JP2002369686A - アミノペプチダーゼb - Google Patents

アミノペプチダーゼb

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JP2002369686A
JP2002369686A JP2001133620A JP2001133620A JP2002369686A JP 2002369686 A JP2002369686 A JP 2002369686A JP 2001133620 A JP2001133620 A JP 2001133620A JP 2001133620 A JP2001133620 A JP 2001133620A JP 2002369686 A JP2002369686 A JP 2002369686A
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polynucleotide
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apb
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JP2001133620A
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Hiroshi Yokota
博 横田
Yasuko Arai
康子 荒井
Tatsuya Inoue
竜也 井上
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Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
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Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒトのアミノペプチダーゼB(APB)を見
出し、その生体における役割を明確化し、その機能また
は生理学的作用を制御することによる新規な診断手段、
医薬用組成物を提供すること。 【解決手段】 ヒトcDNAライブラリーからラットA
PB遺伝子とのホモロジー検索を行って選出した遺伝子
の全長を決定し、該遺伝子を大腸菌発現系で発現させて
該遺伝子がコードする蛋白質を得るとともに、該蛋白質
がAPBであることを合成基質を用いて確認し、該蛋白
質、その機能または生理学的作用を制御することによる
新規な疾病診断手段および医薬用組成物を提供した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アミノペプチダーゼB
活性をもつペプチドおよびそれをコードする遺伝子に関
し、詳しくはラットのアミノペプチダーゼBと高い相同
性を示すヒトのアミノペプチダーゼBに関する。
【0002】
【従来の技術】アミノペプチダーゼB(以下APBと略
称することもある)は、ペプチドのN末端がアルギニン
(Arg)および/またはリジン(Lys)の時に、該
Argおよび/またはLys残基を特異的に切断するZ
2+依存性のエキソペプチダーゼであり、主にラット
細胞を用いた研究でその機能解析が進められてきた。ラ
ットのアミノペプチダーゼBは、炎症やアレルギー反応
等の伝達物質であるロイコトリエンA4(Leukot
riene A4)の加水分解酵素と類似したモチーフ
を有しており、細胞膜内に存在し、細胞外にも分泌され
る蛋白質であることが知られている(The Inte
rnational Journal of Bioc
hemistry & Cell Biology 3
1,747−750,1999)。APBが作用する合
成基質としては、Arg−Leu−エンケファリン(e
nkephalin)、Arg−Met−enkeph
alin、Arg−Lys−ソマトスタチン(soma
tostatin)等が知られている。また、ラットA
PBは、大脳皮質、副睾丸、心臓、腎臓、大腸、肝臓、
肺、筋肉、膵臓等の多種の臓器でその存在が認められて
いる。このようにラットのAPBについてはその役割が
解明されつつあったが、この酵素のヒト・ホモログ(h
omologue)についての報告はなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題のひとつ
は、ヒト・アミノペプチダーゼB(APB)を見出し提
供することである。また本発明の別の課題は、ヒトAP
Bの生体における役割を明確化し、その機能または生理
学的作用を制御することによる疾病診断手段および医薬
用組成物を提供しようとするものである。
【0004】
【課題解決のための手段】上記課題を解決すべく本発明
者らは鋭意努力し、ヒトAPB遺伝子および蛋白質を得
ることに成功した。より具体的には、GenBankの
ヒトcDNAライブラリーからラットAPB遺伝子との
ホモロジー検索を行って選出した遺伝子の全長を決定
し、該遺伝子を大腸菌発現系で発現させて該遺伝子がコ
ードする蛋白質を得た。さらに、得られた蛋白質がAP
Bであることを、合成基質を用いた酵素活性の確認およ
びAPB阻害剤であるピューロマイシン(puromy
cin)による酵素活性阻害により初めて確認するとと
もに、該蛋白質の機能または生理学的作用を制御するこ
とによる疾病診断手段および医薬用組成物を提供するこ
とによって本発明を完成した。
【0005】すなわち本発明は、(1)下記の群より選
ばれるアミノペプチダーゼB活性を有するペプチド; 配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるペ
プチド、 前記のペプチドを含有するペプチド、および 前記のペプチドと少なくとも約70%のアミノ酸配
列上の相同性を有するペプチド、 (2)下記の群より選ばれるH−アルギニン−7−アミ
ド−4−メチルクマリン・2塩酸を分解する活性を有す
るペプチド; 配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるペ
プチド、 前記のペプチドを含有するペプチド、および 前記のペプチドと少なくとも約70%のアミノ酸配
列上の相同性を有するペプチド、 (3)前記(1)もしくは(2)のペプチドをコードす
るポリヌクレオチドまたはその相補鎖、(4)アミノペ
プチダーゼB活性、および/またはH−アルギニン−7
−アミド−4−メチルクマリン・2塩酸を分解する活性
を有するペプチドをコードする、配列表の配列番号2に
記載の塩基配列からなるポリヌクレオチドまたはその相
補鎖、(5)前記(3)もしくは(4)のポリヌクレオ
チドまたはその相補鎖とストリンジェントな条件下でハ
イブリダイゼーションするポリヌクレオチド、(6)前
記(3)から(5)のいずれかのポリヌクレオチドを含
有する組換えベクター、(7)プラスミド pDONR
201/APB#4、(8)プラスミド pDEST1
7/hAPB#1、(9)前記(6)の組換えベクター
または前記(7)もしくは(8)のプラスミドで形質転
換された形質転換体、(10)前記(9)の形質転換体
を培養する工程を含む、前記(1)または(2)のペプ
チドの製造方法、(11)前記(1)もしくは(2)の
ペプチドを免疫学的に認識する抗体、(12)前記(1
1)の抗体であって、アミノペプチダーゼB活性を抑制
する抗体、(13)前記(1)もしくは(2)のペプチ
ドと相互作用してその活性を阻害もしくは促進する化合
物、および/または前記(3)から(5)のいずれかの
ポリヌクレオチドと相互作用してその発現を阻害もしく
は促進する化合物のスクリーニング方法であって、前記
(1)もしくは(2)のペプチド、前記(3)から
(5)のいずれかのポリヌクレオチド、前記(6)のベ
クター、前記(7)もしくは(8)のプラスミド、前記
(9)の形質転換体、または前記(11)もしくは(1
2)の抗体のうちの、少なくともいずれか一つを用いる
ことを特徴とするスクリーニング方法、(14)前記
(1)もしくは(2)のペプチドと相互作用してその活
性を阻害もしくは促進する化合物、および/または前記
(3)から(5)のいずれかのポリヌクレオチドと相互
作用してその発現を阻害もしくは促進する化合物の同定
方法であって、化合物と該ペプチドまたは該ポリヌクレ
オチドとの相互作用を可能にする条件下で、該ペプチド
または該ポリヌクレオチドと化合物とを接触させ、次い
で、化合物と該ペプチドまたは該ポリヌクレオチドとの
相互作用により生じるシグナルの存在もしくは不存在ま
たは変化を検出することにより、化合物が該ペプチドま
たはポリヌクレオチドと相互作用して、該ペプチドの活
性または該ポリヌクレオチドの発現を阻害または促進す
るかどうかを決定する方法、(15)前記(1)もしく
は(2)のペプチドと相互作用してその活性を阻害もし
くは促進する化合物、および/または前記(3)から
(5)のいずれかのポリヌクレオチドと相互作用してそ
の発現を阻害もしくは促進する化合物の同定方法であっ
て、前記(9)の形質転換体と化合物とを接触させ、前
記(1)もしくは(2)のペプチドの発現の有無を検出
することのできるシグナルおよび/またはマーカーを使
用する系を用い、このシグナルおよび/またはマーカー
の存在もしくは不存在または変化を検出することによ
り、化合物が前記(1)もしくは(2)のペプチドの発
現を促進または阻害するかどうかを決定する方法、(1
6)前記(13)から(15)のいずれかの方法によっ
て得られた化合物、(17)前記(1)もしくは(2)
のペプチドと相互作用してその活性を阻害もしくは促進
する化合物、または前記(3)から(5)のいずれかの
ポリヌクレオチドと相互作用してその発現を阻害もしく
は促進する化合物、(18)前記(1)もしくは(2)
のペプチド、前記(3)から(5)のいずれかのポリヌ
クレオチド、前記(6)のベクター、前記(7)もしく
は(8)のプラスミド、前記(9)の形質転換体、前記
(11)もしくは(12)の抗体、または前記(16)
もしくは(17)の化合物のうちの、少なくともいずれ
か一つを含有することを特徴とする医薬組成物、(1
9)前記(1)もしくは(2)のペプチド、前記(3)
から(5)のいずれかのポリヌクレオチド、前記(6)
のベクター、前記(7)もしくは(8)のプラスミド、
前記(9)の形質転換体、前記(11)もしくは(1
2)の抗体、または前記(16)もしくは(17)の化
合物のうちの、少なくともいずれか一つを含有すること
を特徴とする抗炎症剤、(20)前記(1)もしくは
(2)のペプチドの発現または活性に関連した炎症性疾
患の診断のための測定方法であって、(a)該ペプチド
をコードしている核酸および/または(b)試料中の該
ペプチドをマーカーとして分析することを含む測定方
法、(21)前記(1)もしくは(2)のペプチド、前
記(3)から(5)のいずれかのポリヌクレオチド、ま
たは前記(11)もしくは(12)の抗体のうちの、少
なくとも1つを含んでなる、(a)該ペプチドをコード
している核酸および/または(b)試料中の該ペプチド
をマーカーとして分析することを含む測定方法に使用す
る試薬キット、からなる。
【0006】
【発明の実施の形態】(ヒトAPB)本発明において提
供されるヒトAPBは、ヒトcDNAライブラリー(G
enBank)からラットAPBとのホモロジー検索を
行って選出したもの(AK026644;Kat118
53)について、その全長cDNAを決定して得た遺伝
子がコードするペプチドである。該遺伝子は、ラットの
APBと高い相同性を示し、その遺伝子産物はアミノペ
プチダーゼB活性を有し、合成基質H−アルギニン−7
−アミド−4−メチルクマリン・2塩酸(H−Arg−
AMC・2HCl)を分解できる。また、該遺伝子産物
は650残基のアミノ酸からなり、322番目のバリン
(Val)から331番目のトリプトファン(Trp)
に亜鉛金属プロテアーゼ(zinc metallop
rotease)モチーフを有していた。これらのこと
から、本発明で取得した遺伝子は新規な亜鉛金属ペプチ
ダーゼをコードしていることが確認された。また、該遺
伝子産物の325番目のヒスチジン(His)から34
8番目のグルタミン酸(Glu)には、ラットAPBと
同様に、ロイコトリエンA4加水分解酵素と類似するモ
チーフが存在することが判明した。以下、この遺伝子を
APB遺伝子と呼び、その遺伝子産物をAPBと呼ぶ。
【0007】前記APB遺伝子の塩基配列は2001年
3月にGenBankに開示されているもの(アクセッ
ション番号:BC001064)と同一であり、その推
定アミノ酸配列は2000年12月にNational
Institutes of Health,Mam
malian Gene Collectionにより
公知となっている(http://www.ncbi.
nlm.nih.gov.AAH01064)。しか
し、それらは単に塩基配列もしくは推定アミノ酸配列を
開示するのみであり、その機能や有用性等に関する開示
や示唆は一切なかった。
【0008】(ペプチド)本発明は、上記APBおよび
その由来物であるペプチドを提供する。ここで、ペプチ
ドとはアミノ酸が2分子以上ペプチド結合で連結した物
質を意味し、蛋白質、ポリペプチド、オリゴペプチド等
を包含する。
【0009】本発明に係るAPBは、上記APB遺伝子
がコードするペプチドであり、該遺伝子を大腸菌等の細
胞で発現させて得られたペプチドである。該ペプチド
は、配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる
ペプチドであり得る。また、本発明に係るペプチドは、
配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるペプ
チドを含有するペプチドであってもよい。
【0010】また、本発明に係るペプチドは配列表の配
列番号1に記載のアミノ酸配列からなるペプチドと、ア
ミノ酸配列上で約40%以上、好ましくは約70%以
上、より好ましくは約80%以上、さらに好ましくは約
90%、特に好ましくは約95%以上の相同性を有し、
かつ少なくともAPB活性および/または合成基質 H
−Arg−AMC・2HCl を分解する活性を有する
ペプチドであってもよい。アミノ酸配列の相同性を決定
する方法は自体公知であり、例えばアミノ酸配列を直接
決定する方法、cDNAの塩基配列を決定後これにコー
ドされるアミノ酸配列を推定する方法等を挙げることが
できる。本発明に係るペプチドは、相同性をもつペプチ
ドから、少なくともAPB活性および/または合成基質
H−Arg−AMC・2HCl を分解する活性を指標
にして選別することができる(Neuroscienc
e Research 9,73−81,1991)。
【0011】さらに、上記ペプチドを基にして、少なく
ともAPB活性および/または合成基質 H−Arg−
AMC・2HCl を分解する活性を指標とすることに
より、1個以上、例えば1〜100個、好ましくは1〜
30個、より好ましくは1〜20個、さらに好ましくは
1〜10個、特に好ましくは1個ないし数個のアミノ酸
の欠失、置換、付加あるいは挿入といった変異を有する
アミノ酸配列からなるペプチドも提供される。欠失、置
換、付加あるいは挿入の手段は自体公知であり、例え
ば、部位特異的変異導入法、遺伝子相同組換え法、プラ
イマー伸長法、またはポリメラーゼ連鎖増幅法(PC
R)等を、単独または適宜組み合わせて、例えばサムブ
ルック等編[モレキュラークローニング,ア ラボラト
リーマニュアル 第2版]コールドスプリングハーバー
ラボラトリー,1989、村松正實編[ラボマニュアル
遺伝子工学]丸善株式会社,1988、エールリッヒ,
HE.編[PCRテクノロジー,DNA増幅の原理と応
用]ストックトンプレス,1989等の成書に記載の方
法に準じて、あるいはそれらの方法を改変して実施する
ことができ、例えばUlmerの技術(Scienc
e,219,666,1983)を利用することができ
る。
【0012】上記のような変異の導入において、当該ペ
プチドの基本的な性質(物性、活性、または免疫学的活
性等)を変化させないという観点から、例えば、同族ア
ミノ酸(極性アミノ酸、非極性アミノ酸、疎水性アミノ
酸、親水性アミノ酸、陽性荷電アミノ酸、陰性荷電アミ
ノ酸、芳香族アミノ酸等)の間での相互置換は容易に想
定される。
【0013】また、本発明は、配列表の配列番号1に記
載のアミノ酸配列からなるペプチドの部分配列を有する
ペプチドをも包含する。これらは例えば試薬、標準物
質、免疫原等として利用できる。本発明に係るペプチド
は、最小単位として、4〜8個以上のアミノ酸、好まし
くは10個以上のアミノ酸、より好ましくは12個以
上、さらに好ましくは15個以上の連続するアミノ酸か
らなるものであり、好ましくは免疫学的に認識され得る
ペプチド、例えばエピトープペプチドである。
【0014】本発明に係るペプチドは、試薬、標準物
質、または後述するようにAPBに特異的な抗体を作製
するための抗原として単独またはキャリア(例えば、キ
ーホールリンペットヘモシアニンまたは卵白アルブミン
等)と結合して使用できる。これらのように別種の蛋白
質または物質を結合したペプチドも本発明の範囲に包含
される。
【0015】本発明においては、配列表の配列番号1に
記載のアミノ酸配列からなるペプチドと同様のAPB酵
素活性を有するペプチドまたはその最小活性単位(領域
もしくはドメイン)も提供されるが、それら以外にも、
活性の強度または基質特異性を変更したペプチドが提供
される。これらは、例えばAPB活性様物質もしくはA
PB拮抗物質として、またはAPB活性を調節する物質
のスクリーニング等において有用である。
【0016】さらに、本発明に係るペプチドの検出また
は精製を容易にするために、あるいは別の機能を付加す
るために、N末端側やC末端側に別のペプチド、例えば
アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、Ig
G等の免疫グロブリンFc断片、またはFLAG−ta
g等のペプチドを、直接またはリンカーペプチド等を介
して間接的に、遺伝子工学的手法等を用いて付加するこ
とは当業者には容易であり、これらの別の物質を結合し
たペプチド等も本発明の範囲に包含される。
【0017】(ポリヌクレオチド)本発明は、上記ペプ
チドをコードするポリヌクレオチドおよびその相補鎖を
提供する。例えば、本発明に係るポリヌクレオチドは、
配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるペプ
チドをコードするポリヌクレオチドおよび該ポリヌクレ
オチドに対する相補鎖であり得る。好ましくは、配列表
の配列番号2に記載の塩基配列からなるポリヌクレオチ
ドである。
【0018】さらに本発明は、上記ポリヌクレオチドま
たはその相補鎖、好ましくは配列表の配列番号2に記載
の塩基配列からなるポリヌクレオチドまたはその相補鎖
の対応する領域にストリンジェントな条件下でハイブリ
ダイズするポリヌクレオチドを提供する。ハイブリダイ
ゼーションの条件は、例えばサムブルック等編[モレキ
ュラークローニング,ア ラボラトリーマニュアル 第
2版]コールドスプリングハーバーラボラトリー,(1
989)等に従うことができる。これらのポリヌクレオ
チドは目的のポリヌクレオチド、特に配列表の配列番号
2に記載の塩基配列からなるポリヌクレオチドまたはそ
の相補鎖にハイブリダイズするものであれば必ずしも相
補的配列でなくともよい。例えば、配列表の配列番号2
に記載の塩基配列からなるポリヌクレオチドまたはその
相補鎖に対する相同性において、少なくとも約40%、
例えば、約70%以上、好ましくは約80%以上、より
好ましくは約90%以上、さらに好ましくは約95%以
上の相同性を示すポリヌクレオチドでありうる。また本
発明に係るポリヌクレオチドは、指定された塩基配列の
領域に対応する連続する10個以上のヌクレオチド、好
ましくは15個以上、より好ましくは20個以上の配列
からなるポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチドおよび
その相補鎖を包含する。
【0019】これらのポリヌクレオチドは、本発明に係
るペプチド等の製造において有用である。さらに、AP
Bをコードする核酸、例えば、その遺伝子もしくはmR
NAの検出のためのプローブもしくはプライマーとし
て、または遺伝子発現を調節するためのアンチセンスオ
リゴヌクレオチド等として有用である。その意味で、本
発明に係るポリヌクレオチドは翻訳領域のみでなく、非
翻訳領域に対応するものも包含する。また、アンチセン
スオリゴヌクレオチドによってAPBの発現を特異的に
阻害するためには、APBに固有な領域の塩基配列を用
いることが好ましい。
【0020】またここで、APBまたは同様の活性を有
するペプチドをコードするポリヌクレオチドの塩基配列
の決定は、例えば公知の蛋白質発現系を利用して発現蛋
白質の確認を行い、その生理活性、少なくともAPB活
性および/または合成基質H−Arg−AMC・2HC
l を分解する活性を指標にして選別することにより行
うことができる。蛋白質発現系としては、例えば無細胞
蛋白質発現系を利用でき、小麦胚芽、家兎網状赤血球等
由来のリボソーム系の技術を利用できる(Natur
e、179、160〜161、1957)。
【0021】(組換えベクター)上記ポリヌクレオチド
を適当なベクターDNAに組み込むことにより、組換え
ベクターを得ることができる。使用するベクターDNA
は、天然に存在するものを抽出したもののほか、増殖に
必要な部分以外のDNAの部分が一部欠落しているもの
でもよい。ベクターDNAは、宿主の種類により選択さ
れ、発現目的の遺伝子配列と複製そして制御に関する情
報を担持した遺伝子配列、例えばプロモーター、リボソ
ーム結合部位、ターミネーター、シグナル配列、エンハ
ンサー等、とを構成要素とし、これらを自体公知の方法
により組み合わせて作製される。前記ベクターDNAに
本発明に係るポリヌクレオチドを組み込む方法は、自体
公知の方法を適用し得る。例えば、適当な制限酵素を選
択、処理してDNAを特定部位で切断し、次いで同様に
処理したベクターとして用いるDNAと混合し、リガー
ゼによって再結合する方法が用いられる。
【0022】本発明においては、ベクターDNAとして
プラスミドDNAを用い、後述する実施例中に示すよう
に、上記APB遺伝子を含むプラスミドである、プラス
ミドpDONR201/APB#4およびプラスミド
pDEST17/hAPB#1を作製した。
【0023】(形質転換体)本発明では、上記ポリヌク
レオチドをベクターDNAに組み込んで得られた組換え
ベクターを用いて、大腸菌、酵母、枯草菌、昆虫細胞、
または動物細胞等の自体公知の宿主を利用した遺伝子組
換え技術により、本発明に係るAPBならびにその由来
物からなるペプチドを提供可能である。
【0024】形質転換は、自体公知の手段が応用され、
例えばレプリコンとして、プラスミド、染色体、または
ウイルス等を利用して宿主の形質転換が行われる。より
好ましい系としては、遺伝子の安定性を考慮するなら
ば、染色体内へのインテグレート法であるが、簡便には
核外遺伝子を利用した自律複製系の利用である。本発明
の具体例においては、宿主として大腸菌を利用し、上記
プラスミドにより形質転換体を得たが、無論これに限定
されるものではない。
【0025】形質転換体は、自体公知の各々の宿主の培
養条件に最適な条件を選択して培養される。培養は、形
質転換体により発現されるAPBまたはその由来物から
なるペプチドの活性、特に少なくともAPB活性および
/または合成基質H−Arg−AMC・2HCl を分
解する活性を指標にして行ってもよいが、培地中の形質
転換体量を指標にして継代培養またはバッチ培養を行っ
てもよい。
【0026】(APBおよびその由来物の回収)上記形
質転換体を培養した培地からのAPBまたはその由来物
からなるペプチドの回収は、少なくともAPB活性およ
び/または合成基質H−Arg−AMC・2HCl を
分解する活性を指標にして、分子篩、イオンカラムクロ
マトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー等を
組み合わせるか、溶解度差に基づく硫安、アルコール等
の分画手段によっても精製回収できる。好ましくは、回
収しようとするペプチドのアミノ酸配列の情報に基づ
き、これらに対する抗体を作成し、ポリクローナル抗体
またはモノクロ−ナル抗体によって、特異的に吸着回収
する方法を用いる。
【0027】(抗体)抗体は、本発明に係るAPBまた
はその由来物からなるペプチドを抗原として用いて作製
する。抗原はAPB自体でもまたはその断片でもよく、
少なくとも8個、好ましくは少なくとも10個、より好
ましくは少なくとも12個、さらに好ましくは15個以
上のアミノ酸で構成される。APBに特異的な抗体を作
製するためには、該APBに固有なアミノ酸配列からな
る領域を用いることが好ましい。このアミノ酸配列は、
必ずしも配列表の配列番号1と相同である必要はなく、
蛋白質の立体構造上の外部への露出部位が好ましく、露
出部位のアミノ酸配列が一次構造上で不連続であって
も、該露出部位について連続的なアミノ酸配列であれば
よい。抗体は、免疫学的にAPBまたはその由来物から
なるペプチドを結合または認識する限り特に限定されな
い。この結合または認識の有無は、公知の抗原抗体結合
反応によって決定される。
【0028】抗体を産生するためには、自体公知の抗体
作製法を利用できる。例えば、本発明に係るAPBまた
はその由来物からなるペプチドを、アジュバントの存在
または非存在下で単独または担体に結合して動物に投与
し、体液性応答および/または細胞性応答等の免疫誘導
を行うことにより得られる。担体は、それ自体が宿主に
対して有害作用をおこさなければ特に限定されず、例え
ばセルロース、重合アミノ酸、アルブミン等が例示され
る。免疫される動物は、マウス、ラット、ウサギ、ヤ
ギ、ウマ等が好適に用いられる。
【0029】ポリクローナル抗体は、上記免疫手段を施
された動物の血清から自体公知の抗体回収法によって取
得される。好ましい手段として免疫アフィニティクロマ
トグラフィー法により得られる。
【0030】モノクロ−ナル抗体を生産するためには、
上記の免疫手段が施された動物から抗体産生細胞(例え
ば、脾臓またはリンパ節由来のリンパ球)を回収し、自
体公知の永久増殖性細胞(例えば、P3X63Ag8株
等のミエローマ株)への形質転換手段を導入することに
よって行われる。例えば、抗体産生細胞と永久増殖性細
胞とを自体公知の方法で融合させてハイブリドーマを作
成してこれをクローン化し、上記APBを特異的に認識
する抗体を産生するハイブリドーマを選別し、該ハイブ
リドーマの培養液から抗体を回収する。
【0031】かくして得られた、APBまたはその由来
物であるペプチドを認識し結合しうるポリクローナル抗
体またはモノクローナル抗体は、本発明に係るペプチド
の精製用抗体、試薬、または標識マーカー等として利用
できる。特にAPBの活性を抑制し得る抗体、例えばA
PBの酵素活性を抑制しうる抗体は、本発明からなるA
PBの活性を調節するために使用でき、そのためAPB
が関連する疾患、例えば炎症やアレルギー疾患等、の治
療・予防のために有用である。
【0032】(スクリーニング)本発明に係るAPBま
たはその由来物からなるペプチド、上記ポリヌクレオチ
ドおよびその相補鎖、上記ポリヌクレオチドを含有する
組換えベクター、該組換えベクターで形質転換された形
質転換体、上記プラスミド、ならびに上記APBまたは
その由来物からなるペプチドを免疫学的に認識する抗体
は、単独または複数を組み合わせることによって、上記
APBまたはその由来物からなるペプチドに対する活性
阻害剤または活性促進剤のスクリーニングに有効な手段
を提供する。例えば、上記ペプチドの立体構造に基づく
ドラッグデザインによる拮抗剤の選別、蛋白質合成系を
利用した遺伝子レベルでの発現調節剤の選別、抗体を利
用した抗体認識物質の選別等が、自体公知の医薬品スク
リーニングシステムを利用して構築可能である。
【0033】例えば、本発明に係るAPBまたはその由
来物からなるペプチドとスクリーニングされる化合物と
の間の相互作用を可能にする条件を選択し、該条件下で
これらペプチドと該化合物とを接触させて、その相互作
用により生じるシグナルの存在もしくは不存在または変
化を検出することにより、上記APBまたはその由来物
からなるペプチドの活性を促進または阻害する化合物を
同定可能である。具体的には、例えば、上記APBとス
クリーニングされる化合物とを接触させ、該APBの酵
素活性を定量することにより、該APBを阻害もしくは
促進する化合物を同定できる。APBの酵素活性は、簡
便には、合成基質 H−Arg−AMC・2HCl の
分解を指標として、分解により生じるAMCの蛍光強度
を測定することにより定量できる。上記検出のためのシ
グナルとしては、蛍光に限らず、APBの活性または生
理学的作用を検出しうるものであればよい。実際に、A
PBを阻害する化合物としてピューロマイシン(pur
omycin)が同定された(実施例5)。
【0034】また、本発明に係るAPBまたはその由来
物からなるペプチドをコードしているポリヌクレオチド
とスクリーニングされる化合物との間の相互作用を可能
にする条件を選択し、該条件下でこれらポリヌクレオチ
ドと該化合物とを接触させて、その相互作用により生じ
るシグナルの存在もしくは不存在または変化を検出する
ことにより、これらポリヌクレオチドに結合し得る化合
物を同定可能である。得られた化合物から、さらに形質
転換体を用いた下記の方法により、これらポリヌクレオ
チドの発現を阻害し得る化合物を同定可能である。
【0035】さらにまた、本発明に係る形質転換体を用
いて、スクリーニングされる化合物または上記得られた
化合物とを適当な条件下で接触させ、本発明に係るAP
Bの発現の有無または変化を検出することにより、該A
PBの発現を阻害または促進し得る化合物を同定可能で
ある。APBの発現の有無または変化を検出するには、
簡便には、発現されるAPBの酵素活性を、例えば合成
基質 H−Arg−AMC・2HCl の分解を指標と
して、分解により生じるAMCの蛍光シグナルを測定す
る。また、APBの発現の有無または変化を検出するた
めに、検出のためのシグナルもしくはマーカーを使用す
る系を導入し、このシグナルもしくはマーカーの存在も
しくは不存在または変化を検出してもよい。ここでシグ
ナルとは、そのもの自体がその物理的または化学的性質
により直接検出され得るものを指し、マーカーとはその
ものの物理的または生物学的性質を指標として間接的に
検出され得るものを指す。シグナルとしてはルシフェラ
ーゼやグリーン蛍光蛋白質(GFP)など、マーカーと
しては、レポーター遺伝子、例えばクロラムフェニコー
ルアセチルトランスフェラーゼ(CAT)遺伝子など、
または検出用のタグ、例えば6×Hisタグなど、公知
のものが利用できる。これらのシグナルまたはマーカー
を組み込んだベクターを作成し、該ベクターを形質転換
体に導入すればよい。また、これらのシグナルまたはマ
ーカーの検出方法は、当業者には周知のものである。
【0036】(化合物)上記手段で得られた化合物は、
本発明に係るAPBまたはその由来物からなるペプチド
に関する活性阻害剤、活性拮抗剤、または活性促進剤の
候補化合物として利用可能である。本発明に係るAPB
の活性を阻害する化合物として、ピューロマイシン等を
例示することができる。また、遺伝子レベルでの上記A
PBまたはその由来物に対する発現阻害剤または発現促
進剤の候補化合物としても利用可能である。これらの候
補化合物は、上記APBの発現や活性の増加、減少また
は欠失等が関連する各種病的症状、例えば炎症やアレル
ギー疾患等、の予防・治療効果が期待できる。
【0037】(医薬組成物)かくして選別された候補化
合物は、生物学的有用性と毒性のバランスを考慮して選
別することによって、医薬組成物として調製可能であ
る。また本発明からなるAPBまたはその由来物からな
るペプチド、本発明に係るポリヌクレオチドおよびその
相補鎖、本発明に係るポリヌクレオチドを含有するベク
ター、本発明に係るプラスミド、ならびにAPBまたは
その由来物からなるペプチドを免疫学的に認識する抗体
は、それ自体が、診断マーカーや試薬等の疾病診断手段
として、あるいはAPBの活性および/または発現を阻
害、拮抗、または促進する機能を利用した治療薬等(阻
害剤、拮抗剤、促進剤等)の医薬手段として使用するこ
とができる。すなわち本発明は、これらを単独または複
数組み合わせて利用することによって、これらのうち少
なくとも1つを含有する医薬組成物を提供する。なお、
製剤化にあたっては、自体公知のペプチド、蛋白質、ポ
リヌクレオチド、抗体等各対象に応じた製剤化手段を導
入すればよい。
【0038】本発明に係るヒトAPBの発現およびその
活性が過剰な場合、有効量の上記阻害剤を医薬上許容さ
れる担体とともに対象に投与して、当該APBの活性を
阻害し、そのことにより異常な症状を改善することがで
きる。さらに、発現ブロック法を用いて内在性の上記A
PBをコードしている遺伝子の発現を阻害してもよい。
細胞内で生成させた、あるいは別個に投与された当該遺
伝子のアンチセンス配列を使用して当該遺伝子の発現を
阻害できる。これらのオリゴヌクレオチドは、上記本発
明に係るポリヌクレオチドを基にして設計し合成でき
る。当該オリゴヌクレオチドはそれ自体投与することが
でき、あるいは関連オリゴマーをインビボで発現させる
こともできる。
【0039】本発明に係るAPBには、ラットAPBと
同様に、ロイコトリエンA4加水分解酵素と類似するモ
チーフが存在しており、特に炎症やアレルキー疾患等に
関与するものと考えられる。従って、上記阻害剤または
拮抗剤は、抗炎症作用を有するものとして有用である。
【0040】また、本発明に係るAPBの発現およびそ
の活性の減少や欠失等に関連する異常な症状の治療に
は、1つの方法として当該APB自体あるいはAPBを
コードする遺伝子を活性化する治療上有効量の促進剤を
医薬上許容される担体とともに投与し、そのことにより
異常な症状を改善することを特徴とする方法が挙げられ
る。あるいは、遺伝子治療を用いて、対象中の細胞内で
当該APBを生成せしめてもよい。上記ポリヌクレオチ
ドを利用した遺伝子治療は、公知の方法が利用できる。
例えば、上記のごとく本発明に係るポリヌクレオチドを
組み入れた複製欠損レトロウイルスベクターを作製して
遺伝子治療に利用すればよい。また、遺伝子治療におい
て、治療に使用する蛋白質を対象中において生成させる
こともできる。例えば、当該蛋白質をコードしているD
NAまたはRNAを用いて、例えばレトロウイルスプラ
スミドベクターを用いることによりエクスビボ (ex
vivo)において対象由来の細胞を処理し、次い
で、細胞を対象に導入することもできる。
【0041】(診断のための測定方法および試薬)本発
明に係るAPBおよびその由来物からなるペプチド,こ
れらをコードするポリヌクレオチドおよびその相補鎖、
ならびに当該APBおよびその由来物からなるペプチド
またはポリペプチドを免疫学的に認識する抗体は、それ
自体を単独で、診断マーカーや試薬等として使用可能で
ある。また本発明は、これらのうちの1種またはそれ以
上を充填した、1個またはそれ以上の容器を含んでなる
試薬キットも提供する。なお、製剤化にあたっては、自
体公知のペプチドまたはポリペプチド、蛋白質、ポリヌ
クレオチド、または抗体等それぞれに応じた製剤化手段
を導入すればよい。
【0042】本発明に係るAPBおよびその由来物から
なるペプチドの発現または活性に関連した疾患の診断手
段は、例えば当該APBをコードしている核酸との相互
作用や反応性を利用して、相応する核酸の存在量を決定
すること、および/または当該APBについて個体中の
生体内分布を決定すること、および/または当該APB
の存在、個体由来の試料中の存在量を決定することによ
って行われる。詳しくは、本発明に係るヒトAPBを診
断マーカーとして検定するのである。試料中の当該AP
Bの検出またはその存在量の決定に用いることができる
測定法は当業者に周知である。このような測定法には、
ラジオイムノアッセイ、競争結合アッセイ、ウェスタン
ブロット分析およびELISAアッセイ等がある。ま
た、本発明に係るヒトAPBをコードするポリヌクレオ
チドの検出法および定量法としては、例えば増幅、PC
R、RT−PCR、RNアーゼ保護、ノーザンブロッテ
ィングおよびその他のハイブリダイゼーション法を用い
てRNAレベルで測定することができる。
【0043】測定される試料として、個体由来の細胞、
例えば血液、尿、唾液、髄液、組織生検または剖検材料
等を挙げることができる。また、測定される核酸は、上
記各試料から自体公知の核酸調製法により得られる。核
酸は、ゲノムDNAを検出に直接使用してもよく、ある
いは分析前にPCRもしくはその他の増幅法を用いるこ
とにより酵素的に増幅してもよい。RNAまたはcDN
Aを同様に用いてもよい。正常遺伝子型との比較におい
て、増幅生成物のサイズ変化により欠失および挿入を検
出することができる。増幅DNAを標識した上記APB
をコードするDNAにハイブリダイゼーションさせるこ
とにより点突然変異を同定することができる。
【0044】上記測定により本発明に係るAPBおよび
該APBをコードするDNAの変異、減少、増加を検出
することにより、当該APBが関連する疾患、例えば、
炎症やアレルギー疾患等の診断が可能となる。
【0045】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明
するが、本発明は下記の実施例に限定されない。
【0046】
【実施例1】ヒトAPBの同定 GenBankのヒトcDNAライブラリーから、バイ
オインフォーマティクス(bioinformatic
s)によるラットAPBとのホモロジー検索を行い、該
モチーフを有するcDNA(アクセッション番号AK0
26644;Kat11853)を選出した。該cDN
AはN末端側の一部が欠失していると考えられたため、
その全長cDNAを決定するために、ゲノムDNAのデ
ータベースを基にN末端側の配列を予想し、PCRに用
いる下記のプライマー(表1)を設計してRT−PCR
法により欠失している部分をクローニングした(図
1)。
【0047】
【表1】
【0048】(逆転写反応:cDNA化)まず、ヒト脳
由来mRNAを鋳型としてGIBCO BRL社のSU
PERSCRIPT IIキットを使用して逆転写反応
を行った。オリゴ(dT12− 18)プライマー〔ol
igo(dT12−18)primer〕(0.5μg
/μl)1μlあるいはランダムプライマー(rand
om primer)(50ng/μl)1μl、ヒト
脳由来mRNA(1μg/μl)0.2μl、H
10.8μlを混合し、70℃で10分間加熱して氷冷
後、5× First Strand buffer
4μl、0.1M SUPER SCRIPT II
2μl、10mM dNTP Mix 1μlを添加し
た。続いてSUPER SCRIPT II(200U
/μl)を1μl添加して室温で10分間、42℃で5
0分間、70℃で15分間反応を行い、ヒト脳由来mR
NAからcDNAを調製した。
【0049】(PCR反応)PCR反応はベーリンガー
社 Expand High FidelityPCR
Systemを使用して行った。各プライマーの組み
合わせで、以下に示すMix1とMix2のそれぞれ2
5μlを混合し、下記条件でPCR反応を行った。
【0050】
【0051】 (Mix2) 10× Expand HF buffer 5μl Expand HF(3.5U/ml) 0.8μlO 19.2μl 25μl
【0052】 PCR運転条件 《Pr−KAT−S05とPr−KAT−AS02の組み合わせ、Pr−KAT −S09とPr−KAT−AS10の組み合わせの時》 プレ(pre) 95℃ 3分間 1 95℃ 30秒間 2 56℃ 30秒間 3 72℃ 1分間 (ステップ1−3は10サイクル) 4 95℃ 30秒間 5 62℃ 30秒間 6 72℃ 1分間 (ステップ4−6は25サイクル) ポスト(post)72℃ 3分間
【0053】 《Pr−KAT−S03とPr−KAT−AS04の組み合わせの時》 プレ(pre) 94℃ 3分間 1 94℃ 30秒間 2 56℃ 30秒間 3 72℃ 2分間 (ステップ1−3は30サイクル) ポスト(post)72℃ 3分間
【0054】(サブクローニング)ランダムプライマー
を用いて得られたcDNAを鋳型とし、Pr−KAT−
S05とPr−KAT−AS02の組み合わせ、または
Pr−KAT−S09とPr−KAT−AS10の組み
合わせを用いて得られたPCR産物を電気泳動(1%
アガロースゲル)により精製した。その後、得られた各
PCR産物をTaKaRa社のBKLキットを用いて平
滑末端化およびリン酸化処理した。PCR反応液 2μ
l、10× Blunting Kination b
uffer2μl、Blunting Kinatio
n Enzyme Mix 1μl、HO 15μl
を37℃で10分間反応させた後、micropure
−EZフィルターカップにアプライし、15000rp
mで30秒間遠心処理した。通過したPCR産物の一部
をpBluescript(KS−)ベクター(Sma
I消化後BAP処理)とライゲーションし、コンピテン
トセル(JM109)にトランスフォーメーションし
た。オリゴ(dT12−18)プライマーを用いて得ら
れcDNAを鋳型とし、Pr−KAT−S03とPr−
KAT−AS04の組み合わせを使用して得られたPC
R産物はpBluescript(SK−)ベクターを
用いて前記同様に処理し、コンピテントセル(JM10
9)にトランスフォーメーションした。トランスフォー
メーション後、大腸菌コロニーについてPCR(パーキ
ンエルマー社 Ampli−Taq使用)によりインサ
ート(PCR産物)の有無および方向を確認し、塩基配
列の確認を行った。
【0055】(cDNAライブラリー・スクリーニン
グ)5′側領域のサブクローニングについては、データ
ベース上で予想した領域の一部を除き、前記ヒト脳由来
mRNAより行ったRT−PCRではクローニングでき
なかった。この領域はGCリッチであるため増幅されに
くいと考えられた。そこで前記サブクローニングしたク
ローンのうちKat11853の3′側約600bpを
プローブとしてヒト脳由来cDNAライブラリーよりハ
イブリダイゼーションを行った。
【0056】(5′側領域のサブクローニング)ヒト脳
由来cDNAライブラリーを鋳型として直接PCRでク
ローニングを行った。CLONTECH社 Advan
tage−GC cDNA PCR Kitを用い、最
初にPr−λgt11−S1とPr−KAT−AS06
の組み合わせでPCRを行った。続いてそのPCR反応
液を鋳型としてPr−KAT−S07とPr−KAT−
AS06の組み合わせ、または Pr−KAT−S07
とPr−KAT−AS08の組み合わせでPCRを行っ
た(図2)。
【0057】PCR産物を電気泳動(1% アガロース
ゲル)により精製した。その後得られたPCR産物をT
aKaRa社のBKLキットを用い平滑末端化およびリ
ン酸化処理した。PCR反応液 5μl、10× Bl
unting Kination buffer 2μ
l、Blunting Kination Enzym
e Mix 1μl、HO 10μlを混合して37
℃で10分間反応させた後、micropure−EZ
フィルターカップに添加し、15000rpmで30秒
間遠心処理した。通過したPCR産物の一部をpBlu
escript(SK−)ベクター(SmaI消化後B
AP処理)とライゲーションし、その後該ベクターをコ
ンピテントセル(JM109)に形質転換(trans
formation)した。形質転換後の大腸菌コロニ
ーについてPCR(パーキンエルマー社 Ampli−
Taq使用)によりインサート(PCR産物)の有無お
よび方向を確認し、塩基配列の確認を行った。
【0058】(全長cDNAの構築)ヒト脳由来cDN
AライブラリーよりPr−KAT−S07とPr−KA
T−AS08の組み合わせで行ったPCRでサブクロー
ニングしたpBS/APB(7−8)#19と、前記R
T−PCRでサブクローニングした領域(3クローン)
をつなぎ合せて全長cDNA〔pBS/APB(7−
4)#1〕を構築した(図3)。
【0059】(ヒトAPBの同定)ヒトAPBは650
残基のアミノ酸からなり322番目のValから331
番目のTrpに亜鉛金属プロテアーゼモチーフを有して
いた。発現に用いたヒトAPBはゲノムDNAのデータ
ベースおよびGenBankの塩基配列と比較すると数
塩基異なっていた。5、6番目のTTがCG(Val→
Ala)、866番目のCがT(Pro→Leu)、1
337番目のGがA(Arg→Lys)、1428番目
のCがT(Gly→Gly)となっていたがPCRによ
る変異ではないと考えられた。塩基配列を配列表の配列
番号2に示した。
【0060】
【実施例2】大腸菌発現ベクターの構築 (エントリーベクターの構築)(1) 実施例1で得られた全長cDNAの大腸菌での発現ベク
ターおよび発現系の構築をSTRATAGENE社 G
ateway System Kitを用いて行った。
pBS/APB(7−4)#1を鋳型とし、CLONT
ECH社 Advantage−GC cDNA PC
R Kitにより、下記に示すプライマー(表2)を用
いて目的遺伝子の蛋白質翻訳領域の増幅を行った。
【0061】
【表2】
【0062】次にPCR産物をTE−bufferで2
00μlとし30%PEG8000/30mM MgC
を100μl添加し、室温で遠心処理(15000
rpmで10分間)した後、ペレットを70%エタノー
ルで洗浄して乾燥し、TE−buffer 10μlに
溶解した。その後PCR産物1μl、エントリーベクタ
ー(pDONR201:150ng/μl)0.5μ
l、BP clonase reaction buf
fer 1μl、TE−buffer 1.5μlを氷
上で混合(合計4μl)し、BP clonase e
nzyme mix 1μlを添加後25℃で1時間反
応させた。反応後、proteinaseK 0.5μ
lを添加し、37℃で10分間インキュベーションして
酵素ミックスを失活させた。この反応液1μlをコンピ
テントセル(JM109)に形質転換し、サブクローニ
ングした後pDONR201/APB#1およびpDO
NR201/APB#3を得た。
【0063】(エントリーベクターの構築)(2) pDONR201/APB#1のAPB翻訳領域のシー
クエンスを行ったところ、1748番目のAがGに変異
していた。pDONR201/APB#3について、p
DONR201/APB#1で変異が確認された箇所前
後のシークエンスを行ったところ、変異は確認されなか
ったので、PvuI(エントリーベクター内制限酵素部
位)およびEcoRV消化により変異部分を除去したp
DONR201/APB#1に、pDONR201/A
PB#3からPvuIおよびEcoRV消化により得た
約2kbp断片を結合し、新たにpDONR201/A
PB#4を構築した(図4)。
【0064】(発現ベクターの構築)pDONR201
/APB#4を用い、6×ヒスチジン(His)タグと
の融合蛋白質として発現するベクターを構築した。pD
ONR201/APB#4(50ng/μl)1μl、
6×Hisタグ発現ベクター(pDEST17:150
ng/μl)0.5μl、LR clonase re
action buffer 1μl、TE−buff
er 1.5μlを氷上で混合(合計4μl)し、LR
clonase enzyme mix 1μlを添
加後25℃で1時間反応させた。反応後protein
ase K 0.5μlを添加し、37℃で10分間イ
ンキュベーションして酵素ミックスを失活させた。この
反応液1μlをコンピテントセル(BL21−SI)に
形質転換させ、発現ベクター(pDEST17/hAP
B#1)を得た(図5)。
【0065】
【実施例3】(大腸菌発現系の構築)pDEST17/
hAPB#1についてNaClによる目的蛋白質の産生
誘導について検討した。大腸菌(BL21−SI)をL
B−Amp〔NaCl(−)〕10mlで37℃にて一
晩培養した。この前培養液を6ml添加したLB−Am
p〔NaCl(−)〕合計66mlでOD600が1.
0前後となるまで37℃で2.5時間本培養した。得ら
れた培養液を31mlずつに分注し、その一方に5M
NaClを1.86ml添加(終濃度0.3M)し、さ
らに37℃で3時間培養した。またネガティブコントロ
ールとしてHOを1.86ml添加し同様に培養し
た。培養後、各培養液(10mlまたは1.5ml)を
遠心処理し集菌した。
【0066】得られた大腸菌ペレット(培養液1.5m
l分)を2% SDS/20mMTris(pH7.
4)300ml にけん濁し、超音波処理後に遠心処理
(15000rpmで10分間、10℃)した。遠心処
理上清を2−メルカプトエタノールを含む2× サンプ
ルバッファー(2% SDS/50mM Tris(p
H8.0)/30% グリセロール/0.01% ブロ
モフェノールブルー)と等量ずつ混合し、煮沸(boi
ling)2分間後、5−20% ポリアクリルアミド
ゲルにてSDS−PAGEを行った。
【0067】その結果、実施例1で得られた全長cDN
Aがコードする蛋白質と6×Hisタグとの融合蛋白質
と考えられる約74kDのバンドが検出された。またコ
ントロール実験として同様に他系統のプロテアーゼであ
るユビキチン特異プロテアーゼ(USP)についても検
討し産生誘導を示した(図6)。
【0068】
【実施例4】酵素活性の検討:Neuroscienc
e Research Communications
9,73−81,1991 (試料の調整)実施例3と同様の方法で得た大腸菌ペレ
ット(培養液10ml分)を50mMNaPO(pH
6.5)/150mM NaCl 1ml にけん濁
し、超音波処理後に遠心処理(15000rpmで10
分間、4℃)した。遠心処理後の大腸菌粗抽出液(cr
ude extract)を用い、総蛋白質量の定量を
行った。定量にはPIERCE社のBCA assay
キットを用いた。検量線はウシ血清アルブミン(BS
A)(HO中2mg/ml)を用い、1mg/mlよ
りHOで倍々希釈(7段階)した標準液より作製し
た。抽出液は原液よりHOで倍々希釈(8段階)し
た。標準液および希釈した各抽出液を96穴プレートに
50μl/ウエルずつ分注し、試薬Aと試薬Bを50:
1の割合で混合し、それを200μl/ウエルずつ分注
し混合、37℃で30分間反応させてOD550を測定
した。検量線より各抽出液の総蛋白質量を算出した。
遠心処理上清の一部を2−メルカプトエタノールを含む
2× サンプルバッファー(2%SDS/50mM T
ris(pH8.0)/30% グリセロール/0.0
1% ブロモフェノールブルー)と等量ずつ混合して2
分間煮沸後、5−20%ポリアクリルアミドゲルにて泳
動した。その後ウェスタンブロッティングを行い可溶性
画分での目的蛋白質の存在について検討した。PVDF
メンブレンを100% メタノールで15秒間、H
で2分間振とう前処理し、泳動したゲルからセミドライ
法で100mAにて1時間転写した。転写後、PVDF
メンブレンを3% BSAを含むTBS−T(10mM
Tris(pH7.5)/150mM NaCl/
0.05% Tween20)で室温1時間ブロッキン
グし、抗Hisタグ抗体(Penta−His mou
se IgG:0.2mg/ml)を3% BSA/T
BS−Tで2000倍希釈して加え、室温で1時間反応
させた。反応後にPVDFメンブレンをTBS−Tで1
0分間洗浄することを3回繰り返し、次いで二次抗体
(HRP−anti mouse IgG)を10%
スキムミルク/TBS−Tで3000倍希釈して加え、
室温で1時間反応させた。反応後にPVDFメンブレン
をTBS−Tで10分間3回洗浄した。その後Enha
nced ChemiLuminescence(EC
L)キットおよびHyper filmを用いてシグナ
ルを検出し、試料とした。コントロール実験として脱ユ
ビキチン活性が認められたUSP(pDEST17/U
SP#5)についても同様に誘導後3時間のSDS−P
AGEおよびウェスタンブロッティングを行った(図
7)。
【0069】前記の通り蛋白質補正して調製した大腸菌
粗抽出液(50mM NaPO(pH6.5)/15
0mM NaCl抽出液)を用い、酵素活性について検
討を行った。各抽出液を総蛋白質量1.5mg/mlと
なるように50mM NaPO(pH6.5)/15
0mM NaClで希釈し、これを原液として倍々希釈
(7段階)し、96穴プレートに100μl/ウエルず
つ分注した。合成基質H−Arg−AMC・2HCl
(BACHEM社)を75.4mMとなるよう80%酢
酸に溶解した後にさらに50mM NaPO4(pH
6.5)/150mM NaClで300倍希釈(0.
25mM)し、100μl/ウエルずつ分注して混合
し、37℃で30分間反応させた。反応後、蛍光強度を
励起波長(excitation)360±10nm/
放出波長(emission)460±10nmにて測
定した。その結果、NaClによる誘導を行った大腸菌
粗抽出液は高い酵素活性を示したが、未誘導のものでは
酵素活性がほとんど認められなかった(図8)。
【0070】
【実施例5】活性阻害の検討:Neuroscienc
e Research Communications
9,73−81,1991 阻害剤(ピューロマイシン)を用い酵素活性について検
討した。各大腸菌抽出液を総蛋白質量0.6mg/ml
となるように50mM NaPO(pH6.5)/1
50mM NaClで希釈し、これを原液として倍々希
釈(7段階)し、96穴プレートに100μl/ウエル
ずつ分注した。さらに0.8mM ピューロマイシンを
含む合成基質H−Arg−AMC・2HCl(0.25
mM)を100μl/ウエルずつ分注して混合し、37
℃で30分間反応させた。反応後、蛍光強度を励起波長
360±10nm/放出波長460±10nmで測定し
た。その結果、総蛋白質濃度が37.5μg/mlの場
合、酵素活性は約80%阻害された(図9)。以上のこ
とからここで同定したAPBは酵素活性を有しているこ
とが認められた。
【0071】
【実施例6】(ノーザンブロッティング)本遺伝子につ
いて各臓器での発現パターンについてノーザンブロッテ
ィングを行い検討した。プローブのラベリングにはアマ
シャムファルマシア社 AlkPhos Direc
t、シグナルの検出には同社 CDP−Starを使用
した。DNA断片(pBS/APB(7−4)#1→B
amHI、PstI消化:目的遺伝子全長約2kbp)
をHOで10ng/μlに希釈し、その10μlを熱
変性(95℃で5分間)させて氷中で急冷した。その
後、反応バッファー10μl、ラベリング・バッファー
2μl、クロスリンカー溶液(cross−linke
r solution 1:HO 4)10μlを添
加して混合し、37℃で30分間反応させた。メンブレ
ン(CLONTECH社 Humanmulti ti
ssue northern blot)をキット(A
lkPhos Direct)付属のハイブリダイゼー
ション・バッファーで55℃にて45分間プレハイブリ
ダイゼーションした。続いて、ラベリングしたプローブ
の全量を、ハイブリダイゼーション・バッファー13m
lに混合し55℃で一晩ハイブリダイゼーションさせ
た。その後、一次洗浄バッファーにより55℃での10
分間の洗浄を2回行い、次に二次洗浄バッファーで室温
にて5分間の洗浄を2回行った。洗浄後、検出試薬50
0μlを添加して室温で5分間反応させた後ラップで覆
いX線フィルム(X−ray film)(フジフィル
ム)に一晩露光した。露光後にフィルムを現像した。
【0072】その結果、心臓、胎盤、肺、肝臓、骨格
筋、腎臓、膵臓で約5kbのバンドが検出された(図1
0)。臓器によってシグナルの強さが異なり骨格筋、腎
臓、膵臓で強く認められた。
【0073】
【発明の効果】GenBankのヒトcDNAライブラ
リーより選出したクローン(AK026644;Kat
11853)を基に全長cDNAを決定して得られた遺
伝子はアミノペプチダーゼB活性を有する蛋白質をコー
ドすることが確認できた。この遺伝子はラットAPBと
アミノ酸で80%以上の相同性を示しており、ノーザン
ブロッティングの結果から各臓器での発現が認められ、
その発現パターンについてもラットAPBと類似してい
た。ラットAPBは、炎症やアレルギー反応の伝達物質
であるロイコトリエンA4の加水分解酵素と類似したモ
チーフを有しており、細胞膜内に存在し、細胞外にも分
泌される蛋白質である。本発明に係る遺伝子にもロイコ
トリエンA4加水分解酵素と類似したモチーフが325
番目のヒスチジンから348番目のグルタミン酸からな
る領域に存在していた。したがって、本蛋白質(AP
B)は炎症の場で重要な役割を担っていることが示唆さ
れ、本蛋白質の酵素阻害薬が抗炎症薬となる可能性が強
く示唆された。かくして、本発明に係るAPB、その由
来物であるペプチド、ならびにこれらをコードするポリ
ヌクレオチドは、APBに関連する疾病、例えば炎症や
アレルギー疾患等、の予防・治療薬および/または診断
手段として有用である。
【0074】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> DAIICHI PHARMACEUTICAL CO., LTD <120> Aminopeptidase B <130> NP01-1042 <140> <141> <160> 2 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 650 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 1 Met Ala Ser Gly Glu His Ser Pro Gly Ser Gly Ala Ala Arg Arg Pro 1 5 10 15 Leu His Ser Ala Gln Ala Val Asp Val Ala Ser Ala Ser Asn Phe Arg 20 25 30 Ala Phe Glu Leu Leu His Leu His Leu Asp Leu Arg Ala Glu Phe Gly 35 40 45 Pro Pro Gly Pro Gly Ala Gly Ser Arg Gly Leu Ser Gly Thr Ala Val 50 55 60 Leu Asp Leu Arg Cys Leu Glu Pro Glu Gly Ala Ala Glu Leu Arg Leu 65 70 75 80 Asp Ser His Pro Cys Leu Glu Val Thr Ala Ala Ala Leu Arg Arg Glu 85 90 95 Arg Pro Gly Ser Glu Glu Pro Pro Ala Glu Pro Val Ser Phe Tyr Thr 100 105 110 Gln Pro Phe Ser His Tyr Gly Gln Ala Leu Cys Val Ser Phe Pro Gln 115 120 125 Pro Cys Arg Ala Ala Glu Arg Leu Gln Val Leu Leu Thr Tyr Arg Val 130 135 140 Gly Glu Gly Pro Gly Val Cys Trp Leu Ala Pro Glu Gln Thr Ala Gly 145 150 155 160 Lys Lys Lys Pro Phe Val Tyr Thr Gln Gly Gln Ala Val Leu Asn Arg 165 170 175 Ala Phe Phe Pro Cys Phe Asp Thr Pro Ala Val Lys Tyr Lys Tyr Ser 180 185 190 Ala Leu Ile Glu Val Pro Asp Gly Phe Thr Ala Val Met Ser Ala Ser 195 200 205 Thr Trp Glu Lys Arg Gly Pro Asn Lys Phe Phe Phe Gln Met Cys Gln 210 215 220 Pro Ile Pro Ser Tyr Leu Ile Ala Leu Ala Ile Gly Asp Leu Val Ser 225 230 235 240 Ala Glu Val Gly Pro Arg Ser Arg Val Trp Ala Glu Pro Cys Leu Ile 245 250 255 Asp Ala Ala Lys Glu Glu Tyr Asn Gly Val Ile Glu Glu Phe Leu Ala 260 265 270 Thr Gly Glu Lys Leu Phe Gly Pro Tyr Val Trp Gly Arg Tyr Asp Leu 275 280 285 Leu Phe Met Pro Pro Ser Phe Pro Phe Gly Gly Met Glu Asn Pro Cys 290 295 300 Leu Thr Phe Val Thr Pro Cys Leu Leu Ala Gly Asp Arg Ser Leu Ala 305 310 315 320 Asp Val Ile Ile His Glu Ile Ser His Ser Trp Phe Gly Asn Leu Val 325 330 335 Thr Asn Ala Asn Trp Gly Glu Phe Trp Leu Asn Glu Gly Phe Thr Met 340 345 350 Tyr Ala Gln Arg Arg Ile Ser Thr Ile Leu Phe Gly Ala Ala Tyr Thr 355 360 365 Cys Leu Glu Ala Ala Thr Gly Arg Ala Leu Leu Arg Gln His Met Asp 370 375 380 Ile Thr Gly Glu Glu Asn Pro Leu Asn Lys Leu Arg Val Lys Ile Glu 385 390 395 400 Pro Gly Val Asp Pro Asp Asp Thr Tyr Asn Glu Thr Pro Tyr Glu Lys 405 410 415 Gly Phe Cys Phe Val Ser Tyr Leu Ala His Leu Val Gly Asp Gln Asp 420 425 430 Gln Phe Asp Ser Phe Leu Lys Ala Tyr Val His Glu Phe Lys Phe Arg 435 440 445 Ser Ile Leu Ala Asp Asp Phe Leu Asp Phe Tyr Leu Glu Tyr Phe Pro 450 455 460 Glu Leu Lys Lys Lys Arg Val Asp Ile Ile Pro Gly Phe Glu Phe Asp 465 470 475 480 Arg Trp Leu Asn Thr Pro Gly Trp Pro Pro Tyr Leu Pro Asp Leu Ser 485 490 495 Pro Gly Asp Ser Leu Met Lys Pro Ala Glu Glu Leu Ala Gln Leu Trp 500 505 510 Ala Ala Glu Glu Leu Asp Met Lys Ala Ile Glu Ala Val Ala Ile Ser 515 520 525 Pro Trp Lys Thr Tyr Gln Leu Val Tyr Phe Leu Asp Lys Ile Leu Gln 530 535 540 Lys Ser Pro Leu Pro Pro Gly Asn Val Lys Lys Leu Gly Asp Thr Tyr 545 550 555 560 Pro Ser Ile Ser Asn Ala Arg Asn Ala Glu Leu Arg Leu Arg Trp Gly 565 570 575 Gln Ile Val Leu Lys Asn Asp His Gln Glu Asp Phe Trp Lys Val Lys 580 585 590 Glu Phe Leu His Asn Gln Gly Lys Gln Lys Tyr Thr Leu Pro Leu Tyr 595 600 605 His Ala Met Met Gly Gly Ser Glu Val Ala Gln Thr Leu Ala Lys Glu 610 615 620 Thr Phe Ala Ser Thr Ala Ser Gln Leu His Ser Asn Val Val Asn Tyr 625 630 635 640 Val Gln Gln Ile Val Ala Pro Lys Gly Ser 645 650 <210> 2 <211> 1953 <212> DNA <213> Homo sapiens <220> <221> CDS <222> (1)..(1953) <400> 2 atg gcg agc ggc gag cat tcc ccc ggc agc ggc gcg gcc cgg cgg ccg 48 Met Ala Ser Gly Glu His Ser Pro Gly Ser Gly Ala Ala Arg Arg Pro 1 5 10 15 ctg cac tcc gcg cag gct gtg gac gtg gcc tcg gcc tcc aac ttc cgg 96 Leu His Ser Ala Gln Ala Val Asp Val Ala Ser Ala Ser Asn Phe Arg 20 25 30 gcc ttt gag ctg ctg cac ttg cac ctg gac ctg cgg gct gag ttc ggg 144 Ala Phe Glu Leu Leu His Leu His Leu Asp Leu Arg Ala Glu Phe Gly 35 40 45 cct cca ggg ccc ggc gca ggg agc cgg ggg ctg agc ggc acc gcg gtc 192 Pro Pro Gly Pro Gly Ala Gly Ser Arg Gly Leu Ser Gly Thr Ala Val 50 55 60 ctg gac ctg cgc tgc ctg gag ccc gag ggc gcc gcc gag ctg cgg ctg 240 Leu Asp Leu Arg Cys Leu Glu Pro Glu Gly Ala Ala Glu Leu Arg Leu 65 70 75 80 gac tcg cac ccg tgc ctg gag gtg acg gcg gcg gcg ctg cgg cgg gag 288 Asp Ser His Pro Cys Leu Glu Val Thr Ala Ala Ala Leu Arg Arg Glu 85 90 95 cgg ccc ggc tcg gag gag ccg cct gcg gag ccc gtg agc ttc tac acg 336 Arg Pro Gly Ser Glu Glu Pro Pro Ala Glu Pro Val Ser Phe Tyr Thr 100 105 110 cag ccc ttc tcg cac tat ggc cag gcc ctg tgc gtg tcc ttc ccg cag 384 Gln Pro Phe Ser His Tyr Gly Gln Ala Leu Cys Val Ser Phe Pro Gln 115 120 125 ccc tgc cgc gcc gcc gag cgc ctc cag gtg ctg ctc acc tac cgc gtc 432 Pro Cys Arg Ala Ala Glu Arg Leu Gln Val Leu Leu Thr Tyr Arg Val 130 135 140 ggg gag gga ccc ggg gtt tgc tgg ttg gct ccc gag cag aca gca gga 480 Gly Glu Gly Pro Gly Val Cys Trp Leu Ala Pro Glu Gln Thr Ala Gly 145 150 155 160 aag aag aag ccc ttc gtg tac acc cag ggc cag gct gtc cta aac cgg 528 Lys Lys Lys Pro Phe Val Tyr Thr Gln Gly Gln Ala Val Leu Asn Arg 165 170 175 gcc ttc ttc cct tgc ttc gac acg cct gct gtt aaa tac aag tat tca 576 Ala Phe Phe Pro Cys Phe Asp Thr Pro Ala Val Lys Tyr Lys Tyr Ser 180 185 190 gct ctt att gag gtc cca gat ggc ttc aca gct gtg atg agt gct agc 624 Ala Leu Ile Glu Val Pro Asp Gly Phe Thr Ala Val Met Ser Ala Ser 195 200 205 acc tgg gag aag aga ggt cca aat aag ttc ttc ttc cag atg tgt cag 672 Thr Trp Glu Lys Arg Gly Pro Asn Lys Phe Phe Phe Gln Met Cys Gln 210 215 220 ccc atc ccc tcc tat ctg ata gct ttg gcc atc gga gat ctg gtt tcg 720 Pro Ile Pro Ser Tyr Leu Ile Ala Leu Ala Ile Gly Asp Leu Val Ser 225 230 235 240 gct gaa gtt gga ccc agg agc cgg gtg tgg gct gag ccc tgc ctg att 768 Ala Glu Val Gly Pro Arg Ser Arg Val Trp Ala Glu Pro Cys Leu Ile 245 250 255 gat gct gcc aag gag gag tac aac ggg gtg ata gaa gaa ttt ttg gca 816 Asp Ala Ala Lys Glu Glu Tyr Asn Gly Val Ile Glu Glu Phe Leu Ala 260 265 270 aca gga gag aag ctt ttt gga cct tat gtt tgg gga agg tat gac ttg 864 Thr Gly Glu Lys Leu Phe Gly Pro Tyr Val Trp Gly Arg Tyr Asp Leu 275 280 285 ctc ttc atg cca ccg tcc ttt cca ttt gga gga atg gag aac cct tgt 912 Leu Phe Met Pro Pro Ser Phe Pro Phe Gly Gly Met Glu Asn Pro Cys 290 295 300 ctg acc ttt gtc acc ccc tgc ctg cta gct ggg gac cgc tcc ttg gca 960 Leu Thr Phe Val Thr Pro Cys Leu Leu Ala Gly Asp Arg Ser Leu Ala 305 310 315 320 gat gtc atc atc cat gag atc tcc cac agt tgg ttt ggg aac ctg gtc 1008 Asp Val Ile Ile His Glu Ile Ser His Ser Trp Phe Gly Asn Leu Val 325 330 335 acc aac gcc aac tgg ggt gaa ttc tgg ctc aat gaa ggt ttc acc atg 1056 Thr Asn Ala Asn Trp Gly Glu Phe Trp Leu Asn Glu Gly Phe Thr Met 340 345 350 tac gcc cag agg agg atc tcc acc atc ctc ttt ggc gct gcg tac acc 1104 Tyr Ala Gln Arg Arg Ile Ser Thr Ile Leu Phe Gly Ala Ala Tyr Thr 355 360 365 tgc ttg gag gct gca acg ggg cgg gct ctg ctg cgt caa cac atg gac 1152 Cys Leu Glu Ala Ala Thr Gly Arg Ala Leu Leu Arg Gln His Met Asp 370 375 380 atc act gga gag gaa aac cca ctc aac aag ctc cgc gtg aag att gaa 1200 Ile Thr Gly Glu Glu Asn Pro Leu Asn Lys Leu Arg Val Lys Ile Glu 385 390 395 400 cca ggc gtt gac ccg gac gac acc tat aat gag acc ccc tac gag aaa 1248 Pro Gly Val Asp Pro Asp Asp Thr Tyr Asn Glu Thr Pro Tyr Glu Lys 405 410 415 ggt ttc tgc ttt gtc tca tac ctg gcc cac ttg gtg ggt gat cag gat 1296 Gly Phe Cys Phe Val Ser Tyr Leu Ala His Leu Val Gly Asp Gln Asp 420 425 430 cag ttt gac agt ttt ctc aag gcc tat gtg cat gaa ttc aaa ttc cga 1344 Gln Phe Asp Ser Phe Leu Lys Ala Tyr Val His Glu Phe Lys Phe Arg 435 440 445 agc atc tta gcc gat gac ttt ctg gac ttc tac ttg gaa tat ttc cct 1392 Ser Ile Leu Ala Asp Asp Phe Leu Asp Phe Tyr Leu Glu Tyr Phe Pro 450 455 460 gag ctt aag aaa aag aga gtg gat atc att cca ggt ttt gag ttt gat 1440 Glu Leu Lys Lys Lys Arg Val Asp Ile Ile Pro Gly Phe Glu Phe Asp 465 470 475 480 cga tgg ctg aat acc ccc ggc tgg ccc ccg tac ctc cct gat ctc tcc 1488 Arg Trp Leu Asn Thr Pro Gly Trp Pro Pro Tyr Leu Pro Asp Leu Ser 485 490 495 cct ggg gac tca ctc atg aag cct gct gaa gag cta gcc caa ctg tgg 1536 Pro Gly Asp Ser Leu Met Lys Pro Ala Glu Glu Leu Ala Gln Leu Trp 500 505 510 gca gcc gag gag ctg gac atg aag gcc att gaa gcc gtg gcc atc tct 1584 Ala Ala Glu Glu Leu Asp Met Lys Ala Ile Glu Ala Val Ala Ile Ser 515 520 525 ccc tgg aag acc tac cag ctg gtc tac ttc ctg gat aag atc ctc cag 1632 Pro Trp Lys Thr Tyr Gln Leu Val Tyr Phe Leu Asp Lys Ile Leu Gln 530 535 540 aaa tcc cct ctc cct cct ggg aat gtg aaa aaa ctt gga gac aca tac 1680 Lys Ser Pro Leu Pro Pro Gly Asn Val Lys Lys Leu Gly Asp Thr Tyr 545 550 555 560 cca agt atc tca aat gcc cgg aat gca gag ctc cgg ctg cga tgg ggc 1728 Pro Ser Ile Ser Asn Ala Arg Asn Ala Glu Leu Arg Leu Arg Trp Gly 565 570 575 caa atc gtc ctt aag aac gac cac cag gaa gat ttc tgg aaa gtg aag 1776 Gln Ile Val Leu Lys Asn Asp His Gln Glu Asp Phe Trp Lys Val Lys 580 585 590 gag ttc ctg cat aac cag ggg aag cag aag tat aca ctt ccg ctg tac 1824 Glu Phe Leu His Asn Gln Gly Lys Gln Lys Tyr Thr Leu Pro Leu Tyr 595 600 605 cac gca atg atg ggt ggc agt gag gtg gcc cag acc ctc gcc aag gag 1872 His Ala Met Met Gly Gly Ser Glu Val Ala Gln Thr Leu Ala Lys Glu 610 615 620 act ttt gca tcc acc gcc tcc cag ctc cac agc aat gtt gtc aac tat 1920 Thr Phe Ala Ser Thr Ala Ser Gln Leu His Ser Asn Val Val Asn Tyr 625 630 635 640 gtc cag cag atc gtg gca ccc aag ggc agt tag 1953 Val Gln Gln Ile Val Ala Pro Lys Gly Ser 645 650
【図面の簡単な説明】
【図1】 プライマーの設計に用いた遺伝子構造の模式
図である。
【図2】 cDNAライブラリーを用いたPCRを示す
図である。
【図3】 全長アミノペプチダーゼBの構築を示す模式
図である。
【図4】 プラスミド pDONR201/APB#4
の構築を示す図である。
【図5】 プラスミド pDEST17/hAPB#1
の構築を示す図である。
【図6】 発現誘導の検討結果を示す図である。
【図7】 ウェスタンブロッティング分析結果を示す図
である。
【図8】 酵素活性を示す図である。
【図9】 酵素活性に対する阻害剤の影響を示す図であ
る。
【図10】 組織発現の検討結果を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 16/40 C12N 1/19 4C084 C12N 1/15 1/21 4C085 1/19 9/48 4H045 1/21 C12Q 1/02 5/10 1/37 9/48 1/68 A C12Q 1/02 G01N 33/15 Z 1/37 33/50 Z 1/68 33/53 D G01N 33/15 M 33/50 33/566 33/53 C12N 15/00 ZNAA 5/00 A 33/566 A61K 37/02 (72)発明者 井上 竜也 東京都江戸川区北葛西1丁目16番13号 第 一製薬株式会社東京研究開発センター内 Fターム(参考) 2G045 AA40 BA11 BB50 DA12 DA13 DA14 DA36 FB02 FB03 4B024 AA01 AA11 BA14 CA04 CA09 CA11 DA01 DA02 DA05 DA11 EA01 EA02 EA03 EA04 FA02 GA11 HA01 HA03 HA11 4B050 CC01 CC03 DD11 LL01 LL03 4B063 QA01 QA08 QA18 QQ05 QQ13 QQ20 QQ36 QQ42 QQ52 QR08 QR16 QR33 QR55 QR57 QR59 QR62 QR74 QR80 QR82 QS05 QS25 QS26 QS34 QS36 QX02 4B065 AA01X AA57X AA87X AA93Y AB01 BA01 CA33 CA44 CA46 4C084 AA02 AA07 DC50 NA14 ZB112 4C085 AA13 BB31 CC02 CC04 CC22 DD33 DD63 DD86 4H045 AA11 AA30 BA10 CA40 DA76 EA50 FA72 FA74

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の群より選ばれるアミノペプチダー
    ゼB活性を有するペプチド; 配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるペ
    プチド、 前記のペプチドを含有するペプチド、および 前記のペプチドと少なくとも約70%のアミノ酸配
    列上の相同性を有するペプチド。
  2. 【請求項2】 下記の群より選ばれるH−アルギニン−
    7−アミド−4−メチルクマリン・2塩酸を分解する活
    性を有するペプチド; 配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるペ
    プチド、 前記のペプチドを含有するペプチド、および 前記のペプチドと少なくとも約70%のアミノ酸配
    列上の相同性を有するペプチド。
  3. 【請求項3】 請求項1もしくは2に記載のペプチドを
    コードするポリヌクレオチドまたはその相補鎖。
  4. 【請求項4】 アミノペプチダーゼB活性、および/ま
    たはH−アルギニン−7−アミド−4−メチルクマリン
    ・2塩酸を分解する活性を有するペプチドをコードす
    る、配列表の配列番号2に記載の塩基配列からなるポリ
    ヌクレオチドまたはその相補鎖。
  5. 【請求項5】 請求項3もしくは4に記載のポリヌクレ
    オチドまたはその相補鎖とストリンジェントな条件下で
    ハイブリダイゼーションするポリヌクレオチド。
  6. 【請求項6】 請求項3から5のいずれか1項に記載の
    ポリヌクレオチドを含有する組換えベクター。
  7. 【請求項7】 プラスミド pDONR201/APB
    #4。
  8. 【請求項8】 プラスミド pDEST17/hAPB
    #1。
  9. 【請求項9】 請求項6に記載の組換えベクターまたは
    請求項7もしくは8に記載のプラスミドで形質転換され
    た形質転換体。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の形質転換体を培養す
    る工程を含む、請求項1または2に記載のペプチドの製
    造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1もしくは2に記載のペプチド
    を免疫学的に認識する抗体。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の抗体であって、ア
    ミノペプチダーゼB活性を抑制する抗体。
  13. 【請求項13】 請求項1もしくは2に記載のペプチド
    と相互作用してその活性を阻害もしくは促進する化合
    物、および/または請求項3から5のいずれか1項に記
    載のポリヌクレオチドと相互作用してその発現を阻害も
    しくは促進する化合物のスクリーニング方法であって、
    請求項1もしくは2に記載のペプチド、請求項3から5
    のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド、請求項6に
    記載のベクター、請求項7もしくは8に記載のプラスミ
    ド、請求項9に記載の形質転換体、または請求項11も
    しくは12に記載の抗体のうちの、少なくともいずれか
    一つを用いることを特徴とするスクリーニング方法。
  14. 【請求項14】 請求項1もしくは2に記載のペプチド
    と相互作用してその活性を阻害もしくは促進する化合
    物、および/または請求項3から5のいずれか1項に記
    載のポリヌクレオチドと相互作用してその発現を阻害も
    しくは促進する化合物の同定方法であって、化合物と該
    ペプチドまたは該ポリヌクレオチドとの相互作用を可能
    にする条件下で、該ペプチドまたは該ポリヌクレオチド
    と化合物とを接触させ、次いで、化合物と該ペプチドま
    たは該ポリヌクレオチドとの相互作用により生じるシグ
    ナルの存在もしくは不存在または変化を検出することに
    より、化合物が該ペプチドまたはポリヌクレオチドと相
    互作用して、該ペプチドの活性または該ポリヌクレオチ
    ドの発現を阻害または促進するかどうかを決定する方
    法。
  15. 【請求項15】 請求項1もしくは2に記載のペプチド
    と相互作用してその活性を阻害もしくは促進する化合
    物、および/または請求項3から5のいずれか1項に記
    載のポリヌクレオチドと相互作用してその発現を阻害も
    しくは促進する化合物の同定方法であって、請求項9に
    記載の形質転換体と化合物とを接触させ、請求項1もし
    くは2に記載のペプチドの発現の有無を検出することの
    できるシグナルおよび/またはマーカーを使用する系を
    用い、このシグナルおよび/またはマーカーの存在もし
    くは不存在または変化を検出することにより、化合物が
    請求項1もしくは2に記載のペプチドの発現を促進また
    は阻害するかどうかを決定する方法。
  16. 【請求項16】 請求項13から15のいずれか1項に
    記載の方法によって得られた化合物。
  17. 【請求項17】 請求項1もしくは2に記載のペプチド
    と相互作用してその活性を阻害もしくは促進する化合
    物、または請求項3から5のいずれか1項に記載のポリ
    ヌクレオチドと相互作用してその発現を阻害もしくは促
    進する化合物。
  18. 【請求項18】 請求項1もしくは2に記載のペプチ
    ド、請求項3から5のいずれか1項に記載のポリヌクレ
    オチド、請求項6に記載のベクター、請求項7もしくは
    8に記載のプラスミド、請求項9に記載の形質転換体、
    請求項11もしくは12に記載の抗体、または請求項1
    6もしくは17に記載の化合物のうちの、少なくともい
    ずれか一つを含有することを特徴とする医薬組成物。
  19. 【請求項19】 請求項1もしくは2に記載のペプチ
    ド、請求項3から5のいずれか1項に記載のポリヌクレ
    オチド、請求項6に記載のベクター、請求項7もしくは
    8に記載のプラスミド、請求項9に記載の形質転換体、
    請求項11もしくは12に記載の抗体、または請求項1
    6もしくは17に記載の化合物のうちの、少なくともい
    ずれか一つを含有することを特徴とする抗炎症剤。
  20. 【請求項20】 請求項1もしくは2に記載のペプチド
    の発現または活性に関連した炎症性疾患の診断のための
    測定方法であって、(a)該ペプチドをコードしている
    核酸および/または(b)試料中の該ペプチドをマーカ
    ーとして分析することを含む測定方法。
  21. 【請求項21】 請求項1もしくは2に記載のペプチ
    ド、請求項3から5のいずれか1項に記載のポリヌクレ
    オチド、または請求項11もしくは12に記載の抗体の
    うちの、少なくとも1つを含んでなる、(a)該ペプチ
    ドをコードしている核酸および/または(b)試料中の
    該ペプチドをマーカーとして分析することを含む測定方
    法に使用する試薬キット。
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