JP2002365287A - 糖尿病治療薬のスクリーニング方法 - Google Patents

糖尿病治療薬のスクリーニング方法

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JP2002365287A
JP2002365287A JP2001362534A JP2001362534A JP2002365287A JP 2002365287 A JP2002365287 A JP 2002365287A JP 2001362534 A JP2001362534 A JP 2001362534A JP 2001362534 A JP2001362534 A JP 2001362534A JP 2002365287 A JP2002365287 A JP 2002365287A
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acid sequence
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protein
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Hideaki Tojo
英明 東條
Nozomi Katayama
望 片山
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 糖尿病治療薬のスクリーニング方法などの提
供 【解決手段】 IRAP結合タンパク質への結合活性を
有するタンパク質(PFNIILなど)を用いることを
特徴とする糖尿病治療薬のスクリーニング方法など。 【効果】 IRAP結合タンパク質への結合活性を有す
るタンパク質(PFNIILなど)は、本発明のタンパ
ク質とIRAP結合タンパク質(MD36など)との結
合を阻害する化合物のスクリーニングのための試薬とし
て有用である。IRAP結合タンパク質への結合活性を
有するタンパク質(PFNIILなど)は、本発明のタ
ンパク質とIRAP結合タンパク質(MD36など)と
の結合を阻害する化合物は、例えば高血糖症、糖尿病
(特にII型糖尿病など)などの疾病の予防・治療剤と
して有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インスリン・レス
ポンシブ・アミノペプチダーゼ(IRAP)もしくはグ
ルコーストランスポーター4に結合するタンパク質であ
る配列番号:10で表されるアミノ酸配列と同一もしく
は実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質も
しくはその塩に対して、結合活性を有する配列番号:3
で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一の
アミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその塩など
を用いた、高血糖症または糖尿病の予防・治療剤のスク
リーニング方法、該スクリーニング方法で得られうる化
合物などに関する。
【0002】
【従来の技術】血糖値はインスリンの作用により、骨格
筋ならびに脂肪組織におけるグルコースの取り込みによ
り調節される。糖尿病ではこの作用の低下が原因で高血
糖が持続することにより生じる。グルコースが細胞へ取
り込まれるのはグルコーストランスポーター(糖輸送担
体)と呼ばれる膜タンパク質の介在が必要である。グル
コーストランスポーターには現在GLUT1−9の9種
類のものが知られているが(Bell et al., J. Biol. Che
m., 268, 3352-3356, 1993; Olson & Pessin, Annu. Re
v. Nutr. 16, 235-256, 1996; Ibberson et al., J. Bi
ol. Chem., 275,4607-4612, 2000; Doege et al., J. B
iol. Chem., 275, 16275-16280, Phay, et al., Genomi
cs, 66, 217-220, 2000)、これらのうちインスリンによ
る糖輸送活性に強く関わるのは、骨格筋、脂肪組織での
発現が主に見られるGLUT4である(Fukumoto et a
l., Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 85, 5434-5438, 19
88;Birnbaum et al., Cell, 57, 305-315, 1989)。通
常、GLUT4は細胞内ではGLUT4小胞体と呼ばれ
る細胞内小胞に存在しているが、血糖上昇時は、インス
リンの作用によりこれが細胞膜へ移行(トランスロケー
ション)されることにより糖取り込みを促進すると考え
られている (Bell et al., Diabetes Care, 13, 198-20
8, 1990; Czech et al., Trends. Biochem. Sci., 17,
197-201, 1992)。このGLUT4小胞体移行の分子メカ
ニズムを明らかにするためGLUT4それ自身のみなら
ずGLUT4小胞体を構成する他のタンパク質を同定す
ることが行われてきた。現在のところGLUT4小胞体
を構成する分子として、VAMPs(vesicle-associat
ed membrane proteins; Cain et al., J. Biol. Chem.,
267, 11681-11684, 1992)、SCAMPs(secretory
component-associated membrane proteins; Thoidis e
t al, J. Biol. Chem., 268, 11691-11696, 1993;Lauri
e et al., J. Biol. Chem, 268, 19110-19117, 199
3)、phosphatidylinositol 4-kinase(Del Vecchio &
Pilch, J. Biol. Chem, 266, 13278-13283, 1991)、低
分子量GTP結合タンパク質Rab4(Cormont et a
l., J. Biol. Chem., 268, 19491-19497, 1993)等の他
に、IRAP(insulin-responsive aminopeptidase; K
andror & Pilch, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 91, 80
17-8021, 1994, Kandror et al., J. Biol. Chem. 269,
30777-30780, 1994, Keller et al,J. Biol. Chem., 2
70, 23612-23618, 1995)が知られている。IRAPは
gp160あるいはvp165とも呼ばれる一回膜貫通
型の膜タンパク質で、細胞内オルガネラではGLUT4
小胞体に局在している。タンパク質構造的には、アミノ
末端(N末端)の109アミノ酸が細胞質内ドメイン
で、続いて22アミノ酸の膜貫通ドメイン、さらにカル
ボキシ末端(C末端)の785アミノ酸からなる細胞外
ドメインから構成される(Kandror & Pilch, Proc. Nat
l. Acad. Sci. USA, 91, 8017-8021, 1994; Keller et
al., J. Biol. Chem., 270, 23612-23618, 1995)。細
胞外ドメインは亜鉛依存性のプロテアーゼ(アミノペプ
チダーゼ)でありその酵素活性が確認されている(Kand
ror et al., J. Biol. Chem. 269, 30777-30780, 199
4)。これらのドメインのうち、N末端側ドメイン(細
胞質側ドメイン)に相当するペプチドを細胞内へ注入す
るとGLUT4小胞体の細胞表面への移行が生じること
から、GLUT4小胞体を細胞内へ引き留めているため
の、IRAPに結合するタンパク質の存在が予想されて
いる(Walters et al., J. Biol. Chem, 272, 23323-23
327, 1997)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】IRAP結合タンパク
質のタンパク質間相互作用を応用した血糖低下作用を有
する化合物のスクリーニング方法、該スクリーニング方
法によって得られうる化合物などについては、現在のと
ころ知られておらず、該スクリーニング方法、該スクリ
ーニング方法によって得られうる化合物(高血糖症また
は糖尿病の予防・治療薬)を提供することが課題であ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、酵母two-hy
brid法(Fields & Strenglanz, Trends Genet., 10, 28
6-292, 1994; Brent &Finley, Annu. Rev. Genet., 31,
663-704, 1997)を用いて、新規IRAP結合タンパク
質としてMD36(特開2001-238685号、WO01/46413
号;配列番号:10で表されるアミノ酸配列を有するタ
ンパク質)を見出している。更に、本発明者らは、 IRAP結合タンパク質(MD36)が、構造的に
は、Formin familyの機能不明タンパク質であるFHO
Sに78bpの挿入配列があるスプライシング・バリア
ント(splicing variant)であること(特開2001-23868
5号、WO01/46413号)、 Formin familyのタンパク質は一般的にプロリン・リ
ッチなドメインを持ち、いくつかのタンパク質はアクチ
ン結合タンパク質であるプロフィリンI(Profilin I)
と結合すること(Evangelista et al., Science, 276,
118-122, 1997 Imamura et al., EMBO J., 16, 2745-27
55, 1997 Tanaka, Biochem. Biophys. Res. Commun., 2
67, 479-481, 2000)、 プロフィリンIはアクチンと結合するのみならず、ア
クチンフィラメントの再構成を促すこと、PI3キナー
ゼ(PI3 kinase)の活性調節サブユニットであるp85
に結合すること、フォスファチジルイノシトールリン酸
の一種であるPIP2に結合すること、そのホモログと
してプロフィリンII(Profilin II)が存在すること
が知られていること(Schluter et al., Biochim. Biop
hys. Acta, 1359, 97-109, 1997)、 一方では、GLUT4の形質膜への移行の際にはアク
チンフィラメントが形質膜の近傍に集積し、GLUT
4、IRAPならびにPI3キナーゼとコンプレックス
を形成すること(Khayat et al., J. Cell Sci., 113,
279-290, 2000)に着目し、MD36とプロフィリン
I、プロフィリンIIの結合は生理的にGLUT4が形
質膜へ移行するのに必須のタンパク質-タンパク質相互
作用のひとつであると考えた。さらに、本発明者らは、
例えば糖尿病におけるインスリン耐性のように、何らか
の形でインスリンのシグナルがGLUT4の移行につな
がらないような病態を呈している場合には、細胞内のM
D36とプロフィリンI、プロフィリンIIの結合を強
制的に切断する物質すなわちMD36/プロフィリン結
合阻害剤が糖尿病治療薬につながると考え、骨格筋タイ
プのMD36とプロフィリンI、プロフィリンIIの結
合の検討実験を行った。この時に、本発明者らは、プロ
フィリンIIにはさらにそのスプライシング・バリアン
トが存在することを見いだし、そのひとつをプロフィリ
ンIIL(配列番号:3で表されるアミノ酸配列を有す
るタンパク質)と名付けた。プロフィリンIILは全長
140アミノ酸から構成されるタンパク質でこのアミノ
酸残基数はプロフィリンI(配列番号:6で表されるア
ミノ酸配列を有するタンパク質)ならびにプロフィリン
II(配列番号:8で表されるアミノ酸配列を有するタ
ンパク質)と同じである。しかも、プロフィリンIIL
はプロフィリンIIとそのアミノ末端から108番目ま
でのアミノ酸まで完全に一致する。しかしながら、各組
織における発現分布を比較するとプロフィリンIIが比
較的普遍的に分布するのに対し、プロフィリンIILは
脳、骨格筋、膵臓、胎盤、心臓に特異的に発現するタン
パク質である。さらに酵母two-hybridシステムを応用し
たタンパク質結合試験ではMD36がプロフィリン・フ
ァミリー(Profilin family)のうちプロフィリンII
Lに特異的に結合することを見いだした。本発明者ら
は、更に上述のMD36とプロフィリン・ファミリーの
組織特異性ならびに分子特異性を応用すると、MD36
とプロフィリンIILとの結合阻害剤が糖尿病治療薬に
つながるものと考え、本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は、(1)配列番号:3
で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一の
アミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその塩、ま
たは配列番号:3で表されるアミノ酸配列と同一もしく
は実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質の
部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステル
またはその塩を用いることを特徴とする、配列番号:
3で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一
のアミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその塩、
または配列番号:3で表されるアミノ酸配列と同一もし
くは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質
の部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステ
ルまたはその塩と配列番号:10で表されるアミノ酸
配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有
するタンパク質もしくはその塩、または配列番号:10
で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一の
アミノ酸配列を含有するタンパク質の部分ペプチドもし
くはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩との
結合を阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方
法、(2)配列番号:3で表されるアミノ酸配列と同一
もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパ
ク質の部分ペプチドが、配列番号:21で表されるアミ
ノ酸配列を含有するペプチドである上記(1)記載のス
クリーニング方法、(3)配列番号:3で表されるアミ
ノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を
含有するタンパク質または配列番号:3で表されるアミ
ノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を
含有するタンパク質の部分ペプチドを産生する能力を有
する細胞を用いることを特徴とする、配列番号:3で
表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のア
ミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその塩、また
は配列番号:3で表されるアミノ酸配列と同一もしくは
実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質の部
分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルま
たはその塩と配列番号:10で表されるアミノ酸配列
と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する
タンパク質もしくはその塩、または配列番号:10で表
されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミ
ノ酸配列を含有するタンパク質の部分ペプチドもしくは
そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩との結合
を阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(4)配列番号:3で表されるアミノ酸配列と同一もし
くは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質
の部分ペプチドが、配列番号:21で表されるアミノ酸
配列を含有するペプチドである上記(3)記載のスクリ
ーニング方法、(5)高血糖症、糖尿病または低血糖症
の予防・治療用化合物を探索するための上記(1)から
(4)のいずれかに記載のスクリーニング方法、(6)
配列番号:3で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実
質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質もしく
はその塩、または配列番号:3で表されるアミノ酸配列
と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する
タンパク質の部分ペプチドもしくはそのアミドもしくは
そのエステルまたはその塩を含有する、配列番号:3
で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一の
アミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその塩、ま
たは配列番号:3で表されるアミノ酸配列と同一もしく
は実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質の
部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステル
またはその塩と配列番号:10で表されるアミノ酸配
列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有す
るタンパク質もしくはその塩、または配列番号:10で
表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のア
ミノ酸配列を含有するタンパク質の部分ペプチドもしく
はそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩との結
合を阻害する化合物またはその塩のスクリーニング用キ
ット、(7)配列番号:3で表されるアミノ酸配列と同
一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタン
パク質の部分ペプチドが、配列番号:21で表されるア
ミノ酸配列を含有するペプチドである上記(6)記載の
スクリーニング用キット、(8)配列番号:3で表され
るアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸
配列を含有するタンパク質または配列番号:3で表され
るアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸
配列を含有するタンパク質の部分ペプチドを産生する能
力を有する細胞を含有する、配列番号:3で表される
アミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配
列を含有するタンパク質もしくはその塩、または配列番
号:3で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に
同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質の部分ペプチ
ドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその
塩と配列番号:10で表されるアミノ酸配列と同一も
しくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク
質もしくはその塩、または配列番号:10で表されるア
ミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列
を含有するタンパク質の部分ペプチドもしくはそのアミ
ドもしくはそのエステルまたはその塩との結合を阻害す
る化合物またはその塩のスクリーニング用キット、
(9)配列番号:3で表されるアミノ酸配列と同一もし
くは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質
の部分ペプチドが、配列番号:21で表されるアミノ酸
配列を含有するペプチドである上記(8)記載のスクリ
ーニング用キット、(10)上記(1)ないし(4)記
載のスクリーニング方法または上記(6)ないし(9)
記載のスクリーニング用キットを用いて得られうる、
配列番号:3で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実
質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質もしく
はその塩、または配列番号:3で表されるアミノ酸配列
と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する
タンパク質の部分ペプチドもしくはそのアミドもしくは
そのエステルまたはその塩と配列番号:10で表され
るアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸
配列を含有するタンパク質もしくはその塩、または配列
番号:10で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質
的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質の部分ペ
プチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたは
その塩との結合を阻害する化合物またはその塩、(1
1)配列番号:3で表されるアミノ酸配列と同一もし
くは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質
もしくはその塩、または配列番号:3で表されるアミノ
酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含
有するタンパク質の部分ペプチドもしくはそのアミドも
しくはそのエステルまたはその塩と配列番号:10で
表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のア
ミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその塩、また
は配列番号:10で表されるアミノ酸配列と同一もしく
は実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質の
部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステル
またはその塩との結合を阻害する化合物またはその塩、
(12)上記(10)または上記(11)記載の化合物
またはその塩を含有してなる医薬、(13)上記(1
0)または上記(11)記載の化合物またはその塩を含
有してなる高血糖症または糖尿病の予防・治療剤、(1
4)配列番号:3で表されるアミノ酸配列と同一もし
くは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質
もしくはその塩、または配列番号:3で表されるアミノ
酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含
有するタンパク質の部分ペプチドもしくはそのアミドも
しくはそのエステルまたはその塩、または配列番号:
3で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一
のアミノ酸配列を含有するタンパク質をコードするDN
Aまたは配列番号:3で表されるアミノ酸配列と同一も
しくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク
質の部分ペプチドをコードするDNAを含有してなる医
薬、(15)低血糖症の予防・治療剤である上記(1
4)記載の医薬、(16)配列番号:3で表されるア
ミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列
を含有するタンパク質もしくはその塩、または配列番
号:3で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に
同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質の部分ペプチ
ドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその
塩に対する抗体、または配列番号:3で表されるアミ
ノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を
含有するタンパク質をコードするDNAまたは配列番
号:3で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に
同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質の部分ペプチ
ドをコードするDNAに相補的または実質的に相補的な
DNAを含有するアンチセンスDNAを含有してなる医
薬、(17)高血糖症または糖尿病の予防・治療剤であ
る上記(16)記載の医薬、(18)配列番号:3で表
されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミ
ノ酸配列を含有するタンパク質をコードするポリヌクレ
オチドを含有するポリヌクレオチドまたは配列番号:3
で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一の
アミノ酸配列を含有するタンパク質の部分ペプチドをコ
ードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド
を含有することを特徴とする高血糖症、糖尿病または低
血糖症の診断剤、(19)配列番号:3で表されるアミ
ノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を
含有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含
有するポリヌクレオチドまたは配列番号:3で表される
アミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配
列を含有するタンパク質の部分ペプチドをコードするポ
リヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドを用いるこ
とを特徴とする高血糖症、糖尿病または低血糖症の診断
方法、(20)配列番号:3で表されるアミノ酸配列と
同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタ
ンパク質もしくはその塩に対する抗体、または配列番
号:3で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に
同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質の部分ペプチ
ドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその
塩に対する抗体を含有することを特徴とする高血糖症、
糖尿病または低血糖症の診断剤、(21)配列番号:3
で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一の
アミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその塩に対
する抗体、または配列番号:3で表されるアミノ酸配列
と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する
タンパク質の部分ペプチドもしくはそのアミドもしくは
そのエステルまたはその塩に対する抗体を用いることを
特徴とする高血糖症、糖尿病または低血糖症の診断方
法、(22)高血糖症または糖尿病の予防・治療剤をス
クリーニングするための配列番号:21で表されるアミ
ノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその塩または配
列番号:21で表されるアミノ酸配列を含有するペプチ
ドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその
塩の使用、(23)哺乳動物に対して上記(10)また
は(11)記載の化合物またはその塩の有効量を投与す
ることを特徴とする高血糖症または糖尿病の予防・治療
法、(24)哺乳動物に対して、配列番号:3で表さ
れるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ
酸配列を含有するタンパク質もしくはその塩、または配
列番号:3で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質
的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質の部分ペ
プチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたは
その塩、または配列番号:3で表されるアミノ酸配列
と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する
タンパク質をコードするDNAまたは配列番号:3で表
されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミ
ノ酸配列を含有するタンパク質の部分ペプチドをコード
するDNAの有効量を投与することを特徴とする低血糖
症の予防・治療法、(25)哺乳動物に対して、配列
番号:3で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的
に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはそ
の塩、または配列番号:3で表されるアミノ酸配列と同
一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタン
パク質の部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはその
エステルまたはその塩に対する抗体、または配列番
号:3で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に
同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質をコードする
DNAまたは配列番号:3で表されるアミノ酸配列と同
一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタン
パク質の部分ペプチドをコードするDNAに相補的また
は実質的に相補的なDNAを含有するアンチセンスDN
Aの有効量を投与することを特徴とする高血糖症または
糖尿病の予防・治療法、(26)高血糖症または糖尿病
の予防・治療剤を製造するための上記(10)または
(11)記載の化合物またはその塩の使用、(27)低
血糖の予防・治療剤を製造するための、配列番号:3
で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一の
アミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその塩、ま
たは配列番号:3で表されるアミノ酸配列と同一もしく
は実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質の
部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステル
またはその塩、または配列番号:3で表されるアミノ
酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含
有するタンパク質をコードするDNAまたは配列番号:
3で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一
のアミノ酸配列を含有するタンパク質の部分ペプチドを
コードするDNAの使用、(28)高血糖症または糖尿
病の予防・治療剤を製造するための、配列番号:3で
表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のア
ミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその塩、また
は配列番号:3で表されるアミノ酸配列と同一もしくは
実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質の部
分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルま
たはその塩に対する抗体、または配列番号:3で表さ
れるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ
酸配列を含有するタンパク質をコードするDNAまたは
配列番号:3で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実
質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質の部分
ペプチドをコードするDNAに相補的または実質的に相
補的なDNAを含有するアンチセンスDNAの使用、
(29)配列番号:21で表されるアミノ酸配列を含有
するタンパク質、ペプチドもしくはそのアミドもしくは
そのエステルまたはその塩(但し、配列番号:3で表さ
れるアミノ酸配列を含有するタンパク質またはその塩を
除く)などに関する。
【0006】
【発明の実施の形態】配列番号:3で表わされるアミノ
酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含
有するタンパク質(プロフィリンIIL;Mol. Cell. B
iol. (Nov. 2000), 20:8209-8219、EP 1033401号公報)
(以下、本発明のタンパク質と称することもある)は、
温血動物(例えば、ヒト、モルモット、ラット、マウ
ス、ニワトリ、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、サルな
ど)の細胞(例えば、肝細胞、脾細胞、神経細胞、グリ
ア細胞、膵臓β細胞、骨髄細胞、メサンギウム細胞、ラ
ンゲルハンス細胞、表皮細胞、上皮細胞、胚細胞、内皮
細胞、平滑筋細胞、繊維芽細胞、繊維細胞、筋細胞、脂
肪細胞、免疫細胞(例、マクロファージ、T細胞、B細
胞、ナチュラルキラー細胞、肥満細胞、好中球、好塩基
球、好酸球、単球)、巨核球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨
細胞、骨芽細胞、破骨細胞、乳腺細胞、肝細胞もしくは
間質細胞、またはこれら細胞の前駆細胞、幹細胞もしく
はガン細胞など)もしくはそれらの細胞が存在するあら
ゆる組織、例えば、脳、脳の各部位(例、嗅球、扁桃
核、大脳基底球、海馬、視床、視床下部、大脳皮質、延
髄、小脳)、脊髄、下垂体、胃、膵臓、腎臓、肝臓、生
殖腺、甲状腺、胆のう、骨髄、副腎、皮膚、筋肉、肺、
消化管(例、大腸、小腸)、血管、心臓、胸腺、脾臓、
顎下腺、末梢血、前立腺、睾丸、卵巣、胎盤、子宮、
骨、関節、骨格筋などに由来するタンパク質であっても
よく、合成タンパク質であってもよい。
【0007】配列番号:3で表わされるアミノ酸配列と
実質的に同一のアミノ酸配列としては、該アミノ酸配列
を含有するタンパク質が配列番号:10で表されるア
ミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列
を含有するタンパク質もしくはその塩、または配列番
号:10で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的
に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質の部分ペプ
チドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはそ
の塩への結合活性を有していれば如何なるアミノ酸配列
であってもよい。本発明の配列番号:3で表わされるア
ミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタ
ンパク質としては、例えば、配列番号:3で表わされる
アミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、
配列番号:3で表わされるアミノ酸配列を含有するタン
パク質と実質的に同質の性質を有するタンパク質などが
好ましい。実質的に同質の性質としては、例えば、配
列番号:10で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実
質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質もしく
はその塩、または配列番号:10で表されるアミノ酸
配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有
するタンパク質の部分ペプチドもしくはそのアミドもし
くはそのエステルまたはその塩への結合活性などがあげ
られる。実質的に同質とは、それらの性質が定性的に同
質であることを示す。したがって、配列番号:10で
表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のア
ミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその塩、また
は配列番号:10で表されるアミノ酸配列と同一もし
くは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質
の部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステ
ルまたはその塩への結合活性が同等であることが好まし
いが、これらの性質の程度、タンパク質の分子量などの
量的要素は異なっていてもよい。
【0008】また、本発明のタンパク質としては、例え
ば、配列番号:3で表わされるアミノ酸配列中の1ま
たは2個以上(好ましくは、1〜9個程度、より好まし
くは1〜5個程度、さらに好ましくは数(1〜3)個)
のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、配列番号:3で
表わされるアミノ酸配列中の1または2個以上(好まし
くは、1〜9個程度、より好ましくは1〜5個程度、さ
らに好ましくは数(1〜3)個)のアミノ酸が付加した
アミノ酸配列、配列番号:3で表わされるアミノ酸配
列中の1または2個以上(好ましくは、1〜9個程度、
より好ましくは1〜5個程度、さらに好ましくは数(1
〜3)個)のアミノ酸が挿入されたアミノ酸配列、配
列番号:3で表わされるアミノ酸配列中の1または2個
以上(好ましくは、1〜9個程度、より好ましくは1〜
5個程度、さらに好ましくは数(1〜3)個)のアミノ
酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、または
それらを組み合わせたアミノ酸配列を含有するタンパク
質などのいわゆるムテインも含まれる。
【0009】本明細書におけるタンパク質は、ペプチド
標記の慣例に従って左端がN末端(アミノ末端)、右端
がC末端(カルボキシル末端)である。配列番号:3で
表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質をはじめ
とする、本発明のタンパク質は、C末端がカルボキシル
基(−COOH)、カルボキシレート(−COO-)、ア
ミド(−CONH2)またはエステル(−COOR)の
何れであってもよい。ここでエステルにおけるRとして
は、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロ
ピル、n−ブチルなどのC1-6アルキル基、例えば、シ
クロペンチル、シクロヘキシルなどのC3-8シクロアル
キル基、例えば、フェニル、α−ナフチルなどのC6-12
アリール基、例えば、ベンジル、フェネチルなどのフェ
ニル−C1-2アルキル基もしくはα−ナフチルメチルな
どのα−ナフチル−C1-2アルキル基などのC7-14アラ
ルキル基、ピバロイルオキシメチル基などが用いられ
る。
【0010】本発明のタンパク質がC末端以外にカルボ
キシル基(またはカルボキシレート)を有している場
合、カルボキシル基がアミド化またはエステル化されて
いるものも本発明のタンパク質に含まれる。この場合の
エステルとしては、例えば上記したC末端のエステルな
どが用いられる。さらに、本発明のタンパク質には、N
末端のアミノ酸残基(例、メチオニン残基)のアミノ基
が保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基などのC
1-6アルカノイルなどのC1-6アシル基など)で保護され
ているもの、生体内で切断されて生成するN末端のグル
タミン残基がピログルタミン酸化したもの、分子内のア
ミノ酸の側鎖上の置換基(例えば−OH、−SH、アミ
ノ基、イミダゾール基、インドール基、グアニジノ基な
ど)が適当な保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基
などのC1-6アルカノイル基などのC1-6アシル基など)
で保護されているもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆ
る糖タンパク質などの複合タンパク質なども含まれる。
本発明のタンパク質の具体例としては、例えば、配列番
号:3で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質
(本明細書において、PFNIILと称する場合もあ
る)などがあげられる。
【0011】本発明のタンパク質の部分ペプチド(以
下、本発明の部分ペプチドと略記する場合もある)とし
ては、前記した本発明のタンパク質の部分ペプチドであ
って、好ましくは、前記した本発明のタンパク質と同様
の性質を有するものであればいずれのものでもよい。例
えば、本発明のタンパク質の構成アミノ酸配列のうち少
なくとも10個以上、好ましくは20個以上、より好ま
しくは50個以上、さらに好ましくは70個以上、もっ
とも好ましくは100個以上のアミノ酸配列を有するペ
プチドなどが用いられる。また、本発明の部分ペプチド
は、そのアミノ酸配列中の1または2個以上(好ましく
は、1〜10個程度、より好ましくは数(1〜5)個)
のアミノ酸が欠失し、または、そのアミノ酸配列に1ま
たは2個以上(好ましくは、1〜10個程度、より好ま
しくは数(1〜5)個)のアミノ酸が付加し、または、
そのアミノ酸配列に1または2個以上(好ましくは、1
〜10個程度、より好ましくは数(1〜5)個)のアミ
ノ酸が挿入され、または、そのアミノ酸配列中の1また
は2個以上(好ましくは、1〜10個程度、より好まし
くは数(1〜5)個程度)のアミノ酸が他のアミノ酸で
置換されていてもよい。本発明の部分ペプチドとして、
より具体的には、配列番号:3で表されるアミノ酸配列
のN末端から数えて第131番目(Met)〜第140
番目(Phe)で表されるアミノ酸配列、すなわち配列
番号:21で表されるアミノ酸配列を含有するペプチド
などが好ましい。配列番号:3で表されるアミノ酸配列
のN末端から数えて第131番目(Met)〜第140
番目(Phe)で表されるアミノ酸配列(配列番号:2
1)を含有するペプチドとしては、配列番号:3で表さ
れるアミノ酸配列のN末端から数えて第131番目(M
et)〜第140番目(Phe)で表されるアミノ酸配
列(配列番号:21)のN末端に、配列番号:3で表さ
れるアミノ酸配列の第1番目(Met)〜第130番目
(Ser)で表されるアミノ酸配列(配列番号:1)の
C末端から数えて1〜129個のアミノ酸残基を付加し
たアミノ酸配列から成るペプチドなどが用いられる。と
りわけ、配列番号:3で表されるアミノ酸配列のN末端
から第109番目(Val)〜第140番目(Phe)
で表されるアミノ酸配列を含有してなる部分ペプチドな
どが好ましく用いられる。
【0012】また、本発明の部分ペプチドはC末端がカ
ルボキシル基(−COOH)、カルボキシレート(−C
OO-)、アミド(−CONH2)またはエステル(−C
OOR)(Rは上記と同意義を示す)の何れであっても
よい。本発明の部分ペプチドがC末端以外にカルボキシ
ル基(またはカルボキシレート)を有している場合、カ
ルボキシル基がアミド化またはエステル化されているも
のも本発明のタンパク質に含まれる。この場合のエステ
ルとしては、例えば上記したC末端のエステルなどが用
いられる。さらに、本発明の部分ペプチドには、前記し
た本発明のタンパク質と同様に、N末端のアミノ酸残基
(例、メチオニン残基)のアミノ基が保護基で保護され
ているもの、N端側が生体内で切断され生成したグルタ
ミン残基がピログルタミン酸化したもの、分子内のアミ
ノ酸の側鎖上の置換基が適当な保護基で保護されている
もの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖ペプチドなど
の複合ペプチドなども含まれる。本発明の部分ペプチド
は抗体作成のための抗原としても用いることができ、ま
た本発明のタンパク質と配列番号:10で表されるア
ミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列
を含有するタンパク質もしくはその塩、または配列番
号:10で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的
に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質の部分ペプ
チドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはそ
の塩との結合を阻害する化合物のスクリーニングに用い
ることもできる。
【0013】配列番号:10で表わされるアミノ酸配列
と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する
タンパク質(以下、本発明のIRAP結合タンパク質と
称することもある)は、温血動物(例えば、ヒト、モル
モット、ラット、マウス、ニワトリ、ウサギ、ブタ、ヒ
ツジ、ウシ、サルなど)の細胞(例えば、肝細胞、脾細
胞、神経細胞、グリア細胞、膵臓β細胞、骨髄細胞、メ
サンギウム細胞、ランゲルハンス細胞、表皮細胞、上皮
細胞、胚細胞、内皮細胞、平滑筋細胞、繊維芽細胞、繊
維細胞、筋細胞、脂肪細胞、免疫細胞(例、マクロファ
ージ、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、肥満細
胞、好中球、好塩基球、好酸球、単球)、巨核球、滑膜
細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞、乳腺細
胞、肝細胞もしくは間質細胞、またはこれら細胞の前駆
細胞、幹細胞もしくはガン細胞など)もしくはそれらの
細胞が存在するあらゆる組織、例えば、脳、脳の各部位
(例、嗅球、扁桃核、大脳基底球、海馬、視床、視床下
部、大脳皮質、延髄、小脳)、脊髄、下垂体、胃、膵
臓、腎臓、肝臓、生殖腺、甲状腺、胆のう、骨髄、副
腎、皮膚、筋肉、肺、消化管(例、大腸、小腸)、血
管、心臓、胸腺、脾臓、顎下腺、末梢血、前立腺、睾
丸、卵巣、胎盤、子宮、骨、関節、骨格筋などに由来す
るタンパク質であってもよく、合成タンパク質であって
もよい。
【0014】配列番号:10で表されるアミノ酸配列と
同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列としては、該
アミノ酸配列を含有するタンパク質が配列番号:3で
表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のア
ミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその塩、また
は配列番号:3で表されるアミノ酸配列と同一もしく
は実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質の
部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステル
またはその塩への結合活性を有していれば如何なるアミ
ノ酸配列であってもよい。本発明の配列番号:10で表
わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を
含有するタンパク質としては、例えば、配列番号:10
で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配
列を含有し、配列番号:10で表わされるアミノ酸配列
を有するタンパク質と実質的に同質の性質を有するタン
パク質などが好ましい。実質的に同質の性質としては、
例えば、配列番号:3で表されるアミノ酸配列と同一
もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパ
ク質もしくはその塩、または配列番号:3で表される
アミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配
列を含有するタンパク質の部分ペプチドもしくはそのア
ミドもしくはそのエステルまたはその塩への結合活性な
どがあげられる。実質的に同質とは、それらの性質が定
性的に同質であることを示す。したがって、配列番
号:3で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に
同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその
塩、または配列番号:3で表されるアミノ酸配列と同
一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタン
パク質の部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはその
エステルまたはその塩への結合活性が同等であることが
好ましいが、これらの性質の程度、タンパク質の分子量
などの量的要素は異なっていてもよい。
【0015】また、本発明のIRAP結合タンパク質と
しては、例えば、配列番号:10で表わされるアミノ
酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜9個程
度、より好ましくは1〜5個程度、さらに好ましくは数
(1〜3)個)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、
配列番号:10で表わされるアミノ酸配列中の1または
2個以上(好ましくは、1〜9個程度、より好ましくは
1〜5個程度、さらに好ましくは数(1〜3)個)のア
ミノ酸が付加したアミノ酸配列、配列番号:10で表
わされるアミノ酸配列中の1または2個以上(好ましく
は、1〜9個程度、より好ましくは1〜5個程度、さら
に好ましくは数(1〜3)個)のアミノ酸が挿入された
アミノ酸配列、配列番号:10で表わされるアミノ酸
配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜9個程
度、より好ましくは1〜5個程度、さらに好ましくは数
(1〜3)個)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換された
アミノ酸配列、またはそれらを組み合わせたアミノ酸
配列を含有するタンパク質などのいわゆるムテインも含
まれる。
【0016】本発明のIRAP結合タンパク質がC末端
以外にカルボキシル基(またはカルボキシレート)を有
している場合、カルボキシル基がアミド化またはエステ
ル化されているものも本発明のタンパク質に含まれる。
この場合のエステルとしては、例えば上記したC末端の
エステルなどが用いられる。さらに、本発明のIRAP
結合タンパク質には、N末端のアミノ酸残基(例、メチ
オニン残基)のアミノ基が保護基(例えば、ホルミル
基、アセチル基などのC1-6アルカノイルなどのC1-6
シル基など)で保護されているもの、生体内で切断され
て生成するN末端のグルタミン残基がピログルタミン酸
化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基(例え
ば−OH、−SH、アミノ基、イミダゾール基、インド
ール基、グアニジノ基など)が適当な保護基(例えば、
ホルミル基、アセチル基などのC1-6アルカノイル基な
どのC1-6アシル基など)で保護されているもの、ある
いは糖鎖が結合したいわゆる糖タンパク質などの複合タ
ンパク質なども含まれる。本発明のIRAP結合タンパ
ク質の具体例としては、例えば、配列番号:10で表わ
されるアミノ酸配列を有するタンパク質(本明細書にお
いて、MD36と称する場合もある)などがあげられ
る。
【0017】本発明のIRAP結合タンパク質の部分ペ
プチド(以下、本発明のIRAP結合部分ペプチドと略
記する場合もある)としては、前記した本発明のIRA
P結合タンパク質の部分ペプチドであって、好ましく
は、前記した本発明のIRAP結合タンパク質と同様の
性質を有するものであればいずれのものでもよい。例え
ば、本発明のIRAP結合タンパク質の構成アミノ酸配
列のうち少なくとも20個以上、好ましくは50個以
上、より好ましくは70個以上、さらに好ましくは10
0個以上のアミノ酸配列を有するペプチドなどが用いら
れる。また、本発明のIRAP結合部分ペプチドは、そ
のアミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1
〜10個程度、より好ましくは数(1〜5)個)のアミ
ノ酸が欠失し、または、そのアミノ酸配列に1または2
個以上(好ましくは、1〜10個程度、より好ましくは
数(1〜5)個)のアミノ酸が付加し、または、そのア
ミノ酸配列に1または2個以上(好ましくは、1〜10
個程度、より好ましくは数(1〜5)個)のアミノ酸が
挿入され、または、そのアミノ酸配列中の1または2個
以上(好ましくは、1〜10個程度、より好ましくは数
(1〜5)個程度)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換さ
れていてもよい。
【0018】また、本発明のIRAP結合部分ペプチド
はC末端がカルボキシル基(−COOH)、カルボキシ
レート(−COO-)、アミド(−CONH2)またはエ
ステル(−COOR)(Rは上記と同意義を示す)の何
れであってもよい。本発明のIRAP結合部分ペプチド
がC末端以外にカルボキシル基(またはカルボキシレー
ト)を有している場合、カルボキシル基がアミド化また
はエステル化されているものも本発明のタンパク質に含
まれる。この場合のエステルとしては、例えば上記した
C末端のエステルなどが用いられる。さらに、本発明の
IRAP結合部分ペプチドには、前記した本発明のIR
AP結合タンパク質と同様に、N末端のアミノ酸残基
(例、メチオニン残基)のアミノ基が保護基で保護され
ているもの、N端側が生体内で切断され生成したグルタ
ミン残基がピログルタミン酸化したもの、分子内のアミ
ノ酸の側鎖上の置換基が適当な保護基で保護されている
もの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖ペプチドなど
の複合ペプチドなども含まれる。本発明のIRAP結合
部分ペプチドは抗体作成のための抗原としても用いるこ
とができ、また本発明のIRAP結合タンパク質と本発
明のタンパク質もしくはその塩,または本発明の部分ペ
プチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたは
その塩との結合を阻害する化合物のスクリーニングに用
いることもできる。
【0019】本発明のタンパク質、本発明の部分ペプチ
ド、本発明のIRAP結合タンパク質、本発明のIRA
P結合部分ペプチドの塩としては、生理学的に許容され
る酸(例、無機酸、有機酸)や塩基(例、アルカリ金属
塩)などとの塩が用いられ、とりわけ生理学的に許容さ
れる酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例え
ば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫
酸)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プ
ロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石
酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスル
ホン酸、ベンゼンスルホン酸)との塩などが用いられる
(以下、「本発明のタンパク質またはその塩」を単に
「本発明のタンパク質」と、「本発明の部分ペプチドま
たはその塩」、「本発明の部分ペプチドもしくはそのア
ミドもしくはそのエステルまたはその塩」を単に「本発
明の部分ペプチド」と、「本発明のIRAP結合タンパ
ク質またはその塩」を単に「本発明のIRAP結合タン
パク質」と、「本発明のIRAP結合部分ペプチドまた
はその塩」、「本発明のIRAP結合部分ペプチドもし
くはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩」を
単に「本発明のIRAP結合部分ペプチド」と称する場
合がある)。本発明のタンパク質、本発明の部分ペプチ
ド、本発明のIRAP結合タンパク質、本発明のIRA
P結合部分ペプチドは、前述したヒトや温血動物の細胞
または組織から公知のタンパク質の精製方法によって製
造することもでき、それらのタンパク質またはペプチド
をコードするDNAを含有する形質転換体を培養するこ
とによっても製造することができる。また、後述のペプ
チド合成法に準じて製造することもできる。ヒトや哺乳
動物の組織または細胞から製造する場合、ヒトや哺乳動
物の組織または細胞をホモジナイズした後、酸などで抽
出を行ない、該抽出液を逆相クロマトグラフィー、イオ
ン交換クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィーを
組み合わせることにより精製単離することができる。
【0020】本発明のタンパク質、本発明の部分ペプチ
ド、本発明のIRAP結合タンパク質、本発明のIRA
P結合部分ペプチドの合成には、通常市販のタンパク質
合成用樹脂を用いることができる。そのような樹脂とし
ては、例えば、クロロメチル樹脂、ヒドロキシメチル樹
脂、ベンズヒドリルアミン樹脂、アミノメチル樹脂、4
−ベンジルオキシベンジルアルコール樹脂、4−メチル
ベンズヒドリルアミン樹脂、PAM樹脂、4−ヒドロキ
シメチルメチルフェニルアセトアミドメチル樹脂、ポリ
アクリルアミド樹脂、4−(2’,4’−ジメトキシフ
ェニル−ヒドロキシメチル)フェノキシ樹脂、4−
(2’,4’−ジメトキシフェニル−Fmocアミノエ
チル)フェノキシ樹脂などをあげることができる。この
ような樹脂を用い、α−アミノ基と側鎖官能基を適当に
保護したアミノ酸を、目的とするタンパク質またはペプ
チドの配列通りに、公知の各種縮合方法に従い、樹脂上
で縮合させる。反応の最後に樹脂からタンパク質または
ペプチドを切り出すと同時に各種保護基を除去し、さら
に高希釈溶液中で分子内ジスルフィド結合形成反応を実
施し、目的のタンパク質、ペプチドを取得する。
【0021】上記した保護アミノ酸の縮合に関しては、
タンパク質合成に使用できる各種活性化試薬を用いるこ
とができるが、特に、カルボジイミド類がよい。カルボ
ジイミド類としては、DCC、N,N’−ジイソプロピ
ルカルボジイミド、N−エチル−N’−(3−ジメチル
アミノプロリル)カルボジイミドなどが用いられる。こ
れらによる活性化にはラセミ化抑制添加剤(例えば、H
OBt、HOOBt)とともに保護アミノ酸を直接樹脂
に添加するかまたは、対称酸無水物またはHOBtエス
テルあるいはHOOBtエステルとしてあらかじめ保護
アミノ酸の活性化を行なった後に樹脂に添加することが
できる。
【0022】保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用
いられる溶媒としては、タンパク質縮合反応に使用しう
ることが知られている溶媒から適宜選択されうる。例え
ば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、N−メチルピロリドンなどの酸アミド
類、塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化
水素類、トリフルオロエタノールなどのアルコール類、
ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、ピリジン
などのアミン類、ジオキサン、テトラヒドロフランなど
のエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリルなど
のニトリル類、酢酸メチル,酢酸エチルなどのエステル
類あるいはこれらの適宜の混合物などが用いられる。反
応温度はタンパク質結合形成反応に使用され得ることが
知られている範囲から適宜選択され、通常約−20℃〜
50℃の範囲から適宜選択される。活性化されたアミノ
酸誘導体は通常1.5〜4倍過剰で用いられる。ニンヒ
ドリン反応を用いたテストの結果、縮合が不十分な場合
には保護基の脱離を行うことなく縮合反応を繰り返すこ
とにより十分な縮合を行うことができる。反応を繰り返
しても十分な縮合が得られないときには、無水酢酸また
はアセチルイミダゾールを用いて未反応アミノ酸をアセ
チル化することによって、後の反応に影響を与えないよ
うにすることができる。
【0023】原料のアミノ基の保護基としては、例え
ば、Z、Boc、t−ペンチルオキシカルボニル、イソ
ボルニルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキ
シカルボニル、Cl−Z、Br−Z、アダマンチルオキ
シカルボニル、トリフルオロアセチル、フタロイル、ホ
ルミル、2−ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニル
ホスフィノチオイル、Fmocなどが用いられる。カル
ボキシル基は、例えば、アルキルエステル化(例えば、
メチル、エチル、プロピル、ブチル、t−ブチル、シク
ロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロ
オクチル、2−アダマンチルなどの直鎖状、分枝状もし
くは環状アルキルエステル化)、アラルキルエステル化
(例えば、ベンジルエステル、4−ニトロベンジルエス
テル、4−メトキシベンジルエステル、4−クロロベン
ジルエステル、ベンズヒドリルエステル化)、フェナシ
ルエステル化、ベンジルオキシカルボニルヒドラジド
化、t−ブトキシカルボニルヒドラジド化、トリチルヒ
ドラジド化などによって保護することができる。セリン
の水酸基は、例えば、エステル化またはエーテル化によ
って保護することができる。このエステル化に適する基
としては、例えば、アセチル基などの低級(C1-6)ア
ルカノイル基、ベンゾイル基などのアロイル基、ベンジ
ルオキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などの炭
酸から誘導される基などが用いられる。また、エーテル
化に適する基としては、例えば、ベンジル基、テトラヒ
ドロピラニル基、t−ブチル基などである。チロシンの
フェノール性水酸基の保護基としては、例えば、Bz
l、Cl2−Bzl、2−ニトロベンジル、Br−Z、
t−ブチルなどが用いられる。ヒスチジンのイミダゾー
ルの保護基としては、例えば、Tos、4−メトキシ−
2,3,6−トリメチルベンゼンスルホニル、DNP、
ベンジルオキシメチル、Bum、Boc、Trt、Fm
ocなどが用いられる。
【0024】原料のカルボキシル基の活性化されたもの
としては、例えば、対応する酸無水物、アジド、活性エ
ステル〔アルコール(例えば、ペンタクロロフェノー
ル、2,4,5−トリクロロフェノール、2,4−ジニ
トロフェノール、シアノメチルアルコール、パラニトロ
フェノール、HONB、N−ヒドロキシスクシミド、N
−ヒドロキシフタルイミド、HOBt)とのエステル〕
などが用いられる。原料のアミノ基の活性化されたもの
としては、例えば、対応するリン酸アミドが用いられ
る。保護基の除去(脱離)方法としては、例えば、Pd
−黒あるいはPd−炭素などの触媒の存在下での水素気
流中での接触還元や、また、無水フッ化水素、メタンス
ルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオ
ロ酢酸あるいはこれらの混合液などによる酸処理や、ジ
イソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピペリ
ジン、ピペラジンなどによる塩基処理、また液体アンモ
ニア中ナトリウムによる還元なども用いられる。上記酸
処理による脱離反応は、一般に約−20℃〜40℃の温
度で行なわれるが、酸処理においては、例えば、アニソ
ール、フェノール、チオアニソール、メタクレゾール、
パラクレゾール、ジメチルスルフィド、1,4−ブタン
ジチオール、1,2−エタンジチオールなどのようなカ
チオン捕捉剤の添加が有効である。また、ヒスチジンの
イミダゾール保護基として用いられる2,4−ジニトロ
フェニル基はチオフェノール処理により除去され、トリ
プトファンのインドール保護基として用いられるホルミ
ル基は上記の1,2−エタンジチオール、1,4−ブタ
ンジチオールなどの存在下の酸処理による脱保護以外
に、希水酸化ナトリウム溶液、希アンモニアなどによる
アルカリ処理によっても除去される。
【0025】原料の反応に関与すべきでない官能基の保
護ならびに保護基、およびその保護基の脱離、反応に関
与する官能基の活性化などは公知の基または公知の手段
から適宜選択しうる。目的とするタンパク質もしくはペ
プチドのアミド体を得る別の方法としては、例えば、ま
ず、カルボキシ末端アミノ酸のα−カルボキシル基をア
ミド化して保護した後、アミノ基側にペプチド(タンパ
ク質)鎖を所望の鎖長まで延ばした後、該ペプチド鎖の
N末端のα−アミノ基の保護基のみを除いたタンパク質
もしくはペプチドとC末端のカルボキシル基の保護基の
みを除去したタンパク質もしくはペプチドとを製造し、
この両タンパク質またはペプチドを上記したような混合
溶媒中で縮合させる。縮合反応の詳細については上記と
同様である。縮合により得られた保護タンパク質もしく
はペプチドを精製した後、上記方法によりすべての保護
基を除去し、所望の粗タンパク質またはペプチドを得る
ことができる。この粗タンパク質またはペプチドは既知
の各種精製手段を駆使して精製し、主要画分を凍結乾燥
することで所望のタンパク質もしくはペプチドのアミド
体を得ることができる。目的とするタンパク質もしくは
ペプチドのエステル体を得るには、例えば、カルボキシ
末端アミノ酸のα−カルボキシル基を所望のアルコール
類と縮合しアミノ酸エステルとした後、タンパク質もし
くはペプチドのアミド体と同様にして、所望のタンパク
質もしくはペプチドのエステル体を得ることができる。
【0026】本発明のタンパク質、本発明の部分ペプチ
ド、本発明のIRAP結合タンパク質、本発明のIRA
P結合部分ペプチドは、公知のペプチドの合成法に従っ
て、あるいはタンパク質を適当なペプチダーゼで切断す
ることによって製造することができる。ペプチドの合成
法としては、例えば、固相合成法、液相合成法のいずれ
によっても良い。すなわち、本発明のタンパク質、本発
明の部分ペプチド、本発明のIRAP結合タンパク質ま
たは本発明のIRAP結合部分ペプチドの部分ペプチド
を構成し得る部分ペプチドもしくはアミノ酸と残余部分
(ペプチドもしくはアミノ酸)とを縮合させ、生成物が
保護基を有する場合は保護基を脱離することにより目的
のタンパク質またはペプチドを製造することができる。
公知の縮合方法や保護基の脱離としては、例えば、以下
の〜に記載された方法があげられる。 M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド・シン
セシス (Peptide Synthesis), Interscience Publisher
s, New York (1966年); SchroederおよびLuebke、ザ・ペプチド(The Peptid
e), Academic Press, NewYork (1965年); 泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株)
(1975年); 矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、 タン
パク質の化学IV、 205、(1977年); 矢島治明監修、続医薬品の開発、第14巻、ペプチド合
成、広川書店。また、反応後は通常の精製法、例えば、
溶媒抽出・蒸留・カラムクロマトグラフィー・液体クロ
マトグラフィー・再結晶などを組み合わせて本発明のタ
ンパク質、本発明の部分ペプチド、本発明のIRAP結
合タンパク質または本発明のIRAP結合部分ペプチド
を精製単離することができる。上記方法で得られるタン
パク質またはペプチドが遊離体である場合は、公知の方
法あるいはそれに準じる方法によって適当な塩に変換す
ることができるし、逆に塩で得られた場合は、公知の方
法あるいはそれに準じる方法によって遊離体または他の
塩に変換することができる。
【0027】本発明のタンパク質をコードするポリヌク
レオチドとしては、上記した本発明のタンパク質をコー
ドする塩基配列(DNAまたはRNA、好ましくはDN
A)を含有するものであればいかなるものであってもよ
い。該ポリヌクレオチドとしては、本発明のタンパク質
をコードするDNA、mRNA等のRNAであり、二本
鎖であっても、一本鎖であってもよい。二本鎖の場合
は、二本鎖DNA、二本鎖RNAまたはDNA:RNA
のハイブリッドでもよい。一本鎖の場合は、センス鎖
(すなわち、コード鎖)であっても、アンチセンス鎖
(すなわち、非コード鎖)であってもよい。本発明のタ
ンパク質をコードするポリヌクレオチドを用いて、例え
ば、公知の実験医学増刊「新PCRとその応用」15
(7)、1997記載の方法またはそれに準じた方法により、
本発明のタンパク質のmRNAを定量することができ
る。本発明のタンパク質をコードするDNAとしては、
前述した本発明のタンパク質をコードする塩基配列を含
有するものであればいかなるものであってもよい。ま
た、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、前記し
た細胞・組織由来のcDNA、前記した細胞・組織由来
のcDNAライブラリー、合成DNAのいずれでもよ
い。ライブラリーに使用するベクターは、バクテリオフ
ァージ、プラスミド、コスミド、ファージミドなどいず
れであってもよい。また、前記した細胞・組織よりtota
l RNAまたはmRNA画分を調製したものを用いて直
接Reverse Transcriptase Polymerase Chain Reaction
(以下、RT−PCR法と略称する)によって増幅する
こともできる。
【0028】本発明のタンパク質をコードするDNAと
しては、例えば、配列番号:4で表わされる塩基配列を
含有するDNA、または配列番号:4で表わされる塩基
配列を含有するDNAとハイストリンジェントな条件下
でハイブリダイズする塩基配列を有し、本発明のタンパ
ク質と実質的に同質の性質を有するタンパク質をコード
するDNAであれば何れのものでもよい。配列番号:4
で表わされる塩基配列を含有するDNAとハイストリン
ジェントな条件下でハイブリダイズできるDNAとして
は、例えば、配列番号:4で表わされる塩基配列と約9
8%以上、好ましくは約99%以上の相同性を有する塩
基配列を含有するDNAなどが用いられる。ハイブリダ
イゼーションは、公知の方法あるいはそれに準じる方
法、例えば、モレキュラー・クローニング(Molecular
Cloning)2nd(J. Sambrook et al.,Cold Spring Harb
or Lab. Press, 1989)に記載の方法などに従って行う
ことができる。また、市販のライブラリーを使用する場
合、添付の使用説明書に記載の方法に従って行うことが
できる。より好ましくは、ハイストリンジェントな条件
に従って行うことができる。ハイストリンジェントな条
件とは、例えば、ナトリウム濃度が約19〜40mM、
好ましくは約19〜20mMで、温度が約50〜70
℃、好ましくは約60〜65℃の条件を示す。特に、ナ
トリウム濃度が約19mMで温度が約65℃の場合が最
も好ましい。
【0029】本発明の部分ペプチドをコードするDNA
としては、前述した本発明の部分ペプチドをコードする
塩基配列を含有するものであればいかなるものであって
もよい。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリ
ー、前記した細胞・組織由来のcDNA、前記した細胞
・組織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいず
れでもよい。本発明の部分ペプチドをコードするDNA
としては、例えば、配列番号:4で表わされる塩基配列
の一部分を有するDNA、または配列番号:4で表わさ
れる塩基配列を有するDNAとハイストリンジェントな
条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、本発明の
タンパク質と実質的に同質の活性を有するタンパク質を
コードするDNAの一部分を有するDNAなどが用いら
れる。本発明の部分ペプチドをコードするDNAとして
は、例えば、(1)配列番号:3で表されるアミノ酸配
列のN末端から第131番目(Met)〜第140番目
(Phe)で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配
列を含有するDNA(すなわち配列番号:4で表される
塩基配列の第391番目(A)〜第420番目(C)で
表される塩基配列を含有するDNA)、または配列番
号:4で表される塩基配列の第391番目(A)〜第4
20番目(C)で表される塩基配列を含有するDNAと
ハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩
基配列を含有するDNA、(2)配列番号:3で表され
るアミノ酸配列のN末端から数えて第131番目(Me
t)〜第140番目(Phe)で表されるアミノ酸配列
(配列番号:21)のN末端に、配列番号:3で表され
るアミノ酸配列の第1番目(Met)〜第130番目
(Ser)で表されるアミノ酸配列(配列番号:1)の
C末端から数えて1〜129個のアミノ酸残基を付加し
たアミノ酸配列をコードする塩基配列を含有するDNA
(すなわち配列番号:4で表される塩基配列の第391
番目(A)〜第420番目(C)で表される塩基配列を
含有するDNAの5’末端側に配列番号:4で表される
塩基配列の第1番目(A)〜第390番目(A)で表さ
れる塩基配列の3’末端から数えて3〜387個(ただ
し3の倍数個)の塩基配列を付加した塩基配列を含有す
るDNA)、または配列番号:4で表される塩基配列の
第391番目(A)〜第420番目(C)で表される塩
基配列を含有するDNAの5’末端側に配列番号:4で
表される塩基配列の第1番目(A)〜第390番目
(A)で表される塩基配列の3’末端から数えて3〜3
87個(ただし3の倍数個)の塩基配列を付加した塩基
配列を含有するDNAとハイストリンジェントな条件下
でハイブリダイズする塩基配列を含有するDNA、
(3)配列番号:3で表されるアミノ酸配列のN末端か
ら第109番目(Val)〜第140番目(Phe)で
表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を含有する
DNA(すなわち配列番号:4で表される塩基配列の第
325番目(G)〜第420番目(C)で表される塩基
配列を含有するDNA)、または配列番号:4で表され
る塩基配列の第325番目(G)〜第420番目(C)
で表される塩基配列を含有するDNAとハイストリンジ
ェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を含有す
るDNAなどが好ましく用いられる。ハイブリダイゼー
ションは、公知の方法あるいはそれに準じる方法、例え
ば、モレキュラー・クローニング(Molecular Clonin
g)2nd(J. Sambrook et al.,Cold Spring Harbor La
b. Press, 1989)に記載の方法などに従って行うことが
できる。また、市販のライブラリーを使用する場合、添
付の使用説明書に記載の方法に従って行うことができ
る。より好ましくは、ハイストリンジェントな条件に従
って行うことができる。ハイストリンジェントな条件と
は、例えば、ナトリウム濃度が約19〜40mM、好ま
しくは約19〜20mMで、温度が約50〜70℃、好
ましくは約60〜65℃の条件を示す。特に、ナトリウ
ム濃度が約19mMで温度が約65℃の場合が最も好ま
しい。
【0030】本発明のIRAP結合タンパク質をコード
するDNAとしては、例えば、配列番号:11で表わさ
れる塩基配列を含有するDNA、または配列番号:11
で表わされる塩基配列を含有するDNAとハイストリン
ジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有
し、配列番号:10で表わされるアミノ酸配列を含有す
るIRAP結合タンパク質と実質的に同質の性質を有す
るタンパク質をコードするDNAであれば何れのもので
もよい。配列番号:11で表わされる塩基配列を含有す
るDNAとハイストリンジェントな条件下でハイブリダ
イズできるDNAとしては、例えば、配列番号:11で
表わされる塩基配列と約70%以上、好ましくは約80
%以上、より好ましくは約90%以上、さらに好ましく
は約95%以上の相同性を有する塩基配列を含有するD
NAなどが用いられる。ハイブリダイゼーションは、公
知の方法あるいはそれに準じる方法、例えば、モレキュ
ラー・クローニング(Molecular Cloning)2nd(J. Sa
mbrook et al.,Cold Spring Harbor Lab. Press, 198
9)に記載の方法などに従って行うことができる。ま
た、市販のライブラリーを使用する場合、添付の使用説
明書に記載の方法に従って行うことができる。より好ま
しくは、ハイストリンジェントな条件に従って行うこと
ができる。ハイストリンジェントな条件とは、例えば、
ナトリウム濃度が約19〜40mM、好ましくは約19
〜20mMで、温度が約50〜70℃、好ましくは約6
0〜65℃の条件を示す。特に、ナトリウム濃度が約1
9mMで温度が約65℃の場合が最も好ましい。より具
体的には、配列番号:10で表わされるアミノ酸配列を
含有するタンパク質をコードするDNAとしては、配列
番号:11で表わされる塩基配列を含有するDNAなど
が用いられる。
【0031】本発明のIRAP結合部分ペプチドをコー
ドするDNAとしては、前述した本発明のIRAP結合
部分ペプチドをコードする塩基配列を含有するものであ
ればいかなるものであってもよい。また、ゲノムDN
A、ゲノムDNAライブラリー、前記した細胞・組織由
来のcDNA、前記した細胞・組織由来のcDNAライ
ブラリー、合成DNAのいずれでもよい。本発明のIR
AP結合部分ペプチドをコードするDNAとしては、例
えば、配列番号:11で表わされる塩基配列の一部分を
有するDNA、または配列番号:11で表わされる塩基
配列を有するDNAとハイストリンジェントな条件下で
ハイブリダイズする塩基配列を有し、本発明のIRAP
結合タンパク質と実質的に同質の活性を有するタンパク
質をコードするDNAの一部分を有するDNAなどが用
いられる。
【0032】本発明のタンパク質、本発明の部分ペプチ
ド(以下、これらを単に「本発明のタンパク質」と略記
することもある)、本発明のIRAP結合タンパク質、
本発明のIRAP結合部分ペプチド(以下、これらを単
に「本発明のIRAP結合タンパク質」と略記すること
もある)をコードするDNAのクローニングの手段とし
ては、本発明のタンパク質または本発明のIRAP結合
タンパク質の部分塩基配列を有する合成DNAプライマ
ーを用いてPCR法によって増幅するか、または適当な
ベクターに組み込んだDNAを本発明のタンパク質また
は本発明のIRAP結合タンパク質の一部あるいは全領
域をコードするDNA断片もしくは合成DNAを用いて
標識したものとのハイブリダイゼーションによって選別
することができる。ハイブリダイゼーションの方法は、
例えば、モレキュラー・クローニング(Molecular Clon
ing)2nd(J. Sambrook et al., Cold Spring Harbor
Lab. Press, 1989)に記載の方法などに従って行うこと
ができる。また、市販のライブラリーを使用する場合、
添付の使用説明書に記載の方法に従って行うことができ
る。DNAの塩基配列の変換は、公知のキット、例え
ば、MutanTM-super ExpressKm(宝酒造(株))、Mutan
TM-K(宝酒造(株))等を用いて、ODA-LA PCR法やGapp
ed duplex法やKunkel法等の公知の方法あるいはそれら
に準じる方法に従って行うことができる。クローン化さ
れた本発明のタンパク質または本発明のIRAP結合タ
ンパク質をコードするDNAは目的によりそのまま、ま
たは所望により制限酵素で消化したり、リンカーを付加
したりして使用することができる。該DNAはその5’
末端側に翻訳開始コドンとしてのATGを有し、また
3’末端側には翻訳終止コドンとしてのTAA、TGA
またはTAGを有していてもよい。これらの翻訳開始コ
ドンや翻訳終止コドンは、適当な合成DNAアダプター
を用いて付加することもできる。本発明のタンパク質ま
たは本発明のIRAP結合タンパク質の発現ベクター
は、例えば、(イ)本発明のタンパク質または本発明の
IRAP結合タンパク質をコードするDNAから目的と
するDNA断片を切り出し、(ロ)該DNA断片を適当
な発現ベクター中のプロモーターの下流に連結すること
により製造することができる。
【0033】ベクターとしては、大腸菌由来のプラスミ
ド(例、pBR322,pBR325,pUC12,p
UC13)、枯草菌由来のプラスミド(例、pUB11
0,pTP5,pC194)、酵母由来プラスミド
(例、pSH19,pSH15)、λファージなどのバ
クテリオファージ、レトロウイルス,ワクシニアウイル
ス,バキュロウイルスなどの動物ウイルスなどの他、p
A1−11、pXT1、pRc/CMV、pRc/RS
V、pcDNAI/Neoなどが用いられる。本発明で
用いられるプロモーターとしては、遺伝子の発現に用い
る宿主に対応して適切なプロモーターであればいかなる
ものでもよい。例えば、動物細胞を宿主として用いる場
合は、SRαプロモーター、SV40プロモーター、L
TRプロモーター、CMVプロモーター、HSV-TK
プロモーターなどがあげられる。これらのうち、CMV
(サイトメガロウイルス)プロモーター、SRαプロモ
ーターなどを用いるのが好ましい。宿主がエシェリヒア
属菌である場合は、trpプロモーター、lacプロモ
ーター、recAプロモーター、λPLプロモーター、
lppプロモーター、T7プロモーターなどが、宿主が
バチルス属菌である場合は、SPO1プロモーター、S
PO2プロモーター、penPプロモーターなど、宿主
が酵母である場合は、PHO5プロモーター、PGKプ
ロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーター
などが好ましい。宿主が昆虫細胞である場合は、ポリヘ
ドリンプロモーター、P10プロモーターなどが好まし
い。
【0034】発現ベクターには、以上の他に、所望によ
りエンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加
シグナル、選択マーカー、SV40複製オリジン(以
下、SV40oriと略称する場合がある)などを含有
しているものを用いることができる。選択マーカーとし
ては、例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素(以下、dhfr
と略称する場合がある)遺伝子〔メソトレキセート(M
TX)耐性〕、アンピシリン耐性遺伝子(以下、Amp
rと略称する場合がある)、ネオマイシン耐性遺伝子
(以下、Neorと略称する場合がある、G418耐
性)等があげられる。特に、dhfr遺伝子欠損チャイ
ニーズハムスター細胞を用いてdhfr遺伝子を選択マ
ーカーとして使用する場合、目的遺伝子をチミジンを含
まない培地によっても選択できる。また、必要に応じ
て、宿主に合ったシグナル配列をコードするDNAを、
本発明のタンパク質をコードするDNAの5’端末側に
付加する。宿主がエシェリヒア属菌である場合は、Ph
oA・シグナル配列、OmpA・シグナル配列などが、
宿主がバチルス属菌である場合は、α−アミラーゼ・シ
グナル配列、サブチリシン・シグナル配列などが、宿主
が酵母である場合は、MFα・シグナル配列、SUC2
・シグナル配列など、宿主が動物細胞である場合には、
インシュリン・シグナル配列、α−インターフェロン・
シグナル配列、抗体分子・シグナル配列などのシグナル
配列がそれぞれ利用できる。このようにして構築された
本発明のタンパク質または本発明のIRAP結合タンパ
ク質をコードするDNAを含有するベクターを用いて、
形質転換体を製造することができる。
【0035】宿主としては、例えば、エシェリヒア属
菌、バチルス属菌、酵母、昆虫細胞、昆虫、動物細胞な
どが用いられる。エシェリヒア属菌の具体例としては、
例えば、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K1
2・DH1〔プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル
・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユー
エスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),60
巻,160(1968)〕,JM103〔ヌクイレック・
アシッズ・リサーチ(Nucleic Acids Research),9
巻,309(1981)〕,JA221〔ジャーナル・オ
ブ・モレキュラー・バイオロジー(Journal of Molecul
ar Biology),120巻,517(1978)〕,HB1
01〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジ
ー,41巻,459(1969)〕,C600〔ジェネテ
ィックス(Genetics),39巻,440(1954)〕な
どが用いられる。バチルス属菌としては、例えば、バチ
ルス・サブチルス(Bacillus subtilis)MI114
〔ジーン,24巻,255(1983)〕,207−21
〔ジャーナル・オブ・バイオケミストリー(Journal of
Biochemistry),95巻,87(1984)〕などが用
いられる。酵母としては、例えば、サッカロマイセス・
セレビシェ(Saccharomyces cerevisiae)AH22、A
H22R-、NA87−11A、DKD−5D、20B
−12、Y190、シゾサッカロマイセス・ポンベ(Sc
hizosaccharomyces pombe)NCYC1913、NCY
C2036、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)
KM71などが用いられる。
【0036】昆虫細胞としては、例えば、ウイルスがA
cNPVの場合は、ヨトウガの幼虫由来株化細胞(Spod
optera frugiperda cell;Sf細胞)、Trichoplusia n
iの中腸由来のMG1細胞、Trichoplusia niの卵由来の
High FiveTM細胞、Mamestrabrassicae由来の細胞または
Estigmena acrea由来の細胞などが用いられる。ウイル
スがBmNPVの場合は、カイコ由来株化細胞(Bombyx
mori N 細胞;BmN細胞)などが用いられる。該Sf
細胞としては、例えば、Sf9細胞(ATCC CRL1711)、
Sf21細胞(以上、Vaughn, J.L.ら、イン・ヴィボ
(In Vivo),13, 213-217,(1977))などが用いられる。
昆虫としては、例えば、カイコの幼虫などが用いられる
〔前田ら、ネイチャー(Nature),315巻,592
(1985)〕。動物細胞としては、例えば、サル細胞C
OS−7、Vero、チャイニーズハムスター細胞CHO
(以下、CHO細胞と略記)、dhfr遺伝子欠損チャ
イニーズハムスター細胞CHO(以下、CHO(dhf
-)細胞と略記)、マウスL細胞、マウスAtT−2
0、マウスミエローマ細胞、ラットGH3、ヒトFL細
胞などが用いられる。エシェリヒア属菌を形質転換する
には、例えば、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナ
ル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユ
ーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)、69
巻、2110(1972)やジーン(Gene),17巻,1
07(1982)などに記載の方法に従って行うことがで
きる。
【0037】バチルス属菌を形質転換するには、例え
ば、モレキュラー・アンド・ジェネラル・ジェネティッ
クス(Molecular & General Genetics)、168巻、1
11(1979)などに記載の方法に従って行うことが
できる。酵母を形質転換するには、例えば、メソッズ・
イン・エンザイモロジー(Methods in Enzymology)、
194巻、182−187(1991)、プロシージン
グズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイ
エンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Ac
ad. Sci. USA)、75巻、1929(1978)な
どに記載の方法に従って行うことができる。昆虫細胞ま
たは昆虫を形質転換するには、例えば、バイオ/テクノ
ロジー(Bio/Technology)、6巻、47−55(198
8)などに記載の方法に従って行うことができる。動物
細胞を形質転換するには、例えば、細胞工学別冊8 新
細胞工学実験プロトコール.263−267(199
5)(秀潤社発行)、ヴィロロジー(Virology)、52
巻、456(1973)に記載の方法に従って行うこと
ができる。このようにして、本発明のタンパク質をコー
ドするDNAを含有する発現ベクターで形質転換された
形質転換体を得ることができる。宿主がエシェリヒア属
菌、バチルス属菌である形質転換体を培養する際、培養
に使用される培地としては液体培地が適当であり、その
中には該形質転換体の生育に必要な炭素源、窒素源、無
機物その他が含有せしめられる。炭素源としては、例え
ば、グルコース、デキストリン、可溶性澱粉、ショ糖な
ど、窒素源としては、例えば、アンモニウム塩類、硝酸
塩類、コーンスチープ・リカー、ペプトン、カゼイン、
肉エキス、大豆粕、バレイショ抽出液などの無機または
有機物質、無機物としては、例えば、塩化カルシウム、
リン酸二水素ナトリウム、塩化マグネシウムなどがあげ
られる。また、酵母、ビタミン類、生長促進因子などを
添加してもよい。培地のpHは約5〜8が望ましい。
【0038】エシェリヒア属菌を培養する際の培地とし
ては、例えば、グルコース、カザミノ酸を含むM9培地
〔ミラー(Miller)、ジャーナル・オブ・エクスペリメ
ンツ・イン・モレキュラー・ジェネティックス(Journa
l of Experiments in Molecular Genetics)、431−
433、Cold Spring Harbor Laboratory、New York1
972〕が好ましい。ここに必要によりプロモーターを
効率よく働かせるために、例えば、3β−インドリルア
クリル酸のような薬剤を加えることができる。宿主がエ
シェリヒア属菌の場合、培養は通常約15〜43℃で約
3〜24時間行ない、必要により、通気や撹拌を加える
こともできる。宿主がバチルス属菌の場合、培養は通常
約30〜40℃で約6〜24時間行ない、必要により通
気や撹拌を加えることもできる。宿主が酵母である形質
転換体を培養する際、培地としては、例えば、バークホ
ールダー(Burkholder)最小培地〔Bostian, K. L.
ら、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデ
ミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー
(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)、77巻、450
5(1980)〕や0.5%カザミノ酸を含有するSD
培地〔Bitter, G. A. ら、プロシージングズ・オブ・ザ
・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オ
ブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. US
A)、81巻、5330(1984)〕があげられる。
培地のpHは約5〜8に調整するのが好ましい。培養は
通常約20℃〜35℃で約24〜72時間行ない、必要
に応じて通気や撹拌を加える。宿主が昆虫細胞または昆
虫である形質転換体を培養する際、培地としては、Grac
e's Insect Medium(Grace, T.C.C.、ネイチャー(Natu
re)、195、788(1962))に非動化した10
%ウシ血清等の添加物を適宜加えたものなどが用いられ
る。培地のpHは約6.2〜6.4に調整するのが好ま
しい。培養は通常約27℃で約3〜5日間行ない、必要
に応じて通気や撹拌を加える。宿主が動物細胞である形
質転換体を培養する際、培地としては、例えば、約5〜
20%の胎児牛血清を含むMEM培地〔サイエンス(Sc
ience)、122巻、501(1952)〕、DMEM
培地〔ヴィロロジー(Virology)、8巻、396(19
59)〕、RPMI 1640培地〔ジャーナル・オブ
・ザ・アメリカン・メディカル・アソシエーション(Th
e Journal of the American Medical Association)、
199巻、519(1967)〕、199培地〔プロシ
ージング・オブ・ザ・ソサイエティ・フォー・ザ・バイ
オロジカル・メディスン(Proceeding of the Society
for the Biological Medicine)、73巻、1(195
0)〕などが用いられる。pHは約6〜8であるのが好
ましい。培養は通常約30℃〜40℃で約15〜60時
間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加える。以上のよ
うにして、形質転換体の細胞内、細胞膜または細胞外に
本発明のタンパク質または本発明のIRAP結合タンパ
ク質を生成せしめることができる。
【0039】上記培養物から本発明のタンパク質または
本発明のIRAP結合タンパク質を分離精製するには、
例えば、下記の方法により行うことができる。本発明の
タンパク質または本発明のIRAP結合タンパク質を培
養菌体あるいは細胞から抽出するに際しては、培養後、
公知の方法で菌体あるいは細胞を集め、これを適当な緩
衝液に懸濁し、超音波、リゾチームおよび/または凍結
融解などによって菌体あるいは細胞を破壊したのち、遠
心分離やろ過によりタンパク質の粗抽出液を得る方法な
どが適宜用いられる。緩衝液の中に尿素や塩酸グアニジ
ンなどのタンパク質変性剤や、トリトンX−100TM
どの界面活性剤が含まれていてもよい。培養液中に本発
明のタンパク質または本発明のIRAP結合タンパク質
が分泌される場合には、培養終了後、公知の方法で菌体
あるいは細胞と上清とを分離し、上清を集める。このよ
うにして得られた培養上清、あるいは抽出液中に含まれ
る本発明のタンパク質または本発明のIRAP結合タン
パク質の精製は、公知の分離・精製法を適切に組み合わ
せて行うことができる。これらの公知の分離、精製法と
しては、塩析や溶媒沈澱法などの溶解度を利用する方
法、透析法、限外ろ過法、ゲルろ過法、およびSDS−
ポリアクリルアミドゲル電気泳動法などの主として分子
量の差を利用する方法、イオン交換クロマトグラフィー
などの荷電の差を利用する方法、アフィニティークロマ
トグラフィーなどの特異的親和性を利用する方法、逆相
高速液体クロマトグラフィーなどの疎水性の差を利用す
る方法、等電点電気泳動法などの等電点の差を利用する
方法などが用いられる。
【0040】このようにして得られる本発明のタンパク
質または本発明のIRAP結合タンパク質が遊離体で得
られた場合には、公知の方法あるいはそれに準じる方法
によって塩に変換することができ、逆に塩で得られた場
合には公知の方法あるいはそれに準じる方法により、遊
離体または他の塩に変換することができる。なお、組換
え体が産生するタンパク質を、精製前または精製後に適
当なタンパク質修飾酵素を作用させることにより、任意
に修飾を加えたり、ポリペプチドを部分的に除去するこ
ともできる。タンパク質修飾酵素としては、例えば、ト
リプシン、キモトリプシン、アルギニルエンドペプチダ
ーゼ、プロテインキナーゼ、グリコシダーゼなどが用い
られる。このようにして生成する本発明のタンパク質ま
たは本発明のIRAP結合タンパク質の存在は、特異抗
体を用いたエンザイムイムノアッセイやウエスタンブロ
ッティングなどにより測定することができる。
【0041】本発明のタンパク質または本発明のIRA
P結合タンパク質に対する抗体は、本発明のタンパク質
または本発明のIRAP結合タンパク質を認識し得る抗
体であれば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体
の何れであってもよい。本発明のタンパク質または本発
明のIRAP結合タンパク質に対する抗体は、本発明の
タンパク質または本発明のIRAP結合タンパク質を抗
原として用い、公知の抗体または抗血清の製造法に従っ
て製造することができる。
【0042】〔モノクローナル抗体の作製〕 (a)モノクローナル抗体産生細胞の作製 本発明のタンパク質または本発明のIRAP結合タンパ
ク質は、温血動物に対して投与により抗体産生が可能な
部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤とともに投与され
る。投与に際して抗体産生能を高めるため、完全フロイ
ントアジュバントや不完全フロイントアジュバントを投
与してもよい。投与は通常2〜6週毎に1回ずつ、計2
〜10回程度行われる。用いられる温血動物としては、
例えば、サル、ウサギ、イヌ、モルモット、マウス、ラ
ット、ヒツジ、ヤギ、ニワトリがあげられるが、マウス
およびラットが好ましく用いられる。モノクローナル抗
体産生細胞の作製に際しては、抗原で免疫された温血動
物、例えばマウスから抗体価の認められた個体を選択し
最終免疫の2〜5日後に脾臓またはリンパ節を採取し、
それらに含まれる抗体産生細胞を同種または異種動物の
骨髄腫細胞と融合させることにより、モノクローナル抗
体産生ハイブリドーマを調製することができる。抗血清
中の抗体価の測定は、例えば、後記の標識化タンパク質
と抗血清とを反応させたのち、抗体に結合した標識剤の
活性を測定することにより行うことができる。融合操作
は既知の方法、例えば、ケーラーとミルスタインの方法
〔ネイチャー(Nature)、256、495(197
5)〕に従い実施することができる。融合促進剤として
は、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)やセン
ダイウィルスなどがあげられるが、好ましくはPEGが
用いられる。
【0043】骨髄腫細胞としては、例えば、NS−1、
P3U1、SP2/0、AP−1などの温血動物の骨髄
腫細胞があげられるが、P3U1が好ましく用いられ
る。用いられる抗体産生細胞(脾臓細胞)数と骨髄腫細
胞数との好ましい比率は1:1〜20:1程度であり、
PEG(好ましくはPEG1000〜PEG6000)
が10〜80%程度の濃度で添加され、20〜40℃、
好ましくは30〜37℃で1〜10分間インキュベート
することにより効率よく細胞融合を実施できる。モノク
ローナル抗体産生ハイブリドーマのスクリーニングには
種々の方法が使用できるが、例えば、タンパク質抗原を
直接あるいは担体とともに吸着させた固相(例、マイク
ロプレート)にハイブリドーマ培養上清を添加し、次に
放射性物質や酵素などで標識した抗免疫グロブリン抗体
(細胞融合に用いられる細胞がマウスの場合、抗マウス
免疫グロブリン抗体が用いられる)またはプロテインA
を加え、固相に結合したモノクローナル抗体を検出する
方法、抗免疫グロブリン抗体またはプロテインAを吸着
させた固相にハイブリドーマ培養上清を添加し、放射性
物質や酵素などで標識したタンパク質を加え、固相に結
合したモノクローナル抗体を検出する方法などがあげら
れる。モノクローナル抗体の選別は、公知あるいはそれ
に準じる方法に従って行うことができる。通常HAT
(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)を添加
した動物細胞用培地で行うことができる。選別および育
種用培地としては、ハイブリドーマが生育できるものな
らばどのような培地を用いても良い。例えば、1〜20
%、好ましくは10〜20%の牛胎児血清を含むRPM
I 1640培地、1〜10%の牛胎児血清を含むGI
T培地(和光純薬工業(株))あるいはハイブリドーマ
培養用無血清培地(SFM−101、日水製薬(株))
などを用いることができる。培養温度は、通常20〜4
0℃、好ましくは約37℃である。培養時間は、通常5
日〜3週間、好ましくは1週間〜2週間である。培養
は、通常5%炭酸ガス下で行うことができる。ハイブリ
ドーマ培養上清の抗体価は、上記の抗血清中の抗体価の
測定と同様にして測定できる。
【0044】(b)モノクローナル抗体の精製 モノクローナル抗体の分離精製は、公知の方法、例え
ば、免疫グロブリンの分離精製法〔例、塩析法、アルコ
ール沈殿法、等電点沈殿法、電気泳動法、イオン交換体
(例、DEAE)による吸脱着法、超遠心法、ゲルろ過
法、抗原結合固相あるいはプロテインAあるいはプロテ
インGなどの活性吸着剤により抗体のみを採取し、結合
を解離させて抗体を得る特異的精製法〕に従って行うこ
とができる。
【0045】〔ポリクローナル抗体の作製〕本発明のポ
リクローナル抗体は、公知あるいはそれに準じる方法に
従って製造することができる。例えば、免疫抗原(タン
パク質抗原)自体、あるいはそれとキャリアータンパク
質との複合体をつくり、上記のモノクローナル抗体の製
造法と同様に温血動物に免疫を行ない、該免疫動物から
本発明のタンパク質または本発明のIRAP結合タンパ
ク質に対する抗体含有物を採取して、抗体の分離精製を
行うことにより製造することができる。温血動物を免疫
するために用いられる免疫抗原とキャリアータンパク質
との複合体に関し、キャリアータンパク質の種類および
キャリアーとハプテンとの混合比は、キャリアーに架橋
させて免疫したハプテンに対して抗体が効率良くできれ
ば、どの様なものをどの様な比率で架橋させてもよい
が、例えば、ウシ血清アルブミンやウシサイログロブリ
ン、ヘモシアニン等を重量比でハプテン1に対し、約
0.1〜20、好ましくは約1〜5の割合でカプルさせ
る方法が用いられる。また、ハプテンとキャリアーのカ
プリングには、種々の縮合剤を用いることができるが、
グルタルアルデヒドやカルボジイミド、マレイミド活性
エステル、チオール基、ジチオビリジル基を含有する活
性エステル試薬等が用いられる。縮合生成物は、温血動
物に対して、抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは
担体、希釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産
生能を高めるため、完全フロイントアジュバントや不完
全フロイントアジュバントを投与してもよい。投与は、
通常約2〜6週毎に1回ずつ、計約3〜10回程度行な
われる。ポリクローナル抗体は、上記の方法で免疫され
た温血動物の血液、腹水など、好ましくは血液から採取
することができる。抗血清中のポリクローナル抗体価の
測定は、上記の抗血清中の抗体価の測定と同様にして測
定できる。ポリクローナル抗体の分離精製は、上記のモ
ノクローナル抗体の分離精製と同様の免疫グロブリンの
分離精製法に従って行うことができる。
【0046】本発明のタンパク質をコードするDNA
(以下、本発明のDNAと略記することもある)または
本発明のIRAP結合タンパク質をコードするDNA
(以下、本発明のDNA(IRAP結合)と略記するこ
ともある)に相補的な、または実質的に相補的な塩基配
列もしくはその一部を有するアンチセンスDNAとして
は、本発明のDNAまたは本発明のDNA(IRAP結
合)に相補的な、または実質的に相補的な塩基配列もし
くはその一部を有し、該DNAの発現を抑制し得る作用
を有するものであれば、いずれのアンチセンスDNAで
あってもよい。本発明のDNAまたは本発明のDNA
(IRAP結合)に実質的に相補的な塩基配列とは、例
えば、本発明のDNAまたは本発明のDNA(IRAP
結合)に相補的な塩基配列(すなわち、本発明のDNA
または本発明のDNA(IRAP結合)の相補鎖)の全
塩基配列あるいは部分塩基配列と約70%以上、好まし
くは約80%以上、より好ましくは約90%以上、最も
好ましくは約95%以上の相同性を有する塩基配列など
があげられる。特に、本発明のDNAまたは本発明のD
NA(IRAP結合)の相補鎖の全塩基配列うち、本発
明のタンパク質または本発明のIRAP結合タンパク質
のN末端部位をコードする部分の塩基配列(例えば、開
始コドン付近の塩基配列など)の相補鎖と約70%以
上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90%
以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有するア
ンチセンスDNAが好適である。これらのアンチセンス
DNAは、公知のDNA合成装置などを用いて製造する
ことができる。
【0047】以下に、本発明のタンパク質、本発明のI
RAP結合タンパク質、本発明のDNA、本発明のDN
A(IRAP結合)、本発明のタンパク質に対する抗
体、本発明のIRAP結合タンパク質に対する抗体、本
発明のDNAのアンチセンスDNAおよび本発明のDN
A(IRAP結合)のアンチセンスDNAの用途を説明
する。
【0048】(1)本発明のタンパク質が関与する各種
疾病の予防・治療剤 本発明のタンパク質は、本発明のIRAP結合タンパク
質への結合活性を有しているため、本発明のタンパク質
または本発明のDNAは血糖異常に関連する疾患(例、
低血糖症など)などの種々の疾患の予防・治療薬などの
医薬として使用することが出来る。該「本発明のタンパ
ク質」または「本発明のDNA」とは、上述のとおり、
PFNIIL(EP 1033401号公報)などの本発明のタン
パク質またはその部分ペプチドを包含する意味で用いら
れているが、PFNIILなどの本発明のタンパク質の
部分ペプチドは、PFNIILなどの本発明のタンパク
質とMD36などの本発明のIRAP結合タンパク質と
の結合を拮抗的に阻害する場合があるため、PFNII
Lなどの本発明のタンパク質の部分ペプチドや該部分ペ
プチドをコードするDNAは、例えば、高血糖症、糖尿
病(特にII型糖尿病など)などの疾病に対する予防・
治療薬などの医薬として使用することも出来る。例え
ば、生体内において本発明のタンパク質などが減少ある
いは欠損しているために、生体の恒常性維持または生体
防御機構が十分に、あるいは正常に発揮されない患者が
いる場合に、(イ)本発明のDNAを該患者に投与し、
生体内で本発明のタンパク質を発現させることによっ
て、(ロ)細胞に本発明のDNAを挿入し、本発明のタ
ンパク質を発現させた後に、該細胞を患者に移植するこ
とによって、または(ハ)本発明のタンパク質を該患者
に投与することなどによって、該患者における本発明の
タンパク質の役割を十分に、あるいは正常に発揮させる
ことができる。本発明のDNAを上記の予防・治療剤と
して使用する場合は、該DNAを単独あるいはレトロウ
イルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノウイ
ルスアソシエーテッドウイルスベクターなどの適当なベ
クターに挿入した後、常套手段に従って、ヒトまたは温
血動物に投与することができる。本発明のDNAは、そ
のままで、あるいは摂取促進のための補助剤などの生理
学的に認められる担体とともに製剤化し、遺伝子銃やハ
イドロゲルカテーテルのようなカテーテルによって投与
できる。本発明のタンパク質を上記の予防・治療剤とし
て使用する場合は、少なくとも90%、好ましくは95
%以上、より好ましくは98%以上、さらに好ましくは
99%以上に精製されたものを使用するのが好ましい。
【0049】本発明のタンパク質は、例えば、必要に応
じて糖衣を施した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マ
イクロカプセル剤などとして経口的に、あるいはエアロ
ゾル化して吸入剤の形で、あるいは水もしくはそれ以外
の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、または懸濁液
剤などの注射剤の形で非経口的に使用できる。例えば、
本発明のタンパク質を生理学的に認められる担体、香味
剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、結合剤などと
ともに一般に認められた製剤実施に要求される単位用量
形態で混和することによって製造することができる。こ
れら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な
用量が得られるようにするものである。錠剤、カプセル
剤などに混和することができる添加剤としては、例え
ば、ゼラチン、コーンスターチ、トラガント、アラビア
ゴムのような結合剤、結晶性セルロースのような賦形
剤、コーンスターチ、ゼラチン、アルギン酸などのよう
な膨化剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、
ショ糖、乳糖またはサッカリンのような甘味剤、ペパー
ミント、アカモノ油またはチェリーのような香味剤など
が用いられる。調剤単位形態がカプセルである場合に
は、前記タイプの材料にさらに油脂のような液状担体を
含有することができる。注射のための無菌組成物は注射
用水のようなベヒクル中の活性物質、胡麻油、椰子油な
どのような天然産出植物油などを溶解または懸濁させる
などの通常の製剤製造法に従って処方することができ
る。注射用の水性液としては、例えば、生理食塩水、ブ
ドウ糖やその他の補助薬を含む等張液(例えば、D−ソ
ルビトール、D−マンニトール、塩化ナトリウムなど)
などがあげられ、適当な溶解補助剤、例えば、アルコー
ル(例えば、エタノールなど)、ポリアルコール(例え
ば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールな
ど)、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリソルベート
80TM、HCO−50など)などと併用してもよい。油
性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油などがあげら
れ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアル
コールなどと併用してもよい。また、緩衝剤(例えば、
リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液など)、無痛化
剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカインな
ど)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミン、ポリエチ
レングリコールなど)、保存剤(例えば、ベンジルアル
コール、フェノールなど)、酸化防止剤などと配合して
もよい。調製された注射液は、通常、適当なアンプルに
充填される。本発明のDNAが挿入されたベクターも上
記と同様に製剤化され、通常、非経口的に使用される。
【0050】このようにして得られる製剤は、安全で低
毒性であるので、例えば、温血動物(例えば、ヒト、ラ
ット、マウス、モルモット、ウサギ、トリ、ヒツジ、ブ
タ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サル、チンパンジーな
ど)に対して投与することができる。本発明のタンパク
質の投与量は、対象疾患、投与対象、投与ルートなどに
より差異はあるが、例えば、低血糖症の治療目的で本発
明のタンパク質を経口投与する場合、一般的に成人(6
0kgとして)においては、一日につき該タンパク質を
約0.1mg〜100mg、好ましくは約1.0〜50
mg、より好ましくは約1.0〜20mg投与する。非
経口的に投与する場合は、該タンパク質の1回投与量は
投与対象、対象疾患などによっても異なるが、例えば、
低血糖症の治療目的で本発明のタンパク質を注射剤の形
で成人(体重60kgとして)に投与する場合、一日に
つき該タンパク質を約0.01〜30mg程度、好まし
くは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1
〜10mg程度を患部に注射することにより投与するの
が好都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに
換算した量を投与することができる。
【0051】(2)結合阻害物質のスクリーニング 本発明のタンパク質は本発明のIRAP結合タンパク質
への結合活性を有するため、例えば糖尿病におけるイン
スリン耐性のように、何らかの形でインスリンのシグナ
ルがGLUT4小胞体の移行につながらないような病態
を呈している場合(いわゆるII型糖尿病の場合など)
には、本発明のタンパク質と本発明のIRAP結合タン
パク質との結合を阻害する化合物は、血中の糖の筋肉細
胞および脂肪細胞への取込みを促進し、血糖値を低下さ
せることができ、例えば、高血糖症、糖尿病(特にII
型糖尿病など)などの疾病に対する予防・治療剤などの
医薬として有用である。
【0052】本発明のスクリーニング方法には、本発明
のタンパク質が用いられ、さらに本発明のIRAP結合
タンパク質が用いられてもよい。また、本発明のスクリ
ーニング方法は、本発明のタンパク質を産生する能力を
有する細胞(好ましくは、本発明のタンパク質コードす
るDNAで形質転換された形質転換体(例、酵母、動物
細胞などの細胞))が用いられてもよく、さらに本発明
のIRAP結合タンパク質を産生する能力を有する細胞
(好ましくは、本発明のIRAP結合タンパク質コード
するDNAで形質転換された形質転換体(例、酵母、動
物細胞などの細胞))が用いられてもよい。 (2−1)In vitro結合試験によるスクリーニング 本発明のタンパク質を本発明のタンパク質に対する抗体
を用いて固相(例、EIAプレート)に固定化するか、
あるいは本発明のタンパク質をTagタンパク質(例、
His−Tag、GST(グルタチオン−S−トランス
フェラーゼ)等)と融合させた後、固相に固定化する。
本発明のタンパク質として本発明の部分ペプチドを用い
る場合には、好ましくは本発明のIRAP結合タンパク
質との結合活性を有する部分ペプチドが用いられる。タ
ンパク質の固相への固定に際しては、His−Tagで
あればニッケル、GSTであればグルタチオンが用いら
れる。これに、本発明のIRAP結合タンパク質をビオ
チンなどで標識したものを加えて結合させる。この複合
体に試験化合物を添加し、本発明のタンパク質と本発明
のIRAP結合タンパク質との結合の阻害の結果として
遊離した本発明のIRAP結合タンパク質を、ビオチン
などの標識体を検出する市販のキットまたは本発明のI
RAP結合タンパク質に対する抗体を用いて、検出、定
量する。本発明のIRAP結合タンパク質を遊離させる
化合物を、本発明のタンパク質と本発明のIRAP結合
タンパク質との結合を阻害する化合物(以下、結合阻害
剤と略称する場合がある)として選択する。また、本発
明のIRAP結合タンパク質を固相に固定化し、これに
本発明のタンパク質を結合させてもよい。本発明のIR
AP結合タンパク質を固相へ固定化する際には、例えば
ビオチンで標識された本発明のIRAP結合タンパク質
とアビジンで標識された固相(例、プレート)が好まし
く用いられる。この複合体に試験化合物を添加し、遊離
する本発明のタンパク質を本発明のタンパク質に対する
抗体またはTagタンパク質に対する抗体で検出、定量
する。この方法において、本発明のタンパク質はTag
タンパク質と融合させた本発明のタンパク質を用いても
よく、その際には、遊離する本発明のタンパク質を本発
明のタンパク質に対する抗体で検出、定量してもよく、
またTagタンパク質に対する抗体で検出、定量してもよ
い。本発明のタンパク質を遊離させる化合物を、結合阻
害剤として選択する。選択された化合物は、本発明のI
RAP結合タンパク質に対する抗体、本発明のタンパク
質に対する抗体またはTagに対する抗体を用いた免疫
沈降法等の公知の方法により、その阻害活性を確認する
ことができる。該免疫沈降法では、選択された化合物に
よって本発明のタンパク質と本発明のIRAP結合タン
パク質との結合が阻害されることにより遊離する本発明
のタンパク質を本発明のIRAP結合タンパク質に対す
る抗体、Tagタンパク質に対する抗体、本発明のIR
AP結合タンパク質に対する抗体によって検出する。
【0053】(2−2)Two-Hybrid法によるスクリーニ
ング (2−2−1)酵母two-hybrid法によるスクリーニング 酵母(例、サッカロマイセス・セレビシェ(Saccharomy
ces cerevisiae)、より好ましくはサッカロマイセス・
セレビシェ(S. cerevisiae)Y190株においてレポ
ーター遺伝子結合ドメインを融合させた本発明のIRA
P結合タンパク質をコードするDNAとレポーター遺伝
子転写活性ドメインが融合した本発明のタンパク質をコ
ードするDNAを発現させると、two-hybridの作用によ
り、レポーター遺伝子であるβ−ガラクトシダーゼ遺伝
子とヒスチジン合成系遺伝子HIS3の表現形が発現す
る。この酵母株を試験化合物の存在下、一定時間培養
し、酵母株のβ−ガラクトシダーゼ活性を減少させる
か、あるいは酵母株をヒスチジン要求性に転換させる化
合物を選択する。該酵母株は、上記した宿主が酵母であ
る形質転換体の培養と同様に培養できる。β−ガラクト
シダーゼの活性はX−Gal(5-bromo-4-chloro-3-ind
olyl-β-D-galactopyranoside)、ONPG(o-nitroph
enyl β-D-galactopyranoside)あるいはCPRG(chl
orophenyl red-β-D-galactopyranoside)を基質として
公知の方法に従って測定することができる。HIS3表
現形の発現はヒスチジン欠損の最小培地で酵母を培養す
ることにより測定することができる。選択された化合物
のうち、細胞毒性のある化合物ならびにレポーター遺伝
子産物との相互作用等でレポーター遺伝子産物自身の活
性を阻害する化合物は擬陽性化合物として除外できる。
また、レポーター遺伝子結合ドメインに本発明のタンパ
ク質を融合させた本発明のタンパク質をコードするDN
Aとレポーター遺伝子転写活性ドメインに本発明のIR
AP結合タンパク質を融合させた本発明のIRAP結合
タンパク質をコードするDNAを用いて、上記酵母two-
hybrid法によるスクリーニングを行うこともできる。
【0054】(2−2−2)動物細胞two-hybrid法によ
るスクリーニング 動物細胞(例、チャイニーズハムスターオバリー(CH
O)細胞)にレポーター遺伝子として、例えばクロラム
フェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)遺
伝子またはホタルルシフェラーゼ遺伝子を導入する。レ
ポーター遺伝子の転写調節領域は、例えば動物細胞で機
能するプロモーター(例、アデノウイルスE1b由来の
最小プロモーター(TATA box)など)の下流に、例えば
GAL1の転写活性配列(UAS)を結合したものを用
い、酵母two-hybridシステムのGAL4−GAL1の転
写調節系を動物細胞内に導入し、動物細胞内でレポータ
ー遺伝子の発現が誘導されるようにする。これにGAL
4−DNA結合ドメインに融合された本発明のIRAP
結合タンパク質をコードするDNAと、例えば単純ヘル
ペスウイルス由来VP16タンパク質をコードするDN
Aに融合した本発明のタンパク質をコードするDNAを
発現させると、two-hybridの作用によりレポーター遺伝
子が発現される動物細胞株が得られる。この細胞株を試
験化合物の存在下、一定時間培養し、レポーター遺伝子
産物の活性を測定し、活性を低下させる化合物を選択す
る。該動物細胞株は、上記した宿主が動物細胞である形
質転換体の培養と同様に培養できる。CAT、ルシフェ
ラーゼなどのレポーター遺伝子産物の活性は公知の方法
に従って、市販のキットを用いて測定できる。選択され
た化合物のうち、細胞毒性のある化合物ならびにレポー
ター遺伝子産物との相互作用等でレポーター遺伝子産物
自身の活性を阻害する化合物を擬陽性化合物として除外
できる。また、GAL4−DNA結合ドメインに本発明
のタンパク質を融合させた本発明のタンパク質をコード
するDNAと例えば単純ヘルペスウイルス由来VP16
タンパク質をコードするDNAに本発明のIRAP結合
タンパク質を融合させた本発明のIRAP結合タンパク
質をコードするDNAを用いて、上記動物細胞two-hybr
id法によるスクリーニングを行うこともできる。
【0055】(3)本発明のタンパク質の発現を促進ま
たは抑制する化合物のスクリーニング 本発明のDNAの転写調節領域をクローニングし、これ
にレポーター遺伝子(例、β−ガラクトシダーゼ、ホタ
ルルシフェラーゼ、クロラムフェニコールアセチルトラ
ンスフェラーゼ(CAT)等)を融合し、動物細胞
(例、CHO細胞)に導入する。この細胞株を試験化合
物の存在下、一定時間培養し、レポーター遺伝子産物の
産生量を上昇または低下させる化合物を選択する。該動
物細胞株は、上記した宿主が動物細胞である形質転換体
の培養と同様に培養できる。レポーター遺伝子産物の産
生量の上昇または低下は、例えば、培養液中のレポータ
ー遺伝子産物の活性を測定することによって判定するこ
とができる。選択された化合物のうち、細胞毒性のある
化合物ならびにレポーター遺伝子産物との相互作用等で
レポーター遺伝子産物自身の活性を上昇または低下させ
る化合物を擬陽性化合物として除外できる。
【0056】試験化合物としては、例えば、ペプチド、
タンパク質、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生
産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液などが
あげられ、これら化合物は新規な化合物であってもよい
し、公知の化合物であってもよい。本発明のタンパク質
の発現を抑制する化合物としては、上記スクリーニング
で得られる本発明のタンパク質の発現を抑制する化合
物、上記したアンチセンスDNA、後述の本発明のDN
Aに対するプロモーター活性を阻害する化合物などがあ
げられる。本発明のタンパク質の発現を促進する化合物
としては、上記スクリーニングで得られる本発明のタン
パク質の発現を促進する化合物、後述の本発明のDNA
に対するプロモーター活性を促進する化合物などがあげ
られる。
【0057】本発明のスクリーニング用キットは、本発
明のタンパク質を含有し、さらに本発明のIRAP結合
タンパク質を含有していてもよい。また、本発明のスク
リーニング用キットは、本発明のタンパク質を産生する
能力を有する細胞(好ましくは、本発明のタンパク質コ
ードするDNAで形質転換された形質転換体(例、酵
母、動物細胞などの細胞))を含有し、さらに本発明の
IRAP結合タンパク質を産生する能力を有する細胞
(好ましくは、本発明のIRAP結合タンパク質をコー
ドするDNAで形質転換された形質転換体(例、酵母、
動物細胞などの細胞))を含有してもよい。該形質転換
体は、本発明のタンパク質をコードするDNAおよび本
発明のIRAP結合タンパク質をコードするDNAで形
質転換された形質転換体、あるいは本発明のタンパク質
をコードするDNAおよび本発明のIRAP結合タンパ
ク質をコードするDNAで形質転換された形質転換体で
あってもよい。
【0058】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
は、上記した試験化合物、例えば、ペプチド、タンパク
質、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細
胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液、血漿などから
選ばれた化合物であり、例えば、本発明のタンパク質と
本発明のIRAP結合タンパク質との結合阻害する化合
物、本発明のタンパク質の発現を促進または抑制する化
合物などがあげられる。該化合物の塩としては、前記し
た本発明のタンパク質の塩と同様のものが用いられる。
プロフィリンIIが比較的普遍的に分布するのに対し、
プロフィリンIILは脳、骨格筋、膵臓、胎盤、心臓で
特異的に発現する。また、MD36はプロフィリンII
Lに特異的に結合する。これらのことを勘案すると、本
発明のタンパク質と本発明のIRAP結合タンパク質と
の結合を阻害する化合物または本発明のタンパク質の発
現を抑制する化合物は、例えば、高血糖症、糖尿病(特
にII型糖尿病など)などの疾病に対する予防・治療剤
などの医薬として有用である。また本発明のタンパク質
の発現を促進する化合物は、例えば、低血糖症などの疾
病に対する予防・治療剤などの医薬として有用である。
【0059】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
を上述の予防・治療剤として使用する場合、常套手段に
従って製剤化することができる。例えば、前記した本発
明のタンパク質を含有する医薬と同様にして、錠剤、カ
プセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤、無菌性
溶液、懸濁液剤などに製剤化し、経口的または非経口的
に投与することができる。このようにして得られる製剤
は安全で低毒性であるので、例えば、温血動物(例え
ば、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウ
シ、ウマ、トリ、ネコ、イヌ、サル、チンパンジーな
ど)に対して投与することができる。該化合物またはそ
の塩の投与量は、その作用、対象疾患、投与対象、投与
ルートなどにより差異はあるが、例えば、糖尿病治療の
目的で本発明のタンパク質と本発明のIRAP結合タン
パク質との結合を阻害する化合物または本発明のタンパ
ク質の発現を抑制する化合物を経口投与する場合、一般
的に成人(体重60kgとして)においては、一日につ
き該化合物を約0.1〜100mg、好ましくは約1.
0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mg投与
する。非経口的に投与する場合は、該化合物の1回投与
量は投与対象、対象疾患などによっても異なるが、例え
ば、糖尿病治療の目的で本発明のタンパク質と本発明の
IRAP結合タンパク質との結合を阻害する化合物また
は本発明のタンパク質の発現を抑制する化合物を注射剤
の形で通常成人(60kgとして)に投与する場合、一
日につき該化合物を約0.01〜30mg程度、好まし
くは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1
〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合で
ある。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量
を投与することができる。例えば、低血糖症治療の目的
で本発明のタンパク質の発現を促進する化合物を経口投
与する場合、一般的に成人(体重60kgとして)にお
いては、一日につき該化合物を約0.1〜100mg、
好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.
0〜20mg投与する。例えば、低血糖症治療の目的で
本発明のタンパク質の発現を促進する化合物を注射剤の
形で通常成人(60kgとして)に投与する場合、一日
につき該化合物を約0.01〜30mg程度、好ましく
は約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜
10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合であ
る。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を
投与することができる。
【0060】(4)本発明のタンパク質の定量 本発明のタンパク質に対する抗体(以下、本発明の抗体
と略記する場合がある)は、本発明のタンパク質を特異
的に認識することができるので、被検液中の本発明のタ
ンパク質の定量、特にサンドイッチ免疫測定法による定
量などに使用することができる。すなわち、本発明は、
(i)本発明の抗体と、被検液および標識化された本発
明のタンパク質とを競合的に反応させ、該抗体に結合し
た標識化された本発明のタンパク質の割合を測定するこ
とを特徴とする被検液中の本発明のタンパク質の定量
法、および(ii)被検液と担体上に不溶化した本発明の
抗体および標識化された本発明の別の抗体とを同時ある
いは連続的に反応させたのち、不溶化担体上の標識剤の
活性を測定することを特徴とする被検液中の本発明のタ
ンパク質の定量法などを提供する。上記(ii)の定量法
においては、一方の抗体が本発明のタンパク質のN端部
を認識する抗体で、他方の抗体が本発明のタンパク質の
C端部に反応する抗体であることが望ましい。
【0061】また、本発明のタンパク質に対するモノク
ローナル抗体(以下、本発明のモノクローナル抗体と称
する場合がある)を用いて本発明のタンパク質の定量を
行なえるほか、組織染色等による検出を行うこともでき
る。これらの目的には、抗体分子そのものを用いてもよ
く、また、抗体分子のF(ab')2、Fab'、あるいは
Fab画分を用いてもよい。本発明の抗体を用いる本発
明のタンパク質の定量法は、特に制限されるべきもので
はなく、被測定液中の抗原量(例えば、タンパク質量)
に対応した抗体、抗原もしくは抗体−抗原複合体の量を
化学的または物理的手段により検出し、これを既知量の
抗原を含む標準液を用いて作製した標準曲線より算出す
る測定法であれば、いずれの測定法を用いてもよい。例
えば、ネフロメトリー、競合法、イムノメトリック法お
よびサンドイッチ法が好適に用いられるが、感度、特異
性の点で、後述するサンドイッチ法を用いるのが特に好
ましい。標識物質を用いる測定法に用いられる標識剤と
しては、例えば、放射性同位元素、酵素、蛍光物質、発
光物質などが用いられる。放射性同位元素としては、例
えば、〔125I〕、〔131I〕、〔3H〕、〔14C〕など
が用いられる。上記酵素としては、安定で比活性の大き
なものが好ましく、例えば、β−ガラクトシダーゼ、β
−グルコシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、パーオ
キシダーゼ、リンゴ酸脱水素酵素などが用いられる。蛍
光物質としては、例えば、フルオレスカミン、フルオレ
ッセンイソチオシアネートなどが用いられる。発光物質
としては、例えば、ルミノール、ルミノール誘導体、ル
シフェリン、ルシゲニンなどが用いられる。さらに、抗
体あるいは抗原と標識剤との結合にビオチン−アビジン
系を用いることもできる。
【0062】抗原あるいは抗体の不溶化に当っては、物
理吸着を用いてもよく、また通常タンパク質あるいは酵
素等を不溶化、固定化するのに用いられる化学結合を用
いる方法でもよい。担体としては、アガロース、デキス
トラン、セルロースなどの不溶性多糖類、ポリスチレ
ン、ポリアクリルアミド、シリコン等の合成樹脂、ある
いはガラス等があげられる。サンドイッチ法においては
不溶化した本発明のモノクローナル抗体に被検液を反応
させ(1次反応)、さらに標識化した別の本発明のモノ
クローナル抗体を反応させ(2次反応)たのち、不溶化
担体上の標識剤の活性を測定することにより被検液中の
本発明のタンパク質量を定量することができる。1次反
応と2次反応は逆の順序に行っても、また、同時に行な
ってもよいし時間をずらして行なってもよい。標識化剤
および不溶化の方法は前記のそれらに準じることができ
る。また、サンドイッチ法による免疫測定法において、
固相用抗体あるいは標識用抗体に用いられる抗体は必ず
しも1種類である必要はなく、測定感度を向上させる等
の目的で2種類以上の抗体の混合物を用いてもよい。本
発明のサンドイッチ法による本発明のタンパク質の測定
法においては、1次反応と2次反応に用いられる本発明
のモノクローナル抗体は、本発明のタンパク質の結合す
る部位が相異なる抗体が好ましく用いられる。すなわ
ち、1次反応および2次反応に用いられる抗体は、例え
ば、2次反応で用いられる抗体が、本発明のタンパク質
のC端部を認識する場合、1次反応で用いられる抗体
は、好ましくはC端部以外、例えばN端部を認識する抗
体が用いられる。
【0063】本発明のモノクローナル抗体をサンドイッ
チ法以外の測定システム、例えば、競合法、イムノメト
リック法あるいはネフロメトリーなどに用いることがで
きる。競合法では、被検液中の抗原と標識抗原とを抗体
に対して競合的に反応させたのち、未反応の標識抗原
(F)と、抗体と結合した標識抗原(B)とを分離し
(B/F分離)、B,Fいずれかの標識量を測定し、被
検液中の抗原量を定量する。本反応法には、抗体として
可溶性抗体を用い、B/F分離をポリエチレングリコー
ル、前記抗体に対する第2抗体などを用いる液相法、お
よび、第1抗体として固相化抗体を用いるか、あるい
は、第1抗体は可溶性のものを用い第2抗体として固相
化抗体を用いる固相化法とが用いられる。イムノメトリ
ック法では、被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の
標識化抗体に対して競合反応させた後固相と液相を分離
するか、あるいは、被検液中の抗原と過剰量の標識化抗
体とを反応させ、次に固相化抗原を加え未反応の標識化
抗体を固相に結合させたのち、固相と液相を分離する。
次に、いずれかの相の標識量を測定し被検液中の抗原量
を定量する。また、ネフロメトリーでは、ゲル内あるい
は溶液中で抗原抗体反応の結果生じた不溶性の沈降物の
量を測定する。被検液中の抗原量が僅かであり、少量の
沈降物しか得られない場合にもレーザーの散乱を利用す
るレーザーネフロメトリーなどが好適に用いられる。
【0064】これら個々の免疫学的測定法を本発明の定
量方法に適用するにあたっては、特別の条件、操作等の
設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の
条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発
明のタンパク質の測定系を構築すればよい。これらの一
般的な技術手段の詳細については、総説、成書などを参
照することができる。例えば、入江 寛編「ラジオイム
ノアッセイ」(講談社、昭和49年発行)、入江 寛編
「続ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和54年発
行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(医学書院、昭
和53年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第
2版)(医学書院、昭和57年発行)、石川栄治ら編
「酵素免疫測定法」(第3版)(医学書院、昭和62年
発行)、「Methods in ENZYMOLOGY」 Vol. 70(Immunoch
emical Techniques(Part A))、同書 Vol. 73(Immunoche
mical Techniques(Part B))、 同書 Vol. 74(Immunoche
mical Techniques(Part C))、 同書 Vol. 84(Immunoche
mical Techniques(Part D: Selected Immunoassays))、
同書 Vol. 92(Immunochemical Techniques(Part E: Mo
noclonal Antibodiesand General Immunoassay Method
s))、 同書 Vol. 121(Immunochemical Techniques(Part
I: Hybridoma Technology and Monoclonal Antibodie
s))(以上、アカデミックプレス社発行)などを参照する
ことができる。以上のようにして、本発明の抗体を用い
ることによって、本発明のタンパク質を感度良く定量す
ることができる。さらには、本発明の抗体を用いて本発
明のタンパク質の濃度を定量することによって、(1)
本発明のタンパク質の濃度の増加が検出された場合、例
えば、高血糖症または糖尿病などの疾病である、または
将来罹患する可能性が高いと診断することができ、また
(2)本発明のタンパク質の濃度の減少が検出された場
合、例えば、低血糖症などの疾病である、または将来罹
患する可能性が高いと診断することができる。また、本
発明の抗体は、体液や組織などの被検体中に存在する本
発明のタンパク質を検出するために使用することができ
る。また、本発明のタンパク質を精製するために使用す
る抗体カラムの作製、精製時の各分画中の本発明のタン
パク質の検出、被検細胞内における本発明のタンパク質
の挙動の分析などのために使用することができる。
【0065】(5)遺伝子診断剤 本発明のDNAは、例えば、プローブとして使用するこ
とにより、温血動物(例えば、ヒト、ラット、マウス、
モルモット、ウサギ、トリ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウ
マ、ネコ、イヌ、サル、チンパンジーなど)における本
発明のタンパク質をコードするDNAまたはmRNAの
異常(遺伝子異常)を検出することができるので、例え
ば、該DNAまたはmRNAの損傷、突然変異あるいは
発現低下や、該DNAまたはmRNAの増加あるいは発
現過多などの遺伝子診断剤として有用である。本発明の
DNAを用いる上記の遺伝子診断は、例えば、公知のノ
ーザンハイブリダイゼーションやPCR−SSCP法
(ゲノミックス(Genomics),第5巻,874〜879
頁(1989年)、プロシージングズ・オブ・ザ・ナシ
ョナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ユ
ーエスエー(Proceedings of theNational Academy of
Sciences of the United States of America)、第86
巻、2766〜2770頁(1989年))などにより
実施することができる。例えば、ノーザンハイブリダイ
ゼーションにより発現過多が検出された場合やPCR−
SSCP法によりDNAの突然変異が検出された場合
は、例えば、高血糖症または糖尿病、あるいは低血糖症
などの疾病である可能性が高いと診断することができ
る。
【0066】(6)アンチセンスDNAを含有する医薬 本発明のDNAに相補的に結合し、該DNAの発現を抑
制することができるアンチセンスDNAは、生体内にお
ける本発明のタンパク質の産生を抑制することができる
ので、上記の本発明のタンパク質の発現を抑制する化合
物と同様に、例えば、高血糖症または糖尿病(特にII
型糖尿病など)などの予防・治療剤として使用すること
ができる。上記アンチセンスDNAを上記の予防・治療
剤として使用する場合、前記した本発明のDNAを含有
する各種の予防・治療剤と同様にして実施することがで
きる。例えば、該アンチセンスDNAを用いる場合、該
アンチセンスDNAを単独あるいはレトロウイルスベク
ター、アデノウイルスベクター、アデノウイルスアソシ
エーテッドウイルスベクターなどの適当なベクターに挿
入した後、常套手段に従って実施することができる。該
アンチセンスDNAは、そのままで、あるいは摂取促進
のために補助剤などの生理学的に認められる担体ととも
に製剤化し、遺伝子銃やハイドロゲルカテーテルのよう
なカテーテルによって投与できる。あるいは、エアロゾ
ル化して吸入剤として気管内に投与することもできる。
さらに、該アンチセンスDNAは、組織や細胞における
本発明のDNAの存在やその発現状況を調べるための診
断用オリゴヌクレオチドプローブとして使用することも
できる。
【0067】(7)本発明の抗体を含有する医薬 本発明のタンパク質の活性を中和する作用を有する本発
明の抗体は、高血糖症、糖尿病(特にII型糖尿病な
ど)などの疾患に対する医薬(予防・治療剤)として使
用することができる。本発明の抗体を含有する上記疾患
の予防・治療剤は、そのまま液剤として、または適当な
剤形の医薬組成物として、温血動物(例、ヒト、ラッ
ト、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルな
ど)に対して経口的または非経口的に投与することがで
きる。投与量は、投与対象、対象疾患、症状、投与ルー
トなどによっても異なるが、例えば、成人の糖尿病の治
療・予防のために使用する場合には、本発明の抗体を1
回量として、通常0.01〜20mg/kg体重程度、
好ましくは0.1〜10mg/kg体重程度、さらに好
ましくは0.1〜5mg/kg体重程度を、1日1〜5
回程度、好ましくは1日1〜3回程度、静脈注射により
投与するのが好都合である。他の非経口投与および経口
投与の場合もこれに準ずる量を投与することができる。
症状が特に重い場合には、その症状に応じて増量しても
よい。本発明の抗体は、それ自体または適当な医薬組成
物として投与することができる。上記投与に用いられる
医薬組成物は、本発明の抗体と薬理学的に許容され得る
担体、希釈剤もしくは賦形剤とを含むものである。かか
る組成物は、経口または非経口投与に適する剤形として
提供される。すなわち、例えば、経口投与のための組成
物としては、固体または液体の剤形、具体的には錠剤
(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、丸剤、顆
粒剤、散剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤を含む)、
シロップ剤、乳剤、懸濁剤などがあげられる。かかる組
成物は公知の方法によって製造され、製剤分野において
通常用いられる担体、希釈剤もしくは賦形剤を含有する
ものである。例えば、錠剤用の担体、賦形剤としては、
乳糖、でんぷん、蔗糖、ステアリン酸マグネシウムなど
が用いられる。
【0068】非経口投与のための組成物としては、例え
ば、注射剤、坐剤などが用いられ、注射剤は静脈注射
剤、皮下注射剤、皮内注射剤、筋肉注射剤、点滴注射剤
などの剤形を包含する。かかる注射剤は、公知の方法に
従って、例えば、上記抗体またはその塩を通常注射剤に
用いられる無菌の水性もしくは油性液に溶解、懸濁また
は乳化することによって調製する。注射用の水性液とし
ては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬
を含む等張液などが用いられ、適当な溶解補助剤、例え
ば、アルコール(例、エタノール)、ポリアルコール
(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル)、非イオン界面活性剤〔例、ポリソルベート80、
HCO−50(polyoxyethylene(50mol)adduct of
hydrogenated castor oil)〕などと併用してもよい。
油性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いら
れ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアル
コールなどを併用してもよい。調製された注射液は、通
常、適当なアンプルに充填される。直腸投与に用いられ
る坐剤は、上記抗体またはその塩を通常の坐薬用基剤に
混合することによって調製される。上記の経口用または
非経口用医薬組成物は、活性成分の投与量に適合するよ
うな投薬単位の剤形に調製されることが好都合である。
かかる投薬単位の剤形としては、錠剤、丸剤、カプセル
剤、注射剤(アンプル)、坐剤などが例示され、それぞ
れの投薬単位剤形当たり通常5〜500mg、とりわけ
注射剤では5〜100mg、その他の剤形では10〜2
50mgの上記抗体が含有されていることが好ましい。
なお前記した各組成物は、上記抗体との配合により好ま
しくない相互作用を生じない限り他の活性成分を含有し
てもよい。
【0069】(8)DNA導入動物 本発明は、外来性の本発明のタンパク質をコードするD
NA(以下、本発明の外来性DNAと略記する)または
その変異DNA(本発明の外来性変異DNAと略記する
場合がある)を有する非ヒト哺乳動物を提供する。すな
わち、本発明は、(1)本発明の外来性DNAまたはそ
の変異DNAを有する非ヒト哺乳動物、(2)非ヒト哺
乳動物がゲッ歯動物である第(1)記載の動物、(3)ゲ
ッ歯動物がマウスまたはラットである第(2)記載の動
物、および(4)本発明の外来性DNAまたはその変異
DNAを含有し、哺乳動物において発現しうる組換えベ
クターを提供するものである。本発明の外来性DNAま
たはその変異DNAを有する非ヒト哺乳動物(以下、本
発明のDNA導入動物と略記する)は、未受精卵、受精
卵、精子およびその始原細胞を含む胚芽細胞などに対し
て、好ましくは、非ヒト哺乳動物の発生における胚発生
の段階(さらに好ましくは、単細胞または受精卵細胞の
段階でかつ一般に8細胞期以前)に、リン酸カルシウム
法、電気パルス法、リポフェクション法、マイクロイン
ジェクション法、パーティクルガン法、DEAE−デキ
ストラン法、レトロウイルス法などにより目的とするD
NAを導入することによって作出することができる。ま
た、該DNA導入方法により、体細胞、生体の臓器、組
織細胞などに目的とする本発明の外来性DNAを導入
し、細胞培養、組織培養などに利用することもでき、さ
らに、これら細胞を上述の胚芽細胞と公知の細胞融合法
により融合させることにより本発明のDNA導入動物を
作出することもできる。
【0070】非ヒト哺乳動物としては、例えば、ウシ、
ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモッ
ト、ハムスター、マウス、ラットなどが用いられる。な
かでも、病体動物モデル系の作成の面から個体発生およ
び生物サイクルが比較的短く、また、繁殖が容易なゲッ
歯動物、とりわけマウス(例えば、純系として、C57
BL/6系統,DBA2系統など、交雑系として、B6
C3F1系統,BDF1系統,B6D2F1系統,BAL
B/c系統,ICR系統など)またはラット(例えば、
Wistar,SDなど)などが好ましい。哺乳動物に
おいて発現しうる組換えベクターにおける「哺乳動物」
としては、上記の非ヒト哺乳動物の他にヒトなどがあげ
られる。本発明の外来性DNAとは、非ヒト哺乳動物が
本来有している本発明のDNAではなく、いったん哺乳
動物から単離・抽出された本発明のDNAをいう。本発
明の変異DNAとしては、元の本発明のDNAの塩基配
列に変異(例えば、突然変異など)が生じたもの、具体
的には、塩基の付加、欠損、他の塩基への置換などが生
じたDNAなどが用いられ、また、異常DNAも含まれ
る。該異常DNAとしては、異常な本発明のタンパク質
を発現させるDNAを意味し、例えば、正常な本発明の
タンパク質の機能を抑制するタンパク質を発現させるD
NAなどが用いられる。本発明の外来性DNAは、対象
とする動物と同種あるいは異種のどちらの哺乳動物由来
のものであってもよい。本発明のDNAを対象動物に導
入させるにあたっては、該DNAを動物細胞で発現させ
うるプロモーターの下流に結合したDNAコンストラク
トとして用いるのが一般に有利である。例えば、本発明
のヒトDNAを導入させる場合、これと相同性が高い本
発明のDNAを有する各種哺乳動物(例えば、ウサギ、
イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、ラット、マウス
など)由来のDNAを発現させうる各種プロモーターの
下流に、本発明のヒトDNAを結合したDNAコンスト
ラクト(例、ベクターなど)を対象哺乳動物の受精卵、
例えば、マウス受精卵へマイクロインジェクションする
ことによって本発明のDNAを高発現するDNA導入哺
乳動物を作出することができる。
【0071】本発明のタンパク質の発現ベクターとして
は、大腸菌由来のプラスミド、枯草菌由来のプラスミ
ド、酵母由来のプラスミド、λファージなどのバクテリ
オファージ、モロニー白血病ウィルスなどのレトロウィ
ルス、ワクシニアウィルスまたはバキュロウィルスなど
の動物ウイルスなどが用いられる。なかでも、大腸菌由
来のプラスミド、枯草菌由来のプラスミドまたは酵母由
来のプラスミドなどが好ましく用いられる。上記のDN
A発現調節を行うプロモーターとしては、例えば、ウ
イルス(例、シミアンウイルス、サイトメガロウイル
ス、モロニー白血病ウイルス、JCウイルス、乳癌ウイ
ルス、ポリオウイルスなど)に由来するDNAのプロモ
ーター、各種哺乳動物(ヒト、ウサギ、イヌ、ネコ、
モルモット、ハムスター、ラット、マウスなど)由来の
プロモーター、例えば、アルブミン、インスリンII、
ウロプラキンII、エラスターゼ、エリスロポエチン、
エンドセリン、筋クレアチンキナーゼ、グリア線維性酸
性タンパク質、グルタチオンS−トランスフェラーゼ、
血小板由来成長因子β、ケラチンK1,K10およびK
14、コラーゲンI型およびII型、サイクリックAM
P依存タンパク質キナーゼβIサブユニット、ジストロ
フィン、酒石酸抵抗性アルカリフォスファターゼ、心房
ナトリウム利尿性因子、内皮レセプターチロシンキナー
ゼ(一般にTie2と略される)、ナトリウムカリウム
アデノシン3リン酸化酵素(Na,K−ATPas
e)、ニューロフィラメント軽鎖、メタロチオネインI
およびIIA、メタロプロティナーゼ1組織インヒビタ
ー、MHCクラスI抗原(H−2L)、H−ras、レ
ニン、ドーパミンβ−水酸化酵素、甲状腺ペルオキシダ
ーゼ(TPO)、ポリペプチド鎖延長因子1α(EF−
1α)、βアクチン、αおよびβミオシン重鎖、ミオシ
ン軽鎖1および2、ミエリン基礎タンパク質、チログロ
ブリン、Thy−1、免疫グロブリン、H鎖可変部(V
NP)、血清アミロイドPコンポーネント、ミオグロビ
ン、トロポニンC、平滑筋αアクチン、プレプロエンケ
ファリンA、バソプレシンなどのプロモーターなどが用
いられる。なかでも、全身で高発現することが可能なサ
イトメガロウイルスプロモーター、ヒトポリペプチド鎖
延長因子1α(EF−1α)のプロモーター、ヒトおよ
びニワトリβアクチンプロモーターなどが好適である。
【0072】上記ベクターは、DNA導入哺乳動物にお
いて目的とするmRNAの転写を終結する配列(一般に
ターミネターと呼ばれる)を有していることが好まし
く、例えば、ウィルス由来および各種哺乳動物由来の各
DNAの配列を用いることができ、好ましくは、シミア
ンウィルスのSV40ターミネターなどが用いられる。
その他、目的とする外来性DNAをさらに高発現させる
目的で各DNAのスプライシングシグナル、エンハンサ
ー領域、真核DNAのイントロンの一部などをプロモー
ター領域の5’上流、プロモーター領域と翻訳領域間あ
るいは翻訳領域の3’下流 に連結することも目的によ
り可能である。正常な本発明のタンパク質の翻訳領域
は、ヒトまたは各種哺乳動物(例えば、ウサギ、イヌ、
ネコ、モルモット、ハムスター、ラット、マウスなど)
由来の肝臓、腎臓、甲状腺細胞、線維芽細胞由来DNA
および市販の各種ゲノムDNAライブラリーよりゲノム
DNAの全てあるいは一部として、または肝臓、腎臓、
甲状腺細胞、線維芽細胞由来RNAより公知の方法によ
り調製された相補DNAを原料として取得することが出
来る。また、外来性の異常DNAは、上記の細胞または
組織より得られた正常なタンパク質の翻訳領域を点突然
変異誘発法により変異した翻訳領域を作製することがで
きる。該翻訳領域はDNA導入動物において発現しうる
DNAコンストラクトとして、前記のプロモーターの下
流および所望により転写終結部位の上流に連結させる通
常の遺伝子工学的手法により作製することができる。受
精卵細胞段階における本発明の外来性DNAの導入は、
対象哺乳動物の胚芽細胞および体細胞のすべてに存在す
るように確保される。DNA導入後の作出動物の胚芽細
胞において、本発明の外来性DNAが存在することは、
作出動物の後代がすべて、その胚芽細胞および体細胞の
すべてに本発明の外来性DNAを保持することを意味す
る。本発明の外来性DNAを受け継いだこの種の動物の
子孫はその胚芽細胞および体細胞のすべてに本発明の外
来性DNAを有する。
【0073】本発明の外来性正常DNAを導入させた非
ヒト哺乳動物は、交配により外来性DNAを安定に保持
することを確認して、該DNA保有動物として通常の飼
育環境で継代飼育することが出来る。受精卵細胞段階に
おける本発明の外来性DNAの導入は、対象哺乳動物の
胚芽細胞および体細胞の全てに過剰に存在するように確
保される。DNA導入後の作出動物の胚芽細胞において
本発明の外来性DNAが過剰に存在することは、作出動
物の子孫が全てその胚芽細胞および体細胞の全てに本発
明の外来性DNAを過剰に有することを意味する。本発
明の外来性DNAを受け継いだこの種の動物の子孫はそ
の胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の外来性DNA
を過剰に有する。導入DNAを相同染色体の両方に持つ
ホモザイゴート動物を取得し、この雌雄の動物を交配す
ることによりすべての子孫が該DNAを過剰に有するよ
うに繁殖継代することができる。本発明の正常DNAを
有する非ヒト哺乳動物は、本発明の正常DNAが高発現
させられており、内在性の正常DNAの機能を促進する
ことにより最終的に本発明のタンパク質の機能亢進症を
発症することがあり、その病態モデル動物として利用す
ることができる。例えば、本発明の正常DNA導入動物
を用いて、本発明のタンパク質の機能亢進症や、本発明
のタンパク質が関連する疾患の病態機序の解明およびこ
れらの疾患の治療方法の検討を行うことが可能である。
また、本発明の外来性正常DNAを導入させた哺乳動物
は、遊離した本発明のタンパク質の増加症状を有するこ
とから、本発明のタンパク質に関連する疾患に対する予
防・治療薬のスクリーニング試験にも利用可能である。
【0074】一方、本発明の外来性異常DNAを有する
非ヒト哺乳動物は、交配により外来性DNAを安定に保
持することを確認して該DNA保有動物として通常の飼
育環境で継代飼育することが出来る。さらに、目的とす
る外来DNAを前述のプラスミドに組み込んで原科とし
て用いることができる。プロモーターとのDNAコンス
トラク卜は、通常の遺伝子工学的手法によって作製する
ことができる。受精卵細胞段階における本発明の異常D
NAの導入は、対象哺乳動物の胚芽細胞および体細胞の
全てに存在するように確保される。DNA導入後の作出
動物の胚芽細胞において本発明の異常DNAが存在する
ことは、作出動物の子孫が全てその胚芽細胞および体細
胞の全てに本発明の異常DNAを有することを意味す
る。本発明の外来性DNAを受け継いだこの種の動物の
子孫は、その胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の異
常DNAを有する。導入DNAを相同染色体の両方に持
つホモザイゴート動物を取得し、この雌雄の動物を交配
することによりすべての子孫が該DNAを有するように
繁殖継代することができる。本発明の異常DNAを有す
る非ヒト哺乳動物は、本発明の異常DNAが高発現させ
られており、内在性の正常DNAの機能を阻害すること
により最終的に本発明のタンパク質の機能不活性型不応
症となることがあり、その病態モデル動物として利用す
ることができる。例えば、本発明の異常DNA転移動物
を用いて、本発明のタンパク質の機能不活性型不応症の
病態機序の解明およびこの疾患を治療方法の検討を行う
ことが可能である。また、具体的な利用可能性として
は、本発明の異常DNA高発現動物は、本発明のタンパ
ク質の機能不活性型不応症における本発明の異常タンパ
ク質による正常タンパク質の機能阻害(dominant negat
ive作用)を解明するモデルとなる。また、本発明の外
来異常DNAを導入させた哺乳動物は、遊離した本発明
のタンパク質の増加症状を有することから、本発明のタ
ンパク質の機能不活性型不応症に対する治療薬スクリー
ニング試験にも利用可能である。
【0075】また、上記2種類の本発明のDNA導入動
物のその他の利用可能性として、例えば、 組織培養のための細胞源としての使用、 本発明のDNA導入動物の組織中のDNAもしくはR
NAを直接分析するか、またはDNAにより発現された
タンパク質組織を分析することによる、本発明のタンパ
ク質により特異的に発現あるいは活性化するタンパク質
との関連性についての解析、 DNAを有する組織の細胞を標準組織培養技術により
培養し、これらを使用して、一般に培養困難な組織から
の細胞の機能の研究、 上記記載の細胞を用いることによる細胞の機能を高
めるような薬剤のスクリーニング、および 本発明の変異タンパク質を単離精製およびその抗体作
製などが考えられる。さらに、本発明のDNA導入動物
を用いて、本発明のタンパク質の機能不活性型不応症な
どを含む、本発明のタンパク質に関連する疾患の臨床症
状を調べることができ、また、本発明のタンパク質に関
連する疾患モデルの各臓器におけるより詳細な病理学的
所見が得られ、新しい治療方法の開発、さらには、該疾
患による二次的疾患の研究および治療に貢献することが
できる。また、本発明のDNA導入動物から各臓器を取
り出し、細切後、トリプシンなどのタンパク質分解酵素
により、遊離したDNA導入細胞の取得、その培養また
はその培養細胞の系統化を行うことが可能である。さら
に、本発明のタンパク質産生細胞の特定化、アポトーシ
ス、分化あるいは増殖との関連性、またはそれらにおけ
るシグナル伝達機構を調べ、それらの異常を調べること
などができ、本発明のタンパク質およびその作用解明の
ための有効な研究材料となる。さらに、本発明のDNA
導入動物を用いて、本発明のタンパク質の機能不活性型
不応症を含む、本発明のタンパク質に関連する疾患の治
療薬の開発を行うために、上述の検査法および定量法な
どを用いて、有効で迅速な該疾患治療薬のスクリーニン
グ法を提供することが可能となる。また、本発明のDN
A導入動物または本発明の外来性DNA発現ベクターを
用いて、本発明のタンパク質が関連する疾患のDNA治
療法を検討、開発することが可能である。
【0076】(9)ノックアウト動物 本発明は、本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺乳
動物胚幹細胞および本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳
動物を提供する。すなわち、本発明は、(1)本発明の
DNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞、
(2)該DNAが薬剤耐性遺伝子(例、ネオマイシン耐
性遺伝子)またはレポーター遺伝子(例、大腸菌由来の
β−ガラクトシダーゼ遺伝子)を導入することにより不
活性化された第(1)項記載の胚幹細胞、(3)ネオマ
イシン耐性である第(1)項記載の胚幹細胞、(4)非
ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である第(1)項記載の胚幹
細胞、(5)ゲッ歯動物がマウスである第(4)項記載
の胚幹細胞、(6)本発明のDNAが不活性化された該
DNA発現不全非ヒト哺乳動物、(7)該DNAが薬剤
耐性遺伝子(例、ネオマイシン耐性遺伝子)またはレポ
ーター遺伝子(例、大腸菌由来のβ−ガラクトシダーゼ
遺伝子)を導入することにより不活性化され、該レポー
ター遺伝子が本発明のDNAに対するプロモーターの制
御下で発現しうる第(6)項記載の非ヒト哺乳動物、
(8)非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である第(6)項記
載の非ヒト哺乳動物、(9)ゲッ歯動物がマウスである
第(8)項記載の非ヒト哺乳動物、および(10)第
(7)項記載の動物に、試験化合物を投与し、薬剤耐性
遺伝子またはレポーター遺伝子の発現を検出することを
特徴とする本発明のDNAに対するプロモーター活性を
促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニン
グ方法を提供する。
【0077】本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺
乳動物胚幹細胞とは、該非ヒト哺乳動物が有する本発明
のDNAに人為的に変異を加えることにより、DNAの
発現能を抑制するか、もしくは該DNAがコードしてい
る本発明のタンパク質の活性を実質的に喪失させること
により、DNAが実質的に本発明のタンパク質の発現能
を有さない(以下、本発明のノックアウトDNAと称す
ることがある)非ヒト哺乳動物の胚幹細胞(以下、ES
細胞と略記する)をいう。非ヒト哺乳動物としては、前
記と同様のものが用いられる。本発明のDNAに人為的
に変異を加える方法としては、例えば、遺伝子工学的手
法により該DNA配列の一部又は全部の削除、他DNA
を挿入または置換させることによって行うことができ
る。これらの変異により、例えば、コドンの読み取り枠
をずらしたり、プロモーターあるいはエキソンの機能を
破壊することにより本発明のノックアウトDNAを作製
すればよい。本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺
乳動物胚幹細胞(以下、本発明のDNA不活性化ES細
胞または本発明のノックアウトES細胞と略記する)の
具体例としては、例えば、目的とする非ヒト哺乳動物が
有する本発明のDNAを単離し、そのエキソン部分にネ
オマイシン耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子を
代表とする薬剤耐性遺伝子、あるいはlacZ(β−ガ
ラクトシダーゼ遺伝子)、cat(クロラムフェニコー
ルアセチルトランスフェラーゼ遺伝子)を代表とするレ
ポーター遺伝子等を挿入することによりエキソンの機能
を破壊するか、あるいはエキソン間のイントロン部分に
遺伝子の転写を終結させるDNA配列(例えば、pol
yA付加シグナルなど)を挿入し、完全なmRNAを合
成できなくすることによって、結果的に遺伝子を破壊す
るように構築したDNA配列を有するDNA鎖(以下、
ターゲッティングベクターと略記する)を、例えば相同
組換え法により該動物の染色体に導入し、得られたES
細胞について本発明のDNA上あるいはその近傍のDN
A配列をプローブとしたサザンハイブリダイゼーション
解析あるいはターゲッティングベクター上のDNA配列
とターゲッティングベクター作製に使用した本発明のD
NA以外の近傍領域のDNA配列をプライマーとしたP
CR法により解析し、本発明のノックアウトES細胞を
選別することにより得ることができる。
【0078】また、相同組換え法等により本発明のDN
Aを不活化させる元のES細胞としては、例えば、前述
のような既に樹立されたものを用いてもよく、また公知
のEvansとKaufmanの方法に準じて新しく樹立したもので
もよい。例えば、マウスのES細胞の場合、現在、一般
的には129系のES細胞が使用されているが、免疫学
的背景がはっきりしていないので、これに代わる純系で
免疫学的に遺伝的背景が明らかなES細胞を取得するな
どの目的で例えば、C57BL/6マウスやC57BL
/6の採卵数の少なさをDBA/2との交雑により改善
したBDF1マウス(C57BL/6とDBA/2との
1)を用いて樹立したものなども良好に用いうる。B
DF1マウスは、採卵数が多く、かつ、卵が丈夫である
という利点に加えて、C57BL/6マウスを背景に持
つので、これを用いて得られたES細胞は病態モデルマ
ウスを作出したとき、C57BL/6マウスとバックク
ロスすることでその遺伝的背景をC57BL/6マウス
に代えることが可能である点で有利に用い得る。また、
ES細胞を樹立する場合、一般には受精後3.5日目の
胚盤胞を使用するが、これ以外に8細胞期胚を採卵し胚
盤胞まで培養して用いることにより効率よく多数の初期
胚を取得することができる。また、雌雄いずれのES細
胞を用いてもよいが、通常雄のES細胞の方が生殖系列
キメラを作出するのに都合が良い。また、煩雑な培養の
手間を削減するためにもできるだけ早く雌雄の判別を行
うことが望ましい。ES細胞の雌雄の判定方法として
は、例えば、PCR法によりY染色体上の性決定領域の
遺伝子を増幅、検出する方法が、その1例としてあげる
ことができる。この方法を使用すれば、従来、核型分析
をするのに約106個の細胞数を要していたのに対し
て、1コロニー程度のES細胞数(約50個)で済むの
で、培養初期におけるES細胞の第一次セレクションを
雌雄の判別で行うことが可能であり、早期に雄細胞の選
定を可能にしたことにより培養初期の手間は大幅に削減
できる。
【0079】また、第二次セレクションとしては、例え
ば、G−バンディング法による染色体数の確認等により
行うことができる。得られるES細胞の染色体数は正常
数の100%が望ましいが、樹立の際の物理的操作等の
関係上困難な場合は、ES細胞の遺伝子をノックアウト
した後、正常細胞(例えば、マウスでは染色体数が2n
=40である細胞)に再びクローニングすることが望ま
しい。このようにして得られた胚幹細胞株は、通常その
増殖性は大変良いが、個体発生できる能力を失いやすい
ので、注意深く継代培養することが必要である。例え
ば、STO繊維芽細胞のような適当なフィーダー細胞上
でLIF(1−10000U/ml)存在下に炭酸ガス
培養器内(好ましくは、5%炭酸ガス、95%空気また
は5%酸素、5%炭酸ガス、90%空気)で約37℃で
培養するなどの方法で培養し、継代時には、例えば、ト
リプシン/EDTA溶液(通常0.001−0.5%ト
リプシン/0.1−5mM EDTA、好ましくは約
0.1%トリプシン/1mM EDTA)処理により単
細胞化し、新たに用意したフィーダー細胞上に播種する
方法などがとられる。このような継代は、通常1−3日
毎に行うが、この際に細胞の観察を行い、形態的に異常
な細胞が見受けられた場合はその培養細胞は放棄するこ
とが望まれる。ES細胞は、適当な条件により、高密度
に至るまで単層培養するか、または細胞集塊を形成する
まで浮遊培養することにより、頭頂筋、内臓筋、心筋な
どの種々のタイプの細胞に分化させることが可能であり
〔M. J. Evans及びM. H. Kaufman、ネイチャー(Natur
e)、第292巻、154頁、1981年;G. R. Marti
n、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデ
ミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ユーエスエー(Pr
oc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.)、第78巻、7634
頁、1981年;T. C. Doetschmanら、ジャーナル・オ
ブ・エンブリオロジー・アンド・エクスペリメンタル・
モルフォロジー、第87巻、27頁、1985年〕、本
発明のES細胞を分化させて得られる本発明のDNA発
現不全細胞は、インビトロにおける本発明のタンパク質
の細胞生物学的検討において有用である。本発明のDN
A発現不全非ヒト哺乳動物は、該動物のmRNA量を公
知の方法を用いて測定して間接的にその発現量を比較す
ることにより、正常動物と区別することが可能である。
該非ヒト哺乳動物としては、前記と同様のものが用いら
れる。
【0080】本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物
は、例えば、前述のようにして作製したターゲッティン
グベクターをマウス胚幹細胞またはマウス卵細胞に導入
し、導入によりターゲッティングベクターの本発明のD
NAが不活性化されたDNA配列が遺伝子相同組換えに
より、マウス胚幹細胞またはマウス卵細胞の染色体上の
本発明のDNAと入れ換わる相同組換えをさせることに
より、本発明のDNAをノックアウトさせることができ
る。本発明のDNAがノックアウトされた細胞は、本発
明のDNA上またはその近傍のDNA配列をプローブと
したサザンハイブリダイゼーション解析またはターゲッ
ティングベクター上のDNA配列と、ターゲッティング
ベクターに使用したマウス由来の本発明のDNA以外の
近傍領域のDNA配列とをプライマーとしたPCR法に
よる解析で判定することができる。非ヒト哺乳動物胚幹
細胞を用いた場合は、遺伝子相同組換えにより、本発明
のDNAが不活性化された細胞株をクローニングし、そ
の細胞を適当な時期、例えば、8細胞期の非ヒト哺乳動
物胚または胚盤胞に注入し、作製したキメラ胚を偽妊娠
させた該非ヒト哺乳動物の子宮に移植する。作出された
動物は正常な本発明のDNA座をもつ細胞と人為的に変
異した本発明のDNA座をもつ細胞との両者から構成さ
れるキメラ動物である。該キメラ動物の生殖細胞の一部
が変異した本発明のDNA座をもつ場合、このようなキ
メラ個体と正常個体を交配することにより得られた個体
群より、全ての組織が人為的に変異を加えた本発明のD
NA座をもつ細胞で構成された個体を、例えば、コート
カラーの判定等により選別することにより得られる。こ
のようにして得られた個体は、通常、本発明のタンパク
質のヘテロ発現不全個体であり、本発明のタンパク質の
ヘテロ発現不全個体同志を交配し、それらの産仔から本
発明のタンパク質のホモ発現不全個体を得ることができ
る。卵細胞を使用する場合は、例えば、卵細胞核内にマ
イクロインジェクション法でDNA溶液を注入すること
によりターゲッティングベクターを染色体内に導入した
トランスジェニック非ヒト哺乳動物を得ることができ、
これらのトランスジェニック非ヒト哺乳動物に比べて、
遺伝子相同組換えにより本発明のDNA座に変異のある
ものを選択することにより得られる。
【0081】このようにして本発明のDNAがノックア
ウトされている個体は、交配により得られた動物個体も
該DNAがノックアウトされていることを確認して通常
の飼育環境で飼育継代を行うことができる。さらに、生
殖系列の取得および保持についても常法に従えばよい。
すなわち、該不活化DNAの保有する雌雄の動物を交配
することにより、該不活化DNAを相同染色体の両方に
持つホモザイゴート動物を取得しうる。得られたホモザ
イゴート動物は、母親動物に対して、正常個体1,ホモ
ザイゴート複数になるような状態で飼育することにより
効率的に得ることができる。ヘテロザイゴート動物の雌
雄を交配することにより、該不活化DNAを有するホモ
ザイゴートおよびヘテロザイゴート動物を繁殖継代す
る。本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚
幹細胞は、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物を作
出する上で、非常に有用である。また、本発明のDNA
発現不全非ヒト哺乳動物は、本発明のタンパク質により
誘導され得る種々の生物活性を欠失するため、本発明の
タンパク質の生物活性の不活性化を原因とする疾病のモ
デルとなり得るので、これらの疾病の原因究明及び治療
法の検討に有用である。
【0082】(10)本発明のDNAの欠損や損傷など
に起因する疾病に対して治療・予防効果を有する化合物
のスクリーニング方法 本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物は、本発明のD
NAの欠損や損傷などに起因する疾病(例、低血糖症な
ど)に対して予防・治療効果を有する化合物のスクリー
ニングに用いることができる。すなわち、本発明は、本
発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物に試験化合物を投
与し、該動物の変化を観察・測定することを特徴とす
る、本発明のDNAの欠損や損傷などに起因する疾病に
対して治療・予防効果を有する化合物またはその塩のス
クリーニング方法を提供する。該スクリーニング方法に
おいて用いられる本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動
物としては、前記と同様のものがあげられる。試験化合
物としては、例えば、ペプチド、タンパク質、非ペプチ
ド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植
物抽出液、動物組織抽出液、血漿などがあげられ、これ
ら化合物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合
物であってもよい。具体的には、本発明のDNA発現不
全非ヒト哺乳動物を、試験化合物で処理し、無処理の対
照動物と比較し、該動物の各器官、組織、疾病の症状な
どの変化を指標として試験化合物の予防・治療効果を試
験することができる。試験動物を試験化合物で処理する
方法としては、例えば、経口投与、静脈注射などが用い
られ、試験動物の症状、試験化合物の性質などにあわせ
て適宜選択することができる。また、試験化合物の投与
量は、投与方法、試験化合物の性質などにあわせて適宜
選択することができる。
【0083】本発明のスクリーニング方法を用いて得ら
れる化合物は、上記した試験化合物から選ばれた化合物
であり、本発明のタンパク質の発現低下などによって引
き起こされる疾患(例、低血糖症など)に対して予防・
治療効果を有するので、該疾患に対する安全で低毒性な
治療・予防剤などの医薬として使用することができる。
さらに、上記スクリーニングで得られた化合物から誘導
される化合物も同様に用いることができる。該スクリー
ニング方法で得られた化合物は塩を形成していてもよ
く、該化合物の塩としては、生理学的に許容される酸
(例、無機酸、有機酸)や塩基(例、アルカリ金属)な
どとの塩が用いられ、とりわけ生理学的に許容される酸
付加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば、無機
酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との
塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン
酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン
酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベ
ンゼンスルホン酸)との塩などが用いられる。該スクリ
ーニング方法で得られた化合物またはその塩を含有する
医薬は、前記した本発明のタンパク質を含有する医薬と
同様にして製造することができる。このようにして得ら
れる製剤は、安全で低毒性であるので、例えば、温血動
物(例えば、ヒト、ラット、マウス、モルモット、ウサ
ギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サルな
ど)に対して投与することができる。該化合物またはそ
の塩の投与量は、対象疾患、投与対象、投与ルートなど
により差異はあるが、例えば、低血糖症の治療目的で該
化合物を経口投与する場合、一般的に成人(体重60k
gとして)においては、一日につき該化合物を約0.1
〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好
ましくは約1.0〜20mg投与する。非経口的に投与
する場合は、該化合物の1回投与量は投与対象、対象疾
患などによっても異なるが、例えば、低血糖症の治療目
的で該化合物を注射剤の形で通常成人(60kgとし
て)に投与する場合、一日につき該化合物を約0.01
〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、
より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射によ
り投与するのが好都合である。他の動物の場合も、60
kg当たりに換算した量を投与することができる。
【0084】(11)本発明のDNAに対するプロモー
ターの活性を促進または阻害する化合物をスクリーニン
グ方法 本発明は、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物に、
試験化合物を投与し、レポーター遺伝子の発現を検出す
ることを特徴とする本発明のDNAに対するプロモータ
ーの活性を促進または阻害する化合物またはその塩のス
クリーニング方法を提供する。上記スクリーニング方法
において、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物とし
ては、前記した本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物
の中でも、本発明のDNAがレポーター遺伝子を導入す
ることにより不活性化され、該レポーター遺伝子が本発
明のDNAに対するプロモーターの制御下で発現しうる
ものが用いられる。試験化合物としては、前記と同様の
ものがあげられる。レポーター遺伝子としては、前記と
同様のものが用いられ、β−ガラクトシダーゼ遺伝子
(lacZ)、可溶性アルカリフォスファターゼ遺伝子
またはルシフェラーゼ遺伝子などが好適である。本発明
のDNAをレポーター遺伝子で置換された本発明のDN
A発現不全非ヒト哺乳動物では、レポーター遺伝子が本
発明のDNAに対するプロモーターの支配下に存在する
ので、レポーター遺伝子がコードする物質の発現をトレ
ースすることにより、プロモーターの活性を検出するこ
とができる。
【0085】例えば、本発明のタンパク質をコードする
DNA領域の一部を大腸菌由来のβ−ガラクトシダーゼ
遺伝子(lacZ)で置換している場合、本来、本発明
のタンパク質の発現する組織で、本発明のタンパク質の
代わりにβ−ガラクトシダーゼが発現する。従って、例
えば、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−
ガラクトピラノシド(X−gal)のようなβ−ガラク
トシダーゼの基質となる試薬を用いて染色することによ
り、簡便に本発明のタンパク質の動物生体内における発
現状態を観察することができる。具体的には、本発明の
タンパク質欠損マウスまたはその組織切片をグルタルア
ルデヒドなどで固定し、リン酸緩衝生理食塩液(PB
S)で洗浄後、X−galを含む染色液で、室温または
37℃付近で、約30分ないし1時間反応させた後、組
織標本を1mM EDTA/PBS溶液で洗浄すること
によって、β−ガラクトシダーゼ反応を停止させ、呈色
を観察すればよい。また、常法に従い、lacZをコー
ドするmRNAを検出してもよい。
【0086】上記スクリーニング方法を用いて得られる
化合物またはその塩は、上記した試験化合物から選ばれ
た化合物であり、本発明のDNAに対するプロモーター
活性を促進または阻害する化合物である。該スクリーニ
ング方法で得られた化合物は塩を形成していてもよく、
該化合物の塩としては、生理学的に許容される酸(例、
無機酸、有機酸)や塩基(例、アルカリ金属)などとの
塩が用いられ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩
が好ましい。この様な塩としては、例えば、無機酸(例
えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、ある
いは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマ
ル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リン
ゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンス
ルホン酸)との塩などが用いられる。本発明のDNAに
対するプロモーター活性を促進する化合物またはその塩
は、本発明のタンパク質の発現を促進し、該タンパク質
の活性を促進することができるので、例えば、低血糖症
などの疾病に対する安全で低毒性な予防・治療剤などの
医薬として有用である。一方、本発明のDNAに対する
プロモーター活性を阻害する化合物またはその塩は、本
発明のタンパク質の発現を阻害し、該タンパク質の活性
を阻害することができるので、例えば、高血糖症、糖尿
病(特にII型糖尿病など)などの疾病に対する安全で
低毒性な予防・治療剤などの医薬として有用である。さ
らに、上記スクリーニングで得られた化合物から誘導さ
れる化合物も同様に用いることができる。
【0087】該スクリーニング方法で得られた化合物ま
たはその塩を含有する医薬は、前記した本発明のタンパ
ク質を含有する医薬と同様にして製造することができ
る。このようにして得られる製剤は、安全で低毒性であ
るので、例えば、温血動物(例えば、ヒト、ラット、マ
ウス、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウ
マ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与することがで
きる。該化合物またはその塩の投与量は、対象疾患、投
与対象、投与ルートなどにより差異はあるが、例えば、
糖尿病の治療目的で本発明のDNAに対するプロモータ
ー活性を阻害する化合物を経口投与する場合、一般的に
成人(体重60kgとして)においては、一日につき該
化合物を約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜
50mg、より好ましくは約1.0〜20mg投与す
る。非経口的に投与する場合は、該化合物の1回投与量
は投与対象、対象疾患などによっても異なるが、例え
ば、糖尿病の治療目的で本発明のDNAに対するプロモ
ーター活性を阻害する化合物を注射剤の形で通常成人
(60kgとして)に投与する場合、一日につき該化合
物を約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜
20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度
を静脈注射により投与するのが好都合である。他の動物
の場合も、60kg当たりに換算した量を投与すること
ができる。一方、例えば、低血糖症の治療目的で本発明
のDNAに対するプロモーター活性を促進する化合物を
経口投与する場合、一般的に成人(体重60kgとし
て)においては、一日につき該化合物を約0.1〜10
0mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましく
は約1.0〜20mg投与する。非経口的に投与する場
合は、該化合物の1回投与量は投与対象、対象疾患など
によっても異なるが、例えば、低血糖症の治療目的で本
発明のDNAに対するプロモーター活性を促進する化合
物を注射剤の形で通常成人(60kgとして)に投与す
る場合、一日につき該化合物を約0.01〜30mg程
度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましく
は約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するの
が好都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに
換算した量を投与することができる。このように、本発
明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物は、本発明のDNA
に対するプロモーターの活性を促進または阻害する化合
物またはその塩をスクリーニングする上で極めて有用で
あり、本発明のDNA発現不全に起因する各種疾患の原
因究明または予防・治療薬の開発に大きく貢献すること
ができる。また、本発明のタンパク質のプロモーター領
域を含有するDNAを使って、その下流に種々のタンパ
ク質をコードする遺伝子を連結し、これを動物の卵細胞
に注入していわゆるトランスジェニック動物(遺伝子導
入動物)を作成すれば、特異的にそのタンパク質を合成
させ、その生体での作用を検討することも可能となる。
さらに上記プロモーター部分に適当なレポーター遺伝子
を結合させ、これが発現するような細胞株を樹立すれ
ば、本発明のタンパク質そのものの体内での産生能力を
特異的に促進もしくは抑制する作用を持つ低分子化合物
の探索系として使用できる。また該プロモーター部分を
解析することにより新たなシスエレメントやそれに結合
する転写因子を見つけることも可能である。
【0088】本明細書および図面において、塩基やアミ
ノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC-IUB Commission
on Biochemical Nomenclature による略号あるいは当
該分野における慣用略号に基づくものであり、その例を
下記する。またアミノ酸に関し光学異性体があり得る場
合は、特に明示しなければL体を示すものとする。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン RNA :リボ核酸 mRNA :メッセンジャーリボ核酸 dATP :デオキシアデノシン三リン酸 dTTP :デオキシチミジン三リン酸 dGTP :デオキシグアノシン三リン酸 dCTP :デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム Gly :グリシン Ala :アラニン Val :バリン Leu :ロイシン Ile :イソロイシン Ser :セリン Thr :スレオニン Cys :システイン Met :メチオニン Glu :グルタミン酸 Asp :アスパラギン酸 Lys :リジン Arg :アルギニン His :ヒスチジン Phe :フェニルアラニン Tyr :チロシン Trp :トリプトファン Pro :プロリン Asn :アスパラギン Gln :グルタミン pGlu :ピログルタミン酸
【0089】また、本明細書中で繁用される置換基、保
護基および試薬を下記の記号で表記する。 Me :メチル基 Et :エチル基 Bu :ブチル基 Ph :フェニル基 TC :チアゾリジン−4(R)−カルボキサミド基 Tos :p−トルエンスルフォニル CHO :ホルミル Bzl :ベンジル Cl2−Bzl :2,6−ジクロロベンジル Bom :ベンジルオキシメチル Z :ベンジルオキシカルボニル Cl−Z :2−クロロベンジルオキシカルボニル Br−Z :2−ブロモベンジルオキシカルボニル Boc :t−ブトキシカルボニル DNP :ジニトロフェニル Trt :トリチル Bum :t−ブトキシメチル Fmoc :N−9−フルオレニルメトキシカルボニル HOBt :1−ヒドロキシベンズトリアゾール HOOBt :3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ− 1,2,3−ベンゾトリアジン HONB :1-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミド DCC :N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド
【0090】本願明細書の配列表の配列番号は、以下の
配列を示す。 〔配列番号:1〕PFNIILおよびPFNIIPのN
末端から130番目までのアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:2〕 配列番号:1で表されるアミノ酸配列をコードする塩基
配列を示す。 〔配列番号:3〕PFNIILのアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:4〕 配列番号:3で表されるアミノ酸配列をコードする塩基
配列を示す。 〔配列番号:5〕PFNIIPのアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:6〕PFNIのアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:7〕 配列番号:6で表されるアミノ酸配列をコードする塩基
配列を示す。 〔配列番号:8〕PFNIIのアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:9〕 配列番号:8で表されるアミノ酸配列をコードする塩基
配列を示す。 〔配列番号:10〕MD36のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:11〕 配列番号:10で表されるアミノ酸配列をコードする塩
基配列を示す。 〔配列番号:12〕実施例1および実施例3で用いられ
たプライマ−の塩基配列を示す。 〔配列番号:13〕実施例1で用いられたプライマ−の
塩基配列を示す。 〔配列番号:14〕実施例2で用いられたMD36のN
末端からプロリン・リッチなドメインまでを含むアミノ
酸配列を示す。 〔配列番号:15〕参考例1で用いられたIRAPのア
ミノ酸残基55から82番目のポリペプチドをコードす
るDNA断片の塩基配列を示す。 〔配列番号:16〕参考例2で用いられたプライマ−の
塩基配列を示す。 〔配列番号:17〕参考例2で用いられたプライマ−の
塩基配列を示す。 〔配列番号:18〕参考例2で用いられたプライマ−の
塩基配列を示す。 〔配列番号:19〕参考例2で用いられたプライマ−の
塩基配列を示す。 〔配列番号:20〕実施例3で用いられたプライマ−の
塩基配列を示す。 〔配列番号:21〕PFNIILのN末端から第131
番目〜第140番目で表されるアミノ酸配列を示す。参
考例2で得られたプラスミドpTB2078を保持する
形質転換体Escherichia coli DH5α/pTB2078は1999
年12月16日から茨城県つくば市東1丁目1番地1
中央第6(郵便番号305−8566)の独立行政法人
産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(旧 通商
産業省工業技術院生命工学工業技術研究所:NIBH)
に受託番号FERM BP−6970として、また19
99年11月30日から大阪府大阪市淀川区十三本町2
丁目17番85号(郵便番号532−8686)の財団
法人・発酵研究所(IFO)にIFO 16340とし
て寄託されている。実施例1で得られたプロフィリンI
ILを保持する形質転換体Escherichia coli INVαF'/p
TB2181は2000年11月14日から大阪府大阪市淀川
区十三本町2丁目17番85号(郵便番号532−86
86)の財団法人・発酵研究所(IFO)にIFO 1
6501として寄託されている(Mol. Cell. Biol. (No
v. 2000), 20:8209-8219)。
【0091】
【実施例】以下に、参考例および実施例をあげて本発明
をさらに具体的に説明するが、本発明はそれに限定され
るものではない。なお、大腸菌を用いての遺伝子操作法
は、前掲のモレキュラー・クローニング(Molecular cl
oning)に記載されている方法に従った。
【0092】参考例1 酵母two-hybrid法によるIRA
P結合タンパク質をコードするcDNAのクローニング MD36は酵母two-hybrid法によりクローニングした。
酵母two-hybrid法は、基本的にはClontech社製のMATCHM
AKERTM two-hybrid systemを用いて行った。IRAPの
アミノ酸残基55から82番目のポリペプチド(Keller
et al, J.Biol. Chem., 270, 23612-23618, 1995)を
コードするDNA断片(配列番号:15)を化学合成
し、これをADH1プロモーター支配下でGAL4−D
NA結合ドメイン(GAL4−BD)を発現するプラス
ミドpGBT9(CLONTECH社製)に翻訳フレームが一致
するように挿入し、これをbaitベクターpBait
−2とした。スクリーニングするcDNAライブラリー
はClontech社製のヒト骨格筋由来cDNAライブラリー
を用いた。このライブラリーは、ADH1プロモーター
支配下でGAL4転写活性化ドメイン(GAL4−A
D)に融合した形で、ライブラリーcDNAが酵母内で
発現されるように構築されている。宿主酵母にはサッカ
ロマイセス・セレビシェ(Saccharomyces cerevisiae)
Y190を用いた。この酵母株は、レポーター遺伝子と
してGAL1のTATAボックス(TATA box)とUAS
(upstream activating sequences)に制御下にあるβ
−ガラクトシダーゼ遺伝子(lacZ)とヒスチジン合
成系遺伝子(HIS3)をその染色体上に保持してい
る。サッカロマイセス・セレビシェ(Saccharomyces ce
revisiae)Y190にpBait−2(TRP1マーカ
ー)とヒト骨格筋由来cDNAライブラリープラスミド
(LEU2マーカー)を導入し、両方のプラスミドを持
ち、かつtwo-hybridのレポーター遺伝子の一つであるH
IS3を発現している形質転換体酵母を最小培地である
60mM 3−アミノトリアゾール添加ならびにTr
p、LeuおよびHis非添加のSD培地で選択した。
選択された形質転換体コロニーをナイロン膜にレプリカ
法で移し、液体窒素による凍結・融解で酵母細胞壁を破
砕した後、X−Gal(5-bromo-4-chloro-β-D-galact
oside)で染色を行い、β−ガラクトシダーゼ活性を呈
する株を一次候補株とした。上記の手法で107個以上
のライブラリーcDNAをスクリーニングし、12クロ
ーンの候補遺伝子を取得した。これらの酵母からザイモ
リエース(生化学工業社製)を用いて細胞抽出液を調製
し、そのDNA画分を用いてロイシン要求性の大腸菌
(Escherichia coli)HB101を形質転換した。形質
転換された大腸菌をロイシン不含M9培地に塗布し、ラ
イブラリープラスミド(LEU2マーカー)を有する大
腸菌株を選択し、これらからプラスミドを抽出した。抽
出されたライブラリープラスミドとIRAP bait
ベクターであるpBait−2を用いて、再びサッカロ
マイセス・セレビシェ(Saccharomyces cerevisiae)Y
190を形質転換し、得られた形質転換体のヒスチジン
要求性ならびにβ−ガラクトシダーゼ活性を検査し、再
現性を示す5クローンを得た。これらのうち最もβ−ガ
ラクトシダーゼ活性の強いクローン(MD36株)を選
択した。
【0093】参考例2 MD36の全長cDNAクロー
ニング このcDNAの全体構造を知るために、プラークハイブ
リダイゼーション法とpolymerase chain reaction(P
CR)法で全長配列のクローニングを行った。プラーク
ハイブリダイゼーション法ではヒト骨格筋由来cDNA
ライブラリー(Clontech社製; lTripleEx vector)をス
クリーニングした。プローブ領域には、MD36の0.
68kb断片(配列番号:11の塩基番号2995〜3
674)を用いた。このファージライブラリーのスクリ
ーニングにより、MD36 cDNAの3’末端より約
1.8kbのcDNAクローン(配列番号:11の塩基
番号2015〜3853)を得た。次に、PCRによる
クローニングを試みた。MD36 cDNAの3’末端
の配列はヒト脾臓由来のFHOS cDNAの配列(Wes
tendorf et al.,Gene, 232, 173-182, 1999; Genbank A
ccession No. AF113615)とほぼ一致した(blastn;scor
e bits=3540, Evalue=0.0)。Genbankデータベースに登
録されているFHOSの配列をもとにして、このcDN
Aのほぼ全長をカバーする2種のPCRプライマー、 (1) 5’-tgagccggccgcagagccatgg-3’(配列番号:1
6) および (2) 5’-tgctccgtgcgttcaaggagctcac-3’(配列番号:
17) を合成し、これらを用いてPCRを行った。PCRの鋳
型はヒト骨格筋ならびにヒト脾臓由来cDNA(Clonte
ch、#7413−1ならびに#7412−1)を用い
た。反応は98℃,20秒、65℃,40秒、72℃,
3.5分を35サイクル行った。それぞれの組織由来c
DNAよりPCRで得られた約3.7kbの断片をTA
クローニングし塩基配列を決定した。なお、Taqポリ
メラーゼの誤読由来の塩基配列置換箇所は、それぞれ一
つのPCR産物に対し3クローン以上の塩基配列を比較
することにより同定し、変異の入っていないクローンの
一部とDNA断片を入れ替えることで置換した。また、
3’末端から約1.8kbは変異のおそれのないファー
ジライブラリー由来のcDNA断片を利用した。塩基配
列を決定したところ、骨格筋由来の全長cDNAは得ら
れたもの全てに、報告されているFHOS cDNAの
配列中に78bpの配列が挿入されたものであった(配
列番号:11)。挿入部分に相当する配列は配列番号:
11の塩基番号1339〜1417である。すなわち、
文献記載のFHOSの440番目のLysと441番目
のAlaの間に26アミノ酸が挿入されていた。ヒト各
組織での挿入配列の有無の分布をヒト組織由来cDNA
を鋳型としたPCRで検討した。ヒト各組織のcDNA
はMTCパネル(MTC panels(Clontech; #K1420-1, #K
1421-1))を用いた。プライマーは 5’-cctaccatctctgtggcaccctcagct-3’(配列番号:1
8) および 5’-ttggggcttgctggtatcagtggctcc-3’(配列番号:1
9) を用いた。これらのプライマーでPCRを行いその産物
をTAクローニングし、それらの塩基配列を決定した。
このPCRではFHOSで310bpのバンドが検出さ
れるように設定された。上記2種のプライマー(配列番
号:18および配列番号:19)を用いてヒトの各組識
由来のcDNAに対してPCRを行ったところ、MD3
6由来のPCR産物(388bp)は主に骨格筋で検出
され、他に心臓でわずかながら検出された。すなわち、
78bpの挿入配列は調べた臓器の中では骨格筋特異的
であることが確認された。得られたMD36 cDNA
(配列番号:11)をpBluescriptII KS+のSpeI部
位とXhoI部位の間に挿入したプラスミドをpTB2
078とした。なお、pTB2078は1ヶ所PCR由
来の塩基置換が残っている(1677番目のGがAに置
換)が、これは翻訳されるアミノ酸の変異を伴わない。
【0094】実施例1 プロフィリンIIL(配列番
号:3で表されるアミノ酸を有するタンパク質をコード
するDNA(配列番号:4))のクローニング プロフィリンIILはプロフィリンII(Genbank acce
sion #, L10678;配列番号:9)の開始コドンから終止
コドンの間を増幅するpolymarase chain reaction(P
CR)で得た。PCRに用いたプライマーは、 (1) 5'-atggccggttggcagagctacgtggat-3' (27 mer;配
列番号:12) (2) 5'-ttacacatcagacctcctcaggtataaagc-3' (30 mer;
配列番号:13) である。鋳型はヒト骨格筋由来のcDNAを、また酵素
はPfuポリメラーゼ(Pfu polymerase)(STRATAGEN
E)を用いて、95℃,30秒、65℃,45秒、72
℃,60秒の反応を35サイクル行った。PCRの結
果、プロフィリンIIである423bpのDNA断片の
他に、745bpのDNA断片が見いだされ、プロフィ
リンIILと名付けた。プロフィリンIILのcDNA
の塩基配列と翻訳アミノ酸配列を図1〜2に、プロフィ
リンIILとプロフィリンIならびにプロフィリンII
のアミノ酸配列の比較を図3に示す。また、これらのプ
ライマーを用いたPCRで、ヒトMTCパネルにより、
プロフィリンIILの組織分布を検討したところ脳、骨
格筋、膵臓、胎盤、心臓で発現が認められた。
【0095】実施例2 MD36(配列番号:10で表
されるアミノ酸配列を有するタンパク質)とProfilinフ
ァミリーのタンパク質−タンパク質相互作用の検討 MD36とプロフィリンファミリーのタンパク質−タン
パク質相互作用について、酵母two-hybridシステムを用
いて検出した。プロフィリンI、プロフィリンII、プ
ロフィリンIILのコード領域を酵母ADH1プロモー
ター支配下で酵母GAL4−DNA結合ドメインタンパ
ク質に融合する形で発現する発現プラスミドをpGBT
9(CLONTECH)をもとにして構築し、それぞれpG−P
FNI、pG−PFNII、pG−PFNIILとした
(酵母選択マーカーはTRP1)。一方で、IRAP−
BPタンパク質であるMD36(FHOSに加え筋肉特
異的である78bpの挿入配列を持つスプライシング・
バリアント(splicing variant))の全長配列(配列番
号:10)、あるいは、このN末端からプロリン・リッ
チなドメインまでを含む配列(配列番号:14)までの
コード領域を、酵母ADH1プロモーター支配下で酵母
GAL4転写活性化ドメインタンパク質に融合する形で
発現する発現プラスミドをpACT2(CLONTECH)をも
とにして構築し、それぞれpACT−MD36、pAC
T−MD36NTとした(酵母選択マーカーはLEU
2)。pG−PFNI、pG−PFNII、pG−PF
NIILまたはコントロールとしてpGBT9をpAC
T−MD36またはpACT−MD36NTとともに酵
母サッカロマイセス・セレビシェ(Saccharomyces cere
visiae)Y190にCo-transfectionしトリプトファン
ならびにロイシン不含SD培地上で双方のプラスミドを
保持する酵母株を選択した。サッカロマイセス・セレビ
シェ(Saccharomyces cerevisiae)Y190は本来ヒス
チジン要求性の株であるが導入したプラスミド上のタン
パク質が互いに相互作用を示すと、レポーター遺伝子で
あるHIS3が発現し、ヒスチジン不含プレート上でも
生育しうるようになる。得られた酵母株をトリプトファ
ン、ロイシンならびにヒスチジン不含、40mM 3−
アミノ−1,2,4−トリアゾール添加のSD培地に塗
布したところ、プロフィリンI/MD36、プロフィリ
ンI/MD36NT、プロフィリンII/MD36、プ
ロフィリンII/MD36NTの発現の組み合わせでは
いずれもpGBT9を用いたコントロール実験と同様
に、酵母は生育せず、プロフィリンIIL/MD36、
プロフィリンIIL/MD36NTの発現の組み合わせ
のみ酵母の生育が認められた。これらのことからMD3
6はプロフィリンファミリーのうちプロフィリンIIL
に特異的に結合することが分かった。
【0096】実施例3 C末端10アミノ酸を欠くPF
NIIとMD36との結合試験 プロフィリンファミリーのタンパク質として、PFN
I、PFNII、PFNIILの他に、PFNIILの
C末端部分10アミノ酸を欠損したサブタイプが報告さ
れている(EP 1033401号公報)。この配列(以後、PF
NIIPと呼ぶ)とMD36との結合試験を酵母Two-hy
brid法を用いて行った。PFNIIPのDNA配列は、
単離されたPFNIIL cDNAを鋳型としたPCR
で131番目のメチオニンコドン(ATG)を終止コド
ン(TAG)に変換することにより得た。PCRに用い
たプライマーは次の2種である。 (1) 5'-atggccggttggcagagctacgtggat-3' (27 mer;配
列番号:12) (2) 5'-ctatgagtatgccttcttattcaatcc-3' (27 mer;配
列番号:20) 得られたPCR断片をpGBT9に挿入し、発現プラス
ミドpG−PFNIPを得た。結合試験は実施例2と同
様の手法で行った。PFNIIPはMD36全長、MD
36NT、FHOSNTの何れとも結合活性を示さなか
った。以上のことより、PFNIILのC末端10アミ
ノ酸、Met−Ala−Lys−Tyr−Leu−Ar
g−Asp−Ser−Gly−PheはMD36との結
合に必須の配列であることが示された。
【0097】
【発明の効果】本発明のタンパク質は、低血糖症の予防
・治療剤として有用である。また、本発明は、本発明の
タンパク質と本発明のIRAP結合タンパク質との結合
を阻害する化合物のスクリーニング方法に用いることが
できる。本発明のタンパク質と本発明のIRAP結合タ
ンパク質との結合を阻害する化合物は高血糖症、糖尿病
(特にII型糖尿病など)などの疾病の予防・治療剤と
して有用である。
【0098】
〔SEQUENCE LISTING〕
<110> Takeda Chemical Industries, Ltd. <120> Screening Method for a medicament for treating diabetes <130> P2001-226 <150> JP 2000-363187 <151> 2000-11-29 <160> 21 <210> 1 <211> 130 <212> PRT <213> Human <400> 1 Met Ala Gly Trp Gln Ser Tyr Val Asp Asn Leu Met Cys Asp Gly Cys 5 10 15 Cys Gln Glu Ala Ala Ile Val Gly Tyr Cys Asp Ala Lys Tyr Val Trp 20 25 30 Ala Ala Thr Ala Gly Gly Val Phe Gln Ser Ile Thr Pro Ile Glu Ile 35 40 45 Asp Met Ile Val Gly Lys Asp Arg Glu Gly Phe Phe Thr Asn Gly Leu 50 55 60 Thr Leu Gly Ala Lys Lys Cys Ser Val Ile Arg Asp Ser Leu Tyr Val 65 70 75 80 Asp Gly Asp Cys Thr Met Asp Ile Arg Thr Lys Ser Gln Gly Gly Glu 85 90 95 Pro Thr Tyr Asn Val Ala Val Gly Arg Ala Gly Arg Val Leu Val Phe 100 105 110 Val Met Gly Lys Glu Gly Val His Gly Gly Gly Leu Asn Lys Lys Ala 115 120 125 Tyr Ser 130 <210> 2 <211> 390 <212> DNA <213> Human <400> 2 atggccggtt ggcagagcta cgtggataac ctgatgtgcg atggctgctg ccaggaggcc 60 gccattgtcg gctactgcga cgccaaatac gtctgggcag ccacggccgg gggcgtcttt 120 cagagcatta cgccaataga aatagatatg attgtaggaa aagaccggga aggtttcttt 180 accaacggtt tgactcttgg cgcgaagaaa tgctcagtga tcagagatag tctatacgtc 240 gatggtgact gcacaatgga catccggaca aagagtcaag gtggggagcc aacatacaat 300 gtggctgtcg gcagagctgg tagagtcttg gtctttgtaa tgggaaaaga aggggtccat 360 ggaggcggat tgaataagaa ggcatactca 390 <210> 3 <211> 140 <212> PRT <213> Human <400> 3 Met Ala Gly Trp Gln Ser Tyr Val Asp Asn Leu Met Cys Asp Gly Cys 5 10 15 Cys Gln Glu Ala Ala Ile Val Gly Tyr Cys Asp Ala Lys Tyr Val Trp 20 25 30 Ala Ala Thr Ala Gly Gly Val Phe Gln Ser Ile Thr Pro Ile Glu Ile 35 40 45 Asp Met Ile Val Gly Lys Asp Arg Glu Gly Phe Phe Thr Asn Gly Leu 50 55 60 Thr Leu Gly Ala Lys Lys Cys Ser Val Ile Arg Asp Ser Leu Tyr Val 65 70 75 80 Asp Gly Asp Cys Thr Met Asp Ile Arg Thr Lys Ser Gln Gly Gly Glu 85 90 95 Pro Thr Tyr Asn Val Ala Val Gly Arg Ala Gly Arg Val Leu Val Phe 100 105 110 Val Met Gly Lys Glu Gly Val His Gly Gly Gly Leu Asn Lys Lys Ala 115 120 125 Tyr Ser Met Ala Lys Tyr Leu Arg Asp Ser Gly Phe 130 135 140 <210> 4 <211> 420 <212> DNA <213> Human <400> 4 atggccggtt ggcagagcta cgtggataac ctgatgtgcg atggctgctg ccaggaggcc 60 gccattgtcg gctactgcga cgccaaatac gtctgggcag ccacggccgg gggcgtcttt 120 cagagcatta cgccaataga aatagatatg attgtaggaa aagaccggga aggtttcttt 180 accaacggtt tgactcttgg cgcgaagaaa tgctcagtga tcagagatag tctatacgtc 240 gatggtgact gcacaatgga catccggaca aagagtcaag gtggggagcc aacatacaat 300 gtggctgtcg gcagagctgg tagagtcttg gtctttgtaa tgggaaaaga aggggtccat 360 ggaggcggat tgaataagaa ggcatactca atggcaaaat acttgagaga ctctgggttc 420 <210> 5 <211> 130 <212> PRT <213> Human <400> 5 Met Ala Gly Trp Gln Ser Tyr Val Asp Asn Leu Met Cys Asp Gly Cys 5 10 15 Cys Gln Glu Ala Ala Ile Val Gly Tyr Cys Asp Ala Lys Tyr Val Trp 20 25 30 Ala Ala Thr Ala Gly Gly Val Phe Gln Ser Ile Thr Pro Ile Glu Ile 35 40 45 Asp Met Ile Val Gly Lys Asp Arg Glu Gly Phe Phe Thr Asn Gly Leu 50 55 60 Thr Leu Gly Ala Lys Lys Cys Ser Val Ile Arg Asp Ser Leu Tyr Val 65 70 75 80 Asp Gly Asp Cys Thr Met Asp Ile Arg Thr Lys Ser Gln Gly Gly Glu 85 90 95 Pro Thr Tyr Asn Val Ala Val Gly Arg Ala Gly Arg Val Leu Val Phe 100 105 110 Val Met Gly Lys Glu Gly Val His Gly Gly Gly Leu Asn Lys Lys Ala 115 120 125 Tyr Ser 130 <210> 6 <211> 140 <212> PRT <213> Human <400> 6 Met Ala Gly Trp Asn Ala Tyr Ile Asp Asn Leu Met Ala Asp Gly Thr 5 10 15 Cys Gln Asp Ala Ala Ile Val Gly Tyr Lys Asp Ser Pro Ser Val Trp 20 25 30 Ala Ala Val Pro Gly Lys Thr Phe Val Asn Ile Thr Pro Ala Glu Val 35 40 45 Gly Val Leu Val Gly Lys Asp Arg Ser Ser Phe Tyr Val Asn Gly Leu 50 55 60 Thr Leu Gly Gly Gln Lys Cys Ser Val Ile Arg Asp Ser Leu Leu Gln 65 70 75 80 Asp Gly Glu Phe Ser Met Asp Leu Arg Thr Lys Ser Thr Gly Gly Ala 85 90 95 Pro Thr Phe Asn Val Thr Val Thr Lys Thr Asp Lys Thr Leu Val Leu 100 105 110 Leu Met Gly Lys Glu Gly Val His Gly Gly Leu Ile Asn Lys Lys Cys 115 120 125 Tyr Glu Met Ala Ser His Leu Arg Arg Ser Gln Tyr 130 135 140 <210> 7 <211> 420 <212> DNA <213> Human <400> 7 atggccgggt ggaacgccta catcgacaac ctcatggcgg acgggacctg tcaggacgcg 60 gccatcgtgg gctacaagga ctcgccctcc gtctgggccg ccgtccccgg gaaaacgttc 120 gtcaacatca cgccagctga ggtgggtgtc ctggttggca aagaccggtc aagtttttac 180 gtgaatgggc tgacacttgg gggccagaaa tgttcggtga tccgggactc actgctgcag 240 gatggggaat ttagcatgga tcttcgtacc aagagcaccg gtggggcccc caccttcaat 300 gtcactgtca ccaagactga caagacgcta gtcctgctga tgggcaaaga aggtgtccac 360 ggtggtttga tcaacaagaa atgttatgaa atggcctccc accttcggcg ttcccagtac 420 <210> 8 <211> 140 <212> PRT <213> Human <400> 8 Met Ala Gly Trp Gln Ser Tyr Val Asp Asn Leu Met Cys Asp Gly Cys 5 10 15 Cys Gln Glu Ala Ala Ile Val Gly Tyr Cys Asp Ala Lys Tyr Val Trp 20 25 30 Ala Ala Thr Ala Gly Gly Val Phe Gln Ser Ile Thr Pro Ile Glu Ile 35 40 45 Asp Met Ile Val Gly Lys Asp Arg Glu Gly Phe Phe Thr Asn Gly Leu 50 55 60 Thr Leu Gly Ala Lys Lys Cys Ser Val Ile Arg Asp Ser Leu Tyr Val 65 70 75 80 Asp Gly Asp Cys Thr Met Asp Ile Arg Thr Lys Ser Gln Gly Gly Glu 85 90 95 Pro Thr Tyr Asn Val Ala Val Gly Arg Ala Gly Arg Ala Leu Val Ile 100 105 110 Val Met Gly Lys Glu Gly Val His Gly Gly Thr Leu Asn Lys Lys Ala 115 120 125 Tyr Glu Leu Ala Leu Tyr Leu Arg Arg Ser Asp Val 130 135 140 <210> 9 <211> 420 <212> DNA <213> Human <400> 9 atggccggtt ggcagagcta cgtggataac ctgatgtgcg atggctgctg ccaggaggcc 60 gccattgtcg gctactgcga cgccaaatac gtctgggcag ccacggccgg gggcgtcttt 120 cagagcatta cgccaataga aatagatatg attgtaggaa aagaccggga aggtttcttt 180 accaacggtt tgactcttgg cgcgaagaaa tgctcagtga tcagagatag tctatacgtc 240 gatggtgact gcacaatgga catccggaca aagagtcaag gtggggagcc aacatacaat 300 gtggctgtcg gcagagctgg tagagcattg gttatagtca tgggaaagga aggtgtccac 360 ggaggcacac ttaacaagaa agcatatgaa ctcgctttat acctgaggag gtctgatgtg 420 <210> 10 <211> 1190 <212> PRT <213> Human <400> 10 Met Ala Gly Gly Glu Asp Arg Gly Asp Gly Glu Pro Val Ser Val Val 5 10 15 Thr Val Arg Val Gln Tyr Leu Glu Asp Thr Asp Pro Phe Ala Cys Ala 20 25 30 Asn Phe Pro Glu Pro Arg Arg Ala Pro Thr Cys Ser Leu Asp Gly Ala 35 40 45 Leu Pro Leu Gly Ala Gln Ile Pro Ala Val His Arg Leu Leu Gly Ala 50 55 60 Pro Leu Lys Leu Glu Asp Cys Ala Leu Gln Val Ser Pro Ser Gly Tyr 65 70 75 80 Tyr Leu Asp Thr Glu Leu Ser Leu Glu Glu Gln Arg Glu Met Leu Glu 85 90 95 Gly Phe Tyr Glu Glu Ile Ser Lys Gly Arg Lys Pro Thr Leu Ile Leu 100 105 110 Arg Thr Gln Leu Ser Val Arg Val Asn Ala Ile Leu Glu Lys Leu Tyr 115 120 125 Ser Ser Ser Gly Pro Glu Leu Arg Arg Ser Leu Phe Ser Leu Lys Gln 130 135 140 Ile Phe Gln Glu Asp Lys Asp Leu Val Pro Glu Phe Val His Ser Glu 145 150 155 160 Gly Leu Ser Cys Leu Ile Arg Val Gly Ala Ala Ala Asp His Asn Tyr 165 170 175 Gln Ser Tyr Ile Leu Arg Ala Leu Gly Gln Leu Met Leu Phe Val Asp 180 185 190 Gly Met Leu Gly Val Val Ala His Ser Asp Thr Ile Gln Trp Leu Tyr 195 200 205 Thr Leu Cys Ala Ser Leu Ser Arg Leu Val Val Lys Thr Ala Leu Lys 210 215 220 Leu Leu Leu Val Phe Val Glu Tyr Ser Glu Asn Asn Ala Pro Leu Phe 225 230 235 240 Ile Arg Ala Val Asn Ser Val Ala Ser Thr Thr Gly Ala Pro Pro Trp 245 250 255 Ala Asn Leu Val Ser Ile Leu Glu Glu Lys Asn Gly Ala Asp Pro Glu 260 265 270 Leu Leu Val Tyr Thr Val Thr Leu Ile Asn Lys Thr Leu Ala Ala Leu 275 280 285 Pro Asp Gln Asp Ser Phe Tyr Asp Val Thr Asp Ala Leu Glu Gln Gln 290 295 300 Gly Met Glu Ala Leu Val Gln Arg His Leu Gly Thr Ala Gly Thr Asp 305 310 315 320 Val Asp Leu Arg Thr Gln Leu Val Leu Tyr Glu Asn Ala Leu Lys Leu 325 330 335 Glu Asp Gly Asp Ile Glu Glu Ala Pro Gly Ala Gly Gly Arg Arg Glu 340 345 350 Arg Arg Lys Pro Ser Ser Glu Glu Gly Lys Arg Ser Arg Arg Ser Leu 355 360 365 Glu Gly Gly Gly Cys Pro Ala Arg Ala Pro Glu Pro Gly Pro Thr Gly 370 375 380 Pro Ala Ser Pro Val Gly Pro Thr Ser Ser Thr Gly Pro Ala Leu Leu 385 390 395 400 Thr Gly Pro Ala Ser Ser Pro Val Gly Pro Pro Ser Gly Leu Gln Ala 405 410 415 Ser Val Asn Leu Phe Pro Thr Ile Ser Val Ala Pro Ser Ala Asp Thr 420 425 430 Ser Ser Glu Arg Ser Ile Tyr Lys Leu His Gln Thr Ala Ser Val Trp 435 440 445 Ala Pro Glu Ser Pro Pro Val Pro Gln Ser Pro Pro Gly Gln Ala Arg 450 455 460 Leu Glu Ala Arg Phe Leu Glu Asn Val Ala Ala Ala Glu Thr Glu Lys 465 470 475 480 Gln Val Ala Leu Ala Gln Gly Arg Ala Glu Thr Leu Ala Gly Ala Met 485 490 495 Pro Asn Glu Ala Gly Gly His Pro Asp Ala Arg Gln Leu Trp Asp Ser 500 505 510 Pro Glu Thr Ala Pro Ala Ala Arg Thr Pro Gln Ser Pro Ala Pro Cys 515 520 525 Val Leu Leu Arg Ala Gln Arg Ser Leu Ala Pro Glu Pro Lys Glu Pro 530 535 540 Leu Ile Pro Ala Ser Pro Lys Ala Glu Pro Ile Trp Glu Leu Pro Thr 545 550 555 560 Arg Ala Pro Arg Leu Ser Ile Gly Asp Leu Asp Phe Ser Asp Leu Gly 565 570 575 Glu Asp Glu Asp Gln Asp Met Leu Asn Val Glu Ser Val Glu Ala Gly 580 585 590 Lys Asp Ile Pro Ala Pro Ser Pro Pro Leu Pro Leu Leu Ser Gly Val 595 600 605 Pro Pro Pro Pro Pro Leu Pro Pro Pro Pro Pro Ile Lys Gly Pro Phe 610 615 620 Pro Pro Pro Pro Pro Leu Pro Leu Ala Ala Pro Leu Pro His Ser Val 625 630 635 640 Pro Asp Ser Ser Ala Leu Pro Thr Lys Arg Lys Thr Val Lys Leu Phe 645 650 655 Trp Arg Glu Leu Lys Leu Ala Gly Gly His Gly Val Ser Ala Ser Arg 660 665 670 Phe Gly Pro Cys Ala Thr Leu Trp Ala Ser Leu Asp Pro Val Ser Val 675 680 685 Asp Thr Ala Arg Leu Glu His Leu Phe Glu Ser Arg Ala Lys Glu Val 690 695 700 Leu Pro Ser Lys Lys Ala Gly Glu Gly Arg Arg Thr Met Thr Thr Val 705 710 715 720 Leu Asp Pro Lys Arg Ser Asn Ala Ile Asn Ile Gly Leu Thr Thr Leu 725 730 735 Pro Pro Val His Val Ile Lys Ala Ala Leu Leu Asn Phe Asp Glu Phe 740 745 750 Ala Val Ser Lys Asp Gly Ile Glu Lys Leu Leu Thr Met Met Pro Thr 755 760 765 Glu Glu Glu Arg Gln Lys Ile Glu Glu Ala Gln Leu Ala Asn Pro Asp 770 775 780 Ile Pro Leu Gly Pro Ala Glu Asn Phe Leu Met Thr Leu Ala Ser Ile 785 790 795 800 Gly Gly Leu Ala Ala Arg Leu Gln Leu Trp Ala Phe Lys Leu Asp Tyr 805 810 815 Asp Ser Met Glu Arg Glu Ile Ala Glu Pro Leu Phe Asp Leu Lys Val 820 825 830 Gly Met Glu Gln Leu Val Gln Asn Ala Thr Phe Arg Cys Ile Leu Ala 835 840 845 Thr Leu Leu Ala Val Gly Asn Phe Leu Asn Gly Ser Gln Ser Ser Gly 850 855 860 Phe Glu Leu Ser Tyr Leu Glu Lys Val Ser Glu Val Lys Asp Thr Val 865 870 875 880 Arg Arg Gln Ser Leu Leu His His Leu Cys Ser Leu Val Leu Gln Thr 885 890 895 Arg Pro Glu Ser Ser Asp Leu Tyr Ser Glu Ile Pro Ala Leu Thr Arg 900 905 910 Cys Ala Lys Val Asp Phe Glu Gln Leu Thr Glu Asn Leu Gly Gln Leu 915 920 925 Glu Arg Arg Ser Arg Ala Ala Glu Glu Ser Leu Arg Ser Leu Ala Lys 930 935 940 His Glu Leu Ala Pro Ala Leu Arg Ala Arg Leu Thr His Phe Leu Asp 945 950 955 960 Gln Cys Ala Arg Arg Val Ala Met Leu Arg Ile Val His Arg Arg Val 965 970 975 Cys Asn Arg Phe His Ala Phe Leu Leu Tyr Leu Gly Tyr Thr Pro Gln 980 985 990 Ala Ala Arg Glu Val Arg Ile Met Gln Phe Cys His Thr Leu Arg Glu 995 1000 1005 Phe Ala Leu Glu Tyr Arg Thr Cys Arg Glu Arg Val Leu Gln Gln Gln 1010 1015 1020 Gln Lys Gln Ala Thr Tyr Arg Glu Arg Asn Lys Thr Arg Gly Arg Met 1025 1030 1035 1040 Ile Thr Glu Thr Glu Lys Phe Ser Gly Val Ala Gly Glu Ala Pro Ser 1045 1050 1055 Asn Pro Ser Val Pro Val Ala Val Ser Ser Gly Pro Gly Arg Gly Asp 1060 1065 1070 Ala Asp Ser His Ala Ser Met Lys Ser Leu Leu Thr Ser Arg Pro Glu 1075 1080 1085 Asp Thr Thr His Asn Arg Arg Ser Arg Gly Met Val Gln Ser Ser Ser 1090 1095 1100 Pro Ile Met Pro Thr Val Gly Pro Ser Thr Ala Ser Pro Glu Glu Pro 1105 1110 1115 1120 Pro Gly Ser Ser Leu Pro Ser Asp Thr Ser Asp Glu Ile Met Asp Leu 1125 1130 1135 Leu Val Gln Ser Val Thr Lys Ser Ser Pro Arg Ala Leu Ala Ala Arg 1140 1145 1150 Glu Arg Lys Arg Ser Arg Gly Asn Arg Lys Ser Leu Arg Arg Thr Leu 1155 1160 1165 Lys Ser Gly Leu Gly Asp Asp Leu Val Gln Ala Leu Gly Leu Ser Lys 1170 1175 1180 Gly Pro Gly Leu Glu Val 1185 1190 <210> 11 <211> 3570 <212> DNA <213> Human <400> 11 atggcgggcg gggaagaccg cggggacgga gagccggtat cagtggtgac cgtgagggtg 60 cagtacctgg aagacaccga ccccttcgca tgtgccaact ttccggagcc gcgccgggcc 120 cccacctgca gcctggacgg ggcgctgccc ttgggcgcgc agatacccgc ggtgcaccgc 180 ctgctgggag cgccgctcaa gttggaggat tgtgctctgc aagtgtctcc ctccggatac 240 tacctggaca ccgagctgtc cctggaagag cagcgggaga tgctggaggg cttctatgaa 300 gagatcagca aagggcggaa gcccacgctg atccttcgga cccagctctc tgtgagggtc 360 aacgctatct tggaaaagct gtatagctcc agtggtcctg agctccgccg ctccctcttc 420 tcactgaagc agatcttcca ggaggacaaa gacctggtgc ctgaatttgt gcattcagag 480 gggctgagct gcctgatccg tgtgggtgct gctgccgacc acaactacca gagctacatc 540 cttagagcgc tcggccagct gatgctcttt gtggatggaa tgctgggggt ggtggcccac 600 agtgacacta ttcagtggct gtacacattg tgtgccagcc tgtcccgctt ggtggtgaag 660 acagccctga agctgctgtt ggtgtttgta gaatactccg aaaacaacgc accgctgttc 720 atccgtgcag tgaactctgt ggccagcacc accggtgctc ctccctgggc caatctggtg 780 tccatcctgg aggagaagaa tggcgctgac cctgagttgt tggtgtacac ggtcaccctc 840 atcaacaaga cgctggcggc gctcccggac caggactcct tctacgatgt gacggatgca 900 ctggagcagc agggcatgga agcgctggtc cagcgccacc tgggcactgc gggcactgac 960 gtcgacctgc gcacgcagct tgtgctctac gagaacgccc tgaaattgga ggatggagac 1020 atcgaagaag ccccaggcgc tggtgggcgg cgggaacgac gaaagccttc ttctgaggag 1080 ggcaagagga gccgccgttc tctggaaggc gggggctgcc ccgcgcgtgc cccggaacct 1140 ggccccacag gccccgcctc accggtaggc cccacctctt ccaccggccc cgccctgctg 1200 acaggccccg cctccagccc tgtgggccct ccctccggtc tccaagcttc agtgaacctt 1260 tttcctacca tctctgtggc accctcagct gacacctcca gcgagaggag catctacaaa 1320 cttcaccaaa ctgcttccgt ttgggcccct gagagcccac ccgtccccca gtcccctcct 1380 gggcaggcca ggctggaagc ccggttcctg gagaatgtgg cggcagcaga aacagagaag 1440 caggttgcgc tggcccaggg ccgggcagag acacttgccg gggccatgcc caatgaggcg 1500 ggtggacacc cagatgcccg gcaactctgg gactccccag agacagcccc tgcagccaga 1560 acaccccaga gccctgcccc ctgtgtcctg ctccgggccc agcgaagcct tgcaccagag 1620 cccaaggagc cactgatacc agcaagcccc aaggctgagc ccatctggga gctccctacc 1680 cgtgcaccca ggctctctat tggggacctg gacttttcag atctagggga ggatgaagac 1740 caggacatgc tgaatgtaga gtctgtggag gctgggaaag acatcccagc tccctcaccc 1800 ccactgcccc tgctctcggg agtacccccc cctcccccac ttccacctcc cccacccatc 1860 aaaggcccct tcccaccacc tccacctcta cctctggctg cccctcttcc ccattcagtg 1920 cctgacagct cagccctccc cactaagagg aagacagtaa aacttttctg gcgtgagctg 1980 aagctggctg ggggccatgg agtctctgca agccgctttg ggccctgcgc caccctctgg 2040 gcttcactgg accctgtctc agtggacacg gcccgactgg aacacctctt tgagtctcgt 2100 gccaaagagg tgctgccctc caagaaagct ggagagggcc gccggacaat gaccacagtg 2160 ctggacccca agcgcagcaa cgccatcaac atcggcctaa ccacactgcc acctgtgcat 2220 gtcattaagg ctgctctgct caactttgat gagtttgctg tcagcaagga tggcattgag 2280 aagctactga ccatgatgcc cacggaggaa gagcggcaga agattgagga agcccagctg 2340 gccaaccctg acatacccct gggcccagcc gagaacttcc tgatgactct tgcctccatt 2400 ggcggcctcg ctgctcgtct acaactctgg gccttcaagc tggactatga cagcatggag 2460 cgggaaattg ctgagccact gtttgacctg aaagtgggta tggaacagct ggtacagaat 2520 gccaccttcc gctgcatcct ggctaccctc ctagcggtgg gcaacttcct caatggctcc 2580 cagagcagcg gctttgagct gagctacctg gagaaggtgt cagaggtgaa ggacacggtg 2640 cgtcgacagt cactgctaca ccatctctgc tccctagtgc tccagacccg gcctgagtcc 2700 tctgacctct attcagaaat ccctgccctg acccgctgtg ccaaggtgga ctttgaacag 2760 ctgactgaga acctggggca gctggagcgc cggagccggg cagccgagga gagcctgcgg 2820 agcttggcca agcatgagct ggccccagcc ctgcgtgccc gcctcaccca cttcctggac 2880 cagtgtgccc gccgtgttgc catgctaagg atagtgcacc gccgtgtctg caataggttc 2940 catgccttcc tgctctacct gggctacacc ccgcaggcgg cccgtgaagt gcgcatcatg 3000 cagttctgcc acacgctgcg ggaatttgcg cttgagtatc ggacttgccg ggaacgagtg 3060 ctacagcagc agcagaagca ggccacatac cgtgagcgca acaagacccg gggacgcatg 3120 atcaccgaga cagagaagtt ctcaggtgtg gctggggaag cccccagcaa cccctctgtc 3180 ccagtagcag tgagcagcgg gccaggccgg ggagatgctg acagtcatgc tagtatgaag 3240 agtctgctga ccagcaggcc tgaggacacc acacacaatc gccgcagcag aggcatggtc 3300 cagagcagct ccccaatcat gcccacagtg gggccctcca ctgcatcccc agaagaaccc 3360 ccaggctcca gtttacccag tgatacatca gatgagatca tggaccttct ggtgcagtca 3420 gtgaccaaga gcagtcctcg tgccttagct gctagggaac gcaagcgttc ccgcggcaac 3480 cgcaagtctt tgagaaggac gttgaagagt gggctcggag atgacctggt gcaggcactg 3540 ggactaagca agggtcctgg cctggaggtg 3570 <210> 12 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer <400> 12 atggccggtt ggcagagcta cgtggat 27 <210> 13 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer <400> 13 ttacacatca gacctcctca ggtataaagc 30 <210> 14 <211> 671 <212> PRT <213> Human <400> 14 Met Ala Gly Gly Glu Asp Arg Gly Asp Gly Glu Pro Val Ser Val Val 5 10 15 Thr Val Arg Val Gln Tyr Leu Glu Asp Thr Asp Pro Phe Ala Cys Ala 20 25 30 Asn Phe Pro Glu Pro Arg Arg Ala Pro Thr Cys Ser Leu Asp Gly Ala 35 40 45 Leu Pro Leu Gly Ala Gln Ile Pro Ala Val His Arg Leu Leu Gly Ala 50 55 60 Pro Leu Lys Leu Glu Asp Cys Ala Leu Gln Val Ser Pro Ser Gly Tyr 65 70 75 80 Tyr Leu Asp Thr Glu Leu Ser Leu Glu Glu Gln Arg Glu Met Leu Glu 85 90 95 Gly Phe Tyr Glu Glu Ile Ser Lys Gly Arg Lys Pro Thr Leu Ile Leu 100 105 110 Arg Thr Gln Leu Ser Val Arg Val Asn Ala Ile Leu Glu Lys Leu Tyr 115 120 125 Ser Ser Ser Gly Pro Glu Leu Arg Arg Ser Leu Phe Ser Leu Lys Gln 130 135 140 Ile Phe Gln Glu Asp Lys Asp Leu Val Pro Glu Phe Val His Ser Glu 145 150 155 160 Gly Leu Ser Cys Leu Ile Arg Val Gly Ala Ala Ala Asp His Asn Tyr 165 170 175 Gln Ser Tyr Ile Leu Arg Ala Leu Gly Gln Leu Met Leu Phe Val Asp 180 185 190 Gly Met Leu Gly Val Val Ala His Ser Asp Thr Ile Gln Trp Leu Tyr 195 200 205 Thr Leu Cys Ala Ser Leu Ser Arg Leu Val Val Lys Thr Ala Leu Lys 210 215 220 Leu Leu Leu Val Phe Val Glu Tyr Ser Glu Asn Asn Ala Pro Leu Phe 225 230 235 240 Ile Arg Ala Val Asn Ser Val Ala Ser Thr Thr Gly Ala Pro Pro Trp 245 250 255 Ala Asn Leu Val Ser Ile Leu Glu Glu Lys Asn Gly Ala Asp Pro Glu 260 265 270 Leu Leu Val Tyr Thr Val Thr Leu Ile Asn Lys Thr Leu Ala Ala Leu 275 280 285 Pro Asp Gln Asp Ser Phe Tyr Asp Val Thr Asp Ala Leu Glu Gln Gln 290 295 300 Gly Met Glu Ala Leu Val Gln Arg His Leu Gly Thr Ala Gly Thr Asp 305 310 315 320 Val Asp Leu Arg Thr Gln Leu Val Leu Tyr Glu Asn Ala Leu Lys Leu 325 330 335 Glu Asp Gly Asp Ile Glu Glu Ala Pro Gly Ala Gly Gly Arg Arg Glu 340 345 350 Arg Arg Lys Pro Ser Ser Glu Glu Gly Lys Arg Ser Arg Arg Ser Leu 355 360 365 Glu Gly Gly Gly Cys Pro Ala Arg Ala Pro Glu Pro Gly Pro Thr Gly 370 375 380 Pro Ala Ser Pro Val Gly Pro Thr Ser Ser Thr Gly Pro Ala Leu Leu 385 390 395 400 Thr Gly Pro Ala Ser Ser Pro Val Gly Pro Pro Ser Gly Leu Gln Ala 405 410 415 Ser Val Asn Leu Phe Pro Thr Ile Ser Val Ala Pro Ser Ala Asp Thr 420 425 430 Ser Ser Glu Arg Ser Ile Tyr Lys Leu His Gln Thr Ala Ser Val Trp 435 440 445 Ala Pro Glu Ser Pro Pro Val Pro Gln Ser Pro Pro Gly Gln Ala Arg 450 455 460 Leu Glu Ala Arg Phe Leu Glu Asn Val Ala Ala Ala Glu Thr Glu Lys 465 470 475 480 Gln Val Ala Leu Ala Gln Gly Arg Ala Glu Thr Leu Ala Gly Ala Met 485 490 495 Pro Asn Glu Ala Gly Gly His Pro Asp Ala Arg Gln Leu Trp Asp Ser 500 505 510 Pro Glu Thr Ala Pro Ala Ala Arg Thr Pro Gln Ser Pro Ala Pro Cys 515 520 525 Val Leu Leu Arg Ala Gln Arg Ser Leu Ala Pro Glu Pro Lys Glu Pro 530 535 540 Leu Ile Pro Ala Ser Pro Lys Ala Glu Pro Ile Trp Glu Leu Pro Thr 545 550 555 560 Arg Ala Pro Arg Leu Ser Ile Gly Asp Leu Asp Phe Ser Asp Leu Gly 565 570 575 Glu Asp Glu Asp Gln Asp Met Leu Asn Val Glu Ser Val Glu Ala Gly 580 585 590 Lys Asp Ile Pro Ala Pro Ser Pro Pro Leu Pro Leu Leu Ser Gly Val 595 600 605 Pro Pro Pro Pro Pro Leu Pro Pro Pro Pro Pro Ile Lys Gly Pro Phe 610 615 620 Pro Pro Pro Pro Pro Leu Pro Leu Ala Ala Pro Leu Pro His Ser Val 625 630 635 640 Pro Asp Ser Ser Ala Leu Pro Thr Lys Arg Lys Thr Val Lys Leu Phe 645 650 655 Trp Arg Glu Leu Lys Leu Ala Gly Gly His 660 670 671 <210> 15 <211> 84 <212> DNA <213> Human <400> 15 gtgagaggtc ttggtgagca tgagatggat gaggatgaag aggattatga gtcatctgcc 60 aagctgctgg gcatgtcctt catg 84 <210> 16 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer <400> 16 tgagccggcc gcagagccat gg 22 <210> 17 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer <400> 17 tgctccgtgc gttcaaggag ctcac 25 <210> 18 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer <400> 18 cctaccatct ctgtggcacc ctcagct 27 <210> 19 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer <400> 19 ttggggcttg ctggtatcag tggctcc 27 <210> 20 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer <400> 20 ctatgagtat gccttcttat tcaatcc 27 <210> 21 <211> 10 <212> PRT <213> Human <400> 21 Met Ala Lys Tyr Leu Arg Asp Ser Gly Phe 5 10
【図面の簡単な説明】
【図1】プロフィリンIILの塩基配列ならびに予想さ
れるアミノ酸配列を示す(図2に続く)。
【図2】プロフィリンIILの塩基配列ならびに予想さ
れるアミノ酸配列を示す(図1の続き)。
【図3】プロフィリンI(PFNI)、プロフィリンI
I(PFNII)とプロフィリンIIL(PFNII
L)のアミノ酸配列を比較した図を示す。ボックスで囲
まれた部分は2つ以上の配列で一致したアミノ酸残基を
示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 45/00 A61K 48/00 4C086 48/00 A61P 3/08 4C087 A61P 3/08 3/10 4H045 3/10 C07K 14/47 C07K 14/47 C12Q 1/02 C12N 15/09 ZNA 1/68 A C12Q 1/02 G01N 33/15 Z 1/68 33/53 D G01N 33/15 C12N 15/00 ZNAA 33/53 A61K 37/43 Fターム(参考) 2G045 AA34 AA35 DA13 DA36 FB02 FB03 4B024 AA01 BA80 CA04 DA06 DA12 HA11 HA17 4B063 QA18 QA19 QQ08 QQ43 QQ79 QR32 QR48 QR62 QR77 QS25 QS34 QX01 QX02 4C084 AA02 AA13 AA17 BA01 BA08 BA22 BA23 CA18 DB36 NA14 ZC032 ZC202 ZC351 ZC352 4C085 AA13 BB11 CC03 DD62 4C086 AA01 AA02 EA16 MA01 MA04 NA14 ZC03 ZC20 ZC35 4C087 BC83 CA12 NA14 ZC03 ZC20 ZC35 4H045 AA10 AA20 AA30 BA10 CA40 EA27 EA50 FA74

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号:3で表されるアミノ酸配列と
    同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタ
    ンパク質もしくはその塩、または配列番号:3で表され
    るアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸
    配列を含有するタンパク質の部分ペプチドもしくはその
    アミドもしくはそのエステルまたはその塩を用いること
    を特徴とする、配列番号:3で表されるアミノ酸配列
    と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する
    タンパク質もしくはその塩、または配列番号:3で表さ
    れるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ
    酸配列を含有するタンパク質の部分ペプチドもしくはそ
    のアミドもしくはそのエステルまたはその塩と配列番
    号:10で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的
    に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはそ
    の塩、または配列番号:10で表されるアミノ酸配列と
    同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタ
    ンパク質の部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそ
    のエステルまたはその塩との結合を阻害する化合物また
    はその塩のスクリーニング方法。
  2. 【請求項2】 配列番号:3で表されるアミノ酸配列と
    同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタ
    ンパク質の部分ペプチドが、配列番号:21で表される
    アミノ酸配列を含有するペプチドである請求項1記載の
    スクリーニング方法。
  3. 【請求項3】 配列番号:3で表されるアミノ酸配列と
    同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタ
    ンパク質または配列番号:3で表されるアミノ酸配列と
    同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタ
    ンパク質の部分ペプチドを産生する能力を有する細胞を
    用いることを特徴とする、配列番号:3で表されるア
    ミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列
    を含有するタンパク質もしくはその塩、または配列番
    号:3で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に
    同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質の部分ペプチ
    ドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその
    塩と配列番号:10で表されるアミノ酸配列と同一も
    しくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク
    質もしくはその塩、または配列番号:10で表されるア
    ミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列
    を含有するタンパク質の部分ペプチドもしくはそのアミ
    ドもしくはそのエステルまたはその塩との結合を阻害す
    る化合物またはその塩のスクリーニング方法。
  4. 【請求項4】 配列番号:3で表されるアミノ酸配列と
    同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタ
    ンパク質の部分ペプチドが、配列番号:21で表される
    アミノ酸配列を含有するペプチドである請求項3記載の
    スクリーニング方法。
  5. 【請求項5】 高血糖症、糖尿病または低血糖症の予防
    ・治療用化合物を探索するための請求項1から4のいず
    れかに記載のスクリーニング方法。
  6. 【請求項6】 配列番号:3で表されるアミノ酸配列と
    同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタ
    ンパク質もしくはその塩、または配列番号:3で表され
    るアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸
    配列を含有するタンパク質の部分ペプチドもしくはその
    アミドもしくはそのエステルまたはその塩を含有する、
    配列番号:3で表されるアミノ酸配列と同一もしくは
    実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質もし
    くはその塩、または配列番号:3で表されるアミノ酸配
    列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有す
    るタンパク質の部分ペプチドもしくはそのアミドもしく
    はそのエステルまたはその塩と配列番号:10で表さ
    れるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ
    酸配列を含有するタンパク質もしくはその塩、または配
    列番号:10で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実
    質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質の部分
    ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまた
    はその塩との結合を阻害する化合物またはその塩のスク
    リーニング用キット。
  7. 【請求項7】 配列番号:3で表されるアミノ酸配列と
    同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタ
    ンパク質の部分ペプチドが、配列番号:21で表される
    アミノ酸配列を含有するペプチドである請求項6記載の
    スクリーニング用キット。
  8. 【請求項8】 配列番号:3で表されるアミノ酸配列と
    同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタ
    ンパク質または配列番号:3で表されるアミノ酸配列と
    同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタ
    ンパク質の部分ペプチドを産生する能力を有する細胞を
    含有する、配列番号:3で表されるアミノ酸配列と同
    一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタン
    パク質もしくはその塩、または配列番号:3で表される
    アミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配
    列を含有するタンパク質の部分ペプチドもしくはそのア
    ミドもしくはそのエステルまたはその塩と配列番号:
    10で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同
    一のアミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその
    塩、または配列番号:10で表されるアミノ酸配列と同
    一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタン
    パク質の部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはその
    エステルまたはその塩との結合を阻害する化合物または
    その塩のスクリーニング用キット。
  9. 【請求項9】 配列番号:3で表されるアミノ酸配列と
    同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタ
    ンパク質の部分ペプチドが、配列番号:21で表される
    アミノ酸配列を含有するペプチドである請求項8記載の
    スクリーニング用キット。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし4記載のスクリーニン
    グ方法または請求項6ないし9記載のスクリーニング用
    キットを用いて得られうる、配列番号:3で表される
    アミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配
    列を含有するタンパク質もしくはその塩、または配列番
    号:3で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に
    同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質の部分ペプチ
    ドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその
    塩と配列番号:10で表されるアミノ酸配列と同一も
    しくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク
    質もしくはその塩、または配列番号:10で表されるア
    ミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列
    を含有するタンパク質の部分ペプチドもしくはそのアミ
    ドもしくはそのエステルまたはその塩との結合を阻害す
    る化合物またはその塩。
  11. 【請求項11】 配列番号:3で表されるアミノ酸配
    列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有す
    るタンパク質もしくはその塩、または配列番号:3で表
    されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミ
    ノ酸配列を含有するタンパク質の部分ペプチドもしくは
    そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩と配列
    番号:10で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質
    的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質もしくは
    その塩、または配列番号:10で表されるアミノ酸配列
    と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する
    タンパク質の部分ペプチドもしくはそのアミドもしくは
    そのエステルまたはその塩との結合を阻害する化合物ま
    たはその塩。
  12. 【請求項12】 請求項10または請求項11記載の化
    合物またはその塩を含有してなる医薬。
  13. 【請求項13】 請求項10または請求項11記載の化
    合物またはその塩を含有してなる高血糖症または糖尿病
    の予防・治療剤。
  14. 【請求項14】 配列番号:3で表されるアミノ酸配
    列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有す
    るタンパク質もしくはその塩、または配列番号:3で表
    されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミ
    ノ酸配列を含有するタンパク質の部分ペプチドもしくは
    そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、または
    配列番号:3で表されるアミノ酸配列と同一もしくは
    実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質をコ
    ードするDNAまたは配列番号:3で表されるアミノ酸
    配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有
    するタンパク質の部分ペプチドをコードするDNAを含
    有してなる医薬。
  15. 【請求項15】 低血糖症の予防・治療剤である請求項
    14記載の医薬。
  16. 【請求項16】 配列番号:3で表されるアミノ酸配
    列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有す
    るタンパク質もしくはその塩、または配列番号:3で表
    されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミ
    ノ酸配列を含有するタンパク質の部分ペプチドもしくは
    そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩に対する
    抗体、または配列番号:3で表されるアミノ酸配列と
    同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタ
    ンパク質をコードするDNAまたは配列番号:3で表さ
    れるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ
    酸配列を含有するタンパク質の部分ペプチドをコードす
    るDNAに相補的または実質的に相補的なDNAを含有
    するアンチセンスDNAを含有してなる医薬。
  17. 【請求項17】 高血糖症または糖尿病の予防・治療剤
    である請求項16記載の医薬。
  18. 【請求項18】 配列番号:3で表されるアミノ酸配列
    と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する
    タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含有するポ
    リヌクレオチドまたは配列番号:3で表されるアミノ酸
    配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有
    するタンパク質の部分ペプチドをコードするポリヌクレ
    オチドを含有するポリヌクレオチドを含有することを特
    徴とする高血糖症、糖尿病または低血糖症の診断剤。
  19. 【請求項19】 配列番号:3で表されるアミノ酸配列
    と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する
    タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含有するポ
    リヌクレオチドまたは配列番号:3で表されるアミノ酸
    配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有
    するタンパク質の部分ペプチドをコードするポリヌクレ
    オチドを含有するポリヌクレオチドを用いることを特徴
    とする高血糖症、糖尿病または低血糖症の診断方法。
  20. 【請求項20】 配列番号:3で表されるアミノ酸配列
    と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する
    タンパク質もしくはその塩に対する抗体、または配列番
    号:3で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に
    同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質の部分ペプチ
    ドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその
    塩に対する抗体を含有することを特徴とする高血糖症、
    糖尿病または低血糖症の診断剤。
  21. 【請求項21】 配列番号:3で表されるアミノ酸配列
    と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する
    タンパク質もしくはその塩に対する抗体、または配列番
    号:3で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に
    同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質の部分ペプチ
    ドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその
    塩に対する抗体を用いることを特徴とする高血糖症、糖
    尿病または低血糖症の診断方法。
  22. 【請求項22】 高血糖症または糖尿病の予防・治療剤
    をスクリーニングするための配列番号:21で表される
    アミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその塩また
    は配列番号:21で表されるアミノ酸配列を含有するペ
    プチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたは
    その塩の使用。
  23. 【請求項23】 哺乳動物に対して請求項10または1
    1記載の化合物またはその塩の有効量を投与することを
    特徴とする高血糖症または糖尿病の予防・治療法。
  24. 【請求項24】 哺乳動物に対して、配列番号:3で
    表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のア
    ミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその塩、また
    は配列番号:3で表されるアミノ酸配列と同一もしくは
    実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質の部
    分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルま
    たはその塩、または配列番号:3で表されるアミノ酸
    配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有
    するタンパク質をコードするDNAまたは配列番号:3
    で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一の
    アミノ酸配列を含有するタンパク質の部分ペプチドをコ
    ードするDNAの有効量を投与することを特徴とする低
    血糖症の予防・治療法。
  25. 【請求項25】 哺乳動物に対して、配列番号:3で
    表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のア
    ミノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその塩、また
    は配列番号:3で表されるアミノ酸配列と同一もしくは
    実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質の部
    分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルま
    たはその塩に対する抗体、または配列番号:3で表さ
    れるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ
    酸配列を含有するタンパク質をコードするDNAまたは
    配列番号:3で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実
    質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質の部分
    ペプチドをコードするDNAに相補的または実質的に相
    補的なDNAを含有するアンチセンスDNAの有効量を
    投与することを特徴とする高血糖症または糖尿病の予防
    ・治療法。
  26. 【請求項26】 高血糖症または糖尿病の予防・治療剤
    を製造するための請求項10または11記載の化合物ま
    たはその塩の使用。
  27. 【請求項27】 低血糖の予防・治療剤を製造するため
    の、配列番号:3で表されるアミノ酸配列と同一もし
    くは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質
    もしくはその塩、または配列番号:3で表されるアミノ
    酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含
    有するタンパク質の部分ペプチドもしくはそのアミドも
    しくはそのエステルまたはその塩、または配列番号:
    3で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一
    のアミノ酸配列を含有するタンパク質をコードするDN
    Aまたは配列番号:3で表されるアミノ酸配列と同一も
    しくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク
    質の部分ペプチドをコードするDNAの使用。
  28. 【請求項28】 高血糖症または糖尿病の予防・治療剤
    を製造するための、配列番号:3で表されるアミノ酸
    配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有
    するタンパク質もしくはその塩、または配列番号:3で
    表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のア
    ミノ酸配列を含有するタンパク質の部分ペプチドもしく
    はそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩に対す
    る抗体、または配列番号:3で表されるアミノ酸配列
    と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する
    タンパク質をコードするDNAまたは配列番号:3で表
    されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミ
    ノ酸配列を含有するタンパク質の部分ペプチドをコード
    するDNAに相補的または実質的に相補的なDNAを含
    有するアンチセンスDNAの使用。
  29. 【請求項29】 配列番号:21で表されるアミノ酸配
    列を含有するタンパク質、ペプチドもしくはそのアミド
    もしくはそのエステルまたはその塩(但し、配列番号:
    3で表されるアミノ酸配列を含有するタンパク質または
    その塩を除く)。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011526689A (ja) * 2008-07-04 2011-10-13 ユニヴェルシテ ジョセフ フーリエ 診断及び予後の方法を実施するためのirapタンパク質の使用

Cited By (1)

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JP2011526689A (ja) * 2008-07-04 2011-10-13 ユニヴェルシテ ジョセフ フーリエ 診断及び予後の方法を実施するためのirapタンパク質の使用

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