JP2002364551A - 電動機駆動装置、圧縮装置 - Google Patents

電動機駆動装置、圧縮装置

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JP2002364551A
JP2002364551A JP2001169076A JP2001169076A JP2002364551A JP 2002364551 A JP2002364551 A JP 2002364551A JP 2001169076 A JP2001169076 A JP 2001169076A JP 2001169076 A JP2001169076 A JP 2001169076A JP 2002364551 A JP2002364551 A JP 2002364551A
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motor
torque
load
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Kazunori Sakanobe
和憲 坂廼辺
Masaaki Yabe
正明 矢部
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モーターのトルク制御で1回転中の負荷トル
ク変動による振動を補正しつつ、過電流を防止すること
が課題である。最もトルク変動の顕著となる負荷及び駆
動装置の構成としては、1回転中の負荷トルクが負トル
クとなるスライディングベーン型のロータリ圧縮機を例
とした場合、駆動装置が部分的に負トルク負荷に見合う
トルク発生ができない120度通電のインバータで構成
された場合が相当する。 【解決手段】 速度指令を入力し速度に応じた飽和電圧
又は電流値を出力することで速度変動に対する電圧ある
いは電流の制御量の範囲を定める飽和レベル演算手段
と、回転角度範囲毎の電圧変化指令値を記憶することで
速度偏差情報を前記飽和レベル演算手段の演算結果に基
づく所定範囲内で積分する飽和積分器とを有することに
よって、スライディングベーン型のロータリ圧縮機で1
20度通電制御法を用いたインバータにおいても駆動装
置は負トルクを発生しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、周期的に変動す
る負荷を駆動する電動機駆動装置に関する。またこの発
明は負の負荷トルクが発生可能な圧縮装置に関する。
【0002】
【従来の技術】負荷トルクが周期的に変動する負荷を駆
動する際に発生する振動を抑制するために、その負荷ト
ルク変動に見合った出力トルクを駆動回路より発生する
装置に関しては従来下記のような装置が考案されてい
る。図11は例えば特公平6−48916号公報に示さ
れた従来の電動機駆動装置の構成を示す図である。図に
おいて1は直流電源、2はインバータ、3は固定子3a
と負荷に直結され永久磁石を有する回転子3bからなる
DCブラシレスモータ、4はDCブラシレスモータ3の
誘起電圧の極性情報を3相分出力する位置検出手段、5
は速度指令と位置検出情報とに基づきDCブラシレスモ
ータ3を回転制御するためのインバータ駆動信号を生成
する制御回路である。制御回路5は、位置検出情報の変
化インターバルから現在の回転速度を求め、さらに1回
転中の速度変動が減ずるような速度制御器により出力電
圧ないしは出力電流の指令値を求め、前記出力電圧ない
しは出力電流の指令値に基づきインバータ各素子の制御
信号を生成するものである。図12は図11の制御回路
に内蔵される速度制御器のブロック図である。図におい
て10は並列に構成された複数の積分器からなる積分器
群、11は速度情報を比例した出力を演算する比例制御
器、12は速度指令と速度の差分を演算する減算器、S
W1およびSW2は回転位置に応じて接続端子が順に切
り替わるスイッチ、13は出力電圧ないしは出力電流の
指令値を作成するための加算器である。
【0003】次に上記に示した従来の電動機駆動装置の
動作について説明する。便宜上、負荷は1回転周期で変
動する負荷(図13破線参照)であり、負荷を駆動する
DCブラシレスモータは3相4極であるものとする。ま
た、インバータの駆動方式はセンサレス120度通電制
御、すなわち各相(UVW)は例えば図15の如く通電
され、各々の相の通電休止期間中に発生する誘起電圧に
よりDCブラシレスモータ回転子3bの位置の情報を検
出し、回転制御する方法であるものとする。負荷トルク
が図13破線の如く変動している場合、負荷が大きい回
転位置では減速し、小さい回転位置では加速することか
ら、回転速度は図13実線の如く変動する。DCブラシレ
スモータ3は回転速度に応じて誘起電圧が発生すること
から、1回転中の速度変動がある場合の誘起電圧の時間
変化は図14の如くとなる。また位置検出手段4の出力
する位置検出情報の出力タイミングは、図の矢印のタイ
ミングとなり、図14の如く矢印の間の間隔である時間
が一定せず回転速度が変動していることを示しており、
すなわち回転速度変動情報を含んだ情報となる。なお本
説明では3相4極モータを例にとっているので位置検出
情報は1回転中12回出力される。つぎに制御回路5は
この位置検出情報を入力して現在の時刻における回転子
3bの速度情報を得る。次に制御回路5内の速度制御器
は速度指令値と現在の速度を比較して、その偏差を求
め、SW1により選択された積分器群10の所定の積分
器に誤差を蓄積する。SW1は速度情報が更新されるタ
イミングすなわち1/12回転周期毎に出力を順次切り
替える。上記操作が継続して行われると、積分器群10
の各々の積分器には12分割された回転角度範囲毎の速
度偏差が積分される。次にSW2により選択された積分
器出力と速度を所定ゲイン倍した情報とを加算器13に
て加算し電流指令値を作成、さらには前記電流指令値と
前記位置情報に基づきインバータを駆動する制御信号を
作成し出力、インバータ2は前記制御信号に基づきDC
ブラシレスモータ3に電圧を印加する。ここで前記SW
2は、積分された速度偏差が縮小する様に切り替えられ
る。具体的にはSW1に対して所定角度分進んだ位相関
係を保って切り替えられる。上記の動作により、各角度
範囲毎の速度が速度指令に近づくように制御される。ま
た同様な技術が特開平7−87773号公報に開示され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ここで冷媒を吸引し加
圧して吐出するシリンダー室を仕切るスライディングベ
ーンを有するロータリ圧縮機を負荷として考える。前記
圧縮機の回転トルクはガスを吸入・圧縮・吐出する際に
生じるガス負荷トルクと、吸入口と吐出口を仕切るため
のスライディングベーンをロータに押しつける際に生じ
るベーントルクが存在する。ベーントルクは圧縮時には
正(減速)方向、吸入時には負(加速)方向となる。こ
のような圧縮機においては回転位置と負荷トルクの関係
は図13の如くとなり、平均的には正の負荷トルクであ
るが、部分的に負となるトルク特性となる。このような
負荷による速度変動を十分に抑制するためには、前記の
部分的な負トルク負荷に見合うトルクを発生させる必要
があるが、120度通電制御のインバータはこれを実現
することができない。なぜなら、120度通電のインバ
ータ各相は所定角度区間中(上記従来例では30度)ア
ームの上ないしは下の1素子のみが駆動されだけである
ため、上記の負荷では正方向の電流しか制御できない。
これは負方向の電流を制御するに上下の素子を利用する
ことが必要なためである。従って従来の装置により上記
負荷を駆動すると、負トルクを発生できないため該当す
る角度範囲の速度偏差は定常的にゼロに収束しない。す
なわち、前記角度範囲の速度偏差を積分する積分器は誤
差が過大に蓄積されることとなる。この状態が続くと負
荷変動に対する追従性の劣化、制御の発散による過電流
遮断、などの問題が発生する恐れがあった。また圧縮機
の負荷変動に見合うトルクを出力する制御器を使用する
場合、インバータの入力電流は圧縮機の負荷トルク曲線
と相似の電流を出力する。従って回路およびモータの電
流容量は前記の電流値を許容できる必要がある。一方、
圧縮機のトルク変動は平均トルク負荷トルクの2〜4倍
程度発生するため、従来の制御を導入するためには、回
路およびモータの電流容量を上げる必要があり、結果と
してコスト高となる等の問題もあった。
【0005】この発明は上記問題点を解消するためにな
されたもので、部分的に負荷トルクの極性が反転するよ
うな負荷においても運転性能を損なわない、あるいは安
価な電動機駆動装置を提供することを目的とする。また
この発明は周期的に変化する負荷を駆動する電動機を効
率が良い状態を維持し騒音や振動を少なく制御する電動
機駆動装置を提供することを目的とする。またこの発明
は負の負荷トルクを発生可能な構造を有する圧縮機であ
っても振動騒音が少なく性能の良い圧縮装置を得ること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決する手段】請求項1に係る発明の電動機駆
動装置は、負荷トルクが周期性を有して変化する負荷を
駆動する電動機と、この負荷トルクの変動により発生す
る電動機の周期的な速度変動を検出して、これを減ずる
ように電動機に与える電圧あるいは電流を調整する速度
制御装置と、速度変動に応じて演算される電動機に与え
る電圧あるいは電流の目標値が所定の範囲内となるよう
に、電動機を駆動するものである。
【0007】請求項2に係る発明の電動機駆動装置は、
制御装置にインバータを使用し,インバータの駆動法は
120度通電制御法であり、目標値の所定の範囲とはゼ
ロ以上であってインバータが発生可能な最大電流以下の
範囲である。
【0008】請求項3に係る発明の電動機駆動装置は、
所定の範囲内になるように、電動機の回転速度ないし回
転速度指令情報に基づき演算される速度偏差情報を所定
の偏差内で積分する。
【0009】請求項4に係る圧縮装置は,電動機駆動装
置により駆動されるとともに、周期性を有する負荷が吸
入,圧縮,吐出される冷媒の圧力により負の負荷トルク
を発生可能な構造を有する圧縮機である。
【0010】
【発明の実施の形態】実施の形態1.本実施の形態にお
いて、前記従来例と同一の機能を果たす部分については
同一の符号を付し、説明を省略する。図1はこの実施の
形態における電動機駆動装置の構成を示す図である。図
において、1は直流電源、2は制御信号に基づき動作す
る複数のスイッチ素子を有し、直流電源1からの直流を
交流に変換し、後述するDCブラシレスモータ3の固定
子3aに交流電流を供給するインバータ、3は複数の巻
線を有する固定子3aおよび永久磁石を有するモータ回
転子3bから構成され、インバータ2からの交流電流に
て動作するDCブラシレスモータ、4はDCブラシレス
モータ3の端子電圧を検出して、前記DCブラシレスモ
ータの回転子3bの位置を検出する位置検出手段、5は
前記位置検出手段4から出力される位置情報を入力し
て、インバータ2のスイッチ素子の制御信号を発生する
制御回路、6はインバータ2に流れる電流を検出する電
流検出手段、7はモーター3にて駆動され回転する圧縮
機である。また図2は上記圧縮機7の概略的な構造図で
ある、7aは圧縮機のロータ、7bはモータ回転子3b
とロータ7aを機械的に結合するシャフト、7cはシリ
ンダ、7dは吸入口、7eは吐出口、7fは吸入口と吐
出口を仕切るスライディングベーンである。図2ではロ
ータリー構造の圧縮機の構造を示し冷媒を吸入口7dか
ら吸入しローター7aがシリンダ7c内を回転して冷媒
を圧縮し吐出口7eから吐出される。この回転中に図1
3で示すように負荷トルクが大きく変動し冷媒の圧力に
より負の負荷トルクが発生する。なお圧縮装置はロータ
リー構造だけではないがレシプロ構造の場合もピストン
にて冷媒を吸入する場合は負の負荷トルクを発生する。
【0011】また図3は上記制御回路5の構成を示す図
である。図において、9は前記位置検出手段4の出力す
る位置信号に基づき回転子の速度を演算する速度演算手
段、10は前記速度演算手段9で得られた速度情報と外
部より与えられる速度指令よりインバータ2の出力する
電流の指令値を演算する速度制御器、11aは前記速度
制御器10が出力する電流指令値と前記電流検出手段6
の出力する電流値に基づきインバータの電圧指令値を作
成する電流制御器、11bは前記位置検出手段4が出力
する位置情報と前記電流制御器の出力する電圧指令値に
基づきインバータ2の複数のスイッチ素子を制御する信
号を発生するPWM信号発生手段である。また、図4は
本願の主体となる速度制御器10の構成を示すブロック
図である。図において、10bは速度指令情報と実速度
情報より速度偏差情報を演算する減算器、SW1は回転
位置情報に基づき出力先を切り替える入力切替スイッ
チ,SW2は回転位置情報に基づき入力元を切り替える
出力切替スイッチ、10cは現在の積分器の積分値範囲
を演算する飽和レベル演算手段、10aは前記速度偏差
情報を前記積分値範囲に基づき積分する飽和積分器群で
ある。
【0012】次にこの発明の主たる構成要素である飽和
レベル演算手段および飽和積分器について動作を説明す
る。まず飽和レベル発生手段はDCブラシレスモータ
3、負荷トルクおよびインバータ2の定格値に基づきあ
らかじめ計算しておいた所定の電流飽和レベル情報すな
わち積分器の出力範囲を出力する。ここで電流飽和レベ
ルの最小値は例えばゼロ近傍であるように演算し、最大
値は例えば平均電流値の1.5〜3倍の値とする。この
ようにこの制御装置にはインバータを使用しており,図
15で説明したようにインバータの駆動法は120度通
電制御法であり、目標値である電流の飽和レベルの所定
の範囲はゼロ以上であって,且つ,インバータが発生可
能な最大電流以下にしておけば問題の無い範囲となる。
次に、飽和積分器は速度偏差Δfを積分すると共に前記
電流飽和レベル情報を入力し、積分値が前記電流飽和レ
ベルの範囲におさまるよう制御して出力する。なお飽和
積分器の動作例は図5に示すとおり速度偏差の積分値を
得ると共にmaxとminの間になる。なお、積分器が
飽和する前に速度偏差がゼロに収束する場合は通常の積
分器として動作する。この飽和積分器が図4の如く並列
に接続された場合における1回転中の電流指令(速度制
御器10の出力)の例を図6に示す。図のように電流指
令が120度通電の制約による制御可能範囲を逸脱しな
い様に範囲を設定するため、積分値が発散して制御が異
常となることなく安定に動作する。また、電流指令の上
限値(平均電流値の1.5〜3倍)以上に電流が増加し
ないため回路およびモータの電流容量を大きく増加させ
る必要が無く、回路コストを安価にすることができる。
出力切替スイッチSW2は位相をずらした位置の信号に
より速度を補正する。速度とトルクは物理的に微分積分
の関係になるので位相差は90度,速度が遅れ位相の関
係になる。従って機械角で90度位相をずらすことにな
る。
【0013】飽和レベル設定手段10cの最大値の設定
はあらかじめ回路上可能な電流量を求めておけば良い
が,最小値はほぼゼロに近い値を設定すればよい。負荷
トルクが大きく変動し負の負荷トルクを発生する圧縮機
の構造の場合,負荷トルクの変動パターンは回転数や圧
力条件により変化し,負荷トルクが負になった場合飽和
レベルの最小値というリミッターが無ければ,負の状態
では積分値が時間に応じて負方向に溜まっていく。ここ
で運転状態が変化してトルクが正の状態になっても既に
溜まっている積分値が小さくなりすぎて整定されるのに
時間が掛かりすぎ,結果として制御の追従性が悪化して
しまう。またさらに積分値がメモリ内で負方向にどんど
ん溜まっていき一定値を超えると突然データが変化する
という問題が起こる。CPUのメモリは通常、2の補数
と呼ばれる方法でデータを管理するがこの管理方法はサ
イクリックに出来ており,一つの方向例えば正に増えた
データが所定の値を超えると突然他の方向すなわち負の
値に変化する。従って最小値としてのゼロ付近のリミッ
ターが無しでトルク制御をかけつづけると所定時間を経
過した後突然ある位相の出力が急変し過電流になるなど
の問題を発生し回路に以上を起すなどの問題が起こる。
従って最大値と最小値のリミッターを設け飽和レベルに
トラブルを発生させないで信頼性の高い運転を継続でき
る範囲を設定している。
【0014】なお上記の例では速度制御器の制御対象が
電流(制御器の出力は電流指令)であることを前提に説
明したが、これに限るものではなく、電圧(制御器の出
力は電圧指令)でも可能である。図7〜9は制御対象を
電圧とした場合の電動機駆動装置構成図、制御回路構成
図、速度制御器のブロック図である。なお上記において
すでに説明した部分については同一番号を付し説明を省
略する。図7の構成は図1と同様で,図8において速度
制御器10の出力は電圧指令である。11cは前記電圧
指令と位置検出情報に基づきインバータ2の制御信号を
出力するPWM信号発生手段である。図9において10
cは速度指令値に基づき飽和積分器群10aの飽和値ma
x,minを作成する飽和レベル演算手段、10dは速度偏
差Δfを積分して平均電圧指令値favrefを演算する平均
電圧演算手段、10dはSW2により選択された所定の
飽和積分器出力値と前記平均電圧値を加算して電圧指令
を作成する加算器である。次に動作について説明する。
速度偏差Δf(図9)が生ずると平均電圧演算手段は、
速度偏差が減ずるように積分などで平均出力電圧を操作
する。飽和レベル演算手段10cは速度指令を入力し、
速度に応じた飽和電圧値を出力する。
【0015】前記速度指令と飽和電圧値との関係を図1
0に示す。一般にDCブラシレスモータ3は回転速度に
比例して巻線のインピーダンスが増加する傾向を有する
ため、飽和レベルを回転速度に比例させることで回転周
波数によらず電流の飽和レベルをほぼ一定に保つことが
できる。飽和積分器群10aには回転角度範囲毎の速度
偏差が積分され、回転角度範囲毎の電圧変化指令値が記
憶される。さらに10dにより平均電圧指令値と電圧変
化指令値が加算され、現在の電圧指令値が演算される。
PWM信号発生手段11c(図8)は前記電圧指令値と
位置検出情報とに基づきインバータ2各素子の制御信号
を出力する。前実施例と同様の効果を得ることができ
る。なお本実施例では飽和電圧値を演算するための入力
信号を速度指令値としたが、これは実速度情報を用いて
も良い。なお制御回路5において図3の電流の場合は外
部から電流情報を電流制御器11aに導入しているが、
図8の電圧ではこのような情報を図9の平均値を加算す
る平均電圧演算手段10dにて処理している。すなわち
指令通りの電流になるような制御回路が後段に組み込ま
れていればどのようなものでも良いことは当然である。
【0016】この発明は以上のように、速度変動に対す
る電圧あるいは電流の制御量の範囲を定める飽和レベル
演算手段と、速度偏差情報を前記飽和レベル演算手段の
演算結果に基づく所定範囲内で積分する飽和積分器とを
有する。
【0017】この発明は、また負荷が1回転中の負荷ト
ルクが負トルクとなるスライディングベーン型のロータ
リ圧縮機や冷媒吸入時ピストンが冷媒圧力によりおし戻
されるレシプロ圧縮機に関するものであり、駆動装置は
負トルクを発生できない120度通電制御法を用いたイ
ンバータで構成されている。
【0018】この発明は、電動機の回転速度ないし回転
速度指令速度により演算される飽和レベル演算手段を有
する。以上説明したとおりこの発明では、飽和レベル演
算手段に基づき出力電流のピークを抑えて駆動されるた
め、回路を安価に実現できるまたこの発明では、制御回
路内の積分器が発散せず運転を安定に行うことができ
る。またこの発明では、回転数を変化させても運転を安
定に行うことができる。このように変動が大きい負荷を
有するモーターをトルク制御方法で駆動すると負荷トル
クが負になる回転角度範囲においては駆動装置のトルク
追従が出来ないのでその回転角度範囲における速度は目
標値に達しないことになる。すなわちDCブラシレスモ
ーターを有するロータリー圧縮機のような場合負荷トル
クが負になるクランク角が存在するが負になる部分では
制御できず不安定な制御になる。負荷トルクが負になる
部分では電流または電圧にリミッターを設けて制御す
る。更にリミッター値を変えて効率を落とさずに音を下
げたり最大値にもリミッターを設け瞬時の家電流で停止
しないようにすることも出来る。積分器のいくつかは速
度偏差が恒常的に入力されるため積分器には誤差が過大
に積分され,この状態から速度指令が変化すると運転が
不安定になるが,本発明のように積分値がリミッタレベ
ル範囲外とならないように制御するリミッタ付き積分器
を設けることにより負領域を持つ負荷をトルク制御する
場合においても運転を安定に保ち,且つ,音や振動を下
げることが出来る。
【0019】
【発明の効果】請求項1に係る発明の電動機駆動装置
は、負荷トルクが周期性を有して変化する負荷を駆動す
る電動機と、この負荷トルクの変動により発生する電動
機の周期的な速度変動を検出して、これを減ずるように
電動機に与える電圧あるいは電流を調整する速度制御装
置と、速度変動に応じて演算される電動機に与える電圧
あるいは電流の目標値が所定の範囲内となるように、電
動機を駆動するので、良好な性能を安定して維持できる
装置を得ることが出来る。
【0020】請求項2に係る発明の電動機駆動装置は、
制御装置にインバータを使用し,インバータの駆動法は
120度通電制御法であり、目標値の所定の範囲とはゼ
ロ以上であってインバータが発生可能な最大電流以下の
範囲であるので,安価で信頼性の高い装置を得ることが
出来る。
【0021】請求項3に係る発明の電動機駆動装置は、
所定の範囲内になるように、電動機の回転速度ないし回
転速度指令情報に基づき演算される速度偏差情報を所定
の偏差内で積分するので,簡単な構成で良好な性能が得
られる。
【0022】請求項4に係る発明の圧縮装置は,この発
明の電動機駆動装置により駆動されるとともに、周期性
を有する負荷が吸入,圧縮,吐出される冷媒の圧力によ
り負の負荷トルクを発生可能な構造を有する圧縮機であ
るので,大きく変動する負荷トルクを有していても良好
な性能で安定した運転を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1における電動機駆動
装置の構成図。
【図2】 この発明の圧縮機の概略構成図。
【図3】 この発明の実施の形態1における制御回路の
構成図。
【図4】 この発明の実施の形態1における速度制御器
の構成図。
【図5】 この発明の飽和積分器の動作を示す説明図。
【図6】 この発明の実施の形態1における電流指令の
波形図。
【図7】 この発明の実施の形態1における電動機駆動
装置の構成図。
【図8】 この発明の実施の形態1における別の制御回
路の構成図。
【図9】 この発明の実施の形態1における別の速度制
御器の構成図。
【図10】 この発明の速度指令と電圧飽和レベルの関
係を示す説明図。
【図11】 従来の電動機駆動装置の構成図。
【図12】 従来の速度制御器の構成図。
【図13】 スライディングベーンをもつ圧縮機の負荷
トルクを示す説明図。
【図14】 速度変動がある場合の誘起電圧波形を示す
説明図。
【図15】 120度通電の制御信号を示す説明図。
【符号の説明】
1 直流電源、 2 インバータ、 3 DCブラシレ
スモータ、 3a DCブラシレスモータの固定子、
3b DCブラシレスモータの回転子、 4位置検出手
段、 5 制御手段、 6 電流検出手段, 7a 圧
縮機のロータ, 7c シリンダ、 7f スライディ
ングベーン, 9 速度演算手段,10 速度制御器,
10a 飽和積分器群, 10b 減算器, 10c
飽和レベル演算手段, 10d 加算器、 11a
電流制御器, 11b、11c PWM信号発生手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H045 AA05 AA09 AA12 AA27 BA38 CA21 CA29 DA07 EA34 5H560 AA02 BB04 DA00 DB20 DC12 EB01 RR01 TT20 XA02 XA04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負荷トルクが周期性を有して変化する負
    荷を駆動する電動機と、この負荷トルクの変動により発
    生する前記電動機の周期的な速度変動を検出して、これ
    を減ずるように電動機に与える電圧あるいは電流を調整
    する速度制御装置と、前記速度変動に応じて演算される
    前記電動機に与える電圧あるいは電流の目標値が所定の
    範囲内となるように、電動機を駆動することを特徴とす
    る電動機駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記制御装置にインバータを使用し,前
    記インバータの駆動法は120度通電制御法であり、前
    記目標値の所定の範囲とはゼロ以上であって前記インバ
    ータが発生可能な最大電流以下の範囲であることを特徴
    とする請求項1記載の電動機駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記所定の範囲内になるように、前記電
    動機の回転速度ないし回転速度指令情報に基づき演算さ
    れる速度偏差情報を所定の偏差内で積分することを特徴
    とする請求項1または2に記載の電動機駆動装置。
  4. 【請求項4】 前記請求項1または2または3に記載し
    た電動機駆動装置により駆動されるとともに、周期性を
    有する負荷が吸入,圧縮,吐出される冷媒の圧力により
    負の負荷トルクを発生可能な構造を有する圧縮機である
    ことを特徴とする圧縮装置。
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