JP2001034938A - マスター情報担体およびその製造方法ならびに磁気記録媒体の製造方法、ならびに磁気記録再生装置およびハードディスクドライブ - Google Patents

マスター情報担体およびその製造方法ならびに磁気記録媒体の製造方法、ならびに磁気記録再生装置およびハードディスクドライブ

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JP2001034938A
JP2001034938A JP2000146147A JP2000146147A JP2001034938A JP 2001034938 A JP2001034938 A JP 2001034938A JP 2000146147 A JP2000146147 A JP 2000146147A JP 2000146147 A JP2000146147 A JP 2000146147A JP 2001034938 A JP2001034938 A JP 2001034938A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 磁気記録媒体全面に亘って均一に安定して高
密度の情報信号を記録できるマスター情報担体およびそ
の製造方法を提供する。 【解決手段】 基体10と、磁化パターンに対応する配
列パターンを形成するように基体10上に配置された強
磁性薄膜11とを備え、強磁性薄膜11の表面が略平坦
であることを特徴とする。また、基体10は、磁化パタ
ーンに対応する位置に形成された凹部10aを備え、強
磁性薄膜11は、その表面11aが基体10の表面10
bよりも突出するように凹部10aに形成されているこ
とが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体に所
定の情報信号を記録するためのマスター情報担体および
その製造方法、ならびにこれを用いた磁気記録媒体の製
造方法、ならびに磁気記録再生装置およびハードディス
クドライブに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、磁気記録再生装置は、小型でかつ
大容量のものを実現するために、高記録密度化の傾向に
ある。代表的な磁気記録再生装置であるハードディスク
ドライブの分野においては、すでに面記録密度が15.
5Mbit/mm2(10Gbit/in2)を超える装
置が商品化されており、数年後には、面記録密度が3
1.0Mbit/mm2(20Gbit/in2)の装置
の実用化が予測されるほどの急峻な技術の進歩が認めら
れる。
【0003】このような高記録密度化には、記録再生ヘ
ッドのトラッキングサーボ技術が重要な役割を果たして
いる。現在の磁気記録媒体のトラッキングサーボ技術で
は、磁気記録媒体に一定の角度間隔でトラッキング用サ
ーボ信号やアドレス情報信号、再生クロック信号等が記
録された領域を設け(以下、プリフォーマット記録とい
う)、磁気ヘッドが、一定間隔でこれらの信号を再生す
ることによって、磁気ヘッドの位置を確認、修正しなが
ら正確にトラック上を走査している(例えば、山口:磁
気ディスク装置の高精度サーボ技術、日本応用磁気学会
誌、Vol.20,No.3,pp771,199
6)。
【0004】トラッキング用サーボ信号やアドレス情報
信号、再生クロック信号等は、磁気ヘッドが正確にトラ
ック上を走査するための基準信号となるので、その記録
時には、正確な位置決め精度が要求される。このため、
従来は、磁気記録媒体および磁気ヘッドを搭載したハー
ドディスクドライブを専用のサーボ記録装置にセット
し、厳密に位置制御された磁気ヘッドによりプリフォー
マット記録を行っていた(例えば、植松、他:メカ・サ
ーボ、HDI技術の現状と展望、日本応用磁気学会第9
3回研究会資料、93−5,pp.35,1996)。
【0005】しかしながら、専用のサーボ記録装置を用
いてプリフォーマット記録を行う従来の方法において
は、以下のような課題があった。
【0006】まず第1に、磁気ヘッドによる記録は、基
本的に磁気ヘッドと磁気記録媒体との相対移動に基づく
線記録であるため、上記従来の方法では、プリフォーマ
ット記録に多くの時間を要するとともに、高価な専用の
サーボ記録装置が必要であり、プリフォーマット記録が
高コストとなっていた。
【0007】また、第2に、ヘッドと媒体間のスペーシ
ングや記録ヘッドのポール形状による記録磁界の広がり
のため、プリフォーマット記録されたトラック端部の磁
化遷移が急峻性にかけるという問題があった。磁化遷移
が急峻性に欠ける場合には、正確なトラッキングサーボ
技術の実現が困難になる。
【0008】そこで、磁気ヘッドを用いた上記従来のプ
リフォーマット記録の課題を解決する手段として、以下
のような方法が提案されている。
【0009】例えば、特開平7−78337号公報に
は、マスター媒体とスレーブ媒体(被転写媒体)とを対
接させた状態で、弾性体よりなる圧接手段によりマスタ
ー媒体とスレーブ媒体とを全面的に圧着させる方法が開
示されている。
【0010】また、特開平10−40544号公報に
は、基体の表面に、情報信号に対応するパターン形状で
強磁性材料からなる磁性部を形成してマスター情報担体
とし、このマスター情報担体の表面を、強磁性薄膜ある
いは強磁性粉塗布層が形成されたシート状もしくはディ
スク状磁気記録媒体の表面に接触させ、所定の磁界をか
けることにより、マスター情報担体に形成した情報信号
に対応するパターン形状の磁化パターンを磁気記録媒体
に記録する方法が開示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
磁気転写技術を用いた情報信号の記録においては、マス
ター情報担体に設けられた情報信号に対応する配列パタ
ーンを磁化パターンとして磁気記録媒体に一度に転写記
録する方法であるため、磁気記録媒体全面に亘って均一
に安定して高密度の情報信号が記録されることが重要で
ある。
【0012】本発明は、このような現状に鑑みなされた
もので、磁気記録媒体全面に亘って均一に安定して高密
度の情報信号を記録できるマスター情報担体およびその
製造方法を提供することを目的とする。また、本発明
は、上記マスター情報担体を用いた磁気記録媒体の製造
方法、ならびに磁気記録再生装置およびハードディスク
を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の第1のマスター情報担体は、所定の情報信
号の磁化パターンを磁気記録媒体に転写記録するための
マスター情報担体であって、基体と、前記磁化パターン
に対応する配列パターンを形成するように前記基体上に
配置された強磁性薄膜とを備え、前記強磁性薄膜の表面
が略平坦であることを特徴とする。上記第1のマスター
情報担体では、磁気記録媒体との密着性が良好であるた
め、転写記録を信頼性よく行えるマスター情報担体が得
られる。
【0014】また、本発明の第2のマスター情報担体
は、所定の情報信号の磁化パターンを磁気記録媒体に転
写記録するためのマスター情報担体であって、基体と、
前記磁化パターンに対応する配列パターンを形成するよ
うに前記基体上に形成された強磁性薄膜とを備え、前記
強磁性薄膜は、その表面が前記基体の表面から突出する
ように形成されていることを特徴とする。上記第2のマ
スター情報担体によれば、第1のマスター情報担体と同
様の効果が得られる。
【0015】上記第2のマスター情報担体では、前記基
体は、前記磁化パターンに対応する位置に形成された凹
部を備え、前記強磁性薄膜は、その表面が前記基体の表
面よりも突出するように前記凹部に形成されていること
が好ましい。上記構成によれば、特に信頼性よく転写記
録を行えるマスター情報担体が得られる。
【0016】上記第2のマスター情報担体では、前記基
体の表面と前記強磁性薄膜の表面との間の距離が200
nm以下であることが好ましい。
【0017】上記第2のマスター情報担体では、前記強
磁性薄膜の表面が略平坦であることが好ましい。
【0018】また、本発明の第3のマスター情報担体
は、所定の情報信号の磁化パターンを磁気記録媒体に転
写記録するためのマスター情報担体であって、前記磁化
パターンに対応する位置に凹部が形成された基体と、表
面が前記凹部の内部に配置されるように前記凹部内に形
成された強磁性薄膜とを備え、前記基体の前記凹部側の
表面と前記強磁性薄膜の表面との間の距離が100nm
以下であることを特徴とする。上記第3のマスター情報
担体によれば、第1のマスター情報担体と同様の効果が
得られる。
【0019】また、本発明のマスター情報担体の製造方
法は、磁気記録媒体に情報信号を転写記録するためのマ
スター情報担体の製造方法であって、基体上に、前記情
報信号に対応する配列パターンを形成するように凹部を
形成する第1の工程と、前記凹部内に強磁性薄膜を形成
したのち、前記基体の前記凹部が形成された一主面側を
研磨する第2の工程とを含むことを特徴とする。上記マ
スター情報担体の製造方法によれば、本発明のマスター
情報担体を容易に製造できる。
【0020】上記マスター情報担体の製造方法では、前
記第2の工程は、前記強磁性薄膜を研磨するよりも速い
速度で前記基体を研磨する研磨液を用いて前記一主面側
を研磨する工程を含むことが好ましい。
【0021】上記マスター情報担体の製造方法では、前
記第2の工程は、前記基体を研磨するよりも速い速度で
前記強磁性薄膜を研磨する研磨液を用いて前記一主面側
を研磨する工程と、その後、前記強磁性薄膜を研磨する
よりも速い速度で前記基体を研磨する研磨液を用いて前
記一主面側を研磨する工程とを含んでもよい。
【0022】上記マスター情報担体の製造方法では、前
記第2の工程は、表面が略平坦な弾性体上に前記基体を
固定したのち、前記一主面側を研磨テープで研磨する工
程を含んでもよい。
【0023】上記マスター情報担体の製造方法では、前
記第2の工程において、前記一主面側を研磨する際に、
前記基体と前記研磨テープとの間に液状潤滑剤を供給す
ることが好ましい。
【0024】また、本発明の磁気記録媒体の製造方法
は、所定のパターンの情報信号が記録された磁気記録媒
体の製造方法であって、前記情報信号に対応する配列パ
ターンを形成するように配置された強磁性薄膜からなる
磁性部を備えるマスター情報担体を、前記磁性部が磁気
記録媒体側になるように前記磁気記録媒体に重ね合わせ
るとともに、前記磁性部を磁化することによって、前記
配列パターンを前記磁気記録媒体に転写記録する工程を
含み、前記マスター情報担体が上記本発明のマスター情
報担体であることを特徴とする。上記磁気記録媒体の製
造方法では、本発明のマスター情報担体を用いるため、
情報信号を信頼性よく転写記録できる。なお、別の見方
によれば、本発明は、磁気記録媒体に、所定のパターン
の情報信号を転写記録するための記録方法であって、前
記パターンに対応する配列パターンを形成するように配
置された強磁性薄膜からなる磁性部を備えるマスター情
報担体を、前記磁性部が磁気記録媒体側になるように前
記磁気記録媒体に重ね合わせるとともに、前記磁性部を
磁化することによって、前記配列パターンを前記磁気記
録媒体に転写記録する工程を含み、前記マスター情報担
体が上記本発明のマスター情報担体であることを特徴と
する記録方法を含む。
【0025】また、本発明の磁気記録再生装置は、プリ
フォーマット記録された磁気記録媒体を用いる磁気記録
再生装置であって、前記磁気記録媒体が上記本発明の磁
気記録媒体の製造方法によって製造された磁気記録媒体
であることを特徴とする。
【0026】また、本発明のハードディスクドライブ
は、ディスク状の磁気記録媒体を有するハードディスク
ドライブであって、前記磁気記録媒体が上記本発明の磁
気記録媒体の製造方法によって製造された磁気記録媒体
であることを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明による実施の形態の
一例について、図面を参照しながら説明する。
【0028】図1に、本発明の磁気記録媒体の製造方法
を実施するための記録装置の概要を示す。図1におい
て、ディスク状磁気記録媒体としての円盤状のハードデ
ィスク1は、中心孔1aを有するドーナツ円盤状のアル
ミニウム基板の表面に、Co等からなる強磁性薄膜をス
パッタリング法によって成膜することにより構成されて
いる。
【0029】2は上記ハードディスク1の強磁性薄膜な
どからなる磁性膜表面に接触するように重ね合わされて
配置された円盤状のマスター情報担体で、このマスター
情報担体2は、上記ハードディスク1より径が大きい形
状で、ハードディスク1に接触する側の表面には、ハー
ドディスク1に磁気転写すべき情報信号に対応した微細
な配列パターン形状の強磁性薄膜からなる信号領域2a
(図では、模式的に膜のように示す)が設けられてい
る。すなわち、マスター情報担体2は、所定の磁化パタ
ーンをハードディスク1に転写記録するためのマスター
情報担体であって、基体と、上記磁化パターンに対応す
る配列パターンを形成するように基体上に配置された強
磁性薄膜とを備える。
【0030】3はハードディスク1を保持するディスク
保持体であり、このディスク保持体3の先端部にはハー
ドディスク1を位置決め保持するチャック部3aが設け
られている。また、ディスク保持体3内部には、ハード
ディスク1の中心孔1aに連通しかつ一端が排気ダクト
4に接続される吸引孔3bが設けられている。
【0031】また、排気ダクト4の端部には排気装置5
が装着されており、この排気装置5を始動させることに
より、排気ダクト4、ディスク保持体3の吸引孔3bを
通して、ハードディスク1とマスター情報担体2との間
の空間が負圧状態となり、この結果マスター情報担体2
がハードディスク1の方向に吸引され、マスター情報担
体2にハードディスク1が位置決めされた状態で重ね合
わされる。なお、この時、ハードディスク1とマスター
情報担体2の間には若干の隙間があり、その隙間を通し
て、図1の矢印で示すように外部から空気が吸引され
る。
【0032】着磁用ヘッド6は、マスター情報担体2か
らハードディスク1に転写記録するためのもので、この
着磁用ヘッド6が発生する磁界により、マスター情報担
体2に形成された情報信号に対応した強磁性薄膜パター
ンを磁化しハードディスク1に情報信号が記録される。
【0033】この着磁用ヘッド6は、図2に示すよう
に、コイル6aを具備した磁気コア半体6b、および磁
気コア半体6cとを対向させてギャップ6dを形成した
ものであり、コイル6aに電流を印加することによっ
て、ギャップ6dには、矢印で示すように磁気コア半体
6bから磁気コア半体6cに向かう磁界が発生し、また
印加する電流の向きを変えることによってギャップ6d
に発生する磁界の方向を変えることができる。
【0034】また、着磁用ヘッド6のギャップ6dの形
状は、マスター情報担体2に対向する面において、記録
再生用磁気ヘッドのトラッキング走査軌道と同じ円弧に
なっている。従って、ギャップ6dに発生する磁界の方
向は、トラッキング走査軌道と常に垂直となり、マスタ
ー情報担体2の強磁性薄膜は、全てのトラックにおい
て、記録再生用磁気ヘッドのトラッキング走査方向と垂
直な方向に磁化される。すなわち、記録再生用磁気ヘッ
ドのヘッドギャップ長方向と同じ方向に磁化されるので
ある。
【0035】次に、本発明の記録方法に使用するマスタ
ー情報担体の一例について説明する。
【0036】図3にマスター情報担体2の一例の平面を
模式的に示しており、図3に示すように、マスター情報
担体2の一主面、すなわちハードディスク1の強磁性薄
膜表面に接触する側の表面には、略放射状に信号領域2
aが形成されている。
【0037】図3の点線で囲んだ部分Aの拡大図を、図
4に模式的に示す。図4に示すように、信号領域2aに
は、磁気記録媒体に記録される情報信号、例えばプリフ
ォーマット情報信号に対応する位置に、上記情報信号に
対応したパターン形状で強磁性薄膜からなる磁性部によ
るマスター情報パターンが形成されている。図4におい
て、ハッチングを施した部分が強磁性薄膜によって構成
された磁性部である。この図4に示すマスター情報パタ
ーンは、クロック信号、トラッキング用サーボ信号、ア
ドレス情報信号等の各々の領域をトラック長さ方向に順
次配列したものである。なお、図4に示すマスター情報
パターンは一例であり、磁気記録媒体に記録される情報
信号に応じて、マスター情報パターンの構成や配置等を
適宜決定することとなる。
【0038】例えば、ハードディスクドライブにおい
て、ハードディスクの磁性膜に、まずリファレンス信号
を記録し、そのリファレンス信号に基づいてトラッキン
グ用サーボ信号などのプリフォーマット記録を行う場合
には、本発明によるマスター情報担体を用いてハードデ
ィスクの磁性膜に、あらかじめプリフォーマット記録に
用いるリファレンス信号のみを転写記録し、そしてその
ハードディスクをドライブの筐体内に組み込み、トラッ
キング用サーボ信号などのプリフォーマット記録は、ハ
ードディスクドライブの磁気ヘッドを使用して行うよう
にしてもよい。この場合、最終的なプリフォーマット記
録は、従来の方法と同様にドライブ内に搭載された磁気
ヘッドによって行われる。しかしながら、高価な専用の
サーボ記録装置を用いることなく、ドライブ自体が転写
記録されたリファレンス信号を参照して最終的なプリフ
ォーマット記録を自己完結することができるので、最終
的なプリフォーマット情報信号を直接転写記録する場合
と同様に、従来の方法に比べてコストメリットが大き
い。
【0039】図3、図4に示した領域の一部断面を図5
に示す。
【0040】図5に示すように、マスター情報担体2
は、Si基板、ガラス基板、プラスチック基板などの非
磁性材料からなる円盤状の基体10(ハッチングは省略
する)の一主面10b、すなわちハードディスク1の表
面が接触する側の表面に、情報信号に対応する複数の微
細な配列パターン形状を形成するように凹部10aを形
成し、その基体10の凹部10aに磁性部である強磁性
薄膜11を埋め込む形態で形成することにより構成され
ている。
【0041】ここで、強磁性薄膜11としては、硬質磁
性材料、半硬質磁性材料、軟質磁性材料を問わず、多く
の種類の磁性材料を用いることができ、磁気記録媒体に
情報信号を転写記録できるものであればよい。例えば、
Fe、Co、Fe−Co合金などを用いることができ
る。なお、マスター情報が記録される磁気記録媒体の種
類によらずに十分な記録磁界を発生させるためには、磁
性材料の飽和磁束密度が大きいほどよい。特に、159
kA/m(2000エルステッド)を超える高保磁力の
磁気ディスクや磁性層の厚みの大きいフレキシブルディ
スクに対しては、飽和磁束密度が0.8テスラ以下にな
ると十分な記録を行うことができない場合があるので、
一般的には、0.8テスラ以上、好ましくは1.0テス
ラ以上の飽和磁束密度を有する磁性材料が用いられる。
【0042】また、強磁性薄膜11の厚さは、ビット長
や磁気記録媒体の飽和磁化や磁性層の膜厚によるが、例
えばビット長約1μm、磁気記録媒体の飽和磁化500
kA/m(約500emu/cc)、磁気記録媒体の磁
性層の厚さが約20nmの場合では、50nm〜500
nm程度あればよい。
【0043】次に、マスター情報担体に形成したパター
ン形状に対応した情報信号を、ディスク状磁気記録媒体
であるハードディスクに記録する手順について説明す
る。
【0044】まず、図6に示すように、着磁用ヘッド6
をハードディスク1に近づけた状態で、ハードディスク
1の中心軸を回転軸としてハードディスク1と平行に回
転させることにより、図7の矢印で示すようにハードデ
ィスク1を予め一方向に磁化する(初期磁化)。
【0045】次に、図1に示すように、ハードディスク
1にマスター情報担体2を位置決めして重ね合わせた状
態で、排気装置5を始動させることにより、ハードディ
スク1の中心孔1aを通してマスター情報担体2が吸引
され、マスター情報担体2の強磁性薄膜11が形成され
ている面とハードディスク1とが均一に密着するように
重ね合わされる。
【0046】その後、図8に示すように、着磁用ヘッド
6による磁界の方向を初期磁化とは逆方向に発生するよ
うに電流の向きを逆にし、かつディスク保持体3に保持
されているハードディスク1の中心を回転中心として、
マスター情報担体2と平行に回転させることにより、マ
スター情報担体2に直流励磁磁界を印加する。これによ
り、マスター情報担体2の強磁性薄膜11が磁化され、
そしてマスター情報担体2に重ね合わせたハードディス
ク1の所定の領域1bに、図9に示すように強磁性薄膜
11による磁性部のパターン形状に対応した情報信号が
記録される。なお、図9に示す矢印は、この時ハードデ
ィスク1に転写記録される磁化パターンの磁界の方向を
示している。
【0047】図10にその磁化処理時の様子を示してお
り、図10に示すように、マスター情報担体2を磁気記
録媒体であるハードディスク1に密着させた状態で、マ
スター情報担体2に外部から磁界を印加して強磁性薄膜
11を磁化することによって、ハードディスク1の強磁
性薄膜からなる磁気記録層1cに情報信号を記録するこ
とができる。すなわち、非磁性の基体10に所定のパタ
ーン形状で強磁性薄膜11を形成して構成したマスター
情報担体2を用いることにより、ディジタル情報信号を
磁気記録媒体であるハードディスク1に磁気的に転写記
録することができる。
【0048】なお、図6および図8に示した着磁用ヘッ
ド6は、図2に示した着磁用ヘッドとは異なる構成を有
するものであって、所定の方向に着磁された永久磁石ブ
ロックよりなる構成を示している。図6および図8で
は、直方体形状の着磁用ヘッドを示しているが、マスタ
ー情報担体2に対向する面形状が、記録再生用磁気ヘッ
ドのトラッキング走査軌道と一致するよう、円弧状に湾
曲させる構成としてもよい。このような円弧状の湾曲形
状を有する永久磁石ブロックよりなる着磁ヘッドとする
ことにより、図2に示した着磁用ヘッドと同様に、マス
ター情報担体に印加される磁界の方向は、トラッキング
走査軌道と常に垂直となり、マスター情報担体2の強磁
性薄膜は、全てのトラックにおいて、記録再生用磁気ヘ
ッドのトラッキング走査方向と垂直な方向に磁化され
る。
【0049】また、マスター情報担体2のパターンをハ
ードディスク1に転写記録する際の方法として、上述の
ようにマスター情報担体2をハードディスク1に接触さ
せた状態で外部磁界を印加する方法以外に、マスター情
報担体2の強磁性薄膜11をあらかじめ磁化させてお
き、その状態でマスター情報担体2をハードディスク1
に密着するように接触させる方法であってもディジタル
情報信号を記録することができる。
【0050】ところで、本発明のようなマスター情報担
体から磁気記録媒体に転写記録する方法においては、マ
スター情報担体に、磁気記録媒体に記録させたい所定の
ディジタル情報信号に対応するような配列パターン形状
で強磁性薄膜による磁性部をあらかじめ形成しておき、
そしてそのマスター情報担体に磁気記録媒体を接触さ
せ、マスター情報担体に形成された配列パターン形状を
磁化パターンとして転写記録するため、マスター情報担
体に形成した磁性部の配列パターンに対応する磁化パタ
ーンとしていかに信頼性良く正確に転写できるかが重要
である。特に、磁気記録媒体がハードディスクの場合、
ハードディスク基板は金属、ガラス、シリコンあるいは
炭素といった高強度の剛体であるので、マスター情報担
体、特にマスター情報担体の強磁性薄膜を、ハードディ
スク全面に亘って均一にかつ安定に接触させることが必
要である。
【0051】ところが、マスター情報担体からディジタ
ル情報信号を磁気記録媒体に転写記録すると、磁化パタ
ーンのエッジ部分や磁化反転領域ににじみが現れ、その
磁気記録媒体に転写記録された磁化パターンによる信号
を磁気ヘッドにより再生すると、再生信号のノイズ特性
が悪くなる現象が生じてしまう場合があることが判明し
た。
【0052】本発明者らはこの課題に対して、種々の実
験と検討を繰り返し行った結果、転写記録時におけるマ
スター情報担体と磁気記録媒体との接触状態が影響を与
えることを見出した。
【0053】すなわち、マスター情報担体に形成した強
磁性薄膜の表面にバリ等の突起形状が残ると、その突起
により磁気記録媒体との接触状態が悪くなり、再生信号
のノイズ特性が悪くなってしまう。
【0054】そこで、本発明においては、図5に示すよ
うに、マスター情報担体2に形成される強磁性薄膜11
の表面11aを略平坦に構成しており、これによってマ
スター情報担体2に形状パターンとして形成した情報信
号を信頼性よくハードディスク1などの磁気記録媒体に
転写記録できる。
【0055】また、マスター情報担体2の構成におい
て、基体10に情報信号に対応した凹部10aを形成
し、その凹部10aに強磁性薄膜11を形成することに
より磁性部を設ける場合、基体10の表面と強磁性薄膜
11の表面との間の段差によっても、転写記録時におけ
るマスター情報担体と磁気記録媒体との接触状態に影響
を及ぼすことを見出した。
【0056】図5において、凹部10aが形成されてい
る基体10の一主面10bと強磁性薄膜11の表面11
aとの間の距離Xとし、そして強磁性薄膜11の表面1
1aが凹部10aの内部にある時の距離Xの値を負、強
磁性薄膜11の表面11aが凹部10aより外部に突出
している時の距離Xの値を正とした時、距離Xが正の
値、すなわち強磁性薄膜11が基体10から突出してい
る状態では、強磁性薄膜11は被転写媒体とよく密着す
るため、転写状態は良好であるが、距離Xが負の大きな
値、すなわち強磁性薄膜11が基体10の一主面10b
よりも大きくへこんだ状態の時は、その転写効率も低下
し、転写が十分でなかったり、被転写媒体上の信号のエ
ッジがにじんだりして、その再生信号のノイズ特性を悪
化させることが判明した。
【0057】そこで、本発明においては、マスター情報
担体2の基体10の一主面10bより強磁性薄膜11の
表面11aが突出するように構成しており、これによっ
てより高い信頼性でディジタル情報信号を転写記録でき
る。
【0058】なお、本発明者らの実験によれば、本発明
によるマスター情報担体において、基体10の一主面1
0bと強磁性薄膜11の表面11aとの間の距離Xは2
00nm以下であることが好ましく、距離Xを200n
m以下とすることによって、マスター情報担体内の距離
Xのバラツキを考慮しても安定に転写記録が可能であっ
た。
【0059】さらに、本発明の記録方法において、上述
したように、マスター情報担体2の距離Xが負の大きな
値、すなわち強磁性薄膜11が基体10の一主面10b
よりも大きくへこんだ状態の時は、その転写効率も低下
し、転写が十分でなかったり、被転写媒体上の信号のエ
ッジがにじんだりして、その再生信号のノイズ特性を悪
化させるが、距離Xを適切な範囲に調整することによ
り、転写効率を低下させることなく、十分に転写記録が
行えることも見出した。
【0060】図11は、ビット長約2μm〜3μmのデ
ィジタル情報信号を転写する場合について、距離Xと転
写効率との関係をシミュレーションした結果を示す図で
ある。
【0061】本発明の記録方法において、転写効率が
0.7以上で実用上問題のない信号特性が得られること
が本発明者らの検証により把握しているが、図11に示
すように、0.7以上の転写効率を得るためには、距離
Xが−100nm以上であれば良い、すなわち−100
nm≦Xの関係を満たすように構成すればよいことがわ
かる。
【0062】すなわち、本発明の記録方法におけるマス
ター情報担体の構成において、基体に情報信号に対応し
た凹部を形成し、その凹部に強磁性薄膜をその表面が凹
部の内部にくるように形成することにより磁性部を設け
る場合、基体の一主面と強磁性薄膜の表面との間の距離
を100nm以下とすることにより、実用上、問題なく
ディジタル情報信号を磁気記録媒体に転写記録できる。
【0063】このように、本発明の構成とすることによ
り、高密度の情報信号を信頼性よく磁気記録媒体に記録
することができる。
【0064】次に、マスター情報担体を製造する方法に
ついて説明する。
【0065】本発明の記録方法に用いるマスター情報担
体は、Si基板などの基体表面に、レジスト膜を成膜
し、紫外線光源あるいはレーザビームあるいは電子ビー
ムを用いたリソグラフィ技術によってレジスト膜を露
光、現像してパターニングした後、ドライエッチング等
によってエッチングして、情報信号に対応した微細な凹
凸形状を形成し、その後Co等からなる強磁性薄膜をス
パッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング
法、CVD法、めっき法等により成膜した後、いわゆる
リフトオフ法によってレジスト膜とその上に形成された
不要な強磁性薄膜を除去することにより、凹部に強磁性
薄膜が埋め込まれた形態でかつ情報信号に対応した磁性
部を備えたマスター情報担体を得ることができる。
【0066】なお、マスター情報担体の表面に凹凸形状
を形成する方法は上述の方法に限定されるものではな
く、例えば、レーザ、電子ビームまたはイオンビームを
用いて微細な凹凸形状を直接形成したり、機械加工によ
って微細な凹凸形状を直接形成してもよい。
【0067】さらに、本発明の記録方法に用いるマスタ
ー情報担体の具体的な製造方法の一例を用いて説明す
る。まず、第1の例による製造方法について、図12を
参照しながら説明する。
【0068】図12(a)に示すように、非磁性材料か
らなる円盤状の基板20上に、所定のパターンのレジス
ト膜21を形成する。レジスト膜21には、例えばフォ
トレジストを用いることができる。レジスト膜21は、
その後に形成されるマスター情報パターン(磁気記録媒
体に転写される磁化パターンに対応した配列パターン)
に対応したフォトマスクを用いて所定のパターンに露
光、現像が行われる。
【0069】その後、図12(b)に示すように、レジ
スト膜21が形成されていない部分の基板20をエッチ
ングすることによって、凹部10aを備える基体10を
形成する。エッチングには、RIE(Reactive
Ion Etching(リアクティブイオンエッチ
ング))などのドライエッチングやウェットエッチング
を用いることができる。
【0070】次に、図12(c)に示すように、強磁性
材料からなる強磁性薄膜11を基体10上に形成するこ
とによって、凹部10aに強磁性薄膜11を形成する。
強磁性薄膜11は、例えば蒸着法、スパッタリング法、
メッキ法などで形成できる。また、強磁性薄膜11は、
凹部10aの深さと同程度の膜厚で形成する。その後、
図12(d)に示すように、レジスト膜21を除去す
る。レジスト膜21の除去は、例えば強磁性薄膜11が
形成された基体10をリムーバ等に浸漬し、超音波処理
すればよい。
【0071】このレジスト膜21を除去することによっ
て、レジスト膜21上の強磁性薄膜11がリフトオフさ
れる。この時、図12(d)に示すように、強磁性薄膜
11には、突起11bが形成される場合がある。
【0072】その後、図12(e)に示すように、基体
10の凹部10aが形成されている一主面10b側を研
磨することによって、強磁性薄膜11の表面11aをほ
ぼ平坦とするとともに、基体10の一主面10bとの距
離Xが所定の間隔を満たすようにする。このようにし
て、マスター情報担体を製造することができる。
【0073】上記の製造方法において、基体10および
強磁性薄膜11の研磨には、様々な方法を用いることが
できる。
【0074】例えば、図12(c)において、凹部10
aの深さと同程度以上の膜厚の強磁性薄膜11を形成し
た場合には、強磁性薄膜11を集中的に研磨するような
研磨方法で、基体11および強磁性薄膜11を研磨すれ
ばよい。すなわち、基体10を研磨するよりも速い速度
で強磁性薄膜11を研磨する研磨液を用いて一主面10
b側を研磨すればよい。このときの研磨液として、ダイ
ヤモンド粒子を分散させた研磨液などを用いることがで
きる。
【0075】一方、図12(c)において、凹部10a
の深さよりも膜厚が薄い強磁性薄膜11を形成した場合
には、基体10を集中的に研磨するような研磨方法で、
基体10および強磁性薄膜11を研磨すればよい。すな
わち、強磁性薄膜11を研磨するよりも速い速度で基体
10を研磨する研磨液を用いて一主面10b側を研磨す
ればよい。このときの研磨液として、例えば基体10が
Siからなる場合には、コロイダルシリカを分散させた
水溶液にアルミナ粒子を混ぜた研磨液を用いることがで
きる。
【0076】なお、基体10を集中的に研磨する研磨方
法、強磁性薄膜11を集中的に研磨する研磨方法、およ
び基体10と強磁性薄膜11とを同様に研磨する方法を
必要に応じて組み合わせてもよい。例えば、まず強磁性
薄膜11を集中的に研磨してから、基体10を集中的に
研磨してもよく、またその逆でもよい。
【0077】次に、第2の例による製造方法について、
図13を参照しながら説明する。
【0078】本実施例の製造方法では、図13(a)に
示すように、非磁性材料からなる基板20上に、レジス
ト膜21を形成し、レジスト膜21が形成されていない
部分の基板20をエッチングすることによって、凹部1
0aを備える基体10を形成する。この工程について
は、図12を参照して説明した上述の第1の例と同様で
ある。
【0079】その後、図13(b)に示すように、レジ
スト膜21を除去した後、図13(c)に示すように、
基体10上に強磁性材料からなる強磁性薄膜11を形成
することによって、凹部10aに強磁性薄膜11を形成
する。強磁性薄膜11は、例えば蒸着法、スパッタリン
グ法、メッキ法などで形成できる。また、強磁性薄膜1
1は、凹部10aの深さと同程度の膜厚で形成する。
【0080】次に、図13(d)および図13(e)に
示すように、基体10の凹部10aが形成されている一
主面10b側を研磨することによって、強磁性薄膜11
の表面11aをほぼ平坦とするとともに、基体10の一
主面10bとの距離Xが所定の間隔を満たすようにす
る。このようにして、マスター情報担体を製造すること
ができる。
【0081】なお、上記説明では、まず強磁性薄膜11
を集中的に研磨してから、基体10を集中的に研磨する
場合を示しているが、これに限らず上記実施例で説明し
たように、様々な研磨方法を用いることができる。
【0082】次に、本発明の磁気記録再生装置およびハ
ードディスクドライブについて説明する。本発明の磁気
記録再生装置は、プリフォーマット記録された磁気記録
媒体を用いる磁気記録再生装置であって、磁気記録媒体
が上記本発明の製造方法によって製造された磁気記録媒
体である。
【0083】また、本発明のハードディスクドライブ
は、ディスク状の磁気記録媒体を有するハードディスク
ドライブであって、磁気記録媒体が上記本発明の製造方
法によって製造された磁気記録媒体である。
【0084】
【実施例】以下、本発明のマスター情報担体の製造方法
について、より具体的に説明する。
【0085】(実施例1)まず、直径約10cm(4イ
ンチ)のSiウェハーからなる基板上にフォトレジスト
を塗布し、フォトマスクを用いて所定のパターンを露
光、現像してレジスト膜を形成した(図12(a)参
照)。その後、リアクティブイオンエッチング(RI
E)装置でレジストパターン通りにSiウェハーをエッ
チングすることによって、凹部を有する基体を形成した
(図12(b)参照)。この時、エッチング深さは50
0nmとした。
【0086】次に、レジスト膜を形成したままの状態
で、基体上にCo薄膜(強磁性薄膜11)をスパッタ成
膜した(図12(c)参照)。この時のスパッタ条件
は、スパッタガス圧(Arガス)約0.665Pa(約
5mTorr)、成膜速度約50nm/minであっ
た。
【0087】その後、Co薄膜を成膜した基体をレジス
ト膜のリムーバに浸け、超音波を用いてリフトオフした
(図12(d)参照)。これによって、レジスト膜の上
に形成されたCo薄膜はレジスト膜とともに除去される
が、一部パターンのエッジ部にはバリとして、突起が発
生した。
【0088】次に、Co薄膜が形成された側の面を研磨
するのであるが、この時の工程を図14に示す。
【0089】図14に示すように、研磨クロス30(エ
ンギス社製、D−100)を貼った定盤31上に、Co
成膜面が研磨クロス30側に位置するように基体10を
配置し、研磨液を用いて研磨を行った。研磨液には、コ
ンポール80(マブチ・エスアンド ティー社、コロイ
ダルシリカおよびアルミナ粒子を樹脂系アミンに分散さ
せた研磨液)を用いた。研磨時間は約5分であった。こ
の実施例1の研磨では、基体10の表面に軟質の水和膜
が形成されると同時に形成された水和膜が拭い取られ、
Co薄膜よりも速い研磨速度で基体10が研磨された。
また、Co薄膜に形成された突起も研磨されて除去され
た。その後、超音波洗浄を行うことによって、基体11
やCo薄膜に付着した研磨粒子を除去した。
【0090】以上のプロセスにより作製されたマスター
情報担体は、基体であるSiウェハーの表面から、Co
からなる強磁性薄膜の表面が約10nm飛び出していた
(距離Xが10(nm)であった)。また、Coからな
る強磁性薄膜の表面は略平坦であった。
【0091】(実施例2)まず、直径約10cm(4イ
ンチ)のSiウェハーからなる基板上にレジスト膜を形
成したのち、レジストパターン通りにSiウェハーをエ
ッチングすることによって、凹部を有する基体を形成し
た(図13(a)参照)。この時、エッチング深さは5
00nmとした。なお、レジスト膜の形成方法およびS
iウェハーのエッチング方法については、実施例1と同
様であるため、重複する説明は省略する。
【0092】次に、レジスト膜をリムーバで処理して除
去した(図13(b)参照)後、Coからなる強磁性薄
膜11をスパッタ成膜した。この時のスパッタ条件は、
実施例1の場合と同じである。
【0093】その後、図14に示すように、研磨クロス
30(エンギス社製、D−100)を貼った定盤31上
にCo成膜面が研磨クロス側に位置するように基体10
を配置し、基体10の表面が露出するまでCo成膜面を
研磨した。この時、研磨液として、平均粒径1μmのダ
イヤモンド粒子を分散させた研磨液(エンギス社製、ハ
イプレスダイヤモンド、1STD)を用い、研磨時間は
約20分とした。この時の研磨では、基体10よりも速
い研磨速度でCo薄膜が研磨された。
【0094】その後、研磨した基体10を超音波洗浄す
ることによって、残留した研磨粒子を取り除いた。この
時、凹部内のCo薄膜は、Siウェハーの一主面(凹部
が形成されている側の主面)から約80nmへこんだ状
態になっていた。また、Siウェハーの所々には研磨に
よるスクラッチ傷が認められた。
【0095】次に、図14に示すように、研磨クロス3
0を貼った定盤31上で、基体10のCo成膜面をさら
に研磨した。研磨液には、コンポール80(マブチ・エ
スアンド ティー社、コロイダルシリカおよびアルミナ
粒子を樹脂系アミンに分散させた研磨液)を用い、研磨
時間は約7分とした。この時の研磨では、Co薄膜より
も速い研磨速度で基体10が研磨された。その後、超音
波洗浄を行って、残留した研磨粒子を除去した。
【0096】以上のプロセスにより作製されたマスター
情報担体は、基体であるSiウェハーの表面から、Co
からなる強磁性薄膜の表面が約10nm飛び出してい
た。また、Coからなる強磁性薄膜の表面は略平坦であ
った。
【0097】(実施例3)本実施例3では、図12
(d)のリフトオフの工程までは、実施例1と同様であ
るので重複する説明を省略する。
【0098】レジスト膜を除去してリフトオフした後、
図15に示す方法で、Siウェハーからなる基体10の
一主面を研磨した。すなわち、まずSiウェハーの一主
面とは反対側の他面を、略平坦な弾性体40の上に固定
した。そして、弾性体40を回転させることによって基
体10を回転させるとともに、ダイヤモンド研磨テープ
41を接触させることによって基体10の一主面側を研
磨した。ダイヤモンド研磨テープ41は、剛性体ロール
42でSiウェハーの方に押圧しながら剛性体ロール4
2の円周方向に沿ってSiウェハーに対して相対移動さ
せた。なお、ダイヤモンド研磨テープ41と剛性体ロー
ル42は、図15の矢印で示すように、Siウェハーの
略径方向にも移動させた。その後、超音波洗浄によっ
て、基体10に残留した研磨粒子を取り除いた。
【0099】以上のプロセスにより作製されたマスター
情報担体は、Coからなる強磁性薄膜の表面が基体の表
面から約5nmへこんでいた(距離Xが−5(n
m))。また、Coからなる強磁性薄膜の表面は略平坦
であった。
【0100】この本実施例3の製造方法では、弾性体4
0上にSiウェハーを固定することによって、Siウェ
ハーの全面を略均一に研磨することができ、また剛性体
ロール42を用いてダイヤモンド研磨テープ41を押圧
することによって、Co薄膜が研磨されすぎることを防
止できた。
【0101】なお、本実施例3の製造方法において、ダ
イヤモンド研磨テープ41を酸化クロムテープに変更
し、さらに研磨時に研磨面に潤滑剤を供給した場合も、
上記と同様にマスター情報担体を製造することができ
た。この時の潤滑剤には、フォンブリン・Z−DOL
(アウジモント社製)を用いたが、他の潤滑剤を用いる
こともできる。また、研磨時に潤滑剤を供給することに
よって、ダイヤモンド研磨テープ41が基体10に焼き
付くのを防止することができた。
【0102】以上、本発明の実施の形態について例を挙
げて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、
本発明の技術的思想に基づいて他の実施形態に適用する
ことができる。
【0103】例えば、基体の凹部に強磁性薄膜を形成す
る方法は、上記実施形態の方法に限定されず、他の方法
を用いてもよい。また、基体を研磨する方法は、上記実
施形態の方法に限定されず、他の方法を用いてもよい。
【0104】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のマスター
情報担体によれば、磁気記録媒体、特に固定ハードディ
スク媒体、リムーバブルハードディスク媒体、大容量フ
レキシブル媒体等のディスク状磁気記録媒体に、短時間
に生産性良く、しかも磁気記録媒体全面に亘って均一に
かつ安定して高密度の情報信号を記録することができる
マスター情報担体が得られる。
【0105】また、本発明のマスター情報担体の製造方
法によれば、本発明のマスター情報担体を容易に製造で
きる。
【0106】また、本発明の磁気記録媒体の製造方法に
よれば、磁気記録媒体、特に固定ハードディスク媒体、
リムーバブルハードディスク媒体、大容量フレキシブル
媒体等のディスク状磁気記録媒体に、短時間に生産性良
く、しかも磁気記録媒体全面に亘って均一にかつ安定し
て高密度の情報信号を記録することができる。
【0107】また、本発明の磁気記録再生装置によれ
ば、高密度の情報信号が予め記録された磁気記録媒体を
備えた磁気記録再生装置を、安価かつ生産性よく供給す
ることができる。
【0108】また、本発明のハードディスクドライブに
よれば、高密度記録が可能でかつサーボトラッキング性
能に優れたハードディスクドライブを、安価かつ生産性
よく提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態による磁気記録媒体への
記録方法を実施するための装置の一例の概要を示す断面
図である。
【図2】 図1の主要部を示す斜視図である。
【図3】 本発明の記録方法に用いるマスター情報担体
の一例を示す平面図である。
【図4】 マスター情報担体に形成される情報信号の配
列パターンの一例を説明するための模式図である。
【図5】 本発明によるマスター情報担体の一例を示す
一部断面図である。
【図6】 本発明による磁気記録媒体の製造方法におい
て、ハードディスクに一方向磁界を印加している状況を
示す斜視図である。
【図7】 図6に示す工程により一方向に着磁されたハ
ードディスクの状況を模式的に示す斜視図である。
【図8】 本発明による記録方法によりハードディスク
に情報信号を転写記録している状況を示す斜視図であ
る。
【図9】 図8に示す工程により情報信号が記録された
ハードディスクの状況を模式的に示す斜視図である。
【図10】 図8に示す工程によりハードディスクに情
報信号を転写記録した場合の磁化パターンの様子を説明
するための模式図である。
【図11】 本発明による記録方法に用いるマスター情
報担体において、基体の表面と強磁性薄膜の表面との間
の距離Xに対する転写効率の変化を示すグラフである。
【図12】 本発明の記録方法に用いるマスター情報担
体の製造方法の一実施例を示す工程図である。
【図13】 本発明の記録方法に用いるマスター情報担
体の製造方法の他の実施例を示す工程図である。
【図14】 本発明の記録方法に用いるマスター情報担
体の製造方法において、その一工程の例を示す斜視図で
ある。
【図15】 本発明の記録方法に用いるマスター情報担
体の製造方法において、その一工程の他の例を示す斜視
図である。
【符号の説明】
1 ハードディスク 2 マスター情報担体 2a 信号領域 6 着磁用ヘッド 10 基体 10a 凹部 10b 一主面 11 強磁性薄膜 11a 表面 20 基板 21 レジスト膜 30 研磨クロス 40 弾性体 41 ダイヤモンド研磨テープ 42 剛性体ロール

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 情報信号の磁化パターンを磁気記録媒体
    に転写記録するためのマスター情報担体であって、 基体と、前記磁化パターンに対応する配列パターンを形
    成するように前記基体上に配置された強磁性薄膜とを備
    え、 前記強磁性薄膜の表面が略平坦であることを特徴とする
    マスター情報担体。
  2. 【請求項2】 情報信号の磁化パターンを磁気記録媒体
    に転写記録するためのマスター情報担体であって、 基体と、前記磁化パターンに対応する配列パターンを形
    成するように前記基体上に形成された強磁性薄膜とを備
    え、 前記強磁性薄膜は、その表面が前記基体の表面から突出
    するように形成されていることを特徴とするマスター情
    報担体。
  3. 【請求項3】 前記基体は、前記磁化パターンに対応す
    る位置に形成された凹部を備え、 前記強磁性薄膜は、その表面が前記基体の表面よりも突
    出するように前記凹部に形成されている請求項2に記載
    のマスター情報担体。
  4. 【請求項4】 前記基体の表面と前記強磁性薄膜の表面
    との間の距離が200nm以下である請求項2または3
    に記載のマスター情報担体。
  5. 【請求項5】 前記強磁性薄膜の表面が略平坦である請
    求項2または3に記載のマスター情報担体。
  6. 【請求項6】 情報信号の磁化パターンを磁気記録媒体
    に転写記録するためのマスター情報担体であって、 前記磁化パターンに対応する位置に凹部が形成された基
    体と、表面が前記凹部の内部に配置されるように前記凹
    部内に形成された強磁性薄膜とを備え、 前記基体の前記凹部側の表面と前記強磁性薄膜の表面と
    の間の距離が100nm以下であることを特徴とするマ
    スター情報担体。
  7. 【請求項7】 磁気記録媒体に情報信号を転写記録する
    ためのマスター情報担体の製造方法であって、 基体上に、前記情報信号に対応する配列パターンを形成
    するように凹部を形成する第1の工程と、 前記凹部内に強磁性薄膜を形成したのち、前記基体の前
    記凹部が形成された一主面側を研磨する第2の工程とを
    含むことを特徴とするマスター情報担体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記第2の工程は、前記強磁性薄膜を研
    磨するよりも速い速度で前記基体を研磨する研磨液を用
    いて前記一主面側を研磨する工程を含む請求項7に記載
    のマスター情報担体の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記第2の工程は、 前記基体を研磨するよりも速い速度で前記強磁性薄膜を
    研磨する研磨液を用いて前記一主面側を研磨する工程
    と、 その後、前記強磁性薄膜を研磨するよりも速い速度で前
    記基体を研磨する研磨液を用いて前記一主面側を研磨す
    る工程とを含む請求項7に記載のマスター情報担体の製
    造方法。
  10. 【請求項10】 前記第2の工程は、表面が略平坦な弾
    性体上に前記基体を固定したのち、前記一主面側を研磨
    テープで研磨する工程を含む請求項7に記載のマスター
    情報担体の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記第2の工程において、前記一主面
    側を研磨する際に、前記基体と前記研磨テープとの間に
    液状潤滑剤を供給する請求項10に記載のマスター情報
    担体の製造方法。
  12. 【請求項12】 情報信号が記録された磁気記録媒体の
    製造方法であって、 前記情報信号に対応する配列パターンを形成するように
    配置された強磁性薄膜からなる磁性部を備えるマスター
    情報担体を、前記磁性部が磁気記録媒体側になるように
    前記磁気記録媒体に重ね合わせるとともに、前記磁性部
    を磁化することによって、前記配列パターンを前記磁気
    記録媒体に転写記録する工程を含み、 前記マスター情報担体が請求項1ないし6のいずれかに
    記載のマスター情報担体であることを特徴とする磁気記
    録媒体の製造方法。
  13. 【請求項13】 プリフォーマット記録された磁気記録
    媒体を用いる磁気記録再生装置であって、 前記磁気記録媒体が請求項12に記載の製造方法によっ
    て製造された磁気記録媒体であることを特徴とする磁気
    記録再生装置。
  14. 【請求項14】 ディスク状の磁気記録媒体を有するハ
    ードディスクドライブであって、 前記磁気記録媒体が請求項12に記載の製造方法によっ
    て製造された磁気記録媒体であることを特徴とするハー
    ドディスクドライブ。
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