JP2002367551A - 電子線装置 - Google Patents

電子線装置

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JP2002367551A
JP2002367551A JP2001172662A JP2001172662A JP2002367551A JP 2002367551 A JP2002367551 A JP 2002367551A JP 2001172662 A JP2001172662 A JP 2001172662A JP 2001172662 A JP2001172662 A JP 2001172662A JP 2002367551 A JP2002367551 A JP 2002367551A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 短時間で迅速に非点収差補正が行なえ、鮮明
な試料像による的確な倍率校正及びカメラ長補正が容易
に得られるようにした電子線装置を提供すること。 【解決手段】 観察対象となる試料Pの試料ホールダ5
に加えて、標準試料Rが設けられている試料ホールダ1
1を備え、標準試料Rの観察像により倍率校正とカメラ
長補正を行なうようにした電子顕微鏡において、標準試
料Rとして、アイランド構造を持つ結晶粒子を非晶質膜
上に配置したものを用い、非晶質膜の観察像により非点
収差を補正し、これにより非点収差が補正された状態で
結晶粒子の像を観察して倍率校正及びカメラ長補正が行
なえるようにしたもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料を電子線で観
察する電子線装置に係り、特に試料を電子線で走査して
透過像を観察する方式の走査透過型電子顕微鏡に好適な
電子線装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子線装置の一種に電子顕微鏡がある
が、この場合、高精度の観察には、試料像の倍率校正及
びカメラ長の補正が必要である。
【0003】ところで、この倍率校正及びカメラ長の補
正は、光学顕微鏡における対物測微計と同様、標準試料
を用いるのが一般的であり、このため、従来は、観察対
象を必要に応じて標準試料に置換え、標準試料により倍
率の校正とカメラ長の補正を行っていた。
【0004】ここで、最近では、ナノメートル領域にお
ける測長の必要性が増大しており、この結果、観察の精
度保持と向上のため、電子顕微鏡の倍率校正及びカメラ
長補正の頻度も増すばかりであるが、このとき、上記従
来の方法では、その都度、電子顕微鏡に対する試料の入
替えが必要になって、観察効率が低下してしまう。
【0005】そこで、例えば特開平7−288094の
公報などによれば、予め標準試料を電子顕微鏡の本体内
に設置しておき、必要に応じて標準試料と交換して観察
ができ、倍率校正及びカメラ長補正に容易に対応するこ
とができるようにした方法が提案されており、これが従
来技術の状況である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、適切
な標準試料の設置について配慮がされておらず、試料像
の鮮明化と倍率校正及びカメラ長補正に問題があった。
【0007】すなわち、電子顕微鏡による試料像の鮮明
化と、正しい倍率校正及びカメラ長補正には、非点収差
が補正されていることが前提となるが、従来技術では、
この非点収差の補正に必要な標準試料について配慮がさ
れていないので、試料像の鮮明化と倍率校正及びカメラ
長補正に問題が生じてしまうのである。
【0008】本発明の目的は、短時間で迅速に非点収差
補正が行なえ、鮮明な試料像による的確な倍率校正及び
カメラ長補正が容易に得られるようにした電子線装置を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は、電子線によ
り試料を走査して像観察を行うようにした電子線装置に
おいて、前記電子線装置の本体内に非晶質と結晶質の双
方の領域を備えた標準試料を設け、前記標準試料の中の
非晶質領域の像を観察して非点収差を補正する処理を実
行し、この後、前記結晶質領域の像を観察して倍率の校
正とカメラ長の補正の少なくとも一方の処理を実行する
ことにより達成される。
【0010】このとき、前記非晶質領域が、非晶質材の
素地で構成され、前記結晶質領域が、前記非晶質材の素
地の表面に形成したアイランド構造を持つ結晶粒子で構
成されているようにしても良く、前記標準試料が、全体
を2分割して隣り合わせに配置した非晶質と結晶質の領
域で構成されているようにしても良い。
【0011】更にこのとき、前記標準試料が、観察対象
となる試料を保持した試料ホールダとは別の試料ホール
ダに保持されているようにしても良く、観察対象となる
試料を保持した試料ホールダに保持されているようにし
ても良い。
【0012】同じく上記目的は、電子線により試料を走
査して像観察を行うようにした電子線装置において、前
記電子線装置の本体内に非晶質と結晶質の双方の領域を
備えた標準試料を保持した試料ホールダを設け、前記標
準試料の中の非晶質領域の像を観察して非点収差を補正
する処理を実行する際、観察対象となる実試料を保持し
た試料ホールダの位置を記憶し、この後、前記結晶質領
域の像を観察して倍率の校正とカメラ長の補正の少なく
とも一方の処理を実行した後、前記実試料を保持した試
料ホールダの位置が、前記記憶した位置に自動的に戻さ
れる処理が実行されるようにして達成される。
【0013】同じく上記目的は、電子線により試料を走
査して像観察を行うようにした電子線装置において、非
晶質と結晶質の双方の領域を備えた標準試料を、観察対
象となる実試料を保持した試料ホールダに保持させ、前
記標準試料の中の非晶質領域の像を観察して非点収差を
補正する処理を実行する際、観察対象となる実試料の位
置を記憶し、この後、前記結晶質領域の像を観察して倍
率の校正とカメラ長の補正の少なくとも一方の処理を実
行した後、前記実試料の位置が、前記記憶した位置に自
動的に戻す処理が実行されるようにしても達成される。
【0014】このときも、前記非晶質領域が、非晶質材
の素地で構成され、前記結晶質領域が、前記非晶質材の
素地の表面に形成したアイランド構造を持つ結晶粒子で
構成されるようにしても良く、前記標準試料が、全体を
2分割して隣り合わせに配置した非晶質と結晶質の領域
で構成されるようにしても良い。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明による電子線装置に
ついて、図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0016】図1は、本発明を走査透過型電子顕微鏡に
適用した場合の一実施形態で、この図は、走査透過型電
子顕微鏡の基本機能の発揮に必要な部分だけを示した構
成図で、図において、1が走査透過型電子顕微鏡の本体
を表わす。
【0017】そして、この顕微鏡本体1の内部に、上端
(図の上端)から順次、電子源2、収束レンズ3、走査コ
イル4、実試料用の試料ホールダ5、対物レンズ6、そ
れに透過電子検出器7が設けられている。
【0018】このとき、試料ホールダ5には、観察対象
となる試料Pが載置されるが、この実施形態では、この
実試料用の試料ホールダ5とは別に、更に標準試料用の
試料ホールダ11が顕微鏡本体1に設けてあり、この標
準試料ホールダ11には、図3に示すように、標準試料
Rが取付けられている。
【0019】これら試料ホールダ5と標準試料ホールダ
11、それに走査コイル4は、それぞれ制御回路10に
より制御されるようになっているが、ここで、この制御
回路10は、所定のプログラムが搭載されたコンピュー
タなどを備え、所定のシーケンスによる処理を実行する
ことができるように構成されている。
【0020】これにより、まず、試料Pを観察する際に
は、電子源2から発射された電子8が、図1に示すよう
に、試料Pに入射されるように、試料ホールダ4を位置
決め制御する。そして、この結果、試料Pを透過した電
子9を対物レンズ6により透過電子検出器7に投射して
画像信号を検出し、これにより、試料Pの像(拡大像)が
得られるようにする。
【0021】一方、倍率校正及びカメラ長補正と非点収
差補正のため、標準試料Rを観察する際は、電子源2か
ら発射された電子線8が、図2に示すように、標準試料
Rに入射されるように、標準試料ホールダ11を位置決
め制御する。
【0022】次に、標準試料Rについて説明する。
【0023】まず、倍率校正及びカメラ長補正に使用す
る標準試料には、結晶性試料を用いる。
【0024】これは、入射電子に対する試料の結晶方位
の違いによって、いろいろな間隔と方向を持った結晶格
子縞が観察でき、この結果、倍率校正とカメラ長補正が
可能になるからである。
【0025】詳しく説明すると、結晶格子縞の間隔は原
子と原子の間隔を表わすから、物性として定まった値に
なる。そこで、原子間隔が既知の材料を試料として結晶
格子縞を観察し、その間隔を測定することにより、倍率
が校正でき、電子線回折像を観察することにより、カメ
ラ長を補正することができる。
【0026】次に、非点収差の補正に使用する標準試料
には、非晶質試料を用いる。
【0027】ここで、結晶性試料の場合、像に非点収差
があったときでも、その非点収差の量によっては、方向
性を持つ粒子のつながりが、結晶格子縞の像に良く似た
状態で観察されてしまう。従って、結晶性試料による透
過像の非点収差補正は困難である。
【0028】一方、非晶質試料の場合は、原子がランダ
ムに配列されている。従って、この場合に原子が特定の
方向に揃って観察されたとすると、それは対物レンズの
非点収差方向と量を表わすことになり、非点収差の補正
が可能になる。
【0029】そこで、この実施形態では、以上のような
結晶質試料と非晶質試料特有の透過像の見え方の違いを
利用して、必要に応じて各々の補正が行えるようになっ
ている。
【0030】ここで、上記のことから明らかなように、
標準試料Rは、結晶質と非晶質の双方の材料を備えてい
ることが重要である。
【0031】そして、このための構成としては、図3に
示すように、アイランド構造を持つ結晶粒子を非晶質膜
上に配置した標準試料や、図4に示すように、結晶質部
と非晶質部を張合わせた標準試料などが考えられる。ま
た、非晶質の試料と結晶質の試料を別個に用意する方法
も考えられる。
【0032】この中で、最適と考えられるのが、非晶質
膜上に結晶粒子のアイランド構造を持った標準試料であ
る。
【0033】それは、結晶格子像の観察だけではなく、
結晶粒子の方向性などから、低倍率観察においても、非
点収差補正が可能になるからである。
【0034】上記したように、図3の標準試料Rは、こ
のアイランド構造による標準試料の一実施形態で、図に
おいて、多数の粒子として示されているのがアイランド
構造の結晶粒子で、素地が非晶質膜を表わしている。
【0035】そして、この実施形態では、一例として、
非晶質カーボン膜の表面に金を粒子状に蒸着して作成し
た試料を標準試料Rとして用いている。
【0036】ここで、金は原子間隔が既知な上、経時変
化し難く安定した材料なので、標準試料には最適である
といえる。
【0037】次に、この実施形態の動作について、図4
のフローチャートにより詳細に説明する。
【0038】まず、所望の試料Pを試料ステージ5に載
置し(S1)、次いで、この試料Pに対応して、所望の観
察条件を電子線装置に設定する(S2)。
【0039】ここで、所望の観察条件とは、例えば走査
電子顕微鏡などにおける可動絞り位置合せ、焦点、電
圧、中心合せ等、通常の電子線装置における軸調整のこ
とである。
【0040】次に、非点収差の補正を行なうか否かを選
択し、制御回路10に指示する(S3)。
【0041】ここで、NO、すなわち非点収差は補正し
ないとする指示がなされたときは、そのまま処理S2で
設定された観察条件のもとで、制御回路10により電子
顕微鏡が動作される。つまり、この場合は通常の観察処
理になり、試料Pの像が観察できることになる(S4)。
【0042】一方、処理S3でYES、すなわち非点収
差補正の実行が指示されたときはS5以降の処理に進
み、制御回路10は、まず試料Pが載置されている試料
ステージ5の現在の位置、例えば直角座標系で表わされ
ている位置を記憶して位置Xとした後、この試料ステー
ジ5を電子線の経路から外し、代りに標準試料Rが載置
されている試料ステージ11を電子線の経路に入れる
(S5)。つまり、このときは、図1の状態から、図2の
状態に変えられることになる。
【0043】そこで、この試料ステージ11に載置され
ている標準試料Rの非晶質領域、すなわち図3における
素地領域に電子線を入射させ、この領域による像を観察
して非点収差が最小になるように、補正処理を行なう
(S6)。
【0044】このときの非点収差の補正処理は、走査電
子顕微鏡に備えられている調整装置を用いて行なう。
【0045】非点収差補正を終わったら、今度は、倍率
校正とカメラ長補正を実行するか否かを選択し、制御回
路10に指示する(S7)。
【0046】ここで、NO、つまり倍率校正とカメラ長
補正を実行しないことが指示された場合は、試料ステー
ジ11を電子線の経路から外し、今度は試料Pが載置さ
れている試料ステージ5を、処理S5で記憶した位置X
に戻す(S8)。
【0047】従って、このときは、ここで図2の状態か
ら図1の状態に戻され、試料ステージ5に載置されてい
る試料Pが電子線の経路の中に置かれることになり、こ
の場合は、処理S2で設定された観察条件のもとで試料
Pの観察動作が行なえる状態に、制御回路10により電
子顕微鏡が制御され、この結果、非点収差補正された試
料Pの像が観察できることになる(S9)。
【0048】一方、処理S7でYES、つまり倍率校正
とカメラ長補正の実行が指示されたときは処理S10以
降の処理に進み、試料ステージ11に載置されている標
準試料Rの観察を継続するのであるが、今度は、標準試
料Rの結晶質領域、すなわち図3におけるアイランド構
造の結晶粒子部分に電子線を入射させ、結晶質領域から
得られる結晶格子像と電子回折像を観察することにな
る。
【0049】そして、まず結晶格子像を観察し、倍率を
校正する(S10)。
【0050】すなわち、上記したように、結晶格子縞の
間隔は原子と原子の間隔を表わし、物性として定まった
値になり、この場合、標準試料Rが非晶質カーボン膜の
表面に金を粒子状に蒸着して作成されているので、原子
間隔は既知であり、従って、結晶格子縞を観察し、その
間隔を測定することにより、倍率が校正できることにな
る。
【0051】また、この結果、電子線回折像を観察する
ことにより、カメラ長を補正することができる。
【0052】こうして倍率校正とカメラ長補正を終わっ
たら、次に制御回路10に補正終了を指令する。
【0053】これにより、制御回路10は、試料ステー
ジ11を電子線の経路から外し、試料Pが載置されてい
る試料ステージ5を、電子線の経路の中の、処理S5で
記憶した位置Xに戻す(S11)。
【0054】従って、このときも、図2の状態から図1
の状態に戻され、試料ステージ5に載置されている試料
Pが再び電子線の経路中に置かれることになる。
【0055】この結果、ここでも処理S2で設定された
観察条件のもとで試料Pの観察動作が行なえる状態に、
制御回路10により電子顕微鏡が制御され、試料Pの像
が観察できる状態になるが(S12)、ここでは、試料P
の像が、非点収差補正されただけではなく、校正された
倍率のもとで、且つカメラ長補正された状態で観察でき
ることになる。
【0056】この実施形態によれば、図3に示すよう
に、アイランド構造を持つ結晶粒子を非晶質膜上に配置
した標準試料Rを用いているので、倍率校正とカメラ長
補正に先立って、短時間で容易に非点収差を補正するこ
とができる。
【0057】従って、この実施形態によれば、非点収差
が補正された試料の鮮明な像に基づく結果として、精確
な倍率校正とカメラ長補正を容易に、しかも短時間で得
ることができる。
【0058】ここで、この実施形態の場合、標準試料用
の試料ホールダ11の位置(高さ)については、対物レン
ズ6の電流値が標準の値のとき、電子線の焦点が合うよ
うに設定してある。
【0059】そこで、実際の観察試料Pと標準試料用ホ
ールダ11の焦点が異なる場合は、最初に実観察試料の
試料高さを調整して焦点を合わせ、観察試料Pと標準試
料用ホールダ11の高さが同程度になるようにしておく
のが望ましい。
【0060】何故なら、対物レンズ6の電流量を変化さ
せて焦点を合わせた場合には、精確な補正が不可能にな
ってしまうからである。
【0061】次に、本発明の他の実施形態について説明
する。
【0062】走査電子顕微鏡の場合、試料面の任意の領
域に電子線を偏向させ、その領域を走査して観察するこ
とができる。
【0063】そこで、図5の実施形態では、試料ホール
ダ5に代えて試料装着部17が備えられている試料台1
4を用い、この試料台14の、試料装着部17の試料載
置面と同じ面に標準試料Rを設け、走査コイル4により
電子線8を偏向させることにより、試料装着部17に載
置されている試料P(図示してない)の観察時と、標準試
料Rの観察時とで、電子線8の入射位置を変えるように
したものである。
【0064】従って、この図5の実施形態の場合、図1
の実施形態における試料ホールダ11は不要になるの
で、構成が簡略化でき、コストを抑えることができる。
【0065】ところで、このような走査透過型電子顕微
鏡の場合、図6に示すような、斜め照射が可能な試料ホ
ールダ5Aが用いられることが多いが、この図5の実施
形態によれば、この試料ホールダ5Aを用いた場合で
も、その試料台14に、標準試料Rを設けるだけで簡単
に実施することができる。
【0066】この図6の試料ホールダ5Aは、図の上側
と下側にある軸により、試料台14が回動自在に保持さ
れていて、試料傾斜用の操作棒15で押すことにより、
試料傾斜復元用のばね16による復元力に抗して観察面
を任意の角度に傾けることができるように構成されてい
るものである。
【0067】次に、図7は、観察用の試料ホールダ5
と、標準試料用の試料ホールダ11の双方を用いた走査
透過型電子顕微鏡に、走査コイル4により電子線8を偏
向させる方法を適用し、試料ホールダ5に載置されてい
る試料Pの照射時と、試料ホールダ11に載置されてい
る標準試料Rの照射時での電子線8の入射位置の切換え
を、電子線の偏向で行なうようにした本発明の一実施形
態である。
【0068】ここで、この図7は、インレンズ形式の走
査透過型電子顕微鏡に本発明を適用した場合の一実施形
態で、図において、試料ホールダ5、11に対して、図
では上側にある磁極片(ポールピース)19と下側にある
磁極片20が対物レンズ(図1の実施形態における対物
レンズ6に相当)の一部を構成しているもので、ここ
で、インレンズ形式とは、試料が対物レンズ系の中にあ
ることに由来する。
【0069】これら図5と図7の実施形態によれば、観
察対象となる試料Pと標準試料Rの切換えに試料ホール
ダを動かす必要がないので、その分、構成が簡単にな
り、コストの増加を抑えることができる。
【0070】次に、図8は、標準試料Rの他の一実施形
態で、試料全体を結晶質領域と非晶質領域に2分割した
上で、隣り合わせに配置したものである。なお、図示し
てないが、結晶質領域と非晶質領域を別個に設けるよう
にしてもよい。
【0071】ここで、この図8の標準試料Rは、断面形
状が半円形の結晶質材と非晶質材を用意し、これらを平
面部分同士で張り合わせた上で、長さ方向と垂直な面で
所定の厚さでスライス(薄切り)することにより、容易に
得ることができる。
【0072】
【発明の効果】本発明によれば、試料の交換を要するこ
と無く、非点収差が補正された試料の像による倍率校正
とカメラ長補正が得られる。
【0073】従って、本発明によれば、精確な倍率校正
とカメラ長補正が容易に、しかも短時間で得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態が適用された走査透過型電
子顕微鏡の或る動作状態を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施形態が適用された走査透過型電
子顕微鏡の他の動作状態を示す説明図である。
【図3】本発明の一実施形態における標準試料の説明図
である。
【図4】本発明の一実施形態の動作を説明するためのフ
ローチャートである。
【図5】本発明の他の一実施形態が適用された走査透過
型電子顕微鏡の動作説明図である。
【図6】本発明の他の一実施形態における試料ホールダ
の一例を示す説明図である。
【図7】本発明の更に別の一実施形態が適用された走査
透過型電子顕微鏡の動作説明図である。
【図8】本発明の一実施形態における標準試料の他の一
例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 電子顕微鏡本体 2 電子源 3 収束レンズ 4 走査コイル 5 実観察用試料の試料ホールダ 6 対物レンズ 7 透過電子検出器 8 入射電子線 9 透過電子線 10 制御回路 11 標準試料用の試料ホールダ 14 試料台 15 試料傾斜用の操作棒 16 試料傾斜復元用ばね 17 試料装着部 19 磁極片 20 磁極片 P 観察対象となる試料 R 標準試料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01J 37/28 H01J 37/28 C (72)発明者 上野 武夫 茨城県ひたちなか市大字市毛882番地 株 式会社日立サイエンスシステムズ内 (72)発明者 橋本 隆仁 茨城県ひたちなか市大字市毛882番地 株 式会社日立製作所計測器グループ内 Fターム(参考) 5C001 AA01 CC03 5C033 HH02 LL04 SS02 SS04 SS06 SS07

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子線により試料を走査して像観察を行
    うようにした電子線装置において、 前記電子線装置の本体内に非晶質と結晶質の双方の領域
    を備えた標準試料を設け、 前記標準試料の中の非晶質領域の像を観察して非点収差
    を補正する処理を実行し、 この後、前記結晶質領域の像を観察して倍率の校正とカ
    メラ長の補正の少なくとも一方の処理を実行することを
    特徴とする電子線装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の発明において、 前記非晶質領域が、非晶質材の素地で構成され、 前記結晶質領域が、前記非晶質材の素地の表面に形成し
    たアイランド構造を持つ結晶粒子で構成されていること
    を特徴とする電子線装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の発明において、 前記標準試料が、全体を2分割して隣り合わせに配置し
    た非晶質と結晶質の領域で構成されていることを特徴と
    する電子線装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の発明において、 前記標準試料が、観察対象となる試料を保持した試料ホ
    ールダとは別の試料ホールダに保持されていることを特
    徴とする電子線装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の発明において、 前記標準試料が、観察対象となる試料を保持した試料ホ
    ールダに保持されていることを特徴とする電子線装置。
  6. 【請求項6】 電子線により試料を走査して像観察を行
    うようにした電子線装置において、 前記電子線装置の本体内に非晶質と結晶質の双方の領域
    を備えた標準試料を保持した試料ホールダを設け、 前記標準試料の中の非晶質領域の像を観察して非点収差
    を補正する処理を実行する際、観察対象となる実試料を
    保持した試料ホールダの位置を記憶し、 この後、前記結晶質領域の像を観察して倍率の校正とカ
    メラ長の補正の少なくとも一方の処理を実行した後、前
    記実試料を保持した試料ホールダの位置が、前記記憶し
    た位置に自動的に戻される処理が実行されるように構成
    したことを特徴とする電子線装置。
  7. 【請求項7】 電子線により試料を走査して像観察を行
    うようにした電子線装置において、 非晶質と結晶質の双方の領域を備えた標準試料を、観察
    対象となる実試料を保持した試料ホールダに保持させ、 前記標準試料の中の非晶質領域の像を観察して非点収差
    を補正する処理を実行する際、観察対象となる実試料の
    位置を記憶し、 この後、前記結晶質領域の像を観察して倍率の校正とカ
    メラ長の補正の少なくとも一方の処理を実行した後、前
    記実試料の位置が、前記記憶した位置に自動的に戻す処
    理が実行されるように構成したことを特徴とする電子線
    装置。
  8. 【請求項8】 請求項7又は請求項8に記載の発明にお
    いて、 前記非晶質領域が、非晶質材の素地で構成され、 前記結晶質領域が、前記非晶質材の素地の表面に形成し
    たアイランド構造を持つ結晶粒子で構成されていること
    を特徴とする電子線装置。
  9. 【請求項9】 請求項7又は請求項8に記載の発明にお
    いて、 前記標準試料が、全体を2分割して隣り合わせに配置し
    た非晶質と結晶質の領域で構成されていることを特徴と
    する電子線装置。
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