してもよい2つの自己相補的配列を含む。二本鎖ステム領域を形成するレポーターオリゴヌクレオチドの2つの領域は、実質的に互いに相補的であり、自己ハイブリダイゼーションをもたらす。しかし、ステムは1つまたは2つ以上のミスマッチ、挿入、または欠失を含むことができる。本明細書で使用される「ヘアピン構造」は、さらに二本鎖ステム部分から伸長した1つまたは複数の一本鎖領域を含むことができる。
本明細書で使用される、「Tm」および「融点」は、二本鎖ポリヌクレオチド分子の母集団の50%が一本鎖に解離する温度である、互換性のある用語である。ポリヌクレオチドのTmを推定する式は当該技術分野においてよく知られている。例えば、Tmは以下の式により推定することができる:Tm=69.3+0.41×(G+C)%−650/L、ここで、Lはヌクレオチドにおけるプローブの長さである。ハイブリッドポリヌクレオチドのTmは、1Mの塩中でのハイブリダイゼーションアッセイから導入された式を用いても推定することができ、一般にPCRプライマーのためのTmの計算に用いられる。[(A+Tの数)×2℃+(G+Cの数)×4℃]、例えば、C.R.Newton等、PCR、第2版、Springer-Verlag(ニューヨーク:1997)、24頁を参照のこと。当該技術分野には構造および配列の特性をTmの計算について考慮する、他のより高度な計算が存在する。計算されたTmは、与えられたハイブリダイゼーション段階または解離段階についての妥当な温度を予測するのに用いることのできる単なる推定であり、最適な温度は一般に経験的に決められている。
本明細書で使用される「ヌクレオチド類似体」は、ペントース糖および/または1種または2種以上のリン酸エステルがそれらのそれぞれの類似体で置き換えられたヌクレオチドをいう。例示的なペントース糖類似体は、核酸類似体に関して前述されたものである。例示的なリン酸エステル類似体は、限定さないが、アルキルホスホナート、メチルホスホナート、ホスホロアミダート(phosphoramidate)、ホスホトリエステル、ホスホロチオアート、ホスホロジチオアート、ホスホロセレノアート、ホスホロジセレノアート、ホスホロアニロチオアート、ホスホロアニリダート(phosphoroanilidates)、ホスホロアミダート(phosphoroamidates)、ボロノホスフェート等であり、存在する場合は、関連する対イオンを含む。「ヌクレオチド類似体」の定義は、DNA/RNAリン酸エステルおよび/または糖リン酸エステル骨格が異なるタイプの結合に置き換えられる、ポリヌクレオチド類似体に重合することのできる核酸塩基単量体も含まれる。ヌクレオチド類似体はLNAまたはPNAであってもよい(上記参照)。
本明細書で使用される「試料」は、その天然の環境から単離され、ポリヌクレオチドを含む生物学的材料をいう。本発明による「試料」は精製または単離されたポリヌクレオチドからなってもよいし、ポリヌクレオチドを含む組織試料、生体液試料、または細胞サンプル等の生物学的試料を含んでいてもよい。生体液は、例えば、血液、血漿、唾液、尿、脳脊髄液、洗浄液、および白血球除去法試料であってよい。本発明の試料は、標的ポリヌクレオチドを含む植物、動物、細菌、またはウイルス材料であってもよい。本発明の有用な試料は、特に限定されず、例えば、異なる個体、異なる発育段階の同一または異なる個体、異なる罹患個体、正常個体、同一または異なる個体の異なる病期、異なる疾患の処置を受ける個体、異なる環境因子を受ける個体、病理に対する素因を有する個体、感染症(例えば、HIV)に曝されている個体を含む、異なるソースから得てもよい。有用な試料は、生体外培養組織、細胞、または他のポリヌクレオチド含有ソースから得てもよい。培養された試料は、特に限定されず、異なる培地および条件(例えば、pH、圧力、または温度)において培養された培養物(例えば、組織または細胞)、異なる期間培養された培養物(例えば、組織または細胞)、異なる要因または試薬(例えば、候補薬物、または分子)により処置された培養物(例えば、組織または細胞)、または異なるタイプの組織または細胞の培養物を含むソースから得てもよい。
本明細書で使用される「核酸ポリメラーゼ」は、ヌクレオチドの重合を触媒する酵素をいう。一般に、該酵素は核酸鋳型配列にアニールされたプライマーの3’末端において合成を開始し、鋳型鎖の5’末端に向って進む。「DNAポリメラーゼ」は、デオキシリボヌクレオチドの重合を触媒する。知られているDNAポリメラーゼは、例えば、Pyrococcus furiosus(Pfu)DNAポリメラーゼ(Lundberg等、1991,Gene, 108:1)、E.coli DNAポリメラーゼI(LecomteおよびDoubleday,1983,Nucleic Acids Res. 11:7505)、T7 DNAポリメラーゼ(Nordstrom等、1981,J;Biol.Chem. 256:3112)、Thermus thermophilus(Tth)DNAポリメラーゼ(MyersおよびGelfand 1991,Biochemistry 30:7661)、Bacillus stearothermophilus DNAポリメラーゼ(SteneshおよびMcGowan,1977,Biochim Biophys Acta 475:32)、Thermococcus litoralis(Tli)DNAポリメラーゼ(Vent DNAポリメラーゼともいわれる、Cariello等、1991,Nucleic Acids Res,19:4193)、9°Nm DNAポリメラーゼ(New England Biolabs;製造中止)、Thermotoga maritima(Tma)DNAポリメラーゼ(DiazおよびSabino,1998 Braz J.Med.Res,31:1239)、Thermus aquaticus(Taq)DNAポリメラーゼ(Chien等、1976,J.Bacteoriol,127:1550)、Pyrococcus kodakaraensis KOD DNAポリメラーゼ(Takagi等、1997,Appl.Environ.Microbiol. 63:4504)、JDF−3 DNAポリメラーゼ(特許出願WO0132887)、およびPyrococcus GB−D(PGB−D)DNAポリメラーゼ(Juncosa-Ginesta等、1994,Biotechniques,16:820)を含む。上記酵素のいかなるポリメラーゼ活性も、いずれも当該技術分野においてよく知られている手段により測定することができる。本発明によるDNAポリメラーゼ活性の1単位は、10ナノモルの全dNTPを最適温度(例えば、PfuDNAポリメラーゼに対し72℃)において30分間、重合体に組み込むのを触媒する酵素量として定義する。
「プライマー伸長反応」または「プライマー伸長の合成」は、標的プライマーハイブリッドと、プライマーの3’末端へのヌクレオチドの付加をもたらす核酸との間の反応を意味し、組み込まれたヌクレオチドは、標的ポリヌクレオチドの対応するヌクレオチドに相補的である。プライマー伸長試薬は、典型的には(i)ポリメラーゼ酵素、(ii)緩衝液、および(iii)1つまたは2つ以上の伸長可能なヌクレオチドを含む。
本明細書で使用される「ポリメラーゼ連鎖反応」または「PCR」は、特定のポリヌクレオチド鋳型配列を増幅するためのin vitro方法をいう。PCR反応は、温度サイクルの反復シリーズを含み、典型的には25〜100μlの容量で行う。反応混合物はdNTP(4つの各デオキシリボヌクレオチドdATP、dCTP、dGTP、およびdTTP)、プライマー、緩衝液、DNAポリメラーゼ、およびポリヌクレオチド鋳型を含む。1つのPCR反応は、5から100「サイクル」のポリヌクレオチド分子の変性および合成からなる場合がある。PCR法は、米国特許第4,683,195号および第4,683,202号に記載され、その開示内容は参照文献により本明細書に組み込まれる。
本明細書で使用される「ヌクレアーゼ」または「開裂剤」は、特異的な酵素、すなわち、本発明による「開裂構造」を開裂する酵素であって、かつ特異的でない酵素、すなわち、標的核酸にハイブリダイズしないプローブ若しくはプライマー、またはプローブ若しくはプライマーにハイブリダイズしない標的核酸を実質的に開裂しない酵素をいう。用語「ヌクレアーゼ」は、5’エンドヌクレアーゼ活性を有する酵素、例えば、E.coliからのDNAポリメラーゼI等のDNAポリメラーゼ、並びにThermus aquaticus(Taq)、Thermus thermophilus(Tth)、Pyrococcus furiosus(Pfu)およびThermus flavus(TfI)からのDNAポリメラーゼを含む。用語「ヌクレアーゼ」は、FENヌクレアーゼも含む。
本明細書で使用される「フラップ」は、二本鎖核酸分子から伸長する一本鎖DNAの領域をいう。本発明によるフラップの長さは、好ましくは約1から約500ヌクレオチド、より好ましくは約5から約25ヌクレオチド、最も好ましくは約10から約20ヌクレオチドの範囲である。
本明細書で使用される「開裂構造」は、フラップ、ループ、一本鎖バブル、Dループ、ニック、またはギャップを含む一本鎖領域を有する、少なくとも1つの二本鎖核酸を含むポリヌクレオチド構造をいう。したがって、本発明による開裂構造は、分岐DNAのフラップ鎖を含むポリヌクレオチド構造を含み、ここで、5’一本鎖ポリヌクレオチドフラップは該構造の二本鎖部分との接合近くの位置から伸長し、および該フラップは好ましくは検出可能な標識により標識されている。本発明による開裂構造のフラップは、該フラップ鎖の肘に近接した1つのヌクレオチドおよび/または該フラップ鎖の肘から末端部にある1つのヌクレオチドのいずれかの位置において好ましくは開裂する。いくつかの実施態様において、開裂構造のフラップは標的核酸配列にハイブリダイズしていない。
本発明の1つの実施態様による開裂構造は、好ましくは標的核酸配列を含み、および本発明のオリゴヌクレオチドプローブについても含んでよく、標的核酸に相補的な1つまたは2つ以上の領域、およびハイブリダイズしているオリゴヌクレオチドプローブから伸長する5’フラップを介して標的核酸配列にハイブリダイズしてもよい。
FEN−1は、5’一本鎖フラップ鎖の骨格を特異的に認識し、このアームを、二本鎖DNAの二本の鎖が一本鎖のアームと接している接合部に位置する開裂部位までたどる、約40kDaの、2価の金属イオン依存性のエキソ−およびエンドヌクレアーゼである。エンド−およびエキソヌクレアーゼの両方の活性は、フラップまたはニックの大部分の5’位の塩基に対しほとんど感受性を示さない。FEN−1エンドおよびエキソヌクレアーゼの両方の基質の結合および切断は、上流のオリゴヌクレオチド(フラップに隣接する鎖またはプライマー)により刺激される。これは、E.coli pol Iの場合でも同様である。酵素のエンドヌクレアーゼ活性は、5’フラップの長さとは無関係であり、5’フラップを1つのヌクレオチドの大きさに開裂する。エンドヌクレアーゼおよびエキソヌクレアーゼ活性は、基質の化学的特性に不感受性であり、DNAおよびRNAの両方を開裂する。
本発明に有用なFEN−1酵素をコードするfen−1遺伝子は、マウスfen−1、ヒトfen−1、ラットfen−1、アフリカツメガエルfen−1、および4つのarchadbacteria Archaeglobus fulgidus、Methanococcus jannaschii、Pyrococcus furiosusおよびPyrococcus horikoshiiから誘導されるfen−1遺伝子を含む。FEN−1酵素をコードするCDNAクローンは、ヒト(GenBank受託番号:NM.sub.――004111およびL37374)、マウス(Gen Bank受託番号:L26320)、ラット(Gen Bank受託番号:AA819793)、アフリカツメガエル、Gen Bank受託番号:U68141およびU64563)、およびP.furiosus(Gen Bank受託番号:AF013497)から単離された。P.horikoshiiフラップエンドヌクレアーゼについての完全なヌクレオチド配列も決定された(Gen Bank受託番号:AB005215)。FEN−1ファミリーはSaccharomyces cerevisiae RAD27遺伝子(Gen Bank受託番号:Z28113 Y13137)およびSaccharomyces pombe RAD2遺伝子(Gen Bank受託番号:X77041)も含む。Methanobacterium thermautotrophiculumの古細菌ゲノムも配列が決定されている。FEN−1と原核生物およびウイルスの5’→3’エキソヌクレアーゼの間の配列類似性は低いが、真核性分野におけるFEN−1はアミノ酸レベルが高度に保存されており、ヒトとS.cerevisiaeのタンパク質は60%が同一であり、78%が類似している。3つのarchaebacterial FEN−Iタンパク質は、真核性のFEN−I酵素と高度な相同性を有する(Matsui等、1999.,J.Biol.Chem.,274:18297、Hosfield等、1998b,J.Biol.Chem.,273:27154、およびLieber,1997,BioEssays,19:233において概説されている)。
本発明によるFENヌクレアーゼは、好ましくは熱安定性を有する。熱に安定なFENヌクレアーゼが4つのarcheaebacteriaを含む種々の熱に安定な有機体から単離され、特徴付けられた。cDNA配列(Gen Bank受託番号:AF013497)およびP.furiosusフラップエンドヌクレアーゼに対するアミノ酸配列(Hosfield等、1998a、上記参照およびHosfield等、1998b)が決定された。完全なヌクレオチド配列(Gen Bank受託番号:AB005215)およびP.horikoshiiフラップエンドヌクレアーゼに対するアミノ酸配列(Matsui等上記参照)も決定された。M.jannaschii(Hosfield等、1998bおよびMatsui等、1999上記参照)およびA.fulgidus(Hosfield等、1998b)フラップエンドヌクレアーゼに対するアミノ酸配列もまた決定された。
本明細書で使用されるとき、「5’から3’エキソヌクレアーゼ活性」または「5’→3’エキソヌクレアーゼ活性」は、鋳型特異的核酸ポリメラーゼの活性をいい、例えば、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性は従来いくつかのDNAポリメラーゼに関連し、それによってモノヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドが逐次的にポリヌクレオチドの5’末端から除かれるか、(すなわち、E.coli DNAポリメラーゼIはこの活性を有するのに対し、Klenow(Klenow等、1970,Proc.Natl.Acad.Sci.,米国、65:168)フラグメントは有しない(Klenow等、1971,Eur.J.Biochem.,22:371))、または5’から3’エキソヌクレアーゼ活性中に本質的に存在する場合のあるエンドヌクレアーゼ活性により、ポリヌクレオチドが5’末端から除かれる。
本明細書で使用されるとき、語句「5’から3’エキソヌクレアーゼ活性を実質的に欠如する」または「5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を実質的に欠如する」は、10%、5%、1%、0.5%または0.1%未満の野生型酵素の活性を有することを意味する。語句「5’から3’エキソヌクレアーゼ活性を欠如する」または「5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を欠如する」は、野生型酵素の、検出不能な5’から3’エキソヌクレアーゼ活性を有するか、または約1%、0.5%若しくは0.1%未満の5’から3’エキソヌクレアーゼ活性を有することを意味する。5’から3’エキソヌクレアーゼ活性は、適当な緩衝液、例えば、10mMトリス−HCl(pH8.0)、10mMMgCl2および50μg/mlのウシ血清アルブミンの存在下、60℃で30分間、ニックを有する基質を開裂する段階、10mM EDTAおよび1mg/mlのブロモフェノールブルーを含む95%ホルムアミドを加えることにより開裂反応を停止する段階、およびニックを有するまたはニックのない産物を検出する段階を含む、エキソヌクレアーゼアッセイにより測定することができる。
本発明のある実施態様に有用な核酸ポリメラーゼは、実質的に3’から5’エキソヌクレアーゼ活性を欠如し、および限定されないが、exo−Pfu DNAポリメラーゼ(実質的に3‘から5’エキソヌクレアーゼ活性を欠如する、Pfu DNAポリメラーゼの突然変異型,Cline等、1996,Nucleic Acids Research,24:3546;米国特許第5,556,772号;Stratagene,La Jolla,カリフォルニア、カタログ番号600163から市販されている)、exo−Tma DNAポリメラーゼ(実質的に3’から5’エキソヌクレアーゼ活性を欠如するTmaDNAポリメラーゼの突然変異型)、exo−Tli DNAポリメラーゼ(実質的に3’から5’エキソヌクレアーゼ活性を欠如するTli DNAポリメラーゼの突然変異型、New England Biolabs,(カタログ番号257))、exo−E.coli DNAポリメラーゼ(実質的に3’から5’エキソヌクレアーゼ活性を欠如するE.coli DNAポリメラーゼの突然変異型)、E.coli DNAポリメラーゼIのexo−Klenowフラグメント(Stratagene、カタログ番号600069)、exo−T7 DNAポリメラーゼ(実質的に3’から5’エキソヌクレアーゼ活性を欠如するT7 DNAポリメラーゼの突然変異型)、exo−KOD DNAポリメラーゼ(実質的に3’から5’エキソヌクレアーゼ活性を欠如するKOD DNAポリメラーゼの突然変異型)、exo−JDF−3 DNAポリメラーゼ(実質的に3’から5’エキソヌクレアーゼ活性を欠如するJDF−3 DNAポリメラーゼの突然変異型)、exo−PGB−D DNAポリメラーゼ(実質的に3’から5’エキソヌクレアーゼ活性を欠如するPGB−D DNAポリメラーゼの突然変異型)New England Biolabs、カタログ番号259、Tth DNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼ(例えば、カタログ番号600131,600132,600139,Stratagene);UlTma(N−切断)Thermatoga martima DNAポリメラーゼ;DNAポリメラーゼIのKlenowフラグメント、9°Nm DNAポリメラーゼ(New England Biolabs,Beverly,マサチューセッツからの製造中止品)、「3’−5’exo削減」突然変異型(Southworth等、1996,Proc.Natl.Acad.Sci 93:5281)およびSequenase(USB,Cleveland,オハイオ)を含む。上記の任意の酵素のポリメラーゼ活性は、当該技術分野でよく知られている手段により定義することができる。本発明による、DNAポリメラーゼ活性の1単位は、10ナノモルの全dNTPを、最適温度で30分間、重合体に組み込むのを触媒する酵素量として定義される。
本明細書で使用される「増幅」は、ポリメラーゼを用いることにより核酸鋳型配列のコピー数を増大させる任意の生体外の方法をいう。核酸増幅は、ヌクレオチドを核酸(例えば、DNA)分子またはプライマーに組み込み、それにより核酸鋳型に相補的な新たな核酸分子を形成する。形成された核酸分子およびその鋳型はさらなる核酸分子を合成する鋳型として使用することができる。本明細書で使用されるとき、1つの増幅反応は核酸合成の多くの周期からなってもよい。増幅反応は、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応を含む(PCR;MullisおよびFaloona,1987,Methods Enzymol. 155:335)。1つのPCR反応は5から100「サイクル」の核酸分子の変性および合成からなっていてもよい。exo−DNAポリメラーゼを用いるPCR増幅は、本質的に突然変異増幅産物を生成する。
本明細書で使用される「ポリメラーゼ連鎖反応」または「PCR」は、特定の核酸鋳型配列を増幅する生体外の方法をいう。PCR反応は、温度サイクルの反復シリーズを含み、典型的には25から100μlの容量で行う。反応混合物は、dNTP(4つの各デオキシリボ核酸dATP、dCTP、dGTP、およびdTTP)、プライマー、緩衝液、DNAポリメラーゼ、および核酸鋳型を含む。PCR反応は、第1のプライマーが核酸鋳型配列の1つの鎖のある領域に相補的な配列を含み、および相補的なDNA鎖の合成を開始、第2のプライマーが標的核酸配列の第2鎖のある領域に相補的な配列を含み、および相補的なDNA鎖の合成を開始する、オリゴヌクレオチドプライマーのセットを供給すること、並びに(i)鋳型配列内に含まれる標的核酸配列に対する増幅が必要なプライマーをアニーリングする段階、(ii)核酸ポリメラーゼがプライマー伸長産物を合成する、プライマーを伸長する段階、のPCRサイクル段階に許容される条件下で、鋳型依存性の重合剤として核酸ポリメラーゼを用いて核酸鋳型配列を増幅すること、を含む。「オリゴヌクレオチドプライマーのセット」または「PCRプライマーのセット」は、2つ、3つ、4つまたはそれ以上のプライマーを含みうる。1つの実施態様において、exo−Pfu DNAポリメラーゼは、PCR反応において核酸鋳型を増幅するのに用いられる。
本明細書で使用される用語、「PCRプライマー」は、核酸鋳型にハイブリダイズし、かつ第2の核酸鎖の酵素的合成を開始することのできる一本鎖DNAまたはRNA分子をいう。本発明による有用なPCRプライマーは、10から100ヌクレオチドの長さ、好ましくは17から50ヌクレオチドの長さ、およびより好ましくは17から45ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施態様において、本発明のプライマーは、検出に有用な第2のシグナルを生成するタグまたは標識を含む。タグは、例えば、第2のシグナルを生成するために第2の配列により結合することのできる追加の核酸配列であってもよい。
本明細書で使用される「PCR反応緩衝液」または「反応緩衝液」は、核酸ポリメラーゼによる核酸鋳型のPCR増幅を可能にする、単一の緩衝液組成物をいう。緩衝液は、PCR反応用緩衝液に用いられる任意の知られている化学物質を含んでもよい。好ましくは緩衝液は、トリスまたはトリシンから選択される緩衝組成物を含む。好ましくは緩衝組成物は、7.5から9.5のpH範囲を有する。好ましくはPCR反応緩衝液は、1から10mMの範囲のMg2+(例えば、MgCl2またはMgSO4)を含む。本発明による緩衝液はまた、0から20mMの範囲のK+(例えば、KCl)を含んでもよい。いくつかの実施態様において、緩衝液はPCR産生を促進する成分(例えば、0から20mMの範囲の(NH4)2SO4)を含む。他の実施態様において、緩衝液は1種または2種以上の非イオン性界面活性剤(例えば、0から1%のTriton X−100、Tween 20、またはNP40)を含む。緩衝液はまた、1から100μg/mlの範囲のBSA(ウシ血清アルブミン)含んでもよい。本発明の好ましい実施態様において、PCR反応緩衝液は10mMのKCl、10mMの(NH4)2SO4、20mMのトリス−Cl(pH8.8)、2mMのMgSO4、0.1%のTriton X−100、100μg/mlのBSAを含む。別の好ましい実施態様において、緩衝液は10mMのKCl、10mMの(NH4)2SO4、20mMのトリス−Cl(pH9.2)、2mMのMgSO4、0.1%のTriton X−100、100μg/mlのBSAを含む。
本明細書で使用される、用語「当量」は、等モル濃度を有するPCR緩衝液中の成分(例えば、dATP、dTTP、dGTP、およびdCTP)をいう。
本明細書で使用される、「増幅した産物」は、PCR増幅反応の終りにおける二本鎖核酸群をいう。増幅した産物は、当初の核酸鋳型およびPCR反応中に核酸鋳型を使用するDNAポリメラーゼにより合成された核酸を含む。本発明による増幅した産物は、PCR反応におけるエラープローンDNAポリメラーゼ、例えば、MutazymeおよびTaq DNAポリメラーゼの使用による、当初の核酸鋳型配列に対する突然変異を含む。
本明細書で使用される、用語「1つまたは2つ以上の追加のPCR増幅反応の反復」は、核酸鋳型、少なくとも2種のPCRプライマー、エラープローンDNAポリメラーゼを核酸鋳型の増幅を許容する条件下でインキュベーションすることを含む、1つまたは2つ以上の追加のPCR増幅反応の後続の実行をいう。後続のPCR反応は、PCR増幅に先立ってPCR増幅産物を鋳型として用いる上記のインキュベーション段階を含む。先行するPCR増幅反応の増幅産物は、後続するPCR反応のための鋳型として使用する前に、当該技術分野において知られている手段、例えば、フェノール抽出/エタノール沈殿またはカラム精製の手段により精製してもよい。後続のPCR反応のための鋳型は、先行するPCR増幅の増幅産物の一部または全部であってよい。各後続のPCR増幅のために、新らたな試薬(例えば、反応緩衝液、dNTP、DNAポリメラーゼ、プライマー)を反応混合物に加える。先行するPCR増幅の増幅産物の一部を用いる場合、後続のPCR反応の容量は、先行するPCR反応の容量と同じであってもよい。先行するPCR反応の増幅産物の全部を鋳型として用いる場合、後続のPCR反応は、先行するPCR反応の容量より大きな容量を有することになる。
本明細書で使用される、「核酸鋳型」または「標的核酸鋳型」は、増幅された領域を含む核酸をいう。本明細書で使用される「増幅された領域」は、合成されるか、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により合成されるか、または増幅される核酸の領域である。例えば、核酸鋳型の増幅された領域は、2つのPCRプライマーと相補的である2つの配列間に存在する。
説明
本発明者等は、増幅反応の間、例えばリアルタイムまたは定量PCR分析の間に標的核酸配列を検出するためのオリゴヌクレオチドプローブが3つの配列:標的結合配列、へアピン形成配列、およびレポーター結合配列を連結することにより形成できることを発見した。標的結合配列が標的核酸にハイブリダイズするとき、5’フラップが形成される。該フラップはレポーター結合配列およびへアピン形成配列を含むプローブの「スナップバック断片(snapback segment)」を含む。5’フラップは、反応混合物中に存在するフラップエンドヌクレアーゼまたは5’から3’エキソヌクレアーゼ活性を有する核酸ポリメラーゼのいずれかの作用により、増幅反応サイクルの伸長周期において、順方向(Fwd)プライマーが伸長する間に、開裂する。5’フラップの開裂は、へアピン形成配列からのヘアピン構造の形成を促進する。ヘアピンのステムは増幅反応サイクルの伸長周期の間にも伸長する。レポーターオリゴヌクレオチドは、スナップバック断片のレポーター結合配列にハイブリダイズする。レポーターは相互作用する一対の標識、例えば、蛍光体/消光剤の対を含む。各標識または消光剤は「標識部分」である。対の一方の標識部分はレポーターの3’末端またはその近傍においてレポーターに結合している。他方の標識部分はレポーターの5’末端に結合し、その結果5’標識部分は、核酸ポリメラーゼの5’から3’エキソヌクレアーゼ活性により、またはフラップエンドヌクレアーゼの作用により開裂して外れる。該プローブは「スナップバックプローブ」と呼ばれる。
プライマーおよびプローブの調製
オリゴヌクレオチドプローブおよびプライマーは、以下に記載する任意の方法および当該技術分野において知られている他の方法により合成することができる。プローブおよびプライマーは、生物学的精製または分解、例えば、エンドヌクレアーゼ消化によっても調製することができるが、典型的には生物学的または化学的合成により調製する。本発明において用いるプローブ、プライマー等の短い配列に対し、化学的合成は生物学的合成に比べしばしばより経済的である。より長い配列に対しては、Messing,1983,Methods Enzymol. 101:20−78に記載されているように、一本鎖DNAに対するM13の使用等の、分子生物学において採用される標準的な複製方法を用いることができる。ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド合成の化学的方法は、リン酸トリエステルおよびリン酸ジエステル法(Narang等、Meth.Enzymol.(1979)68:90)、および支持体上での合成(Beaucage等、Tetrahedron Letters.(1981)22:1859−1862)、さらにホスホロアミダート法、Caruthers,M.H.等、Methods in Enzymology(1988)154:287−314(1988)、並びに「DNAおよびRNAの合成および用途(Synthesis and Applications of DNA and RNA)」S.A.Narang, 編集、Academic Press,ニューヨーク,1987に記載された他の方法およびそれに含まれる参照文献を含む。本発明のプローブは、典型的にはヘアピンまたは同様の構造の二次構造を前提とする一本鎖から形成することができ、または例えば、相補的塩基のハイブリダイゼーションによりヘアピンまたは同様の構造の形成に関連する、2つ若しくは3つ以上の一本鎖から形成することができる。標識はレポーターオリゴヌクレオチド上の任意の位置に結合することができ、標的配列にプローブの標的結合配列がハイブリダイズすれば、標識部分がレポーターオリゴヌクレオチドから開裂して外れるときに検出可能なシグナルを生成することができる。
本発明によれば、オリゴヌクレオチドプローブは、天然、非天然ヌクレオチドおよびその類似体を含むことができる。プローブは、核酸および核酸類似体単量体単位、例えば、2−アミノエチルグリシンを含む核酸類似体またはキメラであってもよい。例えば、プローブの一部または全部がPNAまたはPNA/DNAキメラであってもよい。小溝バインダー(MGB;minor groove binder)、ロックド核酸(LNA)および他の修飾ヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチドを用いることができる。合成ヌクレオチドを用いるこれらのオリゴヌクレオチドは、高融点を維持しながら長さを短くできるという利点を有することができる。
プローブ設計
本発明のプローブは、長さが理想的には約150ヌクレオチド未満または約130ヌクレオチド未満であり、典型的には約100ヌクレオチド未満、例えば、約90、80、70、または60ヌクレオチド未満の長さである。好ましくは、本発明のプローブは、長さが約10から約90ヌクレオチドの間であるか、または約20から約80ヌクレオチドの間であり、より好ましくは約30から約70ヌクレオチドの間である。
プローブの標的結合配列は、標的DNAへのハイブリダイゼーションがPCRのアニーリング/伸長温度で起こるように設計されている。したがって、プローブの標的結合配列は標的DNAと相同性を共有するが、レポーター結合配列およびヘアピン形成配列は、3、4、または5ヌクレオチドまでの短い一続きにわたり標的配列の限定された相同性を共有する場合があるものの、典型的には標的核酸配列と相同性を共有しない。標的結合配列に相補的な標的核酸の領域は、理想的にはプライマー結合部位の下流(すなわち、3’方向)の200ヌクレオチド以内、典型的には、PCRに関連して用いる場合、プライマー結合部位の150、125、または100ヌクレオチド以内に位置している。
プローブの標的結合配列は、少なくとも5ヌクレオチドの長さである。好ましい実施態様において、標的結合配列は約15から約60ヌクレオチドの長さである。より好ましい実施形態においては、標的結合配列は約15から約30ヌクレオチドの長さである。ある実施態様において、標的結合配列が約10から約15ヌクレオチドの長さであり、かつ場合によって、プローブの標的に対する結合親和性を増大させる少なくとも1つの修飾されたヌクレオチドを含む。かかる修飾ヌクレオチドの導入は、標的配列への親和性を増大させるため、標的結合配列の長さを短くするため、または標的配列に対する望ましい親和性に要求されるミスマッチの数を減らすために用いることができる。
ヘアピン構造は、高温、イオン濃度の減少、および/またはホルムアミド、DMSO等の崩壊性の化学剤の存在を含む適当な条件において変性を受けやすい。標的結合配列とスナップバック断片(例えば図2参照)との間の開裂点における開裂に続いて、本発明のプローブはアニール/伸長温度、典型的には55から65℃の範囲でヘアピン構造を形成する。したがって、ヘアピン構造を有するプローブのTmはアニール/伸長温度より高いのが好ましい。例えば、プローブのヘアピン構造は、Tm≧55℃、≧60℃、≧62℃、または≧65℃が好ましい。しかし、Tmは一般にアニール/伸長温度に比べ約15℃超高くあるべきではない。いくつかの実施態様において、プローブは、標的核酸配列に対する標的結合配列のアニール温度付近(同様に伸長温度として選択することができる)から該温度より約5から15℃上までの範囲のTmを有するヘアピン構造を有する。ヘアピン構造の安定性および融点は、例えば、mfold(Zuker(1989)Science,244,48−52)、Oligo5.0(Rychlik & Rhoads(1989)Nucleic Acids Res. 17,8543−51)等のプログラムを用いて評価することができる。プローブのヘアピン構造が予定されたアニール/伸長温度(例えば、好ましくは>60℃のアニール温度および60℃の伸長温度)に適合する融点を有するように適当なステムの配列および長さを選択する。しかし、標的に結合する前に、ヘアピンがほとんどないか、全くない構造を開裂されていないプローブ中に形成するのが好ましい。ヘアピン構造のTmが高すぎる場合、例えば、標的結合配列のTmより顕著に高い(上記の好ましい範囲を参照)場合、ヘアピン構造を溶液中に形成することができ、標的配列に結合するのを防止することが可能である。ヘアピン構造のTmは、例えば、下記のように調整することができる。
ヘアピン形成配列は、短いループ断片により分離された2つの自己相補性ステム断片を含む。ステム断片は典型的には同じ長さであり、好ましくは約4から約20ヌクレオチドまたは約4から約15ヌクレオチド、より好ましくは6から10ヌクレオチドの長さである。ループ構造は任意の配列であってよいが、好ましくはプローブまたは標的配列の他の部分と相補的でない。ループ構造は好ましくは約2から約10ヌクレオチドの長さ、または約3から約8ヌクレオチドの長さ、より好ましくは約4から約8ヌクレオチドの長さである。したがって、ヘアピン形成配列の全体の長さは約10ヌクレオチドから約50ヌクレオチドである。ヘアピン構造のTmは、ステム部分の長さおよびステム部分におけるミスマッチの数により影響を受ける。一般に、ステム領域に加えられるそれぞれの追加のミスマッチは、さらにTmを低減する。したがって、ミスマッチの数は望ましいTmを与えるように調整することができる。ミスマッチは、プローブのステム部分内の任意の場所、末端部若しくは中間部のいずれか、集合した若しくは分離した位置のいずれにも起こり得る。しかし、ステムの3’末端塩基は、この塩基がヘアピン構造の伸長およびシグナル伝達に必要であるため、好ましくはミスマッチしていない。さらにTmは、例えば、小溝バインダーおよびロックド核酸(LNA)を含む修飾されたヌクレオチドの導入により変更することができる。このように修飾されたヌクレオチドの導入は、Tmを増大させるか、または望ましいTmに要求されるミスマッチの数を減少させるのに用いることができる。
レポーター結合配列は、レポーターオリゴヌクレオチドに相補的である。相補性の程度は完全でも部分的であってもよいが、ハイブリダイゼーションの親和性は、アニール/伸長温度においてレポーターオリゴヌクレオチドが結合した状態に止まるのに十分な高さであるべきである。したがって、ヘアピンステムに関して、望ましいハイブリダイゼーション親和性またはTmを得るために、修飾されたヌクレオチドまたはミスマッチの追加および配置を変化させることを含む、同様の調節をすることができる。レポーター結合配列の長さは、例えば、約5ヌクレオチドから約40ヌクレオチドとすることができる。レポーターオリゴヌクレオチドは、好ましくはレポーター結合配列とほぼ同じ長さである。
標識
本明細書で使用される、語句「標識の相互作用対」および語句「標識部分対」および語句「第1および第2の標識」は、物理的に、光学的に、またはさもなければ検出可能なシグナルによるそれらの接近の検出を可能にする方法において相互作用する一対の分子をいう。「相互作用する標識対」の例は、特に限定されず、蛍光共鳴エネルギー転移(FRET;fluorescence resonance energy transfer)(Stryer,L.Ann.Rev.Biochem. 47,819−846,1978)、シンチレーション近接アッセイ(SPA)(HartおよびGreenwald,Molecular Immunology 16:265−267,1979;米国特許第4,658,649号)、発光共鳴エネルギー転移(LRET;luminescence resonance energy transfer)(Mathis,G.Clin.Chem. 41,1391−1397,1995)、直接消光(direct quenching)(Tyagi等、Nature Biotechnology 16,49−53,1998)、化学発光エネルギー転移(CRET;chemiluminescence energy transfer)(Campbell,A.K.,およびPatel,A.Biochem.J. 216,185−194,1983)、生物発光共鳴エネルギー転移(BRET;bioluminescence resonance energy transfer)(Xu,Y.,Piston D.W.,Johnson,Proc.Natl.Acad.Sc,96,151−156,1999)、またはエキシマー形成(Lakowicz,J.R. 蛍光分光学の原理(Principles of Fluorescence Spectroscopy),Kluwer Academic/Plenum Press,ニューヨーク,1999)の使用に適合する標識である。
標識対は、本発明のオリゴヌクレオチドプローブに共有結合または非共有結合することができる。標識はレポーターオリゴヌクレオチドの5’末端および3’末端、またはその近傍に共有結合しているのが好ましい。
本明細書で使用される、「蛍光」または「蛍光基」または「蛍光体」は、それぞれ発光および発光基を含む。
本明細書で使用される、「蛍光の増大」は、蛍光体により発光された検出可能な蛍光の増大をいう。例えば、蛍光体と消光剤との間の距離が、例えば、プローブ内のハイブリダイゼーションを排除することにより増大し、それにより消光が減少するとき、蛍光の増大をもたらすことができる。蛍光体により発光された蛍光が、少なくとも2倍、例えば、2、2.5、3、4、5、6、7、8、10倍またはそれ以上増大するとき、「蛍光の増大」となる。
ある実施態様において、蛍光または他の検出可能なシグナルの増大がヌクレアーゼを用いるプローブの開裂によりもたらされる。5’フラップエンドヌクレアーゼ(例えば、FEN−1)または他のヌクレアーゼ若しくはポリメラーゼによる開裂は、第1および第2の標識を互いに分離し、したがってスナップバックプローブの標的配列への結合を示す検出可能なシグナルを生成するのに用いることができる。代わりに、反応混合物中にフラップエンドヌクレアーゼが存在しない場合、5’から3’エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼ、例えば、Taqポリメラーゼを増幅に用いることができる。
蛍光体
本発明に有用な一対の相互作用標識は、一対のFRET互換性色素、または消光剤色素対を含みうる。1つの実施態様において、該対は蛍光体消光剤対を含む。
本発明のオリゴヌクレオチドプローブは、蛍光により増幅反応をモニタリングすることができる。それらのプローブは蛍光体および消光剤により標識することができ、かかる方法において、本来の完全なプローブ中の蛍光体により発光する蛍光は実質的に消光するのに対し、開裂したまたは標的にハイブリダイズしたオリゴヌクレオチドプローブにおける蛍光は消光せず、プローブが開裂する、または標的とハイブリダイゼーションすると全体の蛍光が増大する結果となる。さらに、増幅産物をリアルタイムに検出する間に生成する蛍光シグナルは、試料中の標的配列の初期の数を正確に定量することを可能にする。
ある実施態様において、本発明のレポーターオリゴヌクレオチドは、蛍光体および消光剤、またはFRET対を含む相互作用標識対としての機能を果たす第1の標識部分および第2の標識部分を含む。蛍光体または消光剤は、プローブの3’ヌクレオチドに結合することができ、および蛍光体/消光剤対の他方はプローブの5’ヌクレオチドに結合することができる。相互作用する標識対は、例えば約5、10、20、30、40、50、60またはそれより多くのヌクレオチドに分離してもよい。蛍光体は、例えばFAM、Rl10、TAMRA、R6G、CAL Fluor Red 610、CAL Fluor Gold 540、またはCAL Fluor Orange 560であってもよく、消光剤は、例えばDABCYL、BHQ−I、BHQ−2、またはBHQ−3であってもよい。いくつかの実施態様において、検出可能なシグナルは、レポーターオリゴヌクレオチドが開裂すると少なくとも2倍に増大する。
広範な種類の蛍光体が利用可能であり、特に限定されないが;5−FAM(別名5−カルボキシフルオレセイン;別名スピロ(イソベンゾフラン−1(3H),9’−(9H)キサンテン)−5−カルボン酸、3’,6’−ジヒドロキシ−3−オキソ−6−カルボキシフルオレセイン);5−ヘキサクロロ−フルオレセイン([4,7,2’,4’,5’,7’−ヘキサクロロ−(3’,6’−ジピバロイル−フルオレセイニル)−6−カルボン酸]);6−ヘキサクロロ−フルオレセイン([4,7,2’,4’,5’,7’−ヘキサクロロ−(3’,6’−ジピバロイルフルオレセイニル)−5−カルボン酸]);5−テトラクロロ−フルオレセイン([4,7,2’,7’−テトラ−クロロ−(3’,6’−ジピバロイルフルオレセイニル)−5−カルボン酸]);6−テトラクロロ−フルオレセイン([4,7,2’,7’−テトラクロロ−(3’,6’−ジピバロイルフルオレセイニル)−6−カルボン酸]);5−TAMRA(5−カルボキシテトラメチルローダミン;キサンチリウム、9−(2,4−ジカルボキシフェニル)−3,6−ビス(ジメチル−アミノ);6−TAMRA(6−カルボキシテトラメチルローダミン;キサンチリウム、9−(2,5−ジカルボキシフェニル)−3,6−ビス(ジメチルアミノ);EDANS(5−((2−アミノエチル)アミノ)ナフタレン−1−スルホン酸);1,5−IAEDANS(5−((((2−ヨードアセチル)アミノ)エチル)アミノ)ナフタレン−1−スルホン酸);DABCYL(4−((4−(ジメチルアミノ)フェニル)アゾ)安息香酸)Cy5(インドジカルボシアニン−5)Cy3(インド−ジカルボシアニン−3);およびBODIPY FL(2,6−ジブロモ−4,4−ジフルオロ−5,7−ジメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−3−プロピオン酸)、クエーサー670(Bioreseach Technologies),CalOrange(Bioresearch Technologies),Rox、およびその好適な誘導体を用いることができる。
消光剤
本明細書で使用される、用語「消光剤」は、蛍光ドナーに結合したときまたはその近傍にあるときにドナーからの発光を減少させることのできる色素体分子または化合物の部分をいう。消光は、蛍光共鳴エネルギー転移、光誘起電子移動(photoinduced electron transfer)、常磁性増大の無輻射遷移(intersystem crossing)、デクスター交換結合(Dexter exchange coupling)、およびダーク複合体の形成等の励起子結合を含む任意のいくつかのメカニズムにより起こり得る。蛍光体により発光した蛍光発光が消光剤のない蛍光発光と比較して、少なくとも10%、例えば、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、99.9%またはそれ以上減少すると、蛍光が「消光」する。
消光剤は、アッセイに用いられる励起蛍光体からの少なくとも1つの蛍光発光を消光することのできる任意の物質であってよい。特定のプローブ用の好適なレポーター−消光剤対を選択するための、文献において入手可能な多くの実用的な案内があり、以下の文献に例示されている:Clegg(1993,Proc.Natl.Acad.Sci.,90:2994−2998);Wu等(1994,Anal.Biochem.,218:1−13);Pesce等編集、Fluorescence Spectroscopy(1971,Marcel Dekker,ニューヨーク);White等、蛍光分析: 実践的アプローチ(Fluorescence Analysis:A Practical Approach)(1970,Marcel Dekker,ニューヨーク)等。該文献は、蛍光および色素分子の完全なリスト、並びにそれらに関連するレポーター−消光剤対を選択するための光学的特性を提供する参照文献も含み、例えば、Berlman,芳香族分子の蛍光スペクトルのハンドブック(Handbook of Fluorescence Spectra of Aromatic Molecules),第2版(1971,Academic Press,ニューヨーク);Griffiths,有機分子の色と構造(Colour and Constitution of Organic Molecules)(1976,Academic Press,ニューヨーク);Bishop, 編集、指示薬(Indicators)(1972,Pergamon Press,オクスフォード);Haugland,蛍光プローブおよび研究薬品のハンドブック(Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals)(1992 Molecular Probes,Eugene)Pringsheim,蛍光とリン光(Fluorescence and Phosphorescence)(1949,Interscience Publishers,ニューヨーク)が挙げられ、これらのすべては参照文献として本明細書に組み込まれる。さらに、オリゴヌクレオチドに付加することのできる一般的な反応性基を介して共有結合する誘導体レポーターおよび消光剤分子に関する、以下の文献により例示される文献に広範なガイダンスが存在し、例えば、Haugland(上記引用文献);Ullman等、米国特許第3,996,345号;Khanna等、米国特許第4,351,760号が挙げられ、これらのすべては参照文献として本明細書に組み込まれる。
多くの市販されている消光剤が当該技術分野において知られており、特に限定されないが、DABCYL、BHQ−I、BHQ−2、およびBHQ−3を含む。BHQ(「ブラックホールクエンチャー(Black Hole Quenchers)」)消光剤は、ハイブリダイゼーション事象が起こるまで蛍光発光を阻害する新しい種類の暗色消光剤である。加えて、これらの新しい消光剤は、本来の蛍光を有さず、他の消光剤に見られるバックグラウンドの問題を実質的に排除している。BHQ消光剤はほとんどのリポーター色素の消光に用いることができ、市販で、例えば、Biosearch Technologies, Inc(Novato,カリフォルニア)から入手することができる。
蛍光体および消光剤の結合
本発明の1つの実施態様において、蛍光体または消光剤はレポーターオリゴヌクレオチドの3’ヌクレオチドに結合している。本発明の別の実施態様において、蛍光体または消光剤はレポーターの5’ヌクレオチドに結合している。さらに別の実施態様において、蛍光体または消光剤はレポーターの内部に結合している。いくつかの実施態様において、蛍光体または消光剤のいずれかがレポーターの5’ヌクレオチドに結合しており、上記蛍光体または消光剤の他方がレポーターの3’ヌクレオチドに結合している。結合は、直接のカップリングを介して、または代わりに、例えば約1から5原子の長さのスペーサー分子を用いて行うことができる。
蛍光体または消光剤の内部結合に対し、結合は当該技術分野において知られている任意の手段を用いて行うことができる。オリゴヌクレオチドへの多くの色素の結合に対する好適な結合方法が、多くの参照文献、例えば、Marshall,Histochemical J.,7:299−303(1975);Menchen等、米国特許第5,188,934号;Menchen等、欧州特許出願第87310256.0号;およびBergot等、国際出願PCT/US90/05565号に記載されている。これらのすべては参照文献として本明細書に組み込まれる。
蛍光体/消光剤対の各構成要素は、レポーターオリゴヌクレオチド内のいずれの場所へも、好ましくは、プローブのヘアピン構造の伸長により、レポーターから標識部分が開裂する前に十分な量の消光が起きるように、他の対から一定の隔たりのある部位に結合することができる。
標識部分がレポーターオリゴヌクレオチドから開裂するまで、蛍光体/消光剤対の標識部分は密接な消光関係を有する。消光を最大にするために、2つの部分は互いに理想的に近接している。いくつかの実施態様において、消光剤および蛍光体は相互に30ヌクレオチド以下の位置にある。
標的核酸の増幅
いくつかの実施態様において、本発明のプローブは、核酸増幅反応において標的核酸の存在をモニターまたは検出するのに用いられる。かかる実施態様において、該方法は、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の典型的な反応条件を用いて実施することができる。サイクル当たり2つの温度を実現する。1つは、高温の変性段階(一般に90℃から96℃の範囲における)であり、典型的には1から30秒間持続し、および併合したアニール/伸長段階(プローブ、プライマーおよび反応のために選択したポリメラーゼのアニール温度に依存し、典型的には50℃から65℃における)であり、通常1から90秒間である。「PCR混合物」とも呼ばれる反応混合物は、核酸、上記の核酸ポリメラーゼ、本発明のオリゴヌクレオチドプローブ、好適な緩衝液、および塩を含む。反応は、PCRについて一般に用いられる任意のサーマルサイクラーにおいて行うことができる。しかし、好ましくは、Taq Man 7700AB(Applied Biosystems,Foster City,カリフォルニア)、Rotorgene 2000(Corbett Research,Sydney,オーストラリア)、LightCycler(Roche Diagnostics Corp,Indianapolis, インディアナ)、iCycler(Biorad Laboratories, Hercules,カリフォルニア)およびMx4000、Mx3000p、またはMx3005p(Stratagene,La Jolla,カリフォルニア)を含む、定量蛍光測定機能を有するサイクラーである。
一般に標的ポリヌクレオチドの増幅、例えばPCRによる増幅と関連するプローブの使用は、Innis等編集、PCRプロトコール(PCR Protocols)(Academic Press,ニューヨーク,1989);Sambrook等、分子クローニング(Molecular Cloning),第2版(Cold Spring Harbor Laboratory,ニューヨーク、1989)等の多くの参照文献に記載されており、これらのすべては参照文献として本明細書に組み込まれる。好ましい実施態様において、プローブの結合部位は、標的ポリヌクレオチドを増幅するのに用いるPCRプライマー間に位置している。好ましくは、PCRはTaqDNAポリメラーゼまたは同等の熱安定性のDNAポリメラーゼを用いて行い、およびPCRのアニール温度は、使用するオリゴヌクレオチドプローブの融点より約5℃から10℃低い。
キット
本発明は、本明細書に記載するように、増幅および/または検出のための新規な組成物および方法を提供することを目的とする。本発明はまた、主題となる組成物の1つまたは2つ以上の容器を有し、およびいくつかの実施態様においてPCRにおける合成を含むポリヌクレオチド合成に使用される種々の試薬の容器を含む、包装単位を含むキットの構成を考慮する。キットはまた1つまたは2つ以上の以下の品目:重合酵素(すなわち、1種または2種以上の核酸ポリメラーゼ、例えばDNAポリメラーゼ、特に熱安定性DNAポリメラーゼ)、ポリヌクレオチド前駆体(例えば、ヌクレオシド三リン酸)、プライマー、緩衝液、取扱説明書、および対照を含んでもよい。キットは、本発明の方法を実施するために好適な比率で互いに混合された試薬の容器を含んでもよい。試薬容器は、好ましくは、本方法を実施する場合に測定ステップを省略する単位量の試薬を含む。本発明による1つのキットは、染色ゲルからのPCR産物を定量するためのDNA産物の標準品も含む。
本発明はまた、標的核酸配列を検出するためのオリゴヌクレオチドプローブを含む組成物を提供する。いくつかの実施態様において、組成物はプローブおよび標的核酸配列を増幅するための1種または2種以上のプライマーを含む。ある実施態様において、組成物は複数のプローブおよび複数のプライマーまたはプライマー対を含み、それらは、例えば、複数の標的配列を検出し、かつ同時に増幅する、マルチプレックスPCRを実施するために用いることができる。別の実施態様において、組成物はプローブおよび核酸ポリメラーゼを含む。さらに別の実施態様において、組成物はプローブ、標的配列を増幅するための1種または2種以上のプライマー、および核酸ポリメラーゼを含む。さらに別の実施態様において、組成物は複数のプローブ、複数のプローブにより検出される標的配列を増幅するための複数のプライマーまたはプライマー対、および核酸ポリメラーゼを含む。別の実施態様において、組成物はプローブおよびヌクレアーゼ等の開裂試薬を含む。さらに別の実施態様において、組成物のさらに別の実施態様は、プローブ、開裂試薬、および1種または2種以上の核酸ポリメラーゼを含む。
以下の実施例は、非限定的であり、本発明の種々の態様および特徴を単に例示するものである。
(実施例1)
CFTR特異的DNAの定量についてのスナップバックオリゴヌクレオチドプローブの使用
CFTR特異的DNA鋳型(配列番号2,GCAGTGGGCTGTAAACTCCAGCATAGATGTGGATAGCTTGATGCGATCTGTGAGC CGAGTCTTTAAGTTCATTGACATGCCAACAGAAGGTAAACCTACCAAGTCAACCA AACC)(250fg、2.5pg、25pg、または250pg)を、400nMのCFTR特異的順方向プライマー(配列番号3);200nMのCFTR特異的逆方向(Rev)プライマー(配列番号4);レポーター結合配列としてのGBS(B群ストレプトコッカス)の相補配列を含む100nMのCFTR特異的スナップバックプローブ;3’−FAMで標識され、および5’−BHQ−2で消光された100nMのGBSレポーターオリゴヌクレオチド、および2.5単位/反応の完全速度(Full Velocity)酵素混合物を含む完全速度TM PCR反応中に滴定した。CFTR特異的スナップバックプローブは、図2において表され、その配列は、AGGGTTGCGATGGTTCTGTTGTAGGTActcgtgtcTTTTgacgagAGCTTGATGCGATCTGTGAGCCGA(配列番号1)である。CFTR特異的プライマーは、5’−GCAGTGGGCTGTAAACTCC−3’(順方向プライマー、配列番号3)および5’−GGTTTGGTTGACTTGGTAGG−3’(逆方向プライマー、配列番号4)であった。実験は、以下のサイクルパラメータ(95℃で2分、続いて95℃で10秒および、60℃で30秒を50サイクルでMx3000p 定量PCR装置(Stratagene)において行った。データは、各反応において30nMのROX対照色素を含むことにより正規化し、サイクル番号に関し、dRn(FAM 蛍光発光を変更し、対象色素に正規化する)として表される。正規化データを図3に示す。CFTR DNAを欠如する鋳型のない試料を負の対照として含めた。各反応は2連で実施した。Full VelocityTM QPCR Master Mixは、Stratageneカタログ番号600561であり、さらに、米国特許第6,528,254号および第6,548,250号(それぞれ全体として参照文献により本明細書に組み込まれる)に記載されている。
CFTR特異的DNAの定量についてのスナップバックオリゴヌクレオチドプローブの使用
CFTR特異的DNA鋳型(配列番号2,GCAGTGGGCTGTAAACTCCAGCATAGATGTGGATAGCTTGATGCGATCTGTGAGC CGAGTCTTTAAGTTCATTGACATGCCAACAGAAGGTAAACCTACCAAGTCAACCA AACC)(250fg、2.5pg、25pg、または250pg)を、400nMのCFTR特異的順方向プライマー(配列番号3);200nMのCFTR特異的逆方向(Rev)プライマー(配列番号4);レポーター結合配列としてのGBS(B群ストレプトコッカス)の相補配列を含む100nMのCFTR特異的スナップバックプローブ;3’−FAMで標識され、および5’−BHQ−2で消光された100nMのGBSレポーターオリゴヌクレオチド、および2.5単位/反応の完全速度(Full Velocity)酵素混合物を含む完全速度TM PCR反応中に滴定した。CFTR特異的スナップバックプローブは、図2において表され、その配列は、AGGGTTGCGATGGTTCTGTTGTAGGTActcgtgtcTTTTgacgagAGCTTGATGCGATCTGTGAGCCGA(配列番号1)である。CFTR特異的プライマーは、5’−GCAGTGGGCTGTAAACTCC−3’(順方向プライマー、配列番号3)および5’−GGTTTGGTTGACTTGGTAGG−3’(逆方向プライマー、配列番号4)であった。実験は、以下のサイクルパラメータ(95℃で2分、続いて95℃で10秒および、60℃で30秒を50サイクルでMx3000p 定量PCR装置(Stratagene)において行った。データは、各反応において30nMのROX対照色素を含むことにより正規化し、サイクル番号に関し、dRn(FAM 蛍光発光を変更し、対象色素に正規化する)として表される。正規化データを図3に示す。CFTR DNAを欠如する鋳型のない試料を負の対照として含めた。各反応は2連で実施した。Full VelocityTM QPCR Master Mixは、Stratageneカタログ番号600561であり、さらに、米国特許第6,528,254号および第6,548,250号(それぞれ全体として参照文献により本明細書に組み込まれる)に記載されている。
Claims (31)
- 標的核酸配列を検出するためのオリゴヌクレオチドプローブであって、前記プローブは標的結合配列、ヘアピン形成配列、およびレポーター結合配列を含み、ここで前記ヘアピン形成配列および前記レポーター結合配列を含むプローブ部分は、プローブが標的核酸に結合すると開裂構造を形成し、前記部分は核酸増幅反応の間に開裂して外れ、前記ヘアピン形成配列は、前記部分の開裂後にヘアピン構造を形成し、および核酸ポリメラーゼによる前記ヘアピン構造の伸長は、結果として前記レポーターから標識部分を遊離し、検出可能なシグナルをもたらす、オリゴヌクレオチドプローブ。
- 前記レポーター結合配列の3’末端は前記ヘアピン形成配列の5’末端に共有結合しており、前記ヘアピン形成配列の3’末端は前記標的結合配列の5’末端に共有結合している、請求項1のオリゴヌクレオチドプローブ。
- 前記レポーター結合配列および前記ヘアピン形成配列の間にリンカー配列をさらに含む、請求項2のオリゴヌクレオチドプローブ。
- 前記リンカーが約3ヌクレオチドの長さである、請求項3のオリゴヌクレオチドプローブ。
- 前記ヘアピン形成配列が第1のステム配列、ループ配列、および第2のステム配列を含む、請求項1のオリゴヌクレオチドプローブ。
- 前記標的結合配列が約5から約60ヌクレオチドの長さである、請求項1のオリゴヌクレオチドプローブ。
- 前記ヘアピン形成配列が約10から約50ヌクレオチドの長さである、請求項1のオリゴヌクレオチドプローブ。
- 前記レポーター結合配列が約5から約40ヌクレオチドの長さである、請求項1のオリゴヌクレオチドプローブ。
- 前記第1のステム配列が約4から約20ヌクレオチドの長さである、請求項5のオリゴヌクレオチドプローブ。
- 前記第2のステム配列が約4から約20ヌクレオチドの長さである、請求項5のオリゴヌクレオチドプローブ。
- 前記ループ配列が約2から約10ヌクレオチドの長さである、請求項5のオリゴヌクレオチドプローブ。
- 約30から約130ヌクレオチドの長さである、請求項1のオリゴヌクレオチドプローブ。
- 前記開裂構造が5’フラップである、請求項1のオリゴヌクレオチドプローブ。
- 請求項1のオリゴヌクレオチドプローブ、および請求項1のオリゴヌクレオチドプローブの前記レポーター結合配列に結合するレポーターオリゴヌクレオチドを含む、二本鎖プローブ。
- 一対の標識部分を含む、請求項14のレポーターオリゴヌクレオチド。
- 前記対の一方の標識部分が消光剤(quencher)であり、前記対の他方の標識部分が蛍光体(fluorophore)であり、前記レポーターオリゴヌクレオチドが前記オリゴヌクレオチドプローブのレポーター結合領域に結合していると、前記蛍光体は消光され、前記蛍光体は、核酸ポリメラーゼにより前記ヘアピン構造が伸長すると消光されない、請求項15のレポーターオリゴヌクレオチド。
- 前記レポーター結合配列に結合すると開裂構造を形成する、請求項16のレポーターオリゴヌクレオチド。
- 前記開裂構造がフラップである、請求項17のレポーターオリゴヌクレオチド。
- 前記フラップが前記標識部分の一方を含み、ここで核酸ポリメラーゼによる前記ヘアピン構造の伸長が前記フラップの開裂をもたらす、請求項18のレポーターオリゴヌクレオチド。
- (a)標的核酸配列に特異的な一対のプライマーおよび(b)5’から3’エキソヌクレアーゼ活性を有する核酸ポリメラーゼを用い、請求項12の二本鎖プローブの存在下で標的核酸配列を増幅すること;および
前記プローブの標識部分の開裂により生成するシグナルを検出すること
を含み、該シグナルが前記標的配列から誘導された増幅産物の検出を示す、核酸増幅産物を検出する方法。 - 前記ポリメラーゼがTaqポリメラーゼである、請求項20の方法。
- (a)標的核酸配列に特異的な一対のプライマー、(b)核酸ポリメラーゼ、および(c)フラップエンドヌクレアーゼを用い、請求項14の二本鎖プローブの存在下で標的核酸配列を増幅すること;および
前記プローブの標識部分の開裂により生成するシグナルを検出すること
を含み、該シグナルが前記標的配列から誘導された増幅産物の検出を示す、核酸増幅産物を検出する方法。 - 前記ポリメラーゼが、5’から3’エキソヌクレアーゼ活性を実質的に欠如する、請求項22の方法。
- 前記フラップエンドヌクレアーゼがFEN−1である、請求項22の方法。
- 増幅段階をポリメラーゼ連鎖反応を用いて行う、請求項20の方法。
- 増幅段階をポリメラーゼ連鎖反応を用いて行う、請求項22の方法。
- 請求項1のオリゴヌクレオチドプローブ、包装、および使用説明書を含む、核酸増幅産物を検出するためのキット。
- 請求項14のレポーターオリゴヌクレオチドをさらに含む、請求項27のキット。
- 標的核酸配列の増幅に特異的な一対のプライマーをさらに含む、請求項27のキット。
- 実質的に5’から3’エキソヌクレアーゼ活性のない核酸ポリメラーゼおよびフラップエンドヌクレアーゼをさらに含む、請求項29のキット。
- 5’から3’エキソヌクレアーゼ活性を有する核酸ポリメラーゼをさらに含む、請求項29のキット。
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