JP3441444B2 - 着磁用ヘッド - Google Patents

着磁用ヘッド

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JP3441444B2
JP3441444B2 JP2001262153A JP2001262153A JP3441444B2 JP 3441444 B2 JP3441444 B2 JP 3441444B2 JP 2001262153 A JP2001262153 A JP 2001262153A JP 2001262153 A JP2001262153 A JP 2001262153A JP 3441444 B2 JP3441444 B2 JP 3441444B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録再生装置
に用いられる磁気記録媒体に、所定の情報信号を記録す
るための着磁用ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録再生装置は、小型でかつ
大容量を実現するために、高記録密度化の傾向にある。
代表的な磁気記憶装置であるハードディスクドライブの
分野においては、すでに面記録密度10Gbit/in
2(15.5Mbit/mm2)を超える装置が商品化さ
れており、数年後には、面記録密度が20Gbit/i
2(31.0Mbit/mm2)である装置の実用化が
議論されるほど、急激な技術進歩が認められる。
【0003】このような高記録密度化を可能とした技術
的背景としては、媒体自体の性能、あるいはヘッド・デ
ィスクインタフェース性能の向上の他、パーシャルレス
ポンス等の新規な信号処理方式の出現による線記録密度
の向上も大きな要因の一つとなっている。
【0004】しかしながら昨今では、トラック密度の増
加傾向の方が線記録密度の増加傾向を大きく上回ってお
り、面記録密度の急激な向上に大きく寄与しているもの
と考えられている。これは、従来の誘導型磁気ヘッドに
比べて、はるかに再生出力性能に優れた磁気抵抗素子型
ヘッドを実用化したことによるものである。
【0005】現在、かかる磁気抵抗素子型ヘッドの実用
化により、わずか数μm以下のトラック幅信号を良好な
S/N比で再生することが可能となっている。一方、今
後さらなるヘッド性能の向上にともない、近い将来には
トラックピッチがサブミクロン領域に達するものと予想
されている。
【0006】さて、ヘッドがこのような狭トラックを正
確に走査し、信号を良好なS/N比で再生するために
は、ヘッドのトラッキングサーボ技術が重要な要素とな
ってくる。かかる要求を満たすトラッキングサーボ技術
として、現在のハードディスクドライブにおいては、デ
ィスク1周、すなわち角度にして360度中において、
一定の角度間隔でトラッキング用サーボ信号やアドレス
情報信号、再生クロック信号等を記録するための領域を
設けている(以下、「プリフォーマット」という。)。
磁気ヘッドは、一定間隔でこれらの信号を再生すること
により、ヘッドの位置を確認、修正しながら正確にトラ
ック上を走査することができる。
【0007】既述のトラッキング用サーボ信号やアドレ
ス情報信号、再生クロック信号等は、ヘッドが正確にト
ラック上を走査するための基準信号となるものであるた
め、その記録時には、正確な位置決め精度が要求され
る。現在のハードディスクドライブでは、ディスクをド
ライブに組み込んだ後、専用のサーボ記録装置を用いて
厳密に位置制御された磁気ヘッドによって、当該プリフ
ォーマット記録が行われている。
【0008】従来、上記のような専用のサーボ記録装置
を用いた磁気ヘッドによるサーボ信号やアドレス情報信
号、再生クロック信号のプリフォーマット記録において
は、以下のような課題があった。
【0009】まず第1に、磁気ヘッドによる記録は、基
本的にヘッドと媒体との相対移動に基づく線記録であ
る。このため、専用のサーボ記録装置を用いて磁気ヘッ
ドを厳密に位置制御しながら記録を行う上記の方法で
は、プリフォーマット記録に多くの時間を要するととも
に、専用のサーボ記録装置が相当に高価であることにも
起因して、非常にコストが高くなってしまう。
【0010】第2に、ヘッド・媒体間のスペーシングや
記録ヘッドのポール形状による記録磁界の広がりのた
め、プリフォーマット記録されたトラック端部の磁化遷
移が急峻性に欠けるという問題があった。すなわち、現
在のトラッキングサーボ技術は、ヘッドがトラックを外
れて走査した際の再生出力の変化量によって、ヘッドの
位置検出を行うものである。したがって、プリフォーマ
ット記録された信号トラックには、サーボ領域間に記録
されたデータ情報信号を再生する際のようにヘッドがト
ラック上を正確に走査した際のS/N比に優れるだけで
はなく、ヘッドがトラックを外れて走査した際の再生出
力変化量、すなわちオフトラック特性が急峻であること
が要求されることになる。つまり、プリフォーマット記
録されたトラック端部の磁化遷移が急峻性に欠けるので
は、かかる要求に相反することになり、今後のサブミク
ロントラック記録における正確なトラッキングサーボ技
術の実現を困難にするおそれがあった。
【0011】そこで、磁気ヘッドを用いた上記従来のプ
リフォーマット記録の課題を解決する手段として、以下
のような方法が提案されている。
【0012】例えば、特開平10−40544号公報に
おいては、基体の表面に、情報信号に対応するパターン
形状で強磁性材料からなる磁性部を形成してマスタ情報
担体とし、このマスタ情報担体の表面を、強磁性薄膜あ
るいは強磁性粉塗布層が形成されたシート状もしくはデ
ィスク状磁気記録媒体の表面に接触させ、所定の磁界を
かけることにより、マスタ情報担体に形成した情報信号
に対応するパターン形状の磁化パターンを磁気記録媒体
に記録する方法が開示されている。
【0013】この特開平10−40544号公報に開示
された記録方法においては、一方向に磁化されたマスタ
情報担体表面の強磁性薄膜から発生する記録磁界によ
り、磁気記録媒体にはマスタ情報担体の強磁性薄膜パタ
ーンに対応した磁化パターンが転写記録される。すなわ
ち、マスタ情報担体表面に、トラッキング用サーボ信号
やアドレス情報信号、再生クロック信号等に対応する強
磁性薄膜パターンをフォトリソグラフィ技術等によって
形成することにより、磁気記録媒体上にはこれらに対応
するプリフォーマット記録を行うことができることにな
る。
【0014】このようにすることで、従来の磁気ヘッド
による記録が、基本的にヘッドと媒体との相対移動に基
づく動的線記録であるのに対し、マスタ情報担体と媒体
との相対移動を伴わない静的な面記録で行うことがで
き、既述のプリフォーマット記録における課題に対し
て、下記のような極めて有効な効果を発揮することが可
能となる。
【0015】まず第1に、面記録であるため、プリフォ
ーマット記録に要する時間は、従来の磁気ヘッドによる
記録方法に比べて、非常に短くなる。また、磁気ヘッド
を厳密に位置制御しながら記録を行うための高価なサー
ボ記録装置も不要となる。したがって、プリフォーマッ
ト記録における生産性を大幅に向上できるとともに、生
産コストを低減することも可能となる。
【0016】第2に、マスタ情報担体と媒体との相対移
動を伴わない静的記録であるため、マスタ情報担体表面
と磁気記録媒体表面を密着させることにより、記録時の
両者間のスペーシングを最小限にすることができる。さ
らに、磁気ヘッドによる記録のように、記録ヘッドのポ
ール形状による記録磁界の広がりを生じることもないた
め、プリフォーマット記録されたトラック端部の磁化遷
移は、従来の磁気ヘッドによる記録に比べて、優れた急
峻性を有し、より正確なトラッキングが可能となる。
【0017】ここで上述した特開平10−40544号
公報で開示されている磁化パターンを磁気記録媒体に記
録する方法について、図面を参照しながら説明する。図
19は、本記録方法を実施するための記録装置の構成断
面図である。
【0018】図19において、ディスク状磁気記録媒体
としての円盤状のハードディスク1は、中心孔1aを有
するドーナツ円盤状のアルミニウム基板の表面に、Co
等からなる強磁性薄膜をスパッタリング法によって成膜
することにより構成されている。
【0019】2は、ハードディスク1の強磁性薄膜等か
らなる磁性膜表面に接触するように重ね合わされて配置
された円盤状のマスタ情報担体であり、当該マスタ情報
担体2はハードディスク1より径が大きい形状となって
おり、ハードディスク1に接触する側の表面には、ハー
ドディスク1に磁気転写すべき情報信号に対応した微細
な配列パターン形状の強磁性薄膜からなる信号領域2a
が設けられている。
【0020】3は、ハードディスク1を保持するディス
ク保持体であり、当該ディスク保持体3の先端部には、
ハードディスク1を位置決め保持するチャック部3aが
設けられている。また、ディスク保持体3の内部には、
ハードディスク1の中心孔1aに連通し、かつ一端が排
気ダクト4に接続される吸引孔3bが設けられている。
【0021】また、排気ダクト4の端部には排気装置5
が装着されており、この排気装置5を始動させることに
より、排気ダクト4、ディスク保持体3の吸引孔3bを
通して、ハードディスク1とマスタ情報担体2との間の
空間が負圧状態となる。その結果、マスタ情報担体2が
ハードディスク1の方向に吸引され、マスタ情報担体2
にハードディスク1が位置決めされた状態で重ね合わさ
れることになる。なお、重ね合わされた場合であって
も、ハードディスク1とマスタ情報担体2との間には若
干の隙間があり、その隙間を通して、図19の矢印で示
すように外部から空気が吸引される。
【0022】また、着磁用ヘッド6は、マスタ情報担体
2からハードディスク1に転写記録するためのもので、
この着磁用ヘッド6が発生する磁界により、マスタ情報
担体2に形成された情報信号に対応した強磁性薄膜パタ
ーンから発生する磁界によってハードディスク1に情報
信号が記録される。
【0023】この着磁用ヘッド6は、図16に示すよう
に、永久磁石7を挟んで、強磁性材料からなる磁気コア
半体6aと同じく強磁性材料からなる磁気コア半体6b
とを対向させて、ギャップ6cを有する環状の磁気回路
を形成したものであり、ギャップ6cには、矢印Cで示
すように磁気コア半体6bから磁気コア半体6aに向か
う漏れ磁束が発生する。なお、矢印Dは、磁気コア半体
6a及び6bに発生する内部磁束の方向を示している。
【0024】また、着磁用ヘッド6のギャップ6cの形
状は、マスタ情報担体2に対向する面において、記録再
生用磁気ヘッドのトラッキング走査軌道と同じ円弧にな
っている。したがって、ギャップ6cに発生する磁界の
方向は、トラッキング走査軌道と常に垂直となり、マス
タ情報担体2の強磁性薄膜は、全てのトラックにおい
て、記録再生用磁気ヘッドのトラッキング走査方向と垂
直な方向に磁化される。すなわち、記録再生用磁気ヘッ
ドのヘッドギャップ長方向と同じ方向に磁化されること
になる。
【0025】次に、マスタ情報担体2について説明す
る。図5にマスタ情報担体2の平面図を模式的に示す。
図5に示すように、マスタ情報担体2の一主面、すなわ
ちハードディスク1の強磁性薄膜表面に接触する側の表
面には、略放射状に信号領域2aが形成されている。
【0026】また、図5の一点鎖線で囲んだ部分Eの拡
大図を、図6に示す。図6において、ハッチングを施し
た部分に示すように、信号領域2aには、磁気記録媒体
に記録されるデジタル情報信号、例えばプリフォーマッ
ト記録に対応する位置に、デジタル情報信号に対応した
パターン形状で強磁性薄膜からなる磁性部によるマスタ
情報パターンが形成されている。かかるマスタ情報パタ
ーンは、クロック信号、トラッキング用サーボ信号、ア
ドレス情報信号等の各々の領域をトラック長さ方向に順
次配列したものである。なお、図6に示すマスタ情報パ
ターンは一例であり、磁気記録媒体に記録されるデジタ
ル情報信号に応じて、マスタ情報パターンの構成や配置
等を適宜決定することとなる。
【0027】例えば、ハードディスクドライブにおい
て、ハードディスクの磁性膜に、まずリファレンス信号
を記録し、そのリファレンス信号に基づいてトラッキン
グ用サーボ信号等のプリフォーマット記録を行う場合に
は、マスタ情報担体2を用いて、あらかじめハードディ
スクの磁性膜にプリフォーマット記録に用いるリファレ
ンス信号のみを転写記録してから、当該ハードディスク
をドライブの筐体内に組み込み、トラッキング用サーボ
信号等のプリフォーマット記録については、ハードディ
スクドライブの磁気ヘッドを使用して行うようにするこ
とができる。
【0028】この場合、最終的なプリフォーマット記録
は、従来と同様にドライブ内に搭載された磁気ヘッドに
よって行われる。しかしながら、高価な専用のサーボ記
録装置を用いることなく、ドライブ自体が転写記録され
たリファレンス信号を参照して最終的なプリフォーマッ
ト記録を自己完結することができるので、最終的なプリ
フォーマット情報信号を直接転写記録する場合と同様
に、従来の方法に比べてコストメリットが大きい。
【0029】図5及び図6に示した領域の一部断面を図
7に示す。図7に示すように、マスタ情報担体2は、S
i基板、ガラス基板、プラスチック基板等の非磁性材料
からなる円盤状の基体10の一主面、すなわちハードデ
ィスク1の表面が接触する側の表面に、情報信号に対応
する複数の微細な配列パターン形状で凹部10aを形成
し、その基体10の凹部10aに磁性部である強磁性薄
膜11を埋め込む形態で形成することにより構成されて
いる。
【0030】ここで、強磁性薄膜11としては、硬質磁
性材料、半硬質磁性材料、軟質磁性材料を問わず、多く
の種類の磁性材料を用いることができ、磁気記録媒体に
デジタル情報信号を転写記録できるものであれば何でも
よい。例えば、Fe、Co、Fe−Co合金などを用い
ることもできる。
【0031】なお、マスタ情報が記録される磁気記録媒
体の種類によらずに十分な記録磁界を発生させるために
は、磁性材料の飽和磁束密度が大きいほどよい。特に、
2000エルステッド(159kA/m)を超える高保
磁力の磁気ディスクや磁性層の厚みの大きいフレキシブ
ルディスクに対しては、飽和磁束密度が0.8テスラ以
下になると十分な記録を行うことができない場合がある
ことから、一般的には、0.8テスラ以上、好ましくは
1.0テスラ以上の飽和磁束密度を有する磁性材料を用
いる方が良い。
【0032】また、強磁性薄膜11の厚さは、ビット長
や磁気記録媒体の飽和磁化や磁性層の膜厚によるが、例
えばビット長約1μm、磁気記録媒体の飽和磁化約50
0emu/cc(500kA/m)、磁気記録媒体の磁
性層の厚さが約20nmの場合では、50nm〜500
nm程度あればよい。
【0033】ここで、このような記録方法において、良
好な記録信号品質を得るためには、マスタ情報担体に設
けた強磁性薄膜としての軟質磁性薄膜もしくは半硬質磁
性薄膜の配列パターン形状に基づいて、プリフォーマッ
ト記録時にはこれを励磁して一様に磁化することが望ま
しい。また、マスタ情報担体を用いた信号記録に先立っ
て、ハードディスク等の磁気記録媒体を一様に直流消去
しておくことが望ましい。
【0034】次に、マスタ情報担体に形成したパターン
形状に対応した情報信号を、ディスク状磁気記録媒体で
あるハードディスクに記録する手順について説明する。
【0035】まず、図20に示すように、着磁用ヘッド
6とは永久磁石の極性が反対となるように配置した着磁
用ヘッド8をハードディスク1に近づけた状態で、ハー
ドディスク1の中心軸を回転軸としてハードディスク1
と平行に回転させることにより、図9の矢印で示すよう
にハードディスク1を予め一方向に磁化する(初期磁
化)。
【0036】次に、図19に示すように、ハードディス
ク1にマスタ情報担体2を位置決めして重ね合わせた状
態で、排気装置5を始動させることにより、ハードディ
スク1の中心孔1aを通してマスタ情報担体2が吸引さ
れ、マスタ情報担体2の強磁性薄膜11が形成されてい
る面とハードディスク1とが均一に密着するように重ね
合わされる。
【0037】その後、図21に示すように、着磁用ヘッ
ド6によって、初期磁化とは逆方向に磁界を印加しなが
ら、ディスク保持体3に保持されているハードディスク
1の中心を回転中心として、マスタ情報担体2と平行に
回転させることにより、マスタ情報担体2に直流励磁磁
界を印加する。これにより、マスタ情報担体2の強磁性
薄膜11が磁化され、そしてマスタ情報担体2に重ね合
わせたハードディスク1の所定の領域1bに、図11に
示すように強磁性薄膜11による磁性部のパターン形状
に対応した情報信号が記録される。なお、図11に示す
矢印は、この時ハードディスク1に転写記録される磁化
パターンの磁界の方向を示している。
【0038】図12にその磁化処理時の様子を示してお
り、マスタ情報担体2を磁気記録媒体であるハードディ
スク1に密着させた状態で、マスタ情報担体2に外部か
ら磁界を印加して強磁性薄膜11を磁化することによっ
て、ハードディスク1の強磁性薄膜からなる磁気記録層
1cに情報信号を記録することができる。すなわち、非
磁性の基体10に所定のパターン形状で強磁性薄膜11
を形成して構成したマスタ情報担体2を用いることによ
り、デジタル情報信号を磁気記録媒体であるハードディ
スク1に磁気的に転写記録することができる。
【0039】ここで、転写記録方法について、より詳し
く説明する。上述したプリフォーマット記録の過程を図
13に示しており、図13(a)は磁気記録媒体である
ハードディスク1の直流消去過程、同図(b)はマスタ
情報担体2を用いた信号記録過程、および同図(c)は
プリフォーマット記録後のハードディスク1の残留磁化
状態を、それぞれ情報信号トラック長さ方向における断
面で示している。この磁気記録媒体がハードディスク1
である場合、情報信号トラック長さ方向は、ディスク円
周方向に一致する。
【0040】図13(a)に示すように、ハードディス
ク1はマスタ情報担体2を用いた信号の転写記録に先立
って直流消去磁界12によって一定方向の磁化13によ
り一様に直流消去される。次に、図13(b)に示すよ
うに、情報信号に対応する配列パターン形状で強磁性薄
膜が形成されたマスタ情報担体2の表面を磁気記録媒体
であるハードディスク1の表面に密着させ、直流励磁磁
界14によって強磁性薄膜11を励磁する。この際、直
流励磁磁界14の極性は、直流消去磁界12と逆極性と
する。これにより、強磁性薄膜11間の部分においての
み、漏れ磁束15によりハードディスク1上の磁化13
が反転される。この結果、マスタ情報担体2を取り除い
た後、ハードディスク1上にはマスタ情報担体2上に形
成された強磁性薄膜の配列パターン形状に対応する磁化
13のパターンを記録することができる。
【0041】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うなマスタ情報担体2から磁気記録媒体に転写記録する
方法においては、マスタ情報担体2に、初期化された磁
気記録媒体の磁化について、信号パターンに応じて反転
させるのに十分な面内方向磁界を印加する必要がある。
ここで反転に必要とされる印加磁界は、磁気記録媒体の
保磁力が高くなるほど大きくなる。一方で磁気記録媒体
の記録密度を向上させるためには、通常磁気記録媒体の
保磁力を大きくしなければならない。したがって、磁気
記録媒体の記録密度向上に伴って、磁気転写に必要な印
加磁界は増加していく。
【0042】強い印加磁界を発生させる着磁用ヘッドを
実現する方法としては、強力な永久磁石を用いる方法が
考えられる。しかしながら、単に永久磁石の断面積を増
やす、あるいは高い磁束密度を有する永久磁石材料を使
用する等の方法では、ギャップ部の漏れ磁束を効率良く
増加させることはできない。したがって、ギャップ部以
外の漏れ磁束も増大し、良好な記録自体ができないこと
になってしまう。
【0043】また、着磁用ヘッドと磁気記録媒体の磁性
層との距離を小さくすることでも、印加磁界を増大する
ことは可能であるが、着磁用ヘッドと磁気記録媒体の間
にはマスタ情報担体2が介在するため、着磁用ヘッドと
磁気記録媒体の磁性層との隙間の削減には物理的な限界
がある。
【0044】本発明は、上述したような現状に鑑み、記
録密度の高い磁気記録媒体、特に固定ハードディスク媒
体、リムーバブルハードディスク媒体、大容量フレキシ
ブル媒体等のディスク状磁気記録媒体について、ヘッド
の構成を特に変化させることなく選択的に特定の漏れ磁
束のみを増加させることができ、安定して高密度の情報
信号を記録することができる着磁用ヘッドを提供するこ
とを目的とする。
【0045】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明にかかる着磁用ヘッドは、基体上に、所定の情
報信号に対応する配列パターン形状になるように強磁性
薄膜からなる磁性部を形成したマスタ情報担体の前記磁
性部を磁化する着磁用ヘッドであって、第1の磁気コア
半体の先端面と、第2の磁気コア半体の先端面とが、
なくともその一部が平行となるようにギャップを介して
対向し、環状の磁気回路が形成され、第1の磁気コア半
体及び第2の磁気コア半体は、ともに磁気回路の環状磁
路と平行な断面のギャップを形成する先端部分におい
て、一定の磁路厚みを有する平行部と、先端面が前記磁
性部と対向する面と反対側で面取りされた面取り部とを
有することにより、ギャップにおける磁性部と対向する
面側への漏れ磁束を選択的に増加させることを特徴とす
る。
【0046】かかる構成により、記録密度の高い磁気記
録媒体、特に固定ハードディスク媒体、リムーバブルハ
ードディスク媒体、大容量フレキシブル媒体等のディス
ク状磁気記録媒体について、ヘッドの構成を特に変化さ
せることなく選択的に特定の漏れ磁束のみを増加させる
ことができ、安定して高密度の情報信号を記録すること
ができる。また、本発明にかかる着磁用ヘッドは、前記
平行部の厚みが2mm、前記面取り部の長さが1.5m
m、ギャップ隙間が2mmであることが好ましい。
【0047】次に、上記目的を達成するために本発明に
かかる着磁用ヘッドは、基体上に、所定の情報信号に対
応する配列パターン形状になるように強磁性薄膜からな
る磁性部を形成したマスタ情報担体の磁性部を磁化する
着磁用ヘッドであって、第1の磁気コア半体の先端面
と、第2の磁気コア半体の先端面とが、少なくともその
一部が平行となるようにギャップを介して対向し、環状
の磁気回路が形成され、第1の磁気コア半体及び第2の
磁気コア半体は、ともに磁気回路の環状磁路と平行な断
面のギャップを形成する先端部分において、一定の磁路
厚みを有する平行部と、先端面が磁性部と対向する面と
反対側で凹曲面上に形状加工された部分を有することを
特徴とする。かかる構成によっても、記録密度の高い磁
気記録媒体、特に固定ハードディスク媒体、リムーバブ
ルハードディスク媒体、大容量フレキシブル媒体等のデ
ィスク状磁気記録媒体について、ヘッドの構成を特に変
化させることなく選択的に特定の漏れ磁束のみを増加さ
せることができ、安定して高密度の情報信号を記録する
ことができる。また、本発明にかかる着磁用ヘッドは、
ギャップを形成している第1の磁気コア半体及び第2の
磁気コア半体の部分が、磁性部と対向する面と反対側で
面取りされていることが好ましい。製造工程において加
工が容易だからである。
【0048】また、本発明にかかる着磁用ヘッドは、第
1の磁気コア半体、及び第2の磁気コア半体のうち、少
なくとも一方を永久磁石で構成することが好ましい。永
久磁石を用いた場合であっても、ギャップ部以外の部分
における漏れ磁束が増加することがないからである。
【0049】また、本発明にかかる着磁用ヘッドは、第
1の磁気コア半体と第2の磁気コア半体とを永久磁石を
介して対向させることが好ましい。永久磁石を介した場
合であっても、ギャップ部以外の部分における漏れ磁束
が増加することがないからである。
【0050】また、本発明にかかる着磁用ヘッドは、第
1の磁気コア半体、及び第2の磁気コア半体のうち、少
なくとも一方に直流励磁するための巻線を配置すること
が好ましい。巻線に流す電流の大小によって印加磁界の
強度を制御することができ、装置全体の構成を簡素化す
ることができるからである。
【0051】また、本発明にかかる磁気記録再生装置
は、上述したような着磁用ヘッドを用いて、プリフォー
マット記録された磁気記録媒体を用いることを特徴とす
る。かかる構成により、記録密度の高い磁気記録媒体、
特に固定ハードディスク媒体、リムーバブルハードディ
スク媒体、大容量フレキシブル媒体等のディスク状磁気
記録媒体について、ヘッドの構成を特に変化させること
なく選択的に特定の漏れ磁束のみを増加させることがで
き、安定して高密度の情報信号を記録することができ
る。
【0052】また、本発明にかかるハードディスクドラ
イブは、ディスク状磁気記録媒体を有するハードディス
クドライブであって、ディスク状磁気記録媒体が、上述
したような着磁用ヘッドを用いることにより、あらかじ
め磁性膜に所定の情報信号の磁化パターンを転写記録さ
れていることを特徴とする。
【0053】かかる構成により、記録密度の高い磁気記
録媒体、特に固定ハードディスク媒体、リムーバブルハ
ードディスク媒体、大容量フレキシブル媒体等のディス
ク状磁気記録媒体について、ヘッドの構成を特に変化さ
せることなく選択的に特定の漏れ磁束のみを増加させる
ことができ、安定して高密度の情報信号を記録すること
ができる。
【0054】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態にかか
る着磁用ヘッドについて、図面を参照しながら説明す
る。なお、上述した従来の着磁用ヘッドと同様の内容に
ついては、説明を省略する。図4は本発明の実施の形態
にかかる着磁用ヘッドを用いた記録装置の構成図であ
る。
【0055】図4において、ディスク状磁気記録媒体と
しての円盤状のハードディスク1は、中心孔1aを有す
るドーナツ円盤状のアルミニウム基板の表面に、Co等
からなる強磁性薄膜をスパッタリング法によって成膜す
ることにより構成されている。
【0056】2は、ハードディスク1の強磁性薄膜等か
らなる磁性膜表面に接触するように重ね合わされて配置
された円盤状のマスタ情報担体であり、ハードディスク
1より径が大きい形状を有し、ハードディスク1に接触
する側の表面には、ハードディスク1に磁気転写すべき
情報信号に対応した微細な配列パターン形状の強磁性薄
膜からなる信号領域2aが設けられている。
【0057】3は、ハードディスク1を保持するディス
ク保持体であり、このディスク保持体3の先端部にはハ
ードディスク1を位置決め保持するチャック部3aが設
けられている。また、ディスク保持体3の内部には、ハ
ードディスク1の中心孔1aに連通し、かつ一端が排気
ダクト4に接続される吸引孔3bが設けられている。
【0058】また、排気ダクト4の端部には排気装置5
が装着されており、この排気装置5を始動させることに
より、排気ダクト4及びディスク保持体3の吸引孔3b
を通して、ハードディスク1とマスタ情報担体2との間
の空間が負圧状態となる。その結果、マスタ情報担体2
がハードディスク1の方向に吸引され、マスタ情報担体
2にハードディスク1が位置決めされた状態で重ね合わ
される。なお、この時、ハードディスク1とマスタ情報
担体2との間には若干の隙間があり、その隙間を通し
て、図4の矢印で示すように外部から空気が吸引される
ことになる。
【0059】着磁用ヘッド100は、マスタ情報担体2
からハードディスク1に転写記録するためのものであ
り、この着磁用ヘッド100が発生する磁界により、マ
スタ情報担体2に形成された情報信号に対応した強磁性
薄膜パターンから発生する磁界によってハードディスク
1に情報信号が記録される。
【0060】次に、マスタ情報担体2に形成したパター
ン形状に対応した情報信号を、ディスク状磁気記録媒体
であるハードディスク1に記録する手順について説明す
る。
【0061】まず、図8に示すように、着磁用ヘッド1
00とは永久磁石の極性が反対となるように配置した着
磁用ヘッド101をハードディスク1に近づけた状態
で、ハードディスク1の中心軸を回転軸としてハードデ
ィスク1と平行に回転させることにより、図9の矢印で
示すようにハードディスク1を予め一方向に磁化する
(初期磁化)。なお、着磁用ヘッド101として、着磁
用ヘッド100と永久磁石の極性以外は同じ構成のもの
を用いているが、特にこれに限定されるものではなく、
十分な初期磁化が可能な磁界を発生できるものであれ
ば、どのような構成であっても良い。
【0062】次に、図4に示すように、ハードディスク
1にマスタ情報担体2を位置決めして重ね合わせた状態
で、排気装置5を始動させることにより、ハードディス
ク1の中心孔1aを通してマスタ情報担体2が吸引さ
れ、マスタ情報担体2の強磁性薄膜11が形成されてい
る面とハードディスク1とが均一に密着するように重ね
合わされる。
【0063】その後、図10に示すように、着磁用ヘッ
ド100によって、初期磁化とは逆方向に磁界を印加し
ながら、ディスク保持体3に保持されているハードディ
スク1の中心を回転中心として、マスタ情報担体2と平
行に回転させることにより、マスタ情報担体2に直流励
磁磁界を印加する。これにより、マスタ情報担体2の強
磁性薄膜11が磁化され、そしてマスタ情報担体2に重
ね合わせたハードディスク1の所定の領域1bに、図1
1に示すように強磁性薄膜11による磁性部のパターン
形状に対応した情報信号が記録される。なお、図11に
示す矢印は、この時ハードディスク1に転写記録される
磁化パターンの磁界の方向を示している。
【0064】次に、本実施の形態にかかる着磁用ヘッド
100についてより詳細に説明する。着磁用ヘッド10
0は、図1に示すように、永久磁石200を挟んで強磁
性材料からなる磁気コア半体100aと同じく強磁性材
料からなる磁気コア半体100bとを対向させて、ギャ
ップ100cを有する環状の磁気回路を形成したもので
ある。ギャップ100cには、矢印Aで示すように磁気
コア半体100bから磁気コア半体100aに向かう漏
れ磁束が発生する。
【0065】なお、矢印Bは、図1に示す方向の漏れ磁
束が発生している時に、磁気コア半体100a、100
bに発生する内部磁束の方向を示している。また、着磁
用ヘッド100のギャップ100cの形状は、マスタ情
報担体2に対向する面において、記録再生用磁気ヘッド
のトラッキング走査軌道と同じ円弧になっている。
【0066】したがって、ギャップ100cに発生する
磁界の方向は、トラッキング走査軌道と常に垂直とな
り、マスタ情報担体2の強磁性薄膜は、全てのトラック
において、記録再生用磁気ヘッドのトラッキング走査方
向と垂直な方向に磁化される。すなわち、記録再生用磁
気ヘッドのヘッドギャップ長方向と同じ方向に磁化され
ることになる。
【0067】ここで、従来の着磁用ヘッドと異なる点
は、磁気コア半体100a及び100bのギャップ10
0cの上部に、面取り部100d及び100eを設けて
いることである。かかる構成とすることによって、ギャ
ップ100cが円弧形状であっても、磁気コア半体のギ
ャップ100c部分を均一に絞り込むことが可能にな
り、ギャップ部以外からの漏れ磁束については、ほとん
ど増加させることなく、ギャップ100cからの漏れ磁
束のみを増加させることが可能となる。
【0068】ここで、外形寸法、永久磁石の特性が同一
である従来の着磁ヘッドと、本実施の形態にかかる着磁
ヘッドについて、数値解析によって求めた発生磁束分布
を比較する。ここでは従来の着磁用ヘッド、及び本実施
の形態にかかる着磁用ヘッドの双方について、平行部6
f、6g、100f、100gの厚みは2mmとし、本
実施の形態にかかる着磁用ヘッド100については、ギ
ャップ部に1.5mmの面取り部100d及び100e
を設けた構成とした。またギャップ隙間は、いずれも2
mmとした。
【0069】図17は、従来の着磁ヘッド6の磁路に平
行な断面の磁束分布、図18は図17の結果を基とした
ギャップ6c近傍の磁束密度の水平方向成分を、ギャッ
プ6cの下端部からの距離(以後、「D値」という。)
をパラメータとして示したものである。
【0070】同様に図2は、本実施の形態にかかる着磁
ヘッド100の磁路に平行な断面の磁束分布、図3は図
2の結果を基としたギャップ100c近傍の磁束密度の
水平方向成分を、D値をパラメータとして示したもので
ある。
【0071】ここで、図18と図3の結果を比較すると
明らかなように、同一のD値においては、本発明の実施
の形態にかかる着磁ヘッド100の方が、従来の着磁ヘ
ッド6に対して磁束密度が増加しており、例えばD=
1.0mmの場合には、約10%の磁束密度の増加が確
認できる。このように、着磁ヘッドの外径寸法を変更す
ることなく、ギャップ部に面取りを設けることによっ
て、ギャップ部における漏れ磁束を選択的に増加させる
ことができる。したがって、本実施の形態によれば、小
型で高性能な着磁用ヘッドを実現することができるので
ある。
【0072】ここで、永久磁石200としては、残留磁
束密度1.0テスラ以上、保磁力10000エルステッ
ド(796kA/m)以上のものが好ましい。このよう
な特性を有する永久磁石として、Nd−Fe−BやSm
−Co等の材料を主成分とする希土類磁石を用いること
ができる。
【0073】また、磁気コア半体100a及び100b
を構成する材料としては、様々な種類の軟質磁性もしく
は半硬質磁性を有する強磁性材料を用いることができ
る。なお、第1の磁気コア半体100a及び第2の磁気
コア半体100bを構成する強磁性材料は、永久磁石2
00から供給される磁束によって、少なくともギャップ
100c以外の部分では、局所的に著しい磁気飽和を生
じないようにするのが望ましい。
【0074】さらに、着磁用ヘッドの外形寸法は、プリ
フォーマット記録される磁気記録媒体の形状に応じて様
々な値とすることが可能である。本発明の一実施例にお
いては、図1に示す着磁用ヘッドのコア長を5mmから
30mm程度とし、ギャップ長を0.5mmから3mm
程度とした。また、着磁用ヘッドのコア幅方向は転写記
録される情報信号のトラック幅方向に一致するので、コ
ア幅が大きいほど多くのトラックを一括して記録するこ
とができる。
【0075】一実施例として、例えば外径3.5インチ
のハードディスクにプリフォーマット記録を行う場合に
は、ハードディスク半径方向における信号記録領域(半
径約21mmから46mmの領域)全体を包含するよ
う、着磁用ヘッドのコア幅を25mmから30mm程度
とした。材料としては、十分に高い飽和磁束密度を有す
ることが好ましく、本実施の形態においては、Fe、F
e−Co合金、Fe−Si系の軟磁性合金材料等を用い
ている。
【0076】さらに本実施の形態では、磁気コア半体の
ギャップ近傍に面取り部を設けることで、先端を絞る形
状としているが、例えば図14に示す着磁用ヘッド10
2のように、磁気コア半体102a及び102bの先端
にR部102h、102iを設けることによって先端を
絞る方法であっても同様の効果が得られる。したがって
加工の容易さ等を考慮して最適な形状を選択すれば良い
のである。
【0077】また、本実施の形態では、磁界発生手段と
して永久磁石を用いた場合について説明しているが、磁
束を発生させる手段はこの限りではない。例えば、磁界
発生手段としてコイルを用いた例を図15に示す。図1
5に示す着磁用ヘッド103において、103a及び1
03bは磁気コア半体を、103cはギャップを、10
3d及び103eは面取り部を、103f及び103g
は平行部を、16は磁界発生用コイルを、それぞれ示し
ている。永久磁石を用いた場合との主たる相違点は、磁
気コア半体103a及び103bが磁気的に結合されて
おり、磁気コア半体103bにコイル16が巻回されて
いる点にある。
【0078】このような構成において、コイル16に通
電すると、永久磁石を用いた場合と同様にギャップ10
3cに漏れ磁界を発生することができる。また、永久磁
石を用いた場合には、ハードディスクに印加される磁界
の強度を制御するためにハードディスクと着磁用ヘッド
の距離を変化させる必要があったが、コイル16を用い
ることによって、コイル16に流す電流の大小によって
印加磁界の強度を制御することができ、装置全体の構成
を簡素化することが可能となる。
【0079】なお、ここでは磁気コア半体103bにコ
イル16を設ける構成としているが、磁気コア半体10
3aに、あるいは磁気コア半体103aと103bの結
合部等に設けるものであっても良い。また、磁気コア半
体103aと103bを結合させる構成としているが、
これらを一体とした構成であっても良い。
【0080】さらに以上の説明では、主にハードディス
クドライブ等に搭載される磁気ディスク媒体に応用する
ことに主眼をおいて記述を行ったが、本発明はこれに限
られるものではなく、フレキシブル磁気ディスク、磁気
カードおよび磁気テープ等の磁気記録媒体においても応
用可能であり、上記と同様に発明の効果を得ることがで
きる。
【0081】また、磁気記録媒体に記録される情報信号
に関しては、トラッキング用サーボ信号やアドレス情報
信号、再生クロック信号等のプリフォーマット信号に主
眼をおいて記述を行っているが、本発明の構成が応用可
能な情報信号も、上記に限られたものではない。例え
ば、本発明の構成を用いて様々なデータ信号やオーディ
オ、ビデオ信号の記録を行うことも原理的に可能であ
る。この場合には、本発明にかかる着磁用ヘッドを用い
た磁気記録媒体への記録技術によって、ソフトディスク
媒体の大量複写生産を効率よく行うことができる。
【0082】
【発明の効果】以上のように本発明にかかる着磁用ヘッ
ドによれば、記録密度の高い磁気記録媒体、特に固定ハ
ードディスク媒体、リムーバブルハードディスク媒体、
大容量フレキシブル媒体等のディスク状磁気記録媒体に
ついて、ヘッドの構成を特に変化させることなく選択的
に特定の漏れ磁束のみを増加させることができ、安定し
て高密度の情報信号を記録することができる着磁用ヘッ
ドを実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態にかかる着磁用ヘッドの
斜視図
【図2】 本発明の実施の形態にかかる着磁用ヘッドに
おける磁束線の分布図
【図3】 本発明の実施の形態にかかる着磁用ヘッドに
おけるギャップ近傍の磁束密度の大きさを示す図
【図4】 本発明の実施の形態にかかる着磁用ヘッドを
用いた磁気記録装置の構造断面図
【図5】 本発明の実施の形態にかかる着磁用ヘッドを
用いて記録されたマスタ情報担体の平面例示図
【図6】 マスタ情報担体に形成される情報信号の配列
パターンの説明図
【図7】 マスタ情報担体に形成される情報信号領域の
一部断面図
【図8】 本発明の実施の形態にかかる着磁用ヘッドを
用いて記録したハードディスクに一方向磁界を印加して
いる状況を示す斜視図
【図9】 本発明の実施の形態にかかる着磁用ヘッドを
用いて記録したハードディスクに一方向に着磁した状況
を示す斜視図
【図10】 本発明の実施の形態にかかる着磁用ヘッド
を用いて記録したハードディスクに情報信号を転写記録
している状況を示す斜視図
【図11】 本発明の実施の形態にかかる着磁用ヘッド
を用いて記録したハードディスクの状況を示す斜視図
【図12】 本発明の実施の形態にかかる着磁用ヘッド
を用いて記録したハードディスクに情報信号を転写記録
した場合における磁化パターンの様子の説明図
【図13】 本発明の実施の形態にかかる着磁用ヘッド
を用いたプリフォーマット記録の説明図
【図14】 本発明の実施の形態にかかる着磁用ヘッド
の構成図
【図15】 本発明の実施の形態にかかる着磁用ヘッド
の構成図
【図16】 従来の着磁用ヘッドの斜視図
【図17】 従来の着磁用ヘッドにおける磁束線の分布
【図18】 従来の着磁用ヘッドにおけるギャップ近傍
の磁束密度の大きさを示す図
【図19】 従来の着磁用ヘッドを用いて記録された磁
気記録装置の構造断面図
【図20】 従来の着磁用ヘッドを用いて記録されたハ
ードディスクに一方向磁界を印加している状況を示す斜
視図
【図21】 従来の着磁用ヘッドを用いて記録されたハ
ードディスクに情報信号を転写記録している状況を示す
斜視図
【符号の説明】
1 ハードディスク 2 マスタ情報担体 2a 信号領域 4 排気ダクト 5 排気装置 6、8、100、101、102 着磁用ヘッド 7 永久磁石 10 基体 11 強磁性薄膜 6a、100a、102a、103a 第1の磁気コア
半体 6b、100b、102b、103b 第2の磁気コア
半体 6c、100c、102c、103c ギャップ 6d、6e、100d、100e、103d、103e
平行部 100f、100g、103f、103g 面取り部 102h、102i R部
フロントページの続き (56)参考文献 特開2001−209935(JP,A) 特開 平6−89409(JP,A) 特開 平1−302504(JP,A) 実開 平3−80511(JP,U) 実開 昭55−15650(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/62 - 5/86 G11B 5/127 G11B 5/23

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に、所定の情報信号に対応する配
    列パターン形状になるように強磁性薄膜からなる磁性部
    を形成したマスタ情報担体の前記磁性部を磁化する着磁
    用ヘッドであって、 第1の磁気コア半体の先端面と、第2の磁気コア半体の
    先端面とが、少なくともその一部が平行となるようにギ
    ャップを介して対向し、環状の磁気回路が形成され、第1の磁気コア半体及び第2の磁気コア半体は、ともに
    前記磁気回路の環状磁路と平行な断面の前記ギャップを
    形成する先端部分において、一定の磁路厚みを有する平
    行部と、前記先端面が前記磁性部と対向する面と反対側
    で面取りされた面取り部とを有することにより、前記ギ
    ャップにおける前記磁性部と対向する面側への漏れ磁束
    を選択的に増加させる ことを特徴とする着磁用ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記平行部の厚みが2mm、前記面取り
    部の長さが1.5mm、ギャップ隙間が2mmである請
    求項1記載の着磁用ヘッド。
  3. 【請求項3】 基体上に、所定の情報信号に対応する配
    列パターン形状になるように強磁性薄膜からなる磁性部
    を形成したマスタ情報担体の前記磁性部を磁化する着磁
    用ヘッドであって、 第1の磁気コア半体の先端面と、第2の磁気コア半体の
    先端面とが、少なくともその一部が平行となるようにギ
    ャップを介して対向し、環状の磁気回路が形成され、 第1の磁気コア半体及び第2の磁気コア半体は、ともに
    前記磁気回路の環状磁路と平行な断面の前記ギャップを
    形成する先端部分において、一定の磁路厚みを有する平
    行部と、前記先端面が前記磁性部と対向する面と反対側
    で凹曲面上に形状加工された部分を有することを特徴と
    する着磁用ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記第1の磁気コア半体、及び前記第2
    の磁気コア半体のうち、少なくとも一方を永久磁石で構
    成する請求項1又は3記載の着磁用ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記第1の磁気コア半体と前記第2の磁
    気コア半体とを永久磁石を介して対向させる請求項1又
    は3記載の着磁用ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記第1の磁気コア半体、及び前記第2
    の磁気コア半体のうち 、少なくとも一方に直流励磁する
    ための巻線を配置する請求項1又は3記載の着磁用ヘッ
    ド。
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