JP2003535568A - 核酸検出のための多重法 - Google Patents

核酸検出のための多重法

Info

Publication number
JP2003535568A
JP2003535568A JP2000599904A JP2000599904A JP2003535568A JP 2003535568 A JP2003535568 A JP 2003535568A JP 2000599904 A JP2000599904 A JP 2000599904A JP 2000599904 A JP2000599904 A JP 2000599904A JP 2003535568 A JP2003535568 A JP 2003535568A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nucleic acid
probe
seq
nucleotides
sequence
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000599904A
Other languages
English (en)
Inventor
ルイス,マーティン・ケイ
ケパート,ダニエル
ローズ,リチャード・ビー
シュルツ,ジョン・ダブリュー
ライペ,ドナ
マンドレカー,ミッシェル
アンドリュース,クリスティーン・アン
ハートネット,ジェームズ・アール
グ,トレント
オルソン,ライアン・ジェイ
ウッド,キース・ヴイ
ウェルチ,ロイ
Original Assignee
プロメガ・コーポレーション
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from US09/252,436 external-priority patent/US6159693A/en
Priority claimed from PCT/US1999/005304 external-priority patent/WO1999046409A1/en
Priority claimed from US09/358,972 external-priority patent/US6235480B1/en
Priority claimed from US09/406,064 external-priority patent/US6270973B1/en
Application filed by プロメガ・コーポレーション filed Critical プロメガ・コーポレーション
Publication of JP2003535568A publication Critical patent/JP2003535568A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6813Hybridisation assays
    • C12Q1/6827Hybridisation assays for detection of mutation or polymorphism
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6813Hybridisation assays
    • C12Q1/6816Hybridisation assays characterised by the detection means
    • C12Q1/6823Release of bound markers

Abstract

(57)【要約】 多重アッセイ形式を使用して、あらかじめ決定された核酸標的配列の存在について定性的および定量的に解析するための、核酸ハイブリッドの脱重合化を用いるプロセスが開示される。これらのプロセスの適用としては、単一の核酸の多型の検出、単一の塩基の変化の同定、種形成、遺伝子型決定、医薬マーカー診断などが挙げられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 技術分野 本発明は、核酸の検出に関する。より具体的には、本発明は、核酸標的/プロ
ーブハイブリッドにおける複数の標的化され、あらかじめ決定された核酸配列の
存在または不在の検出、およびそれらの検出の種々の適用に関する。
【0002】 発明の背景 核酸を検出するための方法、および特異的な核酸を検出するための方法は、大
きくおよび迅速に成長する分子生物学の分野が構築される基盤を提供する。代替
の方法および生成物についての不断の必要がある。別の方法よりもある方法を選
択するための理由は様々であり、そして放射活性物質を回避する希望、技術を使
用する資格の欠如、試薬もしくは装置の費用または利用可能性、費やす時間およ
び工程の数を最小にする希望、ある適用についての正確さもしくは感度、解析の
容易さ、1つのサンプルにおいて複数の核酸を検出する必要性、またはプロセス
を自動化する能力が挙げられる。
【0003】 核酸または特異的な核酸の検出は、しばしば、それ自身が目的ではなくプロセ
スの一部分である。当該分野において核酸の検出の多くの適用があり、および新
規な適用が常に開発されている。核酸を検出し、そして定量する能力は、微生物
、ウイルス、および生物学的分子を検出するにおいて有用であり、ならびに従っ
てヒトおよび獣医の医薬、食品加工、および環境調査を含む、多くの分野に影響
する。さらに、生物学的サンプル(例えば、組織、痰、尿、血液、精液、唾液)
からの特異的な生体分子の検出および/または定量は、犯罪の容疑者を同定およ
び排除するような、法廷科学、父権調査、ならびに医学的診断における適用を有
する。
【0004】 核酸を検出するためのいくつかの一般的な方法は、核酸配列の前もった知見に
基づかない。配列特異的でないが、RNA特異的である核酸検出方法が、米国特
許第4,735,897号において記載され、ここではRNAは、リン酸の存在
下ポリヌクレオチドホスホリラーゼ(PNP)を使用して、またはリボヌクレア
ーゼを使用して、脱重合化される。PNPは、2本鎖RNAセグメントにて、ま
たはその近くで脱重合化を停止する。時折、2本鎖RNAは、リボソームRNA
、トランスファーRNA、ウイルスRNA、およびmRNAのメッセージ部分に
おいて一般的であるように、二次構造RNAのタイプとして生じ得る。無機リン
酸の存在下でのmRNAのポリアデニル化されたテイルのPNP脱重合化は、A
DPを形成する。あるいは、リボヌクレアーゼを使用する脱重合化はAMPを形
成する。形成されたAMPは、ミオキナーゼでADPに変換され、そしてADP
はピルビン酸キナーゼまたはクレアチンホスホキナーゼによってATPに変換さ
れる。有機リン酸同時反応物(ピルビン酸またはクレアチン)からのATPまた
は副産物のいずれかは、mRNAを検出する間接的な方法として検出される。
【0005】 米国特許第4,735,897号において、ATPはルシフェラーゼ検出系に
よって検出される。ATPおよび酸素の存在下、ルシフェラーゼはルシフェリン
の酸化を触媒し、光を生成し、これは次いでルミノメーターを使用して定量され
得る。反応のさらなる産物はAMP、ピロリン酸、およびオキシルシフェリンで
ある。
【0006】 2本鎖DNAは、臭化エチジウムのようなインターカレーティング色素を使用
して検出され得る。このような色素はまた、ハイブリッド形成を検出するために
使用される。
【0007】 核酸を検出するためのハイブリダイゼーション法は、核酸配列の知見に依存す
る。多くの公知の核酸検出技術は、オリゴヌクレオチドプローブがサンプル中の
またはブロット上の核酸にハイブリダイズされるかまたはアニールされる特異的
な核酸ハイブリダイゼーションに依存し、そしてハイブリダイズされたプローブ
が検出される。
【0008】 ハイブリダイズされた核酸の検出のためのプロセスの伝統的なタイプは、核酸
サンプルにハイブリダイズするために、標識された核酸プローブを使用する。例
えば、サザンブロット技術において、核酸サンプルは大きさに基づいてアガロー
スゲル中で分離され、そして膜に固定され、変性され、そしてハイブリダイズす
る条件下で標識された核酸プローブに曝露される。標識された核酸プローブが、
ブロット上の核酸とハイブリッドを形成する場合、標識は膜に結合される。サザ
ンブロットにおいて使用されるプローブは、放射活性、蛍光色素、ジゴキシゲニ
ン、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、およびアクリジニ
ウムエステルで標識されている ハイブリダイズされた核酸の検出のための別のタイプのプロセスは、ポリメラ
ーゼ連鎖反応(PCR)を利用する。PCRプロセスは当該分野において周知で
ある(米国特許第4,683,195号、同第4,683,202号、および同第
4,800,159号)。PCRを簡潔にまとめるために、核酸増幅の標的配列
の反対の鎖に相補的な、核酸プライマーが、変性されたサンプルにアニールする
ことを許容される。DNAポリメラーゼ(典型的に熱安定性)は、ハイブリダイ
ズされたプライマーからDNA2本鎖を伸長する。プロセスは、核酸標的を増幅
するために反復される。核酸プライマーがサンプルにハイブリダイズしない場合
、対応する増幅されたPCR産物は何もない。この場合において、PCRプライ
マーはハイブリダイゼーションプローブとして作用する。PCRベースの方法は
、未知の配列の核酸の検出については使用が制限される。
【0009】 PCR法において、増幅された核酸産物は、多くの方法、例えば、標識された
プライマーを使用することによる増幅された鎖への標識されたヌクレオチドの取
り込みにおいて、検出され得る。PCRにおいて使用されるプライマーは、放射
活性、蛍光色素、ジゴキシゲニン、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホス
ファターゼ、アクリジニウムエステル、ビオチン、およびタチナタマメのウレア
ーゼで標識されている。未標識のプライマーを用いて作製されたPCR産物は、
電気泳動ゲル分離、その後の色素ベースの可視化のような、他の方法において検
出され得る。
【0010】 多重PCRアッセイは、当該分野において周知である。例えば、米国特許第5
,582,989号は、多重の公知のDNA配列の欠失の同時の検出を開示する
。そこに開示される技術は、標的にハイブリダイズする第1のセットのプローブ
を使用する。これらのプローブは、標的が存在する場合に伸長される。伸長産物
は、PCRを使用して増幅される。
【0011】 蛍光技術はまた、核酸ハイブリッドの検出について公知であり、米国特許第5
,691,146号は、蛍光クエンチングされる蛍光ハイブリダイゼーションプ
ローブの、それらが標的核酸配列にハイブリダイズしない限りの使用を記載する
。米国特許第5,723,591号は、蛍光クエンチングされる蛍光ハイブリダ
イゼーションプローブを、それらが標的核酸配列にハイブリダイズされるまで、
またはプローブが消化されるまで、開示する。このような技術はハイブリダイゼ
ーションについての情報を提供し、および配列における単一の塩基の変異の検出
について種々の程度に有用である。いくつかの蛍光技術は、TaqMan(Pe
rkin Elmer;米国特許第5,691,146号および同第5,876
,930号)のような蛍光クエンチャーの近位から蛍光シグナルを放出するため
に、5'→3'方向における核酸ハイブリッドの消化を含む。
【0012】 いくつかの3'→5'脱重合化活性が報告されている温度特異的ポリメラーゼ活
性を有する酵素としては、E.coli DNAポリメラーゼ(Deutsch
erおよびKornberg、J.Biol.Chem.、244(11):3
019‐28(1969)、T7 DNA ポリメラーゼ(Wongら、Bio
chemistry 30:526-37(1991);TaborおよびRi
chardson、J.Biol.Chem.265:8322-28(199
0))、E.coli RNA ポリメラーゼ(Rozovskayaら、Bi
ochem.J.224:645-50(1994)、AMVおよびRLV逆転
写酵素(SrivastavaおよびModak、J.Biol.Chem.2
55:2000-4(1980))、ならびにHIV逆転写酵素(Zinnen
ら、J.Biol.Chem.269:24195-202(1994))が挙
げられる。3'→5'エキソヌクレアーゼ活性がDNAハイブリッドのミスマッチ
される末端に対して報告されている温度依存性のポリメラーゼは、ファージ29
DNAポリメラーゼである(de Vega、M.ら、EMBO J.、15:
1182-1192、1996)。
【0013】 多様な方法論が、ゲノムDNAに存在する単一のヌクレオチド多型(SNP)
の検出のために現在存在する。SNPは、集団中に測定可能な頻度にて存在する
DNAの点変異または挿入/欠失である。SNPは、ゲノムにおいて最も共通の
変異である。SNPは、ゲノム内の規定された位置にて生じ、そして遺伝子マッ
ピングのために使用され得、集団の構造を規定し、および機能的な研究を行う。
SNPは、多くの公知の遺伝子疾患が点変異および挿入/欠失によって引き起こ
されるので、マーカーとして有用である。いくつかのSNPは、それらが同時分
離をすることが知られているので他の疾患の遺伝子のマーカーとして有用である
【0014】 SNPが偶発的に制限酵素認識配列を変化するまれな場合において、切断に対
する増幅されたDNAの特異的な感度が、SNP検出のために使用され得る。こ
の技術は、制限エンドヌクレアーゼによる特異的な認識のために、適切な配列の
情況において適切な制限酵素部位が存在するか、または導入されることを必要と
する。増幅後、産物は適切な認識エンドヌクレアーゼによって切断され、そして
産物は、ゲル電気泳動およびその後の染色によって解析される。サンプルがプロ
セシング、ゲル解析、およびデータの有意な解釈を、SNPが正確に決定され得
る前に必要とするので、この技術による解析の処理量は制限される。
【0015】 一本鎖配座多型(SSCP)は、増幅されたDNAセグメントに存在するSN
Pを検出し得る第2の技術である(Hayashi,K.Genetic An
alysis:Techniques and Applications 9
:73−79、1992)。この方法において、2本鎖の増幅された産物は変性
され、そして次いで両方の鎖は、非変性ポリアクリルアミドゲルにおける電気泳
動の間に再アニールさせられる。分離された鎖は、分子内塩基対号に基づく特異
的な折り畳まれた配座を推定する。各鎖の電気泳動特性は、折り畳まれた配座に
依存する。配列における単一のヌクレオチドの変化の存在は、野生型サンプルに
比較した増幅されたサンプルの配座および電気泳動移動度における検出可能な変
化を引き起こし得、SNPが同定されることを許容する。ゲルベースの技術によ
り可能な制限される処理量に加えて、SSCPベースの実験の設計および解釈は困難
であり得る。同じSSCP反応におけるいくつかのサンプルの多重解析は極めて
疑問である。変異検出および解析において必要とされる感度は、大部分の研究者
らを、放射活性に標識されたPCR産物をこの技術のために使用させる。
【0016】 増幅不応性変異系(ARMS、対立遺伝子特異的PCRまたはASPCRとし
てもまた知られる)において、2つの増幅反応系が、SNPがDNAサンプルに
存在するか否かを決定するために使用される(Newtonら、Nucl Ac
ids Res 17:2503、1989;Wuら、PNAS 86:275
7、1989)。両方の増幅反応は、目的の標的についての共通のプライマーを
含む。第1の反応は、野生型遺伝子がサンプルに存在する場合にPCR産物を生
じる野生型産物に特異的な第2のプライマーを含む。第2のPCR反応は、DN
Aの変異された形態に存在する塩基の変化を示す3'末端にてまたはその近くで
単一のヌクレオチド変異を有するプライマーを含む。第2のプライマーは、共通
のプライマーと組み合わせて、ゲノムDNAの変異された形態を含むゲノムDN
Aが存在する場合にPCRにのみ機能する。この技術は重複される増幅反応が行
われること、そして遺伝子の変異された形態が存在するか否かを確認するために
ゲル電気泳動によって解析されることを必要とする。さらに、データは手動で解
釈されなくてはならない。
【0017】 単一塩基の伸長(GBA(登録商標))は、捕獲されたDNA標的に1本鎖D
NAプローブをハイブリダイズすることによってSNPの検出を許容する(Ni
kiforov、T.ら、Nucl Acids Res 22:4167−4
175)。一旦ハイブリダイズされると、1本鎖のプローブは標識されたジデオ
キシヌクレオチドで1塩基伸長される。標識され、伸長された産物は次いで、比
色計または蛍光方法論を使用して検出される。
【0018】 実時間(または動力学的)PCRに関する多様な技術がSNP検出を行うため
に適合されてきた。これらの系の多くは、プラットフォームベースであり、なら
びに特殊化された装置、複雑なプライマー設計、およびSNP検出のための高価
な支持物質を必要とする。対照的に本発明のプロセスは、末端使用者の処理量の
必要性に適応する多様な装置を使用し得るモジュール式の技術として設計された
。さらに、ルシフェラーゼ検出感度と、標準的なオリゴヌクレオチド化学および
十分に確立された酵素学との結びつけは、柔軟なおよび自由な系の構成を提供す
る。質量分析、HPLC、および蛍光検出法のような代替の解析的な検出法はま
た、本発明のプロセスにおいて使用され得、さらなるアッセイの柔軟性を提供す
る。
【0019】 実時間増幅を使用するSNP検出は、核酸の増幅されたセグメントを、それら
の増幅反応の間にあるので、検出する能力に依存する。3つの基本的な実時間S
NP検出方法論が存在する:(i)2本鎖DNA特異的色素結合の増加される蛍
光、(ii)増幅の間の蛍光の減少されるクエンチング、および(iii)増幅
の間の増加される蛍光エネルギー転移(Wittwer、C.ら、Biotec
hniques 22:130−138、1997)。これらの技術の全ては、
非ゲルベースであり、および各ストラテジーは簡潔に考察される。
【0020】 多様な色素が、2本鎖化されたDNAの結合に応答して増加される蛍光を示す
ことが知られる。この特性は、SNPの存在を検出するための上記の増幅不応性
変異系と組み合わせて利用される。野生型または変異を含有するPCR産物の生
成は、臭化エチジウムまたはSyber Greenのような色素が集積される
PCR産物に結合するので、これらの増加される蛍光によって継続的にモニター
される。色素結合はPCR産物の配列に選択性でないこと、およびこの技術を用
いて、高い非特異的バックグラウンドは偽シグナルを生じ得ることに注意のこと
【0021】 実時間PCRの第2の検出技術は、エキソヌクレアーゼプライマー(TaqM
an(登録商標)プローブ)として一般に公知であり、増幅反応に存在する2重
標識されたプローブを切断するためにTaqのような熱安定性のポリメラーゼの
5'エキソヌクレアーゼ活性を利用する(Wittwer、C.ら、Biote
chniques 22:130−138、1997;Holland、Pら、
PNAS 88:7276−7280、1991)。PCR産物に相補的である
が、このアッセイにおいて使用されるプローブは、PCRプライマーとは異なり
、および蛍光し得る分子および蛍光をクエンチングし得る分子の両方で2重に標
識される。プローブが無傷である場合、DNAプローブ内の蛍光シグナルの分子
内クエンチングは、小さなシグナルを導く。蛍光分子が、増幅の間にTaqのエ
キソヌクレアーゼ活性によって遊離される場合、クエンチングは非常に減少され
て、増加された蛍光シグナルを導く。
【0022】 実時間PCRのさらなる形態はまた、束縛されたクエンチング部分の使用によ
る蛍光部分の分子内クエンチングに利用される。分子標識の技術は、蛍光が目的
のDNA標的への結合によって回復される内部的にクエンチングされる蛍光団と
ともに、ヘアピンの形状の分子を利用する(Kramer、R.ら.Nat.B
iotechnol.14:303‐308、1996)。蓄積されるPCR産
物への分子標識プローブの増加される結合は、ゲノムDNAに存在するSNPを
特異的に検出するために使用され得る。
【0023】 実時間におけるSNPの検出のために使用される最後の、一般的な蛍光検出ス
トラテジーは、蛍光共鳴エネルギー伝達(FRET)(Wittwer、C.ら
、Biotechniques 22:130‐138、1997;Berna
rd、P.ら、Am.J.Pathol.153:1055‐1061、199
8)として知られる公知のプロセスと組み合わせて、ハイブリダイゼーションの
プローブとして公知の合成DNAセグメントを利用する。この技術は、標的配列
への標識されたDNAプローブの独立した結合に依存する。標的配列への2つの
プローブの密接な接近が、一方のプローブから他方への共鳴エネルギー伝達を増
加し、独特の蛍光シグナルを導く。プローブのいずれかの結合を破壊するSNP
によって引き起こされるミスマッチは、DNAサンプルに存在する変異体配列を
検出するために使用され得る。
【0024】 単一のサンプルにおける複数の核酸ハイブリッドの検出のための代替の方法に
ついての必要がある。非常に感度の高いこのような方法についての要求がある。
例えば、身体、組織、体液、または他の生物学的サンプルに存在する10コピー
程度のウイルスを信頼性をもって検出することができる、単一のサンプルにおけ
る複数のウイルスのウイルス負荷を決定するための方法が、非常に要求される。
そうでなければ存在するかもしれない配列からわずかに異なる核酸配列の存在ま
たは不在を決定するための方法について非常な要求がある。サンプルにおいて特
定の種に独特の配列の存在または不在を決定するための方法についての非常な要
求がある。また、公知の方法よりも非常に感度が高い、定量的な、非常に再現可
能な、および自動化できる方法についての非常な要求がある。
【0025】 必要な、あらかじめ決定された標的ヌクレオチド配列または対立遺伝子または
ポリヌクレオチド改変体の存在を検出するための別の方法が利用可能である場合
、これは有益である。このような方法が、マイクログラムからピコグラムの規模
のサンプルの大きさを使用して操作可能である場合、これはまた有益である。上
述で列挙される種々の方法が単一のアッセイにおいて複数の解析を提供し得る場
合(多重解析)、これはさらに有益である。続く開示は、1つのこのような方法
を提供する。
【0026】 発明の簡単な要旨 本発明の方法は、核酸サンプルにおいて複数のあらかじめ決定された(公知の
)核酸標的配列の存在または不在を決定するために使用される。このような方法
は、核酸標的配列にハイブリダイズされるオリゴヌクレオチドプローブの3'−
末端を脱重合化し得る酵素を利用して、1つ以上のアイデンティファイアーヌク
レオチドを放出し、次いで、その存在または不在が決定され得る。
【0027】 本発明の1つの実施態様は、核酸サンプルにおいて複数のあらかじめ決定され
た核酸標的配列の存在または不在を決定するための方法を意図する。従って、少
なくとも2つのあらかじめ決定された核酸標的配列の存在または不在が、決定さ
れたために探索される。この実施態様は以下の工程を包含する。
【0028】 処理されたサンプルは、3'−末端領域においてアイデンティファイアーヌク
レオチドを含むそれらのそれぞれの核酸プローブとハイブリダイズされる複数の
あらかじめ決定された核酸標的配列を含む。処理されたサンプルは、その活性が
ハイブリダイズされた核酸プローブの3'‐末端から1つ以上のアイデンティフ
ァイアーヌクレオチドを放出する、脱重合化する量の酵素と混合され、処理され
た反応混合物を形成する。処理された反応混合物は、脱重合化条件下で酵素が、
ハイブリダイズされた核酸を脱重合化し、そしてアイデンティファイアーヌクレ
オチドをそこから放出することを許容するのに十分な期間、維持される。
【0029】 解析的な出力結果は、放出されたアイデンティファイアーヌクレオチドの存在
または不在について解析することによって得られ、それによって、好ましくは、
ヌクレオチドが放出されたプローブは区別可能である。解析的な出力結果は、核
酸標的のあらかじめ決定された領域にてヌクレオチドの存在または不在を、およ
びそれによって、核酸標的の存在または不在を示す。
【0030】 本発明の方法の解析的な出力結果は、多様な方法によって得られることが意図
される。解析的な出力結果は、発光によって確認され得る。いくつかの好ましい
実施態様において、放出された3'‐末端領域アイデンティファイアーヌクレオ
チドについての解析は、ルシフェラーゼ検出系(発光)またはNADH検出系(
吸光度分析)のいずれかによる、ATPの検出を包含する。特に好ましい実施態
様において、ATP分子は、ADPの存在下で、例えば、NDPK(ヌクレオチ
ド二リン酸キナーゼ)のような酵素を使用する、リン酸転移工程による脱重合化
工程によって放出されるヌクレオチド三リン酸から形成される。いくつかの実施
態様において、ATPは、複数のATP分子を形成するように増幅される。AT
P検出の実施態様において、典型的に、ヌクレオチドを転換し、ADPをATP
に付加するための酵素(NDPK)が脱重合化反応に存在し、従ってこれらは「
ワンポット」法として示される。
【0031】 代替の実施態様において、解析的な出力結果は蛍光分光法によって得られる。
広範に多様な蛍光検出法の使用が意図される。1つの例示的に意図される方法に
おいて、アイデンティファイアーヌクレオチドは蛍光標識を含む。核酸標的配列
が存在すること、および不在することを区別することが所望される多重解析にお
いて、複数のタイプの標識が使用され得る。アイデンティファイアーヌクレオチ
ドは、アイデンティファイアーヌクレオチドの放出の前にまたは後に、蛍光的に
標識され得る。放出されるアイデンティファイアーヌクレオチドはその他に蛍光
タグを含むことがまた意図される。このような実施態様において、本発明のプロ
セスにおけるヌクレオチドの放出は、例えば、プローブの5'末端にて、または
3'末端領域以外の領域において、蛍光タグによって画像化されるキャピラリー
電気泳動によって、ポリヌクレオチドプローブの長さにおける差異の検出により
確認される。
【0032】 代替の実施態様において、解析的な出力結果は、質量分析によって得られる。
本明細書において、アイデンティファイアーヌクレオチドは、ヌクレオチドアナ
ログまたは標識されたヌクレオチドであり、およびそのヌクレオチドの通常の形
態の質量とは異なる分子質量を有することが好ましいが、質量における差異は必
要とされない。蛍光標識されたアイデンティファイアーヌクレオチドを用いて、
解析的な出力結果はまた、質量分析によって得られ得ることが注記される。放出
されるヌクレオチドの解析は、本発明のプロセスの脱重合化の工程の後にプロー
ブの質量における差異を確認することによって行われることがまた、意図される
【0033】 別の代替の実施態様において、解析的な出力結果は、吸光度分析によって得ら
れる。このような解析は、紫外線およびスペクトルの可視領域における光の吸光
度をモニターして、吸収する種の存在を検出する。このようなプロセスの1つの
局面において、放出されるヌクレオチドは、クロマトグラフィー(例えば、HP
LCもしくはGC)または電気泳動(例えば、PAGEもしくはキャピラリー電
気泳動)によって、ハイブリダイズされた核酸および他のポリヌクレオチドから
分離される。放出されたアイデンティファイアーヌクレオチドまたは残りのプロ
ーブのいずれかが、本発明のプロセスにおいてアイデンティファイアーヌクレオ
チドの放出を確認するために解析され得る。このようなプロセスの別の局面にお
いて、標識は解析された核酸中に取り込まれ得る。
【0034】 別の意図される実施態様において、アッセイされるサンプルはハイブリダイゼ
ーション組成物を形成するためにハイブリダイズする条件下で2つ以上の核酸プ
ローブとともに混合される。3'‐末端領域の核酸プローブは、核酸標的配列に
、この配列がサンプルにおいて存在する場合、部分的なまたは全体的な相補性を
伴って、ハイブリダイズする。核酸プローブの3'‐末端領域は、アイデンティ
ファイアーヌクレオチドを含む。
【0035】 ハイブリダイゼーション組成物は、核酸プローブとハイブリダイズされた当該
あらかじめ決定された核酸標的配列を含み得る処理されたサンプル形成するのに
十分な期間、ハイブリダイズする条件下で維持される。処理されたサンプルは、
その活性がハイブリダイズされた核酸プローブの3'‐末端から1つ以上のヌク
レオチドを放出する、脱重合化する量の酵素と混合され、処理された反応混合物
を形成する。処理された反応混合物は、酵素が、ハイブリダイズされた核酸を脱
重合化し、そしてアイデンティファイアーヌクレオチドをそこから放出すること
を許容するのに十分な期間、脱重合化条件の下に維持される。
【0036】 放出されたアイデンティファイアーヌクレオチドの存在は、解析的な出力結果
を得るために解析され、解析的な出力結果は核酸標的配列の存在または不在を示
す。解析的な出力結果は、上述で考察されるように種々の技術によって得られ得
る。
【0037】 本発明の1つの方法は、アッセイされるサンプルにおけるそれらの核酸標的配
列における特異的な塩基の存在または不在を疑問にすることを意図し、以下の工
程を含む。ここで、ハイブリダイゼーション組成物は、ハイブリダイズする条件
下で、アッセイされるサンプルと、複数の核酸プローブとを混合することによっ
て形成される。アッセイされるべきサンプルは、疑問にされる核酸標的配列を含
み得る。核酸標的は、その存在または不在が同定される少なくとも1つの塩基を
含む。ハイブリダイゼーション組成物は、目的の核酸標的配列に各実質的に相補
的である複数の核酸プローブを含み、そして各プローブは、疑問の部位にて少な
くとも1つのあらかじめ決定されたヌクレオチド、および3'‐末端領域におい
てアイデンティファイアーのヌクレオチドを含む。
【0038】 処理されたサンプルは、疑問の位置においてプローブヌクレオチドがその標的
配列において同定される塩基とアラインメントされる場合、全てのプローブにつ
いて塩基対合が生じるのに十分な期間、ハイブリダイズする条件下でハイブリダ
イゼーション組成物を維持することによって、形成される。処理される反応混合
物は、その活性がハイブリダイズされた核酸プローブの3'‐末端から1つ以上
のアイデンティファイアヌクレオチドを放出してハイブリッドを脱重合化する酵
素とを混合することによって形成される。この反応において使用され得る酵素は
さらに、本明細書中で考察される。処置される反応混合物は、酵素が、ハイブリ
ダイズされた核酸を脱重合化し、そしてアイデンティファイアーヌクレオチドを
そこから放出することを許容するのに十分な期間、脱重合化する条件下で維持さ
れる。
【0039】 解析的な出力結果は、放出されたアイデンティファイアーヌクレオチドの存在
について解析することによって得られる。解析的な出力結果は、特異的な塩基ま
たは同定される塩基の存在または不在を示す。解析的な出力結果は、本明細書に
おいてさらに記載されるように、種々の技術によって得られる。好ましくは、ア
イデンティファイアーヌクレオチドは、疑問の領域にある。1つの好ましい実施
態様において、少なくとも複数の標的の1つがサンプルにおいて存在するか否か
を決定し得る。代替の好ましい実施態様において、複数の標的が存在することお
よび不在であることを決定し得る。
【0040】 疑問の位置での特定の塩基の存在を同定する方法は、必要に応じて第1のプロ
ーブ、第2のプローブ、第3のプローブ、および第4のプローブを含む。第1の
プローブの疑問の位置は、デオキシアデノシンまたはアデノシン残基である核酸
残基を含む。第2のプローブの疑問の位置は、デオキシチミジンウリジン残基で
ある核酸残基を含む。第3のプローブの疑問の位置は、デオキシグアノシンまた
はグアノシン残基である核酸残基を含む。第4の核酸プローブの疑問の位置は、
デオキシシトシンまたはシトシン残基である核酸残基を含む。好ましくは、全て
の4つのプローブは、単一の脱重合化反応において使用され得、そしてそれらの
放出されるアイデンティファイアーヌクレオチドは区別可能である。
【0041】 本発明の別の実施態様において、複数の標的核酸配列を含むサンプルは、複数
の核酸プローブと混合される。いくつかの解析的な出力結果はこのような多重化
されるアッセイから得られ得る。第1の実施態様において、少なくとも1つの核
酸プローブが、1つの標的核酸配列に部分的な相補性を伴ってハイブリダイズさ
れる場合に得られる解析的な出力結果は、全ての核酸プローブがそれらのそれぞ
れの核酸標的配列に全体的な相補性を伴ってハイブリダイズする場合の解析的な
出力結果よりも大きい。第2の実施態様において、少なくとも1つの核酸プロー
ブが、1つの標的核酸配列に部分的な相補性を伴ってハイブリダイズされる場合
に得られる解析的な出力結果は、全ての核酸プローブがそれらのそれぞれの核酸
標的配列に全体的な相補性を伴ってハイブリダイズする場合の解析的な出力結果
よりも小さい。第3の実施態様において、少なくとも1つの核酸プローブが、1
つの標的核酸配列に全体的な相補性を伴ってハイブリダイズされる場合に得られ
る解析的な出力結果は、全ての核酸プローブがそれらのそれぞれの核酸標的配列
に部分的な相補性を伴ってハイブリダイズする場合の解析的な出力結果よりも大
きい。第4の実施態様において、少なくとも1つの核酸プローブが、1つの標的
核酸配列に全体的な相補性を伴ってハイブリダイズされる場合に得られる解析的
な出力結果は、全ての核酸プローブがそれらのそれぞれの核酸標的配列に部分的
相補性を伴ってハイブリダイズする場合の解析的な出力結果よりも小さい。これ
らの4つの実施態様における使用のための脱重合化酵素は、本明細書中に記載さ
れる。
【0042】 本発明のなお別の実施態様は、第1の核酸標的の存在または不在を、この標的
を含むか、または実質的に同一な第2の標的を含む核酸サンプルにおいて、決定
するための方法を意図する。例えば、第2の標的は、第1の核酸標的に比較して
、単一の塩基置換、欠失、または付加を有し得る。この実施態様は以下の工程を
包含する。
【0043】 アッセイされるサンプルは、ハイブリダイズされる条件下で複数の核酸プロー
ブと混合されて、ハイブリダイゼーション組成物を形成する。第1および第2の
核酸標的は、あらかじめ決定された位置にて標的間で異なる少なくとも単一のヌ
クレオチド以外は配列同一性の領域をそれぞれ含む。核酸プローブのそれぞれは
、配列同一性の核酸標的領域に、実質的に相補的であり、および少なくとも1つ
のアイデンティファイアーヌクレオチドを疑問の位置にて含む。プローブの疑問
の位置は、標的とプローブとがハイブリダイズされる場合に標的のあらかじめ決
定された位置とアラインされる。各プローブはまた、3'‐末端領域においてア
イデンティファイアーヌクレオチドを含む。
【0044】 ハイブリダイゼーション組成物は、処理されたサンプルを形成するのに十分な
時間、ハイブリダイズする条件下で維持され、ここでプローブの疑問の位置での
ヌクレオチドは、標的の同一性の領域においてあらかじめ決定された位置にてヌ
クレオチドとアラインされる。
【0045】 処理された反応混合物は、その活性がハイブリダイズされた核酸プローブの3
'‐末端から1つ以上のヌクレオチドを放出することである酵素の脱重合化する
量とともに処理されたサンプルと混合することによって、形成される。反応混合
物は、酵素がハイブリダイズされた核酸プローブを脱重合化し、そしてアイデン
ティファイアーヌクレオチドを放出することを許容するのに十分な期間、脱重合
化の条件の下に維持される。
【0046】 解析的な出力結果は、ハイブリダイズされたプローブの3'末端から放出され
たアイデンティファイアーヌクレオチドの存在または不在について解析すること
によって得られる。解析的な出力結果は、あらかじめ決定された領域にて放出さ
れたアイデンティファイアヌクレオチドの存在または不在、ならびに、それによ
って対応する核酸標的の存在または不在を示す。
【0047】 上述の方法の1つの局面は、同じハイブリダイゼーション組成物における第1
のプローブおよび第2のプローブから構成される。第1のプローブは、あらかじ
め決定された位置にて第1の核酸標的に相補的であるヌクレオチドを疑問の位置
にて含む。第2のプローブは、あらかじめ決定された位置にて第2の核酸標的に
相補的であるヌクレオチドを疑問の位置にて含む。
【0048】 上述の方法の別の局面の、第1および第2の標的から異なる、第3の核酸標的
の存在または不在は、第3の標的に実質的に同一である第4の標的をさらに含み
得る同じサンプルにおいてアッセイされる。
【0049】 本発明のプロセスの1つの局面において、脱重合化酵素は、その活性がヌクレ
オチドを放出し、温度依存性のポリメラーゼであり、その活性は、3'−末端ヌ
クレオチドがマッチされるハイブリダイズされた核酸をピロリン酸イオンの存在
下3'から5'の方向に脱重合化して、1つ以上のヌクレオチドを放出する。従っ
て、酵素の活性は、脱重合化する条件下で、ハイブリダイズされた核酸を脱重合
して、アイデンティファイアーヌクレオチドを放出することである。好ましくは
、この酵素は、プローブの3'‐末端領域における塩基が、核酸標的の対応する
塩基と全体的な相補性を伴ってマッチされる、ハイブリダイズされた核酸を脱重
合化する。酵素は、3'‐末端領域から正確に対合される塩基を放出し続け、そ
してミスマッチされる塩基に到達する位置にて、またはその近くで停止する。
【0050】 プロセスの代替の局面において、脱重合化酵素は、その活性はヌクレオチドを
放出し、ハイブリダイズされたプローブの3'‐末端にて1つ以上のミスマッチ
される塩基を有するハイブリダイズされた核酸が脱重合される3'から5'へのエ
キソヌクレアーゼ活性を示す。従って、酵素の活性は、脱重合化する条件下で、
ハイブリダイズされた核酸を脱重合して、ヌクレオチドを放出することである。
この実施態様において、ハイブリッドは、酵素処理のまえに遊離プローブから分
離され得る。いくかの実施態様において、過剰な標的が、酵素反応における遊離
プローブの濃度を極めて低くするために使用され得る。
【0051】 なお別の本発明のプロセスの代替の局面において、脱重合化酵素が、ハイブリ
ッドの3'末端にて1つ以上のマッチされる塩基を有する2本鎖DNA基質に対
して、3'から5'へのエキソヌクレアーゼ活性を示す。酵素の活性は、脱重合化
する条件下で、ハイブリダイズされた核酸を脱重合して、5'リン酸を含有する
ヌクレオチドを放出することである。
【0052】 本発明のさらに別の局面において、アッセイされるべき核酸サンプルは、固体
または液体である生物学的サンプルから得られる。例示的な固体の生物学的サン
プルとしては、バイオプシーまたは死後により得られる組織のような動物組織、
および葉、根、茎、果実、および種子のような植物組織が挙げられる。例示的な
液体サンプルとしては、動物の痰、尿、血液、精液、および唾液のような体液、
または樹液もしくは植物組織が切断されるかまたは植物細胞が溶解または破壊さ
れる場合に得られる他の液体が挙げられる。
【0053】 方法の1つの局面において、あらかじめ決定された核酸標的配列は、微生物ま
たはウイルスの核酸であり、および核酸プローブは、これらの微生物またはウイ
ルスの核酸配列に相補的な配列を含む。
【0054】 本発明の別の局面において、あらかじめ決定された核酸標的配列はゲノムタイ
ピングに有用である遺伝子または遺伝子の領域である。例示的な標的配列として
は、Leiden V変異、変異体β‐グロビン遺伝子、ΔF508対立遺伝子
の領域における嚢胞性線維症関連性遺伝子、プロトロンビン遺伝子における変異
、先天的な副腎過形成関連性遺伝子、ab1遺伝子のセグメントの関与を伴うb
cr遺伝子の領域において生じる転座、ならびにあるガンおよびまた対立遺伝子
トリソミーにおいて見出されるようなある対立遺伝子の遺伝子座のヘテロ接合性
の喪失が挙げられる。
【0055】 ゲノムタイピングはまた、イネ、ダイズ、またはトウモロコシのような植物の
ゲノム、およびCampylobacter jejuni、Listeria
、E.coli OH157のような微生物のゲノム、およびサイトメガロウイ
ルス(CMV)またはヒト免疫不全ウイルス(HIV)のようなウイルスのゲノ
ムをアッセイするために使用され得る。
【0056】 本発明のなおさらなる実施態様は、核酸サンプルにおいて、複数のあらかじめ
決定された核酸標的配列の存在または不在を決定するために、脱重合化酵素とし
て熱安定性DNAポリメラーゼを使用する方法を意図し、および以下の工程を包
含する。
【0057】 3'‐末端領域がそれらのあらかじめ決定された核酸標的配列に相補的であり
、および3'‐末端領域においてアイデンティファイアーヌクレオチドを含むそ
れらのそれぞれの核酸プローブにハイブリダイズする、複数のあらかじめ決定さ
れた核酸標的配列を含み得る処理されたサンプルが提供される。処理された脱重
合化反応混合物は、その活性がハイブリダイズされた核酸プローブの3'‐末端
からアイデンティファイアーヌクレオチドを放出することである酵素の脱重合化
量と処理されたサンプルを混合することによって、形成される。好ましいワンポ
ットの実施態様において、脱重合化酵素は熱安定性であり、およびより好ましく
は、処理された反応混合物はまた、(i)アデノシン5'二リン酸、(ii)ピ
ロリン酸、および(iii)熱安定性のヌクレオシド二リン酸キナーゼを含む(
NDPK)。
【0058】 処理されたサンプルは、脱重合化酵素がハイブリダイズされた核酸プローブを
脱重合化し、そしてアイデンティファイアーヌクレオチドをヌクレオシド三リン
酸として放出することを許容するのに十分な期間、約4℃〜約90℃の温度にて
、より好ましくは、約20℃〜約90℃の温度にて、および最も好ましくは約2
5℃〜約80℃の温度にて、脱重合化の条件下で維持される。好ましいワンポッ
トの反応において、期間はまた、NDPK酵素が放出されたヌクレオシド三リン
酸からリン酸を添加されるADPに転移し、それによってATPを形成すること
を許容するのに十分である。核酸標的配列の存在または不在は、ATPを使用し
て得られる解析的な出力結果から決定された。本発明の好ましい方法において、
解析的な出力結果は、発光分光法によって得られる。
【0059】 核酸サンプルにおいてあらかじめ決定された核酸標的配列の存在または不在を
決定するための熱安定性酵素のワンポット方法の別の局面において、処理された
サンプルは以下のさらなる工程によって形成される。ハイブリダイゼーション組
成物は、ハイブリダイズする条件下で、アッセイされるサンプルと、複数の核酸
プローブとを混合することによって形成される。核酸プローブの3'‐末端領域
は、(i)核酸標的配列に、その配列がサンプル中に存在する場合、部分的なま
たは全体的な相補性を伴ってハイブリダイズし、および(ii)アイデンティフ
ァイアーヌクレオチドを含む。処理されたサンプルは、あらかじめ決定された核
酸標的配列が核酸プローブとハイブリダイズするのに十分な期間、ハイブリダイ
ズする条件下でハイブリダイゼーション組成物を維持することによって形成され
る。
【0060】 好ましくは、熱安定性酵素の方法について、脱重合化酵素は、Tne3重変異
体DNAポリメラーゼ、Tne DNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラ
ーゼ、Ath DNAポリメラーゼ、Tvu DNAポリメラーゼ、Bst D
NAポリメラーゼ、およびTth DNAポリメラーゼを含む好熱性DNAポリ
メラーゼの群より選択される。方法の別の局面において、NDPKは、好熱細菌
Pyrococcus furiosis(Pfu)によってコードされる。
【0061】 本発明のなおさらなる実施態様は、複数の空間的な核酸プローブを使用して、
核酸サンプルにおける複数の核酸標的配列の存在または不在を決定することを意
図する。これらの空間的なプローブは標的核酸にハイブリダイズし、次いで、ヘ
アピン構造を形成し得るように修飾される。この実施態様は以下の工程を包含す
る。
【0062】 それぞれが疑問の位置を有し、およびそれぞれが、そのそれぞれの核酸プロー
ブとハイブリダイズされ、複数の核酸標的配列を含み得る核酸サンプルを含む処
理されたサンプルが提供される。プローブは少なくとも2つの部分から構成され
る。第1の部分は、プローブの3'‐末端に約10〜約30ヌクレオチドを含む
。これらのヌクレオチドは疑問の位置の約1〜約30ヌクレオチド下流で始まる
位置にて標的鎖配列に相補的である。プローブの第2の部分は、プローブの5'
‐末端領域に位置し、および標的配列の約10〜約20ヌクレオチドを含む。こ
の配列は、疑問の位置での、またはちょうど上流(5')の核酸から、プローブ
の3'‐末端ヌクレオチドが標的にアニールするちょうど上流のヌクレオチドま
での、標的における領域におよぶ。ゼロ〜約50の、好ましくは約ゼロ〜約20
のヌクレオチドの長さであり、ならびに第1の部分および第2の部分のいずれと
もハイブリダイズしない配列を含む、プローブの必要に応じた第3の部分は、プ
ローブの第1の部分と第2の部分との間に位置される。
【0063】 処理されたサンプルのハイブリダイズされたプローブは、温度依存性の様式に
おいて、dNTPおよび温度依存性のポリメラーゼとの混合によるように、少な
くとも疑問の位置を介して伸長され、それによって伸長されたプローブ/標的ハ
イブリッドを形成する。好ましい実施態様において、プローブ伸長の長さは、疑
問の位置の上流に存在する標的配列のヌクレオチドに相補的なdNTPの伸長反
応からの省略、および疑問の位置の3'−末端に相補的なヌクレオチド間の不在
によって制限される。
【0064】 伸長されたプローブ/標的ハイブリッドは、任意の未反応のdNTPから分離
される。伸長されたプローブ/標的ハイブリッドは変性されて、鎖に分離される
。伸長されたプローブ鎖はヘアピン構造を形成することを許容される。
【0065】 処理された反応混合物は、ヘアピン構造を含有する組成物と、その活性が1つ
以上のヌクレオチドを伸長されたプローブのヘアピン構造の3'−末端から放出
することである酵素の、脱重合化する量とを混合することによって形成される。
反応混合物は、脱重合化酵素が、3'−末端ヌクレオチドを放出することを許容
するのに十分な期間、脱重合化条件の下に維持され、次いで、放出されたアイデ
ンティファイアーヌクレオチドの存在について解析される。解析的な出力結果は
、核酸標的配列の存在または不在を示す。好ましい実施態様において、種々の標
的についての解析的な出力結果は区別可能である。
【0066】 REAPER(商標)と称される、本発明のなおさらなる実施態様はまた、ヘア
ピン構造を利用する。この方法は、核酸サンプルにおいて、複数の核酸標的配列
または標的内の特定の塩基の存在または不在を決定することを意図し、および以
下の工程を包含する。それらのそれぞれの第1の核酸プローブ鎖とハイブリダイ
ズされる複数の核酸標的配列を含み得る核酸サンプルを含む、処理されたサンプ
ルが提供される。
【0067】 ハイブリッドは、第1のハイブリッドと称される。第1のプローブは少なくと
も2つの部分から構成される。第1の部分は、標的の疑問の位置の下流の約5〜
約30ヌクレオチドで開始される位置にて標的核酸配列に相補的であるプローブ
の3'末端の約10〜約30ヌクレオチドを含む。第1のプローブの第2の部分
は、疑問の位置から疑問の位置の約10〜約30ヌクレオチド下流までの標的配
列の反復である約5〜約30ヌクレオチドを含み、およびプローブの第1の部分
にハイブリダイズしない。必要に応じたブローブの第3の部分は、プローブの第
1の部分と第2の部分との間に位置され、ゼロ〜約50の、好ましくは約20ま
での、ヌクレオチドの長さであり、ならびに第1の部分および第2の部分のいず
れともハイブリダイズしない配列を含む。
【0068】 処理されたサンプルにおける第1のハイブリッドは、第1のプローブの3'‐
末端で伸長され、それによって疑問の位置を通り過ぎる第1のプローブを伸長し
、そして配列が疑問の部分を含む伸長された第1のハイブリッドを形成する。伸
長された第1のハイブリッドは、元来の標的核酸および伸長された第1のプロー
ブから構成される。次いで、伸長された第1のハイブリッドは水性組成物中で変
性されて、ハイブリダイズされた2本鎖の2つの核酸鎖を分離し、そして分離さ
れた標的核酸および分離された伸長された第1のプローブを含む水性溶液を形成
する。
【0069】 第2のプローブは約10〜約2000、好ましくは約10〜約200、最も好
ましくは約10〜約30のヌクレオチドの長さであり、および伸長された第1の
プローブにおける疑問の位置の下流の、約5〜約2000、好ましくは約5〜約
200のヌクレオチドで開始する位置にて伸長された第1のプローブに相補的で
ある、第2のプローブは、伸長された第1のプローブにアニールされ、それによ
って第2のハイブリッドを形成する。第2のハイブリッドは、その伸長が伸長さ
れた第1のプローブの5'−末端に達するまで第2のプローブの3'−末端で伸長
され、それによってその3'‐領域がアイデンティファイアーヌクレオチドを含
む第2の伸長されたハイブリッドを形成する。好ましい実施態様において、両方
の伸長に対して伸長するポリメラーゼは、鋳型における対応する相補的なヌクレ
オチドを有しない3'にヌクレオチドを付加しない。
【0070】 伸長された第2のハイブリッドの水性組成物は変性されて2つの核酸鎖に分離
される。そのようにして形成される水性組成物は冷却されて、分離された伸長さ
れた第2のプローブから、そのそれぞれの標的配列が元来の核酸サンプルに存在
する場合、「ヘアピン構造」を形成する。
【0071】 処置された反応混合物は、ヘアピン構造を含有する組成物と、その活性が1つ
以上のヌクレオチドを核酸ハイブリッドの3'‐末端から放出することである酵
素の、脱重合化する量とを混合することによって形成される。反応混合物は、3
'‐末端領域アイデンティファイアーヌクレオチドを放出するのに十分な期間、
脱重合化する条件の下に維持され、次いで、放出されたアイデンティファイアー
ヌクレオチドの存在について解析される。解析的な出力結果は、種々の核酸標的
配列の存在または不在を示す。
【0072】 本発明は、多くの利益および利点を有し、それらのいくつかが以下に列挙され
る。 本発明の1つの利益は、いくつかの実施態様において、複数の核酸ハイブリッ
ドが、放射性化学物質および電気泳動についての必要性を伴わないで、非常に高
いレベルの感度を伴って検出され得ることである。
【0073】 本発明の利点は、複数の標的核酸の存在または不在が、信頼性をもって、再現
可能に、および優れた感度を伴って検出され得ることである。 本発明のさらなる利益は、定量的な情報が、サンプルに存在する標的核酸配列
の量について得られ得ることである。
【0074】 本発明のさらなる利点は、核酸配列における、単一のヌクレオチド多型(SN
P)を含む非常にわずかな差異が検出可能であることである、 なお別の本発明の利益は、多くの標的核酸配列の存在または不在が、同じアッ
セイにおいて決定され得ることである。
【0075】 本発明のなお別の利点は、標的核酸の存在または不在が、少数の試薬および操
作を伴って決定され得ることである。 本発明の別の利益は、プロセスがそれ自身を自動化させることである。
【0076】 本発明のなお別の利益は、核酸における変異、転座、およびSNPの検出(遺
伝病と関連されるものを含む)、ウイルス負荷の決定、種の同定、サンプル混入
、ならびに法医学的なサンプルの解析を含むがこれらに制限されない、多くの異
なるタイプの適用およびアッセイにおける使用のその柔軟性である。
【0077】 本発明のなおさらなる利益および利点は、以下の明細書および請求の範囲から
明白になる。 定義 本発明を理解することを容易にするために、多くの用語が以下に定義される。
【0078】 本明細書中で使用されるように、「ヌクレオシド」は、ペントースに共有結合
的に連結されるプリン[グアニン(G)もしくはアデニン(A)]またはピリミ
ジン[チミン(T)、ウリジン(U)、もしくはシチジン(C)]塩基から構成
される化合物をいうのに対して、「ヌクレオチド」は、そのペントースのヒドロ
キシル基の1つでリン酸化されるヌクレオシドをいう。「XTP」、「XDP」
、および「XMP」はリボヌクレオチドおよびデオキシリボヌクレオチドについ
ての一般的な名称であり、ここで当該分野における標準的な用法に従って、「T
P」は三リン酸を示し、「DP」は二リン酸を示し、および「MP」は一リン酸
を示す。リボヌクレオチドの亜属的な名称は、「NMP」、「NDP」、または
「NTP」であり、およびデオキシリボヌクレオチドについての亜属的な名称は
、「dNMP」、「dNDP」、または「dNTP」である。また本明細書中で
使用されるように、「ヌクレオシド」として含まれるものは、一般に上述のヌク
レオシドについての置換体として使用される物質であり、例えば、これらの塩基
の修飾された形態(例えば、メチルグアニン)、またはイノシンのような当該分
野でこのような使用において周知の合成物質である。
【0079】 本明細書中で使用されるように、「核酸」は、1つのヌクレオチドのペントー
スの3'位が、リン酸ジエステル基によって次のペントースの5'位に結合され、
およびヌクレオチド残基(塩基)が、特異的な配列、すなわち、ヌクレオチドの
線形の順に連結される、ヌクレオチドの共有結合的に連結される配列である。本
明細書中で使用されるように「ポリヌクレオチド」は、約100ヌクレオチドの
長さよりも大きい配列を含む核酸である。本明細書中で使用されるように、「オ
リゴヌクレオチド」は、短いポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチドの一部分
である。オリゴヌクレオチドは典型的に、約2〜100塩基の配列を含む。用語
「オリゴ」は、用語「オリゴヌクレオチド」の代わりに時折使用される。
【0080】 本明細書中で使用されるように塩基の「位置」は、核酸内の所与の塩基または
ヌクレオチド残基の位置をいう。 本明細書中で使用されるように、「目的の核酸」は、サンプルにおいて研究す
ることを所望する任意の特定の核酸である。
【0081】 核酸またはタンパク質に関して使用される場合の用語「単離された」は、同定
され、およびその天然の供給源においてこれが通常関連される少なくとも1つの
混入物(それぞれ核酸またはタンパク質)から分離される核酸配列またはタンパ
ク質をいう。単離された核酸またはタンパク質は、これが天然において見出され
る形態とは異なる形態または設定において存在する。対照的に単離されない核酸
またはタンパク質は、それらが天然において存在する状態において見出される。
【0082】 本明細書中で使用されるように、用語「精製された」または「精製する」は、
タンパク質または核酸など目的の成分からいくつかの混入物を除去する任意のプ
ロセスの結果を意味する。精製された成分のパーセントは、それによってサンプ
ルにおいて増加される。
【0083】 本明細書中で使用されるように、用語「野生型」は、集団において最も頻繁に
観察される遺伝子または遺伝子産物の特徴を有する遺伝子または遺伝子産物をい
い、従って遺伝子の「正常な」または「野生型」の形態と恣意的に名称される。
対照的に、本明細書中で使用されるように、用語「修飾された」または「変異体
」は、野生型の遺伝子または遺伝子産物に比較される場合、配列および/または
機能的な特性における改変(すなわち、変化された特徴)を示す遺伝子または遺
伝子産物をいう。
【0084】 核酸は、異なるタイプの変異を含むことが公知である。本明細書中で使用され
るように、「点」変異は、単一の塩基の位置でのヌクレオチドの配列における変
化をいう。本明細書中で使用されるように、「傷害」は、1つ以上の塩基が欠失
または挿入によって変異され、それによって核酸配列は野生型配列とは異なる核
酸内の部位をいう。
【0085】 本明細書中で使用されるように、「単一のヌクレオチド多型」あるいはSNP
は、特定の核酸の位置にて最も頻繁に生じる塩基からの変化である。 異なる種からの相同な遺伝子または対立遺伝子はまた、配列において変化する
ことが知られる。異なる種からの相同な遺伝子または対立遺伝子の領域は、本質
的に配列において同一であり得る。このような領域は、本明細書中で「同一性の
領域」といわれる。本明細書中で、「実質的な同一性の領域」は、いくつかの「
ミスマッチ」を含むことが意図され、ここで同一性の領域における同じ位置での
塩基が異なる。この塩基の位置は本明細書中で「ミスマッチな位置」といわれる
【0086】 DNA分子は、核酸リン酸ジエステル結合が、置換体モノヌクレオチドのペン
トース環の5'炭素および3'炭素に生じるので、「5'末端」(5'末端)および
3'末端(3'末端)を有するといわれる。新しい結合が5'炭素に対してである
ポリヌクレオチドの末端は、その5'末端ヌクレオチドである。新しい結合が3'
炭素に対してであるポリヌクレオチドの末端は、その3'末端ヌクレオチドであ
る。本明細書中で使用されるように、末端ヌクレオチドは、3'‐または5'‐末
端の末端の位置でのヌクレオチドである。本明細書中で使用されるように、核酸
配列は、より大きなオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドの内部に生じる
場合であっても、5'‐および3'‐末端を有するといわれ得る。例えば、より大
きな染色体配列内に位置される遺伝子配列は、5'‐および3'‐末端を有すると
なおいわれ得る。
【0087】 本明細書中で使用されるように、核酸プローブの3'‐末端領域は、3'‐末端
の位置から約10残基以内のヌクレオチドを含むプローブの領域をいう。 直鎖状または環状のいずれかのDNA分子において、不連続なエレメントは、
それらがそのエレメントの5'‐末端に結合されるかまたは結合されるかもしれ
ない場合、エレメントに関して「上流」または「5'」であるといわれる。同様
に、不連続なエレメントは、それらがそのエレメントの3'‐末端に結合される
かまたは結合されるかもしれない場合、エレメントに関して「下流」または「3
'」であるといわれる。転写は、DNA鎖に沿って、5'〜3'の様式において進
行する。これはRNAが、伸長する鎖の3'‐末端へのリボヌクレオチド‐5'‐
三リン酸の連続的な付加によって作製される(ピロリン酸の排除を伴う)ことを
意味する。
【0088】 本明細書中で使用されるように、用語「標的核酸」または「核酸標的」は、目
的の特定の核酸配列をいう。従って、「標的」は、他の核酸分子の存在下、また
はより大きな核酸分子内に存在し得る。
【0089】 本明細書中で使用されるように、用語「核酸プローブ」は、目的の別の核酸に
ハイブリダイズし得る、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドをいう。核
酸プローブは、精製された制限消化におけるように天然に生じ得るか、または合
成的に、組換え的に、またはPCR増幅によって生成され得る。本明細書中で使
用されるように、用語「核酸プローブ」は、本発明の方法において使用されるオ
リゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドをいう。その同じオリゴヌクレオチド
はまた、例えば、PCR法において重合化のためのプライマーとして使用され得
るが、本明細書中で使用されるように、次いでそのオリゴヌクレオチドは、「プ
ライマー」といわれる。本明細書中で、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオ
チドは、ホスホロチオネート結合のようないくつかの修飾された結合を含み得る
【0090】 本明細書中で使用されるように、用語「相補的な」または「相補性」は、Aが
Tと対合し、およびCがGと対合する周知の塩基対合の法則によって関連される
核酸(すなわち、ヌクレオチドの配列)に関して使用される。例えば、配列5'
‐A‐G‐T‐3'は、配列3'‐T−C−A−5'に相補的である。相補性は「
部分的」であり得、いくつかの核酸塩基のみが塩基対合の法則に従ってマッチさ
れる。他方、「完全な」または「全体的な」相補性が、全ての塩基が塩基対合の
法則に従って適合される場合に、核酸鎖間にあり得る。核酸鎖間の相補性の程度
は、当該分野において周知であるように、核酸鎖間のハイブリダイゼーションの
効力および強度に対して有意な効果を有する。これは、本発明の方法のような、
核酸間の結合に依存する検出方法において特に重要である。用語「実質的に相補
的な」は、以下に記載されるような低いストリンジェンシーの条件の下、または
好ましくは95℃に加熱され、次いで室温に冷却されたポリメラーゼ反応緩衝液
(Promega、M195A)において、標的核酸配列のいずれかのまたは両
方の鎖にハイブリダイズし得る任意のプローブをいう。本明細書中で使用される
ように、核酸プローブが標的核酸に部分的にまたは全体的に相補的であるとして
いわれる場合、これはプローブの3'−末端領域(すなわち、3'‐末端ヌクレオ
チドの位置の約10ヌクレオチド以内)をいう。
【0091】 本明細書中で使用されるように、用語「ハイブリダイゼーション」は、相補的
な核酸鎖の対合に関して使用される。ハイブリダイゼーションおよびハイブリダ
イゼーションの強度(すなわち、核酸鎖間の会合の強度)は、核酸鎖間の相補性
の程度、塩の濃度、形成されるハイブリッドのTm(融点)、他の成分の存在(
例えば、ポリエチレングリコールの存在または不在)、ハイブリダイズする鎖の
モル濃度、および核酸鎖のG:C含量のような条件によって関与され影響される
条件のストリンジェンシーを含む、当該分野において周知の多くの因子によって
、影響される。
【0092】 本明細書中で使用されるように、用語「ストリンジェンシー」は、核酸ハイブ
リダイゼーションが行われる、温度、イオン強度、および他の化合物の存在に関
して使用される。「高いストリンジェンシー」の条件を用いて、核酸塩基対合は
、高い頻度の相補的な塩基配列を有する核酸フラグメント間でのみ生じる。従っ
て、「弱い」または「低い」ストリンジェンシーの条件は、しばしば、他方の核
酸に完全に相補的でない核酸が、共にハイブリダイズまたはアニールされること
が所望される場合に必要とされる。当該分野は、多数の等価な条件が低いストリ
ンジェンシーの条件を含むために用いられ得ることを十分に知っている。
【0093】 本明細書中で使用されるように、用語「Tm」は、「融点」に関して使用され
る。融点は、2本鎖化された核酸分子の50%の集団が1本鎖に解離されるよう
になる温度である。核酸のTmを算定するための式は、当該分野において周知で
ある。ハイブリッド核酸のTmはしばしば、1Mの塩におけるハイブリダイゼー
ションアッセイから採用され、および一般的に、PCRプライマーについてのTm を算定するために使用される式:Tm=[(A+Tの数)×2℃+(G+Cの
数)×4℃]を用いて見積もられる。C.R.Newtonら、PCR、第2版
、Springer‐Verlag(New York:1997)、第24頁
。この式は、20ヌクレオチドよりも長いプライマーについて不正確であること
が見出された。Id.他のより精巧化された計算が当該分野に存在し、これはTm の算定に構造特徴および配列特徴を考慮する。算定されたTmは単に推定であり
;至適な温度は一般に、経験的に決定される。
【0094】 本明細書中で使用されるように、用語「相同性」は、相補性の程度をいう。部
分的な相同性および完全な相同性(すなわち、同一)があり得る。少なくとも部
分的に完全な相補的な配列が標的核酸にハイブリダイズすることを妨げる部分的
に相補的な配列は、機能的な用語「実質的に相同な」を使用していわれる。
【0095】 cDNAまたはゲノムクローンのような2本鎖核酸配列に関して使用される場
合、本明細書中で使用されるように、用語「実質的に相同な」は、低いストリン
ジェンシーの条件下で2本鎖核酸配列の鎖にハイブリダイズし得るプローブをい
う。
【0096】 1本鎖核酸配列に関して使用される場合、本明細書中で使用されるように、用
語「実質的に相同な」は、低いストリンジェンシーの条件下で1本鎖核酸鋳型配
列にハイブリダイズし得る(すなわち、これと相補的である)プローブをいう。
【0097】 本明細書中で使用されるように、用語「疑問の位置」は、核酸プローブ内の目
的の所与の塩基の位置をいう。例えば、SNPの解析において、プローブにおけ
る「疑問の位置」は、野生型から変化され得る標的の単一のヌクレオチドに相補
的である位置にある。本発明の方法からの解析的な出力結果は、プローブの疑問
の位置に相補的である標的核酸の核酸残基についての情報を提供する。疑問の位
置は、核酸プローブの実際の3'‐末端ヌクレオチドの約10塩基内にあるが、
3'‐末端ヌクレオチドの位置に必ずしもある必要はない。標的およびプローブ
核酸がハイブリダイズされる場合、標的核酸配列の疑問の位置は、プローブの疑
問の位置の向かい側にある。
【0098】 本明細書中で使用されるように、用語「アイデンティファイアーヌクレオチド
」は、脱重合化反応か生じたことを同定するために、本発明のプロセスにおいて
その存在が検出されるヌクレオチドをいう。本発明の方法の特定の適用は、どの
残基がアイデンティファイアーヌクレオチドと考慮されるかを影響する。ATP
検出を使用する方法について(例えば、ルシフェラーゼ/ルシフェリンまたはN
ADH)、ここで、解析の間、脱重合化において放出された全てのヌクレオチド
は、NDPKのような酵素でATPに「変換され」、放出された全てのヌクレオ
チドがアイデンティファイアーヌクレオチドである。同様に、ヌクレオチド間を
区別しない吸光度検出を使用する方法について、全ての放出されたヌクレオチド
がアイデンティファイアーヌクレオチドである。全ての放出されたヌクレオチド
が解析される質量分析検出について、全ての放出されたヌクレオチドがアイデン
ティファイアーヌクレオチドであるか;あるいは特定のヌクレオチド(例えば、
異なる質量を有するヌクレオチドアナログ)が検出され得る。蛍光検出について
、蛍光的に標識されたヌクレオチドは、アイデンティファイアーヌクレオチドで
ある。ヌクレオチドは核酸からの放出の前にまたは後に標識され得る。X線像検
出について、放射活性に標識されたヌクレオチドがアイデンティファイアーヌク
レオチドである。いくつかの場合において、アイデンティファイアーヌクレオチ
ドの放出は、本発明の脱重合化工程の後にプローブの残りを解析することによっ
て推定される。このような解析は一般的に、残りのプローブの大きさまたは質量
の検出により、および任意の記載される解析的な方法(例えば、その分子量をモ
ニターし、続いてキャピラリー電気泳動するためのプローブの5'‐末端におけ
る蛍光タグ)により得る。
【0099】 本明細書中で使用されるように、用語「サンプル」は、その広い意味において
使用される。核酸を含有することが疑われるサンプルは、細胞、細胞から単離さ
れた染色体(例えば、分裂期染色体の展開)、ゲノムDNA、RNA、cDNA
などを含み得る。
【0100】 本明細書中で使用されるように、用語「検出」は、サンプル内のヌクレオチド
または核酸を定量的にまたは定性的に同定することをいう。 本明細書中で使用されるように、用語「脱重合化」は、核酸の3'末端からの
ヌクレオチドの除去をいう。
【0101】 本明細書中で使用されるように、用語「対立遺伝子」は、遺伝子の代替の形態
をいい、および本明細書中で使用されるように、用語「遺伝子座」は、核酸分子
における特定の位置をいう。
【0102】 発明の詳細な説明 本発明の多重法は、核酸サンプルにおいて複数のあらかじめ決定された(公知
の)核酸標的配列の存在または不在を決定するために使用される。核酸標的は、
その配列がその標的とハイブリダイズするプローブを設計するために知られてい
なければならないという点で「あらかじめ決定された」。しかし、核酸標的配列
は、本発明のプロセスに関して使用されるように、その存在が決定されたことが
望まれる、異なる核酸の存在をシグナルするためのレポーターとして単に作用さ
れ得ることに注意されるべきである。目的の別の核酸は、あらかじめ決定された
配列を有する必要はない。さらに、本発明のプロセスは、プローブの3'‐末端
領域にて、部分的な相補性を伴って標的にハイブリダイズするプローブを設計す
るために十分な配列のみが知られる標的内の塩基の同一性を同定するにおいて有
用である。
【0103】 このような方法は、次いでその存在または不在が標的配列の存在または不在を
示す解析的な出力結果として決定され得る1つ以上のアイデンティファイアーヌ
クレオチドを放出するために、核酸標的配列にハイブリダイズされるオリゴヌク
レオチドプローブの3'‐末端を脱重合化し得る酵素を利用する。
【0104】 核酸標的配列は、核酸プローブが核酸標的配列に部分的にまたは全体的に相補
的であるように提供される点であらかじめ決定される。核酸標的配列は、その標
的配列がサンプルに存在する場合プローブがハイブリダイズする核酸サンプルの
一部分である。
【0105】 方法の第1の工程は、アッセイされるサンプルと、複数の核酸プローブとを混
合する工程である。第1の工程の混合する工程は、典型的に、ハイブリダイゼー
ション組成物を形成するために低いストリンジェンシーのハイブリダイズする条
件下で行われる。このようなハイブリダイゼーション組成物において、核酸プロ
ーブの3'‐末端領域は、(i)サンプルに存在し得る核酸標的配列に部分的な
または全体的な相補性を伴ってハイブリダイズし、および(ii)3'‐末端領
域においてアイデンティファイアーヌクレオチドを含む。
【0106】 好ましくは、核酸プローブは、標的核酸へのプローブの3'‐末端領域のハイ
ブリダイゼーションを妨げるような方法において、ヘアピン構造を形成するため
に、それ自身とハイブリダイズしないように設計される。プローブ設計を導くパ
ラメーターは、当該分野において周知である。
【0107】 ハイブリダイゼーション組成物は、それらのそれぞれの核酸プローブとハイブ
リダイズされる複数のあらかじめ決定された核酸標的配列を含み得る処置された
サンプルを形成するのに十分な期間、ハイブリダイズする条件下で維持される。
【0108】 アッセイされるサンプルが、プローブがハイブリダイズする標的配列を含まな
いという事象において、そのプローブについてのハイブリダイゼーションは起こ
らない。本発明の方法が、特定の標的配列がアッセイされるサンプルに存在する
かまたは不在であるかを決定するために使用される場合、得られる処理されるサ
ンプルは本発明の酵素についての基質を含まなくてもよい。結果として、3'末
端領域のアイデンティファイアーヌクレオチドは放出されず、そして解析的な出
力結果はバックグラウンドレベルであるかまたはこれに近い。
【0109】 意図される方法は、複数のプローブが1つ以上の複数のあらかじめ決定された
核酸標的配列がサンプルにおいて存在するかまたは不在であるかを決定するため
に利用される多重アッセイである。このような多重アッセイについて特に有用な
領域は、通常の解析的な出力結果が必要とされる核酸が不在であることを示すス
クリーニングアッセイにおいてである。
【0110】 1つの説明的な実施態様において、核酸サンプルは、複数のあらかじめ決定さ
れた変異体核酸の存在についてスクリーニングされる。この実施態様において、
変異体は、通常は存在せず、および解析的な出力結果は、例えば、変異体が存在
する場合を除いてほぼバックグラウンドレベルである。別の実施態様において、
複数のサンプルは、微生物特異的核酸の存在または不在について試験される。こ
こでは、また、健常な個体、動物、またはおそらく無菌の食品の集団がサンプリ
ングされ、必要とされる核酸の不在がほぼバックグラウンドレベルである解析的
な出力結果を提供し、そしてまれな例においてのみ、バックグラウンドの出力結
果よりも大きく現れる。
【0111】 上述のプロセスの多重化される実施態様において、サンプルは複数の異なる核
酸プローブと、好ましくは必要とされるような複数の核酸標的の増幅の後に混合
される。本発明のこの実施態様において、プローブの1つでのある結果について
の解析的な出力結果は、全てのプローブでの向かい合う結果からの解析的な出力
結果と区別可能である。
【0112】 好ましい実施態様において、ADPの存在下、放出されたヌクレオチドのND
PK変換を介して生成されるATPは、ルシフェラーゼ検出系またはNADH検
出系によって検出される。本発明のなお別の実施態様において、ピロリン酸転移
工程およびリン酸転移工程が、シングルポットの反応において行われる。別の好
ましい実施態様において、増加される感度が必要とされる場合、ATP分子は増
幅され得る。
【0113】 意図される多重の実施態様において、複数の核酸標的配列の存在または不在に
ついての情報は、サンプルと、種々の核酸標的についての複数の核酸プローブと
を混合することによって、単一の核酸サンプルに対して本発明のプロセスを使用
して決定される。
【0114】 本発明の第1の多重の実施態様において、少なくとも1つの核酸プローブがそ
の標的核酸配列に部分的な相補性を伴ってハイブリダイズされる場合に得られる
解析的な出力結果は、全ての核酸プローブがそれらのそれぞれの核酸標的配列に
全体的な相補性を伴ってハイブリダイズする場合の解析的な出力結果よりも大き
い。好ましくは、このような実施態様において、その活性がヌクレオチドを放出
するためにハイブリダイズされた核酸を脱重合化することである酵素は、3'→
5'−エキソヌクレアーゼ活性を示し、ハイブリダイズされたプローブの3'−末
端で1つ以上のミスマッチされる塩基を有するハイブリダイズされた核酸を脱重
合化する。
【0115】 本発明の第2の多重の実施態様において、少なくとも1つの当該核酸プローブ
がその標的核酸配列に部分的な相補性を伴ってハイブリダイズされる場合に得ら
れる解析的な出力結果は、全ての核酸プローブがそれらのそれぞれの核酸標的配
列に全体的な相補性を伴ってハイブリダイズする場合の解析的な出力結果よりも
小さい。好ましくは、このような実施態様において、その活性がヌクレオチドを
放出するためにハイブリダイズされた核酸を脱重合化することである酵素は、温
度依存性のポリメラーゼである。
【0116】 本発明の第3の多重の実施態様において、少なくとも1つの当該核酸プローブ
がその標的核酸配列に全体的な相補性を伴ってハイブリダイズされる場合に得ら
れる解析的な出力結果は、全ての核酸プローブがそれらのそれぞれの核酸標的配
列に部分的な相補性を伴ってハイブリダイズする場合の解析的な出力結果よりも
大きい。好ましくは、このような実施態様において、その活性がヌクレオチドを
放出するためにハイブリダイズされた核酸を脱重合化することである酵素は、温
度依存性のポリメラーゼである。
【0117】 本発明の第4の多重の実施態様において、少なくとも1つの当該核酸プローブ
がその標的核酸配列に全体的な相補性を伴ってハイブリダイズされる場合に得ら
れる解析的な出力結果は、全ての核酸プローブがそれらのそれぞれの核酸標的配
列に部分的な相補性を伴ってハイブリダイズする場合の解析的な出力結果よりも
小さい。好ましくは、このような実施態様において、その活性がヌクレオチドを
放出するためにハイブリダイズされた核酸を脱重合化することである酵素は、3
'→5'−エキソヌクレアーゼ活性を示し、ハイブリダイズされたプローブの3'
−末端で1つ以上のミスマッチされる塩基を有するハイブリダイズされた核酸を
脱重合化する。
【0118】 処理されたサンプルは、脱重合化反応混合物を形成するために、その活性が核
酸標的にハイブリダイズされるプローブの3'‐末端から1つ以上のアイデンテ
ィファイアーヌクレオチドを放出することである、脱重合化する量の酵素と共に
混合される。プロセスにおいて使用される酵素の選択は、3'‐末端ヌクレオチ
ドでのマッチまたはミスマッチが3'‐末端ヌクレオチドの放出を生じる場合に
決定される。特異的な酵素反応条件に関するさらなる情報は、本明細書中以後に
詳細に考察される。
【0119】 脱重合化反応混合物は、酵素がハイブリダイズされた核酸を脱重合し、そして
そこからアイデンティファイアーヌクレオチドを放出して、処理された反応混合
物を形成することを許容するのに十分な期間、脱重合化する条件下で維持される
【0120】 次いで、放出されたアイデンティファイアーヌクレオチドの存在または不在が
解析的な出力結果を得るために決定される。解析的な出力結果はサンプルにおけ
る核酸標的配列の存在または不在を示す。
【0121】 本発明のプロセスはまた、プローブの3'‐末端領域への標的のハイブリダイ
ゼーションの程度と関係され得る。本明細書中以後の実施例は、マッチされる塩
基とミスマッチされる塩基との間の区別は、単一のミスマッチが、3'‐末端領
域の位置からさらなる上流の位置にあるので、ほとんど著しくないことを示す。
単一のミスマッチが、3'‐末端ヌクレオチドの位置から10〜12残基である
場合、マッチとミスマッチとの間の非常に小さな区別があり、一方非常に大きな
区別が、単一のミスマッチが3'‐末端である場合に観察される。それゆえ、標
的核酸配列にハイブリダイズされる核酸プローブの相補性の程度(部分的または
全体的な相補性)は、アイデンティファイアーヌクレオチドに関して本明細書中
でいわれる場合、これは3'‐末端領域内、3'‐末端の位置の約10残基までを
いわれることが理解される。
【0122】 本発明の特定の実施態様において、プローブの3'‐末端領域においてまたは
その近くで不安定化するミスマッチを含むことが所望される。このような実施態
様の1つの例において、目的は、疑問の位置でのヌクレオチドが標的と、マッチ
またはミスマッチであるかを決定することである。疑問の位置でのマッチとミス
マッチとの間のより良好な区別が、意図的なミスマッチが疑問の位置から約2〜
約10ヌクレオチド、または好ましくは疑問の位置から約2〜約6ヌクレオチド
に導入される場合に観察される。
【0123】 3'‐末端領域内でミスマッチされる1つよりも多い塩基がある場合のマッチ
されるヌクレオチドとミスマッチされるヌクレオチドとの間の解析的な出力結果
の区別は、ミスマッチが末端から10を超える位置、例えば3'‐末端ヌクレオ
チドの11〜12位上流である場合であっても、明らかであり得る。従って、句
「約10」および「3'‐末端領域」は上述で使用される。それゆえ、3'‐末端
領域は、核酸の3'‐末端ヌクレオチド(3'末端)の位置から約10残基を含む
【0124】 ハイブリダイゼーション条件は、種々の期間、pH値、温度、核酸プローブ/
標的の組み合わせなどについて、コントロールサンプルについて経験的に確認さ
れ得る。例示的な維持時間および条件は、本明細書中以後の特定の例において提
供され、および典型的に低いストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件を
反映する。実施において、一旦ハイブリダイゼーション条件および維持期間の適
切なセットがプローブの所与のセットについて公知となった場合、これらの条件
を使用するアッセイは、核酸標的配列が存在するか否かの正確な結果を提供する
。典型的な維持時間は、約5〜約60分間である。
【0125】 本発明の1つの意図される実施態様において、その活性がプローブの3'‐末
端からヌクレオチドを放出するためにハイブリダイズされた核酸を脱重合化する
ことである酵素は、温度依存性のポリメラーゼである。このような実施態様にお
いて、ポリメラーゼ反応の逆が、核酸プローブを脱重合化するために使用され、
そしてアイデンティファイアーヌクレオチドは、核酸プローブの3'‐末端ヌク
レオチドがその核酸標的配列に全体的な相補性を伴ってハイブリダイズされる場
合に放出される。シグナルは、本発明のプロセスによって検出される核酸プロー
ブに有意に相補的な配列を有する核酸標的配列の存在を確認する。
【0126】 クレノウまたはT4 DNAポリメラーゼのような(しかし、これらの2つの
酵素に制限されない)ポリメラーゼの3'→5'エキソヌクレアーゼ活性を使用す
る実施態様において、核酸プローブの3'‐末端残基がミスマッチされ、それゆ
え核酸プローブの3'‐末端の、その核酸標的配列に対する部分的な相補性のみ
が存在する場合、核酸プローブを脱重合化するためにアイデンティファイアーヌ
クレオチドが放出される。この実施態様において、バックグラウンドを最小化す
るために、ハイブリッドは典型的に、酵素反応の前にアニールされない核酸から
精製され、これはアイデンティファイアーヌクレオチドを放出する。シグナルは
、核酸プローブに全体的に相補的でない核酸標的配列の存在を確認する。
【0127】 核酸プローブを脱重合化するためにExonuclease IIIの3'→
5'エキソヌクレアーゼ活性を使用する実施態様において、アイデンティファイ
アーヌクレオチドは、核酸プローブの3'‐末端残基が標的核酸にマッチされる
場合に放出される。シグナルは、放出されたアイデンティファイアーヌクレオチ
ドで相補的である核酸標的の存在を確認する。
【0128】 従って、ハイブリダイゼーションおよび脱重合化は、プローブ:標的ハイブリ
ッドが3'‐末端領域にてマッチされるかまたはミスマッチされるかに依存して
、アイデンティファイアーヌクレオチドの放出、またはこのようなヌクレオチド
のわずかな放出もしくは放出なしを導き得る。これはまた、使用される酵素のタ
イプ、および酵素が脱重合化活性のために必要とされる目的の、マッチされるか
またはミスマッチされるかの、タイプに依存する。
【0129】 規定された条件下での意図される解析的な出力結果の規模は、放出されるヌク
レオチドの量に依存する。アイデンティファイアーヌクレオチドが放出される場
合、バックグラウンドよりも大きい値を有する解析的な出力結果が提供され得る
。標的配列が元来のサンプルに存在しなかったので、もしくは選択されたプロー
ブおよび脱重合化酵素が、標的が存在する場合に3'‐末端ヌクレオチドの放出
を提供しないので、アイデンティファイアーヌクレオチドが放出されない場合、
または3'‐末端ヌクレオチドのマッチ/ミスマッチ状態が3'‐末端ヌクレオチ
ドを放出するために使用される酵素について必要とされる状態にマッチしなかっ
た場合、解析的な出力結果は実質的にバックグラウンドレベルである。
【0130】 このような反応において有用な脱重合化反応および酵素は、本明細書中以前に
引用されおよび本明細書中に参考として援用される親出願において、より詳細に
考察される。
【0131】 加ピロリン酸分解し得る温度依存性の核酸ポリメラーゼとしては、DNAポリ
メラーゼα、DNAポリメラーゼβ、T4 DNAポリメラーゼ、Taqポリメ
ラーゼ、Tneポリメラーゼ、Tne3重変異ポリメラーゼ、Tthポリメラー
ゼ、Tvuポリメラーゼ、Athポリメラーゼ、Bstポリメラーゼ、E.co
li DNAポリメラーゼI、Klenowフラグメント、Klenow エキ
ソマイナス(exo-)、AMV逆転写酵素、RNAポリメラーゼ、およびMM
LV逆転写酵素が挙げられるが、これらに制限されない。最も好ましくは、Kl
enowエキソマイナス(Klenow exo-)またはTne3重変異体ポ
リメラーゼが、5'オーバーハングDNA末端のそれらの効果的な利用のために
、DNA加ピロリン酸分解反応について利用される。
【0132】 ポリメラーゼ活性の逆の場合(加ピロリン酸分解)における好ましい実施態様
において、好ましい基質は、その3'‐末端で全体的な相補性を伴って核酸標的
配列にハイブリダイズされるDNAプローブであり、3'‐末端領域でアイデン
ティファイアー残基を含む。
【0133】 NTPの不在下バクテリオファージT4ポリメラーゼによって触媒され得る脱
重合化反応は、ミスマッチされるハイブリッドを脱重合化する。好ましい実施態
様において、放出されたヌクレオチド、XMPは、ヌクレアーゼ消化によって生
成される。
【0134】 ヌクレアーゼ消化は、S1ヌクレアーゼ、ヌクレアーゼ BAL 31、ヤエ
ナリヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼIII、およびリボヌクレアーゼHを含
む、5'リン酸を有するヌクレオチドを放出する多様なヌクレアーゼによって達
成され得る。ヌクレアーゼ消化条件および緩衝液は、当該分野において公知であ
る。それらの使用のためのヌクレアーゼおよび緩衝液は、市販の供給源から入手
可能である。
【0135】 酵素の活性が3'→5'エキソヌクレアーゼ活性である場合の本発明の実施態様
において、ハイブリダイズされた核酸プローブは、その3'‐末端ヌクレオチド
から脱重合化される。ポリメラーゼの3'→5'エキソヌクレアーゼ活性の場合に
おける好ましい実施態様において、好ましい基質は、その3'‐末端領域で部分
的な相補性を伴って、最も好ましくはその3'−末端残基でアイデンティファイ
アーヌクレオチドであるミスマッチを有する核酸標的配列にハイブリダイズされ
る核酸プローブである。
【0136】 脱重合化についての好ましい反応混合物は、各酵素について適切な緩衝液を含
み、親特許出願および実施例においてより詳細に記載される。典型的に、これら
の条件下で、十分なNTPまたはdNTPが、極めて低い量(例えば、約5〜1
000ピコグラム)の核酸を正確に検出またはアッセイするために放出される。
【0137】 いくつかの好ましい実施態様において、オリゴヌクレオチドプローブは典型的
に、20μLの脱重合化反応あたり約100ng〜約1μgで利用される。この
量は、約200:1〜約1,000:1のプローブ対標的の重量比を提供する。
【0138】 本発明の好ましい実施態様において、核酸ポリメラーゼおよびピロリン酸(P
i)またはそのアナログは、約100μg未満の標的核酸〜約10pg未満の
核酸を含有するハイブリダイズされたサンプルに添加される。典型的な標的核酸
は、アッセイされるサンプルにおいて、約1〜約5ngで存在し、約30〜約1
000bpの標的核酸の長さが好ましい。
【0139】 脱重合化する酵素は、好ましくは、ハイブリダイズされた標的:プローブを脱
重合化するのに十分な量で存在する。この量は、当該分野において周知であるよ
うに、使用される酵素、脱重合化温度、緩衝液などと共に変化する。20μLの
容量において行われる典型的な反応について、Klenow exo-のような
約0.25〜約1単位(U)の酵素が使用される。約1〜約5Uの熱安定性の酵
素が、上昇された温度にて脱重合化のために使用される。
【0140】 脱重合化反応を影響する別の条件は、本明細書中上述で引用される親出願にお
いて考察され、これは参考として援用される。 解析的な出力結果 解析的な出力結果は、放出されたヌクレオチドまたはプローブの残りのいずれ
かの、放出されたアイデンティファイアー産物の検出によって得られる。例示的
な検出系としては、光発光ルシフェラーゼ検出系、NADH光吸着検出系(NA
DH検出系)、蛍光発光、および質量分析が挙げられる。これらの検出系は、本
明細書中以下に考察される。
【0141】 ヌクレオチドが放出されたという事実(定性的な決定)、またはさらに放出さ
れたヌクレオチドの数(定量的な決定)が、脱重合化後のプローブの試験を介し
て推定され得る。オリゴヌクレオチドの大きさの決定は、当該分野において周知
である。例えば、ゲル分離およびクロマトグラフィー分離が周知である。ゲル画
像化技術は、蛍光および吸光度分光法、ならびにX線像方法を利用する。オリゴ
ヌクレオチドの質量分析はまた、より一般的になる。
【0142】 以下に続く実施例において説明されるように、上昇された温度、例えば、約5
0℃〜約90℃にて意図される方法を行うことは有益であり得る。Tne3重変
異体DNAポリメラーゼは、WO96/41014においてより詳細に記載され
、その開示は参考として援用され、およびその610残基のアミノ酸配列が、そ
の書類の配列番号35として提供される。この酵素は、Tne M284(D3
23A、D389A)としてWO96/41014においていわれる。
【0143】 簡潔には、この酵素は、好熱性真正細菌のThermotoga neapo
litana(ATCC 49049)によってコードされるポリメラーゼの3
重変異体である。ネイティブな配列のアミノ末端283残基が欠失され、そして
ネイティブな配列の323および389位でのアスパラギン酸残基は、この組換
え酵素においてアラニン残基によって置き換えられる。従って、この組換え酵素
は、ネイティブな酵素の欠失および置換変異体である。
【0144】 アミノ末端配列の欠失は、ネイティブな酵素の5'エキソヌクレアーゼ活性を
除去するが、2つのアスパラギン酸残基の置き換えは、その存在がエキソヌクレ
アーゼ活性を促進するマグネシウム結合部位を除去し、そしてこの3重変異体は
また、組換えのネイティブな酵素に比較して、3'エキソヌクレアーゼ活性を示
さない。この三重変異酵素は、97.5℃にて66分間の半減期を、その温度に
て5分間のみの半減期を示した完全長の組換え酵素に比較して示す。
【0145】 A.ATPの検出 ルシフェラーゼ検出系は、ATPを検出するために特に有用である。ATPお
よび酸素の存在下、ルシフェラーゼはルシフェリンの酸化を触媒し、次いでルミ
ノメーターを使用して定量され得る光を生成する。反応のさらなる産物は、AM
P、ピロリン酸、およびオキシルシフェリンである。
【0146】 特に好ましい実施態様において、L/L試薬(Promega、FF2021
)といわれるATP検出緩衝液が利用される。好ましくは、約5〜10ngのル
シフェラーゼが反応において使用される。本発明がルシフェラーゼの特定の濃度
に制限されることは意図されないが、より多くの量のルシフェラーゼは非特異的
なバックグラウンドを増加する蛍光を有する。
【0147】 いくつかの実施態様において、加ピロリン酸またはヌクレアーゼ消化によって
産生されるdNTPまたはNTPは、XTPに変換され、これは次いで、ルシフ
ェラーゼについての基質として直接的に使用され、核酸の検出を許容する。しか
し、MoyerおよびHenderson,Anal.Biochem.、13
1:187‐89(1983)によって実証されるように、ルシフェラーゼにつ
いての好ましい基質は、ATPである。DNAが最初の基質である場合、NDP
Kは、以下の一般的な反応: 反応4: dNTP★+ADP→dNDP+ATP★ によってATPへのdNTPの変換を触媒するために簡便に使用され、ここでは
dNTPはデオキシリボヌクレオシド三リン酸の混合物であり、およびdNDP
はデオキシリボヌクレオシド二リン酸に対応する。反応4において、dNTPの
末端の5'‐三リン酸(P★)はADPに転移されて、ATPを形成する。
【0148】 この反応を触媒する酵素は、一般にヌクレオシド二リン酸キナーゼ(NDPK
)として知られる。NDPKは偏在的であり、比較的非特異的な酵素である。N
DPKの概説について、ParksおよびAgarwal、The Enzym
es、第8巻、P.Boyer編(1973)を参照のこと。
【0149】 NDPKによるATPへのNTPまたはdNTPの変換は好ましくは、NDP
K、および加ピロリン酸分解またはヌクレアーゼ消化によって、続いてPRPP
合成酵素によるピロリン酸化によって生成されることが予測される、NTPまた
はdNTPの量よりもモル過剰のADPを添加することによって達成される。A
DPの利用は、添加されるADPの量の至適化を必要とする。多すぎるADPは
、高いバックグラウンドレベルを生じる。
【0150】 いくつかの生物学的供給源からのNDPK(EC 2.7.4.6)調製物は、
いくつかの供給元から市販されている。例えば酵母NDPKはSigma Ch
emical Co.、St.Louis、MOから入手可能であり、一方ウシ
NDPKは、ICN Biochemicals、Inc.、Costa Me
sa、CAから利用可能である。本明細書中に記載される大部分の使用のために
選択される特定のNDPKは典型的に、選択の事柄である。酵母、ウシ、または
別のNDPKが、これらの反応において使用され得るが、約50℃〜約90℃の
反応温度を伴って、Tne3重変異体DNAポリメラーゼ(以下に考察される)
、Bst DNAポリメラーゼ、Ath DNAポリメラーゼ、Taq DNA
ポリメラーゼ、およびTvu DNA ポリメラーゼのような熱安定性の脱重
合化酵素とともにPfu NDPKのような熱安定性のNDPKを利用すること
が好ましい。上述の温度でのこれらの熱安定性酵素の使用は、方法の感度を増強
し得る。Tne3重変異体DNAポリメラーゼは、WO96/41014におい
て詳細に記載され、この開示は参考として援用され、およびその610残基のア
ミノ酸配列は、この書類の配列番号35として提供される。この酵素は、WO9
6/41014においてTne M284(D323A、D389A)といわれ
る。
【0151】 B.質量分析的な解析 本発明の1つの方法において、放出されたヌクレオチドの存在は、質量分析を
介して解析される。質量分析を使用する方法の実施態様において、処理される反
応混合物の全ての成分が、放出されるアイデンティファイアーヌクレオチドの分
子量の範囲において測定されるように、反応混合物はイオン化される。分子量に
おける非常に小さな差異が、質量分析法を使用して検出され得(同じ原子の異な
る同位体が検出可能である)、従って、アイデンティファイアーヌクレオチドに
おける単一の原子の置換(例えば、水素原子の代わりのフッ素または重水素原子
による水素の置換)を含む、天然の核酸からの任意の変化が検出可能な差異を生
じる。本発明の方法において使用される核酸アナログは、核酸プローブのハイブ
リダイゼーションおよびハイブリダイズされるプローブの脱重合化のいずれも妨
げるべきではない。
【0152】 さらに、質量分析は個々のヌクレオチドまたはヌクレオシド間を区別し得る。
例えば、本発明において使用される3'‐アイデンティファイアーヌクレオチド
は、Gヌクレオチドであり、質量分析は、本発明の方法においてそのGヌクレオ
チドの放出を検出するために使用され得る。同様に質量分析は、A、T、または
Cヌクレオチドの放出を検出し得、これらの化合物の原子量における差異に基づ
く。従って、本発明の多重化する実施態様において、質量分析は、1つ以上のこ
れらの3'‐アイデンティファイアーヌクレオチドの存在を解明するために使用
され得る。
【0153】 この実施態様の特に有用な局面において、特殊化された多孔性のシリコンサン
プルウェルを備えられる市販の質量分光器を使用して、ピコグラムまたはアタグ
ラム(attagram)の量に対して、1つまたは複数のアッセイを正確に行
い得るDIOS(シリコンに対する脱離/イオン化)といわれる質量分析技術が
近年、Weiら、Nature、399:243(1999)によって報告され
た。より古い、周知のMALDI質量分光アッセイ技術がまた利用され得る。
【0154】 質量分析を使用する多重法の実施態様において、複数の異なるアイデンティフ
ァイアーヌクレオチドが、種々の核酸プローブにおいて使用され得る。このよう
な技術を使用して、異なるアイデンティファイアーヌクレオチドの存在は、核酸
標的配列の存在の直接的な証拠である。
【0155】 C.蛍光分光解析 広範に多様な蛍光検出法が本明細書中で使用され得る。1つの例示的に意図さ
れる方法において、アイデンティファイアーヌクレオチドは、蛍光標識を含む。
アイデンティファイアーヌクレオチドは、アイデンティファイアーヌクレオチド
の放出の前に、または後に、蛍光的に標識され得る。ヌクレオチドが蛍光的に標
識される代替の実施態様において、解析的な出力結果は質量分析によって得られ
る。
【0156】 本発明の好ましい実施態様において、蛍光標識は、ヌクレオチドの蛍光アナロ
グの部分である。蛍光ヌクレオチドアナログは広範に知られ、およびいくつかの
供給元から市販されている。例示的な供給元は、MEN(商標) Life S
cience Products(Boston、Massachusetts
)であり、これは、フルオレセイン、クマリン、テトラメチルローダミン、ネフ
トフルオレセイン、ピレン、Texas Red(登録商標)、およびLiss
amine(商標)で標識されるジデオキシ‐、デオキシ‐、およびリボヌクレ
オチドアナログを提供する。他の供給元としては、Amersham Phar
macia Biotech(Uppsala、Sweden;Piscata
way、New Jersey)およびMBI Fermentas、Inc.
(Amherst、New York)が挙げられる。
【0157】 蛍光標識および蛍光分光解析を使用する利点は、複数の異なる標識があること
である。このような異なる標識は、本発明の多重の実施態様において特に有用で
ある。異なる蛍光標識は、異なるプローブにおいて使用され、それによって放出
されるアイデンティファイアーヌクレオチドとしての特定の蛍光標識されるヌク
レオチドアナログの検出は、どの核酸標的が存在するかを推定するために使用さ
れ得る。
【0158】 例えば、フルオレセインは488nmの励起および520nm発光波長を有し
、一方ローダミン(テトラメチルローダミンの形態において)は、550nm励
起および575nM発光波長を有する。蛍光検出器は、励起供給源および発光検
出器を提供する。520nmおよび575nMの発光波長は、蛍光分光法を使用
して、容易に区別可能である。
【0159】 分子基準あたりにおいて、蛍光分光法は、吸光分光法よりも約10倍感度が高
い。非常に広範に多様な蛍光分光法ベースの検出器が、特に、単一のチューブ、
フローセル、およびマルチウェルプレートの蛍光値を読み取るために市販されて
いる。例えば、マイクロプレート読み取り器のLabsystems Mult
iskan型は、400〜750nmのスペクトル範囲、および340、405
、414、450、492、540、620、および690nmのフィルターを
備え、広範に利用可能である(例えば、Fisher Scientific、
Pittsburgh、Pennsylvania)。
【0160】 放出されるアイデンティファイアーヌクレオチドは、脱重合化の前または後に
、市販の試薬を用いて当該分野において周知である架橋化学を使用して標識され
得る。例えば、フルオレセインイソチオシアネートおよびローダミンBイソチオ
シアネートは、両方ともにAldrich Chemical Company
(Milwaukee、Wisconsin)から入手可能である。生物学的分
子を標識するにおけるフルオレセインイソチオシアネートの使用に対する参考文
献としては、Nature、193:167(1962)、Methods E
nzymol.26:28(1972)、Anal.Biochem.、57:
227(1974)、Proc.Natl.Acad.Sci.、U.S.、7
2:459(1975)が挙げられる。
【0161】 本発明の多くの実施態様について、放出される蛍光アイデンティファイアーヌ
クレオチドを、プローブのようなオリゴヌクレオチドに結合されるそれらから分
離することが有用であることが意図される。従って、当該分野において周知のお
よび上述で考察される分離技術は、蛍光検出器を備え付けられるHPLCを含む
このような実施態様で有用である。他の分光技術に比較して、蛍光の増強された
感度が、本発明の検出または定量プロセスの感度を増加するために使用され得る
【0162】 NADH検出系において、2つの酵素、ホスホグリセレートキナーゼおよびグ
リセルアルデヒドリン酸デヒドロゲナーゼの組み合わせが、ATPの存在下での
、NADHからのNADの形成を触媒するために使用される。NADHは蛍光で
あるが、一方NADは蛍光ではないので、ATPは蛍光強度の喪失として測定さ
れる。NADHベースのATPアッセイの例は、米国特許第4,735,897
号、同第4,595,655号、同第4,446,231号、および同第4,7
43,561号、および英国特許出願第GB 2,055,200号において開
示され、これらの全ては本明細書中に参考として援用される。
【0163】 D.吸光度分光解析 吸光分光解析の工程が、解析的な出力結果を提供し、それによって放出された
アイデンティファイアーヌクレオチドの存在または不在を提供し、および当該核
酸標的配列の存在または不在を示すために意図される。この実施態様は、その活
性が、ハイブリダイズされた核酸の3'‐末端から1つ以上のヌクレオチドを放
出することである酵素の脱重合化する量で処理された反応混合物のクロマトグラ
フィー分離を意図する。
【0164】 例示的な実施態様において、サンプルにおけるいくつかの異なる核酸標的配列
の存在について多重化されるアッセイは、吸光度分光法によって解析される。種
々の核酸標的配列に対するいくつかの標識されるプローブが、核酸サンプルに添
加される。プローブに対する標識は、種々のヌクレオチドアナログ、各プローブ
について異なるアナログであり得る。Klenow exo-のような脱重合化
酵素が添加され、3'-末端ヌクレオチドがマッチされる場合に標的配列にハイブ
リダイズされるプローブの3'-末端から、標識されたヌクレオチドおよび他のヌ
クレオチドを放出する。
【0165】 反応溶液は、あらかじめ平衡化された高圧液体クロマトグラフィー(HPLC
)カラム上に負荷され、そして天然のヌクレオチドからヌクレオチドアナログを
分離する条件下で溶出される。ヌクレオチド、塩基、およびヌクレオシドのクロ
マトグラフィー分離についての有用な媒体としては、TosoHaas(Mon
tgomeryville、Pennsylvania)による逆相C18カラ
ムもしくはODS-80T(商標)もしくはODS-120T TSK-GELの
ような逆相媒体TosoHaas(Montgomeryville、Penn
sylvania)によるDEAE-25SWもしくはSP-25W TSK-G
ELのようなアニオン交換媒体、またはTosoHaas(Montgomer
yville、Pennsylvania)によるBoronate-5PW T
SK-GELのようなアフィニティー媒体が挙げられる。実施例5は、HPLC
を使用する本発明の実施態様を説明する。
【0166】 HPLCカラムは、カラム浸出をモニターするために吸光度検出器を備え付け
られる。従って、このタイプの解析について「吸光度分光法」。ヌクレオチドの
HPLC検出をモニターするための典型的な波長は、250nm、260nm、
および280nmである。ヌクレオチドおよびヌクレオチドアナログのこのよう
な分離は、当該分野において周知である。Revichら、J.Chromat
ography、317:283‐300(1984)、およびPerrone
& Brown、J.Chromatography、317:301‐31
0(1984)は、dNTPのHPLC分離の例を提供する。
【0167】 分離されたヌクレオチドアナログの同定は、同じ条件下で同じHPLCカラム
において分離されたヌクレオアナログの標準の保有時間の比較(種々の時間での
浸出の吸光度によってモニターされる)によって達成され得る。あるいは、別々
のフラクション中に回収されたヌクレオチドアナログの同定(カラム浸出の吸光
度を連続的にモニターすることによって決定される)は、核磁性共鳴または原子
解析(H、C、N)のような他の標準的な解析方法によって決定され得る。
【0168】 Klenow exo-での脱重合化を使用するこの例示的な例において、特
定のプローブからの放出されたアイデンティファイアーヌクレオチドの存在は、
そのプローブにハイブリダイズする標的配列の存在を示す。
【0169】 代替の実施態様において、脱重合化反応混合物から放出されたヌクレオチドは
、カラム浸出をモニターするために、吸光度検出器を備え付けられたガスクロマ
トグラフィーにおいて分離される。
【0170】 プローブ媒介性の特異的核酸検出 脱重合化反応は、核酸における特異的な塩基の同定を疑問にするために使用さ
れ得る。例えば、核酸における単一塩基の点変異、欠失、または挿入の同定は、
以下のように同定され得る。
【0171】 1つの実施態様において、合成された各核酸プローブは点変異を含むか、また
は含むことが疑われる標的核酸に実質的に相補的である。ハイブリダイゼーショ
ンが生じるストリンジェンシーを変えるために、種々のハイブリダイゼーション
条件が使用され得ることが認識される。従って、利用される系に依存して、プロ
ーブの相補性は変化し得る。プローブの長さ、GC含量、およびハイブリダイゼ
ーション条件のストリンジェンシーに依存して、プローブは標的核酸と10塩基
程度のミスマッチ、および好ましくは5未満のミスマッチを有し得る。最も好ま
しくは、プローブは、標的核酸と1塩基のみのミスマッチを有するか、または標
的核酸に完全に相補的である。
【0172】 核酸プローブは、1本鎖核酸(例えば、DNAまたはRNA)を含む。プロー
ブは、種々の長さ、好ましくは約10〜100塩基、最も好ましくは約10〜3
0塩基であり得る。特に好ましい実施態様において、プローブは疑問の位置と、
核酸プローブの3'末端との間の全ての塩基にて、標的に相補的である。
【0173】 好ましい実施態様において、プローブは疑問の位置にてあらかじめ決定された
ヌクレオチドを有するように設計される。相補的なプローブ塩基が、標的配列に
対合またはハイブリダイズする場合、疑問の位置での塩基は、核酸標的における
塩基とアラインされ、その同一性は塩基対合が生じ得るような条件下で決定され
る。疑問の位置はプローブ内で変化し得ることが意図される。例えば、いくつか
の好ましい実施態様において、疑問の位置は好ましくは核酸プローブの3'末端
の10塩基以内である。なお他の好ましい実施態様において、疑問の位置は核酸
プローブの3'末端の6塩基以内である。特に好ましい実施態様において、疑問
の位置は核酸プローブの3'末端での最後の塩基の隣にあるか、または最後の塩
基である。
【0174】 疑問の位置での塩基の同一性が所望される疑問の実施態様において、好ましく
は長さの等しい4つの異なるプローブが合成され、それぞれ疑問の位置で異なる
ヌクレオチドを有する。従って、いくつかの実施態様において、DNAプローブ
のセットは、疑問の位置でデオキシアデノシン残基を有する第1のプローブ、疑
問の位置でデオキシチミジン残基を有する第2のプローブ、疑問の位置でデオキ
シグアノシン残基を有する第3のプローブ、および疑問の位置でデオキシシトシ
ン残基を有する第4のプローブを含む。
【0175】 同様に、RNAプローブのセットは、疑問の位置でアデノシン残基を有する第
1のプローブ、疑問の位置でウリジン残基を有する第2のプローブ、疑問の位置
でグアノシン残基を有する第3のプローブ、および疑問の位置でシトシン残基を
有する第4のプローブを含むことが意図される。
【0176】 この疑問の実施態様の次の工程において、プローブは標的核酸にハイブリダイ
ズされ、サンプルにおいて標的核酸が存在する場合、それによってプローブ核酸
‐標的核酸複合体が形成される。ハイブリダイゼーション条件は、プローブの長
さおよび塩基組成に依存して変化し得ることが意図される。プローブ‐標的核酸
複合体おいて、疑問の位置でのヌクレオチドは、核酸において同定される特定の
塩基とアラインされる。意図される多重の実施態様において、プローブのセット
は同時に使用され得る。プローブは疑問の位置で異なるので、1つのプローブの
みが疑問位置とアラインされる標的核酸における特異的な塩基に相補的である。
好ましくは、プローブは区別可能であり、最も好ましくはアイデンティファイア
ーヌクレオチドは4つのプローブ間で異なり、例えば質量分析または異なる蛍光
標識を使用する。
【0177】 疑問の実施態様の次の工程において、核酸プローブ‐標的核酸複合体は、プロ
ーブの脱重合化を許容する条件下で反応される。脱重合化についての好ましい反
応条件は、親出願においておよび以下の実施例において記載される。次いで、放
出されるヌクレオチドが検出される。
【0178】 特に好ましい実施態様において、特異的な塩基の同一性は、各プローブから生
成されるシグナルの量を比較することによって決定される。ハイブリダイズされ
るプローブの脱重合化は、その3'末端から進行する。疑問の位置での塩基が核
酸における特異的な塩基に相補的でない場合、シグナルはほとんどまたは全く生
成されない。
【0179】 なお別の好ましい実施態様において、本発明のプローブ媒介性の特異的な核酸
検出法は、目的の核酸を単に同定または検出するために使用され得る。この方法
について、核酸プローブ(例えば、DNAまたはRNA)が利用され、このそれ
ぞれは、RNAまたはDNAであり得るそのそれぞれの標的核酸に実質的に相補
的である。特に好ましい実施態様において、各核酸プローブは、その標的核酸に
完全に相補的である。核酸プローブは1本鎖核酸(例えば、DNAまたはRNA
)を含み得る。プローブは、種々の長さであり得、好ましくは約10〜1000
塩基、最も好ましくは約10〜100塩基であり得る。
【0180】 検出は上記のように行われる。核酸プローブ‐核酸標的複合体は、プローブの
脱重合化を許容する条件に曝露され、これはXTPの生成を生じる。目的の核酸
の検出は、コントロールサンプル反応に比較される場合に生成されるXTPによ
って産生されるシグナルにおける差異によって特徴づけられる。マッチされるア
イデンティファイアーヌクレオチドを除去する脱重合化酵素の存在下での、それ
らの標的核酸に完全に相補的なプローブについて、バックグラウンドよりも大き
なシグナルは元来のサンプルにおける少なくとも1つの標的核酸の存在を示す。
好ましい実施態様において各プローブは、区別するアイデンティファイアーヌク
レオチドを含み、そして標的/プローブハイブリッドから放出されるアイデンテ
ィファイアーヌクレオチドの検出は、元来のサンプルにおける特異的な標的核酸
の存在を決定する。
【0181】 核酸における特異的な塩基の同定を調べる能力はまた、異なる種からの、また
はさらに異なる対立遺伝子からの核酸間の区別を許容する。関連されるまたは未
関連の種の核酸間を区別および検出する能力はまた、所与の核酸を含有するサン
プル内に含まれる種の同定を許容する。例えば、方法は、いくつかの関連される
細菌またはウイルスのどの種がサンプル(例えば、臨床学的サンプル、環境サン
プル、食品サンプル、または非ヒト動物からのサンプル)内に含まれるのかを決
定するために使用され得る。
【0182】 この方法の好ましい実施態様において、少なくとも2つの種または対立遺伝子
からの、実質的に同一な配列を有する核酸が検出される。同一性の領域(標的核
酸配列)は、少なくとも1つのあらかじめ決定された位置における種または対立
遺伝子間の少なくとも単一のヌクレオチドミスマッチを含み、およびまた、同定
される各種に独特の核酸配列の3'末端および5'末端または同定を含む。
【0183】 次に、いくつかの実施態様において、同一性の領域に実質的に相補的であるR
NAまたはDNAプローブが合成される。プローブは、種々の長さ、好ましくは
約10〜1000塩基、最も好ましくは約10〜100塩基であり得る。上述の
ように、相補的なプローブは、疑問の位置を含む。
【0184】 疑問の位置は、プローブ内で変化し得る。例えば、疑問の位置は、好ましくは
核酸プローブの3'末端の10塩基以内である。より好ましくは、疑問の位置は
核酸プローブの3'末端の6塩基以内である。最も好ましくは、疑問の位置は核
酸プローブの3'末端での最後の塩基の隣にあるか、または最後の塩基である。
【0185】 核酸プローブは、疑問の位置での塩基が、一方の種または対立遺伝子のあらか
じめ決定された位置でのヌクレオチドに相補的であるが、ミスマッチに起因して
他方には相補的でないように設計される。同様に、第2の種または対立遺伝子の
あらかじめ決定された位置でのヌクレオチドに、疑問の位置にて相補的である第
2のプローブが合成され得る。
【0186】 意図される手順は、所与のサンプル内の複数の種の存在または不在を同定する
ために用いられる。これらの実施態様において、塩基ミスマッチを含む種間の実
質的に同一な配列の同定、または同定される各種に独特の核酸配列の同定のみが
必要とされる。
【0187】 本発明によって意図される方法は、核酸をアッセイするにおいて広範な適用可
能性を有する。いくつかの局面において、内因性核酸が、特定のネイティブなま
たは変異体の配列が存在するか否かを決定するためにアッセイされる。核酸サン
プルが得られる対象の遺伝子構成が決定されるので、このタイプの解析は、時折
、遺伝子型決定といわれる。種形成、ヒト、イヌ、トリ、ウシなどの同定ような
生物体の同定は、チトクロムBをコードする遺伝子の選択される領域に対するプ
ローブのような種特異的核酸プローブの使用によって決定され得る。
【0188】 意図される方法を使用して、ヒト患者が、例えば、Leiden V変異、変
異体β‐グロブリン遺伝子、Δ508対立遺伝子の領域における嚢胞性線維症関
連性遺伝子、プロトロンビン遺伝子における変異、先天的な副腎過形成、abl
遺伝子のセグメントの関与とともにbcr遺伝子の領域において生じる転座、T
HO1対立遺伝子またはTPOX対立遺伝子に存在するような遺伝子における反
復配列の数、ならびにあるガンおよびまた対立遺伝子トリソミーにおいて見出さ
れるようなある対立遺伝子の遺伝子座のヘテロ接合性の喪失を有するか否かを例
示的に決定する。ゲノムタイピングはまた、イネ、ダイズ、またはトウモロコシ
のような植物ゲノムを、これらがネイティブでない配列を含むか否かをアッセイ
するために使用され得る。Campylobacter jejuni、Lis
teria、E.coli OH157のような微生物のゲノムのサンプルにお
ける存在または不在が決定され得、そしてサイトメガロウイルス(CMV)また
はヒト免疫不全ウイルス(HIV)のようなウイルスのゲノムは、薬物耐性種が
サンプルに存在するか否かを決定するために解析され得る。
【0189】 意図される方法はまた、サンプルの供給源に外因性である核酸の存在または不
在をアッセイするために利用され得る。例えば、意図される方法は、C型肝炎(
HCV)、サイトメガロウイルス(CMV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)
のようなウイルスの存在についてアッセイするために、ならびにヒトまたは植物
のような、疾患を伴う生物体におけるウイルス負荷を決定するために、使用され
得る。意図される方法はまた、トウモロコシ、ダイズ、またはイネのような植物
における外因性核酸配列の存在を同定するために使用され得る。意図される方法
はまた、肉、乳製品、および果汁のような食料品におけるListeria m
onocytogenes、Campylobacter spp.、Salm
onella spp.、Shigella spp.、またはEscheri
chia coli(E.coli E0157を含む)のような微生物の存在
についてアッセイするために使用され得る。
【0190】 本発明の方法における使用のために核酸プローブを設計するために有用な適切
な核酸標的配列の検出は、当業者の範囲内である。Genbankのような遺伝
子配列のデータベースが、選択された核酸標的の独特性を確認するために使用さ
れ得る。PCRプライマーを設計するための市販のソフトウェアが、本発明にお
ける使用のためにプローブの設計において補助するために使用され得る。
【0191】 1つの説明的な実施態様において、あらかじめ決定された核酸標的配列は、血
液凝固と関連され、そして核酸プローブは血液凝固と関連される核酸配列に相補
的な配列を含む。血液凝固に関連される例示的な配列は、(a)Leiden変
異の領域における第V因子または第V因子の対応する野生型配列の少なくとも1
0個のヌクレオチドの配列;ならびに(b)プロトロンビン遺伝子の少なくとも
10個のヌクレオチドの配列を含む。好ましい例示的な配列は、配列番号14、
配列番号15、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配
列番号91、配列番号92、配列番号93、配列番号94、配列番号47、配列
番号44、配列番号45、および配列番号46、ならびにそれらの相補的な配列
からなる群より選択される。 FV5 5' CTGCTGCCCTCTGTATTCCTCG 3' 配列番号14 FV6 5' CTGCTGCCCTCTGTATTCCTTG 3' 配列番号15 PT7 5' GTGACTCTCAGCG 3' 配列番号87 PT8 5' GTGACTCTCAGCA 3' 配列番号88 PT9 5' GTGATTCTCAGCG 3' 配列番号89 PT10 5' GTGATTCTCAGCA 3' 配列番号90 FV7 5' GACAAAATACCTGTATTCCTCG 3' 配列番号91 FV8 5' GACAAAATACCTGTATTCCTTG 3' 配列番号92 PT3 5' GGAGCATTGAGGCTCG 3' 配列番号93 PT4 5' GGAGCATTGAGGCTTG 3' 配列番号94 11432 5' GACAAAATACCTGTATTCCTTG 3' 配列番号47 11265 5' GTGATTCTCAGCA 3' 配列番号44 11266 5' GTGATTCTCAGCG 3' 配列番号45 9919 5' GACAAAATACCTGTATTCCTCG 3' 配列番号46 別の意図される実施態様において、核酸サンプルの種形成は、単一のアッセイ
において一組の種プローブを使用して決定される。このようなアッセイのための
プローブを含むキットがまた意図される。ヒトミトコンドリアDNAに特異的で
あることが示される例示的なプローブは、配列番号50および11583(配列
番号51)である。例示的な共通のプローブは、11582(配列番号52)で
あり、ウシ、トリ、イヌ、およびヒトとのポジティブな反応を与える。例示的な
トリ特異的プローブ、11577(配列番号53)は、トリミトコンドリアDN
Aに特異的であるが、別のトリ特異的プローブ、11584(配列番号54)は
、トリゲノムDNAに加えてウシおよびヒトとのシグナルを与える。例示的なウ
シ特異的プローブ、11588(配列番号55)は、ウシ標的DNAとの強力な
シグナルを提供するが、ヒト、トリ、およびイヌの核酸とのシグナルもまた与え
る。例示的なイヌ特異的プローブ、11586(配列番号56)は、ウシDNA
とのシグナルを提供するよりも強力な、イヌDNAとのシグナルを提供する。以
下に列挙されるプローブに相補的な配列はまた、プローブ配列として意図される
。 11576 huzoo1 5' CCAGACGCCTCA 3' 配列番号50 11583 huzoo2 5' ACCTTCACGCCA 3' 配列番号51 11582 comzoo 5' TGCCGAGACGT 3' 配列番号52 11577 chzoo1 5' GCAGACACATCC 3' 配列番号53 11584 chzoo2 5' GGAATCTCCACG 3' 配列番号54 11588 cozoo2 5' ACATACACGCAA 3' 配列番号55 11586 dozoo2 5' ATATGCACGCAA 3' 配列番号56 さらなる実施態様において、核酸サンプルにおける標的配列についての遺伝子
スクリーニングが、単一のアッセイにおいて種々の標的に対する複数のプローブ
を使用して意図される。このような遺伝子試験のためのプローブを含有するきっ
ともまた意図される。例示的な実施態様において、ステロイド21‐ヒドロキシ
ラーゼ遺伝子が、先天的な副腎過形成(CAH)のような集合的に公知の常染色
体劣性疾患の群と関連される変異についてスクリーニングされる。本発明に従う
方法およびキットにおける使用のための例示的なCAHプローブが以下に列挙さ
れる。以下に列挙されるプローブに相補的な配列もまた、プローブ配列として意
図される。 11143 5' CGGAGCCTCCACCTCCCG 配列番号23 変異部位1についてのCAH疑問因子オリゴ6(野生型) 11085 5' CACCCTCCAGCCCCCAGC 3' 配列番号24 変異部位2についてのCAH疑問因子オリゴ2(偽遺伝子/変異体) 11084 5' CGGAGCCTCCACCTCCTG 3' 配列番号25 変異部位1についてのCAH疑問因子オリゴ1(偽遺伝子/変異体) 11086 5' CCTCACCTGCAGCATCAAC 3' 配列番号26 変異部位3についてのCAH疑問因子オリゴ3(偽遺伝子/変異体) 11144 5' CACCCTCCAGCCCCCAAC 3' 配列番号27 変異部位2についてのCAH疑問因子オリゴ7(野生型) 11145 5' CCTCACCTGCAGCATCATC 3' 配列番号28 変異部位3についてのCAH疑問因子オリゴ8(野生型) 11087 5' CCTGGAAGGGCACTT 3' 配列番号29 変異部位4についてのCAH疑問因子オリゴ4(偽遺伝子/変異体) 11146 5' CCTGGAAGGGCACGT 3' 配列番号30 変異部位4についてのCAH疑問因子オリゴ9(野生型) 11088 5' GATTCAGCAGCGACTGTA 3' 配列番号31 変異部位5についてのCAH疑問因子オリゴ5(偽遺伝子/変異体) 11147 5' GATTCAGCAGCGACTGCA 3' 配列番号32 変異部位5についてのCAH疑問因子オリゴ10(野生型) 11287 5' CGAGGTGCTGCGCCTGCG 3' 配列番号33 変異部位6についてのCAH疑問因子オリゴ11(野生型) 11288 5'CGAGGTGCTGCGCCTGTG 3' 配列番号34 変異部位6についてのCAH疑問因子オリゴ12(偽遺伝子/変異体) 11641 5'GGGATCACATCGTGGAGATG 3' 配列番号35 変異部位7についてのCAH疑問因子オリゴ23(野生型) 11642 5'GGGATCACAACGAGGAGAAG 3' 配列番号36 変異部位7についてのCAH疑問因子オリゴ24(偽遺伝子/変異体) 好ましくは、本発明の多重法を使用するゲノムもしくはミトコンドリアの、ま
たはそうでなければ大きな、複雑な核酸サンプル供給源のアッセイにおいて、ゲ
ノムまたはミトコンドリアの核酸からの核酸のセグメントは、本発明に従うハイ
ブリダイゼーションアッセイを行うためのサンプルを作製するために、増幅され
るかまたはそうでなければ単離される。あるいは、1999年7月21日に出願
された、同時係属出願の米国特許出願第09/358,972号において考察さ
れるような単一の標的分子の存在下で、複数の脱重合化可能なハイブリッドを生
じる本発明の方法が好ましく、例えば、アッセイはヘアピンを形成する(例えば
REAPER(商標))か、または自己アニーリングプライマーを使用する。(
この出願は、米国特許出願第09/358,972号の一部継続出願であり、そ
の開示は本明細書中に参考として援用され、http://www.prome
ga.com/pt/pend/09358972.pdf.)にてインターネ
ット上で公開される。
【0192】 別の例示的な多重の実施態様において、あらかじめ決定された核酸標的配列は
、嚢胞性線維症と関連され、および核酸プローブは嚢胞性線維症と関連される核
酸配列に相補的な配列を含む。この局面の1つの実施態様において、標的および
プローブは、嚢胞性線維症ΔF508変異と関連される。特に好ましい例示的な
嚢胞性線維症関連性の配列は、配列番号95または配列番号96、およびそれら
の相補的な配列である。 CF3 5' CATCATAGGAAACACCAAG 3' 配列番号95 CF4 5' CATCATAGGAAACACCAAT 3' 配列番号96 情報は、種々の種または疾患と関連されるある核酸配列に関して、現在利用可
能であり、およびこの特許の存続時間の間、利用可能にされ続ける。任意のこれ
らの核酸配列が、本発明の方法において有用であること、および種々の標的に対
するプローブの組み合わせが、本発明に従う多重キットにおいて有用であること
が意図される。
【0193】 1999年7月21日に出願された、親特許出願の米国特許出願第09/35
8,972号においてより詳細に考察される例示的なガン関連性の核酸配列は、
他のプローブとともに多重の遺伝子スクリーニングキットおよび方法における使
用のために意図される。核酸プローブBA3(配列番号97)およびBA4(配
列番号98)は、bcr遺伝子の領域、および転座と関連されるabl遺伝子の
セグメントにおいて生じる特定の転座を検出するために有用である。 BA3 5' TGGATTTAAGCAGAGTTCAAGT 3' 配列番号97 BA4 5' TGGATTTAAGCAGAGTTCAAAA 3' 配列番号98 サンプル標的または検出標的の増幅 標的核酸配列は典型的に、意図される方法の前に増幅される。しかし、ヒトA
lu配列またはE.coli rep配列におけるように、十分な数の反復され
るヌクレオチド配列が、ネイティブなサンプルに存在する場合、増幅はしばしば
、意図される方法が行われる前に必要とされない。
【0194】 DNAの領域を増幅するためのいくつかの方法が当該分野において公知である
。これらとしては、ポリメラーゼ連鎖反応、リガーゼ連鎖反応、修復連鎖反応、
転写産物の増幅、自己維持配列複製(3SR)、ライゲーション活性化転写(L
AT)、鎖置換増幅(SDA)、および回転するサークル複製が挙げられる。本
発明のプロセスは、サンプルにおける核酸標的の存在を検出するために請求の範
囲のプロセスを実施する時点で当該分野において公知の任意の増幅方法を使用す
る、核酸サンプルの前処理を意図する。
【0195】 ヘアピン構造を使用する多重アッセイ プローブはヘアピン構造がないように構築されることが好ましいが、ヘアピン
構造が構築されるアッセイはまた、有用である。本発明の実施態様は、標的にハ
イブリダイズして、次いでヘアピン構造を形成し得るように修飾されるプローブ
を用いて、核酸サンプルにおける複数の核酸標的配列の存在または不在を決定す
るための、ヘアピン構造の使用を意図する。この実施態様は、以下の工程を包含
する。
【0196】 疑問の位置を有する複数の核酸標的配列を含有し得る核酸サンプルを含む処理
されたサンプルが提供される。標的配列が、核酸サンプルに存在する場合、それ
らのそれぞれの核酸プローブとハイブリダイズする。プローブは、少なくとも2
つの部分を含む。第1の部分は、プローブの3'‐末端の約10〜約30ヌクレ
オチドを含む。これらのヌクレオチドは疑問の位置の約1〜約30ヌクレオチド
下流で始まる位置にて標的鎖配列に相補的である。プローブの第2の部分は、プ
ローブの5'‐末端領域に位置し、および標的配列の約10〜約20ヌクレオチ
ドを含む。それゆえ、この同じ配列は、同じ5'〜3'方向において、標的および
プローブの両方に存在する。この配列は、疑問の位置での、またはちょうど上流
(5')のヌクレオチドから、プローブの3'‐末端ヌクレオチドが標的にアニー
ルするちょうど上流のヌクレオチドまでの、標的における領域におよぶ。ゼロ〜
約50の、好ましくはゼロ〜約20のヌクレオチドの長さであり、ならびに第1
の部分および第2の部分のいずれともハイブリダイズしない配列を含む、プロー
ブの必要に応じた第3の部分は、プローブの第1の部分と第2の部分との間に位
置される。
【0197】 処理されるサンプルのハイブリダイズされるプローブは、温度依存性の様式に
おいて、dNTPおよび温度依存性のポリメラーゼとの混合によるように、少な
くとも疑問の位置を介して伸長され、それによって伸長されたプローブ/標的ハ
イブリッドを形成する。好ましい実施態様において、プローブ伸長の長さは、疑
問の位置の上流に存在する標的配列のヌクレオチドに相補的なdNTPの伸長反
応からの省略、および疑問の位置の3'−末端に相補的なヌクレオチド間の不在
によって制限される。
【0198】 伸長されたプローブ/標的ハイブリッドは、任意の未反応のdNTPから分離
され、すなわち、サンプルにおける疑問の領域の存在もしくは不在、または疑問
の位置での塩基の同定を決定するために伸長されたプローブ鎖を使用するのに必
要とされる程度に少なくとも精製される。伸長されたプローブ/標的ハイブリッ
ドは変性されて、鎖に分離される。伸長されたプローブ鎖はヘアピン構造を形成
することを許容される。
【0199】 伸長反応について利用されるポリメラーゼ酵素が、温度非特異的様式において
3'‐末端デオキシアデノシンを付加する活性がない温度依存性のポリメラーゼ
であることが好ましい。従って、意図される伸長のために、Taqのようなポリ
メラーゼ以外を使用することが好ましい。
【0200】 処理された反応混合物は、ヘアピン構造を含有する組成物と、その活性が伸長
されたプローブのヘアピン構造の3'‐末端から1つ以上のヌクレオチドを放出
することである酵素の、脱重合化する量とを混合することによって形成される。
反応混合物は、脱重合化酵素が、3'‐末端ヌクレオチドを放出するのに十分な
期間、脱重合化する条件の下に維持され、次いで、放出されたアイデンティファ
イアーヌクレオチドの存在について解析される。解析的な出力結果は、核酸標的
配列の存在または不在を示す。解析的な出力結果は、本明細書中の他の場所で考
察されるように決定され得る。
【0201】 REAPER(商標)と称され、および実施例89および図2において実証さ
れるような本発明のさらなる実施態様はまた、核酸サンプルにおける、核酸標的
配列の存在もしくは不在、または標的配列内の特異的な塩基を決定するにおける
ヘアピン構造の使用を意図し、以下の工程を包含する。そのそれぞれの第1の核
酸プローブ鎖とハイブリダイズされる複数の核酸標的配列を含み得る核酸サンプ
ルを含む、処理されたサンプルが提供される(図2A)。
【0202】 ハイブリッドは第1のハイブリッドと呼ばれる。第1のプローブは少なくとも
2つの部分から構成される。第1の部分は、標的の疑問の位置の下流に約5〜約
30ヌクレオチドで始まる位置で標的核酸配列に相補的であるプローブの3'−
末端の約10〜約30ヌクレオチドを含む。第1のプローブの第2の部分は、疑
問の位置から、疑問の位置の約10〜約30ヌクレオチド下流までの標的配列の
反復である約5〜約30ヌクレオチドを含み、およびプローブの第1の部分にハ
イブリダイズしない。すなわち、第2の配列は、疑問の位置の下流から、第1の
プローブの3'‐末端ヌクレオチドが標的とアラインする位置までの、標的配列
における領域の反復である。必要に応じたプローブの第3の部分は、プローブの
第1の部分と第2の部分との間に位置し、ゼロ〜約50の、好ましくは約20ま
での、ヌクレオチドの長さであり、第1の部分および第2の部分のいずれともハ
イブリダイズしない配列を含む。
【0203】 処理されたサンプルにおける第1のハイブリッドは、第1のプローブの3'‐
末端で伸長され、それによって疑問の位置を通り過ぎる第1のプローブを伸長し
、そして配列が疑問の部分を含む伸長された第1のハイブリッドを形成する(図
2B)。伸長された第1のハイブリッドは、元来の標的核酸および伸長された第
1のプローブから構成される。次いで、伸長された第1のハイブリッドは水性組
成物中で変性されて、ハイブリダイズされた2本鎖の2つの核酸鎖を分離し、そ
して分離された標的核酸および分離された伸長された第1のプローブを含む水性
溶液を形成する。
【0204】 約10〜約2000、好ましくは約10〜約200、最も好ましくは約10〜
約30のヌクレオチドの長さであり、および伸長された第1のプローブにおける
疑問の位置の下流の、約5〜約2000、好ましくは約5〜約200のヌクレオ
チドで開始する位置にて伸長された第1のプローブに相補的である、第2のプロ
ーブは、伸長された第1のプローブにアニールされ、それによって第2のハイブ
リッドを形成する(図2C)。第2のハイブリッドは、その伸長が伸長された第
1のプローブの5'−末端に達するまで第2のプローブの3'−末端で伸長され、
それによってその3'‐領域がアイデンティファイアーヌクレオチドを含む第2
の伸長されたハイブリッドを形成する(図2D)。
【0205】 伸長された第2のハイブリッドの水性組成物は変性されて2つの核酸鎖;すな
わち、伸長された第2のプローブおよび伸長された第1のプローブに分離される
。そのようにして形成される水性組成物は冷却されて、分離された伸長された第
2のプローブから、標的配列が元来の核酸サンプルに存在する場合、「ヘアピン
構造」を形成する(図2E)。従って、標的配列が元来の核酸サンプルに存在す
る場合、第2の伸長されたハイブリッドにおける第2の伸長されたプローブの3
'‐末端配列は、疑問の位置、および元来の(第1に命名される)プローブの3'
‐末端ヌクレオチドが元来の標的にアニールされたヌクレオチドの位置に対する
第2の伸長されたプローブの疑問の位置から下流のヌクレオチドを含む領域から
の第2の伸長されたプローブの配列とハイブリダイズする。
【0206】 処置された反応混合物は、ヘアピン構造を含有する組成物と、その活性が1つ
以上のヌクレオチドを核酸ハイブリッドの3'‐末端から放出することである酵
素の、脱重合化する量とを混合することによって形成される。反応混合物は、3
'‐末端領域アイデンティファイアーヌクレオチドを放出するのに十分な期間、
脱重合化する条件の下に維持され、次いで、放出されたアイデンティファイアー
ヌクレオチドの存在について解析される。解析的な出力結果は、種々の核酸標的
配列の存在または不在を示す。また、解析的な出力結果は、本明細書中の他の場
所で考察されるいくつかの方法の1つによって決定され得る。この多重のヘアピ
ンを形成するプローブ法の1つの実施態様において、種々の核酸標的配列からの
解析的な出力結果は区別可能である。
【0207】 以前の実施態様における場合のように、dNTPは、伸長反応において利用さ
れる。アイデンティファイアーヌクレオチドについての解析を増強するために、
ヘアピン構造は、脱重合化の前にdNTPから分離されることが好ましい。
【0208】 キット 本発明の他の実施態様は、核酸サンプルにおける複数のあらかじめ決定された
核酸標的配列の存在または不在を決定するためのキットを意図する。このような
キットは、その活性がハイブリダイズされた核酸プローブの3'‐末端から1つ
以上のヌクレオチドを放出することである酵素、および少なくとも1つの核酸プ
ローブを含み、当該核酸プローブは核酸標的配列に相補的である。
【0209】 好ましくは、その活性がキットにおいてヌクレオチドを放出することである酵
素が、ピロリン酸イオンの存在下、その3'‐末端領域における塩基が全体的な
相補性を伴ってマッチされるハイブリダイズされた核酸を脱重合化する、温度依
存性のポリメラーゼである。あるいは、その活性が、ヌクレオチドを放出するこ
とである、キットにおける酵素は、3'→5'エキソヌクレアーゼ活性を示し、ハ
イブリダイズされたプローブの3'末端で1つ以上のミスマッチされた塩基を有
するハイブリダイズされた核酸を脱重合化する。
【0210】 好ましい実施態様において、加ピロリン酸分解を触媒し得る酵素は、Taqポ
リメラーゼ、Tneポリメラーゼ、Tne3重変異体ポリメラーゼ、Tthポリ
メラーゼ、Tvuポリメラーゼ、Athポリメラーゼ、T4 DNAポリメラー
ゼ、Klenowフラグメント、Klenow exo‐、E.coli DN
AポリメラーゼI、AMV逆転写酵素、MMLV逆転写酵素、またはポリ(A)
ポリメラーゼであるが、これらに制限されない。別の好ましい実施態様において
、キットは、S1ヌクレアーゼ、ヌクレアーゼ BAL 31、ヤエナリヌクレ
アーゼ、エキソヌクレアーゼIII、およびリボヌクレアーゼHのようなエキソ
ヌクレアーゼを含む。
【0211】 上述の酵素のタイプのいずれかが、脱重合化する効果的な量において、意図さ
れる方法において利用される。すなわち、酵素は、アイデンティファイアーヌク
レオチドを放出するためにハイブリッドプローブを脱重合化する量において使用
される。この量は、使用される酵素とともに、およびまた脱重合化が行われる温
度とともに変化し得る。キットの酵素は典型的に、反応あたり約0.1〜100
Uの分配を簡便に許容する量において存在し;特に好ましい実施態様において、
濃度は約0.5U/反応である。少なくとも1つのアッセイを行うために十分な
量の酸素が、そのコントロールとともに提供される。
【0212】 代替の好ましい実施態様において、ピロリン酸の存在下におけるその活性が、
アイデンティファイアーヌクレオチドを放出することである酵素は、熱安定性の
ポリメラーゼである。好ましい熱安定性のポリメラーゼは、Tne3重変異体D
NAポリメラーゼ、Klenow exo−、Klenow、T4 DNAポリ
メラーゼ、Ath DNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼ、および
Tvu DNAポリメラーゼであり、Tne3重変異体DNAポリメラーゼ、お
よびTvu DNAポリメラーゼは特に好ましい。
【0213】 このようなキットは、本発明の任意の方法について有用であることが理解され
るべきである。特定の成分の選択は、特定の方法に依存し、キットが行われるよ
うに設計される。さらなる成分は、アイデンティファイアーヌクレオチドの放出
によって、または脱重合化後の残りのプローブの検出によって測定されるように
、解析的な出力結果の検出のために提供される。
【0214】 1つの実施態様において、キットは蛍光標識を含む核酸プローブを有する。こ
のようなキットを使用する方法において、放出されたアイデンティファイアーヌ
クレオチドまたは残りのプローブのいずれかが、蛍光分光法を使用して決定され
、プローブ内の蛍光標識の位置に依存する。代替の実施態様において、放出され
たヌクレオチドは、脱重合化されたプローブから分離され、そして残りのプロー
ブまたは放出されたヌクレオチドが蛍光的に標識される。このような実施態様は
、蛍光標識および/または磁性核酸分離媒体の提供を意図する。上述の蛍光の実
施態様は、蛍光標識が区別可能であることを意図する。
【0215】 別の実施態様において、キットは、アイデンティファイアーヌクレオチドとし
て非天然のヌクレオチドアナログを含む核酸プローブを有する。このようなキッ
トを使用する意図される方法において、脱重合化は質量分析を使用するためにア
ッセイされる。
【0216】 キットは必要に応じてさらに、脱重合化により当該核酸を検出するための指示
書を含む。このようなキットに存在する指示書は、本発明の種々の方法を行うた
めのキットの成分をどのように使用するかに対して、使用者を指示する。これら
の指示書は、本発明の検出方法の記載を含み得、発光分光法、質量分析、蛍光分
光法、および吸光度分光法を含む。
【0217】 1つの実施態様において、本発明は、核酸サンプルにおいて複数のあらかじめ
決定された核酸標的配列の存在または不在を決定するためのキットを意図し、以
下の成分:その活性が、ピロリン酸の存在下で、ハイブリダイズされた核酸プロ
ーブからヌクレオシド三リン酸としてアイデンティファイアーヌクレオチドを放
出することである酵素;ピロリン酸;および複数の核酸プローブを含み、ここで
は核酸プローブはそれらのそれぞれのあらかじめ決定された核酸標的配列に相補
的である。
【0218】 その活性が、ピロリン酸の存在下で、ハイブリダイズされた核酸プローブから
アイデンティファイアーヌクレオチドを放出することである酵素は、本明細書中
上述の通りようである。好ましくは、複数の核酸プローブは、有用なおよび簡便
な多重アッセイについての関連される適用のためである。例えば、いくつかの遺
伝子疾患マーカー(例えば、第V因子Leidenおよびプロトロンビン)の検
出、一組のヒト同一性スクリーニング、一連の有害な微生物(例えば、あるE.
coli株、Camphylobacter jejuni、およびSalmo
nella、またはHIV-I、HIV-II、薬物抵抗性HIV-I、C型肝炎
、およびB型肝炎)の検出、または一連の核酸について植物を確認するため。こ
のようなプローブのいくつかの例は、本明細書中上述に考察される。
【0219】 多重化されるプローブ媒介性の、特異的な核酸の検出のために意図されるキッ
トにおいて、キットは目的の核酸標的についての複数の核酸プローブを含む。好
ましくはキットが複数のプローブを含む場合、プローブのそれぞれは、異なる標
的DNA配列を疑問にするように設計される。
【0220】 本発明はまた、疑問の位置にて異なる塩基を有する複数のプローブおよび区別
可能なプローブを使用して、核酸標的内の特異的な塩基の同定を疑問にするにお
いて使用するための指示書を含む。本発明はまた、それぞれの標的について区別
可能なプローブを提供することによって、1つ以上の塩基対が異なる2つの相同
な核酸標的間を同時に区別するにおいて使用するための指示書を含む。あるいは
、本発明は、区別可能なプローブを使用して1つ以上の塩基対が、相同な核酸標
的から異なる一組の核酸標的間の同時の区別における使用のための指示書を含む
キットを意図する。本発明はさらに、サンプルが、欠失または挿入変異を有する
複数の核酸標的を含むか否かを決定するにおける使用のための指示書を含むキッ
トを意図する。キットにおいて含まれ得る核酸プローブのタイプおよびそれらの
使用は、以下により詳細に記載される。
【0221】 実施例1:1つの疑問の部位での対立遺伝子の多重解析 広範に多様な遺伝子異常について、非常に小さなパーセントのサンプルのみが
、任意の1つの部位にて特定の単一のヌクレオチド多型(SNP)を有する。こ
の理由のために、変異体対立遺伝子の群の存在についてスクリーニングすること
、および変異体部位を検出するために設計された任意のプローブについてポジテ
ィブなシグナルがある場合にのみ単一のプローブ試験を二次的に行うことは、こ
れらの場合において非常により効果的であり得る。多重解析のこのような形態が
、本実施例において行われる。
【0222】 CMVゲノムにおける遺伝子の変異体の形態を検出するために設計された複数
のプローブが、1つの反応において使用され、そしてこの反応からのシグナルが
変異されていない配列に特異的であるプローブからのシグナルと比較される。本
実施例において、SNP部位は、1塩基のみによって分離され、および対立遺伝
子は純粋な核酸標的種として提供される。
【0223】 オリゴヌクレオチドCV19(配列番号1)およびCV20(配列番号2)は
、ウイルスゲノムの1784位の周囲のCMVゲノムのセグメントをコードし、
およびこれらのプローブは遺伝子の非変異体形態をコードする。オリゴヌクレオ
チドCV21(配列番号3)およびCV22(配列番号4)は、CV19および
CV20と同じゲノムセグメントをコードするが、コードされるタンパク質にお
いてLeuコドンがSerコドンをコードするように変化される遺伝子の形態を
コードする。
【0224】 オリゴヌクレオチドCV23(配列番号5)およびCV24(配列番号6)は
また、CV19およびCV20と同じゲノムセグメントをコードするが、これら
のオリゴヌクレオチドは、CV21およびCV22において変異される同じLe
uコドンが、Pheコドンに変化されるゲノムの形態をコードする。これらのオ
リゴヌクレオチドは、本実施例における疑問のために標的核酸としてここで使用
される。
【0225】 オリゴヌクレオチドプローブCV25(配列番号7)は、CV19の領域に正
確にマッチし、および遺伝子の変異されない形態を検出するように設計される。
オリゴヌクレオチドプローブCV26(配列番号8)は、CV21内のセグメン
トに正確にマッチし、およびLeuコドンがSerコドンに変異された遺伝子の
バージョンを検出するように設計される。オリゴヌクレオチドプローブCV27
(配列番号9)は、CV24内のセグメントに正確にマッチし、およびLeuコ
ドンがPheコドンに変異された標的のバージョンを検出するように設計される
【0226】 標的核酸対のCV19およびCV20、CV21およびCV22、ならびにC
V23およびCV24を、水中で1mg/mLに溶解し、95℃にて5分間加熱
することによってアニーリングし、そして室温に10分間、冷却させた。続いて
、溶液を3.3μg/mLに水で希釈した。プローブCV25、CV26、およ
びCV27を、水中で1mg/mLに溶解した。
【0227】 以下の溶液をアセンブリした。
【0228】
【表1】 これらの溶液を95℃で3分間加熱し、次いで室温で10分間冷却した。
【0229】 以下のマスターミックスをアセンブリし、そして混合した。
【0230】
【表2】 溶液1〜12を室温で冷却した後、20μLのこのマスターミックスを各溶液
に添加し、そして溶液を37℃で15分間加熱した。この加熱工程後、各溶液の
4μLのサンプルを100μL L/L試薬(Promega、F202A)に
添加し、そして得られる反応によって生成される光を、Turner(登録商標
)TD20/20ルミノメーターを使用して即座に読み取った。以下の結果が得
られた。
【0231】
【表3】 2連の溶液からのこれらの結果を平均し、および以下の表に示す。
【0232】
【表4】 ★比率は野生型プローブからのシグナルを多重化された変異体プローブからのシ
グナルで割ることによって決定された。
【0233】 これらのデータは、1つの反応における両方の変異体プローブの使用が、適切
な標的が反応に付加される場合、いずれかのプローブがシグナルを与えることを
許容することを示す。いずれかのプローブが標的をマッチする場合に変異体標的
を検出するように設計されるプローブによって生成されるシグナルの比率は、野
生型プローブとともに野生型標的が使用される場合からよりも有意に異なる。従
って、上記のようなシグナルの比較は、変異が疑問の位置のいずれかで試験され
る標的に存在することを、使用者が知るのを許容する。 CV19 5'CTCTTTAAGCACGCCGGCGCGGCCTGCCGCGCGTTGGAGAACGGCAAGCTCACGCA 3' 配列番号
1 CV20 5'CAGCAGTGCGTGAGCTTGCCGTTCTCCAACGCGCGGCAGGCCGCGCCGGCGTGCTT 3' 配列番号
2 CV21 5'CTCTTTAAGCACGCCGGCGCGGCCTGCCGCGCGTCGGAGAACGGCAAGCTCACGCA 3' 配列番号
3 CV22 5'CAGCAGTGCGTGAGCTTGCCGTTCTCCGCGCGCGGCAGGCCGCGCCGGCGTGCTT 3' 配列番号4 CV23 5'CTCTTTAAGCACGCCGGCGCGGCCTGCCGCGCGTTTGAGAACGGCAAGCTCACGCA 3' 配列番号
5 CV24 5'CAGCAGTGCGTGAGCTTGCCGTTCTCAAACGCGCGGCAGGCCGCGCCGGCGTGCTT 3' 配列番号
6 CV25 5' GGCGCGGCCTGCCGCGCGTTG 3' 配列番号7 CV26 5' GGCGCGGCCTGCCGCGCGTCG 3' 配列番号8 CV27 5' GCGTGAGCTTGCCGTTCTCCG 3' 配列番号9 実施例2:複数の鋳型に対する多重化されるゲノム解析 広範に多様な遺伝子異常について、非常に小さなパーセントのサンプルのみが
、任意の1つの部位にて特定の単一のヌクレオチド多型を示す。この理由のため
に、変異体対立遺伝子の群の存在についてスクリーニングすること、および変異
体部位を検出するために設計された任意のプローブについてポジティブなシグナ
ルがある場合にのみ単一のプローブ試験を二次的に行うことは、これらの場合に
おいて非常により効果的であり得る。多重解析のこのような形態が、本実施例に
おいて行われる。
【0234】 2つの異なる標的遺伝子の変異体の形態を検出するために設計された複数のプ
ローブが、1つの反応において使用され、そしてこの反応からのシグナルが変異
されていない配列の1つに特異的であるプローブからのシグナルと比較される。
従って、本実施例において、複数の標的における複数のSNP部位は、1つの反
応において疑問にされる。
【0235】 本研究において使用された標的およびプローブは:FV(1+2)(それぞれ
、配列番号10および配列番号11)、FV(3+4)(それぞれ、配列番号1
2および配列番号13)、FV5(配列番号14)、FV6(配列番号15)、
9162(配列番号16)、9165(配列番号17)、9163(配列番号1
8)、9166(配列番号19)、およびCV2(配列番号20)である。第V
因子遺伝子の合成的な第1の核酸標的は、FV1(配列番号10)の32位でG
を含む野生型配列を有するように設計された。相補的な鎖、FV2、(配列番号
11)は、その3'末端で4つのさらなる塩基を有する。第V因子の第2の合成
的な核酸標的は、Leiden変異、FV3の32位でA残基を有するように設
計された。変異体の相補的な鎖のFV4はまた、その3'末端で4つのさらなる
塩基を有した。核酸標的オリゴヌクレオチドの、FV1〜FV4を、水中で別々
に1mg/mLの濃度で溶解した。オリゴヌクレオチドの9162および916
3は、相補的であり、および野生型CMVゲノムのセグメントを有する。オリゴ
ヌクレオチド9163および9166は相補的であり、ウイルスゲノムの同じセ
グメントを有するが、これらはウイルスの公知の薬物耐性の形態に存在する単一
の塩基の変化を含む。等容量の1mg/mLの9162および9165を合わせ
、CMVについての変異体標的として作用した。等容量の1mg/mLの916
3および9166を合わせ、CMVについての変異体標的として作用した。オリ
ゴヌクレオチドCV2は、CMV配列の薬物耐性を検出するように設計されたオ
リゴヌクレオチドを示す。
【0236】 全ての標的DNA[FV(1+2)、FV(3+4)、9162+9165、
9163+9166]を、水で0.3μg/mLに希釈した。他のオリゴヌクレ
オチドを、水で1mg/mLに溶解した。これらの組成物を使用して、以下の溶
液をアセンブリした。
【0237】
【表5】 これらの21個の溶液を、3連で、92℃に11分間加熱し、次いで約1時間
室温で冷却した。
【0238】 以下のマスターミックスをアセンブリし、そして混合した。
【0239】
【表6】 室温で冷却した後、20μLのマスターミックスを、21個の溶液それぞれに
3連で添加し、そしてそれらを37(Cで15分間加熱し、次いで氷上に置いた
【0240】 溶液の5μLサンプルを、各溶液の5μLのサンプルが、3連で、各プレート
内に存在するようにマイクロタイタープレートのウェルに置き、そして3つのこ
のようなプレートを調製した。プレートを、ルミノメーターを読み取るLumi
noskan(登録商標)マイクロタイタープレートに置き、そしてこの装置を
、各ウェルに100μLのL/L試薬(Promega、F120B)を添加し
、そしてウェル中の反応によって生成される光を即座に読み取るようにプログラ
ムした。各プレート内の各溶液についての個々の読み取り値を平均し、そしてこ
れらの平均を以下に与える。
【0241】
【表7】 反応についての光の値は、平均のDNAなしのシグナル値および標的単独の平
均およびプローブ単独の値を、種々の標的およびプローブの組み合わせについて
測定された全ての光の値から減算することによって平均されたプレートの値から
調節した。標的/プローブの組み合わせを含む反応をさらに適切に調節されたプ
ローブ単独および標的単独の値を減算することによって補正して、正味の光の値
を得た。得られた結果は、以下の表において示される。
【0242】
【表8】 以前の実施例におけるように、非常に異なるシグナルパターンが、研究された
種々の標的の組み合わせで見られた。このことは、多重の様式において複数の変
異体プローブを使用することは、変異部位がサンプル内に存在する場合、決定す
るために必要とされる反応の数を減少し得ることを示す。このアッセイ系につい
てのこれらのデータは、変異体プローブ反応からのシグナルが、対応する野生型
プローブで見られるシグナルに接近するか、またはこれよりも大きい場合に、サ
ンプルが少なくとも1つの部位において変異を伴う標的を含むことを示す。さら
に、野生型(WT)プローブについてのシグナルが多重化された変異体プローブ
についてのシグナルよりもはるかに低い場合、野生型プローブによって疑問にさ
れる標的が少なくとも、変異体の形態にあるようである。 FV1 5'CTAATCTGTAAGAGCAGATCCCTGGACAGGCGAGGAATACAGAGGGCAGCAGACATCGAAGAGCT 3'
配列番号10 FV2 5'AGCTCTTCGATGTCTGCTGCCCTCTGTATTCCTCGCCTGTCCAGGGATCTGCTCTTACAGATTAGAGCT
3' 配列番号11 FV3 5'CTAATCTGTAAGAGCAGATCCCTGGACAGGCAAGGAATACAGAGGGCAGCAGACATCGAAGAGCT 3'
配列番号12 FV4 5'AGCTCTTCGATGTCTGCTGCCCTCTGTATTCCTTGCCTGTCCAGGGATCTGCTCTTACAGATTAGAGCT
3' 配列番号13 FV5 5' CTGCTGCCCTCTGTATTCCTCG 3' 配列番号14 FV6 5' CTGCTGCCCTCTGTATTCCTTG 3' 配列番号15 9162 5' CGTGTATGCCACTTTGATATTACACCCATGAACGTG CTCATCGACGTCAACCCGCACAACGAGCT 3' 配列番号16 9165 5' CGTTGTGCGGGTTCACGTCGATGAGCACGTTCATGG GTGTAATATCAAAGTGGCATACACGAGCT 3' 配列番号17 9163 5' CGTGTATGCCACTTTGATATTACACCCGTGAACGTG CTCATCGACGTCAACCCGCACAACGAGCT 3' 配列番号18 9166 5'CGTTGTGCGGGTTCACGTCGATGAGCACGTTCACGG GTGTAATATCAAAGTGGCATACACGAGCT 3' 配列番号19 CV2 5' CACTTTGATATTACACCCGTG 3' 配列番号20 実施例3:RNAの特異的検出:添加される外来の標的RNAを伴うかまたは 伴わない反応においてプローブ配列をマッチするRNA種からのシグナルの比較 特異的な標的配列を検出するために使用されるRNA配列をマッチするDNA
プローブを使用する加ピロリン酸分解反応について、系は、外来のRNAの存在
下および不在下で非常に類似のシグナルを与えるべきである。本実施例において
、大量の酵母RNA存在下、標的グロブリンmRNAを検出するように設計され
たプローブのシグナルの強度が、添加される酵母RNAの不在下で見られるシグ
ナルに比較される。
【0243】 種々のレベルの酵母RNA、プローブ6(配列番号21)またはプローブ8(
配列番号22)、および標的グロブリンmRNA(Gibco BRL、181
03−028)を含有するハイブリダイゼーション溶液を、5μLの40ng/
μLの標的グロブリンmRNAの溶液および1×TE緩衝液(10mM Tri
s、1mM EDTA)中の10μL酵母RNA(Sigma Chemica
l Co.R3629)に、5μLの500ng/μLのプローブ6またはプロ
ーブ8のいずれかの溶液を添加することによって、アセンブリして、0、2、2
0、200、400、および800ngの酵母RNAの総量を含有する溶液を生
成した。溶液を、50℃で15分間加熱し、次いで15分間、室温に冷却させた
【0244】 以下のマスター反応混合物をアセンブリした:
【0245】
【表9】 上述の溶液を混合し、そして18μLのミックスを18個のチューブに置いた
。15分間の冷却後、プローブ6を含有する2μLの種々のハイブリダイゼーシ
ョン溶液をチューブに添加し、そしてチューブを37℃の加熱ブロックに置いた
【0246】 反応マスターミックスとのハイブリダイゼーション混合物の15分間のインキ
ュベーション後、20μLの溶液を、100μLのL/L試薬(Promega
、F202A)に添加し、そして得られる反応の光の出力結果をTurner(
登録商標)TD-20/20ルミノメーターを使用して測定した。
【0247】 プローブ6のデータを回収した後、プローブ8を含有するハイブリダイゼーシ
ョン溶液を使用して、同一のセットの反応を行った。 以下のデータが得られた:
【0248】
【表10】
【0249】
【表11】 これらのデータは、ハイブリダイゼーション反応への非常に大量の酵母RNA
の添加は、特異的な標的RNA種についてのハイブリダイズされたプローブから
のシグナルをそれほど大きくは低下させなかったことを示す。
【0250】
【表12】 実施例4:先天的な副腎過形成(CAH)遺伝子の多重解析 CAH遺伝子を疑問にするための熱安定性酵素の使用は、1つの反応内におい
て6つまでの複数の部位の疑問を許容する。本実施例において使用される方法は
、スクリーニング実験室において行われる日常的な研究の説明であり、有用な結
果が、ほとんど全てのサンプルにおける予期される遺伝子の存在(または変異体
遺伝子の不在)を示し、およびまれにのみ、変異体遺伝子の存在を示す。本実施
例で説明される場合において、定量的な結果が提供され、そこから正確な変異体
の存在が、その後のアッセイにおいて決定され得る。
【0251】 先天的な副腎過形成(CAH)は、10個のエクソンを含むステロイド21‐
水酸化酵素(CYP21)遺伝子における広範囲な変異から生じる常染色体劣性
疾患の群である。
【0252】 CYP21、機能的な遺伝子と、CYP21P、非機能的な偽遺伝子との間に
、高いレベルの核酸相同性(エクソンにおいて98%、イントロンにおいて96
%)がある。疾患に導き得るこの遺伝子における変異の多くのタイプとしては、
完全な遺伝子欠失、大きな遺伝子変換、単一の点変異、および小さな8bp欠失
が挙げられる[Whiteら、Hum.Mutat.、3:373‐378、(
1994)を参照のこと]。
【0253】 大多数のCAH疾患を引き起こす変異は、発現されないCYP21P偽遺伝子
に存在し、そしてCYP21PとCYP21との間の組換えを介して、CYP2
1遺伝子中に生じる。従って、1つの変異欠失のストラテジーは、CYP21遺
伝子を特異的に検出し、そしてCYP21P偽遺伝子を検出しない。集団におけ
る疾患を引き起こす対立遺伝子の頻度は、50個中の約1個である。野生型CA
H PCR産物、変異体合成標的、およびクローン化されたCYP21P偽遺伝
子から増幅された偽遺伝子PCR産物の両方が、このアッセイにおいて標的とし
て利用された。これらを以下に列挙する。
【0254】 PCR増幅において使用されたプライマー対、および得られる産物は以下のよ
うである。
【0255】
【表13】 利用された合成標的および疑問のオリゴを以下に列挙する。
【0256】 PCR反応をアセンブリして、未消化のヒトゲノムDNA(Promega、
G3041)を標的として使用して(反応あたり25ng)、4つの異なるプロ
ーブセットを用いてCAH遺伝子の領域を増幅した。偽遺伝子の増幅のために、
ヒトゲノムDNAを、正方向PCRプローブの上流のCYP21遺伝子を特異的
に切断する制限酵素BclIであらかじめ消化し、従って、CYP21Pの増幅
のみを許容した[Krone、Clinical Chem.44(10):2
075‐2082(1988)]。
【0257】 2680bpのPCR産物を50ngの消化されたDNAから増幅し、そして
続いて製造業者のプロトコルに従って、プラスミドベクターpGEM-T Ea
sy(Promega、A1380)にクローン化した。クローンを選択肢そし
て配列決定して(USB Sequenaseキット、US70770)、これ
が実際に偽遺伝子であることを確認した。pGEM-T Easyベクターにお
けるクローン化されたCYP21P遺伝子を、その後の増幅において使用して、
変異疑問解析のための純粋な偽遺伝子PCR産物を得た(PCR反応あたり10
0pgのプラスミド)。
【0258】 全ての50μLの増幅反応は、以下の試薬を含んだ:ゲノムDNA(上記され
るように)、1×反応緩衝液(M1901)、1.0〜1.5mM塩化マグネシ
ウム(1.5mMのMgCl2を含んだ、偽遺伝子についての10912+10
911のプローブ対以外は、全て1.0mMで;Promega、A3511)
、200μMの各dNTP(C1141)、50ピコモルの各プローブ、および
2.5単位のTaq DNAポリメラーゼ(M1665)。
【0259】 以下のサイクリングプロフィールを全ての増幅に利用した:95℃で5分間;
40サイクルの94℃で30秒間、55℃で1分間、72℃でkbpの産物あた
り1分間;68℃で8分間;4℃での浸漬。産物を1%アガロースゲルにおいて
解析し、そしてDNA分子量標準に比較して、産物の大きさが正しいことを確認
した。次いで、各PCR反応のアリコート(25μL)を50単位のT7 GE
NE 6エキソヌクレアーゼ(USB、E70025Y)で15分間、37℃に
て処理し、続いて、3×1mL 80%イソプロパノール洗浄を伴って、Wiz
ard(商標)PCR Prep DNA Purification Sys
tem(Promega、A7170)を使用して精製した。エキソヌクレアー
ゼ処理されたDNAを、100μLのヌクレアーゼ非含有水中に溶出した。
【0260】 等容量のCAH野生型(WT)918bpおよび1496bpPCR産物を合
わせ(従って、全CAH遺伝子に及ぶ)、そして各変異部位で別々に、または多
重化された群としてのいずれかで疑問にした。
【0261】 各疑問アッセイ(20μLの全容量)は、4μLの精製されたPCR産物また
は5ngの合成標的、および1μgの疑問のオリゴプローブ(またはオリゴなし
のバックグラウンドコントロールについては水)を含んだ。反応を95℃で3分
間インキュベートし、続いてKlenow exo−については37℃で、また
はTneポリメラーゼについては55℃で、10分間、インキュベートした。2
0μLのマスターミックス(2mMピロリン酸ナトリウム、0.2μM ADP
、2×ポリメラーゼ緩衝液(KlenowについてはM195A、またはTne
についてはM1901)を添加し、(Tneについてのみ5mM 塩化マグネシ
ウム、1〜2UのKlenow exo−、および0.2Uの酵母NDPKまた
は1UのTne3重変異体ポリメラーゼ、および0.1UのPfu NDPK)
、そして反応を15分間、37℃(Klenow exo−)または55℃(T
ne)でインキュベートした。次いで、全反応を100μLのL/L試薬(Pr
omega FF202A)に添加し、そして光出力結果を、Turner(登
録商標) TD20/20ルミノメーターにおいて読み取った。
【0262】 識別比は、組み合わせたPCR産物についての別々の反応、および多重化され
た反応の両方において良好であった。CAH野生型PCR産物および6つの野生
型の疑問のオリゴプローブまたは6つの変異体の疑問のオリゴプローブのいずれ
かを使用する多重化された反応を、等モル量の合成標的(各変異部位についての
変異体合成標的;0.2ピコモルのPCR産物または合成標的のいずれか)とあ
わせて、ヘテロ接合体サンプルを模擬実験した。
【0263】
【表14】 大きなサイズのCAH遺伝子および存在し得る多数の異なる変異体のために、
熱安定性の酵素の使用、および従って検出手順の増加されたストリンジェンシー
は、この複雑な標的で非常に有利であることが見出された。37℃でKleno
w exo−および酵母NDPKを使用して不十分に問題にされた変異部位は、
上昇された温度でTne3重変異体ポリメラーゼおよびPfu NDPKを使用
する場合、より首尾よく問題にされた。さらに、熱安定性の酵素の使用は、存在
し得る変異についての迅速なスクリーニングを得るために、同じ疑問アッセイに
おける多数の野生型または変異体の疑問のオリゴの多重化を許容した。
【0264】 利用されたPCRプライマー: 10909 5' CCAGAGCAGGGAGTAGTCTC 3' 配列番号66 CAH逆方向プライマー;5'大部分3連鎖ホスホロチオエート(CYP21の
み) 10912 5' GCATATAGAGCATGGCTGTG 3' 配列番号67 CAH正方向プライマー 10910 5' CCTGTCCTTGGGAGACTAC 3' 配列番号68 CAH正方向プライマー(CYP21のみ) 10911 5' CCCAGTTCGTGGTCTAGC 3' 配列番号69 CAH逆方向プライマー;5'大部分3連鎖ホスホロチオエート 11286 5' TCCTCACTCATCCCCAAC 3' 配列番号70 CAH逆プライマー;5'大部分3連鎖ホスホロチオエート 11461 5'GAAATACGGACGTCCCAAGGC 配列番号71 CAH正方向プライマー 11480 5'CTTTCCAGAGCAGGGAGTAG 配列番号72 CAH逆方向プライマー;5'大部分3連鎖ホスホロチオエート(CYP21の
み) 11535 5'CCGGACCTGTCCTTGGGAGA 配列番号73 CAH正方向プライマー(CYP21のみ) 利用した合成標的: 11293 5' AGAAGCCCGGGGCAAGAGGCAGGAGGTGGAGGCTCCGGAG 3' 配列番号74 疑問因子オリゴ1(偽遺伝子/変異体‐エクソン1)についてのCAH合成標
的1、変異部位1 11294 5' AGCTTGTCTGCAGGAGGAGCTGGGGGCTGGAGGGTGGGAA 3' 配列番号75 疑問因子オリゴ2(偽遺伝子/変異体‐イントロン2)についてのCAH合成
標的2、変異部位2 11295 5' TCCGAAGGTGAGGTAACAGTTGATGCTGCAGGTGAGGAGA 3' 配列番号76 疑問因子オリゴ3(偽遺伝子/変異体‐エクソン4)についてのCAH合成標
的3、変異部位3 11296 5' TCCACTGCAGCCATGTGCAAGTGCCCTTCCAGGAGCTGTC 3' 配列番号77 疑問因子オリゴ4(偽遺伝子/変異体‐エクソン7)についてのCAH合成標
的4、変異部位4 11297 5' TCGTGGTCTAGCTCCTCCTACAGTCGCTGCTGAATCTGGG 3' 配列番号78 疑問因子オリゴ5(偽遺伝子/変異体‐エクソン8)についてのCAH合成標
的5、変異部位5 11298 5' GCTAAGGGCACAACGGGCCACAGGCGCAGCACCTCGGCGA 3' 配列番号79 疑問因子オリゴ12(偽遺伝子/変異体‐エクソン8)についてのCAH合成
標的6、変異部位6 11484 5'CAGCTTGTCTGCAGGAGGAGTTGGGGGCTGGAGGGTGGGA 3' 配列番号80 疑問因子オリゴ7(野生型‐イントロン2)についてのCAH合成標的7、変
異部位2 11485 5'GGCTAAGGGCACAACGGGCCGCAGGCGCAGCACCTCGGCG 3' 配列番号81 疑問因子オリゴ11(野生型‐エクソン8)についてのCAH合成標的8、変
異部位6 利用した疑問のオリゴプローブ: 11143 5' CGGAGCCTCCACCTCCCG 配列番号23 変異部位1についてのCAH疑問因子オリゴ6(野生型) 11085 5' CACCCTCCAGCCCCCAGC 3' 配列番号24 変異部位2についてのCAH疑問因子オリゴ2(偽遺伝子/変異体) 11084 5' CGGAGCCTCCACCTCCTG 3' 配列番号25 変異部位1についてのCAH疑問因子オリゴ1(偽遺伝子/変異体) 11086 5' CCTCACCTGCAGCATCAAC 3' 配列番号26 変異部位3についてのCAH疑問因子オリゴ3(偽遺伝子/変異体) 11144 5' CACCCTCCAGCCCCCAAC 3' 配列番号27 変異部位2についてのCAH疑問因子オリゴ7(野生型) 11145 5' CCTCACCTGCAGCATCATC 3' 配列番号28 変異部位3についてのCAH疑問因子オリゴ8(野生型) 11087 5' CCTGGAAGGGCACTT 3' 配列番号29 変異部位4についてのCAH疑問因子オリゴ4(偽遺伝子/変異体) 11146 5' CCTGGAAGGGCACGT 3' 配列番号30 変異部位4についてのCAH疑問因子オリゴ9(野生型) 11088 5' GATTCAGCAGCGACTGTA 3' 配列番号31 変異部位5についてのCAH疑問因子オリゴ5(偽遺伝子/変異体) 11147 5' GATTCAGCAGCGACTGCA 3' 配列番号32 変異部位5についてのCAH疑問因子オリゴ10(野生型) 11287 5' CGAGGTGCTGCGCCTGCG 3' 配列番号33 変異部位6についてのCAH疑問のオリゴ11(野生型) 11288 5'CGAGGTGCTGCGCCTGTG 3' 配列番号34 変異部位6についてのCAH疑問のオリゴ12(偽遺伝子/変異体) 11641 5'GGGATCACATCGTGGAGATG 3' 配列番号35 変異部位7についてのCAH疑問のオリゴ23(野生型) 11642 5'GGGATCACAACGAGGAGAAG 3' 配列番号36 変異部位7についてのCAH疑問のオリゴ24(偽遺伝子/変異体) 実施例5:疑問のアッセイ後であるが、リン酸転移および光生成前のdNTP のHPLC分離 大容量の加ピロリン酸分解アッセイを、マッチされるおよびミスマッチされる
プローブ/標的ハイブリッドに対して行った。放出されたヌクレオチドを、高速
液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分離し、そしてそれらの画分を回
収した。NDPK末端リン酸転移反応を、これらの濃縮されたフラクションに対
して行い、そしてルシフェラーアッセイゼを行って、元来のマッチされるおよび
ミスマッチされるハイブリッドの処理されたサンプル間の区別を説明した。
【0265】 標的/プローブハイブリッドを、315ngの合成野生型CMV標的オリゴヌ
クレオチドと、マッチされるハイブリッドについては10.5μgの野生型CM
Vプローブ、またはミスマッチされるハイブリッドについては10.5μgの変
異体CMVプローブのいずれかとを合わせ、そして水を200μLの最終容量に
添加することによって形成した。オリゴヌクレオチドは、CV12(配列番号3
7)、CV15(配列番号38)、およびCV16(配列番号39)であった。
CV12(配列番号37)は、薬物ガンシクロビルに対して感受性の形態におけ
るサイトメガロウイルス(CMV)のゲノムの1本鎖DNAセグメントである。
CV15(配列番号38)は、非抵抗性CMVに、全体的な相補性を伴って、ハ
イブリダイズされるプローブである。CV16(配列番号39)は、CV15(
配列番号38)に同一であるが、ウイルスに対する薬物抵抗性を付与するSNP
の部位でCV15から1塩基の変化を含む。これらの溶液を、95℃で少なくと
も5分間加熱し、次いで室温で少なくとも10分間冷却した。
【0266】 以下のマスターミックスを調製した。 337.5μL ナノピュア水(Promega、AA399) 90.0μL 10×DNAポリメラーゼ緩衝液(Promega、M195
A) 11.25μL 40mM NaPPi(Promega、C113) マスターミックス(210μL)を、上述のハイブリッド溶液のそれぞれに添
加し、そして5.8単位のKlenow exo−(Progema、M218
A)をそれぞれに添加した。次いで、溶液を37℃で15分間インキュベートし
、そして氷上で保存した。dNTPのHPLC分離を行った。
【0267】 dATP、dCTP、dGTP、およびTTPのHPLC分離を、Pheno
menexからの100×4.6mm、3μ Luna C18カラムに対して
行った[PerroneおよびBrown、J.Chromatography
、317:301‐310(1984)]。カラムを12分間にわたって、97
%の緩衝液A(100mMの酢酸トリエチルアンモニウムpH7)〜92%の緩
衝液Aの線形勾配で溶出した。緩衝液Bの組成は、80:20のアセトニトリル
:35mM 酢酸トリエチルアンモニウムである。検出を250、260、およ
び280nmでの吸光度によってモニターした。これらの条件下、dCTPが4
分と4.5分との間で溶出され、TTPおよびdGTPは、7分と7.5分との
間の2つのピークとして溶出され、ならびにdATPは9分から9.5分に溶出
されることが見出された。
【0268】 遊離dNTPを含有する画分を回収し、そして凍結乾燥した。画分1はdCT
P含み、画分2はdGTPおよびTTPを含み、ならびに画分3はdATPを含
んだ。
【0269】 各画分を100μLのナノピュア水中で再構成した。10μLの各画分、また
はコントロールとして10μLの水を、水、10×DNAポリメラーゼ緩衝液、
ADPの10μL混合物に、最終濃度が1×DNAポリメラーゼ緩衝液および0
.1μM ADPになるように、添加した。NDPK(0.005単位)をチュ
ーブの一方のセットにおいて各チューブに添加し、そして等量の水を他方のセッ
トのチューブにおいて各チューブに添加した。サンプルおよびコントロールを3
7℃で15分間インキュベートし、10μLを100μLのL/L試薬に添加し
、そして光出力結果をTurner(登録商標) TD10/20ルミノメータ
ー上で測定した。得られた相対的な光単位(rlu)の結果を以下に示す:
【0270】
【表15】 上述のデータから見られるように、画分1はマッチ:ミスマッチの比率が2.
1であり、画分2はマッチ:ミスマッチの比率が2.2、および画分3はマッチ
:ミスマッチの比率が2.8である。それゆえ、データは、個々のヌクレオチド
のHPLC分離、続くルシフェラーゼの好ましい基質のATPへのNDPKの変
換を使用する有用性を実証する。画分3は、ヌクレオチドHPLC画分における
dATPの存在に起因して、わずかにより高いマッチ:ミスマッチの比率を提供
する。それにもかかわらず、アイデンティファイアーヌクレオチドのHPLC分
離は、本発明の疑問のアッセイにおいて有用である。 CV12 5'CCAACAGACGCTCCACGTTCTTTCTGACGTATTCGTGCAGCATGGTCTGCGAGCATTCGTGGTAGAAGCG
AGCT 3' 配列番号37 CV15 5' CTACCACGAATGCTCGCAGAC 3' 配列番号38 CV16 5' CTACCACGAATGCTCGCAGAT 3' 配列番号39 実施例6:同じサンプルにおける第V因子Leidenと、およびプロトロン ビンSNPと関連するヌクレオチド配列の多重決定 ヒトDNAサンプルが第V因子遺伝子のLeiden変異、および特定のプロ
トロンビンの単一のヌクレオチド多型(SNP)を含むか否かを決定するために
本実施例においてアッセイを行った。これらの2つの特徴についてのアッセイを
、同じ反応において同時に行った。
【0271】 プローブPT5(配列番号40)およびPT6(配列番号41)を、プロトロ
ンビン遺伝子をコードする約500塩基対にわたるヒトゲノムDNAの領域をP
CR増幅するために使用した。プローブ10861(配列番号42)および98
28(配列番号43)を、第V因子遺伝子をコードする約300塩基対にわたる
ヒトゲノムDNAの領域をPCR増幅するために使用した。プローブPT5およ
び10861は、5'末端での初めの5塩基の間にホスホロチオエート結合を有
する。第V因子およびプロトロンビンフラグメントを、以下の条件下で1つのP
CR反応において同時増幅した: 5μL 10×PCR緩衝液 5μL 25mM MgCl2 1μL 10mM dNTP 1μL プローブPT5(50pmol) 1μL プローブPT6(50pmol) 1μL プローブ10861(50pmol) 1μL プローブ9828(50pmol) 1μL ヒトゲノムDNA(40ng) 36μL 水 1.25U Taq。
【0272】 PCRサイクリングパラメーターは以下のようであった:94℃、2分間;(
94℃、30秒間;60℃、1分間;70℃、1分間)×40;70℃、5分間
。15単位のT7遺伝子 6 Exonuclease(USB Amersh
am)を25μLのPCR反応に添加し、そして溶液を30分間37℃でインキ
ュベートした。磁性シリカ(Promega、A1330)を使用して、遊離ヌ
クレオチドを溶液から除去し、そして残存するDNAを100μLの水で溶出し
た。
【0273】 使用したプロトロンビンの疑問のプローブは、変異体プロトロンビン配列をマ
ッチする11265(配列番号44)、および野生型プロトロンビン配列をマッ
チする11266(配列番号45)である。これらのプローブのそれぞれは、3
'末端から8塩基の不安定化する変異を有する。使用した第V因子の疑問のプロ
ーブは、野生型第V因子配列をマッチする9919(配列番号46)、および第
V因子Leiden異変配列をマッチする11432(配列番号47)である。
【0274】 4μLの溶出したDNAを、各疑問のプローブで独立して、ならびにまた、第
V因子およびプロトロンビン変異体プローブと1つの反応において組み合わせて
、疑問にした。疑問の反応は、以下のようにアセンブリした。
【0275】 4μL DNA(PCR産物、Exo6処理され、そして精製された) 150pmol 各疑問のオリゴ 水 20μLの最終容量に添加した 反応を、95℃で3分間、次いで37℃で10分間インキュベートした。次い
で、20μLの標準マスターミックスを添加し、そして反応を、37℃で15分
間インキュベートした。次いで、100μLのL/L試薬を添加し、そして光出
力結果をTurner(登録商標) TD20/20ルミノメーターにおいて測
定した。マスターミックスは以下を含んだ。
【0276】 71μL 水 20μL 10×DNAプール緩衝液 5μL 40mM NaPPi 2μL 10μM ADP 1μL 1単位/μL NDPK 1 10単位/μL Klenow exo−。
【0277】 光出力結果は以下のようであった:
【0278】
【表16】 これらのデータは、個体からの両方のゲノムDNAが、第V因子について野生
型およびプロトロンビンについて野生型であることを示す。
【0279】 さらなる96個の臨床学的なゲノムDNAサンプルを、上記のように疑問にし
た。全てのデータが、遺伝子型を表すための以下の等式に適合する。
【0280】 両方の野生型のプローブのrlu >0.75 両方の野生型のrlu+両方の変異体のプローブのrlu この等式は両方の野生型プローブからの解析的な出力結果および両方の変異体
プローブからの解析的な出力結果を加算したものによって割った両方の野生型プ
ローブを含む疑問からの解析的な出力結果である。この値が0.75よりも大き
い場合、サンプルは両方の遺伝子座でホモ接合体の野生型である。この値が0.
75よりも小さい場合、少なくとも1つの遺伝子座で少なくとも1つの対立遺伝
子が変異体である良好な傾向があり、そしてサンプルは、各遺伝子座について別
々に遺伝子型についてさらに解析されるべきである。 PT5 5' ATAGCACTGGGAGCATTGAGGC 3' 配列番号40 PT6 5' GCACAGACGGCTGTTCTCTT 3' 配列番号41 10861 5' TGCCCAGTGCTTAACAAGACCA 3' 配列番号42 9828 5' TGTTATCACACTGGTGCTAA 3' 配列番号43 11265 5' GTGATTCTCAGCA 3' 配列番号44 11266 5' GTGATTCTCAGCG 3' 配列番号45 9919 5' GACAAAATACCTGTATTCCTCG 3' 配列番号46 11432 5' GACAAAATACCTGTATTCCTTG 3' 配列番号47 実施例7:第V因子Leidenおよびプロトロンビン変異についての多重の 疑問:質量分析解析 本実施例は、本発明のプロセスによる多重反応においてハイブリダイズされる
プローブの3'‐末端から放出されるヌクレオチドが、質量分析によって検出さ
れ得、それによって変異体対立遺伝子が研究される遺伝子座の1つで存在するか
否かを決定し得ることを実証する。
【0281】 プロトロンビン遺伝子をコードする約500塩基対にわたるヒトゲノムDNA
の領域をPCR増幅するために、プローブPT5(配列番号40)およびPT6
(配列番号41)を使用する。第V因子遺伝子をコードする約300塩基対にわ
たるヒトゲノムDNAの領域をPCR増幅するために、プローブ10861(配
列番号42)および9828(配列番号43)を使用する。これらのプローブお
よびPCR反応条件は、実施例6において詳述される。プローブPT5および1
0861は、5'末端での初めの5塩基の間にホスホロチオエート結合を有する
。PCR産物をT7遺伝子6 Exonuclease(USB Amersh
am)で処理し、そして実施例6において記載されるように遊離ヌクレオチドか
ら分離する。
【0282】 プロトロンビンの疑問のプローブ、11265(配列番号44)は、変異体プ
ロトロンビン配列のセグメントに全体的に相補的である。第V因子の疑問のプロ
ーブ、11432(配列番号47)は、変異体第V因子Leiden変異配列の
セグメントに全体的に相補的である。これらのプローブのそれぞれは、3'‐末
端から8塩基の不安定化変異を有する。
【0283】 PCR産物を、実施例6において記載されるように、合成し、Exo6処理し
、そして精製する。疑問の反応を40μLの各PCR産物および1.5nmol
の各疑問のプローブでアセンブリする。水を100μLの最終容量に添加する。
これらの反応を2連でアセンブリし、それによって一方は37℃にてKleno
w exo−ポリメラーゼおよび酵母NDPKでアッセイされ得るのに対して、
他方は70℃にてTne3重変異体ポリメラーゼおよびPfu NDPKでアッ
セイされる。
【0284】 これらのアセンブリされる反応を、95℃で3分間、次いで37℃で10分間
インキュベートする。アセンブリされる反応は、容量を減少するために凍結乾燥
され得る。2つの異なるマスターミックスをアセンブリする。両方のマスターミ
ックスは、2mMピロリン酸ナトリウムおよび0.2μM ADPを有する。一
方は、1〜2UのKlenow exo−および0.2Uの酵母NDPK、およ
び2×ポリメラーゼ緩衝液(M195A)を有し;他方は、1UのTne3重変
異体ポリメラーゼおよび0.1U Pfu NDPK、2×ポリメラーゼ緩衝液
(M1901)、および5mM塩化マグネシウムを有する。等容量の各マスター
ミックスを、上記の反応溶液に別々に添加する。次いで、ポリメラーゼとしてK
lenow exo−を含有する溶液を37℃で15分間インキュベートするの
に対して、Tne3重変異体ポリメラーゼを含有する溶液は、55℃〜70℃の
間でインキュベートする。
【0285】 放出されたヌクレオチドの存在、または不在、ATPへの変換を、シリコン脱
着イオン化質量分析(Wei、J.ら、Nature.399:243‐246
、1999)によって解析する。この方法は、解析物のフェントモルおよびアト
モルのレベルに感受性である。サンプルをこの論文において記載されるように調
製する。本質的に、解析物を、典型的に0.001〜10.0μMにわたる濃度
で脱イオン水/メタノール混合液(1:1)中に溶解する。溶液のアリコート(
少なくとも0.5〜1.0μL、少なくとも0.5フェントモル〜100ピコモ
ル解析物に対応する)を多孔性の表面に析出させ、そして質量分析解析の前に乾
燥させる。これらの実験を、337nmで操作されるパルス化窒素レーザー(L
aser Science)を使用してVoyager DE-STR、tim
e−of−flight質量分析器(PerSeptive Biosyste
ms)において行う。一旦形成されると、イオンは、20kVの電圧を伴ってt
ime−of−flight質量分析器に加速される。他の液体クロマトグラフ
ィー‐質量分析(LC-MS)装置がまた、解析のために使用され得る(Nie
ssen W.J.Chromatogra A 794:(407‐435、
1998)。
【0286】 バックグラウンドよりも高いレベルで2つの変異体プローブを含有する反応の
いずれかから放出されたヌクレオチドの観察は、アッセイされたゲノムDNAサ
ンプルにおける少なくとも1つの変異体プロトロンビンまたは第V因子Leid
en対立遺伝子の存在を示す。 10861 5' TGCCCAGTGCTTAACAAGACCA 3' 配列番号42 9828 5' TGTTATCACACTGGTGCTAA 3' 配列番号43 PT5 5' ATAGCACTGGGAGCATTGAGGC 3' 配列番号40 PT6 5' GCACAGACGGCTGTTCTCTT 3' 配列番号41 11265 5' GTGATTCTCAGCA 3' 配列番号44 11432 5' GACAAAATACCTGTATTCCTTG 3' 配列番号47 実施例8:蛍光標識を使用する多重調査 本実施例は、本発明のプロセスによって、それぞれ目的の標的核酸にハイブリ
ダイズされる、多重プローブの3'−末端から放出されるヌクレオチドが、質量
分析によって、または蛍光定量的なHPLCによって検出され得、それによって
核酸サンプルにおける標的核酸の、または標的の疑問の部位での特異的な塩基の
、存在もしくは不在の証拠を提供し得ることを実証する。
【0287】 各疑問のプローブを、標識が脱重合化酵素がプローブからヌクレオチドを除去
する能力を妨げないような様式において、3'‐末端ヌクレオチドに付着される
、異なる蛍光標識を有するように設計する。フルオレセインまたはローダミンの
ようなこのような蛍光タグは、少なくとも6つの炭素のリンカー(Glen R
esearch)を用いてホスホラミダイトヌクレオチドに付着される蛍光分子
とともに、合成の間にプローブに取り込まれ得る。
【0288】 プロトロンビン遺伝子をコードする約500塩基対にわたるヒトゲノムDNA
の領域をPCR増幅するために、プローブPT5(配列番号40)およびPT6
(配列番号41)を使用する。第V因子遺伝子をコードする約300塩基対にわ
たるヒトゲノムDNAの領域をPCR増幅するために、プローブ10861(配
列番号42)および9828(配列番号43)を使用する。これらのプローブ及
びPCR反応条件は実施例6に詳細にのべられているPCR産物をT7遺伝子6
Exonuclease(USB Amersham)で処理し、そして実施
例6において記載されるように遊離ヌクレオチドから分離した。
【0289】 プロトロンビンの疑問のプローブは、変異体プロトロンビン配列のセグメント
に全体的に相補的である11265(配列番号44)、および野生型プロトロン
ビン倍列のセグメントに全体的に相補的である11266(配列番号45)は、
である。これらのプローブのそれぞれは、3'末端から8塩基の不安定化する変
異を有する。また、これらのプローブのぞれぞれは、3'末端のヌクレオチドの
位置で蛍光ヌクレオチドアナログを用いて合成される。プロトロンビンプローブ
は、フルオレセインでタグされ;第V因子プローブは、ローダミンでタグされる
【0290】 精製されたPCR産物を、両方の野生型プローブまたは両方の変異体プローブ
のいずれかを用いて、別々の反応において疑問にする。疑問の反応を以下のよう
にアセンブリする: 40μL 2つのそれぞれのPCR産物 1.5nmol 野生型のそれぞれの、または変異体のそれぞれの、標識され
た疑問のオリゴ 水を、100μLの最終容量に添加する。
【0291】 反応を、95℃で3分間、次いで37℃で15分間インキュベートする。次い
で反応を20μLの最終容量に凍結乾燥する。 次いで、20μLのマスターミックスを添加する。Klenow exo−を
含有するマスターミックスの組成は、ADPおよびNDPKがないこと以外は実
施例4において記載される。次いで、反応を37℃で15分間進行する。
【0292】 次いで、溶液を半分に分け、そして2つの異なる方法を使用して解析する。一
方の方法において、溶液における放出されたヌクレオチドの存在または不在をシ
リコン脱着イオン化質量分光法(Wei、J.ら、Nature.399:24
3‐246、1999)によって解析する。この方法は、解析物のフェントモル
およびアトモルのレベルに感受性である。サンプルをこの論文において記載され
るように分光測定のために調製する。本質的に、解析物は、典型的に0.001
〜10.0μMにわたる濃度で脱イオン水/メタノール混合物(1:1)中に溶
解される。溶液のアリコート(少なくとも0.5〜1.0μL、少なくとも0.
5フェントモル〜100ピコモル解析物に対応する)を多孔性の表面に析出させ
、そして質量分析解析の前に乾燥させる。
【0293】 これらの研究を、337nmで操作されるパルスされた窒素レーザー(Las
er Science)を使用してVoyager DE-STR、time−
of−flight質量分析器(PerSeptive Biosystems
)において行う。一旦形成されると、イオンは、20kVの電圧を伴ってtim
e−of−flight質量解析器に加速される。他の液体クロマトグラフィー
‐質量分析(LC-MS)装置がまた、解析のために使用され得る(Niess
en W.J.Chromatogra A 794:(407‐435、19
98)。
【0294】 第2の方法において、溶液における放出されたヌクレオチドの存在または不在
が、Jainら、Biochem Biophys Res Commun 2
00:1239‐1244、1994またはLevitt、B.ら、Anal
Biochem 137:93‐100、1984において記載されるように蛍
光検出器を使用するHPLCによって解析される。
【0295】 バックグラウンド(酵素を含まないコントロール反応)よりも高いレベルで、
変異体プローブを含有する反応から放出されるヌクレオチドの観察は、アッセイ
されたゲノムDNAサンプルにおける少なくとも1つの変異体プロトロンビンま
たは第V因子Leiden対立遺伝子の存在の指標である。バックグラウンドよ
りも高いレベルで、野生型プローブを含有する反応から放出されたヌクレオチド
の観察は、アッセイされたゲノムDNAサンプルにおける少なくとも1つの野生
型プロトロンビンまたは第V因子対立遺伝子の存在の指標である。 PT5 5' ATAGCACTGGGAGCATTGAGGC 3' 配列番号40 PT6 5' GCACAGACGGCTGTTCTCTT 3' 配列番号41 10861 5' TGCCCAGTGCTTAACAAGACCA 3' 配列番号42 9828 5' TGTTATCACACTGGTGCTAA 3' 配列番号43 実施例9:種々の動物に特異的なミトコンドリアDNAの特定‐検出 本実施例において、チトクロームB遺伝子のセグメントを含有するミトコンド
リアDNAのセグメントを、PCRプライマー11590(配列番号48)およ
び11589(配列番号49)(PNAS 86:6196‐6200)を使用
して、多様な動物種から増幅した。これらのPCRプライマーを、10mM T
ris、pH7.5に、0.22μg/μLの最終濃度に希釈した。使用したゲ
ノムDNAは、ウシ(Clontech、6850‐1)、トリ(Clonte
ch、6852‐1)、イヌ(Clontech、6950‐1)、およびヒト
(Promega、G1521)であった。
【0296】 PCR反応を、15mM MgCl2を含有する5μLの10×緩衝液(Pr
omega、M188J)、1μLのdNTP 10mM(Promega、C
144G)、2μLのプライマー11590、2μLのプライマー11589、
0.5μLのTaqポリメラーゼ 5U/μL(Promega、M186E)
、および38.5μLの水を含むようにアセンブリした。次いで、各チューブに
1μL(100ng)のゲノムDNAを添加した。PCRのサイクリングパラメ
ーターは(15秒間、94℃;15秒間、55℃;30秒間、72℃)×30で
あった。PCR産物の大きさを、アガロースゲルにおいてアリコートを泳動し、
そして臭化エチジウム(EtBr)染色で可視化することによって確認した。次
いで、PCR産物を遊離ヌクレオチド(Promega、A7170)から分離
し、そしてアリコートを、アガロースゲル上で泳動した。全てのサンプルは、同
じ大きさのPCR産物を生成した。
【0297】 次いで、各PCR DNAを、これが種特異的プローブを用いて特異的に同定
され得るか否かを決定するためのアッセイにおいて使用した。1μLの疑問のプ
ローブ(1μg/μL)および17μLの水を2μLの適切なPCR産物と共に
あわせ、そして91℃で3分間加熱し、次いで室温に15分間冷却した。20μ
Lのマスターミックス(下記される)を各チューブに添加し、そしてそれぞれを
さらに、37℃で15分間インキュベートした。次いで、4μLの溶液を100
μL L/L試薬(Promega、F120B)に添加し、そして相対的な光
出力結果(rlu)を、Turner(登録商標)TD20/20ルミノメータ
ーにおいて測定した。2つの反応からのrluの平均値を、DNAバックグラウ
ンド値から減算し、標準偏差値とともに以下に列挙される。
【0298】 マスターミックス: 312μL 10×DNA pol緩衝液(Promega M195A) 39μL NaPPi 40mM(Promega、E350B) 39μL Klenow exo−(Promega、M128B) 15.6μL NDPK 1U/μL 31.2μL ADP 10μM(Sigma) 1123μL 水(Promega、AA399)
【0299】
【表17】 データは、プライマーがミトコンドリアPCR産物を検出することを実証する
。ヒト特異的プローブ11576(配列番号50)および11583(配列番号
51)の両方が、ヒトミトコンドリアDNAに特異的であることが示された。共
通のプローブの、11582(配列番号52)は、全ての種を検出したが、トリ
DNAではあまり効果的でなかった。トリ特異的プローブの11577(配列番
号53)は、トリミトコンドリアDNAに特異的であったが、他のトリ特異的プ
ローブの11584(配列番号54)は、イヌ以外の全ての種を検出した。ウシ
特異的プローブの11588(配列番号55)は、ウシDNAについて最も良好
な検出シグナルを与えたが、他の種もまた検出した。イヌ特異的プローブの11
586(配列番号56)は、イヌおよびウシDNAのみでアッセイしたが、ウシ
DNAよりもイヌDNAを良好に検出した。より清浄なPCR産物は、バックグ
ラウンドがより少ないDNAを提供する。 11590 zooamp2 5' AAACTGCAGCCCCTCAGAATGATATTTGTCCTCA 3' 配列番号48 11589 zooamp1 5' AAAAAGCTTCCATCCAACATCTCAGCATGATGAAA 3' 配列番号49 11576 huzoo1 5' CCAGACGCCTCA 3' 配列番号50 11583 huzoo2 5' ACCTTCACGCCA 3' 配列番号51 11582 comzoo 5' TGCCGAGACGT 3' 配列番号52 11577 chzoo1 5' GCAGACACATCC 3' 配列番号53 11584 chzoo2 5' GGAATCTCCACG 3' 配列番号54 11588 cozoo2 5' ACATACACGCAA 3' 配列番号55 11586 dozoo2 5' ATATGCACGCAA 3' 配列番号56 実施例10:自己アニーリングする疑問のプローブ 本実施例は、本発明の疑問の技術においてヘアピン構造を形成するために用い
られる、異なるタイプのオリゴヌクレオチドプローブの使用を説明する。本研究
は、疑問の反応に疑問の部位に特異的なプローブを添加する必要性を排除するた
めの方法を実証する。
【0300】 本実施例で、オリゴヌクレオチドプローブは標的鎖における疑問の位置の下流
(これに対して3')の標的鎖にアニールする。オリゴヌクレオチドは、その5'
末端にアニールしない領域のヌクレオチド、続いて標的鎖における疑問の領域に
同一である約5〜約20ヌクレオチドを有する。アニールされた3'末端のオリ
ゴヌクレオチドは、次いで、標的鎖の疑問の位置を介して伸長されて、伸長され
たプローブといわれるものを作製する。ハイブリッドは変性され、そしてヘアピ
ン構造が、伸長されたプローブ鎖とオリゴヌクレオチドプローブの5'末端との
間で形成される。次いで、この領域はミスマッチが存在するか否かを決定するた
めに、標準的な疑問の反応においてアッセイされる。
【0301】
【化1】 4つのプローブを、伸長されたプローブ鎖を推定し得るヘアピン構造の異なる
タイプを示すように設計した、これらのプローブは、10207(配列番号57
)、10208(配列番号58)、10209(配列番号59)、および102
12(配列番号60)である。
【0302】 これらのプローブは、自己アニールさせられる場合、以下の自己ハイブリダイ
ズされる二次構造を形成することが予測される: 4つのプローブのそれぞれの5μL(5μg)アリコートを、ナノピュア水で
100μLに希釈した。次いで、これらを1:10〜1:100,000の最終
的な希釈率に希釈した。20μLの希釈されたプローブを、別々のチューブにお
いて、95℃で3分間加熱し、そして室温で10分間冷却して、自己アニーリン
グを許容した。以下のマスターミックスをアセンブリし、そして混合した。
【0303】
【表18】 次いで、20μLの上述のマスターミックスを、各チューブに添加し、そして
チューブを37℃で15分間インキュベートした。10μLの溶液を100μL
のL/L試薬(Promega、F202A)に添加して、そして相対的な光単
位をTurner(登録商標)TD20/20ルミノメーターで即座に測定した
。プローブなしのコントロールは、57.24の相対的な光単位を生じ、そして
残りのプローブの結果は、以下に相対的な光単位(rlu)として報告される。
【0304】
【表19】 プローブ10207は、予測されるように疑問について効果的な標的として作
用し、プローブ10208は、予期されたネガティブな結果を提供した。プロー
ブ10212は、3塩基のマッチのみを有し、そのため伸長されないかもしれず
、従って低い値が得られる。プローブ10209は、ヘアピンが3'末端から3
番目のヌクレオチドでのミスマッチに起因して形成される場合、アニールされな
い3'末端ヌクレオチドを有するようである。このようなアニールされない3'末
端ヌクレオチドは、低いrlu値を説明する。 10207 5' ATGAACGTACGTCGGATGAGCACGTTCAT 3' 配列番号57 10208 5' GTGAACGTACGTCGGATGAGCACGTTCAT 3' 配列番号58 10209 5' ATAAACGTACGTCGGATGAGCACGTTCAT 3' 配列番号59 10212 5' ATAAACGTACGTCGGATGAGCACG 3' 配列番号60 実施例11:自己アニーリングプライマーIIを用いる疑問 本実施例および図2は、本発明のプロセスにおける異なるタイプのオリゴヌク
レオチドプローブ、「REAPER(商標)」プローブの使用を説明する。本実
施例は、疑問の反応に疑問の部位に特異的なプローブを添加する必要性を排除す
るための方法を実証する。
【0305】 本実施例で、オリゴヌクレオチドの第1のプローブ(配列番号62)は、その
3'−末端で、標的鎖における問題の位置の下流(これに対して3')の位置にて
、標的鎖(配列番号61)にアニールする(図2A)。プローブは、疑問の位置
を含む標的鎖における領域に同一であるその約5〜約20ヌクレオチドを含む、
5'−末端でアニールされないヌクレオチドの領域を有する。同一性のこの領域
は、標的鎖およびプローブ鎖の両方において、同じ方向に存在する。
【0306】 次いで、プローブのアニールされた3'‐末端は、標的鎖の疑問の位置を介し
て伸長され、図2Bにおいて説明されるような(配列番号63)、第1の伸長さ
れたプローブおよび伸長された第1のハイブリッドといわれるものを形成する。
伸長されたフ第1のハイブリッドは変性され、そして第2のプローブ(配列番号
64)が第1の伸長されたプローブにハイブリダイズして、第2のハイブリッド
を形成する。この第2のプローブは第1の位置の伸長されたプローブ鎖において
疑問の位置の下流の領域で第1の伸長されたプローブ鎖に相補的である(図2C
)。
【0307】 次いで、第2のプローブは伸長され、そして第2の伸長されたハイブリッドが
、図2Dにおいて説明されるように形成される。第2の伸長されたハイブリッド
は、第1の伸長されたプローブおよび第2の伸長されたプローブ(配列番号65
)から構成される。
【0308】 第2の伸長されたハイブリッドの鎖は変性され、そしてヘアピン構造を形成す
るように再生することを許容される。ヘアピン形成の際に、第1の伸長されたプ
ローブは、3'オーバーハングを有するヘアピン構造を形成し、一方、第2の伸
長されたプローブは、脱重合化についての基質を提供する5'オーバーハングを
含むヘアピン構造を形成する。次いで、第2の伸長されたプローブ鎖は脱重合化
され、そして解析的な出力結果が本明細書中の他の場所において記載されるよう
に得られる。解析的な出力結果は、本明細書中他の場所でまた考察されるように
、元来の標的鎖の、または元来の標的鎖における特定の塩基の、存在または不在
を決定する。
【0309】 配列番号61オリゴヌクレオチドを、水中で1mg/mLに希釈する。この溶
液を、286とラベルする。配列番号62オリゴヌクレオチドを、水中で1mg
/mLに希釈し、そしてこの溶液を287とラベルする。1μLの各溶液286
および287を18μLの水と合わせる。溶液を、95℃に5分間加熱し、次い
で、室温で10分間冷却して、配列番号61および62がアニールすることを許
容する。
【0310】 この溶液に、各dNTPについて0.25mMの最終濃度にdNTP混合物を
、1×の最終濃度に10×Klenow緩衝液を、および5単位のKlenow
酵素を添加する。これらの成分を有するチューブを37℃で30分間インキュベ
ートする。このように形成された伸長された第1ハイブリッドDNA(配列番号
63を含む)を精製し(Qiagen、Mermaid System)、そし
て50μlの水に溶出した。
【0311】 精製された伸長された第1のハイブリッドの溶液に、1μlの配列番号64オ
リゴヌクレオチド(1mg/mL)を第2のプローブとして添加する。次いで、
溶液を95℃に5分間加熱し、そして室温で冷却して、図2Cにおいて説明され
るように、289および288がアニーリングすることを許容して、第2のハイ
ブリッドを形成する。この溶液に、各dNTPについて0.25mMの最終濃度
にdNTP混合物を、1×の最終濃度に10×Klenow緩衝液を、および5
単位のKlenow酵素を添加する。これらの成分を有するチューブを37℃で
30分間インキュベートして、第2の伸長されたプローブ(オリゴヌクレオチド
配列番号65)を含有する第2の伸長されたハイブリッドを形成する。
【0312】 形成された配列番号65/63の第2の伸長されたハイブリッドDNA(図2
D)を精製して(Qiagen、Mermaid System)、未反応のd
NTPから伸長されたハイブリッドを分離し、そして50μlの水に溶出する。
(あるいは、元来の287オリゴをその5'‐末端でビオチン処理し、次いでこ
のビオチンはまた、配列番号63の鎖に存在する。このビオチン処理された鎖2
88を鎖290から変性し、製造業者の指示(Promega、Z5481)に
従ってストレプトアビジンでコートされた磁性粒子を用いて溶液から除去し、そ
して290ヘアピン構造を以下のように形成させる)。
【0313】 次いで、このハイブリッド溶液を95℃に5分間加熱し、水で100μlに希
釈し、そして氷上で10分間冷却して、ヘアピン構造形成を許容する。 マスターミックスを以下の表に従ってアセンブリし、そして混合する。
【0314】
【表20】 20μlのこのマスターミックスを、冷却後、20μLの上述のヘアピンを含
有する溶液に添加し、そして得られる混合物を37℃で15分間加熱する。この
インキュベーション後、溶液の2連の4μLのサンプルを取り出し、100μL
のL/L試薬(Promega、F202A)に添加し、そして反応によって生
成される光を、Turner(登録商標)TD20/20ルミノメーターを使用
して即座に測定する。バックグラウンド(酵素なし)を上回るレベルでのポジテ
ィブな解析的な出力結果は、マッチされた塩基が、ヘアピン構造の3'末端に存
在したことを示し、そしてこれはさらに標的鎖の存在を示し、そしてこの特定の
実施例について、これはまた、標的の疑問の位置でのG塩基の存在を示す。 5'CCCGGAGAGACCTCCTTAAGGGGCCATATTATTTCGTCGATTCCAGTGTTGGCCAAACGGAT 3' 配
列番号61 5' GGGGCCATATTATTTCGCCGTTTGGCCAACACTGGAATCGA 3' 配列番号62 5'GGGGCCATATTATTTCGCCGTTTGGCCAACACTGGAATCGACGAAATAATATGGCCCCTTAAGGAGGTCT
CTCCGGG 3' 配列番号63 5' CCCGGAGAGACCTCCT 3' 配列番号64 5'CCCGGAGAGACCTCCTTAAGGGGCCATATTATTTCGTCGATTCCAGTGTTGGCCAAACGGCGAAATAATA
TGGCCCC 3' 配列番号65 上述から、多数の改変および変化が、本発明の真の精神および範囲から逸脱す
ることなく達成され得ることが観察される。示される特定の実施例に関する制限
は何も意図されず、また解釈されるべきでないことが理解される。開示は、請求
の範囲内にあるので、添付される請求の範囲の修正を含むことが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の開示の一部を形成する図面において、図1は、図1Aおよび図1Bと
してそれぞれ、回転するサイクルの増幅において利用された、10870野生型
オリゴヌクレオチド(配列番号83)および10994変異体オリゴヌクレオチ
ド(配列番号84)への、10865オリゴヌクレオチド(配列番号82)のア
ニーリングを説明する。また、それぞれ増幅された配列へのそれらのプローブの
結合の代表として、オリゴヌクレオチド10865へのオリゴヌクレオチド10
866のアニーリング(ハイブリダイゼーション)、ならびにオリゴヌクレオチ
ド10870へのオリゴヌクレオチドプローブ10869(配列番号85)のハ
イブリダイゼーション、およびオリゴヌクレオチド10994へのオリゴヌクレ
オチドプローブ10989(配列番号86)のハイブリダイゼーションが示され
る。オリゴヌクレオチド10865における弓状の線は、オリゴヌクレオチド1
0865がオリゴヌクレオチド10870または10994のいずれかとハイブ
リダイズし得る場合に推定され得る形状を説明することを補助するために使用さ
れる。
【図2】 図2は、実施例89において説明されるようにReaper(商標)アッセイ
を説明する。図2Aは、第1のプローブ配列番号62(62)への核酸標的配列
番号61(61)のアニーリングによって形成される第1のハイブリッドを説明
する。矢印は、286における疑問の位置を指す。 図2Bは、伸長された62への61のアニーリングにより形成される第1の伸
長されたハイブリッドを説明する。伸長された287は第1の伸長されたプロー
ブ配列番号63(63)である。 図2Cは、配列番号64(64)で示される第2のプローブへの図2Bにおいて
示される変性された核酸分子からの63のアニーリングによって形成される第2
のハイブリッドを説明する。矢印は、63における疑問の位置を指す。 図2Dは、63と、配列番号65(65)で示される伸長された64鎖のアニ
ーリングによって形成される、伸長された第2ハイブリッドを説明する。 図2Eは、図2Dから変性され、ヘアピン構造を形成する65鎖を説明する。
矢印は、ハイブリッドの3'−末端での疑問の位置を指す。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/566 G01N 33/58 A 33/58 C12N 15/00 ZNAA (31)優先権主張番号 09/358,972 (32)優先日 平成11年7月27日(1999.7.27) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 09/406,064 (32)優先日 平成11年9月27日(1999.9.27) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AU,BA,BB,BG, BR,CA,CN,CR,CU,CZ,DM,EE,G D,GE,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP ,KP,KR,LC,LK,LR,LT,LV,MA, MG,MK,MN,MX,NO,NZ,PL,RO,S G,SI,SK,TR,TT,UA,UZ,VN,YU ,ZA (72)発明者 ローズ,リチャード・ビー アメリカ合衆国ウィスコンシン州53703, マディソン,ウエスト・ウィルソン・スト リート 444,ナンバー207 (72)発明者 シュルツ,ジョン・ダブリュー アメリカ合衆国ウィスコンシン州53593, ヴェローナ,メロディ・レイン 407 (72)発明者 ライペ,ドナ アメリカ合衆国ウィスコンシン州53562, ミドルトン,プレザント・ビュー・ロード 1110,ナンバー103 (72)発明者 マンドレカー,ミッシェル アメリカ合衆国ウィスコンシン州53575, オレゴン,アシュ・ストリート 525 (72)発明者 アンドリュース,クリスティーン・アン アメリカ合衆国ウィスコンシン州53527, カティッジ・グローヴ,ウィスパリング・ ウェイ 800 (72)発明者 ハートネット,ジェームズ・アール アメリカ合衆国ウィスコンシン州53719, マディソン,チェサピーク・ドライブ 2590 (72)発明者 グ,トレント アメリカ合衆国ウィスコンシン州53715, マディソン,ノース・ウィングラ・ドライ ブ 1329 (72)発明者 オルソン,ライアン・ジェイ アメリカ合衆国ウィスコンシン州53705, マディソン,ノース・アレン・ストリート 340,ナンバー 8 (72)発明者 ウッド,キース・ヴイ アメリカ合衆国ウィスコンシン州53711― 5399,マディソン,コットケ・ドライブ 902,ナンバー 5 (72)発明者 ウェルチ,ロイ アメリカ合衆国カリフォルニア州94306, パロ・アルト,マグノリア・ドライブ 3868 Fターム(参考) 2G045 AA25 AA35 CA25 CB01 CB03 CB07 CB08 CB14 CB21 CB30 DA12 DA13 DA14 FB02 FB06 FB07 FB12 FB13 GC10 GC15 JA20 4B024 AA11 CA04 CA09 GA30 HA14 4B050 CC07 DD02 KK01 KK11 KK13 LL03 4B063 QA01 QA13 QQ42 QR07 QR08 QR32 QR55 QR62 QS02 QS25 QS34 QS36 QX02 QX04

Claims (102)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 核酸サンプルにおいて複数のあらかじめ決定された核酸標的
    配列の存在または不在を決定するための方法であって、以下の工程: (A)それらのそれぞれの核酸プローブとハイブリダイズされる該複数のあらか
    じめ決定された核酸標的配列を含み得る処理されたサンプルを提供する工程であ
    って、該プローブはそれぞれ、3'‐末端領域においてアイデンティファイアー
    ヌクレオチドを含む工程; (B)処理されたサンプルと、その活性がハイブリダイズされた核酸プローブの
    3'‐末端から1つ以上のヌクレオチドを放出する、脱重合化する量の酵素とを
    、混合して、処理された反応混合物を形成する工程; (C)酵素が、ハイブリダイズされた核酸を脱重合し、そしてアイデンティファ
    イアーヌクレオチドをそこから放出することを許容するのに十分な期間、処理さ
    れた反応混合物を維持する工程;および (D)放出されたアイデンティファイアーヌクレオチドの存在について解析し、
    解析的な出力結果を得る工程であって、解析的な出力結果は、該核酸標的配列の
    存在または不在を示す、工程を包含する、方法。
  2. 【請求項2】 前記解析的な出力結果が発光分光法によって得られる、請求
    項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記解析的な出力結果が蛍光分光法によって得られる、請求
    項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記解析的な出力結果が質量分析法によって得られる、請求
    項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記解析的な出力結果が吸光度分光法によって得られる、請
    求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記あらかじめ決定された核酸標的配列が血液凝固と関連さ
    れる、請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記核酸プローブが複数の以下の配列: 5' CTGCTGCCCTCTGTATTCCTCG 3' 配列番号14; 5' CTGCTGCCCTCTGTATTCCTTG 3' 配列番号15; 5' GTGACTCTCAGCG 3' 配列番号87; 5' GTGACTCTCAGCA 3' 配列番号88; 5' GTGATTCTCAGCG 3' 配列番号89; 5' GTGATTCTCAGCA 3' 配列番号90; 5' GACAAAATACCTGTATTCCTCG 3' 配列番号91; 5' GACAAAATACCTGTATTCCTTG 3' 配列番号92; 5' GGAGCATTGAGGCTCG 3' 配列番号93; 5' GGAGCATTGAGGCTTG 3' 配列番号94; 5' GACAAAATACCTGTATTCCTTG 3' 配列番号47; 5' GTGATTCTCAGCA 3' 配列番号44; 5' GTGATTCTCAGCG 3' 配列番号45;および 5' GACAAAATACCTGTATTCCTCG 3' 配列番号46 を含む、請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記あらかじめ決定された核酸標的配列が特定化のために有
    用である、請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記核酸プローブが、複数の以下の配列: 5' CCAGACGCCTCA 3' 配列番号50; 5' ACCTTCACGCCA 3' 配列番号51; 5' TGCCGAGACGT 3' 配列番号52; 5' GCAGACACATCC 3' 配列番号53; 5' GGAATCTCCACG 3' 配列番号54; 5' ACATACACGCAA 3' 配列番号55;および 5' ATATGCACGCAA 3' 配列番号56 を含む、請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記あらかじめ決定された核酸標的配列が先天的な副腎過
    形成と関連される、請求項1に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記核酸プローブが、複数の以下の配列: 5' CGGAGCCTCCACCTCCCG 配列番号23; 5' CACCCTCCAGCCCCCAGC 3' 配列番号24; 5' CGGAGCCTCCACCTCCTG 3' 配列番号25; 5' CCTCACCTGCAGCATCAAC 3' 配列番号26; 5' CACCCTCCAGCCCCCAAC 3' 配列番号27; 5' CCTCACCTGCAGCATCATC 3' 配列番号28; 5' CCTGGAAGGGCACTT 3' 配列番号29; 5' CCTGGAAGGGCACGT 3' 配列番号30; 5' GATTCAGCAGCGACTGTA 3' 配列番号31; 5' GATTCAGCAGCGACTGCA 3' 配列番号32; 5' CGAGGTGCTGCGCCTGCG 3' 配列番号33; 5'CGAGGTGCTGCGCCTGTG 3' 配列番号34; 5'GGGATCACATCGTGGAGATG 3' 配列番号35;および 5'GGGATCACAACGAGGAGAAG 3' 配列番号36 を含む、請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 以下 (a)複数の核酸プローブと、アッセイされるサンプルとを混合してハイブリダ
    イゼーション組成物を形成する工程であって、ここで該核酸プローブのそれぞれ
    の3'‐末端領域が、(i)該核酸標的配列に、その配列がサンプル中に存在す
    る場合、部分的なまたは全体的な相補性を伴ってハイブリダイズし、および(i
    i)アイデンティファイアーヌクレオチドを含む、工程; (b)それらのそれぞれの核酸プローブとハイブリダイズされる該あらかじめ決
    定された核酸標的配列を含み得る処理されたサンプルを形成するのに十分な時間
    、該ハイブリダイゼーション組成物を維持する工程によって、該処理されたサン
    プルを形成する工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
  13. 【請求項13】 核酸サンプルが生物学的サンプルから得られる、請求項1
    に記載の方法。
  14. 【請求項14】 あらかじめ決定された核酸標的配列が、微生物またはウイ
    ルスの核酸である、請求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】 核酸サンプルにおいて複数のあらかじめ決定された核酸標
    的配列の存在または不在を決定するための方法であって、以下の工程: (A)アッセイされるサンプルと、複数の核酸プローブとを混合して、ハイブリ
    ダイゼーション組成物を形成する工程であって、ここで該核酸プローブのそれぞ
    れの3'‐末端領域が、(i)少なくとも1つの該あらかじめ決定されている核
    酸標的配列に、その配列がサンプル中に存在する場合、部分的なまたは全体的な
    相補性を伴ってハイブリダイズし、および(ii)アイデンティファイアーヌク
    レオチドを含む、工程; (B)核酸プローブとハイブリダイズされる該あらかじめ決定された核酸標的配
    列を含み得る処理されたサンプルを形成するのに十分な時間、該ハイブリダイゼ
    ーション組成物を維持する工程; (C)処理されたサンプルと、その活性がハイブリダイズされた核酸プローブの
    3'‐末端から1つ以上のヌクレオチドを放出する、脱重合化する量の酵素とを
    、混合して、処理された反応混合物を形成する工程; (D)酵素が、ハイブリダイズされた核酸を脱重合し、そしてアイデンティファ
    イアーヌクレオチドをそこから放出することを許容するのに十分な期間、処理さ
    れた反応混合物を維持する工程;ならびに (E)放出されたアイデンティファイアーヌクレオチドの存在について解析し、
    解析的な出力結果を得る工程であって、解析的な出力結果は、該複数の核酸標的
    配列の少なくとも1つの存在または不在を示す、工程を包含する、方法。
  16. 【請求項16】 前記解析的な出力結果が発光分光法によって得られる、請
    求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記解析的な出力結果が蛍光分光法によって得られる、請
    求項15に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記解析的な出力結果が、質量分析法によって得られる、
    請求項15に記載の。
  19. 【請求項19】 前記解析的な出力結果が、吸光度分光法によって得られる
    、請求項15に記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記核酸プローブの1つが、1つの標的核酸配列に部分的
    な相補性を伴ってハイブリダイズされる場合に得られる解析的な出力結果が、全
    ての核酸配列プローブがそれらのそれぞれの核酸標的配列に全体的な相補性を伴
    ってハイブリダイズする場合の解析的な出力結果よりも大きい、請求項15に記
    載の方法。
  21. 【請求項21】 前記核酸プローブの1つが、1つの標的核酸配列に部分的
    な相補性を伴ってハイブリダイズされる場合に得られる解析的な出力結果が、全
    ての核酸配列プローブがそれらのそれぞれの核酸標的配列に全体的な相補性を伴
    ってハイブリダイズする場合の解析的な出力結果よりも小さい、請求項15に記
    載の方法。
  22. 【請求項22】 前記核酸プローブの1つが、1つの核酸標的配列に全体的
    な相補性を伴ってハイブリダイズされる場合に得られる解析的な出力結果が、全
    ての核酸プローブがそれらのそれぞれの核酸標的配列に部分的な相補性を伴って
    ハイブリダイズする場合の解析的な出力結果よりも大きい、請求項15に記載の
    方法。
  23. 【請求項23】 前記核酸プローブの1つが、1つの標的核酸配列に全体的
    な相補性を伴ってハイブリダイズされる場合に得られる解析的な出力結果が、全
    ての配列核酸プローブがそれらのそれぞれの核酸標的配列に部分的な相補性を伴
    ってハイブリダイズする場合の解析的な出力結果よりも小さい、請求項15に記
    載の方法。
  24. 【請求項24】 その活性がヌクレオチドを放出することである前記酵素は
    、ピロリン酸イオンの存在下、3'‐末端領域における塩基が全体的な相補性を
    伴ってマッチされるハイブリダイズされた核酸を脱重合化する温度依存性のポリ
    メラーゼである、請求項15に記載の方法。
  25. 【請求項25】 その活性がヌクレオチドを放出することである前記酵素が
    、3'→5'エキソヌクレアーゼ活性を示し、ハイブリダイズされたプローブの3
    '‐末端領域において1つ以上のミスマッチされる塩基を有するハイブリダイズ
    された核酸を脱重合化する、請求項15に記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記核酸プローブが、血液凝固と関連される核酸配列に相
    補的な配列を含む、請求項15に記載の方法。
  27. 【請求項27】 血液凝固と関連される前記核酸配列が、 (a)第V因子Leiden変異の少なくとも10個のヌクレオチドの配列;お
    よび (b)プロトロンビンの少なくとも10個のヌクレオチドの配列 を含む、請求項26に記載の方法。
  28. 【請求項28】 血液凝固と関連される前記核酸配列が、配列番号14、配
    列番号15、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列
    番号91、配列番号92、配列番号93、配列番号94、配列番号47、配列番
    号44、配列番号45、および配列番号46からなる群より選択される、請求項
    27に記載の方法。
  29. 【請求項29】 前記核酸プローブが、嚢胞性線維症と関連される核酸配列
    に相補的な配列を含む、請求項15に記載の方法。
  30. 【請求項30】 前記核酸プローブが、嚢胞性線維症ΔF508変異と関連
    される核酸配列に相補的な配列を含む、請求項29に記載の方法。
  31. 【請求項31】 前記核酸プローブが、配列番号95または96である、請
    求項29に記載の方法。
  32. 【請求項32】 サンプルにおいて核酸標的配列中の特異的な塩基の存在ま
    たは不在を決定するための方法であって、以下の工程: (A)アッセイされるサンプルと、複数の核酸プローブとを混合して、ハイブリ
    ダイゼーション組成物を形成する工程であって、ここで該核酸プローブの少なく
    とも1つの3'‐末端領域が、(i)該核酸標的配列に、実質的に相補的であり
    および少なくとも1つのあらかじめ決定されたヌクレオチドを疑問の位置にて含
    み、ならびに(ii)アイデンティファイアーヌクレオチドを含み、そしてここ
    で該核酸標的配列がその存在または不在が決定された少なくとも1つの特異的な
    塩基を含む、工程; (B)処理されたサンプルを形成するのに十分な時間、該ハイブリダイゼーショ
    ン組成物を維持する工程であって、ここでプローブの該疑問の位置は、該標的配
    列において同定される該特異的な塩基と、存在する場合、アラインされ、それに
    よって塩基対が生じるヌクレオチドである、工程; (C)処理されたサンプルと、その活性がハイブリダイズされた核酸プローブの
    3'‐末端から1つ以上のヌクレオチドを放出する酵素とを、混合して、ハイブ
    リッドを脱重合化し、そして処理された反応混合物を形成する、工程; (D)処理された反応混合物を、アイデンティファイアーヌクレオチドをそこか
    ら放出するのに十分な期間、維持する工程;ならびに (E)放出されたアイデンティファイアーヌクレオチドの存在または不在につい
    て解析し、同定される該特異的塩基の存在または不在を示す解析的な出力結果を
    得る工程、を包含する方法。
  33. 【請求項33】 アイデンティファイアーヌクレオチドが疑問の位置にある
    、請求項32に記載の方法。
  34. 【請求項34】 前記解析的な出力結果が発光分光法によって得られる、請
    求項32に記載の方法。
  35. 【請求項35】 前記解析的な出力結果が蛍光分光法によって得られる、請
    求項32に記載の方法。
  36. 【請求項36】 前記解析的な出力結果が質量分析法によって得られる、請
    求項32に記載の方法。
  37. 【請求項37】 前記核酸標的配列がデオキシリボ核酸およびリボ核酸から
    なる群より選択される、請求項32に記載の方法。
  38. 【請求項38】 第1のプローブ、第2のプローブ、第3のプローブ、およ
    び第4のプローブをさらに含む、請求項37に記載の方法。
  39. 【請求項39】 前記第1のプローブの前記疑問の位置が、デオキシアデノ
    シンまたはアデノシン残基である核酸残基を含み、前記第2のプローブの該疑問
    の位置が、デオキシチミジンまたはウリジン残基である核酸残基を含み、前記第
    3のプローブの該疑問の位置がデオキシグアノシンまたはグアノシン残基である
    核酸残基を含み、および前記第4の核酸プローブがデオキシシトシンまたはシト
    シン残基である核酸残基を含む、請求項38に記載の方法。
  40. 【請求項40】 前記核酸プローブの1つが、1つの標的核酸配列に部分的
    な相補性を伴ってハイブリダイズされる場合に得られる解析的な出力結果が、全
    ての核酸プローブがそれらのそれぞれの核酸標的配列に全体的な相補性を伴って
    ハイブリダイズする場合の解析的な出力結果よりも大きい、請求項32に記載の
    方法。
  41. 【請求項41】 前記核酸プローブの1つが、1つの標的核酸配列に部分的
    な相補性を伴ってハイブリダイズされる場合に得られる解析的な出力結果が、全
    ての核酸プローブがそれらのそれぞれの核酸標的配列に全体的な相補性を伴って
    ハイブリダイズする場合の解析的な出力結果よりも小さい、請求項32に記載の
    方法。
  42. 【請求項42】 前記核酸プローブの1つが、1つの核酸標的配列に全体的
    な相補性を伴ってハイブリダイズされる場合に得られる解析的な出力結果が、全
    ての核酸プローブがそれらのそれぞれの核酸標的配列に部分的な相補性を伴って
    ハイブリダイズする場合の解析的な出力結果よりも大きい、請求項32に記載の
    方法。
  43. 【請求項43】 前記核酸プローブの1つが、1つの標的核酸配列に全体的
    な相補性を伴ってハイブリダイズされる場合に得られる解析的な出力結果が、全
    ての核酸プローブがそれらのそれぞれの核酸標的配列に部分的な相補性を伴って
    ハイブリダイズする場合の解析的な出力結果よりも小さい、請求項32に記載の
    方法。
  44. 【請求項44】 その活性がヌクレオチドを放出することである前記酵素は
    、ピロリン酸イオンの存在下、プローブの3'‐末端領域において塩基が全体的
    な相補性を伴ってマッチされるハイブリダイズされた核酸を脱重合化する温度依
    存性のポリメラーゼである、請求項32に記載の方法。
  45. 【請求項45】 その活性がヌクレオチドを放出することである前記酵素が
    、3'から5'へのエキソヌクレアーゼ活性を示し、ハイブリダイズされたプロー
    ブの3'‐末端で1つ以上のミスマッチされる塩基を有するハイブリダイズされ
    た核酸を脱重合化する、請求項32に記載の方法。
  46. 【請求項46】 複数の第1の核酸標的の存在または不在を、これらの標的
    を含むか、または複数の実質的に同一な第2の標的を含む核酸サンプルにおいて
    、決定するための方法であって、以下の工程: (A)アッセイされる前記サンプルと、1つ以上の核酸プローブとを混合して、
    ハイブリダイゼーション組成物を形成する工程であって、ここで該第1および第
    2の核酸標的が、あらかじめ決定された位置にて標的間で異なる少なくとも単一
    のヌクレオチド以外は配列同一性の領域を含み、そしてここで該核酸プローブが
    、(i)配列同一性の該核酸標的領域に、実質的に相補的でありおよび少なくと
    も1つのヌクレオチドを疑問の位置にて含み、プローブの該疑問の位置は、標的
    とプローブとがハイブリダイズされる場合に標的の該あらかじめ決定された位置
    とアラインされ、ならびに(ii)3'‐末端領域においてアイデンティファイ
    アーヌクレオチドを含む、工程; (B)処理されたサンプルを形成するのに十分な時間、該ハイブリダイゼーショ
    ン組成物を維持する工程であって、ここで該プローブの該疑問の位置でのヌクレ
    オチドは該同一性の領域において該標的の該あらかじめ決定された位置にてヌク
    レオチドとアラインされる、工程; (C)処理されたサンプルと、その活性がハイブリダイズされた核酸プローブの
    3'‐末端から1つ以上のヌクレオチドを放出することである酵素の脱重合化す
    る量とを、混合して、処理された反応混合物を形成する、工程; (D)処理された反応混合物を、アイデンティファイアーヌクレオチドを放出し
    、そして該ハイブリダイズされた核酸プローブを脱重合化するのに十分な期間、
    維持する工程;ならびに (E)放出されたアイデンティファイアーヌクレオチドの存在について解析し、
    解析的な出力結果を得る工程であって、該解析的な出力結果は、該あらかじめ決
    定された領域にて該ヌクレオチドの存在または不在、それによって第1および第
    2の核酸標的の存在または不在を示す、工程、を包含する、方法。
  47. 【請求項47】 前記解析的な出力結果が蛍光分光法によって得られる、請
    求項46に記載の方法。
  48. 【請求項48】 前記解析的な出力結果が質量分析法によって得られる、請
    求項46に記載の方法。
  49. 【請求項49】 前記核酸標的配列が、デオキシリボ核酸およびリボ核酸か
    らなる群より選択される、請求項46に記載の方法。
  50. 【請求項50】 前記第1のプローブが、前記あらかじめ決定された位置で
    の第1の標的核酸に相補的である前記疑問の位置でのヌクレオチドを含み、およ
    び前記第2のプローブが、該あらかじめ決定された位置での第2の標的核酸に相
    補的である前記疑問の位置でのヌクレオチドを含む、請求項46に記載の方法。
  51. 【請求項51】 前記核酸プローブの1つが、1つの標的核酸配列に部分的
    な相補性を伴ってハイブリダイズされる場合に得られる解析的な出力結果が、全
    ての核酸プローブがそれらのそれぞれの核酸標的配列に全体的な相補性を伴って
    ハイブリダイズする場合の解析的な出力結果よりも大きい、請求項46に記載の
    方法。
  52. 【請求項52】 前記核酸プローブの1つが、1つの標的核酸配列に部分的
    な相補性を伴ってハイブリダイズされる場合に得られる解析的な出力結果が、全
    ての核酸プローブがそれらのそれぞれの核酸標的配列に全体的な相補性を伴って
    ハイブリダイズする場合の解析的な出力結果よりも小さい、請求項46に記載の
    方法。
  53. 【請求項53】 前記核酸プローブの1つが、1つの核酸標的配列に全体的
    な相補性を伴ってハイブリダイズされる場合に得られる解析的な出力結果が、全
    ての核酸プローブがそれらのそれぞれの核酸標的配列に部分的な相補性を伴って
    ハイブリダイズする場合の解析的な出力結果よりも大きい、請求項46に記載の
    方法。
  54. 【請求項54】 前記核酸プローブの1つが、1つの標的核酸配列に全体的
    な相補性を伴ってハイブリダイズされる場合に得られる解析的な出力結果が、全
    ての核酸プローブがそれらのそれぞれの核酸標的配列に部分的な相補性を伴って
    ハイブリダイズする場合の解析的な出力結果よりも小さい、請求項46に記載の
    方法。
  55. 【請求項55】 その活性がヌクレオチドを放出することである前記酵素は
    、ピロリン酸イオンの存在下、3'‐末端領域において塩基が全体的な相補性を
    伴ってマッチされるハイブリダイズされた核酸を脱重合化する温度依存性のポリ
    メラーゼである、請求項46に記載の方法。
  56. 【請求項56】 その活性がヌクレオチドを放出することである前記酵素が
    、3'→5'エキソヌクレアーゼ活性を示し、ハイブリダイズされたプローブの3
    '‐末端領域において1つ以上のミスマッチされる塩基を有するハイブリダイズ
    された核酸を脱重合化する、請求項46に記載の方法。
  57. 【請求項57】 核酸サンプルにおいて複数のあらかじめ決定された核酸標
    的配列の存在または不在を決定するためのキットであって、以下: (A)その活性がハイブリダイズされた核酸プローブの3'末端から1つ以上の
    ヌクレオチドを放出する、酵素;および (B)複数の核酸プローブであって、該核酸プローブのそれぞれが核酸標的配列
    に相補的である、プローブ、を含む、キット。
  58. 【請求項58】 核酸サンプルにおいて複数のあらかじめ決定された核酸標
    的配列の存在または不在を決定するためのキットであって、以下: (A)その活性がハイブリダイズされた核酸プローブからヌクレオシド三リン酸
    としてアイデンティファイアーヌクレオチドを放出する、酵素; (B)ピロリン酸; (C)複数の核酸プローブであって、該核酸プローブのそれぞれが該あらかじめ
    決定された核酸標的配列に相補的である、プローブ、を含む、キット。
  59. 【請求項59】 前記核酸プローブが血液凝固と関連される核酸配列に相補
    的な配列を含む、請求項58に記載のキット。
  60. 【請求項60】 血液凝固と関連される前記核酸配列が、 (a)第V因子Leiden変異の少なくとも10個のヌクレオチドの配列;お
    よび (b)プロトロンビンの少なくとも10個のヌクレオチドの配列、を含む、請求
    項59に記載のキット。
  61. 【請求項61】 血液凝固に関連される前記核酸配列が、配列番号14、配
    列番号15、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列
    番号91、配列番号92、配列番号93、配列番号94、配列番号95、配列番
    号44、配列番号45、および配列番号46からなる群より選択される、請求項
    60に記載のキット。
  62. 【請求項62】 前記核酸プローブが、嚢胞性線維症と関連される核酸配列
    に相補的な配列を含む、請求項58に記載のキット。
  63. 【請求項63】 前記核酸プローブが、嚢胞性線維症ΔF508変異と関連
    される核酸配列に相補的な配列を含む、請求項62に記載のキット。
  64. 【請求項64】 前記核酸プローブが、配列番号95または配列番号96で
    ある、請求項63に記載のキット。
  65. 【請求項65】 核酸サンプルにおいて複数のあらかじめ決定された核酸標
    的配列の存在または不在を決定するためのキットであって、以下: (A)その活性がハイブリダイズされた核酸プローブの3'末端から1つ以上の
    ヌクレオチドを放出する、酵素;および (B)使用のための指示、を含む、キット。
  66. 【請求項66】 核酸サンプルにおいて複数のあらかじめ決定された核酸標
    的配列の存在または不在を決定するための組成物であって、以下: (A)その活性がハイブリダイズされた核酸プローブの3'末端から1つ以上の
    ヌクレオチドを放出する、精製されおよび単離された酵素;ならびに (B)複数の核酸プローブであって、該核酸プローブのそれぞれが該あらかじめ
    決定された核酸標的配列に相補的である、プローブ、を含有する水溶液を含む、
    組成物。
  67. 【請求項67】 核酸サンプルにおいて、それぞれが疑問の位置を含む複数
    の核酸標的配列の存在または不在を決定するための方法であって、以下の工程: (A)それらのそれぞれの核酸プローブとハイブリダイズされる該核酸標的配列
    を含み得る核酸サンプルを含む処置されたサンプルを提供する工程であって、各
    プローブは、3つの部分、(i)標的配列の該疑問の位置の約1〜約30核酸下
    流で始まる位置にてその核酸標的配列に相補的であるプローブの3'−末端の約
    10〜約30ヌクレオチドを含む、第1の部分、(ii)約10〜約200核酸
    の長さの、および該核酸標的配列の同一な配列を有する5'末端領域、および(
    iii)該核酸サンプルに相補的でないゼロ〜約50核酸を含む必要に応じた第
    3の部分から構成される、工程、 (B)3'方向において該核酸プローブを伸長し、第2のハイブリッドとして核
    酸サンプルにハイブリダイズされる第2のプローブを形成する、工程; (D)該第2のハイブリッドを変性して該核酸標的配列から該第2のプローブを
    分離する、工程; (E)該水性組成物を再生して、該第2のプローブからヘアピン構造を形成する
    、工程; (F)ヘアピン構造を含有する組成物と、その活性が核酸ハイブリッドの3'−
    末端から1つ以上のヌクレオチドを放出する、脱重合化する量の酵素とを混合し
    て、処理された反応混合物を形成する、工程; (G)酵素が、ハイブリダイズされた核酸を脱重合し、そして1つ以上のヌクレ
    オチドをそこから3'−末端から放出することを許容するのに十分な期間、処理
    された反応混合物を維持する工程;ならびに (H)放出されたアイデンティファイアーヌクレオチドの存在について解析して
    、解析的な出力結果を得る工程であって、解析的な出力結果は、該核酸標的配列
    の存在または不在を示す、工程、を包含する、方法。
  68. 【請求項68】 核酸サンプルにおいて、複数の核酸標的配列、または標的
    配列内の特異的な塩基の存在もしくは不在を決定するための方法であって、以下
    の工程: (A)第1のハイブリッドとして、それらのそれぞれの第1の核酸プローブとハ
    イブリダイズされる複数の核酸標的配列を含み得る核酸サンプルを含む処置され
    たサンプルを提供する工程であって、該第1のプローブは、それぞれ、少なくと
    も2つの部分、標的の疑問の位置の約5〜約30ヌクレオチド下流で始まる位置
    にて標的核酸配列に相補的であるプローブの3'−末端の約10〜約30ヌクレ
    オチドを含む、第1の部分、プローブの該第1の部分にハイブリダイズしない、
    疑問の位置から疑問の位置の約10〜30ヌクレオチド下流までの標的配列の反
    復である、約5〜約30ヌクレオチドを含む第1のプローブの第2の部分、なら
    びにゼロ〜約50ヌクレオチドの長さであり、プローブの第1の部分および第2
    の部分のいずれともハイブリダイズしない配列を含むプローブの第1の部分と第
    2の部分との間に位置されるプローブの必要に応じた第3の部分から構成される
    、工程; (B)処理されたサンプルにおいて、第1のプローブの3'−末端にて第1のハ
    イブリッドを伸長する工程であって、それによって第1のプローブを疑問の位置
    を過ぎて伸長し、そして疑問の位置を含む、伸長された第1のハイブリッドを形
    成する、工程; (C)伸長された第1のハイブリッドの水性組成物を変性して、2つの核酸鎖を
    分離し、分離された標的核酸および分離された伸長された第1のプローブを含む
    水性組成物を形成する、工程; (D)約10〜約30ヌクレオチドの長さであり、および伸長された第1のプロ
    ーブにおいて疑問の位置の約5〜約2000ヌクレオチド下流で開始する位置に
    て、伸長された第1のプローブに相補的である、第1のプローブ、及び第2のプ
    ローブのそれぞれをアニーリングし、それによって第2のハイブリッドを形成す
    る、工程; (E)伸長が、伸長された第1のプローブの5'−末端に達するまで、第2のプ
    ローブの3'−末端にて第2のハイブリッドを伸長し、それによって3'−領域が
    アイデンティファイアーヌクレオチドを含む第2の伸長されたプローブを含む、
    第2の伸長されたハイブリッドを形成する、工程; (F)伸長された第2のハイブリッドの水性組成物を変性して、核酸鎖を分離し
    、分離された伸長された第1および第2のプローブを含む水性組成物を形成する
    、工程; (G)水性組成物を冷却して、分離された伸長された第2のプローブからヘアピ
    ン構造を形成して、ヘアピン構造を含有する組成物を形成する、工程、 (H)ヘアピン構造を含有する組成物と、その活性が核酸ハイブリッドの3'‐
    末端から1つ以上のヌクレオチドを放出する、脱重合化する量の酵素とを混合し
    て、処理された反応混合物を形成する、工程; (I)3'‐末端領域のアイデンティファイアーヌクレオチドを放出するのに十
    分な期間、反応混合物を維持する工程;ならびに (J)放出されたアイデンティファイアーヌクレオチドの存在について解析して
    、解析的な出力結果を得る工程であって、解析的な出力結果は、該あらかじめ決
    定された核酸標的配列または標的配列内の特異的な塩基の、存在もしくは不在を
    示す、工程、を包含する、方法。
  69. 【請求項69】 前記解析的な出力結果が発光分光法によって得られる、請
    求項68に記載の方法。
  70. 【請求項70】 前記解析的な出力結果が蛍光分光法によって得られる、請
    求項68に記載の方法。
  71. 【請求項71】 前記解析的な出力結果が質量分析法によって得られる、請
    求項68に記載の方法。
  72. 【請求項72】 前記解析的な出力結果が吸光度分光法によって得られる、
    請求項68に記載の方法。
  73. 【請求項73】 核酸サンプルにおいて、疑問の位置を含む複数の核酸標的
    配列の存在または不在を決定するための方法であって、以下の工程: (A)それらのそれぞれの核酸プローブとそれぞれハイブリダイズされる該複数
    の核酸標的配列を含み得る核酸サンプルを含む処理されたサンプルを提供する工
    程であって、プローブは、3つの部分、(i)標的配列の該疑問の位置の約1〜
    約30ヌクレオチド下流で始まる位置にて核酸標的配列に相補的であるプローブ
    の3'末端の約10〜約30ヌクレオチドを含む、第1の部分、(ii)約10
    〜約200核酸の長さの、および該核酸標的配列の同一な配列を有する5'−末
    端領域、ならびに(iii)該核酸サンプルに相補的でないゼロ〜約50核酸を
    含む必要に応じた第3の部分から構成される、工程、 (B)3'方向において該核酸プローブを伸長し、第2のハイブリッドとして核
    酸サンプルにハイブリダイズされる第2のプローブを形成する、工程; (D)該第2のハイブリッドを変性して該核酸標的配列から該第2のプローブを
    分離する、工程; (E)該水性組成物を再生して、該第2のプローブからヘアピン構造を形成する
    、工程; (F)ヘアピン構造を含有する組成物と、その活性が核酸ハイブリッドの3'‐
    末端から1つ以上のヌクレオチドを放出する、脱重合化する量の酵素とを混合し
    て、処理された反応混合物を形成する、工程; (G)酵素が、ハイブリダイズされた核酸を脱重合化し、そして1つ以上のヌク
    レオチドをそこから3'‐末端から放出することを許容するのに十分な期間、処
    理された反応混合物を維持する工程;ならびに (H)放出されたアイデンティファイアーヌクレオチドの存在について解析して
    、解析的な出力結果を得る工程であって、解析的な出力結果は、該核酸標的配列
    の存在または不在を示す、工程、を包含する、方法。
  74. 【請求項74】 前記解析的な出力結果が発光分光法によって得られる、請
    求項73に記載の方法。
  75. 【請求項75】 前記解析的な出力結果が蛍光分光法によって得られる、請
    求項73に記載の方法。
  76. 【請求項76】 前記解析的な出力結果が質量分析法によって得られる、請
    求項73に記載の方法。
  77. 【請求項77】 前記解析的な出力結果が吸光度分光法によって得られる、
    請求項73に記載の方法。
  78. 【請求項78】 解析的な出力結果が異なる核酸標的配列について区別する
    ことができる、請求項73に記載の方法。
  79. 【請求項79】 核酸サンプルにおいて、複数の核酸標的配列、または標的
    配列内の特異的な塩基の存在または不在を決定するための方法であって、以下の
    工程: (A)第1のハイブリッドとして、それらのそれぞれの第1の核酸プローブとハ
    イブリダイズされる複数の核酸標的配列を含み得る核酸サンプルを含む処置され
    たサンプルを提供する工程であって、該第1のプローブは少なくとも2つの部分
    、標的の疑問の位置の約5〜約30ヌクレオチド下流で始まる位置にて標的核酸
    配列に相補的であるプローブの3'−末端の約10〜約30ヌクレオチドを含む
    、第1の部分、プローブの該第1の部分にハイブリダイズしない、疑問の位置か
    ら疑問の位置の約10〜30ヌクレオチド下流までの標的配列の反復である、約
    5〜約30ヌクレオチドを含む第1のプローブの第2の部分、ならびにゼロ〜約
    50ヌクレオチドの長さであり、およびプローブの第1の部分および第2の部分
    のいずれともハイブリダイズしない配列を含む、プローブの第1の部分と第2の
    部分との間に位置されるプローブの必要に応じた第3の部分から構成される、工
    程; (B)処理されたサンプルにおいて、第1のプローブの3'−末端にて第1のハ
    イブリッドを伸長する工程であって、それによって第1のプローブを疑問の位置
    を過ぎて伸長し、そして疑問の位置を含む、伸長された第1のハイブリッドを形
    成する、工程; (C)伸長された第1のハイブリッドの水性組成物を変性して、2つの核酸鎖を
    分離し、分離された標的核酸および分離された伸長された第1のプローブを含む
    水性組成物を形成する、工程; (D)伸長された第1のプローブに、約10〜約30ヌクレオチドの長さであり
    、および伸長された第1のプローブにおいて疑問の位置の約5〜約2000ヌク
    レオチド下流で開始する位置にて、伸長された第1のプローブに相補的である、
    第2のプローブをアニーリングし、それによって第2のハイブリッドを形成する
    、工程; (E)伸長が、伸長された第1のプローブの5'−末端に達するまで、第2のプ
    ローブの3'末端にて第2のハイブリッドを伸長し、それによって3'‐領域がア
    イデンティファイアーヌクレオチドを含む第2の伸長されたプローブを含む、第
    2の伸長されたハイブリッドを形成する、工程: (F)伸長された第2のハイブリッドの水性組成物を変性して、2つの核酸鎖を
    分離して、分離された伸長された第1および第2のプローブを含む水性組成物を
    形成する、工程; (G)水性組成物を冷却して、分離された伸長された第2のプローブからヘアピ
    ン構造を形成して、ヘアピン構造を含有する組成物を形成する、工程; (H)ヘアピン構造を含有する組成物と、その活性が核酸ハイブリッドの3'−
    末端から1つ以上のヌクレオチドを放出する、脱重合化する量の酵素とを混合し
    て、処理された反応混合物を形成する、工程; (I)3'‐末端領域のアイデンティファイアーヌクレオチドを放出するのに十
    分な期間、反応混合物を維持する工程;ならびに (J)放出されたアイデンティファイアーヌクレオチドの存在について解析して
    、解析的な出力結果を得る工程であって、解析的な出力結果は、該あらかじめ決
    定された核酸標的配列または標的配列内の特異的な塩基の存在または不在を示す
    、工程、を包含する、方法。
  80. 【請求項80】 前記解析的な出力結果が発光分光法によって得られる、請
    求項79に記載の方法。
  81. 【請求項81】 前記解析的な出力結果が蛍光分光法によって得られる、請
    求項79に記載の方法。
  82. 【請求項82】 前記解析的な出力結果が質量分析法によって得られる、請
    求項79に記載の方法。
  83. 【請求項83】 前記解析的な出力結果が吸光度分光法によって得られる、
    請求項79に記載の方法。
  84. 【請求項84】 前記解析的な出力結果が種々のあらかじめ決定された核酸
    標的配列について区別可能である、請求項79に記載の方法。
  85. 【請求項85】 核酸サンプルにおいて複数のあらかじめ決定された核酸標
    的配列の存在または不在を決定するためのキットであって、以下: (A)その活性がハイブリダイズされた核酸プローブの3'末端から1つ以上の
    ヌクレオチドを放出する、精製されおよび単離された酵素;ならびに (B)複数の核酸プローブであって、該核酸プローブのそれぞれが核酸標的配列
    に相補的である、プローブ、を含む、キット。
  86. 【請求項86】 あらかじめ決定された核酸標的配列が血液凝固と関連され
    る、請求項85に記載のキット。
  87. 【請求項87】 核酸プローブが複数の以下の核酸配列またはそれらの相補
    的な配列: 5' CTGCTGCCCTCTGTATTCCTCG 3' 配列番号14; 5' CTGCTGCCCTCTGTATTCCTTG 3' 配列番号15; 5' GTGACTCTCAGCG 3' 配列番号87; 5' GTGACTCTCAGCA 3' 配列番号88; 5' GTGATTCTCAGCG 3' 配列番号89; 5' GTGATTCTCAGCA 3' 配列番号90; 5' GACAAAATACCTGTATTCCTCG 3' 配列番号91; 5' GACAAAATACCTGTATTCCTTG 3' 配列番号92; 5' GGAGCATTGAGGCTCG 3' 配列番号93; 5' GGAGCATTGAGGCTTG 3' 配列番号94; 5' GACAAAATACCTGTATTCCTTG 3' 配列番号47; 5' GTGATTCTCAGCA 3' 配列番号44; 5' GTGATTCTCAGCG 3' 配列番号45;および 5' GACAAAATACCTGTATTCCTCG 3' 配列番号46 を含む、請求項86に記載のキット。
  88. 【請求項88】 あらかじめ決定された核酸標的配列が、特定のために有用
    である、請求項87に記載のキット。
  89. 【請求項89】 核酸プローブが、複数の以下の核酸配列またはそれらの相
    補的な配列: 5' CCAGACGCCTCA 3' 配列番号50; 5' ACCTTCACGCCA 3' 配列番号51; 5' TGCCGAGACGT 3' 配列番号52; 5' GCAGACACATCC 3' 配列番号53; 5' GGAATCTCCACG 3' 配列番号54; 5' ACATACACGCAA 3' 配列番号55;および 5' ATATGCACGCAA 3' 配列番号56 を含む、請求項88に記載のキット。
  90. 【請求項90】 あらかじめ決定された核酸標的配列が、先天的な副腎過形
    成と関連される、請求項85に記載のキット。
  91. 【請求項91】 核酸プローブが複数の以下の核酸配列またはそれらの相補
    的な配列: 5' CGGAGCCTCCACCTCCCG 配列番号23; 5' CACCCTCCAGCCCCCAGC 3' 配列番号24; 5' CGGAGCCTCCACCTCCTG 3' 配列番号25; 5' CCTCACCTGCAGCATCAAC 3' 配列番号26; 5' CACCCTCCAGCCCCCAAC 3' 配列番号27; 5' CCTCACCTGCAGCATCATC 3' 配列番号28; 5' CCTGGAAGGGCACTT 3' 配列番号29; 5' CCTGGAAGGGCACGT 3' 配列番号30; 5' GATTCAGCAGCGACTGTA 3' 配列番号31; 5' GATTCAGCAGCGACTGCA 3' 配列番号32; 5' CGAGGTGCTGCGCCTGCG 3' 配列番号33; 5'CGAGGTGCTGCGCCTGTG 3' 配列番号34; 5'GGGATCACATCGTGGAGATG 3' 配列番号35;および 5'GGGATCACAACGAGGAGAAG 3' 配列番号36 を含む、請求項90に記載のキット。
  92. 【請求項92】 前記核酸プローブが蛍光標識を含む、請求項85に記載の
    キット。
  93. 【請求項93】 前記核酸プローブが非天然のヌクレオチドアナログを含む
    、請求項85に記載のキット。
  94. 【請求項94】 ピロリン酸をさらに含む、請求項85に記載のキット。
  95. 【請求項95】 ヌクレオチド二リン酸キナーゼをさらに含む、請求項85
    に記載のキット。
  96. 【請求項96】 前記ヌクレオシド二リン酸キナーゼが、Pyrococc
    us furiosisによってコードされる、請求項95に記載の組成物。
  97. 【請求項97】 PRPP合成酵素をさらに含む、請求項95に記載のキッ
    ト。
  98. 【請求項98】 ADPをさらに含む、請求項95に記載のキット。
  99. 【請求項99】 核酸サンプルにおいて複数のあらかじめ決定された核酸標
    的配列の存在または不在を決定するための組成物であって、以下: (A)その活性がハイブリダイズされた核酸プローブの3'末端から1つ以上の
    ヌクレオチドを放出する、精製されおよび単離された酵素;ならびに (B)複数の核酸プローブであって、該核酸プローブのそれぞれがあらかじめ決
    定された核酸標的配列に相補的である、プローブ、を含有する水性溶液を含む、
    組成物。
  100. 【請求項100】 核酸サンプルにおいて複数のあらかじめ決定された核酸
    標的配列の存在または不在を決定するための物質の組成であって、以下: (A)ピロリン酸の存在下でその活性がハイブリダイズされた核酸プローブから
    ヌクレオシド三リン酸としてアイデンティファイアーヌクレオチドを放出する、
    精製されおよび単離された酵素; (B)アデノシン5'二リン酸; (C)ピロリン酸; (D)精製および単離されたヌクレオシド二リン酸キナーゼ;ならびに (E)複数の核酸プローブであって、該核酸プローブのそれぞれがそのそれぞれ
    のあらかじめ決定された核酸標的配列に相補的である、核酸プローブ、を含有す
    る水性溶液を含む、組成物。
  101. 【請求項101】 ピロリン酸の存在下でその活性がアイデンティファイア
    ーヌクレオチドを放出する前記精製および単離された酵素が、熱安定性のポリメ
    ラーゼである、請求項100に記載の組成物。
  102. 【請求項102】 前記精製および単離されたヌクレオシド二リン酸キナー
    ゼが、Pyrococcus furiosisによってコードされるキナーゼ
    である、請求項101に記載の組成物。
JP2000599904A 1999-02-18 2000-02-18 核酸検出のための多重法 Pending JP2003535568A (ja)

Applications Claiming Priority (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US09/252,436 US6159693A (en) 1998-03-13 1999-02-18 Nucleic acid detection
US09/252,436 1999-02-18
PCT/US1999/005304 WO1999046409A1 (en) 1998-03-13 1999-03-11 Nucleic acid detection
US9905304 1999-03-11
US09/358,972 1999-07-21
US09/358,972 US6235480B1 (en) 1998-03-13 1999-07-21 Detection of nucleic acid hybrids
US09/406,064 1999-09-27
US09/406,064 US6270973B1 (en) 1998-03-13 1999-09-27 Multiplex method for nucleic acid detection
PCT/US2000/004243 WO2000049181A1 (en) 1999-02-18 2000-02-18 Multiplex method for nucleic acid detection

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003535568A true JP2003535568A (ja) 2003-12-02

Family

ID=27400552

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000599904A Pending JP2003535568A (ja) 1999-02-18 2000-02-18 核酸検出のための多重法

Country Status (5)

Country Link
EP (1) EP1155150A1 (ja)
JP (1) JP2003535568A (ja)
AU (1) AU774085B2 (ja)
CA (1) CA2357011A1 (ja)
WO (1) WO2000049181A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7090975B2 (en) 1998-03-13 2006-08-15 Promega Corporation Pyrophosphorolysis and incorporation of nucleotide method for nucleic acid detection
WO2002063049A2 (en) * 2001-02-02 2002-08-15 Genome Therapeutics Corporation Methods for determining a nucleotide at a specific location within a nucleic acid molecule
GB0111275D0 (en) * 2001-05-09 2001-06-27 Secr Defence Analytical method and kit
CA2487766C (en) * 2002-05-31 2011-01-11 Kankyo Engineering Co., Ltd. Novel method of assaying nucleic acid using labeled nucleotide
EP2929050A1 (en) * 2012-12-10 2015-10-14 AdvanDx, Inc. Use of probes for mass spectrometric identification of microorganisms or cells and associated conditions of interest

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4735897A (en) * 1985-05-02 1988-04-05 Allied Corporation Method and kit for detecting polyriboadenosine segments and messenger RNA
US5004803A (en) * 1988-11-14 1991-04-02 Genetics Institute, Inc. Production of procoagulant proteins
AU5358990A (en) * 1989-03-21 1990-10-22 Collaborative Research Inc. Multiplex dna diagnostic test
DE69432919T2 (de) * 1993-12-28 2004-05-27 Tanabe Seiyaku Co., Ltd. Verfahren für den Nachweis spezifischer Polynukleotiden
DK0807691T3 (da) * 1994-02-14 2002-02-04 Univ Leiden Fremgangsmåde til screening for tilstedeværelse af en genetisk defekt forbundet med trombose og/eller lav antikoagulant reaktion på aktiveret protein C
EP0803058B1 (en) * 1994-12-30 2008-11-05 Georgetown University Fluorometric assay for detecting nucleic acid cleavage
US5945284A (en) * 1997-05-27 1999-08-31 The Perkin-Elmer Corporation Length determination of nucleic acid repeat sequences by discontinuous primer extension
US6335162B1 (en) * 1998-03-13 2002-01-01 Promega Corporation Nucleic acid detection

Also Published As

Publication number Publication date
WO2000049181A1 (en) 2000-08-24
AU3001900A (en) 2000-09-04
EP1155150A1 (en) 2001-11-21
AU774085B2 (en) 2004-06-17
CA2357011A1 (en) 2000-08-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6270973B1 (en) Multiplex method for nucleic acid detection
US6268146B1 (en) Analytical methods and materials for nucleic acid detection
US6270974B1 (en) Exogenous nucleic acid detection
US6391551B1 (en) Detection of nucleic acid hybrids
US6277578B1 (en) Deploymerization method for nucleic acid detection of an amplified nucleic acid target
US6235480B1 (en) Detection of nucleic acid hybrids
EP0931166B2 (en) Methods for determining sequence information in polynucleotides using mass spectrometry
US5888819A (en) Method for determining nucleotide identity through primer extension
US7090975B2 (en) Pyrophosphorolysis and incorporation of nucleotide method for nucleic acid detection
WO1996030545A9 (en) Mutation detection by differential primer extension of mutant and wildtype target sequences
WO1996030545A1 (en) Mutation detection by differential primer extension of mutant and wildtype target sequences
JP4190562B2 (ja) 遺伝子配列検査法
JP2003535568A (ja) 核酸検出のための多重法
WO2006070666A1 (ja) 遺伝子多型の同時検出方法
EP1606389B1 (en) Methods for polynucleotide sequence detection
JP4022522B2 (ja) 塩基置換の検出方法
AU765428B2 (en) Methods for determining the presence of nucleic acid target sequences and applications thereof
AU767600B2 (en) Detection of nucleic acid hybrids
US20020058271A1 (en) Process for detecting a nucleic acid target
JP2005287447A (ja) プローブ及びプライマーおよびこれらを用いた核酸断片相補鎖合成法