JP5203381B2 - Dnaの増幅のための二重機能プライマーおよび使用法 - Google Patents

Dnaの増幅のための二重機能プライマーおよび使用法 Download PDF

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Description

発明の詳細な説明
(技術分野)
本発明は、一般にヌクレイン(nucleic)増幅およびプロービングの分野に関し、およびより詳細には、単一の試薬混合物を使用して、PCRおよびプローブハイブリダイゼーションを実行する方法および組成物に関する。
(背景技術)
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、クローニング、遺伝子発現の分析、DNA塩基配列決定、および遺伝子地図作成から、薬剤開発、犯罪法医学および同種のものまでにわたる技術の効率的な実行のためにほとんど不可欠なものとなった(Mullis, et al., Cold Spring Harbor Symp. Quant. Biol. 51 :263-273 (1986); Saiki, et al., Science 230:1350-1354 (1985); Innis et al.PCRプロトコール(PCR Protocols)中の、方法および応用への手引き(A guide to Methods and Applications)、アカデミックプレス(Academic Press)社、サンディエゴ(1990);および米国特許第4,683,195号、米国特許第4,683,202号)。もとは、PCR増幅および増幅産物検出は別々に実行された。最近になって、このプロセスは、PCR試薬およびプロービング試薬の両方を含む単一反応混合物の中へこれらの工程を組み合わせることによって改善された。この改善により、反応チューブを決して開かずに産物を生成および検出できるように、すべての試薬を一度に入れることが可能になる。この改善は、サンプル間の交差汚染の機会を減少させ、実験結果を得るために必要な操作数および時間を減少させた。
PCR増幅産物が生成されると同時にそれらを検出するための多数の方法が現在存在する(「リアルタイム」PCR)。一般にこれらの方法は、増幅反応混合物に追加する場合にオリゴヌクレオチドの蛍光が消光されるように、消光物質基も含むオリゴヌクレオチドに蛍光レポーター色素が連結される蛍光消光プローブを用いる。オリゴヌクレオチドは、増幅される標的DNA(すなわち「特異的な標的」オリゴヌクレオチド)に選択的にハイブリダイズするようにデザインされる。蛍光レポーターの消光が様々なメカニズム(それらすべては増幅された標的配列とプローブの相互作用を必要とする)によって減少させられるので、蛍光シグナルが生成される。
1つの「リアルタイム」PCR方法では、3’末端で伸長不可能なオリゴヌクレオチドプローブは、消光物質(quencher)がフルオロフォア(fluorophore)の蛍光を消光するように、フルオロフォア(5’末端で)および消光物質で標識される。標的配列に対するプローブのハイブリダイゼーションは、増幅の間に、PCRポリメラーゼのエキソヌクレアーゼ活性による切断に適切な基質を生成する。増幅の間に、ポリメラーゼ酵素の5’→3’エキソヌクレアーゼ活性により、プローブはより小さなフラグメントへと分解される。消光物質とフルオロフォアとの間の部位が切断される場合、フルオロフォアおよび消光物質はさらに空間的に分離されるようになり、消光効果が失われる。これにより蛍光シグナルが生ずる。この分析はタックマン(Taqman)(登録商標)分析として公知である。この方法は、別々の検出工程を必要とする以前の方法を超える有意な改善を備えているが、この分析にはいくつかの欠点がある。すなわち、この分析は、2つのオリゴヌクレオチドのみが増幅に必要であるという事実にもかかわらず、少なくとも3つの標的特異的オリゴヌクレオチドの合成を必要とする。この増幅反応分析は、フルオロフォア/消光物質標識オリゴヌクレオチドプローブを効率的に消化できる5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼもまた必要とする。
直線状の二重標識の蛍光消光オリゴヌクレオチドプローブは、5’末端でのエキソヌクレアーゼ分解がPCRの間の生じないようにも修飾できる。そのようなプローブは、一本鎖ランダムコイルのコンフォーメーションでは消光されるが、より伸びた二本鎖の状態では蛍光を発する。これらのプローブはPCR反応中に含むことができ、もしそれらの標的配列が増幅されるようになる場合、蛍光シグナルを生成することができる。この方法では5’→3’エキソヌクレアーゼ活性についての必要性はなくなるが、この方法は「リアルタイム」検出による増幅を行なうために3つの標的特異的オリゴヌクレオチドを必要とする。
あるいは、ヘアピンのループ内に標的核酸にハイブリダイズできる配列を有するヘアピン形成可能プローブが開発されている。このプローブは、オリゴヌクレオチドがヘアピンコンフォーメーションをとる場合にフルオロフォアの蛍光が消光物質によって消光されるように、オリゴヌクレオチド上に位置する共有結合で結合するフルオロフォアおよび消光物質分子もまた含む。プローブがその標的配列と共に二重鎖を形成する場合にヘアピンは破壊され、フルオロフォアおよび消光物質は空間的に分離されるようになり、蛍光シグナルが観察される。シグナルを生成するためにプローブを分解する必要はないので、この方法はポリメラーゼが5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を有するという以前に記述されたタックマン(登録商標)分析での必要性を克服する。それにもかかわらず、以前に記述された分析と同様に、この方法は3つの標的配列特異的オリゴヌクレオチドを必要とする。さらに、可能なプローブ配列はヘアピン構造を形成できるものに限定される。ヘアピン配列はプローブ−標的結合の動力学および熱力学を妨害するだけでなく、そのような構造は化学的合成が困難である。
1つの「リアルタイム」増幅検出方法では、3つの標的特異的プライマーの必要性はない。この方法において、増幅プライマーの5’末端はオリゴヌクレオチド伸長部分を含む。この伸長部分はフルオロフォアおよび消光物質を含み、遊離されたプライマーでは蛍光が消光されるようにヘアピンコンフォーメーションをとることができる。一旦プライマーが二本鎖アンプリコンの中へ取り込まれ、プライマー−プローブの5’末端上のヘアピンが破壊されれば、フルオロフォアは消光物質から空間的に分離されるようになり、蛍光シグナルが発生する。このシステムの変形では、ヘアピン構造が共有結合のスペーサー/リンカー部分を介してPCRプライマーに連結されることが可能である。
前述の「リアルタイム」PCR方法の各々は、プローブのデザインおよび合成の両方における難しさに寄与し、増幅されたDNA鎖による二重鎖形成により競合するヘアピンループを含む、3つのオリゴヌクレオチドおよび/またはプローブのいずれかを要求するという点で限定されている。増幅および増幅産物の「リアルタイム」検出のために2つの標的特異的オリゴヌクレオチドのみを要求する新方式が必要である。プローブのデザインおよび合成を促進し、ヘアピンと二重鎖形成との間の競合をなくすために、そのような方法はヘアピンループ構造の使用も回避するべきである。
本発明はそのような組成物および方法を提供する。付加的な発明の特色に加えてこれらおよび本発明の他の利点も、本明細書において提供される本発明の記述から明らかになる。
(発明の概要)
本発明は、DNA合成産物の検出を可能にする新規ヌクレオチド組成、およびその使用のための方法を提供する。1つの実施形態において、本方法はPCRにおいて使用することができ、反応が生じると同時に反応の進行がモニタリングされることを可能にする。本発明は、DNA伸長反応をプライミングすることができる少なくとも1つの蛍光消光オリゴヌクレオチドを用いる。オリゴヌクレオチドは、伸長反応のプライミングに加えて、さらに連続した伸長反応サイクルの進行の検出ためのプローブとして機能する。
3’標的結合ドメインおよび5’鋳型−プローブ結合ドメインを有する第1のプライマーを使用して、増幅の間のリアルタイム検出のステージを示す図解である。3’標的結合ドメインは標的に特異的であり、PCRで用いられる標準条件下で標的に結合するのに十分な相補性を含み、PCRでプライマーとして機能することができる。5’鋳型プローブ結合ドメインは標的に相補的でなく、その代りに合成鋳型−プローブ核酸に相補的である。 標準的なタックマン(登録商標)の反応バッファーおよびサイクルパラメーターによる蛍光/消光プローブ/プライマーを使用する、PCR分析のリアルタイムの分光蛍光測定プロットのグラフである。 蛍光シグナルを示した図である。図3aにおいて、3つの棒セット中の棒は、左側から右側で、一本鎖プライマー/プローブから観察された蛍光、対応する二重鎖プライマー/プローブ、および対応するミクロコッカスヌクレアーゼ消化のプライマー/プローブを表わす。 実施例2において詳述される二重鎖分析のシグナル対ノイズ比を示した図である。図3bは、各々の消光物質−フルオロフォアの間隔でのオリゴヌクレオチドについての一組の2本の棒を示す。 観察されたシグナル対ノイズデーターが、プライマー/プローブの機能的性能に相関するかどうかをテストするPCR分析の「リアルタイム」の分光蛍光測定プロットのグラフである。 TAMRA含有プローブの機能能力を図示するグラフである。 AMRA含有プローブの機能能力を図示するグラフである。 Tli I酵素がいつ追加されたかを示す3つのレーンを有するゲルの写真であり、PCR前、PCR後(75℃で30分の追加のインキュベーション)、または追加なしのいずれかである。産物はPAGE(10%ゲル、変性条件)を使用して分離し、ゲルスター(Gelstar)を使用して染色し、UVで可視化した。左側から右側で、最初の2つのレーンは、Tli IがPCR前(レーン1)、またはPCR後(レーン2)の反応に対して追加されたとしても、切断が生じることを示す。第3のレーンは、Tli Iを追加しなかったときの全長で未切断の産物を示す。 実施例8中に記載されていたFQT分析のプローブ、標的および鋳型との間の空間的関係の図解である。 PspG1を使用する切断の有無、およびフォワードプライマーの有無によるFQT分析の有効性を実証する増幅プロットである。この分析はフォワードプライマーの存在に依存する。この結果は、この分析ではPspG1酵素による切断によりわずかによいシグナルが得られることを示す。 PspG1を使用する切断の有無、およびキメラリバースプライマーの有無によるFQT分析の有効性を実証する増幅プロットである。この分析はキメラリバースプライマーの存在に依存する。 5’ヌクレアーゼ分析と比較した、FQT分析形式の有効性を示す増幅プロットである。5’ヌクレアーゼ分析はわずかに強いシグナルを有するが、両方の分析は同様の感受性を示す。 FQ分析と比較した、FQT分析形式の有効性を示す増幅プロットである。FQ分析はわずかに強いシグナルを放出するが、両方の分析は同様の感受性を示す。 LNAおよび5−メチル−dC修飾を含むFQT分析の比較を示す増幅プロットである。LNA修飾プローブはより強いシグナルであるが、両方の分析は同様の感受性を示す。 5−メチル−dCプローブを、酵素の切断の有無で比較する増幅プロットである。切断した型はわずかに強いシグナルを放出する。
(発明を実施するための形態)
オリゴヌクレオチドは、2つの機能ドメイン(プライマードメインおよび蛍光消光レポータードメイン)を含む。プライマードメインは所望の標的配列に対する相補性を有しており、PCRまたは他のDNA伸長反応をプライミングするように機能する。このドメインは修飾DNAまたは非修飾DNAからなることができ、オリゴヌクレオチドの3’末端に位置する。レポータードメインはDNA塩基も含むが、フルオロフォア(レポーター)基および消光物質基の両方を含むように修飾されており、オリゴヌクレオチドの5’末端に位置する。このドメインは鋳型に対して相補的または非相補的でありえる。レポータードメインは、レポーターと消光物質を接触するようにするヘアピンまたは他の安定した二次構造の形成を導く任意の核酸配列または構造を含まない。プライマードメインはDNA合成をプライミングするように機能するが、プライマーおよびレポータードメインの両方は、DNA合成のための鋳型として、DNA合成の反復サイクルのプロセスの間、オリゴヌクレオチドが一本鎖型から二本鎖型に変換されるように機能することができる。すべての実施形態において、オリゴヌクレオチドの蛍光は一本鎖型で消光される(DNA合成のプライミング前に)。これはランダムコイルコンフォーメーションにおけるレポーターと消光物質との間の相互作用によって達成される。
シグナル生成(すなわち、蛍光消光の解放)のメカニズムにおいて異なる様々な実施形態が検討される。好ましくは、各変形はわずかに異なるプローブデザインを用いる。1つの実施形態は、DNA合成またはPCRの間の一本鎖DNAから二重鎖DNAへの移行により起こる蛍光シグナルの増加を測定する。DNA分子上の点の間の末端間距離は、固い二重鎖DNAよりもランダムコイルコンフォーメーション一本鎖DNAで短い。一本鎖型がレポーター/消光物質ペアについては
Figure 0005203381
の半径以内にあるように、および二重鎖型がフォースターの半径(フォースターの半径は各レポーター/消光物質の組合せに対して特有である)を上回るように、レポーターと消光物質の間の間隔が選択されるならば、一本鎖型は消光されるが、二重鎖型は消光されないだろう。したがって、消光を解放し、蛍光シグナルを産生するために必要な唯一の事象は二重鎖DNAの形成である(今後「未切断FQ」と呼ばれる)。シグナルは単純に標的に対するハイブリダイゼーションによって達成されず、むしろ本発明の方法は、プローブがそれ自体で1つのプライマーとして役立つ場合にはDNA合成によって二重鎖形成を達成する。このように、PCRにおいて検出可能な蛍光が各反応サイクルにより蓄積し、鎖が蓄積するにつれてモニタリングすることができるために、シグナル生成はDNA合成に直接関連づけられる。あるいは、蛍光シグナルは、PCRの完了時に測定することができる。
本方法の他の実施形態は、レポーターおよび消光物質がヌクレアーゼの作用による介在塩基の切断によって分離されるときに起こる蛍光シグナルの増加を測定する。この方法は、好ましくは、プローブ/プライマーがそれ自体でプライマーとして機能するDNA合成またはPCRの反応の結果として、プローブ/プライマーが二重鎖形態であることをさらに必要とする。レポーターと消光物質の分離をもたらすように二本鎖核酸を切断する任意のヌクレアーゼは、本発明の範囲以内にある(今後「切断FQ」と呼ばれる)。2つの具体的な実施例が記述される。
ヌクレアーゼ作用によりレポーターおよび消光物質を分離する1つの方法は、制限酵素(restriction endonuclease)を使用して、グループの間のDNAを切断することである。一般に、制限酵素は一本鎖DNAを切断しないが、二本鎖DNA基質を要求する。このように制限酵素はもとのプローブ/プライマーオリゴヌクレオチドを切断せず、酵素はDNA合成またはPCRの間に存在できる。DNA合成の後にプローブ/プライマーが二本鎖になるとき、それは制限酵素のための基質になり切断されるだろう。切断によりレポーターは消光物質から分離されて蛍光シグナルを検出でき、シグナル生成はDNA合成に直接関連づけられてDNA合成の間にリアルタイムで追跡することができる。用いられた制限酵素が耐熱性であるならば、DNA合成およびプローブ切断はPCRの間に同じ反応で同時に進行することができる。例えば、1つの適切な耐熱性DNA制限酵素はTli I(ニューイングランド・バイオラボ(New England Biolabs)社、ベヴァリー、マサチューセッツ)である。Tli Iの認識部位は「CTCGAG」であり、この配列がレポーターグループと消光物質グループとの間に位置するならば、Tli Iはプローブ(二重鎖型において)を切断することができる。様々な耐熱性制限酵素は同定され、それらの多くは使用のために適切かもしれない。PCRがエンドポイント分析として完了した後は、非耐熱性制限酵素を使用できる。
他の実施形態において、図1における図解によって要約されるように、この分析(以前の「FQ」実施形態との間で区別するために今後「FQT」と呼ばれる)は、3’標的結合ドメインおよび5’鋳型−プローブ結合ドメインを有する第1のプライマーを使用する。3’標的結合ドメインは、PCRにおいて用いられる標準条件下で標的へ結合するために十分な相補性を含む標的に特異的であり、PCRにおいてプライマーとして機能することができる。5’鋳型プローブ結合ドメインは標的に対して相補的でなく、その代りに、合成鋳型−プローブ核酸に対して相補的である。
第1のプライマー伸長反応において、形成される最初の伸長産物は、その5’末端でプローブ結合ドメインを含み、このドメインのソースはPCRプライマーからである。次のプライマー伸長反応(PCRのサイクル2)において、その3’末端でプローブ結合ドメインの相補物を含む第1の伸長産物の相補物が合成される。鋳型−プローブ特異的配列の相補的なコピーは、鋳型としてもとのプライマーを使用して、ここで、DNA合成を介して他の鎖上の標的配列につながれる。この様式で、標的−鋳型配列は、鋳型−プローブ配列に連結されるようになる。今や鋳型−プローブドメインが新しく合成されたDNA鎖の3’末端上にあり、それ自体でここで後続するPCR反応におけるプライマーとして役立つ能力のあることが理解される。
3’末端でプローブ結合ドメインに相補的な配列を含む鋳型−プローブは、第2の伸長産物の3’末端にハイブリダイズされる。フルオロフォア部分および消光物質部分の両方があるプローブは、第2の伸長産物に対してハイブリダイズしない5’領域を含む。フルオロフォア部分および消光物質部分を含むプローブ部が一本鎖のとき、蛍光は消光される。この核酸がプライマーとして役立つことができないように、鋳型−プローブは3’末端でブロックされる。この目的のための1つの適切なブロック基はジデオキシシチジン(ddC)である。
第3のプライマー伸長部分反応において、第2の鎖はプローブの5’領域に対する相補物が合成されるように伸長される。プローブはしたがって少なくとも、部分的に二本鎖になる。DNA合成による二重鎖DNAの形成は、フルオロフォアおよび消光物質の間の距離を伸ばし、結果として蛍光の増加を生じる(今後「未切断FQT」と呼ばれる)。任意で、プローブは、レポーターと消光物質との間にヌクレアーゼ感受性配列を含むようにデザインされる。この位置に様々な切断可能エレメントを置くことができるかもしれない。1つの具体例として、前記ヌクレアーゼによって切断された場合、レポーターと消光物質の物理的分離をもたらし、それによって蛍光強度のさらなる増加を導く、制限酵素制限部位である(今後「切断FQT」と呼ばれる)。1つの適切な制限酵素認識部位は、好熱性制限酵素PspG1によって切断されるCC(A/T)GGである。このプロセスは増幅の後続ラウンドにより繰り返すことができる。
図1は、鋳型の結合ドメインが十分に高いTmを有するならば、図1において示されるすべての反応がリアルタイムで同時に行なうことができることを示す。5−メチル−dC(5Me−dC)、5−プロピニル−dC(pdC)、またはロックされた核酸(LNAの)などの残基は、Tmを増加させるために鋳型プローブの結合ドメイン(「B」)の中に取り込むことができる。「×」は、鋳型がそれ自体でDNA合成をプライミングすることを阻害する役目をする鋳型−プローブの3’末端上のブロック基を表わす。
本発明のこの実施形態において、蛍光消光鋳型オリゴヌクレオチドは標的に対して相補的な任意の配列ドメインを持たない。したがって、検出反応のFQT鋳型成分は、多数の異なる核酸標的配列の検出分析において用いることができるユニバーサル検出試薬として役立つことができる。この反応の標的特異的成分は、フルオロフォア基または消光物質基などの費用がかかる修飾の含有なしで合成することができるオリゴヌクレオチドプライマー中に存在する。修飾したFQTプローブは大規模により経済的に生産することができ、特異性が低コストの修飾されないオリゴヌクレオチドプライマーによって測定される複数の反応のための検出試薬として使用できる。
レポーターおよび消光物質をヌクレアーゼ作用により分離する他の方法は、レポーター基および消光物質基との間にRNA塩基を位置させ、RNase Hを使用して切断することである。RNase Hは、RNA/DNAヘテロ二重鎖のRNA部を特異的に切断し、一本鎖RNAを切断しないエンドリボヌクレアーゼである。切断される核酸は、完全にRNAからなる必要はない。好ましくは、それはRNA残基およびDNA残基の両方を含むキメラでありえるが、切断はRNAセグメントの中に起こる。1つの実施形態において、RNA含量は少なくとも連続して4つのRNA残基を含み、それはRNase Hの完全に活性のある基質を構成する。したがって、この方法のためのプライマー/プローブオリゴヌクレオチドは、レポーターと消光物質との間に連続する集団として約4つのRNA塩基が位置するDNA/RNAキメラになるだろう。RNAは、大部分のポリメラーゼ(逆転写酵素以外の)によるDNA合成のための鋳型として通常使用することができないが、RNAの短いストレッチはキメラ中に挿入することができ、多くのDNAポリメラーゼ酵素により機能するだろう。したがって、キメラRNA/RNAプローブ/プライマーは、両方とも、プライマー、鋳型およびプローブとして機能することができる。さらに、耐熱性RNase Hが利用可能であり、DNA合成またはPCRがプローブ切断と同時に起こる場合には均質分析形式を可能にする。
他の実施形態において、DNA配列中の単一のリボヌクレオチド塩基で切断が起こるRNase H切断の変形が用いられる。以前に略述されたように、RNase Hのための1つの基質はRNA/DNAヘテロ二重鎖中のRNA核酸であり、切断は中心のRNA残基に続く3’末端で起こり、遊離3’−OHを残す。酵素のRNase Hファミリーの特定のメンバーは、他の基質を切断する能力を有する。例えば、1つのクラスの酵素は、DNAとの二本鎖コンフォーメーションでアニールした場合、DNA配列中に単一のRNA残基を有する核酸分子を切断することができる。このケースでは、RNA残基に対して5’で切断が起こり、同じように遊離3’−OHを残す。ヒトRNase H1酵素はそのような基質を切断することが示された(Eder et al., J.Biol.Chem. 266 (1991), 6472-6479)。類似したRNase H酵素は、マウス(マウスRNase H1についてはCerritelli et al., Genomics 53 (1998), 300-307を参照)、および原核生物(枯草菌(Bacillus subtilis)およびサーモコッカス・コダカラエンシス(Thermococcus kodakaraensis)からのRNase HIIについてはHaruki et al, FEBS Letters 531 (2002) 204-208を参照)において見出された。提案された分析において、単一のリボヌクレオチドを含むヘテロ二重鎖を切断できる好熱性RNase Hを使用することができ、切断および検出が増幅と同時にリアルタイムで起こることを可能にすることができた。切断FQまたは切断FQTの実施形態において、RNase Hタイプの酵素による切断を利用できるかもしれない。
以下の制限酵素のセットは市販で入手可能であり、酵素が高温で安定しているという要求を満たすと思われる。酵素Tli IおよびPspG Iは、「極端な」好熱性生物から由来し、PCRにおいて使用される条件で活性を持つだろう。残りの酵素は、80℃で20分間安定しているものとして製造者によって同定された。
Figure 0005203381
注:Tli IはXho Iの耐熱性アイソシゾマーである。
提案された発明の様々な実施形態は、当技術分野で周知の多数の増幅方法において機能することができる。提案された発明は、多項式的増幅(polynomial amplification)において機能することができる(Behlke et al.、米国特許第7,112,406号を参照)。多項式的増幅(「ポリアンプ(polyamp)」)反応(Behlke et al.中に記載されているように)は、内部の位置で、鋳型となるときは機能をブロックするがプライマー活性は保持するような方法で修飾された一方向(「フォワード」プライマー)のオリゴヌクレオチドプライマーを用いる(すなわち「複製欠損」プライマー である)。第2の(「リバース」)プライマーは「複製成分」であり、通常修飾されない。複数の複製欠損プライマーは、反応の増幅力を高めるためにネステッド様式で一緒に使用することができる。通常、単一の複製成分リバースプライマーが使用される。
様々な産物は多項式的増幅の間に生じ、その正確な性質は、用いられたネステッド複製欠損フォワードプライマーの数に依存する。各産物の長さは変化しているが、それらはすべて単一のリバースプライマーによって定義される共通の1つの末端を共有する。反対の末端は、用いられた各々の修飾されたフォワードプライマーについてのブロッキングドメインによって定義される。
多項式的増幅の正確な検出方法は限定されている。5’ヌクレアーゼ分析は様々な産物を検出し、最終ポリアンプ反応生成物について特異的ではない。FQT分析はより正確な分析形式を提供する。この方法は、最終増幅産物の3’末端に対してオリゴヌクレオチド(「ポリアンプFQTプローブ」)のアニーリングを必要としている。アニールされたオリゴヌクレオチドは、プライマーとして増幅産物を使用して、DNA合成反応のための鋳型として役立つ。プライマー伸長反応は未標識dNTPの存在下で実行され、同じチューブ中で増幅と同時に起こることが可能である。FQTプローブの結合ドメインに相補的な3’末端を有する増幅産物は、この反応が進行するために必要とされる。反応生成物が最も内側の複製欠損プライマーのブロッキングドメインで終結する場合には、この産物は特異的にポリアンプから生じる。この新しい検出スキームは、検出イベントに対して以下の追加の2レベルの特異性を付与する。1)特異的ハイブリダイゼーションが検出鋳型オリゴヌクレオチドとポリアンプ産物との間で起こらなくてはならない。そして2)上述のハイブリダイゼーションイベントにカップルさせた場合、DNA合成をプライミングに利用可能な遊離3’末端を有する増幅産物が存在しなくてはならない。
以下の実施例は本発明をさらに説明するが、当然その範囲を限定する任意の方法で解釈されるべきでない。
(実施例1)
この実施例は、標的DNAを増幅し、増幅された標的DNAの量に対応する「リアルタイム」蛍光シグナルを生ずるために蛍光消光プライマー/プローブを使用できることを実証する。
以下のオリゴヌクレオチドをこの実施例のために調製した。
Figure 0005203381
配列番号:1は増幅のための標的として供された。配列番号:2、3および4は標的を増幅するために使用された。配列番号:4は配列番号:3と同じプライミング配列を有しており、その5’末端上に付加ヌクレオチド配列もまた含んでいた。配列番号:4において、付加ヌクレオチド配列はフルオロフォアおよび消光物質を含んでいた。しかし、構造にはヘアピンループ形成を導く配列はなかった。フルオレセインで修飾されたdT塩基はと表わされた。フルオロフォアはフルオレセインであり、自動シンセサイザーにおいて公知のホスホアミダイトケミストリーを使用して、フルオレセイン−dTとしてオリゴヌクレオチドに付加された。消光物質は、自動シンセサイザーにおいて標準的なホスホアミダイトケミストリーを使用して、5’末端ヒドロキシル基に付加した、米国特許出願第10/666,998号中に記載される特許アントラキノン消光物質であった。オリゴヌクレオチドに対するアントラキノン消光物質の結合は、図1中で以下に示される。
Figure 0005203381
式1
すべての配列については、特に断りのない限り、A、C、GおよびTはデオキシリボヌクレオチド(DNA)を表わし、オリゴヌクレオチド配列は、左側に5’末端および右側に3’末端で書かれている。オリゴヌクレオチド基質は、アプライド・バイオシステム(Applied Biosystems)社モデル394 DNA/RNAシンセサイザーで標準的なホスホアミダイトケミストリーを使用して合成した。
合成に続いて、オリゴヌクレオチドを固体支持体から切断し、標準的な方法を使用して脱保護した。次に、オリゴヌクレオチドを、pH7.2で0.1Mトリエチル−酢酸アンモニウム(TEAAc)中の5〜50%のアセトニトリルの直線的勾配を使用して、ハミルトンPRP−Iカラム(1.0cm×25cm)の逆相HPLCで40分にわたって精製した。モニタリングは260nmおよび494nmで行い、蛍光標識されたオリゴヌクレオチド種に対応する画分を採取し、プールし、凍結乾燥した。オリゴヌクレオチドを200μlの滅菌済み水中に溶解し、2%LiClO4を1ml追加することにより沈殿させ、続いて10分間10,000gで遠心分離した。上清をデカントし、沈殿を10%含水アセトンで洗浄した。
オリゴヌクレオチドを、0.1Mトリス緩衝液中の0%〜50%1M LiClの40分の直線的勾配を使用して、イオン交換HPLCで40分にわたってさらに精製した。モニタリングは260nmおよび494nmで行い、二重標識オリゴヌクレオチド種に対応する画分を2%LiClO4により採取し、プールし、沈殿させ、凍結乾燥した。オリゴヌクレオチドの識別は ボイジャー−DE バイオスペクトロメトリー(Voyager−DE BioSpectrometry)ワークステーションを使用して、質量分析法によって確認された。オリゴヌクレオチドがPCR反応において使用されることを1回実証した。
PCR反応混合物は25μl反応容量中で以下の組成物であった。
20mM TrisHCl(pH 8.3)、
50mM KCl、
5mM MgCl2
200nM各dNTP
200nMPCRプライマー「フォワード」
200nMPCRプライマー「リバース」または「PCRプローブプライマー」
102、104、106および108コピーの標的DNA
2.5ユニットのアンプリタック・ゴールド(AmpliTaq Gold)DNAポリメラーゼ
反応混合物を最初に95℃で10分間処理した。次に、標的は95℃で15秒間変性し、60℃で60秒間アニーリングおよび伸長を続いて行なう、2ステップPCRサイクルを使用した。PCR分析のリアルタイム分光蛍光測定のプロットを図2中で示す。
図2において示されるように、二重標識プライマー(配列番号:4)は、効率的に標的配列の増幅をプライミングし、増幅が進行するにつれて蛍光シグナルを増加させた。最も高い標的の濃度(108コピー)のサンプルでは、蛍光は最も急速に指数関数的に増加(すなわち最低のCt値)し、それは12サイクルで起こった。106コピーの標的の反応は19サイクルのCt値であり、104コピーの標的の反応は25サイクルのCt値であり、102の標的反応は29サイクルのCt値であった。すべてのサンプルは40サイクルの終了時までに類似した最大シグナルを生成した。比較のために、増幅が起こらない反応の蛍光もまた示される。
この実施例は、標的核酸配列を増幅し、同時に増幅の進行のモニタリング用に直接的なシグナルを提供するために、発明の二重標識プライマーを使用できることを実証する。この実施例は、これらのプライマーにより100コピーという低い標的数を効率的に増幅できることもまた示す。この実施形態において、プローブ切断は起こらなかった。プローブが二本鎖DNAに変換されるとともに、シグナルは消光が解放されることから生成される。プローブの切断および分解は含まれていない。
(実施例2)
これは、最大のシグナル対ノイズ比がプライマー/プローブにおいて得られるように消光物質とフルオロフォアとの間の距離を最適化する1つの方法を示す。同じ最適化結果はFQT鋳型プローブに適用されるだろう。
オリゴヌクレオチドプライマー/プローブの蛍光は、3つの別個の物理的状態(すなわち、一本鎖、二本鎖、およびレポーターと消光物質との間の点での切断の後)のオリゴヌクレオチドプライマー/プローブについて測定した。オリゴヌクレオチド切断については、切断を、2つの方法(第1の一本鎖のプライマー/プローブをミクロコッカスヌクレアーゼおよびDNase Iの混合物により消化した)で行なった。蛍光は、テカン(Tecan)社プレート蛍光測定器またはPTIキュベット蛍光測定器において製造者の使用説明書に従って測定した。
以下のオリゴヌクレオチドをこの実施例で調査した。
Figure 0005203381
400nMの各オリゴヌクレオチド溶液を10mMトリス(pH8)、5mM MgCl2中で調製した。各オリゴヌクレオチドの蛍光はこの一本鎖型で測定した。次に各オリゴヌクレオチドを2倍のモル過剰の相補的なDNAと混合し、二重鎖を形成させ、蛍光を再測定した。一本鎖オリゴヌクレオチドの小分けを、37℃で1時間5ユニットのミクロコッカスヌクレアーゼおよび5ユニットのDNase Iでも処理し、蛍光を測定した。ミクロコッカスヌクレアーゼ消化物は、プライマー/プローブから期待することができる最大量の蛍光を示すが、オリゴヌクレオチドの一本鎖型は同じプライマー/プローブのバックグラウンド蛍光を示す。
これらの測定からの結果は、図3aおよび棒グラフの型で3b中に示される。図3aにおいて、3つの棒セット中の棒は、左側から右側で、一本鎖プライマー/プローブから観察された蛍光、対応する二重鎖プライマー/プローブ、および対応するミクロコッカスヌクレアーゼ消化のプライマー/プローブを表わす。
図3aにおいて示されるように、消光物質とフルオロフォアとの間のスペースが約14ヌクレオチドであるまで、プライマー/プローブの一本鎖型は比較的低いバックグラウンド蛍光である。分離が約14ヌクレオチド以上に増加するにつれて、バックグラウンド蛍光は着実に増加した。これは、一本鎖ランダムコイルコンフォーメーションにおいて、消光物質部分とフルオロフォア部分との間の距離の増加から生じる消光効率の減少を反映するのだろう。
ミクロコッカスヌクレアーゼによって消化されたプライマー/プローブで観察された最大の蛍光シグナルは、すべてのプローブについて比較的一定だった。サンプル間で観察される蛍光の小さな差はオリゴヌクレオチド品質の変動から生じうる。塩基間隔が約16塩基対に増加するにつれて、プライマー/プローブの二重鎖型間蛍光シグナルは、着実に最大値まで増加した。
シグナル対ノイズ比を計算し、図3bにおいて棒グラフ型で示す。図3bは、各々の消光物質−フルオロフォア間隔でのオリゴヌクレオチドについての一組の2本の棒を示す。左側の棒は、その二重鎖型で観察された蛍光を一本鎖プライマー/プローブで観察された蛍光で割ることにより計算されるシグナル対ノイズ比を示す。右側の棒は、消化された二重鎖型で観察された蛍光を一本鎖プライマー/プローブで観察された蛍光で割ることによる分解ミクロコッカスヌクレアーゼ分析において、各々のプライマー/プローブごとに測定される理論上最大のシグナル対ノイズ比を示す。
分解分析については、フルオロフォアと消光物質との間の距離が12ヌクレオチドを超えるまでシグナル対ノイズ比は比較的高く(約15〜20)、次に実質的に約5まで減少する。これとは対照的に、消光物質とフルオロフォアが約12塩基対で分離されるときに二重鎖の非分解分析はピークのシグナル対ノイズ比を示し、間隔が約14以上のヌクレオチドであるときに最小約5まで急激に減少する。約6〜8ヌクレオチドのより短い分離距離では、かなりの消光が二重鎖型において存在するので、ピークのシグナル強度が損なわれるように思われる。14以上のヌクレオチドのより長い分離距離では、ピークのシグナル強度は二重鎖型において達成されるが、一本鎖型における消光は不完全である。
観察されたシグナル対ノイズデーターがプライマー/プローブの機能的な性能と相関するかどうかをテストするために、同じプローブシリーズを「リアルタイム」PCR分析において使用した。分析デザインは、プライマー/プローブによる実施例1において使用されるものと同一だった。これらのプローブによる「リアルタイム」PCR実験からの結果は、図4中で示される。12以上の塩基の消光物質とフルオロフォアの分離を備えたプローブはすべて、同じようによく動作した。分析における性能は、シグナル対ノイズ比よりもピーク蛍光強度との高い相関関係を示した。
したがって、最大のシグナル対ノイズ比を達成するフルオロフォアと消光物質との間の間隔を最適化するためにこの方法を使用できるように思われる。この実施例において、フルオレセインおよびアントラキノン消光物質では、至適間隔は約10〜12ヌクレオチドであるように思われる。さらに、すべてのプローブは「リアルタイム」PCR分析においてシグナルを生成したが、アントラキノン消光物質とフルオレセインとの間の間隔が少なくとも12ヌクレオチドである場合、よりよい結果が得られた。フルオロフォアと消光物質との間の至適間隔が使用されるならば、制限酵素切断を使用する必要はない。12未満の塩基間隔が所望されるならば、切断はよりよい代替案でありうる。
(実施例3)
この実施例は、フルオロフォアTAMRAによりプライマー/プローブを調製できることを示す。以下のオリゴヌクレオチドは、フルオレセイン−dTがフルオロフォア(TAMRA−dT)で置き換えられたという例外を除いて実施例2中で記載されているのと同じ方法を使用して調製された。
Figure 0005203381
実施例2におけるように、オリゴヌクレオチドプライマー/プローブの蛍光は、3つの別個の物理的状態(すなわち、一本鎖、二本鎖、およびレポーターと消光物質との間のオリゴヌクレオチドの切断の後)のオリゴヌクレオチドプライマー/プローブについて測定した。オリゴヌクレオチド切断については、ミクロコッカスヌクレアーゼおよびDNase Iの混合物による消化を介して切断を行なった。蛍光は、テカン社プレート蛍光測定器またはPTIキュベット蛍光測定器において製造者の使用説明書に従って測定した。結果を図5aおよび5b中に示す。
一般に、TAMRAにより得られた結果は、フルオレセインを使用した実験2において以前に得られた結果に著しく類似するように思われた。TAMRAとアントラキノン消光物質との間で10ヌクレオチド間隔では、一本鎖プライマー/プローブの蛍光ほとんどなく、二重鎖およびミクロコッカスヌクレアーゼ消化サンプルは実質的な蛍光がある。18ヌクレオチドでは、バックグラウンドは上昇し始めるが、二重鎖およびミクロコッカスヌクレアーゼ消化サンプルは両方とも実質的な蛍光を示す。
プライマー/プローブは、「リアルタイム」PCRにおいて使用された場合、すべて実施例2からのフルオレセイン含有相当物と同じようによく動作した。
この実施例は、本発明のプライマー/プローブが様々なフルオロフォアを含むことができ、プライマー/プローブのデザインパラメーターが、フルオロフォアの選択によって有意に影響されないことを示す。さらに、この実施例は、TAMRA(フルオレセインよりも強いシグナルを産生する)が二重標識プローブ発明においてフルオレセインに対する効果的な代替物であることを実証する。
(実施例4)
この実施例は、制限酵素がPCR環境において機能できることを実証する。
実施例2および3において示されるように、間隔が至適ならば、フルオロフォアと消光物質の分離のために切断を利用する必要はない。間隔が至適範囲未満であるならば、酵素の切断は代替方法であり、実際には好ましいだろう。
二重標識プライマー/プローブ(配列番号:4)は、一本鎖のランダムコイルコンフォーメーションでは、制限酵素のための基質ではない。しかしながら、増幅の間に、プライマー/プローブはオリゴヌクレオチド鎖へ取り込まれ、後続するラウンドの増幅の後に二本鎖になる。一旦プライマー/プローブが二重鎖構造へ取り込まれるようになれば、切断イベントが起こりうる。フルオロフォアと消光物質との間に制限酵素部位を配置することによって、切断イベントは消光物質からレポーターを恒久的に分離させること、および蓄積した増幅産物の量に比例した蛍光を恒久的に増加させることを引き起こす。
この実施例において、プライマー/プローブ配列番号:4中のフルオロフォアと消光物質との間のTli I認識配列(「CTCGAG」)を、Tli I制限酵素で処理した。この酵素は、増幅が同じ反応混合物において起こるにつれて、潜在的にプローブを切断できる極端に耐熱性のある制限酵素である。
以下のプライマーセットをこの実施例において評価した。
Figure 0005203381
オリゴヌクレオチドは実施例1におけるものと同じであった。
PCR反応混合物は50μl反応容積中で以下の組成物であった。
10mM TrisHCl(pH8.3)、
50mM KCl、
3mM MgCl2
200nM各dNTP
200nM PCRプライマー「フォワード」
200nM PCRプローブ−プライマー/リバース
108コピー標的DNA(配列番号:1)
2.5ユニットのアンプリタック・ゴールドDNAポリメラーゼ
PCRは30サイクルで行ったが、他の点では温度サイクリング条件は実施例1と同じであった。1つの反応において、PCRが行なわれる前にTli I酵素を追加した。他の反応において、Tli IをPCR反応の後にも追加した。Tli IをPCRの後で追加した場合、75℃で30分間PCR反応混合物中でインキュベートした。Tli Iを追加しない場合、実施例1におけるように分析も行ない、結果を示す。切断が実際に起こったかどうか決定するために、各々の反応からの産物を変性条件下で10%ポリアクリルアミドゲルで分離し、ゲルスター(商標)染色を使用して染色した、適切な光線下で可視化した。
照明されたゲルの写真を図6において提供する。図6は、3つのレーンがあるゲルを示す。左側から右側で、最初の2つのレーンは、Tli Iを、PCR前(レーン1)、またはPCR後(レーン2)に反応に追加したとしても切断が起こることを示す。第3のレーンは、Tli1が追加されなかった場合の全長の未切断の産物を示す。
この実施例は、増幅がTli I制限酵素の存在下で起こりうることを実証し、酵素がPCR増幅条件下で活性を持つことができることを示す。
(実施例5)
この実施例は、本発明のプライマー/プローブのフルオロフォアと消光物質との間の制限酵素認識配列のための適切な位置を決定する方法を示す。この実施例は、プライマー/プローブの5’末端のアントラキノン消光物質とフルオレセインdTとの間でのTli Iによるプローブの切断を可能にするTli I制限酵素認識配列のための適切な位置もまた具体的に実証する。
この方法は、Tli I認識配列の位置が、消光物質およびフルオロフォアに関して変更された一組のオリゴヌクレオチドプライマー/プローブを作成することを含んでいた。この実施例で作製されたオリゴヌクレオチドを以下にリストする。Tli I認識配列はボールド体で示され、フルオレセイン−dT残基はで明示される。
Figure 0005203381
実施例1におけるように、オリゴヌクレオチドを調製および精製した。オリゴヌクレオチドを二重鎖分子を形成するために相補的なオリゴヌクレオチドとアニールし、次に制限酵素製造者の使用説明書に従ってTli I消化を行なった。切断混合物は、切断効率を決定する標準的な方法によってポリアクリルアミドゲル上で分離した。
表において示されるように、フルオレセインに標識されたdT残基による切断配列の破壊または消光物質とフルオレセインに標識されたdTとの間の7〜9ヌクレオチド間隔以内の認識配列の配置は、Tli Iによる切断をブロックする。12の塩基分離またはそれ以上のすべての配列(配列番号:15〜20)は切断された。
(実施例6)
この実施例は、5’末端上でユニバーサル配列により修飾された二重標識プライマーを遺伝子特異的増幅に効果的にカップリングできるかどうかを評価する。ユニバーサル配列により修飾された二重標識プライマーを「リアルタイム」PCR反応において使用し、標準的なタックマン(商標)分析および二重標識プライマー分析を使用する「リアルタイム」PCR反応と比較した。反応混合物は以下の組成物であった。
10mM TrisHCl(pH 8.3)、
50mM KCl、
3mM MgCl2
200nM各dNTP200nm各プライマー
106クローン化されたMP48 DNA
2.5ユニットのアンプリタック・ゴールドDNAポリメラーゼ
(+/− 3μl、30ユニットTli I)
50μlの最終的な反応容積
以下のプライマーセットを、MP48アンプリコン(配列番号:24)を使用してこの実施例において評価した。
Figure 0005203381
増幅は、40回の温度サイクルを使用して、実施例1と同じ手順を使用して実行された。各システムは蛍光シグナルを生成した。二重標識システムおよびタックマン(登録商標)システムのCt値は20であり、ユニバーサルプライマーシステムのCt値は23であった。ユニバーサルプライマーについての時間の遅れは、二重標識プライマーの使用のための未修飾架橋プライマーからの標的の最初の生成に起因する予想されるシステム固有の特色である。
この実施例は、固有の遅れ期間を例外として、ユニバーサルプライマーシステムがタックマン(登録商標)システムまたは二重標識プライマーシステムと同じくらい効果的であることを実証する。
(実施例7)
この実施例は、架橋プライマーの量の漸増および各濃度の蛍光の評価によって、架橋プライマーの最適濃度を評価する。その手順は、二重標識プライマーシステムがない以外は、実施例6におけるものと同じであり、以下の濃度の複数のユニバーサルプライマーシステムがある。
100nM架橋プライマー
10nM
8nM
4nM
2nM
181/2Ctのタックマン(登録商標)システムCt値は、ユニバーサルプライマーシステム値よりもまだ低かった。100nM、10nMおよび8nMの濃度はすべて、211/2付近の類似したCt値であった。4nMおよび2nMの濃度は、231/2付近のCt値であった。
この実施例は、ユニバーサルプライマーシステムにおける架橋プライマーの最適濃度が、標準的な100nM濃度から広くわたり、8nM程度まで低くなりえることを実証する。
(実施例8)
この実施例は、図1において示されるFQT分析の有効性を実証する。以下の配列が調製された。
Figure 0005203381
Figure 0005203381
IQ=アイオワブラック(Iowa Black)
アゾ消光物質RQ=アイオワブラックアントラキノン消光物質
F=FAMフルオロフォア
M=MAXフルオロフォア
修飾塩基(下線を引いた)は以下のものを含む。
LNA=ロックされた核酸
5mc=5−メチル−dC
pdC=プロピニル−dC
制限部位は太字/イタリック体で表わされる。
本発明の方法を使用して、FQおよびFQTのプローブの性能を比較するために、複数の分析を行なった。配列番号:30〜32は、5’ヌクレアーゼ(タックマン(登録商標))分析のためにデザインされた。配列番号:33〜40は、FQ分析形式での使用のためにデザインされた。配列番号:41〜43は、FQT分析形式での使用のためにデザインされた。図7は、FQT分析の間に起こる生化学的なイベントのための配列アライメントを説明する。配列番号:44〜47は、未修飾または修飾されたFQT鋳型プローブである。FQT反応混合物は下記を含む。
FQT分析
0.25Uバイオラッド(BioRad)社 iTaq DNAポリメラーゼ
200nMフォワードプライマー配列番号:30
200nMキメラリバースプライマー配列番号:43
200nMFQT−LNA配列番号:47
+/−10UPspG1
10mM MgCl2
953:00−(950:15−630:30−720:30)×45サイクル
FQT分析がPspG1酵素の存在下および非存在下でシグナルを生成するかどうかを決定するために、FQT分析をAB7900 HT(アプライド・バイオシステム社)プラットフォーム上で実行した。図8および9における増幅プロットから、プライマー成分がすべて存在する場合にLNA修飾FQTプローブが蛍光シグナルを生成すること、どちらかのプライマーが削除される場合にシグナルは得られないことが示される。FQT分析は、切断分析形式および非切断分析形式の両方で機能した。シグナル生成は、プローブ切断で〜3サイクル早く出現した。図10はFQT分析(切断有りおよび切断無し)を5’ヌクレアーゼ分析と比較し、図11はFQT分析をFQ分析形式(切断有りおよび切断無し)と比較する。FQT分析は5’−ヌクレアーゼ分析およびFQ分析と本質的には同一に実行されたが、シグナル生成は1サイクルの遅延を示し、それは最初のシグナル生成イベントがPCRの第2サイクルから始まる分析デザインに起因して予想される(図1および図7)。
5’−ヌクレアーゼ反応混合物は以下のとおりであった。
0.25Uバイオラッド iTaq DNAポリメラーゼ
200nMリバースプライマー配列番号:31
200nMフォワードプライマー配列番号:30
200nM FAM−FQプローブ配列番号:32
3mM MgCl2
953:00−(950:15−630:30−720:30)×45サイクル
実施例8の結果は、FQ分析または5’−ヌクレアーゼ分析のいずれかと比較して、FQT分析は類似した検出感度を有しており、定量的核酸検出については機能的に交換可能であることを実証する。
(実施例9)
以下の実施例は、他のFQTプローブ組成物の機能的比較を提供する。FQTプローブ(配列番号:44〜47を参照)は、5−メチリー(methly)−dC、プロピニル−dCまたはロックされた核酸(LNA)塩基により未修飾または修飾された。図12は、切断酵素(PspG1)が存在する場合の、5−メチル−dC修飾FQTプローブとLNA修飾FQTプローブの間の比較の結果を示す。図13は、同じ反応がプローブ切断なしで機能することを示す。
各参照が参照することにより組み入れられるために個別におよび具体的に示され、参照全体が本明細書において説明されるかのように、出版物、特許出願および特許を含む本明細書において引用される参照はすべて、同程度に参照することにより本明細書に組み入れられる。
用語「1つの(a)」および「1つの(an)」および「その(the)」および本発明について記述する文脈中の(特に以下の請求項の文脈中の)類似する指示対象の使用は、本明細書において特別の指示の無い限り、または文脈により明らかに否定されない限り、単数および複数の両方を包含するように解釈されるべきである。用語「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」および「含む(containing)」は、特に断りのない限り、制限がない用語(すなわち、「含むが、限定されない」を意味する)として解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の詳述は、本明細書において特別の指示の無い限り、その範囲以内にある各々の分離した値を個別に指す簡便方法として取り扱うように単に意図され、各々の分離した値は、それが個別に本明細書において詳述されるかのように明細書へ組み入れられる。本明細書において記述される方法はすべて、本明細書において特別の指示の無い限り、または文脈により明らかに否定されない限り、適切な順序で実行することができる。任意のおよびすべての例の使用または本明細書において提供される例示的な言葉(例えば、「などの」)は、単によりよく本発明を例証するように意図され、特別に請求されない限り本発明の範囲に対して制限を提起しない。明細書中の言葉は、本発明の実行にとって必須のものとして任意の請求されていない要素を示すと解釈されるべきでない。
本発明の実行のために、本発明者に既知の最良実施態様を含む本発明の好ましい実施形態が、本明細書において記述される。それらの好ましい実施形態の変形は、前述の記述を読み取ることで当業者に明らかになるだろう。本発明者は当業者が必要に応じてそのような変形を用いることを予想し、本発明者は、具体的に本明細書において記述される通り以外に本発明を実行することを意図する。したがって本発明は、適用法令によって認められるように、本明細書に添付された請求項において詳述される内容の修飾物および等価物をすべて含む。さらに、そのすべての変形における上述の要素の任意の組合せは、本発明による特別の指示の無い限り、または文脈により明らかに否定されない限り本明細書において包含される。

Claims (15)

  1. サンプル中の標的核酸を検出するためのプライマーオリゴヌクレオチドであって、
    a)プライマーの3’末端に位置するプライミングドメインであって、プライミングドメインが標的核酸に対する相補性を有する、プライミングドメインと、
    b)プライマーの5’末端に位置するレポータードメインであって、レポータードメインが標的核酸に対して非相補的であり、DNA合成のための鋳型として機能するように構成され、かつ、蛍光供与基および蛍光受容基を含むように修飾される、レポータードメインと、
    c)供与基と受容基との間に位置するレポータードメイン内のリボヌクレアーゼ酵素認識部位であって、リボヌクレアーゼ酵素認識部位は二本鎖型である場合に耐熱性RNase Hにより特異的に切断されることができ、二本鎖はレポータードメインを鋳型として使用するDNA合成を介して生じる、リボヌクレアーゼ酵素認識部位と、
    を含むプライマー。
  2. 前記蛍光受容基がアントラキノンである、請求項1に記載のプライマー。
  3. 前記リボヌクレアーゼ酵素認識部位がRNAの連続配列である、請求項1に記載のプライマー。
  4. 前記リボヌクレアーゼ酵素認識部位が少なくとも4つのRNA残基の連続配列である、請求項3に記載のプライマー。
  5. 前記耐熱性RNase HがII型RNase Hである、請求項1に記載のプライマー。
  6. 前記耐熱性RNase Hが、ピロコッカス・コダカラエンシス(Pyrococcus kodakaraensis)からのRNase H IIである、請求項に記載のプライマー。
  7. 前記リボヌクレアーゼ酵素認識部位が、単一のリボヌクレオチドを含むヘテロ二重鎖を切断できるリボヌクレアーゼ酵素によって認識される単一のリボヌクレオチドである、請求項1に記載のプライマー。
  8. サンプル中の標的核酸を検出する方法であって、
    a)第1のオリゴヌクレオチドプライマーであって、第1のオリゴヌクレオチドの3’末端にプライマードメインおよび第1のオリゴヌクレオチドの5’末端にレポータードメインを含む第1のオリゴヌクレオチドプライマーを提供する工程であって、
    プライマードメイン標的核酸配列に対して相補的であり、
    レポータードメインは、DNA合成のための鋳型として機能するように構成され、蛍光供与基および蛍光受容基を含むように修飾され、かつ、供与基と受容基との間に位置するリボヌクレアーゼ酵素認識部位を含み、リボヌクレアーゼ酵素認識部位は二本鎖型である場合に耐熱性RNase Hにより特異的に切断されることができ、二本鎖はレポータードメインを鋳型として使用するDNA合成を介して生じる、前記工程と、
    b)第1のオリゴヌクレオチドプライマーに対して逆向きである第2のオリゴヌクレオチドプライマーを提供する工程であって、第1及び第2のプライマーは、標的核酸上で増幅反応をプライミングするように一緒に機能できる、前記工程と、
    c)標的核酸並びに第1及び第2のオリゴヌクレオチドプライマーを含む混合物を調製する工程と、
    )二本鎖核酸構造を変性させるために混合物を加熱し、相補的核酸のアニーリングを可能にするために混合物を冷却し、DNAポリメラーゼを使用して新しい核酸鎖を合成する工程と、
    工程(d)を繰り返す工程であって、当該工程の後、新しい核酸鎖が、第1のオリゴヌクレオチドプライマー伸長生成物であって、その5’末端側にリポータードメインを含む伸長生成物と、第2のオリゴヌクレオチドプライマー伸長生成物であって、その3’末端側にリポータードメインに相補的な核酸配列を含む伸長生成物とを含んでいる工程と、
    f)第1のオリゴヌクレオチドプライマー伸長生成物を第2のオリゴヌクレオチドプライマー伸長生成物へアニーリングする工程と、
    g)第1のオリゴヌクレオチドプライマー伸長生成物を、リポータードメイン内のリボヌクレアーゼ酵素認識部位で、耐熱性RNase Hにより切断する工程と、
    h)蛍光シグナルの変化を検出する工程、と
    を含む方法。
  9. 前記第1のオリゴヌクレオチドプライマーのリポータードメインが、標的核酸に対して非相補的である、請求項8に記載の方法。
  10. 前記蛍光受容基がアントラキノンである、請求項8に記載の方法。
  11. 前記リボヌクレアーゼ酵素認識部位がRNAの連続配列である、請求項8に記載の方法。
  12. 前記リボヌクレアーゼ酵素認識部位が少なくとも4つのRNA残基の連続配列である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記耐熱性RNase HがII型RNase Hである、請求項8に記載の方法。
  14. 前記耐熱性RNase Hがピロコッカス・コダカラエンシスからのRNase H IIである、請求項に記載の方法。
  15. 前記切断が、単一のリボヌクレオチドを含むヘテロ二重鎖を切断できるリボヌクレアーゼ酵素によって認識される単一のリボヌクレオチドで生じる、請求項に記載の方法。
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