JP2002364455A - シリンダブロックとその成形方法及び装置 - Google Patents

シリンダブロックとその成形方法及び装置

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JP2002364455A
JP2002364455A JP2001176104A JP2001176104A JP2002364455A JP 2002364455 A JP2002364455 A JP 2002364455A JP 2001176104 A JP2001176104 A JP 2001176104A JP 2001176104 A JP2001176104 A JP 2001176104A JP 2002364455 A JP2002364455 A JP 2002364455A
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bore
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cylinder block
head
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JP2001176104A
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Masahiko Katsu
雅彦 勝
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Nissan Motor Co Ltd
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジン燃焼時のピストン位置を考慮して決
定した面粗度大の領域を有するシリンダブロックと、当
該シリンダブロックを円滑に加工できる成形方法及び装
置を提供する。 【解決手段】 シリンダブロック1は、ボア内周面2a
に沿って摺動するピストンリングRのトップリングRt
が上死点となる位置から燃料の燃焼によりボア2内が最
大圧力となるときのオイルリングRの位置までのボア内
周面頭部領域Tを、当該頭部領域Tから基端4の基部領
域Bより面粗度Raを大きくしたことを特徴とする。成
形装置は、面粗度大用砥石12aと面粗度小用砥石12
bとを同一ホーニングヘッド20に設け、面粗度小用砥
石12bの軸方向長さbが前記頭部領域Tに相当する軸
方向長さt分だけ短くしたことを特徴とする。シリンダ
ブロック1の成形方法は、まずボア内周面全面をテーパ
状に面粗度大用砥石12aにより加工し、次に面粗度小
用砥石12bによりストレートに仕上げ加工することを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンのシリン
ダブロック、特にボア内周面の構造とその成形方法及び
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、シリンダブロックあるいはシリ
ンダライナー(以下、シリンダブロックと略称する)の
ボア内周面の加工は、ホーニングヘッドにホーニング砥
石を取り付け、ホーニング砥石に拡張圧力を与えながら
上下に所定のストローク移動し、かつ回転させることに
より行なっている。
【0003】この加工は、ボア内周面を所定径及び所定
の面粗度に仕上げなければならないことから、例えば、
粗加工、仕上げ加工という工程順で行なっているが、い
ずれの工程においてもホーニング砥石を所定ストローク
上下動させることによりボア内周面全面を均一な面粗度
に加工している。
【0004】しかし、最近では、ボア内周面は、全面が
均一な面粗度とせず、部分的に面粗度を変えることがあ
る。つまり、高温高圧となる上部は、比較的低圧となる
下部に比し、摩擦損失や耐スカッフ性(耐焼付き性)を
高める必要があることから、面粗度を下部に比し大と
し、ここにオイルが保有されやすくしているものがあ
る。
【0005】また、この点をさらに改良したものもあ
る。ボア内周面上部を面粗度大とすれば、ここに未燃ガ
スが溜まり、NOxが発生しやすいという問題があるこ
とから、ボア上端と上死点のピストンリングの上部との
間の面粗度を、上死点のピストンリングの上部とボア下
端との間の面粗度よりも小さくしたものも提案されてい
る(特開平7−54707号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、面粗度
に変化をつけ、シリンダブロックのボア内周面の摩擦損
失や耐スカッフ性を高める点をより完全なものとするに
は、ボア上端と上死点のピストンリングの上部との間の
面粗度を他の部分の面粗度よりも小さくするのみでは、
不十分である。理由については後に詳述する。
【0007】また、ボア内周面の面粗度を部分的に変え
る加工を行なう場合においても、従来の方法あるいは装
置では種々問題がある。
【0008】仮に、粗加工用の面粗度が大きいホーニン
グ砥石(以下、面粗度大用砥石)と、仕上げ加工用の面
粗度が小さいホーニング砥石(以下、面粗度小用砥石)
を用い、ボア内周面を部分的に面粗度が異なる加工を施
す場合に、仕上げ加工用の砥石のストロークを短くして
加工すれば、加工した部分と他の部分との間に段差が生
じる虞がある。特に、ホーニング加工は、軸方向に所定
の長さを有する細長いホーニング砥石を上下にストロー
クさせることにより行なうものであるから、部分的に面
粗度を異ならしめようとすれば、ストロークの範囲は小
範囲に規制され、作業性が低下するという不具合もあ
る。
【0009】さらに、この部分的加工を行なう場合に砥
石全面を使用しないと、砥石自体が偏摩耗し、砥石寿命
が短くなり、その交換作業が量産性の低下に影響する虞
もある。
【0010】本発明は、上述した課題に鑑みなされたも
ので、シリンダブロックのボア内周面の摩擦損失や耐ス
カッフ性を高めるには、エンジン燃焼時のピストン位置
を考慮してなされるべきであることに着目し、この点か
ら面粗度が異なる部分を決定したシリンダブロックと、
当該シリンダブロックを円滑に加工できる成形方法及び
装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記す
る手段により達成される。
【0012】(1)ボア内周面に沿って摺動するピスト
ンリングのトップリングが上死点となる位置から燃料の
燃焼によりボア内が最大圧力となるときのオイルリング
の位置までのボア内周面頭部領域を、当該頭部領域から
基端の基部領域より面粗度を大きくしたことを特徴とす
るシリンダブロック。
【0013】(2)前記最大圧力となるときのオイルリ
ングの位置は、前記トップリングが上死点にある位置の
クランク角を0度としたとき、当該クランク角が20度
近辺である前記(1)のシリンダブロック。
【0014】(3)前記頭部領域の面粗度Raは、0.
15〜1μmであり、他の基部領域の面粗度Raが、
0.1μm未満である(1)又は(2)のシリンダブロック。
【0015】(4)面粗度大用砥石と面粗度小用砥石と
を同一ホーニングヘッドに設け、前記面粗度小用砥石の
軸方向長さは、ボア内周面に沿って摺動するピストンリ
ングのトップリングが上死点となる位置から燃料の燃焼
によりボア内が最大圧力となるときのオイルリングの位
置までのボア内周面頭部領域に相当する軸方向長さ分だ
け面粗度大用砥石の軸方向長さより短くしたことを特徴
とするシリンダブロックの成形装置。
【0016】(5)ボア内周面の頂端部から基端部に向
けて内径が漸減するテーパ状にボア内周面全面を面粗度
大用砥石により加工する第1工程と、前記ボア内周面に
沿って摺動するピストンリングのトップリングが上死点
となる位置から燃料の燃焼によりボア内が最大圧力とな
るときのオイルリングの位置までのボア内周面頭部領域
からボア内周面の基端までを面粗度小用砥石により加工
する第2工程と、からなるシリンダブロックの成形方
法。
【0017】(6)前記面粗度小用砥石は、ホーニング
ヘッドに複数個設けられ、各面粗度小用砥石の下端が前
記ホーニングヘッドの下端に設けられ、各面粗度小用砥
石上端における軸方向長さの変化代(ΔL)が、加工時
のストローク量の変化代(ΔS)より大きくなるように
したことを特徴とする前記(5)のシリンダブロックの成
形方法。
【0018】(7)前記面粗度小用砥石は、前記頭部領
域に対する拡張圧力が当該頭部領域から基端の基部領域
より弱くなるようにしたことを特徴とする前記(5)又は
(6)のシリンダブロックの成形方法。
【0019】
【発明の効果】請求項1,2,3に記載の発明では、ト
ップリングが上死点となる位置から燃料の燃焼によりボ
ア内が最大圧力となるときのオイルリングの位置までの
ボア内周面頭部領域、つまり、トップリングが上死点に
ある位置とクランク角が20度近辺にあるオイルリング
の位置との間の頭部領域を、当該頭部領域から基端の基
部領域より面粗度を大きく、例えば、頭部領域の面粗度
Raが0.15〜1μm、他の基部領域の面粗度Ra
が、0.1μm未満としたので、エンジンが最も摩擦損
失や耐スカッフ性を高める必要がある領域に多量のオイ
ルを保持でき、エンジン特性に合った面粗度を有するシ
リンダブロックとすることができる。
【0020】したがって、耐スカッフ性が要求される部
分での信頼性を確保しつつオイルの消費が低減し、HC
量等の発生を抑制することになる。
【0021】請求項4に記載の発明では、ボア内周面の
面粗度が部分的に異なるシリンダブロックを形成する場
合に、面粗度小用砥石の軸方向長さが頭部領域に相当す
る軸方向長さ分だけ面粗度大用砥石より短くしたので、
面粗度が大から小に変化する部分を段差なく滑らかに徐
々に変化させることができる。また、ストロークの範囲
を規制されることもないので、作業性が低下することも
ない。さらに、砥石全面を使用するので、砥石の偏摩耗
による寿命の低下を防止でき、量産性の低下を来たすこ
ともない。
【0022】請求項5に記載の発明では、まず、ボア内
周面全体をテーパ状に面粗度大で成形し、次に、面粗度
小の部分を所定径に削落する加工としたので、面粗度大
の頭部領域と面粗度小の基部領域を簡単に成形でき、し
かも面粗度の変化部分も段差なく徐々に滑らかに面粗度
が変化するように加工できる。また、作業性、量産性の
点でも問題を生じることがない。
【0023】また、面粗度小用砥石をボア内周面下面で
拡張し加工を開始すると、ホーニングヘッドとボア内周
面の軸心を一致させることができ、ボアの偏り加工を防
止でき、面粗度のバラツキも抑制でき、精度のよいボア
内周面に仕上げることができ、加工自体も容易でコスト
的に有利となる。
【0024】請求項6に記載の発明では、複数の面粗度
小用砥石で加工するとき、各砥石の軸方向長さの変化代
がストロークの変化代より大きくすると、面粗度の変化
部分において砥石が加工する回数が変化し、面粗度の変
化部分がより滑らかな変化となり、段差が生じにくく、
製造時の信頼性が向上する。
【0025】請求項7に記載の発明では、面粗度小用砥
石の頭部領域側拡張圧力を他の基部領域側加圧力より弱
くすれば、面粗度の変化部分がより滑らかな変化となり
面粗度のバラツキを抑制でき、一層滑らかで精度のよい
ボア内周面に仕上げることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、添付した図面を参照して、
本発明の実施の形態を説明する。 <シリンダブロックの構造>図1は本発明の実施の形態
を示すシリンダブロックの断面図であるが、図1におい
ては、シリンダブロック1のボア2内において上死点の
位置にあるピストン3と、ピストンリングR(トップリ
ングRt,セカンドリングRs,オイルリングRoの総
称)が示されている。また、ボア2の内周面2aの一部
は面粗度が大きいことが容易に分るように一部誇張して
図示している。
【0027】本実施の形態に係るシリンダブロック1
は、ボア2内にピストン3が設けられ、このピストン3
の頭部に3本のピストンリングRが設けられているが、
ボア2の内周面2aに沿って摺動するピストンリングR
の内、トップリングRtが上死点となる位置(実線の位
置)から下方の所定範囲(以下単に「頭部領域T」と称
する)のボア内周面2aにおける面粗度が当該頭部領域
から基端の基部領域Bより「大」とされている。
【0028】ここに、「頭部領域T」とは、トップリン
グRtが上死点にある位置と、ボア2内に噴射された燃
料が燃焼することによりピストン3が上死点の位置から
下降し、ボア2内が最大の圧力及び温度となった時点で
のオイルリングRoの位置との間の領域をいい、「基部
領域B」とは、ボア2内が最大の圧力及び温度となった
時点でのオイルリングRoの位置から基端4までの間の
領域をいう。
【0029】エンジンは、ピストン3が上死点にあると
きにボア2内が最大圧力、最高温度になるものではな
く、ピストン3が上死点から僅かに下降したときに圧力
及び温度が最高になる。
【0030】図2は同シリンダブロックにおける燃焼圧
とクランク角の関係を示すグラフであるが、この図に示
すように、エンジンにおけるボア2内での燃焼圧Pは、
ピストン3が上死点にあるとき(クランク回転角θが0
度の場合)から急激に立ち上がり、僅かにピストンが下
降したとき(クランク回転角約20度の場合)が最高に
なる。勿論、圧力のみでなく温度も最高になる。
【0031】したがって、シリンダブロック1とピスト
ンリングRとの間の摩擦損失や耐スカッフ性を高める必
要がある部分は、トップリングRtが上死点にある位置
から、ピストンリングRの最下位のものであるオイルリ
ングRoがクランク回転角約20度の位置となる前記頭
部領域Tに相当するボア内周面2aとすることが好まし
い。つまり、頭部領域Tのボア内周面2aにおける面粗
度をボア内周面2aの基部領域Bより「大」とすれば、
ここにオイルが保有されやすくなり、ピストンリングR
との間の摩擦損失や耐スカッフ性を高めることができ
る。
【0032】ここにおいて、最も好ましいボア内周面2
aの面粗度Raの範囲を図3(A)及び図3(B)にて
説明する。
【0033】図3(A)、図3(B)は、シリンダボア
がFCA材、ピストンがアルミニウム材のエンジンを5
00〜10000rpm程度に回転させて実験を行な
い、面粗度に対する耐スカッフ荷重及びオイル消費量の
関係、基部領域面粗度に対するHC量の関係をそれぞれ
求めて示したものである。
【0034】図3(A)に示すように、面粗度が小さい
ほど耐スカッフ性は低下する反面、オイル消費量は低減
できる。逆に、面粗度が大きいほど耐スカッフ性は向上
する反面、潤滑オイルの消費量は多くなる。
【0035】すなわち、ボア2表面の微細な凹凸部の凹
部内に潤滑オイルが残留するので、面粗度が小さいと、
潤滑オイルの残留量が少ないことから、潤滑性が低下し
て耐スカッフ性が低下する反面、オイル消費量は低減で
きる。逆に、面粗度が大きいと、潤滑オイルの残留量が
多くなることから、潤滑性が高くなり耐スカッフ性が向
上し、潤滑オイルの消費量は多くなるのである。
【0036】ここで、図2に示すように、エンジンにお
けるボア2内での燃焼圧P(及び温度)は、最大ピスト
ン3のトップリングRtがクランク回転角で0度から急
激に立ち上がり、20度で最高値になる。そのため、こ
の区間においては、最もピストン3がボア2内で耐スカ
ッフ性(耐焼付き性)を高める必要がある。そして、図
3(A)に示すように、面粗度Raが0.15μm未満
の場合には、耐スカッフ性の面で十分な効果が認められ
ず、それ以上であれば焼付き防止効果が高い。しかし、
面粗度が大き過ぎると、必要以上に潤滑オイルが表面に
残留し、オイル消費量が多くなるので、実用上の消費量
を考察すると、1μmが限度である。
【0037】以上の理由で、頭部領域Tの面粗度Raを
0.15μm〜1μmの範囲とするのが最も好ましい。
【0038】また、基部領域Bにおいては、ピストンリ
ングRとボア2の内周面2aとの間の相対速度が高く、
油膜も形成されやすい上、燃焼圧力も低いことから、耐
スカッフ性をさほど高める必要はなく、オイル消費量を
より低減させるのが好ましく、実用上ではオイル消費量
を十分少なくでき、さらに後述するHC量をも考慮して
0.1μm以下が最も好ましい。
【0039】このように本シリンダブロックでは、ピス
トンリングRのボア内での摺動時に耐スカッフ性が要求
される上死点付近での信頼性が高められ、基部領域Bの
面粗度RaによりHC量対策等の排気に関する性能も向
上することになり、また、オイル消費あるいはフリクシ
ョン等に関する性能も向上することになる。 <成形装置>次に、前記頭部領域Tを有するシリンダブ
ロックの成形装置について説明する。
【0040】図4は本発明の実施形態に係るシリンダブ
ロックの成形装置を示す概略図、図5は同成形装置のホ
ーニング加工状態を示す断面図、図6は図5の6−6線
に沿う概略断面図である。
【0041】本実施形態のシリンダブロックの成形装置
10は、図4に示すように、ホーニングヘッド部20と
制御部40とを有している。ホーニングヘッド部20
は、主軸21の下端に連結された本体22を有してい
る。
【0042】この本体22は、上下のフランジ23,2
4間に円筒状部25が設けられたもので、この円筒状部
25には放射状に当該円筒状部25を貫通する多数の溝
部が形成されている。この溝部内に薄肉で中心部分から
放射状に突出されたテーパコーン26,27(図6参
照)が設けられ、このテーパコーン26,27のテーパ
面26a,27aに、前記フランジ23,24間に設け
られた砥石台28,29の内面側に2段形成されたテー
パ面28a,29aが当接されている。
【0043】なお、前記下部フランジ24には中央に通
孔30が開設され、この通孔30にテーパコーン26,
27の下端部が挿通し、当該テーパコーン26,27が
本体22内で軸方向に移動可能となっている。
【0044】これらテーパコーン26,27の軸方向移
動は,各上端に一体的に形成された押棒26b,27b
を後述する制御部の拡張モータ44,45の作動により
それぞれ独立に行なう。各テーパコーン26,27の軸
方向往復移動により両テーパ面26a,27a及び28
a,29aを介して砥石台28,29が本体22内で半
径方向に拡張縮小するようになっている。
【0045】なお、この押棒26b,27bの駆動に
は、拡張モータ44,45のみでなく、バネ、油圧装置
(いずれも図示せず)等を使用してもよい。
【0046】これら砥石台28,29の外周面には、図
5,6に示すように、面粗度大用砥石12a(図6にお
いては砥石表面を誇張して示している)と面粗度小用砥
石12bが接着あるいはネジにより固定されているの
で、前記砥石台28,29の拡張縮小によりホーニング
砥石12a,12bがシリンダブロック1のボア内周面
2aに対し接離するようになる。
【0047】特に、本実施形態では、面粗度小用砥石1
2bの軸方向長さbが頭部領域Tの軸方向長さ分tだけ
面粗度大用砥石12aの軸方向長さaより短くしてい
る。
【0048】前述のように本実施形態のシリンダブロッ
ク1は、頭部領域Tの面粗度が大きく、基部領域Bの面
粗度が小さいことから、ボア内周面全体を一括して加工
することはできない。
【0049】このため、面粗度大用砥石12aと面粗度
小用砥石12bとを同一ホーニングヘッド部20に設
け、該面粗度小用砥石12bの軸方向長さbが頭部領域
Tの軸方向長さt分だけ面粗度大用砥石12aの軸方向
長さaより短くし、これにより面粗度大用砥石12aで
加工した後に面粗度小用砥石12bで加工する場合、上
下ストロークにより面粗度大部分から面粗度小部分に変
化する部分の円滑化を図っている。
【0050】ここにおいて、面粗度大用砥石12aとし
ては、例えば、♯150〜300程度のものを使用する
ことが好ましく、面粗度小用砥石12bとしては、例え
ば、♯500〜1500程度のものを使用することが好
ましい。
【0051】なお、本実施形態では、シリンダブロック
1の内径寸法を測定するエアーマイクロ31が設けられ
ている。
【0052】一方、前記制御部40は、各種制御を実行
する演算制御部41と、面粗度大用砥石12aのストロ
ーク位置を検出し、該検出されたストローク位置に基づ
くストローク信号を演算制御部41へ出力するストロー
ク位置検出器42と、エアーマイクロ31からの情報信
号に基づきシリンダブロック1における内径寸法の測定
結果を演算制御部41へ出力する流量計43と、演算制
御部41から出力される信号により駆動され、各砥石台
28,29の拡張量を操作する拡張モータ44,45
と、演算制御部41から出力される信号によりストロー
クを操作するストローク操作部46と、主軸21を回転
させる主軸回転モータ47とから構成されている。
【0053】このように構成された成形装置10の動作
を説明する。
【0054】まず、拡張モータ44,45によりテーパ
コーン26,27を上昇し、砥石台28,29を本体2
2の内方へ移動することにより縮径した状態とする。こ
の状態から、図5に示すように、シリンダブロック1の
ボア2内にホーニングヘッド部20を挿入する。
【0055】次に、拡張モータ45を逆転することによ
りテーパコーン27を軸方向の下方に向かって本体22
内に押し込むと、テーパ面27a及び29aを介して砥
石台29が半径方向外方へ押し拡げられ、面粗度大用砥
石12aがボア内周面2aと接触し、主軸21から本体
22に伝達される回転運動と軸方向往復運動によって粗
加工を実行する。
【0056】ここで、ストローク位置検出器42が押棒
27bのストローク位置を検出すると共にエアーマイク
ロ31を用いてボアの内径を測定し、流量計43により
計測値を演算制御部41へ出力する。
【0057】演算制御部41が所定の演算処理後、スト
ローク操作部46に対して信号を出力し、この信号に基
づいてストローク操作部46は、ボア内径が所定値とな
るようにストローク中心位置およびストローク長を制御
する。
【0058】粗加工が完了すると、仕上げ加工を実行す
る。仕上げ加工に当っては、まず、拡張モータ44を逆
転する。これによりテーパコーン26が軸方向の下方に
向かって本体22内に押し込まれ、両テーパ面26a及
び28aを介して砥石台28が半径方向外方へ押し拡げ
られ、面粗度小用砥石12bがボア内周面2aと接触す
る。この状態で、主軸21を駆動すると、この主軸21
から本体22に伝達される回転運動と軸方向往復運動に
よって仕上げ加工が行なわれる。
【0059】ここでも、ストローク位置検出器42が押
棒26bのストローク位置を検出すると共にエアーマイ
クロ31を用いてボアの内径を測定し、流量計43によ
り計測値を演算制御部41へ出力し、ストローク操作部
46が、ボア内径が所定値となるようにストローク中心
位置およびストローク長を制御する。
【0060】本実施形態では、面粗度小用砥石12bの
軸方向長さbが前記頭部領域Tの軸方向長さ分tだけ面
粗度大用砥石12aの軸方向長さaより短くしているの
で、仕上げ加工時に頭部領域Tと基部領域Bとの間の変
化部Hが滑らかに変化するように加工されることにな
る。
【0061】また、ホーニングヘッド20とボア内周面
2aの軸心を一致させることができるので、ボア2の偏
り加工を防止でき、さらに、砥石台28,29の半径方
向外方へ拡張圧力やストローク長の調整によってもシリ
ンダブロック1の面粗度を頭部領域Tから面粗度小の他
の部分にかけて滑らかに変化させることができることに
なる。
【0062】しかも、ストロークの範囲を規制されるこ
ともないので、作業性が低下することもなく、砥石全面
を使用するので、砥石の偏摩耗による寿命の低下を防止
でき、量産性の低下を来たすこともない。 <成形方法1>前記成形装置では、シリンダブロック1
のボア内周面2aを面粗度大用砥石12aと面粗度小用
砥石12bとを選択的に使用することにより加工してい
るが、ボア内周面2aをテーパ状にした後に仕上げ加工
を行なえばより容易に成形できる。
【0063】図7は本発明に係るシリンダブロック成形
方法の第1実施形態における第1段階のシリンダブロッ
クを示す断面図、図8は同実施形態における第2段階の
シリンダブロックを示す断面図であるが、これら各図に
おいて付された符号は、図1〜6に示す部材と共通する
部材には同一符号を付している。また、ボア2の内周面
2aは面粗度が大きいことが容易に分るように一部誇張
して図示している。
【0064】本成形方法では、シリンダブロック1のボ
ア内周面2aを二段階に分けて加工する。まず、第1段
階の加工は、図7に示すように、シリンダブロック1の
ボア内周面2aをテーパ状に粗加工する。ここに、テー
パ状とは、図示のようにボア内周面2aの頂端部から基
端部つまりクランク側に向けてボア内径が漸減すること
をいい、頂端部側の半径が基端部側の半径よりΔdだけ
大きくなるようにしている。
【0065】第2段階の加工は、図8に示すように、前
記頭部領域Tの下部から基部領域Bのボア内周面をスト
レートに仕上げ加工する。
【0066】さらに、前記図4を参照しつつ、図9によ
り同成形方法を詳述する。
【0067】図9は同実施形態のフローチャート、図1
0は同実施形態の砥石ストロークと時間の関係を示す説
明図、図11は同実施形態の砥石ストロークと拡張圧力
の関係を示す説明図である。
【0068】まず、両拡張モータ44,45によりテー
パコーン26,27を上昇し、砥石台28,29を本体
22の内方へ移動することにより砥石台28,29を内
方移動つまり縮径した状態としてシリンダブロック1の
ボア内にホーニングヘッド部20を挿入する(ステップ
1)。
【0069】次に、面粗度大用砥石12aの拡張モータ
45を逆転することによりテーパコーン27を、軸方向
の下方に向かって本体22内に押し込むと、両テーパ面
27a及び29aを介して砥石台29が半径方向外方へ
押し拡げられる(ステップ2)。
【0070】面粗度大用砥石12aがボア内周面2aと
接触状態となると、この状態を保って主軸21から本体
22に伝達される回転運動と軸方向往復運動によって第
1段階の加工を実行する。
【0071】この第1段階の加工では、ボア内周面2a
全面を面粗度大用砥石12bにより粗加工しているの
で、ボア内周面2aの面粗度は、全面に渡り「大」とな
るが、ここでの面粗度Raは、前述と同様、0.15〜
1μm程度とする。
【0072】加工開始と同時に、ストローク位置の調整
を行なう(ステップ3)。ストローク位置の調整は、ス
トローク位置検出器42により押棒26b,27bのス
トローク位置を検出すると共にエアーマイクロ31を用
いてボアの内径を測定し、所定のテーパ状に成形されて
いるか否かを判断することにより行なう(ステップ
4)。
【0073】演算制御部41は、ストローク位置検出器
42からの信号を所定の演算処理した後、ストローク操
作部46に対して信号を出力し、この信号に基づいてス
トローク操作部46は、主軸21のストロークを制御す
る。また、エアーマイクロ31によるボア2の内径を測
定し、流量計43により計測値を演算制御部41へ出力
する。
【0074】ボア2が所定のテーパ状に成形されていな
ければ、ステップ2に戻り、ストローク長の調整及びボ
ア内径の測定操作を繰り返し行なう。所定のテーパ状で
あれば、第2段階の加工を開始することになる。
【0075】第2段階の加工は、既にホーニングヘッド
部20がシリンダブロック1のボア内に挿入された状態
であるため、まず、面粗度大用砥石12aの縮小から開
始する(ステップ5)。面粗度大用砥石12aの縮小
は、拡張モータ45を回転し、テーパコーン27を、軸
方向の上方に向かって引き上げ、バネなどにより砥石台
29が半径方向内方へ移動する。
【0076】面粗度大用砥石12aが縮小された後、面
粗度小用砥石12bを拡張する(ステップ6)。面粗度
小用砥石12bの拡張は、拡張モータ44を逆転し、テ
ーパコーン26を、軸方向の下方に向かって本体22内
に押し込む。これにより両テーパ面26a及び28aを
介して砥石台28が半径方向外方へ押し拡げられ、面粗
度小用砥石12bが上下等しく拡張される。この面粗度
小用砥石12bの拡張は、ボア内周面2aがテーパ状と
なっているため、面粗度小用砥石12bがボア内周面下
端において行なうことが好ましい。
【0077】面粗度小用砥石12bがシリンダブロック
1と接触状態となると、この状態を保って主軸21から
本体22に伝達される回転運動と軸方向往復運動によっ
て第2段階の加工を実行する。
【0078】本実施形態では、第2段階の加工を開始す
る場合、ホーニングヘッドを一旦ボア2内から抜き出す
必要がなく、第1段階の加工完了後、面粗度小用砥石1
2aをボア内周面で拡張して仕上げ加工を開始できるの
で、ホーニングヘッド20とボア2の軸心を一致させる
ことができ、ボアの偏り削りを防止でき、面粗度のバラ
ツキまでも抑制できることになる。
【0079】そして、第2段階の加工の開始と同時に、
ストローク位置の調整(ステップ7)と、面粗度小用砥
石12bの拡張圧力の調整(ステップ8)を行なう。ス
トローク位置の調整は、ストローク位置検出器42によ
り押棒27bのストローク位置を検出すると共にエアー
マイクロ31を用いてボアの代表内径を測定し、所定径
に成形されているか否かあるいは第2段階の加工が所定
時間経過したか否かを判断することにより行なう(ステ
ップ9)。
【0080】ここにおいて、演算制御部41は、ストロ
ーク位置検出器42からの信号を所定の演算処理した
後、ストローク操作部46に対して信号を出力し、この
信号に基づいてストローク操作部46は、主軸2のスト
ロークを制御する。また、エアーマイクロ31によるボ
ア2の内径を測定し、流量計43により計測値を演算制
御部41へ出力する。
【0081】ボア2が所定径に成形されていないかある
いは第2段階の加工が所定時間経過していなければ、ス
テップ6に戻り、ストローク長の調整及びボア内径の測
定操作を繰り返し行なう。所定径となるかあるいは所定
時間経過すれば、加工を終了する。
【0082】この第2段階の加工では、面粗度小用砥石
12aにより仕上げ加工しているので、頭部領域T以外
の基部領域Bの面粗度は、「小」となる。この基部領域
Bの面粗度Raは、前述のように0.1μm未満とす
る。
【0083】ただし、当該砥石12aが加工していない
部分である頭部領域Tの面粗度は、面粗度大のままとな
るが、面粗度大領域から面粗度小領域に移行する変化部
Hにおいては、当初前記ボア内周面2aの形状をテーパ
状としているために、図8に示すように面粗度が徐々に
変化し、加工の段差を生じることなく円滑に成形され
る。
【0084】また、この第2段階の加工において、面粗
度大用砥石12aより軸方向長さが短い面粗度小用砥石
12bを用いて加工すれば、図10に示すように、砥石
の位置出しを行なった後、通常の仕上げ加工に移るが、
ホーニングヘッド部20のストロークが上方に移行する
に従い、面粗度小用砥石12bの上部が徐々に頭部領域
Tに入り込み、前記変化部Hの平滑化加工を行なうこと
なる。ただし、面粗度小用砥石12bの加工ストローク
は、頭部領域Tの大きな面粗度を潰さないために、不必
要に頭部領域Tに入り込むことは好ましくなく、シリン
ダヘッド1の上端を上限とし、これを超えないようにす
ることが好ましい。
【0085】このようにすれば、面粗度大の部分から面
粗度小の部分への変化部Hが極めて滑らかで段差なく変
化させることができる。
【0086】また、図11に示すように、この加工時の
面粗度小用砥石12bに対する拡張圧力を、前記頭部領
域Tの近傍となるほど小さくしてもよい。このようにす
れば、さらに前記変化部Hが滑らかで段差なく変化させ
ることができることになり一層好ましいものとなる。
【0087】このように本実施形態では、面粗度小用砥
石12bの軸方向長さbが頭部領域Tの軸方向長さ分t
だけ面粗度大用砥石12aの軸方向長さaより短くし、
面粗度大用砥石12aによりテーパ状に仕上げた後に面
粗度小用砥石12bで所定のボア径となるようにしてい
るので、頭部領域Tは面粗度大の砥石12aのみにより
加工され、基部領域Bは面粗度小の砥石12bにより加
工され、面粗度大の部分から面粗度小の部分への変化部
Hは極めて滑らかで段差なく変化させることができるこ
とになる。 <成形方法2>前記成形方法1は、面粗度小用砥石12
bの軸方向長さbは、面粗度大用砥石12aの軸方向長さ
aよりtだけ短くしたものであるが、各面粗度小用砥石
12bの軸方向長さbは全て同じである。しかし、ホー
ニングヘッド部20に複数設けられている面粗度小用砥
石12bの軸方向長さbは、種々変化させることがより
好ましい。
【0088】図12は同実施形態の砥石の配列状態を示
す水平断面図、図13は同実施形態の砥石の配列状態を
示す側面図、図14は同実施形態の砥石ストロークと時
間の関係を示す説明図である。
【0089】図12に示すように、ホーニングヘッド部
20は、砥石台28,29の外周面に複数個の面粗度大
用砥石12aと面粗度小用砥石12bが交互に設けられ
ているが、面粗度大用砥石12aの軸方向長さaは、全
て同じ長さであるが、面粗度小用砥石12bは、図13
に示すように、軸方向長さbがそれぞれ異なる面粗度小
用砥石12b1,12b2,12b3とされている。
【0090】このような面粗度小用砥石12b1〜12b3
を用いて加工すれば、図14に示すように、砥石の位置
出しを行なった後、通常の仕上げ加工に移るが、ホーニ
ングヘッド部20のストロークが上方に移行するに従
い、面粗度小用砥石12b1〜12b3の上部が頭部領域T
に入り込み、変化部Hの平滑化加工を行なうことなる。
【0091】ただし、面粗度小用砥石12b1〜12b3
加工ストロークは、頭部領域Tの大きな面粗度を潰さな
いために、不必要に頭部領域Tに入り込むことは好まし
くなく、シリンダヘッド1の上端を上限とし、これを超
えないようにすることが好ましい。
【0092】この場合、面粗度小用砥石12b1〜12b3
における各軸方向長さbの変化代(ΔL)は、図14に
示す加工時のストローク量の変化代(ΔS)より大きく
することが好ましい。ΔL>ΔSであれば、加工時に面
粗度大の頭部領域Tに各面粗度小用砥石12b1〜12b3
の上端が異なる砥石で加工することになり、面粗度大か
ら小への変化部Hが一層滑らかに変化するように仕上げ
ることができるからである。
【0093】この場合の面粗度小用砥石12bの加圧力
も、前記頭部領域Tに近い側が基部領域B側より弱くな
るようにすれば、前記変化部Hの滑らかさはさらに助長
されることになり、好ましい。
【0094】本発明は、上述した実施形態のみに限定さ
れるものではなく、特許請求の範囲内で種々改変使用す
ることができる。例えば、上記した実施形態は、シリン
ダヘッドを上下に設置して加工する場合であるが、本発
明は、これのみに限定されるものではなく、シリンダヘ
ッドの設置状態は左右あるいは斜め等適宜選択できるも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態を示すシリンダブロック
の断面図である。
【図2】 同シリンダブロックにおける燃焼圧とクラン
ク角の関係を示すグラフである。
【図3】 Aは頭部領域の面粗度と耐スカッフ性及びオ
イル消費量との関係を調べた実験結果を示すグラフ、B
は基部領域の面粗度と排気ガス中に含まれるHC量との
関係を調べた実験結果を示すグラフである。
【図4】 本発明のシリンダブロックの成形装置を示す
概略図である。
【図5】 同成形装置によりホーニング加工状態を示す
断面図である。
【図6】 図5の6−6線に沿う概略断面図である。
【図7】 シリンダブロック成形方法の第1実施形態に
おける第1段階でのシリンダブロックを示す断面図であ
る。
【図8】 同実施形態における第2段階でのシリンダブ
ロックを示す断面図である。
【図9】 同実施形態のフローチャートである。
【図10】 同実施形態の砥石ストロークと時間の関係
を示す説明図である。
【図11】 同実施形態の砥石ストロークと拡張圧力の
関係を示す説明図である。
【図12】 同実施形態の砥石の配列状態を示す水平断
面図である。
【図13】 同実施形態の砥石の配列状態を示す側面図
である。
【図14】 同実施形態の砥石ストロークと時間の関係
を示す説明図である。
【符号の説明】
2…ボア、 2a…ボア内周面、 4…基端、 12a…面粗度大用砥石、 12b…面粗度小用砥石、 20…ホーニングヘッド、 a…面粗度大用砥石の軸方向長さ、 b…面粗度小用砥石の軸方向長さ、 B…他の基部領域、 Ra…面粗度、 Rt…トップリング、 T…ボア内周面頭部領域、 t…頭部領域の軸方向長さ、 θ…クランク角。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボア内周面に沿って摺動するピストンリ
    ングのトップリングが上死点となる位置から燃料の燃焼
    によりボア内が最大圧力となるときのオイルリングの位
    置までのボア内周面頭部領域を、当該頭部領域から基端
    の基部領域より面粗度を大きくしたことを特徴とするシ
    リンダブロック。
  2. 【請求項2】 前記最大圧力となるときのオイルリング
    の位置は、前記トップリングが上死点にある位置のクラ
    ンク角を0度としたとき、当該クランク角が20度近辺
    である請求項1に記載のシリンダブロック。
  3. 【請求項3】 前記頭部領域の面粗度Raは、0.15
    〜1μmであり、他の基部領域の面粗度Raが、0.1
    μm未満である請求項1又は2に記載のシリンダブロッ
    ク。
  4. 【請求項4】 面粗度大用砥石と面粗度小用砥石とを同
    一ホーニングヘッドに設け、前記面粗度小用砥石の軸方
    向長さは、ボア内周面に沿って摺動するピストンリング
    のトップリングが上死点となる位置から燃料の燃焼によ
    りボア内が最大圧力となるときのオイルリングの位置ま
    でのボア内周面頭部領域に相当する軸方向長さ分だけ面
    粗度大用砥石の軸方向長さより短くしたことを特徴とす
    るシリンダブロックの成形装置。
  5. 【請求項5】 ボア内周面の頂端部から基端部に向けて
    内径が漸減するテーパ状にボア内周面全面を面粗度大用
    砥石により加工する第1工程と、 前記ボア内周面に沿って摺動するピストンリングのトッ
    プリングが上死点となる位置から燃料の燃焼によりボア
    内が最大圧力となるときのオイルリングの位置までのボ
    ア内周面頭部領域からボア内周面の基端までを面粗度小
    用砥石により加工する第2工程と、からなるシリンダブ
    ロックの成形方法。
  6. 【請求項6】 前記面粗度小用砥石は、ホーニングヘッ
    ドに複数個設けられ、各面粗度小用砥石の下端が前記ホ
    ーニングヘッドの下端に設けられ、各面粗度小用砥石上
    端における軸方向長さの変化代(ΔL)が、加工時のス
    トローク量の変化代(ΔS)より大きくなるようにした
    ことを特徴とする請求項5に記載のシリンダブロックの
    成形方法。
  7. 【請求項7】 前記面粗度小用砥石は、前記頭部領域に
    対する拡張圧力が当該頭部領域から基端の基部領域より
    弱くなるようにしたことを特徴とする請求項5又は6に
    記載のシリンダブロックの成形方法。
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