JP2002364668A - 動力伝達機構 - Google Patents

動力伝達機構

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JP2002364668A
JP2002364668A JP2001168602A JP2001168602A JP2002364668A JP 2002364668 A JP2002364668 A JP 2002364668A JP 2001168602 A JP2001168602 A JP 2001168602A JP 2001168602 A JP2001168602 A JP 2001168602A JP 2002364668 A JP2002364668 A JP 2002364668A
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power transmission
elastic
pulley
arms
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JP2001168602A
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English (en)
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Hiroshi Ataya
拓 安谷屋
Masahiro Kawaguchi
真広 川口
Masaki Ota
太田  雅樹
Akinobu Kanai
明信 金井
Takayasu Suzuki
隆容 鈴木
Takashi Kawada
剛史 川田
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyota Industries Corp
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D3/00Yielding couplings, i.e. with means permitting movement between the connected parts during the drive
    • F16D3/50Yielding couplings, i.e. with means permitting movement between the connected parts during the drive with the coupling parts connected by one or more intermediate members
    • F16D3/60Yielding couplings, i.e. with means permitting movement between the connected parts during the drive with the coupling parts connected by one or more intermediate members comprising pushing or pulling links attached to both parts
    • F16D3/62Yielding couplings, i.e. with means permitting movement between the connected parts during the drive with the coupling parts connected by one or more intermediate members comprising pushing or pulling links attached to both parts the links or their attachments being elastic
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04BPOSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
    • F04B27/00Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders
    • F04B27/08Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders having cylinders coaxial with, or parallel or inclined to, main shaft axis
    • F04B27/0873Component parts, e.g. sealings; Manufacturing or assembly thereof
    • F04B27/0895Component parts, e.g. sealings; Manufacturing or assembly thereof driving means

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダンパ機能を備えるとともに、駆動側回転体
と被駆動側回転体との間の共振をより確実に抑止するこ
とができる動力伝達機構を提供する。 【解決手段】 受承部材35の支持ピン36には、第1
及び第2動力伝達アーム41,42の基端側が支持され
ている。各アーム41,42の先端側は、プーリ32の
係合ピン38に保持されたコロ39と係合可能になって
いる。各アーム41,42を介して、プーリ32から受
承部材35へ動力(トルク)が伝達され得るようになっ
ている。プーリ32から受承部材35への動力伝達が行
われていない状態から、プーリ32の回転を開始したと
き、先ず、第1動力伝達アーム41のみによって動力伝
達が行われるようになっている。プーリ32と受承部材
35との間に作用する負荷トルクが所定の大きさに達す
ると、第2動力伝達アーム42とこれに対応するコロ3
9との間における動力伝達も行われるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弾性体を介して駆
動側回転体のトルクを被駆動側回転体に伝達する動力伝
達機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の動力伝達機構としては、例え
ば、特開平10−267047公報に開示された構成が
知られている。
【0003】この動力伝達機構は、プーリに設けられた
固定爪と、該プーリに対して同軸位置に配設されたボス
に回動可能に支持された回動爪とが係合することで、両
者間の動力(トルク)伝達が可能な状態となるようにな
っている。
【0004】前記回動爪は、前記ボスに取り付けられた
板バネによって動力伝達位置に押圧されるようになって
いる。この構成では、前記プーリと前記ボスとの間に過
大な負荷トルクが作用した際に、前記回動爪が前記板バ
ネの弾性力に抗して回動して前記固定爪から離脱するこ
とで、前記プーリと前記ボスとの間の動力伝達が断たれ
るようになっている。この状態では、前記板バネの押圧
力によって、前記回動爪が前記固定爪と係合不可能な待
避位置に保持されて、該回動爪と該固定爪との再係合が
防止されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この構
成では、前記板バネが前記動力伝達機構においてトルク
リミッター機能を複数回数実現させるための部材として
使用されているに止まっており、共振抑制用部材として
の使用については何ら考慮されていない。
【0006】本発明の目的は、ダンパ機能を備えるとと
もに、駆動側回転体と被駆動側回転体との間の共振をよ
り確実に抑止することができる動力伝達機構を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、駆動側回転体と、該駆
動側回転体に対して同軸位置に配設されるとともに弾性
体を介して作動連結された被駆動側回転体との間でトル
ク伝達を行う動力伝達機構であって、前記弾性体を、前
記トルクの大きさに応じて弾性係数が段階的に変化する
ように複数の弾性部材で構成したことを要旨とする。
【0008】この発明によれば、弾性体全体としての弾
性係数が変化することで、動力伝達機構にダンパ機能が
備わった状態における両回転体間の共振発生の回避や共
振規模の低減が可能になる。また、前記弾性体の弾性係
数が段階的に変化するように弾性部材を複数設けたた
め、前記弾性係数の変化が確実(明確)なものになる。
したがって、弾性係数が連続的に変化する構成に比較し
て、前述の共振発生の回避や共振規模の低減に対する効
果がより確実なものになる。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記弾性体は、作用する前記弾性部材
の数が次第に増加するように構成されていることを要旨
とする。
【0010】この発明によれば、作用する弾性部材の数
を次第に増加させることで、弾性体の弾性係数を段階的
に変化させることが可能になる。請求項3に記載の発明
は、請求項1または2に記載の発明において、前記弾性
部材は、弾性係数の小さいものから順に作用することを
要旨とする。
【0011】この発明によれば、弾性係数の小さい弾性
部材から順に作用させることで、弾性体の弾性係数を段
階的に増大させることが可能になる。また、この構成に
加えて、作用する前記弾性部材の数を次第に増加させる
ようにした場合には、前記弾性体の弾性係数の一段階の
増加量を大きく確保することが可能になる。したがっ
て、共振発生の回避や共振規模の低減に対する効果が、
さらに確実なものになる。
【0012】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれか一項に記載の発明において、前記弾性部材は、
板バネであることを要旨とする。この発明によれば、弾
性部材の形成が容易になる。したがって、コスト低減が
可能になる。
【0013】請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の
いずれか一項に記載の発明において、前記駆動側回転体
及び前記被駆動側回転体の少なくとも一方の本体部を、
前記弾性部材として作用させるように構成したことを要
旨とする。
【0014】この発明によれば、前記両回転体の少なく
とも一方の本体部を弾性部材として作用させるように構
成することで、弾性体を構成する該本体部とは別の弾性
部材の個数や種類などを減らすことが可能になる。
【0015】請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の
いずれか一項に記載の発明において、前記弾性体は、前
記駆動側回転体または前記被駆動側回転体に設けられた
支持部の一つ当たりについて複数の前記弾性部材が支持
されていることを要旨とする。
【0016】この発明によれば、一つの支持部に対して
複数の弾性部材が支持されているため、該弾性部材を配
設するためのスペース効率がよくなる。
【0017】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明
の一実施形態を図1及び図2に従って説明する。
【0018】図1に示すように、容量可変型斜板式圧縮
機(以下単に圧縮機とする)Cは、シリンダブロック1
1と、その前端に接合固定されたフロントハウジング1
2と、シリンダブロック11の後端に弁形成体13を介
して接合固定されたリヤハウジング14とを備えてい
る。これらシリンダブロック11、フロントハウジング
12及びリヤハウジング14が、圧縮機Cのハウジング
を構成している。なお、図1において図面左方を前方と
し、図面右方を後方とする。
【0019】シリンダブロック11とフロントハウジン
グ12とで囲まれた領域にはクランク室15が区画され
ている。クランク室15内には駆動軸16が回転可能に
支持されている。クランク室15において駆動軸16上
には、ラグプレート17が一体回転可能に固定されてい
る。
【0020】駆動軸16の前端部は、動力伝達機構PT
を介して外部駆動源としての車両のエンジンEに作動連
結されている。クランク室15内には斜板18が収容さ
れている。斜板18は、駆動軸16にスライド移動可能
でかつ傾動可能に支持されている。ラグプレート17と
斜板18との間には、ヒンジ機構19が介在されてい
る。斜板18は、ヒンジ機構19を介したラグプレート
17との間でのヒンジ連結、及び駆動軸16の支持によ
り、ラグプレート17及び駆動軸16と同期回転可能で
あるとともに、駆動軸16の軸線L方向へのスライド移
動を伴いながら駆動軸16に対し傾動可能となってい
る。
【0021】シリンダブロック11には、複数(図面に
は一つのみ示す)のシリンダボア20が駆動軸16を取
り囲むようにして貫設形成されている。各シリンダボア
20には、片頭型のピストン21が往復動可能に収容さ
れている。シリンダボア20の前後開口は、弁形成体1
3及びピストン21によって閉塞されており、このシリ
ンダボア20内にはピストン21の往復動に応じて体積
変化する圧縮室が区画されている。各ピストン21は、
シュー22を介して斜板18の外周部に係留されてい
る。これにより、駆動軸16の回転にともなう斜板18
の回転運動が、シュー22を介してピストン21の往復
直線運動に変換されるようになっている。
【0022】弁形成体13とリヤハウジング14との間
には、吸入室23と吐出室24とがそれぞれ区画形成さ
れている。弁形成体13には各シリンダボア20に対応
して、吸入ポート25及び同ポート25を開閉する吸入
弁26、並びに、吐出ポート27及び同ポート27を開
閉する吐出弁28が形成されている。吸入ポート25を
介して吸入室23と各シリンダボア20とが連通され、
吐出ポート27を介して各シリンダボア20と吐出室2
4とが連通されている。
【0023】吸入室23の冷媒ガスは、各ピストン21
の上死点位置から下死点側への往動により吸入ポート2
5及び吸入弁26を介してシリンダボア20に吸入され
る。シリンダボア20に吸入された冷媒ガスは、ピスト
ン21の下死点位置から上死点側への復動により所定の
圧力にまで圧縮され、吐出ポート27及び吐出弁28を
介して吐出室24に吐出される。
【0024】圧縮機Cにおいては、電磁制御弁CVを用
いてクランク室15の内圧を調節することにより、斜板
18の傾斜角度を最大傾斜角度(図1に示す状態)と最
小傾斜角度との間の任意の角度に設定可能としている。
なお、斜板18と軸線Lとの角度が90°に最も近づい
た状態を最小傾斜角度とし、その状態から最も大きく傾
斜した状態を最大傾斜角度としている。
【0025】クランク室15と吸入室23とは抽気通路
29を介して接続されている。また、吐出室24とクラ
ンク室15とは給気通路30を介して接続され、同給気
通路30上には電磁制御弁CVが配設されている。図示
しない制御装置によって電磁制御弁CVの開度を調節す
ることで、給気通路30を介した吐出室24からクラン
ク室15への高圧な吐出ガスの導入量が調節され、抽気
通路29を介したクランク室15から吸入室23へのガ
ス導出量とのバランスからクランク室15の内圧が決定
される。このクランク室15の内圧の変更に応じて、ピ
ストン21を介してのクランク室15の内圧とシリンダ
ボア20の内圧との差が変更され、斜板18の傾斜角度
が変更される結果、ピストン21のストロークすなわち
吐出容量が調節される。
【0026】図1及び図2に示すように、フロントハウ
ジング12の外壁面には、支持筒部31が駆動軸16の
前端部を取り囲むようにして突設されている。駆動側回
転体としてのプーリ32は、エンジンEの出力軸の動力
(トルク)を該プーリ32に伝達するためのベルト33
が掛けられる円筒状のベルト掛け部32aと、該ベルト
掛け部32aの内周面から内側に向かって延出形成され
た円環状の基部32bとからなっている。プーリ32
は、基部32bを以って支持筒部31にベアリング34
を介して回転可能に支持されている。プーリ32は、駆
動軸16と同一軸線L上に配置されているとともに、駆
動軸16と相対回転可能となっている。
【0027】被駆動側回転体としての受承部材35は、
駆動軸16の前端部に一体回転可能に固定されている。
受承部材35は、その本体部が、駆動軸16の前端部に
外嵌固定される円筒部材35aと、該円筒部材35aの
前端に嵌合される円板状のハブ35bとからなってい
る。駆動軸16、円筒部材35a及びハブ35bは、駆
動軸16と円筒部材35aとの間及び円筒部材35aと
ハブ35bとの間に設けられた図示しないスプライン係
合構造やキー構造等によって互いに一体回転可能な状態
となっている。
【0028】ハブ35bの後面外周部には、軸線L周り
に所定間隔(本実施形態においては90°間隔)で、複
数(本実施形態においては4つ)の支持部としての支持
ピン36が固定されている。各支持ピン36の外側に
は、円筒状のスリーブ37が適度な圧力で以って圧入保
持されている。スリーブ37は、該スリーブ37に対し
て或る程度強い回動力が加わったとき、支持ピン36に
対して回動され得るようになっている。
【0029】プーリ32における基部32bの前面に
は、軸線L周りに所定間隔(本実施形態においては90
°間隔)で、複数(本実施形態においては4つ)の係合
ピン38が固定されている。各係合ピン38には、転動
素子としての円筒状のコロ39が回転可能に保持されて
いる。係合ピン38及びコロ39は係合部を構成する。
コロ39は、プーリ32において、ハブ35bのスリー
ブ37よりも外側(プーリ32の外周側)に配置されて
いる。
【0030】図2に示すように、各スリーブ37と該ス
リーブ37に対応するコロ39との間には、板バネより
なる弾性部材としての第1動力伝達アーム41及び第2
動力伝達アーム42が、それぞれ交互に(本実施形態に
おいては、それぞれ180°間隔で2つずつ)介在され
ている。両アーム41,42は、基端側がスリーブ37
に巻装固定されている。両アーム41,42は、スリー
ブ37から、該スリーブ37に対して軸線Lを中心とし
た図2(a)の時計回転方向に位相がずれた位置関係に
あるコロ39に向かって延在されている。
【0031】両アーム41,42の先端部は、コロ39
よりも外周側(プーリ32の外周側)を経由するよう
に、かつ、該コロ39の外周面に沿うようにしてプーリ
32の中心側(軸線L側)に向かって湾曲するように形
成されている。すなわち、各アーム41,42の先端部
付近には、各コロ39を収容する係合凹部41a,42
aがそれぞれ形成されている。各アーム41,42は、
それぞれ係合凹部41a,42aを以ってプーリ32側
の各コロ39に凹凸係合可能となっている。受承部材3
5とプーリ32とは、所定角度範囲内において相対回転
可能に連結されているとともに、前記凹凸係合が維持さ
れた状態では、プーリ32から受承部材35への動力
(トルク)伝達が可能な状態となっている。
【0032】ベルト33を介してエンジンEからプーリ
32に伝達された動力は、該プーリ32に備えられたコ
ロ39及び該コロ39との凹凸係合状態にある各アーム
41,42を介して受承部材35に伝達されて、圧縮機
Cの駆動軸16に伝えられる。
【0033】本実施形態では、エンジンEの停止状態な
ど、プーリ32から受承部材35への動力伝達が行われ
ていない状態から、プーリ32の回転(図2(a)にお
ける時計回転方向への回転)を開始したとき、先ず、第
1動力伝達アーム41のみによって前述の動力伝達が行
われるようになっている。この動力伝達が行われている
際には、第1動力伝達アーム41(主に係合凹部41a
周辺)が、係合凹部41aと凹凸係合状態にあるコロ3
9によって弾性変形されるようになっている。この動力
伝達状態におけるプーリ32と受承部材35との間に作
用する負荷トルクTが大きくなると、第1動力伝達アー
ム41の弾性変形量が増大するとともにプーリ32と受
承部材35との相対回転角度θが増大するようになって
いる。
【0034】前記負荷トルクTが増大して所定の大きさ
に達すると、前記相対回転角度θが所定角度に達するこ
とで、第2動力伝達アーム42の係合凹部42aとこれ
に対応するコロ39とが凹凸係合状態となるようになっ
ている(図3参照)。これにより、第1動力伝達アーム
41による前記動力伝達に加えて、第2動力伝達アーム
42による前記動力伝達が行われるようになっている。
この状態では、第2動力伝達アーム42(主に係合凹部
42a周辺)が、係合凹部42aと凹凸係合状態にある
コロ39によって弾性変形されるとともに、第1動力伝
達アーム41の弾性変形量が、該アーム41のみによっ
て前記動力伝達が行われていた状態に比較してさらに大
きくなる。
【0035】図4のグラフには、これら両アーム41,
42によって構成される弾性体に作用する前記負荷トル
クTと、プーリ32と受承部材35との相対回転角度θ
との関係が示されている。
【0036】このグラフでは、係合凹部41aとコロ3
9とが凹凸係合状態にはあるが、第1動力伝達アーム4
1がコロ39によって弾性変形されていない(プーリ3
2と受承部材35との間に負荷トルクが発生していな
い)状態のプーリ32と受承部材35との相対位置状態
を、相対回転角度θがゼロである状態としている。
【0037】このグラフにおける角度値θaは、第1動
力伝達アーム41のみによる前記動力伝達が行われる状
態と、両アーム41,42による前記動力伝達が行われ
る状態との切り替えポイントとなる所定の角度値として
設定された値である。
【0038】本実施形態の前記負荷トルクTと前記相対
回転角度θとの関係においては、係合ピン38とコロ3
9との摩擦などによるヒステリシスが存在する。すなわ
ち、この関係を示す図4のグラフは、閉空間A1を有す
る特性を示している。相対回転角度θが角度値θaのと
きの負荷トルクTの最小値をトルク値Ta1、最大値を
トルク値Ta2とする。
【0039】また、角度値θbは、両アーム41,42
による前記動力伝達が可能な相対回転角度θの最大値、
すなわち、係合凹部41a及び係合凹部42aの両方
が、共にそれぞれ対応するコロ39に対して凹凸係合状
態を保持することができる相対回転角度θの最大値であ
る。相対回転角度θが角度値θbのときの負荷トルクT
の大きさをトルク値Tbとする。
【0040】相対回転角度θの大きさをゼロから連続的
に増大させたとき、0≦θ<θaの範囲においては、負
荷トルクTはゼロからトルク値Ta2に向けて緩やかに
上昇する傾向を示す。このときの前記弾性体は第1動力
伝達アーム41のみが作用した状態となっており、その
弾性係数(バネ係数)kaは、Ta2/θaとなる。
【0041】相対回転角度θの大きさをθaから連続的
に増大させたとき、θa≦θ≦θbの範囲においては、
負荷トルクTはトルク値Ta2からトルク値Tbまで、
前記範囲0≦θ<θaにおける負荷トルクTの上昇傾向
に比較して急激な上昇傾向を示す。このときの前記弾性
体は両アーム41,42が共に作用した状態となってお
り、その弾性係数(バネ係数)kbは、(Tb−Ta
2)/(θb−θa)となる。
【0042】つまり、前記弾性体は、複数の弾性部材
(両アーム41,42)によって、負荷トルクTの大き
さに応じて該弾性体の弾性係数kが係数値kaと係数値
kbとで切り替わるように、すなわち、弾性係数kが段
階的に変化するように構成されている。なお、弾性係数
kbは弾性係数kaよりも大きい。また、弾性係数ka
は、エンジンEが実用上頻繁に使用される比較的低速な
回転速度域において、圧縮機Cなどが発する振動に対す
るダンパ効果が有効に発揮され得る大きさに設定されて
いる。
【0043】相対回転角度θの大きさをθbから連続的
に減少させたとき、θa≦θ≦θbの範囲においては、
負荷トルクTはトルク値Tbからトルク値Ta1まで、
急激な下降傾向を示す。また、0≦θ<θaの範囲にお
いては、負荷トルクTはゼロに向けて前記範囲θa≦θ
≦θbにおける負荷トルクTの下降傾向に比較して緩や
かに下降する傾向を示す。
【0044】また、本実施形態では、第2動力伝達アー
ム42単独の弾性係数が、第1動力伝達アーム41単独
の弾性係数kaよりも大きく設定されている。したがっ
て、両アーム41,42によって構成される前記弾性体
は、範囲0≦θ<θa(0≦T<Ta2)における弾性
係数kaと、範囲θa≦θ≦θb(Ta2≦T≦Tb)
における弾性係数kbとの差が、両アーム41,42の
単独の弾性係数が互いに等しい場合に比較してさらに大
きいものになる。
【0045】なお、各アーム41,42は、それぞれ単
独の弾性係数が互いに異なることに伴い、それぞれ単独
の固有振動数も互いに異なる。すなわち、第2動力伝達
アーム42の固有振動数は、第1動力伝達アーム41の
それよりも大きい。
【0046】さて、実際の駆動軸16の回転時には、冷
媒の圧縮反力やピストン21の往復動に基づく反力が斜
板18やヒンジ機構19などを介して該駆動軸16に伝
えられることで、該駆動軸16には捻り振動が発生す
る。この捻り振動はトルク変動(前記負荷トルクの変
動)を発生させる。前記トルク変動は、圧縮機C自身
や、プーリ32にベルト33を介して作動連結された外
部の回転機械(車両エンジンEや補機など)と該圧縮機
Cとの間に共振を発生させる原因となるものである。こ
のトルク変動は、その平均トルク値に対して、大小両方
向にほぼ同等の幅を以って発生する。また、この平均ト
ルク値は、駆動軸16の回転速度Vに拘わらずほぼ一定
の値を示す。本実施形態では、前記トルク値Ta1とT
a2との中間値、すなわち、(Ta1+Ta2)/2の
大きさが、前記平均トルク値と等しくなるように前記弾
性体等がチューニングされている。
【0047】また、前記トルク変動のピーク(変動幅の
ピーク)は、前記弾性体の固有振動数と、駆動軸16の
捻り振動の振動数とが一致することで発生する。なお、
駆動軸16の捻り振動の振動数は、該駆動軸16の回転
速度Vに比例する。
【0048】図5のグラフは、両アーム41,42によ
って構成される前記弾性体及び各アーム41,42に関
する、回転速度Vと前記トルク変動幅との関係を示すも
のである。なお、このトルク変動幅の大きさは、このト
ルク変動の平均トルク値からの変動量を意味している。
曲線C1,C2及びC3は、それぞれ、第1動力伝達ア
ーム41単独、第2動力伝達アーム42単独及び前記弾
性体全体での前記動力伝達を行った場合の回転速度Vと
前記トルク変動幅との関係を示すものである。
【0049】曲線C1によって示されるように、第1動
力伝達アーム41のみによる前記動力伝達を行った場合
には、比較的低速な回転速度において前記トルク変動幅
のピークが発生している。これは、第1動力伝達アーム
41単独の弾性係数が比較的低く、その固有振動数が比
較的低いことに由来している。
【0050】また、曲線C2によって示されるように、
第2動力伝達アーム42のみによる前記動力伝達を行っ
た場合には、比較的高速な回転速度において前記トルク
変動幅のピークが発生している。これは、第1動力伝達
アーム42単独の弾性係数が比較的高く、その固有振動
数が比較的高いことに由来している。
【0051】本実施形態では、前記回転速度Vをゼロか
ら連続的に増大させたとき、第1動力伝達アーム41単
独の固有振動数に等しい振動数の前記捻り振動を発生さ
せる駆動軸16の回転速度値よりもやや低い回転速度値
Vaにおいて、前記弾性体による前記動力伝達が、該ア
ーム41のみによるものから両アーム41,42による
ものに切り替わるように構成されている。
【0052】また、前記回転速度Vをさらに回転速度値
Vaから連続的に増大させたとき、両アーム41,42
によって構成される前記弾性体全体の固有振動数に等し
い振動数の前記捻り振動を発生させる駆動軸16の回転
速度値よりもやや低い回転速度値Vbにおいて、前記弾
性体による前記動力伝達が、両アーム41,42による
ものから前記アーム41のみによるものに切り替わるよ
うに構成されている。すなわち、前記回転速度Vをゼロ
から連続的に増大させた状態では、回転速度Vの大きさ
がV<Va、または、Vb≦Vの範囲にあるとき、第1
動力伝達アーム41のみが作用するように構成されてい
る。また、Va≦V<Vbの範囲にあるとき、両アーム
41,42が共に作用するように構成されている。これ
は、前記トルク値Ta1,Ta2と前記トルク変動の平
均トルク値(Ta1+Ta2)/2との差(Ta2―T
a1)/2と、回転速度値VaおよびVbのときの前記
トルク変動幅の大きさとが等しくなるように両アーム4
1,42等を設定することで実現される。
【0053】曲線C3によって示されるように、前記弾
性体は、回転速度範囲V<Vaにおいては、相対回転角
度θが角度値θa未満となっていることにより、曲線C
1と同様の特性を示す。前記回転速度Vをゼロから連続
的に増大させた場合、前記弾性体の固有振動数と駆動軸
16の捻り振動の振動数とが近接することで前記トルク
変動幅が増加して前記トルク値差(Ta2―Ta1)/
2と等しくなる(回転速度Vaのとき)と、前記負荷ト
ルクTがトルク値Ta2に達することで、前記弾性体は
曲線C1とも曲線C2とも異なる、両アーム41,42
の協同作用による特性を示す。すなわち、前記弾性体全
体の前記トルク変動幅は、前記回転速度Vが回転速度値
Vaに達した時点から減少傾向を示し始め、曲線C2に
おける第2動力伝達アーム42単独の前記トルク変動幅
よりも低い特性を示す程までに減少する。つまり、負荷
トルクTは、より前記トルク変動の平均トルク値に近い
値を示す。この状態においては、負荷トルクTの大きさ
が図4のグラフの閉空間A1内において変動するため、
前記弾性体においては両アーム41,42の協同作用状
態が継続される。
【0054】さらに前記回転速度Vを連続的に増大させ
たとき、両アーム41,42の協同作用状態にある前記
弾性体の固有振動数と駆動軸16の捻り振動の振動数と
が近接することで前記トルク変動幅が増加して前記トル
ク値差(Ta2―Ta1)/2を超える(回転速度Vb
のとき)と、前記負荷トルクTがトルク値Ta1を下回
ることで、前記相対回転角度θが角度値θaを下回る。
すなわち、前記弾性体は両アーム41,42の協同作用
状態から第1動力伝達アーム41単独の作用状態に切り
替わる。つまり、前記弾性体の前記トルク変動幅は、前
記回転速度Vが回転速度値Vbに達した時点から減少傾
向を示し始め、曲線C1における第1動力伝達アーム4
1単独の前記トルク変動幅特性を示すまでに減少する。
したがって、本実施形態の動力伝達機構PTにおいて
は、エンジンEが実用上頻繁に使用される比較的低速な
回転速度域および該エンジンEの耐久性に大きな影響を
及ぼす比較的高速な回転速度域において、前記トルク変
動幅が効果的に低減される。
【0055】本実施形態では、負荷トルクTの大きさ
が、エンジンEに対して悪影響を及ぼさない程度の大き
さ、つまりトルク値Tb以下であるとき、両係合凹部4
1a,42aの少なくとも一方とコロ39との凹凸係合
が維持されて、エンジンEから駆動軸16への動力伝達
は継続される。
【0056】ところが、圧縮機Cに何らかの異常(例え
ばデッドロック)が生じて、負荷トルクTがトルク値T
bを超えた状態になると、両アーム41,42は、それ
らの弾性力ではコロ39との凹凸係合を維持できなくな
る。すなわち、コロ39が両係合凹部41a,42aを
両アーム41,42の先端側へ乗り越えて、該コロ39
と両アーム41,42との連結が解除されて、プーリ3
2から受承部材35への動力伝達が遮断される(図6の
状態)。これにより、負荷トルクTがトルク値Tbを超
えて過大になることに起因するエンジンEへの悪影響が
防止される。
【0057】コロ39と両アーム41,42との凹凸係
合が解除されると、受承部材35に対するプーリ32の
自由な相対回転によって、該プーリ32上のコロ39
は、その移動軌跡上に存在する各アーム41,42の背
面(各アーム41,42の各係合凹部41a,42aが
形成された面の反対側の面)に当接する。つまり、各ア
ーム41,42には、コロ39との当接に起因する支持
ピン36を中心とした回動力が作用される。そして、各
アーム41,42はそれらを固定支持するスリーブ37
とともに支持ピン36を中心として図面時計回り方向に
回動され(図7の状態)、コロ39との当接を回避可能
な退避位置に配置された状態になる。なお、図7におい
ては、図示の都合上、第1動力伝達アーム41のみが示
され、第2動力伝達アーム42の図示は省略されてい
る。
【0058】また、スリーブ37は支持ピン36に適度
な圧力で圧入保持されているため、何らかの外力(例え
ば車両の振動等に基づく力)が作用したとしても、各ア
ーム41,42を前述の退避位置で確実に保持すること
ができる。よって、その次以降に移動して来るコロ39
が各アーム41,42に干渉することがなく、この干渉
が繰り返されることによる異音や振動の発生が防止され
る。
【0059】さて、プーリ32と受承部材35との間で
前記動力伝達が行われている状態において、前記トルク
変動が発生した状況下では、上述したコロ39と係合凹
部41a,42aとの当接位置の変更が繰り返される。
つまり、プーリ32が受承部材35に対して時計回り方
向と反時計回り方向との相対回転を所定角度範囲内にお
いて交互に繰り返し、該プーリ32と該受承部材35と
の間の伝達トルクの変動が緩和される。
【0060】なお、本実施形態の圧縮機Cは吐出容量を
変化させ得る構成であり、前記負荷トルクTの大きさ
は、該吐出容量の大きさの影響を受けて変化し得るもの
であるが、前記共振抑制のための動力伝達機構PTにお
ける前述の各設定値は、通常の駆動状態における前記吐
出容量に対応させて決定される。
【0061】本実施形態では、以下のような効果を得る
ことができる。 (1) 前記弾性体は、複数の弾性部材(41,42)
によって、負荷トルクTの大きさに応じて該弾性体の弾
性係数kが変化するように構成されている。これによれ
ば、前記弾性体全体としての弾性係数が変化すること
で、動力伝達機構PTにダンパ機能が備わった状態にお
けるプーリ32と受承部材35との間の共振発生の回避
や共振規模の低減が可能になる。
【0062】また、前記弾性体は、弾性係数kが負荷ト
ルクTの大きさに応じて係数値kaと係数値kbとで切
り替わるように、すなわち、弾性係数kが段階的に変化
するように構成されている。そのため、弾性係数kの変
化が確実(明確)なものになる。したがって、弾性係数
が連続的に変化する構成に比較して、前述の共振発生の
回避や共振規模の低減に対する効果がより確実なものに
なる。
【0063】(2) 前記弾性体は、負荷トルクTの増
加に対応して、作用する弾性部材(41,42)の数が
増加するように構成されている。これによれば、作用す
る弾性部材の数を増加させることで、弾性体の弾性係数
kを段階的に増大させることが可能になる。
【0064】(3) 前記弾性体は、先ず、第1動力伝
達アーム41が作用してから第2動力伝達アーム42が
作用するように構成されている。つまり、前記弾性部材
(41,42)は、弾性係数の小さいものから順に作用
する。これによれば、前記弾性体の弾性係数kの一段階
の増大量を大きく確保することが可能になる。したがっ
て、共振発生の回避や共振規模の低減に対する効果が、
さらに確実なものになる。
【0065】(4) 両アーム41,42は、板バネか
らなっている。これによれば、前記弾性部材の形成が容
易になる。したがって、コスト低減が可能になる。 (第2の実施形態)この第2の実施形態は、前記第1の
実施形態に対してプーリ32や受承部材35などの構成
を変更したものであり、その他の点では第1の実施形態
と同様の構成になっている。従って、第1の実施形態と
共通する構成部分については図面上に同一符号を付して
重複した説明を省略する。
【0066】図8(a)に示すように、被駆動側回転体
としての受承部材50の本体部を構成するハブ50aに
は、複数(本実施形態では4個)の支持ピン36が固定
されている。各支持ピン36と、駆動側回転体としての
プーリ51に設けられるとともに各支持ピン36に対応
するコロ39との間には、板バネよりなる弾性部材とし
ての動力伝達アーム52が、それぞれ介在されている。
【0067】動力伝達アーム52は、前記第1の実施形
態の両アーム41,42と同様に、基端側がスリーブ3
7(図8(a)では図示を省略)に巻装固定されるとと
もに、先端側の係合凹部52aを以ってコロ39に凹凸
係合可能となっている。すなわち、受承部材50とプー
リ51とは、所定角度範囲内において相対回転可能に連
結されているとともに、プーリ51から受承部材50へ
の動力(トルク)伝達が可能な状態となっている。
【0068】本実施形態のハブ50aの外周部分には、
各支持ピン36間に円弧状の凹部53が形成されてい
る。これにより、ハブ50aは、中心側から外側に向か
って延びるように形成された複数(本実施形態では4
つ)のバネ支持アーム54を備えた構成となっている。
各バネ支持アーム54の先端部には、前述の支持ピン3
6がそれぞれ固定されている。
【0069】図8(a)及び(b)に示すように、プー
リ51のベルト掛け部51aの内周面から内側に向かっ
て延出形成された基部51bには、軸線Lに沿って延び
るように係合ピン55が立設されている。係合ピン55
の先端部には面取り加工が施されて円錐台状となった傾
斜部55aが設けられている。
【0070】本実施形態では、プーリ51から受承部材
50への動力伝達が行われていない状態から、プーリ5
1の回転(図8(a)における時計回転方向への回転)
を開始したとき、先ず、動力伝達アーム52のみによっ
て前述の動力伝達が行われるようになっている。この動
力伝達状態におけるプーリ51と受承部材50との間に
作用する負荷トルクTが大きくなると、動力伝達アーム
52の弾性変形量が増大するとともにプーリ51と受承
部材50との相対回転角度θが増大する。
【0071】前記負荷トルクTが増大して所定の大きさ
に達すると、前記相対回転角度θが所定角度に達するこ
とで、バネ支持アーム54と係合ピン55の傾斜部55
aの傾斜面とが当接するようになっている。これによ
り、コロ39と動力伝達アーム52とによる前記動力伝
達に加えて、係合ピン55とバネ支持アーム54とによ
る前記動力伝達が行われるようになっている。
【0072】この状態では、バネ支持アーム54が、傾
斜部55aの傾斜面によって係合ピン55の先端方向
(図8(b)における上方)に弾性変形される。すなわ
ち、バネ支持アーム54は、中心側を基端として弾性変
形する弾性部材として機能する。このバネ支持アーム5
4単独の弾性係数、すなわち、プーリ51と受承部材5
0との間の動力伝達を該アーム54に単独で担わせた場
合の、相対回転角度θの変化量に対する負荷トルクTの
変化量の比率は、動力伝達アーム52単独の弾性係数の
係数値(係数値kcとする)よりもかなり大きな値に設
定されている。このバネ支持アーム54が係合ピン55
との当接によって弾性変形された状態では、動力伝達ア
ーム52の弾性変形量が、該アーム52のみによって前
記動力伝達が行われていた状態に比較してさらに大きく
なる。
【0073】なお、動力伝達アーム52及びバネ支持ア
ーム54によって、弾性体が構成されている。また、こ
こでは、両アーム52,54がともに作用している状態
での前記弾性体の弾性係数kの値を、係数値kdとす
る。
【0074】前記弾性体は、複数の弾性部材(両アーム
52,54)によって、負荷トルクTの大きさに応じて
該弾性体の弾性係数kが係数値kcと係数値kdとで切
り替わるように、すなわち、弾性係数kが段階的に変化
するように構成されている。
【0075】本実施形態では、前記回転速度Vをゼロか
ら連続的に増大させたとき、動力伝達アーム52単独の
固有振動数に等しい振動数の前記捻り振動を発生させる
駆動軸16の回転速度値よりもやや低い回転速度値Vc
において、前記弾性体による前記動力伝達が、該アーム
52のみによるものから両アーム52,54によるもの
に切り替わるように構成されている。
【0076】また、前記回転速度Vを前記回転速度値V
cから連続的に増大させたとき、両アーム52,54に
よって構成される前記弾性体全体の固有振動数に等しい
振動数の前記捻り振動を発生させる駆動軸16の回転速
度値よりもやや低い回転速度値Vdにおいて、前記弾性
体による前記動力伝達が、両アーム52,54によるも
のから前記アーム52のみによるものに切り替わるよう
に構成されている。すなわち、前記回転速度Vをゼロか
ら連続的に増大させた状態では、回転速度Vの大きさが
V<Vc、または、Vd≦Vの範囲にあるとき、動力伝
達アーム52のみが作用するように構成されている。ま
た、Vc≦V<Vdの範囲にあるとき、両アーム52,
54が共に作用するように構成されている。
【0077】本実施形態では、上記の(1)及び(2)
と同様の効果の他に、以下のような効果を得ることがで
きる。 (5) 前記弾性体は、先ず、動力伝達アーム52が作
用してからバネ支持アーム54が作用するように構成さ
れている。つまり、前記弾性部材(52,54)は、弾
性係数の小さいものから順に作用する。これによれば、
前記弾性体の弾性係数kの一段階の変化量を大きく確保
することが可能になる。したがって、共振発生の回避や
共振規模の低減に対する効果が、さらに確実なものにな
る。
【0078】また、本実施形態では、バネ支持アーム5
4単独の弾性係数値を、動力伝達アーム52単独の弾性
係数値kcよりもかなり大きく設定した。これによれ
ば、両アーム52,54によって構成される前記弾性体
の固有振動数をより大きくすることが可能になる。した
がって、圧縮機Cの実用回転速度域を高回転側により広
く確保することが可能になる。
【0079】(6) 動力伝達アーム52は、板バネか
らなっているため、形成が容易になり、コスト低減が可
能になる。 (7) ハブ50aの一部(バネ支持アーム54)を、
前記弾性部材として作用させるように構成した。これに
よれば、前記第1の実施形態における前記弾性体の構成
に比較して、ハブ50aに対して組み付ける該ハブ50
aとは別体の弾性部材の種類を減らすことが可能になる
(本実施形態では動力伝達アーム52のみ)。また、例
えば、本実施形態の動力伝達アーム52を前記第1の実
施形態の第1動力伝達アーム41と同様の構成とした場
合には、第1動力伝達アーム41の数(2つ)に対して
動力伝達アーム52の数(4つ)が多いため、プーリか
ら受承部材への最大許容動力伝達量が大きくなる。逆に
言えば、前記第1の実施形態と本実施形態とで前記最大
許容動力伝達量を等しく設定する場合には、ハブ50a
に設ける動力伝達アーム52の数を減らすことが可能に
なる。
【0080】(第3の実施形態)この第3の実施形態
は、前記第1の実施形態に対して動力伝達アームの支持
構成などを変更したものであり、その他の点では第1の
実施形態と同様の構成になっている。従って、第1の実
施形態と共通する構成部分については図面上に同一符号
を付して重複した説明を省略する。
【0081】本実施形態では、図9に示すように、受承
部材35の各支持ピン36のそれぞれには、スリーブ3
7(図9では図示を省略)を介して、板バネよりなる弾
性部材としての第1及び第2動力伝達アーム60,61
の基端側が取着されている。つまり、支持ピン36の一
つ当たりについて複数(本実施形態では2つ)の前記弾
性部材が支持されている。両アーム60,61は、とも
に各支持ピン36と、各支持ピン36に対応する各コロ
39との間に介在されるように配設されている。
【0082】両アーム60,61は、第1動力伝達アー
ム60が内側(コロ39側)に、第2動力伝達アーム6
1が外側になるように、それらの一部が重なった状態で
配置されている。内側の第1動力伝達アーム60は、前
記第1の実施形態の両アーム41,42と同様に、先端
側の係合凹部60aを以ってコロ39に直接的に当接し
て凹凸係合可能となっている。外側の第2動力伝達アー
ム61の先端側の係合凹部61aは、プーリ32と受承
部材35との間に負荷トルクTが作用していない状態で
は、第1動力伝達アーム60の先端側(係合凹部60a
の反対面)との間に所定間隔の隙間が介在されるように
形成されている。
【0083】これにより、受承部材35とプーリ32と
は、所定角度範囲内において相対回転可能に連結されて
いるとともに、プーリ32から受承部材35への動力
(トルク)伝達が可能な状態となっている。なお、第2
動力伝達アーム61単独の係数値は、第1動力伝達アー
ム60単独の係数値(係数値keとする)よりも大きく
設定されている。
【0084】本実施形態では、プーリ32から受承部材
35への動力伝達が行われていない状態から、プーリ3
2の回転(図9における時計回転方向への回転)を開始
したとき、先ず、第1動力伝達アーム60のみによって
前述の動力伝達が行われるようになっている。
【0085】この状態において前記負荷トルクTが大き
くなると、第1動力伝達アーム60の弾性変形量の増大
とともに、プーリ32と受承部材35との相対回転角度
θが増大する。この相対回転角度θが増大して所定角度
に達することで、第1動力伝達アーム60の前記先端側
と第2動力伝達アーム61の係合凹部61aとが当接す
るようになっている(図10の状態)。これにより、コ
ロ39と第1動力伝達アーム60とによる前記動力伝達
に加えて、第1動力伝達アーム60を介したコロ39と
第2動力伝達アーム61とによる前記動力伝達が行われ
るようになっている。この状態では、第2動力伝達アー
ム61が弾性変形されるとともに、第1動力伝達アーム
60の弾性変形量が、該アーム60のみによって前記動
力伝達が行われていた状態に比較してさらに大きくな
る。
【0086】なお、両アーム60,61によって、弾性
体が構成されている。また、ここでは、両アーム60,
61がともに作用している状態での前記弾性体の弾性係
数kの値を、係数値kfとする。
【0087】前記弾性体は、複数の弾性部材(両アーム
60,61)によって、負荷トルクTの大きさに応じて
該弾性体の弾性係数kが係数値keと係数値kfとで切
り替わるように、すなわち、弾性係数kが段階的に変化
するように構成されている。
【0088】本実施形態では、前記回転速度Vをゼロか
ら連続的に増大させたとき、第1動力伝達アーム60単
独の固有振動数に等しい振動数の前記捻り振動を発生さ
せる駆動軸16の回転速度値よりもやや低い回転速度値
Veにおいて、前記弾性体による前記動力伝達が、該ア
ーム60のみによるものから両アーム60,61による
ものに切り替わるように構成されている。
【0089】また、前記回転速度Vを前記回転速度値V
eから連続的に増大させたとき、両アーム60,61に
よって構成される前記弾性体全体の固有振動数に等しい
振動数の前記捻り振動を発生させる駆動軸16の回転速
度値よりもやや低い回転速度値Vfにおいて、前記弾性
体による前記動力伝達が、両アーム60,61によるも
のから前記アーム60のみによるものに切り替わるよう
に構成されている。すなわち、前記回転速度Vをゼロか
ら連続的に増大させた状態では、回転速度Vの大きさが
V<Ve、または、Vf≦Vの範囲にあるとき、第1動
力伝達アーム60のみが作用するように構成されてい
る。また、Ve≦V<Vfの範囲にあるとき、両アーム
60,61が共に作用するように構成されている。
【0090】なお、本実施形態では、負荷トルクTが何
らかの異常により過大となり、両アーム60,61の弾
性力では前記弾性体とコロ39との凹凸係合の維持が不
可能な状態になると、該コロ39と前記弾性体との連結
が解除されて、プーリ32から受承部材35への動力伝
達が遮断されるようになっている。
【0091】本実施形態では、上記の(1)〜(4)と
同様の効果の他に、以下のような効果を得ることができ
る。 (8) 前記弾性体は、受承部材35の支持ピン36の
一つ当たりについて複数の前記弾性部材が支持されてい
る。これによれば、各弾性部材(60,61)を配設す
るためのスペース効率がよくなる。
【0092】(第4の実施形態)この第4の実施形態
は、前記第1の実施形態に対してプーリ32や受承部材
35などの構成を変更したものであり、その他の点では
第1の実施形態と同様の構成になっている。従って、第
1の実施形態と共通する構成部分については図面上に同
一符号を付して重複した説明を省略する。
【0093】図11に示すように、被駆動側回転体とし
ての受承部材70の本体部を構成するハブ70aには、
円柱状の複数(本実施形態では2個)の係合凸部71が
等間隔(本実施形態では180°毎)に軸線Lに沿って
後方に延びるように一体形成されている。
【0094】駆動側回転体としてのプーリ72のベルト
掛け部72aの内周面から内側に向かって延出形成され
た基部72bにおける受承部材70の後面と対向する部
分には、係合凸部71の先端側を収容する凹部73が各
係合凸部71に対応するように形成されている。
【0095】凹部73には、弾性体を構成する複数の弾
性部材としての板バネ74a,74bが互いに並列に配
設されている。各板バネ74a,74bは、それぞれ同
一のものが、プーリ72を前方から見た状態における該
プーリ72の中心と凹部73の中間部とを結ぶ仮想直線
を中心として対称的にかつ該仮想直線に対して平行に配
置されている。すなわち、凹部73において、前記仮想
直線を挟んだ状態で、内側に2つの板バネ74aが、そ
れらの両外側に両板バネ74bが配置されている。各板
バネ74a,74bのそれぞれの両端部は、凹部73の
内壁部に形成された溝に挿入されて支持されている。板
バネ74aの両端部の支持点間の距離は、板バネ74b
のそれよりも長く設定されている。
【0096】各係合凸部71は、各凹部73において、
両板バネ74a間のスペースに挿入されている。つま
り、各係合凸部71は、両板バネ74aと直接的に当接
した状態で係合可能になっている。
【0097】受承部材70とプーリ72とは、係合凸部
71と前記弾性体との係合により、所定角度範囲内にお
いて相対回転可能に連結されているとともに、プーリ7
2から受承部材70への動力(トルク)伝達が可能な状
態となっている。なお、各板バネ74a,74b単独の
弾性係数は、板バネ74bの係数値が板バネ74aの係
数値(係数値kiとする)よりも大きく設定されてい
る。
【0098】本実施形態では、プーリ72から受承部材
70への動力伝達が行われていない状態から、プーリ7
2の回転を開始したとき、先ず、板バネ74aのみによ
って前述の動力伝達が行われるようになっている。
【0099】この状態において前記負荷トルクTが大き
くなると、板バネ74aの弾性変形量の増大とともに、
プーリ72と受承部材70との相対回転角度θが増大す
る。この相対回転角度θが増大して所定角度に達するこ
とで、係合凸部71によって弾性変形された板バネ74
aと板バネ74bとが当接するようになっている(図1
2の状態)。これにより、係合凸部71と板バネ74a
とによる前記動力伝達に加えて、板バネ74aを介した
係合凸部71と板バネ74bとによる前記動力伝達が行
われるようになっている。
【0100】この状態では、板バネ74bが弾性変形さ
れるとともに、板バネ74aの弾性変形量が、該板バネ
74aのみによって前記動力伝達が行われていた状態に
比較してさらに大きくなる。なお、ここでは、両板バネ
74a,74bがともに作用している状態での前記弾性
体の弾性係数kの値を、係数値kjとする。
【0101】前記弾性体は、複数の弾性部材(両板バネ
74a,74b)によって、負荷トルクTの大きさに応
じて該弾性体の弾性係数kが係数値kiと係数値kjと
で切り替わるように、すなわち、弾性係数kが段階的に
変化するように構成されている。
【0102】本実施形態では、前記回転速度Vをゼロか
ら連続的に増大させたとき、板バネ74a単独の固有振
動数に等しい振動数の前記捻り振動を発生させる駆動軸
16の回転速度値よりもやや低い回転速度値Vgにおい
て、前記弾性体による前記動力伝達が、該板バネ74a
のみによるものから両板バネ74a,74bによるもの
に切り替わるように構成されている。
【0103】また、前記回転速度Vを前記回転速度値V
gから連続的に増大させたとき、両板バネ74a,74
bによって構成される前記弾性体全体の固有振動数に等
しい振動数の前記捻り振動を発生させる駆動軸16の回
転速度値よりもやや低い回転速度値Vhにおいて、前記
弾性体による前記動力伝達が、両板バネ74a,74b
によるものから板バネ74aのみによるものに切り替わ
るように構成されている。すなわち、前記回転速度Vを
ゼロから連続的に増大させた状態では、回転速度Vの大
きさがV<Vg、または、Vh≦Vの範囲にあるとき、
板バネ74aのみが作用するように構成されている。ま
た、Vg≦V<Vhの範囲にあるとき、両板バネ74
a,74bが共に作用するように構成されている。
【0104】本実施形態では、上記の(1)及び(2)
と同様の効果の他に、以下のような効果を得ることがで
きる。 (9) 前記弾性体は、先ず、板バネ74aが作用して
から板バネ74bが作用するように構成されている。つ
まり、前記弾性部材(74a,74b)は、弾性係数の
小さいものから順に作用する。これによれば、前記弾性
体の弾性係数kの一段階の変化量を大きく確保すること
が可能になる。したがって、共振発生の回避や共振規模
の低減に対する効果が、さらに確実なものになる。
【0105】(10) 前記弾性部材(74a,74
b)は、板バネからなっている。これによれば、前記弾
性部材の形成が容易になる。したがって、コスト低減が
可能になる。
【0106】(11) 凹部73において、前記仮想直
線を挟んだ状態で、内側に2つの板バネ74aを、それ
らの両外側に両板バネ74bを配置し、両板バネ74a
の間のスペースに係合凸部71を配置するようにした。
これによれば、プーリ72の回転方向が一方向に制約さ
れることがなくなる。図11における時計回転方向及び
反時計回転方向のいずれの方向においても前記動力伝達
が可能になる。
【0107】(12) 本実施形態では、各板バネ74
a,74b単独の弾性係数値を、各板バネ74a,74
bの両端部の支持点間距離を変化させることにより調節
することが可能である。これによれば、例えば、各板バ
ネ74a,74bを形成するバネ材の共通化が可能にな
る。
【0108】実施の形態は前記に限定されるものではな
く、例えば、以下の様態としてもよい。 ○ 前記第1の実施形態では、前記相対回転角度θが所
定角度(θa)に達していない状態においては、第2動
力伝達アーム42の係合凹部42aとこれに対応するコ
ロ39とが凹凸係合状態となり得ないように構成されて
いた。これに対して、第2動力伝達アーム42の基端側
を、ハブ35bに設けた支持部に対して回動可能かつ該
ハブ35bの周方向に移動可能に組み付け、前記相対回
転角度θが前記所定角度に達していない状態において
も、係合凹部42aとコロ39とが凹凸係合状態となり
得るように構成してもよい。この場合、例えば、図14
に示すように、ハブ35bに支持部としての長孔80を
設け、第2動力伝達アーム42の基端側に設けた係合ピ
ン81を該長孔80に挿通させた構成としてもよい。ま
た、例えば、図15に示すように、第2動力伝達アーム
42の基端側に長孔状部82を形成し、ハブ35bに立
設した支持部としてのピン83を該長孔状部82に挿通
させた構成としてもよい。
【0109】○ 前記第2の実施形態では、プーリ51
側に設けた係合ピン55と、受承部材50側に設けたバ
ネ支持アーム54とが互いに係合可能な構成とされてい
る。これに対して、受承部材側に配設した係合ピンと、
プーリ本体部(例えば、基部51bに相当する部分)の
弾性部材として構成された部分とが係合可能な構成とさ
れていてもよい。
【0110】○ 前記第3の実施形態では、両アーム6
0,61が共に共通の係合ピン38及びコロ39との間
で前記動力伝達を行うように構成されている。これに対
して、図13に示すように、各アーム60,61のそれ
ぞれが別々の係合ピン38及びコロ39との間で前記動
力伝達を行うように、係合ピン38及びコロ39を各ア
ーム60,61に対応するように増設してもよい。この
場合、両アーム60,61が互いに重なる部分を小さく
することが可能になる。したがって、両アーム60,6
1間に発生する摩擦に基づくヒステリシスを減少させる
ことが可能になる。
【0111】○ 前記第4の実施形態では、プーリ72
側に各板バネ74a,74bを配設し、受承部材70側
に係合凸部71を設けた。これに対して、プーリ側に設
けた係合凸部と、受承部材側に設けた板バネとの係合に
よって動力伝達を行うようにしてもよい。
【0112】○ 前記第4の実施形態では、各板バネ7
4a,74bを、それらの両端部が支持された両側支持
バネとしたが、片端部のみが支持された片側支持バネと
してもよい。
【0113】○ 前記第1及び第3の実施形態では、プ
ーリ32と受承部材35との間に過大な負荷トルクTが
作用した際に両者間の動力伝達を遮断する機能を持たせ
たが、この機能を省略してもよい。
【0114】○ 前記第1,第2及び第3の実施形態で
は、受承部材(35,50)側に各アーム(41,4
2,52,60,61)の基端側を支持させ、プーリ
(32,51)側に該アームの先端側を係合させた。こ
れに対して、プーリ側に支持部を設け、該支持部に弾性
部材の基端側を支持させ、該弾性部材の先端側を、受承
部材に設けた係合部に係合させるようにしてもよい。
【0115】○ 前述の各実施形態では、各弾性部材
(41,42,52,60,61,74a,74b)を
板バネで構成したが、弾性を有するものであれば、板バ
ネ以外のもので構成してもよい。例えば、コイルバネや
線バネ(ワイヤ状のバネ)などを介してプーリ側と受承
部材側とを連結してもよい。
【0116】○ 前述の各実施形態では、負荷トルクT
が作用していない状態からプーリの回転を開始したとき
に、最初に作用する一方の各弾性部材(41,52,6
0,74a)の弾性係数と、2番目に作用する他方の各
弾性部材(42,54,61,74b)の弾性係数とが
大きく相違する方が望ましい。各弾性係数が大きく相違
した場合には、一方の各弾性部材のみの弾性係数から導
き出される固有振動数と、両方の各弾性部材が作用した
状態の弾性係数から導き出される固有振動数とが大きく
相違した状態となる。つまり、実用回転速度(駆動軸1
6の実用回転速度)域が広くなる。
【0117】○ 前述の各実施形態では、負荷トルクT
が作用していない状態からプーリの回転を開始したとき
に最初に作用する各弾性部材(41,52,60,74
a)の弾性係数よりも、2番目に作用する各弾性部材
(42,54,61,74b)の弾性係数を大きく設定
した。これに対して、2番目に作用する前記弾性部材の
弾性係数を、最初に作用する前記弾性部材の弾性係数以
下に設定してもよい。
【0118】○ 前述の各実施形態では、前記弾性体
を、弾性係数が2段階に変化するように構成したが、前
記弾性部材の数や種類を増加させることなどにより、3
段階以上に変化するように構成してもよい。
【0119】○ 圧縮機Cを、片頭型のピストンに圧縮
動作を行なわせる片側式の圧縮機ではなく、クランク室
を挟んで前後両側に設けられたシリンダボアにおいて両
頭型のピストンに圧縮動作を行なわせる両側式の圧縮機
としてもよい。
【0120】○ 圧縮機Cを、カムプレート(斜板1
8)が駆動軸16と一体回転する構成に代えて、カムプ
レートが駆動軸に対して相対回転可能に支持されて揺動
するタイプ、例えば、揺動(ワッブル)式圧縮機として
もよい。
【0121】○ 圧縮機Cは、ピストン21のストロー
クを変更不可能な固定容量タイプであってもよい。 ○ 前述の全実施形態において、ピストンが往復動を行
うピストン式圧縮機の適用例を示したが、特開平11−
324930公報に開示されているようなスクロール型
圧縮機等の回転型圧縮機に適用してもよい。
【0122】○ 前述の全実施形態において、圧縮機の
適用例を示したが、受承部材が一体回転可能に連結され
た回転軸を備え、該回転軸に捻り振動が発生し得る構成
の回転機械であれば、どのようなものに適用してもよ
い。
【0123】○ 前述の全実施形態において、前記駆動
側回転体として、プーリ以外にも、スプロケットやギヤ
等を適用してもよい。 次に、前記実施形態から把握できる技術的思想について
以下に記載する。
【0124】(1) 前記複数の弾性部材は、前記支持
部に支持された側とは反対側の端部が、それぞれ別々の
係合部に係合する請求項6に記載の動力伝達機構。
【0125】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜6に記
載の発明によれば、動力伝達機構において、ダンパ機能
を備えるとともに、駆動側回転体と被駆動側回転体との
間の共振をより確実に抑止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の圧縮機の概要を示す断面図。
【図2】(a)同じくプーリ及び受承部材の概要を示す
正面図、(b)図2(a)におけるb−b線断面図。
【図3】同じくプーリ及び受承部材の概要を示す正面
図。
【図4】同じく相対回転角度と負荷トルクとの関係を示
すグラフ。
【図5】同じく回転速度とトルク変動幅との関係を示す
グラフ。
【図6】同じくプーリ及び受承部材の概要を示す正面
図。
【図7】同じく動力伝達アームとコロとの関係を示す部
分拡大図。
【図8】(a)第2の実施形態のプーリ及び受承部材の
概要を示す正面図、(b)図8(a)におけるb−b線
断面図。
【図9】第3の実施形態のプーリ及び受承部材の概要を
示す正面図。
【図10】同じく動力伝達アームとコロとの関係を示す
部分拡大図。
【図11】(a)第4の実施形態のプーリ及び受承部材
の概要を示す正面図、(b)図11(a)におけるb−
b線断面図。
【図12】同じく板バネと係合ピンとの関係を示す部分
拡大図。
【図13】別例のプーリ及び受承部材の概要を示す正面
図。
【図14】別例のプーリ及び受承部材の概要を示す正面
図。
【図15】別例のプーリ及び受承部材の概要を示す正面
図。
【符号の説明】
32,51,72…駆動側回転体としてのプーリ、3
5,50,70…被駆動側回転体としての受承部材、3
5a…円筒部材、35b…ハブ(35a及び35bは被
駆動側回転体の本体部を構成する)、36…支持部とし
ての支持ピン、38…係合ピン、39…コロ(38及び
39は係合部を構成する)、41,42…弾性体を構成
する弾性部材としての第1及び第2動力伝達アーム、5
2…弾性部材としての動力伝達アーム、54…弾性部材
としてのバネ支持アーム(52及び54は弾性体を構成
する)、60,61…弾性体を構成する弾性部材として
の第1及び第2動力伝達アーム、74a,74b…弾性
体を構成する弾性部材としての板バネ、PT…動力伝達
機構。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 雅樹 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 金井 明信 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 鈴木 隆容 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 川田 剛史 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動側回転体と、該駆動側回転体に対し
    て同軸位置に配設されるとともに弾性体を介して作動連
    結された被駆動側回転体との間でトルク伝達を行う動力
    伝達機構であって、前記弾性体を、前記トルクの大きさ
    に応じて弾性係数が段階的に変化するように複数の弾性
    部材で構成した動力伝達機構。
  2. 【請求項2】 前記弾性体は、作用する前記弾性部材の
    数が次第に増加するように構成されている請求項1に記
    載の動力伝達機構。
  3. 【請求項3】 前記弾性部材は、弾性係数の小さいもの
    から順に作用する請求項1または2に記載の動力伝達機
    構。
  4. 【請求項4】 前記弾性部材は、板バネである請求項1
    〜3のいずれか一項に記載の動力伝達機構。
  5. 【請求項5】 前記駆動側回転体及び前記被駆動側回転
    体の少なくとも一方の本体部を、前記弾性部材として作
    用させるように構成した請求項1〜4のいずれか一項に
    記載の動力伝達機構。
  6. 【請求項6】 前記弾性体は、前記駆動側回転体または
    前記被駆動側回転体に設けられた支持部の一つ当たりに
    ついて複数の前記弾性部材が支持されている請求項1〜
    5のいずれか一項に記載の動力伝達機構。
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