JP2003049769A - 圧縮機およびダンパユニット - Google Patents

圧縮機およびダンパユニット

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JP2003049769A
JP2003049769A JP2001238381A JP2001238381A JP2003049769A JP 2003049769 A JP2003049769 A JP 2003049769A JP 2001238381 A JP2001238381 A JP 2001238381A JP 2001238381 A JP2001238381 A JP 2001238381A JP 2003049769 A JP2003049769 A JP 2003049769A
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power transmission
unit
damper
compressor
drive source
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JP2001238381A
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English (en)
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Takashi Kawada
剛史 川田
Masahiro Kawaguchi
真広 川口
Masaki Ota
太田  雅樹
Hiroshi Ataya
拓 安谷屋
Takayasu Suzuki
隆容 鈴木
Akihito Yamanochi
亮人 山ノ内
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyota Industries Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多様な回転次数成分に対する振動抑制を実現
するための開発コストの低減や生産性の向上が可能な圧
縮機を提供する。 【解決手段】 圧縮機本体に組み付けられた電磁クラッ
チ部17のハブ44には、一体的に構成されたダンパユ
ニット50が取着されている。ダンパユニット50に
は、ユニット本体50Aの回転中心軸線から所定間隔だ
け離間した点を通過するとともに該回転中心軸線にほぼ
平行な軸線を中心とした振り子運動を行なうコロ53を
有する複数のダイナミックダンパが設けられている。前
記振り子運動により、駆動軸16などに発生する回転振
動が抑えられる。この構成では、コロ53を電磁クラッ
チ部17に直接的に設けた構成と比較した場合、電磁ク
ラッチ部17自体を多様な回転次数成分のそれぞれに対
応させて専用設計する必要がない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダンパユニット及
び該ダンパユニットを備えた圧縮機に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、圧縮機等の回転機械の振動抑
制を図るために、該回転機械を回転駆動する回転軸の回
転振動を抑制するためのダンパ機構が採用されることが
ある。このダンパ機構としては、たとえば、特開200
0−213600公報や特開2000−274489公
報に開示されたような、質量体(マス)が円弧状軌跡を
描いて往復動する(振り子運動を行う)構成のものが採
用される。一般的に、このダンパ機構は、前記回転機械
の回転軸に外部駆動源からの駆動力を伝達するためのプ
ーリにおいて設けられるとともに、前記質量体が前記プ
ーリに直接的に設けられた状態となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記回
転振動の回転次数成分は、例えば前記回転機械の仕様毎
で異なる場合があり、前記回転振動の効果的な抑制を図
るためにはそれら多様な回転次数成分のそれぞれに対応
させて専用の前記ダンパ機構を設計することが必要とな
ることがある。したがって、この場合、前記ダンパ機構
の前記質量体が前記プーリに直接的に設けられた構成に
おいては、前記プーリを前記回転次数成分のそれぞれに
対応させてそれぞれ専用設計する必要が生じる。これ
は、開発コストの低減や生産性の向上を阻む要因とな
る。
【0004】本発明の第1の目的は、多様な回転次数成
分に対する振動抑制を実現するための開発コストの低減
や生産性の向上が可能な圧縮機を提供することにある。
また、第2の目的は、多様な回転次数成分に対する振動
抑制を実現するための開発コストの低減や生産性の向上
を可能とするダンパユニットを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ために、請求項1に記載の発明は、ユニット本体の回転
中心軸線から所定間隔だけ離間した点を通過するととも
に該回転中心軸線にほぼ平行な軸線を中心とした振り子
運動を行なう質量体を有する複数のダイナミックダンパ
を前記ユニット本体に設けたダンパユニットを、圧縮機
構を駆動するための回転軸と外部駆動源との間の動力伝
達経路上に配設された動力伝達部に備えたことを要旨と
する。
【0006】この発明によれば、動力伝達部に備えられ
たダンパユニットに設けられたダイナミックダンパの質
量体の前記振り子運動により、前記動力伝達部に発生す
る回転振動が抑えられる。この回転振動の回転次数成分
は、例えば圧縮機構の仕様毎で異なる場合があり、前記
回転振動の効果的な抑制を図るためにはそれら回転次数
成分のそれぞれに対応させて専用の前記ダイナミックダ
ンパを設計することが必要となることがある。本発明で
は、ユニット化されたダンパユニットに前記ダイナミッ
クダンパを設け、このユニットを前記動力伝達部に備え
るようにした。したがって、前記質量体を動力伝達部に
直接的に設けた構成に比較して、動力伝達部自体を前記
回転次数成分のそれぞれに対応させて専用設計する必要
がなくなるため、前記動力伝達部の汎用性が向上し、開
発コストの低減や生産性の向上が可能になる。
【0007】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記動力伝達部は前記外部駆動源と前
記回転軸との間の動力伝達を断接するための電磁クラッ
チを備え、前記ダンパユニットは前記電磁クラッチの回
転軸側に組み付けられていることを要旨とする。
【0008】この発明によれば、ダンパユニットは電磁
クラッチを備えた動力伝達部の前記回転軸側に組み付け
られている。一般に、電磁クラッチを備えた前記動力伝
達部を有する圧縮機においては、前記動力伝達部の前記
回転軸側の部材がハウジング(前記圧縮機構を収容する
ハウジング)と反対側に配設されることが多い。つま
り、この場合、前記ダンパユニットを前記動力伝達部に
組み付ける際に、前記ハウジングがその組み付け作業の
支障となり難い。したがって、前記ダンパユニットの前
記動力伝達部への組み付け作業が容易になる。
【0009】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記動力伝達部は前記外部駆動源と前
記回転軸との間の動力伝達を断接するための電磁クラッ
チを備え、前記ダンパユニットは前記電磁クラッチの外
部駆動源側に組み付けられていることを要旨とする。
【0010】この発明によれば、ダンパユニットは電磁
クラッチを備えた動力伝達部の前記外部駆動源側に組み
付けられている。一般に、電磁クラッチを備えた前記動
力伝達部を有する圧縮機においては、前記動力伝達部の
前記外部駆動源側の部材が、前記外部駆動源が駆動状態
(回転状態)にあるときには常に回転された状態とな
る。一方、前記動力伝達部の前記回転軸側の部材は、前
記圧縮機構の駆動が必要とされた場合に前記電磁クラッ
チが接続状態とされることで、前記外部駆動源側の動力
が伝達されて停止状態から一気に回転状態となる。つま
り、前記動力伝達部の前記外部駆動源側の部材は、前記
電磁クラッチの断接切り替え時における回転速度の単位
時間あたりの変化量が、前記回転軸側の部材ほど大きな
ものではなくなる。したがって、前記電磁クラッチの断
接切り替え時において前記ダンパユニットに与えられる
衝撃は、該ダンパユニットが前記動力伝達部の前記電磁
クラッチの外部駆動源側に組み付けられた場合のほうが
比較的小さくなる。つまり、前記ダンパユニットのユニ
ット本体とこれに設けられた前記質量体との衝突などに
よる騒音や前記ダンパユニットの破壊などが発生し難く
なる。
【0011】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記動力伝達部は、前記外部駆動源側
と前記回転軸側との間の伝達トルクが過大となった場合
に前記両者間の動力伝達を遮断するための動力伝達遮断
手段を備えていることを要旨とする。
【0012】この発明によれば、前記外部駆動源側と前
記回転軸側との間の伝達トルクが過大となった場合に前
記両者間の動力伝達を遮断することが可能になる。請求
項5に記載の発明は、請求項1または4に記載の発明に
おいて、前記回転軸には前記外部駆動源とは別の駆動源
が作動連結され、前記動力伝達機構は、前記外部駆動源
側から前記回転軸側への動力伝達を許容するとともに前
記回転軸側から前記外部駆動源側への動力伝達を阻止す
るためのワンウェイクラッチを備えていることを要旨と
する。
【0013】この発明によれば、ワンウェイクラッチに
よって、前記外部駆動源側から前記回転軸側への動力伝
達を許容するとともに前記別の駆動源による前記回転軸
側から前記外部駆動源側への動力伝達を阻止することが
可能になる。前記ワンウェイクラッチを採用したことに
より、外部駆動源と回転軸との間の動力伝達経路上に電
磁クラッチを配設した場合に比較して、圧縮機自体の小
型軽量化が容易になるとともに、該電磁クラッチを断接
するための制御が不要になる。
【0014】請求項6に記載の発明は、圧縮機の圧縮機
構を駆動するための回転軸と外部駆動源との間の動力伝
達経路上に配設された動力伝達部に組み付け可能な状態
で一体的に構成されたダンパユニットであって、ユニッ
ト本体の回転中心軸線から所定間隔だけ離間した点を通
過するとともに該回転中心軸線にほぼ平行な軸線を中心
とした振り子運動を行なう質量体を有するダイナミック
ダンパが設けられたことを要旨とする。
【0015】この発明によれば、ダンパユニットを動力
伝達部に組み付けることで、前記ダンパユニットに設け
られた質量体の前記振り子運動による、前記動力伝達部
に発生する回転振動の抑制が可能になる。また、前記ダ
イナミックダンパを、前記動力伝達部に組み付け可能な
状態で一体的に構成したダンパユニットに設けた。その
ため、前記質量体を動力伝達部に直接的に設けた構成に
比較して、動力伝達部自体を、例えば圧縮機構の仕様毎
で異なる回転次数成分のそれぞれに対応させて専用設計
する必要がなくなる。したがって、前記動力伝達部の汎
用性が向上し、開発コストの低減や生産性の向上が可能
になる。
【0016】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明
の一実施形態を図1及び図2に従って説明する。なお、
図1では、図面左方を圧縮機の前方、右方を後方として
いる。
【0017】図1に示すように、本実施形態の圧縮機を
構成する圧縮機本体Cは、シリンダブロック11と、そ
の前端に接合固定されたフロントハウジング12と、シ
リンダブロック11の後端に弁形成体13を介して接合
固定されたリヤハウジング14とを備えている。シリン
ダブロック11、フロントハウジング12、弁形成体1
3及びリヤハウジング14は、圧縮機本体Cのハウジン
グを構成している。
【0018】シリンダブロック11とフロントハウジン
グ12とで囲まれた領域には、クランク室15が区画さ
れている。前記ハウジングには、クランク室15を貫通
するように配設された回転軸としての駆動軸16が回転
可能に支持されている。
【0019】駆動軸16の前端部はフロントハウジング
12の前壁を貫通して外部に突出するように配置されて
いる。この駆動軸16の前端部は、後述する動力伝達部
としての電磁クラッチ部17及び該電磁クラッチ部17
(具体的には該電磁クラッチ部17を構成するプーリ4
2)に掛装されたベルト18を介して外部駆動源として
の車両エンジンEに作動連結されている。
【0020】駆動軸16には、クランク室15において
ラグプレート19が一体回転可能に固定されている。ク
ランク室15には、カムプレートとしての斜板20が収
容されている。斜板20は、駆動軸16に対してスライ
ド移動可能かつ傾動可能に支持されている。斜板20
は、ヒンジ機構21を介してラグプレート19に作動連
結されている。斜板20は、ヒンジ機構21を介したラ
グプレート19との前記作動連結、及び駆動軸16の支
持により、ラグプレート19及び駆動軸16と同期回転
可能であるとともに、駆動軸16の回転中心軸線方向へ
のスライド移動を伴いながら該駆動軸16に対して傾動
可能となっている。
【0021】斜板20は、駆動軸16に固定された係止
リング22、及び、該係止リング22と斜板20との間
に配設されたバネ23によって、該斜板20の最小傾斜
角度が規定されるようになっている。なお、斜板20の
最小傾斜角度とは、該斜板20の、駆動軸16の軸線方
向との角度が90°に最も近づいた状態における傾斜角
度を指している。
【0022】シリンダブロック11には、複数(図1で
は一つのみ図示)のシリンダボア24が駆動軸16の回
転中心軸線方向に沿うようにして貫通形成されている。
シリンダボア24には、片頭型のピストン25が往復動
可能に収容されている。シリンダボア24の前後開口
は、弁形成体13及びピストン25によって閉塞されて
おり、このシリンダボア24内にはピストン25の往復
動に応じて体積変化する圧縮室が区画形成されている。
各ピストン25は、シュー26を介して斜板20の外周
部に係留されている。これにより、駆動軸16の回転に
伴う斜板20の回転運動が、シュー26を介してピスト
ン25の往復直線運動に変換されるようになっている。
【0023】なお、駆動軸16、ラグプレート19、斜
板20、ヒンジ機構21、ピストン25及びシュー26
によって、ピストン式圧縮機構が構成されている。リヤ
ハウジング14には、吸入室27及び吐出室28がそれ
ぞれ区画形成されている。吸入室27及び吐出室28の
前方側は、弁形成体13によって閉塞されている。吸入
室27の冷媒ガスは、各ピストン25の上死点側から下
死点側への移動により、弁形成体13に形成された吸入
ポート29及び吸入弁30を介してシリンダボア24
(圧縮室)に導入される。シリンダボア24に導入され
た低圧な冷媒ガスは、ピストン25の下死点側から上死
点側への移動により所定の圧力にまで圧縮され、弁形成
体13に形成された吐出ポート31及び吐出弁32を介
して吐出室28に導入される。
【0024】吸入室27と吐出室28とは、図示しない
外部冷媒回路で接続されている。吐出室28から吐出さ
れた冷媒は、前記外部冷媒回路に導入される。この外部
冷媒回路では、前記冷媒を利用した熱交換が行われる。
前記外部冷媒回路から排出された冷媒は、吸入室27に
導入され、シリンダボア24に吸入されて再度圧縮作用
を受ける。
【0025】前記ハウジングには、クランク室15と吸
入室27とを連通する抽気通路33が設けられている。
また、前記ハウジングには、吐出室28とクランク室1
5とを連通する給気通路34が設けられている。給気通
路34は、該給気通路34上(給気通路34の途中)に
配設された制御弁35によってその開度が調節され得る
ようになっている。
【0026】制御弁35の開度を調節することで給気通
路34を介したクランク室15への高圧冷媒ガスの導入
量と、抽気通路33を介したクランク室15からのガス
排出量とのバランスが制御され、クランク圧(クランク
室15の内圧)Pcが決定される。クランク圧Pcの変
更に応じて、ピストン25を介してのクランク圧Pcと
前記圧縮室の内圧との差が変更され、斜板20の傾斜角
度が変更される結果、ピストン25のストロークすなわ
ち吐出容量が調節される。
【0027】図1及び図2に示すように、電磁クラッチ
部17は、フロントハウジング12の前方筒部上にベア
リング41により回転可能に支持されたプーリ42と、
フロントハウジング12の前壁部に固定されたソレノイ
ドコイル43とを備えている。また、電磁クラッチ部1
7は、駆動軸16の前端において一体回転可能にボルト
固定されたハブ44と、該ハブ44に設けられた板バネ
45によって付勢された状態で前後方向に移動可能に配
設されたアーマチュア46とを備えている。ハブ44
は、電磁クラッチ部17において、車両エンジンEと駆
動軸16との間の動力伝達経路上の駆動軸16側に設け
られているとともに、前記ハウジングと反対側となる箇
所(電磁クラッチ部17の前側の箇所)に配設されてい
る。
【0028】図には、板バネ45の付勢力に抗してアー
マチュア46がプーリ42の前端面に接合された状態が
示されている。コイル43への通電により生じた電磁力
によってアーマチュア46がプーリ42の前端面に吸引
接合されると、ベルト18、プーリ42及びアーマチュ
ア46を介して車両エンジンEの駆動力が駆動軸16に
伝達される。コイル43への通電停止によって電磁力が
消失すれば、アーマチュア46は板バネ45の付勢力に
よってプーリ42から離間し動力伝達が遮断される。こ
のようにコイル43への通電制御に基づいてエンジン動
力が駆動軸16に選択的に伝達される。
【0029】ハブ44の前面側には、図示しないネジに
よって、前方から駆動軸16の軸線方向に見たときの外
形形状が円形のユニット本体50Aを有するダンパユニ
ット50がハブ44に対して一体回転可能に固定されて
いる。本実施形態では、例えば、電磁クラッチ部17が
既に圧縮機本体Cに組み付けられた状態となっていて
も、ダンパユニット50を電磁クラッチ部17(具体的
にはハブ44)に対して取着することができるようにな
っている。
【0030】ユニット本体50Aには、案内部としての
凹部51が八つ形成されている(図1では二つのみ図
示)。各凹部51は、ユニット本体50Aの周方向に等
間隔に配置されている。各凹部51には、断面円形状の
案内面としての転動案内面52が形成されている。転動
案内面52は、ユニット本体50Aの回転中心軸線から
所定間隔(この間隔をR1とする)だけ離間するととも
に該回転中心軸線に平行な軸線を中心とした半径r1
円筒内周面で構成されている。
【0031】各凹部51には、質量体としての円柱状の
剛体部材であるコロ53(このコロ53の一つ当たりの
質量をm1とする)が一つずつ収容されている。コロ5
3の直径d1は凹部51の直径2r1よりも小さく、軸方
向の長さは凹部51の深さ(ユニット本体50Aの軸線
方向の深さ)よりもやや小さく設定されている。つま
り、各コロ53は、各凹部51内を転動案内面52に沿
って移動可能な状態で収容されている。各コロ53は、
各凹部51の開口側(前方側)に固定された環状の蓋部
50Bによって、各凹部51の外部に転げ落ちないよう
になっている。
【0032】各コロ53は、車両エンジンEによる前記
圧縮機構の駆動時(このときプーリ42とアーマチュア
46とは接合状態にある)すなわち駆動軸16の回転時
には、遠心力が作用して転動案内面52に当接した状態
になるようになっている(図1及び図2の状態)。この
状態で、駆動軸16の回転振動等に起因するトルク変動
が発生すると、各コロ53は、各凹部51において、そ
れぞれ、転動案内面52に沿って往復動を始める。つま
り、各コロ53(の重心)は、転動案内面52を構成す
る前記円筒内周面の中心軸線を中心とした振り子運動を
行う。したがって、各コロ53は、車両エンジンEによ
る前記圧縮機構の駆動時には、遠心振り子として作用す
る。本実施形態では、前記トルク変動を、コロ53の振
り子運動によって抑え込むために、該コロ53のユニッ
ト本体50Aにおける配置位置や大きさ、質量などを設
定している。
【0033】なお、凹部51及びコロ53によってダイ
ナミックダンパが構成されるとともに、該ダイナミック
ダンパ、ユニット本体50A及び蓋部50Bによって前
述のダンパユニット50が構成されている。また、圧縮
機本体C、電磁クラッチ部17及びダンパユニット50
によって、圧縮機が構成されている。
【0034】ここで、遠心振り子として作用するコロ5
3に対する前述の各設定について説明する。コロ53
は、該コロ(遠心振り子)53の固有振動数に等しい振
動数における前記トルク変動(該トルク変動の変動幅)
を抑え込む作用をなす。したがって、コロ53の固有振
動数が、前記トルク変動のピークの振動数と等しくなる
ように該コロ53のユニット本体50Aにおける配置位
置や大きさ、質量等を設定することで、このピークの前
記トルク変動を抑え、前記トルク変動による全体として
の影響を有効に抑え込むことが可能となる。なお、前記
トルク変動のピークは、該トルク変動の変動幅のピー
ク、すなわち、回転次数成分を指している。
【0035】前記トルク変動の振動数及びコロ53の固
有振動数は、駆動軸16の回転速度に相関する該駆動軸
16の角速度ω1に比例する。また、前記圧縮機の前記
トルク変動のピークのうち最も大きな変動幅となるピー
クが現れる際の該トルク変動の振動数は、駆動軸16の
単位時間あたりの回転数(=ω1/2π)と気筒数(シ
リンダボア24の数)Nとの積(ω1/2π)・Nによ
って与えられる。なお、前記圧縮機においては、前記ト
ルク変動のピークのうちn番目(nは自然数)に大きな
ものの振動数が、積n・(ω1/2π)・Nと同等の値
を示す傾向にあることが実験などにより求まっている。
【0036】一方、コロ53の固有振動数は、駆動軸1
6の単位時間あたりの回転数(=ω 1/2π)と、比R
/rの平方根値との積によって与えられる。なお、ここ
でいうRは前記回転体の回転中心軸線とコロ53の振り
子運動の中心軸線との距離であり、rはコロ53の振り
子運動の中心軸線と該コロ53の重心との距離である。
【0037】したがって、比R/rの平方根値を積n・
Nの値に等しく設定することで、前記トルク変動のn番
目に大きなピークの振動数とコロ53の固有振動数とを
合わせることができる。これにより、n番目に大きなピ
ークの振動数における前記トルク変動を抑えることが可
能になる。
【0038】このことに従い、本実施形態では、前記ト
ルク変動の最も大きなピークを抑え込むために、比R/
rの平方根値がN(n=1のときのn・Nの値)の値と
等しくなるように、R及びrの大きさを設定している。
【0039】コロ53の振り子運動によって前記トルク
変動を効率的に押さえ込むためには、該コロ53によっ
て作用されるユニット本体50Aの回転中心軸線回りの
トルクTを、前記トルク変動の変動幅と等しい大きさに
して対抗させる必要がある。前記トルク変動のピークの
振動数とコロ53の固有振動数が一致した状態での前記
トルクTの大きさは、以下の式によって与えられること
が解かっている。
【0040】(式1) T=m・(ωa2 ・(R+r)・R・φ ここで、mは全コロ53の合計質量(m=8・m1)で
あり、ωaは、微小振り角度φで振り子運動を行なうコ
ロ53の平均角速度である。
【0041】本実施形態のコロ53においては、質量m
をできるだけ大きく設定することで、値R,r及びφを
小さく抑えてダンパユニット50の大型化をできるだけ
抑え込みながら、トルクTを大きく確保するようにして
いる。
【0042】なお、本実施形態では、転動案内面52を
構成する前記円筒内周面の中心軸線が、コロ53の前記
振り子運動の中心軸線(該振り子運動の支点はこの中心
軸線上にある)と一致する。すなわち、ユニット本体5
0Aの回転中心軸線と前記円筒内周面の中心軸線との距
離R1が、前記距離Rに相当する。
【0043】また、コロ53の前記振り子運動の中心軸
線と、該コロ53の重心との距離は、前記円筒内周面の
半径r1から、前記コロ53の直径d1の半分を差し引い
た数値に等しい。すなわち、差{r1−(d1/2)}
が、前記距離rに相当する。
【0044】すなわち、本実施形態では、最も大きな前
記トルク変動のピークを抑え込むために、前記比R/r
の平方根値に相当する、比R1/{r1−(d1/2)}
の平方根値がN(n=1のときのn・Nの値)の値と等
しくなるように、R1、r1及びd1の大きさを設定して
いる。
【0045】なお、前述の振り子運動においては、コロ
53をその重心に質量が集中した質点として各種設定が
なされている。次に、前述のように構成された前記圧縮
機の作用について説明する。
【0046】ソレノイドコイル43への通電により生じ
た電磁力によってアーマチュア46とプーリ42とが接
合された状態で車両エンジンEからの動力が駆動軸16
に供給されると、駆動軸16とともに斜板20が回転す
る。斜板20の回転に伴って各ピストン25が斜板20
の傾斜角度に対応したストロークで往復動され、各シリ
ンダボア24において冷媒の吸入、圧縮及び吐出が順次
繰り返される。
【0047】なお、制御弁35の開度が小さくなると、
吐出室28から給気通路34を経由してクランク室15
へ供給される高圧冷媒ガスの量が少なくなり、クランク
圧Pcが低下し、斜板20の傾斜角度が大きくなって、
前記圧縮機の吐出容量が大きくなる。逆に、制御弁35
の開度が大きくなると、吐出室28から給気通路34を
経由してクランク室15へ供給される高圧冷媒ガスの量
が多くなり、クランク圧Pcが上昇し、斜板20の傾斜
角度が小さくなって、前記圧縮機の吐出容量が小さくな
る。
【0048】駆動軸16の回転時には、冷媒の圧縮反力
やピストン25の往復動に基づく反力が斜板20やヒン
ジ機構21などを介して該駆動軸16に伝えられること
で、該駆動軸16には捻り振動(回転振動)が発生す
る。この捻り振動はトルク変動を発生させる。前記トル
ク変動は、前記圧縮機自身や、プーリ42にベルト18
を介して作動連結された外部回転系(車両エンジンEや
補機など)と該圧縮機との間に共振を発生させる原因と
なるものである。
【0049】前記トルク変動が発生すると、ダンパユニ
ット50に設けられたコロ53が振り子運動を始める。
この振り子運動によってユニット本体50Aの回転中心
軸線回りに作用されるトルクが、前記トルク変動を抑え
るように作用する。コロ53は、その固有振動数が前記
トルク変動の最も大きなピークの振動数に等しく設定さ
れているため、この最大ピークの前記トルク変動が抑え
られ、全体として有効に前記回転体のトルク変動が低減
される。
【0050】前記トルク変動のピーク(回転次数成分)
は、例えば前記圧縮機構の仕様毎で異なる場合があり、
前記回転振動の効果的な抑制を図るためにはそれら回転
次数成分のそれぞれに対応させて専用の前記ダイナミッ
クダンパを設計することが必要となることがある。本実
施形態では、ユニット化されたダンパユニット50に前
記ダイナミックダンパを設け、このダンパユニット50
を電磁クラッチ部17に備えるようにした。そのため、
例えばハブ(44)の径を拡大してこれに前記案内部
(前記凹部)を形成することで前記ダイナミックダンパ
を電磁クラッチ部(17)に対して直接的に設けた構成
と比較した場合、前記電磁クラッチ部を前記回転次数成
分のそれぞれに対応させて専用設計する必要がない。し
たがって、電磁クラッチ部17の汎用性が向上し、開発
コストの低減や生産性の向上が可能になる。
【0051】本実施形態では、以下のような効果を得る
ことができる。 (1) ユニット本体50Aの回転中心軸線から所定間
隔R1だけ離間し、かつ該回転中心軸線に平行な軸線を
中心とした振り子運動を行なうコロ53を有するダンパ
ユニット50を、ハブ44に対して一体回転可能に固定
した。これによれば、コロ53の振り子運動によって前
記回転振動が抑えられ、ダンパユニット50、電磁クラ
ッチ部17や、これらを備えた前記圧縮機に発生する共
振が抑えられる。また、プーリ42にベルト18を介し
て作動連結された前記外部回転系と前記圧縮機との間に
発生する共振が抑えられる。
【0052】(2) ユニット化されたダンパユニット
50に前記ダイナミックダンパを設け、このダンパユニ
ット50を電磁クラッチ部17(動力伝達部)に備える
ようにした。これによれば、例えばハブ(44)の径を
拡大してこれに前記案内部を形成することで前記ダイナ
ミックダンパを電磁クラッチ部(17)に対して直接的
に設けた構成と比較した場合、前記電磁クラッチ部を前
記回転次数成分のそれぞれに対応させて専用設計する必
要がない。したがって、電磁クラッチ部17ひいては該
電磁クラッチ部17が設けられた状態の圧縮機本体Cの
汎用性が向上し、開発コストの低減や生産性の向上が可
能になる。
【0053】(3) ダンパユニット50は、電磁クラ
ッチ部17において前記ハウジングと反対側の箇所に配
設されたハブ44に組み付けられている。この場合、ダ
ンパユニット50を電磁クラッチ部17に組み付ける際
に、前記ハウジングがその組み付け作業の支障となり難
い。したがって、ダンパユニット50の電磁クラッチ部
17への組み付け作業が容易になる。
【0054】(4) 円柱状の剛体部材であるコロ53
を、ユニット本体50Aに設けた凹部51の断面円形状
の転動案内面52に沿って移動可能に配設した。これに
よれば、コロ53は振り子運動の支点に軸支されていな
いため、質量体を軸支した構造に比較して、構造が簡単
になる。また、質量体を軸支した構造に比較して、支軸
と該支軸が挿通される該質量体の軸孔との隙間の存在に
起因する、該質量体の振り子運動中心(支点)と重心と
の距離の変化がなくなる。したがって、振動の抑制が、
より良好に行なわれる。
【0055】(第2の実施形態)この第2の実施形態
は、前記第1の実施形態においてダンパユニットの構成
及び配設箇所を変更したものであり、その他の点では第
1の実施形態と同様の構成になっている。従って、第1
の実施形態と共通する構成部分については図面上に同一
符号を付して重複した説明を省略する。
【0056】図3(a)は、本実施形態のダンパユニッ
ト60の単体を、後方(ダンパユニット60を電磁クラ
ッチ部17に組み付けた場合の後方)から見た状態の背
面図である。また、図3(b)は、ダンパユニット60
及び電磁クラッチ部17を備えた圧縮機の部分模式断面
図である。
【0057】本実施形態では、第1の実施形態において
車両エンジンEと駆動軸16との間の前記動力伝達経路
上の駆動軸16側(ハブ44)に組み付けられていたダ
ンパユニット50に代えて、車両エンジンE側に設けら
れたプーリ42にダンパユニット60が組みつけられて
いる。圧縮機本体C、電磁クラッチ部17及びダンパユ
ニット60によって、圧縮機が構成されている。
【0058】ダンパユニット60は、これを構成する略
リング状のユニット本体60Aが、プーリ42に対して
ネジ(図示なし)を用いて固定されるようになってい
る。ダンパユニット60は、プーリ42の後面に固定さ
れ、電磁クラッチ部17とフロントハウジング12の前
壁との間のスペースに配置された状態となっている。
【0059】ユニット本体60Aには、第1の実施形態
と同様の凹部51が十二個形成されている。各凹部51
は、ユニット本体60Aの周方向に等間隔に配置されて
いる。各凹部51には、断面円形状の転動案内面52が
形成されている。各凹部51には、コロ53が収容され
ている。凹部51の開口側(前方側)には、コロ53の
脱落防止のための環状の蓋部60Bが固定されている。
【0060】なお、図3は、コロ53に遠心力が作用し
て該コロ53が転動案内面52に当接した状態を示して
いる。次に、前述のように構成された前記圧縮機の作用
について説明する。
【0061】車両エンジンEからの動力によってプーリ
42が回転された状態で、ソレノイドコイル43への通
電によりアーマチュア46とプーリ42とが接合される
と、車両エンジンEからの動力が駆動軸16に供給され
て前記圧縮機構の駆動が開始される。ダンパユニット6
0のコロ53は、前記圧縮機構の駆動時において駆動軸
16に発生する回転振動を抑えるように振り子運動を行
う。
【0062】本実施形態では、ダンパユニット60がプ
ーリ42に固定されている。そのため、車両エンジンE
からの動力によってプーリ42が回転されている状態に
おいては、アーマチュア46とプーリ42とが接合状態
にあるか否かに関わらずダンパユニット60は常に回転
した状態となっている。
【0063】本実施形態では、上記の(1),(2)及
び(4)と同様の効果の他に、以下のような効果を得る
ことができる。 (5) ダンパユニット60は車両エンジンEと駆動軸
16との間の動力伝達経路上において車両エンジンE側
に配設されたプーリ42に組み付けられている。この構
成においては、車両エンジンEからの動力によってプー
リ42が回転されている状態においては、アーマチュア
46とプーリ42とが接合状態にあるか否かに関わらず
ダンパユニット60は常に回転した状態となっている。
【0064】一方、前記動力伝達経路上において駆動軸
16側に配設されたハブ44は、前記圧縮機構の駆動が
必要とされた場合にアーマチュア46とプーリ42とが
接合されることで、車両エンジンE側の動力が伝達され
て停止状態から一気に回転状態となる。
【0065】つまり、プーリ42は、電磁クラッチ部1
7の断接切り替え時における回転速度の単位時間あたり
の変化量が、ハブ44ほど大きなものではなくなる。し
たがって、電磁クラッチ部17の断接切り替え時におい
て前記ダンパユニットに与えられる衝撃は、該ダンパユ
ニットが前記車両エンジンE側に組み付けられた場合の
ほうが比較的小さくなる。つまり、前記ダンパユニット
のユニット本体とこれに設けられたコロ53との衝突な
どによる騒音や前記ダンパユニットの破壊などが発生し
難くなる。
【0066】(6) ダンパユニット60は、電磁クラ
ッチ部17において、該電磁クラッチ部17とフロント
ハウジング12の前壁との間のスペースに配設されてい
る。これによれば、電磁クラッチ部17を備えた前記圧
縮機の、ダンパユニット60が組み付けられることによ
る駆動軸16の軸方向への大型化を回避することが可能
になる。
【0067】(第3の実施形態)この第3の実施形態
は、前記第1の実施形態において動力伝達部及びダンパ
ユニットの構成を変更したものであり、その他の点では
第1の実施形態と同様の構成になっている。従って、第
1の実施形態と共通する構成部分については図面上に同
一符号を付して重複した説明を省略する。
【0068】本実施形態においては、動力伝達部とし
て、電磁クラッチを有さない構成の動力伝達機構PTが
備えられている。図4に示すように、動力伝達機構PT
は、フロントハウジング12の前記前方筒部上にベアリ
ング65により回転可能に支持されたプーリ66を有し
ている。プーリ66は、その外周側に、車両エンジンE
からの動力を該プーリ66に伝達するためのベルト18
が掛けられる略円筒状のベルト掛け部66Aを有してい
る。
【0069】駆動軸16の前端部には、受承部材67が
一体回転可能に固定されている。受承部材67は、駆動
軸16の前端部の外周を取り囲むように形成された円筒
状部67Aと、円筒状部67Aの前側において該円筒状
部67Aと一体形成された略円板状のハブ部67Bとか
らなっている。ハブ部67Bの外径は、その外周部がベ
ルト掛け部66Aの近傍に位置する程度の大きさに設定
されている。
【0070】プーリ66には、ベルト掛け部66Aより
もやや内周寄りの部分に、前方が開口されるように複数
(本実施形態では六つ)のダンパ収容部66Bが形成さ
れている。各ダンパ収容部66Bは、プーリ66の周方
向に等間隔に配置されている。
【0071】各ダンパ収容部66Bには、断面円形のチ
ューブ状の弾性部材(緩衝部材)としてのゴムダンパ6
8がそれぞれ一つずつ嵌入されている。ゴムダンパ68
の外周面はダンパ収容部66Bの内周面と密着した状態
になっている。
【0072】ゴムダンパ68の孔68A(この孔68A
は断面円形である)には、ハブ部67Bにおいて前記孔
68Aに対応するように配設された動力伝達遮断手段
(可破断部材)としての動力伝達ピン69の後端側(図
面右側)の部分が嵌入されている。動力伝達ピン69
は、ハブ部67Bの周縁部分において形成された複数
(本実施形態では六つ)の貫通孔にそれぞれ圧入固定さ
れるとともに受承部材67の回転軸線方向に沿って延び
るように配置されている。
【0073】ハブ部67Bの前面側には、図示しないネ
ジによって、前方から駆動軸16の軸線方向に見たとき
の外形形状が円形のユニット本体70Aを有するダンパ
ユニット70がハブ部67Bに対して一体回転可能に固
定されている。本実施形態では、例えば、受承部材67
が既に圧縮機本体Cに組み付けられた状態となっていて
も、ダンパユニット70を動力伝達機構PT(具体的に
はハブ部67B)に対して取着することができるように
なっている。
【0074】ユニット本体70Aには、第1の実施形態
と同様の凹部51が六つ形成されている。各凹部51
は、ユニット本体70Aの周方向に等間隔に配置されて
いる。各凹部51には、断面円形状の転動案内面52が
形成されている。各凹部51には、コロ53が収容され
ている。凹部51の開口側(前方側)には、コロ53の
脱落防止のための環状の蓋部70Bが固定されている。
【0075】なお、図4は、コロ53に遠心力が作用し
て該コロ53が転動案内面52に当接した状態を示して
いる。圧縮機本体C、動力伝達機構PT及びダンパユニ
ット70によって、圧縮機が構成されている。
【0076】本実施形態では、受承部材67に組み付け
られたダンパユニット70に設けられたコロ53の前記
振り子運動によって、前記回転振動が抑制される。ま
た、この構成では、車両エンジンEからプーリ66に伝
達された動力がゴムダンパ68及び動力伝達ピン69を
介して受承部材67側に伝えられる。つまり、ゴムダン
パ68及び動力伝達ピン69は、プーリ66と受承部材
67との間の動力伝達経路上に設けられている。そし
て、ゴムダンパ68は、受承部材67側からプーリ66
側に伝達される前記トルク変動を減衰させるように作用
する。
【0077】本実施形態では、プーリ66と受承部材6
7との間の伝達トルクの大きさが、車両エンジンEに対
して悪影響を及ぼさない程度の大きさ(通常の動力伝達
状態における伝達トルクの大きさ)であるとき、車両エ
ンジンEから駆動軸16への動力伝達は継続される。
【0078】ところが、前記圧縮機に何らかの異常(例
えばデッドロック)が生じて、前記伝達トルクが前述の
大きさを超えた(過大な)状態になると、動力伝達ピン
69が過負荷により折損(破断)して、プーリ66から
ハブ部67Bへの動力伝達が遮断される。これにより、
前記伝達トルクが過大になることに起因する車両エンジ
ンEへの悪影響が防止される。
【0079】本実施形態では、上記の(1)〜(4)と
同様の効果の他に、以下のような効果を得ることができ
る。 (7) 動力伝達機構PTは、車両エンジンE側と駆動
軸16側との間の伝達トルクが過大となった場合に前記
両者間の動力伝達を遮断するための動力伝達遮断手段
(動力伝達ピン69)を備えている。これによれば、車
両エンジンE側と駆動軸16側との間の伝達トルクが過
大となった場合に前記両者間の動力伝達を遮断すること
が可能になる。すなわち、前記伝達トルクが過大になる
ことに起因する車両エンジンEへの悪影響を防止するこ
とができる。
【0080】(8) プーリ66と受承部材67との間
の動力伝達経路上に設けられたゴムダンパ68(緩衝部
材)により、受承部材67側からプーリ66側に伝達さ
れる前記トルク変動の減衰が可能になる。つまり、コロ
53の振り子運動によるダンパ効果に加えて、ゴムダン
パ68によるダンパ効果を得ることができる。したがっ
て、前記振動抑制がより効果的に行われる。
【0081】(9) プーリ66と受承部材67との間
(の動力伝達経路上)には、ゴムダンパ68(弾性部
材)が設けられている。これによれば、プーリ66及び
受承部材67(すなわち駆動軸16)の回転中心軸線
(軸心)が誤差などにより互いにずれていることに起因
してベアリング65等の軸受部材などに発生する応力
を、ゴムダンパ68の変形によって低減することができ
る。したがって、前記圧縮機の耐久性を向上させること
が可能になる。
【0082】(10) 可破断部材(動力伝達ピン6
9)がピン形状とされることで、該可破断部材やこれに
外嵌される弾性部材(ゴムダンパ68)の構造を簡素な
ものとすることが比較的容易になる。
【0083】(第4の実施形態)この第4の実施形態
は、前記第1の実施形態において動力伝達部及びダンパ
ユニットの構成を変更するとともに、駆動軸に対してさ
らに車両エンジンEとは別の駆動源を作動連結させたも
のであり、その他の点では第1の実施形態と同様の構成
になっている。従って、第1の実施形態と共通する構成
部分については図面上に同一符号を付して重複した説明
を省略する。
【0084】図5に示すように、駆動軸16の前端部
は、後述する動力伝達部としての動力伝達機構PT2及
び該動力伝達機構PT2(具体的には該動力伝達機構P
T2を構成するプーリ73)に掛装されたベルト18を
介して外部駆動源としての車両エンジンEに作動連結さ
れている。
【0085】車両エンジンEと駆動軸16との間の動力
伝達経路上におけるプーリ73と駆動軸16との間に
は、電動機及び発電機として機能する、車両エンジンE
とは別の駆動源としてのモータ・ジェネレータ部MGが
設けられている。本実施形態では、車両エンジンEの稼
動時にはその動力が駆動軸16及びモータ・ジェネレー
タ部MGに常時伝達されるようになっている。このと
き、モータ・ジェネレータ部MGは発電機として機能す
るようになっている。また、車両エンジンEの停止時に
おいて空調が必要とされた場合には、モータ・ジェネレ
ータ部MGが発動機として機能して駆動軸16を回転駆
動するようになっている。
【0086】フロントハウジング12の前記前方筒部上
には、駆動軸16に対して一体回転可能に固定されたハ
ブ74が、ベアリング75を介して回転可能に支持され
ている。ハブ74は、開口側にフランジ部を有する略有
底円筒状に形成されている。すなわち、ハブ74は、駆
動軸16との連結部となる内側円筒状部74A、外側円
筒状部74B及びフランジ部74Cと、内側円筒状部7
4Aと外側円筒状部74Bとを連結する環状板部74D
とからなっている。ハブ74は、内側円筒状部74Aと
駆動軸16の前端部との螺合によって駆動軸16に連結
固定されている。
【0087】環状板部74Dの前面側には、図示しない
ネジによって、前記第3の実施形態のダンパユニット7
0とほぼ同一の構成のダンパユニット76が環状板部7
4Dに対して一体回転可能に固定されている。ダンパユ
ニット76は、これを構成するユニット本体76Aの後
部に環状板部74Dへの取り付け部となる台座部76B
を有していることを除いてダンパユニット70と同一の
構成となっている。
【0088】本実施形態では、例えば、ハブ74が既に
圧縮機本体Cに組み付けられた状態となっていても、ダ
ンパユニット76を動力伝達機構PT2(具体的にはハ
ブ74)に対して取着することができるようになってい
る。
【0089】本実施形態では、ハブ74に組み付けられ
たダンパユニット76に設けられたコロ53の前記振り
子運動によって、前記回転振動が抑制される。なお、図
5は、コロ53に遠心力が作用して該コロ53が転動案
内面52に当接した状態を示している。
【0090】前述のプーリ73は略円筒状に形成されて
おり、ハブ74の外側円筒状部74Bの外周面上にベア
リング77を介して回転可能に支持されている。プーリ
73は、ハブ74及びフロントハウジング12に対して
相対回転可能となっている。プーリ73の外周部のほぼ
全域には、ベルト18を掛装するためのベルト掛け部7
3Aが形成されている。
【0091】プーリ73とハブ74の外側円筒状部74
Bとの間にはワンウェイクラッチ80が介装されてい
る。プーリ73の内周面上には、環状をなす外側クラッ
チ部材81が固定されている。ハブ74の外側円筒状部
74Bの外周面上には、外側クラッチ部材81に取り囲
まれるようにして、環状をなす内側クラッチ部材82が
固定されている。
【0092】図6に示すように、外側クラッチ部材81
の内周部分には、駆動軸16周りに等間隔に複数の収容
凹部83が形成されている。各収容凹部83の図面時計
周り方向側の端部には、動力伝達面84が形成されてい
る。収容凹部83内には駆動軸16と平行に動力伝達コ
ロ85が収容されている。動力伝達コロ85は動力伝達
面84との噛み合い位置(図6(a)における動力伝達
コロ85の位置)と同位置から外れた位置(図6(b)
における動力伝達コロ85の位置)との間で移動可能と
なっている。
【0093】収容凹部83の動力伝達面84と反対側の
端部には、バネ座部材86が配設されている。バネ座部
材86と動力伝達コロ85との間には、該動力伝達コロ
85を動力伝達面84の噛み合い位置に向けて付勢する
コロ付勢バネ87が介在されている。
【0094】図6(a)に示すように、車両エンジンE
からの動力伝達によってプーリ73が矢印方向に回転す
ると、コロ付勢バネ87の付勢力によって動力伝達コロ
85が動力伝達面84の噛み合い位置に移動される。す
ると、動力伝達面84と内側クラッチ部材82の外周面
との間のクサビ作用によって、ハブ74はプーリ73と
同方向に回転される。つまり、車両エンジンEの稼動時
においては、該車両エンジンEの動力がハブ74を介し
て駆動軸16に伝達されて、該駆動軸16が常時回転駆
動されることとなる。
【0095】図6(b)に示すように、車両エンジンE
(プーリ73)の停止状態においてハブ74が矢印方向
に回転しようとすると、プーリ73はハブ74に対して
矢印と反対方向に相対回転されることとなる。すると、
動力伝達コロ85はコロ付勢バネ87の付勢力に抗して
動力伝達面84の噛み合い位置から離間され、よってハ
ブ74はプーリ73に対して空転されることとなる。
【0096】プーリ73、ハブ74、ベアリング75,
77及びワンウェイクラッチ80によって動力伝達機構
PT2が構成されている。図5に示すように、フロント
ハウジング12の前壁には、誘導機よりなるモータ・ジ
ェネレータ部MGを構成するステータ91が固定されて
いる。ステータ91は、固定子鉄心とこれに巻装された
コイル巻き線とで構成されている。
【0097】ハブ74のフランジ部74Cの外周部分に
は、モータ・ジェネレータ部MGを構成するロータ92
が固定されている。ロータ92はステータ91に対向す
るように配置されている。ロータ92は、回転子鉄心と
これに固定された回転子導体とで構成されている。
【0098】ステータ91の前記コイル巻き線は、イン
バータやコンバータ等を備えた図示しない駆動回路を介
してバッテリ(図示なし)に接続されている。前記駆動
回路は、図示しない制御装置からの指令に基づいて、前
記コイル巻き線からの電力の前記バッテリへの充電、あ
るいは、該バッテリから前記コイル巻き線への電力供給
を制御する。
【0099】前記駆動回路は、車両エンジンEの稼動時
において前記バッテリへの充電が必要とされた場合に
は、モータ・ジェネレータ部MGが誘導発電機として機
能するとともに発電を行うように前記制御装置によって
制御される。すなわち、車両エンジンEからの動力伝達
によってハブ74(ロータ92)が回転すると前記コイ
ル巻き線に電力が発生し、同電力は前記駆動回路を介し
て前記バッテリに充電される。
【0100】一方、前記駆動回路は、車両エンジンEの
稼動時において前記バッテリへの充電が不要とされた場
合には、モータ・ジェネレータ部MGが発電を行わない
ように前記制御装置によって制御される。これは、誘導
機からなるモータ・ジェネレータ部MGに対して励磁電
流を供給しないように前記制御装置が前記駆動回路に対
して制御を行うことで実現される。
【0101】また、前記駆動回路は、車両エンジンEの
停止時において前記制御装置が外部情報に基づいて空調
(冷房)が必要と判断したとき、モータ・ジェネレータ
部MGが誘導電動機として機能するよう制御される。す
なわち、前記駆動回路から前記コイル巻き線への給電に
よりロータ92に回転力が発生し、この回転力がハブ7
4を介して駆動軸16に伝達される。これにより、車両
エンジンEの停止状態においても車室の空調が可能とな
る。
【0102】なお、モータ・ジェネレータ部MGが電動
機として機能してハブ74を回転駆動する場合には、ワ
ンウェイクラッチ80の作用により、ハブ74とプーリ
73との間の動力伝達が遮断され、モータ・ジェネレー
タ部MGの動力が車両エンジンE側に伝達されることは
ない。
【0103】なお、圧縮機本体C、動力伝達機構PT
2、ダンパユニット76、モータ・ジェネレータ部M
G、前記駆動回路及び前記制御装置によって、本実施形
態の圧縮機が構成されている。
【0104】本実施形態では、上記の(1)〜(4)と
同様の効果の他に、以下のような効果を得ることができ
る。 (11) プーリ73と駆動軸16との間の動力伝達経
路上にモータ・ジェネレータ部MGを設け、車両エンジ
ンEの停止時において空調が必要とされた場合に、モー
タ・ジェネレータ部MGを用いて駆動軸16を回転駆動
できるようにした。これにより、車両エンジンEの停止
状態においても車室の空調が可能となる。
【0105】(12) 前記動力伝達経路上における駆
動軸16とプーリ73との間にワンウェイクラッチ80
を配設した。これによれば、電磁クラッチなどを用いる
ことなく、車両エンジンE側から駆動軸16側への動力
伝達を許容するとともにモータ・ジェネレータ部MGに
よる駆動軸16側から車両エンジンE側への動力伝達を
阻止することが可能になる。この場合、駆動軸とプーリ
との間に電磁クラッチを配設した場合に比較して、駆動
軸16側とプーリ73側との動力伝達を遮断可能とする
ための機構を構成するための部品が小型軽量になるた
め、動力伝達部の小型化や圧縮機の小型軽量化が容易に
なる。また、前記電磁クラッチを断接するための制御が
不要となり、前記圧縮機の構造の簡素化が可能になる。
【0106】実施の形態は前記に限定されるものではな
く、例えば、以下の様態としてもよい。 ○ 前記実施形態では、前記回転次数成分は、前記圧縮
機構の仕様毎で異なる場合以外にも、前記圧縮機が車両
に組みつけられた状態においては該圧縮機が組み付けら
れた車両の仕様によって異なる場合もあり得る。前記実
施形態の圧縮機においては、この場合においても別の設
定がなされた前記ダンパユニットを用いることで圧縮機
本体の汎用性の向上が可能であり、開発コストの低減や
生産性の向上が可能になる。
【0107】○ 前記実施形態において、ダンパユニッ
トは、動力伝達部に対して、ネジ以外によって固定され
ていてもよい。例えば、カシメピンによる固定であって
もよく、溶接による固定であってもよい。
【0108】○ 前記第1、第3および第4の実施形態
では、ダンパユニットは、圧縮機本体Cに組みつけられ
る前の状態の動力伝達部に対して組み付けられる構成で
あってもよい。
【0109】○ 前記第3の実施形態では、ダンパユニ
ットをプーリ66に取り付けてもよい。 ○ 前記実施形態では、前記ハブ(部)側と前記プーリ
側との両方にダンパユニットが設けられていてもよい。
【0110】○ 前記実施形態において、質量体を球状
に形成してもよい。 ○ 前記実施形態において、コロ53を収容した凹部5
1が何個設けられていてもよい。圧縮機本体Cの気筒数
等に相関した個数にする必要はない。
【0111】○ 前記実施形態において、凹部51の断
面形状(前記回転体の回転中心軸線に直交する平面での
断面形状)を、前記振り子運動におけるコロ53と転動
案内面52との当接部分を除いて円形以外の形状として
もよい。凹部51において、前記振り子運動におけるコ
ロ53と転動案内面52との当接部分の断面形状(前記
回転体の回転中心軸線に直交する平面での断面形状)が
円弧状に形成されていればよい。
【0112】○ 前記実施形態において、比R/rの平
方根値に相当する値を、n=1としたn・Nの値つま
り、Nに等しく設定したが、nを2以上の自然数(たと
えば、2,3など)としたn・Nの値に等しく設定して
もよい。
【0113】○ 前記実施形態において、複数設けた各
質量体(コロ)について、比R/r(の平方根値)に相
当する値を、それぞれ異なる値に設定してもよい。これ
によれば、前記比率R/rに相当する値が複数設定され
ることで、前記トルク変動の複数のピーク(回転次数成
分)に対してその変動幅を抑え込むことができるように
なる。この場合、この比R/rに相当する値の平方根値
を合わせる対象の値を、たとえば、nの値を1から順に
数種類(たとえば、3種類の値を対象とする場合は、
1,2および3)選んで、これらとNとを掛け合わせた
値(積n・N)とすることが好ましい。これによれば、
前記トルク変動のピークのうち最も大きなものから数種
類(この場合3種類)のものを抑えることができるよう
になり、共振抑制効果が大きなものになる。
【0114】○ 前記実施形態では、ユニット本体に形
成した凹部51の転動案内面52に沿って転動するコロ
53によって振り子運動を行わせるようにした。これに
対して、ユニット本体に、該ユニット本体に固定した支
軸を支点として振り子運動を行う質量体を設けてもよ
い。また、質量体自体に支軸を設け、該支軸をユニット
本体に形成した孔に挿通させて、前記質量体を前記ユニ
ット本体において振り子運動可能に支持するようにして
もよい。
【0115】○ 前記実施形態では、前記振り子運動に
おいて、前記質量体をその重心に質量が集中した質点と
して各種設定を行ったが、望ましくは、前記質量体の慣
性質量を考慮して前述の各種設定を行ったほうがよい。
この場合、例えば、円柱状のコロ53の前記振り子運動
においては、前記実施形態の比R/rを比2R/3rに
置き換えることで前記慣性質量を考慮した設定が可能に
なる。また、この場合の前記トルク変動のピークの振動
数とコロ53の固有振動数が一致した状態での前記トル
クTの大きさは、以下の式によって与えられる。
【0116】(式2) T=(3/2)・m・(ωa2 ・(R+r)・R・φ また、前記転動案内面に沿って転動することで前記振り
子運動を行う前記質量体を球状とした場合には、前述の
比R/rを比5R/7rに置き換えることで前記慣性質
量を考慮した設定が可能になる。また、この場合の前記
トルク変動のピークの振動数と球状の前記質量体の固有
振動数が一致した状態での前記トルクTの大きさは、以
下の式によって与えられる。
【0117】(式3) T=(7/5)・m・(ωa2 ・(R+r)・R・φ なお、前記質量体を上記の円柱状や球状以外の形状とし
た場合にも、それぞれの形状に対応した慣性質量を考慮
した前記各種設定を行うことで、前記共振抑制をより効
果的に行うことが可能になる。
【0118】○ 前記第4の実施形態では、プーリ73
と駆動軸16との間の動力伝達経路上に、車両エンジン
Eにより回転駆動されている駆動軸16と車両エンジン
Eとの間の伝達トルクが過大となった場合に前記両者間
の動力伝達を遮断するための動力伝達遮断手段を設けて
もよい。この場合、例えば、内側円筒状部74Aと外側
円筒状部74Bとを、環状板部74Dに代えて、前記伝
達トルクが過大となった場合に破断することで前記両円
筒状部間の動力伝達を遮断可能な可破断材で連結する。
【0119】○ 前記第4の実施形態では、内側円筒状
部74Aと外側円筒状部74Bとの間の動力伝達経路上
に、両者間の伝達トルク変動を緩和するための緩衝部材
を設けてもよい。また、例えばこの緩衝部材を弾性部材
で構成した場合、外側円筒状部74Bの中心軸線と駆動
軸16の中心軸線との位置ずれによるベアリング75等
の軸受部材などに発生する応力を低減することができ
る。したがって、前記圧縮機の耐久性を向上させること
が可能になる。
【0120】○ 前記第4の実施形態では、車両エンジ
ンEとは別の駆動源が、圧縮機本体Cや動力伝達部に組
み付けられていなくてもよい。圧縮機本体C及び動力伝
達部から離間して設けられた前記別の駆動源が、ベルト
等の動力伝達部材を介して駆動軸16側と作動連結され
ていてもよい。
【0121】○ 前記第4の実施形態において、モータ
・ジェネレータ部MGから、発電機としての機能を省い
てもよい。 ○ 前記実施形態において、片頭型のピストンに圧縮動
作を行なわせる片側式の圧縮機本体Cに代えて、クラン
ク室を挟んで前後両側に設けられたシリンダボアにおい
て両頭型のピストンに圧縮動作を行なわせる両側式の圧
縮機本体を採用してもよい。
【0122】○ 圧縮機本体Cを、カムプレート(斜板
20)が駆動軸16と一体回転する構成に代えて、カム
プレートが駆動軸に対して相対回転可能に支持されて揺
動するタイプ、例えば、揺動(ワッブル)タイプとして
もよい。
【0123】○ 圧縮機本体Cは、ピストン25のスト
ロークが一定とされた固定容量タイプであってもよい。 ○ 前記実施形態において、ピストンが往復動を行うピ
ストン式圧縮機の適用例を示したが、スクロール型圧縮
機等の回転型圧縮機に適用してもよい。
【0124】○ 前記実施形態において、前記動力伝達
部を構成する部材として、プーリに代えて、スプロケッ
トやギヤ等を適用してもよい。 ○ 前記実施形態において、前記質量体の前記振り子運
動の中心軸線は、前記質量体が設けられた前記ユニット
本体の回転中心軸線に対して必ずしも平行となっていな
くてもよい。この場合、前記伝達トルク変動(の最大
量)の抑制において所望の効果を得ることができる範囲
内において、前記振り子運動の中心軸線を前記ユニット
本体の回転中心軸線に対して傾斜させてもよい。
【0125】次に、前記実施形態から把握できる技術的
思想について以下に記載する。 (1) 前記動力伝達部には、前記外部駆動源と前記回
転軸との間の動力伝達経路上に、緩衝部材が配設されて
いる請求項1〜5のいずれか一項に記載の圧縮機。
【0126】(2) 前記質量体は、前記ユニット本体
に設けられた案内部の断面円弧状の案内面に沿って移動
することで前記振り子運動を行う請求項1〜5及び技術
的思想(1)のいずれか一項に記載の圧縮機。
【0127】(3) 前記質量体は、前記ユニット本体
に設けられた案内部の断面円弧状の案内面に沿って移動
することで前記振り子運動を行う請求項6に記載のダン
パユニット。
【0128】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜5に記
載の発明によれば、圧縮機において、多様な回転次数成
分に対する振動抑制を実現するための開発コストの低減
や生産性の向上が可能になる。
【0129】また、請求項6に記載の発明によれば、多
様な回転次数成分に対する振動抑制を実現するための開
発コストの低減や生産性の向上が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の圧縮機の全体模式断面図。
【図2】(a)同じくダンパユニットの概要を示す模式
正面図、(b)図2(a)のb−b線における部分模式
断面図。
【図3】(a)第2の実施形態のダンパユニットの概要
を示す模式背面図、(b)同じく圧縮機の部分模式断面
図。
【図4】(a)第3の実施形態の動力伝達機構およびダ
ンパユニットの模式正面図、(b)図4(a)のb−b
線における部分模式断面図。
【図5】第4の実施形態の圧縮機の部分模式断面図。
【図6】同じくワンウェイクラッチを示す拡大断面図。
【符号の説明】
16…回転軸としての駆動軸、17…動力伝達部として
の電磁クラッチ部、19…ラグプレート、20…斜板、
21…ヒンジ機構、25…ピストン、26…シュー(1
6,19,20,21,25及び26はピストン式圧縮
機構を構成する)、50,60,70…ダンパユニッ
ト、50A,60A,70A…ユニット本体、51…案
内部としての凹部、52…案内面としての転動案内面、
53…質量体としてのコロ(51及び53はダイナミッ
クダンパを構成する)、69…動力伝達遮断手段として
の動力伝達ピン、C…圧縮機本体、E…外部駆動源とし
ての車両エンジン、PT,PT2…動力伝達機構。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16F 15/14 F04B 35/00 104 (72)発明者 太田 雅樹 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機内 (72)発明者 安谷屋 拓 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機内 (72)発明者 鈴木 隆容 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機内 (72)発明者 山ノ内 亮人 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機内 Fターム(参考) 3H003 AA03 AB07 AC03 BB08 3H075 AA18 BB03 BB16 BB17 BB21 CC11 CC17 CC32 CC33 CC36 DB49 DB50 3H076 AA06 BB01 BB28 BB43 CC12 CC17 CC20 CC40

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ユニット本体の回転中心軸線から所定間
    隔だけ離間した点を通過するとともに該回転中心軸線に
    ほぼ平行な軸線を中心とした振り子運動を行なう質量体
    を有する複数のダイナミックダンパを前記ユニット本体
    に設けたダンパユニットを、圧縮機構を駆動するための
    回転軸と外部駆動源との間の動力伝達経路上に配設され
    た動力伝達部に備えた圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記動力伝達部は前記外部駆動源と前記
    回転軸との間の動力伝達を断接するための電磁クラッチ
    を備え、前記ダンパユニットは前記電磁クラッチの回転
    軸側に組み付けられている請求項1に記載の圧縮機。
  3. 【請求項3】 前記動力伝達部は前記外部駆動源と前記
    回転軸との間の動力伝達を断接するための電磁クラッチ
    を備え、前記ダンパユニットは前記電磁クラッチの外部
    駆動源側に組み付けられている請求項1に記載の圧縮
    機。
  4. 【請求項4】 前記動力伝達部は、前記外部駆動源側と
    前記回転軸側との間の伝達トルクが過大となった場合に
    前記両者間の動力伝達を遮断するための動力伝達遮断手
    段を備えている請求項1に記載の圧縮機。
  5. 【請求項5】 前記回転軸には前記外部駆動源とは別の
    駆動源が作動連結され、前記動力伝達機構は、前記外部
    駆動源側から前記回転軸側への動力伝達を許容するとと
    もに前記回転軸側から前記外部駆動源側への動力伝達を
    阻止するためのワンウェイクラッチを備えている請求項
    1または4に記載の圧縮機。
  6. 【請求項6】 圧縮機の圧縮機構を駆動するための回転
    軸と外部駆動源との間の動力伝達経路上に配設された動
    力伝達部に組み付け可能な状態で一体的に構成されたダ
    ンパユニットであって、ユニット本体の回転中心軸線か
    ら所定間隔だけ離間した点を通過するとともに該回転中
    心軸線にほぼ平行な軸線を中心とした振り子運動を行な
    う質量体を有するダイナミックダンパが設けられたダン
    パユニット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101364711B1 (ko) * 2007-12-07 2014-02-19 한라비스테온공조 주식회사 전자클러치의 디스크 및 허브 어셈블리
CN104165206A (zh) * 2014-06-30 2014-11-26 天津博信汽车零部件有限公司 吸振结构及具有该吸振结构的车辆

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CN104165206A (zh) * 2014-06-30 2014-11-26 天津博信汽车零部件有限公司 吸振结构及具有该吸振结构的车辆
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