JP2002367163A - 磁気記録媒体製造方法および磁気記録媒体製造用の着磁用ヘッド - Google Patents

磁気記録媒体製造方法および磁気記録媒体製造用の着磁用ヘッド

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JP2002367163A
JP2002367163A JP2001172201A JP2001172201A JP2002367163A JP 2002367163 A JP2002367163 A JP 2002367163A JP 2001172201 A JP2001172201 A JP 2001172201A JP 2001172201 A JP2001172201 A JP 2001172201A JP 2002367163 A JP2002367163 A JP 2002367163A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気記録媒体のプリフォーマット記録に関す
る新規技術であるマスター情報担体を用いたプリフォー
マット記録技術において、プリフォーマット記録時の諸
条件によっては、再生信号品質が劣化したり、あるいは
磁気記録媒体上の場所に応じて不安定に変化する原因不
明の現象が認められる。 【解決手段】 所定の情報信号に対応する形状に形成さ
れた強磁性薄膜11のパターンを有するマスター情報担
体2をディスク状の磁気記録媒体1に対して重ね合わせ
るとともに、マスター情報担体2の情報信号対応のパタ
ーンを着磁用ヘッド6で磁化することにより、マスター
情報担体2の情報信号対応のパターンを磁気記録媒体1
に磁気転写する磁気記録媒体の製造方法であって、着磁
用ヘッド6とマスター情報担体2との離間寸法につい
て、磁気記録媒体1の外周側の離間寸法D0が内周側の
離間寸法D1よりも大きくなるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体製造
方法にかかわり、特には、磁気記録再生装置に用いられ
る磁気記録媒体に所定の情報信号を記録するための技術
に関する。本発明はまた、磁気記録媒体製造方法に用い
られる着磁用ヘッドに関する。さらには、ハードディス
クドライブおよび磁気記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録再生装置は、小型でかつ
大容量を実現するために、高記録密度化の傾向にある。
代表的な磁気記憶装置であるハードディスクドライブの
分野においては、すでに面記録密度10Gbit/in
2(15.5Mbit/mm2)を超える装置が商品化さ
れており、現在では、20Gbit/in2(31.0
Mbit/mm2)を超える面記録密度の実用化が議論
されるほどの急激な技術進歩が認められる。
【0003】このような高記録密度化を可能とした技術
的背景としては、媒体性能、ヘッド・ディスクインター
フェース性能の向上やパーシャルレスポンス等の新規な
信号処理方式の出現による線記録密度の向上も大きな要
因である。しかしながら昨今では、トラック密度の増加
傾向が線記録密度の増加傾向を大きく上回り、面記録密
度向上のための主たる要因となっている。これは、従来
の誘導型磁気ヘッドに比べてはるかに再生出力性能に優
れた磁気抵抗素子型ヘッドの実用化による寄与に基づ
く。現在、磁気抵抗素子型ヘッドの実用化により、わず
か数μm以下のトラック幅信号をS/N良く再生するこ
とが可能となっている。一方、今後さらなるヘッド性能
の向上に伴い、近い将来にはトラックピッチがサブミク
ロン領域に達するものと予想されている。
【0004】さて、ヘッドがこのような狭トラックを正
確に走査し、信号をS/N良く再生するためには、ヘッ
ドのトラッキングサーボ技術が重要な役割を果たしてい
る。このようなトラッキングサーボ技術に関しては、現
在のハードディスクドライブでは、ディスクの1周、す
なわち角度にして360度中において、一定の角度間隔
でトラッキング用サーボ信号やアドレス情報信号、再生
クロック信号等が記録された領域を設けている(以下、
プリフォーマットと称する)。磁気ヘッドは、一定間隔
でこれらの信号を再生することにより、ヘッドの位置を
確認、修正しながら正確にトラック上を走査することが
できる。
【0005】既述のトラッキング用サーボ信号やアドレ
ス情報信号、再生クロック信号等は、ヘッドが正確にト
ラック上を走査するための基準信号となるものであるた
め、その記録時には、正確な位置決め精度が要求され
る。現在のハードディスクドライブでは、ディスクをド
ライブに組み込んだ後、専用のサーボ記録装置を用いて
厳密に位置制御された磁気ヘッドによりプリフォーマッ
ト記録が行われている。
【0006】従来、上記のような専用のサーボ記録装置
を用いた磁気ヘッドによるサーボ信号やアドレス情報信
号、再生クロック信号のプリフォーマット記録において
は、以下のような課題があった。
【0007】まず第1に、磁気ヘッドによる記録は、基
本的にヘッドと媒体との相対移動に基づく線記録であ
る。このため、専用のサーボ記録装置を用いて磁気ヘッ
ドを厳密に位置制御しながら記録を行う上記の方法で
は、プリフォーマット記録に多くの時間を要するととも
に、専用のサーボ記録装置が相当に高価であることにも
起因して、非常にコスト高となる。
【0008】第2に、ヘッド・媒体間スペーシングや記
録ヘッドのポール形状による記録磁界の広がりのため、
プリフォーマット記録されたトラック端部の磁化遷移が
急峻性に欠けるという問題がある。現在のトラッキング
サーボ技術は、ヘッドがトラックを外れて走査した際の
再生出力の変化量によって、ヘッドの位置検出を行うも
のである。従って、プリフォーマット記録された信号ト
ラックには、サーボ領域間に記録されたデータ情報信号
を再生する際のようにヘッドがトラック上を正確に走査
した際のS/Nに優れるだけではなく、ヘッドがトラッ
クを外れて走査した際の再生出力変化量、すなわちオフ
トラック特性が急峻であることが要求される。上記の問
題はこの要求に反するものであり、今後のサブミクロン
トラック記録における正確なトラッキングサーボ技術の
実現を困難なものとしている。
【0009】そこで、磁気ヘッドを用いた上記従来のプ
リフォーマット記録の課題を解決する手段として、以下
のような方法が提案されている。
【0010】例えば、特開平10−40544号公報に
は、基体の表面に、情報信号に対応するパターン形状で
強磁性材料からなる磁性部を形成してマスター情報担体
とし、このマスター情報担体の表面を、強磁性薄膜ある
いは強磁性粉塗布層が形成されたシート状もしくはディ
スク状の磁気記録媒体の表面に接触させ、所定の磁界を
かけることにより、マスター情報担体に形成した情報信
号に対応するパターン形状の磁化パターンを磁気記録媒
体に記録する方法が開示されている。
【0011】この特開平10−40544号公報に開示
された構成においては、一方向に磁化されたマスター情
報担体表面の強磁性薄膜から発生する記録磁界により、
磁気記録媒体にはマスター情報担体の強磁性薄膜パター
ンに対応した磁化パターンが転写記録(磁気転写)され
る。すなわち、マスター情報担体表面に、トラッキング
用サーボ信号やアドレス情報信号、再生クロック信号等
に対応する強磁性薄膜パターンをフォトリソグラフィ技
術などによって形成することにより、磁気記録媒体上に
はこれらに対応するプリフォーマット記録を行うことが
できる。
【0012】従来の磁気ヘッドによる記録が、基本的に
ヘッドと媒体との相対移動に基づく動的線記録であるの
に対し、上記構成の特徴は、マスター情報担体と媒体と
の相対移動を伴わない静的な面記録であるということで
ある。このような特徴により、特開平10−40544
号公報に開示された技術は、既述のプリフォーマット記
録における課題に対して、下記のような極めて有効な効
果を発揮することができる。
【0013】第1に、面記録であるため、プリフォーマ
ット記録に要する時間は、従来の磁気ヘッドによる記録
方法に比べて、非常に短い。また、磁気ヘッドを厳密に
位置制御しながら記録を行うための高価なサーボ記録装
置も不要である。従って、プリフォーマット記録におけ
る生産性を大幅に向上できるとともに、生産コストも低
減することができる。
【0014】第2に、マスター情報担体と磁気記録媒体
との相対移動を伴わない静的記録であるため、マスター
情報担体表面と磁気記録媒体表面を密着させることによ
り、記録時の両者間のスペーシングを最小限にすること
ができる。さらに、磁気ヘッドによる記録のように、記
録ヘッドのポール形状による記録磁界の広がりを生じる
こともないため、プリフォーマット記録されたトラック
端部の磁化遷移は、従来の磁気ヘッドによる記録に比べ
て、優れた急峻性を有し、より正確なトラッキングが可
能となる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
磁気転写技術を用いた情報信号の記録においては、マス
ター情報担体に設けられた情報信号に対応する配列パタ
ーンを磁化パターンとして磁気記録媒体に一度に転写記
録する方法であるため、磁気記録媒体に対するマスター
情報担体上の情報信号対応のパターンの磁気転写を磁気
記録媒体全面に亘って均一にかつ安定して行うことが重
要である。
【0016】ところが、プリフォーマット記録時の諸条
件によっては、再生信号品質が劣化したり、あるいは磁
気記録媒体上の位置により不安定に変化することがあ
る。再生信号品質の劣化は、磁気記録再生装置のサーボ
トラッキングの不具合につながる。
【0017】信号品質の劣化現象は、プリフォーマット
記録時の諸条件を実験的に最適化することによってある
程度防止することができる場合もある。
【0018】しかしながら、プリフォーマット記録技術
を用いて磁気記録再生装置の大量生産を行う際には、製
品の品質保証、および生産歩留り向上の観点から、適切
なプリフォーマット記録条件においてある程度の広い許
容範囲が必要である。
【0019】現状のプリフォーマット記録技術において
試行錯誤的な実験手法によって導かれた適正記録条件に
おいては、信号品質の観点から許容される適正範囲が非
常に狭く、大量生産時の製品の品質保証、および生産歩
留り向上の観点から十分実用的であるとは言い難い。
【0020】本発明者らはこの課題に対して、種々の実
験と検討を繰り返し行った結果、上記のような信号品質
劣化現象は、以下の作用によるものであることを見出し
た。磁気記録媒体がディスク状磁気記録媒体の場合で説
明する。
【0021】マスター情報担体上の個々の強磁性薄膜パ
ターンのディスク周方向における長さは、転写記録され
た情報を磁気ヘッドを用いて再生した際の再生信号にお
いて、時間軸上で所定のパルス間隔を得るよう設計され
ている。ところが、転写記録されたディスク状磁気記録
媒体の回転速度は一定であるから、ディスク上の一点に
おける周速度は、ディスク内周よりもディスク外周の方
が大きくなる。従って、ある転写記録された信号を磁気
ヘッドで再生した際の信号波形において内周から外周に
渡って一定のパルス間隔を得るためには、強磁性薄膜パ
ターンのディスク周方向における長さを外周ほど大きく
することが必要である。
【0022】すなわち、ある種の信号において一定のパ
ルス間隔を得るために、マスター情報担体上の個々の強
磁性薄膜の長さおよび個々の強磁性薄膜間の間隔は、内
周よりも外周の方が大きくなっている。
【0023】一方、強磁性薄膜は、スパッタリング法な
どを用いて一定の成膜速度で堆積されるため、一般的に
その膜厚は、内周、外周に関わらず一定となっている。
すなわち、個々の強磁性薄膜の断面は、内周ほど長さと
膜厚の比(=長さ/膜厚)が小さく、外周ほど長さと膜
厚の比が大きい細長い形状となっている。
【0024】このように断面形状の異なる強磁性薄膜パ
ターンにおいては、着磁用ヘッドによって磁気転写のた
めの磁界を印加した場合、その形状に伴う磁気異方性の
差異のため、その磁化過程や磁気記録媒体への転写記録
特性が異なってくる。つまり、磁気記録媒体の磁気特性
がディスク全面において一様である場合、磁化反転に寄
与する漏れ磁束において最適値を得、転写記録特性にお
いて最適値を得る印加磁界の値は、ディスク状磁気記録
媒体の半径位置に依存して異なってくる。このため、内
周側で良好な信号品質を得ることができる印加磁界にお
いて転写記録を行った場合に外周側の信号品質が許容限
度以下であったり、逆に外周側で良好な信号品質を得る
ことができる印加磁界において転写記録を行った場合に
は内周側の信号品質が許容限度以下に劣化する現象を生
じてしまう。
【0025】本発明は、このような現状に鑑みなされた
もので、ディスク状の磁気記録媒体、特に固定ハードデ
ィスク媒体、リムーバブルハードディスク媒体、大容量
フレキシブル媒体等の磁気記録媒体に対して行うマスタ
ー情報担体上の情報信号対応のパターンの磁気転写を磁
気記録媒体全面に亘って均一にかつ安定して行うことが
できるようにすることを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明にかかわる磁気記
録媒体製造方法は、次のことを前提としている。情報信
号に対応した強磁性薄膜パターンが形成されているマス
ター情報担体を用いる。このマスター情報担体をディス
ク状の磁気記録媒体に重ね合わせ、着磁用ヘッドにより
マスター情報担体上の情報信号対応のパターンの磁性部
を磁化する。これにより、パターンの磁性部からの漏洩
磁束が、マスター情報担体に重ね合わされている磁気記
録媒体に作用し、マスター情報担体上の情報信号対応の
パターンが磁気記録媒体に磁気転写される。
【0027】本発明は、このような磁気記録媒体製造方
法において次のような手段を講じることにより、上記の
課題を解決するものである。すなわち、前記の着磁用ヘ
ッドの漏洩磁束によってマスター情報担体上の情報信号
対応のパターンの磁性部に対して着磁用ヘッドから磁気
転写のための磁界を印加するが、その印加磁界につい
て、磁気記録媒体の外周側ほど印加磁界を小さくする状
態で印加する。
【0028】本発明による作用は次のとおりである。本
発明者らは、最適な磁界値をディスク半径位置で異なら
せる磁気学的メカニズムを以下のとおり明らかにするに
至った。
【0029】すなわち、長さと膜厚の比(=長さ/膜
厚)が大きい外周のパターンは、着磁用ヘッドによる印
加磁界の印加方向における反磁界が小さいので、より小
さい磁界値において飽和に達しやすい。逆に、長さと膜
厚の比が小さい内周のパターンは、着磁用ヘッドによる
印加磁界の印加方向における反磁界が外周に比べて大き
い。このため、ディスク状磁気記録媒体上で強磁性薄膜
間に対応する領域の磁化反転に寄与する漏れ磁束におい
て同じ値を得るためには、内周において、外周よりも大
きな印加磁界を必要とすることになる。このように、外
周において最適な漏れ磁束を得、最適な信号品質を得る
ことができる印加磁界を用いて転写記録した場合には、
内周側の強磁性薄膜間に対応する領域で十分な磁化反転
が得られず、信号品質が劣化してしまう。逆に、内周に
おいて最適な漏れ磁束を得、最適な信号品質を得ること
ができる印加磁界を用いて転写記録した場合には、外周
側の強磁性薄膜が飽和に達してしまう。すなわち、印加
磁界の印加によって強磁性薄膜上においても漏れ磁束を
発生し、不必要な磁気記録媒体の磁化反転を起こしてし
まうために、信号品質が劣化してしまうのである。
【0030】以上のように、着磁用ヘッドから漏洩する
磁束により磁気記録媒体に印加すべき磁界の最適値が、
内周側において、外周側よりも大きいという現象を見出
したことに基づき、本発明においては、着磁用ヘッドか
ら漏洩する磁束によってマスター情報担体に印加される
磁界について、磁気記録媒体の外周側印加磁界が内周側
印加磁界よりも小さくなるように構成する。これによ
り、内周側では十分な磁化反転を得るとともに、外周側
では強磁性薄膜上の逆極性の漏れ磁束の発生を許容範囲
以下に抑制して、磁気記録媒体の半径位置に関わらず良
好な信号品質を得ることができる。
【0031】この構成の本発明によれば、磁気記録媒体
に対するマスター情報担体上の情報信号対応のパターン
の磁気転写を磁気記録媒体全面に亘って均一にかつ安定
して行うことができる。
【0032】上記の磁気記録媒体製造方法に用いる着磁
用ヘッドについて、本発明は、当該の着磁用ヘッドにお
けるマスター情報担体に対面する面つまりヘッド主面を
次のように構成する。すなわち、ヘッド主面とマスター
情報担体との離間寸法について、磁気記録媒体外周側を
より大きな離間寸法となし、磁気記録媒体内周側をより
小さな離間寸法となし、離間寸法が単調かつ連続的に変
化するテーパ形状または曲面形状に形成してある。
【0033】着磁用ヘッドについての本発明によれば、
磁気記録媒体に対するマスター情報担体上の情報信号対
応のパターンの磁気転写を磁気記録媒体全面に亘って均
一にかつ安定して行うことが可能な上記の磁気記録媒体
製造方法を実施する上で、比較的容易かつ安価に実現す
ることができる。
【0034】さらに、本発明によれば、上記の磁気記録
媒体製造方法を用いてプリフォーマット記録された磁気
記録媒体を内蔵するハードディスクドライブを実現する
ことができる。
【0035】また、本発明によれば、上記の磁気記録媒
体製造方法を用いてあらかじめ磁性膜に所定の情報信号
の磁化パターンが磁気転写された磁気記録媒体を内蔵す
る磁気記録再生装置を実現することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を総括
的に説明する。
【0037】本願第1の発明の磁気記録媒体製造方法
は、マスター情報担体をディスク状の磁気記録媒体に重
ね合わせた状態で着磁用ヘッドによる前記マスター情報
担体の磁性部の磁化を通じて、前記磁性部からの漏洩磁
束をもって前記マスター情報担体上の情報信号対応のパ
ターンを前記磁気記録媒体に磁気転写する磁気記録媒体
製造方法であって、前記着磁用ヘッドの漏洩磁束による
前記マスター情報担体への印加磁界について、前記磁気
記録媒体の外周側ほど印加磁界を小さくする状態で印加
することを特徴としている。
【0038】この第1の発明による作用については、上
記の〔課題を解決するための手段〕の項で説明したのと
実質的に同様のものとなる。すなわち、磁気記録媒体に
対するマスター情報担体上の情報信号対応のパターンの
磁気転写を磁気記録媒体全面に亘って均一にかつ安定し
て行うことができる。
【0039】本願第2の発明の磁気記録媒体製造方法
は、上記第1の発明において、前記マスター情報担体と
前記着磁用ヘッドとを両者間の離間寸法が外周側ほど大
きくなる状態で対向させて磁気転写を行うことを特徴と
するものである。
【0040】この第2の発明によると、マスター情報担
体に対する着磁用ヘッドの離間寸法を調整するだけの簡
単な手法により、磁気記録媒体に対するマスター情報担
体上の情報信号対応のパターンの磁気転写を磁気記録媒
体全面に亘って均一にかつ安定して行うことができる。
すなわち、比較的容易かつ安価に対応することができ
る。
【0041】本願第3の発明の磁気記録媒体製造方法
は、上記第1・第2の発明において、前記着磁用ヘッド
として、第1の磁気コア半体と第2の磁気コア半体とを
ギャップ形成状態に接合してなる着磁用ヘッドを用いる
というものである。この発明によると、ギャップ有りタ
イプの着磁用ヘッドを用いるので、ギャップなしタイプ
の着磁用ヘッドに比べて、ギャップから外部に出る磁束
は、マスター情報担体上の情報信号対応のパターンに作
用しやすくなる。
【0042】本願第4の発明の磁気記録媒体製造方法
は、上記第3の発明において、前記着磁用ヘッドとし
て、前記第1の磁気コア半体と前記第2の磁気コア半体
のうち少なくとも一方が永久磁石で構成されている着磁
用ヘッドを用いるというものである。着磁のための環状
磁路を形成するためである。
【0043】本願第5の発明の磁気記録媒体製造方法
は、上記第3の発明において、前記着磁用ヘッドとし
て、前記第1の磁気コア半体と前記第2の磁気コア半体
とが両者間に永久磁石を介在する状態で接合されている
着磁用ヘッドを用いるというものである。
【0044】この第5の発明による作用は次のとおりで
ある。ギャップの反対側において第1の磁気コア半体と
第2の磁気コア半体との間に永久磁石を介在させること
により、第1の磁気コア半体と第2の磁気コア半体と
を、これらが構成する磁気回路の環状磁路に沿った向き
に一様に着磁することが可能となる。介在させる永久磁
石としては、通常ブロック型の直方体形状のものを使用
することが可能となる。ヨーク型の永久磁石を用いる着
磁用ヘッドに比べて、直方体形状の永久磁石を用いる着
磁用ヘッドはより安価であり、マスター情報担体上の情
報信号対応のパターンの磁気記録媒体への磁気転写をよ
り安価に実施することができる。
【0045】本願第6の発明の磁気記録媒体製造方法
は、上記第3の発明において、前記着磁用ヘッドとし
て、前記第1の磁気コア半体と前記第2の磁気コア半体
のうちの少なくとも一方が直流励磁用巻線を具備する着
磁用ヘッドを用いるというものである。
【0046】この第6の発明による作用は次のとおりで
ある。ヨーク形状を有する第1および第2の磁気コア半
体をこれらが構成する磁気回路の環状磁路に沿った向き
に一様に着磁することが必要であるが、コア形状によっ
ては環状磁路に沿った向きに一様に着磁することが困難
な場合がある。直流励磁用巻線によってコアを励磁すれ
ば、第1の磁気コア半体と第2の磁気コア半体とを、こ
れらが構成する磁気回路の環状磁路に沿った向きに一様
に着磁することが確実となる。
【0047】本願第7の発明の磁気記録媒体製造方法
は、上記第1・第2の発明において、前記着磁用ヘッド
として、概略六面体形状の永久磁石ブロックからなる着
磁用ヘッドを用いるというものである。この着磁用ヘッ
ドはギャップなしタイプである。
【0048】この第7の発明による作用は次のとおりで
ある。概略六面体形状(直方体形状)であるので、ギャ
ップありタイプより強い残留磁束密度を有する必要があ
るが、形状が単純であることから、安価であるととも
に、一様磁束の着磁が容易であり、また取り扱い性がよ
い。
【0049】本願第8の発明の磁気記録媒体製造方法
は、上記第1〜第7の発明において、前記磁気転写の工
程に先立って、前記磁気記録媒体に対して直流消去磁界
を印加して一定方向に磁化する工程を含み、前記磁化済
みの磁気記録媒体に前記マスター情報担体を重ね合わせ
た状態での磁気転写の工程において、前記マスター情報
担体の磁性部に前記着磁用ヘッドを用いて前記直流消去
磁界とは逆極性の磁界を印加することにより、前記マス
ター情報担体上の情報信号対応のパターンを前記磁気記
録媒体に磁気転写することを特徴としている。
【0050】この第8の発明による作用は次のとおりで
ある。磁気記録媒体に対して予め直流消去を行って一様
に磁化しておき、その一様磁化状態の磁気記録媒体に対
して逆極性で磁界を印加してマスター情報担体上の情報
信号対応のパターンの磁気転写を行うので、情報信号領
域と非情報信号領域との境界での磁化遷移の急峻性が高
いものとなる。
【0051】本願第9の発明の磁気記録媒体製造方法
は、上記第8の発明において、前記磁気記録媒体に印加
する直流消去磁界について、前記磁気記録媒体の半径方
向においてほぼ一定の直流消去磁界を印加するというも
のである。
【0052】この第9の発明による作用は次のとおりで
ある。マスター情報担体上の情報信号対応のパターンを
磁気記録媒体に磁気転写するときに着磁用ヘッドからマ
スター情報担体に印加する磁界については、上記のよう
に外周側印加磁界を内周側印加磁界に比べて小さくする
のがよいのであるが、磁気転写に先立つ磁気記録媒体の
初期磁化(直流消去)については、その直流消去磁界を
半径方向で異ならせることは好ましいことではない。初
期磁化については、直流消去磁界は半径方向において一
定とすることが、あとに行われるマスター情報担体上の
情報信号対応のパターンの磁気転写において好ましい結
果をもたらすのである。
【0053】本願第10から第15までの発明は、上記
のような磁気記録媒体製造方法において使用される着磁
用ヘッドについてのものである。
【0054】本願第10の発明の磁気記録媒体製造用の
着磁用ヘッドは、マスター情報担体に対面するヘッド主
面が、前記マスター情報担体との離間寸法において単調
かつ連続的に磁気記録媒体外周側ほど大きくなるテーパ
形状または曲面形状に形成されていることを特徴として
いる。
【0055】この第10の発明による作用は次のとおり
である。磁気記録媒体に対するマスター情報担体上の情
報信号対応のパターンの磁気転写を磁気記録媒体全面に
亘って均一にかつ安定して行うためには、着磁用ヘッド
からマスター情報担体に印加する磁界について、外周側
印加磁界を内周側印加磁界に比べて小さくするのがよい
のであるが、このことを補償するための着磁用ヘッドに
おける最も簡易な対応の一つが、この第10の発明とな
っている。すなわち、着磁用ヘッドにおけるマスター情
報担体に対面するヘッド主面について、マスター情報担
体との間の離間寸法を従来のように一様とするのではな
く、半径方向において差をもたせてある。内周側の離間
寸法を基準にすると、外周側に近づくにつれて、離間寸
法が次第に大きくなるように工夫している。そのこと
を、単調かつ連続的と表現している。形状的には、テー
パ形状でもよいし、あるいは曲面形状であってもよい。
なお、形状的に従来と同じとし、姿勢を傾かせることに
よって対応してもよい。
【0056】本願第11の発明の着磁用ヘッドは、上記
第10の発明において、当該着磁用ヘッドが第1の磁気
コア半体と第2の磁気コア半体とからなり、この第1の
磁気コア半体と第2の磁気コア半体とがギャップ形成状
態に接合されているというものである。これは、この発
明における着磁用ヘッドがギャップ有りタイプであるこ
とを記述している。ギャップ有りタイプの着磁用ヘッド
は、ギャップなしタイプの着磁用ヘッドに比べて、ギャ
ップから外部に出る磁束がマスター情報担体上の情報信
号対応のパターンに作用しやすくなる。したがって、磁
気コアにおける磁化の程度を低いものとしてよいことに
なる。
【0057】本願第12の発明の着磁用ヘッドは、上記
第11の発明において、前記第1の磁気コア半体と前記
第2の磁気コア半体のうち少なくとも一方が永久磁石で
構成されているというものである。
【0058】この第12の発明による作用は次のとおり
である。第1の磁気コア半体と第2の磁気コア半体と
を、これらが構成する磁気回路の環状磁路に沿った向き
に一様に着磁することが好ましいのであるが、その着磁
向き一様化を、少なくとも一方の磁気コア半体を永久磁
石で構成することにより実現している。なお、永久磁石
としては、Nd−Fe−BやSm−Coなどの材料を主
成分とする希土類磁石が好ましい。
【0059】本願第13の発明の着磁用ヘッドは、上記
第11の発明において、前記第1の磁気コア半体と前記
第2の磁気コア半体とが両者間に永久磁石を介在する状
態で接合されているというものである。
【0060】この第13の発明による作用は次のとおり
である。ギャップの反対側において第1の磁気コア半体
と第2の磁気コア半体との間に介在させる永久磁石とし
ては、通常ブロック型の直方体形状のものを使用するこ
とが可能となる。ヨーク型の永久磁石を用いる着磁用ヘ
ッドに比べて、直方体形状の永久磁石を用いる着磁用ヘ
ッドはより安価に実現することが可能となる。また、第
1および第2の磁気コア半体を構成する材料としては、
永久磁石材料ではなく、様々な種類の軟質磁性もしくは
半硬質磁性を有する強磁性材料を用いることができる。
【0061】なお、第1および第2の磁気コア半体を構
成する強磁性材料は、永久磁石から供給される磁束によ
って局所的に著しい磁気飽和を生じないよう、十分に高
い飽和磁束密度を有することが好ましく、例えば、F
e、Fe−Co合金、Fe−Si系の軟磁性合金材料な
どが好ましい。
【0062】本願第14の発明の着磁用ヘッドは、上記
第11の発明において、前記第1の磁気コア半体と前記
第2の磁気コア半体のうちの少なくとも一方が直流励磁
用巻線を具備しているというものである。
【0063】この第14の発明による作用は次のとおり
である。ヨーク形状を有する第1および第2の磁気コア
半体をこれらが構成する磁気回路の環状磁路に沿った向
きに一様に着磁することが必要であるが、コア形状によ
っては環状磁路に沿った向きに一様に着磁することが困
難な場合がある。これに対して、直流励磁用巻線によっ
てコアを励磁すれば、着磁向きを一様化することができ
るとともに、第1および第2の磁気コア半体を構成する
材料は永久磁石材料でなくてもよく、様々な種類の軟質
磁性もしくは半硬質磁性を有する強磁性材料を用いるこ
とができる。すなわち、磁気コアの構成要素として永久
磁石を設けなくてもよく、適切な向きに着磁するという
煩わしさを解消することができるとともに、ヨーク形状
の磁気コア半体の形成も容易となる。
【0064】本願第15の発明の着磁用ヘッドは、上記
第10の発明において、当該着磁用ヘッドが概略六面体
形状の永久磁石ブロックから構成されているというもの
である。この着磁用ヘッドはギャップなしタイプであ
る。
【0065】この第15の発明による作用は次のとおり
である。概略六面体形状(直方体形状)であるので、ギ
ャップありタイプより強い残留磁束密度を有する必要が
あるが、形状が単純であることから、安価であるととも
に、一様磁束の着磁が容易であり、また取り扱い性がよ
い。
【0066】本願第16の発明はハードディスクドライ
ブについてのものであって、上記第1〜第9の発明の磁
気記録媒体製造方法によって製造され、あらかじめ磁性
膜に所定の情報信号の磁化パターンが磁気転写された磁
気記録媒体が内蔵されて構成されていることを特徴とし
ている。
【0067】この第16の発明による作用は次のとおり
である。高密度記録のハードディスクであって、トラッ
キング用サーボ信号やアドレス情報信号、再生クロック
信号等の情報信号として信頼性が十分に高いものがプリ
フォーマット記録されているもの、とりわけトラック端
部の磁化遷移の急峻性がすぐれたハードディスクを備え
ているので、サブミクロントラック記録におけるトラッ
キングサーボを高精度なものにすることができる。そし
て、そのようなハードディスクを効率良く生産すること
を可能にすることから、すぐれた性能のハードディスク
ドライブを比較的安価に提供することができる。
【0068】本願第17の発明は磁気記録再生装置につ
いてのものであって、上記第1〜第9の発明の磁気記録
媒体製造方法を用いてプリフォーマット記録された磁気
記録媒体が内蔵されて構成されていることを特徴として
いる。
【0069】この第17の発明による作用は次のとおり
である。高密度記録の磁気記録媒体であって、トラッキ
ング用サーボ信号やアドレス情報信号、再生クロック信
号等の情報信号として信頼性が十分に高いものがプリフ
ォーマット記録されているもの、とりわけトラック端部
の磁化遷移の急峻性がすぐれた磁気記録媒体を備えてい
るので、サブミクロントラック記録におけるトラッキン
グサーボを高精度なものにすることができる。そして、
そのような磁気記録媒体を効率良く生産することを可能
にすることから、すぐれた性能の磁気記録再生装置を比
較的安価に提供することができる。
【0070】(具体的な実施の形態)以下、本発明にか
かわる磁気記録媒体製造方法の具体的な実施の形態を図
面に基づいて説明する。
【0071】(実施の形態1)本発明の実施の形態1に
おける磁気記録媒体製造方法(磁気記録媒体への記録方
法)について、図面を参照しながら説明する。
【0072】図1に本実施の形態における記録方法を実
施するための記録装置の概要を示す。図1において、磁
気記録媒体としての円盤状のハードディスク1は、中心
孔1aを有するドーナツ円盤状の非磁性基板の表面に、
Co等を主成分とする強磁性薄膜をスパッタリング法に
よって成膜することにより構成されている。
【0073】2は上記ハードディスク1の強磁性薄膜な
どからなる磁性膜表面に接触するように重ね合わされて
配置された円盤状のマスター情報担体で、このマスター
情報担体2は、一般的には上記ハードディスク1より径
が大きい形状で、ハードディスク1に接触する側の表面
には、ハードディスク1に磁気転写すべき情報信号に対
応した微細な配列パターン形状の強磁性薄膜からなる信
号領域2aが設けられている。
【0074】3はハードディスク1を保持するディスク
保持体であり、このディスク保持体3の先端部にはハー
ドディスク1を位置決め保持するチャック部3aが設け
られている。また、ディスク保持体3の内部には、ハー
ドディスク1の中心孔1aに連通しかつ一端が排気ダク
ト4に接続される吸引孔3bが設けられている。
【0075】また、排気ダクト4の端部には排気装置5
が装着されており、この排気装置5を始動させることに
より、排気ダクト4、ディスク保持体3の吸引孔3bを
通して、ハードディスク1とマスター情報担体2との間
の空間が負圧状態となり、この結果、マスター情報担体
2がハードディスク1の方向に吸引され、マスター情報
担体2にハードディスク1が位置決めされた状態で重ね
合わされる。なお、このとき、マスター情報担体2の表
面には信号領域2aを除く領域において若干の隙間溝を
形成し、その隙間溝を通して、ハードディスク1とマス
ター情報担体2の間の空気を吸引することもできる。
【0076】着磁用ヘッド6は、マスター情報担体2か
らハードディスク1に転写記録するためのもので、この
着磁用ヘッド6から印加される磁界によりマスター情報
担体2に形成された情報信号に対応した強磁性薄膜パタ
ーンが磁化され、これらから発生する漏れ磁束によって
ハードディスク1に情報信号が記録される(磁気転
写)。
【0077】この着磁用ヘッド6は、例えば図2に示す
ように、強磁性材料からなる第1の磁気コア半体6b
と、巻線6aを具備した強磁性材料からなる第2の磁気
コア半体6cとを対向させて、ギャップ6dを有する環
状の磁気回路を形成したものであり、巻線6aに励磁電
流を印加することによって、ギャップ6dには、矢印A
で示すように第1の磁気コア半体6bから第2の磁気コ
ア半体6cに向かう漏れ磁束が発生し、また印加する電
流の向きを変えることによってギャップ6dに発生する
漏れ磁束の向きを変えることができる。
【0078】なお、矢印Bは、図2に示す向きの漏れ磁
束が発生しているときに磁気コア半体6b,6cに発生
する内部磁束の向きを示している。
【0079】また、図3に示すように、着磁用ヘッド6
のギャップ6dの形状は、マスター情報担体2に対向す
る面であるヘッド主面において、記録再生用磁気ヘッド
のトラッキング走査軌道(ヘッドアクチュエータ先端部
の回動軌跡)と同じ円弧状になっている。従って、ギャ
ップ6dに発生する磁界の方向は、トラッキング走査軌
道に対して常に垂直となり、マスター情報担体2の強磁
性薄膜は、全てのトラックにおいて、記録再生用磁気ヘ
ッドのトラッキング走査方向と垂直な方向に磁化され
る。すなわち、記録再生用磁気ヘッドのヘッドギャップ
長方向と同じ方向に磁化されるのである。
【0080】次に、本発明の磁気記録媒体製造方法に使
用するマスター情報担体の一例について説明する。
【0081】図4にマスター情報担体2の一例の平面を
模式的に示しており、図4に示すように、マスター情報
担体2の一主面、すなわちハードディスク1の強磁性薄
膜表面に接触する側の表面には、略放射状に信号領域2
aが形成されている。
【0082】図4の点線で囲んだ部分Cの拡大図を、図
5に模式的に示す。図5に示すように、信号領域2aに
は、ハードディスク1に記録されるディジタル情報信
号、例えばプリフォーマット記録に対応する位置に、上
記情報信号に対応したパターン形状で強磁性薄膜からな
る磁性部によるマスター情報パターンが形成されてい
る。図5において、ハッチングを施した部分が強磁性薄
膜によって構成された磁性部である。この図5に示すマ
スター情報パターンは、クロック信号、トラッキング用
サーボ信号、アドレス情報信号等の各々の領域をトラッ
ク長さ方向に順次配列したものである。なお、図5に示
すマスター情報パターンは一例であり、ハードディスク
1に記録されるディジタル情報信号に応じて、マスター
情報パターンの構成や配置等を適宜決定することとな
る。
【0083】例えば、ハードディスクドライブにおい
て、ハードディスクの磁性膜に、まずリファレンス信号
を記録し、そのリファレンス信号に基づいてトラッキン
グ用サーボ信号などのプリフォーマット記録を行う場合
には、マスター情報担体を用いてハードディスクの磁性
膜に、あらかじめプリフォーマット記録に用いるリファ
レンス信号のみを転写記録し、そしてそのハードディス
クをドライブの筐体内に組み込み、トラッキング用サー
ボ信号などのプリフォーマット記録は、ハードディスク
ドライブの磁気ヘッドを使用して行うようにしてもよ
い。この場合、最終的なプリフォーマット記録は、従来
の方法と同様にドライブ内に搭載された磁気ヘッドによ
って行われる。しかしながら、高価な専用のサーボ記録
装置を用いることなく、ドライブ自体が転写記録された
リファレンス信号を参照して最終的なプリフォーマット
記録を自己完結することができるので、最終的なプリフ
ォーマット情報信号を直接転写記録する場合と同様に、
従来の方法に比べてコストメリットが大きい。
【0084】図4、図5に示した領域の一部断面を図6
に示す。図6に示すように、マスター情報担体2は、S
i基板、ガラス基板、プラスチック基板などの非磁性材
料からなる円盤状の基体10の一主面10b、すなわち
ハードディスク1の表面が接触する側の表面に、情報信
号に対応する複数の微細な配列パターン形状で凹部10
aを形成し、その基体10の凹部10aに磁性部である
強磁性薄膜11を埋め込む状態で形成することにより構
成されている。ここで、図1に示した記録装置を用いて
ハードディスク1とマスター情報担体2を均一に密着さ
せ良好な記録特性を得るためには、強磁性薄膜11の表
面11aができる限り平坦で、かつ基体10の一主面1
0bに対して突出した構成とすることが好ましい。
【0085】強磁性薄膜11としては、硬質磁性材料、
半硬質磁性材料、軟質磁性材料を問わず、多くの種類の
磁性材料を用いることができ、磁気記録媒体(ハードデ
ィスク)にディジタル情報信号を転写記録できるもので
あればよい。例えば、Fe、Co、Fe−Co合金など
を用いることができる。なお、情報信号が記録される磁
気記録媒体の種類によらずにマスター情報担体が十分な
記録磁界を発生させるためには、磁性材料の飽和磁束密
度が大きいほどよい。特に、2000エルステッド(1
59kA/m)を超える高保磁力の磁気ディスクや磁性
層の厚みの大きいフレキシブルディスクに対しては、飽
和磁束密度が0.8テスラ以下になると十分な記録を行
うことができない場合があるので、一般的には、0.8
テスラ以上、好ましくは1.0テスラ以上の飽和磁束密
度を有する磁性材料が用いられる。
【0086】また、強磁性薄膜11の厚さは、ビット長
や磁気記録媒体の飽和磁化や磁性層の膜厚によるが、例
えばビット長約1μm、磁気記録媒体の飽和磁化約50
0emu/cc(500kA/m)、磁気記録媒体の磁
性層の厚さが約20nmの場合では、50nm〜500
nm程度あれば良い。
【0087】ここで、このような記録方法において、良
好な記録信号品質を得るためには、マスター情報担体に
設けた強磁性薄膜としての軟質磁性薄膜もしくは半硬質
磁性薄膜の配列パターン形状に基づき、プリフォーマッ
ト記録時にはこれを励磁して一様に磁化することが望ま
しく、またマスター情報担体を用いた信号記録に先立っ
て、ハードディスクなどの磁気記録媒体を一様に直流消
去しておくことが望ましい。
【0088】次に、マスター情報担体に形成したパター
ン形状に対応した情報信号を、ディスク状磁気記録媒体
であるハードディスクに記録する手順について説明す
る。
【0089】まず、図7に示すように、着磁用ヘッド6
をハードディスク1に近づけた状態で、ハードディスク
1の中心軸を回転軸としてハードディスク1と平行に回
転させることにより、図8の矢印で示すようにハードデ
ィスク1を予め一方向に磁化する(初期磁化)。
【0090】次に、図1に示すように、ハードディスク
1にマスター情報担体2を位置決めして重ね合わせた状
態で、排気装置5を始動させることにより、ハードディ
スク1の中心孔1aを通してマスター情報担体2が吸引
され、マスター情報担体2の強磁性薄膜11が形成され
ている面とハードディスク1とが全面にわたって均一に
密着するように重ね合わされる。
【0091】その後、図9に示すように、着磁用ヘッド
6により印加される磁界が初期磁化とは逆極性となるよ
うにし、かつディスク保持体3に保持されているハード
ディスク1の中心を回転中心として、着磁用ヘッド6を
マスター情報担体2と平行に回転させることにより、マ
スター情報担体2に直流励磁磁界を印加する。これによ
り、マスター情報担体2の強磁性薄膜11が磁化され、
そしてマスター情報担体2に重ね合わせたハードディス
ク1の所定の領域1bに、図10に示すように強磁性薄
膜11による磁性部のパターン形状に対応した情報信号
が記録される。なお、図10に示す矢印は、このときハ
ードディスク1の情報信号が記録される領域1b外にお
いて残留する磁化の方向を示している。
【0092】図11には、情報信号記録時の磁化の様子
を詳細に示している。図11に示すように、マスター情
報担体2を磁気記録媒体であるハードディスク1に密着
させた状態で、マスター情報担体2に外部から磁界を印
加して強磁性薄膜11を磁化することによって、ハード
ディスク1の強磁性薄膜からなる磁気記録層1cに情報
信号を記録することができる。すなわち、非磁性の基体
10に所定のパターン形状で強磁性薄膜11を形成して
構成したマスター情報担体2を用いることにより、ディ
ジタル情報信号を磁気記録媒体であるハードディスク1
に磁気的に転写記録することができる。
【0093】ここで、転写記録方法について、より詳し
く説明する。上述したプリフォーマット記録の過程を図
12に示しており、図12(a)は磁気記録媒体である
ハードディスク1の直流消去過程、同図(b)はマスタ
ー情報担体2を用いた情報信号記録過程、および同図
(c)はプリフォーマット記録後のハードディスク1の
残留磁化状態を、それぞれ情報信号トラック長さ方向に
おける断面で示している。この磁気記録媒体がハードデ
ィスクである場合、情報信号トラック長さ方向は、ディ
スク円周方向に一致する。
【0094】図12(a)に示すように、ハードディス
ク1上の磁気記録層1cはマスター情報担体2を用いた
情報信号の転写記録に先立って直流消去磁界12によ
り、一定方向の磁化13を有するよう一様に直流消去さ
れる。次に、図12(b)に示すように、情報信号に対
応する配列パターン形状で強磁性薄膜11が形成された
マスター情報担体2の表面を磁気記録媒体であるハード
ディスク1上の磁気記録層1cの表面に密着させ、着磁
用ヘッド6からの直流励磁磁界14によって強磁性薄膜
11を励磁する。この際、直流励磁磁界14の極性は、
直流消去磁界12と逆極性とする。これにより、強磁性
薄膜11どうし間の部分においてのみ、漏れ磁束15に
よりハードディスク1上の磁化13が反転される。この
結果、マスター情報担体2を取り除いた後、ハードディ
スク1上にはマスター情報担体2上に形成された強磁性
薄膜11の配列パターン形状に対応する磁化13のパタ
ーンを記録することができる。
【0095】以上のように、本発明のマスター情報担体
から磁気記録媒体に転写記録する方法においては、マス
ター情報担体に、磁気記録媒体に記録させるべき所定の
ディジタル情報信号に対応する配列パターン形状で、強
磁性薄膜からなる磁性部をあらかじめ形成しておき、そ
のマスター情報担体に磁気記録媒体を接触させ、マスタ
ー情報担体に形成された配列パターン形状を磁化パター
ンとして磁気記録媒体に転写記録する。このような方法
においては、マスター情報担体に形成した磁性部の配列
パターンを、対応する磁化パターンとして信頼性良く正
確に転写することが重要である。
【0096】ところが、本発明者らが、上述した構成を
用いてハードディスクなどの磁気記録媒体のプリフォー
マット記録を行ったところ、プリフォーマット記録時の
諸条件によっては、再生信号品質が劣化したり、あるい
は磁気記録媒体上の位置により不安定に変化する原因不
明の現象が認められた。このような再生信号品質の劣化
を生じたのでは、そのプリフォーマット記録信号を用い
て磁気記録再生装置のサーボトラッキングを行うこと
が、もはや困難となる場合がある。
【0097】このような信号品質の劣化現象は、プリフ
ォーマット記録時の諸条件を実験的に最適化することに
よってある程度防止することができる場合もある。しか
しながら、上記のようなプリフォーマット記録技術を用
いて磁気記録再生装置の大量生産を行う際には、製品の
品質保証、および生産歩留り向上の観点から、適切なプ
リフォーマット記録条件においてある程度の広い許容範
囲が必要である。現状のプリフォーマット記録技術にお
いて試行錯誤的な実験手法によって導かれた適正記録条
件においては、信号品質の観点から許容される適正範囲
が非常に狭く、大量生産時の製品の品質保証、および生
産歩留り向上の観点から十分実用的であるとは言い難
い。
【0098】本発明者らはこの課題に対して、種々の実
験と検討を繰り返し行った結果、上記のような信号品質
劣化現象は、以下の作用によるものであることを見出し
た。
【0099】図4、図5に示したようなマスター情報担
体2上の個々の強磁性薄膜パターンのディスク周方向に
おける長さは、転写記録された情報を磁気ヘッドを用い
て再生した際の再生信号において、時間軸上で所定のパ
ルス間隔を得るよう設計されている。ところが、ハード
ディスクドライブにおいて転写記録されたハードディス
クの回転速度は一定であるから、ディスク上の一点にお
ける周速度は、ディスク内周よりもディスク外周の方が
大きくなる。従って、ある転写記録された信号を磁気ヘ
ッドで再生した際の信号波形において内周から外周に渡
って一定のパルス間隔を得るためには、強磁性薄膜パタ
ーンのディスク周方向における長さを外周ほど大きくす
ることが必要である。すなわち、図6の断面図を用いて
説明すれば、ある種の信号において一定のパルス間隔を
得るために、マスター情報担体2上の個々の強磁性薄膜
11の長さおよび個々の強磁性薄膜11どうし間の間隔
は、内周側よりも外周側の方が大きくなっている。
【0100】一方、強磁性薄膜11は、スパッタリング
法などを用いて一定の成膜速度で堆積されるため、一般
的にその膜厚は、内周側、外周側に関わらず一定となっ
ている。すなわち、個々の強磁性薄膜11の断面は、内
周ほど長さと膜厚の比(=長さ/膜厚)が小さく、外周
ほど長さと膜厚の比が大きい細長い形状となっている。
【0101】このように断面形状の異なる強磁性薄膜パ
ターンにおいては、図12(b)に示すように直流励磁
磁界14を印加した場合、その形状に伴う磁気異方性の
差異のため、その磁化過程やディスク状磁気記録媒体へ
の転写記録特性が異なってくる。つまり、ディスク状磁
気記録媒体の磁気特性がディスク全面において一様であ
る場合、磁化反転に寄与する漏れ磁束15において最適
値を得、転写記録特性において最適値を得る直流励磁磁
界14の値は、ディスク状磁気記録媒体の半径位置に依
存して異なってくるのである。このため、内周側で良好
な信号品質を得ることができる直流励磁磁界14におい
て転写記録を行った場合に外周側の信号品質が許容限度
以下であったり、逆に外周側で良好な信号品質を得るこ
とができる直流励磁磁界14において転写記録を行った
場合には内周側の信号品質が許容限度以下に劣化する現
象を生じてしまう。
【0102】本発明者らは、上記の現象をさらに詳細に
検討した結果、最適な直流励磁磁界値をディスク半径位
置で異ならせる磁気学的メカニズムを以下のとおり明ら
かにするに至った。
【0103】すなわち、長さと膜厚の比(=長さ/膜
厚)が大きい外周のパターンは、直流励磁磁界14の印
加方向における反磁界が小さいので、より小さい磁界値
において飽和に達しやすい。逆に、長さと膜厚の比が小
さい内周のパターンは、直流励磁磁界14の印加方向に
おける反磁界が外周に比べて大きい。このため、ハード
ディスク1上で強磁性薄膜間に対応する領域の磁化反転
に寄与する漏れ磁束15において同じ値を得るために
は、内周において外周よりも大きな直流励磁磁界を必要
とすることになる。このように、外周において最適な漏
れ磁束15を得、最適な信号品質を得ることができる直
流励磁磁界を用いて転写記録した場合には、内周側の強
磁性薄膜間に対応する領域で十分な磁化反転が得られ
ず、信号品質が劣化してしまう。逆に内周において最適
な漏れ磁束15を得、最適な信号品質を得ることができ
る直流励磁磁界を用いて転写記録した場合には、外周側
の強磁性薄膜11が飽和に達してしまう。すなわち、直
流励磁磁界14の印加によって強磁性薄膜11上におい
てハードディスク1の初期磁化とは逆極性の磁束を発生
し、初期磁化を減磁もしくは消去するために信号品質が
劣化してしまうのである。
【0104】以上のように、着磁用ヘッド6から漏洩す
る磁束によりハードディスク1に印加されるべき直流励
磁磁界の最適値が、ディスク内周側において外周側より
も大きいという現象を見出したことに基づき、本発明に
おいては、着磁用ヘッド6から漏洩する磁束によってマ
スター情報担体2に印加される磁界について、ハードデ
ィスク1の外周側の印加磁界は内周側の印加磁界よりも
小さくなるように構成する。これにより、内周側では十
分な磁化反転を得るとともに、外周側では強磁性薄膜上
の逆極性の漏れ磁束の発生を許容範囲以下に抑制して、
ディスク半径位置に関わらず良好な信号品質を得ること
ができる。
【0105】本発明者らは、着磁用ヘッド6から漏洩す
る磁束によってマスター情報担体2に印加される磁界に
ついて、ハードディスク1の外周側の印加磁界が内周側
の印加磁界よりも小さくなる構成を比較的容易かつ安価
に実現することが可能な着磁用ヘッド6およびこれを用
いた磁気記録方法の構成を見出した。
【0106】すなわち、本発明の磁気記録媒体製造方法
において、特定の構成、形状を有する着磁用ヘッド6を
用いることにより、着磁用ヘッド6から漏洩する磁束に
よってマスター情報担体2に印加される磁界について、
ハードディスク1の外周側の印加磁界が内周側の印加磁
界よりも小さくなるように構成することが可能となる。
【0107】以下に、本発明の磁気記録媒体製造方法に
用いられる着磁用ヘッド6、すなわち、マスター情報担
体2に印加される磁界について、外周側の印加磁界が内
周側の印加磁界よりも小さくするための着磁用ヘッド6
の構成について説明する。
【0108】(実施の形態2)図13に本発明の着磁用
ヘッドの一例を示している。図13は、第1の磁気コア
半体6bと第2の磁気コア半体6cとを対向させてギャ
ップ6dを有する環状の磁気回路を形成することにより
構成した着磁用ヘッド6をマスター情報担体2に対向し
て配置させた様子を示す斜視図である。図13に示す着
磁用ヘッド6では、ハードディスク1の外周側に対応す
る位置におけるマスター情報担体2と着磁用ヘッド6と
の離間寸法DOが、ハードディスク1の内周側に対応す
る位置におけるマスター情報担体2と着磁用ヘッド6と
の離間寸法DIよりも大きく、かつマスター情報担体2
との間の離間寸法が前記ハードディスク1の半径方向に
単調かつ連続的に変化するよう構成されている。このよ
うな構成を実現するため、図13に示した例では、着磁
用ヘッド6のマスター情報担体2と対向する側の一主面
であるヘッド主面がテーパ形状に加工されているが、実
施の形態に応じて曲面形状に加工してもよい。このよう
な構成によって、第1の磁気コア半体6bと第2の磁気
コア半体6cが一様に励磁された場合においても、着磁
用ヘッド6から漏洩する磁束によってマスター情報担体
2に印加される磁界が、ハードディスク1の外周側に対
応する位置において内周側に対応する位置よりも小さく
なるように構成することが可能となる。
【0109】図13に示した着磁用ヘッド6における磁
気回路の環状磁路に平行な断面、すなわち情報信号のト
ラック長さ方向、例えばディスク状磁気記録媒体である
ハードディスク1の周方向における断面の一例を図14
に示す。
【0110】図14は、図13の構成に加えて、第1の
磁気コア半体6bおよび第2の磁気コア半体6cの両方
もしくは片方を永久磁石材料により構成した例であり、
第1の磁気コア半体6bおよび第2の磁気コア半体6c
の両方もしくは片方が、これらが構成する磁気回路の環
状磁路に沿った向きに一様に着磁されている。この第1
の磁気コア半体6b、第2の磁気コア半体6cの少なく
とも一方を構成する永久磁石材料としては、残留磁束密
度1.0テスラ以上、保磁力10000エルステッド
(796kA/m)以上のものが好ましい。このような
特性を有する永久磁石として、Nd−Fe−BやSm−
Coなどの材料を主成分とする希土類磁石を用いること
ができる。
【0111】図13に示した着磁用ヘッド6における磁
気回路の環状磁路に平行な断面、すなわち情報信号のト
ラック長さ方向、例えばディスク状磁気記録媒体である
ハードディスク1の周方向における断面の別の一例を図
15に示す。
【0112】図15に示す例では、図13の構成に加え
て、第1の磁気コア半体6bもしくは第2の磁気コア半
体6cの少なくとも一方に、これらを直流励磁するため
の巻線6aを配置したものである。なお、図15の例で
は第2の磁気コア半体6c側に巻線6aを設けている。
【0113】図14に示す実施形態では、ヨーク形状を
有する第1の磁気コア半体6bおよび第2の磁気コア半
体6cをこれらが構成する磁気回路の環状磁路に沿った
向きに一様に着磁することが必要であるが、コア形状に
よっては環状磁路に沿った向きに一様に着磁することが
困難な場合がある。これに対して、図15に示す例の構
成では、巻線電流によってコアを励磁するので、第1お
よび第2の磁気コア半体6b,6cを構成する材料は永
久磁石材料でなくてもよく、様々な種類の軟質磁性もし
くは半硬質磁性を有する強磁性材料を用いることができ
る。すなわち磁気コアの構成要素として永久磁石を設け
なくてもよく、適切な向きに着磁するという煩わしさを
解消することができる。
【0114】図13に示した着磁用ヘッド6における磁
気回路の環状磁路に平行な断面、すなわち情報信号のト
ラック長さ方向、例えばディスク状磁気記録媒体である
ハードディスク1の周方向における断面の別の一例を図
16に示す。
【0115】本実施形態においては、上記の構成に加え
て、第1の磁気コア半体6bと第2の磁気コア半体6c
とを永久磁石6eを介して対向させた構成としている。
【0116】従って、図16に示す構成では、第1およ
び第2の磁気コア半体6b,6cを構成する材料は、永
久磁石材料ではなく、様々な種類の軟質磁性もしくは半
硬質磁性を有する強磁性材料を用いることができる。な
お、これらの第1および第2の磁気コア半体6b,6c
を構成する強磁性材料は、永久磁石6eから供給される
磁束によって局所的に著しい磁気飽和を生じないよう、
十分に高い飽和磁束密度を有することが好ましく、本実
施態様においては、Fe、Fe−Co合金、Fe−Si
系の軟磁性合金材料などを用いている。
【0117】上記で説明したように図14に示す実施形
態では、ヨーク形状の第1および第2の磁気コア半体
を、これらが構成する磁気回路の環状磁路に沿った向き
に一様に着磁することが必要となるが、コア形状によっ
ては、環状磁路に沿った向きに一様に着磁することが困
難な場合がある。
【0118】これに対して図16に示す構成では、永久
磁石6eのみが、第1の磁気コア半体6bおよび第2の
磁気コア半体6cとともに構成される磁気回路の環状磁
路に沿った方向、すなわち図16上では紙面の横方向に
一様に着磁しておけばよく、そして永久磁石6bには、
通常ブロック型の直方体形状のものを使用できるので、
図14に例示した着磁用ヘッドに比べて、容易かつ安価
に製造することができる。
【0119】なお、図16の構成において、環状磁路の
一部に用いられる永久磁石6eは、上記構成における磁
気コアと同様に、好ましくは残留磁束密度1.0テスラ
以上、保磁力10000エルステッド(796kA/
m)以上のものを用いる。また、このような特性を有す
る永久磁石として、Nd−Fe−BやSm−Coなどの
材料を主成分とする希土類磁石を用いることができる。
【0120】(実施の形態3)図17に本発明の着磁用
ヘッドの別の一例を示している。図17は、概略六面体
形状の永久磁石ブロック6fにより構成した着磁用ヘッ
ド6をマスター情報担体2に対向して配置させた様子を
示す斜視図である。図17に示す着磁用ヘッド6では、
ハードディスク1の外周側に対応する位置におけるマス
ター情報担体2と着磁用ヘッド6との離間寸法DOが、
ハードディスク1の内周側に対応する位置におけるマス
ター情報担体2と着磁用ヘッド6との離間寸法DIより
も大きく、かつマスター情報担体2との間の離間寸法が
前記ハードディスク1の半径方向に単調かつ連続的に変
化するよう構成されている。
【0121】このような構成を実現するため、図17に
示した例では、着磁用ヘッド6のマスター情報担体2と
対向する側の一主面であるヘッド主面がテーパ形状に加
工されているが、実施の形態に応じて曲面形状に加工し
てもよい。
【0122】このような構成によって、着磁用ヘッド6
を概略六面体形状の永久磁石ブロック6fにより構成し
た場合においても、着磁用ヘッド6から漏洩する磁束に
よってマスター情報担体2に印加される磁界について、
ハードディスク1の外周側の印加磁界が内周側の印加磁
界よりも小さくなるように構成することが可能となる。
【0123】永久磁石ブロック6fは例えば、図中の矢
印Eで示される向きに一様に着磁されており、これによ
って矢印Fで示すように発生する漏れ磁束によって、マ
スター情報担体2上に備えられた強磁性薄膜パターンを
磁化することができる。
【0124】既に説明したように図14に例示したよう
な実施形態では、ヨーク形状の第1および第2の磁気コ
ア半体を、これらが構成する磁気回路の環状磁路に沿っ
た向きに一様に着磁することが必要となるが、コア形状
によっては、環状磁路に沿った向きに一様に着磁するこ
とが困難な場合がある。
【0125】これに対して図17に示す構成では、図1
6に示す構成と同様に、永久磁石ブロック6fのみが、
矢印Eで示される向き、すなわち図17上では紙面の横
方向に一様に着磁しておけばよく、そして永久磁石ブロ
ック6fには、概略六面体形状のものを使用できるの
で、図14に例示した着磁用ヘッドに比べて、容易かつ
安価に製造することができる。
【0126】なお、図17の構成において用いられる永
久磁石ブロック6fは、図16に示した構成における永
久磁石6eと同様に、好ましくは残留磁束密度1.0テ
スラ以上、保磁力10000エルステッド(796kA
/m)以上のものを用いる。また、このような特性を有
する永久磁石として、Nd−Fe−BやSm−Coなど
の材料を主成分とする希土類磁石を用いることができ
る。
【0127】ところで、図13から図17に例示した着
磁用ヘッド6は、図9に例示した転写記録過程において
用いられることにより本発明の効果を発揮するものであ
って、図7に例示した直流消去過程においては、必ずし
もその効果を発揮するものではない。従って、図7に例
示した直流消去過程においては、図3に例示したような
従来の構成を有する着磁用ヘッドを用いることができ
る。すなわち、この場合においても、図9に例示した転
写記録過程において本発明の構成を有する着磁用ヘッド
を用いる限りにおいては、本発明の効果を十分に得るこ
とが可能である。
【0128】以上、本発明の磁気記録媒体製造方法に用
いる着磁用ヘッド6の実施形態を説明したが、これらの
着磁用ヘッド6とハードディスク1との間のスペーシン
グを適切な範囲に設定することにより、着磁用ヘッド6
から漏洩する磁束によってマスター情報担体2に印加さ
れる磁界について、ハードディスク1の外周側の印加磁
界が内周側の印加磁界よりも小さくなるように構成する
ことが可能であり、さらにこの場合、着磁用ヘッド6と
ハードディスク1との間のスペーシングの許容範囲を十
分に広くすることが可能となることから、情報信号の転
写記録過程において着磁用ヘッド6をマスター情報担体
2に対して相対移動させる際、ある程度のスペーシング
変動が生じたとしても、高品位の再生信号を安定して得
ることができ、大量生産時の製品の品質保証、および生
産歩留り向上の観点からも十分な性能マージンを有する
プリフォーマット記録を行うことができる。
【0129】さらに以上の説明では、磁気記録媒体とし
て、主にハードディスクドライブ等に搭載されるハード
ディスクに応用することに主眼をおいて記述を行った
が、本発明はこれに限られるものではなく、フレキシブ
ル磁気ディスク等のディスク状の磁気記録媒体において
も応用可能であり、上記と同様に発明の効果を得ること
ができる。
【0130】また、磁気記録媒体に記録される情報信号
に関しては、トラッキング用サーボ信号やアドレス情報
信号、再生クロック信号等のプリフォーマット信号に主
眼をおいて記述を行ったが、本発明の構成が応用可能な
情報信号も、上記に限られたものではない。例えば、本
発明の構成を用いて様々なデータ信号やオーディオ、ビ
デオ信号の記録を行うことも原理的に可能である。この
場合には、本発明の磁気記録媒体製造方法によって、ソ
フトディスク媒体の大量複写生産を行うことができる。
【0131】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、磁気記録
媒体、特に固定ハードディスク媒体、リムーバブルハー
ドディスク媒体、大容量フレキシブル媒体等のディスク
状磁気記録媒体に対するマスター情報担体上の情報信号
対応のパターンの磁気転写を磁気記録媒体全面に亘って
均一にかつ安定して行うことができる。すなわち、高密
度の情報信号を高信頼性のもとで短時間に生産性良く磁
気転写記録することができる。
【0132】しかも、マスター情報担体の情報信号を磁
気記録媒体に転写記録した際に、転写記録された信号の
品質が劣化することがなく、大量生産時の製品の品質保
証、および生産歩留り向上の観点から十分に信号品質の
優れた記録技術を提供することができる。
【0133】特に、磁気記録媒体に対するマスター情報
担体上の情報信号対応のパターンの磁気転写を磁気記録
媒体全面に亘って均一にかつ安定して行うに当たり、マ
スター情報担体と着磁用ヘッドとを両者間の離間寸法が
外周側ほど大きくなる状態で対向させるという簡単な改
良で大きな効果を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による磁気記録媒体への
信号記録を実施するための装置の一例の概要を示す断面
【図2】実施の形態1の着磁用ヘッドの概略を示す斜視
【図3】実施の形態1の着磁用ヘッドのマスター情報担
体に対向する一主面を示す平面図(従来例も同じ)
【図4】本発明の記録方法に用いるマスター情報担体の
一例を示す平面図
【図5】マスター情報担体に形成される情報信号の配列
パターンの一例を説明するための説明図
【図6】本発明によるマスター情報担体の一例を示す断
面図
【図7】本発明による記録方法において、ハードディス
クに一方向磁界を印加している状況を示す斜視図
【図8】図7に示す工程により一方向に着磁されたハー
ドディスクの状況を模式的に示す斜視図
【図9】本発明による記録方法によりハードディスクに
情報信号を転写記録している状況を示す斜視図
【図10】図9に示す工程により情報信号が記録された
ハードディスクの状況を模式的に示す斜視図
【図11】図9に示す工程によりハードディスクに情報
信号を転写記録した場合の磁化パターンの様子を説明す
るための説明図
【図12】本発明においてマスター情報担体を用いたプ
リフォーマット記録の好ましい記録状態を示す模式図
【図13】本発明の記録方法に用いる着磁用ヘッドをマ
スター情報担体に対向して配置させた際の構成の一例を
示す斜視図
【図14】本発明の記録方法に用いる着磁用ヘッドの一
例を示す断面図
【図15】本発明の記録方法に用いる着磁用ヘッドの別
の一例を示す断面図
【図16】本発明の記録方法に用いる着磁用ヘッドの別
の一例を示す断面図
【図17】本発明の記録方法に用いる着磁用ヘッドをマ
スター情報担体に対向して配置させた際の構成の別の一
例を示す斜視図
【符号の説明】
1 ハードディスク 2 マスター情報担体 2a 信号領域 6 着磁用ヘッド 6a 巻線 6b 第1の磁気コア半体 6c 第2の磁気コア半体 6d ギャップ 6e 永久磁石 6f 永久磁石ブロック 10 非磁性の基体 11 強磁性薄膜
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年9月18日(2002.9.1
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 磁気記録媒体製造方法および磁気記録
媒体製造用の着磁用ヘッド
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体製造
方法にかかわり、特には、磁気記録再生装置に用いられ
る磁気記録媒体に所定の情報信号を記録するための技術
に関する。本発明はまた、磁気記録媒体製造方法に用い
られる着磁用ヘッドに関する
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0066
【補正方法】削除
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】削除
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0068
【補正方法】削除
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】削除
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 5/325 G11B 5/325 D 5/84 5/84 Z (72)発明者 橋 秀幸 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5D093 EA05 EA12 5D111 AA14 AA24 BB12 5D112 DD09

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスター情報担体をディスク状の磁気記
    録媒体に重ね合わせた状態で着磁用ヘッドによる前記マ
    スター情報担体の磁性部の磁化を通じて、前記磁性部か
    らの漏洩磁束をもって前記マスター情報担体上の情報信
    号対応のパターンを前記磁気記録媒体に磁気転写する磁
    気記録媒体製造方法であって、 前記着磁用ヘッドの漏洩磁束による前記マスター情報担
    体への印加磁界について、前記磁気記録媒体の外周側ほ
    ど印加磁界を小さくする状態で印加することを特徴とす
    る磁気記録媒体製造方法。
  2. 【請求項2】 前記マスター情報担体と前記着磁用ヘッ
    ドとを両者間の離間寸法が外周側ほど大きくなる状態で
    対向させて磁気転写を行うことを特徴とする請求項1に
    記載の磁気記録媒体製造方法。
  3. 【請求項3】 前記着磁用ヘッドとして、第1の磁気コ
    ア半体と第2の磁気コア半体とをギャップ形成状態に接
    合してなる着磁用ヘッドを用いることを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載の磁気記録媒体製造方法。
  4. 【請求項4】 前記着磁用ヘッドとして、前記第1の磁
    気コア半体と前記第2の磁気コア半体のうち少なくとも
    一方が永久磁石で構成されている着磁用ヘッドを用いる
    ことを特徴とする請求項3に記載の磁気記録媒体製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記着磁用ヘッドとして、前記第1の磁
    気コア半体と前記第2の磁気コア半体とが両者間に永久
    磁石を介在する状態で接合されている着磁用ヘッドを用
    いることを特徴とする請求項3に記載の磁気記録媒体製
    造方法。
  6. 【請求項6】 前記着磁用ヘッドとして、前記第1の磁
    気コア半体と前記第2の磁気コア半体のうちの少なくと
    も一方が直流励磁用巻線を具備する着磁用ヘッドを用い
    ることを特徴とする請求項3に記載の磁気記録媒体製造
    方法。
  7. 【請求項7】 前記着磁用ヘッドとして、概略六面体形
    状の永久磁石ブロックからなる着磁用ヘッドを用いるこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2に記載の磁気記
    録媒体製造方法。
  8. 【請求項8】 前記磁気転写の工程に先立って、前記磁
    気記録媒体に対して直流消去磁界を印加して一定方向に
    磁化する工程を含み、前記磁化済みの磁気記録媒体に前
    記マスター情報担体を重ね合わせた状態での磁気転写の
    工程において、前記マスター情報担体の磁性部に前記着
    磁用ヘッドを用いて前記直流消去磁界とは逆極性の磁界
    を印加することにより、前記マスター情報担体上の情報
    信号対応のパターンを前記磁気記録媒体に磁気転写する
    ことを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか
    に記載の磁気記録媒体製造方法。
  9. 【請求項9】 前記磁気記録媒体に印加する直流消去磁
    界について、前記磁気記録媒体の半径方向においてほぼ
    一定の直流消去磁界を印加することを特徴とする請求項
    8に記載の磁気記録媒体製造方法。
  10. 【請求項10】 マスター情報担体に対面するヘッド主
    面が、前記マスター情報担体との離間寸法において単調
    かつ連続的に磁気記録媒体外周側ほど大きくなるテーパ
    形状または曲面形状に形成されていることを特徴とする
    磁気記録媒体製造用の着磁用ヘッド。
  11. 【請求項11】 当該着磁用ヘッドが第1の磁気コア半
    体と第2の磁気コア半体とからなり、この第1の磁気コ
    ア半体と第2の磁気コア半体とがギャップ形成状態に接
    合されていることを特徴とする請求項10に記載の磁気
    記録媒体製造用の着磁用ヘッド。
  12. 【請求項12】 前記第1の磁気コア半体と前記第2の
    磁気コア半体のうち少なくとも一方が永久磁石で構成さ
    れていることを特徴とする請求項11に記載の磁気記録
    媒体製造用の着磁用ヘッド。
  13. 【請求項13】 前記第1の磁気コア半体と前記第2の
    磁気コア半体とが両者間に永久磁石を介在する状態で接
    合されていることを特徴とする請求項11に記載の磁気
    記録媒体製造用の着磁用ヘッド。
  14. 【請求項14】 前記第1の磁気コア半体と前記第2の
    磁気コア半体のうちの少なくとも一方が直流励磁用巻線
    を具備していることを特徴とする請求項11に記載の磁
    気記録媒体製造用の着磁用ヘッド。
  15. 【請求項15】 当該着磁用ヘッドが概略六面体形状の
    永久磁石ブロックから構成されていることを特徴とする
    請求項10に記載の磁気記録媒体製造用の着磁用ヘッ
    ド。
  16. 【請求項16】 請求項1から請求項9までのいずれか
    に記載の磁気記録媒体製造方法によって製造され、あら
    かじめ磁性膜に所定の情報信号に対応したパターンが磁
    気転写された磁気記録媒体が内蔵されて構成されている
    ことを特徴とするハードディスクドライブ。
  17. 【請求項17】 請求項1から請求項9までのいずれか
    に記載の磁気記録媒体製造方法を用いてプリフォーマッ
    ト記録された磁気記録媒体が内蔵されて構成されている
    ことを特徴とする磁気記録再生装置。
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JP2008234705A (ja) * 2007-03-16 2008-10-02 Hitachi Maxell Ltd 消去ヘッド

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US7332194B2 (en) 2003-05-20 2008-02-19 Fuji Electric Device Technology Co., Ltd. Perpendicular magnetic recording medium and method of manufacturing thereof
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